稽古日誌:2016年10月

骨折した左手

 10月、世間では「スポーツの秋」とか言われますね・・・

 ・・・と、そのスポーツの結果というわけじゃ全然無いんですが、師範生まれて初めて骨折してしまいました。 ショッピングセンターの外にある数段の階段を上っている途中、足を踏み外して指をついて、左手中指第二関節の横の骨にヒビ。 添え木が2週間必要で、全治3~4週と医者に言われました(泣)

 やっぱ歳だな。階段踏み外すなんてどこの爺さんですか、って感じだし、指を突いたくらいで骨にヒビって。 決して酔っ払ってたわけじゃないですよ。真っ昼間なんで真っ素面。 酔っ払っててやっちゃったんだったら更に深く落ち込むトコロかも知れないけど。

 というわけで、情けなさもあり今月の冒頭写真は小さいサイズで。 安ワイン道場の読者な皆さんにおかれましても、くれぐれもお怪我などなさらぬようお気をつけください。 道場開設当初からの読者な方なんて、師範同様いい歳でしょうしね。


31日(月)

Salone 2007 外観 Salone 2007 テーブルセッティング

 本日は、師範&師範代の結婚23執念周年記念日。 師範はお休み、師範代は午後半休を取得して、横浜は山下町にあるSalone 2007(サローネ ドゥエミッレセッテ) というイタリアンレストランへ。 場所は横浜ポートタワーの裏、バーニーズ・ニューヨークのビルの地下にあります。

 店内は、暗めの照明でシックなインテリア、大変オトナの雰囲気であります。 キャパは40席弱、ダイニング・ホールの両サイドにテーブル席が並んでいます。 入り口脇には大量のワイングラスがディスプレイされていて、ワイン好きにはたまらないワクワク感があります。

 本日頂くランチは、税サービス料別で5,000円コースのみ。非常に思い切った営業スタイルだと思いますが、 それでもダイニングはほぼ満席、繁盛しているようであります。 後でシェフと話した際に聞きましたが、 こういうスタイルだと食材の無駄が出ないので良いそうです。

Salone 2007 前菜1

 料理は、アミューズに始まってお茶菓子まで全10皿の多皿構成。 貧乏性な師範は「一皿500円ってお得よねぇ」などとコースの前からにやついております。 そして、入店後かなり時間(30分以上)が経って出されたアミューズがこれ。

Inizio/ 序章
  A5サーロイン・メークイン・トリュフ


 トリュフの香りがしみ込んだポテトのピュレを、ソテーした和牛で包んだ一口サイズのアミューズ。 口の中に複雑な香りが広がって、えも言われぬ雰囲気に。 他のメニューは月ごとに変わるそうですが、このアミューズだけは不変のスペシャリテだそうです。

Salone 2007 前菜2

 次に魚の前菜を。

Finto/ 模造
  鱒・カンパリ・オレンジ


 マスの燻製に、イクラのような粒ゼリー状のカンパリ、ソースはブラッドオレンジソースとマスカルポーネのソースの2種類、 それにウイキョウやディルなどの香草が添えられています。 変化に富んだ一皿ですが、特にオレンジソースと鱒との相性が大変ナイスでありました。

Thierry Triolet Brut N.V. Thierry Triolet Brut N.V. (Glass)
名称Thierry Triolet Brut N.V.
ティエリー・トリオレ ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Thierry Triolet
ティエリー・トリオレ
価格(1,500円/Glass 税サ別)
購入店Salone 2007

 ワインリストは、紙じゃなくてタブレットでした。 なるほどその方が更新が簡単だよね。 シャンパーニュを除いてラインナップのほとんどはイタリア産、種類は100種類以上あったかな? 一番安いのが7,000円くらい、高いのは青天井、といった感じの内容。 イタリアワインに関しては非常に貧弱な知識しか持ち合わせていない上、 あまり一般的ではない自然派の造り手のものが主体なので、 師範にはこのリストの中でどれが良さげなのか全くわかりません。 そして、一本で通すのもちょっとリスキーだなぁと思ったので、 「料理に合わせてグラスワインをペアリング、って出来ますか?」と聞いたところ『もちろん出来ます』とのお返事。 量を聞かれたので「普通に1本分くらいたっぷりで」とお願いしました。

 そういうわけで、最初は泡から。 スプマンテかと思ってましたが、なんとシャンパーニュが出されました。 『アミューズと最初の前菜に合わせて頂きたいのでたっぷりお注ぎしますね』なんて言われると、 それだけで喜んでしまいます。 写真は飲んでいる途中、最初はもっと上まで注がれていました。 ボトルの底の部分だったので、中途半端に残してもしょうがないのでたっぷりになったような気もしますが。

 色は、やや赤みを感じるゴールドで、とても細かい泡が底からツツーッと上がってきます。 香りはとても素晴らしい。良い感じに熟成しているようで、 蜜入りリンゴと香ばしいパン、合わせるとアップルパイのような香りがコンコンと漂って来ます。 味も、甘味や酸味に加えて旨味もしっかりしていて、しっかり系シャンパーニュの味わいです。

 これはナイスなシャンパーニュでした。思わずクイクイ飲んじゃいそうになります。 それなのに(前述したように)一皿目が出されるまでに時間があったので、 料理を待つ間飲み干さないようにするのに多大なる労力が強いられました。 目の前にあって飲みたいけど飲まない、というのはなんとももどかしいものですな。

点数(82点)
Salone 2007 前菜2

 次なる前菜がこちら。

Almo/ 恩恵
  大麦・ペッシェラグー・茸


 魚のラグーのオルゾット(大麦のリゾット的なもの)の上に、 2種類のマッシュルームをいろいろ調理したものが乗っていて、 さらにその上にリコッタチーズとミントの葉。 およそ味わいの想像がつかないでしょ?なので味わいの説明は上手くできませんが、 複雑で奥行きがあって、本日一番ビックリの一皿でした。

Vino Rosato Rusignolo N.V.[2014] Vino Rosato Rusignolo N.V.[2014] (Glass)
名称Vino Rosato "Rusignolo" N.V.[2014]
ヴィーノ・ロザート "ルジニョーロ" (ヴィンテージ無し:2014)
生産者Feudo d'Ugni
フェウド・ドゥーニ
価格(1,400円/Glass 税サ別)
購入店Salone 2007

 上記の料理、魚の出汁とキノコの風味に合わせて出して頂いたのがこのロゼ。 表ラベルにはいろいろ細かい文字が書かれていますが、どれが重要な情報なのか全然わかりましぇん。 イタリアは難しいなぁ。 サービスの方の説明によれば、産地はアブルッツォ州、品種はモンテプルチアーノ種で造られているそうです。

 色は、普通に考えるロゼの色である薄ピンクからオレンジがかった範囲とは明らかに違っていて、 ややくすんだ朱色というか熟成ブルゴーニュみたいな色合いです。 ヴィンテージは書かれていませんが、収穫年は2014年とのこと、なのでそんなに古いワインというわけではありません。 香りもとても風変わり。「これブランデー?」な甘香ばしい雰囲気が支配的。 いかにも自然派っぽいというか、硫黄みたいな感じもあったような。 味も、ロゼというより一般的には赤に近い感じで、確かな渋味を感じます。

 いやー変わったロゼだなぁ、とビックリするワインでした。 提供温度が赤と同じでほぼ常温だったので、 やっぱりこれは「白の代わりのロゼ」じゃなくて「色の薄い赤」ですね。 この謎めいた感じは、同じく謎めいた風味の料理に合っていたように思います。

点数(75点)
Salone 2007 アミューズ2

 これは口直しなのかな?

Ristretto/ 味覚の濃縮
  牛タン・ロビオラ・フランボワーズ


 とても柔らかい牛タンの下に、ロビオラ・チーズとサルサヴェルデとピスタチオとフランボワーズのゼリー。 スプーン一口の量だけど、非常に複雑な味わい。 なんか正座して三つ指ついて食べなきゃいけないかな、って感じるくらいの奥深く高貴な感じの味わいです。

Taibane 2008 Taibane 2018 (Glass)
名称Taibane 2008
タイバーネ 2008
生産者La Biancara di Angiolino Maule
ラ・ビアンカーラ・ディ・アンジョリーノ・マウレ
価格(600円/Glass1/4 税サ別)
購入店Salone 2007

 そして、さらに未知なるワインが登場します。 このワインの産地はヴェネト州、品種はソアヴェなどに使われているガルガネーガ種、 そこまでは普通なんですが、ブドウには貴腐したものが使われていて、 かつそれを辛口に仕上げているとのこと。 ヴィンテージは2008年。自然派ってことは亜硫酸塩の添加が無いかごく少量だと思うので、 そういう意味でも大変興味のある一杯です。

 色は、いわゆる白ワインの色とは全く違いますね。 先日ワイン会で稽古したジョージア産のオレンジ・ワインに近い感じです (今回は色が特徴的なワインが多かったのでグラスの写真も掲示しています) 香りは、確かに立派に貴腐香を感じます。 超高級セメダインみたいなその香りは、それだけだったら「おぉソーテルヌですかな?」となると思いますが、 加えて乾燥アプリコットとか紅茶とか、やや乾いた感じの香りがあります。 そして、甘そうな香りなのに味わいは甘くなく、キリリと辛口。 でも、香りに騙されて甘く感じる、そういう味わいです。

 料理が一匙サイズなので、ワインも少し(その分お値段も安くされています)だったんだけど、 ちょっぴりでも存在感のあるワインでした。 こういうワインが世にあることは理解できるのですが、 それがグラスワインとして出されているって事実は師範の想像を超えてます。 きっと客層がそういうワインを求めている(=普通のワインは求めていない)人たちなんでしょうな。

点数(80点)
Salone 2007 パスタ1

 最初のパスタがこちら。

Cambiamento/ 変調
 リガトーニ・ペコリーノ・パンチェッタ


 パスタがメインを張る食材として成立することを知らされる一皿。 リガトーニの周りに玉ねぎとパンチェッタのソース、上にはチーズクロッカンテ。 「パスタのイタリア風刺身」というか、「イタリアンなホルモン焼き風パスタ」というか ・・・って全然例えになってませんけど。 周りの赤い粉はトマトパウダー。 それを絡めて食べるとまた違った味わいが楽しめるという趣向になっております。

Barco Reale di Carmignano 2013 Barco Reale di Carmignano 2013 (Glass)
名称Barco Reale di Carmignano 2013
バルコ・レアーレ・ディ・カルミニャーノ 2013
生産者Fattoria Ambra
ファットリア・アンブラ
価格(1,200円/Glass 税サ別)
購入店Salone 2007

 上記パスタに合わせて出して頂いたのがこの赤ワイン。 産地はトスカーナ州、品種はサンジョヴェーゼ主体とのこと。 ようやく普通のワインが出てきたな、という感じです。 ちなみに、使われているグラスはリーデルのものが多く、どれも大ぶりです。 やっぱりワインを飲むグラスは大きくなくちゃぁね。 香りに金払っているみたいなものだから、その香りが楽しめなきゃもったいないよね。

 今回、個性の強いワインが多かったこともあって、相対的にこのワインが一番印象薄かったりします。 覚えている範囲では、 色はサンジョヴェーゼらしい明るさのある紫色、香りには桜餅っぽい雰囲気があって、 味わいは重すぎず軽すぎず。 若いけど今飲んでもスイスイいけるバランスだった気がします。

 ちゃんとしたイタリアン・レストランのハウスワインってこういうのですよね、感がありますな。 これはいわゆる自然派ではないのかな?裏ラベルには"Contains Sulfites"と書かれています。 良くも悪くも普通の範疇の香りと味わいで、小品ながら安心感のあるワインでした。

点数(76点)
Salone 2007 メイン魚

 写真ではそうとは思えないでしょうが、ココからメインです。

Proposta/ 提案
  鱈・クルミ・ホウレン草


 一応メインの魚料理で、軽く火が通った鱈の上に、ほうれん草のソテーとパン粉、下にはクルミのソース。 量的には一口サイズ、アミューズくらいな感じです。 このお店、料理はちょっとずつなんだけど使われているお皿がデカいデカい。 やっぱり大きなお皿にちょこんと盛ると美味しそうに見えるよね。

Moscato di Noto Muscatedda 2015 Moscato di Noto Muscatedda 2015 (Glass)
名称Moscato di Noto "Muscatedda" 2015
モスカート・ディ・ノート "ムスカテッダ" 2015
生産者Marabino
マラビーノ
価格(1,200円/Glass 税サ別)
購入店Salone 2007

 そしてまたあまり普通でないワインの登場。産地はシチリア島、品種はモスカート(マスカット)です。 マスカットを使ったワインは、アルザスにはミュスカがあるし、南仏では甘口のミュスカ・ド・リブザルト、 イタリアでもスパークリングのモスカート・ダスティなんかがありますが、 イアリアのスティル・ワインは初稽古だったりします。

 色は、案外はっきりしたレモン色~黄金色。 若いワインだし、マスカットって薄緑色のブドウなんでこの色はちょっと意外。 ただ、普段の白用グラスよりはるかに大きなグラスだったんで、液体の厚みがあって濃く見えたのかも知れません。 香りは、想像通り、というか想像以上のマスカット香。 その強烈な主張を前に、他の香りの要素を拾うのは困難だったりします。 そんな甘そうな香りだけど味わいはそれほど甘くなく、かといって酸味もそんなになくて、 軽い味わいだったように思います。

 これはグラスワイン映えするワインですね。 グラス一杯だったら誰もが「面白い!」と思うんじゃないかな? これ一本で通すとちょっと飽きが来るかもだけど、 そもそも生食用のマスカットが大好きな師範と致しましては、 このマスカット香満載のワインを嫌う理由はありません。

点数(79点)
Salone 2007 メイン肉

 メインの肉料理がこちらになります。

Filosofia/ 哲学
  仔羊・トンナート・パプリカ


 これまでの料理で、唯一「そこそこしっかりした量」がありました。 子羊(のストッファート)の羊臭さがうまい具合にイタリアン・パセリや赤ピーマンと噛みあっていて、 これまた複雑なおいしさを楽しめる一皿。 この皿も周りのキャラメル・ソースを付けて食べると味わいが変化します。

a-yuzuki! N.V.[2009] a-yuzuki! N.V.[2009] (Glass)
名称a-yuzuki! N.V.[2009]
ア ユヅキ!(ヴィンテージ無し:2009)
生産者Ezio Trinchero
エツィオ・トリンケーロ
価格(1,500円/Glass 税サ別)
購入店Salone 2007

 メインの肉料理に合わせて出されたワインがコレ。産地はピエモンテ州、品種はバルベーラ。 裏ラベルを見ると、アルコール度数はなんと15%!まるで清酒のような数値です。 これもヴィンテージは書かれていませんが(VdTだと書いちゃいけないのかな?)、 2009年産のブドウが使われているそうです。

 色は、一つ前のトスカーナ産と比較すると明らかに濃い、 でも青黒くはなくて赤みのある紫色。 液体の粘性が高く、グラスの内側を垂れ落ちる涙が釉薬をかけた焼物のようです。 香りは、素晴らしく甘い果実香がバンバン。 香りのボリュームは明らかに高級ワインのそれで、 およそグラスワインで出されるクラスの香りではありません。 味もバリバリの凝縮感。アルコール度数も高いけど甘みもしっかりあって、文句なしに美味しいワインです。

 「これっていったいどういうワインなんだろ?」と思って帰って調べたら、 なんと道場稽古範囲のお値段で買えるワインなんですな。 このワインを見つける慧眼には心から尊敬致します。 これは機会があればゲットせねば、ということで、 備忘録&読者の方への情報シェアとして下記にこのワインが売られているショップのリンクを記載しておきます。

点数(85点)
Salone 2007 パスタ2

Spaghetti/ お好きな量で・・・
  スパゲッティ ポモドーロ


 ちょっとずつの多皿料理だと「おなかいっぱいになるのかね?」と心配になる部分があるわけですが、 その心配を解消してくれるのがこれ、なんと自由に指定した量のスパゲティが食べられます。 師範代が「一人前は何グラムですか?」と問うたところ、『100gですね』ということだったので、 師範代の注文量は100g。 師範はというと・・・判断力がアルコールで落ちている、というか気が大きくなっているわけですよ。 それに加えて生まれついての貧乏性、思わず「たくさん食べたほうがお得じゃね?」なんて考えて、 一人前の1.5倍、150gでお願いしました。その結果・・・

 トマトの味がとてもしっかりした美味しいスパゲティなんですが、後半はやや修行の様相を呈してきて、 やっとの思いで完食しました。 欲の皮をつっ張らかさず、少な目の量を頂いた方が幸せ度が高かったと思われます。

Salone 2007 デザート

Dolce
  アングレーズソースの中に、赤ワインのクロッカンテ、栗のケーキ、 ゴルゴンゾーラとマスカルポーネのジェラート、マロングラッセ


 結婚記念日での利用であることを前もって伝えていた (というか、予約確認の際に『何かのお祝いでご利用ですか?』と聞かれました)ので、 デザートのプレートに"Buon anniversario di matrimonio"の文字が書かれていました。 いやーありがたいですねぇ。この先も毎年こういう食事が出来る夫婦でありたいものです。

