稽古日誌:2018年6月

ラベンダー

 6月、梅雨の季節ですね。散歩に行けない日が増えるのが悩みどころ。

 左写真は、近所の公園に咲いていたラベンダー。説明書きを見て初めて知ったんだけど、ラベンダーってシソ科らしいですな。 調べたらシソ科の植物って凄いね。 シソのほか、バジル、ミント、ローズマリー、ラベンダー、セージ、マジョラム、オレガノ、タイム、レモンバーム、 結構な種類のハーブがシソ科のようです。どれも良い香りですよね。

 ちなみに師範は、香り/匂いに関してはかな~り寛容です。 世の中には「香水が臭い」などと言う人もいますが、 師範は女性用/男性用/車用を問わず香水の匂いを「臭い」と感じたことはほぼありません。 草木の花に関しても、樫や栗の花はさすがにアレでハゴロモジャスミンもやや苦手だけど、 ユリもキクもキンモクセイも、大抵の花は良い香りだと感じます。 食べ物に至っては納豆オッケー&ウォッシュチーズも好き、パクチーも問題無いし、なんなら釣り場の魚臭い手で食べる筋子のおにぎり食べてます。 煙草の匂いは好きじゃないけどそんなに気にならないし、葉巻に至ってはむしろ好きな匂いです。

 匂いに限らず、万事において「嫌いなものが少ない人生」を歩んでおります。こういうのは持って生まれた性質なんだろうなぁ。 そんな人物はきっと大成しないんだろうけど、慎ましく穏やかに生きていくには大変ありがたい性質だと思っております。


30日(土)

ワインセラー修理

 最近ワインセラー(Dometic CS52DV)が時々冷えなくなったので、業者さんを呼んで修理。 よくあることのようで、コントロールユニット交換18,000円に作業料8,000円出張料7,000円で税込み35,640円。 買って11年になるので、もうそろそろ冷却ユニットも交換が必要で、そうなると100,000円以上とのこと。 ひえ~。

 で、それだけのメンテナンス費用に見合うだけの中身が入っているかは甚だ疑問ではありますが、 まぁ道楽ですから、ええ。

Cersius (Blanc) 2015
名称Cersius (Blanc) 2015
セルシウス (白) 2015
生産者Alma Cersius
アルマ・セルシウス
価格819円 (単品価格:1,274円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 実は木曜から師範母が道場に逗留しております。彼女はほとんどアルコールは飲まないんだけど、 白はちょっとだけ飲んだりするので本日は白をチョイス。 モノは、うきうきワインの玉手箱の10本10,800円の福袋から南仏産の白。品種はシャルドネ60%/ソーヴィニョン・ブラン20&/ヴィオニエ20%。 単品価格でも1,000円台前半なので、お手頃レンジのワインではあるんですが、ボトルが重くてたいそう立派、 高級感があるので期待して抜栓します。

 ちなみに夕食メニューは、師範母の手土産の馬刺し(霜降りと赤身)、ラタトゥイユの冷製、トマトとアボカドのサラダ、水晶鶏であります。

 色は、結構パキッとしたレモン色。液体に照りもあって、もっとお値段の高い白のような外観です。 香りは、シャルドネの蜜香、ソーヴィニョン・ブランのハーブ香、ヴィオニエのピーチ香。 3種のブドウが良い感じに香ってきます。口に含むとほんのり樽香もあって、香りの要素としてはフルハウス感があります。 味わいは、軽い甘酸っぱさと軽い苦味があって、南仏らしいバランス。 若いからかやや固い印象はありますが、しっかり感があって頼りなさはありません。

 品種のブレンド具合といい、樽のかけ方といい、とても良くコントロールされた感じする美味しいワインです。 こういう感じだと全方位外交が可能っぽいので、そこそこのビストロのグラスワインで1杯800円で出せると思います。 それだと2杯で元がとれまっせ。

点数76点

29日(金)

Craft Wine N 外観

 本日は定例の職場ワイン会。本日の参加者は男性ばかりの5名。地味な集団でなんかすみません。

 お店はいつものCraft Wine N。 以前のシェフがいなくなってしまい、一時は店を閉めておられましたが、 幸い次のシェフが入られたということでお店再会されたそうです。 我々にとっては非常に使い易いお店なので、良かった良かった!であります。

Robertson Constitution Road Chardonnay 2015
名称Robertson "Constitution Road No.1" Chardonnay 2015
ロバートソン "コンスティテューション・ロード ナンバー1" シャルドネ 2015
生産者Robertson Winery
ロバートソン・ワイナリー
価格3,024円
購入店 葡萄畑 ココス

 本日の一本目は師範が持参した白。 最近めきめきと実力が上がって来ている印象がある南アフリカ産、品種はシャルドネ。 なんでもこのワイン、「ロバートソン・ワイナリー」なる造り手のフラッグシップとのこと。 税別3,000円以下(税込だとちょっとオーバー)でフラッグシップとは嬉しいじゃないですか。 ちなみにこの造り手のベーシックなクラスとは、ソーヴィニョン・ブランルビー・カベルネと稽古済み。 1,000円でも結構しっかりした造りのワインという印象があるので、 その3倍のお値段であるこのワインにも大きな期待を寄せて持参したところであります。

 色はかなり濃いめ。黄金色に近い色合いで、明らかに粘性の高さが感じられます。 香りを嗅ぐと、桃と柑橘類のフルーツ香に加えて、バニラのような樽由来の香ばしさを感じます。 そして口に含むとその樽がドカーンと前面に出てきます。 味わいはたいそうシッカリ系。甘味と旨味がしっかりで酸味もそこそこ、 グイグイとは飲めない重さがあって、なかなか存在感がある白です。

 今回、ボトルに一杯分だけ残して会の最後に皆で回し飲みしました。 その時には香りが思いっきり変化していて、まるでサロンパスみたいなスーッとする雰囲気が出てきていました。 面白いもんですなぁ。

 しっかり濃くて樽をガンガンに効かせて、「古き良きカリフォルニア」みたいな感じのシャルドネでした。 フラッグシップらしい力の入れようが伝わります。これが税別3,000円以下なのはお買い得じゃないですかね?

