稽古日誌:1998年5月

道場開設からはや一年。振り返ると、飲みも飲んだり250本以上。 一般庶民としてはちょいとやりすぎか。


翌月分


31日(日)

Chablis '96
シャブリ '96
Pierre Moreau et Fils
ピエール・モロー・エ・フィス
Blanc
Chablis
シャブリ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,38098/04/22酒奉行保土ヶ谷店
昨晩から夜釣りに出かけたため、「間違いなく本日は釣魚料理、ってことは当然白!」 という予定で準備していたものの、なぜか夕食に魚は不在。 それはともかく、とっても久しぶりのシャブリ。
とっても薄くて、"レモン色"っていうにはちょっと肌色に近い感じの色。 香りのボリュームは結構ある。野の草花っぽいぎゅっと締った濃い香りがあり、 こういうのを"ミネラル香"って言うのかなぁ、なんとも鉱物的香りもある。 味も濃い。なにが強いわけでもないんだけど、収斂性のあるカチッとした味。
かなり濃い目で、好感の持てる白。ただ、師範が好きな系かっていうとちょっと違うかも。 なんかツッケンドンなのね、新参者を寄せ付けない雰囲気。
71点自宅にて

29日(金)

Montepulciano d'Abruzzo "Vigna le Coste" '96
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ "ヴィーニャ・レ・コステ" '96
Barone Cornacchia
バローネ・コルナッキア
Rosso
Montepulciano d'Abruzzo
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ
Abruzzo (Italia)
アブルッツォ (イタリア)
\1,80098/05/22横浜君嶋屋
最近しばしば良い噂を耳にするイタリアのDOC、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ。 門下生からも(違う造り手ながら)推薦を頂いている。
色は、イタリアにしては青みが強く非常に暗い紫。 香りはそれほど強くはないけど、胡椒の香り(って言うのかな、一般には。 本当の胡椒とは違うと思うけど)みたいなスパイスっぽい香りがある。 味、これが結構凄くて、とにかく濃い。酸が特大、タンニン大。 最初はそれだけだったんで、ちょっと固い感じだったんだけど、 時間が経ったら甘味も出てきてバランス良好。
一を見て十を知った気になるのは(特にイタリアに関しては)危険だけど、 モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、良いワインって印象。
78点自宅にて

28日(木)

本日は、奉行の島崎さんの職場に「ピーロート・ジャパン」っていう ワイン輸入商社の方が来て無料の試飲会を開く、ってことなので、 厚かましくも与力の島崎さんとともに参加。

試飲したのは、ブルゴーニュ赤、ボルドー赤1種づつの他は全て ドイツワインでQbA、フランケン、カビネット、シュペトレーゼ、 アウスレーゼ3種、ベーレンアウスレーゼの計10種。 (細かなとこまでは書き留めてないっす)
そもそもドイツに暗い師範にとってはなかなかよい経験。 同じような感じの甘口ワインでも、酸の感じとか苦みとかの要素で いろいろ違うってことを実感。ただ、プラスティックのお猪口みたいなので飲んだからか、 香りの違いってのはあまり感じられなかった。 そんななかで、ベーレンアウスレーゼはやっぱり一皮剥けた感じ。 香りとかもしっかりしてるし、別格の甘さだし。

値段は、赤2本とQbAが2,000円、あとはどれも3,000円前後。 ベーレンアウスレーゼは6,000円。 「試しに買ってみる」にはちょっと高いなぁ。

というわけで試飲会も終わり、当然飲み足りないってことで、 与力の島崎さんのお誘いでワインの飲める居酒屋へ。
ワインリストには世界各地のワインが100種以上。 聞いたことの無い国(旧ソ連のどこだったか)のピノ・ノアールとか 載ってて(モノは品切れだったが)楽しいし、何より安い。 一番安いのが1,400円から。ラトゥールとかムートンとかの '92がどれも19,000円。
で、我々3人が飲んだのは下の3本。