Salone 2007 お茶菓子

お茶菓子 コーヒー、お茶

 最後のお茶菓子までもがスタイリッシュです。 お茶の注文は、師範代がコーヒー、師範はローズティ。 もうおなかいっぱいで、エスプレッソとかの濃い飲み物が入る気がしなかったのでハーブティをお願いした次第でございます。

Salone 2007 エントランス

 お会計は、コース料理が5,000円×2、ワインがグラス6杯で7,400円、師範代のノンアルコールワインが赤と白で1,600円。 それに10%のサービス料と消費税が乗ってトータルのお支払いは22,000円強。 その価値が十分に感じられる満足感です。 一品目が出てくるのに時間が掛かったこと以外、 料理、ワイン、サービス、どれをとっても一流店だと言えると思います。

 特にサービス面でもちゃんとしているなぁ、と感じることがあって、 一つは頂いた料理のすべてを書いたイラストも貰えたこと。 後で道場に記載したい師範には願ってもないサービスです。 ワインのボトルも撮りやすいように置いていってくれるので助かります。
 そして、もう一つが、食事の最後にシェフが各テーブルを廻って、 食事がどうだったか聴いておられること。 そういう真摯な姿勢は素晴らしいと思います。

 そんな感じのレストランでした。ランチは特にコスト・パフォーマンスが高いので、 横浜以外から足を運ぶ価値があると思います。 ただ、『18歳以下のご来店希望の方は直接お電話にてお問い合わせ下さいませ』 とあるので、家族での利用は難しそう。 そもそもとても大人の雰囲気の店なので、家族利用できる感じじゃないしね。 子供が成人するまではまた結婚記念日にでも伺うとしましょう。

Andes Valley Chardonnay 2015
名称Andes Valley Chardonnay 2015
アンデス・ヴァレー シャルドネ 2015
生産者(V-mark)
(Vマーク)
価格368円 (Half)
購入店京急ストア 品川店

 上記のランチは結局午後4時前までたっぷり時間をかけて頂きました。 そんな感じなので、夕食の時間になってもまだおなか一杯。 そうは言いつつやっぱり家でワインも飲みたいので、 こういう時に好都合なハーフの白をチョイスしました。 このワインは、「Vマーク」という私鉄系スーパー共同企画のワインらしいです。

 色は薄めのレモン色。粘性は低くてスッキリしてそうな見た目。 香りは、ブラインドで出されたら「間違いなくソーヴィニョン・ブランっすね」と言い切ってしまいそうな、 パイナップルやパッション・フルーツっぽいトロピカルな香り。 香りのボリュームも案外しっかりしていて、良い方に裏切られてます。 味わいは、かなり甘酸っぱくてしっかりした味わい。 ハーフとはいえこれが368円というのは唸ります。

 ・・・と前半は調子良かったんですが、後半は「安ワインあるある」で、3杯目くらいからガツンと飲み飽き。 ただ、ハーフなんで4杯で飲み終わるから、処理に困る状態までにはならないのがナイスです。

 やはりハーフは使い勝手が良いと思います。 ハーフ2本で前半が白、後半が赤とかとても楽しい気がします。 日本ワインも、もっとハーフの品ぞろえを増やしたら良いのに、と心底思います。 旅先とか列車の中でチョロッとハーフワイン、いいじゃないですか。 フルボトルだといきなり「呑み助」感がハンパ無くなっちゃいますから。

 ちなみにこのワインで今月51本目。これまでの最高が50本/月だったので記録更新です。 おめでとうございます!>自分

点数70点

30日(日)

XIV山中湖 外観

 山中湖へのプチ・レジャーの二日目。右写真が今回宿泊したXIV山中湖の外観の一部。 天気が良ければ抜けるような青空と紅葉が楽しめたんだろうけど、今日も曇りがちなのが大変残念でございます。

 朝食はホテルにはお願いせずに、昨日コンビニで買ってきたおにぎり等で軽く。 師範の場合、レジャーの際の朝はこのページを書くのに大変な労力を使います。 今回も朝6時台から皆が起きてくる8時台まで、みっちり執筆しておりました。

 そんなこんなだったこのホテル、料金はプール&スパとかビリヤードとか露天風呂含めて、 家族4人で17,000円くらい。 高級感のあるホテルが安く使えてラッキーではあるけど、やっぱりお風呂の使い勝手が残念です。

御殿場プレミアムアウトレット

 宿をチェックアウトしたのが午前11時前、 道の駅的な施設でお土産を買ったりしながら山中湖を離れて、 向かったのは御殿場プレミアムアウトレット。 本日のレジャーイベントであります。

 現地に到着したのは正午前でしたが、この施設は駐車場がイマイチ。 誘導通りに進むとお店から遠く離れた臨時駐車場に案内されます。 そこだと連絡バスで行き来する必要があるので、結構なタイムロス。 それを嫌ってお店隣接の駐車場に停めようと思うと、今度は駐車場待ち行列。 今回は後者を選んで、約30分待ちでした。

御殿場プレミアムアウトレット シンガポールチキンライス

 昼食は、アウトレット内のフードコートで。 師範がチョイスしたのは、新嘉坡鶏飯という店のシンガポール チキンライス。 お値段は918円也。 チキンは肉厚で量もタップリ、タイ米を使ったライスも雰囲気があっていいんだけど、 いかんせんこの値段は高いな。680円くらいが値ゴロ感だと思います。

御殿場プレミアムアウトレット

 アウトレットと言っても師範みたいな朴念仁には特に買いたいファッション関連の品なんて特に無いわけですよ。 ところがここ御殿場のプレミアムアウトレットにはエノテカがショップを出しています。 価格的にはやや微妙(ネットのセットの方が安かったり)だったりするわけですが、 一応定番的なワインを2本と、お手軽な価格だったハーフを3本ゲットしました。

 そして、現地出発は午後4時30分ごろ。 東名高速は大井松田あたりから横浜町田まで断続的に渋滞していましたが、 そんなにひどい状態では無かったのが幸いでした。

牛角 南本宿店 外観

 そんな感じのプチレジャー、道場近所まで帰り着いたのは午後6時30分過ぎ。 ここから家で料理をしたりするのはさすがにめんどくさい、ということで、 本日の夕食は保土ヶ谷パイパス南本宿インターを降りてすぐのところにある牛角 南本宿店。 牛角といえば焼肉のチェーンとしては最大規模だと思いますが、 何を隠そう師範家で利用するのは初めてだったりします。

 師範家は待つのが嫌いなんで、 御殿場を出るころに予約の電話。 最初は午後6時30分でお願いしたんだけど、その時間は満席との回答。 7時スタートだと予約可能ということだったんでその時間でお願い。 結果、渋滞がそこそこ長くて6時30分だと間に合わなかったんで、結果オーライ7時で正解でした。

牛角 南本宿店 カルビ3種盛り

 ここで注文したメニューは以下です(価格は全て税別)。

カルビ3種盛り980円(左写真)
秘伝の塩ダレカルビ490円
タンカルビ塩490円
牛タン塩790円
みすじおろしぽん酢690円
王様ハラミ味噌にんにく790円
熟成厚切り!塩サガリ690円
レバー(味噌)490円
牛ホルモン(味噌)490円
梅チキン490円
とろレバー590円(左下写真)
やみつき塩キャベツ290円
チョレギサラダ590円
たっぷりお野菜のミニビビンバ390円
石焼ビビンバ790円
元気玉スープ450円
牛角フラッペ(抹茶)390円×2
牛角アイスバニラ0円(クーポン利用)
牛角 南本宿店 とろレバー

 最初に来たのがタン塩で、そのあまりの硬さに「もうこの店は無いな」と思ったんだけど、 その後に続いたお皿はそこそこマトモでした。 周りを見渡すと、食べ放題コースで頼んでいるグループが多いみたい。 この店はそういう感じなんでしょうね。 特に、食べ盛りの男子をお子さんに持つファミリーだと、 アラカルトは気が気じゃないでしょうからね。

 そして、もちろんワインも頂きます。

Takun Reserva Cabernet Sauvignon 2015
名称Takún Reserva Cabernet Sauvignon 2015
タクン レゼルバ カベルネ・ソーヴィニョン 2015
生産者Takún ?
タクン?
価格(1,980円 税別)
購入店牛角 南本宿店

 さすが牛角、赤ワインの選択肢が3種類程ありました。 一番安いのがハウスワインとしても使われているこのチリ産のカベルネ・ソーヴィニョンで、 お値段一本1,980円也。次なるは南アフリカ産のピノタージュで、お値段は一本2,480円也。 そのどちらかにするか、禿げ上がるくらいに悩んだけど、 やっぱりウチは「安ワイン道場」、多くの方が飲むであろう方をチョイスするのが使命と考え、 一番安いコイツを注文しました。

 テーブルに持ってこられた時の状態は、スクリューキャップはちゃんと開けられてません。 そして、温度的にはビールなんかと同じくらいキンキンに冷えておりました。 ゲンコツ程度の小さなグラスに注ぐと、 若いチリ産のカベルネ・ソーヴィニョンらしくストレートに濃い青紫色です。 香りは、熟したベリー系のフルーツ香にカベルネらしいピーマンっぽさを感じます。 ボリュームもそこそこで、温度が低くて小さいグラスでもそんなに頼りない感じはありません。 味わいは、単調ながら渋味も甘味も酸味もあって、極めて標準的なチリの赤ワイン、といった雰囲気です。

 よろしいんじゃないでしょうか。焼肉に合わせて気軽に飲む赤ワインという意味では、 必要十分な要素とクオリティを持っていると感じました。 ちなみにこの銘柄、白のシャルドネとは以前居酒屋で稽古していて、 その時の買値はなんと1本1,000円也。その値段で出されたら嬉しいですね。

点数70点

 お会計は、555円引きのクーポンを使って4人分トータルで13,000円弱。 使い勝手の良いトングが人数分用意されていたり、 大手らしい細かな気遣いを感じたりはするけど、やっぱりこの店は食べ盛りの方の食べ放題向けだよね。 ともあれ一度は経験すべき店だったので、いろいろ参考になりました。


29日(土)

山中湖

 本日から一泊二日のプチ・レジャーで、紅葉を見に秋の山中湖へ。

 道場を出たのが午前8時30分ごろ。保土ヶ谷バイパスから東名高速横浜町田インターに入るべきところ、 昨今開通した国道246との立体交差側に間違って入ってしまうアクシデント(ってほどでもないか)はあったものの、 高速に乗ったらほぼ渋滞もなく、御殿場インター経由で山中湖に到着したのは午前11時前でした・・・と備忘録。

 天気予報では昼間は晴れるってことだったんだけど、ほとんど日差しは拝めず時々小雨がぱらついたりする曇天。 おかしいなぁ、晴れ男なのになぁ。

甲州ほうとう 小作 山中湖店 店内

 昼食は、山中湖南西側の湖畔にある甲州ほうとう 小作 山中湖店へ。 開店してすぐの午前11時過ぎに行ったんだけど、もうかなり人が埋まっている状態。 そして店を出た正午前にはかなりの行列。なんだか人気店のようであります。

 店内は、古民家っぽい造りになっていて、相当広くてかなりのキャパがあります。 100人くらいは入るんじゃないかな?それが埋まるんだから大したものですな。

甲州ほうとう 小作 山中湖店 海老穴子天重

 食べたものは、「家族でシェアしよう」ということになって、下記を注文。

海老穴子天重1,300円(左写真)
かぼちゃほうとう1,150円
豚肉ほうとう1,400円(左下写真)
鴨肉ほうとう1,600円
甲州ほうとう 小作 山中湖店 豚肉ほうとう

 どのメニューもだいたい1,000円以上はするという強気の観光地価格設定です。 天重は、写真の通り非常にボリュームたっぷり。海老も穴子もサクサクに揚がっていて美味しいっちゃ美味しいんだけど、 天ぷらはかなり厚着させられた状態、衣が多くてなかなか減りません。 こういう時、「歳とったなぁ」と感じます。 そして、海老の体表面の小麦粉の一部が、まだ火が通っておりませんでした。 お客さんが多くて急いだんだろうと思いますが、これはちょっと・・・ですな。

 そして、ほうとうの方もボリュームたっぷり。 カボチャなんて、一個を六等分したくらいのがゴロっと入っています。 こちらも美味いっちゃ美味いです。 でも、正直言ってほうとうってめちゃめちゃ美味くもならなければ不味くもならないメニューだよね。 平打ち麺と野菜の味噌煮込みだからね。

 そんなこんなで、お支払いは5%の割引が効いて5,000円ちょっと。 うちら4人で4品は多すぎて、かなり残してしまいました。 その点は行儀が悪かった、と反省しております。

水陸両用バス KABA 外観

 食事の後は、本日のレジャー・イベント1、水陸両用バスのKABAなる乗り物に乗ります。 料金は、大人2,200円/子供1,100円。山中湖畔の森の中と山中湖上を約30分で遊覧します。

水陸両用バス KABAからみた山中湖

 森の中を走っている時は、ちょっと開放感のある単なるバスです。当たり前ですけど。 そして、湖の上を走っている時は、ちょっと開放感のある単なるボートです。 ただ、1台でその両方が味わえるとなると、なんだかプラスアルファの面白さがあるわけですな。 特に入水する時がダイナミックでよろしゅうございます。

 こういう水陸両用バス、横浜でも導入する話があるみたいだけど、ぜひやれば良いと思いますな。

XIV山中湖 フロント

 本日宿泊する宿は、XIV山中湖というところ。 例によって師範代の勤務先の契約保養施設です。

 基本的には会員制の宿泊施設ということで、ロビーなんかも大変豪華な感じになっております(左写真)。 そして、我々のような法人会員とオーナーさんとはレセプション・カウンターが別という、 (オーナーさんにとっては)なんとも虚栄心をくすぐられる仕様になっております。

XIV山中湖 フロント

 部屋はかなり広さのある和洋室。窓からの景色も見晴らしが良くていい感じなんだけど、 せっかくだったらもっと窓を広く取ればもっと開放感があるのになぁ、と思いましたな。

XIV山中湖 ビリヤード

 このホテルにはプール&スパがあるので、本日のレジャー・イベント2はそれだったんですが、 フロントの女性によればキャンペーン中かなにかでプール&スパにビリヤードを付けると安くなるんだとか。 ビリヤードなんて大変久しぶり。師範が学生時代に流行ったんだよね。 もちろん子供たちは初ビリヤードということで、レジャー・イベント1.5として1時間ほどナインボールをやってみました。 結果は・・・難しいねぇ。それでも家族で初ビリヤード、楽しめました。

 ビリヤードの後はスパ&プール。25mの立派なプールがありましたが、写真撮影禁止だったので写真はありません。

山中湖 紅葉まつり

 そして本日のレジャー・イベント3、山中湖畔で行われている山中湖 紅葉まつりに行ってみました。

山中湖 紅葉まつり

 「まつり」と言っても出店が並んでいたりするわけではなく、 紅葉がライトアップされてロウソクが多数置かれているだけだけど、 これが幻想的でなかなかよろしゅうございました。

ご馳走屋うちわ 外観

 本日の夕食は、山中湖の西の端にあるご馳走屋うちわという居酒屋さんで。 シックで落ち着いた外観(でも電光看板がその雰囲気をぶち壊してますが)、 古民家風で個室に仕切られた店内のお店であります。

ご馳走屋うちわ サンマ燻製

 ここで食べた料理は下記であります(値段は全て税別)。

すき焼きコロッケ560円
寄席豆腐の明太チーズ570円
アボカドのチャンジャ和え420円
サンマの燻製690円(左写真)
焼鳥おまかせ串11本1,480円(左下写真)
さつまいものスティック揚430円
シャキシャキ大根サラダ590円
北海タコの刺身680円
ゴボウのチップス揚420円(ワインの下写真)
甲州地鶏のそぼろ丼630円
ご馳走屋うちわ 焼鳥

 いわゆるチェーン店系の居酒屋にはない、なかなか個性的なメニューで楽しめます。 全体に値段もお手頃で、いろいろ取って楽しむという居酒屋の楽しさが満喫できます。

 そして、ここ山梨はワインの産地、というわけで当然ワインも頂くわけです。

山梨県国中地域収穫 地ワイン 甲州 2015
名称 山梨県国中地域収穫 地ワイン 甲州 2015
生産者メルシャン株式会社(シャトー・メルシャン)
価格(1,800円 [500ml 税別])
購入店ご馳走屋うちわ

 メニューに書かれている日本ワインは赤白各4種類。 居酒屋で土地のワインが飲める、非常にすばらしいことだと思います。 そして、まず注文しようとしたのが勝沼醸造の「杯中至楽(白)」というものだったんだけど、 あいにく売り切れとのこと。ならば、ということで、 メルシャンの「アンサンブル萌黄(白)」を注文しようとしたけど、 メニューに書かれた丁寧な説明を良く読むと「福島県産と長野県産のシャルドネを主体に・・・」書かれていたので、 せっかく山梨に来たんだからということでこちらも却下。 そんなこんなで選ばれたのが、このいかにも地ワインといった風貌の白ワイン。 品種は甲州でステンレスタンク熟成、栽培管理責任者は弦間浩一氏、醸造責任者が小林弘憲氏だそうです。

