稽古日誌:2015年1月

正月の富士山

 明けましておめでとうございます。「安ワイン道場」も19年目(※)を迎えました。 来年5月で20周年、子供なら大学進学するくらい成長してなきゃいけませんが、 内容的にはまだ乳幼児同様の道場です。

(※)・・・とか書いてましたが、1997年スタートなんでまだ18年目ですな。正月早々何を勘違いしていたんだか・・・

 Webサイトの成長といえば、TwitterやFacebook等のSNSのアカウントを取得して、 そこと連携する、というのが一番ありがちな姿だと思いますが、 師範はどうもウチはそっち方向と違う気がするんですな。

 Twitterが馴染めない理由として、 有名人ならまだしも師範みたいな一般人が今何をしているのか/何を考えているのかなんて 誰も興味無いであろうということ。 つぶやきはだいたい毎日「会社ナウ」「家ナウ」の繰り返しになると思います。 ワイン飲んだ結果はほぼ必ずここに書くので内容がダブりますし。

 Facebookが馴染めない理由として、基本的に実名を原則としているということ。 「安ワイン道場師範」なんてのは、実情は別として設定上は架空の人物なわけですよ。 架空だからこそ書く方も(多分読む方も)面白いのであって、 ここで師範本人が現実世界のパーソナリティをカミング・アウトしちゃつまらんだろう、と。 友達申請や「いいね!」のシステムもどうもねぇ。 師範は設定上やはり「勘違いした孤高の人」でないとね。

 というわけで、SNSとの連動以外で「安ワイン道場」 を成長&発展させるコンテンツあるいはサービスは無いかと模索中です・・・ってウソです、 「模索」なんてしてません。ぼんやり「何かないかなぁ」とタマに考えているだけです。

 そんなテイタラクな年頭のあいさつなわけですが、 「安ワイン道場」を本年もよろしくお願い申し上げます。


31日(土)

Chateau Ste Michelle Columbia Valley Chardonnay 2013
名称Chateau Ste Michelle Columbia Valley Chardonnay 2013
シャトー・セント・ミッチェル コロンビア・ヴァレー シャルドネ 2013
生産者Chateau Ste. Michelle
シャトー・セント・ミッチェル
価格\1,480
購入店カーヴ・ド・リラックス

 本日の夕食は、次女のリクエストにお応えして師範謹製広島風お好み焼き。 夏場だとテラスにホットプレートを出して作るんですが、 さすがにまだ外は寒いので、キッチンでフライパン2枚を使って作ります。

 そしてワインは、こういうジャンキーな味わいのメニューにはあまり繊細系じゃ無い方がいいと思い、 久しぶりに買った米国産の白をチョイスしました。 ラベル不良か何かでディスカウントされて1,480円だったので、 それなりに良い値段のワインなんだと思われます。

 さて抜栓。コルクは屑コルクを集成したもので、ちょっぴりガッカリです。 気を取り直してグラスに注ぐと、 色はそれほど濃くは無いけどシャキッとしたレモンの果肉色で、 普通の安ワインとはちょっと違う感じを受けます。 そして香りはいかにもカリフォルニアのシャルドネのそれで、 甘く香ばしい樽香がバンバン香ります。 その向こう側にガソリンっぽい香りがあって、その更に向こう側に蜜入りリンゴのフルーツ香です。 口に含むと甘さしっかりで、酸味相対的には弱めに感じられ、 いかにも米国人が好みそうな味わいに仕上がっています。

 「古き良きカリフォルニアのシャルドネだなぁ」と思いつつ飲んでいましたが、 良く見るとコロンビア・ヴァレーなんで、ワシントン州産ですな。 そう言われると、 きつい樽使いの向こうの果実味自体はあまり厚ぼったい感じはしない気もします ・・・って後付けの印象ですけどね。

点数76点

30日(金)

Cinco Gatos Garnacha 2013
名称Cinco Gatos Garnacha 2013
シンコ・ガトス ガルナッチャ 2013
生産者Bodegas Navalón
ボデガス・ナバロン
価格\765 (単品価格:不明)
購入店 京橋ワイン

 本日の料理は、鶏ササミのチーズ揚げ、アジフライ、揚げナスとトマトのサラダ、大学芋。 師範代の時間が無い時は揚げ物のことが多い道場です。

 そして本日のワインも京橋ワインさんの12本セットから。 年末年始で在庫が底を尽きかけたので、どうしてもその後に買ったワインが連発しがちです。 そしてこのワインが、今回のセットの中で一番「鬼門」ではないかと考えております。 なぜなら・・・

 ・師範があまり得意で無いスペイン産
 ・安っぽさ全開の外観&"Cinco Gatos(五匹の猫)"というワインらしからぬ名前
 ・添加物として亜硫酸塩以外に保存料(ソルビン酸K)安定剤(アカシア)使用

特に最後の添加物がねぇ。 気のせいでは済まされないくらいの確率で、アカシアが添加されているワインとの相性が悪いんですわ。

 ・・・と、警戒しながら抜栓。 コルクはとっても短いヤツですが、屑を固めたタイプではありません。 色は、「やや濃いめ」くらいの色合いでしょうか、濃さはあるけど明るく澄んだ感じです。 香りは、確かにガルナッチャ=グルナッシュですなぁ、な、 グジュッと潰したベリーに青草のような荒っぽい香りがあります。 味は、まず顕著なのが甘味です。もう不自然なくらいに甘い。 その他は酸味はそれなり、そして渋味は穏やかだけど後に残る感じがあります。

 で、例によって3杯目くらいから俄然飲み飽きしてきます。 なんか工業製品的な味付けというか、全体に不自然な感じがして、 身体が求めなくなっていきます。だもんで最後は氷と炭酸で割って飲み干しました。

 先入観の可能性もあって確証はありませんが、やっぱり師範はこの手の添加物とは相性が良くないようです。 ただ、そういう添加物が使われていることがこのショップのサイトには明記されているので、 今回の場合は知ってて買っています。 だから、裏切られた感は無くて、あるのは『やっぱりそうか』という変な納得感ですね。 でも最近多いんだよなぁ、「アカシア」が使われているワイン。

点数53点

28日(水)

Chateau de Rolland 2013
名称Chateau de Rolland 2013
シャトー・ド・ロラン 2013
生産者Ch. de Rolland
シャトー・ド・ロラン
価格\765 (単品価格:不明)
購入店 京橋ワイン

 先週末は外飲みが続いたので、道場でしっかりワインと稽古するのは大変久しぶりな気分 ・・・といっても金曜以来なのでたった中四日ですが。 そして本日の夕食は、鶏手羽先の唐揚げ、ガリバタチキン、トマトとブロッコリーのサラダ。 手羽先って、どこまで真剣に「骨&肉」と向き合うかによって、 食べ終わりの美しさが違うように思います。 魚の「骨&肉」は、真剣さより技術が支配的な気がしますが、 手羽先はあくまで真剣さが必要。 そして、ウチの子供らにはその真剣さが足りません。 食べ終わった骨の周りに肉多数。 それに対して師範が教育的指導を錦の御旗に説教しつつ、 残飯処理係としてチビチビ食べながら飲むワインが最高です。

