稽古日誌:2005年2月

 最近、主にアダルト関係の迷惑メールが非常に多い。 このサイトで公開している師範宛てのアドレスには、一日に大体50~60通のメールが来るけど、 そのうち30%が上記迷惑メールの類、 30%がウィルス(を駆除した旨プロバイダのサーバーから送られてくる)メール、 30%が以前購入したWebショップや楽天からの広告メール。 実際に師範宛てと認識して出されているメールは10%にも満たない。 師範はオトナなんでそういう迷惑メールはガンガン削除することが可能だけど、 世の中がこういう状況だと子供のアドレスを公開するのなんておよそ不可能ですな。 小中学校とかでWebサイトを公開しているところはどう対処してるんだろ?

翌月分

27日(日)

Chateauneuf-du-Pape 1994
シャトーヌッフ・デュ・パプ 1994
Paul Reitz
ポール・レイツ
Rouge
Chateauneuf du Pape
シャトーヌッフ・デュ・パプ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
5本セットで\10,500 (単品価格は\2,499)2005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日まだ喉の痛みは完治せず。おまけにプチ師範代にまで風邪をうつしてしまい(ごめんよぉ~)、 夕食は鶏団子のシチューと肉じゃがの残りという、やわらか&消化に良い系。 というわけで、ワインもあまり強く無さそうなところからチョイス。 選んだのは、「飲み頃!熟成5本セット」として送料込み10,000円売られていたもの。 セットの単品の合計額と送料を足すとは12,213円、 厳密に配分したこのワインの相当額は2,148円。 まぁそこそこ良いローヌ、って値段かな。
 色は、ややレンガ色の入った赤紫で、良い感じに熟成しております、って色合い。 香りもなかなか良い塩梅。熟成ボルドーでもない熟成ブルゴーニュでもない、 でもそれらのちょうど中間な感じで、黒蜜と古梅がコッテリ混ざりあったような香り。 味も、線の細さは否めないけど、尖ったところのない味わいや柔らかい喉越し、 後に残る馥郁たる甘みは熟成ワインならでは。
 抜栓後4時間くらい経っても大きくは変化しなかった。 これくらいの年齢なワインの場合、変化しないことはかえって吉。
 販売店で「飲み頃」を謳ってあるワインって、 (師範の嗜好では)大抵は"過ぎた"ワインか単に古いだけのワインなことも少なくないけど、 コレはキッチリ飲み頃だと思った。 この造り手の古酒(主にブルゴーニュ)は、この販売店で結構売られているみたいなんで、 トライしてみるのも良いかも。
80点自宅にて

26日(土)

本日は、師範代の職場のご友人である妙齢の女性がお二人で、プチプチ師範代を見に拙宅へ。

Trinity Oaks Chardonnay 2002
トリニティ・オークス シャルドネ 2002
Trinchero Family Estates
トリンチェロ・ファミリー・エステーツ
White
California (USA)
カリフォルニア (アメリカ合衆国)
\1,0502005/01/09 やまや洋光台店 やまや
 本日のお客様二人はあまり飲まれない方々(片方は師範代同様飲めない方)だし、 師範も病み上がりで無理の出来ないカラダなんで、軽く一本だけ。 料理は、チキンとかトマトを多用した「なんちゃってイタリアーノ」な内容。 だもんでワインは軽めの赤か重めの白が良さげなんだけど、 あいにく軽そうな赤が無かったため、 やや重めっぽくてフレッシュそうなカリフォルニア産の白をチョイス。
 色はちょっと濃いかな、くらい。 香りは、樽がバンバンかと思ったら比較的おとなしめ。 2002産にしてはヤケに熟成感がある香り。 味も、やや甘めなあたりはいかにもカリフォルニアなんだけど、 なんか高菜の古漬けみたいな感じがあって、想像以上に年老いた雰囲気なんだよなあ。
 というわけで、想像とは大違い、重さはなくてフレッシュでもない、 なんとなくシナッとおとなしいワイン。 それはそれで飲めたりするんだけどね。
67点自宅にて

23日(水)

Chateau Bellefontaine "Grande Cuvee" 2001
シャトー・ベルフォンテーヌ "グランド・キュヴェ" 2001
Ch. Bellefontaine (Thierry de Combarieu)
シャトー・ベルフォンテーヌ (ティエリー・ド・コンバリュー)
Rouge
Costieres de Nimes
コスティエール・ド・ニーム
Langudoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\1,4802005/02/10 QUEEN'S ISETAN 品川店 三ツ星貿易
 本日の夕食はロールキャベツ。 師範宅のロールキャベツは、 薄めのトマトソース(ほぼトマト味のコンソメスープ)をベースにしたややアッサリした味。 だもんであまり重くない/あまり渋くないワインが良かろうと思い選んだワインがコレ、 先日門下生からお薦めのあった南仏産。 ご報告によれば『都会的で洗練された味わい』ということで、大いに期待。
 さて抜栓。コルクは、門下生の報告にもある通り、 真っ白な樹脂だかプラスチックだかの素材で硬くて刺しにくく抜きにくいもの。 こういうんだったらスクリューキャップの方がかえって良い気がする。 色は濃くオレンジがかった赤紫色で、南仏としては青より赤みが強いように感じられる色。 香りは、なかなかいい感じのボリューム。 雰囲気としては、アクリルのようなプラスチックのような傾向が主体で、 ちょっとケミカルな刺激ともとれる感じ。 香りがこんな傾向なんで、「あぁ味もトゲがあるのかなぁ」と観念しつつ口に含んでみると、 これがビックリ柔らかい。それこそ一口目の最初からいきなり丸く柔らかい感じ。 確かにこりゃなかなか洗練されてますな。
 時間が経つと更にいい感じになると思ってチビチビ飲んで飲了まで約4時間、 残念ながら師範の感覚器にはそれほど成長とか変化は感じられなかった。
 南仏の赤でポテンシャルのあるワインっていうと、 ゴリゴリに固かったりやたら樽が効いてたりする印象があるけど、 このワインは非常に素直、力任せな感じのしないワイン。 そういった意味では門下生が仰るように『都会的な洗練』を感じることも出来るけど、 惜しむらくはちょっと物足りない印象を受けたのも事実。
75点自宅にて

