食べ物
ワインは、基本的に食中酒と呼ばれることが多い。
もちろん、発泡ワイン等は食前酒にカテゴライズされることが多いし、
極甘口ワイン等は食後酒に相当するとは思うが、
大半のワインは料理と共に飲む酒であると言える。
というわけで、ここではワインと共に摂取する食事について述べる。
耳にタコが出来るほど耳にする話として、
魚料理には白ワイン／肉料理には赤ワイン
という法則がある。果たしてそうか？
師範の答えは「そうかも。でもどうでもいい。」である。
師範の経験から言うと、確かに魚料理には白ワインを選んだ方が無難だとは思う。
魚特有の生臭みに対して、白ワインはそれを洗い流すようなスッキリ感があるからである
（これは、赤／白の違いのみでなく、飲む温度の違いも大きいと思うが）。
しかし、肉料理には赤／白どっちでも良いように思う。
少なくとも、肉料理を食べながら白ワインを飲んで料理／ワインが不味く感じた、
という経験は無い。
・・・と、一般的には何喰って何飲んでも本人の趣味、
とりわけどうこう言うことは無いと思うが、
数ある料理／食材の中にはどうにもワインに合わせにくいものがあるので紹介しておきたい。
ワインに合わない食材リスト
カズノコ
師範の知る限り、カズノコはワインに合わない料理の筆頭である。
赤に至っては銘柄がどこの何だろうと壊滅的、白ワインも非常に厳しく、
相性面で非常に外交的なスパークリングでさえもＮＧである。
ワインじゃないけど、ビールだってカズノコには全く合わない。
カズノコじゃなくても、ほぼカズノコ・ベースな子持ち昆布なんかも同様である。
コレに対して、回避する以外に師範は全く対抗するアイディアを持たない。
清酒や焼酎でもあまり合わない様な気がするなぁ。カズノコ、美味しいんだけど、伴侶を求めない孤高の食材である。
明太子
九州出身の師範／師範代ゆえ、食卓に明太子が上ることも少なくない。
で、この明太子がカズノコと双璧をなすくらいワインに合わない。
そもそも魚卵がワインに合わない上、辛い料理も合わせにくいから、
それらの相乗効果で合わなさ倍増である。
明太子は食事終盤に白いご飯に乗せて、というのが一番安全なスタイルである。
カズノコ／明太子以外の魚卵
カズノコ／明太子ほどじゃ無いにしても、イクラ、タラコ、ウニ等、
魚卵は一般にワインに合わないと思う。
高級食材として有名なキャビアも魚卵なんだけど、あれはどうなんだろ？
キャビアをキャビアとして認識できるぐらいの量食べた経験が無いので、なんともいえないけれども。
塩辛
塩辛も、ワインの種類（赤／白／泡）を問わず合わないといえる食材である。
特に、酒盗（カツオの内蔵の塩辛）がキツい。
酒を盗みたくなるほど酒と相性が良い食材という意味で付けられた名前なんだろうけど、
ことワインを相手にするとその名前は全く的ハズレである。
白造りのイカの塩辛であれば、軽めの白や泡だったらそれほど禁忌する必要はない。
要は生臭さの強いものにワインは難しい、ということだと思う。
魚介類の生珍味系
魚卵、塩辛以外にも、ナマコ酢、ホヤなどの生珍味系は一般に厳しい。
生じゃ無いヤツで、アン肝なんてのはどうなんだろうね？
カラスミなんかは良さそうな気がするなぁ。
貝柱とかの粕漬け系はきっと合う。そのあたり（ってどのあたりだ？）に境界線がありそう。
味噌汁
ってか汁物にワインってどうよ、である。
味噌とワインはどちらも発酵食品だし、シャンパーニュには味噌っぽい香りがあるのもあったりするのに、
積極的に合わせる気にならないのは「水気の多いもの」同士で腹がタプタプになるからか。
その点、具沢山の豚汁みたいな料理だったら、結構イケると思う。
白飯
世界ナンバーワンソムリエな方は白飯にも合うようなことを言われてたみたいだけど、
師範は合わないと思うなぁ。牛丼とか混ぜご飯みたいに、一味付けたご飯ものだとまだ大丈夫だけど。
っていうか、日本の酒の席って、一般に飲んでる時にはご飯は食べないじゃないっすか？
あれって合わないからだと思うけど。
ワインと非常に良い相性を見せるパンとは大違いですな。
果物
甘い食べ物はワインの甘味をマスクし、酸味や渋味を強調してしまう。
従ってお菓子含めた甘い物一般にワインとは合わないんだけど、
特に汁気の多い果物が厳しい。
ブドウとワインなんて合っても良さそうな気がするけど、
実際やってみると絶対ブドウの方が美味しく感じられる。
「なんでわざわざ手を掛けてワインなんか造っちゃうのかねぇ」という気になるので、
全くお勧めしない。
ソーテルヌみたいな甘口ワインだと合うのかもしれないけど、
なんかそういうのってもったいなくないっすか？
キュウリ
唐突に単品の野菜ですが。
キュウリスティックとか、おつまみとしては健康に良くて美味しくて大変ナイスなんだけど、
ワインには合わないんだよなぁ。なんかキュウリがやたら生臭く感じられて。
これはもしかすると個人的な嗜好かも。
カレー
いわゆる普通の日本のカレーにしても、タイカレーみたくスープ的なカレーにしても、
ワインと合わせるのは難しい、というかもったいないと思う。
カレー食べながらだとワインの風味なんて感じられないっすよ。
おでん (2011/10/26 Update!)
おでん、好きなんだけどワインに合わないよね。
あの独特の魚介ベースの出汁が合わないと思う。
おでん種によっては合う物もありそうだけど（牛スジとか）、
その大半を占める練り物系がイケません。
っていうか、ワインとの相性は別にして、おでんの匂いってホント独特だよね。
あれって食べて美味しいと知っているから良い匂いにも感じるんだけど、
純粋に先入観無しにあの匂いだけ嗅がされれば「臭い」と思うんじゃないかな？
冬場のコンビニとか、入った瞬間におでんの匂いがして、
そういうのって欧米の人からしたら結構違和感あるんじゃないかと。
例えば一般的な日本人にとってウォッシュチーズの匂いが充満してたら違和感があるみたいに。
by
師範