稽古日誌:2012年10月

 10月、いわゆる食欲の秋であります。

 夏の果物が終わって、秋の果物が美味しい時期になって参りました。 この季節は何と言ってもブドウですな。 あと、出始めの早生ミカンの清冽な香りもこの季節の楽しみの一つです。 リンゴなんかもそろそろ旬なのかもしれないけど、 南方生まれの師範にとってはあまりそういう意識が無かったりします ・・・と、なんだか枕草子みたいになってしまいました。

 ちなみに左写真は、先月ケルンに出張に行った際に撮った八百屋の店先。 無造作に並べられているんだけど、それがなんだか美味しそう。 お値段は、右側のシャルドネみたいな小粒の白ブドウが1kgあたり3.4ユーロ(350円くらい)。 そんなにべらぼうに安いわけじゃないのね。

翌月分


31日(水)

Chambolle-Musigny 1er Cru "Les Groseilles" 2004
シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ "レ・グロセイユ" 2004
Henri de Villamont
アンリ・ド・ヴィラモン
Rouge
Chambolle Musigny 1er Cru
シャンボール・ミュジニー1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ(フランス)
\3,9202012/07/21 サンタムール カツミ商会
 本日は師範の結婚記念日、そして偶然にも師範代も今日が結婚記念日です。 というわけで、師範は勤務先をお休みして夕食の調理担当を。 実際は、今日は家のメンテナンスを入れてたんで、ついでに、という感じですが。 そして師範謹製の結婚記念日料理は、前菜が戻りガツオの和風カルパッチョ、 スープがベーコンと玉ねぎとキャベツのコンソメスープ、サラダはブロッコリーとホウレンソウとパプリカのベーコン・サラダ、 メインが米国牛肩ロースの和風ステーキ。もうチャッキチャキの「昭和のごちそう」という雰囲気ですな。
 そしてワインも、タマの贅沢&週末に備えて舌慣らし ((C)光弘さん)ということで3,000円超、 いわゆる「破戒」ワインをチョイスしました。 選んだのは、最近好印象の造り手「アンリ・ド・ヴィラモン」の手によるもので、 畑はシャンボール・ミュジニーの一級畑。 ヴィンテージは「イマイチ」という定評のある2004年産です。
 さて抜栓。コルクにはわずかに酒石のキラキラが見えるけど、品質は問題なさそうです。 そしてグラスに注いで、まず色がナイスです。 決して薄くはないけどキレイに向こうが透けて見える赤紫で、これぞブルゴーニュの色ですな。 8年前のヴィンテージではあるけど、見た目はまだまだ出来たてって感じです。 香りは、『良いレストランで良いブルゴーニュを頼んだ時の香り』をバリッと感じます・・・ って、15年もこんなことやっててその程度の表現しかできないのが大変残念ですが。 頑張って書くと、ピッと筋の通ったトーンの高い果実香がメインで、 その周りになめらかになった革っぽい香りがあって、 後は熟成からくるのであろう埃っぽい香りを感じます。 味は、香りのボリュームからするとやや軽め。 甘味がほとんどなくてややストイックな印象は否めません。
 時間が経つと、香りにも味にも東洋的な雰囲気が出始めます。 こういうの最近感じたよなぁ・・・と記憶の糸を辿ると、 今月初めに出張稽古したコレでした。 なるほどどちらも2004年産のシャンボール・ミュジニー村、 師範の記憶も案外バカにできません。
 というわけで、特に香りが魅力的なワインでした。破戒価格とはいえ、これが4,000円以下なのはかなりお買い得、 グレード的にも5~6,000円くらいが順当じゃないっすかね? おかげ様で楽しい結婚記念日を過ごせましたとさ。
83点道場にて

30日(火)