20日(日)

Chateau Beaumont 2001
シャトー・ボーモン 2001
Ch. Beaumont
シャトー・ボーモン
Rouge
Haut-Medoc
オー・メドック
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,5802005/01/09 やまや洋光台店 やまや
 本日の夕食は、師範謹製コロッケと野菜のフライ。 師範宅のコロッケは、 皮が薄くて挽肉タップリ中身真っ黒なやつなんで、 キッチリ肉料理。 だもんでワインはボルドーの赤をチョイス。 選んだのは、ボルドーの入門的ワイン、シャトー・ボーモン。 比較的どこでも見かけて、お手頃価格で、ちゃんとボルドーな雰囲気が味わえるような印象があったけど、 直近の稽古あたりを紐解いてみると、 どうもそれほど好印象ではなかったみたい。今にして思えば1997産という年のせいもあると思うけど。 などど、己の歴史を振り返りつつ抜栓。
 色は濃い目の青紫で、ボルドーの標準的な色あい。 香りは、カシスっぽい果実香と、なんとなくミルクっぽい焦がした樽香が感じられ、 こちらもとってもボルドーらしい雰囲気。 ただ、ほんのりスパイスみたいな感じもあるあたりがココの特徴か。 と、香りまではまさに想像通りだったんだけど、口に含んでちょっとガッカリ、 なんとも頼りない味わい。上品といえば上品だけど、厚みが感じられないスレンダーな感じ。
 抜栓後30分くらいしたくらいから、香りの中の樽が良い意味で目立ってくるし、 味わいもそこそこパワーが感じられるようになる。 抜栓後2時間くらいまで徐々に向上していくのが楽しい。
 抜栓直後は「なぁんだ」ってなワインだったんだけど、 ズンズンと良い方に変化していって最後にはなかなかどうして侮れないワインに相成った。 さすがボルドーですなぁ。この値段だったら結構お得、 やっぱりお手頃価格でもちゃんとしたボルドー、の印象を確固たるものに。
76点自宅にて

18日(金)

Bourgogne "Cuvee Speciale pour Challengeurs" 2002
ブルゴーニュ "キュヴェ・スペシアル・プール・シャレンジュール" 2002
Lou Dumont
ルー・デュモン
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,8352005/01/15 港北 東急百貨店 山信商事
 本日は、道場掲載2,400本突破記念ということで、ちょっと良いワイン(でも稽古範囲内)をチョイス。 このワインは、日本人醸造家が設立・運営しているネゴシアン"ルー・デュモン"のもの。 「天」「地」「人」なんて文字が印刷された黄色いラベルはとりわけ目立つ。 また、これは東急百貨店用のスペシャル・キュヴェらしく、 ACブルゴーニュながら上の格付けのワインが入っている、なんてことがPOPに書かれていた。 ちなみに料理は、煮豚withトマトとチンゲンサイ、海老蒸しギョウザ。
 色はブルゴーニュらしい赤紫だけど、2002年という年を反映してかやや濃いめ/暗めに感じられる。 香りのボリュームはクラス相応/雰囲気は値段相応、といった感じで、 それほど強くは無いけど梅のようなピュアな果実の雰囲気を湛えた香り。 と、香りまでは「良くできたACブルゴーニュ」以上の何モノでも無かったけど、 味はさすがの雰囲気。スーッと針のように細く鋭く口の中に入ってきて、 真綿のように口腔内に拡がって、流れ星の尾のように細く長い余韻を残す。 酸味がメインではあるけど、なかなか心地よい酸。
 抜栓後30分くらい経つと香りのボリュームが増して、甘味がポンッと前に出てくる。 「うぉーこれからドンドコ開くのか!」と期待したけど、 抜栓後3時間経ってもそれ以上には変化しなかった。
 ちょっと良くできたACブルゴーニュの一段上、かなり良くできたACブルゴーニュ。 でも、そんなに大騒ぎするようなほどでもないというか、 ちょっと良くできた村名レベルであり、普通にできた畑名レベルとも言える。
79点自宅にて

17日(木)

 本日は、旧バンド関係のメンバー4人(男性3人、女性1人)でお久しぶりの飲み会。 場所は、神楽坂にあるイタリア料理店リストランテ・ステファノという店。
 入り口は神楽坂に面しているものの、店がビルの横の通路の奥にあるためちょっとわかりにくい感じ。 オープンキッチンの店内は明るくこぢんまりとしていて、キャパは20人強くらいかな。 席間も近くてリストランテというよりトラットリアといった雰囲気。 当日はほぼ満席、サービスの方は男性一人なんだけど、 さすがに手が回らないという感じでイタリア人のシェフ自らフロアに出てサービスされてた。

