稽古日誌:2000年2月

道場開設後はや二年と九ヶ月、 なんだか壁紙もススケた感じがしてきたので思い切って全部張り替えた。 ちょいと明るく垢抜けた感じになって、 なんだか『安ワイン道場2000』とかみたいなモダンなサイト名がお似合いだNe!


翌月分


29日(水)

Santa Cristina 1997
サンタ・クリスティーナ 1997
Antinori
アンティノリ
Rosso
(IGT)
(インディカツッイオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
\9802000/02/12 La Cave de やまや 渋谷やまや
トスカーナの名士"アンティノリ"が作る安ワインであるサンタ・クリスティーナは、 1997を昨年稽古済み。 それにしても、昨年と今年では(買った店が違うので)値段が倍近くも違う。 違うと言えば、1996はアルコール度数12%、1997が12.5%。 1997の方が良い年なのかなぁ。
色は結構青い。あんまりイタリアらしさを感じさせない色。 香りはあんまり強くない。汗臭いような、鉄みたいな、ドブっぽい感じの香り。 そう表現するとスッゲーひどい臭いっぽいけど、実際そこそこまともな香り。 味は結構良い感じ。酸味も渋味も控えめで、主体として感じるのは甘味。 パワフルさとかはないんだけど、人懐っこくてスルスル飲める。
値段を考えれば相当イケテる部類に入ると思う。でも、なんだか全力投球してないというか、 アンティノリ氏が『これが気に入ったらもうちょっと高いのも買ってね』って言っているような、 意図的に抑えた雰囲気を感じるのは師範だけだろうか?
73点自宅にて

27日(日)

Frascati Superiore 1998
フラスカーティ・スペリオーレ 1998
Fontana Candida
フォンタナ・カンディーダ
Bianco
Frascati Superiore
フラスカーティ・スペリオーレ
Lazio (Italia)
ラツィオ (イタリア)
\8902000/02/12 ナショナル麻布モンテ物産
本日の釣果は、体長10~15cmくらいの小さなイワシ。 そのイワシの唐揚げと梅肉煮に合わせたのは当然白ワイン。 チョイスしたのは、DOC的には安いだけが取り得なワインの代表フラスカーティなんだけど、 ボトルがモダンなイタリア物らしくスラッと背が高いし厚みもあるし彫り物まで施してある高級っぽい感じだし、 コルクなんかもちゃんとしてるんでやや期待。
…だったんだけど、やっぱいわゆるフラスカーティでした。 もうこれ以上は無いってくらい普通っぽい色/味/香り。 「世界平凡ワイン選手権大会」なんのがあったら間違いなく上位に食い込むだろうなぁ、 フラスカーティって。
まぁクセとかは皆無ゆえ、魚料理には良いと思うけどね。
このワイン、実は門下生のお勧めでした。 師範ごときにはこのワインの秀でた部分は見つけられなかったなぁ。
66点自宅にて

25日(金)

Montheaven California Syrah 1996
モントヘヴン カリフォルニア・シラー 1996
Montheaven Vinyards
モントヘヴン・ヴィンヤーズ
Red

California (USA)
カリフォルニア (アメリカ合衆国)
\1,1802000/02/12 La Cave de やまや 渋谷やまや
濃緑地に金色の縁取りと鹿が跳ねる絵、 金と白の文字というとってもモダンな絵柄はいかにもカリフォルニアワイン。 で、品種の「カリフォルニア・シラー」ってのはいわゆるシラーと同じなんだろうか? まぁ飲めば分かる、ってことで。
色は濃い。濃いけど、原色文化の国アメリカを象徴するようなストレートな真紫。 香りはやっぱり甘ぁい樽香。甘酸っぱい果実香もあって、ボリュームという意味でも結構良い感じ。 …なんだけど、問題なのはその味。「きっとドッチリ甘酸っぱいんだろうなぁ」と思ってたけど、 実際はとーってもへらっへら。香りからするとホントに拍子抜けするくらい薄っぺらい味わい。
このワインを口にして、師範代は「"マスカット・ベリーA"のようだ」とのたまった。 たしかに口にした直後の雰囲気はソレ風。というわけで、「カリフォルニア・シラー = ベリーA」 ってのはいかがでしょうか?
なんてことは置いておいても、やっぱりイマイチかなぁ。香りは良いんだけどね。
65点自宅にて

23日(水)