 色は、照明が暗いので良く分かりませんが、ほとんど無色に近かったような。 香りはいかにも甲州です。シュッとした鋭利な刃物のような、極早生みかんやカボスのような香り。 甲州ブドウは先々週直接食べる機会があったけど、 この香りはブドウ本来が持っているんじゃなくて、上手く醸造することによって出てくる香りのようです。 味も、シュッとした辛口。 フルーティ過ぎない味わいは、いわゆるワインの評価基準で考えれば薄くてペラいわけですが、 和風な料理が主体の居酒屋料理との相性が良いと思います。

 このワイン、量が500mlと少ないこともあって、お店での提供価格も1,800円と控えめです。 こういう試みは正しいと思うなぁ。 師範はいきなりワインでしたが、普通の人は居酒屋では「とりあえず生ビール」を数杯飲むわけで、 その後ボトルワインって量も値段も重いんだよね。 それでも500mlで1,800円だとそこからの選択肢に入ると思うわけです。

点数72点
山梨県国中地域収穫 地ワイン マスカット・ベーリーA 2014
名称 山梨県国中地域収穫 地ワイン マスカット・ベーリーA 2014
生産者メルシャン株式会社(シャトー・メルシャン)
価格(1,800円 [500ml 税別])
購入店ご馳走屋うちわ

 で、前の白は500mlかつアルコール度数11%と軽め、なのでサクサクっと飲み終わってしまいました。 さて次はどうするかで悩みましたが、せっかくの山梨&せっかくワインのある居酒屋ということで、 同じ銘柄の赤を注文。 こちらの品種はマスカット・ベーリーA、オーク樽及びステンレスタンクで熟成され、 栽培管理責任者と醸造責任者は前の甲州と同じ方のようです。

 色は薄め。でも、決して薄すぎるわけじゃ無いのね。 一般的なピノ・ノワールより濃い、とてもキレイな赤紫色です。 香りは、イチゴキャンディっぽい果実顔rに加えて、やっぱり感じるココナッツ香。 ラベルに書かれている情報によれば、オーク樽が使われているみたい。 スゴイよね、この値段のワインにオーク樽。 味は、ラベルに「ライトボディ」と書かれている通りとても軽め。 でも、赤ワインで正直にライトボディと書かれているのって結構珍しいと思います。

 軽いけど軽すぎない赤で、こちらも居酒屋料理との相性の良いワインと言えると思います。 やっぱり良いね、旅先でその土地のワインを頂くの。 日本ワインって、絶対的な価格から言えば決して安くなくて、 特に師範が普段稽古している1,000円前後なんてほぼ壊滅的だったりするんだけど、 旅先だと財布の紐も緩みます。今回のワインは全国で入手可能っぽいですが、 「その土地でしか飲めないワイン」なんてのがあればもっと良いんだけどな。

点数74点
ご馳走屋うちわ ゴボウのチップス揚

 お会計は、4人分トータルで14,000円弱。 それなりのお値段にはなってしまうわけですが、ワインを赤白飲んでこの価格と思えば、 消して高くはありませんな。 宿泊先のXIV山中湖で夕食を食べると、多分この倍はかかったと思われるからね。

XIV山中湖 部屋で焼酎

 食事の後は、ホテルに帰って隣の棟(XIV山中湖サンクチュアリ・ヴィラ)にある温泉露天風呂へ。 この露天風呂、宿泊者も有料で予約制、なのに洗い場は無くて脱衣所も屋外という大変ストイックな仕様。 正直行ってお風呂に関してはこの宿はイマイチです。 やっぱり日本人にとっては朝もスッと行ける温泉露天風呂が無いと・・・ですな。

 お風呂の後は部屋に帰って、残りの赤ワインで飲み直し。 それでもちょっと足りなくて持参した焼酎(麻友子)で飲み直し。 ワイン1リットル飲んだ後に焼酎、明らかに飲み過ぎですが、 旅で飲み過ぎるのは楽しいもんであります・・・というわけでおやすみなさい。


28日(金)

Chateau Senilhac La Prade 2011
名称Château Sénilhac La Prade 2011
シャトー・セニャック・ラ・プラド 2011
生産者Ch.Sénilhac La Prade
シャトー・セニャック・ラ・プラド
価格994円 (単品価格 1,598円)
購入店 京橋ワイン

 今月は大勢で飲む機会が多く、このワインで今月41本目。 それでも以前はもっと飲んだ月もあって、過去最高は1998年7月の50本。 あの頃は肝臓のことなんて全然気にしなかったからね・・・って、今でも気にしているようにはあまり見えないかもですが。

 それはさておき、本日チョイスしたワインはボルドーはオー・メドック産の赤。 セットの中からの最後の一本。 ヴィンテージは5年前の2011年産で、 品種はカベルネ・ソーヴィニョン55%、メルロー35%、カベルネ・フラン10%という典型的なボルドー左岸のブレンド。 ちなみに料理は鶏の治部煮、炒めたソーセージです。

 色は、まだ熟成色ってほどでもないけど、若干ガーネットを感じる濃紫色。 香りが良いですねぇ。ボリュームはそれほどでもないけど、ギュッと凝縮感のある果実とバニラとスパイスの香りがあって、 これぞボルドーな香りです。 味わいにはまだフルーツの瑞々しさが残っていて、かつ甘味があって渋味のカドが取れていて柔らかい。 存在感はあるのにスイスイ飲めてしまいます。

 小品ながら上手にまとまっていて、流石はオー・メドックのワインですな。 そして2011年というヴィンテージも熟成過程の一度目のピーク、という感じがします。 セットの割り戻し価格だと1,000円以下で、それは激しくお買い得ですが、 残念ながら現行のセットには含まれてません。 ただ、師範が買った8月の単品価格は1,598円だったものが、現在は1,274円。 その価値は十分あると思います。

点数80点

26日(水)

Robertson Winery Sauvignon Blanc 2015
名称Robertson Winery Sauvignon Blanc 2015
ロバートソン・ワイナリー ソーヴィニョン・ブラン 2015
生産者Robertson Winery
ロバートソン・ワイナリー
価格1,017円 (単品価格 1,080円)
購入店 ワイン商人 ドゥアッシュ

 手のヒビもようやく治って約一か月ぶりに水曜夕食の調理担当に復帰。 本日のメニューは、サンマの塩焼き、もやしのナムル、さつま揚げと小松菜のお吸い物、ゲンコツつくね(お惣菜)。 そういう和のメニューに合わせたのは、本日のワインもまた南アフリカ産で、 日曜に稽古した赤と同じ造り手&銘柄の白。 品種は国際品種のソーヴィニョン・ブラン。 スッキリ系を期待してのチョイスです。

 色は薄め、ソーヴィニョン・ブランらしい白木のような色合いです。 香りのボリュームはやや控えめ。鼻で嗅ぐ分にはリンゴとグレープフルーツですが、 口に含むとトロピカル・フルーツを感じます。 赤のルビー・カベルネと違ってこちらはしっかりニューワールドっぽいというか、 ハーブみたいな涼やか系ではなく暑い系の香りです。 味もどことなく暑い味わい。 甘味が強いわけでも酸味が弱いわけでも無いんだけど、 旨味と軽い苦味があるからか、スーッはと入って来ずにいきなりガッと来る味わいです ・・・って「なんだそりゃ?」な表現でスマン。

 ショップのアドバイスに『キリッと冷やして飲むべし』とあったので、 後半そうしてみると確かにその方がスムーズに頂けますな。 そして時間が経つと、なぜかアルゼンチンのトロンテスのような(フランスで言うとヴィオニエやゲヴュルツトラミネールのような) 甘やかな雰囲気が支配的になってきます。

 1,000円のワインではありますが、物足りなさは全くないしっかりした味わいのソーヴィニョン・ブランです。 そして、なぜか後半はトロンテスに化けます。赤と違って思いっきりニューワールドな雰囲気です。 なので、クオリティの高さは感じるんだけどサンマの塩焼きに合わせるにはややフルーティ過ぎる感は否めませんでした。

点数74点

23日(日)

久保田「三十周年」純米大吟醸と獺祭純米大吟醸50

 チビチビ飲んでいる清酒の情報を超久しぶりに更新。

 写真の左側が久保田「三十周年」純米大吟醸(2,160円/720ml)で、右側が獺祭 純米大吟醸50(1,539円/720ml)。 清酒に詳しい方から見ると『久保田と獺祭ってどんだけミーハー?!』って感じでしょうが、 清酒に関してはホントお子様レベルの知識と経験しかありませんので仕方がありません。 写真の背景にモッコウバラが咲いておりますが、久保田を飲み始めたのはなんと半年以上前の4月、これまで7ヵ月もかかってます。 そしてようやく無くなるそうになったので、もう一本の獺祭を抜栓。 抜栓後の期間が圧倒的に違うけど、それはそれとして飲み比べてみます。

 色はどちらも無色透明です(爆)。 香りは、久保田のほうがよりフルーティで、メロンのような香りがしっかりしています。 抜栓して半年以上経ってもこういう香りが楽しめるなんて、清酒ってのは日持ちするなぁ、と実感します。 対する獺祭は、こちらもフルーティではあるのですが、よりダイレクトに麹の香りというか甘酒みたいな香りがします。 味わいは、さすがに半年も経つと久保田の方はアルコール感が弱まって柔らかい味わい、 対する獺祭は強さがあります。 甘味や酸味も獺祭の方が強くてシャープなのも、そもそもの差というより抜栓後の期間差のような気がします。

 さすがに状態が違い過ぎるんでどっちが好きかの優劣は付けかねますが、どちらも好きな系統です。 やっぱり師範はこういう「すっきりフルーティ」系統が好きなんですな。 そもそもそういうのが良きゃ大人しくワイン飲んどきゃ良いじゃん!ですけど、 一流の清酒がこの値段で手に入るのはワイン観点ではたいそう羨ましかったりします。

 ともあれこれまではワインの前にはビールでしたが、 これから冬にかけて寒くなり鍋料理とかが増えてくると、 清酒の登場頻度も増えてくるものと思われます。 次はどこの何にしようかね?この系統でお薦めはありますかね? ってか清酒も「飲んだリスト」を作らないと自分でもこれまで何飲んだか覚えてないな。

Robertson Winery Ruby Cabernet 2015
名称Robertson Winery Ruby Cabernet 2015
ロバートソン・ワイナリー ルビー・カベルネ 2015
生産者Robertson Winery
ロバートソン・ワイナリー
価格1,017円 (単品価格 1,080円)
購入店 ワイン商人 ドゥアッシュ

 ちょっと前も書きましたが、 最近、Twitterでフォローさせて頂いている方々の間で 南アフリカ産が大人気の模様。 ただ、そこで語られているワインって、師範のような安ワイン者からすればちょっとお高いクラス。 ブームが定着するためには、やはり1本1,000円前後のクラスが質・量ともに充実している必要があると考えます。

 そこで師範は己の守備範囲で集中検証すべし、ということで、 南アフリカワインを多く扱っておられるドゥアッシュさんの「南アフリカワイン 店長おまかせ6本セット」を買ってみました。 「おまかせ」とありますが、銘柄は公表されているのでヤミ鍋的なセットではありません。 そこからの一本目がコレ、カベルネ・ソーヴィニョンとカリニャンを交配した南アフリカ固有品種のルビー・カベルネの赤。 インポーターは南アフリカワイン専門に取り扱っておられるマスダさん。 本日の夕食メニューである鶏手羽の唐揚げ、トマトとブロッコリーとキュウリのサラダ、食後の大学芋に合わせて頂きます。

 色は、結構情け容赦無いレベルで濃い紫色。「ルビー・カベルネ」なんて名前だから、 カベルネ・ソーヴィニョンより明るめを想像したんだけど、そんなこと無くて黒に近い真紫です。 香りは、非常にカベルネらしい青い野菜っぽい香りに、カシスやブルーベリーの果実香、 そしてなんとなくシラーズみたいなスパイシー系の雰囲気もあります。 「こりゃ手強いだろうな」と口に含むと案外軽くて若干拍子抜け、でも構成はしっかりしていて剛性感のある味わい。 糖度7.9/pH3.6は奇しくも先週水曜に稽古したスペイン産と同じですが、 受ける印象は全く異なります。

 南アフリカというとニューワールドの仲間に思えますが、このワインから受ける印象はまるで南仏のワインみたいな感じです。 ちょっとクセのある香りと軽めの味わいは、結構好き嫌いが分かれるかもしれませんが、 ポテンシャルはしっかりあるし1,000円という値段で個性のしっかりしたワインが飲めるということで、師範の感覚ではグッドグッドです。

点数74点

22日(土)

Gavi 2013 [Cossetti]
名称Gavi 2013
ガヴィ 2013
生産者Cossetti
コセッティ
価格1,080円
購入店 イオン天王町店

 本日の夕食は、今シーズン初の鍋。鍋種は毛ガニしゃぶやぶと豚ロースしゃぶしゃぶ、あとは各種野菜。 めちゃくちゃな取り合わせだけどそれでも美味いのが鍋のメリットですな。 特に鍋種がいろいろだと最後の雑炊が超ナイスです。

 そしてワインは、近所のスーパーで買ったイタリア産の白。 銘柄の分からない福袋的なモノに入って売られてました。 そういうのって普段はあまり手を出さないんだけど、 そもそもはひとつ1,800円だったのが売れ行きが悪いみたいで一袋1,080円に値下げされていたんでゲット。 大当たりは赤だとサッシカイヤ、白だとシャブリの特級だったと思います。 「元々が一つ1,800円ということは、多分ボトムの品でも定価2,000円くらいのが入っているんだろうから、1,080円ならボトムでもアリだろ」 と思って買いました。 で、開けてみると入っていたのはコイツ。多分ボトムの品ですな、チーン ・・・と思ったけど、調べてみたら定価3,000円くらいするワインなんですな。 だとすればそんなに落胆する必要もないですね。

 色は薄め、かつかなり緑色っぽさを感じる若い感じの色合い。 ボトルやラベルから感じる色そのままワインの色です。 香りはとても弱め。裏ラベルには「パッションフルーツや落花生の香り」とありますが、思いっきり「???」です。 少なくともパッションフルーツは無いです。落花生はあるかも。少なくともフルーティさというのは香りからは感じません。 味も、フルーティさはなくてミネラル感が主体、甘さはほとんど感じず硬質な印象です。 ちょっと後味にうま味調味料的なニュアンスが残るのもあまり好きではありません。

 不味くはないけど楽しくないワインです。多分昔はもっと良かったと思われます。 そこで「あ、なぁるほどねぇ」です。いわゆる終売のディスカウント代わりに福袋に組み入れたんじゃないかと想像します。 そういうリスク含みで買ったんで後悔はありませんが、 以後はこの手の遊びには手を出さない、と胆に銘じたところでございます。

点数64点

21日(金)

Villa Due 外観

 本日は、勤務先のワイン好きなメンバーで集まっての持ち寄りワイン会。微妙にメンバー変遷しつつ会を重ねること21回、 前回の開催が5月だったので5か月ぶり。 今回の参加者は過去最大の9名。 年齢もワインの知識も経験も人それぞれ、 いわゆる「ワイン会」と言われる会の中ではかなりユルい集まりだと思います。 ちなみに初回はこの時なんでもう6年くらい前。 その時はこんなに続くとは思ってもみませんでした。

 お店は、今回初めて利用させて頂くVilla Due(ヴィラ・ドゥーエ)というところ。 JR神田駅と新日本橋駅の中間くらいの場所にあります。 フロアは、師範らが利用した30席くらいのオープンキッチン・ダイニングと、別にワイン会専門の部屋もあるみたい。 なんかそういう用途に特化した感じのお店であります。

Riesling Signature 2013 [Rene Mure]
名称Riesling "Signature" 2013
リースリング "シニャチュール" 2013
生産者René Muré
ルネ・ミュレ
価格--
購入店(Yjさんから)

 最初は当然泡から、という計画になっておったわけですが、 なんとその泡が凍っている、という事態発生。 職場の冷蔵庫の冷凍室と野菜室を間違えて入れたんだとか。あはははは。ワイン会あるある・・・って普通無いっすね、そういうこと。

 というわけでいきなり白からスタート。この白は、この会が始まった時からいつも幹事役をやって頂いているYjさんが持参されたもの。 いつもお世話になっておりやす。恩返しに師範はいつも書記役を買わせて頂きやす。 ワインはアルザス産のリースリングで、造り手はルネ・ミュレ。 この造り手のワインは過去何度か稽古しておりますが(コレとか)、 リースリング種とは初稽古であります。

 色は薄めの麦わら色。香りは、いかにもリースリング種らしいジッポのオイルのような石油香と、 キンモクセイのような華やかな香りがあります。典型的なアルザス産リースリングの香りですな。 味も、香りの甘やかさと比較すると酸味強めでややシャッキリ系ですが、 それでも比較的甘さもあったように思います。

 香り華やかで、シャープになり過ぎない程度にスッキリした味わいで、料理に合わせやすいワインですな。 やっぱり好きだなぁ、アルザス。 師範にとって「ワインってヤツは美味い飲み物だ」と気づかせてくれた土地であります。

点数(75点)

Saint Clair Pioneer Block 11 Cell Block 2014
名称Saint Clair "Pioneer Block 11" Chardonnay 2014
セント・クレア "パイオニア・ブロック11" シャルドネ 2014
生産者Saint Clair Family Estate
セイント・クレア・ファミリー・エステート
価格--
購入店(Ysさんから)

 白がもう一本。Ysさんが持参されたニュージーランド産のシャルドネ。 ラベルにいろんな情報が書かれている、「セント・クレア」という造り手によるもの。 一見汚れているように見えるラベルですが、そもそもこんなデザインのようです。 いろいろ個性を際立たせようと造り手側も大変ですな。 道場でも過去、ピノ・ノワール(ブロック4)とは稽古しておりました。 「ブロック XX」ってのがそれぞれの品種が植えられている区画なんですかね?

