稽古日誌:2004年11月

 マイクロソフトの言いなりになって、道場のパソコンのOSであるWindows XPに Service Pack 2をあてたんだけど、なんだか調子が悪い。 一番困るのが、「安ワイン道場」の各ページで、 最後までロードできない(「読み込み中・・・」のままで止まる)不具合が頻発。 このページ含め、あまり行儀の良くないhtml記述しているのは事実だけど、 それでもこれまでは問題なく読めてたからねぇ。 というわけで、SP2をあてた方で同様の症状の方はおられますか? で、もし回避された方がいらっしゃれば、回避方法をご教示頂きたく。

翌月分

27日(土)

Rene Jardin "Cuvee Noir & Blanc" Demi-Sec N.V.
ルネ・ジャルダン "キュヴェ・ノワール・エ・ブラン" ドミ・セック (ヴィンテージ無し)
Rene Jardin
ルネ・ジャルダン
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\2,089 (Half)2004/11/13 成城石井 ルミネ横浜店 成城石井
 11月27日午前0時30分、師範代実家近所の産婦人科にて『プチプチ師範代』誕生。 プチ師範代の時とほぼ同様、予定日より3週間弱のスケジュール前倒しでこんにちは。 当然ながら安ワイン者であってもお祝いはシャンパーニュであります。 で、第二子ともなると要領を得たもので、 前もって横浜で買っておいたハーフのシャンパーニュを師範代実家に準備、 それを病室で抜栓。
 色は特にどうということは無さげな薄麦わら色だけど、 やっぱり泡はキメ細やかでキレイ。ドミ・セックだからリキュールの添加が多い、という先入観からか、 なんとなく液体自体もちょっとネットリしているように見える。 香りは、イースト香はあまり強くなく、どちらかというとフレッシュ系。 ややもすれば安ムスーや安カバや安スプマンテでもありそうな香り。 味はやっぱりほんのり甘い。 ほとんど飲めない師範代も一口だけ口にして『うん、これは美味しい』と言っていたのは、 大仕事をやり遂げた達成感もあるだろうけど、このほの甘い感じが良かったのかも。
 ってな感じであっという間に飲み干したハーフ。そこそこ期待した通りのパフォーマンス。 ま、お祝いなんでね、酒自体が美味いとか不味いとか、そういうことは思いっきり二の次でありますが。
75点師範代実家近所の産婦人科にて

25日(木)

 本日は職場のメンバーと小宴会。男性3人、女性1人でこぢんまり。

 場所は、東京モノレールの天王洲アイル駅から品川側に入ったところにある、 T.Y. Harbor Breweryというところ。 運河に面したウォーターフロントにあって、なかなかオシャレな雰囲気の店。 もともと倉庫だったところを改装したというダイニングは相当広くて、 100人くらいは入るんじゃないかな。 客層も、ナウな外人さんがなぜか各テーブルに1人2人ずつ居て、ちょっと無国籍な感じ。 また、ここは"Brewery"と名乗るだけあって、 地ビール(Tennoz Ale : 天王洲エール)が造られている/飲めるのも特徴。

料理は、カテゴリー的には「カリフォルニア・キュイジーヌ」ってことで、 なんとなくモダンな雰囲気の料理がいっぱい。 メニューは30種前後、一皿1,000円~2,000円くらいが多くて、比較的お手頃な感じ。 師範らは下記のような料理を注文。
ニュージーランド産の生牡蠣を中華風のソースで(写真左下): \1,300
ヒラメのカルパッチョ、千切り野菜を添えて(写真右上): \1,600
アンチョビとプチトマトのピザ:\1,600
鶏手羽先のとっても濃い味のヤツ、付け合せのセロリとかはゴルゴンゾーラと豆腐のディップで:\1,500
ソーセージ盛り合わせ:\1,300
日向地鶏のロースト:\1,900
 生牡蠣は秀逸、4人で食べるんで4個のを頼んだ(\1,300)んだけど、 かなり大きい牡蠣で満足度十分。ビザもちゃんとしててなかなか満足度高し。 その他は、どちらかというとジャンキーな味付けだけど、 こういう店でこれくらいの値段だとそんなもんでしょ、って納得できる内容。

酒は、当然ここのビールを飲まないわけにはいかないでしょう、ってことでビールでスタート。 師範は以下の2種を注文。

ペール・エール (\800)
ウィート・エール (\800)
いやー、ちゃんと美味い。地ビールに求めるフレッシュさとか、 いわゆる大手のビールにない雰囲気をちゃんと持ってて、 量もそこそこあって1杯800円は納得の内容。

というわけで、それぞれにビール2杯づつ飲んだ後ワインに移行。

Dry Creek Vinyard Reserve Chardonnay 2000
ドライ・クリーク・ヴィンヤード リザーヴ・シャルドネ 2000
Dry Creek Vinyard
ドライ・クリーク・ヴィンヤード
Red
Russian River Valley (USA)
ラッシアン・リヴァー・ヴァレー (アメリカ合衆国)
(\3,500)2004/11/25 T.Y.Harbor Brewery オルカ・インターナショナル
 ここはワインリストも充実。赤白泡合わせて70種類くらいあって、大半がカリフォルニア産。 カリフォルニア産じゃないのはシャンパーニュと南アフリカ産がちょっと、その他フランス産や豪州産が僅かにあるくらい。 値段は、数本1万円を越えるものがある以外はだいたい5,000円弱から10,000円までという感じ。 そんなリストなんで結構迷った (例えばシャルドネだけでも10種くらいあるんだけど、 カリフォルニアの銘柄の違いなんて良く判らんし)後、 やっぱりカリフォルニアの白といえばシャルドネでしょう、 まずは一番お手頃価格から攻めるべきでしょう、ってことで一番安いシャルドネのコレをチョイス。
 色は、かなり暗めの照明ゆえよくわからなかったけど、薄めの色合いだったような。 香りは、いわゆる古き良きカリフォルニア・シャルドネな雰囲気満載の、樽香が勝ちまくった香り。 味の線も細い。だもんで飲んだ感じも樽の要素が支配的。
 とにかく「いわゆるカリ・シャル(カリフォルニアのシャルドネ)」。 一人で一本飲むんだったらウヘェって感じだと思うけど、 一杯強ずつだとこれはこれでインパクトがあって良いかも。 料理もとっても味の濃い手羽先が相手だったし。
72点"T.Y Harbor Brewery"にて

