稽古日誌:2019年2月

リアルワインガイドの新旧比較

 2月、関東南部は今のところ雪も雨も降らずカラカラ天気。寒いのキライなんでありがたいんですが、もうすぐ花粉季節なのがねぇ。

 さて、先月も書きましたけど久しぶりにリアルワインガイドを購入しました。 師範ってば律儀に創刊号なんかも持っているので、新旧の値段比較などをしてみました。 造り手は泣く子も黙るブルゴーニュの名門「コント・ジョルジュ・ド・ヴォギュエ」、 ヴィンテージはそれぞれ最新のもの(2016年と1999年)です。

銘柄価格
(2018年最新号)
価格
(2002年創刊号)
シャンボール・ミュジニー 1er Cru51,000円11,000円
ボンヌ・マール92,500円18,000円
ミュジニー130,000円25,000円

 市場経済ですから、需要があるのに供給が増やせないと値上がりする、というのは当然ですが、 それにしても目を覆わんばかりの爆上げっぷりですな。クワバラクワバラ。 当然安ワインに関してはこんなひどい値上がりは無いわけで、安ワイン者で良かったヨカッタ・・・と酸っぱい葡萄を噛みしめております。

 いやー、若者は大変だなぁ。飲む側であれば『こんなん人間の飲み物じゃないから無視無視!』を決め込むことも出来るけど、 ワインを生業にしている方だと飲んでみない訳にはいかないだろうからね。大変な時代ですなぁ。


27日(水)

Mirada Tempranillo Shiraz 2017 [Hammeken Cellers]
名称Mirada Tempranillo Shiraz 2017
ミラーダ テンプラニーヨ シラーズ 2017
生産者Hammeken Cellers
ハメケン・セラーズ
価格429円
購入店MEGAドン・キホーテ狩場店

 週末の散歩でちょうどいいくらいの距離にドン・キホーテがありまして、 ときどきそこをチェックすると明らかにインポーターの在庫処分的なワインに出くわします。 このワインもそういう一本、先週末にゲットした一本税別398円のスペイン産赤。 この値段のワインがそうそうアタるはずも無いよな、とは思いつつ、 やっぱり買ってしまうのが安ワイン道場師範の性癖であります。

 ちなみに本日の料理は、鶏手羽元の唐揚げ、ナスとインゲンの揚げびたし、モヤシのナムル。 唐揚げの衣は市販の唐揚げ粉(日清の「からあげ太閤 香ばし醤油味」)を使ったイージーなヤツですが、結構カラッと美味しく出来ました。

 色は結構しっかりした紫色。エッジまでストレートな色合いです。 香りは弱めですが、ちゃんとベリーっぽい果実香とスパイシーな雰囲気を感じます。 味わいは、スッと口の中に入って来て、軽く甘味を感じて、後味には渋味。 薄い感じではあるんだけど、ネガティブさは無くて普通に飲めます。

 税別398円とは思えない「普通の」ワインです。 ラベルには骸骨の絵があって、その目の部分には光沢のある素材が使われたりしていて、中身以外も意外とお金がかかっている印象。 こんな値段で売られるべきワインじゃ無かったんだろうなぁ。生粋の安ワイン者にはそのギャップを楽しんで頂けると思うのでお薦めです。

点数70点

24日(日)

カヤバール 茅場町店 外観

 本日はツイッターのオフ会。店は、茅場町にあるカヤバール 茅場町店。はなまるうどんが展開を始めた新業態の店らしいです。 なぜこの店にしたのか、というと、ツイッターで「ワイン全品一本1,800円」との情報をゲットしたからです。 実際は別の店(荻窪店?)だけだったのか期間限定だったのかわかりませんが、全品1,800円ではありませんでした。 それでも一番安いのは1,800円からで、それ以外も結構リーズナブルな値段で50種くらいのワインがありました。

そして、「ここで飲みましょう」というアイディアに賛同した奇特な面々は、師範を含めて下記の8名です。
  MAMIさん
  さん
  黒ワインさん
  アングラさん
  ドラさん
  セミヨンさん
  屑ワイン☆隊長ちゃん
  安ワイン道場師範

 財布の中からレシートが出てきたので(そういえば師範が幹事だった)、料理注文の詳細と価格をこの色の文字で追記しました(金額は全て税別です)。

Bersano Rosso N.V.
名称Bersano Rosso N.V.
ベルサーノ ロッソ (ヴィンテージ無し)
生産者Bersano
ベルサーノ
価格2,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 師範は早めに店に着いていたんで、ワインリストをジックリと吟味、最初の泡は「チリのバルディビエソ一択だな」と考えておりました。 そして参加者も揃い、皆さんの賛同を得て注文、出されたのがコレでした・・・って違うよね、コレ。 既に栓は開けられちゃっていましたが、さすがに赤の泡は無いなぁと思い「取り替えて貰えませんか」とお願い。 一旦は下げられましたが、なんとバルディビエソは冷えたのが無いとのこと。 じゃぁしょうがないよね~ってことでこれが一本目です。

 色は、赤ってほどではないけどロゼでも無い、かなり濃いめのピンク色です。 香りは、カシスリキュールのような雰囲気を感じます。 口に含むと、泡はかなり少なめで、そして甘いっす。 裏ラベルを見ると、アルコール度数は6.5%とのこと。 そして「酸化防止剤(亜硫酸塩、ビタミンC)」の他に、「酸味料、安定剤(アカシア)」の文字があります。うーむ。

 ・・・ってな感じで出だしからつまづいちゃいましたが、 そんなのを笑い飛ばせるメンバーなのが幸いです。 積極的な不味さがあるわけじゃ無いですからね、『キール・ロワイヤルです!』って言われれば信じるかも知れません。

点数65点
Cape Heights Chenin Blanc 2018 [Boutinot]
名称Cape Heights Chenin Blanc 2018
ケープ・ハイツ シュナン・ブラン 2018
生産者Boutinot
ブティノ
価格1,800円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 気を取り直して2本目を。「ここは安全策を採りたいところですねぇ」ということで選んだのが、南アフリカのシュナン・ブラン。 お値段は1,800円で、ワインリストの中では一番安いレンジです。 そして、実は道場で先日同じものを購入しており、今セラーに寝ています。その時の小売価格が885円でした。

 色は薄めのレモン色です・・・ってか今日飲んだ白は全部同じ色に見えました(暴)。アルコール度数は12.5%、サラッとした見た目です。 香りのボリュームは弱めですが、白い花(クチナシかな?)のような可愛らしい香りがします。 味わいもサッパリ系です。甘さも酸味も控えめで、後味に軽い苦味を感じます。

 特に目立った特徴は無いんですが、小売り1,000円以下/お店で2,000円以下なら十分アリじゃないでしょうか。 道場で稽古する時には、鶏のムネ肉あたりと合わせてみるのが良いような気がしました。

