稽古日誌:2003年11月

最近、状態が怪しいワインが増えているように思う。 決して古くない安ワインにも結構な確率で出会う。 師範がそのあたりに敏感になった、ということも考えられなくも無いけど、 ちょっと露骨なものも多いので、 やっぱり全般にワインの状態が悪くなった、と考えるのが素直な気がする。 一時の勢いに乗って仕入れたもののワインブームが終焉によりパッタリ売れなくなって、 輸送や管理のコストダウンを余儀なくされているのかも。

翌月分

30日(日)

ご近所さん宅に呼ばれて食事会。 クリスマス・ツリーも鶏の丸焼きもあって一足早くクリスマス会。 下記のワインは師範が持参。

Gloria Ferrer "Royal Cuvee" Vintage Reserve Brut 1994
グロリア・フェラー "ロイヤル・キュヴェ" ヴィンテージ・リザーヴ ブリュット 1994
Gloria Ferrer (Freixenet Sonoma Caves)
グロリア・フェラー (フレシネ・ソノマ・カーヴズ)
Sparkling
発泡
Carneros (USA)
カーネロス (アメリカ合衆国)
\1,667 (3本よりどり5,000円)2003/11/26 やまや渋谷店やまや
まずは景気良く乾杯!ってことで泡モノを。 持参したグロリア・フェラーのロイヤル・キュヴェは、過去 19891993と稽古済み。 この造り手って、スペインの大手「フレシネ」が米国で展開している会社なんだけど、 スペインの本家フレシネ(真っ黒な瓶でおなじみのコルドン・ネグロとか) よりはるかにシャンパーニュ風のスパークリングを造っている気がする。
ご近所さん宅のシャンパン・グラスは、 今時珍しくクープ型(バカラ製で彫り物の入っためちゃ高そうなやつ)なんで、 いつもと勝手が違って良くわからなかったけど、色は落ち着いた麦わらっぽい感じで、 泡もキメ細かくて、イースト香もちゃんとあって、 「正真正銘のシャンパーニュです」 と言われても全く見分けがつかないくらいシャンパン風だったように思う。 それ以上のモノでもない、と言えばその通りだけども。
料理は岡山のドイツ村土産のソーセージ、カブとかニンジンのサラダだったんだけど、 ソーセージの脂を洗い流してくれる感じでなかなか良い相性でございました。
78点ご近所さん宅にて

Mercurey 2000
メルキュレ 2000
Dom. Michel Juillot
ドメーヌ・ミシェル・ジュイヨ
Rouge
Mercurey
メルキュレ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,3802003/11/01 信濃屋 横浜店トーメン
「メイン」と呼ぶにはちょっとアレだけど、一応メイン格として持参したのがコレ。 メルキュレで最も著名な造り手(らしい)、ミシェル・ジュイヨの村名メルキュレ。 たしかかなり割引されてこの値段(もとの販売価格は3,000円以上)だったように思う。 マイナー地区シャロネーズの村名クラスにしたら結構お高め、 当然それなりの仕事をしてもらえるものと信じて持参。
色はいかにもピノ・ノワールらしいやや明るめの赤紫。 香りは期待通り。ブルゴーニュでも南の方らしい革っぽい香りがいっぱい。 ご近所宅のご夫人は『男くさい匂い』なんて申されてましたが、 言い得て妙ですな。 少なくとも果実香バンバン若さピッチピチって系じゃ無くて、 どちらかと言えば(2000年産と若いヴィンテージの割には)妖艶系の香り。 味もなかなかいい感じ。 甘さはあまりなくてキレイな酸がメイン、 濃いって程じゃないけどしっかりと目が詰まっててコクがあって、 値段以上の高級感が感じられる。
まずまずアタリ。期待通り、というか値段を考えれば十分合格な内容。 鶏の丸焼きとの相性もなかなかでありました。
82点ご近所さん宅にて

Coronilla Crianza 2001
コロニーヤ・クリアンサ 2001
Coronilla
コロニーヤ
Tinto
Utiel-Requena
ウティエル・レッケナ
(Espana)
(スペイン)
\7602003/11/01 関内 サンタムールカツミ商会
このワインは保険のつもりで持参。で、他の例に漏れず保険は使われてしまうわけであります。 品種がボバルという知らない品種、かつウティエル・レッケナという初耳のD.O.。 全く謎のワイン。 でも、確かこれは買う時に試飲して「結構樽が効いててインパクトあるじゃん」と思った気がする。 だもんで、メートルが上がっている可能性の高い3本目(飲む人ほぼ2人)として持参。
で、これがなかなか凄い3桁ワイン。 なんたって素晴らしいのがその香り。ベリーっぽい果実の香りと甘い樽香がしっかり感じられて、 「ホントにこれが760円?」って買った自分でも信じられないくらい。 さすがに味わいの深みとかはそこそこだけど、 いわゆる安スペインみたいな田舎臭さは控えめ(ボバルって品種のおかげ?)で、 ブラインドで飲まされれば格付けボルドーの若いやつだと信じそうな感じ。
かなり血中アルコール濃度も上がってたんで、 こういうストレートなワインに有利な状況だったとは思うけど、 それにしてもビックリな内容。そう思ってみるとボトルやラベルの意匠もイカしている。 検索してもどこにも出てこない謎のワインだけど、師範的には今後ブレイクする予感。
(79点)ご近所さん宅にて

29日(土)

Nostada Macabeo-Muscat 2002
ノストラーダ マカベオ-ムスカ 2002
Nostrada (Artiga Fustel)
ノストラーダ (アルティガ・フステル)
Blanco
Campo de Borja
カンポ・デ・ボルハ
Campo de Borja (Espana)
カンポ・デ・ボルハ (スペイン)
\6902003/10/22 カーヴ・ド・リラックスリラックス
寒くなったので本日の夕食は鶏のクリームシチュー。 赤でも白でも良さそうなメニューなんだけど、 煮炊きによって部屋の温度が上がって、なんとなく白が飲みたくなったんでコレをチョイス。 スペインや南米で良く聞く品種のマカベオと ワイン用としてはアルザスあたりでしか聞かない品種のミュスカ(マスカット)の混醸。 あんまり甘ったるくないことを祈りつつ。
色は青くなく赤くなく普通の白ワインの色。 香りは弱い。グラスに鼻を突っ込んでようやく感じられる程度。 ミュスカのワインによくある、あまりにも判りやすいマスカット香を期待したんだけど、 このワインには皆無。 味もイマイチ。全然伸びがなくて、水道水のような金属的な味が舌の側面にまとわりついて、 ストレートにアルコールが感じられる。
ちょっとイマイチ。積極的な不味さはくて、この値段とすれば腹が立つほどじゃないけど、 飲んで楽しいワインではない。 ただ、販売店Webサイトでの店主の絶賛具合とはあまりに乖離があるし、 どうもこの伸びの無さは怪しい感じもするんで、劣化の疑いも濃厚。
(57点)自宅にて

28日(金)

Bourgogne Passetoutgrain 2001
ブルゴーニュ パストゥグラン 2001
Francois Mikulski
フランソワ・ミクルスキ
Rouge
Bourgogne Passetoutgrain
ブルゴーニュ・パストゥグラン
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,4802003/10/22 カーヴ・ド・リラックスメルシャン
本日のワインは、 ブルゴーニュの新星、白ワインの名手「フランソワ・ミクルスキ」のブルゴーニュ・パストゥグラン。 お店のサイトでも推薦されていたし、 ラベルには"Vigne Plantee en 1929"(1929年に植えた木)なんてことも書かれているんで、 下級AOCパストゥグランと言えどもちょっと期待して。 料理は鳥モモのオーブン焼とサラダ。
色はいかにも「ガメイ入ってます」な濃い目の紫。 香りがなかなかイイ。 熟したイチゴのようなちょっと甘ったるい香りと、イオウのような不思議な奥深さがあって、 いわゆるブルゴーニュの香りとは一味違う感じ。 薄っすらと樽香が感じられるのもナイス。 味もイイ。グレープフルーツのような酸味とほどほどの渋味、 キュッと目の詰まった凝縮感があって、 同価格帯の一般的なACブルゴーニュなんかより遥かにお得感がある。
時間が経っても(例によってうたた寝で一杯分を冷蔵庫に5時間くらい放置しても) 特に変化したような気はしなかった。
素直に美味い。 ガメイやパストゥグランの印象を一変!ってほどじゃないけど、 上手い人が良い木から造るとなるほどこういう風にもなるのね、 と感心させられるワイン。
78点自宅にて

26日(水)