Bodega Norton Privada 1995
ボデガ・ノートン プリバーダ 1994
Bodega Norton
ボデガ・ノートン
Tinto
Mendoza (Algentina)
メンドーサ (アルゼンチン)
\1,7822000/01/21 エノテカ高輪ウィング店エノテカ
で、昨日チョイスしなかったアルゼンチン・ワインがこれ。 このワインは、 先日カベルネ・ソーヴィニョンで相当好印象だったボデガ・ノートンの高級版で、 品種的にはメルロー, カベルネ・ソーヴィニョン, マルベックの混醸。 当然期待して抜栓。
…だったんだけど、コルクの裏にびっしり酒石が付いてたのでちょっと心配しつつ…
色はかなり濃く暗い紫。エッジが茶色がかってて、いわゆる濃いだけの南米ワインとはちょっと一味違いそう。 香りはなかなかなもの。抜栓直後は「あ、アップルパイ」的な香りがしたんだけど、 飲み進めるとミルクみたいな樽香が感じられるようになる。 もちろん良い南米産特有の甘酸っぱい感じの濃いベリー香も健在。 味も良い感じ。「ボルドーっぽいのかなぁ」なんて思ってたけど、やっぱり南米風の甘酸っぱい雰囲気。 でも単に甘酸っぱいだけじゃなくて、結構しっかりしていつつもトゲの無い渋味が 「良い赤ワイン飲んでるぞー」って気持ちにさせてくれる。
3時間以上かけて飲んだけど、基本的な印象は同じ。グラスに注いだ後は結構(酸味方向へ)変化するけどね。
良い感じですよ。1,782円(通常時1,980円)という南米産としては結構背伸びした値段だけど、 それを考えても飲む価値アリだと思う。
78点自宅にて

22日(火)

Nebbiolo d'Alba 1996
ネッビオーロ・ダルバ 1996
Lanzavecchia
ランツァヴェッキア
Rosso
Nebbiolo d'Alba
ネッビオーロ・ダルバ
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
\1,1802000/02/12 La Cave de やまや 渋谷やまや
今日の夕食(夜食)である鶏のモモ焼きに合わせるべきワインを、 アルゼンチンの2,000円弱のワインとこれと迷ったんだけど… やっぱり安いほうに手が伸びてしまうなぁ。チャッキチャキの貧乏性。
色は薄め。ハッキリとオレンジがかった感じがあって、まるで熟成ブルゴーニュのような色合い。 香りは弱め。有機溶剤系ではあるけどちょっとベタな、ペンキみたいな雰囲気のある香り。 良い感じのブルゴーニュみたいなシンナーっぽい澄んだ香りと比べるとずいぶん庶民的な香り。 味は薄め。酸味が中心でやっぱイタリアーノ。
抜栓直後はやや甘くて心地よい感じもあったけど、時間が経つほど酸味が突出してくる。 反面、香りのボリュームは時間が経った方が良い感じだったりして。
なんだかちゃんと変化して面白げではあるんだけど、いかんせんその変化の範囲が低レベルかつチグハグ。
66点自宅にて

20日(日)

Domaine de Saline Chardonnay 1998
ドメーヌ・ドゥ・サリーヌ シャルドネ 1998
Dom. de Saline
ドメーヌ・ドゥ・サリーヌ
Blanc
l'Ile de Beaute (VdP)
リル・ドゥ・ボーテ (ヴァン・ドゥ・ペイ)
Corse (France)
コルス (フランス)
\7602000/02/05 関内サンタムールカツミ商会
真鯛のカルパッチョ、クラムチャウダー、タコのプロバンス風グリルに合わせたワインは、 まぁ定石通りっぽく白ワインで。でもコルシカ島の産ってのはちょっと定石に無さそうだけど。
まず色に驚いた。大抵これくらいの値段のワインって、有るか無いか分からないくらいの色なんだけど、 このワインはしっかり黄金色。 香りも分不相応に凄い。蜜香を中心として、ちょっとナッツみたいな香りとか、 小麦粉を焦がしたような(クッキーみたいな)香りとかある。 味もまずまず。ギリッと固い雰囲気ではあるけど、 酸味もあって濃くどっしりとしてるし。
ガッツ溢れつつやり過ぎな感じが無くて、かなりイケてる白。値段を考えれば絶賛に値する。 コルシカ島、"Ile de Beaute"の名に負けず宝島かも。
74点自宅にて

