稽古日誌:2001年8月

それにしても暑い昨今。
先月のデータを振り返ると、自宅飲みワインは12本中8本が白。 長い安ワイン道場の歴史の中で、異例とも言える高い白比率。 暑さの象徴といった感じか。 また、(ごっつい外飲みがあったとは言え) 自宅飲みが12本しかないってのもかなり珍しいかも。 こっちは暑さ以外の要素も大きいんだけど。


翌月分


30日(木)

Sauvignon 2000
ソーヴィニョン 2000
Celliers Contemporains
セリエール・コントンポラン
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\6992001/08/11 関内サンタムールカツミ商会
肴は、板ワサと鶏手羽のカレー風味。 果たしてそれら双方に会うワインは・・・なんてあるわけない、 というかそんなこと考えるほうが不毛。 ってなわけで、冷蔵庫で冷えてた白ワインをチョイス。 南仏オックのソーヴィニョン、いったいどういうワインか全く想像できないけど。
色は薄め。レモンでも麦わらでもない、何色と表現するのがとても難しくて、 敢えて言えば白ワインらしい色。 香りも弱め。こちらも特徴に欠ける香りで、敢えて言えば白ワインらしい香り。 味は、最初口にしたときはちょっと甘めでやや苦手系かと思ったけど、 飲み進めると案外そういうことも無くて、特徴には欠けるものの比較的軽快に飲める味わい。
とっても普通の安白ワイン。 値段を考えれば、まぁ合格と言えるかな。
65点自宅にて

28日(火)

Pinot Noir d'Autrefois 1999
ピノ・ノワール ドートルフォワ 1999
La Compagnie des Vins d'Autrefois
ラ・コンパニー・デ・ヴァン・ドートルフォワ
Rouge
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\9222001/08/11 関内サンタムールカツミ商会
まだまだ白が飲みたい季節ではあるけど、 ここらでちょいと赤でも飲まないと同じ色のばっかりだと栄養が偏るよね、ってことで。 (単に白を冷蔵庫に入れ忘れてた、というのも事実)。 選んだのは、結構不思議な赤。 葡萄ラングドックのヴァン・ド・ペイ産らしいんだけど、 醸造自体はブルゴーニュで行われたようなことが書かれている。 もともとがブルゴーニュの造り手(団体)みたいなんだけど、 それはそれで結構無駄なコストがかかるんじゃないのかな?、と余計な心配を。
色はまぁ普通です。「ブルゴーニュです」と言われれば「なるほどそうですか」と答えそうな色。 香りは弱い。雰囲気は思いっきり南仏、蒸れた雑巾の香りが主体的。 味は、思いっきり弱い。とにかく何を飲んでるんだか判然としないくらいに弱い。 渋味、甘味、酸味、アルコール感、いずれもほとんど感じない徹底的な弱さ。 こういう傾向のワインって、特に安いやつだと『嫌なとこないじゃん』って感じで好印象だったりするんだけど、 さすがにこのワインは弱すぎ。飲んだ気が全くしない。
なんだかなぁ、って感じ。確かに、南仏で造られた野暮ったさ満点のピノも頂けないけど、 だからといって存在感ゼロに仕上げられたワインってのもねぇ。 魚屋で焼かれたウナギが肴だったんだけど、それに完全に負けてた。
50点自宅にて

26日(日)

