先月は珍しく外でワインを飲む機会がなく、 また平日は2日に分けて飲むことも多くて掲載した本数は16本。 これくらいが適量なのかもですな。そろそろ身体に気をつけなきゃならないお年頃だし。 |
というような会でありました。
場所は、千駄ヶ谷から日本テレビ方面に歩いたところにある"Au Gout du Jour(オー グー ドゥ ジュール)"という店。
今年の10月10日に開店したばかり、
支配人は以前ブルギニオン/ドン・ピエールの支配人をされていた岡部さん
(甘いマスクのナイスな方です)、
シェフは元オストラルのおられた中村さんという方らしい。
お店の中は、クリーム色を基調とした清潔で温かみのある雰囲気。
持ち込みのワインを除いて、料理とかシャンパンとか食後酒とか税金を
いっさいがっさい含めて一万円で、
というお願いで、出された料理が以下。
フォアグラが特に美味しかったなぁ。あっという間に無くなった。
鴨も美味しかった。もう少し量があれば、と思ったくらい。
参考までに見せてもらったワインリストは、全16ページ、
各ページに10種弱のワインが鉛筆書きで丁寧に書かれているもの。
トータルの本数は100種類強かな。
内容的には、フランスがメインではあるけど各地方取り揃えてあって、
値段も5,000円くらいからあって、なかなか楽しいリストだと感じた。
「リストの飾り」的な5大シャトーやDRC、
クリュグといったワインが載ってないのもこだわりが感じられるし。
というわけで、シャンパンと食後酒以外は各自の持込みで。
この後、グラハムズの40年物のポルトも(ほんの少しだけ)頂いた。
なんだか普通のポルトとは全然別物の妖艶な雰囲気だったような。
気が付けば既に12時前、あっと言う間の5時間でありました。
参加者の皆さん&お店の方々、お世話になりましてございます。
料理は以下。
ワインは以下(料理/ワインとも貰ったメニューカードを転載)
『もう都会も地方もレベルに差はないなぁ』というのが正直な印象。
料理は所詮「結婚式料理」ではあるんだけど、
下手なホテルよりよっぽどちゃんとした内容。
前菜は味が薄く、牛肉のソースからはゴルゴンゾーラの香りはしなかったけど、
リゾットやオマールはなかなか味わいが濃くていい感じ。 by
師範
J.M.Gobillard & Fils Brut Rose N.V.
J.M.ゴビヤール&フィス ブリュット・ロゼ (ヴィンテージ無し)
J.M.Gobillard & Fils
J.M.ゴビヤール&フィス
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\2,580 2002/11/24
リカーズハセガワ 北口店 トーメン
料理はN氏によるイタリア風前菜(キノコのバルサミコ和え?/チコリに乗ったマグロとアボカド/
イワシのマリネ/タコのマリネ、だったような)。
で、ワインはやっぱり最初の一本はシャンパンで、
ってことで持参したのは、無名?造り手のお手頃価格ロゼ。
泡立ちはシャンパンとしては普通くらい。
色は薄ピンク。気持ちオレンジ色がかってるかな、って感じ。
香りは、リンゴっぽい香りがそこそこ。バターっぽさがなくて、
「焼きリンゴ」までには至らないのが残念。
また、シャンパンらしいイースト香もあまり無い。
味は、酸味がメイン。気持ち渋さを感じるあたりがロゼっぽさかな?
シャンパンとしての必要条件は満たしているけど、そこどまり。
特に、あまりに熟成感が無いのが寂しい。
夏場はスッキリ系が嬉しいけど、こういう季節はもう少しシッカリ系が良いな、と。
(74点) N氏宅にて
Au Bon Climat "Santa Barbara County" Chardonnay 1999
オー・ボン・クリマ "サンタ・バーバラ・カウンティ" シャルドネ 1999
Au Bon Climat (Jim Clendenen)
オー・ボン・クリマ (ジム・クレンデネン)
White
白
Santa Barbara County (USA)
サンタ・バーバラ・カウンティ (アメリカ合衆国)
\2,980 2002/11/22
関内 リラックス リラックス
白は、米国でのブルゴーニュ系ワインの造り手として知らぬものはいないくらいに著名な
"ABC"ことオー・ボン・クリマのシャルドネ。
有名ドコロ、ってことで、普通のカリフォルニア産みたいな
「ベッタリと重くてどぎつい樽」じゃないのを想像&期待していたんだけど・・・
色は薄い。重くないワインを求めてたんで、
いい傾向ではあるんだけど、ちょっと物足りないかな、と不安になる色。
香りは・・・思いっきり樽。果実の風味が弱いんで樽ばっかりな印象。
味は酸味と甘味のバランスが良くて、比較的スルスル飲めるんだけど、
やっぱり目立ちすぎる樽がなんとなく邪魔。
極言すると「カリフォルニアに良くあるエセ高級白」。
抜栓後時間が経ったら好転するかも、ってんで4分の1くらい残して置いたんだけど、
残念ながら師範はそれを飲む前に沈没。
(72点) N氏宅にて
Re Nero 1999
レ・ネロ 1999
Poderi Alasia (Araldica Vini Piemontesi)
ポデリ・アラジア (アラルディカ・ヴィーニ・ピエモンテージ)
Rosso
赤
Monferrato
モンフェラート
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
\1,580 2002/11/22
関内 リラックス リラックス
ここらへんで料理はラザーニャだったと思う。
対する赤の一本目は、イタリア北部ピエモンテ州で造られるピノ・ネロ。
メインのワインがブルゴーニュのピノ・ノワールなんで、
それと比べて面白いワインで、かつ難しく考えなくて済んで、
かつ手軽な価格、ってことでこれをチョイス。
お店のPOPによると、醗酵/熟成にそれぞれ新樽40%使用ってことで、
案外ブルゴーニュにも対抗できるんじゃないかとの淡い期待を胸に。
色は薄めの赤紫色で、まさしくブルゴーニュ風の色。
ブルゴーニュでもACブルゴーニュクラスかな。
香りは、可愛らしい木苺っぽさがあってなかなかいい感じ。
ACブルゴーニュだとしたらかなり名門ドコロじゃないと出せない香りかも。
そんな雰囲気の中、なんとなく汗臭いような香りがあるのがイタリアらしさかな。
味も、軽めながら甘味もあったりして、食事といっしょに楽しむにはとっても良い感じの味。
小さめながらなかなかまとまりの良いワイン。
値段を考えれば十分合格でしょう。
こちらも、抜栓後の変化をみたくて4分の1くらい残しといたんだけど・・・
どうだったんだろ?