Bourgogne Chardonnay "Belena" 2002
ブルゴーニュ シャルドネ " べレナ" 2002
Jean-Marc Aujoux
ジャン・マルク・オージュ
Blanc
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\9802003/10/22 カーヴ・ド・リラックスキッコーマン
安ワイン道場でも「ハッピーマンデー法」を適用することにしました。 今年の夏から週初めの2日間は連続で休肝日にしていて、 月曜が祝日だった週は火・水と休肝日だったんだけど、 ハッピーマンデー法の適用により月曜祝日の場合は休肝日は火曜のみとなります。 ・・・って、単に今日飲みたいだけなんだけどね。 選んだワインは先週稽古して、 特に良い印象は無かったACブルゴーニュ赤と同銘柄の白。ヴィンテージは違って2002年産。 このワインも 「1986年世界ソムリエコンテスト最優秀ソムリエ"ジャン・クロード・ジャンボン"氏が キュベの選定とアッサンブラージュ」ということらしい。 料理は(プチ師範代がNHK教育テレビ朝の番組「ひとりでできるもん」を見て食べたいと言った) サーモンのソテーとか海老シュウマイとかマカロニサラダとか。 最後のご飯は納豆ご飯とイカの塩辛。
色は薄め。麦わらっぽい赤茶系の色ではなくて、レモンっぽい黄緑系の色。 香りは、ボリューム的には軽めだけど柑橘やら蜜やらが感じられるなるほどブルゴーニュのシャルドネな香り。 味はそこそこ身が詰まっている。 まだまだ堅くて、存在感のみあって満足感は欠いている状況。
時間が経つと、香りもちょっと出てくるし味もちょっと丸くなった。 どうやらもうすこし時期を置いたほうがよさそう。 ちなみに、納豆ご飯とはベクトルが違ってて合うでも合わないでもなく、 塩辛とはさすがに厳しい相性だった。
やっぱりこのレベルとはいえ、 2002だとまだまだ十分にポテンシャル分のパフォーマンスを出し切れていない時期かな? そういった意味では赤より現在のレベルも将来性も高いと思う。 「また買いたい」ってほどじゃないけれども。
70点自宅にて

23日(日)

伊豆方面へのプチレジャー二日目。

朝食はホテルのカフェテラス"シーガル"でコンチネンタル・ブレックファースト(\800)を。 もちろんいわゆる「朝食バイキング \1,800」みたいなのもあって、 どうもそれが一般的みたいではあったんだけど、 朝はどうせそんなに食べない我々にはこっちのほうがいい感じで。 で、これがナイス・チョイスでありました。 量も問題無いし、海を見渡せるテーブルで食べる朝食、なかなかいい気分。
チェックアウトが11:00ってことで、 朝からまたインドア・プールへ行ったり大浴場へいったりしてのんびりと。 料金的には、宿代/料理代/ワイン代含めて27,000円弱。 「一人一泊3,000円なのになぜ?」って感じだけど、 夕食/朝食別でワインも飲んでるし、モロモロに10%のサービス料が掛かるんで仕方の無いところ。 まぁプチレジャーの絶対額としては適切な価格であります。

というわけで、ホテルを後にして早めに帰路に着くことに。 渋滞を避けて、伊豆高原スカイラインから箱根ターンパイクへと抜けて、 小田原に着いたのが13:00頃。 箱根新道方面へ向かう道が混んでたんでターンパイクにしたんだけどこれが正解、 ぜんぜん渋滞にはつかまらずに戻ることが出来た。 反対方向(芦ノ湖へ上る方向)は激しく渋滞、南無南無。

昼食は、こちらもWebでメボシを付けていた海席 魚國という店で。 1階が魚屋、2階が和食レストランという構造。 魚國って、小田原近辺を中心にグループ展開しているところみたい。

注文は、師範/師範代とも華御膳 \2,250 (写真左上)という昼のコースを取って、 あと二人前の刺身 盛り込み \2,500 (写真左下)も注文して。
華御膳の内容は、
刺身:マグロ、鯛、生タコ
天ぷら:海老とかメゴチ?とか
煮物:野菜の炊き合わせ
酢の物:フグの皮かな?
ご飯、味噌汁、漬物
デザート:みかんのムース?
という感じ。
『限定20食』ってことだったけど、値段相応の満足度、といったところかな。

別に注文した刺身の方はなかなか凄かった。 クエやら青ダイやらの地の魚をメインに9種類19切れ、 口一杯になるくらい厚く切られていて「コースにも刺身があるのにやりすぎたか」と反省する量。 もちろんコースの刺身とは違っていてそれはそれで楽しかったんだけど、 最後の方はやや苦行。 これが、一切れの厚みをこの半分にして、 値段を1,500円で出してもらえると嬉しいのになぁ、と思った。 「魚屋の刺身」って雰囲気を出す上では、 こういう荒っぽい切り方もそれなりに重要な要素なのかも知れないけどね。

お酒は、Web Siteにあった「グラスビールサービスチケット」を入手してタダのビールを二杯。 トータルの料金は7,000円強。 酒がタダだったってことで一瞬高く感じたけど、きちんと計算するとその通り。 観光化した昼より、夜にちゃんとコース料理を頂くほうが満足度は高いかもですね。
・・・というような2日間でありました。

さすがに外食疲れ、夕食は家で簡単に。

Rosso Conero "San Lorenzo" 1999
ロッソ・コーネロ "サン・ロレンツォ" 1999
Umani Ronchi
ウマニ・ロンキ
Rosso
Rosso Conero
ロッソ・コーネロ
Marche (Italia)
マルケ (イタリア)
\1,4802003/10/26 横浜ワールドポーターズ S☆PARKモンテ物産
夕食のメニューはかぼちゃと鶏肉のグラタン。 ワインは、 門下生からのお薦めがあったイタリア産。 造り手「ウマニ・ロンキ」のワインを意識して飲むのは初めて。 それにしてもちょっと間抜けな名前ですな、「ウマニ・ロンキ」。 馬の耳に念仏、みたいな言葉を想像するのは師範だけでしょうか?
色は(門下生のからの報告にあったような清澄度とかは良くわからんけど) アブルッツォ種らしいイタリアらしからぬボルドーみたいな濃紫色。 香りも、ボリュームとしては大したこと無いけど、 イタリアらしいツンッとくる酸化した油っぽい香りは抑え目で、 甘香ばしい樽香が感じられる。 で、一番特筆すべき良さはその味。 気取った言葉でいえば「エレガント」ですな。 しっかりとした味筋は維持しつつ、スルスルと入る柔らかさを兼ね備えている。 門下生の言われる「イタリアの安ワインの飲み安さを損なわず、 しかも高級イタリアワインがそこかしこに漂う」というのはまさにその通りだと思う。
なかなか「味吟醸」タイプのワイン。値段を考えれば相当良いセンいっている。 報告によればこの造り手は白も美味いらしいんで、 覚えておいて損は無いですな、ウマニ・ロンキ。
80点自宅にて

22日(土)

三連休といえばプチレジャーであります。
先月に引き続き今月も伊豆方面へ。 別に伊豆が好き、ってわけじゃないけど、 交通の便を考えて自宅からチョロッと、ってことだとどうしてもこっち方面になるんだよなぁ。

自宅を10:30に出て、ちょこちょこと渋滞につかまりながら真鶴に12:30頃着。 昼飯は、Webでメボシを付けてた(といっても評判とかは全く不明で店の外観のみで) すし葵という店で。 港に面した真鶴半島の中間くらいのところにある。 右写真でもわかると思うけど、観光寿司屋にありがちな派手な看板とかノボリとかがなくて、 なんとなくピシッとした感じがあったんでここに決定。
店の中は結構広くて、小上がり(というかオープンな座敷?)が4テーブル、 L字型のカウンターが10席ほど、テーブル席もあったような気がする。
食べたのは、
師範:地魚寿司 \2,500 (左写真)
師範代:江戸前寿司 特上 \2,000
プチ師範代:江戸前寿司 並(さびぬき) \1,000
飲んだのが生ビール \500。
地魚寿司は1,500円/2,000円/2,500円と3種類あった。 2,500円の内容は、ウルメイワシ、メジ、ワラサ、ヤガラ、アオヤギ、イセエビ、アワビ、 あと失念した1貫の計9貫。
魚も寿司飯もなかなか美味いとは思った。特にイセエビが良いですな。 でも全体にちょっと小さくて少なくて、 おなかいっぱいにならないのが残念。そういう時の強い味方は味噌汁だったりするんだけど、 ここはそれが無い(イセエビの味噌汁が別途300円であるけど)のも残念。 師範好みの歯ごたえのある白身魚が無かったのも残念。 師範代の特上もそこそこ美味かったらしいけど、イクラはちょっと・・・だったみたい。

で、この店で一番気に入った点は、店の人の心遣い。 地魚寿司は魚の種類をテーブルまで説明に来てくれた。 また、子供への心遣いが特にうれしい。 プチ師範代の寿司は半分に切られてて子供の口に入るサイズだし、 ネタもマグロ/イカ(細かく包丁が入れてある)/イクラ等子供が好きなものだし、 巻物はカッパ巻きが良いかカンピョウ巻きが良いか聞きに来てくれたし、 退屈しないようサザエの貝殻もくれたし。 こういうのがあると、また違う季節にでも来たいなぁ、と思いますですな。

お会計はトータルで6,500円位。 味よりもサービスに満足した店。

真鶴を出たのが13:30頃、ちょこちょこ渋滞につかまりつつ宿に到着したのが15:00過ぎ、 ほぼ想定とおりのタイムテーブル。
宿は、伊豆高原にあるXIV伊豆(エクシブ伊豆)というところ。 師範代の会社の契約で、一泊一人(素泊まり)3,000円、夕食/朝食代は別途。 立地は、海が見渡せる高台にあってなかなかすばらしい。 建物はかなり古そう(エレベーターの無い"非バリアフリー)だけど、 中に居るんであれば傷みはそれほど感じない。
我々の部屋は1階の和室。ちょっと狭いけど、一泊3,000円なら十分。 1階なんでテラスに出るとそのまま庭、 テニスコートの向こうには海が見えるなかなか良い景観。
夕食まで時間があるので、プチ師範代を連れてインドア・プール(左写真)へ遊びに。 狭いけど楽しいなぁ。 「プールで泳ぐ」ってのはいくつになっても格別のレジャーです。 また、外にも大きなプールがあって、夏場は快適でしょうな。 その分予約も取りにくくなるんだろうけど。
その後、露天風呂のある温泉大浴場へ。 露天風呂は「ジャングル風呂」といった風情で開放感があまりなく、 せっかくの景観を活かせていないのが残念。 また、サウナ風呂の壁の激しい傷み具合に歴史が感じられる、 っていうか改装した方が良いと思うんだけど。