Saint-Aubin 1er Cru "Les Frionnes" 1999
サントーバン・プルミエ・クリュ "レ・フリオンヌ" 1999
Hubert LAMY
ユベール・ラミィ
Blanc
Saint-Aubin 1er Cru
サントーバン1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\0 (抽選2等賞品)2001/08/11 関内サンタムールカツミ商会
帰省の旅より帰還。 マトモに一本飲むのは久しぶり、ってことで、やや高級っぽいワインを。 「高級っぽい」という曖昧表現は、このワインは自分で買ったものじゃ無いから。 酒屋でたまたま「コルクつかみ取り懸賞」みたいなイベントをやってて、 さらにたまたま2等賞品としてゲットしたのがこれ(ちなみに1等はカロン・セギュールだった)。 というわけで売値はわからないんだけど、確か"約3,000円の品"と書かれてたと思う。 日頃の行いが良いとこういうこともあるんですな。
色は普通。濃くなく薄くなく、明るくなく暗くなく、普通のブルゴーニュ白の色。 香りのトータルとしてはあまり強くない。でも品の良い樽香が出色。 シャルドネ本来のナッツのような香りと、 樽から来るであろう強めの香ばしさが良い感じに繋がってて、 突出した感じの無いスムーズな雰囲気。 味も良い感じ。甘味もあるけど酸味もしっかりしてて、 樽の雰囲気を感じつつも旨みをしっかり感じられる味わい。 惜しむらくは、葡萄本来のパワーが弱めなのか、 若干技巧的で真ん中が抜けたような感じを受けるのは残念だけど。
まぁごちゃごちゃ言ってるけど、高級白ワインの雰囲気と言っても過言ではない。 「ユベール・ラミィ」さん、覚えておいたほうが良い造り手かも。
81点自宅にて

23日(木)

本日は、実家近所の温泉旅館へ。行ったのは熊本県の北東端、 黒川温泉のそばの小田温泉というところにある「四季の里 はなむら」という宿。
全20室くらいの小さな旅館だけど、全室平屋建ての離れ形式で、 非常に贅沢な空間の使い方。 師範らが泊まったのは、露天風呂付きの部屋。やっぱり良いっすよ、こういう部屋は。
夕食は部屋出しじゃなくて食事処で。

前菜1:切干大根チーズ和え、翡翠豆腐、紅鱒の中華ドレッシング、馬刺し

前菜2:鴨ロースト オレンジソース

吸い物:鱧・冬瓜・三ツ葉

焼き物:山女の一夜干し 口取り五種盛込

揚げ物:山菜の揚物彩々

替り鉢:養老蒸し

メイン:肥後牛サーロインの石板焼

味噌汁、飯、香の物、フルーツ(メロン・巨峰)

田舎の山宿にしてはなかなかシャレた料理。 養老蒸し(おろした山芋の中にウナギが入った蒸し物)が特に良かった。 全体としてバランスのとれた感じだし、刺身やらカニやらの、 山宿にふさわしくない皿が無いのが師範的には好印象。

酒は、生ビールを数杯飲んだ後、下のワインを。

Selection d'Or Chardonnay N.V.
セレクション・ドール シャルドネ (ヴィンテージ無し)
Mercian K.K.
メルシャン株式会社
(日本)
\1,000(ハーフ)
一応ワインのリストもありました。赤が3本、白が3本、全てハーフでそれぞれ1,000円、2,000円、3,000円。 赤だと村名サンテミリオン/白だと村名シャブリ、どちらも大手ネゴシアン物のハーフが3,000円というかなり強気の値付け。 こういう時、師範は迷わず一番安い白をチョイス。
色は非常に薄い。でもまぁそんなもんかな、と。 香りはちょっと意外。シャルドネっぽいちょっと熟れた華やか系の香りがちゃんとするし、 樽香まで感じられる。味もややシッカリ目。 「輸入ワイン・国産ワイン使用」なんだけど、中身はニューワールドのワインが中心なのかな。
ワインに関しては、利ざやが大きく設定されてる(ビールは生の中ジョッキ600円)店だけど、 これが1,000円だったらまぁ文句はないところ。でも、間違ってもワイン目的で行く店ではないです。
(66点)四季の里 はなむら にて

宿代は一人22,000円らしい。 それだけの価値はある宿です。阿蘇方面へご旅行をお考えの方には是非お勧め。

22日(水)