(77点) N氏宅にて
Vosne Romanee 1er cru "Les Suchots" 1998
ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ "レ・シュショ" 1998
Dominique Laurent
ドミニク・ローラン
Rouge
赤
Vosne Romanee 1er Cru
ヴォーヌ・ロマネ 1級畑
Bourgogne (Italia)
ブルゴーニュ (イタリア)
(O氏より)
アイ・エヌ・エー 東日本
本日のメイン・ワインがコレ。
新樽200%、力ずくでワインをねじ伏せるドミニク・ローラン、
しかも彼のワインの中でも美味いと言われる黒ラベル。
過去彼のブルゴーニュでハズした経験は無い(ブルゴーニュ以外はある)んで、
大期待で抜栓だったんだけど・・・
まず色が薄い、そして熟成っぽいレンガ色。
輸送後即抜栓に近かったんで、澱が乱舞しているのはしょうがないとしても、
この色の薄さは「え? これがドミニク・ローラン?」って感じ。
香りは、抜栓直後は比較的おとなしい感じ。
味も、抜栓直後はこぢんまりとまとまっていておとなしい。
「ま、美味いけどね」ってレベルだったんだけど、
グラスに注いでちょいと時間が経つと、妖艶な香りがバンバン立ち昇ってくるし、
味もアプリコットのような甘みとか深みが増してきて、
なかなかどうしてイケてるワインに変化。
というわけで、結果オーライ、非常に楽しめた。
でも、これが1998のドミニク・ローランってのは相当意外。
ちょっと枯れた色合いといい、妖しい香りといい、アプリコット風の甘味といい、
1988なら納得、って感じ。
(85点) N氏宅にて
Barbaresco Riserva "Feyles" 1991
バルバレスコ・リゼルヴァ "フェイレス" 1991
Fratelli de Nicola
フラテッリ・デ・ニコラ
Rosso
赤
Barbaresco Riserva
バルバレスコ・リゼルヴァ
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
\2,890 2002/10/19
成城石井 ルミネ横浜店 成城石井
メインの料理は子羊のオーブン焼き。
で、最後のワインがコレ。1991年産と、そこそこ年期の入ったバルバレスコ。
ま、これも含めて今回師範が持参したワインは全て3,000円以下、
忠実にオキテを守っております。
色は案外しっかりしていて、ちょっとこげ茶色っぽい雰囲気を感じるものの、
まだまだ「枯れた」というには程遠い色。
味や香りは、雰囲気で言えば熟成ボルドーっぽい。
もちろんイタリアらしい酸味の強さはあるんだけど、
黒蜜っぽい感じというか、砂糖が焦げたような気配というか、
そのあたりに熟成ボルドーに通じるものを感じる。
・・・なんて書いてて、実は師範は「熟成ワイン」を飲んだ経験のほとんどがボルドーだ、
ってことがそう感じる理由のような気もする。
ともあれおとなしいながらもなかなか良さげな雰囲気をもったワインだったように思う。
残念ながら普段より早めに沈没した師範ゆえ、あまりちゃんとは飲めなかったんだけど。
(80点?) N氏宅にて
例年に増して早めに就寝させて頂き、大変失礼しました。
おかげで翌朝は気分スッキリ、おめめパッチリ。
29日(金)
Riesling 2000
リースリング 2000
Dom. Viticole de la Ville de Colmar
ドメーヌ・ヴィティコール・ド・ラ・ヴィル・ド・コルマール
Blanc
白
Alsace Riesling
アルザス・リースリング
Alsace (France)
アルザス (フランス)
\941 2002/10/26
関内 サンタムール カツミ商会
本日の夕食は舌ビラメのムニエル。
えらく高級なイメージのある料理だけど、
近所の魚屋さんで買う舌ビラメって、3枚で500円
(ホントは1枚200円だったけど、プチ師範代が料金渡したらオマケしてくれたらしい)。
安くなったもんですな。
で、ワインはアルザスのリースリング。
犬も歩けば受賞ワイン、ってことでこれもコルマールのアルザスワインコンクール金賞受賞。
この造り手のワインは昨年Sylvaner 1998と稽古済み。
色は、濃くは無いけど色調的には赤い感じの黄色。
香りはとってもアルザスらしくリースリングらしい。
野花のみたいなキュートに甘い香りと、揮発油っぽい華やかさ。
味も想像通り。金属っぽい尖った味が無いのはなかなか優等生。
でもちょっと酸味が弱いかな?ちょっと苦味があるかな、って点が気になるけど。
甘い香りはすれども甘くなく、って感じはまさしく正統派のアルザス・リースリングなんだけどね。
期待通りの味わい。これが1,000円以下ってのはかなりのコスト・パフォーマンス、
1,000円台後半の雰囲気が味わえる。
ちょっと「受賞ワイン」を信用してみようかな、って気になった。
72点 自宅にて
27日(水)
Yvecourt Saint-Emilion 2000
イヴクール サンテミリオン
Yvon Mau
イヴォン・モー
Rouge
赤
Saint-Emilion
サンテミリオン
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,000 2002/11/13
やまや渋谷店 やまや
本日のワインは、"イヴクール"というブランドのワイン、
やまやでしか見かけないんで「やまや銘柄」かと思っていたけど、
実際はスペインの大手スパークリングメーカー、"フレシネ"グループのネゴシアンらしい。
お値段は通常\1,480のものがよりどり2本で2,000円。
色はまぁ普通。ボルドーとしてはやや赤めの紫かも。
香りにビックリ、甘い樽香がパーンときて、のみならず果実香もしっかり。
ちょっとケミカルな香りがあるのが残念だけど。
裏書によると、「8-15日間樫の新樽で熟成されたこのワインは・・・」なんて書かれているけど、
たった8-15日でこんだけ樽香が付くってのは非常に意外。
味は、渋味はあるものの尖ってなくて、かつ酸味はおだやかで、
かといって新大陸産みたいにむやみに重いわけじゃない、
このクラスとしてはかなりいいバランスを保っている。
全体的に丸っこい雰囲気を醸しだしていて、なかなかイケるサンテミリオン。
値段を考えれば絶賛しても良いくらい。
でも、ラベルに書いてあるような「Eleve a l'Ancienne (古典的醸造)」ってのはどうなんだろ?
