稽古日誌:2016年5月

境木地蔵の手水舎

 5月、花粉も終わった新緑の季節。皆が平穏に暮らせる日本であることを願って止みません。 境木地蔵の手水舎のお地蔵さんもそう申しております。

 そしていよいよ「安ワイン道場」も今月25日で満19歳、よって20年目に突入します。 来年の20周年記念にはなんかイベントでも企画したいところだけど、 生まれついての面倒臭がりなんで、妄想だけで終わっちゃいそうな気もしています。


30日(月)

パッパーレ・ナポリ 品川店 外観

 本日は、付き合いのある欧州の方々との懇親会。 参加者は日本勢が師範含め2人、英国在住の日本人1人、南イタリアから1人、北イタリアから1人。 計5人のインターナショナルな飲み会であります。

 店は、南イタリア人のA氏が好きってことで、品川駅港南口にあるパッパーレ・ナポリ(Pappare Napoli) 品川店にて。 後で知ったけど、師範は横浜駅東口にあるこの店の系列店に行ったことがありました。

 店内は、あまり区切りのないワンフロアに座席が60くらいはあったでしょうか。 内装の感じもなんとなく南イタリア感にあふれていて、なるほど現地人はこういうとこ選ぶのね、って感じであります。

パッパーレ・ナポリ 品川店 料理

 料理は、アンティパストとして前菜の盛り合わせとかナポリ風フライ盛り合わせとか鮮魚3種のカルパッチョ(左写真)とかを注文。 その後はピッツァが2種類、パスタが2種類くらい。

 アンティパストの前菜盛り合わせとフライはそんなもんかな、って感じでしたが、 カルパッチョは、日本の魚の鮮度とイタリア風の味付けの良いトコ取りって感じでなかなか美味しゅうございました。 ピッツァやパスタはA氏が頼んでいたので、詳しい名前までは覚えてませんが、こちらもなかなか美味。 イタリア人が「美味い」って言うくらいだから本場の人から見ても美味いんでしょう。

Primitivo di Manduria 2014
名称Primitivo di Manduria 2014
プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア 2014
生産者Poggio le Volpi
ポッジォ・レ・ヴォルピ
価格(不明)
購入店 パッパーレ・ナポリ 品川店

 アルコールは、最初メンバーの到着を待つ間に生ビール(ヱビス樽生)を1杯、そして乾杯で同じものをもう1杯。 その次はワインです。今回のワインのチョイスは前述の南イタリア人A氏。 師範の場合、だいたいこういう場合にワイン選びを任されるし、また自分からも申し出がちなんで、 人様にワインを選んでもらうのはたいそう久しぶりだったりします。

 ちなみにこの店のワインリストには赤白泡60種くらいのワイン(確かすべてイタリア産)が載っていましたが、 ラベル写真と日本語の説明があるので日本人/外国人どちらにも選びやすいようになっています。 そんな中からA氏が選んだのは、やっぱり南イタリア産のプリミティーヴォ。 初めて見るワインのような気がしていましたが、 後で調べると昨年2013年産と(ヘベレケ状態で)稽古していたようです。 政治家じゃないけど、全く記憶にございませんでした。

 色は、多分週末のチリ産シラーと負けず劣らずぐらい濃かったように思います。 香りもかなりナイス。チェリージャム的な甘い感じの香りとハーブのようなやや癖のある香りがあって、複雑さを感じます。 そして一番ナイスなのが味わい。明らかに甘くて丸い味わいです。 果実味に厚みもあって飲み応えがあります。 いやー、これは参った!って感じです。

 過去稽古したことなんて忘れちゃってたから、「さすがイタリア人、見る目がある」と思ってたんですが、 ネットで調べたらコスト・パフォーマンスの高い造り手&ワインとして結構メジャーどころなようですな。 小売価格だと1,500円以下くらいのようなので、その値段であれば非常にお買い得です。 今度見かけたら改めて稽古してみることにしましょう。

点数(80点)

 基本的にはビジネス・ディナーですから、そんなに長居はせずにワインは1本、2時間程度でお開きに。 本来休肝日でもあるし、今日はサクッと帰りました。


29日(日)

ジューンベリー 収穫前

 今年もジューンベリーの収穫時期がやって参りました。 今年は結構実の付き良くて、というか植物って剪定しなきゃ毎年指数関数的に枝葉が増えていくわけで、 今年の収穫は昨年の約倍の量の1,400g弱。 それでも半分程度しか収穫していない、ってくらいの巨木?になっております。

 ちなみに子供たちはもう収穫の協力はしてくれません。 その代わり、今年は逗留中の師範母が手伝ってくれました。 やっぱりこういうものは収穫しないと気が済まないのは遺伝のようです。

ジューンベリー 収穫前

 今年のレシピを書いておくと、ジューンベリー1,400g弱に対して、レモンが4個(レモン汁200ml)、砂糖が300g。 それを潰しながら煮込んで約30分。 レモン汁が多すぎたのか煮込み時間が足りなかったのか、例年よりユルい、フルーツソース的なジャムが出来上がりました。 それを3本の瓶に詰めたんだけど、 一番搾り(最初に濾したヤツ:上の方なのでサラリとした感じ)と 三番絞り(最後に濾したヤツ:普通のジャム的なコッテリとした感じ)では明らかに濃さが違います。 なるほどそういうことね、そりゃワインも適当にやったらボトル差が出るわな、などと考えながら作業しておりました。

Cono Sur Bicicleta Syrah 2014
名称Cono Sur "Bicicleta" Shrah 2014
コノ・スル "ビシクレタ" シラー 2014
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 666円)
購入店 Amazon.co.jp (酒のいしかわ)

 そして本日の夕食は、豚肩ロースの幽庵焼き、アサリの酒蒸し。 ワインは、安ワイン者の定番銘柄コノ・スルのヴァラエタル・シリーズ、本日の品種はシラー。 この銘柄の直近の稽古は2007年6月に2005年産と。

 色は非常に濃いです。↑で作ったジューンベリージャムよりも濃いです。 ジューンベリーの実なんてパチンコ玉より小さいわけですよ。 それより濃いワインが出来るブドウってどういうこと・・・と思ったけど、 ジャムの方にはレモンを入れているので、それで色が淡くなっているのかもですが。 香りは、見たまんまのベリー香に加えて適度な樽香。 先日のダブル・バレルみたいな暴力的なレベルではありません。 味わいは、甘さしっかり、渋味もしっかり、酸味はやや控えめ。 いかにもチリのシラーという感じのどっしりしたバランスです。

 色も濃くて香りも濃くて味も濃い、古き良きチリのシラーといったワインでした。 でも、これが666円だからねぇ、やっぱりコノ・スルは安ワイン者推奨銘柄と言わざるを得ません。 ホントは安ワイン道場師範としては「こっちの方が美味いんだぜ!」ってマイナー銘柄を自慢したいんですけどね。

点数75点

28日(土)

運動会 全体 運動会 弁当

 本日は次女が通う小学校の運動会。 長女が小学一年生の時から通算して、10回目の運動会、そして次女六年生なんで最後の運動会。 なんかもう来年からここに来ないと思うとちょっと寂しい気もします。

 そして、こうやって運動会で弁当を囲むのも多分最後だな。 おにぎりやいなり寿司が4つあるのは、師範母も見物に来ているからであって長女は自宅でダラダラ中試験勉強中でした。

Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico 2014
名称Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico 2014
ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージ・クラッシコ 2014
生産者Umani Ronchi
ウマニ・ロンキ
価格701円 (単品価格 1,058円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 そんな運動会も昼過ぎには終わって、本日の夕食は師範母が持参してくれた馬刺、あとは弁当の揚げ残りの鶏のから揚げ、 ナスとインゲンの素揚げ。 白よりは赤の方が合いそうなメニューではあるけれど、 昨日濃ゆい赤をたらふく飲んだんで、 きょうはちょっとそういうのは・・・って気分。 だもんで選んだのはいかにも軽そうなイタリア産の白。 この銘柄は4年前に2011年産と稽古済みだけど、その時は品質が疑わしかった模様。 4年後の今日、改めて検証します。

 色はほぼ無色で、ねっとり感も無くサラッとしてます。 香りは、残念ながらほぼ無いに等しい感じ。前回は「温度が上がってくるとピーチの香りを軽~く」なんて書いてますが、 今回はそれすらありません。 味も甘くなく酸っぱくなく、軽い苦みはあるけどなんともつかみドコロの無い味わい。 前回の「不自然なコク」は無いけど、飲んでて楽しくないことは共通しています。

 うーん、2本連続して品質問題ってことも無いだろうから、やっぱりこれはこういうワインなんでしょう。 経験的に、異形ボトルに入ったワインって、パッとしないことが多いような気がします。 それを避けるのが、一番簡単な「ダメワイン回避手段」かもしれません。

点数64点

27日(金)

美音 内観

 本日は勤務先のワイン仲間との飲み会。もう通算20回目となるようです。 前回は2月だから3ヶ月ぶり、通常のペースですな。 今回の参加者は、男性6人に女性2人、計8人で8本を飲み干します。