風呂から上がったらちょうど良い時間、 夕食はホテル内のフレンチ・レストラン "ラベール"にて。
100人は楽に入る大空間、席間は広くゆったり、 窓も広くてリゾートホテルのレストランな雰囲気全開。 ただ、水色と深紅のテーブルクロスはちょっと違和感。 水色ならクリーム色、深紅ならグリーンあたりが合うような気がするけど、 クリスマス用のセッティングなのかな? また、テーブルはかなり暗い。各テーブルにロウソクはあるんだけど、 願わくばダウンライトがほしいところ。

料理は既に予約してあって、師範/師範代がスリール・コース \5,000、 プチ師範代が小さいお子様用Cabillaud タラちゃん・コース \1,500。 スリール・コースの内容は以下。

前菜:旬の蟹と地場野菜のサラダテリーヌ
パスタ:本場フェラーラ風ラザーニャ
スープ:伊豆椎茸のスープ
魚:旬のアンコウのクミン風味、伊豆の柑橘ソース
肉:木枯らし吹く夜は牛ほほ肉の煮込み、ポレンタのグラタン添え
デザート:アップル・シャーベット他3種盛り合わせ
お茶:コーヒー
前菜と肉は選択肢があった。但し、前菜の他の選択肢はアワビで+2,000円で大コストアップ、 肉の他の選択肢はフィレ・ステーキと和牛ステーキ+1,000円でどれも牛肉。
と、食べる前は正直言って「観光地のホテルのレストランなんて・・・」と思ってたけど、 どうしてどうしてこれがキチンと美味い。 シェフは「川端シェフ」という方らしいけど、 奇をてらわない、美味い素材を美味く食べられる方法で出されている。 アンコウは軽い味付けで、素材さえ手に入れば誰にでも調理出来る気がするし (でも半生でこんだけ臭みのないアンコウはちょっと手に入らなそう)、 牛ほほ肉は非常にオーソドックスな味付けなんだけど、 こういうところではそういう「普通に美味いもの」なのも良い感じ。
そんな中、椎茸のスープだけは他ではあまりない個性派。 椎茸の香りいっぱいかつ濃厚で、 香りだけだったら和風の吸い物のようなのに口にすると濃いポタージュ。不思議な感覚。

サービスは、この大ダイニングを比較的少人数で、かついろいろな要求に応じておられ、 ちょっと慌しく細かいところまでは目が届いていない感じ。 ただ、子供に対してはなかなか気が利いている。 子供用のテーブルクロスは塗り絵になっていて、 食事が来るまで飽きないようになっているし、 ハンバーグには大小のプチ・トマトが乗せられ、ケチャップで目の書かれたアンパンマン。 いろいろ楽しい仕掛けのおかげでプチ師範代も1時間半ちゃんと座っていられた。

そんなこんなで飲んだワインがコレ。

Ackerman-Laurence Rose Dry N.V.
アッケルマン・ローランス ロゼ ドライ (ヴィンテージ無し)
Ackerman-Laurence
アッケルマン・ローランス
Mousseux
発泡
Loire (France)
ロワール (フランス)
(\3,500)2003/11/22 XIV伊豆トーメン
ワインリストは、泡6種類、赤/白それぞれ15種程度のもの。 それ以外にメニューの脇にお勧めが4種類、あと季節柄ボージョレ・ヌーボーもあった。 で、残念ながらそれら全てがド高い。 モエの普通のが9,000円、ムートン・カデの赤白がどちらも4,200円。 軒並み酒屋価格の3倍程度。 また、ワインリストには造り手が載ってないんで、ブルゴーニュやローヌあたりは選びようがない。 お店の人も忙しそうなんで、呼び止めて造り手を聞くのも鬱陶しそう (というか即答は得られ無そう)だし。
というわけで、一番安い3,500円、かつ無難そうなカバ"ドラピエ"のロゼを注文。 ところがこれが在庫切れ。 「似たような感じなのでこちらはいかがでしょうか」と持ってこられたのがコレ、 フランスはロワール地方で比較的メジャーなアッケルマン・ローランスの普及版ロゼ。 確かに同じ感じだと思うので『それでOKです』と回答。 このワインはリストには載ってなくて、 かつここで昼に披露宴があったみたいなんで、 もしかするとその残りかな?などと邪推しつつ。
色は薄めできれいなオレンジ・ピンク色、泡立ちは少なめ。 製法は「キュヴェ・クローズ式(タンク内で二次醗酵させる方式)」だけど、 泡のキメ細かさに関してはシャンパン方式とあまり変わらない気がした。 香りは特に特別な雰囲気は無いけど、ロゼゆえなんとなくピノ・ノワールっぽい香りを感じる。 味は、表記上はドライってことなんだけど、飲んだ感じはやや甘め。
ま、普通のスパークリング。 ちょっと甘めだけど、特に飽きることなくサクサクっと一本飲み干せた。 多分酒屋価格1,000円強程度のモノでしょう。 これが2,500円くらいで出されると俄然好印象なんだけどね。
72点XIV伊豆にて

トータルとしてはなかなか満足な夕食。 ファミリーで楽しい時間を過ごせるよう気配りされている感じ。 今の我々にはありがたいレストラン (裏を返せば、子供は邪魔/大人の空間でキッチリ楽しみたい、 という向きには不満かもだけど)。 感心したのは、シェフ自身が時折フロアに出て状態を見ておられた。 こういう店では珍しいんじゃないかな? さすがに(広すぎて)各席に挨拶、ってわけにはいかなそうだったけど。

食後、また大浴場に行こうかなぁ、ほんで持参したブランデーでも飲もうかなぁ、 なんて考えてたけど、プチ師範代の添い寝をしているうちに沈没。南無南無。

というわけで初日は早めに終了。


20日(木)

Beaujolais Nouveau 2003
ボージョレ・ヌーヴォー 2003
Pierre Andre
ピエール・アンドレ
Rouge
Beaujolais
ボージョレ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(\1,280 (harf))2003/11/20 麒麟麦酒
勤務先の宴会の二次会でカラオケ屋へ。 テーブルに「ボージョレ・ヌーボーあります」みたいな紙が置いてあって、 お値段はハーフボトルで1,280円。 多分酒屋で買っても1,000円弱はするだろうから、案外安いじゃない、ってことで注文。 解禁日初日にボージョレ・ヌーヴォーを飲むのは当道場初、 というか師範は生まれて初めて。
ま、二次会ってことであんまり記憶に無いんだけど、 香り弱かった。しっかり冷えてたんで仕方が無いかも。 雰囲気はいかにもボージョレ風な、ブドウとバナナとイチゴのミックスジュースみたいな香り。 味も想像通り。酸味や渋味は固めだけど少なめ、軽くてサクサク飲めた。
特段美味いもんじゃないけど、まぁヌーヴォーってのはこんなもんですな。 実質4~5人で飲んでて、2時間弱くらいの間に4本くらい開いたから、 スルスルいけるのは確かかも。 で、「ボージョレ・ヌーヴォーは今世紀最高の出来」みたいなことが言われているけど、 師範の感覚器と記憶の能力では例年とさしたる違いは感じられなかったなぁ。
(66点)勤務先そばのカラオケ屋にて

19日(水)

Bourgogne Pinot Noir "Belena" 2000
ブルゴーニュ ピノ・ノワール "べレナ" 2000
Jean-Marc Aujoux
ジャン・マルク・オージュ
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\9802003/10/22 カーヴ・ド・リラックスキッコーマン
本日の夕食は一口カツとか大根のサラダとか。 選んだワインは見知らぬ造り手のACブルゴーニュ。 裏ラベルによると、 「1986年世界ソムリエコンテスト最優秀ソムリエ"ジャン・クロード・ジャンボン"氏が キュベの選定とアッサンブラージュ」とのこと。 最優秀はめでたいけど1986年て。 果たしてこのジャンボン氏、本気で関わったのか、あるいは片手間に小遣い稼ぎしたのかいざ稽古。
色はACブルゴーニュとしてはやや濃いめのような。 澄んだ赤紫色でなかなかキレイ。 香りは弱い。カウンターキッチンで揚げられるトンカツの匂いには全く太刀打ちできない程度。 グラスに鼻を突っ込んで嗅ぐと、 ツンッとしたアルコールとゴム革系の安ブルゴーニュらしい香り。 味も軽くて酸っぱくて、いわゆる典型的な安ブルゴーニュらしい味。 最初は奥のほうにほんのり甘味を感じたものの、逃げ水のように消えていった。
ま、1,000円以下という値段相応のACブルゴーニュ。 ジャン・クロード・ジャンボン氏は師範と嗜好が異なるか、 あるいは適当にやっつけ仕事したか、 あるいは選択肢のキュヴェがそもそもどれもこんなもんだったのか。
67点自宅にて