かなり新しいタイプのボルドーだと思うけど。
78点 自宅にて
26日(火)
Chablis 2000
シャブリ 2000
Jean Bouchard
ジャン・ブシャール
Blanc
白
Chablis
シャブリ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\980 2002/10/26
関内 ドンキー 丸紅食料
本日の夕食は、豚バラとか白菜とか水菜とか人参とかうどんとか、
いろいろ(ほとんど残り物が)入った鍋。
師範家の鍋は基本的に水炊き、ポン酢で食べるスタイル。
で、チョイスしたワインは、ふらりと寄ったディスカウント・ショップで買ったシャブリ。
裏ラベルには「辛口・フルボディー」と書かれている。
白ワインに「フルボディー」なんて書くのは珍しいかも。
抜栓しようと思い、キャップシールをはがそうとしたらボトルにベットリ付着。
明らかに噴いた跡だけど、まぁこの価格帯なら仕方ないかも。
色はレモン色、というか薄黄緑色といったほうが近いくらい緑な雰囲気を感じる色合い。
香りは、ものすごく弱いながらも小さな花っぽい可憐さを秘めててちょっと可愛らしい。
味は非常に鋭利。日本刀、というかステンレスの角材のような、
全く甘味や膨らみのない一直線な味。
もちろん余韻とかもなくて、シャッと来てシャッと去る。
不味くは無いけどとってもストイック、
極寒の地に白装束一枚で正座をしているようなワイン。
デレーッと媚びを売るようなUS版プレイメイト系の白ワインも好きじゃないけど、
ここまで修行僧のようなのもちょっとねぇ。
67点 自宅にて
24日(日)
Chateau Lalande-Borie 1997
シャトー・ラランド・ボリー 1997
Chateau Lalande-Borie (Jean Eugene Borie)
シャトー・ラランド・ボリー (ジャン・ユージェヌ・ボリー)
Rouge
赤
Saint Julien
サン・ジュリアン
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,667 2002/11/13
やまや渋谷店 やまや
本日の夕食はハンバーグ。
師範家のハンバーグ・ソースは、ニンニクが効いてて自慢の一品
(師範代しか作れないけど)。
しっかりした肉料理ってことで、ワインもしっかり正統派をチョイス。
サンジュリアンのこのシャトーは、
2級のシャトー・デュクリュ・ボーカイユのオーナーがシャトー・ラグランジュの畑の一部を買い取って興した、とのこと。
古くを紐解くとこのワインとは1993と稽古済み。
その時の印象は「たいしたことない」だったんだけど・・・
色は当然のごとく濃い。ボルドーらしい青っぽい濃紫。
香りのボリュームはほどほどだけど、カシスっぽい感じや消し炭みたいな感じはいかにも左岸のボルドー。
味も、予想を裏切らない複雑さとバランス。
まだまだ渋味は強いけど、うっすらと甘味もあって、
飲み飽きしない/飲めば飲むほどスルスル飲める味。
いかにもボルドーらしいボルドー。
まとまり自体は小さめだけど、色/味/香り、どれをとっても予想を裏切らない。
・・・と、なかなか良い感じのワインだったけど、前歯が一本無いとどーも調子出なくて。
79点 自宅にて
23日(土)
Cremant d'Alsace "Blanc de Noirs" Brut N.V.
クレマン・ダルザス "ブラン・ド・ノワール" ブリュット (ヴィンテージ無し)
Krossfelder
クロスフェルダー
Mousseux
発泡
Cremant d'Alsace
クレマン・ダルザス
Alsace (France)
アルザス (フランス)
\1.000 2002/11/13
やまや渋谷店 やまや
本日の夕食はしゃぶしゃぶ。
昔はしゃぶしゃぶの肉といえば牛であって豚なんぞ貧乏人の食いもんで・・・
なんてことを書こうと思ったら、
ちょうど一年前全く同じ事を書いている。
まぁ以前書いたことを思い出した、ってことはまだボケてはないのかな。
で、昨年とは趣向を変えて今回は泡で。チョイスしたのはアルザス産のクレマン。
このワイン、「ブラン・ド・ノワール」ってことはピノ・ノワールから造られてるのかな?
ボトルの外から見た感じではまったく赤みは感じられないけれども。
色は、前述のごとく赤みはないけど価格帯からすればやや濃いめの麦わら色。
香りもクラスを超えている。
甘い感じの蜜香がちゃんとあって、香りだけならシンプルなシャンパンと似た感じ。
味も、口に含んですぐは結構良い感じ。泡は物足りないけど、
コクのある雰囲気はなかなか満足度が高い。
でも、後味がイケマセン。
苦味があって、折角のほんわかした気持ちをかき消して去っていく。
食事の終わりくらいで、プチ師範代がデザートにイチゴを。
で、教科書通りにイチゴを食べつつ飲んでみたんだけど・・・
合いますな、これは。後味の苦味を甘味に変える魔法の成分を持ってます、イチゴって。
結構イケる泡だと思う。1,000円だったら安い。
色とかからはブラン・ド・ノワールな感じは受けなかったけど、
飲んでみるとかなりなコクがあるあたり、やっぱり元は黒ブドウって気がする。
75点 自宅にて
22日(金)
Bourgogne Pinot Noir "Cuvee Speciale" 1996
ブルゴーニュ ピノ・ノワール "キュヴェ・スペスィアル" 1996
Philippe d'Argenval
フィリップ・ダルジョンヴァル
Rouge
赤
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,667 2002/11/13
やまや渋谷店 やまや
久しぶりの一日休暇&最近イマイチなワインが続いたんで、
きょうはちょっと良さげなワインをチョイス。
モノは、やまや銘柄のネゴシアン"フィリップ・ダルジョンヴァル"の特醸モノのブルゴーニュ。
「なんだよACブルかよ!」なんだけど、
猿でも美味いワインを造る1996産、かつとっても重いボトルなんで過分なる期待をして。