点数(82点)
Craft Wine N カブのムース

 南アフリカのシャルドネに合わせて出して頂いた料理がコレ。

カブのムース ズワイガニと赤カブのチップ乗せ

 結構シッカリしたカブと香草の香りがあり、濃い味のシャルドネにも負けない味わいがありました。 ポーション小さく見えますが意外と量もあって、白ワインのお供にちょうど良い感じでした。

Ici La Bas Anderson Valley Victoria Chardonnay 2010
名称Ici La Bas "Victoria" Anderson Vallley Elke Vinyard Chardonnay 2010
イシ・ラ・バ "ヴィクトリア" アンダーソン・ヴァレー エルク・ヴィンヤード シャルドネ 2010
生産者L'Equipe Révélé (Au Bon Climat / François Frére)
レクイプ・レヴェレ(オー・ボン・クリマ/フランソワ・フレール)
価格--
購入店Ysさんから

 もう一本の白は、Ysさんが持参されたカリフォルニア産で、品種は同じくシャルドネ。 造り手は、カリフォルニアの盟主「オー・ボン・クリマ」とフランスの樽製造の名門「フランソワ・フレール」のジョイント・ベンチャー。 この2本の飲み比べは大変興味深いところですな。 果たして師範は南アフリカとカリフォルニアの区別が付くのでしょうか、と。

 色は、前の南アフリカ産より若干華やか成分が抑えられていて、黄金色というより麦わら色な感じです。 香りは、「これブルゴーニュじゃね?」ってくらい王道のシャルドネ感。それも、ムルソーのような暑い感じでは無くて、 ○○・モンラシェみたいなちょっと冷涼な感じのするブルゴーニュっぽさがあります。 樽香は、抜栓してすぐは上品な感じ。あまり「樽屋のジョイント・ベンチャー」感はありません。 そして味わいのバランスも極めて真っ当。抑制の効いた味わいで、さすが名門ドコロという感じがします。

 で、ですよ。グラスの中にちょっとだけ残して置いといたら、もう「これでもか!」ってくらいに樽香が出てくるのね。 なるほどそう来たか、です。そして、前述のように会の最後にボトルから注ぎ直したらまた以前の状態。 まるでグラスに注いだら変化を始めるスイッチがあるみたいです。

 抜栓してすぐはブルゴーニュみたいで、グラスの中でどんどんカリフォルニアに化けていきます。 これも面白いなぁ。というか、今回のシャルドネ2本、同じニューワールドだけど全く個性が異なります。 いかにポンコツ舌の師範だといえどもその差は歴然でした。

点数(84点)
Craft Wine N バロティーヌ

 カリフォルニアのシャルドネに合わせて出して頂いた料理がコレ。

鶏肉と子羊胸腺肉のバロティーヌ レンズ豆やパセリ&ニンニクソースを添えて

 胸腺肉(リードボー)、仔牛が一般的だと思いますが子羊ってのは珍しいですな。 プリッとした手ごたえ&歯ごたえがあり、添えられたレンズ豆もしっかりした味わいでこれまたワインのお供にバッチリです。

Amore Rosso Sangiovese 2016
名称Amore Rosso Mendocino Sangiovese 2016
アモーレ・ロッソ メンドシーノ サンジョヴェーゼ 2016
生産者Broc Cellars
ブロック・セラーズ
価格--
購入店Ksさんから

 次からは赤で、まずはKsさんが持参されたカリフォルニア産のサンジョヴェーゼから。 珍しいっすよね、カリフォルニアのサンジョヴェーゼ。ブティック・ワイナリー的なところで造られる自然派ワインとのこと。 このメンバーはどうも「珍品狙い」な方が多い気がします・・・ってか持ち寄りワイン会だと一般にそうなりがちだよね。 『コレ知らないでしょ』ってな感じでね。師範も台湾土産の白ワインにするか迷ったんだよね~。 でも昨秋のベトナム産がアレだったんで、さすがに避けました。

 色は、サンジョヴェーゼとしてはかなり薄め、明るい紫色です。 香りは、笑っちゃうくらい自然派チックです。今回男性ばっかりで発言に気を遣わないもんだから、 「田舎の公衆トイレ」とか「体臭のキツいオッサン」とか言いたい放題でした。 そんな香りなんだけど、これが口に含むと悪くないのね。 プラムやサクランボのようなピュアな感じのフルーツ感があって、素直に美味しく感じられます。

 案の定、といか、グラスに注いで時間が経つと、先ほどの自然派っぽいエキゾチックな香りは飛んで行って、 味わいのイメージに近いピュアな果実香が支配的になってきます。 師範的にはジューンベリーの香りにとても近い印象を受けたけど、参加者の誰にも伝わりませんでした。

 手作り感満載で、とにかく変化の振れ幅が大きいワインです。 開けるタイミング、温度や抜栓後の時間、いろんな要素で味が変わりそう。 自然派ワインが好きな人って、こういうところに魅力を感じるんだろうな。 非常に面白い体験でした。

点数(77点)
Craft Wine N パテ・ド・カンパーニュ

 カリフォルニアの自然派サンジョヴェーゼに合わせて出して頂いた料理がコレ。

パテ・ド・カンパーニュ 自家製ピクルスを添えて

 新しいシェフは、どちらかというとこういう加工肉系の料理がお得意なようです。 このパテ・ド・カンパーニュも、非常に肉々しくて良い感じ。 聞けば、常温に戻す過程が大切とのこと。 野趣あふれる感じの自然派ワインとバッチリ合っていたように思います。

La Rose Pauillac 2005
名称La Rose Pauillac 2005
ラ・ローズ・ポイヤック 2005
生産者La Rose Pauillac
ラ・ローズ・ポイヤック
価格--
購入店Yjさんから

 ここまで米国2本に南ア1本のニューワールド祭りだったんですが、ココからは旧ワールドの象徴ボルドー対決です。 その一本目は、ポイヤック村の葡萄畑所有者の組合が造っているらしい赤。 ボルドー一番の銘醸地ポイヤック村でも、大手シャトー以外の畑所有者ってのがいるんですな。 そういった意味ではこれまたなかなかの変化球とお見受けしました。

 色は、しっかりと濃い青紫色。ヴィンテージは2005年なのでもう12年以上前なんですが、 外観から熟成した感じは受けません。 香りは、凝縮感のある落ち着いた果実香に煙たいような樽の感じ、どこから嗅いでもポイヤックですな。 味わいは、熟成の恩恵もあってたいそう柔らかく丸みを帯びています。こりゃ美味いわ。

 今回は抜栓後の変化が激しいワインが多かったのですが、このワインはホントに1ミリも変化しませんでした。 さすがはボルドー、安定感があってとてもタフな印象を受けました。

 極めて正統派のボルドーです。別に格付けシャトーじゃなくても良いじゃん、という感じ。 ↓の5本目があまりにアレだったんで、相対的には若干印象が霞んでしまうってのはありましたが、 これはこれで大変美味しいボルドーだと思いますよ。

点数(81点)
Craft Wine N 鴨のスモーク

 一本目のボルドーに合わせて出して頂いた料理がコレ。

鴨のスモーク 長野産アプリコットを添えて

 スモークの香りが香ばしく、しっかりとした厚みとボリュームのある鴨で、これ自体はたいそう美味しい料理です。 ただ、こういう味わいだとピノ・ノワールが飲みたくなるんだよな。 そして、ポイヤックの赤だと羊が食べたくなるんだよな。 贅沢な話ではありますけどね。

Chateau Angelus 1994
名称Château Angélus 1994
シャトー・アンジェリュス 1994
生産者Ch Angélus (de Boüard de Laforest & Fils)
シャトー・アンジェリュス(ド・ブアール・ド・ラフォレ・エ・フィス)
価格--
購入店Nkさんから

 最後の1本はド直球、ボルドーはサンテミリオンのグランクリュであるシャトー・アンジェリュス。 ヴィンテージも年季の入りまくった1994年。 やっぱり1本くらいこういう本命格のが無いとねぇ・・・などと完全に他力本願のくせ言いたいこと言っております。 ちなみに道場では、1990年産と2回(2001年2011年)稽古しておりますが、 非常に好印象だったようであります。

