門下生(2009年報告分)

 百人から居る門下生も、いまやどこでどう精進しておられるんだか、という状態ですが、 これもまた世の流れというもの。のんびりと参りましょう。


2010年
報告分
2009年
報告分
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2000年
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1999年
報告分
1997/1998年
報告分

門下生第百七号イナ殿より。 (報告日:2009年10月12日)
レ・ヴァカンツェ・シャルドネ・フリッツァンテ・デル・ヴェネト

「稽古した日」   2009年11月8日
「購入店」  京橋ワインリカーショップ
「価格」 1,080円
「インポーター」 モンテ物産
「原産国」 イタリア
「使用品種」 シャルドネ

 イタリアの微発泡ワイン、それで100%シャルドネという珍しさで購入。
色合いはシャルドネにしては非常に薄い。 色合いからも想像できるようにシャルドネでありながら樽香は全く無く 味わいも複雑性には欠けるけど、程よいミネラル感とかすかに感じる甘さが心地よい。 少し残して抜栓した翌々日に飲んでみたら、泡がいい感じに抜けていてやっぱりおいしい。 泡に頼るのではなくて素性が良いのでしょうか。

 シチュエーションとしては夏にキンキンに冷やしてクイクイいくのが一番合いそうなので、 「夏に出会えていれば良かった...。」なんてアイドルのありがちな唄のような心境になった。

とはいえ今飲んでも、もちろんおいしいワインです。

---師範より---
 ご報告ありがとうございます。
 「微発泡」に属するワイン、どうも師範は苦手意識があります。 なんか、ロゼ・ワインの存在にも似た中途半端さを感じたり、 スティルワインでもたまにある微妙に瓶内二次発酵しているもの (ジリジリしてイマイチ)の印象とかぶっちゃうんですよね。 だもんで、過去道場ではたったの4本 (コレコレコレコレ) しか稽古経験が無く、それらいずれもが低得点です。 イケてるワインがあるのであれば、その先入観をちょっと改める必要があるかも知れません。
 ともあれご報告ありがとうございました。 来年の夏には(ってそこまで先送りかい!)思い出してみます。


門下生第百六号lys69殿より。 (報告日:2009年9月7日)
シャトー・シャドゥイユ 2008

「種類」 赤
「生産者」 シャトー・シャドゥイユ
「原産国」 フランス
「格付け」 ACボルドー
「使用品種」カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー(比率不明)
「稽古した日」  2009年9月6日
「稽古した場所」 自宅(リヨン@フランス)
「購入店」 NICOLAS
「価格」 4.10ユーロ(533円)

当地のワイン量販店NICOLASで、特売(4.60ユーロからの値下げ)していたACボルドーを購入。

作り手はシャトー・シャドゥイユ(Chateau Chadeuil)。 住所から調べてみるとコート・ド・ブールのようで、マルゴーの対岸になる。

セパージュはカベルネ・ソーヴィニョンとメルロー。 ただ、シャトーのホームページがなく、またラベルにも比率については記載がありません。


当然ボルドーらしい濃いルビー色ですが、ボルドーの一般的な色からすると相対的に薄め。

香り
期待をいい方に裏切って、値段の割に立派な香りを放っている。 樽香、クミンのようなスパイス香が中心。 ただし、グラスに注いでしばらくすると、香りが落ちてくる。 はてさて、早すぎるのか、それともこれが実力なのか。


飲み口は軽め。 適度なタンニンと、若々しい酸味がなかなかいい組合せになっている。 これまた期待をいい方に裏切って、余韻もそれなりにある。

しかし、4.10ユーロでこれだけのワインを飲めるとは思いもしませんでした。 十分楽しめます。 コストパフォーマンス良好です。

---師範より---
 毎度のご報告、ありがとうございます。
 4ユーロ、500円ですかぁ。日本でも500円のワインは買えたりしますが、 ヨーロッパ産だとたいていはスペインのテーブル・ワインまでですね。 あとは怪しげな「輸入ワイン使用」な国産大メーカーものとか。 そのあたりの価格帯は、 パッケージや流通コストを考えると日本でマトモなものが飲める可能性が極めて低いため、 「安ワイン道場」の看板を掲げていながら師範はあまり積極的には稽古しないゾーンです。 そんな価格帯でもアタリと言えるワインが入手できるのは、産地ならではですね。
 というわけで、またナイスなワインがありましたらご報告よろしくお願いします。


