稽古日誌:1999年6月

「英会話のNOVA」っていう店の宣伝で、 『なぜNOVAを選んだか?』というシリーズがあるのはご存知だと思う。師範はあの宣伝が気に入らない。 だって『なぜNOVAを選んだのか』と聞かれて、みんな『なぜ英会話学校へ通い出したのか』 を答えてるから。「やっぱジオスは先生が○○○っぽいしー」とか「ベルリッツは◇□◇■教っぽいしー」 とか答えて欲しいものである。
アマタあるワイン関連の本も、タイトルに対して中身が上の例と同様みたいに感じるのは師範だけだろうか?


翌月分


30日(水)

Ch. Angelique '97
シャトー・アンジェリーク '97
Ch. Angelique
シャトー・アンジェリーク
Rouge
Bordeaux
ボルドー
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
99/05/05 元町ユニオン横浜スカイビル店エノテカ
このワイン、師範代御両親と義兄夫婦が上京した際、 義兄が買ってくれたもの。値段は良く見てなかったけど2,000円ちょっとだったような。 覚えやすそうな名前、 「なんちゃってカロン・セギュール」なハートのマークが横っちょに書いてある可愛らしいラベル、 どれをとっても"素人ダマシ"的なワインだけど、頂き物なんでありがたくいただくことに。
やっぱり色が薄い。そのうえサラッとした感じでちっとも濃そうじゃない。 香りも弱めだけど、雰囲気はボルドーらしい。 味もやや薄め。何がイヤってわけじゃないけど、だからどうした!って感じの味。 時間が経つと、全体に弱げだったものが少しずつ力をつけてきた感じはあるけど。
嫌な感じはないけど、とっても軽いボルドー。 可愛らしいラベルから想像するに、あんまり赤ワインとかを飲みなれない人に 「あっ、これ飲みやすぅーい!」って言ってもらうために造ったんですかね。 まぁそういうマーケティング戦略もあってしかるべきだけど、道場的には「お帰り下さい」。
64点自宅にて

29日(火)

Pinot Blanc '97
ピノ・ブラン '97
Pierre Brecht
ピエール・ブレヒト
Blanc
Alsace Pinot Blanc
アルザス ピノ・ブラン
Alsace (France)
アルザス (フランス)
\1,18099/06/12 やまや新宿店やまや
師範の好きなアルザス。 「コルマールでのアルザスワインコンクールで金メダルを取った」なんてステッカーがボトルに貼ってあって、 ラベルの意匠もなんだか高級風。 それにしても"やまや"って、安くて見知らぬワインがいろいろと入荷されるんで、 道場にとってはなかなか有り難いお店。
色は非常に薄い。まぁアルザスの安いやつなんてそんなもんです。 香りはまずまず。そんなに強くなくて、揮発油香がするわけじゃないけど、 良い白ワインの香りというか、小さい野薔薇みたいな華やかで可愛らしい香りがキュート。 味もなかなかなもの。薄い感じはしなくてトシッっと存在感のある感じ。 冷徹に評価すれば、やや酸味が弱くてやや甘味が強いんだけど、 キューンと冷やして飲めばそんなのどーでもよくて、 12%のアルコール度数ながら一本を1時間で飲んでもへっちゃらなくらい良い感じのワイン。
師範代も「これは良い」との評価。 『女子大の二年生、アルコールにはあんまり強くないけどワインはちょっと好き』 みたいな女性を、「良いワインがあるんだ」って誘い文句で部屋に呼び、 なんとなく良い気分にさせたいな、みたいな用途にはうってつけのワイン。 惜しむらくは師範はそういう年齢をとうに過ぎているけど。
73点自宅にて

27日(日)

バンドのメンバーと飲み会。お店は渋谷の「にんにく屋五右衛門」 とびっきり美味いわけじゃないけど、なんとなくたまには行きたくなる店です。

Gavi '96
ガヴィ '96
Arione
アリオーネ
写真無し
Blanc
Gavi
ガヴィ
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
\1,68099/06/27 にんにく屋五右衛門 渋谷店南インド会社
だいたいこういう店ではビールを飲むんだけど、小さなジョッキに1杯500円だと、 1,680円のワインを飲んだほうが割安ではないか、ということもあって注文。 輸入業者が「南インド会社」ってのは笑わせるけど。
まぁ普通の白です。香りそこそこ、味もそこそこ。 何がどうってわけじゃないけど腹も立たないワイン。 謳い文句に「青リンゴの香りが…」なんて書いてあったけど、まぁそんな感じもありつつの。
このくらいのワインがこれくらいの値段であちこちあれば、 日本のワイン消費量も底辺から拡がってくると思うですよ。
(64点)渋谷 "にんにく屋 五右衛門"にて

Vigna Case Alte '98
ヴィーニャ カーセ・アルテ '98
Leone de Castris
レオーネ・デ・カストリス
写真無し
Blanc
IGT
インディカツィオーネ・ジオグラフィカ・ティピカ
(Italia)
(イタリア)
\1,68099/06/27 にんにく屋五右衛門 渋谷店南インド会社
2本目も白。やっぱりこういう店で、こういう料理と一緒に飲むんだったら迷わず白ですな。 やっぱり冷えててゴクゴクって飲み方しちゃうから。 コッテリな赤をじっくりとなんてやらないし、実際そういう赤はないし。
このワインも、上のワインと概ね同じ感じ。 ただ、ちょっと違うのは、こっちの方がレモンっぽい柑橘系の香りがキリッとしてて、 爽やかさが一層強い感じですかね。
これもまぁまずまずですよ。お店で1,680円だったら、他のお酒飲むよりお得な感じ。 安ワイン好きには良い時代になったもんです。
(66点)渋谷 "にんにく屋 五右衛門"にて