16日(日)

Glencarlou Pinot Noir 2001
グレンカルル ピノ・ノワール 2001
Glencarlou
グレンカルル
Red
Paarl (South Africa)
パール (南アフリカ)
\1,6022003/10/22 カーヴ・ド・リラックスリラックス
本日の夕食はハンバーグ。 ニンニクの効いたコッテリ系の肉料理に合わせてやや強いワインを所望。 というわけで選んだのがコレ、南アフリカのピノ・ノワール。 南アフリカって、ピノタージュは良く見かけるけどピノ・ノワールは珍しいよね。 ボトルの雰囲気も14%という高いアルコール度数も、 ブルゴーニュのピノ・ノワールとは全然別物であることを想像しつつ抜栓。
色はかなり青みの強い紫。ピノ・ノワールというよりカベルネみたいな色。 香りも、師範はこれを嗅いでピノ・ノワールだとは想像できない。 ボリュームはそれほど強くなくて、強いて言えばガメイのような、 グジュッと傷んだイチゴのような香り。 味も同様。いかにも過熟した感じで、なんとなく甘苦いのとクリーンさを欠いた酸味。
抜栓後4時間くらい経っても傾向は全く変わらず。
想像通り、師範がイメージするピノ・ノワールではなくて、 もっとずーっと南な雰囲気 (そりゃ南アフリカだから「ずーっと南」ってのはその通りなんだけど)。 ホントはピノタージュじゃないっすかね? 値段を考えるとちょっと残念な内容。
71点自宅にて

15日(土)

なんとなくお寿司が食べたくなって昼食は近所の寿司屋へ。

行ったのは、横浜は永田山王台にある盤和(ときわ)寿しという店。 「近所」と行っても車で15分くらい離れたところにあってちっとも近く無いんだけど、 なんとなく昼に寿司というとここのランチに行ってしまいます。 ホントの近所にもっと良い寿司屋があれば良いんだけど、 どーも人を見下した接客だったり、 寿司の姿が不細工だったりで良い店が無いんだよなぁ。
で、このお店、いわゆる団地の一階の寿司屋で、店の中も外もお世辞にも綺麗ではない。 雰囲気はいかにも場末の寿司屋で、カウンターが8席程度、小上がりが4人用テーブルが3つ、 昼時はテレビが流れっぱなし、といった感じ。

それでもなおかつここに行く理由は、ランチの抜群のコストパフォーマンス。

昼のランチは800円と1,000円の2種類で、師範/師範代は1,000円の方を注文、 プチ師範代には800円のサビ抜きを。1,000円の内容は以下(写真左)。
マグロ4貫(トロ、赤身×2、トロ叩き)、イカ2貫(ヤリイカ、コウイカ)、 サンマ2貫、甘エビ、タコ、ホタテ、玉子焼、鉄火巻×2
その他、沢庵と吸い物付きでこの値段。
握りの大きさはやや小ぶりだけど、この量あればおなかいっぱい。 品物それぞれ自体は特筆すべきものではないけど、 1,000円でこの内容だと全く文句は無い。
飲み物はビール(一番絞り中瓶)を1本。 結構量の多いイカのエンペラの刺身がつまみに付いて500円。 ここはこの「サービスの酒の肴」も楽しみの一つ。

お会計はトータルで3,500円弱。 ご主人の人柄も良いし、気張らずにちょろっと寿司を食べるのにちょうど良い寿司屋。

夕飯は家で。

Villiera Sauvignon Blanc 2001
ヴィリエラ ソーヴィニョン・ブラン 2001
Villiera
ヴィリエラ
White
Paarl (South Africa)
パール (南アフリカ)
\8822003/10/22 カーヴ・ド・リラックスリラックス
急に寒く感じる昨今、皆様いかがお過ごしでしょうか? というわけで師範家ではおでんであります。 おでんに合うワインってのは教科書を紐解いても載ってないですね。 っていうか教科書なんて持ってないんですけれども。 ま、「そこそこしっかり系の白が良かろう」と思ってチョイスしたのがコレ、 南アフリカのソーヴィニョン・ブラン。 お店のイチオシ・アイテムだったような気がします。
色はまぁ普通。 香りは、これぞソーヴィニョン・ブランな草っぽい香り。樽香とかは特に感じない。 味もなんとなく草っぽい。それでも甘味はそこそこある。 なんだか、幼少の頃にイタズラ(というか楽しみ)で口にしていた、 カンナの花とかサルビアの花の蜜を吸うような、そういう草っぽさと甘さが同居した味。
なかなかソーヴィニョン・ブランらしい。それも新大陸のソレではなくて、 フランスのソーヴィニョン・ブラン風味。 こういう奇をてらわない王道っぽいのがこの値段でチョイチョイッと造れるんであれば、今後南アフリカは有望な気がする。
73点自宅にて

14日(金)

Terragnolo Primitivo Rosso 2000
テッラニョーロ プリミティーヴォ ロッソ 2000
Apollonio
アポロニオ
Rosso
Salento Primitivo (IGT)
サレント・プリミティーヴォ (インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Puglia (Italia)
プーリア (イタリア)
\9582003/09/27 関内 サンタムールカツミ商会
本日のワインは1,000円以下の3桁ワインだけど、 1998と稽古済み、 その時の印象は非常に良かったんで「良いワイン」扱いで今日まで在庫していたもの。 そして2000は14.5%と更に豪快なアルコール度数。期待しないわけには行きません。 合わせた夕食は、トマトとキュウリとハムのサラダ、水餃子、鶏肉の香草焼き。
で、飲んだ印象は全くもって前回飲んだ1998と同じもの。 色はイタリアと思えない青く濃い紫。 香りはアルコール臭のあと締まった果実香、その後樽香。 虫を潰したような油粘土のような香りも確かにある。 渋味がしっかりで甘味さえ感じる味。 ホント、前回のコメントをそのまんま使える内容。
時間が経つと、例えばボルドーだとミルキーな香りになるし、 例えば良いブルゴーニュだとよりカラメルっぽい香りになったりするんだけど、 これはより粘土っぽい香りになるのが残念。
ともあれ3桁とは思えないポテンシャルを持ったワイン。 いかにもイタリアイタリアした雰囲気なんで、イタリアン・マニアな方だともっとポイント高いかも。 あまりの飲み応えのありっぷりに若干明日に持ち越しだけど、 多分ヘタらないでしょう。
79点自宅にて

13日(木)

機上で日付変更線を越えて13日、2泊4日の慌しい出張から帰って参りました。

Chateau Saint-Lys 2000
シャトー・サン・リス 2000
Ch. Saint-Lys
シャトー・サン・リス
Blanc
Entre-Deux-Mers
アントル・ドゥ・メール
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\4002003/10/10 カルフール幕張店カルフール・ジャパン
機内で殆ど飲めなかった腹いせに、良いワインでも飲み倒したろか!、 などと鼻息荒く帰ってきたんだけど、まず帰りの成田エクスプレスでビール(KIOSKで230円、適正価格です) を飲んでちょっと落ち着いて、冷蔵庫に冷えている白はこれしかないことに気がついて更に落ち着いて、 そもそも「良いワイン」なんてのはあんまり持ってないことに気が付いてシュンっとなって、 選んだのがコレ、3本よりどり1,200円、1本あたり400円。通常価格598円の激安フランス産。
色は、この地方のモノらしい薄いけどやや赤みの強い麦わら色。 香りはストレートにアルコールを感じるもの。それと、なんとなく芋焼酎に似た雰囲気がある。 師範の経験上、この香りがあるとなんとなく劣化が疑わしい。 味もイマイチ。厚みや深みはなくて金属的、かつなんとなく痛んだようなヒネた味わい。
これは残念ながら400円としてもやや悲しいレベル。 それがこの銘柄自身のものか、この1本が変質したのかは不明。 とにかく飲んだコレは国際線のエコノミーで出るワインよりも更に下のランク。 最後の1/3はジンジャーエールで割って飲み干した。
59点自宅にて

12日(水)

北米出張の3日目、あっという間に帰国日。
そもそものフライトは、朝8時過ぎにボストンからアメリカン航空でシカゴに飛んで、 シカゴから日本航空(JAL)で成田へ、 という予定だったんだけど、 アメリカン航空の受け付けの方曰く
『シカゴは天候不良で遅れが出るかもしれないので、 ニューヨーク・ケネディ空港経由に切り替えませんか?』
とのこと。到着空港変更等の面倒に巻き込まれるのはイヤだったんで、 素直にそれに従ったんだけど、それが師範にとっては大きなミスチョイス(理由後述)。

ボストン8:45発ニューヨーク・ジョンFケネディ行きアメリカン航空(アメリカン・イーグル)4762便は 行きと同じエンピツ型の小さな機材。 揺れが激しかったためか飲み物/軽食のサービス無し。 まぁ距離も近いし(1時間以内)それは別にどうでも良い。
で、師範の大きな勘違いはケネディから成田の変更便もJALだと思ってたのね。 同行しているM氏がそういうフライト・プランだったし。 ところが、師範の変更便はJALでは無くてアメリカン航空のフライト(167便11:25発成田行き)。 「まぁ長距離乗ったことない航空会社に乗ってみるのも良いかも」なんて気軽に考えてたけど、 乗ってビックリ、

