稽古日誌:2013年10月

 8月と9月の間、道場で稽古した安ワイン25本の糖度とpHの関係をグラフにしてみました。



 師範所有のショボい計測器の数値を信用すれば、
平均糖度6.83
平均pH3.42
ということになります。また、なんとなく赤白泡の種別や産地によって傾向があって、 まだ本数が少ないので精度は低いのですが、いくつかの例外を除き概ね下記の範囲にプロットされているようです。

ブルゴーニュ・イタリア赤糖度 : 6.4~6.8 / pH : 3.3~3.5
ボルドー・スペイン赤糖度 : 6.7~7.6 / pH : 3.7~3.9
ニューワールド赤糖度 : 7.5~8.0 / pH : 3.2~3.6
糖度 : 5.7~7.0 / pH : 3.1~3.8
スパークリング糖度 : 6.6~7.0 / pH : 3.0~3.3

 分布から、糖度に関しては全体に白より赤の方が高いですね。 また、一般に言われているように「ニューワールド産は甘味が強い」と言えそうです。 ただ、白だと現時点では明確な産地ごとの特徴は見えていません。

 酸に関しては一筋縄ではいきません。 白だとニューワールドの方がやや酸が少ない傾向にあるもののあまり明確でなく、 赤に至ってはボルドーやスペインなんかよりニューワールドの方が酸が豊富です。 ただ、ボルドーやスペインの赤よりブルゴーニュやイタリアの赤の方が酸が強いのは一般の認識通りだったり、 そしてスパークリングは全般に酸が強いという傾向は見て取れます。

 面白いなぁ・・・って面白くないですか? ちなみに、このプロット方法だと本数が増えて来ると上手く対応できません。 というのも、幸いこれまでは糖度とpHが全く同じワインが無かったので良いけど、 今後同じ数値のものが出現するとそれを描き分けることがでないからです(師範のスキルでは)。 というわけで、発生頻度に対応した3Dグラフも作ってみました。



 こうすると度数分布は立体的に表現できますが、今度は赤白泡を表現するのが難しくなります。 というわけで一長一短ですなぁ。

 とりあえず「安ワイン道場リニューアル」の際には、 逐次更新するこれらのグラフをどこか共通で見られるところに置いといて、 稽古日誌に記載している糖度とpHが全体の中でどこに位置しているのか一目でわかるようにする、 という仕様追加を目論んでおります。上手くいくかなぁ。

 別途スタイルシートを導入してスマートフォンなんかにも対応することも検討しておりますが、 ナウなWebサイトの構築にお詳しい方で、なんぞアドバイス等ありましたらよろしくお願いします。

翌月分


31日(木)

 本日は、師範&師範代の結婚20執念周年記念日。 というわけで、子供らには学校に行って頂いて、師範と師範代は勤務先をお休みして、 二人でフレンチのランチへゴー。 選んだ店は、今年度ミシュラン2つ星に昇格したレストラン リューズというところ。 場所は六本木。六本木に足を運ぶのなんて何年ぶりだろ?って感じ。

 店内は、黒と白のモノトーンが基調でモダンな感じ。 天井も高くて開放感があります。 そしてダイニングの一部がカウンターになっていて、その向こうがオープンキッチンとワインセラー。 計算しつくされたレイアウト、という感じがします。 そして、平日のランチながらカウンター含めほぼ満席。 師範が予約したのは2週間前だったんですが、その時期で予約が取れたのはラッキーだったのかもです。

 さてさてランチのメニューは、前菜&メイン&デザートそれぞれから1皿ずつ選ぶ3,600円のコースと、 アミューズ&前菜2品&メイン2品&デザートで5,800円のコース、それとシェフのお任せ8,400円~のコースの3種類。 3,600円は選べる楽しさがありそうだけど3皿じゃちょっと寂しかったのと、 5,800円のコースの中身が師範らの嗜好にピッタリだったのでそれを選ぶことに。

アミューズ:
カボチャの冷製スープ、ブルーチーズを練り込んだマドレーヌ

 あらかじめ書いておきますと、本日の食事は大変満足の行くものでした。 ただ、一点残念だったことは、とにかく着席後スタートが遅かったこと。 メニューを持ってきて説明してくれるまでに約15分、 そしてこのアミューズが出て来るまでに30分近くかかったと思います。 もちろん、そんなあくせくした気持ちで来る店じゃないんでしょうけど、 これだけ時間が空くと「忘れられているのかな」と思っちゃいます。

 それはさておき最初のこのアミューズ、今日はハロウィンということでカボチャなんですかね? これはまぁ普通に美味しい一皿でした。

前菜1:
ズワイ蟹 アボカド トマトをガトー仕立てに

 そして前菜の一品目がコレ。三層構造になっていて、 一番したがアボカドとリンゴ、二層目がズワイガニ、一番上にトマトを泡状にしたものが載ってます。 これが美味いのよ。特に、トマトの風味が全体をピーっと統括していて、 とにかく美味い。やっぱり勢いのあるレストランは違うな、とまずカウンターパンチを喰らいました。

Champ du Sesterce 2012
シャン・デュ・セステルス 2012
Dom. du Deffends
ドメーヌ・デュ・デフォン
Blanc
Saint Baume Champ du Sesterce (VdP)
サン・ボーム・シャン・デュ・セステルス (ヴァン・ド・ペイ)
Provence (France)
プロヴァンス (フランス)
(グラスワイン5種 \7,000) 2013/10/31 レストラン リューズ
Alc : ??%BRIX : ??pH:??
 本日のワインは、料理に合わせてグラスで出して頂くチョイスがあったんで、それにしました。 基本的に料理の皿数に合わせて出されるみたいで、『4種のコースですね』と言われたけど、 沢山飲みたい師範としては『5種のコースでお願いします』と。 4種が6,000円、5種が7,000円。 ここのグラスワインはだいたい一杯1,500円~2,000円くらいなんで、 5種の方がお得だと思ったわけです。

 その5種も、師範の予想的には「まずアミューズの時に泡モノから始まって・・・」だったんだけど、 予想に反してアミューズの時には何も出て来ません。 前菜が始まってようやく出されたのがこのプロヴァンス産の白。 なんだかんだで結局一杯目を口にしたのは席に着いてからもう45分くらい経ってからだったかな? せっかちな酒飲みには厳しい店です。

 そんなこんなでようやく1杯目を持ってきて頂きました。 見せて頂いたワインの残量から察するに、開けたてです。そういうのってとても得した気分になります。 色は薄めのレモン色だったかなぁ、あまり覚えてません。 でも香りは覚えてます。まるでアルザス産のような白い花っぽい香りと、 ソーヴィニョン・ブランみたいなハーブっぽい香りがパーッと香って、 「おぉ良いじゃんコレコレ!」って香りです。 味わいは、心地よい酸味に薄っすらとした甘味、それに軽い苦味があって、結構飲み応えがあります。 飲めない師範代的には『ちょっと刺激的過ぎる』って感想でしたが。

 待ちに待った一杯目のワインということでキューっと飲み干しそうになるところを、 良い感じにセーブしてくれるコクのあるワインでした。 だいたいからしてプロヴァンスのワインなんてあまり飲まないからね。 そういうサプライズを演出してくれたという点でも、 お任せのコースにして正解だったかもです。
(76点) 六本木「レストラン リューズ」にて

前菜2:
フランス産鴨フォアグラのソテー 黒イチジクとヴェルジュソースと共に

 皆さんフォアグラですよフォアグラ。 なんか別の食材の上にチョコンと載せられているフォアグラはしばしば食べたりするんだけど、 メインの食材としてフォアグラが座っているのは久しぶりです。 そして、やっぱり美味いです、フォアグラ。 きっとカロリーは相当なものだと思うんだけど、そういうのって美味いのよね。 ソースと付け合わせのフルーツも素晴らしい相性で、 こういう料理はさすがに一流レストランでしか食べられないなぁ、と心底感じましたよ。

Mas Amiel "Cuvée Spéciale" 10 ans d'âge N.V.
マス・アミエル "キュヴェ・スペシアル" ディザン・ダージュ (ヴィンテージ無し)
Mas Amiel
マス・アミエル
Fortified
酒精強化
Maury
モーリ
Languedoc Rousillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
(グラスワイン5種 \7,000) 2013/10/31 レストラン リューズ テラヴェール
Alc : 16%BRIX : ??pH:??
 そして、フォアグラに合わせて出して頂いたワインがコレ、南仏産の酒精強化ワインです。 これは正直驚いたなぁ。だって食事の前半に酒精強化ですよ。 それも、ヴィンテージは書かれていないけど10年以上熟成されたヤツですよ。 サービスの方曰く「フォアグラとの相性がバッチリです」とのことだったけど、 いやーそう来たか!って感じです。

 まず状態ですが、このワインは開けたてってことは無かったけど、それでもまだ半分以上残っている状態、 酒精強化ということもあって、抜栓後の酸化の影響はあまり考えなくても良さそうな感じでした。 そしてグラスに注いで頂いて、まず色が凄いです。 師範代が『コレってかなりお年寄りっぽい色ですね』と言ってしまう(もっと言葉を選びなさい)、 レンガ色っぽい雰囲気の色合いです。 香りは、師範的には良く出来たポートワインと全く見分け(嗅ぎ分け?)が付かない感じで、 甘くて香ばしい香りがブワーッと来ます。 味も、良くこなれていて渋味と甘味が混然一体となっています。

 こりゃ美味いです。『フォアグラにはソーテルヌ』なんてよく言われますが、 フォアグラに甘いワインってのはやっぱり合うんですな。 また、そういう相性問題は置いといても、 このワインは下手なポートワインなんかよりはるかに良く出来ています。 今回この店で頂いたワインの中で、「これは買いたい」と思った筆頭でした。
(82点) 六本木「レストラン リューズ」にて

メイン魚:
徳島産 スズキのポワレを椎茸のピュレに乗せて 黒胡椒風味に

 これもね、美味いのよ。 まずスズキ、これが柔らかい。 それなりのボリュームがあるんだけど、その外側から内側まで均等に柔らかく仕上げるのって、 やっぱりご家庭では無理ですよねぇ。 あと、この肉厚の椎茸。 味自体は普通に椎茸なんだけど(爆)、この見た目の存在感はなかなかご家庭ではねぇ。

Meursault "Les Crotots" 2010
ムルソー "レ・クロト" 2010
Dom. Dublère
ドメーヌ・デュブレル
Blanc
Meursault
ムルソー
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(グラスワイン5種 \7,000) 2013/10/31 レストラン リューズ
Alc : ??%BRIX : ??pH:??
 魚料理に合わせた白ワインは、『せっかくですから』ということでムルソーを出して頂きました。 なにが「せっかく」なのかはよくわかりませんが、とにかく有り難いかぎりであります。 持ってきて頂いたボトルを見ると、もう残り少なくなっている模様。 それで分かりました。 普通はこのクラスを「グラスワインのコース」に組み入れることは無いんだけど、 抜栓して日が経ったんで入れちゃいます、ってことだったんでしょうな。

 さて期待すべきそのワインはというと、まず色は普通です。 ちょいと濃いめでレモンの果肉っぽい色合いですかね。 香りは、鼻で嗅ぐ分には大したボリュームはなくて、 「えぇ!コレが『せっかくですから』ですか?」って感じだったんだけど、 口に含むとビスケットと蜜がババーンと来てムルソーらしさ全開。 やっぱり抜栓後時間が経って、揮発成分は抜けちゃったのかな、って感じです。 味も、ムルソーに期待する酸味がしっかりしていながら甘さとかコクとがあって、 大変美味しゅうございます。