門下生第百七号イナ殿より。 (報告日:2009年9月2日)
ロス・アルボリトス ソーヴィニヨンブラン 2008

「稽古した日」   2009年8月30日
「購入店」  カーヴドリラックス
「価格」 950円
「インポーター」 リラックス
「原産国」 チリ
「使用品種」 ソーヴィニヨンブラン

 色合いは透明に近く、非常に薄いイエローグリンーン。

 ソーヴィニョンブランにありがちな、クセ、青臭さが全く無くニュートラルな感触。 かといって水のように平易な味わいではなくて、グレープフルーツ、 青リンゴのような果実味はしっかり残っていて、軸が通っている。

 黙って出されれば、ニュージーランドの上質なソーヴィニヨンブランに間違えるかも。

---師範より---
 ご入門ありがとうございます。
 ニューワールド、特にチリあたりのソーヴィニョン・ブランというと、 バリバリにソーヴィニョン・ブラン風な草っぽい青臭さとパイナップルっぽい甘ったるさがあったりしますが、 ご報告を読みますと結構洗練されている系のようですね。 この銘柄の赤と以前稽古した時、 かなり荒っぽいワインな印象があったんですが、赤と白とでは技術が違うのか、あるいは年々腕を上げているのかもですね。
 ともあれ、安ワインど真ん中な価格帯からのご報告、ありがとうございました。


門下生第百六号lys69殿より。 (報告日:2009年8月22日)
クレマン・ダルザス(Cremant d'Alsace)N.V.

「種類」 ロゼ
「生産者」 レオン・ボール(LEON BAUR;http://www.leon-baur.com)
「原産国」 フランス
「使用品種」ピノ・ノワール100%
「稽古した日」  2009年8月21日
「稽古した場所」 自宅(リヨン@フランス)
「購入店」 直売
「価格」 7.10ユーロ(923円)

 夏休みにアルザス旅行に行った際、アルザスワイン発祥の地と言われるエギスハイムに寄り、ふらっと寄ったドメーヌ直売店で購入。 発泡系は、全くといっていいほど経験がないのですが、白とロゼを購入したうちのロゼを稽古。

泡立ち
きめ細かい泡が立つが、グラスでは弱め

色はロゼにしては濃いめ
ロゼというよりも、薄めた赤と言った方がいいのだろうか

香りは、ピノ・ノワールながらも、 これまで飲んだことのあるアルザスワインに近い柑橘系の果物を煮詰めたような甘めの香り、 ちょっと蜂蜜、バターの香り

味わい
口に入れると、細かい泡が口の中で拡がり舌を包み込む
かなりドライで、赤い果実系の酸味も相まりスイスイ入ってしまう飲みやすさ
ただ、口の奥、喉の入り口の所に何かが残る感じがするのが気になる

この値段で、この香り、この味わいは、結構コストパフォーマンス高いですね
6.80ユーロの白も買ってきてるので、稽古をしたら報告したいと思います

---師範より---
 ご報告ありがとうございます。今度は泡のご報告ですね。
 発泡ワインの価格って、なんだか不思議じゃないですか? 名門ドコロのシャンパーニュはどの造り手も銘柄も押しなべて高い。 だから、あの造り方自体がコスト高なのかな?と思えば、 他の地域では一般に高くない、というかブルゴーニュなんかだとスティルワインと比べて相対的にかなり安い。 ご報告頂いたクレマンなんて、現地価格とはいえ日本円3桁ですからね。 それくらいで美味しいスパークリングが飲めるんですよね。 「ワイン呑み」な人間は、 ぜひシャンパーニュを飲まず彼らのブランド・バリューを下げるべきだと思います ・・・と言いながら先日全く逆の行動を取っちゃったりしてますが。
 ともあれご報告ありがとうございました。 なにより羨ましいのは、「夏休みにアルザス旅行」にサラリと行ける環境だったりします。


門下生第百号盆殿より。 (報告日:2009年7月26日)
トラピチェ カベルネ・ソーヴィニヨン オークカスク 2006
TRAPICHE Cabernet Sauvignon Oak Cask 2006

ワイナリー: トラピチェ
生産地:   アルゼンチン メンドーサ
格付:
タイプ:    赤
品種:     カベルネ・ソーヴィニヨン
インポーター希望小売価格 ¥1,546

○自分のテイスティングコメント

【色合い】
つやのある中くらいのガーネット
粘性、ディスク中程度

【香り】
ブルーベリー、カシス、ブラックチェリーなどを煮詰めたジャムのような感じ
シナモンなどのスパイス
すみれの花
樽香 アメリカンオーク
たばこの葉

【味わい】
アタックはボリューム感があり、熟したタンニンと酸味がバランスよく調和している。
後味にタンニンと苦味が若干残る。

結構レベルが高いです。3000円程度といっても通るくらい。それが約半分の値段ですから。 購入したときに適当に数本セレクトしていただいているので、 1本あたりの値段を知らずに飲んでいますが、調べてみて値段にびっくりしました。