 料理は安い方のコース(\4,500)で。メインは肉か魚か選べたけど皆さん肉をチョイス。 内容は以下。
アミューズ:なんて言うんだろ?ちぃっちゃな食べ物(・・・じゃわからんて)
前菜1:シーザーサラダ
前菜2:小エビと豆(のなんだっけ)、ハムの下に野菜とマヨネーズのサラダ
パスタ:ゴルゴンゾーラと野菜(ほうれん草?)のニョッキ
メイン:焼いた豚、生野菜やカリフラワーのグラタンみたいなのを添えて(左写真)
デザート:イチゴのババロア
お茶:エスプレッソ(「ダブルで」とお願いしたらコースだとダメとのこと。残念。)
 酒メインの師範にとっては量的に丁度良いくらい。 美味しいには美味しいんだけど、どちらかというとおとなしめの料理で期待とはちょっと違ってた。 例えばニョッキは、ソースは美味しいもののニョッキ自体が白玉団子のように食感の弱いものだったり。 シェフがイタリア人だから、ってことでもっとガツンとしたものだろうという先入観があったからかもだけど。 そんな中、メインの豚は味がしっかりしていて好印象。

 ワインは、まずぐるなびのクーポンでもらえるハウスワインの白を頂いて。 残念ながらクーポン1枚につき一杯だけってことで、師範のみソレで、 他の方はスパークリングとか有償のグラスワイン白(サービスのとは量が全然違う)とか。

 その後は以下のボトルをズラズラっと。

Soave Classico 2003
ソアヴェ・クラッシコ 2003
Pieropan
ピエロパン
Bianco
Soave Classico
ソアヴェ・クラッシコ
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
(\4,000)2005/02/17 リストランテ・ステファノ フードライナー
 ワインリストには赤/白それぞれ20種類くらいあって、 ほぼ全てがヴェネト、一部ピエモンテといった北イタリア産。 価格的には、下は3,000円台後半からで、5,000円~10,000円が中心価格帯、10,000円超が少々、 といった感じ。安いほうの値付けは小売の3倍弱くらいっぽいから、まずまず普通といったところ。 で、まずは白から。香りが良いのがイイな、と思い、 リストを眺めるとソアヴェの名手ピエロパンを発見。 このワインは2001産と稽古済み。 好印象だったイメージがあったんだけど、それはスーペリオーレの方。 と、若干の記憶違いもありつつで、これに関しては特にお店の方と相談はせずに注文。
 色は軽めの麦わら色。香りは想像したより随分弱い。 前述のように、もっと香りの立つワインと記憶違いしていたため「なんかおかしい?」なんて気になる弱さ。 でも、味は適度にしっかりしたコクがあり、また口に含むと華やかな香りも感じられたりして、 そこそこ美味しいワインではあったけど。
 テイスティングで香りを嗅いだ時、「ちょっとおかしくないですか?」と言おうとしたけど、 言わなくて良かった良かった 。スーペリオーレが付く/付かないでかなりクオリティに差のあるワイン、ってことで。
(70点)神楽坂「リストランテ・ステファノ」にて

Modello delle Venezie 2002
モデッロ・デッレ・ヴェネツィエ 2002
Masi
マァジ
Rosso
(IGT)
(インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
(\3,800)2005/02/17 リストランテ・ステファノ 日欧商事
 ニョッキを食べ始めたくらいの時に白が無くなりかけて、 赤は2本が適量と判断。だもんで、 安いの/軽いの→高めの/重めのという流れを作るために、一本目の赤は安いのからチョイス。 腹の中では一番お手頃だったこれにほぼ決めていたんだけど、 一応お店の方(このときはイタリア人のシェフ)とも相談。 「このニョッキに合いそうな赤を選んでペル・ファヴォーレ」とお願いしたところ、 リストの中で安いほうから3本を紹介してくれる。 別に安いのからお願いと言った訳でもないのに、そういう紹介をされるということは、 やはり安ワイン者のオーラが漂っていた、ってことかしら。 ま、「売らんかな」の姿勢で高いのから薦められるよりずっと好印象ではあるけれども。
 テイスティングで香りを嗅いですぐオッケー、まさに求めていた雰囲気。 色は軽めの赤紫、香りは結構ボリュームあって、桜餅のようないかにもイタリアの軽い赤といった香り。 味も軽め。渋味は控えめで酸が主体、ほんのり甘味も感じてスイスイ飲める。
 マァジって造り手は絶妙に心得たワインを造りますなぁ。 大昔に飲んだコレなんかも似たような印象。 レストランとかでも良く見かけるし、 使い勝手(飲み勝手?)の良い造り手であります。
(75点)神楽坂「リストランテ・ステファノ」にて