点数72点
カヤバール 茅場町店 お肉屋さんの惣菜盛り合わせ

 料理はコースにはせずに、適当に食べたいものを注文していくスタイルです。 そして、最初にオーダーしたのがコレ

 お肉屋さんの惣菜盛り合わせ 780円(左写真)×2
 どか盛りアンチョビキャベツ 680円×2

 普通っちゃ普通ですが、シャルキュトリーの盛り合わせは780円にしては盛りも多くて最初の一皿としてはナイスだったように思います。 アンチョビキャベツも量が多くて長持ちしました。

Dark Horse Chardonnay 2017
名称Dark Horse Chardonnay 2017
ダーク・ホース シャルドネ 2017
生産者Dark Horse
ダーク・ホース
価格2,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 最初の白がサッパリ系だったので、次はコッテリ系という目論見があったのでしょう、アングラさんからの提案で次のワインはカリフォルニアのシャルドネです。 ワインリストには『完熟した果実感特長の、もっちりボディの"濃い旨"ワイン。』と書かれています。 『もっちりボディ』(笑)。

 色は濃くはないけれど、なんとなくオレンジ色がかっているような気がしました。 香りは、鼻で嗅ぐ分には南のシャルドネらしい蜜っぽさと、どことなく華やいだ感じを受けます(隊長さんに調べて貰ったら、ヴィオニエとゲヴュルツも混ぜられているんだとか)。 口に含むと、樽(or樽風香料)から来るであろう化粧っけ大爆発です。まるでチーズケーキやカスタードクリームのような、甘いお菓子の香りがブワッと来ます。 味わいは特に甘さが強いってわけではないんだけど、とにかく香りが甘~いですね。

 まだ3本目ですが、皆さんこれを減らすのに難儀されていました。 面白いっちゃ面白いんですけどね~、やっぱり米国人ってこういう路線好きなのかなぁ。 ケチャップたっぷりのホットドッグに合わせたら良いかも。知らんけど。

点数67点
Yalumba The Y Series Viognier 2017 [Yalumba]
名称Yalumba "The Y Series" Viognier 2017
ヤルンバ "ザ・ワイ・シリーズ" ヴィオニエ 2017
生産者Yalumba Family Vignerons
ヤルンバ・ファミリー・ヴィニュロンズ
価格3,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 まだまだ白が続きます。このワインは隊長さんがお店の棚(「リストにないワインは棚を見てください」というスタイル)から選んで来られたもの。 でも、ここでもプチ勘違いがあって、隊長さんはソーヴィニョン・ブランのつもりで持ってきたんだとか。 確かにリストにあるのもソーヴィニョン・ブランですね。ま、飲めりゃ良いんですよ、何でも。

 色は薄めのレモン色、2つ前のシュナン・ブランと見分けはつきません。 香りはかなり特徴的。最初に柚子や橙のような黄色い和柑橘の香りがしました。 それ以外も複雑な香りがあって、皆さんに問うたところ「ムスクの香り」「ミネラルの香り」とのこと。 なるほどねぇ、こうやって確認できるのが複数人で飲む楽しさですな。 味わいも、酸味と旨味がしっかりしていて、これまでの白と比べると1枚半くらいウワテな感じです。

 ここに来てようやく「ちゃんとしたワインが飲めた」感がありましたな。 ヴィオニエにして結果オーライですよ>隊長。 ただ、お値段3,500円とこれまでのより高級(笑)なので、美味くて当たり前という話もあります。

点数78点
カヤバール 茅場町店 カプリチョーザ

 ここのお店、ワインも安いんですがピザも安いです。

 カプリチョーザ 500円(左写真)
 ロマーナ 500円

 トマトソースとハム、マッシュルーム、オリーブ、モッツァレラを乗せて窯で焼かれたカプリチョーザが500円。 ちゃんと美味しくてコレはナイスです。パン代わりにバンバン注文しちゃえて良いですね。

Okha Pinotage 2016 [Man Vintners]
名称Okha Pinotage 2016
オーカ ピノタージュ 2016
生産者Man Vintners
マン・ヴァントナーズ
価格2,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 飲む人8人で既に5本目、ここから赤になります。 赤の1本目は軽めのにしたかったんだけど、ピノ・ノワールにあまりピンと来るものが無く、 次善の策で選んだのが南アフリカのピノタージュ。 この銘柄の2015年産は昨年稽古しております。

 色は、やっぱりピノ・ノワールを親に持つ品種だからかやや薄めの赤紫色です。 香りも良いですね。ストレートに赤いベリー系の果実を感じるフルーツ香が結構香ります。 アルコール度数が14%もあるので、そんなに「軽~い」ワインでは無いのですが、 渋味が柔らかいのでスイスイ飲めます。

  赤の一本目はコレにして正解だったなぁと思います。 そしてやっぱり南アフリカ産は手堅いよねぇ。 特に最近はこういう安いクラスのものでも品質が向上して来ているように感じます。

点数77点
Aglianico del Vulture Terre dei Portali 2017 [Basilium (Cantina Diomede)]
名称Aglianico del Vulture "Terre dei Portali" 2017
アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ "テッレ・デイ・ポルターリ" 2017
生産者Basilium (Cantina Diomede)
バジリウム (カンティーナ・ディオメーデ)
価格2,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 次なる赤は、棚に置かれたボトルを見て「こりゃ重いわ!中身もきっと重いでしょう」ということで選ばれたイタリア産。 「アリアニコ・デル・ヴルトゥーレ」という聞きなれないDOC、 重いイタリアの赤といえばプーリア州なんできっとコレもそうだと思っていたのですが、 どうやらバジリカータ州産のようです。調べたらお隣の州ですね。

 色は・・・どうだっけ?このあたりから記憶も記録も怪しくなってきます。 香りはちゃんとメモしておりました。それによると「チョコレート」「レーズン」「フィグ」のようです。 フィグなんて香りの語彙は師範には無いので、きっとどなたかが言われたのをメモしたのでしょう。 味わいは、予想通りのガッツリとした重さだったように思います。

 とにかく南イタリアは重い赤が多いですな。かかとのプーリア州、土踏まずのバジリカータ州。 あとは爪先のカラブリア州が気になるところですが、あまり日本に入って来ていないのか、道場でも過去2本しか稽古経験が無いようです。

点数76点
カヤバール 茅場町店 芝浦ドーム

 他にも料理をいろいろとオーダーしておりまして。

 芝浦ドーム 680円 (左写真)
 魔女風パスタ 680円
 「芝浦ドーム」とは、野菜炒めの上に炙った豚バラが乗っている料理みたいです。 「みたいです」というのは、これ食べた記憶が無いんだよな。 飲み会では往々にしてあるんだけど、師範はあまり食べずに飲んでばっかりになりがちです。 それが酔っ払う原因なんだろうなぁ。