Woodward Canyon Winery Walla Walla Valley Pinot Noir 2000
ウッドワード・キャニオン・ワイナリー ワッラ・ワッラ・ヴァレー ピノ・ノワール 2000
Woodward Canyon Winery
ウッドワード・キャニオン・ワイナリー
Red
Washington (USA)
ワシントン (アメリカ合衆国)
(\6,000)2004/11/25 T.Y.Harbor Brewery オルカ・インターナショナル
 全くもって師範の意向で、二本目は赤で。 だいたい赤をもう一本くらい飲むかなぁ、だとすればまずピノ→その後濃いヤツって流れかなぁと考え、 ピノ・ノワールからチョイス。ピノも、いわゆる普通のリストに5種類、 お薦めのリストにコレがあったんだけど、 なんとなくここがメインかな、と思いお薦めの中からチョイス。 なんでも「リック・スモール氏が造る最後のピノ・ノワール」なんてことがリストに書いてあったけど、 そもそもそんな人知らないので有りがたみは希薄。
 色はピノ・ノワールとは思えない濃さ。 香りは、およそピノ・ノワールとは思えない重さ。香りが重いんですよ、奥さん。 味わいも、ピノ・ノワールとは思えない渋味が勝った雰囲気。 なんだか違うよなぁ、と一人疑問に抱きつつ飲んでると、 徐々に香りの華やかさとか味わいの酸味とかが出てきて「やっぱピノだよね」って感じに変化。
 米国(といっても北の州だけど)らしい押しの強さが前面に出たピノ・ノワール。 師範的にはもう少し軽くても良いから華やかなのが欲しかった。 でも、酒好きのN女史には結構ヒットだったみたいなんでまぁ良いか。
78点"T.Y Harbor Brewery"にて

Sunset Road Merlot 2002
サンセット・ロード メルロー 2002
Sunset Road
サンセット・ロード
Red
Columbia Valley (USA)
コロンビア・ヴァレー (アメリカ合衆国)
(\3,500)2004/11/25 T.Y.Harbor Brewery オルカ・インターナショナル
 ほんでもってぼちぼちラストオーダーって時にもう一本赤を。 己らの血中アルコール濃度と前のワインの雰囲気から、 ジンファンデルかメルローあたりを眺めつつ、 この期に及んで高級品を頼む考えは毛頭なく、結局全赤ワインのリストから最も安いコレをチョイス。 何を頼むかは、メンバーの皆さんに相談するでなく、店の人に相談するでもなく、 師範が勝手気ままに頼んでおります。
 ボトルが運ばれてきて、そのラベルのあまりの安っぽさにちょっと落胆。 でも店売り3,500円だからね、きっと酒屋での小売価格(があるとすれば)は多分1,000円台、 それも致し方ないところかと。 色は普通の濃い紫で、香りはこれがメルローかと思うとちょっと違うような、 なんとなくカドのあるような雰囲気。 味も、香りの印象に違わずややエグミがある。 でも、飲めないかってぇとそんなことは全然なくて、 アルコールも廻って話に夢中な我々にはこれで十分という感じもなきにしもあらず。
 とりわけ美味いワインじゃ無いっす、というか、一人で飲み干すのはちょっと難しいかも、ってワイン。 でもまぁそんなもんでしょう。話に夢中で誰も気にしちゃいませんし。 そういった意味でも安いのをチョイスしたのは正解でしょう。
69点"T.Y Harbor Brewery"にて

 お会計は4人分トータルで30,000円弱。消費税込みでサービス料は無く、 頼んだ酒と料理の金額合計そのままの値段。 こういった判りやすさが外人さんにもウケてる理由の一部な気もした。 ともあれなかなか雰囲気もあってワインも楽しめる良い感じの店でした。 運河沿いのテラスで食事ができる暖かい時期にでもまた来たいな、と。


23日(火祝)

Mountadam Barossa Shiraz 2001
マウントアダム バロッサ シラーズ 2001
Mountadam Vinyards
マウントアダム・ヴィンヤーズ
Red
Barossa (Australia)
バロッサ (オーストラリア)
\1,8902004/10/14 成城石井 横浜ルミネ店 ヴーヴ・クリコ・ジャパン
 本日は勤労感謝の日。己の勤労に自ら感謝しつつ、 料理は真鯛のカルパッチョ、ハンバーグのガーリックソース(つけ合わせは焼きパプリカ)。 カルパッチョにバルサミコ酢をかければ濃い赤でもオッケーでしょ、 ってことで選んだワインは豪州産のシラーズ。 造り手のマウントアダムは、夏の「高ワイン道場」でシャルドネと稽古しており、 かなり好印象。この赤はアルコール度数14.5%、気合は入っていそうなんで味わいのほうもも頑張ってくれよ、と。
 色は、想像通りグラスの向こうが全く透けない濃い青紫。 香りは、いかにも豪州シラーズな、ミントのように涼やかな果実香がギュギュッと凝縮した感じ。 良いですなぁ、この香り。ボリュームもなかなか大したもの。 こういう香りだと味はガツンと濃いのを想像するけど、口に含んだ感じは案外柔らかい。 甘味を頂点としたカドの取れた小さめな三角錐を口腔内で描く。 で、「このあとババーンと来るぞ来るぞ」と期待して待っていると、 そのまますんなりと消え入ってしまう。そこらへんが若干拍子抜けではある。
 とはいえ2,000円以下のワインとしては特筆すべき内容。 マウントアダムって造り手は赤白ともなかなかやりますなぁ。 山と鷲の絵柄、覚えておいて損は無いかも。
82点自宅にて

21日(日)

Pernand-Vergelesses 1996
ペルナン・ヴェルジュレス 1996
Dom. Pavelot
ドメーヌ・パヴロ
Rouge
Pernand Vergelesses
ペルナン・ヴェルジュレス
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,7512004/10/09 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日もまた朝から近所のプールに行ったり、 午後からスーパー銭湯へ行ったりでのんびりと過ごして。 夕食は、冷蔵庫にある食材を使ったハム/ベーコンと野菜の炒め物、 茹でブロッコリー、フランスパン。食後はチーズを少々。 ワインは、先日「ヴェリタス」でネット購入した中の最後の一本、 1996産とちょっと古いペルナン・ベルジュレス。
 色は、「熟成」ってほどじゃないけど、 なんとなく素な紫色よりほんの少しレンガ色がかった気がする色合い。 香りは、ボリュームの面ではちょっと閉じ気味。 傾向としては、若い頃の果実香から妖艶なケモノ香に変化したばっかり、という感じ。 味のバランスはなかなか良い感じ。もちろん酸味がメインで、それほど迫力は無いけど、 それを酸っぱい/物足りないと感じさせない別の要素がまわりにあって、 焦点のボケがない締まった感じの味わい。
 時間が経ったらもう少し香りのボリュームが改善するかと思ったけど、 特にそういう嬉しい変化も無く、かえって味が痩せたんで早めに飲んだほうが良かったみたい。
 そこそこ期待通りではあるけど、やっぱり1996年だと谷の時期なのかなぁ。 それともそもそもこのクラスだと10年も経つとこのままお亡くなりになっていくんだろうか? このあとにもう一山ありそうな気はするけど。
76点自宅にて