19日(土)

本日は、バンド練習の後ドラムスのO氏と『飯でも食って帰りますか』ということで銀座へ。 テキトーに見つけたのが、「お箸で食べるイタリア料理とワイン」とかなんとか表に書いてあった Queens Cafe 1997というお店。まぁ値段もそんなに高くなさそうだったし、 ワインも飲めそうだったんで入ってみることに。

店の雰囲気は結構イカす。カウンターのみ12席ほどで、バーのような明るさで。 上手く和洋折衷したようなインテリアもなかなかナイス。 ただ、カウンターの内側にいる女性2人の応対が、あまりに無機質的なのがちょっとねぇ。 もっと楽しそうにしてれば良いのに。

男二人で食べたのものは以下。

お値段は、アキレス腱の煮込みが900円、牛ステーキが1,500円、その他はその中間といった値付け。
なんというか、とっても普通の料理。アキレス腱の煮込みは単なる牛スジ煮込みだし、 スパゲティもステーキも家庭で作れそうなもの。要は普通の居酒屋メニューで、 「うーん、美味い!」ってのは無かったけど、まぁ値段的にもそんなもんですかね。

飲み物は、まず下のワインを飲んで、他にはジントニック(900円×2)、 グラスワインの白 [J.Moreauのシャルドネ VdP d'Oc](\1,000円)、 ウーロン茶(800円)。
払ったお金のトータルは3%のサービス料と消費税込みで16,871円。

飲み物が高いからか、結局そこそこの値段になってしまって、 その値段を考えれば正直いってもう行かないでしょうな。

Chianti Riserva Ducare 1995
キアンティ・リセルヴァ・ドゥカーレ 1995
Ruffino
ルッフィーノ
写真無し
Rosso
Chianti Riserva
キアンティ・リセルヴァ
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
(\5,000)2000/02/19 Queens Cafe 1997サントリー
表の入り口前には「ワインと楽しむ…」とかなんとか書いてあったんで、 ワインリストを見せて頂戴、と言ったらリストは無いらしい。 で、なにがあるかというと、赤ワインはたったの3種、どれも5,000円。 イタリア物はこのキアンティだけ、他は見知らぬボルドーとカリフォルニアのフェッツァー。 銘柄から見てサントリーから入れてるのかな。
(実際は全然イタリア料理っぽく無かったけど)「イタリア料理」なわけだから、 当然頼んだのはイタリアのこれ。 ワインの種類は少ないんだけど、グラスはなかなか大きく立派なものなんでちょっと期待。
色はそこそこ濃い赤紫、香りはキアンティらしい干し藁みたいな日向に干した布団みたいな香り。 味は酸が強め。酸っぱいぃ~って程じゃないけど。
キアンティらしいキアンティだと思う。やや軽めで軽快にガブガブいける感じ。 お店の女性は「このイタリア・ワインはフルボディで、他のはミディアム・ボディです。」 なんて言ってたけど、誰がそんなこと教えたんだか。
72点"Queens Cafe 1997"にて

飲み足りず、拙宅で二次会。

Beaune 1994
ボーヌ 1994
Michel Gaunoux
ミシェル・ゴーヌー
Rouge
Beaune
ボーヌ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,8502000/01/19 横浜そごうラックコーポレーション
なんとなくブルゴーニュが飲みたい気分だったんで、チョイスしたのがこのワイン。 造り手のミシェル・ゴーヌーさん、この人もまた名門らしい。
色はやや薄め、というか丁度良い感じの色。 香りはオッケー。スギとかヒノキみたいな針葉樹系の香り(樽香?)と、 涼やかな果実の香りがあって、エレガントって言葉はこういうワインに使うんだろうなぁ、って感じ。 味もエレガント。バランスとかはとっても良いんだけど、ちょっと印象として弱いかなぁ、それが残念。
美味いです、はい。でももう一歩上を期待してた。
80点自宅にて

17日(木)