 こういう、グラスワインお任せコースの面白さというか、 なぜこのワインがココに出されたのかを考えるってのが面白うございますな。 周りを見渡すと、皆さんワインはグラスワインを注文されている模様。 それだけ出ると回転も速いしこういうコースも組みやすいんでしょうね。
(78点) 六本木「レストラン リューズ」にて

メイン肉:
フランス産ウズラの胸肉をエストラゴン風味のファルスと共にロースト

 そしてメインの肉がウズラです。 ウズラとか鳩とか、小さな鳥類が大好きなんですよ、師範と師範代は。 なんか血の味含めて味が濃くて、美味いよねぇ、この手の食材は。 というわけで期待の一皿だったんですが、皿に乗っているうちの手前側、 胸肉の部分はそのウズラっぽい血臭さを感じさせないマイルドな味わい。 それはそれで洗練されているとは思うのですが、野趣溢れた感が好きな我々にはちょっと残念。 でも、奥にあるモモの部分はそのまんまウズラの味わいです。 同じ食材でもこうやっていろいろな味を楽しませてくれるのはさすがだと思います。

Nuits-St-Georges 2009
ニュイ・サン・ジョルジュ 2009
Dom. Henri Gouges
ドメーヌ・アンリ・グージュ
Rouge
Nuits Saint Georges
ニュイ・サン・ジョルジュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(グラスワイン5種 \7,000) 2013/10/31 レストラン リューズ
Alc : ??%BRIX : ??pH:??
 そして、メインのウズラに合わせて出して頂いたのがコレ、アンリ・グージュのニュイ・サン・ジョルジュ、 ヴィンテージは2009年です。 前のワインからの推測で言えば、これも「本来コースに組み入れるには高級すぎるけど、 開けて日が経ったから入れちゃいましょう」なんじゃないかと想像しました (ただ、実際飲んでみるとそんなに日が経った感じはしなかったわけですが)。

 色は、やや濃いめの赤紫色で、良いトコのブルゴーニュですよってのが目で見て分かります。 香りは、グラスに注いで頂いてすぐはあまり香りませんでした(だもんで抜栓後日が経っているのかな、と思いました)。 ところが、ちょっと時間が経つと良い感じの梅っぽい果実香がパーッと出て来て、 「え?意外とこのボトル元気かも?」って感じがして参ります。 飲んだ感じも同様で、最初は酸味メインのやや平板な味わいだったけど、 だんだんと厚みと旨味が増してきました。

 最初ボトルを見た時は、(量が減っていたんで)これも在庫処分かな、と思ったんだけど、 飲んだ感じはそうでもありませんでした。 もしかして開けたのは今日で、他のテーブルに出したあとだったのかな? そういうのを想像しながら飲むのも楽しいものです。
(80点) 六本木「レストラン リューズ」にて

デザート:
“モンブラン”栗とカシスのアンサンブル 柚子のグラスをあしらって

 左手の栗のモンブランはしっかり甘くて、右手の柚子のアイスはしっかり酸が効いてます。 だからその2つを合わせながら食べると絶妙。 やっぱり一流店はそういう楽しさの演出が違うよなぁ。 というか今回の料理、最初のアミューズ(カボチャスープ)以外は全く自宅では作れそうにありません。 そういうのを出してこそ/食べてこその外食だと思います。

Muscat du Cap Corse 2011
ミュスカ・デュ・カップ・コルス 2011
Antoine Arena
アントワーヌ・アレナ
Blanc
Muscat du Cap Corse
ミュスカ・デュ・カップ・コルス
Corse (France)
コルス (フランス)
(グラスワイン5種 \7,000) 2013/10/31 レストラン リューズ
Alc : 16%BRIX : ??pH:??
 デザートに合わせて、ちゃんとデザートワインを出してくれました。 『このワインの産地コルシカ島は栗の産地でもあるんで、栗のデザート合わせて見ました』とのこと。 合わせる合わせない以前に、グラスのデザートワインなんてそうそうでないんだろうねぇ、ということで、 このワインも抜栓したてです。 もし4杯6,000円を選んだらこれが飲めなかったと思うと、 5杯7,000円を選んだ自分を褒めてあげたくなります・・・って単なる飲兵衛ですが。

 まず色は、デザートワインとしては薄めで、黄金糖を薄くしたような色合いです。 香りはもろにマスカットです。 南仏に"Muscat de Beaumes de Venise"(ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ)という種類のワインがありますが、 それととても良く似た感じ。 味も、甘さはしっかりしているけどそれなりに酸味もあって、甘ったるくは感じません。 相対的にはデザート自体の甘さには負けますが、 ワイン単体としてはこれくらいの方が飲みやすく感じられると思います。

 というわけで、最初にスパークリングが無かったのは残念だったけど、 シメにこういうデザートワインまで頂けたんで良しとしましょう。 7,000円で5杯のワインコース、お薦めです。 ただ、師範みたいにページ更新する役割があったりすると大変面倒ですがね。
(78点) 六本木「レストラン リューズ」にて

お茶と茶菓子:
エスプレッソ 焼き菓子とラズベリーのゼリー

 お茶も、コーヒーやエスプレッソ、フレッシュなハーブティーなんかが選べます。 ハーブティーにもとても興味があったけど、やっぱりエスプレッソを頼んじゃうんですな。 酒飲んだ後は、こういう濃いヤツをキュッとってのがなんとも心地よいわけです。

 そして、ここの料理でとりわけ美味しかったのがこのパンです。 皮が厚くて、まるで焼きたてのクッキーみたいな味わい。 あと、ビックリしたのがパンが残り少なくなった(まだ残っている)時点で新しいパンと取り替えてくれました。 このサービスは初めて。途中で焼き立てが食べられて、とてもとても満足しました。

 あと、サービスで驚いたといえば、最初にワインを飲む際に左手でグラスを持ったのね(師範は左利きです)。 そうしたらサービスの方が『ナイフとフォークを逆に置きましょうか?』と言ってくれました。 師範の場合、箸は左で持ちますがナイフとフォークは右手の人と同じなんで「普通で良いです」と答えたんだけど、 そんなことまで気遣ってくれたのは、どこだったかの寿司屋(置く向きを逆にしてくれました)以来。 そういう細かい心遣いって嬉しいよね。

 そんなこんなだった結婚20周年のランチでしたが、お値段は20,000円ちょっと。 この立地、この料理、ミシュラン二つ星のプレミアム、 そしてこのサービスと飲んだワインを考えると、とても安いと感じます。 最後はシェフ(飯塚氏)がお見送りしてくれました。 「やっぱり一流は違うなぁ」と心底感じさせてくれるランチでしたよ。

 そして夕食は家で。 師範&師範代の結婚20周年をお祝いして、長女&次女が握り寿司を作ってくれました。 ありがたいねぇ。 寿司種は、マグロたたき、ワラサ、イカ、マダイ、サーモン。 もちろん、それは師範らが買ってきたものですけどね。

 左写真がソレ。まぁ見た目はアレですけどね。 それでも握り寿司って、手巻き寿司やちらし寿司とはちがう、 なんとなく「特別な感じ」があるじゃないですか。 それって記念日にはやっぱり重要です。

Bourgogne Chardonnay 2010
ブルゴーニュ シャルドネ 2010
Philippe Charlopin
フィリップ・シャルロパン
Blanc
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,580 2013/09/27 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
Alc : 13%BRIX : 6.4pH:4.0
 セラーには昨日の残りのフィトウがあるんですが、さすがに寿司に南仏の赤はどうかと思い、 そしてせっかく結婚記念日だからって気分もあり、新しいワインを開けちゃいます。 選んだのは、師範の大好きな造り手フィリップ・シャルロパン・パリゾ、の息子だか血縁者が造るブルゴーニュ白。 楽天優勝記念セールで通常2,289円が1,580円で売られてました。 ただでさえブルゴーニュで1,500円くらいだと安いのに、この造り手だったら飛び付きます。 ちなみにこの銘柄の赤の2009年産とは稽古済み、 かなり好印象だったみたいなんで、白の2010年もハズすワケがないはずです・・・と思って開けたわけです。

 さて抜栓。コルクはツルッツルでキレイな物です。 色は、普通に安い白ワインの色、正直ちょっとがっかりです。 香りも、あんまりパーッとは香ってきません。 グラスに鼻を突っ込んで、グイグイ嗅いだら高級ブルゴーニュ白らしい柑橘類と蜜香とビスケットを感じます。 味も、香りと同様高級ブルゴーニュのミニチュア版。 数値的に、pHが4.0ってのはかなり酸味が弱い領域にあるんだけど、 飲んだ感じはそんなに酸味が無い感じはしません。

 というわけで、まずまず普通のブルゴーニュ白という感じでした。 1,580円なら値段相応ではあるけど、期待した「シャルロパン節」は一切感じられません。 というわけで、元値の2,289円ではちょっとお薦めできません。
72点 道場にて

30日(水)

Fitou 2010
フィトウ 2010
Dom. Courtal
ドメーヌ・クルタル
Rouge
Fitou
フィトウ
Lanuedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\773 (単品価格 \934) 2013/10/15 うきうきワインの玉手箱 飯田
Alc : 13.5%BRIX : 7.4pH:3.4
 本日は平日なんで、このワインは半分しか飲みません(食前にビールと清酒を飲んでますが)。 そして、いつもだと残りは金曜に飲むわけですが、 今週はちょっと変則的で、残りを明日飲むかも知れません。 というか、明日はこの残りを飲まずとも少なくともなんらかのワインは飲みます ・・・ってそんなことどーでも良いですね、スミマセン。

 さて料理は、豆腐とキノコの蒸し物、(フライパンで作る)タンドリーチキン、エノキの玉子スープ。 ワインは「うきうき厳選!驚異のフルボディ極上赤ワイン6本セット」、税・送料込み5,229円からで、 南仏ラングドック・ルーション地区のAOC「フィトウ」。 このAOCのワインと稽古するのは大変久しぶりで、直近が既に12年以上前(ココ)。 トータルでもこれが4本目と言うレア?アイテムです。

 コルクは、DIAM(ブショネ対策がされた集成材)です。 色は、まるで南米産のような濃さ。若いこともあってド・ストレートに濃い青紫色です。 香りはいかにも南仏産、青畳のような清々しくも青臭い香りに、 煮詰めたジャムのような濃い果実を感じます。 でもそれって、ガーッと嗅いでようやく感じられる程度なんで、 香りのボリュームとしては小さめです。 味は、若くて甘くて渋くてシッカリ系。 少なくとも薄っぺらい感じは微塵もしませんで、 色の印象同様まるでニューワールド産のような味わいです。

 というわけで、いわゆる南仏のちょいと良く出来たワインという印象だけど、 これが通常価格でも1,000円しないというのはお買い得感があると思います。 こういうワインは半分残しても安心だよね。2日や3日でヘタるとは思えませんから。

 というわけで翌日、もう1本半は確実に飲んだ後で再稽古しちゃいました。 香りのボリュームは昨日よりかなり増したような気がします。 味も、昨日よりかなり柔らかくなったような気がします。 トータルの印象として、ボルドー右岸みたいな雰囲気に変化しました。 少なくとも昨日よりかなり好印象なので、+2点を進呈します。

 翌々日にも残っていたので再々稽古。 評価としては昨日と同等ですかね。 やっぱり抜栓して時間が経った方が美味しく感じられるワインだと思います。 800円程度の出費でこのワインが飲めるのはありがたい話です。
71(+2) 道場にて