 色は、とてもしっかりとした紫色です。もちろんエッジには若干ガーネットが見えて、当然ながら小豆色っぽさもあるんですが、 これが24年前のワインとは思えないしっかりとした外観です。 香りは、思わず「参りました」な感じの完成された熟成ボルドーの香り。 ただ、カベルネ・フランの影響が強いのか、一般的な右岸のボルドーよりも土っぽい印象を受けます。 味わいも、全然ヘタッた感じは無くてふくよかな味わい、そこにこれまたフランの個性なのかピリッとスパイシーな味わいがアクセントとして加わります。

 ボトルの上部と、澱交じりの下部を飲み比べたけど、確かに味の濃さが違う感じがしました。 そんなの都市伝説だと思ってたけど、やっぱり違うのね。ボルドーの古酒を複数人で飲むんだったら、 澱が入る直前の一杯がお得です。

 キレイに熟成した高級ボルドー、大変おいしゅうございました。まだ熟成する伸びしろもあると思います。 検索すれば今でもこの銘柄のこのヴィンテージが売られているのを見つけることができますが、 さすがにその値段はちょっと・・・とは思います。

点数(87点)
Craft Wine N 料理5

 熟成ボルドーに合わせて出して頂いた料理がコレ。

白ブタとアグーの交配豚 赤ワインソース メークインとあんず茸を添えて

 豚も最近は品種改良が進んでいるみたいで、こういうのもあるんですな。 脂身すらもサクッとした食感が楽しい一皿です。

 以前のこのお店の料理は、とても繊細で複雑な味わいではあったけど、量が少なかったのが残念なポイントでした。 それが、この写真からも判るように量タップリのお店に進化しています。 パンも好きなだけお代わりできます。 シェフは「お腹いっぱいになってもらうこと」を大切にしているとのこと。大賛成です。

Craft Wine N ワイン集合写真

 右写真が、今回飲んだワインの集合写真。個性的で楽しいラインナップでした。 そして、5本くらいだったら更新もそんなに大変じゃないのでありがたいな。

 気になるお値段は、持ち込み料含めて一人7,500円でやって頂きました。 また近いうちにお世話になると思いますので、よろしくお願いします。


27日(水)

I Muri Negroamaro 2016
名称I Muri Negroamaro 2016
イ・ムリ ネグロアマーロ 2016
生産者Vigneti del Salento
ヴィニェティ・デル・サレント
価格1,328円
購入店 トスカニー イタリアワイン専門店

 なんだか急に夏らしくなったっすねぇ~、ということで本日の夕食は、夏野菜たっぷり豚の冷しゃぶ、チゲ風モツ煮(レトルト)、豚茹で汁ベースのスープ。 ワインはイタリアの赤。『リアルワインガイド』2016旨安大賞受賞しており、門下生からもご推薦頂いたプーリア産。 ここんとこプーリアの赤は、スルサムとか プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリアとかマタネとか、 やたらとアタリが続いていることもあって期待しつつ抜栓します。

 コルクはNOMACORCの短いヤツです。グラスに注ぐと、色はかなり濃い青紫色。黒に近い色合いで「ネグロ」な感じです。 香りは、まずガツンと感じるのがチョコレート。もうガチでチョコレートです。 その後ろにラムレーズンの香りがあるので、まるでロッテのラミー(ラムレーズン入りチョコレート)ですわ。 味わいも甘さしっかりでほろ苦くて、チョコレートのラミー感たっぷり。 『だったらラミー買った方が安いんじゃねぇか』とか言う御仁に対しては、ラミー750gよりこのワインの方が安いんでそのご指摘は誤りです、と申し上げたい。

 ・・・ってな戯言は置いといて、とにかくこのワインは濃くて判りやすく人懐っこくて美味いわ。 雑誌や門下生で推薦されるのにはヘッドバンキングみたいに首肯します。 やっぱり最近のお薦めはプーリア州の赤だな。どれも糖度9以上の甘さがあるのが特徴的。 これから暑くなる季節、「滋養強壮」「火もまた涼し」気分で濃い赤を召し上がれ。

点数84点

24日(日)

インドの青鬼

 本日の食前酒は、先週の父の日に子供たちから貰ったビールで、 銘柄はヤッホーブルーイングのインドの青鬼。 種類としてはIPA(インディア・ペール・エール)ですな。

 IPAって、最近いろんなメーカーからそれを名乗るビールが出されているけど、 どれも手加減しているというか普通のビールに近い味わいにアレンジされている印象があります。 その点この「インドの青鬼」はとてもIPAらしく、キッチリ苦くてライチのようなフルーティさが口の中でバンバン香ります。 ガチな地ビールは別にして(そういうのは大抵お高い)、普通に買えるビールの中では最も好きな銘柄の一つです。

Refosco dal Peduncolo Rosso 2016
名称Refosco dal Peduncolo Rosso 2016
レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ 2016
生産者Borgo Magredo
ボルゴ・マグレード
価格1,027円 (単品価格:1,598円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、豪州牛の和風サイコロステーキ、マグロとアボカドとトマトのアヒポキ風、マグロの刺身。 ワインは、一昨日届いた「うきうきワインの玉手箱」の福袋(通称「うき袋」)、10本10,800円の闇鍋セットから。 今回のセットの内容は、結構メジャーどころで黙ってても売れそうなものと、 このワインみたいに「なんだコレ?」ってのが混じっていて、安ワイン道場師範的には結構満足しております。 そんな中から一本目に選んだのがコレで、異形ボトルに入ったフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア産の赤。 品種はレフォスコ種らしいです。 なぜ最初にコレを選んだかと言うと、ボトルの系が太いのでセラーに入れづらいのね。 ボトルの形から品種から全く未体験、ワクワク気分で稽古します。

 コルクはDIAM3、意外とモダンです。 色はそんなに濃くはなくて、大き目グラスでも向こうが透けます。 香りはいかにもイタリア、なかなか立派なボリュームかつ野性的な感じで、ツンツンしたハイノートな香りがピーッと来ます。 味わいもイタリアっぽいんだな。渋みは穏やか、ペタッと平たい感じの酸味が支配的、 すごく雑に例えると昔ながらのキアンティみたいな雰囲気。 サンジョヴェーゼっぽくてこの品種の個性はあまり感じられませんが、普通にスイスイ飲める赤ではあります。

 飲み進めると、ワインにだんだん身体が馴染むというか、だんだん美味しく感じられるようになってきます。 こういう感じは飲み飽きしがちなニューワールド産とは別の方向性ですな。

 悪くないワインです。でも、今回のセットの中で、コレはちょっと「数合わせ」だったのかなぁ~という印象はあります。 それでも知らない世界をうかがい知れるのがこういう「闇鍋セット」の醍醐味だったりもしますからね。 同じ造り手の白も入っていたので、そやつも近いうちに稽古します。

点数72点

23日(土)