Colli di Conegliano Rosso "Contrada di Concenigo" 1999
コッリ・ディ・コネリアーノ・ロッソ "コントラーダ・ディ・コンチェニゴ" 1999
Bellenda
ベッレンダ
Rosso
Colli di Conegliano
コッリ・ディ・コネリアーノ
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
(\5,400)2005/02/17 リストランテ・ステファノ モンテ物産
 ヴェネト産のワインが主体ということで、リストにはあまり馴染みのないワインが並んでいる。 だもんで、前のワインよりちょっと良いのを選ぼうにも知識無し、 お店の方(今度はフロア担当の日本人の方)に相談。 「重めで、樽も効いてたりして、かつ安いのでお薦めはありませんか」と問うたところ、 5,000円前後の2本を紹介して貰った。 そのうちの一本がコレ、品種はカベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、マルツェミーノらしい。 フランス系の品種が主体でもDOCなんだぁ、とどうでもいいことに興味を覚えつつ注文。
 まだ前のワインが残っているうちに注いで貰って、差を確認。 色は明らかに深く濃い。香りは、ボリューム的には大差無い感じだけど、 樽に由来するっぽいミルキーな深みがあって一枚上手、って感じ。 カベルネ/メルローが主体なんでボルドーっぽいかと思えば、香りの感じはやはりイタリア風。 香りを決定付けるのは品種じゃなくて酵母なのかな? 味も明らかにしっかり。 先ほどまでは良い感じと思っていた前のワインが薄酸っぱく感じられる。 ただ、惜しむらくはちょっと固かったかな? 1999産ってことでもう5年以上も経ってるんだけど、それでも固い。 長熟タイプなのか、そもそもそんなワインなのかは判らないけれども。
 ともあれなかなかしっかりしていて飲み応えのあるワイン、 小売価格が2,000円くらいだとすればかなりコスト・パフォーマンスは高いと思った。 タイプの違う2種の赤で、という作戦は成功成功。
(80点)神楽坂「リストランテ・ステファノ」にて

 お会計は4人分合わせて35,000円ちょっと。 お店を出る際にシェフが丁寧かつにこやかに送り出してくれて、 満足度は高うございました。

 その後、同じ神楽坂にあるCross Overという、 懐かしのフュージョン・サウンドが楽しめる、オッサン予備軍にはナイスなバーで一杯 ・・・というか4杯くらい。ちょっと飲みすぎ気配だったけど無事終電で帰宅、 というような夜でありました。


14日(月)

Capel Vale Pinot Noir 2001
ケイペル・ヴェール ピノ・ノワール 2001
Capel Vale Wines
ケイペル・ヴェール・ワインズ
Red
Western Australia (Australia)
ウエスタン・オーストラリア (オーストラリア)
\1,0292005/01/31 お手軽ワイン館 木下インターナショナル
 本来休肝日の月曜だけど、 バレンタイン・デーだから早めに帰ったらウチの女性陣の歓待と美味しそうな料理、 こりゃ飲まないわけにはいきません、ってことで急遽休肝日を一日ずらすことに。 料理はベビーリーフとカニカマのサラダ、鶏と野菜のトマト煮込み、 軽い赤が合いそうなんでピノ・ノワールをチョイス。
 色は普通に赤ワインの色。ピノ・ノワールとしてはちょっと濃いめかも。 香りは弱い。ツンッとくるアルコールの香りが支配的。 表記を見ると、アルコール度数は14.5%もあるらしい。さもありなん、って感じ。 味も、アルコール感が支配的で、膨らみに欠ける内容。 なんとなくアメリカン・チェリーっぽい香りと味が感じられるのがせめてもの救い。
 抜栓後3時間くらい経つと、香りは大差ないけど味わいにやや甘味が感じられ、 1,000円だと思えば十分許せそうなワインに変化。
 ニューワールドのピノにありがちな、ドカンと濃くてキッチリ樽の効いたワインを想像するとハズされる。 レベル的には1,000円台中盤の典型的なACブルゴーニュと同等、といった感じかも。 まぁ値段が安いんで多くを期待するのは贅沢ってもんです。
70点自宅にて

12日(土)

 本日は、N氏を招いて食事&飲み会。飲む人はN氏と師範の二人。

Champagne de Saint Gall "Blanc de Blancs" Premier Cru Brut N.V.
シャンパーニュ・ド・サン・ガル "ブラン・ド・ブラン" プルミエ・クリュ ブリュット (ヴィンテージ無し)
Union Champagne
ユニオン・シャンパーニュ
Champagne
発泡
Champange
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\3,0242004/12/15 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 最初の料理はトマトとモッツァレラチーズを乗せたブルスケッタ。 バジルを買い忘れたのがやや残念。 で、始めの一本はやっぱりシャンパーニュから。 最近シャンパーニュって、これみたくCM(生産者組合)が造り手のものの輸入が増えてますな。 ネゴシアンが値上げした影響かな、などと邪推しておりますが。 買値は税込み3,024円で、微妙に稽古範囲をオーバーしちゃってるけど、 税抜きだと2,880円、気持ちは稽古範囲気分で。
 抜栓した瞬間、蜜のような柑橘系の香りがパーッと。 熟成を感じるイーストっぽさと果実の感じのバランスが丁度良い感じ。 コレですよコレ、シャンパーニュに求めるのは。 泡立ちは十分なボリュームでキメも細かく合格。 味も、適度に重くコクがあっていい感じ。駄洒落じゃないけどコクッコクッと飲み応えがある。
 シャンパーニュに期待する内容をキッチリ持っている。 それ以上のモノでも無いといえば無いけど、 キチンと仕事しました、っていう感じが伝わってきてかなり好印象。
80点自宅にて