20日(土)

Chardonnay - Pinot Grizio delle Venezie 2002
シャルドネ - ピノ・グリージョ デッレ・ヴェネツィエ 2002
Principato Vigneti
プリンチパート・ヴェニェティ
Bianco
Chardonnay - Pinot Grizio delle Venezie (IGT)
シャルドネ - ピノ・グリージョ デッレ・ヴェネツィエ (インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\1,0802004/10/14 ザ・ガーデン 横浜そごう店 光が丘興産
 午前中は近所の市営プールで泳いで、午後はワインやらいろいろ買い物して、という一日。 夕食のメニューはマグロのカマの香草焼きとブロッコリーのサラダ(というか茹でただけのブロッコリー)。 主食をパンにして、パンにつけるのを(今日買った) ちょっと良いオリーヴオイルにしたんだけど、 キモチ濁ったような緑色の濃いネットリした液体で、これがなかなかパンとの相性が良いですな。 もちろんエシレとかのバターでも良いけど、こっちの方がヘルシーな感じがするし。
 で、ワインもオリーヴ・オイルっぽいボトル外観の一本を。 中身の色は、良質のオリーヴ・オイルなんかと比べれば無色とも言えるくらい淡い色合い。 香りは、弱いながらも雰囲気は結構良い。 いかにもフレッシュなイタリア産って感じで、 青リンゴのような清冽な香りがスッと来る。 味も香りの印象に違わず、軽いながらもフレッシュな清冽さがシュッと。 かといってそれなりに存在感もあったりするあたりがなかなか芸達者。
 とりわけどうということも無いけど、 1,000円強でこの内容だったらまずまず文句の無いところじゃないかな? もちろんコッテリ重々なワインを求める局面では使えないだろうけど、 日本人の普段の食卓には相性が良いと思うし。
72点自宅にて

18日(木)

Beaujolais 2003
ボージョレ 2003
Claude Bernardin
クロード・ベルナルダン
Rouge
Beaujolais
ボージョレ
Bourgogne (France)
ボージョレ (フランス)
\1,1902004/10/14 成城石井 横浜ルミネ店 成城石井
 11月の第三木曜日は、ワイン好きな方なら誰でも知ってるボージョレ・ヌーボーの解禁日。 というわけで、師範もボージョレを飲んでおります。 ただ、世間様と若干異なるのは、2004年産のヌーボーではなく昨年のボージョレってこと。 ま、細かいことは気にしない気にしない。 ちなみに料理は、ソーセージと玉ネギとエノキの炒め物、トマト。
 色は普通に紫。ブルゴーニュっつってもボージョレあたりだとかなり青みが強いですな。 香りは、ヌーボーに良くあると言われるバナナの香りがバンバン。あとワキガっぽい匂いも。 バナナ香って、マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬法)に由来するものだと思っていたけど、 ヌーボーじゃない普通のボージョレもこの方法が使われるんだろうか? 勉強嫌いゆえそういうことも知らない師範。 で、なぜ炭酸ガス浸漬法だとバナナの香りがするか考えたら、 「そういえばバナナって炭酸ガスで色付け(追熟)するんじゃなかったけ?」と、 極めてそれらしい解を見つけた気がしたけど、調べて見たらバナナに使われるのはエチレンガス。 おぃおぃ違うじゃん。
 閑話休題、味は、13.5%という高いアルコール度数であるにも関わらず甘味の残った味わい。 一口目は良い感じなんだけど、飲み進めるとちょっとクドく感じてしまう。
 世紀のヴィンテージといわれた2003年産ボージョレ、確かに評判どおりのポテンシャルはあると思った。 でも、パワフルさゆえヤヤもすれば飲みづらく感じるACボージョレってどうなんだろ? あたしゃもっと軽くて可愛らしい方がそれらしくて好きだけれども。
69点自宅にて

17日(水)

Terre dei Grifi 2003
テッレ・デイ・グリフィ 2003
Fontana Candida
フォンタナ・カンディーダ
Bianco
Malvasia del Lazio (IGT)
マルヴァジーア・デル・ラツィオ (インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Lazio (Italia)
ラツィオ (イタリア)
\1,0802004/11/04 Queen's Isetan 品川店 モンテ物産
 本日の夕食は、カツオのタタキ、ロースハムのコールスローサラダ、納豆ご飯。 それはそれはヘルシーなメニュー。 ワインもヘルシー路線で軽そうな白を、ってことでコレを (もちろん軽いワインだからヘルシーってことじゃないと思うけど)。 モノは、フラスカーティやエスト!エスト!!エスト!!!といった、 安イタリア白の代名詞たるワインの産地、ラツィオ州の産。 この造り手のフラスカーティは随分以前に稽古済み。 ボトルやラベルはちょっと重厚感があるけど、 血は争えずきっと軽いっしょ、ってことで。 今日のメニューでコッテリ重樽なやつだとちと困るし。
 色は普通の白ワインの色、2003という若さを考えればやや黄色みが強いかも。 香りは、残念ながらほとんど無い。 ほんのり感じられるのはフレッシュさとは違う飴のような雰囲気。 味は、口に含んだ瞬間はとてもとても軽い。 でも、アルコールとも旨味ともつかない後味が、ビヨ~っと幅を利かせるのでなんとも表現しがたい。
 抜栓後1時間半くらい経った時点で、 そもそもの料理は終わってチーズ(コンテ)と一緒に。でもワインの印象は変わらない。
 なんだか安ワインにアルコールと旨味調味料を加えたような味わい。 もちろんそんなこと無いんだろうけど、ちょっぴり違和感があることは否めない。 正直言って歓迎できない雰囲気だけど、劣化ではないと思う。
66点自宅にて

14日(日)