MGVs Muscat Bailey A B521 GI Yamanashi 2017
名称MGVs Muscat Bailey A "B521 GI Yamanashi" 2017
MGVs マスカット・ベーリーA "B521 GI 山梨" 2017
生産者MGVs Winery
マグヴィス・ワイナリー
価格2,376円
購入店MGVsワイナリー

 本日の夕食は、ヒレカツ、チキンカツ、カボチャとズッキーニのフライ、ナスとインゲンとオクラの揚げびたし。 やっぱり揚げ物は美味いよね。特に夏野菜を揚げびたしにしたのなんてタマランですな。 ホント日本人に生まれて良かった良かった。

 さてワインは、「日本繋がり」ということでゴールデンウィーク中の平日に勝沼へ行った際に、試飲して購入した山梨産のロゼ。 半導体工場をワイナリーに転用した若い造り手です。この銘柄に書かれた"B521"はそれぞれの桁で意味があって、
 英文字(品種):"B"=マスカット・ベーリーA
 1桁目(産地):"5"=山梨県産
 2桁目(仕込):"2"=セニエ・ロゼ
 3桁目(製法):"1"=ステンレスタンク発酵
といのこと。するってぇとこのワインは「山梨県産のマスカット・ベーリーAを使ったセニエのロゼでステンレスタンク発酵」ということらしいです。 非常にロジカルな感じで面白いんだけど、桁に意味を持たせるってのは拡張性としてどうなんだろう?とは思いますな。 特に数字を使ったところは10種以上に増やせないよね。16進数で"F"まで使っても限界がある。 例えば"B-5-2-1"とかデリミタを入れれば無限に増やせたのになぁ、と余計な心配をしてしまいます。

 さて抜栓。コルクは集成コルクです。DIAMっぽいけどDIAMの文字はありません。 色は非常に淡いピンク色。ロゼというより白でピノ・グリとかの色の濃いヤツの方が近いかもです。 香りのボリュームは小さ目だけど、雰囲気はいかにもマスカット・ベーリーA。 甘いイチゴ・キャンディのような香りと、ほんのりココナッツの雰囲気があって、素直に美味しそうに感じられます。 ・・・と来ると、薄ら甘いお土産ワイン的な味わいを想像しそうじゃないですか、 ところがどっこい味わいは「オトコのロゼ」です。キリッとした酸味に軽い渋味、甘さ控えめでカチッとした飲み心地。 アルコール度数は11.5%と低めですが、味わいに薄っぺらな印象は受けません。

 失礼ながらワイナリーでテイスティングした時は「たいしたことねぇな」と思ったんだけど、 じっくり1本飲んでみるとたいしたこと無くは無いです、っていうか案外美味い。そして日本ワインらしい個性が楽しめます。 ただ、派手さはないので、「一人でじっくり家飲みワイン」ですな。 そして、2,376円という値段がちょっと残念。これが1,000円台だったらなぁ、と思うところはあります。

点数74点

22日(金)

Roceno Grillo 2016
名称Roceno Grillo 2016
ロチェーノ グリッロ 2016
生産者Cantine Europa (Sibiliana)
カンティーネ・エウロパ (シビリアーナ)
価格907円
購入店 トスカニー イタリアワイン専門店

 本日の夕食も師範が調理担当で、メニューは棒棒鶏(ソースは丸美屋)、モヤシのナムル、ネギとシイタケと卵のワカメのスープ。 棒棒鶏って鶏肉を茹でるでしょ、その茹で汁を捨てるのがもったいないと思うのね。 だもんで本日はその茹で汁に塩コショウと胡麻油で味を調え、 薄切りしたネギと生椎茸を加え卵を溶き入れ煎り胡麻を振ったら簡単中華スープの出来上がり。

 この料理に合わせて選んだワインは、イタリアのシチリア島産の白。品種はグリッロ。 棒棒鶏って、鶏肉や胡麻だれやトマトは良いけど、キュウリとクラゲが赤ワインの邪魔をする印象があります。 だもんで本日は無難に白をチョイス。ちなみにこのワイン、『リアルワインガイド』誌で2017年旨安大賞したそうです。

 色はかなり薄め。レモン色というよりグレープフルーツの実、わずかピンク入りくらいの色。 香りは、柑橘系の雰囲気に加えて黄桃のような甘い香りがハッキリと感じられます。 そして、フルーツだけじゃなくてちょっとオリーブのような香りもあったりします。 味わいは、僅かな炭酸のチリチリ感を伴ったカチッとした酸味に結構しっかりめの旨味。 値段の割にはかなり厚みのある味わいです。

 軽快だけどちゃんとグリップもあって、いかにもコンテスト受けしそうな白ですね・・・ などというシニカルな見方は別にして、この値段では十分すぎるくらいのパフォーマンスが感じられます。 市販のタレを使った濃い味付けの棒棒鶏にも負けない白ワインでした。

点数75点

20日(水)

La Chartreuse de Cenac 2016
名称La Chartreuse de Cénac 2016
ラ・シャルトリューズ・ド・セナック 2016
生産者Maison Sichel
メゾン・シシェル
価格1,080円
購入店ローソン 横浜星川一丁目店

 本日のワインは、ツイッターでフォローさせて頂いている方が高く評価されていたコンビニワイン。 メドック3級の「シャトー・パルメ」のオーナーが手掛けているんだとか。 最近ちょこちょこコンビニのワインと稽古しているけど、案外侮れない印象はありますな。 もちろん、「激ウマ!」とか「超お買い得!」ってのは望み薄なんだけど(さすがに流通量からしてそういうのは難しそう)、 結構「悪くない」ものが多い気がしていますので、このワインも結構期待して稽古します。

 ちなみに料理は、上記ページに書かれていた「コンビーフのチーズ焼き」を採用。 若干アレンジを加えて、コンビーフは塊のままでは無く三等分して耐熱皿に乗せ、 チーズもスライス・チーズに加えてピザ用のナチュラルチーズをパラパラと載せてトレ・フロマッジオに。 それをオーブントースターで焼いて胡椒を振れば一気にイタリアンな料理になります・・・ってワインはフランス産ですけどね。 他の料理は、豚のソテー、ブロッコリーとトマトのサラダ、ソーセージとトマトとレタスのスープ。以上師範が調理担当でした。

 栓は、ボルドーには珍しくスクリューキャップです。 コンビニでワインを買うようなライト層には、飲み残しに栓ができるキャップの方が良いかもですね。 色はスッキリ向こうが透けて、ボルドーにしては薄めかな?でも1,000円クラスのボルドーだとこんなもんかも知れません。 香りのボリュームはそこそこ立派で、カシスのような重めの果実香に消し炭のような煙たさがあって、まごう事無きボルドーの雰囲気です。 味わいは渋味がピリッとスパイシー、ボルドーというより南仏のカベルネな雰囲気。甘さと酸味のバランスは正統派です。

 なるほどこれが1,000円なら納得です。同じ値段でもっとダメダメな金賞ボルドーは数多あると思われます。 ただし全体には無難で軽めではあります。まぁそりゃそうだよね。 気になるコンビーフのチーズ焼きとの相性は、確かに脂しっかりでジャンクな味わいの料理と、このワインのスパイシーな渋味は好相性でした。