25日(金)

Inglewood Pinot Noir '98
イングルウッド ピノ・ノワール '98
Neil Ellis Wines
ニール・エリス・ワインズ
Red
Western Cape (South Africa)
ウェスタン・ケープ (南アフリカ)
\89099/06/12 やまや新宿店やまや
本日の夕食は鮎の塩焼きとレバニラ炒め。 このメニュー双方に合うワインを選ぼうなんて、田崎の真ちゃんだって頭を悩ますでしょう。 で、師範が選んだのは、南アフリカの軽そうなピノ・ノアール。 外れてもまぁ諦めのつく890円也。
やや薄めの色、エッジに赤みがあるあたりなかなかブルゴーニュっぽい。 香りに驚いた。ボリューム満点。香りの質も、 木イチゴっぽさと樽の甘さと革っぽさを持ったものでブルゴーニュの名醸ワインっぽい。 香りまでだったら「大ヒット3桁発見!!」だったんだけど…。 味がねぇ。適度な渋味としっかりした酸味、 ちょっと甘味は強すぎる気がするけどそれぞれのパーツは悪くない。 ただ、全体として全く溶け合ってない感じというか、ギスギスした味わいになってしまってる。
惜しいなぁ。香りはとっても良いんだけど、味がバラバラ。 寝かせればまとまるんでしょうかね?(やったことないんで不明) それでも 890円だと思えば驚異的なピノ・ノアール。
73点自宅にて

23日(水)

Cotes du Rhone '95
コート・デュ・ローヌ '95
E. Guigal
E.ギガル
Rouge
Cotes du Rhone
コート・デュ・ローヌ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\1,20099/06/12 ナショナル麻布ラック・コーポレーション
ローヌの名門ギガルのコート・デュ・ローヌは、 お値段手頃だけれどもなかなかグッドだと世間でも評判。 ('92だったか、とってもNGな年もあると聞いた気もするけど) そぉ言えば道場開設以降、ギガルと稽古したことがなかったな、って感じで。
色は「濁っているのか」と感じるような、若干くすんだ青紫。実際濁っているわけじゃないけど。 香りは「これぞローヌ」な、ボリュームのある青畳のようなトボケた香り。 味は案外素直。酸味は控えめで軽い渋味と軽い甘味、 存在感がありつつ飲みやすいってのはこんなワインなのかな。
ローヌらしくてまずまず良い感じ。やっぱギガル氏は「ローヌの教科書」ですなぁ、 他のローヌのワインって全て根っこにはこれがあるような気がする。
70点自宅にて

22日(火)

Maurin des Maures '96
モーラン・デ・モール '96
Les Maitres Vignerons de la Presquile des Saint-Tropez
レ・メートル・ヴィニェエロン・ドゥ・ラ・プレスキル・デ・サン・トロぺ
Blanc
Cotes de Provence
コート・ド・プロヴァンス
Cotes de Provence (France)
コート・ド・プロヴァンス (フランス)
\68099/06/12 やまや新宿店やまや
ちょいとオシャレなボトルにオシャレなラベル、 それで680円とくれば普通は「カッコだけ」のワインだと思って敬遠するんだけど、 なんだかこのワインは美味そうだと直感したので購入。 裏にはセパージュが明記されてて"Rolle, Ugni-Blanc"らしい。 ユニ・ブランってのは聞いたことあるけどロールってのは知らん。
色は普通。特に薄いってことは無い。 香りは弱い。弱いながらも雰囲気は悪くなくて、まぁゴクゴク飲める系な感じ。 味は思ったより濃い。酸味と果実の味、それと表に出ない程度の甘味があって、 思ったよりしっかりした感じ。
特にどこか凄いところがある訳じゃないんだけど、少なくとも嫌な感じは無くてそこそこ楽しめる白。 プロバンスの海辺とかには合いそうですなぁ、ボトルのデザインも味も。 お値段が倍の1,360円だと言われても「なるほどそうですか」と答えられそうなくらいマトモ。 直感はアタリって感じですかね。
68点自宅にて

20日(日)

Santenay '96
サントネー '96
Michel Colin-Deleger et Fils
ミシェル・コラン・ドゥレジェ・エ・フィス
Rouge
Santenay
サントネー
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\3,80099/05/30 ゴトー酒店ゴトー酒店
この造り手のワインは、前回 Chassagne-Montrachetが大ヒットだったことを店主さんに伝えたところ、 「それじゃこっちもどうだい」ってことで買ったもの。 ピッチピチの量を詰められたワインなんで、 師範宅みたいにセラーの無い環境では染み出してしまってた。 変質してなきゃ良いけど。
色は、ブルゴーニュとしては濃いほうだとは思うけど、 このレベルのワインだとそんなもんなんですかね。 香りは、期待に違わぬ華やかな香り。なんだかブルゴーニュってやっぱり香りだなぁって思う。 Chassagne-Montrachetに感じたソーセージっぽい香りもやはり感じる。 香りのボリュームで言えば前回のほうが上かもだけど、傾向としては相当近い。 味も素晴らしい。若いくせにまろやかで、とってもバランス良くて。 味に関しては、Chassagneよりこっちのほうが良い甘味があって楽しいかな、と感じる。
いやはやこれまた素晴らしいブルゴーニュ。前回飲んだChassagne-Montrachetと甲乙つけがたい。 っていうか、『どーっちだ?』ってブラインドで聞かれても全くわからんでしょう、 それくらい似てるけど双方とも素晴らしい。
88点自宅にて