 今回のお店も赤坂にある創作日本料理の店「美音」 (お店へのリンク)で。 持込み料込み、事前に連絡した持込みワインに合わせた料理を出して頂いて、お値段一人6,500円。 ここんとこ会場はほぼこのお店に固定しております。 やっぱり、ワインに合わせていろいろ凝った料理を出して頂いて、 持ち込み料含めてこの値段でやって頂ける店ってのは貴重ですからね。 いつも大変お世話になっております。 特に今日は倉持シェフ一人で調理からサービスまで。お疲れ様でございます。

Katz'en Bulles Muscat Domilonz N.V.
名称Katz'en Bulles Muska Domilonz N.V.
カッツァン・ブル ミュスカ・ドミロンズ (ヴィンテージ無し)
生産者Audrey et Christian Binner
オードレー・エ・クリスチャン・ビネール
価格---
購入店(Ksさんから)

 一本目の泡はKsさんが持参されたアルザス産。 造り手は、自然派で有名な名門クリスチャン・ビネール ・・・って「有名な」なんて書いてますが、過去を辿っても道場での稽古経験は無いようです。 ミュスカ種を使ったスパークリングというのも初めての経験のような気がします。

 色は軽く濁った感じで、ほんのりオレンジ&ピンク色。 ミュスカ(=マスカット)って黄緑色のブドウな印象があるけど、 アチラでは色がついているんですかね? 「マスカット・ベーリーA」なってのもあるから、そういうのがあっても不思議は無いですが。 香りは、いわゆるマスカットの香りに加えて、若干硫黄のようないわゆる自然派っぽい香りと、 甲州種のようなシュッとした香りがあります。香りのボリュームもなかなかのものです。 味は、酸味がしっかりしていて、かつ苦味もしっかり。 かなり意外な味わいですが、これはこれで美味しゅうございます。

 いわゆるクレマン・ダルザスとは全然雰囲気の異なる、 他にあまり似た例が無いスパークリングで大変面白いワインでした。 アルコール度数は14%もあって、飲み応えもありますな。

点数(80点)
美音 料理1

 最初のスパークリングに合わせて出して頂いた料理がコレ。

イワシのマリネ ヤーコンのピクルスとシソの実を沿えて

 ピクルスはかなり強めの酢漬けにされていて、ワインの酸味と良い感じに合います。 イワシををそれに包んで食べると特に良い感じ。

Roero Arneis 2013
名称Roero Arneis 2013
ロエロ・アルネイス 2013
生産者Bordone
ボルドーネ
価格---
購入店(Mnさんから)

 二本目の白は、今回初参加のMnさんが持参されたイタリアはピエモンテ産の白で、DOCGのロエロ・アルネイス。 Mnさんはイタリア(ミラノ)に赴任経験があるそうで、現地のワイナリーにいろいろ行かれたとか。 うらやましい話であります。

 色は非常に淡い麦わら色。ほぼ無色と言って良いかもです。 香りはこちらも非常に独特。柑橘系の涼やかなフルーツ香に加えて、 和のハーブというか、センブリやドクダミのような薬草っぽい香りがします。 味はキリッとしたミネラル感がメイン。甘さはほとんど感じなくて、かなり硬質な感じです。

 今回みたいな濃くて派手なワインが揃った会だと、 こういう端正系は印象に残りにくいのですが、とにかく香りが特徴的なワインでした。 グラスにちょっとだけ残しておいて、ずーっと嗅いでいましたが、なんとなく癒される感じがします。 これがアルネイス種の特徴なんですかね?経験が無いので良く判りません。 そのあたりも今後おいおいご指導頂ければと考えております。

点数(75点)
美音 料理2

 イタリアの白ワインに合わせた料理がコレ。

西山農園のトマト モッツァレラチーズのムース 桃のピュレ

 やっぱりイタリア産と言えばトマトとモッツァレラチーズとバジル、いわゆるカプレーゼなわけですが、 ここで「いわゆる」と違うのは桃のピュレの存在。 よっぽど甘いトマトじゃなきゃ負けそうなんだけど、これが不思議と調和してました。

Saint-Aubin La Pucelle 2012
名称Saint-Aubin "La Pucelle" 2012
サン・トーバン "ラ・ピュセル" 2012
生産者Dom. Roux Pere & Fils
ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス
価格---
購入店(Yjさんから)

 もう一本の白は、Yjさんご持参のブルゴーニュ産。 この造り手のこの畑のワインは、師範も以前から気に入っていて過去複数回稽古しています (2008年産2005年産2001年産2001年産) とはいえ直近の稽古は既に5年前、改めてまっさらな気持ちで稽古します。

 色はそんなに濃くはありませんが、レモン色と黄金色の中間くらいで良い感じです。 香りは、グラスの縁に鼻を近づけるとビスケットのような香ばしい香りがフワッと来ます。 深く嗅ぐと、その香ばしさに加えて蜜香、それにリンゴやパインのような甘い系のフルーツが香ります。 甘そうな香りの割に味は酸がメインでスレンダー、そのあたりがニューワールドのシャルドネとは違うぞ、ってところですかね。

 やっぱり美味しいですな、この銘柄は。 ただ、おいしさのピークは意外と狭いようで、ボトルの底に残ってた分を会の後半に頂いたら、 香りが飛んでやや痩せた感じになっていました。

点数(84点)
美音 料理3

 ブルゴーニュの白に合わせられた料理がコレ。

アスパラ・ソバージュ 半熟卵と粉末チーズ

 アスパラガスの青臭さが初夏らしい一皿ですが、 ワインの方がとっても樽が効いていたのは予想外だったんじゃないでしょうか? もっとシャブリみたいな、硬質な白を想定されたんじゃないかと思います・・・などとエラそうなことを言ってみます。

Clos Vougeot Musigni 2010
名称Clos Vougeot "Musigni" 2010
クロ・ヴージョ "ミュジニ" 2010
生産者Dom. Gros Frère et Sœur
ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール
価格8,625円
購入店 サンタムール

 赤の1本目は師範が持参したブルゴーニュ産。 畑は特級クロ・ヴージョで、造り手はグロ一族の中では一番派手めの印象があるグロ・フレール・エ・スール(ベルナール・グロ)。 この銘柄もヴィンテージ違いのワインをいろいろ経験していて、2014年に2009年産と、 2002年に1995年産と稽古しています。 「なぜ『安ワイン道場師範』が特級ブルゴーニュなんぞを持参!?」と問題視される向きもございましょうが、 たまには師範だってこういうのを飲みたいわけですよ。「敵陣視察」ってヤツです。 倉持シェフからは『若過ぎじゃないですか?』とも言われましたが、 わたしゃ若いのが好きなんですよ、と。

 さてグラスに注いでいただくと、確かに一片のオレンジ色も見受けられない若い赤紫色です。 香りは、皮のようなケモノっぽさと木イチゴのようなトーンの高いフルーツ、 それに出来立てアップルパイのような甘香ばしい香りがあります。 この香りは正解ですね。 そして口に含むと甘いんです。 もちろん若さゆえか渋味の固さが後味にあるんだけど、そんな細けぇこたぁ良いんだよ、ってところです。

 時間が経つと香りの甘香ばしさが更にボリュームを増してきて、 アフターの渋みもこなれてきます。ただ、惜しむらくはそう感じる頃にはほぼ空になっているわけです。

 いやー、これは大アタリですね、と自画自賛します。 やっぱりこの造り手にはこういう派手なヤツを期待するわけで、 それがこんなワイン会だとピタッとハマりますね。 そして、「安ワイン道場」のくせに同銘柄の2011年産も現在1本保有しています。 それをいつ飲むか、なかなか悩ましいところです。

点数(90点)
美音 料理4

 ブルゴーニュの赤にはコレ。

鴨の水餃子 スープは鴨のコンソメ

 やっぱりピノ・ノワールには鴨ですかね。 あまり強い味付けではなく、シンプルに鴨の風味が感じられる一皿だったんで、 ブルゴーニュのケモノっぽさにバッチリ合っていました。

Jacobs Creek Double Barrel Shiraz N.V.
名称Jacob's Creek "Double Barrel" Shiraz N.V.
ジェイコブス・クリーク "ダブル・バレル" シラーズ (ヴィンテージ無し)
生産者Jacob's Creek
ジェイコブス・クリーク
価格---
購入店(Ktさんから)

 次なる赤は、Ktさんご持参の豪州産。 造り手は安ワイン者にはおなじみのジェイコブス・クリークですが、これはそこが近年出し始めたプレミアム品。 ヴィンテージは書かれていませんが、"2nd VINTAGE"の文字があります。 「ダブル・バレル」の意味は、『伝統的なオーク樽で熟成させ、次にスコッチウィスキー樽熟成で仕上げています』とのこと。 そしてアルコール度数は15%、飲む前から強いワインであることが想像されます。

 色は、まるっきり向こうが見えない濃紫色、光の加減でほぼ黒に見えます。 香りも、ブルーベリーのような果実香にコショウやミントのようなスパイス香、そしてココナッツのような樽香を感じます。 味も、一言で言えば濃くて甘くて強い(って一言でいってませんが)。 ゴクゴクと飲めるのはマッチョな人だけ、師範のような軟弱人はチビチビとしか飲めません。