 そんなわけで本日のワインは、京橋ワインさんの12本セットに入っていたボルドー産の白。 品種はセミヨン60%、ソーヴィニョンブラン40%とのことなので、一般的なボルドー産のバランスですね。 添加物としてビタミンCが入っているあたりがちょっと気になるところです。

 さて稽古開始。色はかなり薄め、 お値段3桁の白ワインらしいサラリとした外観です。 香りはなかなかよろしい。 ソーヴィニョン・ブランらしいハーブやグレープフルーツみたいな香りに、 こちらはセミヨン由来っぽいピーチっぽい香りがあって、 爽やか&フルーティ感満載です。 味は、結構甘さしっかりですが酸味も結構あるんで(糖度7.4/pH3.2)、浮ついた感じはありません。 アルコール度数が12.5%と(昨今では)低めなので、スイスイと入っていきます。

 お安いながらも名醸地の面目躍如、といったところでしょうか。 これが1,000円以下は間違いなくお買い得です。 ウマ安というとスペインなんかを思い浮かべがちですが、 少なくともこの手の白だとボルドーは平均点が高くて手堅い印象がありますな。

点数76点

25日(日)

焼肉屋さかい 天王町店 外観

 本日、子供部屋を長女エリア/次女エリアの二つに分けました。 引っ越し作業ご苦労さま、ということで夕食は焼肉。 行ったのは、ここんとこご無沙汰で久しぶり(前回は約1年前)の 焼肉屋さかい 天王町店

 今回は早めに予約したこともあってか、 家族4人なのにロースターが2つあるキャパ8人くらいの広めの個室が使えました。 焼肉って、テーブルに皿を沢山並べるんで、広い席は非常にいい感じです。

焼肉屋さかい 天王町店 料理

 頼んだ料理は以下です(順不同敬称略)

ミノぽん、ハラミ、上牛タン、こく旨牛ホルモン、豚トロ、石焼ビビンバ、チョレギ、豚カルビ(×2)、 牛レバー、タマゴスープ、熟成極カルビ、鶏ももバジル、鶏なんこつ、石焼スタミナガーリックライス、 ガツ刺し、特製サラダ、ネギ塩牛タン、あじわいバラカルビ、 チョコレートパフェ、黒蜜きなこバニラ、カラメルカフェバニラ、焼きたて豆乳パン

 ま、「これ美味ぇ!」ってのは無いんですが、どれもそこそこ美味しいし、 子供たちも大きくなってこれくらいの量を食べるとなると、そうそう高級店には行けないわけです。

焼肉屋さかい 天王町店 杜氏の挑戦 巨峰 焼肉屋さかい 天王町店 ビール

 そして飲み物は、ぐるなびのクーポンを使って人数分ドリンクサービス、 ということでまずは生ビール(中)を2杯。 プレミアムモルツなのはなかなかポイント高いです。 そしてその後、「ワインでも飲もうかのう」と思いつつメニューを見ると、 杜氏の挑戦 巨峰というのが目に入りました。 お値段は税抜きで530円。 どっかの国産ワインのミニチュア・ボトルかと思って注文して見ると、 これが何と巨峰の味付けがされた清酒ベースのカクテルでした。 焼肉との相性を求めるべくもない飲み物ですが、甘いアルコールが好きな方には良いかもです。

 その後、ハイボールなんかも飲んだり、師範代もノンアルコール・カクテルなんかを注文したりして、 お会計はトータルで14,000円超。 ちょっと前までは焼肉屋の支払って1万円程度だったわけで、 やっぱり子供たちも食べるようになったなぁ、という感じです。


24日(土)

はなたれ 外観

 本日は、二週に一度の外部研修の日、 そして毎度懇親会があって、本日のお店は魚と酒 はなたれ 丸の内トラストタワー店。 師範が幹事をした時のの向かいにあります。

 店内は普通の広さがある居酒屋ですが、なんとこの日フロアで働いている人はお姉さんとお兄さんの二人だけ。 やっぱり土曜とかはあまり人が来ないことを想定されているんですかね。 そういう状態なんでいろいろ待たされるわけですが、 お姉さんのスマイルに我々オッサンたちは大変寛容でした。

はなたれ 料理

 そしてここは刺身の盛り合わせが大変素晴らしいものでした。 鮮度の良い魚が12種類くらい載っていたかな? こんだけあると相当な時間これだけで持ちます。 オペレーション・コストを抑えるために食材のコストは上げている、という戦略でしょうか。

 刺身以外には、まずお通しがあって、鍋があって・・・あと何だっけ? 刺身盛り合わせが印象的過ぎてあまり覚えてません。

はなたれ ワイン

 コースは飲み放題なのでまずは生ビールをカパカパと。 リストには一応ワインもありましたが、そこには墨痕鮮やかに「フランジア」の文字が。 我々酸いも甘いも噛み分けたオッサンたちの反応は『フランジアかぁ』です。 しかしながら師範は「安ワイン道場師範」でありますから、お約束で「白と赤グラス1杯ずつ」注文。 そして内容はやっぱり「フランジア」でした。 ただ、白はかなり厳しい感じでしたが、赤は案外イケてたような気がします。

 会費は毎度の4,000円。 東京駅すぐなんて場所だと日本一高いんじゃないかというイメージがあるけど、 意外と品川あたりの方が売り手市場で高価格かも知れません。 もちろん日程がいつも土曜日だ、ということもあるんでしょうけど。


23日(金)

Chateau Mousseyron 2010
名称Château Mousseyron 2010
シャトー・ムセイロン 2010
生産者Ch. Mousseyron
シャトー・ムセイロン
価格\765 (単品価格:不明)
購入店 京橋ワイン

 本日の夕食は、牛ハラミのステーキ、鶏肉の炒め物、キャベツとパプリカとキノコの蒸し物、生湯葉。 ワインは、京橋ワインの12本セットから、金賞受賞のボルドー産をチョイスしました。 それにしても最近多いですよね、この「金賞受賞」をウリにするショップ。 もちろんそういうタイトルが無いよりは良いんでしょうが、 師範は正直あまりアテにならんような気がしています。

 色は、ボルドーらしい暗くて濃い紫色。 この値段のボルドーでこれくらい濃ければ色はまず合格といったところでしょうか。 香りのボリュームはかなり小さめ。 しっかり嗅ぐとこちらもボルドーっぽいトーン低めの果実香と煙たく燻したような香りを感じます。 味も、ガッシリした渋味が全体を構成している感じで、こちらも予想を裏切りません。 ただ、香りの要素が少ないのと酸味が控えめなのとで、なんとなくシンプルな感じは受けます。

 1,000円のボルドーに求める必要十分な要素はキチンと持っていて、 かつ非常に端正で媚びることのない姿勢は評価できると思います。 ただ、まるで教科書を読んでいるような感じで楽しさがありません。 正座して一本飲み終えて、両手をついて「勉強になりました」と言いたくなるワインです。

点数71点

22日(木)