アメリカン航空のエコノミーはアルコール類有料(1本5ドル

いやーたまげた。恐ろしくケチなエアライン。 更には、乗った後で気づいたんだけど、JALのフライトだと「ダブルマイル・キャンペーン」期間中なんで、 通常の倍のマイルが加算されるはずだったんだけど、多分その特典も受けられなくなる。 大しょぼーん。

こうしてみると、シカゴの天候不良ってのがホントかなぁ、なんて疑いたくなるよね。 アメリカン航空の地上勤務の人が、自分とこの機に乗せたくてそうしたんじゃないか、 なんてね。まぁそういうのを見抜けない師範が情けないと言われりゃそれまでなんだけど。

気を取り直して昼食を。メニューの紙によれば、内容は以下。
寿司
グリーンサラダ
牛テンダーロインの椎茸ソースとご飯
特製デザート
牛肉は思ったほど不味くは無かった、というかそこそこ美味かった。 寿司とかご飯は「ご冗談を」なレベル。 あと、ナイフはともかくフォークもプラスチック製ってのはどーもね。 肉刺すとフニャリと曲がって使いにくいったらありゃしない。 ちなみにANAはナイフだけ透明で丈夫なプラスチック、あとは金属製だった。 ここのはカトラリー全部乳白色の弱っちいプラスチック。

で、ワインも飲みましたよ。5ドルも払って。

Douglass Hill California Chardonnay 2000
ダグラス・ヒル カリフォルニア シャルドネ 2000
Douglass Hill
ダグラス・ヒル
White
California (USA)
カリフォルニア (アメリカ合衆国)
5US$ (\600)2003/11/11 Regal Sea Food
一応聞いたっすよ、「アルコール類は一本5ドルってのは本気か?」と。 そしたら熟成用の小樽よりももっと胴周りのありそうな乗務員の米国人オバハンが『そうだ』と。 ならば、少しでも散財する意味がありそうなものを飲みたいな、と思って 「じゃぁ何かスパークリング・ワインは無いか?」と聞いたら 『無い』だと。 5ドルも払うのにスパークリングすら無いんですよ、皆さん。 まぁビックリですよ奥さん。
というわけで飲んだのがコレ、普通の白ワイン。 香りにほんのり樽があるけど樽以外で顕著なものはなくて、 味も取り柄が無いのが取り柄のような、素直だけど記憶に残らない味。
ま、冷静に判断すると一般の航空会社で出てくる、 何の変哲もなくてギスギスした南仏とかの白よりはちょっと良いような気はする。 でもこれに5ドルの価値は無いですな。 「5ドル払えば飲み放題」ならまだ許せるのに・・・ プラスチックのコップじゃなくてグラス使えるんならまだ許せるのに・・・
69点アメリカン航空機内にて

到着前の「軽い夕食」がコレ。
鶏肉入りカレーうどん
日系以外のエアラインで日本食めいたメニューは避けたほうが無難というのは分かってるんだけど、 もうひとつの選択肢がピザだからなぁ。アメリカのピザって考えただけで不味そう。 「カレー味なんでそこそこ食えるだろ」と苦渋の選択でこちらを。 結果は失敗、芋虫の死骸のようなうどんとちょっと変な匂いのカレー、 それでも腹減ってるから全部食べた。

とにかく酒好きの皆さん、 アメリカン航空の国際線エコノミーだけは何があっても避けるべきです。 酒に限らず、成田での駐機場は遠いし(着陸してから降りるまで20分以上、 仕舞いには牽引車でゲートに横付け)、 ケネディ空港の8番ターミナル(アメリカン航空用)の免税店はろくなもの無いし、 機内エンターテイメントのパンフレットと内容はぜんぜん違ってるし、 とにかく良いとこ無い。 そう思って見れば、激安ツアーっぽい団体さん以外日本人の一般客ってほとんど乗ってない。 普通料金払って乗るエアラインじゃないんでしょうな。
強いて良い点を挙げると、機内はガラガラ、師範も窓側の2席を占領してゆっくり休めた。 ま、人気無いからガラガラなわけなんで、これは当然かも。 ユナイテッドやノースウェストのサービスが現状どうだかは知らないけど、 他が普通だったら早晩潰れるか吸収合併されますな、 機体に塗るペンキをケチったような冴えないデザインのこの会社。

シカゴ在住の読者な方から、本件に関して情報を頂きました (こちら)。


11日(火)

北米出張の2日目。

朝っぱらから慌しく空港へ行って、朝8:30のモントリオール発カナダ航空382便でボストンへ。

機材はこれまた小さいジェット機。安全のしおりに"CRJ"と書かれた機体は、 4席×12列のキャパだから昨日のよりは気持ち大きいかな。
飲み物はジンジャーエールを注文。 結構重くて朝食代わりになるブルーベリーマフィンと一緒に。

昼食は、打ち合わせ先でビジネスランチ(サンドイッチとか)。 打ち合わせ後ホテルへ。

ホテルはダウンタウンからも空港からもちょっと離れたSheraton Commander Hotel というところ。 歴史を感じる、というかとっても古めかしい建物。 宿泊料は155US$だから、だいたい17,000円くらいかな? これまたさらに高く感じるなぁ。

夕食の場所として「やっぱボストンといえばメーン・ロブスターでしょう」なんてことを言いつつ選んだ店は Legal Sea Foodというところ。 よく考えたらボストンはメーン州じゃなくてマサチューセッツ州なんだけど、 そんなことはどうでも良くて。 昨日の店もこの店も、北米東海岸に赴任経験のある同行の方のお勧め。
食べたのは、大きなロブスター2匹をメインに、クラムチャウダーとか イカのフライとかブルーチーズソースのサラダとかツナの刺身風とか。 それらを5人でシェアして。
で、美味いんだなぁ、これが。『名物に美味いもの無し』っていうけど (ロブスターがボストンの名物かどうかは置いといて)、 師範が過去食べたロブスターのなかではコレが一番美味かった。 身の歯ごたえ十分、味噌の部分も滋味深くて、 「大味なアメリカのエビカニ類」という印象が一瞬にして霧散。 その他の料理も美味くて、『北米=不味いモノ』な印象がガラガラと崩壊。

飲み物は、一杯目はビール(ハイネケン)を。 この店を選んだMさんはスパークリングワインを頼んでて、 自分もそれにすれば良かったなぁと激しく後悔 (スパークリングはRoederer Estateだった)。
そんなこんなでワインの話題になって、 『じゃぁボトルでいきますか』ってな風に上手く場を持っていって、 ワインは師範が注文することに。

で、なんたってすごいのはここのワインリスト。 大きめの紙1枚を2つに折っただけ、高々4ページのワインリストなんだけど、 小さい字で整然と書かれたワインはザックリ数えて500種以上、 そんじょそこらのちゃんとした風なフレンチレストランより遥かに充実した内容。 シーフード・レストランなんで白ばっかりかと思いきや、 比率的には白/赤半々くらいだったと思う。 お値段的には、カリフォルニアの物が50US$を中心とした価格帯、 フランス産がもう少し上といった感じ。 見知った銘柄で判断すると、カリフォルニア産の値付けは比較的良心的で 日本での酒屋価格と大差無い感じ、 フランス産は日本でのレストラン価格と大差無い感じだったように思う。 北米も東海岸だと、陸路で運ぶカリフォルニア産より 海路で運ぶヨーロッパ産のほうが安い、なんて聞いたことがあるけど、 どうもそれはガセネタだったみたい。
そんなこんなで選んだワインは以下。

Benziger Carneros Chardonnay 2001
ベンズィガー カーネロス シャルドネ 2001
Benziger Family Winery
ベンズィガー・ファミリー・ワイナリー
White
Sonoma (USA)
ソノマ (アメリカ合衆国)
28$ (\3,100位)2003/11/11 Regal Sea Food
シーフードばかりの料理なんで当然白を。 前述のごとく米国産の方が値頃感があるし、 ここに来て欧州のワインを頼むのも旅心に欠けるんで米国産からチョイス (っていうか、500種類も載っているリストなんで、 あらかじめターゲットを見定めないといつまでたっても決まらないんで)。 メンバーはそれほどワインに興味のある方々では無いんで、 お値段は控えめ、それでかつインパクトのありそうなもの、 かつ師範は飲んだことないもの、 という複雑な判断基準でサーチしていて見つけたのがコレ。 ベンズィガーなる造り手がカーネロスで造るシャルドネ。 お値段はまずまずお手ごろ、多分樽がいい感じに効いてそうなんでインパクトもありそう、 かつ師範的にも「なんちゃってベリンジャー」な感じで面白げ、ってことで。
と、ちょっと遊び半分で選んだにしてはこれがなかなかいいワインでした。 樽は確かに効いてるけど果実の風味を邪魔しないくらいのいいバランスで、 味もやや甘くて重さはあるけどベッタリしていない。 時間が経つときっとさらに樽が前に出て甘味を顕著に感じるんだろうけど、 幸いにして飲む人5人、抜栓直後の爽やかさが残っている段階で飲了。
同行の方から『白でこういうコクのあるのは飲んだこと無い』という発言も聞かれたんで、 まずは師範の面目躍如でありました。 リーデルのボルドーグラスのような、 非常に大ぶりなグラスで出されたのも結構良い方に作用していると思うけど。
(80点)Boston "Legal Sea Food"にて