Tierra de Luna (Bodega Lurton White) Torrontes-Chardonnay 2011
ティエラ・デ・ルナ (ボデガ・リュルトン・ホワイト) トロンテス-シャルドネ 2011
Bodega Lurton
ボデガ・リュルトン
Blanco
Mendoza (Argentina)
メンドーサ (アルゼンチン)
\8502012/10/22 カーヴ ド リラックス リラックス
 通常火曜日は月火と続く休肝日なのでアルコールは飲まないのですが、 都合により明日は勤務先をお休みすることにしたので、本日は休前日。 よって「ハッピー・ビフォー・ホリデイ法」を新たに制定して、 飲んじゃうことにしました。 そして選んだのは白で、トロンテスとシャルドネの混醸モノ。  アルゼンチンの造り手「ボデガ・リュルトン」によるベーシック・ラインなんだけど、 インポーター(リラックス)の指示なのか、同じラベルデザインでワインの名称が Tierra del Fuegoだったり Land of Fireだったり落ち着きが無い銘柄です。
 色は、非常に普通の濃さで全くもって安ワインの色。 香りは、南米産の白としては弱めかなぁ。ほんのりフルーティな感じは受けるんだけど、 あくまでもほんのりだし、トロンテスやシャルドネの個性は香りからは感じられません。 味も、極めて没個性で「これって安い白ワインですよね」という印象がぬぐえない感じ。 香りも味も極めて「ふつう」と言わざるを得ません。
 買値3ケタのワインであることを考えると、 まぁこの程度のパフォーマンスでも腹が立ちはしませんが、 なんか年を追うごとに、名前が変わる毎に凡庸なワインになっちゃっているような。 少なくとも、このワインからは南米産のメリットである溌剌としたフレッシュさは感じません。 偉そうに言えば「造り手の慢心」を感じるような気がします。
65点道場にて

28日(日)

 本日はバンドの練習で例によって代々木方面へ。 ここんとこライブに出ずに練習ばっかしてますな。 最後にライブに出たのが昨年の9月だから、 もう一年以上も前。 でも、スタジオに仲間が集まって大きな音を出すだけでも楽しかったりするわけです。

 そして、バンドの楽しみのもう一つが終わった後の飲み会。 今回の店は、代々木駅西口を出てすぐのところにある喰しん坊 つちや。 この店にはちょっとご無沙汰していて、 前回が昨年の12月だから、もう一年近く前ですな。

 頂いた料理は、刺身3種盛り合わせ(左写真)\1,300とか串焼き10本盛り合わせ\1,200とか、 いわゆる居酒屋的な料理をいろいろと。 で、残念だったのは刺身盛り合わせの一品がオヒョウ(いわゆる回転寿司のエンガワ)だったこと。 油臭くて美味くないよね、オヒョウ。前日の手巻き寿司でマトモなヒラメのエンガワを食べたので、 その落差にションボリでした。

 とはいえそれ以外の料理はどれも手頃で真っ当で、 酒もビールやら焼酎ボトルやらいろいろ飲んで(ワインは飲んでません)、 3時間半くらい居てお会計は一人4,000円強。 飲ン兵衛的にはよろしいと思います。

27日(土)

Chablis 2009
シャブリ 2009
Antoine Chatlet
アントワーヌ・シャトレ
Blanc
Chablis
シャブリ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ(フランス)
\956 (単品価格 \1,449)2012/08/13 うきうきワインの玉手箱 重松貿易
 本日の夕食は手巻き寿司。寿司種は、マグロ中トロ、ヒラメ、サーモン、筋子、梅しそ、貝割大根、キュウリ。 あとは汁物が豚汁。 こう来ると当然白でしょう、それもサッパリ系の代名詞シャブリでしょう、ってことで 「【送料無料】第2弾!うきうき厳選!世界の白ワインが味わえる!超極上辛口白ワイン究極スペシャル飲み比べ5本セット」\3,980からの最後の1本をチョイスしました。 調べてみたら、2年半前に2008年産と稽古済みの銘柄、 その時も料理は手巻き寿司だったみたいです。
 色は、若いシャブリらしい薄めのレモン色。 香りはちょっとビックリです。樽なのかなぁ、ナッツみたいな香ばしい香りと、 グレープフルーツのような柑橘香、それにミネラル香(って具体的には何だ?ですが)があって、 およそ想定外のクオリティを感じます。 味も、酸味と旨味のバランスが良くて、 生魚メインの食事とも喧嘩しない程度に折り合ってました(さすがに筋子とは厳しかったですが)。
 今回のセットで、唯一「超極上」「究極スペシャル」という謳い文句の片鱗が感じられるワイン。 これはお薦め・・・と言おうと思ったけど、 現行品はヴィンテージが2010年に変わっているのね。 だもんで保証はできませんが、2008年も結構イケてたんで、2010年も良いかもです。
78点道場にて

24日(水)