戸風炉 品川店 外観

 本日は、師範が所属する勤務先の新年会。 場所は、勤務先近くの大手居酒屋です。 これまでも何度も利用したことがある店ですが、 勤務先がプチ引っ越しした関係で、 この店に伺うのは案外数年ぶりだったりします。

戸風炉 品川店 料理

 今回は師範が幹事だったわけではないので詳細不明ですが、 選ばれたコースは多分料理は底辺のコースで、それにプレミアム飲み放題が付けられていたんだと思います。 年寄り主体の飲み会としては正しい選択だと思いますが、 残念ながらその料理はハッキリ言って量が少なすぎます。 参加者は誰一人として40代以下がいないチャッキチャキのオッサンオバサン集団ですが、 それでもこの量だと足りません。 一般的な2時間コースでは無くて3時間にしたこともあって、 飲み会中盤はかなり「待て!」状態でした。 ただ、シメの蕎麦は香りも良く歯ごたえもあって、かなり美味しゅうございました。

戸風炉 品川店 ワイン

 飲み物は「プレミアム飲み放題」でしたが、選べるワインは赤白とも1種類、 メニュー表によれば「オルディナ・ブラン」と「オルディナ・ルージュ」だそうです。 当然ながら師範は「安ワイン道場師範」ですので、両方とも注文しました。 その結果、このチョイスは「無し!」でした。 そのことを参加者に高らかに宣言したところ、 従順な皆様に置かれましてはだれもワイン注文する人はおられませんでした。

 そして気になるお会計は、おひとり様4,500円といったところ。 「最近品川は高いよねぇ」という意見が飛び交いますが、 まぁ需要と供給で決まると思いますので、致し方ないところでありましょう。


21日(水)

Vermiglione 2011
名称Vermiglione 2011
ヴェルミリオーネ 2011
生産者Villa S.Andrea
ヴィッラ・サンタンドレア
価格\1,007 (単品価格:\1,382)
購入店 ドラジェ

 本日の夕食のメインはギョウザ、といっても自分たちで作ったのでは無くて冷凍モノ(大阪王将)ですが。 あとはきんぴらゴボウに青梗菜のスープ(これらは師範代謹製)です。

 さてワインは、昨年11月に買った「秋ワイン6本セット」からの最後の1本。 「秋ワイン」なのにもう冬も真っ只中になっちまいました。 そしてこのワイン、表ラベルにはヴィンテージ表記がありません。 裏ラベルの上にはそれを覆い隠すようにインポーターのステッカーが貼られていて、 剥がしてようやく2011年産であることが判ります。 また、そのインポーターのステッカーに「アルコール分:ラベルに記載」と書かれていますが、 ステッカー自身が裏ラベルを隠しているんで自己矛盾しています。 正直、ワインのインポーターさんによるこういった商品を毀損する行為は理解に苦しみます。 特にこのショップはインポーター直営で、 そこには立派なテイスティングコメントを書かれるシニアワインアドバイザーさんがいるみたいなのに、 その方が親会社にそういう指摘をしないのも不思議です。

 さて気を取り直して稽古開始。 色はトスカーナ産としてはかなり濃い紫色。 アルコール度数は14.5%もあって、脚が長くてトロトロに濃厚っぽい見た目です。 香りは、イタリアっぽく明るい人懐っこさもありながら、 まるでニューワールド産みたいなギュッと締まった果実香もあります。 ボリュームは中程度ながら、なかなかどうして侮れない香りです。 味も予想外にちゃんとしていて、 渋味のカドが取れていて、甘さは十分過ぎるくらいで、酸味もちゃんとしています。

 インポーターを憎んでワインを憎まず(・・・ってフレーズこの時も使ったな)、 1,000円強のお値段では考えられないくらい力強さと凝縮感のあるワインです。 インポーターの扱いは置いといて、今回のセットでは最後のこれが一番アタリでした。

点数78点

18日(日)

Duc de Cherence Brut N.V.
名称Duc de Chérence Brut N.V.
デュック・ド・シェランス ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Duc de Chérence
デュック・ド・シェランス
価格\765 (単品価格:\1,058)
購入店 京橋ワイン

 本日の夕食は手巻き寿司。 寿司種は、タチウオの昆布〆炙り、タラの昆布〆、本マグロ赤身、ネギトロ、サーモン、カイワレ大根。 あとは汁物として豚汁。 寿司種の前の二品はあまり手巻き寿司的では無いけど、魚屋で美味そうだったんで買いました。 白身魚を軽く〆たのって好きなんですわ。

 そしてワインは、こういうメニューには間違いなくスパークリングでしょう、 ってことで、最近買った京橋ワインさんの12本セットに入っていた フランス産のヴァン・ムスーをチョイス。 販売店のサイトによれば、品種はアイレン、ユニブラン、コロンバール、 南西部&ロワール地方のブドウを使ってボルドーで醸造しているとのことです。

 色は薄め、泡立ちは少なめですが泡のキメは細かいように見えます。 香りは、甘いリンゴに柑橘類を加えたような、ダイレクトにフルーツっぽい香りがします。 口に含むと、確かに炭酸は弱くて、「シュワシュワ」というより「チリチリ」な感じです。 味わいのバランスは、甘さ控えめで酸味もそれなり、万人ウケするポジションと言えそうです。

 小さいながらもまとまりの良いスパークリングですね。 同価格帯のカバなんかと比べると、泡は弱いし甘味も酸味もおとなしいけど、 変にキンキンしたところもなくて積極的にネガティブな要素が見当たりません。 買値相当額700円台、単品価格でも1,000円ちょっとなら「アリ」だと思います。 ただ、シャンパーニュと比べるとその差歴然だろうとも思います。

点数72点

17日(土)

Sarrau Reserve Pinot Noir 2011
名称Sarrau Reserve Pinot Noir 2011
サロー レゼルヴ ピノ・ノワール 2011
生産者Robert Sarrau
ロベール・サロー
価格\842
購入店MEGAドン・キホーテ 狩場インター店

 本日の夕食のメインは、次女が作った「塩レモンで作ったチキン・コンフィ」。 塩レモンは1週間くらい前から作っていたようで、渾身の一品のようです。 他には自家製ピクルス、レタスとシーフードのサラダ、フカヒレスープが並びました。

 そんな料理に合わせたのが、本日散歩がてら行った近所のドンキで買ってきたフランス産のピノ・ノワール。 お値段は税抜き780円(税込842円・・・税金高くなりましたな)というチャッキチャキの安ワインながら、 "Reserve"なんて書かれているし、ヴィンテージも2011年とそこそこなので、 思わず買ってしまった次第です。

 色は、いわゆるフランスのピノ・ノワールとしては結構濃いめな赤紫色。 キレイに澄んだ感じで値段を超えた高級感があります。 そして香りを嗅いでビックリ、ほぼ全くブルゴーニュです。 コート・ド・ボーヌの村名クラスくらいには匹敵しそうな、 グジュッと熟した赤いベリーに革っぽい妖艶さがプラスされた香りです。 ところが味が残念、まったくもって軽くてペラッペラ。 数値を測定すると糖度が6.9でpHが3.4、 赤ワインとしては「甘くなくてやや酸っぱい」ポジションに位置しています。 ま、その通りのワインですな。