19日(土)

Bourgogne Passetoutgrain '96
ブルゴーニュ・パストゥグラン '96
Hubert Lignier
ユベール・リニエ
Rouge
Bourgogne Passetoutgrain
ブルゴーニュ・パストゥグラン
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\98099/06/12 やまや新宿店やまや
昨日は高級ボルドーを飲み倒したんで、ここでまたソレ系だと差が付きそうだと思い、 チョイスしたのは安ブルゴーニュ。パストゥグランではあるけど、 980円というお手頃価格ながら造り手は名門ユベール・リニエ。 ただ、このリニエ氏のパストゥグランは昨年あたりだったか「恐ろしく酸っぱい」 という風評が立ったんでそんなに多くは期待できないけれども。
色はかなり青く濃い。やっぱりガメイが多いんですかね。 香りも、ピノ・ノアールよりガメイが強そうな、やや青臭くて南の雰囲気を感じる香り。 味…一口目の印象はとにかく『酸っぱいぃ!!』。口に含んですぐはそうでもないけど、 後から強烈な酸味が襲ってくる。弁当屋のいい加減な梅干しよりかはずっと酸っぱい感じ。 で、普通だったらNGなんだけど、師範も最近賢くなりました。 酢の効いたドレッシングをかけたサラダと一緒に食べたら、 その酸っぱさと青臭さがマイルドに感じられ、 好印象とは言えないまでもそこそこ美味しく頂けました。
「酸っぱいワインは酸っぱい料理と」。 当たり前のようだけど、かなり有効な方法。
66点自宅にて

18日(金)

本日は、大分在住の
阿部さんが上京されるというので、 仲間内で歓迎会。
参加者は、阿部さん光弘さんとマダーム、 伊藤さん、 やゑ様トビさんがぶ嬢、 たねもりさん、磯子さん、師範の10名。
場所は京橋のドン・ピエールにて。料理とワイン(持ち込み以外)込みで10,500円ポッキリでやってもらいました。
まずは乾杯の泡から。

Veuve Clicquot "La Grande Dame" '90
ヴーヴ・クリコ "ラ・グランド・ダム" '90
Veuve Clicquot Ponsardin
ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
99/06/18 ドン・ピエールルイ・ヴィトン・ジャパン
いきなり高級シャンパーニュ。ヴーヴ・クリコは普通のやつなら飲んだことあるけど、 もちろんこれは初めて。(って、ほかの高級シャンパーニュもあんまり飲んだことないけど) お店で用意してもらったワインは2本ずつなんで、結構飲む量がありました。
やっぱり高級品は泡がきれいですね。小さくて量も多くて。見てるだけでも楽しい感じ。 リンゴの香りがとっても強くてますますハッピー感あり。 味はかなり重い系。余韻が長いと言うんですかね、口の中に"カーッ"と残る感じがあって、 「飲んだぁー」って気分になる。
重いシャンパーニュは得意でない師範も、 冷えてるうちは大満足。ぬるくなってくるとイースト香と苦みが強く感じられて、 ちょっと苦手な感じがあったけど。
(80点)京橋「ドン・ピエール」にて

前菜は、
・ホワイトアスパラガスと牛のたたきみたいなのをアッサリと味付けしたもの
恥ずかしながら(缶詰でない)ホワイトアスパラガスって、 初めて食べたような気がする。美味いもんですね。

白は下の2種。

Chassagne-Montrachet 1er Cru "Abbaye de Morgeot" '95
シャサーニュ・モンラシェ プルミエ・クリュ "アバイェ・ドゥ・モルジョ" '95
Marquis de Mac Mahon
マルキ・ドゥ・マク・マオン
Blanc
Chassagne-Montrachet 1er Cru
シャサーニュ・モンラシェ 1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
99/06/18 ドン・ピエールミレジム
お店に用意してもらった白は、シャサーニュ・モンラシェ一級畑のもの。 ここの造り手は、普通は大手ネゴシアンの"ルイ・ジャド"に納めているらしいけど、 このワインは自分で作ったそうな。
「こんなシャルドネもあるんだなぁ」っていうのが正直な感想。 香りは、ガソリンみたいなジッポのオイルみたいな感じで、 どっちかっていうとアルザスのピノ・グリっぽい雰囲気。 樽香もしっかりあるんだけど、突出してる感じはなくて香りの中に溶け込んでいる。 味もなんだかシャルドネっぽくなくて、とにかく予想外。
あんまり重くなくて、香りも華やかで、なかなか心地よい白でした。
(77点)京橋「ドン・ピエール」にて

Domaine de Chevalier '88
ドメーヌ・ドゥ・シュヴァリエ '88
Domaine de Chevalier
ドメーヌ・ドゥ・シュヴァリエ
Blanc
Graves (Grand Cru Classe)
グラーヴ (特選銘柄)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
かぎさんより大榮産業
このワイン、参加予定のかぎさんが前もってお持ち込みだったんだけど、 当日具合が悪くなられたらしく、本人不在のまま飲むことになったもの。 ご自分は参加できないのに『飲んで良いよ』なんて、なんと男前!。
で、ドメーヌ・ドゥ・シュヴァリエは以前 赤を飲んで大好印象だったんで、当然この白にも大期待。
ともかくインパクトの強い白でした。 ドッカーンとくる樽香、それに負けないどっしりと重い葡萄の果実味。 樽香の強い白はあんまり得意でないんだけど、他の要素も強いと全然嫌味じゃない。 赤の樽香が嫌じゃないのと同じ理屈かなぁ。 それにしても10年以上経った白なのに全く年老いた感じがないってのは、 よっぽど良いヤツなんでしょうね。
いやはや凄い白。一人で一本飲むとなると印象が変わるかもしれないけど。
ともあれかぎさんありがとうございました。早く良くなってね。 (ってこれ読むときは良くなってるだろうけど)
(82点)京橋「ドン・ピエール」にて