今の季節にはちょっとつらいですが、自家製ブッフブルギニョンを解凍して食べてしまいました。

---師範より---
 3年ぶりのご報告、そして立派なテイスティング・コメント、ありがとうございます。
 トラピチェのオーク・カスク、確かに美味いですよね。 とても判りやすくてサービス精神が旺盛で。 道場でもずいぶん以前に「トラピチェ・マイブーム」が訪れておりまして、 ココとかココとかで 稽古しております。 あれから10年、大した値上がりもせず、 ずっと高品質なワインを供給し続けているとしたら、たいへんすばらしい造り手ですね。
 というわけで、以前は飲んでたけど最近ご無沙汰なトラピチェのワイン、 また注目してみようかな、という気になりました。 ご報告ありがとうございました。


門下生第四十八号柳沢殿より。 (報告日:2009年7月20日)
Chateau Verdignan 1997

「種類」 赤
「等級」 AOC Haut-Medoc Cru Bourgeois
「稽古した日」  2009年7月20日
「稽古した場所」  自宅(千葉県某所)
「購入店」   うきうきワインの玉手箱
「価格」 1869円(税込)

 前回の報告から3ヶ月半たってしまいました。 最近はネット通販でも熟成ボルドーが割と見つけやすくなった感があります。 このワインもその1つ。97年なのであまりいい年ではないよねと思いながら抜栓。

 たまたま前日は同じHaut-Medoc Cru Bourgeoisの別銘柄の98年ヴィンテージを飲んでいたのですが、 印象は全く違いました。こちらはそれほど大柄という印象ではないけれど、 バランスというかフィネスがしっかりとある感じ。 これぞ熟成ボルドーの見本みたいなワインです。 フランスで同じようなワインを買ってももう少し高いと思うので、これはお値打ちでしょう。

 師範もかなり前にこのワインのハーフボトルを同じヴィンテージで稽古されていますが、 今飲んだらまた違う味わいではないかと。オススメです。

---師範より---
 ご報告ありがとうございます。
 確かに、最近90年代後半のボルドーをネットでよく見かけるようになりましたね。 ボルドー以外にもたまにブルゴーニュを見かけたりします。 そういう熟成モノって、結構バクチだったりするわけですけど、 1,000円台だったらバクチの投資も比較的少なめで、 当たったらラッキーですから、乗ってみるのも悪くないですよね。
 ちなみに、柳沢殿ご指摘の師範の稽古はコレですね。 ハーフとはいえ6年前にもうピーク判定してしまっちゃってますな。 まぁこういうことに関しては(関しても?)師範は全くアテにならんのか、 あるいは相当に若いモノ好きかどちからであります。
 ともあれご報告ありがとうございました。また何か光るモノがありましたらよろしくお願いいたします。


門下生第百六号lys69殿より。 (報告日:2009年6月28日)
リースリング ヴァイセーグルント2005
(多分ドイツ語読みだと思うんですが、ヴァイセーグルントが正しい発音か自信がありません)

「種類」 白
「生産者」 メゾン・ツィマー
「原産国」 フランス
「使用品種」リースリング 100%
「稽古した日」  2009年6月27日
「稽古した場所」 自宅(リヨン@フランス)
「購入店」 直売
「価格」 11ユーロ(1480円)

去年の夏休みにアルザス旅行に行ったとき、リックヴィールで買ったリースリング
たしか、蔵で何本か試飲した中で一番気に入ったワインだったはず

初見
ちょっと冷やしすぎだったのか、全く香りも立たず・・・
グラスに注いで温度が上がり始めると、花の香りが華やかにたち始める
そして、マスカットっぽい葡萄の香り
さらに温度が上がると(これが適温?)、こんどは蜂蜜っぽい甘い香りが支配的になる

香りが十分に立ってから、飲んでみると
香り同様、蜂蜜の味が口の中に広がる
蜂蜜の甘みを感じるけど、控えめというか何というかというか、「甘いっ!」という感じではない。
甘みを感じた口の中に、次は酸味が爽やかに広がる
その後には、最初に感じた蜂蜜の味の余韻
ミネラル感もそれなりにある
最初の口当たりは少し甘口、その後は辛口、で余韻でちょっと甘口