 色は薄めで、前のリースリングとそう大きな違いはありません。 香りも、鼻で嗅ぐ分には比較的おとなしめ。 ただ口に含むとビックリです。「無慈悲な樽香」が襲って来ます。 キャラメルみたいな香りが口いっぱいにひろがります。 それに呼応して、味わいもちょっと甘味を感じるバランスになっていて酸味は控えめ。 軽い渋味のような収斂性があるので、ゆるい印象ではありません。

 まるで「古き良きカリフォルニアのシャルドネ」のような、バリバリに樽香の効いたワインでした。 オーストラリアあたりだとありがちだけど、ニュージーランドでは珍しいよね。 一人で一本だと辛いかもですが、こういうのはワイン会映えします。

点数(78点)
Villa Due スープ

 最初の料理がコレ。

 南仏風野菜のスープ 小エビのソテー

 角切り野菜と小エビが入った具だくさんのスープです。 結構しっかりめの味付けがされているので、スープだけど酒の肴になります。

Rkatsiteli Tsarapi 2013 Rkatsiteli Tsarapi 2013 (Glass)
名称Rkatsiteli Tsarapi 2013
ルカツィテリ ツァラピ 2013
生産者Our Wine
アワ・ワイン
価格--
購入店(Fjさんから)

 次なるワインはかなりの変化球、Fjさんが持参されたジョージア(旧グルジア)産のワイン。 ジョージアはワイン発祥の地ともいわれているらしいですが、この国のワインは道場初登場であります。 「だいたいジョージアってどこよ?」って話ですが、調べてみると黒海を挟んでブルガリアやルーマニアの東側対岸、 なるほどそういう緯度であれば良いワインも造れそうですな。 品種はルカツィテリ100%とのこと・・・もちろん聞いたことないです。 っつーかラベルの左半分は知らない文字ゆえ読めません。 全部この文字で書かれていたら記録係としてはお手上げです。

 色は、普通のワインでは見ることのないオレンジ色(珍しい色なんで写真を添えました)。 軽く濁りがあって、いかにも「自然派ワイン」って感じではあります。 香りは、キャンベルとかのブドウの皮目にあるような香り(上手く言い表せません)と、 なんとなくオレンジピールのような香りもあって、見た目同様香りもかなり独特です。 更に独特なのがその味わい。 ツンッと舌を刺すような産による痛みにも似た感じは、なんだかバルサミコ酢を口に含んだ時のよう。 酸味以外にも明らかに渋味があって、苦味のような感じもあったりで、非常に複雑な味わいです。

 色、香り、味、どれをとっても風変わり、文字通り「色モノ」なワインでありました。 持参されたFjさん宅では最近コレにハマっているんだとか。なんとなく判ります。 慣れない師範は面喰ってしまいましたが。

点数(73点)

Nuits Saint-Georges 1er Cru Aux Boudots 2009
名称Nuits Saint-Georges 1er Cru "Aux Boudots" 2009
ニュイ・サン・ジョルジュ・プルミエ・クリュ "オー・ブド" 2009
生産者Dom. Jean Grivot
ドメーヌ・ジャン・グリヴォ
価格--
購入店(Nkさんから)

 変化球の後はいきなりド直球、Nkさんが持参されたニュイ・サン・ジョルジュの一級畑、 造り手は名門ジャン・グリヴォであります。 今回、ピノ・ノワールはこの一本。この他のワインも、ことごとく品種構成や産地が違っています。 比較して飲むのも良いけど、こういうユルいのも良いねぇ・・・って飲めりゃ結局何でも良いわけですがね。

 色は、ピノ・ノワールとしては結構濃いめ。特にニュイ・サン・ジョルジュとしてはかなり濃い方だと思います。 香りは・・・閉じてます。特に注いですぐは、茹でトウモロコシみたいな香りしかしなくて、「えぇ?」って感じ。 味わいは甘味も酸味もあって、とても良くできたピノ・ノワールと思われるんだけど、この香りは想定外でした。

 置いとけば開くかと思い、グラスに入れた状態で結構な時間放っておいたら、それなりには開きました。 ただ、どうしても内向的な香りでパーッとした感じはありませんでした。 そして、香りが開く代償として味わいは痩せていくんで、それはそれでガッカリだったりします。

 正直今回のワインの中ではこのワインに一番期待していたわけですよ。 それが熟成の谷間なのか、ボトル・コンディションなのかは判りませんが、 ちょっと残念な内容でした。 絶対値としてはそれなりに美味いんだけどね。勝手に期待しちゃったからね。

点数(77点)
Villa Due 魚料理

 次の料理がコレ。

 コショウダイのポワレ ゴボウのソテー 焦がしバターのソース

 コショウダイってちゃんと食べるのは初めてな気がするけど、 マダイより「鯛っぽさ」が控えめで、どちらかというとメダイみたいな雰囲気を感じます。 この皿でグッドだったのがゴボウのソテー。 ゴボウの野趣あふれる土臭い風味は、ワイン全般に合うと思われます。

Chateau Les Maurines 1991 Chateau Les Maurines 1991 (Glass)
名称Chateau Les Maurines 1991
シャトー・レ・モーリーヌ 1991
生産者Ch Les Maurines (Dominique Hessel)
シャトー・レ・モーリーヌ (ドミニク・ヘッセル)
価格--
購入店(Mtさんから)

 次なる赤は、いつも年季の入ったワインをお持ち頂くMtさんから。 今回の一本は1991年産のボルドーで、なんと20年以上前に買ってからずっと"常温の"倉庫に置かれていたというもの。 さすがにそりゃ厳しいだろう・・・と飲む前から想像しておったわけですが・・・

 色は・・・皆さん見てください!って感じで右上写真。 当然エッジにはレンガ色のグラデーションがありますが、まだまだ全然元気な色のように感じませんか? 香りは、グラスに注いですぐは「良いじゃんコレ!」な感じで、まだフルーツの香りが残ってたんですよ。 それが、あっという間に奈良漬みたいな香りになって、さらには紹興酒みたいな香りに変化。 急激に落ちていきました。 味は小さく柔らかく、小柄なおばあちゃんといった味わいです。

 このワインから言えるのは、「常温で長期間保存してもボルドーの赤だと案外平気」ということですね。 ただ、さすがに終わりかけというか断末魔な感じはしました。 もちろんそれは「若いモン好き」な師範だからかもで、 老け専なワインマニアな方だとまだまだイケるのかも知れません。

点数(70点)

Francis Coppola Rosso & Bianco Rosso 2014
名称Francis Coppola "Rosso & Bianco" Rosso 2014
フランシス・コッポラ "ロッソ&ビアンコ" ロッソ 2014
生産者Francis Ford Coppola Winery
フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー
価格--
購入店(Ktさんから)

 最初に飲むはずだったスパークリングがフランシス・コッポラのものだったので、 『コッポラ繋がりで・・・』とKtさんが持参されたのがこれ、「ロッソ&ビアンコ」シリーズの赤。 調べたところ、品種構成はシラー (26%)/カベルネ・ソーヴィニヨン (26%)/ジンファンデル (24%)/プティット・シラー (24%) というカリフォルニアらしい面白いブレンド、 というか銘柄が"Rosso"なのにサンジョヴェーゼみたいなイタリア系品種は無いのが不思議ですな。

 色は、前のボルドーと比較して、濃さは同程度なんだけど明らかにストレートな紫色です。 香りは、いかにもアメリカ~ンな感じ。生のブドウやベリーっぽさをダイレクトに感じて、美味しそうな香りです。 味わいも香りの印象通りで、甘さがあってスムーズ、それでいてアフターも長く、きちんとまとまっています。 この人懐っこさはジンファンデルの特徴が出ているのかも知れません。

 ヤングな婦女子に『飲みやす~い』と言われそうで、いかにも万人受けしそうなワインです。 ここまでのワインがどちらかというとクセが強い系だったので、「あぁコレよコレ!落ち着く~」とスッと胃の中に入っていきました。

点数(79点)
Villa Due パスタ

 パスタがコレ。

 ウサギと茸のラグーで絡めたペンネ

 やはりここの味付けは胡椒と塩味がしっかりついていて、いかにも「ワイン会仕様」といった感じ。 ちょこちょこつまみながらワインを飲むには大変ナイス。 酒飲まない人にはしょっぱすぎると思われますが、多分そういう人には味付けを変えるのではないかと思われます。

Chateau Musar 2003
名称Chateau Musar 2003
シャトー・ミュザール 2003
生産者Gaston Hochar
ガストン・ホシャール
価格£21.49 (約3,300円)
購入店 World Duty Free Heathrow

 ここでようやく師範が持参したワインの登場。 今回チョイスしたのは春に英国出張した際にヒースロー空港で買ってきたもので、 レバノン産ワインのシャトー・ミュザール。 この銘柄は16年前に1993年産と稽古済み。16年ぶり2度目の登場。 ちなみに品種はカベルネ・ソーヴィニョン、カリニャン、サンソーらしいです。

 色は、思ったほど濃くなくて、大き目のグラスにタップリ注いでも向こうが透ける程度。 それなりに年季の入ったワインを当日持参すると澱が舞うリスクがあるわけですが、 このワインに関してはそんなに澱も無くて澄んでました。 エッジ部分にオレンジ色があって、良い感じに熟成していそうな見た目です。 香りは、最初に受ける印象は「ボルドーかな?」なんだけど、 ボルドーにしては明るめというか、どことなくイタリアのスーパー・トスカーナ的な雰囲気もあります。 口に含むと、ドライフルーツのような柔らかな甘みがあって、素直に美味しいワインだと感じます。

 とても良くできたワインで、飲み頃もバッチリだったと思われます・・・と自画自賛(もちろん「自画」じゃないんですが)。 1年半前のこの会に持参したイスラエル産同様、 この地域のワインは今後伸びると考えています。もちろん地域の政情が安定するのが前提ですが。

点数(84点)

Stags' Leap Winery Napa Valley Cabernet Sauvignon 2013
名称Stags' Leap Winery Napa Valley Cabernet Sauvignon 2013
スタッグス・リープ・ワイナリー ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニョン 2013
生産者Stags' Leap Winery
スタッグス・リープ・ワイナリー
価格--
購入店(Ksさんから)

 カリフォルニア・ワイン・フリークのKsさん (Ksさんのブログ) が持参されたのが、このカリフォルニア産のカベルネ・ソーヴィニョン。 スタッグス・リープのワインに関しては、 「パリスの審判」で並み居るボルドーの一級シャトーに勝利した"Cask 23"と 「師範は稽古したことがあるんだぜ!」 と高らかに自慢しようと企んでおったわけですが、 Ksさんによれば"Stags' Leap"ってのは地名で、 Cask 23の"Stags' Leap Wine Cellers"と、 この"Stags' Leap Winery"とは別の造り手なんだと。 へぇ~知りませんでした。 そして、Ksさん的にはお値段の高い"Wine Cellers"より、こちらの"Winery"の方がお好きとのこと。 そこまでお詳しいんだったら師範が自慢する隙は全くありません(恥)。

 色は、間違いなく黒に近いくらいの濃い紫色。全く向こうは透けません。 香りのボリュームも申し分なく、ギュッと締まった黒い色のフルーツと、トーストバニラのような香ばしさ、 そういう濃い香りがガツンと来ます。 味も良いですねぇ、濃いけど重くない、強いけど固くない。 カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニョンに期待する「剛&柔」な姿がまさにここにあります。

 良いっすねぇ、しっかりしたカリフォルニアのカベルネ。 これも「ワイン会映え」するワインの一つですね。 一人一本近く飲んでいて軽くヘベレケな状態の脳ミソに、 しっかり記憶のクサビを打ち込んでくれました。

点数(85点)
Villa Due 肉料理

 メインの肉料理がコレ。

 青森牛のカイエット 赤ワインのソース

「カイエット」とは細かくした肉などを網脂で包んで焼いた料理ということで、 要するにレアなハンバーグ的な味わいです。 肉々しい感じは赤ワイン全般に合うと思います。この料理は大変美味しゅうございました。

 ただ、下のオレンジ色のペーストが何なのか、シェフっぽい方に伺ったら、 『ニンジン!』と吐き捨てるように言われたのが大変に謎。 なんか気に障るようなこと言いましたっけ?

Francis Coppola Sofia Blanc de Blancs 2014
名称Francis Coppola "Sofia" Blanc de Blancs 2014
フランシス・コッポラ "ソフィア" ブラン・ド・ブラン 2014
生産者Francis Ford Coppola Winery
フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー
価格--
購入店(Ngさんから)

 結局、凍ったスパークリングはデザート・ワインっぽく最後に頂くことになりました。 今回初参加のNgさんが持参、映画監督「フランシス・コッポラ」が娘さんの名前を付けたスパークリングですな。 Ngさん曰く『コッポラ監督がソフィア結婚の際に手がけたというのと、エチケットをみてつい買ってしまった』とのこと。 確かにローラ・アシュレイみたいななラブリーなラベルは、大変女子ウケしそうであります。 品種はピノ・ブランを主体にリースリングとマスカットを少量ブレンド、 シャルマ方式(タンク内二次発酵方式)で造られているようです。

 色は薄め、そして泡立ちも一般的なシャンパーニュと比較すると少な目だったように思いますが、 泡立ちに関しては「凍らせた」という影響もあると思われます。 香りは、とてもリンゴっぽいフレッシュ・フルーツな感じ。 イーストっぽさみたいなのは感じません。 味わいも、軽くて甘酸っぱくてまるでシードルみたいです。

 最後なんであまり覚えちゃいないわけではありますが、軽くてスッキリなスパークリングだったようです。 ま、ガッツリ重くてパワフルなワインに可愛い自分の娘の名前を付けようとは思いませんわな。 アペリティフでも良いでしょうが、今回みたいに最後に飲んでも楽しいワインでした。

点数(75点)
Villa Due コルク

 というわけで9人で9本、一人一杯ずつでワイン会としてはちょうど良かったんじゃないですかね? 次回はMtさんがミュジニーを持参して、Nkさんがレザムールスするというシャンボール・ミュジニー対決とのこと、 しかと聞き届けました(笑)。 というわけでまた次回、よろしくお願い申し上げます。


19日(水)

Jurgo 2001
名称Jurgo 2001
フルゴ 2001
生産者Grandes Bodegas (Marques de Velilla)
グランデス・ボデガス (マルケス・デ・ベリージャ)
価格799円
購入店 ヴェリタス

 本日のワインは、今年の初めにも稽古していて、 今のところ、今年の『安ワイン道場Presents "3桁ワイン・コンテスト" 金賞受賞』候補のスペイン産。 普段の販売価格は(10/19現在も)ぎりぎり3桁の999円だけれども、 コレを買ったときはセール対象で799円だったので、めったにリピート買いしない道場ですが追加購入。 料理は、食前にナスのお漬物、そしてハンバーグ、レタス(高い!)とトマトとキュウリの韓国風サラダ。 今週までは指の障害により水曜も師範代に調理担当をお願いしております。希望的観測では来週には師範の指が全快予定。

 色は、澄んだ濃さで小豆色ベースにエッジが僅かにレンガ色、それでも15年も前のワインとは思えない若さを感じる色合い。 香りはやっぱり素晴らしい。 一瞬「熟成ボルドー?」と思う煮豆と黒っぽい果実の香りがするけど、 やはりボルドーのそれとは異なるチェリージャムみたいなシャープな明るさと、「木と接着剤」のような家具屋の香りもあったり。 それに加えて軽くヤニっぽいスペインらしい雰囲気も感じます。 いろいろ書いてますが、とにかく複雑で深みのある香りに唸らされます。 味は、香りの充実具合と比較すればややシンプルで、悪く言えば若干ヘタレ感のある味わいだけど、 良く言えば渋味おだやかで甘味もあって酸味の下支えもある、スムーズでバランスの良い味わいとも言えます。

 なんだかんだ800円でこのクオリティに出会うことはめったに無いと断言できます。 2001年産も1999年産もまだ在庫があるようなので、次にこの店を利用する機会にまた買い足したいと目論んでおります。 読者な皆さんも是非に!と推薦したいところではありますが、リスクとしてやや退廃的な印象を受けるワインでもあります。 だもんで、熟成ワインを飲みなれていない方にとっては『埃っぽくてなんじゃコリャ?!』な可能性もあって、 そのあたりは自己責任でお願いします。

点数83点

16日(日)

Bourgogne Montre-Cul 2010
名称Bourgogne "Montre-Cul" 2010
ブルゴーニュ "モントル・キュ" 2010
生産者René Bouvier
ルネ・ブーヴィエ
価格2,335円 (単品価格 3,002円)
購入店 京橋ワイン

 良いワインをたらふく飲んだ翌日のワイン選びにはいつも頭を悩ませます。 本日の方針は、「昨日は飲まなかった品種」ということで、ピノ・ノワールからチョイスしました。 ACブルゴーニュなのに単品価格は3,000円強という強気の値付け、 2010年産というちょっと古めのヴィンテージ、 吉と出るか凶とでるか、やや博打含みですな。 ちなみに料理は鶏のから揚げ、揚げナスと小松菜の炒め物、ピクルスであります。