27日(日)

 来週の連休中日(11月3日)がライヴ本番、 ということで今日はそれに向けた最後のリハーサル日。 いつもは代々木のスタジオを使っているんだけど、 そこに空きがなかったのと、そもそも代々木である必然性も無いわけで、 今日は新宿のスタジオ(Studio NOAH 新宿店)を利用。 狭い部屋だったけど、機材のメンテナンスがちゃんとされているようで、音はナイスでした。

 そして、新宿と言えば日本有数の繁華街、スタジオのまわりにも沢山の飲み屋があります。 そんな中で今宵のチョイスは一軒め酒場 西新宿小滝橋店。 最近街でよく見かける激安居酒屋チェーン店、師範は初めて利用しました。 後で調べたら、「養老の瀧」の系列なのね。 今回ドラムスのH氏は用事があるということで、ベースとキーボードとギターの3人での飲み会です。

 そして注文した料理が下記です。

 ・神田旨カツ(ソース) \104 × 3
 ・揚げたて \231 ←揚げ豆腐です
 ・牛スジ煮込み \263
 ・純和鶏炙り焼 \294 (左写真)
 ・真ほっけ \368
 ・いかげそガーリック \315
 ・野沢菜漬 \189
 ・超厚切り男のハムカツ part2 \294
 ・大きなアジフライ \231
 ・山盛りもやし炒め \294
 ・マカロニサラダ(カレー風味) \210
 ・おやじ好みの玉子サラダ \263

 確かに安いです。全メニュー中、真ほっけの368円が最高額だったような。 ただ、その変わり量も少なめで、 写真のようにプレゼンテーションもそのまんまな感じ。 味は、美味いのは美味いけどそうでないのもある、というギャンブル要素アリです。 傾向としては塩味が強めですね。 マカロニサラダなんか、それ自体を玉子サラダの味付け役として使わないと塩辛すぎる感じでした。

 飲み物は、生ビール(中) \357とかバクハイ \305とかいろいろと。 そして、お約束のグラスワインも注文、カルロロッシ赤 (右写真)、お値段1杯200円也です。 中身はまぁいわゆるカルロ・ロッシなわけですが、グラスがなかなかイカシてます。 脚付きの小さなワイングラスより、こっちの方が香りも感じやすくて良いですね。 ただ、提供温度がイケません。出された時は全くの常温、ヌル~い感じでした。 それで酎ハイの氷で冷やして、ようやくまともに飲める温度に。 実はここのワイン、そのまま飲むだけじゃ無くて「ロック」とか「ソーダ割り」もあって、 そちらも同じく一杯200円。ちょいと甘めの赤なんで、ソーダ割りが良いかもです。

 そしてお会計は、3人分トータルで8,400円弱、 思ったほど激安!って訳じゃないですが、一人当たり3,000円以下ってのはやっぱり安いかな。 質はそこそこですが、飲みがメインの会だったら十分「アリ」な店だと思います。

26日(土)

Cote de Nuits Villages 1999
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ 1999
Bertrand de la Ronseray
ベルトラン・ド・ラ・ロンスレイ
Rouge
Cote de Nuits Villages
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
Cotes de Nuits Villages (France)
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ (フランス)
\1,880 2013/09/27 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
Alc : 12.5%BRIX : 6.9pH:3.6
 師範の願いが通じたのか(違います)、台風は本土上陸を避けてくれました。 そして台風が過ぎると季節がまた一段進むようで、かなり寒い一日。 こういう日は鍋でしょう、ということで今シーズン初の鍋、メニューはすき焼きです。 肉は、豪州タスマニア産100g298円のロース300g強と、国産黒毛和牛100g680円の肩ロース300g強。 全部をどちらかにしないあたりが貧乏症というか、思い切りの悪いところでありますが、 食べた結果は値段の差をそのまま感じる内容でした。

 そしてワインはなんと14年前、1999年産のブルゴーニュ。 楽天優勝記念セールで通常2,289円が1,880円というお手頃価格だったのでポチっとゲット。 先日へんさんのところでも稽古されていて (このページの 2013年10月19日)、結構良い感じだった模様。 というわけで師範も期待して稽古いたします。

 色は、ブルゴーニュらしくかなり薄め。そして赤紫からレンガ色、エッジは朱色に近いオレンジと言う、 良い感じに熟成していそうな澄んだキレイな色合いです。 香りは、まさに熟成ブルゴーニュのソレで、革とか生肉みたいな動物香がまずメイン、 そしてドライ・アプリコットのような乾いたフルーツ香りがあります。 香りのボリュームは「バンバンに香る」って感じじゃないけど、思いのほかしっかりしています。 味は、甘くなく酸っぱくなく渋くなく。かといって味がないわけじゃない、 そういった要素がクタッと溶け合った味わいです。

 枯れる前に最後のひと花を咲かせました、という感じでしょうか。 若いもん好きの師範としては求める方向性とちょっと違うけど、 これはこれでおいしゅうございます。 世間的には結構ポイント高いんじゃないですかね? こういうちゃんと熟成したブルゴーニュがこの値段で買えることなんてめったにありませんから。
76点 道場にて

23日(水)

Raices Syrah Reserva 2008
ライセス シラー レセルバ 2008
Bodegas Fernando Castro
ボデガス・フェルナンド・カストロ
Tinto
Valdepeñas
バルデペーニャス
Valencia (España)
バレンシア (スペイン)
\773 (単品価格 \1,134) 2013/10/15 うきうきワインの玉手箱 ドウシシャ
Alc : 13%BRIX : 7.7pH:3.7
 つい先日まで真夏のように暑かったのに、急に寒くなって参りました・・・ そして秋と言えば濃い赤、ということで「うきうき厳選!驚異のフルボディ極上赤ワイン6本セット」、 税・送料込み5,229円、というのを買ってみました。 その中からの1本目がコレ、スペインはバルデペーニャス産のシラーです。 ショップのサイトによれば、シラーの他にテンプラニーヨも20%入っているとのこと。 多分、水曜金曜と中一日空けて2回に分けて飲むのに相応しい濃さを持っているでしょう、と考えての平日中日の抜栓です。

 ちなみに夕食のメニューは、レタスとトマトと鶏ハムのサラダ、 鶏手羽先の唐揚げ、大学芋。大学芋はまぁ酒の肴にはなりませんがね(芋焼酎のアテにはなるのかな?)。 あと、食事が終わってまだ飲んでる師範を見かねて師範代がガーリックトーストを作ってくれました。

 さて抜栓。コルクは短めだけどスベスベでちゃんとしたコルクです。 グラスに注いで、色は想像通りしっかりと濃い紫色。2008年だともう既に5年前のワインだけど、 全く若々しい色合いです。 香りは、抜栓してすぐは正直ウンともスンともって感じだったけど、 ちょっと時間が経つとツンッと刺激的な果実香が現れます。 でもそれだけなんだよな、香り。もう少しいろいろ要素が欲しいところだけど。 味は、酸と渋味がしっかりしていて、甘味は控えめでまるでボルドーみたいなバランス。 数値的には、糖度7.7でpH3.7、ちょうどニューワールド産赤とボルドー産赤の中間あたりです。

 スラーっと背の高いボトルで、印象的なラベルで、 2008年産と言うこのクラスとしてはそこそこ熟成したワインだったんで、 もうちょっと複雑さがあると思ったけど、普通にストレートな南欧産のワインでした。 ただ、時間が経つと開いてきた感じはあったんで、残り半分と稽古する明後日に期待です。

 予定通り翌々日再稽古。 色は変わりません・・・ってそりゃそうか。 香りは、若干開いたみたいで、香ばしい樽香が結構感じられるようになります。 ところが味は酸味と渋味がガッシリ閉じたまま。 置いといてヘタるワインじゃないけれど、 置いといたからってそれほど向上するワインでも無いようです。
70点 道場にて

20日(日)

 高校時代の同級生で今も飲み仲間のO氏ん家がめでたくご懐妊、 出産予定は12月ということで、毎年年末にやってる忘年会を早めてこの時期に。 場所は同じく飲み仲間のN氏宅。 料理当番がN氏で、ワインとデザートの当番が師範家と言う役割分担。

 左写真は、N氏のご子息H君が作ってくれたミートボールのペンネ。 もうそんなことができるようになったのねぇ、そりゃ私らも歳とるよねぇ、と思いつつ、 同い年の友人の所にはこれからまた新しい命が生まれてくるわけで、 そう簡単に老けこんでもいられない気分にもなります。

Martivey Brut N.V.
マルティヴェイ ブリュット (ヴィンテージ無し)
Chassenay d'Arce
シャスネ・ダルス
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\1,980 2013/03/26 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
Alc : 12%BRIX : ??pH:??
 今回の参加者は9人+α+1匹、N氏夫妻と中学生のH君&フラットコーテッドレトリバーのD君、 O氏夫妻(+おなかの中の人)、師範一家。 そのうち飲む人は男性陣のみの3人(O氏婦人の飲めない人ではないけど当然今回は遠慮されてました)。 というわけで師範が持参したワインは、泡+白+赤+赤の計4本。

 そして一本目がこの泡、ヴェリタスで売られている2,000円以下のお手頃シャンパーニュ。 安いと思って買ったは良いけど、なんとなく飲む機会が無く半年経過、 先日もう一本追加したんでここで飲んじゃおう、という魂胆です。 サイトの情報によれば、品種はピノ・ノワールが90%、シャルドネが9%、ピノ・ブランが1%で、 黒ブドウが主体のよう。 それにしても1%だけピノ・ブランを入れる効果ってあるんですかね?

 さて抜栓。色は、ピノ・ノワールが主体ということで気持ち赤めな感じはするけど、 それほど特徴的でも無く言われなければ分からない程度。 香りも、普通に一般的なシャンパーニュの香りと言うか、 何かが目立つわけでも無く、リンゴと蜜とパン、そういうのがフワーッと香ってくる感じ。 口に含んでも概ねそんな感じですね。 とりわけ個性的な部分があるわけでもなく、「あぁシャンパーニュって美味いですね」な味わいです。

 ってな感じで良くも悪くも目立ったところの無い、普通に美味しいシャンパーニュでした。 お昼過ぎ(1時30分ごろ)のスタートだったんで、最初のメニューはホットサンド、 その香ばしいパンの感じとの相性は良かったように思います。
ショップへのリンク: Martivey Brut N.V. [Chassenay d'Arce]
77点 N氏宅にて

Morey-Saint-Denis "Larrets" 2009
モレ・サン・ドニ "ラレ" 2009
Frederic Magnien
フレデリック・マニャン
Blanc
Morey Saint Denis
モレ・サン・ドニ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,980 2012/10/22 カーヴ ド リラックス テラヴェール
Alc : 13%BRIX : ??pH:??
 白はブルゴーニュから。 ブルゴーニュで白の産地と言うと、大抵はコート・ドールでも南側、 コート・ド・ボーヌの村がメインなんだけど、 このワインはの産地は北のコート・ド・ニュイ側、とても珍しいモレ・サン・ドニ村の産。 そういう、ちょっと珍しいワインってなかなか一人じゃ開けられないんだよね。 だもんでこういう席に持参しております。 買ったお値段は2,980円、ぎりぎり稽古範囲内です。

 まず色ですが、意外としっかりとしたレモン色が付いているような気がします。 香りは、ボリューム的にはそんなに派手ではないけれど、 柑橘類っぽい果実香にユリの花のような香り、それにほんのり香ばしいクッキーみたいな香りがあって、 なかなかよろしい感じです。 口に含むと、その香りの要素のうち柑橘とクッキーがメインに感じます。 味わいは、酸とミネラルが主体のキュッと締まったバランス。 こちらも派手さはありませんが、するべき仕事はキッチリこなしている点に好感が持てます。