Chateau les Bruelles 2000
シャトー・レ・ブリュエル 2000
Ch. les Bruelles
シャトー・レ・ブリュエル
Rouge
Premieres Cotes de Blaye
プルミエール・コート・ド・ブライ
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\833 (6本セット\5,000 / 単品価格\1,134) 2004/10/09 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 一泊二日の慌しい九州帰省から帰ってきた夕方、 夕食はフランスパン、キャベツとハム/ソーセージのニンニク炒め、 キャベツとニンジンのコールスロー+トマトのサラダ、この時に貰ったカマンベールチーズ、という簡単メニュー。 ワインは、6本で税込み/送料込み5,000円セットの最後の1本で、単品価格は一番高かったボルドー産。 今回買ったセット、単品価格の合計が6,021円、送料が577円なんで、普通に買えば6,598円、 (輸入元が小売しているのになぜか付いてる)輸入元希望小売価格の合計と比較して「57% Off」なんて書いてあるけど、 実際は約25%Off程度。
 さて抜栓。まず気持ち良いのが、コルクの裏の色。2000年なんてまだ若いのに、 びっしりと紫色で若干ビロードのような毛ばった感じに。こういうのって「良いボルドー」な気がする要素の一つ。 実際の色もしっかり濃い紫色。 香りは、ボリュームこそかなりおとなしめだけど、 カシスのような果実香と燻したような香りがあって、 いかにもボルドーな雰囲気。 味は、いわゆるボルドーから考えれば軽くてヘラッとした感じ。 でも、相手が軽めの料理なんで、これくらいで丁度良かったのかも。
 1,000円未満で入手したボルドーとしてはかなりお買い得感がある。 でも、このAOCって「冗談だろ」ってくらいしっかりした無名ワインがいろいろあったりするから、 2000年産ってこともあいまってそういうのを期待するとハズされる。 5,000円セット全体の印象としては、 ロワールの赤がやたら入っていてややバランスは欠いた感じはあるけど、 そこそこ期待通りの内容ではあったと思う。
72点自宅にて

12日(金)

 本日は、毎年恒例、岡山の
へんさん を迎えての飲み会。 参加者は、主賓へんさん、 光弘さんとマダーム、 Webグルメ界の重鎮さとなおさん、 がぶ嬢改めがぶ主さん、 磯子さん、師範の7名。

 場所は、毎年会場にしていたAu Gout du Jour (オー・グゥ・デュ・ジュール) が日本橋に新しく出した店、Au Gout du Jour Merveille(メルヴェイユ)というところ。 東京駅の八重洲口から海側に歩いてちょっと、日本橋高島屋のとなりの区画、 知らずにいったんじゃちょっと分りにくいところにある店。
 店の中は、本店と比べるとやや暗めの照明で、どちらかというとモノトーンっぽい配色。 席は、フロア中央の両側にテーブルが2列、多分24席くらい。 それぞれの列の間が広めで、全体にゆったりした印象のある空間。 それ以外に、4~6名用の小さな個室スペースもあった。
 例によって今回のシステムも、料理のコースとチーズ、 乾杯のシャンパン1本、 持ち込み料からサービス料からコミコミで1万円でやって頂いて。 前菜2品とメインは選択肢(二者択一)あり。

 で、師範が頼んだ料理の内容は以下。
アミューズ:ベーコンの入ったクリームブリュレ、魚の練り物が入ったシュー
前菜1:タラバ蟹と帆立貝をサーモンで巻いて、キャビアを乗せてカブのソースで(写真左上)
前菜2:ブータンノワールのパイ包み焼き、バルサミコ・ソース
メイン(魚):イトヨリのポワレ、下には牡蠣の入った魚介のリゾット
メイン(肉):ウズラのパイ包み焼き、生野菜を添えて(写真左下)
チーズ:エポワスセミハード(銘柄失念)、ブルー(銘柄失念)
デザート:ココナッツのプリンとアイスクリーム
お茶:エスプレッソをダブルで、お茶菓子、最後にハーブティー
結果的に師範は比較的おとなしめのチョイスだったんだけど、それでもなかなかインパクトのある料理。 特にウズラは美味しかった。 他の選択肢は、前菜1がベーコン風味のブランマンジェ、前菜2がソーセージ、 メインが豚ほほ肉のコンフィ。 ちょっとだけおすそ分けして貰ったんだけど、 ソーセージの豚っぽくてスパイシーな感じとか、コンフィの柔らかくもカリッとした焦げ目とか、 そんじょそこらでは味わえない強烈なインパクト。大変おいしゅうございました。

 前述のごとくワインは、シャンパンと食後酒以外はすべて持ち込みで。

Mumm "Cordon Rouge" Brut N.V.
マム "コルドン・ルージュ" ブリュット (ヴィンテージ無し)
G.H.Mumm & Cie
G.H.マム & コンパニー
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champane (France)
シャンパーニュ (フランス)
\---2004/11/12 メルヴェイユ サントリー
 乾杯のシャンパーニュはお店に出して頂いたもの。 こういう店に来ると、料理のみならずワインも普段飲めないような (業務卸しかしてないような)モノが飲みたくなるじゃないですか。 そんな期待の中、あまりにありがちなメジャーどころのシャンパーニュが出されたのはちょっと残念といえば残念。 でもまぁ所詮7人で飲む最初の一杯、あまり気にしません。
 見た目としては、やや麦わら色が強そうなんだけど、 香りはどちらかというとレモンのような柑橘系の雰囲気がメイン。 味は、典型的なメジャーどころのシャンパーニュ。 強いて特徴を挙げればやや酸味は強いかもしれない。
 要は、色も香りも味も大局的には普通のシャンパーニュであります。 でも、シャンパーニュっていうだけで師範レベルの「普通」から比べるとかなり上だからね。
(73点)レストラン「メルヴェイユ」にて

Meursault 1988
ムルソー 1988
Robert Ampeau & Fils
ロベール・アンポー&フィス
Blanc
Meursault
ムルソー
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
がぶ主さんより AMZ
 白の1本目はがぶ主さんのお持込みで、15年以上も経った古いムルソー。 造り手(ネゴシアン)のロベール・アンポーは、そういう古いのを良く出すところ。 1988年のブルゴーニュの作柄がどうなのか知らないけど、 単なる村名の白が15年持つのか大変興味深いところ。
 色はさすがにかなり濃い。当日運搬だったんだけど、全く濁りのない済んだ黄金色。 香りは、シェリーのような退廃的な香りがいっぱい。 漬物樽のような、どこか生臭い木の香りもある。 味も香りの印象通りで、やや過ぎた熟成感が顕著。 なんとなく、(ポタポタ焼きのキャラクターみたいな)小柄なおばあちゃんを想像。
 決してダメになってはないです。こういうのが好きな人も居ると思います。 ただ、師範の嗜好とはややずれていて、 このワインの年齢の半分くらいの時期に成仏させてあげたほうが良かったんじゃないか、という印象。 何にも知らずに買ったワインがコレだったら、 恥ずかしながら師範は「劣化してるんじゃ?」という疑いを持ちそう。 ともあれ珍しい経験をさせて頂いてありがとさんです>がぶ主
(69点)レストラン「メルヴェイユ」にて