メインの魚料理は、
・イトヨリ/イサキ/ホタテのポアレ

カリっとしてて味わいが深くて美味しゅうございますわねぇ。

ワインは赤へと。

l'Hospitalet "Cuvee Kazumi" '96
ロスピタレ "キュヴェ・カズミ" '96
Ch. L'Hospitalet
シャトー・ロスピタレ
Rouge
VdP (Coteaux de Narbonne)
ヴァン・ドゥ・ペイ (コトー・ドゥ・ナルボンヌ)
Languedoc & Roussillon (France)
ラングドック・エ・ルーション (フランス)
99/06/18 ドン・ピエールアイワールド
お店の赤は、ロスピタレのもの。 "キュヴェ・カズミ"ってのは、なんだか日本人な方が向こうで造ってるだか 造ってもらってるだかという話だったような。 で、その方はドン・ピエールのソムリエ岡部さんと同姓同名という話だったような。
まだ魚を食べてたころだったんで、 ちょっと軽目で若々しい雰囲気がなんともマッチして良い感じ。 ちょっぴりのインクっぽさと、青畳みたいなとこもあって、 すっきりしてるけど物足りなくはない。
特に凄いって訳じゃないけど、こういうのも良いですね。 後のワインの前座としては十分。そこらあたりはソムリエさんのご配慮ですかね。
(72点)京橋「ドン・ピエール」にて

肉料理は、
・炭焼きにした羊を春巻きの皮みたいなの(米の皮?)に包んでさらに焼いたもの
外側はフランス料理(?)の香ばしさ、中側は焼き鳥みたいな和風の香ばしさで面白い一皿。 ちょっと火を通しすぎかなとも思ったけど。

いよいよ皆様お持ち込みのワインへ。

Ch. La Mondotte '93
シャトー・ラ・モンドット '93
Ch. La Mondotte
シャトー・ラ・モンドット
Rouge
Saint-Emilion Grand Cru
サンテミリオン特級
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
阿部さんより
門下生第十五号阿部さん(BBQ氏)お持ち込みのワイン。
この造り手は、ロバート・パーカーなるワイン蘊蓄氏が、 '96年以降とんでもない高得点を付けたことで一挙に値が上がり、 俗に"シンデレラ・シャトー"と呼ばれているところ。 この'93年は評価に載ってないらしいんだけど、 それでもとってもレアなワインみたいです。
最初「香りが弱いかな」と思ったけど、スワリングするとドーンと来ました。 口に含むときはスルッと入ってきて、口の中でポワーンと拡がる感じがいかにも高級品。 渋味が結構強いんだけど、錆みたいにザラザラした渋味じゃなくて、 苔みたいなホコホコした渋味なんでとっても口当たりが良い。
"迫力満点"って感じのワインじゃないけど、きっちりと造られたことが判るワイン。 一杯だけじゃなくて一本飲むともっと良い感じになるんじゃないかな。
阿部さんありがとうございました。
(80点)京橋「ドン・ピエール」にて

Ch. Grand-Puy-Lacoste '86
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト '86
Ch. Grand-Puy-Lacoste
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト
Rouge
Pauillac 5e Cru Classe
ポイヤック5級
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
光弘さんより日本リカー
門下生第五号光弘さんお持ち込みのワイン。
で、このワイン、光弘さんが10年くらい前に3,200円で購入されたらしい。 ちなみに今では(近くの河内屋で)15,000円近い値が付いておりました。 "年の功"ってやつですね(違うか?)
コルクの裏も真っ黒けで、ワインの色もとっても濃く元気。 香りが凄い。熟成したボルドーらしい非常に複雑な香りがバンバンと立ち昇ってくる。 味もオッケー。ズッシリと重いけどまろやかーな感じ。 グラスの中に放置しておいたらちょっと酸味が出てきた。
熟成具合最高潮、高級感もインパクトもばっちり、文句無しに美味しいワイン。
光弘さんありがとうでござんす。
(89点)京橋「ドン・ピエール」にて

Ch. Haut-Bailly '81
シャトー・オー・バイィ '81
Ch. Haut-Bailly
シャトー・オー・バイィ
Rouge
Graves (Grand Cru Classe)
グラーヴ (特選銘柄)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
たねもりさんよりエノテカ
門下生第十二号たねもりさんお持ち込みのワイン。
こうやって見ると門下生諸氏にワインを貢がせているみたいだけど、 その分師範は写真撮ってメモ取って皆様に貢献させていただいております、なんてね。 今日は「阿部さん歓迎会」なんで"お師範のため"ってわけじゃないしね。
このワインも柔らかい。流石に若々しさは感じなくて、 色もややオレンジが強くなってるし、香りや味にも熟成感が支配的になってきてるけど、 まだまだ"過ぎた"ってほどでもなくて、熟成したボルドーの楽しみが味わえるってやつです。
…とかなんとか偉そうなこと書いてますけど、上とこれと、テーブルに並んだ2つのワイン、 どっちがどっちか判らなくなって、阿部さんに確かめてもらったりしておりました。あぁ情けない。
いやはや、こんなに高級ボルドーをいろいろ飲めるなんて幸せでありました。
たねもりさんありがとうね。
(82点)京橋「ドン・ピエール」にて