 なるほど北のブルゴーニュらしい香りや味わいで、 シャブリあたりとシャサーニュ・モンラッシェあたりを足して2で割ったような感じでした。 この時の料理、自家製ツナのサラダや生ハム、サーモンのパイとも相性は良かったように思われます。
81点 N氏宅にて

Chambertin Grand Cru 2007
シャンベルタン グラン・クリュ 2007
Dom. Jean Claude Belland
ドメーヌ・ジャン・クロード・ベラン
Rouge
Chambertin (Gevrey Chambertin Grand Cru)
シャンベルタン (ジュヴレ・シャンベルタン特級畑)
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\7,329 2012/11/31 うきうきワインの玉手箱 エイ・エム・ズィー
Alc : 13.5%BRIX : ??pH:??
 そして本日のメインのワインがコレです。 「なんとか・シャンベルタン」の中で最高峰、特級中の特級畑「(なにもつかない)シャンベルタン」であります。 道場開設して16年半、5,000本近い稽古の中でシャンベルタンとの稽古はまだ5回目、 クロ・ド・ベーズを含めると10回目。 その全てが80点以上、ざっと眺めた平均点が90点くらい。 過去のデータを信用すれば「ハズすことはない畑」なので持参しました。 ただ、まず知らない造り手だし、そして2007年というイマイチな年だし、 更に7,329円という特級シャンベルタンとしては破格にお安い価格という不安要素はあったわけですが。

 ともあれ期待を込めて抜栓。 まずコルクですが、特級の名に恥じないきちんと長めのコルクが使われています。まずは一安心です。 コルクを嗅いでも、特に劣化した雰囲気はありません。 グラスに注ぐと、特級中の特級としてはやや明るめな紫色に見えます。 キレイな色ではありますが、なんとなく軽そうな感じもします。 香りを嗅ぐと、花のような香りがパーッと・・・来ません。 カラメルのような甘香ばしい香りもブワーッと・・・来ません。 せいぜい良く出来たACブルゴーニュ的な、梅っぽいフルーツと革っぽい感じがフワッと来る程度です。 味も、香り相応の感じで、スッとキレイな酸味の軽い液体がスルリと口の中を流れて行って ・・・ってそんなワインを飲みたくてこの値段出したんじゃないんですけどね。

 時間が経つと多少は開くと思ったけど、 香りのボリュームがやや増した程度かな? 正直言って大きく開くだけのポテンシャルは持っていない感じでした。

 というわけで、普通にスイスイと飲める気軽なブルゴーニュ、といった内容でした。 結果、本日のワインの中では最低得点、 過去の「シャンベルタン」の平均点を大きく引き下げる結果になっております。 やっぱりブルゴーニュは畑より造り手だな、と改めて感じましたですよ。 初稽古の造り手なんで、いつもこうなのかは分かりませんがね。
ショップへのリンク: Chambertin 2007 [Dom. Jean Claude Belland]
75点 N氏宅にて

Losares Crianza 2008
ロサレス クリアンサ 2008
Finca Timonares (Bodegas Piqueras)
フィンカ・ティモナレス (ボデガス・ピケラス)
Tinto
Almansa
アルマンサ
Almansa (Espana)
アルマンサ (スペイン)
\740 2013/09/27 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
Alc : 13.5%BRIX : ??pH:??
 そして4本目、最後のワインがコレ、先日稽古済みで、 大変好印象だったスペイン産。 お値段はなんと740円、前のシャンベルタンの10分の1以下のお手頃価格。 そんなワインを人様んちに持参するってどうよ?とお思いの方もいらっしゃるでしょうが (安ワイン者にはそんなこと思わないでしょうが)、 まぁ3人で4本目のワインですからね。 それなりにしっかりしていりゃまず合格、 特にこのワインは抜栓直後の瞬発力があるので、 こういう「最後にダラダラ」飲むワインとしてはベストなんじゃないかと考えた次第であります。

 色は、当然ながら前のピノ・ノワールより濃いです。 2008年産なんで5年前のものだけど、まだほとんど熟成感は見て取れません。 香りは、意外というか予想通りというか(ってどっちよ?)、 前のシャンベルタンよりこちらの方がボリュームが大です。 要素的にはちょっと荒っぽいような品が無いような、 ジュクジュクな果実にストレートな木樽、そしてスペインらしいヤニっぽさはありますが、 飲んでる方も既に品の無い状態なので気になりません。 味は・・・どうだっけね?香りの割には上品な感じを受けたけど、もう詳細には記憶しておりません。

 「4本目はコレで十分」という目論見は当たったんじゃないですかね。 10倍の値段差を覆してこちらの方が好印象でした。 宣伝が派手なネットショップとかだったら 『お値段10分の1にして特級中の特級シャンベルタンを完全凌駕!』なんて書きそうな、 そういうワインでした。
79点 N氏宅にて

 明日は月曜、皆さん会社や学校があるということで、いつもより早めの午後7時に解散。 ちょっと今回のワインは小粒なモノが多かったけど、まぁそういうこともありますわな。

 というわけで、毎度の会場提供と料理、ありがとうございました>N氏一家。 ご無事なる出産を心よりお祈り申し上げております>O氏夫妻。 お子さんが連れ出せるようになったらまた飲みましょう。

19日(土)

Las Condes Cabernet Sauvignon 2012
ラス・コンデス カベルネ・ソーヴィニョン 2012
Las Condes
ラス・コンデス
Tinto
Valle Central
バッレ・セントラル
Valle Central (Chile)
バッレ・セントラル (チリ)
\491 2013/10/15 うきうきワインの玉手箱 ダイセイワールド
Alc : 12.5%BRIX : 7.3pH:3.7
 本日の夕食はおでん。 おでんって、最もワインに合わないメニューの一つ(「最も」なのに「の一つ」ってのは外国語では良く見るけど日本語だと違和感ありますな) だと考えておりますが、周囲では『そんなに合わなくない』の声も多数。 うちのおでんがいかんのですかね? 出汁は市販のもので、いわゆる練り物たっぷりで魚風味満載のおでんなんですけど。 もしかすると、いつも白ワインに合わせようとしていたのがいけなかったのかもしれない、 ということで赤ワインに合わせてみることにしました ・・・って、単に赤が飲みたかっただけですがね。

 そんなこんなで選んだ赤は、昨日届いたばかりのチリ産のカベルネ・ソーヴィニョン。 税込みでも500円切ると言う激安価格。 TPPでワインの関税が撤廃されたらこれより更に安くなるんですかね? この価格帯は金額に占める税の割合が大きそうだから、かなり影響ありますな。

 色は、チリ産のカベルネ・ソーヴィニョンとしては薄めだけど、 色調としては確かにカベルネらしい青味のある紫色。 澄んだ色合いでなかなかキレイです。 香りは、「これぞカベルネ・ソーヴィニョン」なピーマンとかみたいな青っぽい感じと、 ツンッと来るアルコール、それにジャムのような煮詰めた果実の香りがします。 香りのボリュームはそんなにないけど、無理して嗅がずともそれなりに香ってきます。 と、香りまでは良かったんだけど、味わいが残念。 軽くて口にスルッと入ってくること自体は、まぁそんなもんかと思うけど、 その後にザラつく渋味が残るのがいけません。 味わいが頼りないのは数値にも表れていて、 糖度7.3でpH3.7はニューワールド産としてはかなり甘くない/酸も無い側に振れてます。 やっぱり数字は正直。ビバ測定、ワインも数値で語りましょう。

 というわけで、色や香りはそれなりにちゃんとしているけど、やや味わいに難ありなワインでした。 でもでも、お値段は500円以下だからね。それを考えれば頑張っている方だと思います。 飲んでがっかりって感じは無く、ちゃんとしたワインを飲んだ気がします。 ちなみにおでんとの相性は・・・やっぱりイケてません。素直に清酒を合わせるのが正解だと思いますが、 それじゃ「安ワイン道場」じゃ無いのよね。
ショップへのリンク: Las Condes Cabernet Sauvignon 2012
67点 道場にて

16日(水)

Sileni "Celler Selection" Marlborough Sauvignon Blanc 2012
シレーニ "セラー・セレクション" マールボロー ソーヴィニョン・ブラン 2012
Sileni Estate
シレーニ・エステート
White
Marlborough (New Zealand)
マールボロー (ニュージーランド)
\858 (単品価格:\1,995) 2013/09/23 エノテカ楽天市場店 エノテカ
Alc : 12.5%BRIX : 6.7pH:3.5
 本日未明から朝にかけて、台風26号が通過して行きました。 「10年に一度の台風」ということでしたが、 道場的には9月に通過した台風の方が影響大でした。 今回の台風は、関東の東側を通過したので北からの風、前回のは南からの風。 道場建物の構造的に、南風に弱いみたいです。

 そして夕食のメニューは、北海道を旅行中の師範母から送られてきたタラバガニを焼いたものと、 同じく送られてきたミズダコのしゃぶしゃぶ。 とすればワインはキリッと系の白が良かろう、ということで選んだのがニュージーランドのソーヴィニョン・ブラン。 「最強ニューワールド赤白6本セット」、税送料込み5.775円からで、 このワインの2009年産とは3年前に稽古済み。 大変好印象だったようで、このワインにも大期待で抜栓します。

 色はやや緑色っぽさを感じるような若々しい薄レモン色。 で、香りが凄い。まず感じるのはパッション・フルーツをベースとしたトロピカル・フルーツの香り。 そしてその向こうにグレープフルーツやハーブといったソーヴィニョン・ブランらしい香り。 香りのボリュームはこの値段のワインとは思えません。 味は、香りの凄さと比べるとややそっけないというか、言ってしまえば普通です。 ドライでフレッシュでキレが良くて、和食との相性は良いんですけどね。

 とにかく香りは凄いです。 ブドウだけからこんだけのボリュームと要素の香りが出てくるのは信じられないくらい。 例えばコノ・スルのゲヴュルツトラミネールと同じように、 誰が飲んでも美味しいと感じられるワインと言えましょう。 安ワイン者必飲のワインです。

 そして翌々日再稽古。 香りの華やかさはほぼそのままです。素晴らしき香りの持久力です。 味は、抜栓当初よりやや苦味が目立つような気がしたけど、 気がしただけかも。とにかく香りは未だナイスです。 こういうワインがビストロなんかのハウスワインとして出されたら参っちゃいますな。 『判ってるなぁ』って感じで。
81点 道場にて

14日(月祝)

 一泊二日で伊豆方面へのプチレジャー。本日も天気はほぼピーカン、 そしてまた本日も10月なのに夏の様な天気です。

右写真は、今回の宿であるラフォーレ倶楽部 伊東温泉 湯の庭の朝食。 朝からまた風呂に行った後、選択できる時間帯としては最も遅い8:30のスタートで、 2階の宴会場的な広間で頂きました。 旅館の朝食って、酒か白飯が無いと辛い(しょっぱい)メニューが多くありません? さすがに朝から酒ってわけにもいかないので、 いつも以上にご飯を食べちゃいます。