Lagrima Del Sol "Pineapple Wine" N.V.
ラグリマ・デル・ソル "パインアップル・ワイン" (ヴィンテージ無し)
Nago Pineapple Winery
(株)名護パイナップルワイナリー
沖縄 (日本)
義姉のお土産(ハーフ)
師範家は今実家へ帰省しております。
兄一家が先日沖縄旅行に行ってきたらしい。で、買ってきて頂いたお土産がコレ、 パイナップルだけを原料としたパイナップル・ワイン、とのこと。 そういえば、母親がカナダに初めての海外旅行へ行った際のお土産は ブルーベリー・ワインだった。 うちは、なんだかそういうキテレツなのが好きな一家? それとも嫌がらせ? ・・・なんてことを頂きモノに対して言うべきではありません。
色は黄緑色。西欧の方に「ヴィーニョ・ヴェルデ(緑のワイン)」なんて名前のワインがあったりするけど、 そんなのは単なる比喩よねぇ、ってくらいこのワインは緑色。 ブルゴーニュあたりのオリーブ・グリーンのボトル、それの薄めのモノみたいな色。 香りは、ほんとにまんまパイナップル。 よく、テイスティングコメントで「パイナップルの香り」なんてのを見聞きするけど、 これほどかっちりパイナップルの香りがするのはあまりない(あたりまえか)。 味は、思いのほか濃い目。ベタベタに甘いワインを想像してたけど、 甘さはそれほどでもない。 でも、なんだか青臭いと言うか、果物の果汁そのまんまの野暮ったさがあるのは如何ともしがたい。
美味くは無い。でも、そんなに不味くもない。 話のタネに飲んでおくのも良いかなぁ、と。 正直な話、甘アマ系の軟弱国産ワインよりはずっとイケルかも。
54点師範実家にて

18日(土)

Savigny-les-Beaune "Les Pimentiers" 1996
サヴィニー・レ・ボーヌ "レ・ピマンティエール" 1996
Maurice Ecard et Fils
モーリス・エカール・エ・フィス
Rouge
Savigny-les-Beaune
サヴィニー・レ・ボーヌ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\3,2002001/08/04 横浜君嶋屋八田商店
迫り来る台風の影響で一気に涼しくなった。 こういう日こそじっくり高級赤ワイン、ってことでチョイスしたのが、 モーリス・エカールのサヴィニ・レボーヌ級無し畑名付き。 買値3,200円は道場の掟を若干オーバーではあるけど、 タマの敵陣視察も重要だ、ってことで。
色は典型的な「ちょっと高級」ブルゴーニュの色。 濃い赤紫で、縁のあたりがオレンジがかった感じで。 香りもなかなかいい感じ。 果実の香りがしっかりあって、ブルゴーニュらしい革のような香りもある。 口に含むと、まるでヒノキのような針葉樹系の香りを感じる。 これって樽じゃないよね? 味もいい感じ。口に含んだ最初はちょっとだけチリチリっと刺激を感じるけど、 上品な甘味もしっかりしてるし、酸味/渋味のバランスも高級ワインっぽいもの。
樽バンバンな新進のブルゴーニュと違って、ややトラディショナルな造りではあるけど、 1996という良年だということもあってか凝縮感がありなかなか美味い。 こういうワインが2,000円くらいになると、ホントに嬉しいんだけどね。
82点自宅にて

17日(金)