Vale Chardonnay 2001
ヴァレ シャルドネ 2001
Vale
ヴァレ
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ドゥ・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\9242005/01/31 お手軽ワイン館 重松貿易
 白は、税抜き880円均一で売られていたコレを。 人様にお出しするのに1,000円以下ってのもアレだけど、 現状の道場在庫の白は他には1,000円位のカリフォルニア・シャルドネと500円の南仏しかなくて、 カリフォルニアとコレとで来客にチョイスしてもらった結果こっちに決定。 ラベルの感じは値段相応っぽいけど、ボトルの重さは高級風。
 グラスに注いでまずビックリ、色がかなり濃くて薄い飴色。 香りにまたビックリ、ものすごい樽香。『ブルゴーニュのグラン・クリュです』 と言われれば「さすがですね~」なんて言いそうで、 『ほんとはスコッチウィスキーです』と言われれば 「やっぱりそうでしたか」なんて調子を合わせてしまいそうな雰囲気。 口に含んで逆にビックリ、樽の味しかしない。 もうブドウなんてどこへやら、樽エキスを飲んでいるような感じ。
 いや~、ここまで樽が強いとねぇ。 気合が入ってて面白いっちゃ面白いし、複数人で飲むんだったらそれもアリだとは思うけど、 およそ一人で一本は飲めそうにないワイン。 刺身(鯵のゴマ醤油和え、イカそうめん)との相性もちょっとイマイチ。
 一杯だけ残ったものを翌日稽古。やっぱ樽香は凄いっすね。そんだけ。
73点自宅にて

Bourgogne Pinot Noir 2000
ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2000
Dom. de l'Echauguette (Groupment des Producteurs de Buxy)
ドメーヌ・ド・レショーゲット (ブクシ生産者グループ)
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(N氏より) ピーロート・ジャパン
 N氏は、安ワイン道場に敬意を払って、ってことで安ワインを持参下さいました。 購入価格は2,000円弱だったとのこと。 いえいえ、そういうお気遣いは全く不要です。 安ワイン道場であっても高級ワインをお持ち頂いて全然構いません・・・なんちて。 道場の稽古日誌を検索して、 過去飲んでいないものを見つけてきて頂いた努力はアッパレでございます。 ちなみに料理はメインに移行、イタリア風野菜のマリネと鶏手羽先の甘辛揚げ煮。
 色はややオレンジがかった赤紫色。 香りは、ボリュームは中程度、安ブルゴーニュらしいツンッとした酸とケモノっぽさがメインで、 若干フルーツの甘い香りが残っている。 味も、2000年なんてついこの前と思ってたらもう結構熟成しているのね、って味わい。 濃さはない分バランスは悪くなくて、スイスイ飲めてしまう。
 見知らぬ造り手でもあり、正直単なる安ブルゴーニュかと思ってたけど、 なかなかどうしていい感じにまとまっているワイン。 2000年産を今飲む、ってのはこのワインにとっては丁度良い時期だったのかも。 ありがとさんです>N氏。
76点自宅にて

Senorio de Guadianeja Cencibel Gran Reserva 1985
セニョーリオ・デ・グアディアネハ センシベル グラン・レセルバ 1985
Vinicola de Castilla
ビニコーラ・デ・カスティーヤ
Tinto
La Mancha
ラ・マンチャ
La Mancha (Espana)
ラ・マンチャ (スペイン)
\1,4802004/12/24 QUEEN'S ISETAN 品川店 モトックス
 前のブルゴーニュがスイスイっと入って行きつつあったんで、 禁断の4本目に突入。 もう20年前のグラン・レセルバが驚きのこの価格。 昨年末に買ったんだけど、 きっと「安さのヒミツは内容にアリ」なんだろうな、と思っていてなかなか手が伸びなかったもの。 既に二人とも酔っ払いってことでそういうリスクも楽しかろう、ってことでチョイス。
 と、ややナメた気分で抜栓したんだけど、 「すみませんでした」と謝りたくなるくらい高品質なワイン。 色は、ややレンガ色がかってはいるもののまだまだ青さが見て取れる濃紫色。 香りは、カラメルのような樽香とまるで熟成ブルゴーニュのようなアプリコット香。 味は、渋味や酸味のカドが取れて丸ぁるくなった味わい。
 いやー、予想外に良いワイン。もっと正気な時に飲みたかったなぁ。 あと、当然というか半分は飲めずに残ってしまった。 さすがに1985産、翌日も維持できているかなぁ。
 ・・・というわけで半分を翌日に。 幸いなことに香りも味も健在。ただ、昨日感動したほどには味の厚みは無くて、 まぁそこそこ年相応な感じがした。
82点自宅にて

 4本目の半分くらいで沈没。おかげで早く寝て翌朝はスッキリでありました。


11日(金祝)