Meteoro Templanillo 2011
メテオロ テンプラニーヨ 2011
Monte la Reina
モンテ・ラ・レイナ
Tinto
Castilla y Leon (VdT)
カスティーヤ・イ・レオン (ビーノ・デ・ラ・ティエラ)
Castilla y Leon (Espana)
カスティーヤ・イ・レオン(スペイン)
\980 (単品価格 \1,050)2012/08/31 エノテカ・シャトー蔵出しワイン エノテカ
 本日の夕食は、ホタテとコーンのバター炒め、焼きギョウザ、昆布の醤油煮。 赤でも白でも良さそうな、というか赤でも白でも中途半端そうなメニューだけど、 かなり涼しい気温になったということで赤をチョイスします。 選んだのは、エノテカの「パーティパック・ナイン RED」税・送料込み\9,450からの1本で、 スペイン産のテンプラニーヨ。 同じ造り手の似た銘柄は今月初めに稽古済みであります。
 さて抜栓。コルクは樹脂製、 ラベルの雰囲気に合わせた真っ黄色でなかなかオシャレなコルク。 そしてワインの色はやや濃いめの紫色で、良くも悪くも普通の赤ワインの色です。 ただ香りが違います。グラスに鼻を近づけなくても香ってくるボリュームなのは好印象。 でも、平べったい感じの果実香に加えて、 やや汗臭いような/ちょっと硫黄のような雰囲気もあって香り自体は結構個性的。 味は、わずかに炭酸が残っているようなチリチリ感と、 しっかりとはしているけど打ち解けていない甘味渋味酸味が混在しています。
 抜栓後1時間くらいするとかなり飲み飽き。 平日なんで半分しか飲まない予定ではあったんだけど、そもそも半分で「もういいか」って感じになっちゃいました。
 存在感はしっかりしているけど、好き嫌いが分かれそうなワインでもあります。 師範はどちらかというとややネガティブ。 ただ、インパクトはあるワインなので、スペイン・バルあたりでワイワイ飲んだり、 グラスワイン用途では良いんではないでしょうか。

 そして例によって残った半分は翌々日稽古。 香りのボリュームはかなり衰えて、雰囲気も更に平板になって柑橘類の皮みたいな雰囲気。 それでも味わいがまとまってくれていれば御の字だったんだけど、 残念ながら渋味も酸味も険しいまま。全く好転する要素は見せてくれませんでした。 得点を付ければ-4点くらいのガッカリ具合だったけど、 抜栓当日に稽古し終えなかったのは己の責任、というわけで点数不変です。
69点道場にて

21日(日)

 そして今日は、道場が立地する地区の町内会対抗運動会。 今年初めて参加しました。

 師範代が町内の子供会の役員をしているということもあって、 師範もいろんな種目に駆り出されています。 そしてその戦績は、デカバン・リレーが6チーム中1位、ムカデ競走が6チーム中惜しくも2位、 良く頑張りました。 そして、最終的に師範の町内チームは総合1位でした。パチパチパチパチ。 この町内は万年ビリのチームだったらしいけど、 師範が参加することでこの好成績を獲得できました・・・なんてね。

Le Haut-Medoc de Giscours 2008
ル・オー・メドック・ド・ジスクール 2008
Ch. Giscours
シャトー・ジスクール
Rouge
Haut-Medoc
オー・メドック
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,5222012/07/30 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 夕飯は道場で。本日のメニューは、前日から仕込んでいた豚スペアリブの照り焼き、ベーコンチャウダー。 こういうキッチリと肉料理だと、やっぱりボルドーとかニューワールドを飲みたくなります。 そして選んだのがワイン漫画等でかなり高評価のボルドー産、シャトー・ジスクールが作る廉価版オー・メドック。 この銘柄はヴィンテージ違いといろいろ稽古していて、直近の稽古は3年前の2005年産。 コンスタントに良いパフォーマンスを発揮してくれる印象があります。
 色は、ボルドーらしい青味と鉄サビ感の強い紫色。 香りは唸ります。ホントこのワインはハズさない。 煙たいような(樽由来の?)香りとギュッと締まった果実香があって、いかにもボルドー、いかにも発達した醸造技術といった感じ。 味もハズさないですなぁ。 ニューワールド産とかと比べると重さは無いかもしれないけど、 甘味や酸味や渋味のバランスがバッチリで、ホントにスイスイと入っていきます。
 ボルドーってヤツは熟成させてナンボだと思っているけど、 こういうワインは比較的若めでも十分楽しめます。 上手いよなぁ、造り方が。 1,500円ちょっとのボルドーとしては大変秀逸、間違いなくお薦めできる安ワインです。
82点道場にて

20日(土)

 今日は、道場が立地する区の区民祭り。

 左写真は、「震災復興支援」ということで出店されていた、岩手県の漁協による蒸し牡蠣、 1個200円。決して安くは無いなぁと思ったけど、そもそも震災復興支援だからね。 それなりに利益が上がらないと意味が無いわけで。