Macon-Villages Les Tilles 2016 [Jean-Marie Chaland (Dom. Sainte Barbe)]
名称Macon-Villages "Les Tilles" 2016
マコン・ヴィラージュ "レ・ティーユ" 2016
生産者Jean-Marie Chaland (Dom. Sainte Barbe)
ジャン・マリー・シャラン (ドメーヌ・サント・バルブ)
価格3,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 この期に及んでなぜかまた白、というのには理由があって、棚に置かれたワインの中で「これ3,500円は結構お得じゃないの?」って話になったわけです。 ただ、残念ながら冷えていなかったのね。 なので、結構長めにワインクーラーに入れて冷やしていたんで、飲むのはこのタイミングになった次第です。 ってか、どのタイミングで白飲んだって悪くはないと思いますけどね。

 色は・・・覚えてません。香りは、いかにも南のブルゴーニュらしい蜜香と、軽くナッツの香ばしさがあります。 味わいは、落ち着きって言うんですかね?やっぱりシャルドネはブルゴーニュだなと思わせるなにかを感じます。 上手く表現できませんけどね。

 昔はマコンと言うと酸がぼやけたワインが多い印象がありましたが、少なくともこれに関してはそんな感じは無くて、 「ピュリニー・モンラッシェです」と言って出されれば軽く騙されます。師範の味覚なんてその程度ですよ。

点数79点
Ego 2014 [Dom. Cazes]
名称Ego 2014
エゴ 2014
生産者Dom. Cazes
ドメーヌ・カーズ
価格3,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 ここから先は誰が注文したのかさえも覚えてませんが、怒涛の赤が続きます。 まずこれは南仏産で、造り手のドメーヌ・カズはフランス最大のビオディナミな造り手なんだとか。 品種構成は判りません。多分裏ラベルに書かれているだろうけど、インポーター(メルシャン)が貼ったラベルに隠れて見えません。 そういうところ、もう少しどうにかならないのかなぁ。

 ・・・などと、余計なことをいろいろと書いて字数を稼いでいるのは、 「濃い」という以外にどんなワインだったかほとんど覚えていないからです。 15%ものアルコールにガツンと脳ミソをやられてしまっております。

 凄くパワフルで、美味しかったような印象はありますが、いかんせんコレなのか2つ前のイタリア産なのか2つ後のスペイン産なのか判然とせず・・・ 「書記役を担当します!」などと言っておいてこのテイタラクであります。

点数??点
カヤバール 茅場町店 牛カイノミのステーキ

 美味しいそうな料理も写真に残っているわけですよ。

 牛カイノミのステーキ 1,780円 [360g] (左写真)
 チーズ5種盛合せ 880円×2

 カイノミのステーキがこのお店で一番高いメニューじゃないかな? これは確かに師範も食べています。美味しかったように思います。多分。 チーズは・・・記憶に御座いません。

Rosso di Montalcino 2014 [Valdicava] Rosso di Montalcino 2014 Glass
名称Rosso di Montalcino 2014
ロッソ・ディ・モンタルチーノ 2014
生産者Valdicava
ヴァルディカーヴァ
価格2,500円4,500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店

 これはイタリア産だから多分黒ワインさんがオーダーしたんだろうな。 お店で2,500円(※)のロッソ・ディ・モンタルチーノなんてなかなか無いっすよね。

(※)後ほど「4,500円でした」とのご連絡を頂きました。やっぱそうっすよね。

 で、例によって記憶もおぼろげ、メモも取れていないんですが、幸い写真が残っているので思い出されることがあります。 というのも、他の赤と比較して明らかに薄く、ある意味熟成を感じさせるような色合いだったのね。 2014年のトスカーナってイマイチな年だったのかな?

 そういうこともあって、なんとなく軽いワインだったような記憶があったりもしますが、 世界に向かって発信するにはあまりに怪しい情報なので、適当にお茶を濁しておきます。

点数??点
Baltasar Gracian Crianza 2014 [Bodegas San Alejandro]
名称Baltasar Gracian Crianza 2014
バルタザール・グラシアン クリアンサ 2014
生産者Bodegas San Alejandro
ボデガス・サン・アレハンドロ
価格3.500円 (お店価格)
購入店カヤバール 茅場町店
読めないメモ

 飲む人8人で10本目、いよいよこれが最後のワインです。 スペインはカラタユドの赤ですが、もうどのタイミングで注文されたのかさえ判っておりません。

 そしてメモを見ると・・・なんだコレ?です(右写真)。 上側の"Crianza 2014"は辛うじて読めますが、特徴を書きたかったんであろう下側は判読不能。 自分で書いた文字が読めないという情けなさ。アーメン。

 多分濃いワインだったんでしょうね。これもアルコール度数15%ですからね。 あ~酔っ払いました。

点数??点
カヤバール 茅場町店 ダイニング

 日曜日の茅場町は人通りも少なく閑散としていて、開いているお店もそう多くはありません。 でもこのお店の師範が利用したフロアはほぼ満席になるくらい繁盛していました。 だからなのか、店員さんのオペレーションがやや廻っていないように感じられたり、 そもそもお店の人の目が届かないダイニングってどうよ?と思うところはありましたが、 細かいことを気にせず気軽にワインを安く楽しむのにはグッドなお店だったと思います。

 そんなこんなのツイッター・オフの安ワイン会。こんだけ飲んでお支払いはトータル44,000円強、一人あたりは5,000円程度でした。 また機会がありましたら飲みましょう>皆さん


23日(土)

Barbaresco Terzetto 2015 [Tenute Neirano]
名称Barbaresco "Terzetto" 2015
バルバレスコ "テルツェット" 2015
生産者Tenute Neirano
テヌーテ・ネイラーノ
価格1,132円 (単品価格:1,814円)
購入店うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、豚ヒレカツ&チキンカツ、ナスとインゲンの揚げびたし、水菜とダイコンと海藻のサラダ(評判良かった昨日"RF1"で買ってきたものの真似)。 やっぱり揚げ物は美味いよね。 ちなみに道場では常に天ぷら鍋には油が入っています(キッチンにはそれが置けるスペースを作っています)。 揚げ物をした後にすくい網で揚げかすを掬ってそのまま保存、もちろん揚げ油が疲れて来たら変えますが数回は普通に使えます。 別の容器に移す家庭も多いと思うけど、酸化の観点からはそっちの方がダメージが大きいような気がするんだけどどうですかね?