Basa 2003
バーサ 2003
Cia.de Vinos Telmo Rodriguez
コンパニーア・デ・ビーノス・テルモ・ロドリゲス
Blanco
Rueda
ルエダ
Rueda (Espana)
ルエダ (スペイン)
\1,0212004/12/26 ナショナル麻布 オーデックス・ジャパン
 本日のワインはスペイン産の白ワイン (ボトルの色が濃いんで写真では赤ワインのように見えるけど実は白)。 造り手のテルモ・ロドリゲスは、スペインの若手造り手で「リオハの異端児」と言われているらしく、 なんでもスペイン内外の各地で気に入った畑があればそこで契約してワインを造っちゃうんだとか。 また、このバーサという銘柄は、 アメリカではスペインの白ワインで2番目の販売量を誇っているらしい(いつの話か判らないけど)。 販売量が多いってことは大量生産品なのかな、 って感じでワインとしてはあまり褒め言葉にはならないような気もしつつ抜栓。
 色はかなり薄めだけど、クラスを超えたネットリ感が感じられる。 香りは、キュッと締まったハーブと柑橘類の香り。 雰囲気としてはまさしくソーヴィニョン・ブランの香り。 それも、草の雰囲気が強い北のソーヴィニョン・ブランと、 トロピカルな南のソーヴィニョン・ブランの中間くらいのいい塩梅。 味は、軽く甘くてやや酸っぱくてコクがタップリの、 いかにもモダンな造りが感じられる味わい。
 アメリカで受けるのはさもありなん、なワイン。 樽こそ感じないけど、ボリュームのある香りにパワフルな味で、 非常に判りやすい美味しさを持っている。 モダンなラベルの印象通りモダンな白ワイン。
76点自宅にて

10日(木)

La Grange Daniel 2003
ラ・グランジュ・ダニエル 2003
Dom. Alary (Denis ALARY)
ドメーヌ・アラリー (ドニ・アラリー)
Rouge
Princepaute d'Orange (VdP)
プランスポート・ドランジュ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\1,0292005/01/31 お手軽ワイン館 モトックス
 本日の料理は、豚肉と水菜の炒め物/鶏モモ肉の照り焼き。 ワインは"Vin de Pays de la Princepaute d'Orange"という見知らぬ地域のヴァン・ド・ペイ。 販売店のサイトによれば、場所はコート・デュ・ローヌで、 品種はグルナッシュ50%/シラー20%/カベルネ・ソーヴィニョン30%とか。 このワイン、「のの」さんBlogによれば かなり濃いワインで、ガッツリした肉料理と合わせるべきらしい。 比較的サッパリ系の豚や鶏が相手じゃちょっと役不足かとも思ったけど、他に良さげな案も無くコレに。
 色は普通に濃く青みの強い南仏の色。 香りは、オレンジの皮のような刺激の強いフルーツ香が支配的。 VdPの名前にも"Orange"なんて言葉が入ってるんで、ますますそういう気にさせられる。 味は確かに濃い。赤ワインを飲んで「濃い」という印象を最も強く感じさせる渋味が旺盛。 最初の一口なんて、口に含んだ瞬間に口の中がサーッと錆びたように感じる、 そういう容赦のない渋さ。
 抜栓後時間が経っても、多分ワイン自体の雰囲気は大きな変化無し。 でも、飲む側の方が香りの刺激や味の渋さに慣れてきて、 細かい要素が発見できるし普通に楽しめるワインとして飲めるようになる感じ。
 1,000円程度という値段を考えればかなり良く出来ているワインだと思う。 ちょーっとトゲトゲしく感じる濃さがあって、それが好き嫌いの分かれるところだと思うけど、 師範は・・・もうちょっとジャジャ馬っぽくないのが好き。
 一杯だけ残した翌日、南仏らしく青さが目立ってくるとともに、 焦げたような香ばしさが感じられるようになる。 翌日でも全く問題なく飲めるタフさを確認。
70点自宅にて

9日(水)

山梨県甲府市玉諸地区収穫 スパークリング地ワイン・白 メルシャン株式会社
発泡 甲府/山梨 (日本)
\1,1002004/12/26 カーヴ・ド・リラックス
 本日の夕食は、 サッカー・ワールドカップ予選 日本対北朝鮮の試合を見ながら青椒肉絲(チンジャオロースー)、 小松菜と厚揚げの煮物。 師範は特にサッカーファンってわけじゃないけど、 やっぱりこれだけ盛り上がっていると気になっちゃいますな。 で、ワインは前祝をかねて発泡ワイン、それも縁起をかついで国産のものをチョイス。 純国産のスパークリングワインは道場初登場。 ラベルには、栽培管理責任者や醸造責任者の方のお名前、 育成方法(ステンレスタンク)、品種(甲州)、香味(辛口)などが書かれ、 また首に掛けられたタグには甲府市玉諸地区の標高、地形や気候に関して説明されている。 一般にどういう素性のワインか判りにくい国産ワインにあって、 週末のワインに引き続き実に素晴らしい情報開示。 これで生産年(多分単一年産じゃないかな?) が明示されていれば言うこと無し。 ちなみにこのスパークリング、液面がとても低い。 買う時に店に並んでいた他のボトル全てそうだったんで、 このボトルだけ、ってことではなさそう。 容量表示を見ると、国産ワインによくある4合(720ml)、 もしかするとボトル自体は国際仕様の750ml、 そこに720mlしか入れていないからこうなているのかも。 メルシャンって、国産ワインであっても「国際標準サイズの750ml」を謳ってるんじゃなかったっけ?
 ・・・と、前置きがとっても長くなったけど、いよいよ抜栓。 色はやや薄めではあるけど、世の中の他のスパークリングと大きな違いは無い。 香りは、まずフッと清酒の香りがする。国産の白ってそういう香りを持つものが少なくないけど、 それって品種の個性なんだろうか?あるいは酵母の個性なんだろうか? 他の香りは探してもあまり出てこず、香りのボリュームはかなり弱め。 口に含んでまず残念なのは泡の弱さ。 微炭酸といっても過言ではない、というか微炭酸といっても過言なくらい弱い泡。 味も、安カバみたいな金属的なエグみと唐突な甘味があって、いかにも洗練されていない感じ。
 正直言ってまだまだまだまだ発展途上、 シャンパンみたいな華やかさとコクを求めると大きくハズされる。 積極的に否定する要素は無くて、泡モノってこともあって比較的軽く一本空いたんだけど、 満足度という意味ではかなり低め。でもまぁサッカー勝ったから良いか。
66点自宅にて