 他には、350mlの缶ビールが200円とか、生協のうどんが1杯100円とか。 さすがにワインはありませんでした。 これが山梨県とかだったら絶対あるよね。

Bourgogne Pinot Noir 2008
ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2008
Dom. Nicolas Rossignol
ドメーヌ・ニコラ・ロシニョール
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,7642012/09/26 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食は、今シーズン初となる鍋料理で、鶏と豚バラの水炊き。 肉以外は水菜とか白菜とか葱とかエノキ茸とか舞茸とか豆腐とか。 あとはカマンベール・チーズとキノコのココット焼き。 となるとやっぱりワインは赤でしょう、それもあまり重くないのが良いでしょう、 ということでブルゴーニュの赤をチョイス。 この造り手ニコラ・ロシニョールのワインは、 春に2009年産の一級畑と稽古して明らかに早過ぎたんだけど、 2008年産のACブルゴーニュなら早過ぎるってことはないでしょ、と。
 色は、ACブルゴーニュとしては標準的な感じの赤紫。 香りは、最初注いですぐはとても弱くて、「こりゃハズシたかな」と思ったけど、 時間が経って温度が上がってくるとそれなりに開いてきました。 革っぽさが主体の、ACブルゴーニュでも南の方の産ではないかと思われる雰囲気の香りです。 味は、軽いっちゃ軽いけどとってもスムーズで、ACブルゴーニュの面目躍如、といった感じ。
 客観的には香り弱めで薄くて酸っぱいワインかもだけど、 ブルゴーニュを偏愛する安ワイン者としては、この雰囲気は想定通り/予想通りのパフォーマンス。 まさに1,980円のACブルゴーニュというグレードに見合ったワインでした・・・ ということは若干残念だったわけですな。
74点道場にて

17日(水)

Casas Patronales Sauvignon Blanc Reserva 2011
カサス・パトロナレス ソーヴィニョン・ブラン レセルバ 2011
Casas Patronales
カサス・パトロナレス
Blanco
Maule Valley
マウレ・バレー
Maule Valley (Chile)
マウレ・バレー(チリ)
\552 (単品価格 \837)2012/08/13 うきうきワインの玉手箱 ドウシシャ
 記録的に長かった残暑の時期も過ぎ(と備忘録)、ようやく秋らしくなってきました。 暑さが長引いたこともあって、当初は「買いすぎたか」と思った白ワインの在庫も、 順調にはけております。
 そして本日のワインは「【送料無料】第2弾!うきうき厳選!世界の白ワインが味わえる!超極上辛口白ワイン究極スペシャル飲み比べ5本セット」\3,980からの1本で チリ産のソーヴィニョン・ブラン。 単品価格でさえ1,000円以下で、セットの割戻し相当価格は500円超、 それでいて「レゼルバ」というワイン版価格破壊の一本。 これで中身も価格破壊だったら嬉しいなぁ、と思いつつ。 ちなみに料理は、ピクルス、牛肉のチャプチェ、牛肉と蓮根の炒め物。 客観的には赤が合いそうなメニューだけど、 昼から白と稽古するつもりだったんで良いんです。
 色はほぼ無色透明。そういうのって、南米のソーヴィニョン・ブランには良くありますな。 香りは、ハーブっぽい香りがしっかりあって、とてもソーヴィニョン・ブランらしく、 あまり厚ぼったさも無いんでなんだか南仏のものみたいな感じ。 ただ、味がイケてません。かなりジリジリとした苦みがあるんだよね。 一杯だけだったらフレッシュ感とも言えるけど、飲み進めると結構邪魔です。
 正直言って、ブドウ自体は良く熟しているけど、 それをガサーッと収穫して乱暴に醸造した、という感じを受けます。 だもんでこれが「レセルバ」と言われるとちょっとねぇ。 料理との相性が悪かった可能性もあるけど、少なくとも万人ウケするワインじゃないです。

 半分残して翌々日再稽古。やっぱりジリジリした味がイケてません。 香りも味も、良くも悪くもは変わり無い感じ。 というわけで、まぁ500円ちょっとのワインなんで腹立たしくはないけど、 これに「超極上」「究極スペシャル」という謳い文句を付けるセンスは いかがなものかと思いますな。
66点道場にて

14日(日)