まっ、味、香りともに複雑さは感じられないけど、単純/ストレートな美味しさというのか
コストパフォーマンスとしては、合格点をつけられるレベル

たまには良いかな、こんなのも
特に夏には

---師範より---
 ご報告ありがとうございます。初めて白のご報告ですね。
 師範も白はアルザスから入ったクチです、 というかアルザスがきっかけで今日のアホほどワインを飲む師範という人間が出来上がりました。 アルザスって、一般的な傾向として「香りは甘いが味は甘くない」ワインが多いんですよね。 そのあたりがlys69さんの報告からも伝わってまいります。
 これからの季節、機会があれば別の造り手/品種のアルザスも飲んでみてください。 「単純/ストレートな美味しさ」だけじゃない、 もう一歩踏み込んだ美味しさのアルザスもあると思います。 以上、、アルザス・ファン(と言いつつ最近稽古したコレはイマイチでしたが) の師範からの意見でした。


門下生第百六号lys69殿より。 (報告日:2009年6月6日)
ジゴンダス キュベ・ド・ボウシャン 2007

「種類」 赤
「生産者」 シャトー・モンミライユ
「原産国」 フランス
「使用品種」グルナッシュ75%、シラー25%
「稽古した日」  2009年6月5日
「稽古した場所」 自宅(リヨン@フランス)
「購入店」 直売
「価格」 11ユーロ(1430円)

シャトー・モンミライユから招待してもらった、 ワイン個人製造者有志が集まっての試飲即売会で買ったワイン、 ジゴンダス キュベ・ド・ボウシャン 2007を鴨胸肉のローストにあわせてみました

初見
フルーティー…黒系果物…プラムかな、スパイスの香りが中心
味のほうも、爽やかな酸味が口の中に広がった後に、後から甘みが下を包み込む感じ

うん、十分美味しい
鴨と一緒に飲んだら、酸味を殆ど感じなかった
これって組み合わせが良いというのか、はたまた悪いのか
まぁ、美味しく感じたんで、どっちでもいいんだが(笑)

二時間後
基本的に初見の時とそんなに印象が変わらない
香りでは、気持ちスパイスの香りが勝ってるかなという程度
味のほうでは、酸味が少し強くなってるけど、抜栓後よりもまろやかな酸味

いかに早飲みのローヌ系とはいいながら、 ジゴンダスなんで2007年は無謀かなと思っていたんだが、なかなかどうして、 十分に楽しめました

---師範より---
 またまたご報告、ありがとうございます。
 ローヌはねぇ~師範は良く判らんのですよ。 なんかそこそこのワイン飲むと、どれも煮詰めたジャムみたいに甘渋くて、 それに青畳みたいな懐かしくも田舎っぽい香りがプラスされて・・・って印象ばっかりで。 だもんで、適当なコメントが返せませんが、美味しかったんであればなによりでありました。
 ってか鴨胸肉のロースト、そっちの方にも惹かれますです、はい。良いなぁ、リヨンの生活。


門下生第百六号lys69殿より。 (報告日:2009年5月23日)
Marsannay(マルサネ) 2006

「種類」 赤
「生産者」 Domaine Philippe Charlopin-Parizot
「原産国」 フランス
「使用品種」 ピノ・ノワール100%
「稽古した日」  2009年5月22日
「稽古した場所」 自宅(リヨン@フランス)
「購入店」 ドメーヌ直営(?)の店
「価格」 20ユーロ(2600円)

 ドメーヌ直営(?;とおじさんは言っていた)のワイン屋さん(Caveau)で購入。 シャルロパンのみならず、マルサネは初めて。

 初見に向けて…とにかくコルクがキツイ! ソムリエナイフを使っても、結構な力を入れないとコルクが抜けてこない。 前にも、こんなにキツイのあったが…思い出せない。

 で初見。 マルサネは初めてなんで、これがマルサネの特徴なのか、シャルロパンの特徴なのか、 とにかく香りの立ちが凄くて華やか。スパイス、薔薇、あと果物系の香りも少々。 抜栓してからかれこれ一時間、基本構成は変わらず、 かつ弱まらず香りをたててる(4時間経った今でも、さすがに少し弱っているけど、まだまだ元気がある) 味のほうは、さっぱり系ながらなかなかな余韻。タンニン控えめで、酸味が少し勝ってる感じ。 この酸味も喉の入り口まではスッっと行って、そこで酸味を感じジワーっと舌の先まで酸味が拡がり、 酸味の余韻の後、タンニンと果実の甘味ってのかな?がほんのり残って…。

 美味しい!