点数74点

17日(日)

父の日のプレゼント

 本日は父の日、子供たちからのプレゼントはヤッホーブルーイングのビール詰め合わせ、そしてソフトサラミ。 ありがたやありがたや。 もちろん、子供だけではアルコール飲料は買えないので、裏に黒幕がいらっしゃることはわかっています。それも含めてありがたやありがたや。

 夕飯前にまずは定番のよなよなエールを飲んだけど、やっぱり美味い。 父の日プレミアムは置いといても、昨年末にふるさと納税の返礼品で頂いたやつと比べても美味い。 それはきっと新しいからだと思います。やっぱりこの手のビールは新しい方が美味いね。

Ladoix 2015 [Capitain-Gagnerot]
名称Ladoix 2015
ラドワ 2015
生産者Capitain-Gagnerot
キャピタン・ガニュロ
価格3,190円
購入店 ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店

 ワインも、父の日なんでちょっと良いヤツを奮発して、ブルゴーニュの赤を。 ラドワのワインは、今年の4月に稽古してかなり好印象、 またお知り合いからは「ラドワは良心的な村」との情報も頂いたので速攻ゲットしたもの。 お値段3,190円は若干稽古範囲をオーバーしているけど、税別だと3,000円以下なので良しとしましょう。 ちなみに今現在は10%オフの税込み2,869円、きっちり稽古範囲内の価格で売られています。

 ちなみに料理は、豪州牛のローストビーフ、ナスと挽き肉のトマトソース&チーズ焼き、レタスとアボカドとトマトのサラダ。 師範代が頑張ってくれました。別に師範は師範代の父親じゃないんだけど、ありがたい話です。

 色は、ブルゴーニュの村名クラスとしてはかなり濃いめの赤紫色。清澄度は高くてアシもしっかりあって、高級感のある外観です。 香りは、「おぉ~っ」と思いました。まずボリュームが立派、ブワッと来ます。 雰囲気としてはいかにも南のブルゴーニュ。ケモノ感満載で、熟し過ぎたイチゴのような果実香もあって更にブワブワ来ます。 味わいにも高級感があります。渋味穏やか、甘さと酸味が良い感じに全体を覆っていて、軽めだけど薄っぺらい印象は全くありません。

 動物的で妖艶な香りがムンムン、いかにも南のブルゴーニュといった感じのワインです。 「そこそこの造り手の特級コルトンです」と言えば信じる人が10人中6人くらいを占めそうな感じ。 もちろん師範は信じる6人側です。これが3,000円程度なのは激しくお買い得です。

点数84点

16日(土)

Ashton Kelder Chardonnay Limited Release 2015
名称Ashton Kelder Chardonnay Limited Release 2015
アシュトン・ケルダー シャルドネ リミテッド・リリース 2015
生産者Ashton Kelder
アシュトン・ケルダー
価格1,459円
購入店 葡萄畑 ココス

 今年はイサキが立派で安い気がします・・・というわけで本日の夕食はイサキのアクアパッツァ、 あとはタコのカルパッチョ、サーモンと夏野菜とクリームチーズのサラダ、主食はバゲットとチーズブレッド。 ワインは昨日に引き続き南アフリカ産で、本日のチョイスは白のシャルドネ。 「リミテッド・リリース」なんて書かれていて、結構太めのボトルに入ってます。 お値段は1,500円以下ながら、期待出来そうなワインであります。

 色は、結構はっきりとしたレモン色。果実そのものの色+樽の色と想像されます。 香りは、ボリュームこそ大したことないけど雰囲気は立派です。 甘い柑橘類の香りにリンゴの香り、それに派手すぎない程度の樽香が乗っています。 ブルゴーニュだとマコンあたりの雰囲気かな? 緊張感がある、というよりちょっとリラックスした感じの香りです。 味わいは、思ったほど甘味は強くなく、意外と酸味があります。 安いシャルドネにありがちな苦味は無くて、後味に香ばしい樽がフワリと香ります。

 「こりゃ凄え!」ってワインじゃ無いけど(でも「リミテッド・リリース」なんて書かれるとそれを期待しますよね)、 1,000円台なら十分合格のシャルドネです。 昨日の赤と違ってこのワインには、フランスの風がわずかに吹いているのを感じます。 南アフリカって、安いヤツは南米に近く/高級品になるにつけフランスの銘醸地っぽくなっていく気がしますな。

点数78点

15日(金)

Happy Dragon Pinotage / Shiraz 2016
名称Happy Dragon Pinotage / Shiraz 2016
ハッピー・ドラゴン ピノタージュ/シラーズ 2016
生産者Cloof
クルーフ
価格848円
購入店 ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店

 本日の夕食は酢豚、トマトと卵の炒め物、アサリの味噌汁。酢豚って昔は酢排骨(スーパイコー)と言っていた気がするけど、あれは九州or熊本ローカルの話なのかなぁ。 選んだワインは南アフリカ産の赤。ちょっと変わった名前の銘柄が多い"Cloof"という造り手のピノタージュ&シラーズ。 「ハッピー・ドラゴン」って何をもってこういう名前を付けたのか不明だけど、この銘柄とは2年前にも稽古済み。 あれからヴィンテージが一気に進んで2012年→2016年になり、アルコール度数が13%→14.5%とアップして。お値段も100円増になっております。

 色は、濃いには濃いけど大き目グラスに結構な量入れても向こうは透けます。そのあたりはピノタージュの親であるピノ・ノワールの血を引いているのかも。 香りのボリュームは結構素晴らしい。香りにはシラーズの影響が強いのか、かなりスパイシーな感じで、カシスにピンクペッパーを振りかけたような感じ。 ちょっとだけ梅っぽい雰囲気があるのがピノ由来かも。およそ3桁のワインとは思えないミチッと充実した香りです。 味わいもチリチリっとスパイシー。甘さしっかりで渋味も旺盛。いい意味でも悪い意味でもゴクゴクとは飲めない抵抗感があります。

 タフでパワフルなワインです。ただまだガチガチ。 850円のワインに「貴殿はまだお若いのう」と言いたくなることって珍しいかも。 南アフリカって、ニューワールドと旧ワールドの中間くらいをイメージだけど、 このワインに関してはヨーロッパの風とか上品さとかは脇に置いたガチなニューワールド系。 それにしても、この値段でこんなガッシリしたワインが造れる国、南アフリカ恐るべしです。

点数77点

13日(水)

Montepulciano d'Abruzzo Domodo 2014
名称Montepulciano d'Abruzzo "Domodo" 2014
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ "ドモード" 2014
生産者Cantina Ed Oleificio Sociale
カンティーナ・エ・オレイフィーチョ・ソシアーレ
価格1,026円
購入店 トスカニー イタリアワイン専門店

 本日の夕食調理担当は師範で、メニューは回鍋肉(CookDo)、フカヒレスープ(Knorr)、トマトと新玉ネギの中華風サラダ、もずく酢。 ワインは赤で、イタリアのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ。。「リアルワインガイド」というワイン雑誌で2016旨安大賞を受賞したらしい。 実はリアルワインガイド、創刊号には師範のインタビュー記事が写真入りで載っています。