Jacob's Creek Grenache Shiraz 1999
ジェイコブズ・クリーク グルナッシュ・シラーズ 1999
Orlando Wines
オーランド・ワインズ
Red
Barossa Valley (Austoralia)
バロッサ・ヴァレー (オーストラリア)
\9702000/02/05 関内サンタムールペルノ・リカール・ジャパン
生産量が多いんだかどうだかは知らないけど、 オーストラリアワインではこの"ジェイコブズ・クリーク"が一番良く見掛ける気がする。 というわけで「ひとつ試しに」って感じで買ったんだけど、 裏書きの説明がすっごいゴージャス。ひとつひとつ検証していきましょう。
まず色。説明では『紫がかった鮮やかなクリムゾンレッド』らしい。 残念ながら師範は「クリムゾンレッド」がどういう色か知らないんでその通りなのか判断がつかないけど、 新大陸産としてはかなり薄い部類の色だと思う。 香りの説明が凄い。『グルナッシュ種の豊かなナツメグ香』『若いワイン特有のキャンディ香』 『シラーズ種の強いスパイス香』なんてことが書いてあるけど、 師範に分かるのはキャンディっぽい感じがあることくらいかなぁ。あと、ちょっと青臭い感じもある。 味に関しては「ミディアムボディ」と書かれた以外説明無し。 酸味と渋味と甘味の量的なバランスは悪くないんだけど、いかんせん粗い。 特に渋味なんて"荒い"と表現したほうが良さそうな感じ。
…というわけで、裏書きにある説明に肯ける部分は少なかったなぁ。 とにかく若い、けどそこそこイケる、そういうワイン。
翌日、結構丸みが出てきた。好印象につき+2点。
68(+2)点自宅にて

16日(水)

己の勤務先関連の弔事で都内に出向いてきた師範代と、最寄り駅でバッタリ対面。 まぁ軽く食事して帰りますか、ってことで、最近近所に出来て、ちょっと気になってたお店へ行くことに。 行ったのは、横須賀線保土ヶ谷駅東口を降りて国道1号を下ってすぐにある焼物料理の店"焼焼"。 元はスナックだったところを最近改装したお店らしい。

店の雰囲気はなかなか良いんです。こういう土地柄に似つかわしくないモダンな感じで、 店内にメニューの紙が下がってなくて。
料理もまずまず。串モノ(鶏モモ、砂肝、つくね、鶏レバー、手羽先、地鶏、豚ハツ)を2本(砂肝は4本)、 サバの塩焼きとブリカマの塩焼き、それとごはんを頼んだんだけど(デザートにイチゴのサービス有り)、 まぁバラツキや臭みの処理が???な部分はあるものの総体的にはそこそこ満足な味。
ところが、飲み物がねぇ。まず最初にたのんだ生ビールがいけません。 あろうことか気が抜けている。後述するように客の少なさが原因なのかなぁ。 その後たのんだ梅サワーもライムサワーも、なんだか炭酸とか酒とかの割合が変。 氷は綺麗なやつを手で削った高級っぽいものなのに。

このお店、店員さんも良く気が利くし、志は高いんだろうと思う。でも、いかんせん土地柄か客が着いていない。 我々が行った日も、師範・師範代以外にはオッチャン一人。 下のワインや師範代用のウーロン茶も飲んで、払ったお金は6,000円強。決して高いわけじゃないということもあって、 こういう「ちょっと美味い物を食わせる店」が近所に根づいて欲しいんだけど、 きっと遠くない将来ツブレちゃったりするんだろうなぁ。

Sevendays 赤 N.V.
セヴンデイズ 赤 (ヴィンテージ無し)
キリン・シーグラム株式会社
Rouge
California (USA)
カリフォルニア (アメリカ合衆国)
(\850 : 300ml)2000/02/16 居酒屋 "焼焼"
リストにあったのは「ワイン(赤/白)」のみ。 普通そういうお店ではワインなんて飲まないに越したことはない。 でも赤を頼んで飲んだ。はぁ。
色は薄い。香りは弱い。味もペラッペラ。ラベルによるとカリフォルニア産のワインらしいけど、 いわゆるカリフォルニアらしい押しの強さってのは微塵も感じられなくて、 絶対エエ加減に造ってる的な「輸入ワイン・国産ワイン使用」的な雰囲気。 品種は何だろう?とか、そういう楽しみをハナっから押し殺すが如きつまらなさ。
飲めなかないっすよ、でも楽しくない。「楽しむための酒」たるワインとしては×。
43点居酒屋 "焼焼" にて

12日(土)

本日は都内へ買い物。ちょっと「軽くランチ」でもいきますか、 ってことで昼食は
ジバランで高得点を取っているイタリアン・レストラン、 "Canoviano"(カノヴィアーノ)へ。
このお店、最近出来たとあって新しく綺麗で、雰囲気もモダン。 オープンキッチンで、料理する人もサービスの人も楽しそうに仕事しているのが見て取れて、 こっちもなんだか楽しくなるような感じ。「ランチでイタリアン」という気分をガッチリ満足させてくれる。

