稽古日誌:2019年1月

新年の獅子舞

 平成最後のお正月、明けましておめでとうございます。

 昨年11月に書いていた道場の個人ホームページ容量問題、 結局500円/月も支払いわずか50MBの容量追加をしております。 でも仕方ないよね、個人ホームページってのは完全にオワコンなのは明らかで、運営側にとってはコストなんでしょうね。 Yahooもサービス停止するし、 個人ホームページの超老舗さとなおさんもnoteへの移行を表明されておりました。

 でもなぁ、やっぱり師範にとっては個人ホームページが良いんだよなぁ。 「広告を表示しない」とか「デザインの自由度」とかに加えて、「完全なるミラーがローカルのPC上にある」という安心感が捨てがたいわけです。 例えばbiglobeがサービス停止を表明したとしても、手元のディレクトリごとftpで転送すればいいので、 あっという間に別の場所に(アクセスカウンタ以外は)完全な形で道場を再構築できます。 今では師範もツイッターやフェイスブックにアカウントを持っているけど、 それらはコミュニケーションにはとても有効なもののアーカイブという意味では全く使い物にならない印象があります。

 ・・・というわけで、追加50MBを使い尽くすにはあと数年かかるでしょうから、「安ワイン道場」は当面このままのスタイルで続けていきます。 今年の抱負は「"例年通り"の実現」です。


30日(水)

Chardonnay Cuvee Gentilhomme Vieilles Vignes 2016 [Robert Sarrau]
名称Chardonnay "Cuvée Gentilhomme" Vieilles Vignes 2016
シャルドネ "キュヴェ・ジョンティロム" ヴィエイユ・ヴィーニュ 2016
生産者Robert Sarrau
ロベール・サロー
価格646円
購入店MEGAドン・キホーテ狩場店

 本日の夕食当番は師範で、メニューはサーモンのバジル焼き、牛モツの煮込み(レトルト)、モヤシのナムル、シイタケとワカメのお吸い物・・・バラバラですな。 選んだワインは、先週の水曜に稽古した銘柄と同じヴァン・ド・フランス格付けで、本日は白のシャルドネ。 ドンキで税別598円の激安フランス産です。 でも、安ワインとの付き合いが長い師範は今回はあまり警戒していません。 というのも、激安なヤツって一般に赤より白の方がハズさないから。 薄くて頼りないことはあっても、積極的な不味さってあまり無いと思うんだよね、白は。

 色は薄めのレモン色。アシは短いですね、サラッとしてます。 香りは非常に弱いのね。ほぼ無臭に近いですが、深く嗅ぐと熟したシャルドネっぽい飴と蜜の香りがあります。 でも、この若さのシャルドネにあるはずのフルーツ香はほぼ感じません。 味わいは、甘くなく酸っぱくなく、旨みがあってそこそこ悪くない感じです。

 不味くは無いけど美味くも無いワイン。とにかく香りが弱いのが残念。どこかに忘れて来たみたい。 でもこの値段だからねぇ、道場に届くまでの流通上のどこかで辛い目にあったのかも知れません。 当たり前ですが、ドンキの安ワインは何でもコストパフォーマンスが良い、というわけではないんですな。

点数65点

27日(日)

リアルワインガイド Vol.64

 最新号のリアルワインガイド、「旨安ワイン特集」とのことで買いました。 掲載されている旨安ワイン111本のうち、道場でも稽古しているのはたった2本でした。

Roceno Nerello Mascalese 2017(稽古日:2018年11月11日)
Linton Park "Class of 76" Chardonnay 2016(稽古日:2018年9月9日)

 やっぱりまだまだ知らない安ワインはたくさんあるんだな。かように安ワインの世界は広くて(そこそこ)深いのです。

 ・・・ってかズレてんのかなぁ、道場の安ワインセレクション。 リアルワインガイド側もインポーターに若干偏りがありそうな気もしますね。 ともあれ、ちょっとだけ今後の安ワイン選びの参考にさせて頂きます。

サッポロ 99.99 クリアレモン

 先週の日曜同様今日も日差しが暖かなんで食前酒はサッポロの99.99、本日はクリアレモン。

クリアドライと比べると、レモンの香りがする分こっちの方が普通のレモン・チューハイ的。 スッキリしてて良いんじゃないですかね。 アルコール度数9%は、この手の缶チューハイとしては高い方なんだろうけど、 スパークリングワインは普通に12%とかあるし、氷を入れると薄まるのでそんなに強い!って感じはありません。 これで肝臓を慣らしてワインとの稽古に臨みます。

Rocca Bruna Brindisi Riserva 2015 [Botter Carlo]
名称Rocca Bruna Brindisi Riserva 2015
ロッカ・ブルナ ブリンディジ・リゼルバ 2015
生産者Botter Carlo
ボッター・カルロ
価格700円 (9本セット8,729円(10% off):単品価格1,274円)
購入店京橋ワイン

 そうやって肝臓を温めたところでワインと稽古。本日の夕食メニューは煮豚と筑前煮、そして冷凍のチヂミ。まぁ選ぶのは赤ですわね、というわけでイタリアはプーリア州の赤をチョイス。 京橋ワインのイタリアワイン9本セット、送料込み9,698円(楽天スーパーセールで10% off)からの一本。造り手は安イタリア界で最近めきめきと頭角を現しているボッター・カルロです。 ショップのサイトによれば、品種はネグロアマーロ80%、マルヴァジーア・ネーラ10%、サンジョヴェーゼ10%そうです。

 色はかなり濃くて黒に近い紫色。表記上のアルコール度数は13%ですが、それ以上にありそうなアシの長さを感じます。 香りはイカにもタコにもプーリア節。干しブドウのような濃いベリー香にスミレの花、 樽からは浅く煎ったコーヒー豆のような香りも加わっています。 「こりゃぁ濃そうだぞ」と身構えつつ口に含むと、これが思いのほか軽いのね。 渋味より酸味を感じて、ほんのり甘味。 ブルゴーニュとは似ても似つかないけど、乱暴に例えると香りと味わいのバランスは南のブルゴーニュ的です。

 色は濃いし香りも濃いけど味わいは軽い。 プーリアのワインって、最近むやみやたらに濃いワインが多くなっているけど、 これくらいの「抜け」があった方が普段の食卓には使いやすいんじゃないですかね? 単品価格の1,300円弱は順当で、買値相当額の700円だったら相当お買い得です。

点数77点

26日(土)

Bourgogne Chardonnay La Vignee 2016 [Bouchard Pere & Fils]
名称Bourgogne Chardonnay "La Vignée" 2016
ブルゴーニュ シャルドネ "ラ・ヴィネ" 2016
生産者Bouchard Père & Fils
ブシャール・ペール・エ・フィス
価格1,256円 (単品価格:2,041円)
購入店うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、ブリのアラが安かったんでブリ大根、そして鶏もも肉のロースト、空芯菜の芽&トマト&人参のサラダ、ガーリックライス。 なかなか相手を務めるワイン選びに悩むメニューです。 更に、昨日良いワインをしこたま飲んだわけで、その意味でも選択が難しいのね。 こういう場合は「昨日飲んでない品種」って観点で、選んだのはブルゴーニュのシャルドネ。 珍しく昨日はシャルドネが無かった(※)からね。秋に買った「うきうき福袋」からの一本です。 ちなみにこの銘柄は、今をさること20年前に1997年産と稽古済みであります。

 色は薄めのレモン色。アシの感じは中程度で、標準的なACブルゴーニュの見た目です。 香りは弱めだけど、ミネラルに加えてリンゴと蜜のフルーツ香、そしてほんのりバニラの香りを感じるあたりは、まぎれもなく本家ブルゴーニュです。 味わいは甘味も酸味も控えめ。決して濃くは無いけど旨味がしっかりで、食中酒としては結構万能なんじゃないかと思います。

 上手に造ってるなぁ、と言う印象ですね。全く派手さは無くて、ワイン会なんかでウケないと思うけど、 いろんな食事に合わせてしみじみ飲むにはなかなかいい感じだと思います。 単品価格2,000円強はちょっと考えるけど、福袋での単品相当額1,256円なら十分アリです。

(※)ヴーヴ・クリコにはシャルドネが使われているとは思いますが、ここでは無視します。そんな細けぇこたぁどうでも良いっすよ。
点数75点

25日(金)

Craft Wine N 外観

 本日は職場のメンバーでのワイン会。前回が昨年9月なので4ヵ月ぶり。 店はいつもと同じ麻布の隠れ家レストランCraft Wine N(Facebookのページ)。 今回の参加者は8名、いつも同様にそれぞれ1本で計8本。全体にワインが行き渡る量を考えると、この人数がMaxですね。

 そして、例によって持ち込むワインは事前申告、それに合わせて料理を用意して頂いております。 結果的に合うか合わないかは別にして(って大抵合うんだけど)、 何を基準にその食材or調理法が選ばれたのか考えるのは大変楽しいオトナの遊びです。

Hirakawa Winery Intimite La Petillante 2017 [Hirakawa Winery]
名称Hirakawa Winery "Intimité" La Pétillante 2017
平川ワイナリー "アンティミテ" ラ・ペティヤント 2017
生産者Hirakawa Winery
平川ワイナリー
価格(Ktさんから)
購入店

 当初の予定では、一本目はシャンパーニュのはずだったんだけど、一本目担当のYj氏がまさかの遅刻。 『仕方ねぇな』ということで順番変更、まずはKt女史が持参された北海道は平川ワイナリーの微発泡から。 「日本ワイン」かつ「自然派ワイン」です。 今回、皆が持参した8本のうち3本が日本ワインです。 やっぱり来てるよね~、日本ワインのブームが。 品質が向上していることも当然あると思うけど、 師範の個人的な考えでは、もともとブルゴーニュあたりを追い求めていた凝り性なワイン好きが、 そのあまりの価格高騰っぷりを嫌って日本ワインや自然派ワインに矛先を変えているようにも思えます。

 外観は、ほんのりレモン色でそこそこ濁りがあります。泡は見えません。 香りを嗅ぐとこれがビックリ、パッションフルーツのような極めてフルーティな香りがパーッと来ます。 香りのボリュームはシャンパーニュなんかにも全く引けを取らないくらい立派です。 味わいは、酸味がしっかりで渋味も感じます。甘い香りとは裏腹に、かなりカチッとした味わいです。

 白状すると、「日本の泡、それも微発泡なんてジュースみたいなもんでしょ」と思っておったわけですよ。 ところがどっこい全くもって良い方に裏切られました。こういうのもあるんですねぇ、勉強になります。 でも、生産量は少なくてなかなか入手は難しいんだとか。そこがネックなんだよなぁ、日本ワイン。