コルクを抜いてビックリ、コルクには"Bourgogne Vigne Rouge 1996 Antonin Rodet"の文字がある。
実際に瓶詰めしたのはアントナン・ロデなんですな。
そういえば、以前もリュリーで同様のことがあった。
仲が良いのか、それともフィリップ・ダルジョンヴァルって「瓶買い」のネゴシアンなのか。
で、ワインの中身はと言えば、色はACブルゴーニュとしては比較的濃い赤紫。
エッジがレンガ色がかっていて、静脈血を清澄したような雰囲気。
香りは、木イチゴっぽい果実香とゴム革っぽい獣香がちょうど半々くらい。
雰囲気/ボリュームとも、高級ワインの片鱗が感じられる香り。
味もなかなかスムーズだけど、僅かに炭酸っぽいジリジリ感がある。
だからってわけでもないけど、
甘味/酸味/渋味のバランスは良いのになんだか丸っこさが感じれられなくて、
非常に四角っぽい感じ。「丸だ」「四角だ」と言われても読者な方には理解不能だとは思うけど。
抜栓後2時間くらい時間が経つと、やや香りに樽の甘さが感じられるようになる。
でも、グラスに注いで5時間も経つと、香りは抜けて味は酸っぱい「抜け殻ワイン」に変化(あたりまえか?)。
ま、値段以上の内容はあると思う。買値の1,667円(3本よりどり5,000円)はもちろんのこと、
通常売価の1,980円でも安い。ただ、3,000円を超えるほどでは無い。
「2,500円です」って言われたらちょうど納得、ってくらいかな。
77点 自宅にて
21日(木)
Bereich Bernkastel 2000
ベライヒ・ベルンカステル 2000
RP 576 280 in D 135 092
(意味不明)
(一部修正)
Weiss
白
Bereich Bernkastel (QbA)
ベライヒ・ベルンカステル (QbA)
Mosel-Saar-Ruwer (Deuche)
モーゼル・ザール・ルーヴァー (ドイツ)
(結婚式引き出物:ハーフ) 2002/11/03
三国ワイン
本日はボージョレ・ヌーボーの解禁日とのこと、皆様楽しんでおられるでしょうか?
師範はと言えばボージョレでもヌーボーでもなく貰いもののドイツ産と稽古。
一昨日と同じ結婚式の名札ワイン。
赤は惨憺たる結果だったけど、果たして白はどうか、と。
色は薄めのレモン色。「薄め」と言っても激薄じゃなくてまぁ普通。
香りは、決して強くは無いけどドイツ産らしい甘華やかな香りが感じられる。
味は甘い。「ウスラ甘い」のレベルを一歩抜け出して「ちゃんと甘い」感じ。
酸味もそこそこあって、意外と楽しんで飲める。
・・・でもやっぱり飲み飽きるんだよね。3杯目くらいから「もう結構」って感じ。
料理を選ぶと思うけど、甘さがイヤでない人だったらそこそこ飲めるワインかな、と。
それにしても、こっちが男性用で一昨日のが女性用ってのを逆にしたほうが良いと思う。
色が赤と青なんで仕方が無いんだとは思うけどね。
66点 自宅にて
20日(水)
Vin de Pays du Lot Marbec 2001
ヴァン・ドゥ・ペイ・デュ・ロ 2001
Sud-Ouest Millesimes
シュッド・ウェスト・ミレジム
Rouge
赤
Lot (VdP)
ロ (ヴァン・ド・ペイ)
Sud-Ouest (France)
南西地区 (フランス)
\798 2002/11/09
酒奉行 保土ヶ谷店 サントリー
本日の夕食は馬刺とか。
この馬刺はココへのお土産で持参用に買ったとき、
同時に買って冷凍しておいたもの。
鮮魚とかと違って、冷凍しても(ちょっと脂がザラつく感じはあるけど)
ほとんど同じ状態で食べられますな、馬刺って。
で、ソレに合わせて選んだワインは、
フランス南西地区の初耳ヴァン・ド・ペイ。
品種は、フランスよりもアルゼンチンとかでメジャーなマルベック。
例によって「パリ農業コンクールで金賞受賞」のステッカーがある。
大安売りですな、コンクールの賞。
色はそこそこ濃い紫。南西地区のワインって、もっと黒々としたのを想像するけど、
これは比較的普通かも。
香りは、茎や葉っぱも一緒くたに醸造したような青っぽい香りと、
なんだか膏薬のようなケミカルな香り。
師範的にはあまり好きな香りではない。
味は、多めの酸味と浮ついた渋味がメイン。酸味自体は特に嫌な感じではないけど、
渋味はなんだかザラザラしていて飲みづらい感じ。
安さのヒミツは内容にアリ、粗野で魅力に欠けるワイン。
異形で彫り物のある変わったデザインボトルを造ってるヒマと金があったら、
もう少し中身に力を注いではどうか?と言いたい。
これが金賞だと思うと、フランスのワインコンクールって、
まさに単なる輸出拡大策にしか思えなくなる。
58点 自宅にて
19日(火)
Merlot del Veneto 2001
メルロー・デル・ヴェネト 2001
D-RP 576 280
(意味不明)
(一部修正)
Rosso
赤
Merlot del Veneto (IGT)
メルロー・デル・ヴェネト (インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
(結婚式引き出物:ハーフ) 2002/11/03
三国ワイン
先日出席した従弟の結婚式で、
テーブルの名札代わりにラベルに列席者の名前が書かれたワイン。
男性が青いボトル(ドイツ産白)/女性が赤いボトルでなかなかシャレてますな。
中身的には、誰が作ったとも知れぬヴェネト産のメルローなんで期待するべくもないけど、
ハーフサイズってこともあってチョロッと飲みには丁度良いかな、と。
色はかなり薄い。ブルゴーニュの普通のモノくらいな感じ。
これでメルローってことは、もとのブドウの状態が思いやられる。
香りは、「うへぇ」って感じの雑巾臭。久しぶりに嗅いだ激安ワインの香り。
味も残念ながらイケてない。酸味が旺盛で、渋味も粗い。
抜栓後時間が経っても当然好転する気配は無い。
頂きモノにケチをつけるようで大変申し訳ないけど、正直言ってダメダメなワイン。
とはいえまぁハーフだし、飲めないってほどでは無い。
でもフルボトルだったら辛いだろうな、のレベル。
43点 自宅にて
17日(日)
Lungarotti "Giano" N.V.