Mosel-Saar-Ruwer "Classic" Riesling 2000
モーゼル・ザール・ルーヴァー "クラッシック" リースリング 2000
Weinaus Steffen
ヴァインハウス・ステフェン
Weiss
Mosel-Saar-Ruwer (QbA)
モーゼル・ザール・ルーヴァー (QbA)
Mosel-Saar-Ruwer (Deutsch)
モーゼル・ザール・ルーヴァー (ドイツ)
\8642001/08/11 関内サンタムールカツミ商会
本道場には珍しくドイツ産を。ボトルの形といいラベルといい、 普通一般のドイツワインとは大きく逸脱したデザイン。更には裏ラベルに「辛口」の文字アリ。 どうしても安ドイツワインのウスラ甘さが苦手な師範は、 ドイツといってもこういう珍奇なワインを選んでしまう。 独逸ファンな方から見れば大愚行なんだろうけどね。 それと、このワイン、キャップシールが全く無い。キャップシールが無くても 大抵のワインはコルクの上面に樹脂なり紙なりで蓋してあるもんだけど、 このワインは全く素のコルクが見えた状態。そこまで切り詰めるか、って感じ。
色は、値段の割には濃い。熟れたレモン、ってぐらいの色合い。 香りは、師範の思うところのリースリングとはかなり違う。 リースリングと言えば「ジッポのオイル」なんだけど、このワインはその雰囲気が全く無くて、 何にも例えようの無いなんとも中途半端な香り(師範に比喩する能力が無いだけかも)。 味は・・・甘い。チャッキチャキのウスラ甘さ。 濃さはそこそこあって、酸味も比較的感じられるんだけど、 でしゃばりな甘さがどうしても邪魔っ気。なんだかちょっと騙された気分。
師範は別に甘いものが嫌いなわけじゃない。デザートとかお菓子とか大好きだし、 飴を買おうもんなら一日で一袋食べ干すくらいの勢いがあるし(止められないのよ)、 チューハイとか甘めのカクテルとかも好き。 でも、安ドイツと安清酒に顕著な、このウスラ甘さだけはなぜか苦手。 ご飯に砂糖をかけて食べているような、そういう違和感と言えば理解してもらえるだろうか。
49点自宅にて

15日(水)

Bourgogne Rouge 1999
ブルゴーニュ・ルージュ 1999
Louis Page
ルイ・パージュ
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\9502001/08/11 横浜ベイリカー中部貿易
昨日に引き続き"Air Lines Selection First Class"のACブルゴーニュで、今日は赤。 門下生からの報告があって、このワインを紹介しているページによれば、 実は昨日の白、ちゃんとファースト・クラスで出している航空会社もあるみたいです。 ファースト・クラスなんて全く縁の無い師範ゆえ、 ファースト・クラスと言えばみんなクリュグしか飲んでないと思ってました。
・・・ってなことは置いといてこのワインのことを。 色はやや薄めかな。ボトルの外から見た感じは薄いんだけど、グラスに注ぐとそうでも無いんで、 要はボトル自体の色が薄いと。 香りは、ピノらしくないわけじゃないけど、 ちょっとガメイみたいな野暮ったさも感じられる香り。 飲んでみると、口に含んだ瞬間はやや甘さが感じられて、 「おぉイケるかも」って気分にさせられるんだけど、 即座に炭酸のようなジリジリ感が顔を出して来て、 その後にかなりキツめの酸味に襲われる。 香りと味の総合点では、よく出来たガメイよりはるかに野暮ったい、って感じ。
やはりちょっとダメ系のワイン。 前述のページによれば、このワインはファースト・クラスでは出されていないみたい。 賢明です。これ出したら床はひっくり返されたワインで真っ赤になりそう。
60点自宅にて

14日(火)

Bourgogne Blanc 1999
ブルゴーニュ・ブラン 1999
Louis Page
ルイ・パージュ
Blanc
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\9502001/08/11 横浜ベイリカー中部貿易
近所の酒屋で見つけた、見知らぬ造り手のACブルゴーニュ白。 ラベルに飛行機の絵が書いてあって、"Air Lines Selection First Class"とか書いてあって、 裏には『世界の航空会社37社の厳格な採用基準をパスした・・・』なんて能書きが書いてある。 こういうのは見るからに怪しい、というのは安ワイン者たる師範としては当然知るところ。 でも、飲んだこと無いACブルゴーニュみつけると、思わず買っちゃうんだよなぁ。 一緒に赤も買ってるんで、ペケだったらどうしよ、って感じ。
色はとっても薄い。半ば想像されたこととはいえ、ガッカリ感を満喫させられる色。 でも、香りは案外普通。弱いには弱いけど、この値段ならまぁ納得、 雰囲気としては非常に白ワインらしい香り(超手抜き表現だなぁ)。 で、飲んだ最初の印象は、「やっぱ薄いわ」って感じなんだけど、 大いに意外なのはその後味。キューンとくる心地よい酸味が感じられた後、 なんとも香ばしいような雰囲気が残る。 こういうワインって、ドーンと来る満足感はないんだけど、 その分抵抗感もなくて、いつのまにか飲んでしまっている。
絶対値としては大したこと無いんだけど、夏向きといった雰囲気で、 それはそれで納得させられるものがある。 とは言え旅客機の「ファースト・クラス」では出ないワインだとは思うけどね。
68点自宅にて