 そんなこんなで宿を出たのがチェックアウト時間の午前10時ごろ、 ちなみに料金は20,000円ちょっと。 次女を寝具無しの添い寝プランにしたのでお安くつきました。

 宿を出た後、本日の最初の目的地も「ファッションセンター しまむら 伊東店」(笑)。 どんだけ好きなのよ、って話ですが、長女が行きたがるのね。 道場の近所にはしまむらが無いし、 どうせすぐ成長して着れなくなるんだから、 こういう安いところで気兼ねなく買うのも良いかと。

 というわけで、伊東を出たのが午前11時頃、 熱海ビーチラインを通らず一般道利用(これは失敗)、 真鶴道路も通らず一般道利用(これは大正解)で、小田原に着いたのが午後1時ごろ。

 昼食は、次女の「海鮮丼が食べたい」というご要望にお応えするべく、 小田原駅前の繁華街をタラタラ歩いていたら、 まさにその目的にぴったりの店を発見、海鮮丼屋 海舟という海鮮丼がほぼメインの店です。

 本日もこのあとハンドルを握るのは師範代にお任せして、 師範は飲んじゃいます。やはり持つべきものは「車の運転が出来て酒を飲まない妻」ですな。 車の運転が出来る奥さまや、酒を飲まない奥さまは普通にいらっしゃいますが、 その両方を兼ね備えてこそのメリットです。

 閑話休題、頼んだのは冷酒で、銘柄は土佐鶴 生貯蔵酒、300mlで630円也。 生ビールも瓶ビールも550円+税だったんだけど、 ビールだけだとどうしても物足りないと想像され、 かと言ってビールの後に清酒だとやや昼から飲み過ぎな感じもして・・・ってどうでもいいですね、ハイ。

 さてこの清酒はというと、スッキリし過ぎなくらいスッキリ辛口で生魚には合いそうで、 一種類しかない冷酒のチョイスとしては正解だと思われます。 またこのお店、回転寿司の店みたくセルフサービスのガリが置かれているのがナイスです。 丼が来るまでの間、そのガリを肴に飲んでおりました。

 そして師範が注文した料理が、地魚まかない丼、1,134円也。 ちなみに師範代は海舟地魚丼、長女は地魚としらす丼、次女はキンメとサーモンとカニ丼。 だいたいどれも1,100円~1,600円くらいのお値段です。 その中で師範の注文が一番安かったと思います(酒の値段も加えると一番高いんですが)。

 それなりのお値段の海鮮丼ということで、丼から溢れんばかりに魚がドバーっと、ってのを想像しましたが、 想像に反して魚の盛りはそれほど多くありませんでした。 店頭のディスプレイと比較すると、 やや看板に偽りありと言わざるを得ません。 食べてみりゃそれなりに美味いんですけどね。でもね、やっぱり見た目がね。 美味しそうには見えないよね、正直言って。

 そんな感じでお会計は6,000円ちょっと。うむー。 丼に味噌汁でも付いていたら少しはお得感があったかな? でもまぁ食べたかった物がストレートに食べられたので良しとしましょう。

 食事のあとは、これまた次女のリクエストにお応えして、小田原城址へ動物を見に。 象さんが数年前に亡くなったのは知ってますが、ニホンザルだけだとは思いませんでした。残念。

 その代わり、80円とか30円で乗れる遊具のある遊園地へ。 こちらもミニ電車は落雷の影響で故障中、残念。 ちなみに次女はもう小学三年生なんですが、見た目はまるで幼稚園保育園、 遊具に乗って楽しんでおりました。 でも、我が子がこういう子供の乗り物に乗って喜んでいる姿を見るのはもう終りかなぁ、 と思うとちょっぴり感傷的な気分になりますな。

 そして、小田原を出たのが午後3時過ぎ。 小田原厚木道路も東名高速も事故やら何やらで若干渋滞はしていたけどそれなりに流れていて、 夕食の買い出しのために道場近所のスーパーに到着したのが午後5時前。 まずまずまともな時間で帰り着けました。

Villa Montes Cabernet Sauvignon 2011
ヴィラ・モンテス カベルネ・ソーヴィニョン 2011
Montes S.A.
モンテス S.A.
Tinto
Colchagua Valley
コルチャグア・バレー
Colchagua Valley (Chile)
コルチャグア・バレー (チリ)
\858 2013/09/23 エノテカ楽天市場店 エノテカ
Alc : 14%BRIX : 8.1pH:3.6
 ・・・というわけで一泊二日のプチ・レジャーから帰ってきました。 楽しい時間はあっという間だなぁ。 そして、旅行中の食事は魚がほとんどだったので、 本日の夕食は豚テキwithニラとモヤシの炒め物、ソーセージと丸ズッキーニの炒め物。 先日「丸ズッキーニはナスのようだ」と書いたけど、 ちょっと厚めに切ると食感が全然違います。皮目のところのサクサク感が面白い食材ですな。

 メニューが肉ということで、ワインのチョイスも当然赤で、 「最強ニューワールド赤白6本セット」、税送料込み5.775円からチリ産のカベルネ・ソーヴィニョンを選びました。

 色はとても濃くて、黒っぽくてガッチリと濃いド紫色。 アシも長くて、グラスの内側をタラ~っと垂れて来ます。 香りは、いかにも若いカベルネ・ソーヴィニョン。 ショップのサイトには「キャラメル、シナモン、キャンディーやミントなどのニュアンスがあり、フレッシュなフルーツの香りが特徴。」 と書かれていますが、キャンディは不明ながらキャラメル、シナモン、ミントは合意します。 且つそれが「フレッシュなフルーツ」かも疑問ですが、とにかく甘重い感じの香りです。 味も、色や香りから受ける印象通りに濃く重く甘苦い感じの味わいです。 数値を計るとpHが3.6で、これはどちらかというとニューワールド赤でも酸が弱め、 糖度の8.1はニューワールド赤でも甘味が強めと判断でき、飲んだ印象そのままです。

 このモンテスって造り手は、安かろうが高かろうが濃いワインを提供してくれているようです。 濃さで言えば上級版のモンテス・アルファもこれもあまり変わらないかも。 やや荒削りであることは否めませんけど、 1,000円以下なら十分満足です。
72点 道場にて

13日(日)

 三連休の後半、一泊二日で伊豆方面へのプチレジャー。天気はほぼピーカン、 10月なのに夏の様な天気です。

 道場を出発したのが朝8:30頃、東名高速も小田原厚木道路も大した渋滞は無く、 第一の目的地である「ファッションセンター しまむら伊東店」(笑)に到着したのが午前11時ごろ。 そこで長女が買い物をしている間、師範と次女は国道135号線を挟んだ向かいにある伊東マリンタウンで暇つぶし。 結局長女の買い物に1時間半近くかかりましたとさ。

 その後、車を一旦を宿に預けて、徒歩で伊東駅前の繁華街に向かいます。 昼食場所に選んだのは、 先日一緒に飲んだ光弘さんの ページで「親切で心温まる店」と書かれていたお寿司屋さん、つた好。 場所は、伊東駅前から湯の花通りを歩いて、行きつく手前を右に入ったところにあります。

 左写真のように、外観はとっても普通の街場のお寿司屋さんで、 中に入るとカウンターが10席ほどとテーブル席が4席×4くらいで、こちらもとっても普通の感じです。

 今日はもう運転はしない、ということでビールを頂きます。 寿司屋ではやっぱり生ビールじゃ無くて瓶ビールですな、ということで注文したらキリン・ラガーでした。 それはまぁ普通ですが、一緒に出して頂いた突き出しの生の白魚がなかなか絶品。 こういう鮮度の良い魚に出会うと、「あぁ旅に来て良かったなぁ」と心底感じます。

 そして注文は、長女が並にぎり\1,000、次女が上にぎり\1,500、 師範と師範代が地魚にぎり\2,500(左写真)。 地魚の内容は、上段左からあじさより赤いかめじ鮪ぶりひらめ、 下段左から地だこきんめ黒むつきすの昆布〆、蒸あわび。 なぜこれだけキッチリ覚えているかと言うと、カウンターに掲げてあるお品書きと同じ順番で並べてくれているからです。

 握りの方も、ツマミ同様鮮度が良くて大変美味しゅうございます。 ただ、握りのサイズもお値段も、都会の寿司屋と変わりません。 地方かつ産地に近いからお得に食べられる、ってんじゃなくて、 払うもの払ってちゃんとしたものを食べる、という感じです。

 ビール以外にも清酒を頂きました。 15種類くらいの選択肢がある中から、選んだのは磯自慢 本醸造、一合500円。 やっぱり静岡に来たら磯自慢を飲まなきゃね、とミーハーなチョイスですが、 本醸造でも軽やかで大変美味しゅうございます。

 そして、さすがに昼なんでそれ以上は頼まなかったんだけど、 焼酎のラインナップもなかなか目を見張るものがありました。 特に、「百年の孤独」がグラス800円/ボトル5,800円ってのは珍しいんじゃないですかね?

 そんな感じのお昼で、お会計は家族4人で10,000円弱。 昼間っから酒飲んで美味しいものを食べて、師範は満足でございます。

 食事の後は、湯の花通りをスタンプラリーでブラブラしたり海へ行ったりで時間を潰して、 今宵の宿はラフォーレ倶楽部 伊東温泉 湯の庭というところ。 師範代の勤務先の契約保養所、というか師範の勤務先もそうだし、いろんな団体の契約保養所ですな。 たまたま次女の担任の先生も来てましたし。

 部屋は、8畳の和室と窓際に板の間、それと同じくらいのベッドルームがある和洋室。 広さ的には十分です。 建物自体はそれなりに年季が入っているようですが、 きちんとメンテナンスされているようで、古臭さはあまり感じません。

 このホテル、最近リニューアルしたということで「湯の庭」なんて名前が付いています。 ですが、大浴場自体は昔と変わらないような。 フロント前の泉水スペースに、足湯が出来たのが主なリニューアル・ポイントで、 それでこの名前が付けられているみたい。 サウナと水風呂があれば、ほぼ無限に風呂に入っていられる師範としては、 大浴槽と露天風呂だけなのはちょっと残念。

 ちなみに、家族風呂は3つあって、利用は無料。 師範家はもう子供も大きいので家族風呂は使いませんが、 小さなお子さんが居る家庭は良いかもです。

 夕食は、ホテルを出て外で頂きます。検索して良さそうだったのがココ、 「東海館」という歴史的建造物の向かい、 松川を挟んだ対岸にあるキヴィシルト(Kivisild)というフレンチの店。 確か昨年出来たばかりの新しいお店のようです。

 店内は、4人掛けのテーブル席が2つにカウンター席が7席、合計15席。 こぢんまりした店ではあるんですが、それとは明らかに不釣り合いなくらい大きなガラス張りのワインセラー(右写真)があります。 まだ出来たてのお店と言うこともあるのかセラーの中はほぼ空っぽ、 1~2割程度の埋まり具合のようでしたが、 間違いなくワインが好きな方が経営しているはずで、それだけでワクワクします。

 メニューにはアラカルトもあったみたいだけど、 最初からコースを頼むつもりでいたのであまり見ていません。 頼んだコースは、シェフのおまかせコースで一人2,500円。 マダムの説明によれば、冷たい前菜、温かい前菜、メイン、デザートがその内容で、 料金が上がっても品数は変わらず、中身が変わるだけとのこと。 大人と子供で違うコースにすることは可能か聞いた所、 それは無理で同じグループは同じコースにして欲しい、とのこと。 その理由は後でわかります。

 そして最初に出されたのがウマヅラハギのカルパッチョ(左上写真)でした。 薄切りされたウマヅラハギの上に、チコリとミニトマトと大葉が載せられ、 オリーブオイルと刻んだオリーブがベースのソースがかけられ、 そしてその上に薄切りされた大量のパルミジャーノ・レジャーノが載せられてます。