Riesling Grand Cru Pfersigberg 2001
リースリング・グラン・クリュ フェルシグベルク 2001
Gerard Schueller et Fils
ジェラール・シュレール・エ・フィス
Blanc
Alsace Grand Cru Riesling
アルザス・リースリング
Alsace (France)
アルザス (フランス)
さとなおさんより ラシーヌ
 白の二本目はさとなおさんがお持込み、 アルザスの自然派造り手ジェラール・シュレールのリースリング。 アルザスは結構好きで(安いのは)いろいろ飲んでるつもりの師範だけど、 この造り手は初めて。
 注いでもらってまず色にビックリ。上のムルソーとほとんど違いのない濃い黄金色。 なんで?2001年産のリースリングでどうしてこんなに色が濃いの?と不思議なキモチ。 香りは、揮発油っぽいとーっても華やかな香り満載。 ちょっとライチっぽい雰囲気もあって、ブラインドで飲まされたら師範は 「ゲヴェルツトラミネールですかな?」なんて知ったかぶって答えそう。 で、香りはこんだけ甘げな華やかさがあるんだけど、 味はキュッと締まった酸が主体なあたりがいかにもアルザス産。
 師範の考えるアルザスの良さをギュギュッと凝縮した感じで思わずニンマリ。 料理と合わせて一本飲むには若干派手過ぎな香りかもだけど、 こういう一杯だけの場ではインパクト十分でOKオッケー。
(82点)レストラン「メルヴェイユ」にて

Chambolle-Musigny 2000
シャンボール・ミュジニー 2000
Dom. G. Roumier
ドメーヌ・G・ルーミエ
Rouge
Chambolle-Musigny
シャンボール・ミュジニー
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\5,0832004/09/04 サンタムール カツミ商会
 師範が持参したのは、人気の造り手「ジョルジュ・ルーミエ」の村名シャンボール・ミュジニー。 そこそこ手頃な値段で売られていたのでガラにも無く買ったは良いけど、 「名前を知らないとあまり意味の無い破戒ワイン」を飲む機会は無く今に至り、 丁度良いやってことで持参したもの。 稽古範囲を大きく超える値段ゆえ(といっても今日の持ち寄りの中では安め?)、 村名とはいえそれなりの内容を期待しつつ。
 色はブルゴーニュらしいと言えばらしい、やや明るめの赤紫。 香りは、フレッシュな木イチゴっぽい香りやらバニラっぽい樽香やらがあってまずは合格。 ほんのり硫黄っぽい香りもあったけど、それは程なく飛んでいった。 味もちゃんとしている。でも、ちゃんとはしているもののやや平板でやや軽め。 もちろん、単なる村名格付けと思えばそんなもんだろうけど。
 悪くは無い、というか普段師範が飲んでるワインなんかと比べれば相当イケている。 でも、5,000円もすると思うとそのうちの何割かは「名前の値段」かなぁと思わざるを得ない。 師範の印象としては『そこそこ良く出来た村名シャンボール・ミュジニー』止まり。
(79点)レストラン「メルヴェイユ」にて

Clos de la Roche 1997
クロ・ド・ラ・ロッシュ 1997
Dom. Hubert Lignier
ドメーヌ・ユベール・リニエ
Rouge
Clos de la Roche (Morey Saint-Denis Grand Cru)
クロ・ド・ラ・ロッシュ (モレ・サン・ドニ 特級畑)
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
光弘さんより ラック・コーポレーション
 対するブルゴーニュの赤、光弘さんお持込みの一本目は、 モレ・サン・ドニのスター・ドメーヌ、ユベール・リニエの特級畑クロ・ド・ラ・ロッシュ。 格が違うよなぁ、今買うとしたらきっと2万は下らないよなぁ、という一本。 もちろん、格下を持ち込んで格上を飲めるのは大ラッキーなわけでありますが。
 色は、ちょっとブルゴーニュとは思えない、気持ち茶色がかった濃い紫色。 香りは、グラスに注いで頂いてすぐは、埃っぽい雰囲気はあるものの果実っぽさは上がってこなくて、 上のルーミエが「香りは勝ったかな?」と思えるくらい。 ただ、味には歴然とした差があって、噛む様な果実味がなんとも心地よい。
 グラスに置いといたらあっという間に開いた。 甘い果実香やらカラメルのような樽香やらがドドーッと。 香りも味もどれをとっても高級ブルゴーニュの雰囲気満載に変化。
 1997年のブルゴーニュ赤って、あんまり良い作柄じゃなかった印象があるけど、 やっぱ一流は違いますな。参りました。 今飲んでももちろん美味かったけど、 あと10年くらいは平気で持ちそうな雰囲気。
(91点)レストラン「メルヴェイユ」にて

Barbera d'Asti Superiore 1999
バルベーラ・ダスティ・スーペリオーレ 1999
La Spinetta
ラ・スピネッタ
Rosso
Barbera d'Asti
バルベーラ・ダスティ
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
磯子さんより 八田
 毎回イタリアのナウな造り手のものを持ち込んで頂いている磯子さん、 今回はピエモンテのラ・スピネッタ。 サイの絵が描かれた特徴的なラベルは、雑誌やらでは見かけたことがあるけど、 当然飲むのは今回が初めて。
 色は、上の猛烈ブルゴーニュが相当濃いと思ってたけど、 それより遥かに目の詰まった濃さ。 香りは、ぱっと嗅いだらイタリアらしいアセロラのようなツンッと刺激的な香りがあって、 深く嗅いだら焦がした樽とミルクっぽさと凝縮した果実香がトロンと。 味は、深く嗅いだ香りの印象に近くて、トロッとしてて甘味も乗ってて四の五の言わずに美味く感じられる味わい。
 好きです、こういうの。ややストレートではあるけど、 「ストレートのどこがいけないんだ?」と聞かれたらスイマセンと謝るしかないような、 そういう自信に満ちた押しの強さがあった。
(86点)レストラン「メルヴェイユ」にて