点数80点
Craft Wine N 野菜のテリーヌ

 一皿目の料理は、野菜のテリーヌ。ゼリーは鶏の出汁が使われているそうです。 まず見た目がキレイですね~ってことで大きめの写真でご紹介。

 口に運ぶと、まず粒胡椒がピリッと効いてますが、味付け自体はにとても淡い感じで野菜そのものの味が楽しめます。 日本ワインの泡、もっと弱い味わいが想像されたんじゃないかな? どんなワインも邪魔しない奥ゆかしい味付けに感じました。

Alliance 2015 [Marc Tempe]
名称Alliance 2015
アリアンス 2015
生産者Marc Tempé
マルク・テンペ
価格(Ksさんから)
購入店

 2本目(本来は3本目予定)のワインは、Ksさんが持参されたアルザスで「ビオワイン」を造る有名ドコロのマルク・テンペの白。 「自然派ワイン」という範疇のものも今回8本中3本もあります。 師範は自分ではあまりこの方向のワインは買わなかったりするので、こういう機会に稽古させて頂けるのはありがたいですな。 だってちゃんと選ばないととんでもないのに当っちゃいますからね、自然派ワインって。

 色は、麦わら色から黄金色あたりの色調で、照りもあって非常にキレイです。 香りも良いですねぇ。最初に感じたのは白檀のような仏教を想起させる香り、 深く嗅ぐと「資生堂ブラバス」のような男性用化粧品を想起させる香りを感じます。 香りの雰囲気から甘いワインを想像して口に運ぶと、決して甘さは強く無い、という感じはいわゆるアルザスっぽいですな。

 時間が経つと、香りが一気に変化して、黄桃のような、ある種の貴腐ワインにあるような香りが出てきます。面白いなぁ。 一部には『自然派ワイン』というだけで否定的な見方をする方もおられますが、 モノによってはこういう普通に美味しく頂けるワインもあるんですね。 物事はフラットな気持ちで臨みたいものです。

点数82点
Craft Wine N 鶏とキノコのゼリー寄せ

 アルザスの白に合わせて出して頂いた料理が、鶏とキノコのゼリー寄せ、クレソンのサラダを添えて。 鶏は、鶏ハムのようなしっかりしたテクスチャと濃い味わいを感じます。 白でも赤でも大丈夫そうな料理ですね。

Les Brumes N.V. [Ch. Lestignac]
名称Les Brumes N.V.
レ・ブリュム (ヴィンテージ無し)
生産者Ch. Lestignac
シャトー・レスティニャック
価格(Fjさんから)
購入店

 自然派ワインが3本続きます。このワインは自然派マニアなFjさんが持参されたもので、 「ネオ・ヴィニュロン」と呼ばれるマチアス・マルゲ氏がオーナーのシャトー・レスティニャック。 格付け的には"Vin de France"、いわゆる原産地呼称の無い広域フランスなんだけど、畑は南仏のヴェルジュラックにあるようです。 ヴィンテージは2017年産のようですが(裏ラベルに"17"の印字があります)、"Vin de France"だと書けないのかな? そのあたりは良く判りません。

 色は、黄金色~琥珀色の色調、前のアルザス産より明らかに濃く深い色合いです。 香りは・・・うーん表現が難しいな。コアにはすりおろしリンゴのようなフルーツを感じるんだけど、その周りに不思議な雰囲気を纏っています。 東洋的なスパイスと言えば良いのか、車の香水みたいと言えばいいのか・・・師範の語彙にはない香りです。 味わいはかなり甘さがしっかりしています。そして酸は強くないんで、甘さが目立ちます。食中酒い一人で一本は辛いかなぁ、などと思っておりましたが・・・

 これが時間が経つにつれてコロコロ雰囲気が変わります。甘さが主体なのは変わりませんが、薬草っぽさが出てきたり、貴腐香が出てきたり。 なので案外一人で飲んでも飲み飽きしないかも。ボトル差も大きいようなので、「たまたまこのボトルはそうだった」ということかも知れませんが。

点数79点
Craft Wine N フォアグラのテリーヌ

 そして料理がコレ、フォアグラのテリーヌ、イチジクのコンポート添えです。 写真だと大きさが伝わらないのが残念ですが、立派なポーションです。 コース料理のメインの一皿と言っても良いくらいです。 ワインの貴腐香にはピッタリきますね~やっぱり。 ただ、とても贅沢な話ではありますが、これだけ大きいと後半若干辛くなってきます。 「フォアグラ、半分でいいかも」なんて気持ちになったのは生まれて初めてです(笑)。 カロリーの塊、背徳の味わいをたっぷりと頂きました。

Tignanello 2008 [Marchesi Antinori]
名称Tignanello 2008
ティニャネロ 2008
生産者Marchesi Antinori
マルケージ・アンティノリ
価格(Mnさんから)
購入店

 次から赤ですが、出された順番は我々の想定とは違うものでした。『料理の都合上順番を変えました』とのこと。 もちろん従わせて頂きます・・・というわけで、赤の一本目はラストに想定していたティニャネロ。 皆さんご存知イタリアの名門アンティノリが造る、いわゆる「スーパー・タスカン」っすね。 イタリアに赴任した経験のあるMn女史によるハンドキャリー品です。 実はこのワイン、道場ではヴィンテージも同じものを2011年に稽古しております。 その時のコメントに、

 『2008年くらいはまだ若すぎなんでしょうな。 残りはあと5年くらい置いといて下さいな>O氏』

なんてことを書いております。あれから約7年経った今、師範の指摘は適切だったんだろうか?と興味深々であります。

 色はとても濃いです。グラスに注がれた液体はほぼ向こうは透けなくて、エッジに僅かにレンガ色がかったグラデーションが見えます。 香りは「素晴らしい」の一言。 グラスから溢れかえるようなボリューム、甘いベリーの雰囲気と香ばしく溶け込んだバニラ、イタリアらしい人懐っこさでグワーッと香ります。 そして味わいも素晴らしい。まるで陰干ししたブドウから造られたような凝縮感と甘さ。 でもユルくはなくてカッチリとした骨格を感じます。

 これは文句なしに素晴らしい。イタリアの明るい香りとボルドーの荘厳な味わいが同居しています。スーパー・タスカンの面目躍如です。 7年前の自分に伝えたいっすね、「確かに置いといたら美味しくなりました!」って。

点数93点
陽はまた昇る 2015 [ココファームワイナリー]
名称 陽はまた昇る 2015
生産者 ココ・ファーム&ワイナリー
価格(Ysさんから)
購入店

 対する赤は、Ysさんが持参されたココ・ファームの日本ワイン。ブドウの品種はタナとカベルネ・ソーヴィニョンで、産地は山形・長野・栃木とのこと。 日本ワインも表示ルールが規定されたので、こういう「あちこちのブドウを集めて造る」というケースは少数派になるのかな? 正直業界が気にするほど消費者はそういうとこ見ちゃいないと思いますけどね。

 色は、濃さに関してはティニャネロに負けず劣らずで、こちらのほうがより青みを強く感じます。 この色はタナ由来なのかな。きっと垣根栽培ではなくタナ栽培されているんでしょう・・・なんてダジャレを言ったら一斉砲火の顰蹙を買いました。 閑話休題、香りにも青さを感じます。カベルネ由来のピーマン香とも違う、先日の十勝ワインにも共通する青さ。 日本ワインの個性なんですかね? 味わいは、甘さを排した「漢(オトコ)のワイン」といった感じ。ある種の墨汁みたいな(って墨汁飲んだことはありませんが)、 モノトーンな味わいです。

 香りも味わいもしっかりしていて、ヘタレな日本ワインにありがちな薄っぺらな感じはありません。 ただストイックなんだよなぁ。アルコール度数は13%、そこまで発酵させずにもう少し糖を残しても良かったような・・・って、もちろん素人考えですけどね。

点数73点
Craft Wine N パテ・ド・カンパーニュ

 これらのしっかりした赤に合わせて出されたのが、パテ・ド・カンパーニュ。 なるほど、テリーヌ系の最後がこのメニューだったから、ここで濃いワインを持ってきたわけですね。 そして、パテ・ド・カンパーニュを構成している熟成した肉の香りって、やっぱりしっかりした赤ワインとの相性が抜群なんだよな。 「軽い→重い」というワインの原理原則に反しても、こういう順番にされたのは正解だと感じました。

Morey-St-Denis 1er Cru les Chenevery 1999 [Cellier des Ursulines]
名称Morey-St-Denis 1er Cru "les Chenevery" 1999
モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ "レ・シュヌヴリ" 1999
生産者Cellier des Ursulines
セリエ・デ・ウルスリーヌ
価格(Nkさんから)
購入店

 普通と違う順番で、ここからピノ・ノワール対決です。 その一本は、Nkさんが持参された本家ブルゴーニュのピノ・ノワール。 モレ・サン・ドニ村の一級畑でヴィンテージはなんと20年前の1999年産。 このネゴシアンって、結構熟成期間を置いてから出荷するのかな、7年前に稽古したオークセイ・デュレスの1級畑も出荷から10年経ってましたから。

 色は、エッジにはしっかりオレンジのグラデーションが入っていますが、まだまだヘタレた感じは受けない、濃さのある赤紫色です。 香りは、抜栓してすぐは「あぁ逝ってしまわれたか・・・・」という弱さでした。 ところがどっこい時間が経つとちゃんと開いて来るんですな。梅やプラムのフルーツに革の妖艶さ、ブルゴーニュの底力を見ました。 味わいは、当然渋味はほぼ感じないくらいなっていますが、甘さと酸味はしっかりしていて、まだまだ現役の味わいです。

 久しぶりにちゃんと熟成したブルゴーニュと稽古した、って感じです。 どれでも20年持つってわけじゃないのがブルゴーニュなんだよな。 たま~に安ワイン・クラスでもこれくらい年期が入ったのを見かけますが、それらは大抵「ワインの抜け殻」だったりしますから。

点数81点
Craft Wine N 南の島豚のロースト

 そして本日のメイン料理がコレ、 南の島豚のロースト、シュークルートを添えて。 これもたっぷりの量があって、もうお腹いっぱいになるなる~と思いながら食べていると、 脂の少ない部位だからか結構入ります。 熟成ブルゴーニュとの相性は「バッチリ!」って感じではないのですが、そつなく寄り沿っていた感じはありました。

Château Mercian Nagano Pinot Noir Cuvee Akio 2015 [Ch.Mercian]
名称Château Mercian Nagano Pinot Noir "Cuvée Akio" 2015
シャトー・メルシャン 長野ピノ・ノワール "キュヴェ・アキオ" 2015
生産者Ch.Mercian
シャトー・メルシャン
価格3,800円
購入店シャトー・メルシャン 勝沼ワイナリー

 もう一本のピノ・ノワールは、師範が持参した日本ワインです・・・ って、昔だったら考えられないよなぁ、コストパフォーマンス最優先の師範が日本ワインって。 このワインはどうしたのかというと、 昨年のゴールデンウィークに敢行した「勝沼ワイン散歩(コレ)」の時に試飲して購入したものです。 その時は日本ワインとは思えない華やかな香りを感じたわけで、なんかそういうのって普段には開けられないよね。 ちなみにこのワインの名称にある "Cuvée Akio"はブドウ栽培家「佐藤明夫氏」の名を取ったもので、 生産本数は1,001本だそうです。