Buena Vista Carneros Pinot Noir 2000
ブエナ・ヴィスタ カーネロス ピノ・ノワール 2000
Buena Vista Winery
ブエナ・ヴィスタ・ワイナリー
Red
Sonoma (USA)
ソノマ (アメリカ合衆国)
27$ (\3,000位)2003/11/11 Regal Sea Food
「順当に次も白にしますか?それとも赤にしますか?」 とメンバーに問うたところ、赤が良いという意見が多数。 っていうか、白だと同価格帯で後に続ける物を探すのは難しかったから、 選ぶ側としてはその方が好都合。 ということで赤をサーチ。 シーフードにカリフォルニアのカベルネやメルローはキツかろう、 ということでピノ・ノワールから選ぶことに。 オー・ボン・クリマのサンタ・バーバラあたりが30ドル強なのに若干心を惹かれたけど、 せっかくなんで飲んだこと無いモノからチョイス (「ブエナ・ヴィスタ」という名前で話題になりそうな業務関係の理由もちょっとあったし)。 ちなみに、ブエナ・ヴィスタのワインって、 帰りの免税店でも見かけたんで、あまり珍しいものではなさそう。
で、こっちはほぼ予想通りの内容。 まず料理がシーフードなんで、渋みの強いものは避けたつもりだったんだけど、 案の定渋みは弱くて合格。 その分ボディも薄めというか、やや軽く感じられる。 香りも比較的おとなしくて、それほど強くも無い樽香が目立ってしまっている。
普通だったら「物足りない」の烙印を押されそうではあるけど、 相手がシーフードであることを考えるとこれくらいでちょうど良かったのかも。 皆さんの評判もなかなかのものでした。
(75点)Boston "Legal Sea Food"にて

サービスに関しても料理の説明、ワインの作法含めて (どこかファミリーレストランっぽい雰囲気の割には)きちんとしていたと思う。

お値段はチップも入れた5人分トータルで250US$、一人あたり日本円で6,000円くらい。 ちょっと良い値段だけど、それくらいの内容は十分にあったと思えるレストラン。

というような二日目。で、あっという間に明日は帰国日。


10日(月)

九州への七五三帰省から帰ってすぐに北米出張、今日はその初日。
行きの飛行機はニューヨーク・JFケネディ空港行き全日空010便。 席はもちろんエコノミーだけど、 通常料金エコノミーはビジネスクラスのラウンジが使える、ってんでClub ANA Loundgeへ。 で、ワインが置いてあると飲まずには居られないのが師範の悲しいサガ、 まだ朝10時だけど、置いてあった赤白のワインを味見。

Muscadet Sevre et Maine "Tradition" 2002
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ "トラディスイオン" 2002
Barton & Guestier
バルトン&ゲスティエ
Blanc
Muscadet Sevre et Maine
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ
Loire (France)
ロワール (フランス)
\02003/11/10 麒麟麦酒
というわけでまずは白を。 きちんとワインクーラーの中で氷に冷やされておりました。 白ワインなんてきっちり冷えてるだけで結構何でも美味いからね。 反面ぬるいやつはよっぽどじゃないと美味く感じない。 その点でまずは合格、残量的には3/4くらいあった。
で、内容的にもいかにもミュスカデ、とっても優等生的なワインでありました。 香りはきりっとしたリンゴ、味はミュスカデらしい酸味を中心としたものだけど、 ペラッペラな感じはなくてそこそこのボリューム感がある。
フランス全土に渡る大手造り手らしく、きわめて普通かつミュスカデらしいミュスカデ。 グラスにちょびっと、だとそこそこ満足。 一本飲めと言われるとちょっと辛いかもだけど。
(68点)成田空港"Club ANA Lounge"にて

Cotes du Rhone "Tradition" 2000
コート・デュ・ローヌ "トラディスイオン" 2000
Barton & Guestier
バルトン&ゲスティエ
Rouge
Cotes du Rhone
コート・デュ・ローヌ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\02003/11/10 麒麟麦酒
意地汚くも赤も飲んじゃったりして。 造り手は同じく大手B&G(バルトン&ゲスティエ)、地域はちょっと南東にずれてコート・デュ・ローヌ。 こっちはもう底を突きそうな残量だったんで、間違いなく昨日以前に抜栓済みのもの。
色はかなり赤錆色、香りのなかにも結構"鉄"を感じる。 飲んでちょっとビックリ、田舎臭さの向こうに熟した甘さが広がっている。 昨日開けたものの怪我の功名というか、かなり開いていてやわらかく飲める。
まぁまぁ美味いです。でも、朝の10時からワイン二種類並べて写真撮ったりしながら飲んで、 フムフムなんて言ってる姿は全くもってオタクですな。 周りのイカシたビジネスマンと比べてちょっとミットモナイ姿。
(68点)成田空港"Club ANA Lounge"にて

そういうしているうちに搭乗時間。
前述のごとく席はエコノミーなんだけど、 幸いなことに「プレミアム・エコノミー」なるちょっと広い席に座れることに。 機材はB747-400、通常は3-4-3な席配列のところを2-4-2とゆったりとってあって、 リクライニングもかなり傾くしフットレストもある。いやはやラッキー。 もちろん飲食のサービスはエコノミー同等だけど、やっぱ楽なのは良いもんです。 あと、パソコン用のAC電源もあるんで、仕事をするのにも便利。

離陸してしばらくすると飲み物のサービス。
まずはビールを注文、『銘柄は何がお好みですか?』と聞かれて「なんでも良いです」 と答えたら、出してくれたのはサントリーのプレミアム・モルツ。 いやー、なかなか気が利いてます。 「なんでも良い」なんていうやる気の無い輩にはスーパードライでも出しときゃ良いのに、 キャビンアテンダント女史は師範の甘いマスクにイチコロだったかな?(ありえません)。
機内食は以下。
前菜:コールドミート盛り合わせ、チーズとコールスローのサラダ
メイン:海の幸のクリームソース カレー風味
四季の麺、デザート
ま、エコノミーの機内食ですからね。 前菜と名づけられたものは要はハムと生野菜、 メインと名づけられたものは要はマカロニにシーフードカレーをかけたもの。 ただ、とんでもなく食えないのは無かったりするあたりがさすが日系航空会社。 特に温かさに関しては文句なし。手では触れないくらい熱くていい感じ。

ワインは以下を。

Chardonnay "Tradition" 2002
シャルドネ "トラディスイオン" 2002
Roger Sauvestre
ロジェ・ソーヴェストル
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\02003/11/10
師範は国際線の飛行機で食事になったら 「スパークリング・ワインはありますか?」と聞くことにしています。 大抵の回答は、ヨーロッパ系は『あります』、日本・米国系は『ありません』。 今回も『用意して無いんですよ~』でした。 でも、CAさんのすまなさそうな言い方とお美しい風貌に免じて我慢。 というわけで白を発注。 ぱっと見"Tradition"って文字が見えたんで、『これもラウンジと同じB&G?』かと思ったけど違う造り手でした。
色は薄黄緑、香りはあまり南っぽくなくて、なんとなくシャブリみたいな硬質的な雰囲気。 味も酸が強めでガリッとしていて、こちらもシャブリっぽい。
悪くはないけどちょっとストイックかなぁ。 プラスチックのコップに全量注いでゴクゴク、っていう飲み方だとこういうのでもいいのかも知れないけど。
(66点)ANA機内にて

Cabernet Sauvignon 2002
カベルネ・ソーヴィニョン 2002
Gaston Charpentier
ガストン・シャーベンティエール
Rouge
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\02003/11/10
「あとで赤も頼もうっと」って感じで、料理の中のパンとかコールドミートをとっといたんだけど、 なかなか乗務員さんが来てくれない。白は既に無くなって、指をくわえてずーっと待つことに。 で、やっと注文、飲み始めたときは回りの人はすでに食器を下げるところ。 なんだかバツが悪かったなぁ。やっぱり最初に「白と赤」と頼むべきですな、飛行機の中では。
乗務員さんが『冷えてますけど・・・』と言ってたんだけど、確かに冷えてます。 香りもあんまり立たないし、飲んでみても青い青い。 野草の茎を噛んだような青っぽさとギシギシする渋みが顕著で、 そもそものワインの品質とは別なところで険しい戦いに。
ヌルい赤もイマイチだけど、ここまで冷えてるのもねぇ。 ま、サービスの都合上仕方のないところだとは思いますが。
(63点)ANA機内にて

朝食はこれ。
若鶏とチーズのホットピタサンドイッチ
フレッシュフルーツ
これまた熱さに関しては申し分なし。味は普通(「普通」ったって何だかわかりませんが)。

そんなこんなでニューヨーク・JFケネディ空港には定刻よりかなり早め (現地時間朝9時前)に到着。 機内では仕事(発表のドキュメント作り)したりして結局2時間くらいしか寝てないんでちょっと辛い朝。

ケネディ空港ではモントリオール・ドーヴァル空港行き アメリカン航空(アメリカン・イーグル)4759便に乗り換え。 機材は何ていうんだろ?(安全のしおりには"EMB"と書かれていたけど)、 3席×13列、鉛筆型の小さなジェット飛行機。
飲み物のサービスではアップル・ジュースを注文。 塩味が効いてて結構美味いスナック菓子"Pretzels"といっしょに。