 気づきとしては、先日稽古したミズナラ樽熟成したマスカット・ベーリーA同様、 ウィスキー樽を使うとココナッツの香りが顕著にする、ということですね。 一人で飲むにはかなりパワーが要るワインですが、少量ならとても飲み応えがあってナイスです。 特に、例えばワインにあまり興味の無い人たちの集まりとかで「どうだ!」とハッタリを効かせるには非常に有効なワインだと思われます。

点数(78点)
美音 料理5

 「ダブル・バレル」に合わせようと苦心された一皿がコレ。

強めに焼かれた子羊 ポテト

 子羊表面の焦げ感が、狙い通り樽の焦げ感と合っていました。 あと、表面に散らしてあるミントも香りの繋がりがあってニクいですね。 そして、表面は焦げているのに中はシットリなのがさすがです。

Ciu Ciu Oppidum 2010
名称Ciù Ciù "Oppidum" 2010
チウ・チウ "オピドゥム" 2010
生産者Azienta Vitivinicola Ciù Ciù
アジエンタ・ヴィティビニコーラ・チウ・チウ
価格---
購入店(Ysさんから)

 赤の3本目は鉄分豊富なYsさんが持参されたイタリア産。 以前に白と稽古したことのある、 「チウ・チウ」という風変わりな名前を持つ造り手のトップキュヴェで、品種はモンテプルチアーノ種100%とのこと。 裏ラベルを見ると、このワインもアルコール度数が15%もあります。 なぜか本日は高アルコール度数なワインが集まっております。

 色は、こちらも向こうが見えない濃さですが、相対的にはこっちの方が赤みを感じます。 香りは、フランスの地域・品種で言えばローヌあたりのグルナッシュのようなスットボケ系・・・じゃ伝わらないか。 フルーティではあるんだけど、なんとなく田舎っぽいというか、イチゴジャムを青畳に刷り込んだような香りです。 味は、前のワイン同様甘味はしっかりあって、飲み応えがあります。 ただ、それなりに渋味が柔らかくなっているので、 「激しく強い」って感じではありません。

 いやー、こういうのが並ぶと面白いな。 前のワインと全く香りや味わいの傾向は異なるわけですが、 アルコール度数の高さが共通しているからかどちらもチビチビしか飲めない系。 飲み手のほうも一気にメートルが上がっていきます。

点数(78点)
美音 料理6

 イタリアの赤に合わせる料理としてはコレでしょう。

米ナスのカポナータ

 輪切りされた米ナスの上にラタトゥイユ風のいろいろな野菜が載せられていて、 酸味も効いていてワインに合わせやすい感じです。

Lucente 2013
名称Lucente 2013
ルチェンテ 2013
生産者Luce della Vite
ルーチェ・デッラ・ヴィーテ
価格---
購入店(Nkさんから)

 赤の4本目はNkさん持参のこれまたイタリア産。 ご存じ「スーパー・トスカーナ」の頂点に君臨する「ルーチェ」のセカンド・ワインですな。 道場では、近いところでは2001年に1997年産と稽古しています ・・・って「近いところ」っつってももう15年前。 ラベルデザインも、ルーチェに似た今のものと違って普通に四角いラベルだったし、造り手の組織名も変わってます (当時は「マルケシ・ディ・フレスコバルディ & ロバート・モンダヴィ」というそのまんまな名前)。 ちなみにこの頃はこのルチェンテも一緒に稽古したボランジェも稽古範囲内の価格だったんですなぁ、と遠い目。

 色は、前の2本に比べればまだ明るい方でしょうか? 香りは、スーパー・トスカーナの良い要素を抜粋した感じ。出しゃばり過ぎず抑制し過ぎず、 メルロとサンジョヴェーゼの良いとこ取りしたような明るさと重さのバランスです。 味わいも、香りの印象通りバランスの取れた系で、2013年産という若さを感じないスムーズさがあります。

 とても良くできたワインだと思います。 ただ、「あたしがルチェンテです」という個性に欠けるというか、 優等生的な雰囲気ではあります。 イタリアに精通していて個性派を求める方には前のチウ・チウの方がウケが良いかもですね。 師範は凡人なんでこっちに軍配を挙げました。

点数(80点)
美音 料理7

 最後の料理がコレ。

イベリコ豚 with金山寺味噌 白インゲンのピュレ

 肉肉肉!豚豚豚!!って感じを、白インゲンとルッコラが上手に包み込んでくれています。 豚肉って、他の肉と比べると赤ワイン全般との相性が良いように思います。 っていうか白でもいいですしね。

Ch. Cos d'Estournel 1995
名称Château Cos d'Estournel 1995
シャトー・コス・デストゥルネル 1995
生産者Ch. Cos d'Estournel 1995
シャトー・コス・デストゥルネル
価格---
購入店(Mtさんから)

 最後の赤は、いつも熟成したワインを持参して頂くMtさんのお持ち込みで、 ご存じサン・テステフの雄シャトー・コス・デストゥルネル。 このワインも(「安ワイン道場」のくせして)幾度か経験していて、 直近の稽古だと2005年に1999年産と稽古しています。 当時はまだ思いきれば買える値段だったんだけど、もう普通の飲み物の値段じゃ無くなってますからねぇ。 1本2万とか上がりすぎだと思うんですよ。需要と供給で決まるわけだからどうしようもないわけだけれども。

 色は、これが20年以上経ったワインとは思えないくらいの元気さがあって、 エッジのオレンジ&ガーネット色も薄い領域にしか見て取れません。 ところが香りはバッチリ熟成ボルドーのそれです。 ベリー、コーヒー、煮豆。要するに黒くて粒の小さい連中を古い蔵の中でグジュグジュっとしたような香りです。 そしてその香りのボリュームが尋常じゃないあたりがスーパーセカンドと言われる所以な気がします。 味わいも、スーッと入ってきてブワッと拡がる感じで「あぁ熟成ボルドーは美味いわ」です。

 いやぁ、こういう「誰もが美味いと思っているであろうワインが美味い」だと、 「安ワイン道場」なんていうサイトの運営者としてはちょっと残念なわけですが、やっぱり美味いもんは美味いわ。

点数(87点)
美音 料理8

 ・・・というような会。とにかく今回は強いワインが多かったのと、 バリエーションという意味では非常に広くて面白うございました。 次は9月くらいですかね?よろしくお願いします。>Yjさん


25日(水)

Ardiles 2007
名称Ardiles 2007
アルディレス 2007
生産者Merum Priorati
メルム・プリオラーティ
価格1,199円 (単品価格 1,706円)
購入店 京橋ワイン

 本日をもちまして「安ワイン道場」は開設して満19年を迎えます。 読者な方に置かれましては『何の進歩も無いのに良く続けられるねぇ』とお思いでしょうが、 師範も同じ気持ちです。何のために続けているんですかねぇ。 20年続けたらなんか悟りが開けたりするんですかねぇ。

 ・・・なんて戯言は置いといて(というか全体に戯言ですが)、 本日のお料理当番は師範。メニューは青椒肉絲、ニラとエノキ入り中華スープ、モヤシとキュウリのナムル。 ワインは、「19周年記念」ということでちょっと古め、道場が10周年を迎えた2007年産をチョイス。 京橋ワインの「パーカー90点以上セット」の中では、一番単品価格が高かったワインです。

 色は、9年も前のワインとは思えない若々しい紫色だけど、澄んだ感じとエッジにオレンジがあってキレイな色合いです。 香りは、まずそのボリュームが素晴らしい。グラスの淵に鼻を近づけるだけでパーッと来ます。 その要素はと言えば、アメリカン・チェリーのジャムに奈良漬を加えたような、 フルーティさと熟成感の両方が同時に香る感じです。 味わいはさすがに9年の熟成が効いていて、渋味はこなれていて甘みが柔らかく染みてきます。 ただ、ややガチャついた感じがあるというか、南で育ったブドウっぽい田舎っぽさがあるのが玉にキズですが。

 とは言え、これが買値相当額1,200円くらいってのは極めてお得感が高く、 単品価格の1,700円(5/25現在はセールで1,600円強)でも十分にアリです。 こういう、普通じゃないワインがこういう値段で買えるのがスペイン産の醍醐味だと、最近つくづく感じます。

点数80点

24日(火)

Panul Chardonnay 2015
名称Panul Chardonnay 2015
パヌール シャルドネ 2015
生産者Viñedos Marchigüe (Errazuriz Ovalle Family)
ビニェードス・マルチグエ (エラスリス・オバジェ・ファミリー)
価格485円 (単品価格 732円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 阿蘇に住む、というか阿蘇に住んでいた師範母が、本日からまたこちらに逗留しております。 そんな賑やかな食卓のメニューはメジナのアクアパッツァ。 師範代の『料理に使っても惜しくない白ワインは無いか』との注文により、 選んだのが最近買ったうきうきワインさんの「究極辛口白ワイン飲み比べ6本セット」からの一本で、 チリ産のシャルドネ。 実は本日は休肝日だったわけですが、師範代の注文とあればワインを開けざるを得ないわけです。