 色は非常に薄め、赤と言うよりロゼに近い色合いです。 そして期待通り香りが立派なんですな。とにかく華やか、イチゴのようなフルーツ香と良い感じの甘い樽香が、それこそ揮発油みたいにブワーッと香ります。 味わいはとてもピュア。渋味は大変軽やかで、ほのかな甘さとしっかした酸味で構成されています。 まるでフィクサンやマルサネあたり、北ブルゴーニュのピノノワールのようです。

 香りが無ければ単に薄くて酸っぱいワインかもですが、やっぱりワインの命はその香りにあって、今回のワインたちの中でも抜群の存在感を放っておりました。 税込み3,800円というお値段は、贔屓目無しに「コストパフォーマンスが高い」と言えます。 ただ、残念ながらまた買おうと思ってももう市場在庫は無いようです。ここでもタマの少なさが課題なんだよなぁ、「良い日本ワイン」って。

点数85点
Craft Wine N チーズケーキ

 この日本ワインのピノ・ノワールに合わせて出されたのはチーズケーキ。なんとも思い切った采配です。 で、相性はどうかというと、チーズケーキのチーズの香りとの相性は良いように思いました。 ただ、結構甘さのあるチーズケーキだったので、その甘さがワインの甘さが負かしていました。 もっと甘さを抑えたものだったら良かったかも。でもわかんないですからね、開けてみるまでは。 さすがにシェフもこのワインを飲んだことあるわけじゃないだろうし。

Veuve Clicquot Ponsardin Brut N.V. [Veuve Clicquot]
名称Veuve Clicquot Ponsardin Brut N.V.
ヴーヴ・クリコ ポンサルダン ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Veuve Clicquot Ponsardin
ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン
価格 (Yzさんから)
購入店

 そして、最初に予定されていたシャンパーニュは「締めシャン」となりました。 Yjさんが持参されたのは、ご存じヴーヴ・クリコのイエローラベル。 道場での直近の稽古は既に5年前、それも師範代実家で出して頂いたものでした。 大手のベーシックなシャンパーニュの中では好きな銘柄ではあるんだけど、なかなか自分では買わないんだよね、こういうメジャーな銘柄って。

 色は・・・どうだったろうね?あまり覚えていません。ただ、あまり泡が出てないなぁ、と感じた記憶はあります。 香りは、黒ブドウが多そうな、そして熟成期間もそこそこありそうな、イーストと焼きリンゴの香り。シャンパーニュらしい香りでなかなかナイスです。 味わいも、甘さと骨格のしっかり感があって、締めにもふさわしい感じです。

やっぱり好きだな、ヴーヴ・クリコ。 この特徴的なオレンジ色のラベル、大手メジャー銘柄の中ではしっかりした味わい、きちんとポジショニングが出来ているという感じがします。 入手の容易さも含めて、一般の方に薦めやすい銘柄ですね。

点数80点
Craft Wine N ワイン集合写真

 いや~、おなかいっぱいになりました!ってことでこれにて終了。右は今回稽古したワインたち8本の集合写真です。 これらに合わせた料理とグラスを出して頂いて、お支払いは一人7,500円ポッキリでした。

 今日の料理、ほとんどがテリーヌやパテで、誤解を恐れず言えば「その場では手のかからない料理」だったと思います。 でも、ワイン会の料理はそれで良いと思うんだな。手の込んだ料理をワインと合わない内容とタイミングで出されるより、 今回みたいに事前にきちんと計算して出して頂いた方が満足度高いです。 フォアグラのボリュームなんかから考えても、食材のコストは結構掛かっているようですし、 大変サービスして頂いたと思います。ワイン会を考えられている方にはぜひお薦めしたい店です。 予約される際に「安ワイン道場を見た」と伝えて頂ければ・・・『あぁそうですか、そりゃどうも』って言われるだけだと思いますが(笑)
(食べログのページへのリンク:Craft WINE N


23日(水)

Pinot Noir Cuvee Grande Dame Vieilles Vignes 2016 [Robert Sarrau]
名称Pinot Noir "Cuvée Grande Dame" Vieilles Vignes 2016
ピノ・ノワール "キュヴェ・グランド・ダム" ヴィエイユ・ヴィーニュ 2016
生産者Robert Sarrau
ロベール・サロー
価格646円
購入店MEGAドン・キホーテ狩場店

 本日の夕食は、エビフライ、山芋コロッケ、具だくさんの味噌汁、キャベツのサラダ。 調理担当は師範・・・といっても揚げ物は冷凍のを揚げるだけ/キャベツは切るだけですけどね。 味噌汁はエビ入りすり身やら野菜やらを沢山入れた手の込んだ(笑)逸品です。

 ワインは、年末にニュージーのピノ「シークレット・ストーン」(コレ)と一緒にドンキで買った広域フランス産のピノ・ノワール。 お値段は税別598円の激安ピノです。 リンク先のシークレット・ストーンのピノ、ツイッター界隈では結構話題になっていたわけですが、 在庫切れの店も多かったみたいで、 もしかして『同じピノだしこれでも良いんじゃないかな?』と思って買われた方もいるんじゃないかと想像します。 そういう方の『コレってどうよ?』な疑問もキッチリとフォローしていくのが安ワイン道場スタイルです(キリッ!)

 ちなみにインポーターの「ジャストネオ」はドン・キホーテグループのインポーターとのことなので、 このワイン自体は4年前に稽古したコレと同銘柄かもです。

 色は結構しっかりした赤紫色。タップリ日光を浴びた南仏のブドウが多そうですね。 香りも意外とちゃんとしています。華やか!ってんじゃないけど、梅とイチゴのフルーツ香に革っぽいケモノ香があって、 ブルゴーニュですと言われて信じない人は少ないかもです。 味わいは、甘酸っぱくてチリチリとした渋味。ちょっと柑橘類の皮のような風味もあります。 やや野暮ったいけど薄っぺらな感じは無くて、この値段なら十分です。

 シークレット・ストーンの時のような「えっ?この値段でコレ?」というビックリ感はないけど、 「ウン!この値段でコレ!」と納得できる内容です。これも悪くない。 やっぱり安ワインの目利きに関しては「ドンキ侮れず」の印象を強くしました。 あ、安ワイン者以外にはお薦めしません。ソチラ側の方々の琴線に触れるワインではありません。

点数72点

20日(日)

サッポロ 99.99 クリアドライ

 ぼちぼち冬の一番寒い時期だと思いますが、今日は日差しが暖かですね・・・ってことで、本日の食前酒はキリッと爽快感がありそうなチューハイを。 サッポロの99.99(フォーナイン)クリアドライという商品ですが、一時期『飲みやす過ぎてヤバい』などと話題になっておりました。 師範はチューハイだと「本搾り」系が好きなんですが、食前酒にするにはこういうドライっぽいのも良いかな、と思いチョイスしました。

 色は無色透明、泡のキメはとても粗い感じです。香りは非常に弱めで、ベースになっているウォッカの香りと、わずかに柑橘系の香料を感じます。 味わいは、チューハイというよりウォッカトニックですね。全くウォッカを炭酸で割っただけって感じじゃなくて、ほんのりと甘味と酸味で調整されています。

 甘いチューハイはイヤだけどウォッカを炭酸で割っただけだと味気ない、という層を狙った商品かと。 これで1缶100円は手頃で良いですね。 とはいえ缶からダイレクトに飲むより、少々手間でもちゃんとしたグラスに氷を入れて飲んだ方が満足度高いと思います。

Soave Classico 2016 [Gini]
名称Soave Classico 2016
ソアヴェ・クラッシコ 2016
生産者Gini
ジーニ
価格1,998円
購入店イタリアワインのいのししや

 長女のセンター試験が終了。お疲れさまでした。結果はどうあれ良く頑張ってたと思うよ父ちゃんは。 目標に向かって頑張れるあなたを誇りに思います。

 その「お疲れさま会」という意味で夕食はちょっと豪華版。本マグロとヒラアジのカルパッチョ、太刀魚のバター焼き、タコとトマトとブロッコリーのサラダ。 なんとなく地中海を感じさせるメニューだったんで、ワインはイタリアのヴェネト州の白をチョイスしました。 造り手は、「ソアヴェ三羽烏」の一人「ジーニ」(他は「アンセルミ」と「ピエロパン」)。 過去の稽古は20年前のコレ、ずいぶんお久しぶりであります。

 色は、透明ボトルなんで抜栓前からハッキリと見て取れる薄黄金色。グラスに注ぐと、結構アシもありネットリとして見えます。 香りはなかなか立派です。白い花のような涼やか系の華やかさと共に、ちょっとナッツのような香ばしい香りがあります。 ショップのサイトによれば熟成はステンレスタンクとのことなので樽由来では無いんでしょうけど、 どことなく樽熟した甲州みたいな香りにも感じます。 味わいも香り同様にご立派。甘味と酸味のバランスが良くて、全体を包み込むような旨味、それに軽い苦味があります。 魚メインの料理に合わせれば洋の東西を問わずバッチリ好相性です。

 やっぱり美味いなぁ、ジーニのソアヴェ。なにが良いってどんな料理とも合う感じが良いのね。 めっちゃ良い甲州を頂いているような感じです・・・って、きっと賛同者ゼロだろうけど。 ともあれお値段も20年前と大差なく価格面でも非常に優等生、ソアヴェ買うならジーニは間違いない選択肢の一つです。

点数78点

19日(土)

Chateau Teyssier 2013 [Ch. Teyssier (JCP Maltus)]
名称Chateau Teyssier 2013
シャトー・テシエ 2013
生産者Ch. Teyssier (JCP Maltus)
シャトー・テシエ (JCPマルタス)
価格1,299円 (2本で1本分の価格)
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 本日の夕食のメインはハンバーグ、あとは海藻サラダとかモッツァレラトマトとかスープとか。 ハンバーグのソースにもワインを少量使うし、典型的な「しっかり系ワイン」が良かろうと思ってチョイスしたのが、 ボルドーはサンテミリオンのシャトー・・テシエ。 年末にコストコに行った際購入したもので、通常のお値段は2,598円だったんだけど、アチラのスーパーで良くある"Buy One, Get One Free! (1本買えば1本無料!)"で一本あたりは1,299円です。 師範はそういう「お得っぽい演出」にコロッと引っかかりがちなわけですが、このワインに関しては市場価格と比較しても確かにお得みたいですね。