 でも、いかにシャルロパンとはいえ、村名のマルサネで20ユーロか。 ちょっと高く感じるかな。 美味しいのは確かなんだけど…コストパフォーマンスとなるとちょっと微妙。 当地でこの値段出したら美味しいのは当たり前に近いし。

---師範より---
 連発でのご報告、ありがとうございます。
 フィリップ・シャルロパン・パリゾ、(安ワイン道場のくせに)師範も大大大好きな造り手です。 なんといっても香りが華やかなのが良いっすよね。 そのマルサネが20ユーロってのはこっちで考えるととっても安いです。 楽天で検索すると、安くても4,000円台後半でことごとく売り切れ、残っているのは5,000円以上、 ほぼ倍ですから。 あと、フィクサンやマルサネあたりの北ブルゴーニュって、 以前まではいわゆるブルゴーニュの名醸地とは別物の軽いワインでしたが、 最近は温暖化の影響か栽培醸造技術の進歩か、 ずいぶん良くなってきたように思います。
 というわけで、やっぱり羨ましいですなぁ、リヨン在住って。 悔しいんで、南米や豪州のワインの自慢をしたくなってしまいます。


門下生第百六号lys69殿より。 (報告日:2009年5月18日)
Cotes du Rhone(コート・ド・ローヌ)2005

「種類」 赤
「生産者」 Domaine Martin
「原産国」 フランス
「使用品種」グルナッシュ80%、シラー20%
「稽古した日」  2009年5月17日
「稽古した場所」 自宅(リヨン@フランス)
「購入店」 ワイン市
「価格」 7ユーロ(910円)

 春、秋の2回開催される、個人経営のワイン製造者達が集まるワイン市で購入したワインです。 フランス全国から、100以上のドメーヌ、シャトーが集まるでしょうか。 そこで試飲をしながら、気に入ったワインをまとめ買いしてます。

 このワイン、2007年マコンのワイン品評会で銅賞を受賞しているとか。

 色合いは、コート・ド・ローヌらしく濃い色。 初見はスパイスの香りが中心。 その後、ベリー系の果物を煮詰めたような甘い香りや、皮の香りが弱いながらも出てきます。 なにやら花の香りもする気がするのですが、断言できるほどスキルは高くありません。 味のほうは、コート・ド・ローヌらしく、タンニンと酸味がパワフルに舌を襲います。

 軽く冷やして飲むのが吉なワインで、普段飲みには十二分な味です。 なんてんたって、安いのが嬉しい。ブルゴーニュのACには全く引けを取りません。

---師範より---
 ワインの本場フランス、それもブルゴーニュやローヌに程近いリヨンからのご入門、ありがとうございます (lys69殿のワインやレストランに関するサイトはコチラです)。
 まずなにより羨ましいのは、その「個人経営のワイン製造者達が集まるワイン市」の存在です。 そういうのがあったらオトナ買いしちゃうだろうなぁ。 それで値段1,000円以下の美味しいワインに当たっちゃったりするとたまらんですね。 ラベルを見ても、なんだか高級感があるし"Vin Non Filtre"とか書かれているし、 美味しげな要素タップリです。
 このワインが日本に輸入されているかは微妙(多分無い)ですが、 本場の状況が伝わって大変参考になります。 今後も現地の雰囲気が感じられるご報告、よろしくお願いします。


門下生第四十八号柳沢殿より。 (報告日:2009年4月5日)
Bourgogne Pinot Noir 2006
Domaine Michel Noellat et Fils

「種類」 赤
「生産者」  Domaine Michel Noellat et Fils
(正確にはNoellatのeの上にウムラウトがつきます)
「稽古した日」  2009年4月5日
「稽古した場所」  自宅(千葉県某所)
「購入店」   ヴェリタス
「価格」 1800円

 5ヶ月ぶりの報告です。
 最近いいなと思うワインは大抵破戒価格で (ってそんな価格帯のワ インはたまにしか飲みませんが)、 なかなか報告する機会がないと 思っていたところ、久々にCPの高いワインを稽古しました。 師範も良く利用されているヴェリタスで1800円の共同購入にリストアップされている銘柄。 今は2007年ヴィンテージを売ってます。 この造り手、ワタクシ的には馴染みがあります。3年余り前、 オランダに住んでいた時にブルゴーニュへ家族旅行に出かけたのですが、 ヴォーヌ・ロマネ村の広場のすぐ近くにあるワイン屋で沢山置いていたのがこのミシェル・ノエラ。 もしかして同じファミリーの経営なのかも。ということで3年ぶりの稽古であります。
 色はブルゴーニュとしてもやや明るめ。香りはいかにもACブル、 ゴムとか革のニュアンス強し。味わいはかなり酸味が立っているのだけれど、 酸っぱいだけではなくてストラクチャーがある程度大きく、かつキッチリしている印象。 ミシェル・グロあたりにも通じる雰囲気があり、 いかにもヴォーヌ・ロマネ村の造り手らしいワイン。
 ということで、ヴォーヌ・ロマネの村名クラスっぽいワインがこの価格で手に入るというのは、 ポイントが高いと思います。