 色は濃くて青い紫色。南イタリアでもこの品種(モンテプルチアーノ種)は特に青い気がします。 香りのボリュームはなかなかのものです。イタリアらしい、ツンッとした酸の刺激のある果実香で、 イチゴと粘土を混ぜたみたいな感じです・・・ってマズそうな表現だな。実際は結構食欲をそそる香りです。 味は、色に反して/香りの通りに明るめの味わい。口に含むと甘さたっぷりで酸味もしっかり、後味には喉の近くに渋味が残ります。

 スイスイと入っていく人懐っこさもありつつしっかりした飲み応えもあって、普段の食事にはバッチリの赤ワイン、この値段だと超お買い得。 やっぱりリアルワインガイドの旨安大賞ってのは、数多ある金色のステッカーの「ナニナニコンクールで金賞受賞」よりはるかに信憑性があるように思われます。 っていうか、その「金賞受賞」が市場を攪乱しているように思えて仕方ないんだな。

点数78点

10日(日)

Kirkland Signature Sonoma County Chardonnay 2016
名称Kirkland Signature Sonoma County Chardonnay 2016
カークランド・シグネチャー ソノマ・カウンティ シャルドネ 2016
生産者Grape and Grain Imports
グレープ・アンド・グレイン・インポーツ
価格1,158円
購入店コストコ 金沢シーサイド店

 昨日は良いワインをたらふく飲んだわけですが、 珍しくシャルドネは無かった、というか樽の効いた白は無かったので、今日はなんとなくそういうのが飲みたい気分。 料理のメニューはイワシの蒲焼き、イカとブロッコリーのガーリック炒め、きんぴらゴボウとかなので、 ここはやっぱりカリフォルニアのシャルドネでしょう、と独りで納得しつつチョイスしました。

 色は特に濃くは無い普通の薄レモン色です。 香りは樽香がバーン!とは来ません。リンゴのようなフルーツ香に若干の蜜っぽさがあって、典型的な「良く熟したシャルドネ」な香りです。 口に含むと、バーン!ってほどではないけど程良い樽香を感じます。 味わいは、甘さしっかりで酸味は弱め、そして葡萄の皮を噛みしめたような渋味があります。 強さのある白だけど、若干乱暴な感じは禁じ得ません。

 良く熟したシャルドネを、もったいないからってギュウギュウ強めに圧搾しちゃったかなぁ、という感じですかね。 悪くは無いけど、やや飲み疲れ&飲み飽きします。日本ワインとは真逆の方向性ですな。 もちろん、今日はそういうのが飲みたかったわけですけどね。

点数72点

9日(土)

s
登美の丘ワイナリー

 サントリーさんにお招き頂いて、山梨の「サントリー登美の丘ワイナリー」を訪問して参りました。 勝沼ワイン散歩の時と同様、別ページ仕立てにすることにしました。

 ・・・というわけで訪問の様子を更新して参ります。 左写真をクリックしてご覧ください。

2018/06/10 : 「葡萄畑・醸造所見学」までを更新しました。
2018/06/11 : 「テイスティング」までを更新しました。
2018/06/12 : 全編更新完了しました。

登美の丘・夏

8日(金)

Fleur d'Eglantine 2016 [Ch. Mourgues du Gres]
名称Fleur d'Eglantine 2016
フルール・デグランティーヌ 2016
生産者Ch. Mourgues du Grès (François Collard)
シャトー・ムルグ・デュ・グレ (フランソワ・コラール)
価格1,180円
購入店 ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店

 梅雨の晴れ間の金曜日、こういう日にはロゼですよ。 ロゼって未だに日本ではマイナー感があるというか、赤や白に比べて売り場に占める面積も狭いんだけど、 本国フランスでは白より飲まれているそうですよ。 というわけで選んだのは南仏はコスティエール・ド・ニーム産のロゼで、 この銘柄とは3年前に2013年産と稽古済みであります。 ちなみに料理は、豚の照り焼き、ナスの揚げ浸し、空芯菜のガーリック炒めです。

 色は薄めのオレンジ色。3年前と比べると傾向が全く異なる、明るい感じの色ですね。 香りのボリュームは弱め。赤ワインの要素は無くて、色の印象通りの柑橘類、それも地中海産オレンジみたいな感じの印象を受ける香りです。 味わいも南仏産らしくて、カチッとした旨味とそれを支える酸味&甘味、それに軽い渋味を感じます。 アルコール度数は結構高めの13.5%、「ロゼは女子供のワインさ!」と思って飲むとケガするワインです。

 いかにも南仏産のロゼといった感じで、弱いながらもオレンジっぽい香りと高めのアルコール度数、そして強めの味わいがあります。 地中海のリゾートで泳いだ後、口の周りに付いた海水のしょっぱさを肴に飲むのにちょうど良いワインですな。 もちろんそんな経験は一度もありませんけれども。

点数72点

6日(水)

Codorniu Ecologica Brut N.V.
名称Codorníu Ecológica Brut N.V.
コドーニュ エコロジカ ブルット (ヴィンテージ無し)
生産者Codorníu
コドーニュ
価格948円
購入店コストコ 金沢シーサイド店

 本日の夕食調理担当は師範。メニューは、刺身(マダイ、カツオ)、メカジキ粕漬焼き、チョレギサラダとトマト。 サラダは調味料と混ぜてから時間が経っちゃったんでお浸しになりました。 選んだワインはスペイン産のスパークリング。 なぜこれにしたかというと、前日ツイッターでフォローしている方がこのワインについて書かれていて、 たまたま師範も持っていたので良いタイミングだと思った次第。 なんだか最近ツイッターがらみのチョイスが多くなってますが、 「安ワイン道場」はあくまでこちらが本体で、ツイッターそれに対する情報収集のための触手、という位置づけです。 ただ、最近は触手の動きが活発で、イソギンチャクのようになっております。

 色は薄めのレモン色。泡が見える以外、このクラスの普通一般の白ワインと違いはありません。 香りは、リンゴと蜂蜜とろ~り溶けてる香り。ボリュームは弱めだし、シャンパーニュみたいなイーストっぽさは感じませんが、これはこれで良い香りです。 口に含むと、泡の勢いは弱めです。 でも味わいはしっかりしていて、すりおろしたリンゴのような旨味と酸味、それに軽い苦味も伴って、なかなか飲み応えはあります。

 深みや奥行きはあまり無いけど、ストレートにフレッシュな果実っぽさが感じられるワイン。 いよいよ梅雨入りしたこの時期に飲むにはちょうど良いかもです。 安カバにありがちなキンキンした金属感も少ないので、広く受け入れられるスパークリングだと思います。

点数72点

3日(日)

サントリー 海の向こうのビアレシピ 芳醇カシスのまろやかビール

 個人的三連休最終日、週末はずっと天気が良くて、今日に至っては真夏が来たかのような空模様と気温。 こういう日は明るいうちから飲まざるを得ませんな・・・などということを先週も言ってたような。