ルンガロッティ "ジャーノ" (ヴィンテージ無し)
Cantine Lungarotti
カンティーヌ・ルンガロッティ
写真無し
Bianco
白
(VdT)
(ヴィーノ・ダ・タボーラ)
Umbria (Italia)
ウンブリア (イタリア)
(\2,500) 2002/11/17
創作料理・炭火串焼 隠れ野 新宿店 サントリー
バンドの練習の帰り、「ちょっと一杯」で居酒屋へ。
行った店は、新宿の繁華街にある創作料理・炭火串焼 隠れ野という店。
最近よくあるちょっと暗めでコジャレた居酒屋。
一工夫された料理は確かに美味いけど、ちょっと高いね。
2時間弱で二人で11,000円以上もかかるのは居酒屋としてはどうか、と。
(とはいえ このワインの他にも生中4杯、生ライムサワー4杯飲んでりゃ仕方が無いかも)
ここの店のワインは、赤白それぞれ5本くらい、
そのうちそれぞれ半分がハーフ(なぜかハーフとフルは別銘柄)というラインナップ。
この手の居酒屋としては平均的かな。
料理は基本的に和風だし、どうせガブガブ飲むんで、軽そうな白と思ってチョイス。
で、結果的には想像通りの軽い白。
ちょっと意外だったのは、案外香りがしっかりしていること。
若いイタリアらしい鼻腔を抜けていくようなシャラシャラっとした香りがあって、
ガブガブ飲んでも飲み飽きない。
味は、特筆すべき点も無ければ問題点も無い、軽くてスムーズで印象に残らない味。
ま、こんなもんでしょ、って感じ。多分酒屋だと700円台くらいの売値じゃないかな?
その3倍以上も払ってると考えればちょっと高い気もするけど、
生ビールの中グラス5杯分くらいと考えれば案外お得な気もする。
66点 「創作料理・炭火串焼 隠れ野 新宿店」にて
16日(土)
Chateau Charron "Les Gruppes" 1997
シャトー・シャロン "レ・グリュップ" 1997
Ch. Charron (Vignoble B. Germain)
シャトー・シャロン (ヴィニョーブル・B.ジェルマン)
Rouge
赤
Premieres Cotes de Blaye
プルミエール・コート・ド・ブライ
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,780 2002/10/05
115北田屋本店 やまざき
本日の夕食は、モッツァレラ・トマトと酢豚といなり寿司。
もう合うとか合わんとかは別にして、飲みたいワインを選んだのがコレ。
なんといっても凄いのが、とにかくとにかく重いボトル。
この地域・このボトルといえば以前に
コレと稽古済みだけど関連があるんだろうか?
色は、ボルドーだと思えばそれほど濃くは無い。
1997産と、今となってはこのレベルとしてはやや古めのヴィンテージだからか、
ちょっとレンガ色がかった、ブルゴーニュ的な赤さを感じる色合い。
香りはとってもナイス。
イマドキのボルドーらしい、樽の甘い香ばしさと弾けるように華やかな果実香がバンバン
(一般的なボルドーだと樽はイガラっぽいし果実香は重い)。
味も香りの印象通り。全然重さがなくて、華やかな香りを下支えするような、
非常にクリアでひっかかりのない味わい。
ブラインドで出されたらボルドーじゃなくて高級ブルゴーニュって言っちゃいそうな内容。
師範的にはかなり好き。最近飲んだやつだとコレとか
コレとかみたいな傾向。
前述した、以前に飲んだ(ラベル・デザイン以外は)ソックリなワインとも酷似。
やっぱり中身は同じ、あるいは非常に強い関連がある思うけど。
80点 自宅にて
14日(木)
Isla de Maipo Chardonnay 2001
イスラ・デ・マイポ シャルドネ 2001
Isla de Maipo
イスラ・デ・マイポ
Blanco
白
Maipo Valley (Chile)
マイポ・ヴァレー (チリ)
\890 2002/10/19
成城石井 ルミネ横浜店 成城石井
本日の夕食は、最近肉屋とかでも良く見かけるようになった豚トロの塩焼き。
師範的には脂っこすぎてあんまり得意なメニューじゃないんだけどね。
で、チョイスしたワインはチリ産のシャルドネ。
普通だったら赤を選べば良さそうなものだけど、
11時過ぎての抜栓なんでスキッと飲みたいし、
3桁ながらなんだか濃そうな雰囲気だし、
アルコール度数は14%もあるんで、相手が肉でも大丈夫かな、と。
なお、ここの造り手のワインは5年前にレセルバ・メルローと稽古済み。
色は薄め。(ルビーじゃない)グレープフルーツの果肉のような淡い色合い。
香りは結構良い感じ。裏書には「洋梨やバナナ、ヴァニラの香りが豊か」って書いてあるけど、
なるほど洋梨やバナナは納得、ヴァニラはどうかな、って感じ。
味は想像に違わずシッカリ系。酸味とか甘味とかのほかに、苦味も結構ある。
あと、意外なのは炭酸のジリジリ感。
二次醗酵が終わらないうちに瓶詰めしたのかな?