12日(日)

Beaune Premier Cru "Montee Rouge" 1992
ボーヌ・プルミエ・クリュ "モンテ・ルージュ" 1992
Louis Violland
ルイ・ヴィオラン
Rouge
Beaune 1er Cru
ボーヌ1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,5712001/08/11 関内サンタムールカツミ商会
買い物に行ったら、結構大きめのマグロのカマがあったんで、 夕食はマグロのカマの塩焼きとマグロの顎部分の刺身。あとは合鴨のローストと大根ツナサラダ。 メインが魚なんで、白をチョイスするのが普通なのかもしれないけど、 今日はなんとなく赤が飲みたい気分。 というわけで、相手として選んだのはちょっと古めのブルゴーニュ。 買うときはすっかり忘ちまってたけど、実は昨年稽古済み。 そこそこ好印象ワインだったのは幸いなんだけど、値段はかなり上がってるっすね。
色は薄め。ややオレンジがかってて、熟成感が感じられるのは前回同様。 香りも、果実感や樽香バリバリってタイプじゃなくて、 一人孤独に熟成しました、って感じの、ゴム革系の雰囲気がメイン。 ボリュームは結構あって、格付け相応の香りだとは思うけど。 味も、良く言えばバランスよくまとまってて、悪く言えばチンマリしている、って感じ。 相手(料理)が何であれ、サクサクスルスル飲めてしまう。
前回の印象と非常に似通っていて、上手に熟成はしてるけどスケールの小さいワイン。 温度が低いとその"小スケール感"がますます目立つので、 ある程度高めの温度で飲んだほうがイケている。 特にアプリコットのような柔らかい甘さは、冷えていては全くマスクされてしまう。 そういう意味では、(冷たいものが飲みたい)夏に飲むより秋冬の方がふさわしい感じ。
77点自宅にて

10日(金)

L'Excellence de Bonassia Cabernet Sauvignon Merlot 1999
レクセレンス・ド・ボナシア カベルネ・ソーヴィニョン/メルロー 1999
Le Cepages de Meknes
レ・セパージュ・ド・メクネ
Rouge
Beni M'Tir
ブニ・ムティール?
(Morocco)
(モロッコ)
\9802001/07/29 酒奉行 保土ヶ谷店サントリー
久しぶりにチャッキチャキの赤ワインたるカベルネ・ソーヴィニョンとメルローの混醸モノ。 ところが、生産国は全くチャッキチャキでないモロッコ産。 当然モロッコ産なんて道場初でしょう、なーんてお思いでしょうが、 実は師範は過去飲んだ経験アリ。 えっへん!って感じ。
色は結構濃い。ボルドーほどの青黒さはないけど、青みは強い系の濃紫。 香りはなかなかどうして大したもんです。濃いベリーの香りと樽香がしっかり感じられて、 まるで南米とかのちょっと気合の入ったボルドータイプを飲んでるかのような雰囲気。 ちょっとマヨネーズの容器風の匂いがあるのが残念。 味も、ボルドーというより新大陸風。甘酸っぱくて押しが強くて、 基本的には夏場に飲むべからず系のワインなんだけど、きっちり冷やせばかなりイケる。
サンプル数としては未だ2銘柄しか無いけど、モロッコ産のワインって結構美味い。 でも、モロッコって回教国で飲酒はダメなんじゃなかったっけ?
翌日は相当冷して飲んだ。不味くはないけどやっぱり程よい頃合いの冷え具合が良いみたい。
また、買った店に行ってみたら、値札は698円となっていた。 私が買った時も値札はそうなってたと思うんだけど、レジでは980円に。 高く買わされたことを残念に思いつつ、 これで698円ならますますハイ・コスト・パフォーマンスだなぁと。
73点自宅にて

8日(水)