 色は薄めの紫色で、いかにもブルゴーニュのピノ・ノワールといった感じですが、 色調的に若干青みがあるかも。 そして、ややオレンジがかった感じがエッジに見て取れて、そこそこ熟成感もあります。 香りのボリュームは強くなく弱くなくで中程度。 赤いベリーや梅っぽいトーンの高い果実香が中心で、これまたお約束の革っぽい香りもあります。 味わいはかなり軽め。ほんのり甘酸っぱい味わいは、昨日飲んだマスカット・ベーリーAなんかよりももっと軽いんだけど、 まろやかで染み入るような美味しさはさすがブルゴーニュといった感じです。

 香りそこそこ複雑で味わいのバランスも悪くなく、「プチ熟成ブルゴーニュ」としてアリな一本。 でも、税込み価格で微妙にだけど3,000円を超えるのは、ちょっと「ウッ」となります。 2,580円なら納得、1,980円だったら上等、ってくらいの値ごろ感ですかね。 ですんでセットの割引を考慮した買値相当額の2,335円は「納得+α」です。

点数78点

15日(土)

特急かいじ103号

 本日は、サントリーさんにお招き頂いて、山梨県にあるサントリー 登美の丘ワイナリーへ収穫体験に。 ここんとこサントリーさんとの付き合いが多く、癒着が疑われる安ワイン道場ではありますが、 「ご接待は受けてもワインの評価には色を付けぬ」という甚だ手前勝手なポリシーにて臨んでおります。 ともあれ春に訪問した際はまだ芽吹く前だった畑がどうなったか、興味津々で参加しました。

 サントリーさんから頂いた列車の指定券は、新宿駅10:30発特急かいじ103号甲府行き。 ワインのサイトなんだから別に列車の写真まで載せる必要は無いのでは?と思われましょうが、 師範には微量の鉄分を含んだ血が流れていますので(祖父は鉄道員でした)、やっぱり列車の旅はウキウキしてしまうわけであります。

日本ワイン サントリーのページ

特急かいじ103号での汽車弁

 列車は定刻で発車、まだ午前中ではありますが『昼食は済ませて来てください』とのことだったので、 いきなり弁当とビール。 弁当は、新宿駅の駅ナカにある成城石井で買った鮭のり弁当、税込み540円也。 酒の肴になりそうなおかずが多そうで安かったんでコレにしました。 ビールは、サントリーさんに敬意を表してプレミアムモルツ 500ml缶。 普通に美味しいプレミアム・モルツですが、缶から直接飲み物を飲むのって難しいなぁ、と感じました。 そういえば最近は缶から直接飲むことってほとんど無いからね。 家で缶ビールを飲む時はかならずグラスを使うし、お茶やソフトドリンクの類は大抵ペットボトルだし。 (この時みたいに)列車にもマイ・グラスを持参すべきだったかも。

登美の丘ワイナリー 風景

 甲府駅にて同行する皆さんと合流、そこからバスで移動して登美の丘ワイナリーに到着したのは午後1時過ぎ。 本日の登美の丘は快晴でした。師範含め皆さんの日頃の行いが良いのだろうと思われます。

 本日の主な目的は収穫体験だったのですが、今年はブドウの成熟が早く、 また9月末に台風が連続で接近したこともあって、例年より2週間くらい早めに収穫が終わったそうです。 だもんで収穫体験は無し。残念!

登美の丘ワイナリー カベルネ・ソーヴィニョンの畑

 それでもせっかくなんで畑を見に行きます。 今回もこのワイナリーのドン、渡辺ワイナリー長じきじきに案内して頂きました。 写真は登美の丘の最上部、標高600mくらいの尾根にあるカベルネ・ソーヴィニョンの畑。 画面右端に富士山が見えております。

 ここではブドウの樹全体を覆うように雨除け(レインカット)がされています。 隣のシャルドネの畑では、ブドウの房が付くすぐ上部で雨除け。 風向きによってやりかたを変えているんだとか。 そういうテクニカルな面が大変興味深いっすね。

登美の丘ワイナリー ブラック・クイーン

 収穫自体は終わってましたが、一部実が残っている樹もありました。 写真はブラック・クイーン。 時期が遅れて開花した分の実だったり、脇芽からできた部分の実は熟すタイミングが違うので収穫しないんだとか。 数粒食べてみましたが、これがとても甘くてとても酸味がしっかりなのね。 なるほど生食用のブドウとは全然違う、というのを実感しました。

 この畑の隣には、棚栽培のメルローがあって、そこにもわずかに実が残っていたので食べてみましたが、 甘さはしっかりで同程度なんだけど酸味がかなり控えめ、味わいが全然違いました。 こりゃ出来るワインも違うものになるわな、とリアルに感じることができたのは、 収穫体験は出来なかったけど大収穫でありました。

登美の丘ワイナリー 甲州

 この写真は、収穫作業は終わったんだけど我々のために(?)一区画だけ収穫せずに残しておいてくれた甲州です。 甲州種の品種的な特徴は、ブドウの房が大きく、皮が厚いこと。 いわゆる国際品種と比較すると雨に強いので、べレゾン(ブドウが色づくこと)後はあまり心配しなくていいんだけど、 べレゾン前にはベト病に注意する必要があるとのこと。 ここ登美の丘ワイナリーでは、そういった品種的な強みを活かす意味で、甲州の栽培面積を増やして行く、とのことでありました。

 で、数粒食べてみましたが、確かに甘い。でも、甲州種を使ったワインにある、あのシュッとした香りは感じなくて、 生食用の「甲斐路」なんかとそう違わない印象。 渡辺所長によれば、そういう香りは醸造によって生じるんだとか。なるほど勉強になりやす。

登美の丘ワイナリー 瓶詰機

 畑を見た後は、醸造作業エリアの見学。 来週から始まる新酒の瓶詰めにスタンバイ状態の瓶詰機。 このエリアは、周りより空気圧が高められてゴミやほこりが入らないようになっているのに加えて、 ボトルが動いていくラインの部分のみに囲い(オレンジ色の部分)をしてさらにゴミが入るのを防いでいる、という念の入れよう。 そういうクオリティ・コントロールの思想はまさに製造業ですな。 ワイン造りは農業と製造業が絡み合っているところがいかにも面白くて奥が深い、と感じます。

登美の丘ワイナリー 樽熟庫

 見学コースの最後が樽熟庫と瓶熟庫。 ここのフラッグシップ・ワインである「登美」などが寝かされているそうです。 「登美」や「登美の丘」の場合、新樽比率は3割~4割(フランス産の樽使用)、樽熟期間は半年~3年とのこと。 方向性としては、ブドウの素直な良さを表現するために樽のかけ方は軽めにしていくそうです。 確かに「樽効かせ過ぎ?」と感じるものもこれまであったんで、 納得のいくところであります。

登美の丘ワイナリー 試飲したワイン

 見学終了後、お待ちかねの試飲タイムでございます。 今回試飲したのは、ここ登美の丘ワイナリーで造られており、現在販売されている4種、これから販売される1種、 出来立て2016年産でまだ出荷されない2種の計7種。 特にこういう新酒なんてのはワイナリーでしか飲めないので貴重な体験。ありがたい話でございます。

 今年の作柄は、9月に連発で台風が来たりして天気が悪かったのでダメだったのかと思ったら、 意外とそうでもないそうです。 特に、梅雨に雨が少なくて8月半ばまでは良いコンディションだったので、 収穫の早い品種に関しては良いヴィンテージだったそう。 病気で選果したものが一部あったものの、収量に関しても例年とさほど変わらないとのこと。 ちょっと安心しました。

サントリー ジャパンプレミアム 甲州 2015 サントリー ジャパンプレミアム 甲州 2015 グラス
名称サントリー ジャパンプレミアム 甲州 2015
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考価格:1,683円 @amazon)
購入店 (登美の丘ワイナリーから)

 まずはジャパンプレミアム・シリーズの甲州種からテイスティング。 現行品と出来立て2016年ヴィンテージを比較するスタイルで飲んでいきます。 テイスティングなんで、ワインを口に含んで吐き出すことも出来るけど、 貧乏性の師範にはそんなこと出来るはずもありません。

 色は非常に淡い、無色に近い薄黄色。渡辺所長曰く、甲州種はそもそもそういう色になるブドウで、 やりようによってはオレンジっぽい色を出すことも出来るんだけど、サントリーさんではやらないんだとか。 なるほど。 そして香りは、涼しげな青リンゴと柑橘系の雰囲気。またまた渡辺所長の言葉を借りれば『極早生のみかんのような香り』だとか。 さすがプロ、上手いこと言うなぁ。 味わいは、甲州種独特のキリリとした感じが強く出ていて、甘さのない清酒のような透明感。 軽く収斂性もあるので、飲んでてシャキッとします。

 いかにも日本ワインらしい、甲州種の特徴が良く出たワインです。 こういうワインが居酒屋なんかで2,800円くらいで飲めるようになると、 日本のワイン事情も変わると思うんだけどなぁ。

点数(75点)
サントリー ジャパンプレミアム 甲州 2016 グラス

 そしてこちらが今年出来た甲州のワイン。収穫は9月20日から始まって、10月の初旬まで続いたそうです。

 出来立てワインということでまだ軽く濁ってますが、色自体は2015年より濃いかも。 香りは、2015年よりも南方系というか、パイナップルやバナナの雰囲気を感じます。 この香り(エステル香)は時間が経つと消えていくらしいですが、いかにも新酒っぽくてこれはこれで悪くない香りです。 味わいに関しても2015年より旨味があって、後半に厚みを感じます。 2016年の甲州、良いヴィンテージになるのかも知れません。

サントリー ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA 2014 サントリー ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA 2014 グラス
名称サントリー ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA 2014
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考価格:1,683円 @amazon)
購入店 (登美の丘ワイナリーから)

 次もジャパンプレミアム・シリーズからで、これまた日本品種のマスカット・ベーリーA。 ここ山梨のブドウだけでなく、長野のブドウも使われているそうです。 この品種は元々日本で開発されたわけですが、今では台湾や韓国でも造られているんだとか。 そういうアジアのワイン造りのレベルも年々上がってきているらしいです。 ベトナムでも造られているくらいだからね。選択肢が広がるのは良いことですな。

 色は、エッジまで一律に色づいた若い真紫色。 香りはちょっと閉じた感じで控えめだけど、深く嗅ぐとイチゴキャンディのような雰囲気を感じます。 そういう香りなんで、甘いのかなと思いつつ口に含むと、軽やかに裏切られて甘さ控えめ。 渋味も弱めで全体に軽い感じの赤ワインです。

 そもそもタンニンはあまり強くない品種なんで、サントリーさんでは冷やして飲むのを推奨しているとのことだけど、 冷やすと香りも出づらくなるからなぁ。 どの温度帯で飲むのが良いか、悩ましいワインではあります。

点数(73点)
サントリー ジャパンプレミアム マスカット・ベーリーA 2016 グラス

 そしてこちらが2016年産のマスカット・ベーリーA。 収穫は9月の初旬から10月の半ばまでとのこと。 山梨/長野と栽培地がいろいろだから、収穫時期にも幅があるんでしょうな。 前述したように、今年は早摘みのブドウの品質が特に良かったそうです。

 色は、2014年産同様の真紫。グラスが違うんで正確な比較は難しいのですが、 少なくとも師範レベルでは外観に2年の差を見て取ることはできません。 香りが閉じた感じでおとなしめなのも2014同様。 ガッシリした骨格を感じる味わいですが、さすがに現時点ではちょっと若過ぎというかゴリゴリした感じを受けました。

サントリー ジャパンプレミアム 津軽 ソーヴィニョン・ブラン 2015 サントリー ジャパンプレミアム 津軽 ソーヴィニョン・ブラン 2015 グラス
名称サントリー ジャパンプレミアム 津軽 ソーヴィニョン・ブラン 2015
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考価格:3,456円 @amazon)
購入店 (登美の丘ワイナリーから)

 ここ登美の丘ワイナリーでは、はるばる青森県の津軽地方で採れて運ばれてきたブドウからもワインが造られています。 そのうちの一つがこれ、国際品種ソーヴィニョン・ブランを使ったワイン。 津軽地方は非常に涼しく、10月までソーヴィニョン・ブランが収穫できるそう。 この品種の栽培にはとても向いている地域だ、とのことでありました。

 色に関しては、前の甲州とあまり大きな違いは無くて、とても淡い薄黄色です。 ですが、香りは全く違います。まず違うのがそのボリューム。 注いでいるそばからガンガンに香ってきます。 その香りの要素は、ハーブみたいな草っぽい香りとパイナップルやパッション・フルーツ、 それに(津軽産だからか)リンゴの雰囲気も感じます。 加えて、ちょっと動物っぽい(「猫のオシッコ」とか)もあったりで、 ボリューム/要素の多さとも申し分ない香りです。 味は、基本的には甘さ控えめ酸味しっかりのスッキリ系なのですが、 アルコール度数が13%と一連のワインの中では高めだということもあってか、 かなり厚みを感じます。

 いやー、この香りにはビックリでした。 変な例えですが、良くできたニュージーランド産のソーヴィニョン・ブランみたいです。 醸造時の温度帯をいろいろ変えて、ソーヴィニョン・ブランらしい香りを引き出したんだとか。 テクニックですなぁ。 ちなみにこのワイン、日本ワインコンクールで金賞を受賞したんだとか。 コンクールはあまり信用していない師範ですが、このワインに賞を出すのは納得です。

点数(83点)

サントリー 登美の丘 赤 2013 サントリー 登美の丘 赤 2013 グラス
名称登美の丘 赤 2013
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考価格:4,190円 @amazon)
購入店 (登美の丘ワイナリーから)

 ここからの赤2本は、このワイナリーの主力商品「登美の丘」の赤を垂直試飲。 まずは現行ヴィンテージの2013年産から。 品種の構成は、メルロー40%、カベルネ・ソーヴィニョン20%、カベルネ・フラン17%、プティ・ヴェルド15%。 30%が新樽のバリックで、熟成期間は1年間だそうです。

 色は、前のマスカット・ベーリーA同等の濃さですが、 比較すると若干こちらにはレンガ色っぽい雰囲気を感じます。 香りは、カシス、乾燥プルーン、バニラ・・・まさにボルドーな香り。 消し炭のような焦げた感じとか、カベルネ・フラン由来であろう土っぽさがあったりするあたり、 とてもとてもボルドーのグラン・ヴァンっぽい香りです。 味わいも、ボリュームがあるけど柔らかく、甘味と酸味のバランスがとれている感じ。良いですなぁ。

 ちなみにこのワインも日本ワインコンクール金賞受賞。 こちらも納得です。 師範に於きましては、今後ちょっと主旨替えして 「ボルドーの金賞受賞は信用ならんけれども『日本ワインコンクール』の金賞受賞は信用するに足る」 と高らかに宣言させて頂きます。

点数(82点)

サントリー 登美の丘 赤 2014 サントリー 登美の丘 赤 2014 グラス
名称登美の丘 赤 2014
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格--
購入店 (登美の丘ワイナリーから)

 そしてもう一方のヴィンテージが2014年産。まだ市場には出ておらず、これから出荷されるとのこと。 もう2013年産の在庫が尽きそうなので止むなく2014年産をリリース・・・ということでは無いそうです(多少はあるんでしょうけど)。 ちなみにこちらの品種構成は、 メルロー52%、プティ・ヴェルド23%、カベルネ・ソーヴィニョン20%、カベルネ・フラン5%。 メルローが主体である点は同じですが、補助品種の割合が微妙に違っておりますな。 また、樽熟の期間や新樽比率は2013年産とほぼ同様だそうです。

 色は、2013年産とほとんど違いは無いように感じました。 でも香りはかなり違います。2013年のようなパーッと香ってくる感じがなくて、 まだグラスの内側にギュッと香りが固まっている感じです。 味わいに関しても結構傾向が違っていて、口に含むと渋味がカッチリでかなり硬派な印象。 でも、口の中で中盤から後半にかけてブワーッと厚みが出て来ます。

 比較の結果、今飲むんだったらやっぱり現行2013年ヴィンテージに軍配を上げます。 やっぱりまだちょっと若い感じなんですね。 ただ、アルコール度数は2013年産が12%なのに対してこちらは13%、 熟成のポテンシャルはこっちの方が高いのかも知れません。

点数(78点)
登美の丘ワイナリー 売店

 テイスティング終了後、ワイナリーの売店&テイスティングコーナーの見学。 師範は眺めるだけでしたが、有料のテイスティング・コーナーで更に試飲を重ねる参加者多数。 皆さん勉強熱心ですなぁ。 そういう「向上心」みたいなのが師範には圧倒的に欠けております。 であるからしていつまでも安ワインで満足できるチープな身体を維持できている、とも言えると思いますが。

てっぱん秀 店内

 ワイナリーを後にして、今宵のディナーのためにサントリーさんが押さえてくれたのが、 甲府の中心街にあるてっぱん秀という店。 決して広くないけどシックで落ち着いた感じの店内に、今回我々御一行様は総勢10名。 テーブル席をほぼ占領する感じになりました。