普通ならここでチーズが出るんだけど、ドン・ピエールさんはいわゆる"洋食メニュー"もお得意とのことで、 ちょっと雰囲気を変えて下のご飯モノをちょっとずつ。
・オムライス
・カレーライス
やっぱり師範は日本人、最後にご飯モノが出てくると嬉しいっす。 オムライスは噂に違わぬとっても美味しいものだし(ケチャップの香りが特に良かった)、 カレーライスは、師範幼少の折りタマの贅沢で両親に連れていってもらった"熊本交通センターホテル" のカレーライスを彷彿とさせる懐かしくも美味しいものだったし。

デザートはワゴン上の8種ほどの中から選択で、師範が選んだのは
・クルミのタルト
・ババロア
・カスタードプリン
の三種。 クルミのタルトがとっても美味。もともと師範はクルミ好きだし。

最後に飲んだワインは下のデザートワイン。

Ch. Bel Air "Vieilles Vignes" '95
シャトー・ベレール "ヴィエイユ・ヴィーニュ" '95
Ch. Bel Air
シャトー・ベレール
Blanc
Sainte-Croix-du-Mont
サント・クロワ・デュ・モン
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
99/06/18 ドン・ピエール出水商事
『デザートワインは"デザートとして飲むワイン"であって"デザートと一緒に飲むワイン"ではない』 なんてことを耳にしたりするけど、実際はどうなんでしょうね。
で、我々は"デザートと一緒に"飲んでおりましたが、なかなか良いもんでありました。 メロンみたいな香りが強いワインで、 酸味はあんまり強くなく南方のフルーツを彷彿とさせるものだったけど、 甘いデザートと一緒だとさわやかに感じられて、ワインもデザートも美味しく頂けました。
やっぱり良いですね、食後の甘いワインは。
(78点)京橋「ドン・ピエール」にて

この後、コーヒー(エスプレッソ)を飲んで、お会計を済ませて解散、のはずだったけど…
なんだか居座ってしまっていたら『食後酒を飲みたい』なんて言い出す人がいて、 飲んでしまいました。会計は終わってるのに。
飲んだのは、
・サッシカイヤのグラッパ
・長期熟成モノのカルバドス
いやはや美味かったっす。グラッパって、なんとなくトンガッたイメージがあるんだけど、 これはとってもまろやかで良い感じだし、カルバドスも負けず劣らず柔らかい感じで。
気が付いたら11時過ぎ、長々とお世話になりました。
ともあれ、ありがとうございました、岡部さんはじめドン・ピエールの皆さん。参加者の皆さん。


16日(水)

Vendange Cabernet Sauvignon N.V.
ヴァンダンジュ カベルネ・ソーヴィニョン (ヴィンテージ無し)
Vindange Wine Cellers
ヴァンダンジュ ワイン セラーズ
Red
(USA)
(アメリカ合衆国 )
\50099/06/12 やまや新宿店やまや
今日は勤務先の宴会だったんだけど、なんだか乗り切れずに早く帰ってきてしまい、 かつ酒量的にも物足りないんで家でワインを飲むことに。 と言っても一本飲みきるのは無謀そうなんで、 明日へも残すことを前提にお手軽価格のものをチョイス。 このワイン、「よりどり2本で1,000円」のワインで、 一本だと780円。
色は、カリフォルニアのカベルネにしては薄めだけど、まぁこんなもんでしょう、って程度。 香りにちょっと驚いた。樽からくるのであろうミルクみたいな香りがあって、 およそ\500のワインとは思えない。また、ローリエなのかクミンシードなのかわからないけど、 香草的なかおりもソコハカとなくある。 味はまぁ普通ですかね。ちょっと渋くてちょっと酸っぱくてちょっと甘くて。
まぁまぁのワイン。今日みたいなシチュエーションではこれで十分だし、 予想に反して大半飲んでしまった。 でも、これが500円だと思うと恐るべしだなぁ。
68点自宅にて

13日(日)

天気が良かったし、掃除も洗濯も昨日のうちに終了していたんで、 ご近所さん宅に電話して半ば強引にバーベキュー大会。

Montes Alpha Chardonnay "Special Cuvee" '97
モンテス・アルファ シャルドネ "スペシャル・キュヴェ" '97
Discover Wine
ディスカバー・ワイン
Blanco
Curico Valley (Chile)
キュリコ・ヴァレー(チリ)
\099/04/30 横浜そごうエノテカ
ご近所さんは白ワインを飲まない人なんだけど、「まぁ一度くらい高級っぽい白を飲んで見なせぇ」 って感じで持参した白。 実はこのワイン、下のカベルネを買った際、店員さんに間違ってメルローを渡させて (白い紙に包まれて、外からはラベルが見えない)、 翌日交換に行った折に"お詫び"の意味で貰ったワイン。というわけで購入価格0円。 通常売価は下と同じ2,100円。
色は濃い目の黄色。風邪薬を飲んでる時のお小水的色合い。 香りは、予想通りの爆裂的樽香。葡萄がどうだとかを覆い隠すような強烈な樽香で、 ご近所さん曰く「とっても変わってる」。確かにワインというよりスコッチウィスキーですな。 味はに関して心配した甘さはないけど、樽香が凄くて味わう感じではなかった。
とにかく樽香樽香なワイン。世に高級白ワインをバターとかビスケットとかに喩える人がいるけど、 まぁそれらがこんな感じかもしれない。金をかけて作ってるってのはわかるけど…。
69点ご近所宅にて