 サービスされる形態がちょっと変わっていて、全員分を大皿に盛って取り分けスタイルで出されます。 だから同じグループは同じコースなのね。 師範らみたいに、大人と子供で食べる量を調整したい場合は、 それぞれに一皿という方法よりこちらの方が都合が良かったりします。

 二皿目は、ホタテとキノコのクリームソース(左中写真)。 キノコは、舞茸、シメジ、エリンギとかが使われていて、濃厚なソースが美味しい一皿。 パスタが入っていそうなメニューでしたが、ホタテとキノコだけで十分なボリュームでした。

 そして三皿目のメインが、カジキマグロのソテー(左下写真)。 ちょうど良い火の通し方で柔らかくてナイスなんだけど、 結構な大きさがあることもあって途中でちょっと飽きが来るのが難点です。

Riesling 2012
リースリング 2012
Paul Ginglinger
ポール・ジャングランジェ
Blanc
Alsace Riesling
アルザス・リースリング
Alsace (France)
アルザス (フランス)
\3,600 2013/10/13 キヴィシルト モトックス
Alc : 12.5%BRIX : ??pH:??
 魚がメインのお店ということで、ワインは白を頂きます。 「香りの良い白が飲みたい」とマダムに伝えたところ、 シェフが出て来て説明して頂きました。 候補として持ってきて頂いたのは、ハウスワインにされているボルドー南部のソーヴィニョン・ブラン&セミヨン、 他にはリュリー、ピュイイ・フュメ、ジュラソン、ラングドックなど全部で7本。 いずれも5,000円以下、なかなか個性的なラインナップ、そして説明も的確です。 そんな中から選んだのがコレ、アルザス産のリースリング。 造り手の「ポール・ジャングランジェ」という方は有名な方らしいですが、 師範は初稽古であります。

 そして、きっちり冷えた状態で出して頂きました。 グラスも大ぶりのボウルのものでちゃんとしています。 色はほぼ無色で、グラスの内側にわずかに気泡が見て取れます。 香りは、希望通り華やかな香りがバッチリ。 でも、いわゆるリースリングのオイリーな香りはあまりなくて、 梨やグレープフルーツや桃みたいなフルーツっぽい香りと、 沈丁花みたいな花の香りを感じます。 味は軽めです。スイスイ入っていきます。だもんであれよあれよという間に無くなっていきます。

 結果的に、注文通り香りの華やかな白ワインでありました。 酒屋での小売価格は2,000円くらいと想像、それがこれがレストランで3,600円なのはお得です。 というか、そういう値段で出していいと思うんだよね。 仕入れの3倍とかで出している店はやっぱりどうかと思います。
78点 道場にて

 デザートはカスタードプリン。 ありきたりではありますが、懐かしい味わいでホッとします。 そして、コースにはコーヒーが付いていなかったので別途注文しました(400円×2)。 なんだか手慣れてない感じだったので、あまりコーヒーは出ないのかも。 でも飲みたいよね、フレンチの後のコーヒー(エスプレッソが更に良いけど)。

 最終的なお会計は、家族4人で15,000円ちょっと。 言われた値段の合計×消費税の明朗会計、サービス料は引かれていませんでした。 こういう店は是非とも存続して欲しいなぁ。 ちなみに本日の客入りは、師範ら4人+隣のテーブルに予約客らしいカップル、 カウンターに常連さん的なおっさん二人が軽く飲みに来てたのと、飛びこみっぽいカップルが2名。 その他にも店に来た人は居たけど、手が回らないのを理由にお断りされていました。 誠実な対応だと思います。

 夕食の後は、また風呂に入ってさぁ飲み直すかと思ったらそのままグーッとご就寝の師範。 健康的な一日でありました。

12日(土)

Château Marlomé "Cuvée l'Esquisse de Marlomé" 2006
シャトー・マルロメ "キュヴェ・レスキス・ド・マルロメ" 2006
Ch. Marlomé
シャトー・マルロメ
Rouge
Bordeaux Superieur
ボルドー・シューペリュール
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\660 2013/03/26 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
Alc : 12.5%BRIX : 6.9pH:3.9
 本日の夕食は、豚バックリブのオーブン焼き、焼き野菜(パプリカ、ニンジン、オクラ、丸ズッキーニ)。 丸ズッキーニってのは初めて見たけど、まるでナスみたい。味もなんとなくナス。だったらナスで良いかも。

 そしてワインは、今年の1月に稽古して、 そのコスト・パフォーマンスの高さに驚いて追加購入したもの。 誰か来た時に開けるか、と思ってたけど、 この値段のワインだとさすがにねぇ、ということで自分で飲むことにしちゃいました。 前日美味いヤツとたっぷり稽古したんで、 ある程度のクオリティはあるものにしたかったからね。 そして、ラベルを良く見て気付いたんだけど、 前回のは表ラベルにオレンジ色の文字で"Cuvée l'Esquisse de Marlomé"と書かれていたんだけど、 今回のはそれが無くて"L'ATELIER D'ÉTÉ de TOULOUSE-LAUTREC"と書かれています。 もしかしたらモノが違うのかな?裏ラベルには"Cuvée Esquisse"と書かれているんですが。

 さて本題。夕食前、伊勢佐木町から野毛の方まで散歩に行ってわかビールを一缶飲んだ後に抜栓。 色は、いかにもボルドーらしいミシッと濃いガーネット色で、僅かにレンガ色っぽさがあるあたりに熟成を感じます。 香りは、正直「参りました」です。なぜならこの香りが660円ってのは普通無いから。 雰囲気は、まるで昨日のコレをそのまんまスケールダウンしたような感じ。 味も、決して「濃い」とか「しっかりした」って感じじゃないんだけど、 中庸をわきまえながら良い感じにまとまっています。 糖度と酸の数値的には、糖度が6.9、pHが3.9。ボルドーの範囲ド真ん中です。 そして気になる点が無いかと言えば、前回同様酸味のチリチリ感と渋味のイガイガ感がありはするんだけど、 やっぱりこれが660円ってのは凄いです。

 まるで高級ボルドーのミニチュア版です。 「美味いボルドー」という平均台みたいな狭い登り坂があって、 いわゆる一流なボルドーはその馬力でもって上まで駆け上がっていけるんだけど、 一般の安ボルドーは上まで行かないうちに転げ落ちる物が多いんです。 ところがこのワインは、その絶妙のバランス感覚でもって未だにそのライン上に居る、という感じ。 ワケわからん例えだとは思いますが、そんな印象なんですわ。 買った店のサイトを見ると今は品切れ中のようですが、 再入荷したら安ワイン者の皆様におかれましては是非購入されることをお薦めします。 再三言いますが660円でコレはとても「希有」な存在です。
80点 道場にて

11日(金)

  本日は、毎年恒例、岡山のへんさん を迎えての飲み会。 前年の様子はココ、 開催時期は例年より一ヶ月くらい早いですかね。 そしてメンバーもほぼ毎年恒例、へんさん光弘さん、 とびさん、がぶさん、磯子さん、師範の6名。

 店は、日本橋にあるAu Goût du Jour Merveille(オーグードゥジュール メルヴェイユ)。 前回利用させて頂いたのが2009年だから、4年ぶりにこの店での開催になります。

 今回も、料理と最初のシャンパーニュ、それに持ち込み代やら何やら全て込み込みで一人1万円でやって頂いております。 ありがたい話であります。

 そして最初に出されたのがコレ、 キノコの串揚げともう一品(なんだったか失念)。 土台は黒ゴマです。 他にドングリやイチョウの葉っぱがあしらわれていて、とても秋らしい景色。 でも、今日は気温が高くて湿度も高くて、まるで真夏のような一日でしたが。

Richard-Fliniaux "Carte Perle" Cuvée Spéciale Brut N.V.
リシャール・フリニョー "カルト・ぺルル" ナデージュ ブリュット (ヴィンテージ無し)
Richard-Fliniaux
リシャール・フリニョー
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
(\0 : コース料金に込み) 2013/10/11 オーグードゥジュール メルヴェイユ フィラディス
Alc : 12%BRIX : 7.0pH:?
 そして一本目は、コース料金に込み、お店に出して頂いたシャンパーニュ。 造り手はリシャール・フリニョーという方。 道場を開設して早16年、それでも初耳の造り手ってのはいるわけですな。 世界は広うございます。そして、インポーターの「フィラディス」というところも初耳のような。 日本も広うございます。

 使われたグラスは、リーデル社製のフルート型。 これがシュッとした形で、なかなか良さげ。 そのグラスに注いで頂くと、色はほんのりピンク色で、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの比率が高そうな見た目です。 香りもなかなかナイス。 レストランでシャンパーニュを頂く場合、 目の前で注がれている時にフワーッと香って来る甘いリンゴのような香り、それがたまりません。 味も、結構しっかりした感じで飲み応えがあります。 持参した糖度計で測定したところ(変な客でスミマセン)、糖度は7.0。 これまでの白やスパークリングの中ではトップクラスの糖度です。

 香りも味もしっかりとしていて、秋に頂くシャンパーニュとしては大変よろしかったんじゃないでしょうか? ただ、秋と言ってもまだ暑い日だったんで、 「最初はビールをキューっと」ってな気分ではあったのですが。
(80点) 「オーグードゥジュール メルヴェイユ」にて

 一皿目の前菜は、アワビとアワビ茸のカルパッチョ。 キャビアのように見えるのはトンブリで、酢橘のスライスとかがあしらわれていて一転涼しげな一皿でした。 こういうの美味いよね。フレンチじゃないとなかなか食べられないしね。

安心院 Sauvignon Blanc N.V.
アジム ソーヴィニョン・ブラン (ヴィンテージ無し)
三和酒類
大分 (日本)
(がぶさんから)
Alc : 10.5%BRIX : 5.4pH:?
 最初の白は、毎度国産ワインをお持ち頂いているがぶさん(「がぶ嬢」がよろしかったかしら?) 持参のワインで、今回も国産、産地は大分県。 いつもは北の方のワインが多かったので、今回は南狙い、 熊本ワインの樽熟されたシャルドネと悩んで、こっちをお持ちになったのだとか。 造り手の「三和酒類」は、焼酎の"いいちこ"を造る会社ですな。 お店の方によれば、いいちこで儲けたお金をこのワイン造りに注ぎ込んでいて、 とてもコストパフォーマンスが高いんだとか。 非常に興味深い一本であります。

 まず色はほとんど無色、まるで清酒みたいな色です。 ネットリ感もあまりなく、とてもサラリとした感じ。こういう見た目は、甲州種なんかでも良くあるよな、と。 ただ、香りが違います。 北のソーヴィニョン・ブランっぽいハーブのような涼やかな香りに、 なんとなくリースリングみたいな揮発油系の香りがプラスされていて、 香りの要素・ボリューム共に全く不満はありません。 味はかなりのスッキリさっぱり系。 キレの良い味わいはなかなか素晴らしいものがあるわけですが、 ややキレが良すぎというか、ストンと落ちる感じがあるのが残念と言えば残念です。 糖度を計ると5.4。これまでの記録で最も低いクラスですな。

 ともあれこれは国産ワインを見直させて頂きました。 毎度がぶさんにお持ち頂く国産ワインがなんとも微妙というか、 正直「やっぱり国産はまだまだ」というワインが多かったわけですが、 これは海外の有名ドコロの産地のものとガップリ四つで勝負ができています。
(80点) 「オーグードゥジュール メルヴェイユ」にて