Chateauneuf-du-Pape "Cuvee Speciale" 2001
シャトーヌッフ・デュ・パプ "キュヴェ・スペシアル" 2001
Tardieu-Laurent
タルデュ・ローラン
Rouge
Chateauneuf du Pape
シャトーヌッフ・デュ・パプ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
へんさんより AMZ
 主賓へんさんのお持込みは、 ローヌの盟主ジャン・タルデュとブルゴーニュの暴れん坊ドミニク・ローランの合弁?造り手タルデュ・ローラン。 師範は昨年、この造り手の単なるACコート・デュ・ローヌを飲んではからずも感動。 これはその上級版、アルコール度数は実に14.5%、当然大期待。
 色は上のバルベーラ・ダスティとほとんど違わない。 同じ形のグラスに注いで貰ったんだけど、色だけだったら見分けが付かない。 香りは最初閉じまくり。スワリングするうちに徐々に開いてきて、 師範が最初に感じたのは「ヨーロッパの空港」の香り。 ヨーロッパの空港って、 日本から飛行機に乗って降り立つといろんな人の香水があちこちからほのかに漂ってくるじゃないっすか? あの感じがした。 でもそれも一瞬、その後はいわゆるローヌらしいスパイシーな果実香がバンバン出てきた。 味は、トロッとしてて甘味も乗ってて四の五の言わずに美味く感じられる味わい ・・・って上と同じやないかい!
 とにかく鳴り物入りで登場して、こんだけのパフォーマンスを発揮する造り手ってのは凄いなぁ、と。 トラディショナルなローヌとは違うかもだけど、 そういう歴史を知らない師範にはただただ「美味い」。
(86点)レストラン「メルヴェイユ」にて

Chateau Palmer 1989
シャトー・パルメ 1989
Ch. Palmer
シャトー・パルメ
Rouge
Margaux (3e Grand Cru Classe)
マルゴー (メドック3級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
光弘さんより インポーター不明(Peter A. Sichel)
 光弘さんお持込みのもう一本は、無く子も黙るマルゴーの大看板、シャトー・パルメ。 ヴィンテージも良年の誉れ高い1989年。 パルメとは、以前に1982のマグナムと稽古済み、 (酔っ払いだったんで点数こそアレだけど)文章を読むと大感動している様子。 やっぱり良いボルドーは熟成させてナンボっすからね。
 色は前の2本同様濃いけど、色調がかなりレンガ色っぽくなっていてさすがに15年前のものといった佇まい。 香りも期待通り。煮豆のような黒蜜のような、熟成ボルドーに期待する香りがキッチリ。 味も、まろやかたおやかでこれだけの年月を経ないと出せない雰囲気がいっぱい。
 と、確かにとても美味しい熟成ボルドーではあったけど、 惜しむらくはそれが想像の範囲内だったこと。 リニエや前の2本は延髄で美味くて、このワインはどちらかというと大脳で美味い。 なーんて贅沢なもんですな。
(85点)レストラン「メルヴェイユ」にて

 気が付けば時計の針は11時を回っていたり。 でも、良いワインは良いですな。一人1本半弱飲んでてもスッキリ酔えていて、 帰ってからも「更新しよ!」という気になるからね。 ともあれ皆さんありがとうございました。またよろしくであります。


11日(木)

Cabernet-Sauvignon "Reserve Berthomieu" 2002
カベルネ・ソーヴィニョン "レゼルヴ・ベルトミゥ" 2002
D. de Virginie
D.ド・ヴィルジニ
Rouge
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\1,0802004/10/11 ザ・ガーデン東戸塚店 東亜商事
 本日の夕食は、鶏の骨付きモモ焼き、鶏レバーの照り焼き、砂肝と玉ネギの炒め物、 キュウリとトマトとベビーリーフのサラダ。 血の気の多そうな肉メインなんでワインは赤を。 現在道場在庫は赤白泡合わせてたったの6本、その少ない中からチョイスということで、 選んだのはレゼルヴ・ベルトミゥのカベルネ・ソーヴィニョン。 白が気に入ったんで買ったんだけど、白くらい高品質だったら言うことなし、で。
 色はまずまず普通に濃い青紫。香りはなかなか上等。 カシスのような(正確にはカシスリキュールのような)香りがヒューッと来るし、 薄っすらと樽香も感じる。 味は、正直に言えば「ストレートなカベルネ醗酵果汁」。 渋味とか甘味とか酸味とか、どれかがNGなわけじゃ無いんだけど、 総体としてあまりにも若い。
 抜栓後3時間くらい経っても、この若さがこなれる感じは無かった。
 ポテンシャルは十分に高いし、 楽しく飲めはするけど白に比べるとちょっと飲むのに抵抗を感じる。 白だったらフレッシュさにおいて若きゃ若いほど良いんだけど、 赤だとちょっとねぇ、ってところ。 女性は(子供を除けば)フレッシュであればあるほどいいけど、 男性はフレッシュなだけじゃねぇ、ってのと同じか? やっぱ違うか? っていうかそれはセクハラか。スミマセン。
72点自宅にて

9日(火)

Bodega Norton "Cosecha Especial" Extra Brut N.V.
ボデガ・ノートン "コセッチャ・エスペシアル" エクストラ・ブリュット (ヴィンテージ無し)
Bodega Norton
ボデガ・ノートン
Espumante
発泡
(Argentina)
(アルゼンチン)
\1,9952004/10/24 エノテカ横浜三越店 エノテカ
 道場開設から早7年半、とうとうトップページのアクセス数が100万を突破。 これで一流(というか生粋の偏屈者)の仲間入りですな。 きっともう師範が生きている間はアクセス数の桁が上がることはなかろう、 ってことでセルフお祝い、本来連続休肝日の2日目を返上して飲むことに。 モノは、エノテカ取り扱いのアルゼンチンの造り手、「ボデガ・ノートン」のスパークリング・ワイン。 品種的にはシャルドネ100%とのことなので、いわゆるブラン・ド・ブランですな。 ちなみに料理は、師範家特製ニンニク照り焼きハンバーグとポテトサラダ。
 色はブラン・ド・ブランらしくかなり薄め。 でも、エキス分がタップリなのかネットリ感が十分で、 立ち昇る泡もゆっくりゆっくりな感じ。 香りはとても良い。グラスの口に鼻を近づけると、 良く熟れた柑橘系の香りがツツーッと刺し込んでくる。 味も良い。第一印象はとにかく「濃い」。 "Extra Brut"なんて書かれているけど、結構甘味も残っているし、 酸味もしっかり苦味もほんのりで、なにより余韻が長い。 やや力まかせな感じがしないではないけど、 力まかせになれるスパークリングなんてそうそう無いと思う。
 スティルワインでも濃いワインを造る造り手だけど、泡もここまで濃いとは思わなかった。 シャンパーニュとはちょっと傾向が違う気もするけど、 これはこれで非常に楽しいワイン。この値段なら迷わず買い。 唯一問題は、ヘンチクリンなボトル形状なんで冷蔵庫でもワインクーラーでも(多分セラーでも) 収まりが悪いことか。
80点自宅にて