 閑話休題、そんな料理に合わせたのは、正月に買った「うきうきワインの福袋 赤3本・白3本 10,000円」からの一本目で、 イタリアのメジャー銘柄バルバレスコ。お値段は、そもそもの価格がビックリ安値の1,000円台。 それが福袋の割り戻し価格だと1,000円ちょっとという激安価格。 ショップのサイトによれば、「驚異のオーク樽30ヶ月熟成+瓶熟成6ヶ月の計36ヶ月以上熟成の長期熟成」と、 わずか1行に「熟成」の文字が4回も出て来るくらいの推しっぷりなので、期待して稽古します。

 色は、確かに熟成が感じられる色調で、やや朱色がかった紫色(昔の表現ではガーネット)で、それほど濃さは無く澄んだ色合いです。 香りのボリュームは中程度。スミレの香りと、ちょっと汗臭いような雰囲気はいかにもネッビオーロ種ですな。 味わいは・・・軽い。バランスは悪くないけど軽い。そもそもバローロやネッビオーロって名前ほどイカツいワインじゃないんだけど、 やっぱり値段は正直だな。

 熟成感はあるけどとにかく味わいが軽くて、「安さのヒミツは内容にアリ」という、実もフタも無い現実を思い知らされるワインです。 でも、ネッビオーロらしさは感じられるし、「バルバレス子」って雰囲気をこの値段で味わえるという意味ではアリだと思います。

点数73点

22日(金)

Via Diagonalis Selected Red 2009 [Cstra Rubra]
名称Via Diagonalis Selected Red 2009
ヴィア・ディアゴナリス セレクテッド・レッド 2009
生産者Castra Rubra
カストラ・ルブラ
価格1,382円
購入店カルディ 横浜ジョイナス店

 本日の夕食は、鶏ムネ肉のソテー、ラタトゥイユ、レバーのパテ、総菜屋"RF1"の海藻とジャコのサラダ。主食は"THE CITY BAKERY"のバゲット。 昨日お休みだった師範代が作り置いてくれたものと買ってきたもので構成されたメニューです。 こんな料理に合わせて選んだワインは、先週カルディで買ったブルガリア産の赤。 ヴィンテージは2009年、良いワインだったら熟成が期待(悪いワインだったらヘタレが危惧)されますが、 このワインはツイッターで高く評価しておられる方が見えたので、「もしやお宝発見!?」な気分で稽古します。

 色は、10年前のワインとは思えない若々しさ。エッジまでピシッと真紫色です。濃さも大きめグラスでギリギリ透けるくらいの濃さがあります。 香り・・・ビックリです。少なくとも1,000円台のワインではあり得ない香りのボリュームと深みを感じます。 ボルドーっぽい果実の重さとトスカーナっぽい人懐っこさ、それにブルガリアっぽいブルーベリーヨーグルトの香りがプラス。良い香りだわぁ。 味わいは、甘さがクイッと来てややチリっとした渋味。香りほどのビックリ感は無いけど、安心感のある味わいです。

 いやー、コレ美味いわ。上手に熟成し始めたトラディショナルな赤、って感じです。 師範代にテイスティングをお願いすると『香りは5,000円台のワインに匹敵、味わいはちょっと開くのを待った方が良いかも』だそうです。 ともあれおよそ1,000円台とは思えない内容、コレ、買って損は無いです。 まだカルディではこの値段で売られていたんで、見かけたら買うべきです。

点数83点

20日(水)

Cono Sur Bicicleta Reserva Pinot Noir Rose 2018
名称Cono Sur "Bicicleta" Reserva Pinot Noir Rosé 2018
コノ・スル "ビシクレタ" レセルバ ピノ・ノワール ロゼ 2018
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格715円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日師範が準備した夕食は、初挑戦の"CookDoきょうの大皿 とろ卵豚キャベツ"・・・ってまたクックドゥーかよ!です。でも普通に美味かったっすよ、コレ。 あとは、ツイッターで情報が流れて来た"焼きブロッコリーのスープ"、鶏とゴボウの串揚げ&フライドチキン(お惣菜)。 いろいろ他力に頼ってますが、それなりに豪華な夕食ができました。

 そんな料理に合わせたワインがコレ、昨日今日と気温も上がって春めいてきたこともあって、 春らしくロゼ。コノ・スル集中稽古のうちの一本です。 ちなみに前回稽古は1年半前の2016年産(コレ)、 その時よりかなりフレッシュな状態での稽古となりますが、 なぜかラベルに"Reserva"の文字があります。

 色は、ピンク色と言うより薄オレンジ色。 香りにはピノ・ノワールの個性が結構出ていて、イチゴやチェリーのような果実の香りがハッキリと感じられます。 味わいは結構大人っぽい感じ。少なくとも甘ったるいロゼではありません。 そこそこの酸味と軽い渋味、カチッと締まったボディを感じるロゼです。

 イチゴの香りが華やかでカッチリした味わい。 何にでも合いそうなロゼで、まさに「寄らばコノスル」の一本。 ただ、ベーシック・レンジのビシクレタ・シリーズ、 長熟してないものに"Reserva"の文字を付けるのは違和感あるなぁ(ステンレスのシャルドネにも付いています)。 ブランディングとして紛らわしいよね。もしかすると更に下のシリーズを出すつもりかも知れないけど、そこは「ネブリナ」があるしなぁ。

点数78点

17日(日)

Peter Bott Pinot Noir 2016 [Peter Bott (Einig - Zenzen)]
名称Peter Bott Pinot Noir 2016
ピーター・ボット ピノ・ノワール 2016
生産者Peter Bott (Einig - Zenzen)
ピーター・ボット (アイニッヒ・ツェンツェン)
価格754円
購入店MEGAドン・キホーテ狩場店

 シークレット・ストーンのピノ・ノワールが大アタリして以降、 ドンキで見知らぬ安ワインを見つけるとつい買ってしまう性癖が身に付いてしまっております。 このワインもそういう一本、税別698円だったドイツ産のピノ・ノワール。 ラベルに書かれたオッサンの横顔のシルエットが、豪州の「ピーター・レーマン」に似ているだけど、 関係あるんですかね?

 ちなみに料理は、長崎県産ブリの照り焼き、水ダコのカルパッチョ、大根ツナサラダ。 軽めの赤が合うんじゃないかと思い、ドイツ産のピノを選択した次第であります。

 色は「ロゼかよ!」ってくらい薄めの赤紫色・・・というかほぼ朱色。 アルコール度数は12.5%と低め(といってもドイツとしては高め?)だけど、不思議とアシはゆっくり落ちてきます。 香りは・・・ほぼ無臭です。グラスに鼻を突っ込んで思いっきりクンカクンカすると、南のブルゴーニュっぽい革のニュアンスが感じ取れます。 果実の香りは全くと言って良いほど感じ取れません。 味わいは、無味・・・と言うとウソだけど、とっても軽くてまるで水みたいです。甘くなく酸っぱくなく、あるとすれば旨味かなぁ。 北のピノらしいと言えば確かにそんな感じなんですけどね。

 とにかく香りが弱くて味わいも軽く、どんなワインだと表現するか悩んでいるうちにスイスイ入って無くなっちゃうワインです。 同じドンキの安売りピノでもシークレット・ストーンとは全く別物、こちらは「値段なり」のワインでした。 でも、そういうダイナミックレンジの広さがあるから安ワインは辞められないんですよ(泣いてません)

点数67点

16日(土)