Montes Alpha Cabernet Sauvignon '96
モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニョン '96
Discover Wine
ディスカバー・ワイン
Tinto
Curico Valley
キュリコ・ヴァレー
Curico Valley (Chile)
キュリコ・ヴァレー (チリ)
\2,10099/04/29 横浜そごうエノテカ
白は樽香が強すぎてイマイチだったけど、赤なら他の要素も強そうなんで。 不思議なのは、白には"Special Cuvee"と書かれてるけど赤には無く、逆に赤には "D.O.Curico Valley"と原産地呼称があるけど白には無い。なんなんでしょうね?
色は濃い。昼間の屋外でも濃いと感じるほどの濃さ。 香りは、最初モロにインクの香りがして「はぁ力の入った新大陸赤ですこと」の雰囲気満点。 味も香りのまんま。かなりタンニンは強いけど、まぁ甘味もあって酸味もしっかりしてて。 時間が経つとインクっぽさは弱くなって、酸味が強くなってくる。
とにかく力を入れて造ったことはわかるワイン。でもかなり一本調子。 どうしてそうなっちゃうんだろうなぁ、ここらあたりのワインって。
74点ご近所宅にて

12日(土)

本日は、都内へ出てあちこちでワインをお買いまわり。 買った18本全部2,000円以下。アッパレ安師範。
夕食は「叙々苑 等々力店」で。
師範家では、焼肉は大抵ご近所の「焼肉 港」というお店で食べるんだけど、 友人が『いっぺん"叙々苑"で食べて見るが良い』というんでトライ。 師範代は赤坂店に行ったことあるらしいけど。
頼んだのは以下。焼肉屋では大抵このラインナップ。 サービスでアイスクリームが一つずつついて、トータルで12,416円也。
ホルモンは美味かった。身が厚くてジューシーで。 タン塩もなかなか。ちょっと胡椒と塩がきつすぎるのが気になったけど、肉自体は良い物。 それ以外は…まぁ普通かな。
それとちょっと高いなぁ。このメニューだといつもだったら10,000円以下だから。 それぞれの単価が高めだし、"サービス"というにはちょっとというサービス (人を呼ぶ時はボタンを押す)で、10%もサービス料を取るのが原因かな。 店員さんの応対自体は気持ち良いものなんで、店員教育は行き届いていると思うけどね。

ワインは、ボジョレー(3,800?円/1,800円)と見知らぬフランスモノ(5,000円/?円) とドイツモノ(5,000円/?円)と ハウスワイン(2,200円/1,200円)のフル/ハーフがあった。どう考えてもどれもバカ高いんで、 一番安いハウスワインのハーフを。

Polaire "Jojoen" vun rouge N.V.
ポレール "叙々苑" 赤ワイン(ヴィンテージ無し)
サッポロワイン(株)
サッポロワイン(株)

(日本)
(日本)
(\1,200[ハーフ])99/06/12 叙々苑 等々力店サッポロワイン(株)
別にわざわざワインを飲まなくても良かったんだけど、 この店って生ビールも高め(コリンズグラス程度の大きさで600円)なんで、 あんまり美味そうな気はしないけど"ワイン欲というより好奇心"ってな気持ちで注文。
で、ハウスワインってのはサッポロのポレールと判明。 色は薄目。香りも弱い。味もペラッペラ。 裏書きによれば、ピノノワールとメルローが主体らしいけど、 まぁそう言われればそういう気もするかなぁって程度。 更に裏書きによれば『上品な香り、軽快でまろやかな飲み口』らしい。 確かにそうとも言える気がするんで、モノは言いようですな。
正直言って1,200円も払って飲む価値は全く無かった一本。 ここみたいに800円くらいだったら 「まぁしょうがないか」と思えるけど、1,200円はねぇ。
40点"叙々苑 等々力店"にて

11日(金)

Muscadet '97
ミュスカデ '97
Philippe de Charmille
フィリップ・ドゥ・シャルミーユ
Blanc
Muscadet
ミュスカデ
Loire (France)
ロワール (フランス)
\84099/06/04 宮崎屋酒店日合商事
デパートで売ってる点心(海老蒸し餃子とか)に合わせて飲んだワイン。 道場ではいわゆる"出来合いのお惣菜"を食べることはあんまりないけど たまには、ってことで。でも案外美味しいね、こういうの。
選んだワインは、フランスの安ミュスカデ。 ミュスカデって、これまで師範にはあまり良い印象は無い。 なんとなく金属的というか、酸っぱすぎって感じのワインが多かったから。
色は当然薄い。まぁこの値段のワインの色がどうこう、なんてのはあんまり意味無いけど。 香りはちょっと驚き。抜栓後グラスに注ぐ前からスッキリとした柑橘系の香りが漂ってくる。 確かに単調ではあるけど、値段を考えるとなかなかボリュームのある香りと言える。 味もちょっと驚き。やっぱり金属的ではあるけど思ったほど酸っぱくなくて、 クイクイッと一本気持ち良く飲んでしまえる味。
「ミュスカデは苦手」を自認してたけど、ちょっと方針転換。 この値段でコレはなかなかなもんです。特にジメっと暑い今の時期には。
70点自宅にて

9日(水)