師範・師範代とも頼んだのは3,000円のコース。ランチのコースにはこの他に4,000円/5,000円とあって、 アラカルトもあった(パスタ類は1,800円)。3,000円のコースの内容は以下。

いやーなかなか美味い、楽しい。
全体に量は少な目で、一皿一皿も結構軽い料理(3,000円のコースだから?)ではあるんだけど、 見た目や味や香りに華やかさがあって、「やっぱ昼はイタリアンだなぁ」なんて感じさせてくれる。
特に印象に残ったのが、メインの付け合わせのチリメン・キャベツ。 (焼肉とかで)ちょっと火の通ったキャベツって甘味があって香ばしくて美味しいじゃないですか、 あの美味しさを凝縮したような味でとっても美味。 デザートも、コースなのに師範と師範代は別々で楽しい。あ、パンも皮が香ばしくて中身は重くて絶品。

ワインリストは、泡/白/赤合わせて50種強のラインナップ。 値段的には5,000円弱から10,000円くらいまで(30,000円のもあった)で、 比較的手頃な値段の物が多くて選びがいがありそう。 …とまぁそんなワインリストだったんだけど、昼からキッチリ一本飲んじゃうと午後が辛いし、 残念ながらハーフはなかったんでグラスワインを頂くことに。

白:Alto AdigeのPinot Bianco (造り手不明)
赤:Rosso di Montepulciano (Polizziano)

これが結構美味い。 白は、ギュッと締った感じの味で(樽由来ではない) ナッツみたいなコクがあってなかなか素晴らしい。やっぱり美味しいレストランのハウスワインは美味しいね。75点。 赤もまずまず。香りはそんなに強くないけど味にパンチが効いてて、重すぎない感じが今日の料理に合ってた。73点。 結構美味しかったんで白も赤も二杯ずつ飲んで。

このお店、ランチのみならずディナーでもサービス料を取らないらしく、 今日かかったお金は食事が3,000円×2とワイン800円×4、それに消費税で9,660円。 トータルでは「軽くランチ」の額を超えちゃったけど、それでも結構満足度の高い店でした。

家に帰って、師範代はなんだか冷製パスタを食べたくなったらしく、昼夜続けてのイタリアン。 手元に適当なイタリアワインは無かったんで、近所ってことでコルシカ島のワインを。

Domaine de Saline Pinot Noir 1997
ドメーヌ・ドゥ・サリーヌ ピノ・ノアール 1997
Dom. de Saline
ドメーヌ・ドゥ・サリーヌ
Rouge
l'Ile de Beaute (VdP)
リル・ドゥ・ボーテ (ヴァン・ドゥ・ペイ)
Corse (France)
コルス (フランス)
\7602000/02/05 関内サンタムールカツミ商会
冷製パスタに合いそうなワインとして選んだのがこれ。 コルシカ島はフランスと言っても地中海に浮かんでるんでイタリアっぽいし、 門下生からも「イケる」との報告を受けたんでチョイス。 でもあんな南っぽい島でも造れるんですね、ピノ・ノアール。
色はかなり濃い。昨日のブルゴーニュも濃かったけど、これも濃いねぇ。 香りはちょっと弱め。でも、値段の割には樽っぽい甘香ばしい香りがあって良さげ。 味は普通かなぁ。あんまりピノ・ノアールって感じはしなくて、 南アフリカのピノタージュみたいな、ちょっと南方系の葡萄品種が強いような味。 甘味はあるし、酸味とか渋味のバランスは悪くないけど。
値段の割には良いと思う。でもやっぱり田舎臭さは否めないかなぁ。 (あ、でもブルゴーニュだって田舎だよなぁ)
70点自宅にて

11日(金祝)