脂っこい豚肉に合わせる白、としては正解。
でも、11時過ぎて抜栓するワイン、としてはちょっとミス・チョイスかな。
白とはいえ重いし、飲み飽きするしでなかなか杯が進まなかった。
ワイン自体のクオリティは値段なりのものがあると思うけどね。
68点 自宅にて
12日(火)
Montepulciano d'Abruzzo 2000
モンテプルツィアーノ・ダブルッツォ 2000
Sasseto
サッセート
Rosso
赤
Montepulciano d'Abruzzo
モンテプルツィアーノ・ダブルッツォ
Abruzzo (Italia)
アブルッツォ (イタリア)
\699 2002/10/26
信濃屋 横浜店 東京ヨーロッパ貿易
本日のワインは安いモンテプルチアーノ・ダブルッツォ。
この造り手のワインは4年前にキアンティと稽古済み。
お値段的にはかなりこちらの方が安いんだけど、ボトルの見た目は随分シャレている。
そもそもこのDOCは安くてもイケるのが多いんで、
1000円くらいのパフォーマンスを期待しつつ抜栓。
色は青く濃い紫。モンテプルチアーノ・ダブルッツォって、
色だけ見ればボルドーと区別つきませんな。
香りのボリュームは弱い。イタリアにありがちな汗臭いような香りと、
このDOCにありがちな桜餅っぽい香りが感じられる。
と、色や香りまでは想像通りだったんだけど、味がイケません。
かなり酸っぱい。甘みや渋みも無いではなくて、
比率的には酸:甘:渋が3:1:1くらい。
酸味の絶対値的にはそれくらいは許容範囲のはずなんだけど、
香りの汗臭さといっしょになるとどーもイマイチ。
イタリアらしいって言えばらしいし、値段を考えれば文句を言われる筋合いはないんだろうけど、
どーも気分じゃないな、と。
やっぱり秋真っ盛りな今の季節には、もう少しシッカリ系の赤が合うのかも。
63点 自宅にて
9日(土)
Saint-Veran "Domaine de Curis" 1999
サン・ヴェラン "ドメーヌ・ド・キュリ" 1999
Louis Jadot
ルイ・ジャド
Blanc
白
Saint-Veran
サン・ヴェラン
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,980 2002/10/26
信濃屋 横浜店 兼松
昨日美味い赤ワインをしこたま飲んだんで、
今日はその比較対象にならないよう白ワインをチョイス。
っていうか、料理が酢ガキ、カキフライ、アジフライなんで、
普通に考えても白が順当なんだけどね。
で、選んだのがコレ、ジャドのドメーヌ名付きサン・ヴェラン。
ジャドのもので、アーチ型にドメーヌ名とか入ってるのって、
普通の村名ものとかより気合が入ってたりするんで、結構期待して抜栓したんだけど・・・
これがなんつーことはない普通の安白ワイン。
まず色が薄い。名のある人ならACブルゴーニュでももっと良い色していると思う。
香りも弱い。蜜っぽさや花っぽさなんて殆ど無くて、青いリンゴの芯のあたりみたいな香り。
味は酸っぱい。酸っぱくても他に飾るものがあればまだ良いんだけど、
このワインは酸味の独走体制。
抜栓後時間が経つと、香りに奥行きが出てきて、味にコクが出てきた。
でもレベル的にはまだまだ物足りない。
腹が立つほどではないけど、かなり力不足に感じられる内容。
もちろん、期待が大きすぎたとか、昨日のワインのせいで舌が奢ったとか、
このワインに責任のないところで影響があったのかも知れないけどね。
68点 自宅にて
8日(金)
本日は、毎年恒例、岡山から上京されたへんさんを囲んでの食事会。
参加者は、
へんさん、
光弘さん&マダーム、
トビさん、磯子さん、師範の6名。
Henri Abele Brut Rose N.V.
アンリ・アベレ ブリュット・ロゼ (ヴィンテージ無し)
Henri Abele
アンリ・アベレ
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
(\?) 2002/11/08
オー グー ドゥ ジュール 日本酒類販売
1本目のシャンパンは、お店の方のチョイス。
ワインリストにはシャンパンだけで7~8種類あったと思う(庶民の味方、カバもあった)。
アンリ・アベレって師範は稽古経験無し、っていうか知りもしなかった造り手。
写真では判りにくいけど、光沢のあるオレンジピンクっぽいラベルで、なかなか華やかなボトル。
色は、オレンジっぽくもなく紫っぽくもない、薄めの真ピンク色。
香りは、最初に嗅いだときは甘いリンゴっぽい香りを感じたけど、
飲み進めるうちにピノっぽさがリアルに感じられるようになる。
まるでブルゴーニュのロゼ(コレとか)
みたいな感じの香り。
味は、キリリとした酸が特徴的。
系統的には好きな雰囲気だけど、もう一息丸っこさが欲しかったかな、と。
まずまず美味い。とにかくピノ・ノワールっぽいなぁ、という印象のシャンパン。
シャンパンのロゼって、色はキレイだけど味や香りは普通のと何ら違いが無い、
ってのも多いんだけど、これは明らかに「ロゼらしさ」がある。
でもそれが直接「素晴らしさ」に繋がるわけじゃないんだけどね。
(80点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
Beaune 1er Cru "Les Aigrots" 1999
ボーヌ・プルミエ・クリュ "レ・ゼグロ" 1999
Dom. Parigot Pere & Fils
ドメーヌ・パリゴ・ペール・エ・フィス
Rouge
赤
Beaune 1er Cru
ボーヌ1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(トビさんより)
メルシャン
いきなり2本目から赤。
というのも、白を持ってくる予定だった方がお二人とも都合が悪くなっちゃった、って事態で。
ってなわけで、まずはトビさんと光弘さんが持参されたブルゴーニュ2本を同時に空けて。
トビさん持参のこちらはボーヌの1級畑、「試飲して美味かったから買った」とのこと。
色は、ブルゴーニュにしてはかなり濃いほうだと思う。
エッジまで同じ色調が続いている感じ。
香りは、良いブルゴーニュだなぁ、と素直に思える木イチゴ香。
ほんのりと甘い樽香もグー。
味は、クリアな酸が主体的。酸っぱいちゃ酸っぱいんだけど、気持ちの良い酸っぱさ。
時間が経つとみるみる開いた。抜栓後ちょっと時間を置くと甘味が増してさらにグー。
スッキリ端整でキレイなブルゴーニュ、って印象。こういう系統って、
どっちかというとニュイの特徴だと思ってたんだけど(ボーヌは妖艶で肉感的なイメージ)、
そうじゃないのもあるんですな。
(83点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
Gevrey Chambertin 1er Cru "Les Cazetiers" 1997
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ "レ・カズティエール" 1997
Frederic Magnien
フレデリック・マニヤン
Rouge
赤
Gevrey Chambertin 1er Cru