Crucillon N.V.
クルシヨン (ヴィンテージ無し)
Bodegas Aragonesas
ボデガス・アラゴネサス
Tinto
Campo de Borja
カンポ・デ・ボルハ
Campo de Borja (Spain)
カンポ・デ・ボルハ (スペイン)
\68099/05/22 酒奉行 保土ヶ谷店木下商事
安ウマワインのメッカ、スペイン産のワインだけど、 この"カンポ・デ・ボルハ"という土地は初めて。 630円という激安価格なうえヴィンテージも無しなんで、さすがにペケかも、 なんて思いつつ抜栓。
コルクが屑コルクを固めたやつで「はぁさもありなん」なんだけど、 それに付いている色がかなり濃く、かつ香りも良いんで「おやっ」と思わせる。 青く濃い色合いから、まぁ若いワインだろうな、ってことは判る。 もちろんN.V.なんで年代は判らないけど。 香りのボリュームは分不相応に強い。だけども、その中身がイマイチ。 直接アルコールな雰囲気と、師範が「スペイン産って田舎臭いなぁ」と感じる雰囲気 (テンプラニーヨの雰囲気か?)が満載。例によって昆虫採集臭さもあって、 とにかく田舎くさい感じ。 味わいは悪くないんですよ、適度に濃くて、酸味とほのかな甘味もあって。
スペイン産の田舎くささを凝縮した感じ。 そういった意味では先般飲んだのとある意味共通した部分アリ。 ちょっとさすがにこの値段じゃ辛いかなぁ。
64点自宅にて

6日(日)

伊豆小旅行の二日目。昨日食べ過ぎて胃が重い。

宿でまぁ普通の朝食を食べて、向かったのが伊豆高原にある「高原の湯」という日帰り温泉。 入浴料\900。もちろん宿にも温泉はあったんだけど、なんだか他にしたいことも無くて。
で、この温泉には大満足。師範家はよく箱根湯本の「雲遊天山 露天風呂」というところに行くけど、 そこと同じくらい設備が充実してて、かつ新しい。なにより良いのが人が少ないこと。 残念なのは遠いことか。

昼食は伊東の「七ヱ門」という寿司屋で。
ここの寿司屋、残念ながらピシッと締った雰囲気はなくて、 ちょっと観光客相手的な寿司屋。(っつっても我々も観光客だけど)
『美味しいトコロを一通り』とお願いしたら、出てきたのは
    大トロ、イサキ、金目鯛、黒ムツ、イカ、鰹、鯵、鯖、玉子焼、穴子
の10貫。地の魚が主体で、かつ鮮度も良くてなかなか満足。 特に黒ムツとイサキが良いね。金目鯛は昨日のほうが上だったけど。あと、追加で
    赤貝、地タコ
を。
この他にお通しが2品とお椀が付いて、抹茶のアイスクリームが付いて、 生ビール2杯飲んで二人分税込みのお値段は6,510円。 思ったより安くて満足満足。

という感じの小旅行でありました。

自宅に帰って飲んだワインがこれ。

Kenwood "Vintage Red Wine" '97
ケンウッド "ヴィンテージ レッド・ワイン" '97
Kenwood Vinyards
ケンウッド・ヴィンヤーズ
Red
California (USA)
カリフォルニア (アメリカ合衆国)
\1,38099/05/22 酒奉行 保土ヶ谷店カリフォルニアワイン・トレーディング
昨日今日の暴飲暴食と温泉(とサウナ)への入り過ぎで若干胃が疲れており、 本当は軽めの赤を頂きたかったんだけど、 残念ながらそれらしいのは在庫無し。でもやっぱりワインが飲みたいのでこのワインを。 裏書きによると、葡萄はカリニャンとジンファンデルらしく、軽い肉料理とかパスタに、 なんて書いてあるんで案外軽めなのかなぁと。
色は濃い目。まぁカリフォルニアですから。 香りを嗅いだ時点では、これがカリニャンとジンファンデルから出来てるとは思えない。 「カベルネとメルローのボルドーですよ」と言われたらそのまま信じそうな感じ。 でもカリフォルニアらしく、樽からくる甘~い香りは備えている。
味わいはさすがに甘い。 普段だったら『甘すぎ!』の判定とともに辛辣な評価を下したくなる雰囲気だけど、 今日はちょっと「疲れた胃腸」を持つ安師範、 このワインみたく甘酸っぱくて渋味の少ないワインに対しウェルカムサインが点りっぱなし。
ワインって本当に時と場合によるなぁ。 前日食べ過ぎて、当日温泉とかサウナに入り過ぎて、かつ寿司なんて食べて胃も疲れたけど しっかりした赤ワインが飲みたい、なんて場合には超おすすめのワイン。 普通に飲んだらいろいろアラも目立つんだろうけど。
71点自宅にて

5日(土)

「今週の週末は天気が良い」ということらしいので、突然伊豆方面へ一泊旅行へ行くことに。 ガイドブックで、 を条件に探し出したのが、東伊豆稲取温泉にある「稲取リゾート」という部屋数10程度の小さな宿。
ここを金曜日の朝に予約して、いざ出発。

道はそんなに混んでなくて、順調に車は進み、お昼過ぎ頃着いたのが真鶴漁港の横にある 「真鶴 魚座(さかなざ)」という磯料理屋。 市場の上にある建物で、壁一面水族館みたいに魚が泳いでいる。 どうやら漁協かなんかの経営らしい。
ここで食べたのは、師範・師範代とも刺身定食(\1,800)と師範は生ビール(\600)。
ぱっと見は刺身の量も少なくて物足りなげなんだけど、食べてみるとそうでもない。 盛り付け方で損している感じ。地魚の白身が多くて、まぁそこそこ満足。 生ビールもちょっと高いけどキッチリ冷えてたし。

3時過ぎには宿に到着。宿は稲取港を望む高台に建っていて見晴らし良好。 早速露天風呂に入って、上がったら生ビール(\500)を飲んで、本読んでのんびりと。 一泊朝食付きの宿泊費は一人8,000円なんで、 ペンションに毛が生えた感じの宿としてはそんなにお安くはないけど、 部屋も広いし(15畳くらい)なかなか快適な宿であります。
夕食はダイニングで。窓からの眺めが良くて雰囲気も上々、席間もゆったりしているし、 備品もフレンチレストランに負けないちゃんとしたもの。 食べたのは、一人5,000円のコースで、内容は以下。