---師範より---
 お久しぶりのご報告、ありがとうございます。
 ブルゴーニュで1,000円台でアタリのワインとなると、 正直なかなか出会えないですよね。 というかアタリもなにも1,000円台のブルゴーニュ自体 (アリゴテやパストゥグランを除けば)少ないですからね。 そんな厳しい状況の中、村名クラスに比肩するワインに出会われたのはラッキーではないかと。 ちなみに道場では2003年と稽古しております。 傾向は違いますが、ご報告同様なかなかの内容だったようです。
 というわけで、今後ともよろしくお願い申し上げます。


門下生第六十一号ちんちくりん殿より。 (報告日:2009年3月29日)
BOURGOGNE HAUTES COTES DE BEAUNE 2001
DOMAINE CHEVROT

「稽古した日」 2009年3月28日
「稽古した場所」 横浜の我が家
「購入店」 平野弥さん 500円
「原産国」 フランス
「使用品種」 ピノ・ノワール

 実に1年半ぶりくらいのご報告になりますでしょうか?お久しぶりです。師範殿。 最近、なぜかまたパソコンをいじってみようという気になり、早速、懐かしい道場を訪れたところ、 師範殿の最近お試しになったワインの評の中で、過去の門下生報告 第六十一号に触れていただき、 じゃあまた書いてみようと思い立ちました。 仕事柄、いまでも毎日ワインを飲んでおりますが、 現在は、ワインが仕事になってしまった関係で投稿を控えさせていただいておりました(言い訳)。

 さて今回のワインですが、ご近所でもあり、また同い年の気安さから時折購入しておりました酒屋さんが、 道路拡張で立ち退きとなり、膨大な在庫の処分、整理のため、 ご自分の気に入らない味わいのワインをお友達価格大処分でお投げになった時にすかさずショートバウンドで掬い取ったワインでございます。 「なかなか美味しくならないし、次の店ができるまでの保管に値する価値がないから」とのことでこのお値段。

 なんか、そんなんじゃ師範殿が追体験出来ないんですが、 VT違いでお安いのを見つけられましたら是非お試しください。また、既に、よくご存じの場合もご容赦ください。 もろもろ、在庫処分品何十ケースか購入したワインの中では、このワインだけが、 この酒屋さんのおっしゃる通り、美味しくない酸っぱいだけのワインのようでしたが、 我が配偶者がこの手の酸っぱいだけのブルゴーニュも好きで、最近は晩酌に登場する機会も増えて参りました。 昨日、いつものように酸っぱいだけのワインでも付き合うか、と重い腰を上げて抜栓したところ、 意外にも美味しくなっておりました。我が家の早期熟成庫のせいか、 はたまた自家製豆腐ハンバーグとの相性なのか、あるいは微妙なボトル差なのか、ほのかに甘くなっておりました。 4倍くらい価値が上がったような。
 このワイン、まだまだ在庫がございますので、また何かイベントでもございましたらお声をお掛けください。 協賛させていただきます。さらに美味しくなっていることを期待して。

 ではではお元気で。

---師範より---
 大変お久しぶりのご報告、ありがとうございます。 調べてみたら2007年10月29日のご報告以来、確かに1年半ぶりですね。
 さてご報告のワイン、ちゃんとしたブルゴーニュで500円という値段は凄いですね。 そんなお値段で買えるのはちんちくりん殿のご人徳、といったところでありましょう。 コストに厳しい当道場ですが、500円だと思えばよほどのことが無い限り損した気はしないですね。 文面を拝見するに、この銘柄のヴィンテージ違いを通常の価格で買うのはややリスキーな気がしますけど、 また情報として頭の片隅にしまいこんでおきます。
 それでは、また面白いワインと稽古されましたらご報告下さい。よろしくお願いします。


門下生第八十二号しげやん殿より。 (報告日:2009年3月15日)
ポルタルデルアルト 2007

「稽古した日」   2009年3月15日
「稽古した場所」  自宅にて
「購入店」 楽市 500円
「インポーター」コルドンベール
「原産国」 チリ
「使用品種」 ソービニオンブラン
「アルコール度数」13.5%