 コルクは、造り手名もヴィンテージも印字され、液面に触れる部分だけが紫に染まった立派なものです。 ワインの色は、濃いけれども濃すぎない、そしてエッジに微妙な小豆色のグラデーションがあるキレイな紫色。 香りは立派だな~。メルローらしいミチッと重心低めの果実香に、バニラっぽい樽香やら洋ランっぽいエキゾチックな花の香りやらをビシーッと感じます。 これで味わいもミチッとしていればお宝発見・・・なんだけどそうは問屋が卸さないのね。 ボルドーとしてはやや軽めで、スムーズ過ぎる飲み心地。1,,000円台前半のワインとしては十分なんだけど、イケてるボルドーを期待すると「なんかちょっと・・・」です。

 2年前のシャトー・ラグランジュのセミナーで、「2013年は大変厳しい年」とのことを聞いていたけど、 確かにこのワインからはその様子が伝わります。香りは立派だけど味わいの線が細いのね。 だからこそのバーゲン品と理解しました・・・とはいえ1,000円台のボルドーとしては十分だと思いますよ。

点数75点

18日(金)

Tokahi Wine YAMASACHI 2015 []
名称Tokahi Wine YAMASACHI 2015
十勝ワイン 山幸 2015
生産者 池田町ブドウ・ブドウ酒研究所
価格寄付金額:6本セット30,000円 (参考価格:2,914円 @amazon)
購入店北海道池田町

 明日のセンター試験を長女が受験予定、よって本日の夕食は金に糸目を付けずに彼女の好きな献立を。 メニューは、ピーマンが高い時期だけど青椒肉絲、肉は豪州産のステーキ肉を細切りに(CookDoだけど)、 キュウリは高いしレタスも最近値上がりしているけどチョレギ・サラダ、 贅沢にニチレイのを2袋使い8人前分作ったフカヒレスープ、それにもう一皿のお惣菜でシシャモのフライ。 お大尽だろ~。 ま、進学や就職が一生を左右する時代でもなさそうだし、リラックスして試験に臨んでくださいな>長女氏

 さて師範は平常心で日常通りにワインを一本。選んだのは、北海道池田町へのふるさと納税の返礼品で頂いた赤ワイン。 同じシリーズで「清見」は先々月、「清舞」は先月稽古しております。 そしてこの「山幸」という品種は、清見種と山ブドウを交配して開発した耐寒性品種とのことですな。 平常心なんて言いながら、「山のように幸あれ」なーんて願掛けたりしてますよ師範ったら。

 色は、これまで稽古して来たシリーズ同様、非常に濃い青紫色。濁っているわけではないけどグラスの向こうが透けないくらいの濃さがあります。 香りは・・・やっぱりこの感じなんだよなぁ、という青さ。グルナッシュあたりでもここまでは青くない、ってくらい。 梅干しのような、酸を感じる香りもあります。 裏ラベルには『野趣あふれる独特の花のような香り』とありますが、「野趣」と「独特」は同意するものの「花のよう」では無いと思うなぁ。 味わいは、甘さ控えめ、酸味は中程度、渋味しっかり。 「若い」って感じはしないけど「固い」のね。まるで痩せた頑固オヤジです。

 ・・・と、飲み始めは「参ったなぁ・・・」だったんだけど、 渋味が柔らかくなって開いてくるのか、単に飲み進めると慣れてくるのか、これはこれでアリな気がしてきます。 特に、抜栓当初は感じなかった樽の香ばしさが見えてくるのが良い気がします。

 言わば「十勝ワイン節」、シリーズに共通した個性があるので、ブランドの明確化はしっかり出来ているんだと思います。 ただなぁ、ストイックだよねぇ。うすら甘いユルユルなワインより師範的には好印象だけど、一般ウケはしない気がするんだよなぁ。 北海道で新たにワインを造り始めた方々が、このワイナリーのことをどう判断しているのか大変興味があります。

点数69点

16日(水)

お好み焼 ごっつい五反田 外観 お好み焼 ごっつい五反田 ビール

 昨年11月のライブ以降放置状態にあったバンド活動、いよいよ重い腰を上げて再稼働することにしました。 というわけで本日はライブの反省会&今後の方針決定会。場所はお好み焼 ごっつい五反田というところ。 五反田駅西口を出てすぐのところにあります。都内に何軒か店舗を持つチェーン店のようです。

 店内は、座敷席とテーブル席、そしてカウンター席。トータルで50席くらいですかね。 各席ごとに店員さんを呼ぶための鳴り物があって、それがカスタネットだったりタンバリンだったりするのが特徴的。 店員さん側としては音によってテーブルを識別できるわけで、アナログだけどなかなか優れたシステムだと思います。

 安ワイン者であっても最初はまずビールです。 ここのビールはプレミアムモルツ 香るエールとのこと。ジョッキ一杯550円でした。 中身はよろしいんですが、このサントリーのプレモル用ジョッキってちょっと小さくない? なんだかあっという間に飲み干しちゃうんですけど。

お好み焼 ごっつい五反田 焼きそば

 そして、3人で食べた料理は以下です(値段は全て税別)

焼きポテトサラダ(お通し:300円)
塩ポンきゅうり380円
白菜サラダ450円
ヒーハーもやし(二辛)380円
長芋の磯辺焼580円
元祖すじ塩700円
ホルモン焼800円
こっつい焼きそば1,250円(左写真)
めっちゃこっつい焼き1,300円(右下写真)
お好み焼 ごっつい五反田 お好み焼き

 バンド練習の後によく行く代々木の「ええとこ」とよく似たメニューですが、 お店としてはこちらの方が古いみたいなんで、こっちが元祖かも。 お好み焼きの横には、色付きのマヨネーズで可愛らしい絵が書かれていて、 女子の団体さんとかには『可愛い~』みたいなんですが、我々オッサン三人には残念ながら空しいサービスでした。

 そして、不肖「安ワイン道場師範」、もちろんワイン↓も頂いております。

Okonomiyaki-Wine N.V. [Unió Cellers del Noya]
名称Okonomiyaki-Wine "Oko-Wine" N.V.
お好み焼ワイン 赤 (ヴィンテージ無し)
生産者Unió Cellers del Noya
ウニオ・セラーズ・デル・ノヤ
価格2,500円 (お店価格:税別)
購入店ごっつい五反田

 飲み物リストには、ちゃんとワインが載っています。嬉しいですねぇ。 一番安いのはカルロロッシ(赤・白)でグラス500円/デキャンタ1,500円・・・これはパス。 あとは全てボトルで、赤が3種で白が2種。 そんな中でイチオシされていて一番安かったのがコレ、その名もずばり「お好み焼ワイン」。 リストにはちゃんと説明が書かれていて、品種は『テンプラニーリョ・メルロー・カベルネソーヴィニヨン』、 『れっきとしたスペインワインです笑』(原文ママ)とのコメントも書かれています。 安ワイン道場師範としては、冷蔵ケースにこのワインを見つけた時点で、このワインと稽古しない訳にはいかない気がしたわけです。

 栓はスクリューキャップ、ちゃんと開いてない状態で出されました。 小さめのグラス注いで色を見ると、スペインのテンプラ主体のワインとしてはやや薄めには感じますが、そこそこしっかりした色合いではあります。 香りは、補助品種のメルローやカベルネの雰囲気が強いのかな?スペイン産というよりニューワールドっぽいベリー系の果実香をメインに感じます。 味わいは、渋味控えめで軽めで甘め。でも頼りないってほどじゃ無いです。ちょっと冷やし目で飲んだ方が良いかな。 グラスに放置されて温度が上がったヤツだとダレた印象になります。

 なるほど考えているなぁ、と思いましたよ。 冷蔵ケースから出したまんまの冷えた状態で焼きそばやお好み焼きに合わせると、ソースの甘さとの相性が良くてクイクイとイケます。 お店でボトルを注文して2,500円、適正価格だと思います。でも2,000円ならもっと嬉しい。 ちなみに他の選択肢としてはサントリー・ジャパンプレミアムのマスカット・ベーリーA(3,500円)がありました。 こちらも「冷やして飲んで吉」な赤ワインですね。よく考えられていると思います。

点数71点

 ワインの後は、角ハイボール(500円)などを頂いておりました ・・・と、そんな感じのバンドメンバーとの飲み会。お会計は一人6,000円弱でした。 バンドの方は、とりあえず新米ベーシストとしてぼちぼち練習して参ります。


14日(月祝)

どんど焼き 火おこし

 今日は成人の日。今年の関東地方は暖かくて天気も良く、絶好の成人式日和ですな。新成人の皆さんおめでとうございます。まずは安ワインから飲み始めるのが正解です ・・・って新成人がこんなサイトなんて絶対見てないでしょうけど。

 そして、本日午後から道場近所(といっても歩いて20分)の星川杉山神社で「どんど焼き」(熊本では「どんどや」と言ってました)があるってんで、 正月飾りを返納に伺いました。

どんど焼き 焼き団子

 この神社の「どんど焼き」、田舎の「どんどや」とは別物ですな。 太鼓や獅子舞の奉納があった後、まず火おこし(右写真)から始まります。 田舎は藁とか廃材持ってきて普通にガンガン焼いていたような。今では違うのかも知れませんけど。

 どんど焼きではもちろん何か焼いて食べるわけですが、この神社は竹に刺した団子、1個200円でした(左写真)。 団子の原価を考えれば相当高いわけだけど、たかだか数百人の参拝客に200円の団子売ったんじゃこのイベント代は出ないよね。 もうちょっと大きなのお金を落としたくなる仕掛けが必要かも知れません。

鏡開きと第三のビール「頂き」

 どんど焼きから道場に戻って、鏡開きでお汁粉を。 おめでたい絵柄の第三のビールと頂きましたが・・・予想の斜め下をいく飲み物でした。もう買わないな、コレ。

Ruhlmann
名称Ruhlmann "Etoire de Rose" 2015
ルールマン "エトワール・ド・ロゼ" 2015
生産者Ruhlmann
ルールマン
価格1,068円
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 夕食の献立は、酢豚、麻婆春雨といった中華風メニュー。他には大根ツナサラダとか。 中華に合わせるんだったら、赤だったらジンファンデルやマスカット・ベーリーA、白だったらゲヴュルツトラミネール、泡モノやロゼは全般にオッケー、 というのが道場21年の経験から得たマメ知識です。 そこで本日のチョイスはその最後の選択肢であるロゼ、昨年末にコストコで調達してきたアルザス産にしました。

 色は、ピンクというよりほぼオレンジ。熟成したソーテルヌみたいな色にも似た感じですが、 ネットリ感が無くてサラッとしているあたりが根本的に違います。 香りは意外としっかりしています。アルザスだから品種はピノ・ノワールなのかな? グレープフルーツのような柑橘系の香りの向こうに、ケモノっぽさを薄っすらと感じます。 味は・・・なんとビックリな甘さです。それも、砂糖水のようなストレートな甘い味わい。酸味も弱くてド・シンプルに甘い感じ。 数値を測ると糖度が8.8でpHが3.6、甘くて酸に乏しいという飲んだ印象を裏付けています。