Merlot '95
メルロー '95
Christian Moueix
クリスチャン・ムエックス
Rouge
Bordeaux
ボルドー
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
(\3,200)98/05/28割田屋
あの"シャトー・ペトリュス"のオーナー、 クリスチャン・ムエックスが作ってるACボルドーのメルロー。 当然大期待。
印象は、非常に素直なメルローって感じ。色も香りも味も。 なんか、ボルドーっていうより南フランスあたりで作ったメルローみたい。
クリアーでまずまずのワイン。 でも、ボルドーらしい複雑さってのに乏しいし、 そもそも有名な作り手さんにはクリアーさ以外にもうひとつ"技"を期待してしまう。
(73点)居酒屋 "割田屋" にて

Pinot Noir '95
ピノ・ノアール '95
Pedroncelli (F.Johnson Vinyard)
ペドロンチェリ (F・ジョンソン・ヴィンヤード)
Red
Dry Creek Valley (USA)
ドライ・クリーク・ヴァレー (アメリカ合衆国)
(\3,600)98/05/28割田屋
ピノ・ノアールが飲みたかったけど、手頃なブルゴーニュが無かったので カリフォルニアのピノを。
予想通りというか、予想を遥かに越えた樽香。 樽の香りのずーっと向こう側に葡萄の雰囲気あり、って感じ。 葡萄自体のパワーが弱めだからか、まるで樽のきつい白をイメージしてしまう。 もうこうなるとピノなのかなんなのか判別不能なくらい。
赤の樽香は結構好きなつもりだったけど、ここまで突出してるとねぇ。 師範的には"過ぎたるは及ばざるがごとし"。 まぁ不味くは無いんだけど。
(69点)居酒屋 "割田屋" にて

La Ciboise '96
ラ・シボアーズ '96
M. Chapoutier
M・シャプティエ
Rouge
Cotes du Ventoux
コート・デュ・ヴァントゥー
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
(\2.600)98/05/28割田屋
もう結構アルコールが回ってて、何を飲もうかと思案してたら、 店のおばちゃんは『シラーが好き』ってのに触発され 「ローヌでもいったるか」ということで選ばれし一本。
細かいことはあんまり覚えてないんだけど、 ローヌらしい青畳っぽい香りがあって、 濃さは中程度だけど甘みも結構感じるタイプだったような。
結構良いと思った。けど若干下品っぽかったかなぁ。
(72点)居酒屋 "割田屋" にて

というわけで宴は終了。なかなか楽しゅうございました。


26日(火)

Ch. Haut-Gayat '94
シャトー・オー・ガイア '94
Ch. Haut-Gayat
シャトー・オー・ガイア
Rouge
Graves de Vayres
グラーヴ・ドゥ・ヴェイル
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\98098/04/26やまや新宿店
初めて聞くボルドーのAOC、"Graves de Vayres (グラーヴ・ドゥ・ヴェイル)"。 右岸地域らしい。 値段はかなりお手頃だったけど、瓶とかコルクとかは意外と高級っぽい。
結構濃い色なんだけど、青っぽい感じは無くて静脈血のような暗い赤。 香りはとってもホコリっぽい。 スワリングすると、新品のアクリルぬいぐるみみたいな、もろに化学香を感じる。 味もあんまり感じ良く無くて、酸味中心でフレッシュさに乏しい、 飲んでて寂しさが込み上げてくる感じ。
「ボルドーっぽい」と言えば言えるんだけど、なんとなく年寄りくさい一本。 好き嫌いの分かれるワインかも。師範はネガティブ側。
58点自宅にて

24日(日)