 ・・・んなことは置いといて、本日の昼酒に選んだのはサントリー 海の向こうのビアレシピ 芳醇カシスのまろやかビールという銘柄。 2018年から酒税法が変更されて、香り付けに副原料を使ったものもビールを名乗ることが出来るようになったので、 こういうビールが出て来たようです。それにしても名前が長すぎだよな。こんなに長いとイロモノ感ハンパ無い、というかなんだかファミレスの新メニューみたいです。

 色は、写真でもお分かりのようにカシスっぽさ全開の赤紫色。期待させてくれる外観です。 ところが、香りも味わいもカシス感が弱いのね。いわゆるベルギーのフルーツビールとは全然違う感じ。 個人的にはもう少し踏み込んで欲しい所ではあります。

Salento Rosso Sursum 2013
名称Salento Rosso "Sursum" 2013
サレント・ロッソ "スルサム" 2013
生産者Rocca dei Mori
ロッカ・デイ・モリ
価格1,944円
購入店 トスカニー イタリアワイン専門店

 本日は、師範代がご友人宅に遊びに行ったので、師範と子供二人の食卓。 「たこ焼きパーティでもしようぜ」ってことになって、ドンキで買った1,000円のたこ焼き器をテラスに出しての夕食。 昨日みたいに屋上で食事することはほとんどないけど、 キッチンが目の前のテラスはとても良く使います・・・ってか一軒の家に屋外食事スペースが2ヶ所ってどうよ?って話ですね。 ちなみにたこ焼き以外にはベーコン&レタス&トマトのスープを作ったのと、あとはもずく酢です。

 そんなジャンクな料理に合わせたのは、ツイッター経由でご推薦頂いたイタリア産の赤。 長靴のかかとにあたるプーリア州産で、品種はモンテプルチアーノ50%、プリミティーヴォ50%とのことです。

 抜栓してまずビックリするのがコルクの長さ。測ってみると55mmあって、GAJAなんかの超一流品と同じ贅沢品です。 色はしっかり濃くて、赤みがありガーネットに近い紫色。 液体にはネットリ感があってグラスの内側がタラ―っとしたアシに包まれます。 香りは、ドライプルーンのような甘い感じのフルーツ香に加えて、タバコの葉のような雰囲気と、 胡椒や甘草のようなツンッとした刺激のある香りを感じます。 そして口に含むとかなり強めの樽、バニラやカラメルというよりストレートに焦がした木の香りです。 味わいは、強めだけどカドが無く柔らかい感じの渋味と、それに張り合うような甘味と酸味、そして軽い苦味。 糖度を測るとなんと10.0、もはや甘口ワインの糖度だけど他の要素もあるので単なる甘口には感じません。 敢えてネガティブなポイントを挙げると、味わいがややまとまりに欠けてそれぞれの要素が独立に主張しているようにも思えます。

 ともあれ香りも味わいも濃くて強いワインです。アマローネとかみたいな陰干し葡萄から作られたような凝縮感があります。 これが2,000円以下というのは確かにビックリですな。5,000円と言われても普通に納得しそうで、 お薦め頂いたのもなるほど!といったところです。

 さぁ読者のみんな~、父の日のプレゼントはこれで決まりだよ~! ・・・ってウチの読者はほとんど贈られる側の人だと思いますけどね。

点数85点

2日(土)

横浜開港祭の花火

 本日は横浜開港祭で、みなとみらい地区から花火が上がります。 道場の屋上からも遠くにそれが見えるので、本日の夕食は屋上にテーブルを出して鉄板焼肉。 もう最近はビニールプールを出すことも無いので、洗濯物干し以外に屋上を使うのって花火くらいなのに、 横浜の花火大会って開港祭だけになっちゃったんだよな(夏の神奈川新聞花火大会は昨年から中止)。 わざわざ花火を見ながら飲むために屋上作ったんだけど、メンテナンス費用考えたら全く割に合わない設備になっちゃいましたな。

 ・・・でも良いんです。10年で100万のメンテナンス費用が掛かっても、こうやって年に一度屋上で花火を見ながら焼肉食べながらビールを飲んでワインも飲む、 それが贅沢ってぇもんです。泣いてないです。

ルバイヤート ルージュ樽貯蔵 2014
名称Rubaiyat Rouge Barrel Aged 2014
ルバイヤート ルージュ樽貯蔵 2014
生産者Marufuji Winery
丸藤葡萄酒工業
価格2,397円
購入店丸藤ワイナリー

 最初はコストコのクラフト・ビールを飲んでいて、 花火&焼肉に合わせて飲むワインとして選んだのは、この時に購入した日本ワインの赤。 8,924本の限定醸造とのこと。銘柄は「ルージュ」になっていますが、品種構成はメルローが99%、タナが1%。 メルローは主に長野県塩尻市産、小樽で熟成11ヵ月。 1%のタナを加えたり、樽熟期間が1年じゃ無くて11ヵ月だったり、微妙に中途半端なトコロに興味を惹かれます。 そして、こういうことがキチンと書いていある生真面目さが日本ワインっぽくてたまりませんな。

 さて抜栓、コルクはDIAMです。賢明な選択だと思います。 色は、ブルゴーニュっぽい、とまでは言わないけれどもかなり明るめの紫色。 アルコール度数は12%ということもあり、ややサラッとした見た目です。 ところが香りは立派です。結構なボリュームと華やかさがあって、気持ちがアガります。 「樽熟成」と言っても新樽比率は低いんだろうな、あまり香ばしい感じでは無いけど、 しっとりと落ち着いた木の香りと日本のメルローの和風な果実香がシックリ来ています。 味はかなり軽めです。渋味も酸味も穏やかで甘さはほとんど感じず、じんわりとした旨味を感じる、ある意味「日本ワインのメルローらしい」バランスです。

 日本ワインらしい、しみじみとした美味しさが伝わる赤です。特に香りはホントに素晴らしい。 世間のブームに踊らされているわけではないんだけど、こうやって改めて稽古すると日本ワインの品質がメキメキと向上していることが確かに感じられます。 コストパフォーマンス面では厳しい日本ワインだけど、この香りと個性に2,400円は師範的には「アリ」です。 ただ、一般の安ワイン者にこの味わいの軽さが受け入れられるのか?だなぁ。 なにせ糖度は6.7しか無くてガチで甘さ控えめ、ある意味ブルゴーニュっぽくもあるんだけどそれには酸が足りない感じ。 普段チリとか飲んでいる層には「ナニコレ軽すぎ!」ってなっちゃいそうではあります。

点数78点

1日(金)

鮨割烹 鹿島 内観

 6月1日は我が家的には「寿司の日」。 師範代の勤務先が創立記念日でお休みなんで、毎年それに付き合って会社休んで昼から寿司食べに行きます。 店は、いつもの「鮨割烹 鹿島」。駅から遠く離れた辺鄙な場所にある寿司屋だけど、 平日ランチのみのサービス「昼鮨懐石 3,500円」は爆裂的にお得なんで最近は毎年ココで食べています。