 アルザスって、高級なレンジを別にすれば大抵は「香りは甘いけど味わいは甘くない」ワインが多いイメージがあるので、 これもそういうのだと思ったら大間違いでした。 不幸中の幸いは、合わせた料理が麻婆春雨とか酢豚みたいな中華料理だったので、 甘いワインでもそれほど違和感は無かったことです。 でもこのワインが向く用途としては食前酒だな~。あ、花見の席なんかも良いかもです。

点数67点

13日(日)

ガステーブル

 道場も建立してもうすぐ12年、住宅設備もいろいろとガタが来る時期です。昨日は魚焼きグリルがイカレちゃったガスコンロを交換しました。

 左写真の上側が交換前、下側が交換後。3口ともセンサーが付いていたり、魚焼きグリルの仕様が大きく変わったりはしているけど、 デザインとしてはこの12年間ほとんど変化が無いんですね。

ガステーブル

 そして本日は次女の部屋のエアコン交換。こちらもデザインに進化が無いというか、かえって悪くなって来ている気がします。 住宅設備に丸みを帯びたデザインってダサくないですか? 右写真はこれまで取り付けていたエアコン。シュッとしたこのデザインが好きだったんだけどなぁ。

清酒飲み比べ

 昨日のワインの残りがあるので、今日は新たにワインは開けませんが、代わりに清酒を開けます。 左写真左が、年末年始に飲んできた醸し人九平次 "Le K" rendez-vous 純米大吟醸 2017、 開けたのは先月です。 そして今日開けたのが写真右の天吹(あまぶき) 純米大吟醸 蔵出し熟成 五百万石、 師範代の地元佐賀県の清酒です。「期間限定酒」と書かれています。 なぜこれを買ったかと言うと、近所のイオンで1本500円(税別)の値札が付けられワゴンで投げ売られていたから。 製造年月は「30.08」とあるので、造られたのは昨夏ですね。 そんなすぐに傷むもんじゃないと考えて、購入救済することに致しました。

 九平次は、抜栓当初は麹の香りを強く感じたんだけど、一月経った今はメロンっぽいフルーツ香が勝っています。 香りのボリュームが衰えた気配は全くないですね。しっかりとした味わいの清酒です。 対する天吹は・・・全然問題ないです。色は九平次よりもわずかに濃いめ、香りには柑橘類を想わせる吟醸香があって、 味わいは九平次よりもしっかりめの旨味と甘さを感じます。

 誰だ!この天吹に500円の値札付けたのは!!、責任者出て来い!!!と言いたくなります。そんな値段で売られるべき酒ではないです(昨日の豪州ピノもそうですが)。 最近は、いわゆる有名ドコロの蔵元じゃ無くても、品質の高いものが増えて来たんですかね?消費者にとっては嬉しいことです。 これも1~2ヵ月かけてチビチビ飲んでいく所存です。


12日(土)

ニュージランドとブルゴーニュのピノ・ノワール対決

 昨年末、門下生からご報告を頂き、たまたま道場でも持っていて稽古したニュージーランド産のピノ・ノワールが、 ツイッターでちょっと話題になり多くの方に買って頂いております。 そうなると小心者の師範としては「ホントにお薦めに値するワインだっただろうか?」と不安になるわけですよ。

 そこで本日は、追加購入した2本のうち1本を開けて、ブルゴーニュの名門ドコロ「ルイ・ジャド」のピノ・ノワールと比較稽古し、検証してみることにしました。 ヴィンテージはどちらも2014年(といっても南半球と北半球では半年違うけど)、絶好の比較対象ではないでしょうか。

 ちなみに料理は、正月に頂いたロースハム、鶏のグリル焼き、チョレギサラダです。

 1/3ほど残した翌日の稽古、料理は豚ヒレカツ、チキンカツ、ナスとインゲンの揚げびたしなどの揚げ物料理です。

Secret Stone Marlborough Pinot Noir 2014 [Secret Stone]
名称Secret Stone Marlborough Pinot Noir 2014
シークレット・ストーン マールボロ― ピノ・ノワール 2014
生産者Secret Stone
シークレット・ストーン
価格862円
購入店MEGAドン・キホーテ狩場店

 もうね、あちこちから『2本買いました!』『3本買いました!』のツイートが寄せられて来るわけですよ。 それはとても嬉しい反面、「いや師範ごときを信用してそんなに買っちゃって大丈夫っすか?」と思うわけです。 まぁ師範もダテに20年以上も安ワイン道場師範業をやっているわけでもないんで、 そこそこの自信はあるのですが、「比較してどうよ?」ってのはやるべきかな、と。 ツイッターではオムライスさんという方が、 このワインとルーマニア産(リアルワインガイドで安旨大賞受賞)とを比較しておられたので、 師範は一番ベーシックなブルゴーニュ産と比較することにしたわけです。

 色はどちらもほとんど変わりません。若干、ほんの若干こちらが濃くて、エッジまで赤紫色が来ているかな、というくらいの差。 香りは、やっぱりイイっすね、このピュアピュア感。イチゴとプラムのフルーツ香に、アルコールの揮発性から来るセメダインのような雰囲気が加わって、 シンプルだけど間違いなく良い香りがします。 味わいは、こうやって比較しながら改めて稽古すると軽いな。軽いけど、甘酸っぱさに加えて旨味もきちんとあって、物足りなくはありません。

 やっぱり美味いわ、コレ。再稽古って、当初のビックリ感が削がれるんで点数低くなりがちだけど、 このワインに関しては安堵感もあって2点プラスです。3桁で82点なんて、数年に1度出るかでないかの超レア・アイテム。 よって胸を張り自信を持って言えます。
 「安ワイン者は皆、シークレット・ストーン マールボロー ピノ・ノワール 2014を買うべきです」
ドンキに無ければ下記リンク先には潤沢にあります(1/12現在)。200円Upしますけど、探しに行く手間を考えたら無視できる価格差かと。 でも、ドンキ巡りして宝さがしするのも楽しいかもです。

 普通に栓をしてセラーに立てておいた翌日稽古。 香りは大人しくなるどころか、かえってビンビン来てます。 そして、なんとなく樽の甘さも感じられるような。 味わいは昨日同様軽めですが、この香りはやっぱり凄ぇです。間違いない。更に+1点しちゃいます。

点数82(+1)
Bourgogne
名称Bourgogne "Couvent des Jacobins" (Rouge) 2014
ブルゴーニュ "クーヴァン・デ・ジャコバン" (赤) 2014
生産者Louis Jadot
ルイ・ジャド
価格2,138円
購入店リカーマウンテン 川崎砂子店

 比較対象をどこのブルゴーニュにするか、ちょっと悩みました。 同価格帯のブルゴーニュというのは有り得ないので、値段の差は無視して、定評ある大手の裾モノで、出来ればヴィンテージが近くて・・・という基準で選んだのがコレ。 ブルゴーニュといえばルイ・ジャド、そこの一番ベーシックなピノ・ノワールであるクーヴァン・デ・ジャコバンです。 買ったのは先週木曜日、お値段は約2.5倍の税別1,980円でした。

 前で述べたように、色にほとんど差は無くて、僅かだけこちらに熟成感が見て取れます。 ヴィンテージは同じ2014年なんだけど、南半球と北半球では南が早いわけで、そういった意味では年齢を逆転した外観ですな。 香りは、前のニュージー・ピノと比べると明らかに寡黙です。 相対的に、果実の香りは「しない」と言っても良いでしょう、皮のようなケモノっぽさと、漢方薬のような香りと田舎の小便所のような匂いがするようにも感じます。 もちろん「相対的に」ですよ、これ単体だとイチゴやチェリーの香りが拾えると思います。 味わいに関しては、 まず数値的にはpHはどちらも3.5で、糖度が上のが8.0でこちらは7.1、甘味が全く違います。 でも、全然ベクトルは別ながら、いい勝負しているかも。 こちらは渋味がカッチリしていて味わいの骨格を感じます。 それがダイレクトに「美味い」に繋がるわけじゃないけど、 ここには「老舗の面目躍如」感があります。

 なんか、こうやって比較するとかわいそうだけど、このワインも悪くは無いんですよ。 次女は『こっちの方が好きな香り』とか言ってたし、ちゃんとピノ・ノワールらしさもあるし、飲み応えもあるし。 ただ、香りと果実味の弱さで差が付いちゃうんだよなぁ。 2014年ってブルゴーニュ赤はそこそこ優良年らしいけど、裾モノだとやっぱり厳しいのかな。 もっと若いうちに飲むべきワインだったように思います。

 双方1/3くらいは残してます。明日再稽古しますが、もしかするとポテンシャル的にコチラが大躍進する可能性もワンチャンあるように感じています。

 上のと同様、栓だけして保存した翌日再稽古。香りはやっぱり寡黙なままで、全く開きませんでした。 味わいもなんだか痩せちゃいました。昨日の後半は、少なくとも味わいにおいてはいい勝負していたんだけど、今日は見る影もなし。 その日に飲み切った方が良いワインです。

点数73点

11日(金)

Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico
名称Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico "Albiano" 2017
ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ・クラシコ "アルビアーノ" 2017
生産者Marotti Campi
マロッティ・カンピ
価格819円 (9本セット8,729円(10% off):単品価格1,490円)
購入店京橋ワイン

 本日の夕食の献立は、刺身(ヒラマサと真ダコ)、銀ダラの煮付け、水菜のお浸し、加えて子供たちのリクエストでケンタッキーの辛口ハニーチキン。 選んだ相手は、京橋ワインの「イタリアワイン9本セット」送料込み9,698円から、長靴のふくらはぎ部分にあるマルケ州の白。 DOCは「ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ」という大変長ったらしい名前。 強引に和訳すると「イエージ城の緑色なヤツ」って感じでしょうか。 海外に売ることを考えたらもっと短い名前にせぇや!って感じではあるけど、 こういう「気の利かなさ」がイタリアっぽくもあるわけで、そういうのが好きなイタリアワイン好きも居そうな気がします。 ちなみに過去の稽古記録を調べたら5年前に2012年産と稽古しておりました。

 色は、そこそこな感じのレモン色。粘性は低めでサラリとしてます。 香りのボリュームは小さめだけど、グレープフルーツとリンゴとピーチ、甘い感じのフルーツ香を感じます。樽香はありません。 味わいは、甘さも酸味もあるけど全体にスッキリ、後味の軽い苦味も良いアクセントになっています。

 全体に小ぶりではあるけど、イヤなところのない素直なワインだと思います。 刺身とかお浸しみたいな和食に合わせても違和感の無いワインです。 1,000円以下の買値相当額だとアリですね。でも、通常価格の1,500円だとちょっと厳しい見方をせざるを得ません。

点数72点

9日(水)