モントリオール・ドーヴァル空港に着いて、 打ち合わせまではちょっと時間があったので空港で腹ごしらえ。 店(というほどでもないけど)の名前はBrulerie St.Denisというカフェテリアっぽいところ。 食べたのは
メキシカン・ラップ 6.59 C$
スプライト 1.99 C$
1C$(カナダドル)は85円くらいだったんで、メキシカン・ラップってのは500円強くらいかな? タコスみたいな生地で野菜や鶏肉を巻いたもので、 まぁそこそこ食べられるしおなかも膨れた。
その後打ち合わせを終えてホテルへ。ホテルはSheraton Four Points Dorvalというところ。 ま、シェラトンって名前は付いてるけど、空港のそばの普通のビジネスホテルです。 宿泊料(税抜き)132C$、日本円で12,000円くらいってのはちょっと高いと感じます。

着替えた後に夕食へ。
夕食は、モントリオールのダウンタウンにある金豊酒家(La Maison Kam Fung)というチャイニーズ・レストラン。

食べたのは、お店の人のお勧めに従って6人前78C$ (約7,000円)のお得なコースメニュー (ちなみに同行者は師範を含めて5人)。
北京ダック
鴨肉とタケノコと三つ葉っぽい野菜のスープ
鶏肉とタケノコと高菜っぽい野菜の炒め物
ロブスターの炒め物
ほうれん草っぽい野菜の炒め物
白身魚とサヤエンドウのあんかけ
白飯
ゴマのスープ風デザート
これが予想に反して結構美味くてビックリ。 味付けはやや濃い目で化学調味料が多用されている感じだけど、 火の通し方とか塩加減はかなりイケている。量も十分で、5人で食べるには多すぎたくらい。 これでこの値段は強烈に安い。 やや胡散臭げな中国系の店の人だったんでちょっと疑ってて 「やっぱアラカルトが良いかも」なんて話してたんだけど、間違いなくこちらで正解。

さすがに眠気と疲れもあって酒量は少なめ、 師範が飲んだのはビール(ハイネケン)小瓶2本。 ほかの同行者も同じ程度の酒量。
トータルのお会計はチップも入れて160C$だから、一人あたり3000円弱。 なかなかお得でおいしい中華でした。

というわけで、長~い長い1日目は終了。


9日(日)

Bourgogne 2000
ブルゴーニュ 2000
Dom. Maume
ドメーヌ・モーム
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,7802003/10/22 カーヴ・ド・リラックスラック・コーポレーション
というわけで二泊三日の慌しい帰省から帰って参りました。 帰宅後買い物に出かける元気もなく、 あり合わせの材料で師範代が造ってくれた夕食は酢鶏(鶏肉の酢豚風)。 合わせたワインはコレ、 リアルワインガイドによれば『シブい燻し銀の造り手』らしいモームのACブルゴーニュ。 開票速報を見つつ、つかの間の自宅ワインをのんびりと。
抜栓はとても気持ち良い。厚くて切りやすいキャップシールと組成が均一で抜きやすいコルク。 色はACブルゴーニュとしてはやや濃い目、それとやや濁った感じ。 香りはちょっと変な感じ。まず感じるのは硫黄やガスっぽい雰囲気。 それがフッと消えた後、ブルゴーニュらしいケモノみたいな香りが支配的になる。 味は特に変な感じはしない。やや過熟した感じ、ちょっと腐りかけの果物みたいな味。 そういった意味ではガスっぽい香りと味の過熟感、どちらも腐りかけのニュアンス。
別に不味いわけじゃないし、値段相応と言えばそうなんだけど、 なんとなく違和感のある香りと味わい。 やっぱりACブルゴーニュの若いやつはピッチピチじゃないとね。
74点自宅にて

8日(土)

本日は七五三のお宮参り当日。朝からプチ師範代と師範代は美容院で髪と着付けして、 写真館で写真撮って、神社にお参りに行って、昼食は熊本市最大手(か?)のホテル、
ニュースカイホテルの和食処光琳で。 師範が注文したのは地鶏の唐揚げ定食 \1,000。 ホテルの昼食で、座敷を使ってこの値段の料理は安いと思う。 内容はいかにもホテルっぽい「そこそこ美味くて量少なめ」な昼食。
酒は、生ビール中ジョッキ(値段不明)。モノはサントリーのモルツらしい。 味には何の不満もないけど、ジョッキの文字が消えかかってるのはちょっとホテル的ではないな、 なんて重箱の隅を突っついたりして。

その後、熊本の師範親族と別れて列車に乗って鳥栖の師範代実家へ移動。
夕食は豪勢な舟盛りの刺身。石鯛、イセエビ、ヤリイカ(以上姿造り)、ウニ、マグロ、平貝の貝柱、ハマチ。 いやー刺身は田舎に限りますな。プチ師範代もマグロをカプカプと。
食事の時はビールで、それから下のワインを。

Piccolina Blanc N.V.
ピッコリーナ・ブラン (ヴィンテージ無し)
サッポロワイン
サッポロワイン


(Japan)
(日本)
\992003/11/08 ジャスコ 鳥栖店サッポロワイン
食事の後に、というか寝酒用に師範代実家の近所で購入したワイン。 180mlで99円は安いなぁ。内容はどうあれ値段の絶対値は安い。 裏ラベルを見ても、どこのワインだか(「輸入ワイン」とか「国産ワイン」とかの表記も無し) 全く不明。 "ピッコリーナ"というイタリア語っぽい銘柄と"ブラン"というフランス語の種別、 ますます出所不明なワイン。
色は当然のごとく薄い。ネットリ感もなくてサラサラした感じ。 香りを嗅いでびっくり、見た目の印象を大きく裏切る"非サラサラ"感。 誰が嗅いでもそういうような、極めて顕著なゴム臭。ホントにゴムの匂いしかしないって感じ。 飲んでもゴムっぽい。裏ラベルには「やや辛口」なんて書いてあるけど、 普通一般の白ワインと比べると遥かに甘口、ゴムと砂糖を水で溶いてアルコールを加えたような雰囲気。
フルボトル1本飲むのはかなり辛そうだけど、 "ピッコリーナ"っていうくらいだからこのサイズしかないのかな? だとしたら飲み切ることは可能。 99円という激安価格を考えつつ飲みきれるかどうかを考える、 まるでエコカーの耐久レースのよう。
39点師範代実家にて

Piccolina Rouge N.V.
ピッコリーナ・ルージュ (ヴィンテージ無し)
サッポロワイン
サッポロワイン


(Japan)
(日本)
\992003/11/08 ジャスコ 鳥栖店サッポロワイン
一本99円というあまりの安さにつられて赤も購入。 っていうか、師範代実家より徒歩1分のスーパー(ジャスコ鳥栖店、そもそもは寿屋鳥栖店) にフラッといって、適当なハーフでも買おうと思ってたんだけど、 残念ながらハーフは殆ど売ってなくて、結局180mlのコレを赤白それぞれ買うことに。
色はかなり薄くてネットリ感も皆無。それはそもそも折込み済み。 香りは、前の白がゴム臭だとすればこちらは雑巾臭。 でも、この価格帯の激安国産って、雑巾臭があるのは極めて一般的なんでそれも折込み済み。 味はペラッペラ。渋みは皆無、なんとなく人口的な甘味がいっぱい。 百戦練磨な師範はそれをも折込済み。
ま、素直な言葉で表現すると「ダメ赤ワイン」。 でも、白と比べると、そもそもダメ系と判ってただけこっちのほうが落胆は少ない結果に。 それにしても、『ほーらやっぱりこんな感じ』 とダメなポイントを確かめつつニヤニヤ笑いながら飲むのって、 どう考えても普通じゃないよね。「安ワイン道場師範」職業病。
45点師範代実家にて

ってな感じで七五三当日終了。 天気も良かったし、双方の両親にプチ師範代の着物姿を見せられたし、 冥土の土産を渡した感じ。


7日(金)

11月7日~9日で、プチ師範代の七五三のために熊本/鳥栖へ。

昼食は羽田空港北ウィング1階のAmato Amatoという店で。

師範:ボンゴレ フレッシュトマト \900 (右写真左)
師範代:小エビと帆立の明太子 \950
プチ師範代:マリナーラ(シーフードのピザ) \1,150
飲み物は師範だけグラスワイン(白) \350(右写真右)。

料理は、ちょっと味が濃いけど空港の平均レベルを考えると良いほうかな? パスタの茹で加減はばっちり。 ワインは「もしかしたら国産大メーカー激安系かも」と心配したけど、 飲んだ感じは多分イタリア産、それも案外しっかりした味。 冷えてなかったのは残念だけど、量もそこそこ(150ml)あるんで、 350円なら文句はない。 12時前 かつ 大した客数でもないのにキャッシャーに大行列だったのが不思議。


お泊りは、熊本市にある師範の実兄の家へお邪魔して。

夕食は、熊本駅から海のほうにつつーっと行ったところにある和食 さんわにて家族で宴会。 \3,500のメニューだったんだけど、食べきれないほどの量。 驚くべきはてんぷらのエビが5匹、さすがは車エビ養殖の本場熊本。 都会で汚れた師範らはもう少し量は少なくても良いし、もう少し甘さと塩辛さを抑えていただければ、と。 あと、せっかく美味そうなてんぷらなのに、天つゆが全くイケてないのが残念。 天つゆはやっぱりカツオの香りがしないと。あと、もう少し色が澄んでないと。
酒は、瓶ビール(アサヒ・スーパードライ)と焼酎(白岳 しろ)。 やっぱ焼酎ですな、九州では。