Cairanne '95
ケランヌ '95
Domaine Brusset
ドメーヌ・ブリュッセ
Rouge
Cotes du Rhone Village
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\1,69098/04/25成城石井横浜ルミネ店
一日、殆どなにも食べずにいたら、夜には思いっきり空腹(あたりまえか)。 というわけで、持ってるワインの中で一番濃そうなものを。 細かな澱が多くて、久しぶりにデキャンタージュなんかして。
色はとっても濃くて、若々しさ満載の黒青紫。 香りは、田舎の箪笥の中みたいななんとも素っ頓狂な香りだけど、ボリューム十分でいい感じ。 味が驚き。酸もタンニンも強くて、 ボルドーとかだったら「若い!」と一瞥されそうな雰囲気だけど、 なんとも柔らかですっごく好印象。
ちゃんと作られた若いローヌ。濃いには濃いんだけどするする飲んでしまう。
76点自宅にて

21日(木)

Bourgogne Rouge "Pinot Noir" '96
ブルゴーニュ・ルージュ "ピノ・ノアール" '96
Marie-Louise Parisot
マリー・ルイーズ・パリゾ
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ(フランス)
\1,08098/05/06ダイエー横浜西口店
微熱が続いており食欲はあまりないんだけど、心がワインを欲してて…。 お高いワイン開けても美味しく感じる自信がないので、スーパーで買った安ACブルゴーニュを。 見た目はジャイエ・ジルみたいでイカすけど。
色/香りとも、スーパーの安ブルゴーニュとは思えない濃さ。香りに関して、 やや一本調子で固い雰囲気なのは御愛敬。 味もまずまず。まろやかさがなく、酸味主体でやや取っ付きにくく感じはするけど、 まぎれもなくブルゴーニュの味わい。
正直言って軽く見てたけど、どうしてなかなか力のあるブルゴーニュ。 少なくとも手抜きは全く感じない。いやーわからんもんです。
73点自宅にて

19日(火)

Elsa "Marbec" '95
エルザ "マルベック" '95
Valentin Bianchi
バレンティン・ビアンキ
Tinto
(Argentina)
(アルゼンチン)
\89098/05/16やまや新宿店
ここんとこ10日くらい更新無しだったのは、 サボっていたわけでも遠征稽古に出ていたわけでも無く、病に冒され食欲も飲欲も無かったため。 今でも平熱より1度ほど高めだけど、さすがに10日もワイン切れ状態が続くと飲欲復活。 『赤ワインは健康に良い』ってのを曲解し、 体内からアルコール消毒する意味で大変久しぶりにワインを、ってことで。 数日に分けて飲むことが十分考えられるので、強そうなやつを。
#これで熱が下がれば良いけど。
色は若い青紫。サラッとしてて脚もあまりない。 香りは、なんというかボルドーとリオハの中間みたいな感じ("マルベック"って品種の個性か)で、 ボリュームはまぁまぁ。 味は、とにかく甘酸っぱい。タンニンとかは控えめで、病み上がりには好適か。 この雰囲気、嫌な感じではないけどそんなに誉められたもんでもない。
あんまり好きな系じゃないけど、値段を考えると結構いい線いってるかも。 とにかく久しぶりなんで、評価に全く自信無し。
65点自宅にて

9日(土)

Dolcetto d'Alba '96
ドルチェット・ダルバ '96
Ca del Baio
カ・デル・バイオ
Rosso
Dolcetto d'Alba
ドルチェット・ダルバ
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
\1,59098/04/25成城石井横浜ルミネ店
成城石井が張った裏の説明ラベルを読むと、『ハーブを思わせるふくさ綱アロマを持つ』 と書かれている。うーん「"ふくさ綱アロマ"とはなんぞや?」としばし考えた。 多分『複雑なアロマ』の間違いだろう。ちょっとお茶目>成城石井。
真っ黒に思えるほど濃い紫。青みが強くてあまりイタリアっぽくない。 香りのボリュームは十分。ヒノキみたいな香りと硫黄っぽい香りがあってまるでヒノキ風呂。 味も濃い。タンニン/酸ともに濃く甘味もあって、文句の付けドコロが見あたらないけど…。
若々しくて非常に濃いし、香りとかは確かにイタリアなんだけど、 なんか"人なつっこさ"が感じられない。 「美味いワイン」ではあるけど「大絶賛のワイン」ではない、って感じ。 ただ単に好きな系じゃないってだけかもだけど。
72点自宅にて