Teperberg Vision Cabernet Sauvignon Petite Sirah 2016 [Teperberg 1870 Winery]
名称Teperberg "Vision" Cabernet Sauvignon Petite Sirah 2016
テパ―バーグ "ヴィジョン" カベルネ・ソーヴィニョン プティート・シラー 2016
生産者Teperberg 1870 Winery
テパ―バーグ 1870 ワイナリー
価格838円
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 月曜火曜と本年最初の休肝日を華麗にこなし、本年最初の休肝日明けワイン。 水曜日なんで夕食当番は師範で、メニューは回鍋肉(w/CookDo)、酸辣湯(w/ニチレイ)、鶏唐揚げチリソース(お惣菜)、モヤシのナムル、昨日の残りのふろふき大根。 そんな料理に合わせたのは、一般には珍しいけど道場ではそこそこ頻繁に登場するイスラエル産のワイン。 イスラエル、4年前に出張で訪問したのでどこか親近感があるのね。 ちなみにこの造り手のメルローとは3年前に稽古しており、とても好印象だったようです。

 色はカベルネらしい青みを感じる紫色で、濃さはそこそこで向こうが透けます。粘性もまぁ中程度かな。 香りのボリュームも中程度、プラムっぽさのあるベリー系の香りに、樽のバニラ感がほんのりあるかなぁって感じです。 味わいは、渋味と酸味が控えめで甘さが目立つバランス。 やや単調で飲み飽きしますが、この値段のワインにありがちな薄っぺらい感じはありません。

 米国市場を強く意識しているように思われます。カリフォルニアのちょっと気の利いたテーブルワインという印象ですね。 イスラエルって乾燥した土地の技術立国なので、葡萄栽培も醸造もこういうワインにするよう計画的に合わせ込んでいるのでしょう。 ケチャップみたいな甘さがあって濃い味の料理に合う感じでなんで、中華に合わせたのは正解でした。

点数73点

6日(日)

早朝の日枝神社

 長かった年末年始休みも今日が最終日、結局16連休です。丸々半月休んだわけですな。 毎日飲んでいたんでカラダはアレとして、心は芯からリフレッシュされました。

 そして、早朝散歩がてらの神社巡り、年末の分から数えてこれで8社めの「日枝神社」。 東京赤坂のじゃなくて、「お三の宮」とも呼ばれる横浜南区の神社です。 まだ暗い朝6時台だとここも無人、神様は師範のお願いをしっかり聞き届けてくれたことでしょう。 大学受験の長女を親が応援できることなんて、神頼みくらいしかないからねぇ。

サントリー プレミアムモルツ飲み比べ

 休暇最終日、よって明るいうちからの「贅沢ビール飲み比べ」も本日が最終日です。 よなよなサッポロサントリーキリンと来たら次は ・・・諸般の事情(※)でまたサントリーです。 銘柄は、「プレミアムモルツ 香るエール」と「マスターズドリーム無濾過」です。

(※)道場の冷蔵庫にこの2本があったのと、もう一社はあまり好きじゃないのね。敢えて貶すのは良しとしません。

 「香るエール」は、確かに普通のプレモルよりは香りが華やかな気がします。 その分、特有の旨味と甘味は控えめにされているようにも感じます。 対する「マスターズドリーム無濾過」は、明らかに味が濃いですね。 でも、普通のマスターズドリームとどう違うかはちょっと判りません。 ちなみにグラスはそれぞれのビールのノベルティを使いましたが、正直言ってクリスタルのワイングラス(白ワイン用あたり)で飲んだ方が気分が良いと思います。

 この2本の場合、香りで選べば「香るエール」、味わいで選べば「マスターズドリーム無濾過」ですな。 でもどちらもしっかり美味いです。 やっぱり安ワイン道場の推しビールは、語呂良く「ヱビス、プレモル、よなよなエール」です。

Clouds Pinot Noir 2016 [Clouds Vineyards]
名称Clouds Pinot Noir 2016
クラウズ ピノ・ノワール 2016
生産者Clouds Vineyards
クラウズ・ヴィンヤーズ
価格3,780円
購入店アフリカー

 本日は16連休最終日であります。連休前の金曜から呑み始めているんで、師範の肝臓にとっては17連勤、お疲れさまでした。 そんな日の夕食メニューのメインは、模試でお疲れな長女のリクエストで治部煮であります。

 連休最後の夜っていうとやっぱりちょっと良いワインが飲みたくなって、安ワイン道場の掟である「3,000円以下」の縛りを外すことを了承しました(誰が誰に?) 選んだワインは、昨夏にアフリカーさんで買った南アフリカ産のピノ・ノワール。 どことなくポップなラベルデザインですが、シールは蜜蝋だし、ラベル下部のオレンジの帯は厚手の布が使われている等、 なかなか凝った外観のワインです。

 色は、ピノ・ノワールとしてはかなり濃いめの赤紫色。アルコール度数は14%ということもあり、エキス分が多そうでトロトロの脚が見て取れます。 香りは「ヒャッハー!」です。プラムとイチゴとカラメルが一緒くたにブワーッと香ります。 もの凄く判りやすい香りで、およそお上品とは言えないけど気合の入ったピノであることは香りからグイグイ伝わります。 これで味もグワッと重くて・・・と思うとそうじゃないのが面白い。 どちらかというとエレガント、渋味はおろか甘さも酸味も強くは主張せず、良いバランスを保っています。 こりゃ美味いわ。

 ド派手な香りにエレガントな味わいのピノ・ノワールです。「香りカリピノ&味わいポマール」と乱暴に例えてしまいます。 先日稽古したニュージーのピノが「スッピン美人」としてツイッターでプチ話題ですが、 同じ南半球のピノでもこれは全く違うタイプの「グラマラス美人」です。 3,000円を超えるお値段が安ワイン道場的にはちょっとネックなんだけど、ポップなラベルだしウェーイ派ワイン好きにはピッタリなんじゃないでしょうか。

点数85点

5日(土)

キリンビール 飲み比べ

 年初からサッポロ、サントリーと飲み比べて来て、ここでキリンが無いのは画竜点睛を欠きます ・・・というわけで本日の飲み比べはキリンの2種類、定番のラガーと一番搾り とれたてホップ。

 ラガーは安定のキリンラガー味。香りは控えめ、味わいも特に目立ったところはなく、唯一特徴的なのはアフターに残る強めの苦味。 一番搾りは、ラガーよりちょっとだけ色が濃いめで、ちょっとだけ香りが華やかで、ちょっとだけ味わい軽やかで、アフターに残るのは穀物の風味。 違うっちゃ違うけどその差は微妙です。

 キリンって冒険しないよね~。もちろんどちらもベーシックな銘柄を選んだからだとは思うけど。

Merlot del Veneto 2017 [Il Carnevale di Venezia]
名称il Carnevale di Venezia Merlot 2017
イル・カルネヴァ―レ・ディ・ヴェネツィア メルロー 2017
生産者NA.VE. (Natale Verga)
NA.VE (ナターレ・ヴェルガ)
価格712円 (9本セット8,729円(10% off):単品価格1,296円)
購入店京橋ワイン

 良いワインをしこたま飲んだ翌日は、舌と心をリセットしなければなりません・・ということで選んだのは、イタリア産のメルロー。 「京橋ワイン」のイタリアワイン9本セット、送料込み9,698円からの1本。 造り手は"NA,VE."としか書かれていませんが、以前2013年産と稽古した時は"Natale Verga(ナターレ・ヴェルガ)"と書かれていたんで、そこのことでしょう。 この手の「造り手をきちんと表示しない」ワインって、大抵イケてない気がしていますが、これはどうでしょうか、と。 ちなみにメインの料理は豚肩ロースのソテーです。

 コルクはDIAMっぽい素材だけど長さ35mmの超短いヤツです。 色はかなり薄めの紫色。キレイな色ではありますが、日本のメルローかよ?ってくらいの色合いです。 香りのボリュームは小さめ。黒系果実の香りに墨汁っぽい雰囲気もあって、こちらもなんだか日本のメルローみたいな感じ。 「こりゃハズしたかも・・・」と思いつつ口に含むと、味わいは案外しっかりしています。 糖度7.0でpH3.6、甘さは残っているし酸味もそれなりにあります。 渋味がややザラつく感じはありますが、この値段なのでそれは許容範囲です。

 いかにもお土産ワイン然としたラベルはイケてないし、一見頼りなげな感じですが、飲んでみると案外悪くないワインです。 結構寒くて湿潤な土地なのかな?風味自体は日本ワインのメルローに近いかもです。 この品種はカベルネ・ソーヴィニョン以上にその土地の個性を反映するような気がしますね。

点数73点

4日(金休)

W Yokohama 店内

 実は今日も師範はお休みなんです。年末の22日から14連休目。ほぼリタイア老人の域に達しております。

 で、家に籠ってばかりもアレなので、本日の夜は飲みに出ることにしました。 付き合って頂いたのは、道場のご近所にお住まいで、フェイスブックでお友だち&ツイッターでフォロイー/フォロワーの仲だけどリアルでは初対面の、 ShokawaさんとProf.Nonnderu.YAMAさんです。

 店は、横浜駅西口鶴屋町にあるW Yokohama (ダブリューヨコハマ)というところ (お店のサイト)。 店内は、結構広めのワンフロア。天井も高くて開放感があり、オシャレな感じです。 そしてこのお店の特筆すべき点は、コンセプトが「ワインショップ×レストラン」ということで、 ワインは標準小売価格で売られているということ(+600円の抜栓料は必要)。 嬉しいですねー。こういう店が増えてくれるのは大変喜ばしいことです。

Fleury Fleur de l'Europe Brut Nature N.V. [Fleury Père et Fils]
名称Fleury "Fleur de l'Europe" Brut Nature N.V.
フルーリー "フルール・ド・リューロップ" ブリュット・ナチュレ (ヴィンテージ無し)
生産者Fleury Père et Fils
フルーリー・ペール・エ・フィス
価格7,000円 (お店価格)
購入店W Yokohama

 せっかくこういう店なんで『三人それぞれ担当を決めて一本選んできましょう』ということになりました。 Shokawaさんの担当が泡、YAMAさんの担当は白、そして師範の担当が赤に決定。 そしてこのシャンパーニュはShokawaさんのチョイス。 お店での価格は7,000円ですが、「標準小売価格で販売」の看板にウソは無くて、 後で調べたら確かにそれくらいするワインのようです。

 色は、照明が暗くて良く判りませんです。香りはいかにもシャンパーニュらしい蜜入りリンゴの甘い香りに、パンの皮の部分みたいな香ばしさ。 結構熟成香もあって、「高級なスパークリングでございます」感がビビッと伝わります。 そして味も立派です。甘さタップリ酸味シッカリ、「濃い」シャンパーニュですよ。

 ワイン好きな人たちはだいたい年末年始と言えばシャンパーニュを開けるもんだと思いますが、 道場では今年まだシャンパーニュを開けてなかったんですね。 新年最初のシャンパーニュが大変美味しいモノだったので、今年は縁起が良いような気がしています。