 本日は、13席あるカウンターが満席。師範らの左側には釣り船宿のおかみさんとそのお知り合い、 右側には法事のご一行様。良い店が繁盛するのはなによりでございます。

鮨割烹 鹿島 先付

 注文したのはもちろん今回も昼鮨懐石。 まず一品目に出された先付が、マダイの皮の煮凝りアワビの肝。 もうね、こういう料理が普通のコースに組み入れられていること自体が有り難いわけですよ。 そして、師範が写真を撮っていたら大将から『もっとキレイに盛り付ければ良かったですね』とのご発言。 結構お年を召した強面風の大将だけど、写真に寛大なのも道場的には助かります。

 それにしても、アワビの肝がカウンターに座った13人の人数分あるわけで、 この店は高級なネタがかなりの量出ていることが判ります。 そのおこぼれを与かることができるのがこの3,500円の懐石コースなんでしょうな。

鮨割烹 鹿島 お椀 鮨割烹 鹿島 お造 鮨割烹 鹿島 煮物

 続く料理が、(左から)海老真薯のお吸い物お造り(マグロ赤身、カンパチ、ハスイモ)賀茂茄子の揚げ浸し。 素材の味を活かした極めて繊細な味付けで、「私今関西にいます?」って気分になります。 九州出身の師範と師範代にとっては、こういう味付けが大好きだったりします。

鮨割烹 鹿島 鯵 鮨割烹 鹿島 マダイと本マグロ赤身 鮨割烹 鹿島 玉子と赤貝ヒモ

 いつもは懐石料理が終わってからお寿司なんだけど、今回は人が多いからか順番が入れ子になっており、懐石が終わらないうちに握りがスタートしました。 出して頂いたのは、(左から)マダイと本マグロ赤身玉子と赤貝ヒモ。 どれをとっても美味いです。マグロの酸味、赤貝ヒモ磯っぽさ、たまらんです。

鮨割烹 鹿島 揚げもの  懐石料理の最後は揚げ物、稚鮎をメインに、季節の野菜がカラッと揚がっています。 師範代的には、トウモロコシのかき揚げがほとんど繋ぎ無しで揚がっていたことに感心した模様。 やっぱり揚げ物は美味いよなぁ。

<

コレに(写真を撮り忘れた)マグロの細巻があって(デザートを除き)コースは終了。 食が細くなった有閑マダム連中にはちょうど良い量かもしれません。 でも、「無閑マダム&ムッシュ」な師範代と師範にとってはちょっと物足りないわけです。 というわけで↓を追加注文しました。

鮨割烹 鹿島 キスの炙り 鮨割烹 鹿島 鮎の酢〆 鮨割烹 鹿島 鯖

 板前さんに「今日食べてないモノでお薦めは?」と聞いて、追加の鮨を選んでいきます。 左からキスの炙り、そして鮎の酢〆、更には〆鯖。キスと〆鯖は想定通りですが、 鮎は珍しいよね。川魚なんで寄生虫が気になるところですが(多分)酢で〆てあるので大丈夫。 コハダのような食感に鮎の香りがする不思議なお寿司でした。

鮨割烹 鹿島 イカ 鮨割烹 鹿島 トリ貝 鮨割烹 鹿島 赤貝

 更に追加で注文していきます。本日甲殻類を食べていないのでイカを注文して、 他に無いかと聞いたところ『終わりかけのトリ貝があります』とのことだったのでトリ貝、 そしてコースに赤貝のヒモがあったくらいだから本体もあるでしょう、ということで赤貝を追加。 トリ貝は旨味たっぷりで老練の美味さ、対する赤貝はまだピッチピチに若い感じ。 旬が感じられる食材というのは面白いですなぁ。

鮨割烹 鹿島 ビール

 飲み物は、当然まずは「とりあえずビール」ですが、ここは生ビールでは無く瓶ビールにしました。 ここの生ビールはグラスで出されるんですよ。それ自体はビールのポテンシャルを発揮させる上ではナイスだと思うんだけど、 惜しむらくは量が少ないのであっという間に無くなります。 そこで次善の策としての瓶ビールというわけです。 銘柄はヱビス、寿司屋と言えばスーパードライが多い印象がありますが、 やっぱりヱビスとかプレミアムモルツが出された方が嬉しいよね。 もっと凝った地ビールなんかだともっと嬉しいんだけど、なかなか普通の寿司屋なんかではお目にかかれません。

鮨割烹 鹿島 松の司 情熱純米吟醸 鮨割烹 鹿島 鼓動

 もちろん清酒も飲んでます。
 松の司 情熱純米吟醸(滋賀):左写真左
 鼓動 ???(広島):左写真右

 まず「華やかで酸味がしっかりしたものを」という注文で出して頂いたのが滋賀の松の司でした。 飲んでみると確かに酸味シッカリで華やか。さすがだと思いましたな。

 追加は「旨味たっぷりのものを」と注文。そこでは、このお店のプライベートブランドで、 広島の酒蔵(名称失念)が造っている"鼓動"という銘柄。 確かにコレは旨味タップリ、というか前の清酒とは全然傾向が異なる、しっかり甘くて濃い感じのお酒でした。 やっぱり面白いなぁ、清酒の飲み比べも。

鮨割烹 鹿島 カウンター

 このあと、デザートとしてゆずシャーベットとお茶を頂いて、お会計は二人分トータルで15,000円強。 今日はお客さんが多かったので我々も注文をセーブしたためか、前回より安くつきました。 それにしても、このクラスの寿司と懐石料理が食べられるコースが3,500円というのは、 見る人が見ればあり得ないコストパフォーマンスの高さだと思います。 また来年の6月1日にお世話になるでしょう。

Joostenberg Cabernet Sauvignon 2016
名称Joostenberg Cabernet Sauvignon 2016
ヨーステンバーグ カベルネ・ソーヴィニョン 2016
生産者Joostenberg Wines
ヨーステンベルグ・ワインズ
価格618円
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 夕食は道場で。メニューは豚のソテーとかいろいろ。昼間っから飲んでいる師範としては、昼食後のツマミの延長ですな。 そしてワインは、この局面で高級なヤツはもったいない、でもしっかりしたのが飲みたいという欲求を満足すると考えたのが、 コストコで買ってきた南アフリカ産カベルネ・ソーヴィニョン。 この銘柄は2年前に2014年産と稽古済み。 ご近所のオーストラリア人Aさんもお気に入りらしい銘柄です。

 色はしっかりと濃い紫色だけど、清澄度は高くて結構向こうは透けます。 香りはいかにもカベルネ・ソーヴィニョン、濃い色のベリー系の果実香がブワッと来たあと、 胡椒を挽いた時のようなスパイシーさやピーマンのような青っぽさ、そして出しゃばり過ぎないながらしっかりとした樽香も感じます。 味わいは、甘さと酸味はそれなりにしっかりしていますが、渋味は軽い感じです。 一昨日のコンビニ購入スペイン産同様、若干冷やして飲むくらいがこの時期良いかも知れません。

 味わいにやや頼りなさはあるけど香りは大変立派です。 地球の裏側の南アフリカから極東の日本までわざわざ運んで来て、 それでこんなに良い香りのワインが税込み600円くらいで買えるなんて、良い時代になったものです。 願わくばこういう良い時代が未来永劫続いて欲しいものです。

点数74点