 量販店にて南アフリカ産と共に購入、稽古いたしました。
キャップシールは樹脂、安っぽい集成コルクです。 色はかすかな黄金色、抜栓後、香りはボトル裏面には白い花やシトラスの香りとありますが、 漠然とした表現ですねえ。自分的にはほのかにグレープフルーツのような柑橘系の香り。 味は、酸少し強め、バランスはまあ良好。 食事が餃子でしたのでワインには少しつらいかなとは思いますが、 前回の南アフリカワインのときは手巻き寿司でしたので、 同じ条件だともう少しいい印象になるかと思います。 ただアルコールは1%高めですので師範殿にはもしかしたらうってつけかなと思われます。 それにしてもこの金額でちゃんとしたぺらぺらでないワインが飲めることに感謝でございます。

---師範より---
 連発でのご報告、ありがとうございます。
 ポルタル・デル・アルト、懐かしいですね~。 関東地方だと「やまや」で取り扱っている銘柄ですね。 「やまや」がまだ安ワイン者のパラダイスだった頃、幾度か稽古したことがあります。 未だに500円で買えたりするんですね。大変優秀であります。
 久しぶりにまた「やまや」に行ってみるかなぁ、という気分になりました、ハイ。


門下生第八十二号しげやん殿より。 (報告日:2009年3月13日)
OBIKWA ソービニオンブラン 2008

「稽古した日」   2009年3月13日
「稽古した場所」  自宅にて
「購入店」 楽市 500円
「インポーター」コルドンベール(株)
「原産国」 南アフリカ
「使用品種」 ソービニオンブラン
「アルコール度数」12.5%

 量販店にて2本1000円にて特売中、(1本600円程度)チリ産ソービニオンブランと共に購入、 稽古いたしました。色はかすかに黄色ほとんど無色、キャップシールは樹脂、て言いましても 栓も今流行のキャップスクリューです。抜栓後、香りは華やかな香りほのかに乳酸ぽい香り。 味は、酸控えめ、甘みも少し、バランスは良好。初めての南アフリカソービニオンブランでしたが これはいけてると思います。まあ一緒に飲んだ両親が口当たりがいいと言ってましたので、 日頃ワインを飲まない方でも美味しくいただけるのかなと・・・。
 まあはずれが多い1000円以下のワインでは出色の出来、リピート買い決定です。

---師範より---
 ご報告ありがとうございます。
 南アフリカの安ワインというと、変に甘かったり濃かったりしてバランスが悪いものが多いんですが、 ご報告のワインはそのあたりをちゃんとわきまえた感じですね。 いずれにせよ、ちゃんとしたワインで1本500円ってのはお見事であります。 どういう採算構造になってるんだろ?といつも不思議に思います。
 またナイスなワインがありましたらよろしくお願いします。


門下生第八十二号しげやん殿より。 (報告日:2009年2月25日)
ノストラーダ テンプラニーリョ 2007

「稽古した日」   2009年2月22日-2月25日
「稽古した場所」  自宅にて
「購入店」 ミルコート 500円
「インポーター」(株)リラックス
「原産国」 スペイン
「使用品種」 テンプラニーリョ 13%ALC

 久しぶりに千里丘から箕面へ引越しされたミルコートへ顔出ししました。 フランスのスーパーからイオングループへ移転された某量販店のローカルに位置します。 千里丘に構えておられたころは、ACブルゴーニュのお手ごろ品をよく購入しましたが 今現在はどうでしょうか。 やっぱりブルゴーニュは高うございますなあ。 2001年の飲み頃がありましたがこれは次回という事で・・・。特売品のスペイン、 焼酎と一緒に籠に納まっております。 これ購入と親父には焼酎と思いが決まりまして師範殿のご報告のオーストラリアのシャルドネを物色、 その他もご拝見・・と油断しているまに特売品焼酎は他の人の手に---。 ノストラーダ テンプラのみ購入しました。
 色は青紫。香りは残念ですが樽の香りがなくほのかな果実香のみです。 タンニンはこなれているのですが スペインといえばタバコの香りやアメリカ産オークのバニラの香りでしょう。 この香りが無いのは非常に残念ですが飲みやすいといえば飲みやすい。 飽きるといえば飽きる。4日ほどかかって飲みました。

ただこのワインに合うのがわさび漬けだったのは新しい発見でした。 (樽香のない赤ワインにチリ産の樽香ばっちりストイックなシャルドネを ブレンドすると以外にいけてるロゼになったりして・・・これは破戒になります?)