 というわけで、香りは良かったんだけどなぁ。 強引にシロップでも加えれば騙せるかもだけどね。 同じくドンキの安ピノとは1年ちょっと前にイタリアはヴェネト産と稽古していて、 そっちの方がちょっと好印象だったかな。

点数70点

16日(金)

四十八漁場 品川店 外観

 メンバーの健康上の理由によりここ半年間活動を休止していた師範が参加するバンド、 ようやく再開のメドが立ちました、ということで復活の新年会。 ベースのmw氏は出張で来られなくなって、キーボードmz氏とドラムのhy氏、 そして師範の3名で。 場所は、品川駅そば第一京浜国道沿いにある四十八漁場 品川店。 「じとっこ」や「塚田農場」などを展開するエー・ピー カンパニーが経営する海鮮居酒屋チェーン店です。

 店内はワンフロアで、一角に調理場、奥のほうに小上がりがあって手前はテーブル席。 きっちり満席の店内は、ほとんどがサラリーマン風の人たちですが、一部カップル的な人もいて、 客層の広さが伺えます。

四十八漁場 品川店 料理

 左写真は、この店の看板メニューである漁師の刺し盛り大、1,780円(税別)。 漁師さん直送で鮮度の良い魚をウリにしている店だけあって、一つもハズレがありません。 普通こういうところに乗りそうな、マグロやホタテみたいな冷凍モノが無いのもナイスです。

 刺し盛り以外には(いずれも外税)、お通しでキビナゴとミズダコの炙り(\460×3)、 あとは揚げなめろう(\550)、小松菜と油揚げのお浸し(\460)、 越前寒茸陶板焼き(\580)、揚げぎんなん(\400)を。 もうイイ加減オッサンだし、 食べるより飲むのがメインだし、久しぶりなんでしゃべるネタもあり放題だしで、 3人で食べたには少ない量です。

四十八漁場 品川店 酒 四十八漁場 品川店 名刺

 お飲み物は、生ビールジョッキ(\520×8)、日南レモンサワー(\500)を飲んだ後、 福島県の清酒飛露喜 特別純米、一合\830を3回。 最初の二合は一升瓶の残りの方、最後の一合は開けたて。 清酒に詳しいmz氏は『全然違う』と言われてましたが、師範にはその違いはよう判らんかったです。

 そんな感じで、お会計はトータルで13,000円ちょっと。 食べた量の割にはお高く感じますが、食べ物の質と飲んだ量を考えれば順当でしょう。 帰りには、この店用の名刺を作ってくれて、師範は係長だそうです。 系列店に再訪すると格付けが上がっていくようで、 そういうリピート率を高める工夫なんかもさすが流行りの居酒屋チェーンという感じがしますな。


14日(水)

Olcaviana Verdejo 2012
名称Olcaviana Verdejo 2012
オルカビアーナ ベルデホ 2012
生産者Bodegas Olcaviana
ボデガス・オルカビアーナ
価格\826 (単品価格 \924)
購入店 ヴェリタス

 道場の場合、普段は概ねワインを買う量と飲む量が一定していて、 平均的な在庫回転期間は1ヶ月強程度で健全経営をしています。 ところが年末年始なんかを挟むとそのバランスが崩れて、 今日現在はかなり在庫が少ない状況です。 経済の観点では良好な状態と言えますが、 趣味の観点ではチョイス出来る幅が狭くて寂しい状態です。

 そんな状況下、本日の夕食である鶏モモ肉のトマト煮込みに合わせて選んだのがコレ、 スペイン産のビオ白ワインで、セットの最後の一本。 この造り手の同クラスの赤とは稽古済み、 どうも「雑な感じ」のするワインだった模様。うむー。 ただ、安くてイケてる白ワインは案外少ないスペインにおいて、 このベルデホという品種とは案外相性が良いので、若干の期待を胸に稽古。

 色は、安ワインとしてはややハッキリとしたレモン色で、安っぽさは感じません。 香りは結構ナイス。フランスの品種だとヴィオニエみたいな、 沈丁花的な花の香りと甘い蜜っぽさがかなりのボリュームで香ります。 味も結構しっかり系。 甘さもありますが酸や旨味もしっかりしていて、単純だけど飲み応えを感じます。 ただ、その単純さが飲み飽きに繋がりはしますが。

 結果、予想外にイケてます。 単純かつストレートで普通に楽しめます。 やっぱり師範は"Verdejo(ベルデホ)"種とは相性が良いような。 対して"Macabeo(マカベオ)"とは相性がイマイチです。 個人的に覚えておきましょう。 師範と嗜好が似た読者の方も覚えておいて損は無いはずです。

点数74点

12日(月祝)

Mercurey 1er Cru Les Puillets 2010 [Chateau de Santenay]
名称Mercurey 1er Cru "Les Puillets" 2010
メルキュレ・プルミエ・クリュ "レ・ピュイエ" 2010
生産者Château de Santenay
シャトー・ド・サントネイ
価格\1,866 (単品価格:不明)
購入店 DSKワイン

 本日の夕食は、昨日のワインを使って仕込んだカレー。 子供らや師範代の嗜好を重要視して、基本的には甘口ですが、師範だけガラムマサラを増量して辛口にします。 この方法の良さは、師範自身も甘い/辛いを調整出来るところ。 ご飯と食べる時は辛くして、ワインのアテにする時はスパイシーさを抑えることが可能なわけです。

 ということもあり、本来カレーに繊細なワインを合わせるのは無謀なわけですが、 在庫に豪州のシラーズとか南米のカルメネールみたいなワインが無いのと、 やっぱり3連休の最終日くらいは良いワインが飲みたくて、 セットに入っていたブルゴーニュの1級畑をチョイスしました。

 色は、キレイに澄んだ赤紫色で、微妙にエッジにオレンジのグラデーションがあって、 大変キレイな色です。 香りをまず嗅いで「コレはアタリ!」とガッツポーズ。 熟れたイチゴと革の妖艶さ、まさしく南ブルゴーニュの良いワインの香りが満載です。 味は、イガイガした感じが全くないスムーズなお肌なのは良いんだけど、 なんとなく酸が不足していて浮ついているような印象。 数値を図るとpHは3.3なので、そんなに酸が少ないわけでもないみたいなんだけど、 なんかちょっとスムーズ過ぎるように感じちゃいます。

 というわけで、ちょっとスムーズ過ぎるきらいはありますが、 ブルゴーニュの上品さ/高貴さがしっかり伝わってくるワインです。 セットの価格を本数で割って、このワインの相当額を1,866円と表示していますが、 明らかにセットの中ではこれが別格でしょう。 稽古範囲内の3,000円以下では普通買えないワインなのだろうと思います。

点数79点

11日(日)

Sun of Africa Cape Red N.V.
名称Sun of Africa Cape Red N.V.
サン・オブ・アフリカ ケープ・レッド (ヴィンテージ無し)
生産者Weinkellerei Einig-Zenzen
ヴァインケレライ・アイニッヒ・ツェンツェン
価格\566
購入店横水市場