6日(水)

Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits '95
ブルゴーニュ・オート・コート・ドゥ・ニュイ '95
A.F. GROS
ア・エフ・グロ
Rouge
Bourgogne Hautes-Cotes de Nuits
ブルゴーニュ・オート・コート・ドゥ・ニュイ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,28098/04/25横浜三越
非常に慌ただしい帰省から帰ってきた日 「今日は軽い食事にしよう」なんて言ってたけど、なぜか買い物してる途中でスキヤキに決定。 『醤油にはピノ・ノアールが合う』なんてことを聞いた覚えがあるので、 ちょいと贅沢だけどブルゴーニュを。
色は、ブルゴーニュにしてはやや濃い目だけど普通に考えればやや薄めの青紫。 香りが結構すごい。多分ソムリエ君とかは『革の匂い』と表現しそうな、 なんともゴムみたいな"ウニィー"っとした香りでいっぱい。 味は、最初は酸味が主体。でも、すっごく良い酸味。 カドのない、非常にスムーズで柔らかな酸味。 時間が経つと甘味が出てきて、ブルゴーニュの良さを満喫。
もちろん"熟成感"とかは無いし比較的弱めではあるけど、 ブルゴーニュに求めるものを一通り備えている。とりあえずお勧め出来る一本。 スキヤキの"わりした"にもこのワインを入れてみたけど…。 もったいなかったかなぁ。元来師範は"マリアージュ"ってのに無頓着だし。
79点自宅にて

5日(祝)

Sutter Home Chardonnay "Family Reserve" '95
サター・ホーム・シャルドネ "ファミリー・リザーヴ" '95
Sutter Home Winery
サター・ホーム・ワイナリー
写真無し
White
California (USA)
カリフォルニア (アメリカ合衆国)
\1,75098/05/04鶴屋デパート "アメリカンフェア"
九州へ帰ったついでに師範実家にも帰省。 熊本ナンバーワンの"鶴屋デパート"で『アメリカンフェア』なる催し物が開催されており、 カリフォルニアワインが多数売られていた。 「フェアの割には値段高いなぁ」と思いつつ、甥っ子の初節句用に白を一本購入。
濃い目のレモン色でトロッと感のある外観と、 甘~い感じでかなり強い樽香は、カリフォルニアのやや気合入った白そのもの。 味も濃い。濃いけどバランスは崩れてないあたりは好印象。 裏には『メロンの香りやバターの香りが…』って書いてあったけど、そこまでは感じなかった。
カリフォルニア白の典型、って感じのワイン。 高級感はあるけどちょっと大味でやや下品な感じが露呈。 大勢で飲んだんで、飲み飽きるってことは無かったけど。
67点師範実家にて

2日(土)

Plaisir Demi Sec N.V.
プレジール ドゥミ・セック (ヴィンテージ無し)
写真無し
Vin Mousseux
発泡
(France)
(フランス)
\85098/05/02コンビニ "ミニストップ"
師範代家に不幸があり突然の帰省。師範代家は家族揃って誰も呑まないんだけど、 このワインは義兄(師範より若い)が師範のためにわざわざ買って来てくれたもの。
色/香りともとても薄い。アルコール度数も10%と薄い。 炭酸のキメは粗くて「白ワインに後から炭酸入れたか?」といった感じ。 "ドゥミ・セック"ってんで結構甘いか?と心配したけど、それほどでもなくて助かった。
まぁ、コンビニに売ってる安発泡酒。値段相応。 でも、わざわざ買ってきてくれたってだけで師範は満足。
58点師範代実家にて

先月分

by 師範