 二皿目の前菜は、子持ち鮎の揚げもの。 鮎の輸入モノって見ないよね、もしかして日本にしか居ない魚なのかね、などと話しながら食べておりましたが、 子持ちってことで卵が沢山入っていて、珍しくも美味しい一皿。 『前の大分産の白と合わせたかったね』なんて話も出ておりました。

Sonnenberg Riesling Q.b.A. trocken 2008
ゾンネンベルグ リースリング Q.b.A. トロッケン 2008
Weingut Friedrich Becker
ヴァイングート・フリードライヒ・ベッカー
Champagne
発泡
Schweigen / Sudliche Weinstrasse / Pfalz
シュヴァイゲン/ズードリッヒ ヴァインシュトラーセ地区/ファルツ地域
Pfalz (Deutsche)
ファルツ (ドイツ)
(とびさんから) ヘレンベルガー・ホーフ
Alc : 12.3%BRIX : ?pH:?
 とびさんにお持ち頂いたのは、なんと珍しいドイツ産。 「この会でドイツ産は初めてか?」と思ったけど、 昨年自分でデザートワインを持ち込んでました。物忘れ早過ぎ。 そしてこのワイン、ドイツ産ではあるけど畑はフランス側にあるとのこと。 ということはアルザスっぽいワインを期待するわけであります。

 グラスに注がれて、まず色が違います。 前のワインと比べると、「これってソーテルヌ?」って感じるくらいに濃い色合い。 もちろん、絶対的な色の濃さはそんなに無いんだろうけど、比べるとそう感じます。 ところが香りは、相対的に弱めです。 リースリングらしい灯油のような揮発香はあるのですが、 それ以外がなんとなく弱くて、正直なところ前の国産ソーヴィニョン・ブランに軍配が上がります。 味に関してはこちらがずっとしっかりしていて、 旨味とコクがたっぷり感じられます。 正確な数値は忘れましたが(ちゃんと書いとけ!って話です)、 たしか糖度は7以上あったような。 でも、そんなに甘く感じるわけじゃないので、エキス分が多いワインなのでしょう。

 やっぱりブドウが出来た土地の影響を強く受けるのか、 いわゆるドイツ産というよりアルザス産に近いワインではありました。 もっと時間をかけて飲めば開いたのかな? こういう「持ち寄りで一人一杯だけ」の席に合う/合わないってありますね。
(78点) 「オーグードゥジュール メルヴェイユ」にて

 そしてメインの一皿目、まずは魚料理からで、 サワラを低温調理されたもの。 味に深みを出すため、チョリソーのエキスが使われているということでした。 良い感じにアルコールの入った師範には、 そのチョリソーの風味がどこにあるのか良くわからなかったりしたわけですが、 半生で柔らかいサワラ自体は大変美味しゅうございました。

Mazis-Chambertin 2004
マジ・シャンベルタン 2004
Dom. Harmand-Geoffroy
ドメーヌ・アルマン・ジョフロワ
Rouge
Mazis Chambertin (Gevrey Chambertin Grand Cru)
マジ・シャンベルタン (ジュヴレ・シャンベルタン特級畑)
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\7,980 2012/10/22 カーヴ ド リラックス ファインズ
Alc : 13.5%BRIX : 7.5?pH:??
 そして、師範が持参したワインがコレでございます。 造り手は、2002年産が大変好印象だったアルマン・ジョフロワ。 この造り手を追いかけるきっかけとなったのが、 4年前にへんさんと一緒に飲んだコレ。 以来同じ畑の物とか一級畑の物とか、 いろいろ稽古しては来ましたが、なかなか最初感動したほどのレベルの物には出会えずにおりました。 そして今回持参したのはいよいよグラン・クリュ。 2002年に比べるとヴィンテージの評価では劣る2004年だけど、 腐ってもグラン・クリュってところに期待しての持参であります。

 まず色ですが、これが素晴らしい。しっかりとしていながら澄みきった赤紫色で、 澱が少ないのか当日振り回しながら持参したとは思えない色合いです。 そして香り、これがまたまた素晴らしい。 熟したプラムに甘香ばしいカラメルをかけたみたいな、うっとりするような良い香りがフワーッと来ます。 そしてそして味もまずまず素晴らしい。 ややまだ渋味が固い感じがしないでもないけど、 決してバランスは悪く無くてスムーズに頂けます。 糖度を測定したら確か7.5くらいだったか。 安ブルゴーニュとは一線を画す、まるで南米産の赤ワインみたいな数値です。

 このワインは時間をかけると開くと思い、グラスの中にわずかに残しておいたら開く開く、 30分も経つとカラメルの香りがバンバンです。いやーナイスナイス。

 というわけで、大変手前味噌ながら師範的には本日のナンバーワン。 間違いなく美味しい高級ブルゴーニュでした。 みんなで飲んで良し、(多分)一人で飲んでも良し、 見かけたら買うべきワインです。
(93点) 「オーグードゥジュール メルヴェイユ」にて

 メインの二皿目、静岡産の銘柄豚「ルイビ豚」のロースト。 なんでも、以前は「ルイビトン」と呼んでいたんだけど、 どこぞよりクレームがあったとかなかったとかで、今は「ルイビぶた」と呼んでいるらしいです。 そんなことは置いといても、やっぱり美味い豚は美味いですね。

 で、無意識の普段の習慣で、脂身の部分を外して食べてしまいました。 それを皆に指摘されるされる。 いや、確かに行儀悪いです、スミマセン。 でも、不要贅肉削減を心がけて以降(今でも173cm/58kgを維持しております)、 つい外しちゃうんだよね、脂身。

Sassicaia 1994
サッシカイア 1994
Tenuta San Guido
テヌータ・サン・グイド
Rosso
Bolgheri Sassicaia
ボルゲリ・サッシカイア
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
(磯子さんから) スマイル
Alc : 12%BRIX : ?pH:?
 磯子さんにはいつも珍しいイタリア産をお持ち頂いています。 ちなみに磯子さんは男性です(がぶさんは女性です)。 そして今回は、珍しいといえば珍しい、でも誰でも知っているサッシカイア。 いわゆる「スーパー・トスカーナ」の火付け役ですな。 そしてこのヴィンテージの1994年は、それまでVdT(ヴィーノ・ダ・タボーラ)扱いだったこのワインが、 DOC化された最初の年なんだとか。 そういうのってなかなか一人では開けづらいよね、なんて話になっておりました。

 そしてまず色ですが、これが残念ながらかなり濁ってます。 やっぱりこういう熟成ワインを当日持ち込んで飲むとなると、どうしてもこうなっちゃいますな。 香りは、ボルドーみたいな濃い色の果実の向こうに、奈良漬みたいな熟成香を感じます。 その熟成感がかなり強くて、想像したより熟成の早い銘柄なのかな、という感じです。 味も、甘酸っぱくてカドが無くて、まるで熟成ボルドーのそれです。 ただ、なんとなく全体的な雰囲気はやっぱりイタリア感があるんですな。 それがどこから来るのか(何から感じるのか)よくわからなかったりしますが。

 ともあれ大変貴重なワインをありがとうございます。 聞けば、セラーの肥やしになっているワインがまだいろいろあるとのこと。 お声掛け頂ければいつでも不良在庫の一掃に協力させて頂きます。
(82点) 「オーグードゥジュール メルヴェイユ」にて

 コースにはチーズも組み込んで頂いております。 三種類あったうち、一つがコンテ、あとは・・・忘れました。 詳しくは、多分そのうちへんさん光弘さんのページに掲載されるでしょう。 なんか書くモノ持って行って書き留めれば良いんだけどね。 つい忘れるんだよね。

Châteauneuf-du-Pape "La Crau" 2005
シャトーヌフ・デュ・パプ "ラ・クラウ" 2005
Vieux Télégraphe
ヴュー・テレグラフ
Rouge
Châteauneuf-du-Pape
シャトーヌフ・デュ・パプ
Côtes du Rhône (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
(へんさんから) エノテカ
Alc : 14.5%BRIX : ?pH:?
 主賓のへんさんにお持ち頂いたのがコレ、パーカー氏が高得点を付けたというシャトーヌフ・デュ・パプ。 ローヌの情報には暗い(・・・って、どこか明るい地域があるわけでも無いですが)師範なので、 有名なのであろうこの「ヴュー・テレグラフ」という造り手も初耳です。

 色はとても濃い紫色・・・だったような。 そして、残念ながら香りが弱めです。 香りを嗅いだ時点では、「いったいパーカー君はこのワインのどこに目を付けたんだ?ぁあ?」状態です。 口に含むと、とにかく濃い。 2005年産ということで、前のブルゴーニュとほぼ同等の年齢でありながら、 まだ渋味がガッシガシです。 そして甘味もしっかり感じます(糖度は7以上でした)。 すごいことにはそれだけ甘味を残しながらアルコール度数はなんと14.5%、 ワインとは思えない清酒みたいな度数です。

 というわけで、スペック的には恐ろしく気合の入ったワインであることは伝わってくるわけですが、 惜しむらくはそれがまだ?「美味しさ」に繋がっていない感じです。 あと数年待て、ってことですかね?気の長い話ですな。
(77点) 「オーグードゥジュール メルヴェイユ」にて

Chateau Pichon-Longueville Baron 1990
シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 1990
Ch.Pichon-Longueville Baron
シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン
Rouge
Pauillac (2e GCC)
ポイヤック (メドック2級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
(光弘さんから) 土浦鈴木屋
Alc : 12%BRIX : ?pH:?
 光弘さんにはいつも「師範が過去稽古していない」かつ「丁度いい熟成具合のヴィンテージ」 のボルドーをお持ち頂いております。大変ありがたい話であります。 そして今年のチョイスは、メドック2級格付けのシャトー・ピション・ロングヴィル・バロン。 ヴィンテージもナイスな出来で名高い1990年。ホントにありがたい話であります。 ちなみに家に帰って調べたところ、 この銘柄は15年前に1993年産と稽古しておりました。 飲んだのはこのメンバーでしたよ。

 色は、小豆色っぽさがあって熟成感は感じるものの、あまり濁りはありません。 前もってこの店に届けておかれたんですかね? 香りは、「待ってましたコレよコレ!」ってな良いボルドーの香りです。 香りの複雑さもボリュームも、この年齢のボルドーじゃなきゃ出せないものを感じます。 味は、どれに近いかで言えばサッシカイアに近いんですが、 それをもう少しギュッと凝縮したような、コンパクトだけど集中力のある味わいです。

 やっぱりボルドーは熟成させてナンボですな。もちろん最近は安くて若いのもいろいろあるんだけど、 ボルドーの真骨頂はココでしょう。 ただ、惜しむらくは師範クラスではその「美味いボルドー」間の差ってのが判らないというか、 どれを頂いても「美味いボルドー」で終わっちゃうのがいかんともしがたいところです。
(86点) 「オーグードゥジュール メルヴェイユ」にて

 デザートは、洋梨がなんとかかんとか・・・忘れてます、スミマセン。

 このデザートの前にちっちゃなデザート(「アヴァン・デセール」と言うのかな?)が出ていて、 そしてこのデザートの後にコーヒーとお菓子(「プティフール」と言うのかな?)が出されて、 最後にほうじ茶を頂いて・・・あ、当然パンもあって、というのがコース全体でした。 いや~満足満腹であります。

 ・・・というような、年に一度の飲み会でした。 またやりましょう。そのためには皆さん健康に気をつけましょうぞ!ってやっぱ年取ったな。

9日(水)