 明日の夕食は師範謹製のビーフカレーに決定。 それに使う肉を買うために、散歩がてら松原商店街まで行き、横水市場で牛ホホ肉をゲット。 そして、「肉を煮込むにはワインも必要でしょう」ということで、 同じ店で安くて濃そうなワインを物色、お眼鏡にかかったのがこの南アフリカ産の赤。 ラベルにライオンやキリンやゾウが書かれていて、 「アフリカ土産か!」って感じの超絶安っぽさであはあるけど、 500円超だったらこんなもんでしょ、ということで購入。

 そして、4人分のカレーにフルボトルのワインを1本使うわけでもないので、 200ml使って残った550mlと本日稽古。 ちなみに本日の料理は豚ヒレカツ&鶏モモカツであります。

 色は想像したよりはかなり薄め、ブルゴーニュの良いヤツくらいの色合いで、 南アフリカのワインの色とはちょっと思えない感じです。 香りのボリュームはそれなりあるんだけど、 甘酸っぱい感じの果実香とちょっと蒸れた雑巾のような気配もあって、 正直安っぽい印象は禁じ得ません。 味わいのバランスは、渋味はかなり軽くて、そしてとても甘め。 測って見ると糖度は8.6もあって、甘口赤ワインと言っても過言ではない雰囲気。 うむー。

 料理用だから、もっと濃くて渋くて・・・ってのを期待したんだけどなぁ。 よくよく見ると、造り手はドイツのメーカーの模様。 甘口好きなドイツ人向けのワインだったのかも。 ま、ビーフシチューじゃないからワインの質がカレーの味に大きな影響を与えることは無いだろうけど、 選択のミスであることは素直に認めざるを得ません。 550mlでも飲み飽きするので、後半は氷を入れて炭酸で割って飲み干しました。

点数62点

10日(土)

北海道八雲町 三越前店 外観

 本日は、二週に一度の社外研修の日。そして毎度の懇親会、本日の会場は日本橋にある北海道八雲町 三越前店というお店。 多分北海道八雲町の経営なりアンテナショップ的な役割を担うなりの関連があるお店なんでしょうが、 今回は幹事ではないので詳しいことは判りません。

 店内はかなり広い感じでした・・・ってか自分らの座敷以外に足を運んでいないのでわかりません。 料理は、飲み放題で4,000円のコースということで、 場所柄を考えるとそれなりに満足のいく量とクオリティで提供してくれていたと思います。

北海道八雲町 三越前店 料理

 で、残念なのが、飲み放題のメニューにワインが無かったこと。 普通あるよね、ワイン。フランジアでもサン・ヴァンサンでも、どこだか出所不明のジャグ・ワインでも。 飲み放題じゃないリストには北海道産ワインが書かれているのに、 そしてなぜか九州の焼酎はいろいろ選択肢があるのに、ワインは無いんです。 もし、ここの経営に北海道八雲町が関与しているのであれば、 北海道のワインを飲み放題のリストにも入れて欲しいと思うわけですよ。 こういう店に来る客は北海道産のものを楽しみたいわけで、 九州の焼酎を飲みたいわけじゃないと思うんだよなぁ。 あと、ビールはアサヒのスーパードライでした。 これもサッポロが良いんじゃないっすかね?

 というわけで、店や料理には特段の不満はありませんが、 北海道ゆかりのワイン/ビールが飲めなかったというその一点が残念。 経営されている方には一考をお願いしたいと思います。

フロワヴェール 外観

 そして、道場最寄駅まで帰っては来たものの、 ワインが飲めなかったことが心の奥底に残っておりまして、 『そういえば最近シャレた店が近所に出来てたな』ということを思い出し、行ってみましたよ。 店の名前はFloivelu(フロワヴェール)で、 保土ヶ谷駅から天王町駅へ向かう大門通り沿いにあります。

 で、なにがシャレているかって、この店は倉庫をリフォームして造られているんですな。 同じ並びには同様にシャレたハンバーガーショップやお寿司屋さんなんかもあって、 一種独特の雰囲気を醸し出しています。 そしてこのお店はその倉庫スペース2ブロックが使われているということで、 意外と中は広くて、3~4人掛けのカウンターとテーブルが2つくらい置かれていたと思います。

Alamos Chardonnay 2012
名称Alamos Chardonnay 2012
アラモス シャルドネ 2012
生産者Alamos
アラモス
価格(\850? : glass)
購入店Floivelu

 ワインの種類は、泡が1ページ、白が2ページ、赤が3ページ(だっけ?)のリストがあって、 それぞれのページには10種ほど書かれていたので、全体では60種くらいはあったかな。 ボトルの値段は安いところで3,000円台、高くても4ケタまでだったと思います。 さすがにここからボトルを開ける元気は無かったので、グラスワインのリストを見ていたところ、 『グラスはリストに書かれている以外もあります』とのことだったので、 お店の方に「では香りの良い白をお願いします」と注文、 出して頂いたのがこのアルゼンチン産のシャルドネ。 カベルネは稽古した記憶があったけど、 白は無いんで初稽古かと思ったけど、後で調べたら2009年産と稽古済みでした。

 このお店、(当たり前かもですが)キレイに磨かれた大ぶりなグラスが使われているのがナイスです。 白は、横に膨らんだ球状に近い形のグラスで出して頂きました。 色は、暗めの照明なのでよく判りません。 香りは、傾向としては南米のシャルドネらしい熟れた感じの香りです。 樽や蜜がバンバン来るかと想像したけど、意外とおとなしめでした。 味も比較的中庸なバランス。甘さはありますが、出過ぎた感じはありません。

 最近は南米でもこういう抑制の効いた感じに仕上げられたりするんですなぁ、と再認識。 あと、このワインに関しては提供温度がやや高めでバッチリでした。 もっとスッキリ系の白だったら、もう少し冷やされた方が嬉しいかも知れません。

点数(74点)
Chateau Fauzan 2011
名称Chateau Fauzan 2011
シャトー・フォーザン 2011
生産者Ch. Fauzan (J.P.Bourrel)
シャトー・フォーザン (J.P.ブレル)
価格(\800? : glass)
購入店Floivelu

 次は赤なんですが、赤の前に栃木産の地ビール(銘柄失念)を 『今日入ったので試しに飲んでみて下さい』と言われて2種類も頂きました。 いやー、このサービスの良さには惚れてしまいます。 大喜びで飲んでおりました。

 そして赤も、なんとかの一つ覚えで「香りの良いヤツをお願いします」と注文、 出して頂いたのが南仏はミネルヴォア産の赤。 5,200本を超える稽古経験を誇る道場ですが、この造り手は初稽古です。 そして、このインポーターのワインも初めてかもしれません。

 赤はブルゴーニュタイプのグラスで出して頂きました。 白同様、色に関しては情報が取れません。 香りは、ボリューム的にはかなりのもので、 シラーらしいピリッとした香りと、グルナッシュらしい青畳のような香りがしっかりあります。 味もしっかりです。 やや野暮ったい感じは否めないけど、野性味溢れる味わいはなかなかナイスです。