 色は普通です。香りは、普通に南のシャルドネな、洋ナシとかピーチのようなフレッシュなフルーツの香り。 味は、積極的に悪くはないけど、残念ながら浮ついた感じは禁じえません。 とにかく酸味が弱くて薄ら甘い感じ。料理用としてはこれで十分だと思うけど、 ダイレクトに飲むにはちょっと厳しい感じです。

 なんというか、昔ながらの南米産のユルさというか、シャキッとしない感じがするワインです。 でも昔からそうだったよね、南米のシャルドネってだいたいこういう感じ。 やっぱりこれとかと比べるとコノ・スルは立派だなぁ、と。

点数68点

23日(月)

跳魚別館 外観

 本日は職場の歓迎会。店は、品川駅港南口にある跳魚 別館というところ。 参加者は12名、いずれ劣らぬおっさんおばさん集団でございます。

 料理は、飲み放題付き一人5,000円の「大漁コース」。その内容は以下でした。

跳魚別館 料理
跳魚自慢のお刺身三種(真鯛、赤身、ブリ)と酒肴二種盛り合わせ
しらすと新牛蒡のハリハリサラダ
旬 鮎の一本炭火焼きと炙り枝豆(左写真)
メバルと初夏野菜の唐揚げ~甘酢餡かけ~
国産鶏 手羽元と大根 たまごの煮物
鰆の焼き霜と新たまねぎのカルパッチョ
鮮魚なめろうの冷やし大葉茶漬け
小豆アイス

 最初の刺身で、非常に鮮度の良い鯛が食べられてまずビックリです。 その他のメニューも、いわゆる一般的なメジャー居酒屋で出される内容とはちょっと違った工夫が見られて、 師範的は合格をあげたくなります・・・って上から目線でスミマセン。

跳魚別館 ビール 跳魚別館 ビール

 ここの飲み放題のビールはサントリープレミアムモルツです。 それ自体は素晴らしい。そして、ピッチャーじゃなくて一杯ずつ出されます。 それもサービスの方法としては素晴らしい。 ただ、決定的に素晴らしくないのは、提供が遅いこと。ビール一杯を10分くらい待たされたり、 しまいにゃオーダーが通ってなかったりもするんだったら、ピッチャーで出された方がよほど親切です。 『プレモルだと単価高いんで出したくないんじゃ・・・』と勘繰りたくなるくらいです。

 というわけで、ビールはなかなか出てこないのでワインを。銘柄はカルロ・ロッシの赤と白。 コレは「デキャンタで提供」だったのでガブガブと。 内容的にはいわゆるカルロ・ロッシ、赤も白も軽くて甘いワインですね・・・などと飲んでおりましたが、 不思議なことに赤からはバニラのような香ばしさを感じます。 この値段のワインを樽熟しているとは全く考えられないんだけど、どうしているんだろ? 前日のオーストラリア産にも同様の香りを感じたんだけど、 なんかそういう手法が開発されたんですかね?あるいは師範の嗅覚のポンコツ度合いが増しただけ?謎です。

 最後に清酒を頂いてお開きに。 料理はマルだけど、酒が残念(ビールの提供が遅い/やっぱカルロ・ロッシは・・・)な飲み会でした。


22日(日)

横浜FC 三沢球技場 横浜FC 三浦選手

 本日は、次女と横浜FCの試合を観戦。 昨年同様、「保土ケ谷区民DAY」ということで入場無料だからです。 本日の対戦相手はセレッソ大阪。 さすがノリの良い関西のチームということで、アウェイながらセレッソ・サポーターの方が熱い応援でした。

 試合は、試合開始からずーっと0-0の渋い展開。 そして終了間際に横浜FCが1点を入れ、喜んでいるうちにセレッソに1点を取り返され、 結果1-1の同点。ボール支配はセレッソの方が勝っていた感じなんで、なんとか同点に抑えた、って感じでした。

 右写真は、ご存じ現役最年長Jリーガーの三浦知良選手。 途中交代はしましたが、良く走って頑張っておられました。

ペットボトルワイン

 競技場内は缶・ビン持ち込み禁止、ペットボトルはOKということなので、ペットボトル入りのワインを買ったわけです。 その時は「師範ってば賢い!」なんて思ってたわけです。 でも、よくよく持ち込みの規約を見たら『持ち込めるペットボトルは600ml以下』とのこと。 買ったのは720ml・・・チーン。ということで、500mlと300mlのペットボトルに詰め直して行きました。 全くチェックなんかされなかったんだけど、オトナの酒飲みですからルールを破ってはイケマセン。

Marlena Creek Shiraz 2015
名称Marlena Creek Shiraz 2015
マーレナ・クリーク シラーズ 2015
生産者白鶴酒造
価格518円 (720ml)
購入店 イオン天王町店

 ・・・というわけで、この日のために買ったペットボトルのワインがコレ。 ペットボトルのワインって、国内メーカーが造る極めて低価格な「輸入ワイン使用」なヤツだといくつかあるけど、 ちゃんとしてそうなのってほぼ皆無状態。そんな中、生産地とヴィンテージが明記されていて比較的マトモそうなのがコレでした。 (結果的には詰め替えて持って行ったから、ペットボトル入りである必要は無かったわけですが)

 そしてこのワイン、"Wine of Australia"と書かれていて製造者は"白鶴酒造"。 豪州産のワインをバルク買いして日本で詰めた、ということでしょうか。 「品質保持に優れたお酒用のペットボトル」とのこと。そういうのあるんですな。

 色は、しっかりと濃い青紫色で、いかにも豪州のシラーズといった感じです。 香りにちょっとビックリ。ベリーっぽい果実香は想像の範囲内でしたが、 バニラとかココナッツみたいな甘香ばしい香りは想定外。 このグレードのワインも木樽で熟成させているんですかね? 味は、若くて普通に濃くておいしい南半球の赤の味わい。 甘味がしっかりあるので、やや冷やしめでも良い感じです。

 とにかく樽香っぽい香ばしさが意外でした。 裏ラベルを見ても、酸化防止剤以外に「酸味料」の記載はあるものの「香料」は書かれていません。 ウッドチップかも知れませんが、少なくとも木の香りを付けるなんらかの手順が踏まれているような。 もしかすると師範がなにか別の香りを勘違いしているのかもしれませんが。 いずれにせよ、ペットボトル入りなどという変わった供給形態にも関わらず、 普通にちゃんと楽しめる赤でありました。

点数72点
やきとり たにむら 外観

 試合終了後、次女と二人で横浜駅方面に歩いて、夕食は浅間下の交差点そばにあるやきとり たにむらという店へ。 この店、実は昨年も行こうとしたんだけど満席で入れなかったんで、 今年はちゃんと前もって予約しておきました。

やきとり たにむら 料理

 このお店、食べログのクーポンを使うと「140円の人数×焼き鳥3本無料」という太っ腹なサービスがあるので、 まず師範はレバー砂肝つくねを、次女はかわ砂肝ささみ(うめ)を注文。 目の前でちゃんと焼かれた焼き鳥は美味しゅうございます。 そして、この店のスペシャリテである白レバー(右写真右)とかハツ(同)焼き鳥をいろいろ追加、 一品料理もとりかわポン酢(右写真左)とか牛すじ煮込みとかまる秘きゅうりとかを注文。

 飲み物は、球技場で赤ワイン1本飲んできたんで控えめに(笑)、生ビールを1杯とグレープフルーツサワーを2杯。 次女もアセロラ的なソフトドリンクを飲んで、1時間ちょっとの滞在で二人分のお会計は4,000円弱。 美味しい焼き鳥が安く食べられて大満足でありました。


21日(土)

ヱビス マイスター 匠の逸品

 大手ビールメーカーのプレミアム・ビール開発競争が白熱して参りました。 今日飲んだのは、ヱビスビールが最近出したプレミアム、ヱビス マイスター 匠の逸品というビール。 金色から銅色のグラデーションがかかって表面に小さな凸凹がある缶で、なかなか高級感があります。

 グラスに注ぐと、この缶の外観にも似た色合いの濃いめの黄金色な液体で、 泡立ちも良く、白から若干クリーム色がかった泡がこんもり乗ります。 香りはそれほど強くなく、普通のヱビスと大きくは違わない気がしますが、 味わいの重厚感が明らかに違うような。 普通のヱビスにもある、甘香ばしさを伴う苦みがかなり長く続き、味わって飲む一本って感じです。

 これは確かに美味いです。 一本246円という値段は普通のビールよりややお高めですが、その価値はあると思います。 ただ、いつもコレじゃなくても良いかな。落ち着いてじっくり飲むべきビールです。 あと、やっぱり師範は同じヱビスでも華やぎの時間の方が好きです。

Happy Dragon Pinotage / Shiraz 2012
名称Happy Dragon Pinotage / Shiraz 2012
ハッピー・ドラゴン ピノタージュ/シラーズ 2012
生産者Cloof
クルーフ
価格740円
購入店 ヴェリタス