大量に余った料理を折りに入れて持ち帰って、 それを肴に実兄宅で二次会、いい気分になってご就寝。


6日(木)

Caliterra Pinot Noir 2001
カリテラ ピノ・ノワール 2001
Vina Caliterra
ヴィーニャ・カリテラ
Tinto

Valle de Casablanca (Chile)
ヴァッレ・デ・カサブランカ (チリ)
\7982003/10/10 カルフール幕張店アサヒビール
休刊日明けだけど、なんだかいろんな都合がたてこんでてあんまりゆっくり飲む気分じゃないし、 かといって勇猛果敢に激安モノにトライする気力もない今日、 選んだワインはチリ産のピノ・ノワール。 造り手は、米国のロバート・モンダヴィと、チリのエラスリスのジョイント企業、カリテラ。 どっちもカベルネあたりは上手な気がするけど、ピノはどうなんっしょ?
色はブルゴーニュの赤(の安モノ)と比べれば濃いけど、 チリの一般的な(メジャー品種)のワインと比べるとかなり薄い。 香りはとっても意外。「なんかの香りに似てるなぁ~」って一生懸命考えたら、 「こりゃゲビュルツの香りかも!」って結論に。 なんだかゲビュルツ的な白ワインっぽいスパイシーさがいっぱいで、 目隠しして飲むと白と言っちゃいそうな雰囲気。 もちろん、口に含むと甘酸っぱ渋いんで、師範ごときにも赤であることはさすがにわかる。
時間が経つと(飲んでる途中でうたた寝)、 ジュクジュクと腐りかけのイチゴみたくなるのはピノ・ノワールっぽいっちゃそうだけど。
少なくともブルゴーニュの赤とは全く別物のピノ・ノワール。 どちらかといえば南アフリカのピノタージュみたい。 でも、これはこれでそこそこイケると思う。 このワインに関しては販売店がフランス系のスーパーだったこととは関係ないっすね。
70点自宅にて

3日(月祝)

Green Point N.V.
グリーン・ポイント (ヴィンテージ無し)
Green Point
グリーン・ポイント
Sparkling
発泡
(Australia)
(オーストラリア)
\1,5802003/10/22 カーヴ・ド・リラックスジャーディーン・ワインズ・アンド・スピリッツ
本日の夕食はブリの照り焼きと薩摩汁。 焼酎なんかが合いそうな料理ですな。 芋焼酎かなんかに丸い氷を浮かべてキュッと飲むと美味そう。 ぜひ読者な皆様はそうされて欲しいんだけど、 師範はやっぱりワイン。 選んだのは、オーストラリアのスパークリング。 裏ラベルによれば、「グリーン・ポイント」って造り手はモエ・エ・シャンドンが1986年に設立したものらしい。 モエの豪州って「エクリプス」って銘柄もそうじゃなかったっけ? マコトにお盛んな造り手であります。
で、まず泡立ちが凄い。静かに抜栓したんだけど瓶口から溢れてくる泡、 グラスに注いでもコンコンと立ち昇る泡。 口に含んだらさぞかし、と思ったけど口の中では案外おとなしい。うーん謎。 香りはフレッシュな白ワイン系。シャンパン的なイースト香は弱め。 味も、どっちかというと「白ワインに泡を入れました」系。 後味しっかりでコクがある点はプラス・ポイント、 やや金属的な苦味があるのがマイナス・ポイント。
悪くはない。価格を考えると損した気はしない。 でも、モエ・エ・シャンドンとその系列が造るスパークリングって、 なんだか小手先でちょいちょいってやってる気がして、どーもパッとしないものが多い気がする。 やっぱり大量に安定的に供給することと図抜けた品質とを両立させるのは難しいのか。
72点自宅にて

2日(日)

3連休の中日、プチレジャー気分でN氏一家と横浜国立大学の学園祭を訪問。 学園祭なんて、学生時分に参加したっきりなんで、大変久しぶり。
仕入れと消費のミスマッチか具が極端に少なく安くも美味くもないお好み焼きを食べて、 氷が既に無くなった冷水で冷やされたヌルいビールを飲んで、 本人たちは楽しそうだけどあまり揃ってないダンスコンテストを見て。 それぞれ品質は決して高くないけど、漂う『青春のオーラ』というか甘酸っぱい雰囲気が、 (たった十数年前なんだけど)既に忘れてしまったものを思い出させてくれました。

N氏宅に帰って以下のワインを。

Beaune 1992
ボーヌ 1992
Michel Gaunoux
ミシェル・ゴヌー
Rouge
Beaune
ボーヌ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,9802003/10/22 カーヴ・ド・リラックスメルシャン
ボーヌの古酒を。 まぁ古酒ってったって高々10年なんだけど、師範が持ってた中じゃ最も古いのがコレだったんで。 ミシェル・ゴヌーのボーヌとは3年前以上前に1994と稽古済み。 その他、ポマールだったらピエール・ゴヌー名義の1985と稽古済みで、 かなり古酒に強い造り手だという認識。
色は非常にきれいな赤紫色。移動後即抜栓だったけど濁りは全く感じられない。 香りも期待通り。いかにも熟成ブルゴーニュな、腐りかけの甘い果実と革の香りがいっぱい。 味もオッケー。渋味のカドが取れまくってまぁるくなって、 かつ甘味は活きてて良い感じ。
時間が経つと、この造り手の熟成モノらしいアプリコットの風味が出てくるのも楽しい。 結構時間をかけて飲んだけど、一向にヘタる気配がないのもさすが。
キレイに熟成した(熟成しつつある?)ブルゴーニュ。 決してスケールは大きくないけど、この値段でこの内容はなかなかのヒット。
83点N氏宅にて

Chateau Citran 2000
シャトー・シトラン 2000
Ch. Citran
シャトー・シトラン
Rouge
Haut-Medoc (Cru Bourgeois)
オー・メドック (ブルジョワ級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\2,5802003/09/22 リカーズハセガワ 北口店サントリー
この前にもう一本飲んでコレ。飲む人2人で3本は多いっちゃ多いんだけど、保険の意味で持参。 で、当然というか保険も抜栓。過去の経験上も保険を開けなかった試しはないような。 このワインとは1992と稽古済みでそこそこ好印象だったのと、 2000年は大良年だったのと、「リアルワインガイド」第3号で『旨安キング』 『超、超強力にオススメ』の文字が躍っているので安心して。
色は、前の二本とは別の飲み物であるかのような黒々とした青紫。 香りは、まるで新大陸っぽいストレートにカシスのような果実香と、 コーヒーのような甘く焦がした感じの樽香があって、 酔っ払いの脳味噌にもガツンと存在感を植え付ける香り。 味もかなり良かったような。濃いには濃くて渋いには渋いんだけど、 決してギスギスした感じはなくて良いバランスだったような。
情けなくも飲み干す前に夢の世界からお迎えが来てしまったので、 変化に関しては知ることが出来なかったのが残念。 翌日でも十分美味しく飲めると思うんでお楽しみあれ>N氏。
(82点)N氏宅にて

1日(土)

Chardonnay "Classique" 2002
シャルドネ "クラッシック" 2002
Michel Laroche
ミシェル・ラロッシュ
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\1,1802003/10/22 カーヴ・ド・リラックスジャーディーン・ワインズ・アンド・スピリッツ
本日は今シーズン初の鍋を。 種類的には「寄せ鍋風水炊き」ですかね、 具はいろいろ(豚肉、真ダラ、カキ、エビ餃子、野菜等)/ベースは水/ポン酢で食べる鍋。 煮えすぎるのを嫌って自分が食べるものだけ投入するあたりはしゃぶしゃぶに近いかも。 で、ワインは白を。シャブリの盟主「ミシェル・ラロシュ」が南仏で造るシャルドネ。 良くわかんないけど、昔シンガポールで飲んだコレと同じ銘柄なのかな?
さて抜栓。色は鮮やかな濃レモン色。特筆するほどではないけど。 香りは素晴らしい。これぞフルーティ、蜜入りリンゴのような甘く爽やかな香りがいっぱい。 当然だけどシャブリの香りとはかなり違ってもっと南な感じ。 でもかなりブルゴーニュっぽくはある (プチ師範代曰く「スイカの香り」だそうな)。 味も良いなぁ。甘い感じはするけど糖度は高くないような、 なんともコクのある味わい。
時間がたつと、ブルゴーニュっぽい涼やかな雰囲気は消えて、 厚ぼったいいわゆる南仏なワインになる。
抜栓直後は良かったんだけどなぁ。ほんと大発見!って思うくらい良い感じだった。 まぁその後も値段を考えれば相当イケてる部類だとは思う。 というわけで、ワイン会みたいな大人数でササッと飲む席にはうってつけかも (なーんて、ワイン会にこのランクを持ち込む人も少ないでしょうな)。 普段過酷な環境下でモノ造りをしている人が、 恵まれた環境下で仕事して「こんなん楽勝よ」って言ってるような感じ。
79点自宅にて

前月分

by 師範