地鶏や 虎視眈々 外観 地鶏や 虎視眈々 ビール

 本日は超久しぶりのバンド練習。 ベーシストに転向して以降、初心者気分で楽しく演奏しております。 編成がピアノトリオなので選曲に制約があるのが難点だけどね。

 練習の後の反省会。今回の練習スタジオはいつもの代々木ではなく渋谷、適当にスタジオ近所の飲み屋を物色して見つけたのが地鶏や 虎視眈々という居酒屋。 宇田川町のメインの通りからちょっと奥まったところにあります。

 日本人たるもの「とりあえずビール」です、ということで乾杯は生ビール。 キンキンに冷えた(小さめの?)ジョッキで提供されます。 一杯目はこういうサービスの店も多いけど、ここは何杯頼んでも常にキンキン。 かなりの数を冷凍庫に入れてあるんでしょうな。 サービスとして嬉しいけど、正直ビールを楽しむ温度では無いと思う部分はあります。

地鶏や 虎視眈々 地鶏の炭火焼

 左写真がこの店の名物料理らしい地鶏の炭火焼、手前が若鳥(1,150円)で奥が親鳥(1,250円)。 親鳥の歯ごたえは強烈ですな。ご飯のおかずとしてはちょっと厳しいかもだけど、酒の肴にはバッチリです。

Vida Organica Cabernet Sauvignon 2018 [Familla Zuccardi]
名称Vida Organica Cabernet Sauvignon 2018
ヴィダ・オーガニカ カベルネ・ソーヴィニョン 2018
生産者Familla Zuccardi
ファミージャ・ズッカルディ
価格3,200円 (お店価格)
購入店地鶏や 虎視眈々

 居酒屋といえども、師範はワインを飲みたいわけです、というわけで恒例のメニュー表チェック。 そうしたらありました、赤はアルゼンチン産のカベルネ・ソーヴィニョン、白はフランス産のシャルドネ。 お値段はボトルが3,200円、デキャンタが1,650円、グラスが600円。 料理が香ばしい感じの肉料理なわけで、ここは赤でしょう。 そして、なんだかんだボトル一本は開くでしょう、ということでボトルで注文しました。

 グラスは居酒屋標準、握りこぶしくらいの小さなヤツです。 そして、提供温度も居酒屋標準、冷蔵ケースから出してそのままの冷えた状態です。 なので、一杯目の印象は「軽いなぁ、コレ」でした。色もカベルネ・ソーヴィニョンの割には薄い感じだったし。 ただ、温度が上がってくると良い感じに開いてきます。 樽は使っていないのかな?スッピンなベリー系の香りと味わいです。

 居酒屋でコレならまずまず合格点でしょう。 地鶏の炭火焼との相性も良かったように思います。 欲を言えば課題はお値段で、小売りだと1,000円くらいのワインだろうから、 出来れば2,000円台で提供して欲しいところではあります。

点数72点
地鶏や 虎視眈々 レバーとせせりの炭火焼

 炭火焼が美味しかったんで追加で、レバーとかせせりなんかも頂いておりました。 ドラムのHr氏はレバーが好きじゃないってことだったけど、『これは美味い』と申されておりました。

 そんな感じの反省しない反省会。お会計は一人,5000円くらいだったかな? 高くなく安くなく、妥当なお支払いだったという記憶がございます。


15日(金)

Cono Sur Organic Sauvignon Blanc 2018
名称Cono Sur "Organic" Sauvignon Blanc 2018
コノ・スル "オーガニック" ソーヴィニョン・ブラン 2018
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格915円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日の夕食担当も師範で、メニューはサンマの蒲焼(お惣菜)、水菜のお浸し、ロースハム、鯖缶の即席あら汁。 最後の汁は、ツイッターに情報が流れて来て美味しそうだったから作ったもの。 で、結果はというと・・・確かに悪くないけどこういう情報は多分に盛られてますな。

 さてそんなメニューに合わせて選んだワインは、ここんとこまとめて稽古しているコノ・スル。 本日の銘柄はオーガニックのソーヴィニョン・ブラン。 コノ・スルはどのレンジも(※)大抵稽古済みだったりするけど、 オーガニックのこの品種は初稽古だったりします。

 栓は安心のスクリューキャップです。グラスに注いで外観検査、色はかなり薄めでちょっと緑色っぽさを感じます。 スワリングしてもアシは短くサラッとしています。 香りを嗅ぐためにボウルの縁に鼻を近づけると、この品種らしい緑色の柑橘類と、クチナシや白桃のような甘やかな香りがブワッと来ます。 香りのボリュームはそんじょそこらの高級ワインに引けを取らないくらい素晴らしいものです。 味わいは、甘さ控えめで酸味もそれほど強くなく、後味にそこそこしっかりした苦味が残ります。

 香りはたいそう華やかで味わいはフレッシュ、もうソーヴィニョン・ブランはこれで良いんじゃないですかね? この品種、これ以上どこをどうすればもっと良くなるのか、師範にはあまり見当がつきません。

 クソ高いフラッグシップ"OSIO"は除く

点数80点

13日(水)

Chateau David Sertreau 2014
名称Château David Sertreau 2014
シャトー・ダヴィド・セルトロー 2014
生産者Ch. David Sertreau (Christian Bernaleau)
シャトー・ダヴィド・セルトロー (クリスチャン・ベルナロー)
価格810円
購入店イオン天王町店

 本日の夕食は、麻婆茄子(CookDo)、焼き塩サバ、アスパラガスの肉巻きカツ(お惣菜)、トマトと玉子のスープ。 自分で作っておいてアレだけど、なんとも脈絡の無いメニュー構成だな。 こういう料理に合わせるワインは悩ましいわけですが、ここはひとつ料理とは切り離して「最近稽古していないから」 という実務的な理由でボルドー産の赤をチョイス。 「EPA還元セール」ということで、今イオンで税別750円で売られていた一本、先週末に購入しました。 「安ワイン道場」たるもの、皆さんもお求めやすいワインと稽古するべきだからね。 そして、塩サバともきっと合うよね。だってフランス行くとあちこちで「サバ!」「サバ!」って聞こてくるからね。

 色は、ボルドーにしてはやや明るめ、そして2014年なので若干熟成している風で微妙なレンガ色っぽさがあります。 香りは・・・弱いです。最初「えぇ?」ってなるくらい無臭だったんだけど、しばらくして温度が上がってくると重心低めの果実香が出てきます。 味わいは、チリチリっとした渋味に甘さと酸味もあって、結構ちゃんとしたバランス。厚みもあって、どちらかというと味吟醸なワインです。

 税別750円だけど高級感のあるラベルだし、ボトルも重いので「もしかしてお宝発見?」と期待したけど、 香りが弱いのは残念ですな。でも、その微香性が奏功してか、塩サバに合わせても違和感はありませんでした。 もちろん積極的に合うようなものでもなかったけど、雑食性の日本の食卓には良いかもです。

点数70点

11日(月祝)

デンドロビウム ユキダルマクイーン

 毎年この時期になると、道場で栽培している洋ラン(デンドロビウム ユキダルマクイーン)が花を咲かせます。 これが極めて強健な品種で、ド素人の師範でもほとんど手を掛けずに普通に咲かせられるし、 株分けや高芽取りでバンバン増殖しちゃっています(現在8鉢)。