Bourgogne 1996
ブルゴーニュ 1996
Jacques Cacheaux & Fils
ジャック・カシュー & フィス
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ(フランス)
\1,9802000/01/14 La Cave de やまや 渋谷やまや
ブルゴーニュの名門造り手、ジャック・カシューのワインと初稽古。 やっぱり名のある造り手さんのはラベルの意匠も良いね、多くを語らず落ち着きがあって。 というわけで、ACブルゴーニュではあるんだけどお値段もそこそこだし、結構期待して。
色は濃い。ACブルゴーニュクラスとしてはとても濃い部類。やっぱり1996年ってのは豊作年だったんですかね。 香りも結構凄い。フッと嗅ぐとミルクみたいな香り、 鼻を入れて嗅ぐとセンブリだかカンゾウだかの薬草みたいな香り、 スワリングするとブルゴーニュらしい木イチゴっぽい香り。 ボリューム含め香りは申し分ない。 味も悪くない。ただ、太さとか丸っこさにおいてちょーっと物足りない。 入道雲みたいな味を想像したら、なんだかイワシ曇だったみたいな感じ。
ただ、今日の夕食は天ぷらとナスの漬物風おひたし、(なぜか)モッツァレラ・トマトというメニューで、 天ぷらの材料はササミの梅肉はさみ・キス・エビ・タラの芽・サツマイモ・ナス・ニンジン・ピーマンといった 軽いメニューだったんで、ワインのサラッと感が好印象に感じられた。
ACブルゴーニュとしては卓越してると思う。 やっぱり「ブルゴーニュは造り手よ」ってのは真実なんですかね。
77点自宅にて

9日(水)

Casillero del Diablo Cabernet Sauvignon 1998
カッシェロ・デル・ディアブロ カベルネ・ソーヴィニョン 1998
Concha y Toro
コンチャ・イ・トロ
Tinto
Maipo Valley (Chile)
マイポ・ヴァレー (チリ)
\1,1001999/12/11 ナショナル麻布メルシャン
多分チリワインの「ちょっと良いヤツ」としては最もメジャーなワインが、 このコンチャ・イ・トロのカッシェロ・デル・ディアブロじゃないかと思う。 ワイン名の意味は「悪魔のセラー」で、 美味いワインがあるのを盗人に悟られないがためにその名を付けた、というのも有名な話。 道場でも1996はここここ で稽古済みだけれども1998はどんな感じかなぁ、と思って。
当然のように色は濃い。グラスに1cm程度しか残ってなくても向うが見えないような濃さで、 色調としては単調な濃紫。 香りも濃い。ミッチリとしたベリー系の果実香ありやや荒っぽい樽香ありで、 この手のワインが持っているべき香りのフルコース。 味も良い意味で予想通り。濃くて重めでバランスも悪くなくて。
ただ、やっぱり飲み飽きするんだなぁ。半分強飲んだ時点で杯が進まなくなった。 なんかが嫌になったってわけじゃないけど、もう要らないって印象。
値段を考えれば品質はかなり高いと思う。 「チリワインは安くて美味い」なんてことがよく言われるけど、 そういった意味では良くも悪くもチリワインの典型じゃないかなぁ、このワインって。
70点自宅にて

6日(日)

Vendanges de Nuit Merlot 1996
ヴァンダンジュ・ドゥ・ニュイ メルロー 1996
Sica des Coteaux Limouxins
シカ・デ・コトー・リムーサン
Rouge
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション(フランス)
\500 (\680)2000/01/14 La Cave de やまや 渋谷やまや
2本まとめて1,000円の激安ワイン第二段。 今日は南仏のメルロー。 半分は『豚スペアリブのトマト煮込み』に使うつもりでチョイスしたんだけど、 南仏のものだから「薄い」ってことはあんまり無いと思ったし、 メルローなんで甘味もありそうだし、 まぁ値段的にも妥当だったんで。 裏書きには「葡萄のフレッシュさを活かすため夜に摘み取った(ワイン名の由来?)」とか「樫樽で寝かせた」とか書いてある。 この値段でそういう凝ったことが出来るんかいな、と若干疑問だったんだけど…
いやー参りました、美味いっす。
どっしりと濃い色合いは、この値段であることを忘れさせてくれるし、 メルローっぽい甘酸っぱい果実香が葡萄の質の良さを感じさせ、 甘い感じの樽香は造りの確かさを教えてくれる。 味は、さずがに弱い感じは否めない。でも、引っかかる感じとかまったく無いんで、それはそれでオッケー。
値段を考えると信じられないくらい高品質。 料理用とかにもとっても使いやすい系なんで、速攻買い足そうか、って感じ。
74点自宅にて

5日(土)