てっぱん秀 カード

 席には、写真みたいなウェルカム・カードが用意してありました。 味のある字、上手いなぁ。それにしても「師範」なんて判りやすく偉そうなハンドルを付けたのは、 20年前の師範に先見の明があったと言えましょう。

てっぱん秀 牛たたき

 ここで出して頂いた料理は以下みたいな感じだったと思います(名付けは適当です)

水菜の韓国風サラダ
鶏(「けみ鶏」だったっけ?)を焼いたもの
バーニャカウダ
炙りベーコン
牛たたき(左上写真)
山芋のお好み焼き風
和牛ハンバーグ(左下写真)
牛ステーキ2種
チーズで焼いたパン(時間が無くてお土産に)
てっぱん秀 牛ハンバーグ

 お任せメニューということでしたが、 日本ワインによく合う、素材の味が伝わるシンプルだけど美味しい料理だったと思います。 特に、左下写真のネギたっぷりなハンバーグがベリーグッドだったな。 ネギって意外と香りが強くてワインの香りを邪魔しがちなんだけど、 ここのはそういうことなくてナイスでした。

 ただ、(仕方がないことではあるけど)残念だったのは、こういう鉄板焼きの店だと空気中に油の香り(粒子?)が漂っているので、 ワインの香りを拾うのが難しくなります。 師範以外の皆さんみたいなこの道に長けた方々だとそんなの問題ないんでしょうが、 師範の場合はこういう店だと鼻がマスクされたような感じになるのね。 だもんで↓のワインのコメントは常にも増して適当です。

サントリー 登美の丘 シャルドネ 2014
名称登美の丘 シャルドネ 2014
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考価格:3,198円 @amazon)
購入店 (登美の丘ワイナリーから)

 『最初はビールにしますか?、それともいきなりワインから始めますか?』と聞かれましたが、 師範を含め参加者は皆さん「最初からワインで」です。 そりゃそうだよね、ビールは家でも飲めるもんね・・・ってワインも家でも飲めますが、やっぱり気持ちはワインです。 そんな感じのやりとりがあって、まず出して頂いたのが「登美の丘」シリーズのシャルドネで、 ヴィンテージは2014年。 ちなみに2013年産はこの時頂いております。 ちゃんとヴィンテージが被らないよう気を遣って頂いており、恐縮至極に存じます。

 色は、照明が暗めなのでいまいち判らなかったりしますが、薄めではあったように思います。 香りは、白ワインは鉄板焼きの空気の影響を強く受けるのか、どうしても弱めに感じてしまいます。 口に含むと、シャルドネらしい蜜っぽさやリンゴっぽさ、それに軽く香ばしいビスケット、 さらにはヨーグルトっぽい雰囲気も感じられるんですが、なかなか鼻は利きません。 味わいは、酸味と甘味を上手にまとめました、って感じ。 日本の食中酒としてナイスなバランスだと思います。

 もちろん悪くはないんですが、周りの環境による影響を含め「小品」感は否めなかったなぁ。 「え?どうなんだろ?どうなの?」と探るように飲み進めるうち、あっという間にグラスが空になっちゃいました。

点数(76点)
サントリー 登美の丘 赤 2013 サントリー 登美の丘 赤 2014

 白の後は、ワイナリーでテイスティングした2013年産と2014年産の登美の丘の赤を。 なぜか赤だとちゃんと香りが感じられて、やっぱり2013年産はチャッキチャキのボルドーそのもので、 2014年産はまだまだ固い感じ。 でも、そうやって違いを感じたのは気にして飲んでる最初のうちだけで、 後半会話に夢中になってからは「どっちがどれだか判らんがどっちも美味い!」なチャランポラン状態で飲んでおりました。

サントリー 登美 赤 2012
名称登美 赤 2012
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考価格:13,700円[2009年産] @amazon)
購入店 (登美の丘ワイナリーから)

 で、そんなチャランポランな状態の師範では、登美の丘ワイナリーのフラッグシップ・ワインである、 この「登美」が出されたのも気が付かなかったりするわけです。 周りの参加者の方に『師範!コレ、登美ですよ!!』と言われて初めて「あぁ!そうなの?!」と気づいた次第。 とんだヘッポコおやじであります。 2012年はたしかこの辺りはグレート・ヴィンテージだったんですよね。 ありがたい話であります。

 そんな感じの師範なんで、細かいことは覚えても感じ取れてもおりませんが、 辛うじて残したメモには「完成している」と書かれております。 それだけじゃ判らんって>昨日の自分。

 さすがにそれで云々するのはあまりにこのワインにもサントリーさんにも失礼だと思うので、 ここは評価保留とさせて頂きます・・・って、そんな状態まで飲んじゃうのが失礼だ!というご指摘は甘んじて受けさせて頂きます。 ホントにスミマセン。

点数(??点)
サントリー 登美の丘ワイナリー長 渡辺直樹氏

 右写真に写るダンディな紳士がサントリー登美の丘ワイナリー長の渡辺直樹さん。 実は師範と同い歳であることが判明。 同じヴィンテージなのに全く成長の度合いが違うあたりに人生のアレコレを感じてしまいます。 ともあれ本日はご招待&一日お付き合い頂きありがとうございました。 また、いろいろと手配&お世話をして頂いた美人マーケッターのCさんはじめサントリーの皆さんにも大感謝であります。

そして、今回同行したグルメ・ブロガーな皆さんは以下であります。

11月2日、すべての参加者のレポートが出そろいました。皆さん書かれる内容が丁寧だなぁ。

ワインヲタ入門生のチラシの裏(ぱんだしゅりけんさん) レポートその1レポートその2レポートその3
徒然わいん(徒然わいんさん) レポートその1レポートその2レポートその3
プチプラワイン日記(らむろうさん)  レポートその1レポートその2
アルさんのつまみ食い2(アルさん) レポート
ワインと絵画がある生活(busukaさん) レポートその1レポートその2レポートその3
 
日本ワイン サントリー

シャンモリ 遅摘みロゼ N.V.
名称シャンモリ 遅摘みロゼ (ヴィンテージ無し)
生産者盛田甲州ワイナリー
価格745円 (Half)
購入店 山梨県産品センター ワインセラー

 帰りの電車は甲府駅19:42発特急スーパーあずさ32号。 新宿までは1時間24分の列車の旅。 もう十分に出来上がっちゃってる師範ではありましたが、 「そんな長い時間飲まずにいられるはずはない」などと考えたんでしょうな、 甲府駅の売店でこのワインを買っちゃってました。 さすがにここからフルボトルは飲めないので(当たり前)、ハーフの日本ワインの中から選んで、 確か一番安かったのがコレだと思います。 「甘口上等デザートワインだぜ!」という気分で買ったようです。 山梨県産ブドウ100%で、品種は甲州とベーリー・アリカントAだそうです。

 色は薄めのピンク色。 若干オレンジがかってキレイな色ではあります。 香りは、あんまり覚えてはいませんが弱めな中にベーリーAみたいなイチゴキャンディっぽい雰囲気があったように思います。 味は、甘口ってほど甘くも無くて、「やや甘口」くらい。 酔っ払いですから、それでも美味い美味いと一人ごちつつ飲んでおりました。

 当然のごとく新宿に着く前にご沈没。南無。起きることが出来て、ちゃんと自宅まで帰りつけたのは奇跡のようでした。 列車の旅だとアルコールを欲しがるこの身体、きっと亡くなった父ゆずりだな。父も旅行の時は朝から飲んでたからなぁ。 南無南無。

点数(70点)

14日(金)

Boschendal Shiraz 2014
名称Boschendal Shiraz 2014
ボッシェンダル シラーズ 2014
生産者Boschendal Wines
ボッシェンダル・ワインズ
価格£7 (約1,100円)
購入店 Tesco Extra Brooklands

 最近、Twitterでフォローさせて頂いている方々の間では、 南アフリカ産ワイン・ブームの風が吹き荒れているようなので、 師範もその風の一端に触れるべく南アフリカ産のワインをチョイス。 このワインは4月に出張で英国へ行った際、宿の近くの大型スーパーで購入したもの。 本当は英国産のワインが買いたかったんだけど、ズラリと並んだワインの棚には英国産ワインは一本も無し。 代わりに、英国と関係が深そうなオーストラリアや南アフリカ産がたくさん並んでいました。 このワインはその中からチョイスした一本。お値段7ポンド、当時のレートで約1,100円。 日本だと(この銘柄そのものは見当たりませんが)概ね2,000円前後で売られているクラスようなので、 結構な内外価格差があるようです。 この造り手のワインでもっと低グレードなものだと、 2012年にシラーズとヴィオニエで造られた赤と稽古しております。

 ちなみに本日の夕食は焼き餃子(by味の素の冷凍)、焼きナス、ワカメおにぎりです。 餃子に合わせるワインといえば南アフリカ産と相場が決まっております・・・ってウソです。

 さて抜栓。コルクは修正材であまり質の良いものではありません。南アフリカではコルク樫は育たないんですかね? 色は、非常にしっかりした紫色。エッジまで真紫、アシも長くてエキス分が多そうです。 香りのボリュームは想像以上、スワリングせずともガーッと香ってきます。 ブルーベリー、胡椒、チョコレート、気候の良い地方のシラーズをがっちり樽熟させました!ってのがビシバシ伝わります。 子供らに言わせれば『ピンクグレープフルーツの香り』もあるそうです。 味わいは、甘くて酸っぱくて渋い、当たり前っちゃ当たり前だけどしっかり系の赤ワインの味要素を全てガッチリ持っています。

 こんだけポテンシャルがあって、アルコール度数も14%だとなかなか飲み進められないかな・・・と思ったけど、 案外抜栓後すぐから開いてきて、味わい三要素のうちの渋味が前線から退去する感じがあって、 結局最後まで普通のペースで飲めました。

 とにかく濃くてシッカリ、さすがの南ア・クオリティですな。英国ではこれが1,000円ちょっとで飲めるのは羨ましい限り。 ただ、わざわざ英国出張時に重い思いをしてハンドキャリーする価値があったかというと・・・文字通りの安ワイン者の「酔狂」ですな。 もっと高いヤツ買って来れば良いのに、と毎度のアフター・フェスティバル。

点数80点

12日(水)

指の骨

 昨日、ヒビが入った指の骨の状態を見てもらいに外科へ。 まだちゃんと繋がってはいないものの、もう添え木と包帯は必要ないといことで、テーピングになりました。 これまでキーボードを叩くにも食事をするにもグラスを持つにも(師範は左利き)大変不便だったんだけど、 これである程度楽になりました。

 左写真は、白魚のように繊細な師範の左手中指・・・の骨です。拡大したところの骨にヒビが入ってます。 次の健診は2週間後。そこできちんと繋がっていれば晴れて完治なんだろうけど、そう上手くいくんですかね? そして、なぜ歯は欠けたり折れたりしたら繋がらないのに骨は繋がるんですかね?

Resso Garnacha Tempranillo 2015
名称Ressò Garnacha Tempranillo 2014
レッソ ガルナッチャ テンプラニーヨ 2014
生産者Josep Masachs
ジョセフ・マサックス
価格591円 (単品価格 950円)
購入店 京橋ワイン

 本日は子供の行事で師範代が勤務先をお休みしていらっしゃったので、夕食の調理担当も師範代にお任せ。 メニューは、豚スペアリブのオーブン焼き、レンコンとオクラの温サラダ、トマトとモッツァレラチーズのサラダ。 こりゃガッツリ系でしょう、ということでチョイスしたのがスペインはカタルーニャ産の赤。 品種はガルナッチャ80%、テンプラニーヨ20%。 ショップのサイトには「レッソ・ネグレ」と書かれてますが、 ラベルにNegre(カタルーニャ語で「黒」らしい)の文字は見当たりません。

 さて抜栓。コルクは案外ちゃんとしたものが使われています。 色は、大きめのグラスにたっぷり注いでも向こうが見える程度の濃さ。 濃いには濃いけど、地中海沿いの乾燥した地域で採れたブドウにしては薄めの色合いと言えそうです。 香りは、ツンッとした酸を感じる果実香と、うすらトボケたような干し草的な香り。 味わいは単純に甘酸っぱい感じ。加えて渋味だか炭酸だかのチリチリ感があって、 ちょっと荒っぽい感じは否めません。

 で、特に何が悪いってわけじゃないと思うけど、グラス2杯くらいでいきなり飲み飽き。 食事が終わっても1/3くらい残っていて、最後はジンジャーエールの力を借りました。

 気候の良い地中海沿いの地域で、 すくすくと育ったブドウを特に工夫することなく昔ながらのラフな収穫&醸造法で造りました、って感じ。 良く言えばクラシカルで自然、悪く言えばワイルドでぶっきらぼうなワイン。 それでも、買値相当額の600円のワインと思えばお得、サングリアのベースとかで活躍しそうですが、 単品価格の950円だと「もっと良いワインは他にもあるだろ」とも思います。

点数67点

10日(月祝)

保土ケ谷宿場まつり 宿場まつりそば

 昨日に引き続き「保土ケ谷宿場まつり」へ。 結婚を機にこの地域に住み始めてもう20年以上になるけど、二日連続で参加したのは初めてかも。 子供に手がかからなくなって、それだけ余裕が出来たということでしょう。

 このお祭りで必ず食べるべきがコレ、宿場まつりそば、一杯300円也。 300円のうち、100円分はこの祭りの維持経費(交通整理他)のために寄付されるということもあるけど、 なによりこういうお祭りで食べる蕎麦とは思えないおいしさがあります。 というのも、商店街沿いにある北川製麺所というところの打ち立ての新蕎麦が使われているんで、 器はアレとしてもそば自体はヘタな蕎麦屋より美味いんです。

 横に見える紙コップがそば焼酎、一杯100円也。 焼酎自体は「雲海」なのでどこでも買えますが、蕎麦湯で割って出してくれるのが高ポイント、 それが100円は酒飲みにはベリーナイスです。

Cave de Saint-Desirat Syrah 2014 Cave de Saint-Desirat Syrah 2014 Glass
名称Cave de Saint-Désirat Syrah 2014
カーヴ・ド・サン・デジラ シラー 2014
生産者Cave de Saint-Désirat (Jean-Luc Chaléat)
カーヴ・ド・サン・デジラ (ジャン・リュク・シャレア)
価格(600円 : ダブル)
購入店 夏への扉

 そして、昨日に引き続き、商店街にあるイタリアン・バル「夏への扉」へお邪魔しに。 何が良いって、お祭りの通り沿いに椅子とテーブルが出してあるから、落ち着いて飲めるのが良いんです。

 飲み物は、昨日の宣言通り本日は赤を頂くことに。 お店のブログを見ると、 「ワインはダブルが可能」ということなんで、本日は思い切ってダブルを注文。 これまた昨日の宣言通り、マイグラスを持参しました。 マスターにも同席した常連さんにも若干引かれた気はしますが、 ワインを美味しく飲むための努力は惜しまないのが「安ワイン道場」です。

 ・・・というわけでプラコップからグラスに入れ直して稽古開始。 グラス写真でも判ると思うけど、色はかなりしっかりとした紫色です。 香りは、「これぞローヌのシラー!」的なスパイシーさ。 品種の特徴をダイレクトに伝えてくれています。 味わいは、カッチリした渋味が主体の硬派なバランス。 開けてそこそこ時間は経っていると思うし、グラスの中でも開かせたけど、まだまだカタブツな感じでした。

 『お祭りのワインじゃないでしょ?』というマスターの意見には納得です。 確かに、こんな武骨なワインがお祭りの紙コップワインとして出されるのは大変珍しいでしょう。 とても通好みなチョイスだと思います。 ただ、師範の場合はマイグラス持参してワインをふくよかにさせつつ頂いたから結構好印象だったけど、 紙コップのままだったらどうだろ? そういう用途には、コノ・スルとかコンチャ・イ・トロみたいな、 南米産の明るいワインの方がウケるんじゃないか・・・と思ったりしますが、 そうしないのがビジネス的な「差別化」なんでしょうね。

点数(74点)
保土ケ谷宿場祭り モツ煮とビール

 ワインを飲んで落ち着いたら師範代と合流し、モツ煮 200円を肴に生ビール(サントリーモルツ)300円を一杯。 お祭りだと昼から飲んでも罪悪感が無いってのが良いですな。 あと、このお祭りはちょこちょこと座って食べられる席が設けてあるのもナイスです。

 「保土ヶ谷宿場まつり」、きっと来年もまた開催されると思うので、関東一円の読者な皆さまは是非お出かけください ・・・と「第二の地元」応援させて頂きます。

Proyecto Cuatro Bubbles N.V.
名称Proyecto Cuatro Bubbles N.V.
プロジェクト・クアトロ バブルズ (ヴィンテージ無し)
生産者Bodegas Concavins (Clos Montblanc)
ボデガス・コンカバン (クロ・モンブラン)
価格1,334円 (単品価格:2,052円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 夕食は、サンマの塩焼き、ヒラメの刺身、肉じゃがです。 それに先立って、昼から飲み始めると「呑み助スイッチ」が入ってしまい、買い物に行ったあとはまだ日の高いうちから飲み始めてます。 まずはコストコのペール・エール(コレ)を飲んだ後で開けたのがコレ、 エノテカの「エヴァ―グリーンボックス」からの最後の一本、イタリアのスプマンテ。 全身銀色のフィルム包まれていて、バブリーというか近未来的というか、そういう見た目のボトルです。 「プロジェクト・クアトロ」の意味は、 4種類のブドウ品種(マカブー 40%、チャレッロ 40%、パレリャーダ 15%、シャルドネ 5%) が使われていることに由来しているそうです。