 本日の夕食は、豪州牛の和風サイコロステーキ、ベーコンとマッシュルームのソテー、モヤシの炒め物。 ワインは、これからブームが来そうな雰囲気の南アフリカ産。 その中でも特に安ウマなワインを造ってくれる印象がある"Cloof"という造り手の赤。 この銘柄は、1年半前に2回も稽古してます(これこれ) その時は「ケースで買ってこればっかり飲んでても良い」なんて書いてます。 そのヴィンテージがまだ現役で売られていたわけで、1年半の時の流れが変化させたか大変興味深いところです。

 さて抜栓。コルクは集成材ですが、液体に触れていた部分は深い紫色に染まっています。 グラスに注ぐと、熟成感なんて微塵も感じられない若々しい青紫色です。 香りは、黒っぽいベリーと胡椒のようなスパイシーさ、 そしてピノタージュ(というかその先祖のピノ・ノワール)由来なのか梅っぽい香りもあります。 味は、明らかに以前の印象とは異なっていて、丸く柔らかく変化しています。 反面、強さというかグリップ感は失われていますが、それはそれで良い感じです。

 やっぱり美味いな、コレ。若い時も良かったけど今も良い。 3桁円の南アフリカ産で、こういうこなれた感じのワインはちょっと珍しいかもです。 この"Cloof"という造り手はお薦め出来ると思います。

点数78点

20日(金)

Cremaschi Furlotti Reserva Chardonnay 2014
名称Cremaschi Furlotti Reserva Chardonnay 2014
クレマスキ・フルロッティ レゼルバ シャルドネ 2014
生産者Cremaschi Furlotti
クレマスキ・フルロッティ
価格820円
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日の夕食は、刺身(神奈川は本牧産のヒラメ、真アジ)、 ベビーコーンのバター炒め、ひき肉とタケノコのレタス包み。 ワインは、しっかり系の白が良かろうと思い、チリ産のシャルドネをチョイスしました。 この造り手のワインとの過去の稽古は、 同じグレードのメルローはそこそこ、 上位グレードの同品種シャルドネは好印象、という結果。 飲む前の勝敗オッズとしては五分五分、といったところでしょうか・・・って何と勝負しているんだか。

 色はかなり薄め。チリでレゼルバでっていうともっと濃いのを想像しますが、 値段なりの色合いという感じです。 香りは、薄っすらと南方系のフルーツの香りがするくらいで、あまりボリュームはありません。 サイトには『パイン、バナナやローストしたアーモンドの香り』とあって、 パインとバナナはなんとなくそうかなぁと思うけど、アーモンドはわかんないなぁ、です。 味は甘くなく酸っぱくなく。数値的には糖度6.9のpH3.6。 白ワインの平均より糖度が若干高くて酸は低め。数値通りな感じです。

 やっぱり飲む前の想像通りかなぁ。 別に何らネガティブな要素は無いけど、 敢えてこのワインを選ぶ理由もないというか、 とっても普通に美味しい南米産のシャルドネです。 これがベーシックなレンジだと何の違和感も無いんだけど、 「レゼルバ」と書かれているとちょっと物足りない感じは禁じ得ません。

点数70点

18日(水)

Tesoro de Bullas 2009
名称Tesoro de Bullas 2009
テソロ・デ・ブージャス 2009
生産者Bodegas del Rosario
ボデガス・デル・ロザリオ
価格744円 (単品価格 1,058円)
購入店 京橋ワイン

 水曜料理当番の師範謹製、本日の夕食は鶏モモ肉のオーブン焼き、一緒に焼いた丸ごと新キャベツと薄切りポテト、 ブロッコリーとトマトのサラダ、BLT(ベーコン、レタス、トマト)スープ。 鶏を焼くときに下に薄切りポテトを敷くのが最近のマイブームです。 鶏から出た脂で、部分的にパリッ&しっとりなポテトチップスが出来上がります。 カロリーは恐ろしいことになっていそうな気もしますが、気にしないことにしています。

 さてワインは、ムルシア州はブージャス産の赤。「それってどこよ?」って感じですが、 スペイン中央マドリードの南東、地中海寄りではあるけど海からは50kmほども離れた山間部です。 このワインは、そこで育った樹齢40年以上のモナストレルを使って、アメリカン・オークの樽で10ヵ月以上熟成、とのこと。 買ったときは気づきませんでしたが、実は昨年9月にも同じものと稽古しておりました。

 色は、前回感じたのと同様、濃いには濃いけどエッジのオレンジから熟成が感じられる色合いです。 香りも同様、ボリュームたっぷりではあるけど、ベリー系の果物とその葉っぱを一緒に煮詰めたジャムのような、 荒っぽくて野性的香り。 加えて今回は家具屋のような木材と接着剤の香りを感じます。 味は、甘さが前面に出ていて渋味も酸味もこなれています。

 半年開けて二回目の稽古をして、やっぱりこのワインは十分にお勧めできる内容を有していることを実感しました。 1,000円でこの内容は間違いなく出色です。 ただ、(読者な皆さんにはあまり関係ないだろうけど)pHの前回の測定値は3.3、そして今回は3.9。 実際はそんなに違うはずがないと思うのね。 適切に測定器をキャリブレーションする必要があると思うけど、なんとなく放置しています。

点数78点

15日(日)

イオンリカーのシャトー・ラフィット・ロートシルド イオンリカーのシャトー・ラフィット・ロートシルド 値段

 昨年末までは利用していた近所のイオンの有料試飲コーナー、 その営業方針は 迷走 試行錯誤を繰り返しているようでありまして、 本日見たらなんとシャトー・ラフィット・ロートシルト2004が1mlあたり100円(最小単位は30ml3000円)で提供されておりました。 シャネルNo.5並みの価格ですが、 750mlで10万円のワインだから、ロジカルに判断するとこの量り売りはお得です(笑)

 いや確かにね、この手のワインを一度は飲んでみたい、という層は居るとは思うんですよ。 でもね、そういう層がこういう住宅街のイオンの試飲コーナーで試飲するとは思えないんだよなぁ。 渋谷の東急とかだったらあり得ると思うけど。

 ともあれ、「年度替わりまで持つかどうか」と思っていたこのコーナー、 未だ健在のようです。 そのしたたかさに敬意を表して、またプリペイド・カード買ってトライするかな?

サントリー ジャパンプレミアム 塩尻マスカット・ベーリーA 2014
名称サントリー ジャパンプレミアム 塩尻マスカット・ベーリーA 2014
生産者サントリーワインインターナショナル
価格頂きもの (参考価格:3,024円)
購入店 (サントリーさんから)

 本日の夕食メニューは天ぷら。天ダネは、エビ(冷凍ブラックタイガー)、鶏ササミ、新玉ネギ、インゲン、ナス。 気分によって天つゆを使ったり岩塩を使ったり。やっぱり美味いよね、揚げ物は。

 そんな料理に合わせて選んだのは、 上述したシャトー・ラフィット・ロートシルド30ml分のお金で買えるワインです・・・って実際は買ってませんしそれなりに高価、 例によってサントリーさんからの頂きもの。ありがたい話でございます。 ちなみに2012年産のミズナラ樽熟成のものは先日稽古しました。 それに比べるとこれはもう少しライトな感じのようなので、天ぷらとの相性が良いのではないかと思った次第であります。

 色は、赤ワインとしてはかなり薄め。「ロゼ?」ってほどじゃないけど、ACブルゴーニュのピノ・ノワールくらいの明るさで、 ピノよりは青みがあるかな、って感じです。 香りは、こちらにもココナッツの雰囲気を感じます。 前回の稽古ではミズナラ樽の個性かと思ったけど、実はマスカット・ベーリーA自体が持つ香りの個性かもしれません。 その他にはイチゴキャンディとミルクっぽい感じがあって、まんま「サクマのいちごみるく」を持ってきたようです。 そんな香りなんで甘いかと思えば、口に含むと甘さ控えめで酸味も控えめ。そして色からも判るように渋味も控えめ。 赤ワインとしては正直頼りないですが、天ぷらなんかに合わせるにはこれくらいの方が具合が良かったりします。

 客観的にはかなり軽い赤で、強い味わいの主張もなくフルーティ過ぎもしないので、 和食みたいな軽めの料理と合わせやすいワインだと言えるように思います。 個性的な香りは結構ボリュームがあるので、飲み方としてはボージョレみたくやや冷やしめで頂いた方が良いようですね。 ただ、決して濃い味のビーフシチューやラムの香草焼きみたいな、味も香りも強い料理には合わせるべきでは無さそうです。 ま、そういう使い方で日本ワインを選ぶ人は少ないと思いますが。

点数76点

14日(土)

ええとこ 外観

 本日は久しぶりのバンドのリハの日。なんだかんだでリスケすることが多く、4か月ぶりとなっちゃいました。 どんだけやる気無いんだかって状況ですが、オッサンの趣味なんてそんな程度で十分ですわ。