---師範より---
 ご報告ありがとうございます。
 ご報告を見ると、お薦めなんだかそうでないんだか難しいところですが、 500円であればまぁ「ちゃんとワイン」なだけでも有難いところではありますね。 師範もかなり以前に2002産と稽古しております。
 ワイン同士のブレンド、ちっとも破戒じゃありませんし、 ちょっと興味があるところでもありますが、 いかんせん選択肢が多すぎて系統立てて整理していくのは難しいかなと。 一ついえることは、赤と白を混ぜてロゼにする場合、 よっぽど薄い赤じゃなければ「赤1:白5」くらいの比率にしないとロゼの色にはならない、ってのはあります。 そういった意味では、ワインの品種の比率で3%だけ入ってたりするのもありますが、 あれはあれで意味があるんだろうなぁ、と思います。
 と、話が脱線してしまいましたが、今後ともよろしくお願いします。


門下生第百五号Tomo殿より。 (報告日:2009年2月5日)
Kaiken Ultra 2006

「稽古した日」     2009年1月31日
「稽古した場所」    自宅;ジョージア州セントサイモンズアイランド
「購入店」        Costco Jacksonville店 15$
「製造者」        Kaiken
「使用品種」      Ultra2006マルベック赤ワインです


 昨年、たまたまJacksonvilleのCostcoへ行った時に買った(車で約1時間)もので、 自宅に北京オリンピックの曲のコンポーズをやった、 Jazz関係者やその奥様の日本人や色々な人が集まった会で空けました。
 マルベック、本当に濃くて“肉”に会うという感じです、が、その時の夕食は、 日本風のだしをたっぷり効かせた“チゲ鍋”と“鉄板焼き”と“お好み焼き”、 ちょっと料理との相性は???ですが、飲み口は、最初は甘く感じるほどのもので、 果実味が一杯ですが凄い深みがあり、時間がたつにつれて、ブーケが凄くたって来ました。
 塩と胡椒だけのステーキにあわせると凄いだろうとのみんなの意見でしたが、単品で楽しむのも素晴らしかったです。
 為替の影響で、少し高くなったようですが、それでも日本で購入するよりは安いのでは、安ワインとは少し価格オーバーですがお許しください。
 これからも稽古報告をさせていただきます。過日飲んだTantara(カリフォルニアワイン;40$でしたが、びっくりするような素晴らしさでした)

---師範より---
 はるばる米国よりのご入門、ありがとうございます。
 ご報告頂いたKaikenという銘柄、アルゼンチン産で日本ではエノテカが輸入しているようですが、Ultraなるシリーズは見当たりませんでした。 Ultraじゃないベーシックなシリーズでも1本2,500円くらいしてますんで、そちらの方がかなり安いようですね。 あるいはコストコが安いのかな?(コストコ、日本にもありますが年会費払うのがネックになってまだ行った事ありません)。 ちなみに「安ワイン」の定義は日本円で3,000円までとしていますので、 米ドルだと$30までとしましょう。
 というわけで、米国の生のワイン情報、大変参考になります。 日本にある/ないに関わらず、今後もナイスな安ワインと稽古されましたらご報告よろしくお願いします。


門下生第百四号鯛殿より。 (報告日:2009年1月17日)
アルプス ブラッククイーン 2006

「稽古した日」     2009年1月17日
「稽古した日」     自宅
「購入店」        楽天 津田SAKE店   1575円
「製造者」        長野県 (株)アルプス
「使用品種」      長野県 松本平産 ブラッククイーン 100%  赤ワインです。

 本年最初の報告です。 今年もよろしくお願いします。
久々に日本の赤ワインを飲みました。 家族で1本飲んだあと、飲み足りないねと在庫を見ると、昨年末に購入した、長野の赤がありました。 どうなんだろうと、飲んでみたのですが・・・意外にいけます。 果実味というか甘味はあるのですが、邪魔はしていません。 ほどよく酸味・渋みもあって、食べ物がなくても飲めるワインです。 長野県産のぶどうですし、ちょっと面白いですね。 日本のワインもたまには稽古しないと と思いました。 ブラッククイーンは日本産のぶどうのようです。

---師範より---
 新年一番乗りのご報告、ありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
 「日本のワインもたまには稽古しないと」は、確かに師範もそう思うんですよね。 最近品質も上がってきているらしいですし。 でも意外と高いじゃないですか、日本のワイン。ご報告いただいたものも1,500円だし。 1,000円以下だと純国産ってのはあまりないですしね。 そのあたりが「たまに稽古」を阻害する要因だったりします。
 ともあれご報告ありがとうございました。 ブラッククイーンという品種は道場未登場なので、見かけたら稽古する・・・かも知れません。


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