7日(日)

Coussergues "Cuvee Royale" 2002
クーセルグ "キュヴェ・ロワイヤル" 2002
Dom. de Coussergues
ドメーヌ・ド・クーセルグ
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\1,1342004/10/09 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食はカレイの煮付け、よってワインは白を。 このワインの銘柄および造り手の名前は、 販売店のサイトでは「クーセルジュ」と表記されているけど、 "-gues"を「ジュ」とは発音しないよなぁ、と思い「クーセルグ」と表記した。 でも、自社輸入を行ってるところだからもしかするとソッチが正しいのかも。 品種は、シャルドネ、ソーヴィニョン、ヴィオニエらしい。
 色はかなりしっかりした黄色。香りは思いのほか弱め。 フルーツな感じはあまりせず、蜜っぽい甘げな香りがメイン。 味も香りの印象通り。コクの豊かさはかなりのもの、でもフルーツの爽やかさがあまりない。 「もしやまたブショネか?」とコルクを再度見たら、 屑コルクを集成したものの液面に触れる部分だけ薄切りのコルクが貼ってあるタイプで、 その気泡の一部が黒く変色。 というわけで、なんとなく軽いブショネな気がしないでもないけど、 そうと断定するほど顕著なものではない。
 ポテンシャルは高いワインなんだろうなと思うけど、 若干の不具合があったか、そういう醸造なのかいずれかでフレッシュさを欠いている。 惜しいなぁ。とはいえ一人で十分一本飲めるレベルなんで被害の程度は軽い、 というかペラッペラな安白なんかよりは随分まし。
70点自宅にて

6日(土)

お知り合いのN氏宅で飲み会。

Chardonnay "Reserve Berthomieu" 2002
シャルドネ "レゼルヴ・ベルトミゥ" 2002
D. de Virginie
D.ド・ヴィルジニ
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\1,0802004/10/11 ザ・ガーデン東戸塚店 東亜商事
 最初はビールを頂いたあとコレを。  このワインは一度稽古済み、 非常に高印象なうえ更に安く売っていたので購入。 で、そういうワインを一人で飲むのはなんとなくもったいない?ので、 こういう人様にお出ししてその価値を共有できる機会に登用。
 で、やっぱり非常にコスト・パフォーマンスの高いワインでした。 見た目のトロッと感や、うまい具合に樽香と蜜香が合わさった香り、 こってりとした味わい等、およそ1,000円強のワインじゃない雰囲気。 南仏の産らしく酸味がやや不足していて、なんとなくシマリが無い感じがするトコロはご愛嬌。
 当然ながら初めて飲んだ時ほどのビックリ感はないけれど、 それでも十分満足する内容。 こジャレたスーパーでは結構見かける銘柄なんで、安ワイン者は是非お試しあれ。
78点N氏宅にて

Premier Cru de Beaune "Les Epenottes" 1999
プルミエ・クリュ・ド・ボーヌ "レ・ゼプノット" 1999
Dom. Parent
ドメーヌ・パラン
Rouge
Beaune 1er Cru
ボーヌ1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\3,1672004/09/21 カーヴ・ド・リラックス 日合商事
 持参したもう一本がコレ、ボーヌの1級畑。  3,480円の9%引きで3,167円、税抜き価格だと3,008円、残念ながらギリギリ稽古範囲外。 ヴィンテージは定評のある1999年、造り手はボーヌ側では結構メジャーなドメーヌ・パラン。 結構好印象だったイメージがある造り手だけど、 道場の過去登場は畑名ポマールACブルゴーニュのみ。 どちらもそこそこ、という感じ。
 色は南の良年ブルゴーニュらしく濃い紫。 香りは、木イチゴっぽい香りとケモノっぽい野生の香り、 それと(ややダイレクトな)木の香りがあって、なかなか複雑で面白い雰囲気。 味もそれくらい複雑だといいんだけど、 思いのほかスンナリすっきりな味わいでやや拍子抜け。
 きっちりしてはいるけどややこぢんまり、値段相応って感じかなぁ。 若い頃はピッチピチだった1999産も、そろそろ閉じ気味の時期にさしかかってきたのかも。 もちろんそれでも美味いにゃ美味いんだけれども。
80点N氏宅にて

その後、残り物のボルドー・シューペリュール(銘柄失念)を一杯頂いて。 鴨づくしの料理、大変おいしゅうございました。


5日(金)

Crozes-Hermitage 2002
クローズ・エルミタージュ 2002
Yann Chave
ヤン・シャーヴ
Rouge
Crozes Hermitage
クローズ・エルミタージュ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\1,5542004/10/09 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食は焼き鳥、レンコンのキンピラ、きゅうりスティック。 焼き鳥の内容は、モモ肉、レバー、ハツ、砂肝、豚バラ。 九州出身者としては焼き鳥に豚バラは欠かせません。 で、ワインは昨日に引き続きフランスはローヌの産。 造り手の「ヤン・シャーヴ」は、 エルミタージュの名門「ジャン・ルイ・シャーヴ」と名前は似てるけど特に関係ないらしい。
 色は、昨日のよりはかなり濃い目。 香りもやっぱり一枚上手。ボリュームこそ大したこと無いけど、 ソルダムのようなツンッと鋭利なフルーツ香がなかなかいかしている。 味は、「えっ?これがローヌ」な感じ。 かなり酸が強めで梅の雰囲気が強く、どちらかというと軽めの味わいで、 まるでブルゴーニュのよう。 で、ブルゴーニュでも特級クラスだったらめっけもんなんだけど、 惜しむらくはせいぜいACブルゴーニュのそこそこクラス。
 ローヌっていうと、もう少し野暮ったくもドッシリしたものを想像するんだけど、 このワインはまるでお手頃ブルゴーニュのように軽快かつ軽薄。 どちらかというと昨日のモノの方が期待を裏切らない感じはあるけど、 やっぱりこちらの方がちょっと品があって、 先入観を取っ払って飲めば結構イケるワインだとも思う。
74点自宅にて

4日(木)