ええとこ 焼きそば



 そして、リハの後は恒例の反省会と称した単なる飲み会。 店はは、本日土曜日なんでええとこ 代々木店というお好み焼き屋。 なぜ「土曜日なんで」かというと、ここは日曜休みで、かつ最近のウチのリハは日曜のことが多いんで、 ほぼ土曜はココ、ってことになっております。 ちなみに前回の訪問は1月、実は間は空いたけど連チャンですな。 繁華街から離れた場所にあって、かつ土曜の夜なのに、家族連れとかカップルとかでお店は結構お客さんでいっぱい。 繁盛しているようであります。

 料理の注文は、お好み焼きとか焼きそば(左写真)とかホイル焼きいろいろとか明太チーズもんじゃとか、 本能の赴くままにいろいろと。逐一覚えてはおりません。

 アルコールは、最初はとりあえず生ビールを2杯ほど流し込んどいて、次は↓のワインを4人でボトル一本。 その後はクエン酸サワーとかハイボールとかいろいろと。逐一覚えてはおりません。

Astica Cabernet Sauvignon 2014
名称Astica Cabernet Sauvignon 2014
アスティカ カベルネ・ソーヴィニョン 2014
生産者Bodegas Trapiche
ボデガス・トラピチェ
価格(2,500円)
購入店ええとこ 代々木店

 この店のアルコールのラインナップに関しては、「ニューワールドのお手頃なワインでも置いてくれればいいのに」と言い続けて参りました ・・・ってウソです。言いはしませんが、ここに書き続けて参りました。 その願いが通じたのか、お店の壁にアルゼンチン産ワインがある旨の張り紙が。 見たところ、アルゼンチンの名門トラピチェのお手頃ラインナップのようです。 これは頼まないわけにはいきますまい、ということで高らかに注文。 後で調べたら、白のシャルドネとは道場で既に稽古済み、 その時の買値は1本719円だったようです。

 色は、グラスが小さいのではっきりしたことは言えませんが、 廉価版と言ってもそこそこしっかりした色合いだったように思います。 香りは、南米のカベルネ・ソーヴィニョンらしい、ギュッと締まったベリーっぽい果実香にインクっぽさも感じられ、 そこそこ本格的。 味わいも甘すぎず渋すぎず、ゴクゴク飲むには丁度良い感じ。 というか、持ってきて貰った時はビール並みに冷えていたんで、 そういう状況で提供されることを見越したバランスにされているのかも知れません。

 なかなか良いんじゃないですかね? ただ、小売り価格が700円ちょっとのワインを2,500円払って飲むという点はグッと来ないというか、 2,000円(下代のほぼ3倍)ぐらいが店売りの適正価格かと思うけど、立地を考えれば仕方のないところかも知れません。 メンバーの評判もまずまずのようでした。

点数72点

 本日は結構長っ尻で、3時間くらいは飲んでいたかな? それに比例してお支払いもちょいと多め、4人で22,000円強。 良く飲んだMz氏と師範が6,000円、あまり飲まないMw氏とHr氏が残りを折半、というお会計でございました。


13日(金)

Cono Sur Bicicleta Chardonnay 2015
名称Cono Sur "Bicicleta" Chardonnay 2015
コノ・スル "ビシクレタ" シャルドネ 2015
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 666円)
購入店 Amazon.co.jp (酒のいしかわ)

 本日のワインは、安ワイン者の御用達銘柄コノ・スルのヴァラエタル・シリーズから、 白の中では一番メジャーと思われるシャルドネを。 安ワイン者でこのワインを飲んだこと無い人なんてほとんどいないと思われますが、 師範におきましては案外久しぶりで、なんと15年以上前の2000年11月に1998年産と稽古して以来。 ココロ新たに稽古させて頂きます。

 色は濃くなく薄くなく、ネットリ感も中程度。なんとも言えない普通の白ワインな見た目です。 香りは見事に南方系のシャルドネですな。 まずパイナップルのようなトロピカルフルーツ、そして熟れたリンゴ、更にはちみつ。 いずれを取っても甘そうなフルーツ系の香りです。 味わいも香りの印象とほとんど変わらず、いかにも南方系な甘さのしっかりした、でも酸味もあるんで甘ったるい感じはしない、 果実味全面押し出し系のワインです。

 悪くないです。というか、ベーシックな白ワインはコレ!と決めても良いくらいの「標準的白ワイン感」があります。 どこのコンビニでも700円くらいで買える一般的&低価格なワインで、このクオリティを実現するのはやっぱり敬服に値します。 ただ、ワインなんかに微塵も興味の無い御仁が、 コンビニでいつもこれ買っていて何の不満も感じない、としたら、 このクオリティの高さはワイン文化にとっては罪なのかも知れません。 言わばワイン界の"Disruptive Innovator"ですな。

点数73点

11日(水)

Pieza El Coll 2012
名称Pieza El Coll 2012
ピエサ・エル・コル 2012
生産者Bodegas Langa
ボデガス・ランガ
価格1,017円 (単品価格 1,447円)
購入店 京橋ワイン

 水曜日は師範が料理当番の日。本日のメニューは、鶏ムネ肉と新玉ねぎのソテー バター醤油味。 レタスとトマトと生ハムのサラダ。 鶏はモモ肉にするか、ムネ肉にするか悩みました。うちは師範代と次女がモモ肉派、長女がムネ肉派。 だもんで普段はモモ肉を使うことが多いんだけど、 今日はチャレンジ精神とヘルシーさとコストの関係でムネ肉にしました。 結果、1cm厚くらいにそぎ切りにして「東肥の赤酒」(※)に軽く漬け込み、弱火でじっくり焼けばムネ肉もそこそこ柔らかくなる、 ということを体得致しました。

 (※)熊本独特の赤米を使った清酒(主に料理用、正月のお屠蘇にも)です。飲んで/使って応援。

 さて選んだワインは、「すべてパーカー90点以上」のスペイン赤6本セットから。 本日のチョイスはアラゴン州カラタユド産・・・といっても判らんっすよね。 スペイン北東部、首都マドリードとフランスとの国境のちょうど中間くらいにあります。 ワインの造りとしては、樹齢80~100年の超古木ガルナッチャ、カリニャン、モナストレルをブレンド、 オーク樽で10ヵ月熟成、だそう。 同じ造り手の別銘柄は昨年稽古して、そのコスト・パフォーマンスの高さにビックリしましたが、 果たしてコレはどうかしら、と。

 色は、想像通り非常に濃くて、液体の厚み10mm程度で既に向こうは透けない感じの青紫色です。 香りも非常に充実感があって、ツンッとしたベリー系の香りにスパイス系のエキゾチックな雰囲気が加わってます。 味も、色や香りから感じる「凝縮感」そのままで、渋味も甘味もしっかりしていて、頼りなさは微塵もありません。

 このセットからの一本目みたいに濃すぎてウヘェ、ってことは無くて、 普通に「こりゃ美味いよね」と言えるワインに仕上がってます。 濃さ一辺倒でやや単調ではあるけど、買値相当額1,000円くらいでこんなしっかりしたワインが飲めるのはお買い得です。

点数78点

8日(日)

焼肉

 10連休だったゴールデンウィークもいよいよ最終日。 この連休は母を連れて姪っ子のアルバイト先へ行ったり、 郷里熊本へ震災の片づけに帰ったり、義父の喜寿を祝ったりと、 いろいろありました。

 そしていつの間にか暖かい季節になっていて、テラスでの夕食も心地良し。 ということで本日の夕食はテラスで鉄板焼肉。焼いた肉は、師範代実家から頂いてきた和牛カルビ肉が約300g、 スーパーで買ってきたアメリカ産牛タンが約200g、同じくアメリカ産牛バラ&豚バラがそれぞれ約150g、計800g。 野菜は新玉ねぎ、春キャベツ、モヤシ。ちょっとカルビが多めだったけどほぼ適量・・・と備忘録。

Bourgogne Hautes Cotes de Nuits 2013
名称Bourgogne Hautes Côtes de Nuits 2013
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ 2013
生産者Dom. Bertrand de la Ronseray
ドメーヌ・ベルトラン・ド・ラ・ロンスレイ
価格1,680円
購入店 ヴェリタス

 メニューが焼肉なんで、普通だったらしっかりした赤あたりを合わせたい感じではありますが、 連休前の水曜から11日連続で飲んでいるわけで、やや肝臓もお疲れ気味。 なんとなく癒し系の赤が飲みたくなってチョイスしたのが、 このブルゴーニュ産の赤でございます。

 色は、ブルゴーニュとしてもかなり薄め、エッジがオレンジがかった感じも見て取れて、「濃いロゼ」程度の色合い。 香りは、とても青臭いというか、野沢菜の漬物のような感じ。 同じ青臭さでもカベルネ・ソーヴィニョンのピーマン香みたいな鋭い感じじゃなくて、柔らかな青臭さです。 ただ、香りのボリュームは立派なもので、この青臭さで回りが包み込まれます。 味のバランスは、渋味はほぼ無いに等しく、酸味も控えめ、奥に薄っすらと甘味。 良く言えば大変スムーズで穏やかな、悪く言えば思いっきりヘタレな味わいです。

 ・・・と、飲み始めはその軽さがネガティブにしか感じられなかったわけですが、 飲み進めるとその抵抗なく入っていく感じがポジティブに思えてきます。 こういう良さは試飲したくらいじゃきっと判りませんな。

 というわけで、こういう「安ブルゴーニュの典型」みたいなワインと久しぶりに稽古しました。 確かに「癒し系の赤」ではあって、考えようによっては「平安美人なワイン」とも言えます。 ロバート・パーカー氏的な「ワインは濃くてナンボ」な人には全く受け入れられないワインだとは思いますが、 こういう相手に出くわすのも安ワイン者の楽しみの一つかと。

点数72点
ワイン

 そしてこれがその「薄いワイン」のお写真。ね、美味そうでしょ?