Piave Pinot Grigio 1998
ピアヴェ ピノ・グリージョ 1998
Villa Marianna
ヴィッラ・マリアンナ
Blanc
Piave
ピアヴェ
Veneto (Italia)
ヴェネト(イタリア)
\500 (\680)2000/01/14 La Cave de やまや 渋谷やまや
菜の花の酢味噌和えとかカンパチの刺身とか鰯の塩焼きという純日本的な料理の相手に選んだのがこのイタリアの白。 2本まとめて1,000円、一本あたり500円の激安ワイン。 激安な割にはシャレたラベルだし、 スラーっと背が高く、厚みがあってちょっと重たく、 底の凹みも深い高級感のあるボトルなんで「案外ヒットかも」なんて期待しつつ。
色は薄い。薄いけど色調的にはオレンジっぽい赤みのある色。 香りは弱い。弱いながらもちょっぴり柑橘系(これもレモンというよりもっと熟れた感じの柑橘類) の香りがある。 温度が上がると、樽由来ではなさそうなナッツみたいな香ばしい香りが感じられ、 これがピノ・グリ(イタリアではピノ・グリージョ)の個性なのかなぁなんて思う。 味はペラッペラ。アルコールの水割り的味にしか感じられない。
時間が経つと、その味もやや太さを増してきて、そこそこな感じまでにはなった。
とにかく弱いですな。今日みたいな日本的料理には丁度良いけど、やっぱりもうちょっと迫力が欲しいところ。 単位アルコール度数あたりの値段で言えばビールより安いんだから腹は立たないけど。
64点自宅にて

4日(金)

Gamay "Vin Nouveau" 1999
ガメイ "ヴァン・ヌーヴォー" 1999
Les Vignerons Ardechois
レ・ヴィニェロン・ザルデショワ
Rouge
Coteaux de l'Ardeche (VdP)
コトー・ド・ラルデシュ (ヴァン・ド・ペイ)
Laguedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\6982000/01/28 酒奉行 保土ヶ谷店モトックス
ちゃんこ鍋に合わせて選んだのは、本道場では初登場の1999年産ワイン。 南仏で造られたものだけども、品種的には若飲みで有名なボジョレー・ヌーヴォーと同じガメイ種。 そういえば、ボジョレーって本道場には未だ登場していない。我ながらちょっと不思議。
色はまぁ言われているとおりストレートな青みの強い濃紫。 香りは弱い。イチゴっぽい香りはあるものの、ブルゴーニュの安ワインでハズした時のような、 南仏っぽい蒸れた雑巾っぽい香りもある。 味は悪くない。小ぶりで相互に独立した感じではあるけど、酸味と渋味のバランスが良く、 ほんのちょっと甘味があってまずまず。 で、じっくり飲むワインでもなさそうなんで、いっそ冷やしちまえ!ってラピッド・アイス なるワインクーラーをセットしたら、益々「ガブ飲める感」が高まって抜栓後1時間と経たないうちに終了。
ちょこっと冷やしてガブガブ飲むワインなんでしょうな。 謀らずもそういう飲み方をしたんだけど、まぁそれはそれで楽しいってことで。
68点自宅にて

2日(水)

Chateau Mouton 1992
シャトー・ムートン 1992
Horeau-Beylot & Fils
オロー・ベイロ & フィス
Rouge
Bordeaux Superieur
ボルドー・シューペリュール
Bordeaux (France)
ボルドー(フランス)
\9302000/01/08 関内 サンタムールカツミ商会
ボルドーの五大シャトー、世界最高峰ワインの一つシャトー・ムートン・ロートシルド。 そのムートンとは多分縁もゆかりも無いであろうワイン、それがこのシャトー・ムートン。 本家ムートンとはどう違うのか興味津々で稽古!と言いたいところだけれど、 本家なんて一度しか飲んだこと無いんで比べようがないのも事実。
色は比較的薄い。 オレンジがかった感じは殆ど無いんで、経年変化による退色というより元からこういう色だったと思われる。 香りは、煙草の吸い殻みたいなイガラッぽい香りが中心ではあるけど、 それはそれでボルドーっぽくて悪くはない。 味は軽め。でもペラッペラってんじゃなくて、スッと口に入ってきて余韻が長めで 「高級ワイン的クサビ型」な雰囲気を感じる点は評価出来る。
値段の割にはイケるワイン。 この手の「なんちゃって名醸」的名称のワインって結構外すことも多いんだけど、 これは例外。1,000円以下であることを考えれば十分合格。
72点自宅にて

先月分へ

by 師範