 色は、ボトル同様の銀色・・・ってことはないけど、薄めでレモンの果肉っぽい色合いは、 銀色のボトルに似合った色にも思えます。 シャンパーニュほどではないにしてもそこそこしっかりした泡立ちが見て取れます。 香りは、青りんごっぽいフレッシュなフルーツを中心に、柑橘類や若干のイーストっぽさが感じられます。 香りのボリュームに関してもかなりちゃんとしています。 そして肝心の味わいは、とにかく酸味がカッチリしていてまるでグレープフルーツ果汁のようで、 フルーティかつシャープな味わいです。

 結果的に、「ちょっと高級なカバ」という雰囲気で、方向性的にはドライでシャープ系、 サンマの塩焼きやヒラメの刺身みたいな和食に合わせるにはうってつけのワインでした。 ワインの内容とシャープなボトルデザインとが非常に合っている気がします。 だからといって和食の店に置くにはちょっとブッ飛び過ぎている外観だけどね。

点数77点

9日(日)

保土ケ谷宿場まつり

 今日明日の二日間、保土ヶ谷駅西口商店街では年に一度の「保土ケ谷宿場まつり」が開催されております。 いつもは閑散とした、というかほぼ人とクルマの通り道でしかない商店街ですが、 この日ばかりはたくさんの人で賑わいます。 いつもこうだと楽しいんだけどね・・・とか言いながら自分もここで買い物をすることなんてほとんど無いからなぁ。 ちょっと遠い松原商店街には行くんだけどね。 生鮮品の無い商店街には行かないよなぁ。

Gros Plant du Pays Nantais Clos Caffin 2015
名称Gros Plant du Pays Nantais "Clos Caffin" Sur Lie 2015
グロ・プラン・デュ・ペイ・ ナンテ "クロ・キャファン" シュール・リー 2015
生産者Chéreau Carré
シェロー・カレ
価格(300円 : 紙コップ)
購入店 夏への扉

 ・・・と、生鮮品の無い商店街ではあるんですが、 ここには飲み会が早く終わった時などにたまに行く「夏への扉」というイタリアン・バル的なお店があって、 そこのマスターも店先に出店しておられました。 メニューが書かれた紙に「(とっておき)ワイン 300円」の文字を発見、 これは稽古しない訳にはいきません・・・な~んて、 実際はこのお店のブログで、 ちょっと興味を惹かれるワインが飲めることはわかっておったわけです。 だもんで、どちらかというと散歩がてらこのワインを飲みにお祭りに足を運んだ、というのが正直なところです。

 『白と赤があります』ってことでしたが、今日はまずは白から。 小さめの紙コップに注いで出されました。 色は、グラスじゃないんで良く分かりませんが、そこそこしっかりした黄色みが感じられるように思います。 香りは、ハーブっぽい爽やか系の香りが結構なボリュームで感じられます。 「品種はソーヴィニョン・ブランですか?」と聞いたら『グロ・プランです』とのこと。 ちゃんとラベルに書かれているというか、銘柄自体に品種名が入っているわけですが、 聞きなれない品種なんで判りませんでした。 味も、ロワールの良いヤツっぽいしっかりしたミネラルとコクが感じられます。 お薦めされるだけのことはあると思いましたな。

 マスター曰く、『300円のワインじゃないでしょ?』ってことでしたが、 確かにワインのクオリティは値段以上のものを感じました。 ただ、小さな紙コップに入れて出されると、どんなに高級ワインでもそれなり、 というかワイン自体の良さを感じ取る層は少ないんじゃないですかね? もちろん、お祭りなんでそこはいかんともしがたいところだと思います。 というわけで、明日また伺うとしたらマイグラス持参、という企みを思いつきました。 この後生ビール(250円)を頂いて本日は退散致しました。

点数(74点)
Carneros Pinot Noir 2014 [Kirkland Signature]
名称Carneros Pinot Noir 2014
カーネロス ピノ・ノワール 2014
生産者Kirkland (Flynt MW Domaines & Estates)
カークランド (フリント・MW・ドメーヌ&エステーツ)
価格1,358円
購入店 コストコ ホールセール金沢シーサイド店

 お祭りから帰って来て、本日の夕食のメインは豚ヒレカツ&鳥モモカツ。 他にはクリームチーズの包み揚げとか、ナス、オクラ、人参の天ぷらとか。揚げ物美味ぁ、です。 そしてワインは、昨日に引き続きコストコで調達したモノで、 本日のチョイスはカリフォルニア産のピノ・ノワール。 "Kirkland"って銘柄はコストコのプライベート・ブランドです。 コストコ、もちろんフランスワインなんかも扱ってますが、 やっぱり米国系のスーパーですから、ニューワールド産に主に目が行きます。

 色は、キレイに澄んだ赤紫色でピノ・ノワールとしてはやや濃いめな感じ。 カリ・ピノらしい色ではあります。 香りは、熟し過ぎたイチゴとケモノっぽさがしっかり香ります。 ブルゴーニュで言えばコート・ド・ボーヌよりもっと南、コート・ド・シャロネーズあたりな感じ。 裏ラベルには"French oak barrels"が使われている旨が書かれていますが、樽香はそんなに強くない(ほぼ感じない)んで、 いわゆるカリ・ピノの香りとはちょっと傾向が違う気がします。 そして味は、甘くなく酸っぱくなく渋くなく、全体に控えめなボリューム。 良く言えば真面目、悪く言えば若干地味な味わいです。

 悪くはない、というかこの値段のピノ・ノワールとしては善戦している方だと思うんだけど、 ちょっと想像と違った、というのが正直なところ。 米国資本スーパーのプライベート・ブランドだから、 もっと『バーベキューソースやケチャップとの相性抜群!』的な"あけっぴろげワイン"かなと思っておりました。

点数73点

8日(土)

Sierra Batuco Lone Rider Premium Selection 2011
名称Sierra Batuco "Lone Rider" Premium Selection 2011
シエラ・バトゥコ "ローン・ライダー" プレミアム・セレクション 2011
生産者Sierra Batuco (Invina Ltda.)
シエラ・バトゥコ (インビーナ・リミターダ)
価格1,078円
購入店 コストコ ホールセール金沢シーサイド店

 良いワインをシコタマ飲んだ翌日、あからさまにグレードを落とすと心が凹みます。 かといって高級ワインに突っ走れるはずもなく、ソフトランディングを目指します。 というわけで、昨日のラインナップには無かったニューワールドのワインで、 ほぼしっかりしていることが確実されるワインをチョイスしました。 というのも、このワインはコストコで試飲して、 600円くらいの低グレードの赤より明らかに充実していたことを理解して買ったワインだからです。 品種は、カベルネ・ソーヴィニョンが52%、シラーが28%、カルメネールが20%。 いかにも南米のプレミアム・ワインっぽいですな。

 ちなみに、師範が昨日一人で豪遊したことに反発した、ってわけじゃないんですが、 師範代はご友人とお芝居を見に出かけましたので、師範と子供二人の夕食です。 メニューは、出来合いの肉焼売&餃子、ニラとモヤシのナムル、フカヒレスープ(byクノール)。 まだ指が本調子じゃないので、あまり包丁を必要としないメニューです。

 色は、グラスに注いで向こうが見えない濃さがあります。黒ってほどでも無いですが、非常に暗くて青い紫色です。 香りは、ブルーベリーやクランベリーみたいな濃いベリー香に、なんとなく豪州産を想わせるミントっぽい香りもあります。 それに加えて、チョコレートや胡椒の感じもあったり。 味わいはとにかく濃く強いワインです。特に顕著なのは糖度8.3もある甘味。 温泉まんじゅうのように、甘いコアを渋味や酸味が香ばしく包んでいます。

 ・・・と、最初のうちは良かったんだけど、 往々にしてこういう強いワインは飲み飽きしてしまうわけです。 このワインも、半分もいかないうちに杯のスピードがストップ。 でも不味いわけじゃないんで、その後はチビチビと飲んでいました。

 こういうワインを一気に一本飲み干す層はそうそういないと思うし、確かにプレミアムな感じはするので、 これが1.000円ちょっとなのは「買い」です。 多分昨日の列強集まる中に出しても結構良い勝負したんじゃないかと思われます。 複数人でいろいろ飲む席では、こういうインパクトのあるワインは得ですから。

点数79点

7日(金)

マノワ 外観

 本日は、年に一度のワイン関係なお知り合いの皆さんとの飲み会(前回はこの時)。 メンバーは、光弘さんへんさんshuzさん、 がぶさん、磯子さん、トビさん、師範の七名。 最年長の光弘さんは今年に入って大手術を伴う病気をされたり、師範は今現在左手に包帯巻いたりしてますが、 なんだかんだでまた今年も皆元気で集まることが出来てなによりであります。

 そして今年のお店は、恵比寿と広尾の中間あたりにあるマノワ(Manoir)というところ。 明治通りに面しているけどちょっと奥まった感じのところにあるビルの一階、なかなかステキな雰囲気の場所にあります。 オープンキッチンの店内は、それほど広くは無いですが、 木のぬくもりが感じられるインテリアはパリの高級住宅街にあるビストロを想わせます・・・って妄想です。

マノワ アミューズ

 本日のシステムは、乾杯のシャンパーニュ+6皿のコース+チーズで税・サービス料込み10,000円、 それにワインの持ち込み料が1本3,000円、 トータル一人13,000円。 昨年の16,000円よりは低価格ですが、貧乏性な師範にとってはちょっと気合が必要なお値段。 そして持ち込み料3,000円というのも「それに見合うワインを持参せねば」というプレッシャーを感じてしまいます。

 その一皿目がコレ。

3種のマノワのアミューズ(左手前から奥へカツオのマリネポテト(ノーザンルビー)のフリット焼きナスのブランマンジェ

和の食材が面白い感じにフレンチの雰囲気を纏ったアミューズでした。あっという間に食べ終わりです。

JB Delalande N.V.
名称JB Delalande N.V.
JB・ドラランド ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者JB Delalande
JB・ドラランド
価格(コース料金に込み)
購入店 マノワ

 乾杯のシャンパーニュは、コース料金に含めてお店に用意して頂いております。 出されたのは、この店オリジナルのキュヴェ。インポーターのところにも「マノワ」の表記があります。 お店の方の説明によれば、 『品種はピノ・ノワールが75%でシャルドネが25%、厚みを出すためにヴァン・ド・レゼルヴを多めに入れています』とのこと。 造りの指示をした方からそういう説明が聞けるのは楽しいですな。

 色は、ピノ・ノワールが多めだからかヴァン・ド・レゼルヴが多めだからなのか、 ちょっと赤みが感じられます。泡立ちもキメの細かさも申し分ありません。 香りは、まずパーッと香るのが蜜入りリンゴ、加えてパンの耳みたいな香ばしさも感じられ、 香りのボリューム含めなかなかの雰囲気です。 味わいは、説明の通り熟成のしっかり感があって、旨味とコクが感じられます。 また、後味に黒ブドウの皮目みたいな軽い渋味もあって、確かにピノ・ノワールが多いのね、って感じです。

 これは良くできたシャンパーニュだと思います。 こういうのがハウス・シャンパーニュだと何にでも合わせられて使い勝手が良いでしょうね。 通常だといくらでリストされているのかな?ボトルで8,000円くらいだと嬉しいんですけどね。

点数(84点)
マノワ 前菜1

 前菜の一皿目はコレ。

サンマの炙りとフリット 北海道・北見の新玉ねぎのアイスとさんまの肝のソースで

奥が炙りで手前がフリットです。 こちらもサンマの香り自体はとても和を感じさせる雰囲気なんだけど、全体ではちゃんとフレンチの一皿となっているという意外な一皿。 サンマの量もタップリで満足メニューです。

Chassagne-Montrachet Premier Cru La Boudriotte 2008
名称Chassagne-Montrachet Premier Cru "La Boudriotte" 2008
シャサーニュ・モンラシェ・プルミエ・クリュ "ラ・ブードリオット" 2008
生産者Dom. Blain-Gagnard
ドメーヌ・ブラン・ガニャール
価格5,439円
購入店 ヴェリタス

 白の1本目、というか今回甘口でない普通の白はこの1本だけなんだけど、 モノは師範が持参したシャサーニュ・モンラシェの1級畑です。 このワインを買ったのは2012年、買ってすぐに同じヴィンテージで隣の畑「モルジョ」と稽古した時、 「まだ若い」と感じたので置いておきました。 美味しくなっていればいいけど、そのままヘタってたら・・・などと心配は尽きませんでしたが、 そもそも「安ワイン道場師範」ですから、自分にちゃんとしたワインなんて誰も期待していないと思うと気が楽です。

 まず、色と外観は特にどうということはなく、普通の白ワインの見た目です。 香りはちょっと意外。まず、まるでシャブリのようなミネラルっぽい香りがあって、 深く嗅ぐと焦がしバターみたいな香ばしさがあって、 口に含むとヨーグルトのような風味を感じます。 味わい的にも、北のシャルドネみたいな硬質な感じがあったかと思えば、 全体には丸みを帯びていて柔らかさを感じます。

 美味い/不味いで言えば美味いと思うし、好き/嫌いで言っても好きな方です。 でもなんだか不思議なワインでした。 変な例えだけど、シャブリとムルソーを混ぜちゃったような感じ。 そして、4年前に稽古したモルジョとは良くも悪くも全然別物でした。

点数(82点)
Ch d'Yquem 1971
名称Ch d'Yquem 1971
シャトー・ディケム 1971
生産者Ch. d'Yquem
シャトー・ディケム
価格--
購入店 (がぶさんから)

 ここでいきなり本日の大メインの登場です。 紅一点のがぶさんに今回お持ち頂いたのは、誰もが認めるソーテルヌの筆頭、いや甘口ワインの筆頭銘柄シャトー・ディケム。 ヴィンテージも十分熟した1971年、がぶさんと同い年とのこと。 なんでまたこんな大物を今回?って話ですが、 実はがぶさんとこのワインを一緒に飲もうと言われていたがぶさんの御母堂様が先日突然逝去され、 飲む相手が居なくなったから、とのこと。 御献杯の意味も含めてご相伴に預からさせていただきました。

 色は、まるで深く煮出した紅茶のようです。 粘性タップリの見た目から、凝縮されたエキス分を感じます。 香りのボリュームはものすごいものがあります。 セメダイン的な有機溶剤、花、蜜、紅茶、その他いろいろ香りのオンパレード。 いつまで嗅いでいても飽きません。 味は、思ったよりも甘さは強くなく、もちろん酸味もあるけど意外だったのは軽い渋味があること。 その酸味と渋味が全体を絞めていて、大変美味しく感じられるんだけど・・・

 師範は途中で飲むのを止めました。だって飲んじゃうとなくなっちゃうからね。 そして、グラスの中に少量残したまま、ずーっと傍らに置いて香りを楽しんでました。 いつまでもいつまでも良い香りがコンコンと湧き出してましたよ。

点数(96点)
マノワ 前菜2

 その、ソーテルヌに合わせて出された二皿目の前菜がコレ。

黒いフォアグラたい焼き

このお店のスペシャリテのようです。 黒くてちょっと塩気のある薄い鯛焼きの皮の下には、タップリの量で非常に軽い火の通しのフォアグラ。 もうね、脂肪分タップリで健康には悪そうなんだけど、 そういうものこそ美味いんだよねぇ、などと中年らしい会話に花が咲いておりました。

Gevrey-Chambertin 1er Cru Cherbaudes Vieilles Vignes 2007
名称Gevrey-Chambertin 1er Cru "Cherbaudes" Vieilles Vigne 2007
ジュヴレ・シャンベルタン プルミエ・クリュ "シェルボード" ヴィエイユ・ヴィーニュ 2007
生産者Dom. Fourrier
ドメーヌ・フーリエ
価格--
購入店 (へんさんから)

 以降は赤で、まずはブルゴーニュが2本続きます。 初めはへんさんにお持ち頂いた方からで、名門中の名門「ドメーヌ・フーリエ」のジュヴレ・シャンベルタン1級畑。 こんな高級品師範が稽古したことなど無いと思っていたけど、 調べたらまさにこの畑の1996年産と稽古しておりました。 たった10年前だけど、当時はワインバーで飲んでも一本10,000円程度だったんですな。 今は高いよねぇ、フーリエ。

 まず色ですが、10年近く経っているにも関わらずエッジまで赤紫色、熟成した感じは見た目からは受けません。 香りは、プラムみたいな果実香がしっかり感じられるあたり、非常にちゃんとしたブルゴーニュという印象を受けます。 そして味も、まだ渋味がしっかりしていて硬派な印象。 ややツンッとした感じもあって、「孤高のブルゴーニュ」といった雰囲気でしょうか。

 端正で気品があって、良いブルゴーニュだとは思いますが、華やかさが感じられなかったのが残念。 今飲む2007年産、いわゆる「谷の時期」なんですかね? 師範の嗜好だともっと早い時期の飲んじゃった方が幸せ度が高かったのかも知れません。