いやはやこんな土地でこれだけの料理が食べられるとは思っても見なかった、って感じ。
もちろん、都内のレストランみたいに変わったフランス野菜を使ってあったり 手の込んだ味付けや巧みな調理をしてあるわけじゃないんだけど、素材の味と量で勝負の料理で、 思いのほか大満足。
特に良かったのが金目鯛。師範も師範代も、過去これほど歯応えのある金目鯛を食べたことが無い。 歯応えがありつつ、金目鯛らしい甘味とコクもあり、それをあっさりとマリネしてあってとっても美味。 聞けば、稲取港って良質の金目鯛が水揚げされることで有名らしい。
他の料理の味もなかなかで、盛り付けも美しい。あと、とにかく量が多い。 メダイなんて拳骨大だし、鴨も胸肉一枚だし。
『がんばってるなぁ』と感じられる料理でした。

で、ここにはワインが9種。
白が5種で、Chablis(\3,300), Macon Lugny(\2,600), Muscadet(\2,000), ドイツ2種(\2,400/\2,300)。
ロゼが2種で、Rose d'Anjou(\2,000), Tavel Rose(\2,600)。
赤は1種で、Morgon "Cote de Py"(\2,600)。
泡も1種で、Castillo Perelada Cava Brut(\2,400)。
料理が料理なんで、赤よりも白を充実させているのは好感がもてる。値段もお手頃だし、 全てハーフサイズが用意されているのも良いと思う。

いろいろ悩んだ挙げ句、師範が頼んだのは泡もの。 コース料理を泡で通す、ってのを一回やってみたかったんで。

Castillo Perelada Cava Brut N.V.
カスティーヨ・ペレラーダ カバ ブルット (ヴィンテージ無し)
Castillo de Perelada
カスティーヨ・デ・ペレラーダ
Espmoso
発泡
Cava
カバ
Penedes (Spain)
ペネデス (スペイン)
(\2,400)99/06/05 稲取リゾート雪印乳業
このワインを頼んだら、置いてあったワイングラスを下げて、クープ型(結婚式とかで使われるやつ) のグラスに取り替えられそうになったんで、「普通ので結構です」とお願い。 今時クープ型のグラスを使うのって珍しいなぁ。
泡立ちはそこそこなんだけど、キメが粗い感じ。まぁ値段が値段だから仕方ないか。 香りの量ははまずまず。いかにもカバらしい香り。 味もまぁ悪くはないんだけど、後味の苦味がちょっと気になる。 なんだか角張った感じで、粗い炭酸と相まって飲み下すのに抵抗があるような。
特に悪くはないんだけど、そんなに良くもない。 だんだん飽きてきてしまった。
67点"稲取リゾート"にて

…とワインはイマ一つだったけど、食事の後も貸し切り露天風呂から星を眺めて良い気分。


4日(金)

Soave Classico Superiore '97
ソアヴェ・クラッシコ・スペリオーレ '97
Pieropan
ピエロパン
Bianco
Soave Classico Superiore
ソアヴェ・クラッシコ・スペリオーレ
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\1,58099/04/11 酒のアトリエ 吉祥フードライナー
このワインは以前ワイン会で出されて、 なかなか好印象だったもの。ま、あの時は一杯だけだったんで、 その印象が確かなものか確認する意味でも再稽古。
外見は、特にどうということもない普通の外観。あ、でもコルクは違う。 およそこの価格のワインには使われないであろうピシッと締ったコルク。 で、香りが良いんです。グラスに鼻を近づけずともわかる華やかな香り。 もうそれだけで合格。 味も素晴らしい。いわゆる"安ソアヴェ"とは一線を画す、 非常にギュッと締った凝縮感がありながら重たいとは感じない絶妙な作り。 香りと味の雰囲気的にはアルザスっぽいんだけど、 揮発油的な香りが無いのがここ固有な印象。
白ワインはこういうのが好き。軽快でありながらガッツあるワイン。 以前と同様好印象。
78点自宅にて

2日(水)

Chianti Colli Senesi '97
キァンティ・コッリ・セネージ '97
Castello Romitorio
カステッロ・ロミトリオ
Rosso
Chianti
キァンティ
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
\1,18099/05/22 酒奉行 保土ヶ谷店都光商事
DOCGの赤帯に「キァンティ・コッリ・セネジ」って書いてあるんで、 最近新設されたDOCGなのかな、と思ったら、 ここは産地表示が出来る地区だとか。うーん良くわからん。 で、このワイン、ラベルに下手糞な人の顔の絵が書いてあるんだけど、 その下手糞さもさることながらそいつらのせいで文字がとっても見づらい。 デザインの国イタリアにしてはちょっとね。
色はかなり濃い。イタリアらしく赤みの強い濃さ。 香りのボリュームはなかなかなもの。ただ、イタリアらしい人懐っこさに加えて、 蒸れた雑巾みたいなデレッした感じがあるのが残念。親しき中にも礼儀アリですな。 味は思いのほか甘味が強いけど、酸味も相当強いので"甘ったるい"って感じはしない。
いわゆる"安キャンティ"みたい薄っぺらなワインじゃなくて、 下手糞なラベルに似合った武骨な印象のワイン。 でもお上品な安師範にとってはあんまり得意な系じゃないなぁ。
66点自宅にて

先月分

by 師範