Sileni "Celler Selection" Hawke's Bay Merlot 2011
シレーニ "セラー・セレクション" ホークス・ベイ メルロー 2011
Sileni Estate
シレーニ・エステート
Red
Hawke's Bay (New Zealand)
ホークス・ベイ (ニュージーランド)
\858 (単品価格:\1,995) 2013/09/23 エノテカ楽天市場店 エノテカ
Alc : 12.5%BRIX : 6.9pH:3.7
 通常、平日は水金の2日で1本稽古というルールにしているわけだけど、 本日はワケあって一日で一本飲んじゃいます・・・って、 「ワケ」っつっても単に金曜は飲み会、ってだけなんですけどね。 そういうわけで、手持ちの赤の中からアルコール度数が低いワインを探したらコレが目に入りました。 モノは、エノテカの「最強ニューワールド赤白6本セット」、税送料込み5,775円からの1本。 この銘柄のこのヴィンテージは、半年ほど前に稽古済み。 まぁセットを買うと多少のダブりはしかたありません。

 そして前回の記録を読むと、ニューワールド産のメルローとは思えないほど軽やかなワインだったみたい。 ところが今回は前回と違い、糖度とpHの測定器を持っております。 そこでこのワインが、いわゆるニューワールド産赤の一般的なポジション (糖度7.5以上/pH3.5程度)の中に居るのか居ないのか、興味津々で抜栓であります。

 色は、やっぱりメルローとは思えなくてまるで別品種、 それもサンジョヴェーゼやガメイみたいな明るくて濃い紫色。 香りも、メルローと言われればそうかな、と思うんだけど、 言われなければ判りません。 ボルドーやニューワールドのメルローとは全然傾向の異なる、 ツーっとしたトーンの高さを感じる香りです。 味も、前回の印象通り甘酸っぱくて軽い味わいです。 そして気になる測定値は、pHが3.7で糖度が6.9。 いわゆるニューワールドのワインとは明らかに違うポジション、 イタリアやブルゴーニュのポジションからちょっとだけボルドー寄りに行ったあたりです。 やっぱり前回の印象通り、普通のニューワールド産とは違って、 ブルゴーニュやイタリアの赤に近い甘味と酸味のバランスを持っています。 なんとなく感じたことが数値で証明できるのは嬉しいですな。

 というわけで、前回の印象通りメルローにしては異例なくらい軽快なワインでした。 やっぱりニュージーランドはいわゆる「ニューワールド」じゃ無いのかもね。 そのあたりの認識を再設定しなければいけないようです。 ともあれ、濃すぎないワイン、例えばピノ・ノワールみたいなワインが好きな方にはフィットすると思われますが、 普通に濃くてしっかりしたメルローをお求めの方には全くヒットしないと思われます。
72点 道場にて

6日(日)

 本日の日中は、長女が部活の試合で不在。 次女は近所のスポーツセンターでの催しに参加、 そんなこんなで昼飯を作るタイミングが無く、 師範代と長女の3人でなんとなく国道16号を西に走っていたらぐるめ亭 西谷店という回転寿司を発見、 そこで昼食を取ることに。 前回訪店したのがこの時なんで、ほぼ二年ぶり、 そしてランチでの利用は初であります。

 注文は、主に白身魚を中心にいろいろと。 覚えている範囲では、アジホウボウ(左写真)、マダイイカスズキ生ゲソツブ貝カンパチスズキ白身魚のアラ、 そんな感じだったか。 このお店は白身が多いのがよろしゅうございます。 品質も、そりゃちゃんとした寿司屋と比べるのは酷ですが、 100円回転寿司と比べるとちゃんとしています。

 昼間ではありますが、帰りの運転は師範代に任せて飲んじゃいます。 このお店は瓶ビールも生ビールも550円。 どっちにするか迷うところ。 一般的にこういうところの生ビールって、 中瓶1本よりかなり少ないのね。 そしてグイグイ飲んじゃうから、往々にして一杯では足りないってことになりがち。 というわけで、本日のチョイスは瓶ビール、出されたのはプレミアムモルツ 中瓶。 嬉しいねぇ。これがスーパードライだったらガッカリするところでした。

 そんなこんなで3人のお支払いは4,000円ちょっと。 これくらいだったらファミレスでちょいと良いモノ食べたのと変わらない額なんで、 安ワイン道場の厳しいお財布にも優しゅうございます。

Bourgogne Pinot Noir "Fût de Chêne" 2011
ブルゴーニュ ピノ・ノワール "フュ・ド・シェーヌ" 2011
Maison Kerlann (Hervé Kerlann)
メゾン・ケルラン (エルヴェ・ケルラン)
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,500 2013/09/27 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
Alc : 12.5%BRIX : 6.8pH:3.5
 昨日の夕食がタイとマグロとイワシ、今日の昼が回転寿司なんで、 夕食は当然肉系統であります。 というわけで献立は、焼き鳥(モモ肉、砂肝、レバー、ネギ)。 あとは昨日の残りのカボチャとコーンのサラダとか、お弁当の残りのレンコンのカレー炒めとか。 またその前に食前からオリーヴをツマミに飲み始めております。

 そしてワインは、久しぶりにブルゴーニュ産の赤をチョイスします。 選んだのは、4年前にも似たようなワインと稽古している銘柄。 "Fût de Chêne"(オーク樽熟成)の文字がある点が違うだけですが、 これが違うキュヴェを意味するのか、単に最近作ではその表示をするようになったのかは判りません。

 色は、ブルゴーニュらしい明るめの赤紫色。大ぶりのブルゴーニュグラスに注ぐとスッキリ向こうが透けて見えます。 香りのボリュームはブルゴーニュのピノ・ノワールとすれば中くらい、ACブルゴーニュというグレードを考えると頑張っている方。 やや南っぽいというかケモノっぽさが強い、 その向こうに薄っすらとおしろいのような雰囲気を感じる香りです。 ラベルには"Fût de Chêne"とありますが、 樽香はあまり感じません。 味は軽めで、酸味しっかり、甘味それなり、渋味はややザラつきます。 数値的には糖度が6.8、pHが3.5。 これまでのワイン全体の平均ほぼど真ん中、 このページ上部で提示したブルゴーニュのゾーンにバッチリ入っています。

 抜栓後時間が経つと、酸味が穏やかになってきて、相対的に甘味を感じます。 でもやっぱり軽い感じは否めないな。 これがもう一クラス上のワインだと、味わいもしっかりして来たりするんだけどね。

 値段を考えると、香りはなかなか頑張ってます。 味は、もう一声柔らかさが欲しいところ。 ただ、料理の邪魔をせずにスルスル入っていくんで、 酸味が苦手な方で無ければ日常の晩酌用によろしいんじゃないでしょうか。
73点 道場にて

5日(土)

Vistaflor Sauvignon Blanc - Chenin 2012
ヴィスタフロー ソーヴィニョン・ブラン - シュナン 2012
Bodega Norton
ボデガ・ノートン
Blanco
Mendoza (Argentina)
メンドーサ (アルゼンチン)
\858 (単品価格:\1,365) 2013/09/23 エノテカ楽天市場店 エノテカ
Alc : 13%BRIX : 6.9pH:3.7
 本日の夕食までは師範代におかれましては実家に寄生虫帰省中、よって夕食は師範と子供らの三人。 メニューは、次女の『刺身が食べたい』というリクエストにお応えして、 マグロの赤身の刺身、そしてイワシの刺身。 イワシは丸魚から裁きました。 そしてメインは3匹で398円と安かったチダイの塩焼き、 サイドディッシュは空芯菜のガーリック炒めと長女謹製カボチャとコーンのサラダ。 ハイ、「主夫ブログ」であります。

 このメニューだと当然ワインは白が飲みたくなるわけで、 選んだのはエノテカの「最強ニューワールド赤白6本セット」、税送料込み5.775円からのアルゼンチン産白。 この銘柄の赤は先日稽古済み、 赤でさえ樽を使ってなさそうだったんで、きっと白もスッキリとまとめられているんじゃないかと想像した次第であります。

 色はかなり薄めです。まぁ2012年と若いソーヴィニョン・ブラン、シュナン・ブランなら薄いですわな。 香りは、ニューワールドのソーヴィニョン・ブラン系らしいトロピカル・フルーツとハーブの香り。 香りのボリュームは中程度かな?あまりパーッ!って感じじゃないですが、 不足に感じるほどでもありません。 味は、やや浮付いた感じがします。 測定してみると、糖度が6.9で白ワインとしてはかなり高め、pHは3.7とこちらも高め。 飲んだ印象同様、酸が弱くて甘いというのが数値にも表れています。

 まぁ普通と言えば普通の白、 それもニュワールド産らしい酸味がマイルドで甘味をしっかり感じるタイプです。 和食との相性はなかなかのものでした。 やっぱり、生魚と合わせる際には樽の香ばしさとかピッチピチのフルーツとかじゃ無くて、 清酒に近い旨味と甘味がしっかりしたワインの方が良さそうです。
70点 道場にて

2日(水)

Ranger Cabernet Sauvignon 2012
レンジャー カベルネ・ソーヴィニョン 2012
Nugan Estate
ヌガン・エステート
Red
South Eastern (Australia)
サウス・イースタン (オーストラリア)
\740 2013/08/30 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
Alc : 13.5%BRIX : 8.2pH:3.6
 本日の夕食は、カナダ産松茸の塩焼き、きんぴらごぼう、鶏肉のソテー。 松茸はもちろん師範代実家からの頂き物です。 師範はもうオトナだし、 こういうものが普通に口に入るのは師範代実家が八百屋さんだからと理解できるわけですが、 子供らにとってはどうなんだろうね? 将来普通の家庭を持って、「ウチは松茸食べられ無いねぇ」なんてことにならないかね? ちょっと心配。

 そしてワインはオーストラリア産の赤。 同じヴィンテージの品種違い、シラーズとは稽古済み。 半分しか飲まない平日のチョイスとしては、こういう強めで息の長そうなワインが良いかな、 と考えた次第であります。

 さて抜栓。色は普通に濃い青紫色です。 グラスの中でスワリングすると、アシが長くてネットリ感たっぷり。 香りは、実際このボリュームで740円なのは圧倒的コスト・パフォーマンスですな。 もうグラスの縁に鼻を近づけただけで、 カベルネ・ソーヴィニョンらしいギュッと締まった果実香と、 甘香ばしい木樽の香りがあります。 味は、まず最初に感じるのは甘味です。もちろん渋味もしっかりです。 糖度を計って見ると、なんと数値は8.2。740円なのに過去最高の数値です。 pHの方は3.6。こちらは赤ワインとしては標準的ですな。

 とにかく数値が示す通り、甘さをしっかり感じるワインです。 そして、以前稽古したシラーズ同様、とにかく濃くてしっかりしたワインが飲みたい方にはお薦め。 740円でこの濃さを楽しめたらとてもお買い得。

 半分残して翌々日再稽古。 ちなみに本日は師範代が身内の不幸で実家に帰省したため、 師範と子供たちの夕食。メニューは、牛ホルモンとニラとモヤシの炒め物、 鶏ハムとレタスのサラダ、舞茸の中華スープです。

 稽古の結果、色も味も香りも抜栓当日とほとんど変わりありません。 敢えて違いを探すと、いくらか渋味が柔らかくなったかな? でも、それは先入観かも知れません。 いずれにせよちょっとやそっとで劣化するワインでは無さそうで、 こういうワインをハウスワインに使えば良いのにね、と思います。
74点 道場にて

前月分

by 師範