 洋ランの花ってあまり香りがないものが多いみたいけど、この品種はほのかに良い香りがします。 ほんのり甘くてスッキリ、ワインに例えるとヴィオニエのような香りです。

サントリー ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム

 その花をバックに「サントリー ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」を。味が濃くて美味いんだなぁ、コレ。

Jordan Chardonnay 2017 [Jordan Wines]
名称Jordan Chardonnay 2017
ジョーダン シャルドネ 2017
生産者Jordan Wines
ジョーダン・ワインズ
価格2,354円
購入店Wine Place

 本日の夕食は、鶏の天ぷら、ナスの天ぷら、インゲンの素揚げ。揚げ物美味ぁです。 赤でも白でもなメニューだけど、昨日まで赤(ピノ・ノワール)3本と戦っていたので、本日は白をチョイスしました。 選んだのは、年末(この時)に自由が丘ワインスクールの校長先生直々に選んで頂いたワインから、 南アフリカ産のシャルドネを。結構最近ツイッターのタイムラインでも見かけることの多い銘柄です。

 色は薄めのレモン色。粘性に関してもまずまず中くらい、といったところ。 香りは比較的穏やかですが、クルッとスワリングすると桃のようなフルーツ香と、ほんのりバニラの甘さを感じて、良く出来たシャルドネ感があります。 口に含むと、樽の印象がバニラからコーヒーに変わります。樽の焦がしが強めなのかな?な~んて適当なことを言っております。 味のバランスは、甘さがそこそこしっかりで、酸味も良い感じ、そして後味に軽い苦味。こちらも良く出来たシャルドネだなぁ、です。

 南アフリカ産のシャルドネは、年末に同じクラスの2本と比較稽古しましたが、 その時の2本と比べると、よりカリフォルニア的というか、良く言えば外交的/悪く言えばややヤンチャな感じはあります。 でもまぁ美味いな。流石は南アフリカです。稽古範囲の手堅さは他の追随を許さない感じですな。

点数82点

9日(土)

コノ・スル ピノ・ノワールの3種比較

 ヒマな三連休、そういう時ってなんかイベントを企画したくなるわけですが、 師範代はお友だちとランチ、長女は受験勉強、次女も試験勉強。 ヒマ人は師範だけなので、一人で楽しめるイベントを企画。題して「コノ・スルのピノ・ノワール、どれがベストバイか!」。 張り切ってやって参りましょう。

 選んだ3品は(写真左から)、715円のベーシックなビシクレタ、915円のオーガニック、1,015円のレゼルバ・エスペシアル。 ワインマニアな方から見れば「どれでも良いじゃん」でしょうが、安ワイン者にとってはこの金額差が重要なわけです。

Cono Sur Bicicleta Pinot Noir 2016 [Viña Cono Sur]
名称Cono Sur "Bicicleta" Pinot Noir 2016
コノ・スル "ビシクレタ" ピノ・ノワール 2016
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格715円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 今回、一応最初はブラインドにして、師範レベルで判別できるかのテストを行いました。 ブラインドのやり方は、同じ形のグラスに3種注いで、脚の部分に色付きシールでマーキングして、それを養生用ガムテープで隠す、というやり方。 一人ブラインドには有効な方法だと思われます。

 そしてこのベーシックなビシクレタのピノ・ノワールですが、 多分同じものと2年前に稽古しています。 ショップの情報によれば熟成は「50%を樽で、50%をステンレスで」らしいです。
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 色はかなり明るめ赤紫色。一番薄いのがコレなので、まずビシクレタがこれだろう、ということは簡単に判ります。 香りのボリュームは結構りっぱです。 イチゴやアメリカン・チェリーのようなピュアな果実香と、革製品のようなケモノの感じが結構香ります。 50%樽熟した旨書かれているけど、樽香はあまり感じません。 味わいは軽いな。渋味はあるのに軽く感じます。糖度7..9は決して低くないんだけど、 なんか全体に小さく硬い印象を受けます。

 この値段のピノ・ノワールとしては十分高品質だとは思いますが、 やっぱりどこか洗練されていない印象を受けるのは事実です。 っていうか、コレ単体で飲んだらそんな印象も無かったのかもだな。 比較するといろいろ個性が浮き彫りになります。 当然半分以上残っているので、明日の変化にも着目したいところです。

 翌日、普通にスクリューキャップを戻して、気温低めの常温(納戸)に立てておいたものと再稽古。 香りの出方や雰囲気に変わりはないようです。味わいは、昨日の硬さがちょっと取れたかな。 少なくとも翌日でも全然平気、一日で飲み切る必要はないワインです。

点数77(+1)
Cono Sur Organic Pinot Noir 2017 [Viña Cono Sur]
名称Cono Sur "Organic" Pinot Noir 2017
コノ・スル "オーガニック" ピノ・ノワール 2017
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格915円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 もう一本は、ビシクレタより200円ほど高いオーガニックのピノ・ノワール。 前回稽古した6年前はまだノン・ヴィンテージ(コレ)でした。 というわけで道場的には初稽古に近い銘柄なので、心して稽古します。

 色合いは、この3本の中では中間くらい。今回はあまりブラインドで稽古した意味が無いですね。見た目の濃さがそのままグレードの差になっています。 香りのピュアな感じはビシクレタと同じですが、ザクロのようなフルーツ香と、土やキノコのようなアーシーな感じが+αされています。 そして明らかに違うのが味わい。こちらの方が甘さがあってボディの厚みを感じます。

 やっぱり、200円のアドバンテージはあります。 ビシクレタも悪くないんだけど、こっちの方が少し洗練されたイメージがありますね。 普通、その洗練を感じるためには結構な支払いを余儀なくされるわけだけど、 コノ・スルに関してはたった200円でそれが感じられるわけで、これは間違いなく買いだと思います。 そしてもちろんこちらも明日再稽古します。

 ビシクレタと同様の保存法で翌日再稽古。 こちらは香りのボリュームが小さくなりました。 ピュアなフルーツ感はそのまんまで、口に含むとパーッと来るんだけど、鼻で感じる香りのボリュームは初日の方が上です。 でも味は二日目が良いかな。渋味がこなれて、甘酸っぱさが心地良いんですなぁ。

点数80点
Cono Sur Pinot Noir Reserva Especial 2016 [Viña Cono Sur]
名称Cono Sur Pinot Noir Reserva Especial 2016
コノ・スル ピノ・ノワール レゼルバ・エスペシアル 2016
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格1,015円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 コノ・スルのピノ・ノワールには、もっと上のグレード(20バレルとかオシオとか)もあるわけですが、 まずは今回はお手頃なレンジで比較しましょうということで、今回の最高級銘柄として選んだのがレゼルバ・エスペシアルです。 この銘柄との前回稽古は2015年産(コレ)です。