Les Grands' Vignes 2003
レ・グラン・ヴィーニュ 2003
Cave de Cairanne
カーヴ・ド・ケランヌ
Rouge
Cotes du Rhone
コート・デュ・ローヌ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\833 (6本セット\5,000 / 単品価格\942) 2004/10/09 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食は、鶏の照り焼きと筑前煮。 ワインは、6本で税込み/送料込み5,000円セットの1本で、ローヌ産の赤。 ワイン名の"Les Grands' Vignes"とは、直訳すれば「素晴らしい葡萄の木」か。 3桁ワインにしては大きく出たな、という感じ。 んなことは別にしても、ラベルの絵柄は細かく高級感があるし、 アルコール度数は13.5%もあるしでちょっと期待できそう。
 色はやや薄めか。向こうの透ける明るめの青紫。 香りは弱めで、ちょっと過熟したイチゴのような香りがある。 プチ師範代曰く「アメリカのイチゴジャムとブドウの匂い」だそうな。 と、ここまでは値段なりだったんだけど、味はちょっとビックリ。 甘いです、ハッキリと。それも嫌味のない自然な甘さ。 それ以外の要素が控えめなんでかえってその甘味が目立つ感じ。
 抜栓後2時間くらい経つと、やや香りにボリュームが出てくる反面、 甘味はそれほど強くは感じなくなる。まぁ味覚に関しては慣れの部分も大きいだろうけど。
 なかなか良いんじゃないでしょうか。 線が細めなのと、ちょっと飲み飽きすることを除けば、 この値段では結構頑張ってるワインだと思う。
72点自宅にて

1日(月)

 伊東へのプチ・レジャーの二日目。

 朝食で並んだ内容自体は特に普通の旅館と変わったところはなく、 焼き魚やかまぼこ、玉子焼き等々といったメニュー。 旅館の朝食って、 大抵の場合は塩気が多いおかずが多く、大抵の場合はごはんをお替りし、 大抵の場合はおなか一杯に膨らむ。そのあたりも一緒。

 食事が済んだら、フルーツ(みかん、メロン、りんご)と抹茶アイスクリーム、 それとコーヒー(エスプレッソ)。 コーヒーがあるあたりが良い旅館だなぁ。 おもわず朝からのんびりしてしまいますなぁ。 というわけで、11時のチェックアウトぎりぎりまでのんびり。 チェックアウトが部屋で清算なのも初体験。

 気になるお会計は、一泊二日28,000円、プチ師範代が5,000円、 冷蔵庫のビール(中瓶)を一本735円。合計61,735円、それだけ。 消費税もサービス料も全て込みこみの超明朗会計。 絶対額としては贅沢な宿だけど、 一流旅館の雰囲気/サービスと料理でこの値段は安いと感じた。 いやホント。

 11時過ぎに旅館を出て、 平日なんで全く渋滞につかまることもなく12時過ぎには小田原に到着。 そこで昼食を。

 小田原といえば寿司であります。 別に寿司の名所ってわけじゃないと思うけど、東伊豆方面へ車で旅する場合、 行きも帰りもだいたい昼頃小田原を通過するわけで、 旅の昼飯っていうと寿司は欠かせないわけで、 ということで師範家的には「小田原で寿司」の確率が極めて高くなっている次第。 今回行った店は、小田原駅の西口側にある時よしという寿司屋さん。 Webでちょろっとサーチして好評判だったのでゴー。
 店の外観はあまりに普通の街場の寿司屋という風情。 店の中も外観通りの雰囲気だけど、 値段表や余計なポスター等がないところがちょっと違う点か(でもテレビはついている)。 カウンター10席、4人掛けのテーブル2つ、それと座敷。 師範らはテーブルに着座。
 とりあえず師範/師範代はそれぞれお決まりの1人前を注文。内容は左写真左上から、
中トロ、鬼カサゴ、
バショウイカ、車海老、酢〆にした鯵、
玉子焼、穴子
あと別皿で鉄火巻き、カッパ巻き
プチ師範代には、サビ抜きでマグロ2貫、白身、イクラ、玉子焼あたりが出てたと思う。
 美味い。姿も美しい。 鬼カサゴの歯ごたえやバショウイカの甘さが特に記憶に残る、 非常にキチンとした寿司。 マトモな寿司は数あれど、こういうキチンとした寿司にはなかなか出会えない。 というわけで追加で5貫(師範/師範代それぞれ1貫ずつ)
〆鯖、赤貝、カワハギの肝合え、イワシ、生ゲソ
 どの寿司もハズレが無くて、それぞれにピシッとした感じがあって、 なんだか高級寿司屋みたい。いやー美味い美味い。
 酒は、最初ビール(キリンラガー中瓶)一本。 追加の段になって、ちょっとだけ飲み足りなかったんで冷酒を注文したら、 これが2合以上もある大きなガラス製のお銚子で出てきて、昼真っからちょっと良い気分 (その後の運転はもちろん師範代)。

 お会計は、トータルで10,000円。納得価格(多分サービス価格)であります。

 昼食の後は小田原城で観光客に鼻で水をかける不機嫌なゾウを見て、 小田原厚木道路と東名高速を渋滞無しで通過して、買い物やらなんやらして帰還。 夕食の時に下のワインを。

Cote Roannaise Reserve 2003
コート・ロアネーズ レゼルヴ 2003
Thierry Bonneton
ティエリー・ボヌトン
Rouge
Cote Roannaise
コート・ロアネーズ
Loire (France)
ロワール (フランス)
\833 (6本セット\5,000 / 単品価格\1,039) 2004/10/09 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 夕食はチャンポン。 師範家ではチャンポンはしばしば食卓へ登場するメニューだけど、 大抵休日の昼とかが多い。 で、今日は朝も昼もたんまり食べたんで夕食は軽く、ってことで夕食に登場。 「汁物にはワインは合わない」が師範の持論だけど、 やっぱり飲みたくなってチョイスしたのがコレ、6本で税込み/送料込み5,000円セットの1本。 先月飲んだコレの高級版。 普通、「レゼルヴ」と書かれた方が熟成期間が長くてヴィンテージがちょっと古かったりするんだけど、 このワインの場合はどこがどう高級かは不明。
 色はとっても若い感じの青紫で、粘性はあまり高くなくサラリとした感じ。 香りは硫黄のような温泉のような雰囲気満載。 もちろん熟したイチゴや梅のような果実の香りもあるけど、 顕著なのは温泉香。伊東の温泉って無臭なんで、 師範の身体に温泉のニオイが付着していた、ってことではないと思う。 味は、甘さほんのり、酸味しっかり、渋味どっさり。 口の中に幕を張るような渋さとストレートな感じにちょっと閉口。
 廉価版と比べて、力が入っているのはなんとなく分かるけど、 どうもその力の入れ具合が空回りしているような感じがしないでもない。 少なくとも師範は廉価版の方が好印象。
69点自宅にて

前月分

by 師範