点数84点
W Yokohama 赤ワインの棚

 このお店の特徴である「ワインショップ」部分、こちらが赤ワインの棚。 反対側には白と泡が並べられたデカい冷蔵ショーケースがあります。それぞれ100種類以上は余裕であるんじゃないかな? ある程度なにを飲みたいか見定めて行かないと、じっくり見だしたら1時間掛かります(笑)。 それにしても楽しいな、このシステム。

Heroes Chardonnay 2017 [Santa Rita]
名称Heroes Chardonnay 2017
ヒーローズ シャルドネ 2017
生産者Viña Santa Rita
ビーニャ・サンタ・リタ
価格820円 (お店価格)
購入店W Yokohama

 このお店のデフォルトのグラスはリーデルの"O(オー)"ですが、一人200円を支払うと大ぶりでステムのあるグラス(リーデルのブルゴーニュやボルドー)にしてくれます。 それも、ワイン毎に取り換えてくれるわけですから、ここは200円払うべき、だと師範は思います。

 そしてYAMAさんが選んで来られた白がコレ、サンタ・リタが造るチリ産のシャルドネです。 最初、値段を聞かずに飲み始めて、「結構良いじゃないですか、これ」なんて言っていたわけですが・・・

 色はやや薄めに感じました。香りのボリュームもやや弱めですが、白桃のような甘く可愛らしい香りがなかなか好印象です。 味わいも、ちょっと甘さがありすぎというか酸が少ない感じはありますが、3人で1本なら飲み飽きする前に無くなります。

 で、お値段を聞いてびっくり、820円だそうです。600円の抜栓料を足しても1,500円を切る激安価格。 ヘタな居酒屋なんかだったらその倍は取られるでしょう。 そして、本来こういうチャレンジは本来「安ワイン道場師範」がするべきところ、 師範と飲む意義を汲んで下さったYAMAさんに感謝です。

点数72点
W Yokohama プロシュートのサラダ

 料理も、まずはそれぞれ1皿ずつ注文しましょう、ということになって、最初に頼んだのがこの3皿です。

ブロッコリー、カリフラワーとスプラウトの生ハムサラダ880円(左写真)
フィッシュ&チップス750円
自家製ソーセージ730円

 お値段お手頃で結構ボリュームもあるし、ワインのツマミにピッタリの濃いめの味付けで、大変ナイスでありましたよ。

Kimura Cellers Marlborough Pinot Noir 2017 [Kimura Cellers]
名称Kimura Cellers Marlborough Pinot Noir 2017
キムラ・セラーズ マールボロ― ピノ・ノワール 2017
生産者Kimura Cellers
キムラ・セラーズ
価格5,500円 (お店価格)
購入店W Yokohama

 初対面の方々と飲むときは、それぞれの酒量が判らないので、トータルどれくらい飲むかの想定が難しいわけです。 それで、泡と白はあっという間に飲んじゃったわけですよ。そこでShokawaさんから 『師範が選んだ赤にいく前にもう1本挟みましょう』とのご提案。 どう見ても飲兵衛の三人、断る理由はありません。 そんな感じで選ばれたのがコレ、ニュージーランドで日本人醸造家が造るピノ・ノワールです。

 色は、ピノ・ノワールにしては結構濃いめの紫色でした。 香りのボリュームはたいそう立派です。ピュアっピュアなイチゴの香りがパーッと来ます。 樽熟はしていないっぽくて、樽香などは感じないストレートなフルーツ香ですな。 味わいも、香りの印象通り甘酸っぱくてキュートな感じ。 こんなピッチピチな味わいだとスイスイ入っちゃうわけですよ。

 日本人醸造家だからか、和食なんかに合わせても良さそうなピノ・ノワールでした。 ただ、5,500円というお値段がちょっとネックだな。 先日の798円の7倍だからな・・・ってあれと比べちゃイカンか。

点数80点
W Yokohama Grape Fed Beef

 追加で注文した料理が下記の2皿です。

オーストラリア産味わい葡萄牛のグリル1,570円(左写真)
ピッツァ(クアトロフロマッジオ)1,050円

 牛肉のグリルの横にはタップリのマッシュポテトでおなかいっぱい。 ガッツリ飲むときはあまり食べない感じなのは皆さん同じのようで、この他にはコペルト(ポップコーン)が280円×3が頼んだ料理の全てです (レシートにちゃんと食べたものと値段が書かれているのは師範的には助かります)。

Mullineux Syrah 2015 [Mullineux Family Wines]
名称Mullineux Syrah 2015
マリヌー シラー 2015
生産者Mullineux Family Wines
マリヌー・ファミリー・ワインズ
価格4,500円 (お店価格)
購入店W Yokohama

 赤ワイン担当の師範が選んだのがコレ、南アフリカで腕利きと名高いマリヌーのシラー。 この造り手のワインは、2年前に廉価版と稽古しているんだけど、 その時の印象が今一つパッとしなかったんだよね。 いつかは上級銘柄とも稽古せねば・・・などと思っていたので、これ幸いとチョイスした次第です。 極めて個人的な趣味にお付き合い頂いてスミマセン。

 色は、コールタールのように黒く濃い!って感じでは無くて、リーデルのボルドーグラスに適量注いでもまだ向こうが透けるくらいの濃さです。 香りは、スパイシーなシラーのイメージとはちょっと異なる、なんとなく南米のピノ・ノワールのような果実っぽさたっぷりの香り。 味わいも、ドスンと濃いかと思えばそうではなくて柔らかい感じ。「エレガントな味わい」と言うべきなんでしょうね。

 美味い不味いで言えば美味いです。でもなんかグッと来るものが無いのね。 廉価版の時に感じた「行儀が良すぎる」イメージが共通しています。 一人で一本だともっと違った印象かも知れませんけど。

点数78点
W Yokohama 飲んだワインたち

 我々に付いて頂いたソムリエールさんは星野さんという方で、この秋にソムリエ資格をとったばかりとのこと。 820円のチリ産シャルドネにも良い点を見つけて説明して頂けるし、 左写真みたいに『飲む前に並べて写真撮っておきましょうか』などと提案してくれて、なかなか気が利いています。 今後のご発展をお祈り申し上げております。

 ・・・そんな感じの突発的ワイン会、トータルのお値段は3人で29,000円弱。 これだけのワイン飲んで一人1万円いかないってのは大変グッドなお店でありました。 きっとまた利用させて頂きます。

夏への扉 外観

 ・・・というわけで会はお開きになったわけですが、Shokawaさんとは最寄り駅が一緒のご近所さんということで、 「もう一軒行きますか」ってことになって伺ったのが、保土ケ谷駅西口商店街にある夏への扉。 前回伺ったのは9月ですね。

Blanc de Blancs Brut Viognier N.V. [Dom. des Rosier]
名称Blanc de Blancs Brut Viognier N.V.
ブラン・ド・ブラン ブリュット ヴィオニエ (ヴィンテージ無し)
生産者Dom. des Rosier
ドメーヌ・デ・ロジエ
価格840円 (Glass)
購入店夏への扉

 この店にはShokawaさんも時々行かれるそうで、そしてマスターとは出身高校が同じとのこと。世の中狭いですな。 いつもは「お薦め3杯」を頼むんですが、流石に3杯も要らないかなぁ~ってことで普通にグラスで注文。 1杯目はなんと珍しいヴィオニエを使ったスパークリングです。

 外観的にはシャンパーニュと何ら違いはない・・・ような気がしました。 でも香りは違いますね。ヴィオニエらしい桃っぽいフルーツ香があって、 良く言えば大変チャーミング、悪く言えばちょっと安っぽい感じです。 味わいは・・・どうでしたっけね、イマイチ覚えていなかったりします。

 甘いフルーツの香りが顕著なスパークリングで、とても一般ウケしそうだと感じました。 後で調べたらお値段はボトルで2,500円くらいとのこと。リーズナブルだと思います。

点数(75点)
Robert Mondavi Private Selection Heritate Red Blend 2016 [Robert Mondavi]
名称Robert Mondavi "Private Selection" Heritate Red Blend 2016
ロバート・モンダヴィ "プライベート・セレクション" ヘリテージ・レッド・ブレンド 2016
生産者Robert Mondavi
ロバート・モンダヴィ
価格740円 (Glass)
購入店夏への扉

 シメの一杯は、「とにかくガツンと濃い赤を下さい」と注文しました。 マスターの提案は、2005年産のボルドーとかもあったんだけど、「そういうんじゃなくてもっと濃いヤツ」なんてワガママなお願いをして、 出して頂いたのがコレ、米国の大手ロバート・モンダヴィが造る赤で、品種は「シラーを中心にメルローやジンファンデルをブレンド」とのこと。 そりゃ確かに濃そうです。

 色は濃いけど赤みのある濃さなのは、ジンファンデルの影響でしょうか。 香りは「そうそうコレコレ!」です。煮詰めたベリーの香りにアメリカンオークらしい派手な樽香。いかにもカリフォルニアの赤って感じの薫りです。 味わいも「そうそうコレコレ!」です。アルコールの沁み込んだ脳味噌に記憶のくさびを打ち込む、甘~くて濃い~い味わいです。

 これでキッチリ締まりました。 一人で一本だとかなりハード、というか飲み飽きしそうなワインだと思いますが、グラスで飲むんだったら無問題です。

点数(77点)

 軽く2杯で解散、お値段は一人1,800円くらいでした。いやー、ワインは良いですね、初対面の方々ともまるで旧知の仲のようになれます。 また飲みましょう>Shokawaさん、YAMAさん


3日(木休)

三社参り

 正月三日目、更に暇をこじらせております。

 ・・・ということで今朝は早朝から散歩がてら「横浜マイナー三社参り」。 参拝したのは西久保町の「杉山社」、平沼橋の「水天宮」、浅間町の「浅間神社」。 普段行かない神社を攻めてみました。朝7時前だとどこも無人、神様もしっかり師範のお願いを聞いてくれていることだと思います ・・・神様が寝てなければ。

サントリービール 飲み比べ

 昨日はサッポロの飲み比べだったので、本日はサントリーの飲み比べ。 今日買ってきたベーシックなプレミアムモルツと、年末に買った「マスターズドリーム 醸造家の夢」シリーズからの1本で「ダイヤモンド麦芽の恵み」

 プレモルの方は、いわゆる普通のプレモルです。香り華やか、適度な苦味とややしっかりめの甘さ。後味に麦芽のコクがしっかり残ります。 「キレの良さ」を謳うビールとは真逆の方向性です。 一方のダイヤモンド麦芽の恵みの方は、色も濃い目で麦芽の焙煎が強いのか香ばしい香りがしっかりあります。 特徴的な甘さとこの香ばしさは相性良いですね。

 系統で言えばどちらもプレモルらしい方向性なんだけど、飲み比べると差が分かって楽しいですなぁ。

Morey-Saint-Denis
名称Morey-Saint-Denis "Larrets" 2014
モレ・サン・ドニ "ラレ" 2014
生産者Frédéric Magnien
フレデリック・マニャン
価格2,032円 (単品価格:3,434円)
購入店うきうきワインの玉手箱