色は3種の中では一番濃くて、ちょっとピノ・ノワールじゃないような、サンジョヴェーゼかな?って感じの色合いです。 香りは・・・香りが・・・チャッキチャキのブショネです。チーン終了!ってかそりゃないよ~  それも、軽いヤツじゃなくてかなり重度のブショネ。プールから上がってすぐのカルキっぽい手で草むらの雑草を摘んでカビ臭い蔵の中で ・・・って表現するために香りを嗅ぐのもイヤになる感じです。

Cono Sur Pinot Noir Reserva Especial 2016 Cork

 コルクを見ると、ブショネに典型的な黒ずみを帯びた凹みと筋が見て取れました。 でも一応飲んでみました。でも、口の中に広がるブショネ感が邪魔でぜんぜん掴みきれないけど、 旨味はこれが一番しっかりしているような気がします。

 この状況を、ツイッターのフォロワーの皆さんにシェアして、グラスにサランラップを突っ込んだりスーパーのポリエチレン袋を突っ込んだりしましたが、 本質的には全く改善しませんでした。というわけで「安ワイン道場」としてはココに高らかに宣言します。

ヒドいブショネは何やっても回復は無理!

 一応明日まで待ってみますが、改善しなければオレンジジュースで割ってサングリアみたいにする感じですかね。 料理に不味いワインを使うと料理がマズくなりますからね。

Cono Sur Pinot Noir Reserva Especial 2016 with Saran-Wrap

 昨日提案頂いた「グラスにサランラップを突っ込む」案、確かにグラスのボウル内の気体に対しては若干の効果が認められたけど、 液体を口に含むと全く効果なしだったんですよ。でも理論的にそうだよね、液体の中の薫りまで吸着する力があるとは思えないし。 そうしたら『師範、サランラップをワインに漬け込むんですよ』との追加のアドバイス。なるほどそれなら効果があるかも!ってことで再挑戦。

 普通のグラスとサランラップを丸めて入れたグラス、両方同時に注いで30分経過後に稽古開始。 まず普通の方は、全く昨日と変わらないチャッキチャキのブショネ感を維持しております(泣)。 対する「サランラップ浸潤法」の方は、明らかに鼻で感じるブショネ感は改善されました。 その分ちょっとビニール臭い感じはありますが。 飲んだ感じも若干改善されます。残念ながら「大きく改善」には至りませんけど。

Cono Sur Pinot Noir Reserva Especial 2016 with Soft Drinks

 その後、次善の策として「割って飲む」という方向性に方針転換しました。

 オレンジジュースで割ってサングリア
これは師範の持論ですが、オレンジジュースで割っても飲めない赤ワインは無いです。 ブショネ香はほぼ感じられなくなります。「ブショネに出会ったらオレンジジュースで割る」、 これは覚えておいて損は無いかもです。

 コーラで割ってカリモーチョ
これもかなりマスクはされますが、不思議とコア部分にブショネの香りが残るのね。 なので知らずに飲めば無問題だけど、ブショネの回避策としては今一つです。

点数(35点)

8日(金)

ツバイゲルト 2015 [十勝ワイン]
名称Zweigelt 2015
ツバイゲルト 2015
生産者
池田町ブドウ・ブドウ酒研究所
価格寄付金額:6本セット30,000円 (参考価格:2,224円)
購入店北海道池田町

 本日の夕食は、豚ロースの生姜焼き、酸辣湯(ニチレイ)、昨日の残りのおでん、おとといの残りの金時人参のピクルス。 ワインは、昨年のふるさと納税の返礼品で頂いた北海道産の赤。 品種はツヴァイゲルトレーベ(ラベルには「ツバイゲルト」と書かれています)。 生姜焼きに合うんじゃないかと予想しました。

 色は、やや濃くなく薄くなくの紫色。ここのワインって、寒冷地の割には濃い色のワインが多かったけど、 このワインに関してはなるほど北海道っぽい?色合いです。 香りは控えめ。チェリーのような果実香に、酸を感じるツンッとした香りがあります。 「オーク樽で1年間熟成」とありますが、鼻で嗅ぐ分には樽香は見つかりません。 味わいは軽い。渋味が軽いのは、やっぱり甘味と旨味が無いからかなぁ。 数値的には糖度が6.8でpHが3.6。確かに「甘くないワイン」のポジションにあります。

 十勝ワイン、一貫してストイックな造りだなぁ、と思います。 でね、やっぱりね、批判を恐れず言えば、これが2,000円もするとなると『日本ワインいらねー』ってなると思いますよ。 当然それはブルゴーニュなんかでも同じ状況はあるんだけど、ブランド価値が無い分その期待ハズレに対する飲み手の包容力が小さいかも。 あくまで「通人のアイテム」です。昨今の「日本ワイン=イケてる」とする風潮を真に受けると間違うよなぁ、と。

点数67点

6日(水)

Robert Mondavi
名称Robert Mondavi "Private Selection" Chardonnay 2017
ロバート・モンダヴィ "プライベート・セレクション" シャルドネ 2017
生産者Robert Mondavi
ロバート・モンダヴィ
価格1,348円
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 本日の夕食は、鶏とサーモンとキノコのホイル焼き、薩摩汁、金時人参のピクルス。 調理担当は師範ですが、珍しく今日は出来合いの合わせ調味料やお惣菜を使っておりません!・・・って威張るほどのことでも無いんでしょうけど。 そんな料理に合わせたワインは、米国の大手ロバート・モンダヴィのシャルドネ。 昨年末にコストコで調達したワインです。 米国のスーパーが輸入する米国ワインなんで、当然一般の市価より随分安いだろうと思ったんですけど、 実際はネットショップなんかと比べると「ちょい安」くらいですかね。 ちなみに赤のブレンドとは先月稽古しております。

 色は照りのあるレモン色。アルコール度数が高そう(実際は13.5%)、そして樽使ってそうな外観です。 香りは、思いのほかボリュームは控えめだけど、シャルドネらしい蜜香や南方系のフルーツ、 加えてビスケットのような香ばしさがあって、「濃い系のシャルドネ」な香りです。 味わいは、一言で言えば「こぢんまりとまとまったカリ・シャル」です。 甘さがあって酸は控えめなあたりは確かにカリフォルニアのシャルドネなんだけど、 全体にスケール小さめ、そして軽い苦味があるのでまとまりは悪くありません。

 ところが抜栓後時間が経つと、いわゆる「カリ・シャル」的な豊満ボディが見えてきます。 そういう感じが好きな訳じゃないけど、「おー来た来た!」って感じにはなりますね。想像に違わない感じで。

 抜栓当初は、昔ながらのカリフォルニアのシャルドネにありがちな、プレイボーイ誌のグラマラス金髪美人みたいな「うっふんべローン!」って感じは無くて、 良く言えば抑制の効いた/悪く言えばちょっとネクラな雰囲気です。 でも、普段の夕食に合わせて一人一本だとこれくらいが使いやすいとも思います。 時間が経つとグラマラス系に変化もするし、面白いワインです。