ジュヴレ・シャンベルタン1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(光弘さんより)
アイ・エヌ・エー・東日本
ブルゴーニュ対決のもう一方は、光弘さん持参のジュヴレ・シャンベルタン1級。
造り手のフレデリック・マニヤンって、最近良く名前を耳にする流行りの方ですな。
師範的には初マニヤン。
色の濃さ的には前のワインと大差ない。
でも、エッジの部分がうっすらとグラデーションしていて、
「ああこれが2年の歳月の差か」と興味深い。
香りは、抜栓直後はほとんど一緒。師範にはまったく違いを判別できず
(でも凄い人はいるもんです。マダームは「全然違う」って言ってた)。
てな具合で香りは一緒だったんだけど、味は結構違ってて、
こちらの方が渋味がギッシリしていて、ほんのり炭酸のジリジリ感がある。
時間が経ってもあんまり開かず、前のワインとの差は広がる感じ。
もっと時間が経ってやっと開いた。でもその頃にはグラスの底にチョッピリ。
美味いワインには違いない。でも相対的には師範は前のワインに軍配を上げる。
というのも、色は確かにこっちが2年分歳を取ってるんだけど、
味とかはこっちのほうが若くて固くてまだこなれてない感じだったから。
(81点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
Prieure de Saint-Jean de Bebian 1997
プリューレ・ド・サン・ジャン・ド・ベビアン 1997
Earl Le Brun-Lecouty
アール・ル・ブリュン・ルクーティ
Rouge
赤
Coteaux du Languedoc
コトー・デュ・ラングドック
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\3,380 2002/10/05
115北田屋本店 やまざき
師範が持参したのは"プチ破戒"の3,000円オーバーではあるけど、
なかなか良い評判を聞く南仏産。
アルコール度数13.9%、メチャ生真面目さを感じると共に14%に届かなかった悔しさをも感じさせる数字。
かなり強そうなワインなんで、こういう席だとインパクトがあって良いかも、
なんて気分で持参。
色は思ったほど濃くはない。もっとトロトロのワインを想像していたけど、案外普通の色合い。
香りは、全くもって南仏らしいちょっと鼻から抜ける感じのトボケ系。
ここまでキレイに純粋にトボケられるともう芸の域、って感じ。
味は、甘酸っぱ渋い。
決してバランスは悪くなくて、
なるほどこのあたりのワインとして評判の良い造りであることは納得がいく。
でもなんだか惚れ込めないんだよなぁ、この雰囲気。
やっぱり「田舎臭い」と感じさせるナニかがあって、
それを(本質的に田舎臭い)師範は同類として敬遠しているのかも。
(77点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
Livernano 1996
リヴェルナーノ 1996
Livernano (Marco Montanari)
リベルナーノ (マルコ・モンタナーリ)
Rosso
赤
(VdT)
(ヴィーノ・ダ・タボーラ)
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
(磯子さんより)
AMZ
イタリア・ワインの水先案内人、磯子さんが持参されたのがコレ。
ボトルを見ても名前を聞いても磯子さん以外誰~も知らなかったワイン。
イタリアは奥が深いよなぁ。
品種的には、カベルネとかを混醸したタイプ、とのこと。
磯子さんが事務所の冷蔵庫に入れておられた、ってことで、
抜栓直後はかなり温度が低くて、香りも立たないし味も固まった感じだったけど、
温度が上がるにつれてその独特な個性を発揮。
まず特徴的なのが木の香り。
樫みたいな甘めのものとかじゃなくて、杉やヒノキ、あるいは楠のようなスーッと清涼感のある木。
イタリアって、ちょっと汗くさいようなワインが多いけど、このワインはそんな感じはまったく無い。
でもどっかイタリア。
師範の手帳には『汗くさくなくて、ブティックに勤める不精ひげの店員のよう』なんて書き残しているけど、
それでは伝わるはずもあるまい。
時間が経つと、かなり開いて味も香りも華やかに。
でもまだまだ開く途中で飲了となってしまったような。
ともあれ面白いワインでありました。
今後とも師範へのイタリアン啓蒙活動、よろしくお願い申し上げます。>磯子さん
(80点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
Chateau Clos de Salles 1999
シャトー・クロ・ド・サール 1999
Ch. Clos de Salles (Jean de Coninck)
シャトー・クロ・ド・サール (ジャン・ド・コニンク)
Rouge
赤
Pomerol
ポムロール
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
(へんさんより)
アンフィニー
へんさんにお持ちいただいたのがコレ。
セパージュはメルロー60%/カベルネ・フラン30%/カベルネ・ソーヴィニョン10%で平均樹齢40年。
醗酵と熟成ともに別の新樽を使う、いわゆる「新樽200%」ワイン(熟成期間20ヶ月)。
年間生産量はたったの500ケースらしい。
一言で言えば「気合を入れて造りました系」の新しい右岸スタイル。
色は、もっとトロトロなのを想像していたけど、比較的普通だったような
(きょうはソレが多い。もしかすると照明の具合かも)。
香りにはやはり甘い樽香が顕著。ミシッとしまった果実香もあって、
グラスに顔をつっこんで嗅いでいるとクラクラするくらい。
味はとにかく太くて柔らかい。これぞ右岸、これぞメルローって感じ。
1999年産でもこれだけ飲めるのは、やはり最近はそういう造り方になっているのかも。
カタログ・トーク通りの気合が十分に感じられ、
かつその気合が空回りせずピッタリ飲み手の感覚器と脳味噌に訴えかけるワイン。
見事ですなぁ。
(87点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
Chateau Cos d'Estournel 1986
シャトー・コス・デストゥルネル 1986
Ch. Cos d'Estournel
シャトー・コス・デストゥルネル
Rouge
赤
Saint-Estephe (2e Cru Classe)
サンテステフ (メドック2級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
(光弘さんより)
ラック・コーポレーション
持参ワインの最後、本日のトリを務めるのがこのワイン。
光弘さん持参(の2本目)の、シャトー・コス・デストゥルネル。
コスは、大昔に1983をワイン会で一杯だけ飲んでいる。
ってことを私は覚えてなくて、光弘さんが覚えてくれてたりする、最近よく出くわす状況。
色は、やぱりエッジの僅かなグラデーションに年期が感じられた。
逆にいえばそれ以外は全くもって若々しい色。
香りは、高級熟成ボルドーに欠かせない黒蜜のような香りが特徴的。
味は、これまた高級ボルドーらしい複雑さをいっぱいに湛えているけど、