 多分、かなりメートルの上がっている師範を見て、 「コイツには繊細なワインを出しても無駄だろう」と思われたんでしょう、 酔っ払いの脳味噌にガツンとクサビを刺すようなしっかりしたワインでした。

点数(75点)

 結局注文したのは上記ワイン2杯とイワシのマリネだけなのに、 2時間近くも粘って、 その上サービスで地ビール2杯も出して頂いて、お会計は2,100円也。 良いお店を発見、きっとまた伺います。


9日(金)

Telish Cabernet Sauvignon & Merlot 2009
名称Telish Cabernet Sauvignon & Merlot 2009
テリッシュ カベルネ・ソーヴィニョン&メルロー 2009
生産者Telish
テリッシュ
価格\1,062
購入店カルディ ららぽーと横浜店

 本日の夕食はキユーピー製の「タコのペペロンチーノ」&ガーリックトースト、肉豆腐。 ちなみに会社名の「キユーピー」は「キューピー("ュ"が小さい)」では無いらしいです。 研修でご一緒しているそこの社員の方に聞きました。勉強になります。

 そして料理のメインが肉なんで、ワインは赤をチョイスします。 選んだのは、久しぶりに稽古するブルガリア産の赤。 ブルガリア産と言うと、かなり北の方にあるので薄いワインなイメージがありますが、 このワインは、あの「ミシェル・ロラン氏」がコンサルタントということなので、 決して薄くは無いはず。現にアルコール度数は14.0%と表記されています。

 色は、この品種の南米産なんかと比べると薄いのかもだけど、 透明感のある紫色、そしてエッジに僅かにオレンジがあって、なかなかキレイな色合いです。 香りは、ドカーンと来るようなボリュームはありません。 でも、ボルドーの香りに少し赤い果実を加えたような、キュッと鋭利な雰囲気の香りを感じます。 味も、他のミシェル・ロラン物みたいな濃さを想像するとハズされます。 どちらかというとバランス重視な味わいで、甘酸っぱさの真ん中にやや粗めの渋味があります。

 ・・・と、飲み始めはまだ良かったんだけど、徐々に渋味がエグみに感じられてきます。 なんか全体にギスギスした雰囲気で、ちょっと飲み進めるのに難儀する感じです。

 改めてラベルを見ると、ヴィンテージは2009年、もう5年以上前。 恐らく、もっと若い時点で飲めばもっとまとまりが良かったんじゃないかと想像されます。 なんか全体に惜しい感じがするワインです。

点数68点

7日(水)

Farnel (Rouge) 2012
名称Farnel (Rouge) 2012
ファーネル (赤) 2012
生産者Les Costières de Pomérol
レ・コスティエール・ド・ポメロル
価格\771 (単品価格:\1,058)
購入店 ドラジェ

 ややバブり加減だった年末年始の安ワイン道場ですが、 昨日本年最初の休肝日を軽やかにこなして、本日より平常運転でございます。 料理は、鶏ササミのフライ、アジの梅しそフライ、ナスの素揚げとトマトのサラダ。 新年になっても揚げ物大好き一家です。

 というわけで本年最初の3ケタ(といっても税込単品価格は微妙に4ケタ)ワインは、 南仏ラングドック産の赤。 ボトルの外観的にもラベルに書かれた内容的にも、「チャッキチャキの安ワイン」然とした感じで、 凡そセットに入って無ければ手を出さない感じですが、 往々にしてお宝というのはそういうところに埋まっている・・・かも知れないと無理に期待感を鼓舞しつつ稽古します。

 さてスクリューキャップを捻って抜栓。スクリューキャップはフランス産ではまだ非主流派ですね。 グラスに注いで、色は思いのほか濃くて、ちゃんと熟したワインが使われている印象を受けます。 香りのボリュームは中程度、品種はメルローとシラーらしいですが、 確かにボルドーと南仏の中間くらいの雰囲気を感じます。 販売店のサイトには「紅茶やウーロン茶、ナツメグ、エンピツの芯」と書かれていて、 そのうち「エンピツの芯」は確かにそうですね。目から鱗の表現です。 味は濃くなく薄くなく。全体に単調で変化に乏しい感じですが、飲み飽きするほどでもありません。

 内心「きっとダメだろうな」という気持ちで臨んだ稽古だったので、 案外ちゃんとしていたのは良い方に誤算でした。 単品価格の1,000円強だと順当、買値相当額の800円弱だとややお得感があります。

点数72点

5日(月)

JAL312便 外観

 5日、世間様は(師範や師範代の勤務先も)今日から始動しているわけですが、 チケットの手配&価格の関係上、本日師範一家は道場に帰ります。

 帰りのフライトは、11:00福岡発羽田行きJAL312便。 機材は行きと同じBeing777-200、"JAL SKY NEXT"です。 今回の我々4名の席は54H/Kと55H/K、エコノミーだけど横2列、 54H/Kは特に席間が広いプレミアム・シートです。 景色を含めれば、富士山が見える54A/Cがスーパープレミアムシートですが、 残念ながら取れませんでした。

 道場に着いたら買い物等で運転する機会もあるだろうということで、本日は機内での飲酒無し ・・・なんてこと書かなくても普通朝11:00のフライトで飲んでる人は居ませんわな。

地鶏や 横浜ポルタ店 料理

 昼食は、高速バスで横浜駅まで帰ってきて東口地下街にある地鶏や 横浜ポルタ店にて。 師範の注文は国産若鶏とたっぷり野菜の黒酢あんかけ定食、 お値段は税抜き900円なんで税込だと972円、ほぼ1,000円の豪華昼食です。

 料理のタイトル通り、揚げた鶏胸肉の上にたっぷりの揚げ野菜が乗り、 脇に山もりのキャベツの千切りがあってヘルシー感はあります。 でもちょっと味が濃いな。黒酢あんかけなんて大抵濃い味なのかも知れませんが、 薄味な地方から帰って来てすぐだと特にそう感じられるのかもです。

 帰宅後、長女のキャリーバッグが取り違えられていることが発覚、 空港に連絡するも該当なし、「もしかして」ってことで高速バスに連絡したら見事に該当。 先方と直接交換しこと無きを得ました。 キャリーバッグは、空港で番号を確認するのと同じくらい、 高速バスもで取り違え無いよう確認が大切、という教訓を得ました。

Podere Bianchino Chardonnay di Toscana 2013
名称Podere Bianchino Chardonnay di Toscana 2013
ポデーレ・ビアンキーノ シャルドネ・ディ・トスカーナ 2013
生産者Tenuta Montecchiesi (Dal Cero)
テヌータ・モンテッキエージ (ダル・チェロ)
価格\1,111 (単品価格:\1,706)
購入店 京橋ワイン

 そんな感じで長い帰省生活を終え、元気で道場に帰って参りました。 本日の夕食は豚肉と白菜の重ね煮、モヤシとキュウリのナムル。 疲れた胃に優しそうなメニューであります。

 そしてワインも癒し系が良いと考えて、軽そうな白をチョイスしました。 選んだのは、京橋ワインの「極上セレクト9本セット」からの最後の1本。 同系の造り手のロゼと昨年稽古していて、 そこそこ好印象でしたし、癒し系な感じがしたもんですからね。