7日(土)

La Salle De Château Poujeaux 2007
名称La Salle De Château Poujeaux 2007
ラ・サール・ド・シャトー・プジョー 2007
生産者Ch. Poujeaux
シャトー・プジョー
価格1,980円
購入店 カーヴ・ド・リラックス

 ゴールデンウィーク最終日前日、風は強かったけど天気が良かったので、5ヵ月ぶりに洗車などしておりました。 洗車って、疲れるけど万歩計の歩数が上がらないのが残念。 上半身の力は結構使うんで、それなりに消耗してヘトヘトになるんだけどなぁ。

 ・・・と、ワインに全く関係ないことは置いといて、本日チョイスしたワインは、 ボルドーはムーリ村の名門ドコロ「シャトー・プジョー」のセカンドワイン。 合わせた料理は、馬刺し、鶏ナンコツの香草焼き、根菜の煮物、オクラの酢の物であります。

 色は、さすがに2007年産、それなりに熟成した感じが無いわけではありませんが、 9年近くも経つワインとしてはまだ元気な青紫色を呈しています。 香りは一言素晴らしい。 ボリュームもあるし、なにより雰囲気が高級ボルドーの香りそのものです。 カシスの果実香に小豆のアンコのような甘い感じ、それにタバコのような煙たい雰囲気が加わって、なかなかに複雑。 味は、香りの充実具合からするとやや軽く感じるというか、 スーッと入って来過ぎる印象はあるけど、渋味はまだまだ健在なので、下り坂というイメージはありません。

 2,000円で買える、フレッシュ感と熟成感の中間くらいが味わえるボルドー産として、結構いろんな層にお勧めできるワインです。 やっぱりボルドーは手堅いな。九州で稽古したラネッサンもそうだけど、 中間層が充実している印象があります。

点数80点

6日(金)

Iturria Tinto 2010
名称Iturria Tinto 2010
イトゥリア ティント 2010
生産者Bodegas Iturria
ボデガス・イトゥリア
価格1,427円 (単品価格 2,030円)
購入店 京橋ワイン

 子供たちは今日から学校スタート、師範代も勤務スタート。ですが、師範は今日までお休みを頂いております。 はい、「のんきな父さん」でございます。とはいえのんきなばかりでは家族から嫌われてしまいますので、 夕食のお料理当番を買って出ました。 メニューは、牛シマチョウと春キャベツとニラとモヤシの炒め物、 鶏ささみカツ(買ってきたお惣菜)、ニラ玉中華スープ。 帰省でお疲れ気味の胃腸を休めるメニューにしたかったのですが、ホルモン(牛シマチョウ)はちょっと違ったかもです。

 そしてワインは、連休前に買った京橋ワインさんの「すべてパーカー90点以上」らしいスペイン赤6本セットから。 以前も同じようなタイトルのセットを買ったんですが、その時とは内容が全く入れ替わってます。 そういうのは、常に知らないワインと稽古したい師範にとってはありがたいっすね。

 色は、薄く注いでも向こうが見えないくらい濃さのある紫色。ネットリ感もあってエキス分多そうな見た目です。 香りのボリュームは結構立派で、果実の香りより前に都市ガスorプロパンガス(って違いは判りませんが)のような雰囲気を感じます。 あと、カベルネ・ソーヴィニョンみたいなピーマンっぽい香りもシラーみたいな胡椒っぽい香りもあります。 味は、口に入ってくる時はスムーズだけど、飲み込む時には甘味も酸味も渋味もしっかり。 軽い苦味もあって、まるで干しブドウで造ったアマローネとか、酒精強化したポルトのような濃い味わいです。

 凄く力の入ったワインだとは思います。ただ、さすがにここまで強いと一人で一本飲むのはちょっと辛い。 複数人で食後酒代わりにチビチビ頂くか、あるいは相撲取りのような体格の方であればお勧めです。

点数74点

5日(木祝)

鳥栖プレミアムアウトレット

 九州帰省の四日目、早くも本日帰ります。

 帰りのフライトは夕方の便なので、それまではフリー。 ということで、師範代実家近所の「鳥栖プレミアムアウトレット」まで師範代と長女と暇つぶしに。 次女はウィンドー・ショッピングなど趣味ではないそうで、同行しませんでした。

 で、結局師範も何も買わず店内をうろうろと散歩するのみ。 なんか、いわゆる「ブランド品」というのに興味が沸かないんですわ。 その点は「安ワイン道場」などという、ワイン界のブランド&ヒエラルキーを斜めから見るサイトの姿勢に共通するのかも知れません。

JAL326便

 帰りのフライトは18:00福岡発羽田行JAL326便。 機材は行きと同じでBoeing 777-200。 革製の座席は高級感があって良いんだけど、シートポケットが伸びないのは非常に考え物。 ノートPCと缶ビールを入れるのに苦労しますから。

 ちなみにこの便の"JAL SKY Wi-Fi"はエラーで使えませんでした。 行きの便では「シートの個別モニタを各人所有のスマホやタブレットに置き換えるのもアリか」と思ったけど、 こんなトラブルがあるとなると話は別。 日系の航空会社たるもの、そういうサービスはきっちりしていて欲しいものであります。

JAL326便

 そして、福岡空港の売店で調達し、機内へ持ち込みしたお飲み物は、ヱビスビールの500ml缶と氷結レモンの350ml缶。 福岡空港はスーパードライだけじゃなくてヱビスもあるのはポイント高いです。 でも、欲を言えばここに地ビールが欲しいですね。 更に欲を言えば、地ワインなんかがあれば、空の旅がより一層快適なものになるでしょう。 インバウンドや地産地消といったキーワードで旅行業界の活性化が叫ばれる昨今、 ぜひご検討頂きたいものであります。

Cono Sur Bicicleta Sauvignon Blanc 2014
名称Cono Sur "Bicicleta" Sauvignon Blanc 2014
コノ・スル "ビシクレタ" ソーヴィニョン・ブラン 2014
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 1,170円<送料込>)
購入店 Amazon.co.jp (酒のいしかわ)

 そんなこんなで道場に帰って参りました。 夕食はどっかで食べて帰るか、ってことも検討しましたが、 師範代実家で飽食の限りを尽くしたこともあって、あまりおなかは減ってません。 というわけで、横浜駅西口地下街の東急スーパーで、50%オフされたお惣菜をいろいろ買ってきて家で夕食。 一気に貧乏臭くも落ち着く日常がやってきます。

 そしてワインも開けます。疲れているときにはやっぱり癒し系の白が良かろう、という判断のもと、 選んだのはチリ産コノ・スルのソーヴィニョン・ブラン。 この銘柄との直近の稽古は、2001年10月の1999年産です。 もう15年以上も前の話になっちゃうわけですな。

 色は、この品種らしい無色に近い淡いレモン色です。 香りも、いかにもチリのソーヴィニョン・ブランの典型的な感じで、 ハーブとパイナップル的なトロピカルフルーツの雰囲気を感じます。 味は、ニューワールド産としては比較的スレンダーな感じで、甘味も酸味も旨味も控えめ。 買ってきたお惣菜のような適当な料理にも普通に合います。

 チリ産のソーヴィニョン・ブランらしい雰囲気ではありますが、 このレベルだと別にコノ・スルじゃなくてもどこのを買っても味わえるんじゃないか、とも思います。 アルコール度数が12.5%と低めなこともあって、 機内で結構頂いて来た割には一本飲み干しちゃいました。

点数70点

4日(水祝)

河内ダム

 九州帰省の三日目。 師範代実家に逗留していると、ひっきりなしに食べ物が出てくるので、道場に戻ってから体重計に乗るのが心配です。 そこで、多少なりとも消費して帰ろうということで、朝から鳥栖市の北西にある河内ダム方面へ散歩。 ダムの堤体にはアザミがたくさん咲いておりました。

お寿司

 本日は、一日早いけど義父の喜寿のお祝い&かなり早いけど義母の母の日のお祝い。 義妹一家も集まって、昼間から寿司やらケーキやらいろいろと頂きます。 双子の姪も今年から大学生、早いもんだなぁ。

Chateau Lanessan 2011
名称Château Lanessan 2011
シャトー・ラネッサン 2011
生産者Ch. Lanessan (Delbos Bouteiller)
シャトー・ラネッサン (デルボス・ブテイエ)
価格--
購入店(師範代父から)