いかんせんまだまだ渋味が固い。
なんだかご飯をリゾット風に炊き上げたみたいな、
周りは柔らかいんだけど芯が残っているような固さ。
『まだあっしを飲むには早いぜ旦那』とワインが言っているみたい。
光弘さんの依頼でデキャンタに移してもらったけど、それでもやはり固い。
前のワインと対照的というか、頑固な造りだなぁ、と。
勉強になりました、って感じ。
(84点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
Pacherenc du Vic-Bilh "Brumaire" 1998
パシュラン・デュ・ヴィク・ビル "ブルメール" 1998
Alain Brumont
アラン・ブリュモン
Blanc
白
Pacherenc du Vic Bilh
パシュラン・デュ・ヴィク・ビル
Sud Ouest (France)
南西地区 (フランス)
(\?) 2002/11/08
オー グー ドゥ ジュール
食後酒としてお店に出してもらったのがこれ。
このAOCの甘口は、違う造り手だけど過去に飲んだことある。
この造り手は、「シャトー・モンテュス」を造ることで有名な、当地の盟主アラン・ブリュモン。
色はちょっとオレンジがかったような濃い色。
やっぱ甘口白はこうじゃなくっちゃね。
香りは、この手の甘口ワインによくある蜂蜜のような香りとマスカットのような香り。
飲んでみると、甘いばっかりじゃなくて酸味もしっかり。
この酸味が大事ですわな、甘口ワインには。
なかなかどうして大したもんだと思う。師範にはそこそこのソーテルヌと判別つきません。
でも、甘口ワインってどうやっても飲み飽きるんで、
点数的にはそんなに高くならないけど。
(78点) レストラン "オー グー ドゥ ジュール"にて
6日(水)
Chateau Samion 1999
シャトー・サミオン 1999
Ch. Samion (Vignobles Rocher Cap de Rive)
シャトー・サミオン (ヴィニョーブル・ロシェ・カプ・ド・リヴ)
Rouge
赤
Montagne Saint-Emilion
モンターニュ・サンテミリオン
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,197 2002/10/26
関内 サンタムール カツミ商会
本日のワインはボルドー右岸、サンテミリオン衛星地区であるモンターニュ・サンテミリオンの産。
マイナー産地(?)のマイナーワインだけど、
ラベルには「マコンのフランスワインコンクール金賞受賞」の帯あり。
なんだか最近、この「ワインコンクール受賞」ってものが増えている気がする。
フランスの輸出拡大のために受賞数を増やしているのかな、なんて勘ぐりたくなるくらい。
抜栓してコルクの匂いを嗅いだ瞬間「やばい!」って感じ。
ツーンとくる酢酸臭はダメダメの雰囲気を予感させる。
・・・だったんだけど、グラスに注ぐと普通でした。
こういうワインって時々あるけどなんなんだろうね?
色はボルドーにしては明るめで赤め。
香りは、右岸らしい丸っこい果実香と燻した香り、あと和風の化粧品的な香りが感じられる。
味は案外カタブツで、口中に膜を張るような渋味と後を引く酸味が特徴的。
ちょーっと粗い部分もあるけど、まぁまぁ合格点のボルドー。
ただし酸味が苦手な人には辛いかも。
かなり好き嫌いが分かれそうなワインではある。
いずれにしても「金賞受賞」なレベルかと問われれば、この程度だったらゴロゴロしてると答える。
翌日、香りに関してはちょっとボリュームが増した感じがする。でも加点するほどではない。
70点 自宅にて
4日(月祝)
Domaine de la Done "Terret" 2000
ドメーヌ・ド・ラ・ドーン "テッレ" 2000
Dom. de la Done (Maurel Vedeau)
ドメーヌ・ド・ラ・ドーン (モーレル・ブドー)
Blanc
白
L'Herault (VdP)
レロー (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\900 2002/10/05
115北田屋本店 やまざき
九州から帰還した日、若干疲れてたんで料理は簡単にスパゲティを茹でて、
ワインの方も濃い赤なんぞをを飲む元気は無く、サッパリ系の白をチョイス。
透明な酒石が結構舞っているんだけど、買ったときにはそういう記憶が無いので、
うちに持ってきた後に出来たのかな?
色は比較的赤みの強い色調で、麦わら色と黄金糖色の中間程度な感じ。
香りは、蜜の香りとなんとなく漬物のような生臭みがあって、
想像したフレッシュかつフルーティな感じとはちょっと違う雰囲気。
味も香りと似た傾向で、どっちかというと熟成系の味。
酸味は控えめで後味に香ばしい気配が残る。
2000年産ということを考えると、やっぱりなんらか熟成を促進させる熱変化に出会ったか、
あるいはSO2無添加とかの風変わりな作り方をされたか、なんか原因があるような気がする。
でも別段不味いってわけじゃないんだけどね、なんか気になるだけで。
65点 自宅にて
3日(日)
従弟の結婚式出席のために熊本へ。
場所はサンタモーレというウェディング・レストランで。
ワインも、結婚式と言えば「ウスラ甘い白」や「雑巾臭い赤」なんだけど、ここは結構マトモ。
キュッと酸の効いた白に渋味しっかりの赤、
それがオッチャンオバチャン族にウケるかどうかは別にして、
値段は安くてもちゃんとワインらしいワインを選んである、って感じ。
ともあれお二人お幸せに。手作りのリュック、ありがとうございます。
またウチにも遊びに来て頂戴(ほんでプチ師範代の面倒みて頂戴)。
1日(金)
Riesling Supatlese 1996
リースリング・シュペトレーゼ 1996
Albiger Hundskopf
アルビゲル・フンドスコプフ
Weiss
白
Rheinhessen
ラインヘッセン
Rheinhessen (Deuche)
ラインヘッセン (ドイツ)
\880 (500ml) 2002/10/04
横浜ベイリカー 日本ワインズ
本日は、外食して来た後チョロッと飲みなんで、
アルコール度数が低く(9.5%)量の少ない(500ml)ドイツ産ワインをチョイス。
このワイン、写真でも判るようにボトルの外からの見た目は非常に色が濃い。
たかが1996年、たかがシュペトレーゼでこの色は凄いなぁ、と思っていたけど、
よくよく見ると色が付いているのは液体では無くてボトル。
なんとなく「騙された感」いっぱいでの稽古。
グラスに注ぐと、もちろん色は外観ほど濃くは無いけど、でも薄いって感じでもない。
夏みかんの果肉の色くらいな色付き。
香りは、一発でリースリングと判る(本当か?)マスカットっぽい果実香、揮発油っぽい刺激、
唾液っぽいネチッこさ。味は当然甘い。「ウスラ甘い」という一線を超えた、「キチンと甘い」レベル。
酸味も比較的あって、結構クイクイ飲めてしまう。
久しぶりのドイツワイン、思いのほか楽しめた。
食事にあわせず食後にチビチビだから良かったのかも。
黒糖のカリントウみたいな甘いつまみといっしょだったのも良かったのかも。
72点 自宅にて
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