 色は薄めです。あまり粘性も無くサラリとした感じの見た目です。 香りは桃やマンゴーのようなフルーツ香に、クチナシやユリのような花の香りが結構しっかりで、 なかなかどうして侮れません。 味は、メインで感じるのは甘さ、その向こうに軽い酸味。 わずかに炭酸のジリジリ感があって、軽快な味わいです。

 師範の嗜好からするとちょっと甘めのバランスですが、 「癒し系のワイン」という目的にはかなりハマってくれました。 単品価格はそこそこするのと、 酸化防止剤として亜硫酸塩の他にビタミンCが使われているのがちょっとアレですが、 しみじみ楽しめるワインではあると思います。

点数76点

4日(日)

九州新幹線 外観

 4日、まだ九州に滞在中。

 熊本からの帰りも九州新幹線を利用しました。使った切符は博多熊本間が5,140円の割引切符。 それを鳥栖までしか使わないお大尽ぶりです。 で、そのお大尽はほぼ徹夜明けなんで寝過ごして博多まで行っちゃわないよう必死でした。

 そんな感じで超寝不足ゆえ、本日の師範は廃人同様。ほぼ師範代実家でゴロゴロしていました。

Chateau Montus 2007
名称Château Montus 2007
シャトー・モンテュス 2007
生産者Ch. Montus (Alain Brumont)
シャトー・モンテュス (アラン・ブリュモン)
価格(師範代父より)
購入店---

 夕食メニューは、佐賀牛のサイコロステーキにカニ鍋。 「おご馳走」を絵に書いたような料理です。

 そしてこれが今回師範代父に用意して頂いたワインの最後の一本。 銘柄は、14年前にも稽古したことがある、 アラン・ブリュモンが手掛けるシャトー・モンテュス。 どこぞの映画俳優が自家用ジェットで買い付けに来る、とかで一時期話題になりましたな。 どちらかというと濃い系のワインだと思うので、 2007年というちょっと年季の入ったヴィンテージは良い方に作用しているのではないか、 と期待しつつ抜栓します。

 色は非常に濃くて、小さめのグラスでも全く向こうが透けない、ほぼ黒に近い濃紫色。 粘性も高くてコールタールのようです。 香りは、ボリューム自体はあまり大きくはありませんが、 グッと詰まった重い果実香と焦げ感のある樽香が合わさって、色の雰囲気そのままの濃い香りがします。 そして味も、舌の上でザラつくような豊富なタンニンが顕著。 ゴクゴクとは飲めないワインです。

 とにかく濃いワインでした。 とはいえ飲み飽きもせず最後まで飲み干せたので、この濃さが必ずしもマイナスの方向に作用したわけではないようです。 若干の熟成感が無いわけではありませんが、ポテンシャルはあるもののまだまだ若くて強いワインというところでしょうか。

点数76点

3日(土)

みの屋うどん本店 外観

 本日も師範代実家に滞在中。

 午前中に墓参りとお寺参りを済ませた後、 「うどんが食べたい」ということでいつも行く「香梅」に電話するもお休み中。 そこで次善の策として師範代&師範代妹が選んだのが、鳥栖市真木町、 久留米へ抜ける道沿いにあるみの屋うどん本店というお店。

 店内は、カウンターとテーブルと座敷があって、結構なキャパがあるのに午後1時過ぎにお客さんが行列中。 周辺のうどん屋さんが軒並み休業中なのでこの店に集中しているものと思われます。

みの屋うどん本店 料理

 そして、師範の注文は、親子丼定食(左写真)、670円也。 小さめの親子丼と普通サイズのうどん、それにサラダと漬け物が付いて、 さらにセルフサービスの辛子高菜と昆布の佃煮までつけてこのお値段は、 首都圏の外食感覚からすると大変良心的。 お味の方も、親子丼はちゃんと卵とろとろ、 うどんは九州のうどんらしいコシの無い柔らかいうどんで、 キチンと基本が踏襲されておりナイスでありました。

九州新幹線 外観 九州新幹線 内装

 夕方から、師範は師範代と子供らを師範代の実家に置いて、 単身で中学の同窓会に出席するため新幹線を使って熊本市内へ。 九州新幹線、初めて乗りましたが、800系の車内は2列+2列でひろびろとしていて良いですな。 乗車時間はたった30分強でしたが。

ワイン

 同窓会の一次会は熊本市内のホテルで、 二次会は銀座通りの居酒屋的なお店で。右写真はそこで飲んだワインだと思われます。 そしてよせば良いのにその後も三次会から四次会まで。 若いモンじゃないんだからオールナイトで飲んだりしてはイケマセン。


2日(金)

鳥栖実家の料理

 明けて二日、本日は師範実家から師範代実家に移動します。

 師範実家を出発したのが午前11時頃、 阿蘇地方は本日も雪。薄っすらと積もる程度でしたが、 ノーマルタイヤで走るのはやはり怖いので、チェーンを装着しました。 そして国道57号線まで出たら路面に全く雪は無く、すぐにチェーンを外すことになりましたが。 その後、九州縦貫道は例によって微妙に渋滞、 師範代実家に到着したのは午後2時前でありました(と備忘録)。

 師範代実家には師範妹一家も集まり、こちらでも賑やかな正月です。

G.H.Mumm Cordon Rouge Brut N.V.
名称G.H.Mumm "Cordon Rouge" Brut N.V.
G.H.マム "コルドン・ルージュ" ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者G.H.Mumm & Cie
G.H.マム&コンパニー
価格(師範代父より)
購入店---

 ありがたいことに、師範代実家でもシャンパーニュが用意してあって、 師範代妹の旦那と師範二人で頂きます。 銘柄は、大手シャンパン・ハウスのG.H.マム。 ここのと稽古するのは随分久しぶりで、 前回の稽古はなんと10年前の次女のお宮参りの際、 場所もここ師範代の実家でした。

 外観は、コンコンと湧き出る細かい泡がいかにもシャンパーニュという感じです。 香りも、例えば『モエ・エ・シャンドンです』と言って出されれば 「確かにそのようですね」と答えそうな、没個性ながらレベルの高い典型的シャンパーニュの香りです。 味に関しても同様で、甘さも酸味もとても平均的ながら文句の付けようがないバランスを保持しています。

 シャンパーニュの大手って、「それ自体が一つのブランド」ってくらいクオリティが揃っていて、 安心して飲める反面バクチの要素が無くて安ワイン道場的にはちょっと物足りなかったりします。 だからといって↓のようなのを造るべきとも思いませんが。

点数77点
Jacob's Creek Sparkling Shiraz Dry Cuvee N.V.
名称Jacob's Creek Sparkling Shiraz "Dry Cuvée" N.V.
ジェイコブス・クリーク スパークリング・シラーズ "ドライ・キュヴェ" (ヴィンテージ無し)
生産者Jacob's Creek
ジェイコブス・クリーク
価格(師範代父より)
購入店---