6日(日)

長野県 原産地呼称管理委員会・認定・ Sauvignon Blanc 2002
長野県 原産地呼称管理委員会・認定・ ソーヴィニョン・ブラン 2002
Azumi Apple
あづみアップル
長野 長野 (日本)
(安曇野にお住まいの読者からの頂き物:\1,575 / 720ml)
 このワインは、 長野県の安曇野にお住まいの読者の方から『充分道場にて取り上げる価値のあるワインであると思う』 とお送り頂いた物。 いやはやありがたいことであります。師範冥利に尽きるってもんであります。 表ラベルには、「長野県 原産地呼称管理委員会・認定・」の印のほかに、 "Nagano Appellation Control"や「審査員奨励ワイン」などと書かれ、 裏ラベルには安曇野池田町で収穫されたソーヴィニョン・ブランを原料とし、 南安曇郡豊科町で醸造されたことが記されている。 ちなみに料理は、ヤリイカの刺身、アジのゴマ醤油和え、ヤリイカとセロリの炒め物、セロリスティック、トマトのサラダ、昨日の残りのトンカツ/チキンカツ。 国産白ワインに合わせて、基本的には魚メインの和食で構成。
 さぁ抜栓。このワインの瓶口は、 キャップシールじゃなくてコルクの上面に蝋のようなフタがしてあるもの。 そのフタを剥がそうとしたけど上手く剥げないし、なんとなく柔らかそうな素材だったんで 「なるほどコレは刺し抜くべきか」と判断。 上からグリグリとスクリューを押し込もうとしていると・・・ スポーンとコルクは瓶内に落ちていった。 道場開設以来2,000本以上のワインを抜いているけど、コルクを丸ごと中に落としたのは多分始めての出来事。 己の技術の無さもあると思うけど、緩いコルクと蝋の上フタの取り合わせはご再考願いたいところ。
 で、ボトルのなかにコルクが浮かんでいるのを横目で見つつグラスに注いで。 色は薄めのレモン色。香りは、 「へぇ~、日本でもこういう香りを出せるのね」と感心する、 まるでロワール産のような、草の雰囲気満載のハーブ香。 ちょっと生ゴムっぽさや埃っぽさがあるのもご愛嬌。 また、口に含むとほんのりと樽香も感じられる。 味は、酸味も甘味も決して強くない。だもんで水のようにスルスル入ってくるけど、 それなりに存在感はあって、ペラッペラというわけではなく口腔中に心地よい余韻を残す味わい。
 品種の個性をしっかりと現わすことが出来ている国産ワインだと思った。 購入価格は1,575円だったとのことなので、 正直言ってコレに高いコストパフォーマンスは感じない。 でも、国内の小さなワイナリーで、これだけのワインが作れるようになったんだなぁ、 というのは非常に感慨深い。
73点自宅にて

5日(土)

Volnay 1999
ヴォルネイ 1999
Dom. Denis Boussey
ドメーヌ・ドニ・ブセイ
Rouge
Volnay
ヴォルネイ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,9802004/12/26 カーヴ・ド・リラックス サントリー
 家族4人で初めて買い物に行ったのどかな土曜日、料理はトンカツ/チキンカツ。 ワインは、昨日のピノ・ノワールがかなり好印象だったんで、 『じゃブルゴーニュはどうよ?』ってことで選んだ稽古範囲ギリギリの"プチ高級"ヴォルネイ。
 色の濃さは昨日のピノと同程度。でも明らかに違うのが色の複雑さ。 1999年なんて若造だと思ってたんだけど、実際はもう収穫から丸5年経っているんですな、 気持ちオレンジ色が入った複雑な色合い。 香りは、抜栓直後のボリュームに関しては落第点。 でもちょっと時間が経つとメキメキとボリュームが増してきて、 熟れ過ぎた木イチゴと皮革製品の香りがミックスされた雰囲気に変化。 香りの内容も、複雑さにおいてニューワールドとは一線を画す感じ(その複雑さを言葉で表現できなくてすみません)。 味も、柔らかかつ複雑。色から受ける印象の通り、 やはりこのクラスのブルゴーニュは5年も経つと熟成の局面を迎えますな。 渋味/甘味/酸味、それぞれのカドがとれてフォーカスが一致していて、 ボリュームこそ軽めの味わいながらピシッとした背筋を垣間見ることができる。
 決してエンターテイメント性に優れているわけじゃないけど、 いかにもブルゴーニュらしい雰囲気が感じられるワイン。 特に、抜栓後ちゃんと良い方に変化して、飲み終わる時に名残り惜しく感じられる雰囲気はさすがだと思う。
81点自宅にて

4日(金)