点数(80点)
Charmes Chambertin 2007
名称Charmes Chambertin 2007
シャルム・シャンベルタン 2007
生産者Dom. Dujac
ドメーヌ・デュジャク
価格--
購入店 (Shuzさんから)

 もう一本のブルゴーニュは、読売オンラインやリアルワインガイドのライターとしておなじみのShuzさんが、 『へんさんが2007年なら私も2007年を』ということで持参されたもの。 なにが出てくるかと思えばなんとあのデュジャクですよ、奥さん。 デュジャクもねぇ、昔は道場でも思い切ったら買える値段だったりしたけど、 今はドメーヌの方の特級なんておよそ手の出ないところまで行っちゃいましたからねぇ。

 さてさてこの2本に関しては、同じグラスに同時にサーブして頂いて、比較を楽しんでおります ・・・じゃないな、正確には「比較に苦しんでおります」か。 とにかく近いんですよ、双方の雰囲気が。 特に、注がれてすぐなんて見た目も香りも味も全く一緒。 師範ごときにはその差はほぼ感じられませんでした。 そして、我慢して長く置いといたら、若干開き方に差が出てきて、 フーリエの方はツンとした孤高の方向へ、 こちらデュジャクの方はいわゆる「デュジャク節」なのかな、 ちょっとカラメルを焦がしたような甘さのある香りに変化してきたように思います。

 しかしね、品種とヴィンテージこそ同じだけれど造り手も畑も違うこの2本がこれだけ同じように感じられるなんて、 師範の感覚器はどんだけポンコツよ!?ってことですわ。 まさに豚に真珠。今後ともこの豚めに真珠を恵んで頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

点数(81点)
マノワ 魚料理

 メインの魚料理がコレ。

千葉産スズキのポワレ レンコンとワイルドライス

スズキの下に敷いてある、ワイルドライスと何かがポリポリした食感でなかなか楽しゅうございます。 合わせたワインは赤だったけど、魚感の強いメニューではないので問題ありませんでした。

Oreno 2000
名称Oreno 2000
オレノ 2000
生産者Tenuta Sette Ponti
テヌータ・セッテ・ポンティ
価格--
購入店 (磯子さんから)

 次なる2本はイタリア産。産地はどちらもトスカーナ地方。 一方は伝統的な造りで、もう一方はボルドーブレンドのモダン・イタリアンという趣向。 同じなのは地方だけで、それ以外は品種も造り手もヴィンテージも違うという、 師範のようなヘッポコにも安心の仕様となっております。 そのうちのこちらが磯子さんが持参されたボルドー・ブレンドのモダン・イタリアン。 品種は、メルロー50%/サンジョヴェーゼ25%/カベルネ・ソーヴィニョン25%とのこと。

 色は・・・思いっきり盛大に濁ってます。 それは置いといて、ボルドー系品種の割には赤みが強いように感じられたのは、 熟成期間が長いので黒っぽさが落ちたせいかも知れません。 あるいはそもそもそういうブドウだったのかも知れません。 香りはとても良いです。奈良漬のような熟成香からは、確かにボルドー系品種であることが伺い知れます。 それ以外にもプラムっぽい雰囲気もあったりして、いろんな要素が感じられます。 味も、熟成が吉と出たようで、柔らかな甘味がコアとして中心にあって、 濁った見た目の印象を払拭するクリアな味わいです。

 ボルドーブレンドらしさがしっかり感じられ、その上イタリアの人懐っこさもある良いワインでした。 ただ、こういう熟成ワインを当日持参するのは「濁る」という見た目のリスクはありますな。 もちろん見た目だけで、香りや味は問題ないと師範は思いますが(問題あると主張する人もいるみたいですが)

点数(86点)
Brunello di Montalcino 2009
名称Brunello di Montalcino 2009
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2009
生産者La Lecciaia
ラ・レッチャイア
価格--
購入店 (トビさんから)

 そして、もう一方のイタリア赤、伝統的な方がコレ、 トビさんが持参されたトスカーナのDOCG、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。 トビさん的には最近「イタリアの自然派とかにハマっている」そうで。 以前はカベルネ・フランにハマっていたり、いろいろと忙しい人ですな。

 色は、前のワインと比較すると、色調的にはこちらの方が青く黒い感じです。 サンジョヴェーゼってカベルネやメルローと比較すると明るめな印象があるんだけど、 このあたりはヴィンテージの違い(熟成期間の違い)が理由かも知れません。 香りは、いかにもイタリアらしい、膏薬とか桜餅みたいな雰囲気をビシバシ感じます。 味は結構しっかり系。でも重すぎず、食事に合わせてチビチビ飲むのはこういうワインが良いんだろうねぇ、と感じさせてくれます。

 トビさん曰く『3,000円の持ち込み料に見合うか甚だ疑問』だったワインのようですが、 なかなかどうして楽しませて頂きました。 なによりこういうクラシカルなヤツはボトルの佇まいが良いですな。 ボトル外観では今回の一等賞です。

点数(85点)
マノワ イノシシ マノワ 肉料理

 メインの肉料理がドドーン!と。

山梨産(だっけ?)イノシシのロースト 柿とカボチャを添えて

サーブされる前に塊が左写真、これが大迫力です。 「今から肉喰うぞ!」です。 それぞれのお皿に乗って出て来た姿が右写真。ピンクな色合いの赤身には旨味たっぷり。 こういうジビエな肉料理に対して、「全然臭みが無いんです~ぅ」ってのはあまり褒め言葉じゃない気がするけど、 ホント良い意味でそういう獣臭は少なくて、豚肉の旨味をギュッと凝縮して牛肉のような柔らかい食感にしたような感じです。

Ch. Boyd-Cantenac 2004
名称Chateau Boyd-Cantenac 2004
シャトー・ボイド・カントナック 2004
生産者Ch. Boyd-Cantenac
シャトー・ボイド・カントナック
価格--
購入店 (光弘さんから)

 飲む人7人で8本目、今回のラストのワインがコレです。 光弘さんにはいつも『師範が飲んだことのない格付けボルドー』をお持ち頂いております。 ありがたい話であります。 そして今回の手ゴマは、マルゴー村の3級格付け、ボイド・カントナック。 なんとなく聞いたことはあって、稽古したこともあるような気がしていたけど、 調べたところブラーヌ・カントナックカントナック・ブラウンとは稽古しているけど、 この銘柄とは確かに初稽古でした。

 色は・・・あまり覚えてませんが、前のイタリア2本の中間くらいの濃さ&透明感だったような。 香りは、やっぱりこっちがボルドーです。 ボルドーブレンドのイタリア産はやっぱりイタリア産、と改めて感じさせてくれる「本物」感。 煙たいような燻したような雰囲気は、明らかにボルドー独特のものです。 味は、もちろん悪くないんだけど、「悪くない」以上でもないというか、ややおとなしい感じ。 ヤンチャなイタリア産の後だったから、余計そう感じたのかもです。

 とりあえずボイド・カントナックも「師範が稽古した格付けボルドー」の中の一本になりました。 それにしても残念なのがこのラベル・デザイン。 前述のブラーヌ・カントナックやカントナック・ブラウンが一面金地で派手派手なのに対して、 これは一部金地、大半白地。どう見てもセカンド・ワインっぽく見えちゃうんで、なんだか損しているなぁと感じるんですよ。

点数(83点)
マノワ チーズ

 いわゆるコースには入ってませんが、今回はチーズも組み込んで頂いています。 チーズの種類は確か4種類。レーズンをまぶした自家製エポワスサヴォワ、あと一種は失念。 添えられているベリーのソースとの相性もナイスです・・・ってか、この頃になってくると記憶もだんだん怪しくなってきます。

シャトー・ディケム 1971

 チーズとデザートの頃合いになって本日のメインたるシャトー・ディケムをもう一度。 ちなみに「安ワイン道場」のくせにこのワインと稽古するのは初めてじゃなくて、 10年近く前にニューヨークで1995年産と稽古しております・・・とプチ自慢。 10人くらいでハーフを飲んだので、一人あたりはほんのちょっぴりでしたけど。

 今回、45年経ったこのワインを飲んで思うのは、 ちゃんとした甘口ワインに関しては10年程度の熟成期間で飲んじゃ勿体ないということですな。 辛口白ワインに関しては、もちろん熟成の良さもありますが、 師範の嗜好としてはそのメリットよりもデメリット、リスクが避けられない気がしていて、 ある程度若いうちに飲むのが無難だと考えています。 赤ワインは、銘柄にもよるけど熟成で得るものも失うものもあって、ケースバイケースかな、と。 ところがこの手のちゃんとした甘口ワインは、熟成は純粋にプラスに作用するような気がしています。 今回のコレはあまり神経質でない保管状態だったらしいですが、状態は全ッ然大丈夫でしたし。

マノワ デザート

 いよいよ仕上げのデザートがコレ。

マノワの球体モンブラン

栗がたっぷり栗クリームもたっぷり、美味しいんだけどかなりハードな量でした。 食後皆で『今日はおなかいっぱいだね』なんて話していたけど、たぶん一番の理由はコレです。 甘いものも好きだけどちょっとで良い層には、さっぱりシャーベットとかの別のチョイスがあれば・・・と贅沢にも感じました。

マノワ ハーブティー









 そして最後にフレッシュハーブティーを頂いて終了。お疲れさまでした。 また来年、あるいは5月の安ワイン道場20周年でなにかやるかもしれません。 その時はよろしくであります>皆さま


5日(水)

Yalumba The Y Series Unwooded Chardonnay 2015
名称Yalumba "The Y Series" Unwooded Chardonnay 2015
ヤルンバ "ザ・Y・シリーズ" アンウッデッド シャルドネ 2015
生産者Yalumba Family Vignerons
ヤルンバ・ファミリー・ヴィニェロンズ
価格853円
購入店 イオン天王町店(イオンリカー)

 本日の夕食は、水ダコの刺身、カツオのタタキ、ヒジキの煮物、豆苗のガーリック炒め、エノキ茸とつみれの味噌汁。 基本的にバリバリに和のメニューであります。 そこでチョイスしたのが、豪州産だけど熟成に木樽は使ってない(Unwooded)シャルドネです。

 このワインは、先日に買った値付けミスっぽいヤツからの3本目、 一本798円が二本よりどり1,580円(税別)で購入。一般的には2,000円前後で売られているよね。 今回「コレら値付け間違ってんじゃないの?」と気づくことになった一本です。 このワインに関してはインポーターがイオン関連ってこともないし、ヴィンテージも現行品なんで、 在庫処分ってこともないと思うんだよね。

 さて抜栓、というかスクリューキャップをひねって開栓。 その時点で、ユリの花のような華やかな香りが漂って来ましたんで、思いっきり期待させてくれます。 色は非常に薄めで、見た目だけなら798円でも順当に見えます。 ところがグラスに注いで嗅ぐと、前述のユリに加えてピーチや青リンゴ、 さらにパイナップルみたいな南方系のフルーツ香がブワッと。 「確かにこりゃ樽はいらんわ」という香りの充実具合です。 味は、甘さ控えめ酸味そこそこで、悪くないバランス。 ただ、「悪くない」以上の褒め言葉が見当たらない味わいでもあります。

 結果的に、樽に頼らないシャルドネの良さがダイレクトに伝わる、 というかこれくらいポテンシャルのあるワインだと樽に頼る必要が無い、ということが理解できるワインです。 こういうのは点数付けに悩むんだな。 ホントにこれが800円のワインだったら全世界に公表したい美味安ワインなんだけど、 まぁ購入経緯がアレだからね。 それでも、2,000円だとしても十分買う価値のあるワインです。 というわけで、このワインが1,000円以下ってのは全くもってあり得ませんが、 今後もこういう「あり得ない」事態に遭遇したら、 一番即時性のあるTwitterで報告します。 なのでその情報が欲しい方はフォローして頂ければ、と。 実際はめったに無いですけどね、そういうお得情報は。

点数79点
リンク Yalumba "The Y Series" Unwooded Chardonnay 2015 1,892円 (amazon.co.jp)

2日(日)

コストコのエール・ビール・アソート

 最近飲んでるビールがコレです。コストコのプラーベート・ブランド「カークランド」銘柄の米国産瓶ビール。 左からインディア・ペール・エールサマー・エールペール・エールセッション・IPA。 師範の好きなエール・ビールのアソートで、一本354mlのこれらが6本ずつ入った24本セット4,498円、なので一本あたり187円。
 飲み比べたわけじゃなく、土日に一日一本的な飲み方をしているので、それぞれの個性を理解するってところまではいってませんが、 それぞれ華やかな香りがあって美味いです。特に好きなのは一昨日も飲んだセッション・IPA。 こういうフルーティなビールが好きなんですな。

 コストコはあと数か月で退会しようと考えているけど、会員のうちにまた買いたいビールです。

Chateau Beaumont 2013
名称Château Beaumont 2013
シャトー・ボーモン 2013
生産者Ch. Beaumont
シャトー・ボーモン
価格1,780円
購入店 ヴェリタス

 長女は今日も文化祭で、夕食は友達と食べて帰るってんで師範&師範代&次女の三人の夕食。 メニューは、みんな大好き鶏の唐揚げ。後は素揚げナスとトマトの和風サラダ、冷奴。 長女は豆腐が苦手らしいんで、ここぞとばかりに豆腐登場です。

 さてさてワインであります。本日のチョイスはボルドー産の赤。 「シャトー・ボーモン」といえばそこそこの値段でしっかりしたボルドーの雰囲気が楽しめる安心銘柄として、 安ワイン者の間ではすでに定着してますね。道場でも開設してすぐの1997年から数えて6回目の稽古、 昨年は2012年産と稽古しております。

 色は、ボルドーにしては濃さが穏当で、リーデルのボルドーグラスに適量注いでも辛うじて向こうが透けて見える紫色です。 香り・・・やっぱ良いわ、シャトー・ボーモン。 ギュッと締まった濃いベリー系の果実香に、コーヒーのような香ばしさ、それにチョコレートのような甘い香りもあります。 いわゆるモダン・ボルドー系の香りで、ミシェル・ロランさんやロバート・パーカーさんが好きそうな傾向です。 味は、正直まだまだ若過ぎる感じがしてガッシリした骨格からややゴツゴツした印象を受けるんだけど、 酸味と甘味のバランスはしっかり取れているので、この先上手く熟成させればより立派に成長すると思われます。

 安ワイン者御用達の推奨銘柄感をより確固たるものにしてくれました。 セールだったのでこの値段ですが、1,000円台だったら間違いなく「買い」だと言えます。 熟成させてみるのも面白いかも知れません。師範はそんな堪え性無いですけど。

点数81点

1日(土)

イカの解剖

 本日は、長女が通う高校の文化祭。師範&師範代はそこで飲み物販売のお手伝い。 この高校、飲食物等の物販は親が担当して、生徒達が文化的なイベントに専念できるようにしているそうです。 生徒にお金を扱わせたくない、ってのもあるんだろうな。 モノグサな親としては「面倒くせぇなぁ」と思う反面、まぁそんな方針もアリかな、と感じたりもします。 そういうのでもなきゃ子供の学校なんて行かないからね。 長女の中学には師範は卒業式の時にしか足を踏み入れなかったし。

 そして、長女は体育館のステージでミュージカル的なクラス発表で踊ったり、お茶のお点前を披露したり。 楽しく青春しているようでなにより。 連れて行った次女も、生物部の教室で「イカの解剖」に参加。 ビックリしたのはイカに潜むアニサキスの数。 結構な割合でいらっしゃって、多い個体は1杯のイカに3匹も。 イカを生で食べる時は注意せねば、と肝に銘じてございます。

Thomas Fogarty Santa Cruz Mountains Pinot Noir 2012
名称Thomas Fogarty "Santa Cruz Mountains" Pinot Noir 2012
トーマス・フォガーティ "サンタ・クルズ・マウンテンズ" ピノ・ノワール 2012
生産者Thomas Fogarty Winery
トーマス・フォガーティ・ワイナリー
価格853円
購入店 イオン天王町店(イオンリカー)

 というわけで文化祭でのお手伝い完了、お疲れさまでした>師範&師範代。 夕食は、チャチャッと作れるメニューということでモツ鍋。 ワインは、この時に買った値付けミスっぽいヤツからの一本。 カリフォルニア産のピノ・ノワールだけど、通常2,980円のところが798円、そして二本よりどり1,580円(税別)。 ちなみにこのワイン、2年前に同じヴィンテージのものと稽古済み。 もしかすると値下げの理由は在庫処分かも知れません。

 色は、赤紫系なんでピノ・ノワールらしくはあるけど、そこそこ濃くて若干濁った感じ。 ボーヌあたりのノンフィルター的な色合いですかね。 香りはナイス、とてもナイスです。 プラムっぽい果実香に甘香ばしい樽香、それにバラ系の香水のような芳香も。華やかで勢いのある香りです。 そして味わいは、香りに比べるとやや大人しい感じ。 渋味はかなり丸くなっているのは熟成の影響だと思われますが、 ごく僅かにチリチリした炭酸を感じたり、この品種にしては酸味が弱めなあたり、ちょっと頼りない印象は受けます。

 若干の瑕疵っぽい感じはあったりするわけですが、 改めて1,000円以下で買ったということを思い起こすとあり得ないくらいハイ・クオリティなワインです。 ちなみに、先週時点でもうこの値段のこのワインは売り切れてました。そりゃそうだよね~。

点数79点