 もう一本スパークリングが用意してありました。 師範はてっきり普通の(白の)スパークリングだと思っていましたが、 開けてビックリ、赤のスパークリングでした。 ちゃんとラベルを見ると、"Sparkling Shiraz"との表記があります。 オーストラリア産の赤のスパークリングとはこれまで数回稽古しておりますが、 あまり良い印象は無かったわけですよ。だもんで「ありゃりゃ」って感じで飲み始めたわけですが・・・

 色は赤です、シラーズの色です。 液体の粘性が高いためか、そこから上がってくる泡は大変キメ細かいものです。 香りも赤です。まさしくシラーズの香りです。 救われているのは、あまり青っぽさはなくて完熟した感じなので、粗野なイメージはありません。 味は、やや甘味のある赤がジリジリ泡立っているという、このワインの成り立ちそのものの味わいです。 ただこちらも、飲みづらさを感じるほどの渋味や苦味はないので、案外スルスル入ります。

 これまで飲んだ赤のスパークリングの中では、ネガティブな要素が控えめでイケている感じはありました。 でもやっぱりスパークリングはもっと軽いブドウを使った方が良いとは思います。 この感じはオーストラリア産以外では全く味わえないので、圧倒的な個性はありますけれども。

点数72点

1日(木祝)

東肥の赤酒

 今年の元旦は雪が降っていて、ちょっと散歩に行ける状況ではありませんでした。

 熊本地方の正月ではお屠蘇に赤酒という甘い清酒を使います。 清酒と言うよりどちらかというと味醂に近いお酒ですが。 そしてこのお酒、正月のお屠蘇以外に飲む機会はほぼありません。 それは師範家だけじゃなくて一般的な熊本の家庭は結構どこでもそうだと思われます。 非常に特異な使われ方をするお酒です。

Poilvert-Jacques Brut N.V.
名称Poilvert-Jacques Brut N.V.
ポワルヴェール・ジャック ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Poilvert-Jacques
ポワルヴェール・ジャック
価格\2,345
購入店 ヴェリタス

 日本の正月の朝はお節料理であります。 特に何かが美味いわけではなく、その割には結構なお値段する料理ですが、 それでもやっぱり無いと締まらない感じはします。 あとは前日同様、馬刺とかナマコ酢とか。師範代実家から持参した数の子や筑前煮もあります。

 そして元旦は朝からシャンパーニュを頂きます。 でも「安ワイン道場」ですから、シャンパーニュといえども3,000円以下の稽古範囲のお値段。 あまり聞いたことのないネゴシアン・マニピュランです。

 さて抜栓。色は濃くは無いけどやや赤め、黒ブドウの比率が高そうな見た目です。 香りは、ボリューム的にはシャンパーニュとしては標準的ですが、 ややパンや味噌のようなイースト香が強くて、熟成期間が長そうな雰囲気を感じます。 味も、甘さ控えめ酸も中程度ですが旨味がしっかりしていて、 さすがはシャンパーニュといった気配です。

 突出した個性は感じられませんが、 シャンパーニュらしい熟成した丸みを感じるスパークリングです。 正月一本目のワインとしては「中吉」といった具合ですかね。 まぁその程度が「安ワイン道場」らしくはありますが。

点数78点
阿蘇の積雪

 午後も軽く雪が降り続き、今年の元日の初詣は断念しました。 「正月は九州に帰ります」と言うと関東地方の大抵の人は『暖かくて良いですねぇ』なんて言われますが、 宮崎や鹿児島の海沿いあたりは別にして、九州のかなりのエリアより 東京神奈川千葉あたりの方が暖かいと思われます。

Bourgogne Chardonnay Vieilles Vignes 2012
名称Bourgogne Chardonnay Vieilles Vignes 2012
ブルゴーニュ シャルドネ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2012
生産者Etienne Rodier
エティエンヌ・ロディエ
価格\1,180
購入店 ヴェリタス

 元日の夕食は、お節の残りと牛すき焼き。 肉は阿蘇牛のロースですが、さすがに現地とあってかなり安いですね。 ちなみに久留米市在住の師範代の妹一家でもすき焼きだったそうで。 まぁだいたいどこの家でも考えることは同じようです。

 そして今宵もワインを2本頂きます。 まず一本目はブルゴーニュのシャルドネ。 このワインは昨年稽古済み、 ACブルゴーニュの割にはかなりイケていた内容だったし、 お値段的にも1,000円ちょっとってのはかなりお買い得なのでチョイスした次第です。 ちなみに飲む前に、冷やす目的で屋外に出していたんですが、 外は氷点下だったゆえ、かなり冷え過ぎた状態で稽古スタートとなりました。

 色はかなり薄め、特に目立った感じはない普通の色合いです。 香りは、冷え過ぎた影響もあってか、最初はかなり小さめのボリュームでした。 時間が経って温度が上がってくると、リンゴのようなフルーツ香に軽く香ばしい樽香があって、 雰囲気は悪くありません。 味わいも、非常に冷えた状態ではかなりドライでした。 こちらも温度が上がってくるとそれなりに旨味が感じられるようになりましたが。

 来年へ向けての教訓として、スパークリングじゃなければ外に出して冷やすのは冷やし過ぎ、 ということでしょうか。 それでもまぁそれなりに美味しく頂けたので、ワインの品質自体はちゃんとしていたんだと思われます。

点数75点
Nuits-Saint-Georges 1er Cru Aux Bousselots 2010
名称Nuits-Saint-Georges 1er Cru "Aux Bousselots" 2010
ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ "オー・ブースロ" 2010
生産者Maison Gille (Pierre Gille)
メゾン・ジル (ピエール・ジル)
価格\4,492
購入店 ヴェリタス

 そしてもう一方の赤が今回のメインを張る気合の一本です。 この造り手"ドメーヌ・ジル"のワインは、 以前ACブルゴーニュと稽古して好印象だったので、 上のグレードをゲットしてみました。 販売店のサイトを見ると、同じ畑の2011年産は以前3,180円で売られていたようなので、 同じ畑を1.5倍近くも出して買うのは若干の抵抗がありましたが、 それでもブルゴーニュ価格高騰の昨今、 ニュイの1級畑が5,000円以下なのはまだお買い得と考えて購入した次第です。 ちなみにこちらは玄関に置いていたのでやや低めの提供温度ながら冷え過ぎてはおりません。

 色は、ちょっとくすんだ感じの赤紫色で、 まさに若いブルゴーニュのそれなりの畑のワイン、という見た目です。 香りはとてもよろしい感じ。北のブルゴーニュらしいトーンの高いベリー香に、 ある種の香水のような非常に華やかな香りがあります。 そして、深く嗅ぐとカラメルのような甘香ばしさもあって、香りの要素としては申し分ありません。 ただ、それに比べて味わいが軽め。 酸がしっかりしているのは師範好みなのですが、 全体にあっさりした感じで、もうひとつグリップが欲しいところです。

 香りは大オッケーで味わいはあと一歩、というところですかね。 こういう雰囲気だと、やっぱりまだ若かったということでしょうか。 それでもじっくり時間をかけて飲めばもっと開いたかも知れませんが、 今回は姪も飲むようになって飲む人4人なので、 あっという間に無くなっちゃいました。

点数83点