Leaping Lizard Los Carneros Pinot Noir 2002
リーピング・リザード ロス・カーネロス ピノ・ノワール 2002
Leaping Lizard Winery
リーピング・リザード・ワイナリー
Red
Carneros (USA)
カーネロス (アメリカ合衆国)
\1,6012004/12/26 ナショナル麻布 ヴィレッジ・セラーズ
 本日のワインは、久しぶりに米国産のピノ・ノワール。 米国のお手頃価格ピノって、厚みはないけどほんのり甘酸っぱくてダイレクトにフルーツな感じがして、 かの国の甘いジャンク菓子とかキャンディみたいな雰囲気があるような気がする。 で、たまにそういうのが無性に飲みたくなる時があって、 これくらいの値段で売られているとつい買ってしまう。 ちなみにこのワインのラベルに書かれているアルコール度数は12.9%。 数値自体は普通だけど、ヤケに細かい。 料理は焼き鳥に、九州人らしくポン酢をかけたキャベツを添えて。
 コルクは模造品だけど、硬いスポンジに樹脂の皮を巻いたような、刺しやすく抜きやすい好きなタイプ。 色はピノ・ノワールらしく赤めの紫、カリフォルニアらしくやや濃い目の色合い。 香りは、抜栓直後の雰囲気はおよそピノとは思えず。 かなりスパイシーな感じで、普通に嗅ぐとシラーのよう。 味は思いっきり予想通り。甘酸っぱくてキャンディみたいで、 カリフォルニアのお手頃ピノに求める雰囲気そのもの。
 抜栓してそれほど時間が経たなくても、香りはピノらしい雰囲気に変化。 というか、味わいのそれっぽさにつられて香りもそれらしく感じているのかも。
 本質的なクオリティがどうかはともかく、 まさに今日はこういうワインが飲みたかった気分なんで、 今日の師範的にはかなり好印象。 と、個人の嗜好は置いといても、 この値段のブルゴーニュでこれだけのピッチピチ感を得るのはちょっと難しいと思う。
79点自宅にて

3日(木)

Lurton Torrontes 2002
リュルトン トロンテス 2002
Bodega Jacques & Francois Lurton
ボデガ・ジャック&フランソワ・リュルトン
Blanco
Valle de Uco / Mendoza (Argentina)
ヴァレ・デ・ウコ / メンドーサ (アルゼンチン)
\9502004/12/26 カーヴ・ド・リラックス リラックス
 二月三日、節分であります。師範家でも「鬼は外、福は内」。 料理は豆・・・では無いけどカレイの煮付け、肉じゃが、野菜スープといった和食中心のメニューなんで、 ワインはスッキリ華やか系を期待してコレをチョイス(この銘柄のピノ・グリは2年前に稽古済み)。 でこのワイン、感心したのが裏に貼られている輸入元のステッカー。 ちゃんと造り手が張ったラベルの内容を隠さない (バーコードだけが隠れる)位置に貼られている。 以前この輸入元のは上からベッタリだったと思うけど、改善されたみたい。 リラックスさん(内藤さん?)グッジョブであります。
 さて稽古。色はやや薄め。 香りは、なんとなくドイツ・ワインを想起させるような香り。 リースリングとは違うのでミューラー・トゥルガウっぽいのかな? 味は、それほど糖分は多くないんだけどなんとなく甘いような雰囲気を持ったコクのある味。 あと舌を絞り込むような渋味にも似た収斂性がある。
 1,000円以下のワインとしては香りも味も頑張っていると思う。 でもちょっと荒削りかな。 特に味に関しては、ノコギリで切った木の断面をそのまま舐めているような、 そういう荒々しさがあるのが残念。
72点自宅にて

2日(水)

Le Paradou 2003
ル・パラドゥ 2003
Paul Chaudiere (Ch. Pesquie)
ポール・ショーディエール (シャトー・ペスキエ)
Rouge
Cotes du Luberon
コート・ドゥ・リュベロン
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\1,0002004/12/26 カーヴ・ド・リラックス リラックス
 このワインは、昨年稽古したシャトー・ペスキエの新しい銘柄らしい。 自然農法(と言われても良く判りませんが)で造られ、品種はグルナッシュ70%/シラー30%、 樹齢は40年とのこと。 ちなみに、同じ銘柄で青色ラベルの「コート・ド・ヴァントゥー」もあった。 双方のAOCの個性の違いなんて把握してないし、どっちを買うか非常に悩んだんだけど、 青色のラベルってあまり美味しそうに見えなかったことと、 こちらは樹齢40年、向こうは樹齢30年ってことでこちらを購入。 ちなみに夕食は、鶏の和風唐揚げ、マカロニサラダ。 自分で作らなくて良い幸せを噛みしめる毎日。
 色は、思いのほか濃くなくてスッキリ向うを見ることが出来る赤紫色。 香りはかなりしっかりしたボリュームで、いかにもグルナッシュといった感じ。 っつったって感覚の共有は難しいと思うので、 がんばってその雰囲気を伝えるよう努力するとすれば、 熟れすぎてやや傷みかけたアプリコットとキュウリの絞り汁を合えたような、 ジャムっぽい果実香と生臭いような青いような香りとが混在した感じ。 味は、思ったよりは濃くない。 でも渋味や酸味が思うがままの方向を向いていて、飲み下すのに若干パワーが必要。
 総括すると、いかにもこの地域のワインらしいし値段以上のポテンシャルを感じるけど、若さゆえかまとまりに欠ける、と言えそう。 素材自体は悪くないと思うんだけど、なんとも杯が進まない。 『素材の美味しさが判りますから』と、蕗や筍を生でかじらされた感じ。
70点自宅にて

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by 師範