Chardonnay Delle Venezie 1999
シャルドネ・デッレ・ヴェネツィエ 1999
Le Oselle
レ・オゼッレ
Bianco
(IGT)
(インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\7302001/07/29 酒奉行 保土ヶ谷店モンテ物産
本日もまた白。昨日と同じ造り手、同じヴィンテージ、 「水平試飲」としゃれ込みました・・・って、全然試飲じゃないんだけどね。 アルコール度数もこっちの方が上の12%、お値段もこっちが約2割増し、 ボトルの外から見た感じも、こっちの方がずっと濃い(写真で判るかな?)。 それでも格付け的にはこっちが下級のIGT。 ホント格付けに関しては「不思議の国イタリア」であります。
色は、ボトルの外観ほどではないにしても、昨日よりはかなり濃い麦わら色。 香りもなかなか。花のような香りと甘い蜜香、さらに樽香が小さいながらもしっかりまとまっている。 とにかくこの値段でこういう上品な樽香に出会えることがまず意外。 味も香りの印象と同じく、こぢんまりではあるけどまとまりのよいバランス。 値段なりのトゲトゲしさが無いでは無いけど、せいぜいコンペイ糖のイボ程度なんで、 異物感を覚えるほどではない。
この値段で買える白としてはかなりイケている部類だと思う。 樽がしっかり感じられて、かつクリアな味わい、そういう3桁なんてホントに珍しい。 それにしても、明らかにこの造り手はDOCのソアヴェよりIGTのこっちに気合を入れてます。 格付けの下克上、それはそれでイタリアらしいんだけどね。
74点自宅にて

7日(火)

Soave 1999
ソアヴェ 1999
Le Oselle
レ・オゼッレ
Bianco
Soave
ソアヴェ
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\5982001/07/29 酒奉行 保土ヶ谷店モンテ物産
いわゆる安ソアヴェだと思いつつ、薄っぺらくて金属的だと思いつつ、 でもそういうワインが飲みたいときもあるよねー、って感じでチョイス。 一本598円、瓶ビール大瓶2本分くらいの値段。 アルコール度数も11%と軽めで、まぁビール2本分くらいの満足感があって、 それなりの爽快感が味わえれば良いか、ってな具合で。
色は無色に近いほど薄い。まぁそれは予想通り。 香りも、果実香というよりはミントとかニッキみたいな爽快感を感じる香りがメイン。これも予想通り。 味もきわめて平板で金属的。 サッパリといえばサッパリなんだけど、ひらがなの「さっぱり」に近いあたりもこれまた予想通り。
とにかく「安ソアヴェ」の見本(非お手本)的な雰囲気。 でも、これはこれで悪くないんですわ。 少なくともウケを狙ってイビツな濃さやウスラ甘さを持ったワインとは違って、 嫌な雰囲気のまったく無い、ただ単に安っぽくて迫力に欠けるだけのワイン。
65点自宅にて

5日(日)

おたる Pinot Noir 2000
おたる ピノ・ノワール 2000
北海道ワイン(株)
北海道 浦臼町・余市町 (日本)
\1,7802001/07/29 酒奉行 保土ヶ谷店
この「おたる 生葡萄酒」ってシリーズの白は、 遠い昔 一人暮らしの学生時代に、なんかお祝い事があったりした時、 酒屋で買ってきてありがたく飲んでいた記憶がある。 あの当時、1本1,000円のワインを飲むなんてとっても贅沢で、 ちょっと甘めの味わいがいかにも「ワイン」って感じで嬉しかったよなぁ。 …なーんて郷愁にひたりつつ買ったのが(今回は白ではなく)このピノ・ノワール。 国産のピノなんて、冷静に考えればイケてないのは目に見えてるんだけど。
色は非常に薄い。先日飲んだマルサネのロゼより気持ち濃いか、って程度。 でもまぁキレイな色ではある。 香りがねぇ。とにかく突出しているのは"Foxy Flavor"って言うんでしょうか、猫の小便みたいな匂いが大満開。 クレゾールみたいな香りもあって、手入れの行き届いていない便所なイメージを彷彿とさせる。 およそピノ・ノワールの雰囲気とは思えなくて、ナイヤガラとかコンコードとか、 北米系の葡萄がいっぱい入っているような気が…。 味は、薄いという以外に特に嫌なイメージは無いんだけれども。
思い返せば、このあまりに生っぽくて刺激的な香りって、おたるの生葡萄酒シリーズに共通した雰囲気のような気がする。 そういった意味では非常にコーポレート・アイデンティティのしっかりした造り手とも言える。 ただ、惜しむらくは現在の師範にとってはツラいばかりで楽しいとは感じられない香りではあるけど。
38点自宅にて