 夕食は、師範代謹製の鶏の唐揚げ、ナスとピーマンとインゲンと人参の素揚げ、紅白なます。 唐揚げは、手前味噌ですが師範代のが世界で二番目に美味いです。一番は義父(師範代父)のやつ。 どちらもガッツリとニンニクが効いていてカリッと揚がった唐揚げ。義父の方は一個が無慈悲な大きさがあるので、よりジューシーです。

 さてさてそんな料理に泡得て選んだのは、1年半前に買ったうき袋(うきうきワインの福袋)「6本1万円」の福袋からの最後の1本。 この福袋は、道場の稽古相手としては使い勝手が良い(稽古範囲オーバーのものが稽古範囲で買える)ので重宝しており、今回も購入しました。

うきうき福袋1万円de辛口赤ワイン3本+白ワイン3本セット 10,800円

 ちなみにこの銘柄の2009年産2012年産と稽古済み。 モレ・サン・ドニの白としてある意味レアものなんだけど、なかなかそのレアさを理解して頂くのは難しいので、 正月のおめでたい気分の中で一人で飲んじまいましょう、ということにしました。

 色は、ブルゴーニュのシャルドネとしてはかなり淡めのレモン+麦わら色。粘性もそれほど高くなく、サラリとした感じです。 香りは、ボリュームは中程度ですが、ミネラル感の強さはシャブリみたいで結構樽香もあったりするのはボーヌの白みたい。 トリュフのような香りもほのかにあって、なかなか上品で複雑な香りです。 味わいも、香り同様シャブリとボーヌを足して2で割った感じ。カチッとしたミネラル感と酸のしっかり感がありつつ、緩めの甘味も感じます。 上手くて美味いねぇ。

 ニュイの白、という珍しいポジションに対する期待をそのまんま表現したような、絶妙なポジショニングを感じる白です。 福袋に入っているってことはそんなに売れ筋じゃないと思うんだけど、これ、もっとピックアップされても良いと思うんだけどなぁ。面白いワインですよ。

点数82点

2日(水休)

箱根駅伝 神明社

 正月二日目、実家に帰省しないお正月は暇なのよね。

 ・・・ということで今朝は近所で箱根駅伝を観戦。 接戦の第二グループと、それをスマホで激写する薄毛のオッサンの光々しき後頭部。 カメラの露出がそっちに引っ張られます(笑)

 その後は近所の神社「神明社」に初詣に行き、近所のスーパーに買い物に行って・・・すでに通常運転の毎日が始まっております。

サッポロビール 飲み比べ

 朝からタダで駅伝を楽しませて貰ったので、スポンサー企業を飲んで応援。 本日の食前酒はどちらもサッポロビールで、定番の黒ラベル銀座ライオン ビヤホールSpecial。 黒ラベルは副原料として「米・コーン・スターチ」が書かれているけど、銀座ライオンは麦芽とホップのみ。

 写真でも判るように、左側の黒ラベルの方が黒くないです(笑)。 控えめな香りと酸味の効いた味わいで、ガツン来る男らしさはおなじみ黒ラベル。 対するビヤホール Specialは色がアンバーで泡立ち&泡持ちは控えめ。 黒ラベルに比べると苦味しっかりで深みがあって、男くささをベースに奥行きが増した感じ。

 「華やか」とか「薫り」とかを謳う他ブランドとは一線を画す硬派なビール。 グループ内のプレミアム銘柄「ヱビス」とは明確にスタンスを分けているでしょうね。 古くからのビールファンを裏切らない内容だと思います。

Kizan Selection Merlot 2016 [Kizan Winery]
名称Kizan Selection Merlot 2016
キザン セレクション メルロ 2016
生産者Kizan Winery
機山洋酒工業
価格2,250円
購入店カーヴ・ド・リラックス

 おせち料理は昼までで大体消化しました。というわけで夕食は、ローストビーフ風牛タタキ、ベビーリーフとチーズとトマトのサラダ、ガーリックライス。 なんかあっさりしたものが食べたくなるんですよね、この時期。

 というわけで、あっさりが欲しい次期&正月なんで、本日も昨日に引き続き日本ワインを頂きます。 銘柄は、山梨の機山洋酒工業のメルロー。日本ワインの造り手って、昨日のサントリー含め「メルロ」と表記するところが多いですね。 品種構成的には、メルロ80%・カベルネソーヴィニョン15%・シラー3%・プティヴェルド2%なので、基本はボルドー右岸的なブレンド、ということでしょうか。

 色はメルローとしてはやや薄め、でも清澄度が高くてキレイに澄んだ紫色です。 香りのボリュームは結構あります。メルローらしいベリー系の香りに加えて、日本のメルローに共通した個性だと(師範が)感じている、古い蔵の中のような香りがあって、 なんだかおばあちゃんちに帰省したみたいな感じです。 味わいは、甘さ控えめ、酸味も控えめ、渋味も控えめ。アルコール度数も11%と低め。 それだけ聞くと弱っちいワインのようですが、小ぶりながらもまとまり感はあって、薄っぺらな印象は受けません。

 時間が経つと、控えめな渋味がさらにこなれて甘味が目立つようになってきます。 この状態になるとしみじみ美味いなぁ。なんか日本人のDNAに訴えかけてきている気がするのは先入観の産物だとは思うけど、それも含めて日本ワインの良さだと感じます。

 結果、日本ワインらしくて面白いと思うし、諸外国のこのクラス(2,000円台前半)と比較しても、そこそこいい勝負するくらいにはイケると思います。 ただ、これが『レアで人気のワイン!』とか聞くと、それはちょっとどうよ?と思います。 こういうワインが普通に買えるようになって欲しいですね。

点数76点

1日(火祝)

お屠蘇

 道場で新年を迎えるのは3年ぶり2度目。天気も良くて穏やかな年明けとなっております。

 そして、まだ2度目ってこともあって、いろいろ勝手がわからないことがあったりします。その一つがお屠蘇。 熊本出身の師範にとって、お屠蘇と言えば「東肥の赤酒」なんですが、こっちでは手に入らないので清酒とみりんをブレンドしました。 銘柄は、清酒が醸し人九平次 "Le K" rendez-vous 純米大吟醸 2017、みりんが福光屋 三年熟成 福みりん。 いい素材を選んだつもりだったけど、ブレンドが悪いのか発想自体が悪いのか家族には大不評でした。

 そして、道場にはまだ屠蘇器がありません。なのでティーポットとお猪口で代用。屠蘇器ってどこで買うのかね? 当然ネットでは売られているんだけど、こういう「一生モノ」の買い物で、物を見ずに買うのってまだ抵抗あるんだよなぁ。 デパートには多少あるんだけど、見たらめっちゃ高かったし。どなたか良い実店舗をご存知の方はご教示ください。

おせち料理

 今年のおせち料理は、浜松の割烹「弁いち」さんからのお取り寄せ(後ろの刺身は別)。

 有名店やデパートでも冷凍や既製品を使うことが多い中、ここのおせちは全て店主の手作りという希少品。 その価値を師範家ごときが全て感じ取れたかは微妙だけど、素材の味がダイレクトに伝わる繊細な味付けに魅了されました。 それなりの金額(2段で30,000円)したけど、料理について家族でいろいろ会話出来たことも含め、 その価値はあったように思います。

登美の丘 甲州 2017 [サントリー 登美の丘ワイナリー]
名称 登美の丘 甲州 2017
生産者Sutory Tominooka Winery
サントリー 登美の丘ワイナリー
価格サントリーさんからの頂き物 (参考価格:4,320円 @amazon)
購入店サントリー 登美の丘ワイナリー

 元旦のお酒に選んだのは「やっぱり日本ワインでしょう」ということで、秋にサントリーさんからの贈って頂いた登美の丘の甲州をチョイス。 昨年6月にこのワインが造られている畑を見て、栽培家のゲンちゃんに会ってきたので、感慨ひとしおであります。 やっぱり日本ワインの魅力ってそういうところもあるよね。

 色はほぼ無色、白木のような乾いたベージュっぽい色がほんのり見て取れます。 香りはいかにも甲州です。フルーティではあるけど甘さの無い、スタチやカボスのようなキレの良い果実香が、結構なボリュームで香ります。 味わいは、香りの印象を上回るキレの良さ。アルコール度数は11.5%と低め、そして糖度は5.5とストイック、pHは3.1とキレッキレ。 そんじょそこらのワインと思って飲むと口の端を切ってケガするようなキレの良さです。

 甲州の特徴を思いっきり引き出すとこういうワインになるんでしょう。ニューワールド・旧ワールド問わず、こんなワインは他にはありません、ってくらい個性的。 ただなぁ、この個性が「美味い!」に繋がるかと言うと、ちょっと難しい気がしないでもありません。 和食との相性はすこぶる良いんだけど、いかんせん「華」がない。それがこの品種の難しさだよなぁ。

点数77点
Triennes Les Aureliens 2014 [Triennes] Triennes Les Aureliens 2014 Mark
名称Triennes "Les Auréliens" 2014
トリエンヌ "レ・ゾーレリアン" 2014
生産者Triennes
トリエンヌ
価格1,901円
購入店Wine Place

 ↑のワインは午前中にほぼ飲み終わって、午後から開けたのがこのワイン。 先日、自由が丘ワインスクールに伺った際に購入したワインだけど、 元日はどうしてもコレを頂きたかったわけですよ。 というのも、ラベルに今年の干支のイノシシの絵が描かれていますから。 今年のお年始っぽいじゃないですか~。

 ちなみにこのワインを買うときに、「トリエンヌ」って名前は聞き覚えがあって、 「稽古したことあると思います」っつってその場で道場の出身地別名鑑を調べたら、 なんと20年前でした。 『そりゃ今は変わっているわよ』と先生と笑っておりました。

 色は、結構しっかりと青く濃い紫色。品種はカベルネ・ソーヴィニョンとシラーとのこと、たしかにそういう品種らしい外観です。 ところが香りが意外です。黒系果実の香りに加えて、オレンジの皮のような香りがしっかりとあります。 産地はプロヴァンス、周りにオレンジ畑でもあったんですかね? 味わいは、全体に小ぶりながら甘さと酸味のバランスが取れています。渋味もあるけど、あまりザラついていなくてスムーズに頂けます。

 ・・・と、最初は「こんなもんか」だったんだけど、抜栓後時間が経つと明らかに開いて来て、良い感じの甘さが前面に出てきます。 この状態ならお薦めも了解だな。抜栓直後は「なぜコレお薦め?」と思ってました。

 なるほどプロヴァンスのカベルネ主体な赤だなぁという感じです。 正直言ってとりわけ美味しいわけじゃありませんが、テロワールを知るのには適したワインだと言う気がします。 そういうことを教示する意味も含めてのご推薦だったのでしょう。勉強になりました。

点数75点