 本日は義弟(師範代の妹の旦那、歳は師範より上)も加わって、飲む人二人。 まずは瓶ビール(ヱビス)の大瓶2本を頂いて、ワインに移行。 一本目は、とても手堅いワインを作る印象のあるシャトー・ラネッサン。 一年半前にも師範代実家で2008年産と稽古してます。 なんだかラベルがモダンなデザインに変更されたみたいですな。

 色は、2011年産ということでそこそこ良い年齢ではあるけど、 昨日の赤みたいな熟成感はあまり強くありません。 香りはかなりナイスです。熟したベリーのようなミッチリとした果実香に加えて、 焦がした木の香ばしさが加わって、モダン・ボルドー的な香りが楽しめます。 味も、香りの印象を裏切らない充実感。 決して濃いワインではありませんが、バランスが取れていてセンスの良さが感じられる味わいです。

 やっぱり手堅いっすね、ここのワインは。 さすがに寿司には合わせなかったけど、鶏のから揚げとか茶碗蒸しとかタコのカルパッチョとかサラダとか、 いろんな料理と合わせても問題ないフトコロの深さがありました。

点数80点
Concha y Toro Sunrise Merlot 2014
名称Concha y Toro "Sunrise" Merlot 2014
コンチャ・イ・トロ "サンライズ" メルロー 2014
生産者Concha y Toro
コンチャ・イ・トロ
価格--
購入店(師範代父から)

 ビールを2本飲んでワインも1本飲み干して、師範も義弟もそこそこ出来上がっちゃってはいたんですが、 義父にせっかく用意してもらったワインがもう一本あったわけです。 銘柄はチリの名門「コンチャ・イ・トロ」のベーシックなラインであるサンライズ、品種はメルロー。 そしてそれがスクリューキャップだったりすると、無意識にキュッと捻って開けちゃうわけです。 ま、余ったら夜に師範一人で飲めばいいし・・・と思っておりました。

 色は、前のボルドーに比べると明らかに濃く若い紫色でした。 香りも、ボリューム的には前のと負けず劣らず。 ただ、複雑さにおいてはやっぱりこっちの方が単純というか、 ストレートな果実香一本やりだった気がします。 味も、明らかにこちらが濃い。そして明らかに若い。 食後にチピチビ飲むのにちょうど良い塩梅でした。

 結果、やっぱりグレードの違いは感じられてしまいましたが、 こちらを後に持ってきても物足りなくはないわけで、さすがチリの名門の面目躍如といったところでしょうか。 当然残るだろうと思ってましたが、いつの間にか空になっておりました。 そうすると当然のように沈没してしまう師範であります。南無~。

点数75点

3日(火祝)

熊本

 九州帰省の二日目。本日は、師範代の実家から熊本市西区の旧実家と、阿蘇市の師範母宅、大津町の伯父宅を訪問。  「火の国くまもと」は、リニューアルに向けて人も自然も元気にしたたかに着々と復興中、という感じでした。

Barbaresco 2010
名称Barbaresco 2010
バルバレスコ 2010
生産者Cardiora
カルディオーラ
価格--
購入店(師範代父から)

 ・・・というわけで、一日で約300kmの行程を移動して師範代実家に帰って参りました。 夕食は、義父が用意してくれた牛しゃぶしゃぶとか刺身とかいろいろと。 ワインも義父が用意してくれたもの中からチョイスして、本日はイタリア産のバルバレスコを頂きます。 ちなみに師範代実家は誰もアルコールを飲めないので、いつも通りの「一人で一本」です。

 色は、かなり熟成感を感じる全体にレンガ色がかった赤紫色。 改めてヴィンテージを確認すると2010年産なんですな。 香りは、こちらもかなり熟成間のある、奈良漬っぽい香りを強く感じます。 味わいは、渋みのカドが取れて甘酸っぱく変化した雰囲気が味わえます。

 というわけで、思いのほか熟成感が味わえるワインです。 普段だったらその印象ってポジティブなんだろうと思うけど、本日はなぁ。 というのも、2週間電気の切れた冷蔵庫の整理って、ある種このワインのような発酵した匂いがするんですよ。 だもんで、トラウマという程でもないけど、正直あまりポジティブに捉えられない師範がいました。

点数69点

2日(月)

JAL331便 機内

 本日から3泊4日で九州方面に帰省。ただし、長女も次女も学校があるので、フライトは18:55羽田発福岡行JAL331便という遅いフライト。 機材はBoeing 777-200、席は20列目で、我々の直前までがプレミアム・シートという微妙な席。 足元が広いのはナイスですが、テーブルがひじ掛けの中に収納してある小さいヤツなのがイマイチです。

 そしてこの飛行機、椅子は新しいのに各席のモニターはありません。 "JAL SKY Wi-Fi"前提で、ビデオプログラムは自分のスマホで見なさいってことなんでしょうな。 なるほどねぇ、今時はそういうのもアリかも、と思いましたわ。 でもそれだったら各席に電源が欲しいところでもあります。

JAL331便 弁当

 夕食は、羽田空港で買ったお弁当を機内に持ち込んで。 師範のチョイスは花ぐるまという幕の内弁当的なもので、 お値段税込み874円也。 やっぱり酒飲みにはこういうのが良いよね。食事というよりツマミだからね。

 そして飲み物も羽田空港で買ったアサヒ スーパードライ 500ml缶。 350ml缶だとヱビスとかの選択肢があったけど、500mlはスーパードライの一択でした。 羽田空港の売店様におかれましては、ぜひ500ml缶も他の銘柄も取り扱いして頂けますよう、 心よりお願い申し上げます。

 飛行機は予定通りの時間で到着(ちなみに大学時代の友人T氏と偶然同じ便でした・・・と備忘録)。 その後福岡市営地下鉄→JR九州在来線と乗り継いで師範代実家に到着したのは午後10時前。 食事は済ませているんだけど、ここでも鶏のから揚げ、カンパチとサーモンの刺身を肴に瓶ビール(ヱビス大瓶)2本を頂いて、 風呂に入って本日終了。お疲れさまでした。


1日(日)

サントリー ザ・プレミアムモルツ サマースペシャル

 今年の連休は天気が良いですね。思わずテラスで明るいうちからビールを開けちゃいます。 そして本日のビールは、サントリーのザ・プレミアムモルツ "サマースペシャル"。 2016初夏限定の、「ハラタウ産ホップを使った爽やかな香り」のビールとのことです。

 さて飲んだ印象はというと・・・師範には普通のプレミアムモルツとの違いは感じられませんでした。 2本並べて飲み比べれば違いが解るのかも知れないけど。 その点、ヱビスの限定シリーズの方がエッジが効いてて差がはっきりしている気がします。

サントリー ジャパンプレミアム 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成 2012
名称サントリー ジャパンプレミアム 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成 2012
生産者サントリーワインインターナショナル
価格頂きもの (参考価格:4,197円)
購入店 (サントリーさんから)

 本日の夕食は、馬刺(があったので昨日は注文せず)、豆苗のガーリック炒め、 豚バラと野菜(大根と人参ともやし)の蒸し物。 ワインは、またまたサントリーさんに頂いた「ジャパンプレミアム」シリーズの日本ワインで、 マスカット・ベーリーAをミズナラ樽で熟成させたもの。 何を隠そうベーリーA、師範は生食用ブドウでは一番好きだったりします。 顕著な香りとしっかりした酸味、皮目の味の濃い部分も多くて美味しくないですか? 巨峰やピオーネも良いけど、酸味と香りがある分ベーリーAに軍配を上げます。 ただ、最近あまり見なくなっちゃったんだよなぁ、生食用のベーリーA。 そしてミズナラ樽ですよ。一般にウィスキーの熟成に使われる樹種ですな。 こういうトンガった試みは大変面白いと思います。

 色は、日本ワインの赤にありがちな薄さはなくて、しっかりと濃い紫色です。 香りは極めて個性的。まず最初に感じるのはココナッツ風味のブルーベリーヨーグルトの香りです。 思いっきりトロピカルな乳製品的な香りの向こうに、 家具屋や仏壇屋のような木と接着剤or溶剤のような香りがあります。 いやーこの香りは面白い。ちょっと他のワインには例えようがない、唯一無二な香りです。 そういう複雑怪奇?な香り面喰いつつ口に含むと、味わいは案外ストレート。 香りのココナッツ要素が甘げなんで味わいも甘いものを想像してしまうけど、 実際は結構甘さ控えめで渋味しっかり。 2012年産だけどまだまだ若い印象があるので、もう少し置いといた方が良いかもって感じです。

 とにかくこの香りには強烈な個性を感じます。ブドウの個性を覆い隠すような樽の個性。 でも良いんじゃないですかね、こういう冒険的な試みも。 例えば甲州種とかを杉樽で熟成させて、思いっきり樽酒みたくしてみたりとかも面白いかも。 日本ワインにはまだ固定した価値観が無い分自由度が高いと思います。 そういった意味では、 昨日のバランス感あふれる白も超個性的なこの赤も、どっちもアリかと。 ただ、唯一残念なのは値段。4,000円超えちゃうと安ワイン者はおいそれとは手が出せないわけですよ。

点数78点