4日(土)

Billecart Salmon Brut Reserve N.V.
ビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴ (ヴィンテージ無し)
Billecart Salmon
ビルカール・サルモン
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\4,6002001/08/04 横浜君嶋屋アサヒビール
本日は、プチ師範代1歳の誕生日。師範の誕生日もつい先日だったんで、合わせてお祝い。 料理は、ケーキ、真鯛のきのこ蒸しと生タコとサーモンのカルパッチョ。あと赤飯とかも。 お祝いってことで、ワインもシャンパーニュが飲みたかったんだけど、 手持ちになかったんで散歩がてら買ってきた。 選んだのは、ビルカール・サルモン。 フランス遠征稽古の際、 とんでもなく美味しく飲めたものと同じ造り手。 もちろんグレードも飲む雰囲気も違うんだけど、あの感動をもう一度、って感じで。
色はやや濃い目のレモンイエロー。泡立ちの量やキメに関しては申し分ない。 香りも、いわゆる普通のシャンパンより一枚上手。 やや鋭めの柑橘系の香りと、味噌みたいなシャンパンらしい酵母臭と、 歳を経たワインが持つ熟成香が渾然一体。 口に含むと古めかしいような香ばしいような、なんともいえない感じがあってグッド。 温度的には、冷えてる場合はフレッシュさが際立って、 温度が上がってくると熟成感が増してくる、って感じかな。
さすがにあの感動を得ることは出来なかったけど、それでもなかなか楽しめた。 4,600円、確かに高価であるとは思うけど、でも他では得がたいんだよなぁ、この感じは。
80点自宅にて

1日(水)

Chateau Soubirou 1998
シャトー・スービロー 1998
Ch. Soubirou
シャトー・スービロー
Rouge
Bergerac
ベルジュラック
Sud-Ouest (France)
南西地区 (フランス)
\8012001/07/14 カーヴ・ド・リラックスリラックス
「暑い日に赤ワインはNG」と思ってたけど、 白だと食事の後半がなんだか物足りなかったりする。 というわけで作戦変更、食事前半はたっぷりビールを飲んで、 喉の渇きは十分に癒したあと、食後酒的に赤ワインを、って寸法に。 チョイスしたのは、濃そうで青そうな南仏の赤を。 この値段はラベル汚れで1割引の値段。
まずコルクの裏の匂いを嗅いだとき、ちょっと酢酸みたいな雰囲気があったんで、 「もしかしてコレ、ラベルだけじゃなくて中まで…」と心配したけどそれは杞憂だったみたい。 色は、ややオリーブ色がかっているというか、静脈血のような赤黒い感じの紫。 香りがなかなかイケている。南仏というよりまんまボルドーな香りで、 消し炭みたいなイガラっぽい香りがメイン。果実の香りが弱いのが若干残念。 味は、香りから想像するにバシッとインパクトのあるものかと思ったけど、 実情はさにあらずで、きわめて目立たない、良く言えば素直、悪く言えばヘナチョコな味。
ラベルを見たら、品種はカベルネ・ソーヴィニョンとメルローとカベルネ・フランだし、 小樽熟成らしいんでボルドーっぽいのは道理かな、と。 ともあれまぁまぁ楽しめた。 この時期の赤ワインは、がっついて飲むより余裕かまして飲んだ方が正解かな、と。
半分残した翌日、特に何ら変化無し。
68点自宅にて

先月分

by 師範