点数76点

3日(日)

節分 豆とイワシと青鬼

 節分は、豆とイワシと青鬼です。

 豆やイワシと青鬼の相性は・・・ちょっと違うかなぁ。ってか、そもそも鬼が嫌いなものだからね。 ちなみに背景はヒイラギモクセイだよ。

Villiera Jasmine 2017 [Villiera Wines]
名称Villiera Jasmine 2017
ヴィリエラ・ジャスミン 2017
生産者Villiera Wines
ヴィリエラ・ワインズ
価格1,663円
購入店アフリカー

 夕食のメニューは、真イワシの丸干し、ヤリイカとブロッコリーのガーリック炒め、砂肝の黒コショウ炒め、イカゲソとキノコのアヒージョ。 ワインは、昨夏にアフリカーで買ってきた南アフリカ産の白。ショップで人気のワインとのことでお薦め頂きました。 品種はリースリング27%、ゲヴュルツトラミネール23%、モスカート50%とのことです。 ちなみにこの造り手のワインとは、15年前にソーヴィニョン・ブランと稽古しており、 「今後南アフリカは有望な気がする。 」などと先見の明を発揮しております・・・とプチ自慢。

 色は、特に特徴の無い薄レモン色。ところが!ですよ、香りが凄いんです。 もうめっちゃ華やか、ユリ(カサブランカ)とか沈丁花とかクチナシとかジャスミン(って書きたくなかったけどね、だって銘柄に書かれているから)とかの花の香りがブワーッと来ます。 そして、ゲヴュルツの個性を反映してかライチのような雰囲気も。とにかく派手で押し出しの強い香りです。 味わいは、やや甘めで軽め。深みやコクは無いけれど、香りの印象をそのまま伝える味わいです。 惜しむらくは、味わいが単調なのでやや飲み飽きします。

 銘柄名が示す通り、とても華やかな香りが特徴。ちょっとビックリするくらいはっちゃけていて、ヘタなゲヴュルツのワインなんかよりはるかに「飲む香水」です。 いわゆるマニアな方にウケるワインじゃ無いかもだけど、ワイン好きの裾野を広げるというか、 普段ワインを飲まない方にはぜひ飲んでみて欲しいワインですね~・・・ってウチのサイトはそんな人は多分見てないんですけどね。

点数79点

2日(土)

コノ・スルのワイン

 いつも『ワインのお薦めは?』と聞かれると「コノスル買っときゃ間違い無いです」と答えてますが、 師範自身そんなに頻繁に稽古しているわけでも無かったり。 特に、レゼルバ・シリーズとはもう4年以上もご無沙汰だったりして、定点観測を怠っております。 「これじゃ安ワイン道場師範の名に恥じる!」ってことでいろいろまとめ買いしました。

 ビシクレタからレゼルバ・エスペシアルまで、いろいろ取り揃えて12本。 比較稽古なんかも組み入れながら、ぼちぼち稽古して参ります。

Cono Sur Syrah Reserva Especial 2016 [Viña Cono Sur]
名称Cono Sur Syrah Reserva Especial 2016
コノ・スル シラー レゼルバ・エスペシアル 2016
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格972円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 ・・・というわけで、まずはレゼルバ・エスペシアルのシラーから。 面白いことに、この2016ヴィンテージは「アウトレット」扱いで安くなっています。 なぜなら、現行ヴィンテージが2017年だから。 面白いよね。ワインってヴィンテージが古い方が珍重がられたりもするけど、 この銘柄(&このショップ)に関しては「新しい方が善」なんですな。 そんな理由で安いんだったら・・・と迷わずチョイスした次第です。 ちなみにこの銘柄とは、4年半も前に2012年産と稽古しています。

 夕食のメニューは、師範代オリジナル鶏胸肉とナスの油淋鶏風、ソーセージ入りニラ玉、鶏皮の酢の物、主食は中華おかゆ。 あまり「ワイン!」ってイメージ無い料理だけど、安ワイン道場ですからね。

 さて抜栓。コルクは短めの天然モノです。 グラスに注いで、色はめっちゃ濃いです。 でもエッジだけみれば若干赤い。豪州産の気合の入ったシラーズなんかと同じ感じの色合いです。 香りはやっぱり立派だわ。濃い色のベリー香に加えて、コーヒーやチョコレートのような甘く香ばしい香りがタップリ。 香りのボリュームもあってでゆったりした気分になれます (明日大学入試の長女曰く「バルサミコ酢の香り」・・・そのまんまやん!)。 これで味わいがガシガシに固かったらよくある南米産なんだけど、意外と柔らかいんだよなぁ。 当然濃さは申し分なく、渋味もあるけど甘味や酸味もあって、全体のバランスは取れています。

 小指の先ほどの大きさで皮と種しかないような果実を絞って、 ガチな新樽で熟成させました、という感じのワイン。 これが大量生産できて1,000円以下は反則だよなぁ。他の造り手はやる気を無くすよね、 消費者側としては大変ありがたいわけだけど。濃いワインが嫌いな方々を除けば、間違いなく「買い」なワインです。。 多分2017より2016の方がこなれているはずだから、アウトレットでセールされているうちに買っといた方が良いと思います。

点数80点

1日(金)

GrecanicoTerre di Giumara  2017 [Caruso & Minini]
名称Grecanico "Terre di Giumara" 2017
グレカニコ "テッレ・ディ・ジュマーラ" 2017
生産者Caruso & Minini
カルーソ&ミニーニ
価格760円 (9本セット8,729円(10% off):単品価格1,382円)
購入店京橋ワイン

 本日の夕食メニューは、鶏モモ肉のオーブン焼き、トマトの香草&チーズ焼き、菜の花とタコとカニカマの酢の物。調理担当は師範でございます。 ワインは、メインが鶏なんで比較的しっかり系の白が良いと考えて、チョイスしたのは京橋ワインの「イタリアワイン9本セット、送料込み9,698円」からのシチリア産白。 造り手の「カルーソ&ミニーニ」は、このショップで良く見かける造り手、品種の「グレカニコ」はシチリアの土着品種ですね。

 さて抜栓。栓はDIAM風の集成材です。 グラスに注いで、色は結構しっかりしたレモン色。でもネットリ感はあまりありません。 香りは・・・弱いなぁ。なんとなくのトロピカル感と、なんとなくの蜜っぽさはあるけど、全体に香りのスケールは小さめ。 味わいは、甘さ控えめで酸味はそこそこしっかり、旨みがカッチリで軽~い苦味。 香りが弱い意外、飲み進めるのに抵抗はありません。

 な~んか小品です。買値相当額の760円なら「さもありなん」だけど、元値の1,400円弱ではちょっとガッカリかも。 ただ、添加物として「アカシア」が使われている割には飲み飽き感はありません。 良くも悪くも普通に普通の安白ワインです。

点数68点