Montes "Classic Series" Marbec 2011
モンテス "クラッシック・シリーズ" マルベック 2011
Montes S.A.
モンテス S.A.
Tinto
Colchagua Valley
コルチャグア・バレー
Colchagua Valley (Chile)
コルチャグア・バレー(チリ)
\980 (単品価格 \1,493)2012/08/31 エノテカ・シャトー蔵出しワイン エノテカ
 今日は涼しい、というか肌寒い一日でした。 師範家では、師範と長女が寒がり、師範代と次女が暑がりです。 前者が草食系、後者は肉食系と言われています ・・・ってなことは置いといて、夕食のメニューは「今シーズン最後かな」ということでテラスで焼き肉。 焼き肉の後の食事は、焼きそばじゃなくてちゃんぽんです。 その方が暖まるしね。 さてワインは、エノテカの「パーティパック・ナイン RED」税・送料込み\9,450からの1本で、 2008年産と稽古済みのマルベック種。 たまたまだけど、前回の稽古の時も焼き肉だったようです。
 とても強いワインだと想像されたので、午後4時前に抜栓、チビチビと飲み始め。 そして実は、その前に清酒「羅生門 夏生 鳳凰吟醸」(和歌山・田端酒造)からスタートしてます。 要するに昼過ぎから飲み始める幸せなオッチャンです。 さて色は、とても濃くて青みの強い紫色です。 香りは、カシスっぽい濃いベリー香に、ピーマンみたいな青臭系の香りがあって、 口に含むと甘い樽香を感じます。ピッキピキに若いけど、香りのポテンシャルは十分って感じです。 味も若いっすね。思ったほどの重さは無いけど、ガッシリした渋味が顕著で、 なかなかどうして簡単に開いてはくれませんでした。
 前回は2008年産を2010年に稽古、今回は2011年産を2012年に稽古ということで、 熟成期間にかなりの差があります。だもんで今回は顕著に若く険しい感じがしました。 今飲んでも若いなりの良さは感じられるんだけど、 美味しさの絶対値から言ったら数年後に飲んだ方が良いだろうね、こういうワインは。

 一杯分だけ残ったんで3日後再稽古。 さすがに3日も経てばかなり変化していて、飲んだ感じはほぼポルトです。 好き嫌いは置いといて、この状態の方が飲みやすいかもね。 というか、抜栓後1日or2日あたりにスイートスポットがあったかもです。
73点道場にて

13日(土)

Bourgogne (Rose) 2009
ブルゴーニュ (ロゼ) 2009
Dom. Gros Frere et Soeur
ドメーヌ・グロ・フレール・エ・セール
Rose
ロゼ
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ(フランス)
\1,5402012/07/21 サンタムール カツミ商会
 一時期に比べるとだいぶ涼しくなっては来たけれど、 まだ日中は半そでシャツにサンダルで過ごせる気温。 もう10月も半ばだってのに、今年はいつまでも温かいですな。 というわけで、選んだワインもどちらかというと夏向きのヤツで、 ブルゴーニュの剛腕造り手「グロ・フレール」が作るACブルゴーニュ・ロゼ。 赤とか白だとこのグレードでもきっちり樽を利かせて来る造り手だけど、 果たしてロゼはどうですかね? ちなみに料理は、馬刺、馬サラミとパプリカの炒め物、ヤリイカのソテーなどです。
 色は、ピンクと言うよりほぼオレンジ色。 香りは、鼻で嗅ぐ分には全く白ワインの香りで、やっぱり若干の樽があるように感じます。 そして口に含むと、これが不思議とピノ・ノワール的なイチゴっぽさがあります。 香りのボリューム的にはおとなしめだけど、雰囲気は白と赤の良いとこ取り、 と言えなくもありません。 で、味は、まぁ軽めの白ですな。 でも、それなりにしっかりしたコクもあって、バランスは悪くありません。
 そもそもロゼとの稽古自体あまり機会がないんだけど、 特に樽香のあるロゼとの稽古は初めてかもです。 個人的に赤でも白でも軽めの樽は嫌いじゃないので、このロゼの樽も好印象。 見た目も華やかなんで、ホーム・パーティなんかによろしいんじゃないでしょうか。
75点道場にて

10日(水)

Domaine des Cres Ricards Merlot 2010
ドメーヌ・デ・クレ・リカール メルロー 2010
Dom. des Cres Ricards
ドメーヌ・デ・クレ・リカール
Rouge
Pays d'Oc (IGP)
ペイ・ドック (インディカスィオン・ジェオグラフィック・プロテジェ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\7772012/07/30 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 今週は、月曜日がお休みだったので、休肝日は中一日の火曜日のみ。 やっぱり家に帰って酒が飲めるというのはうれしいものですな。 そしてワインは、今週もまた二日に分けて飲もうということで、 しっかりしていそうな南仏産のメルローをチョイス。 この銘柄のワインは、ちょっと上のクラスと8年前に稽古済み。 「それなり」という印象だったみたいだけど、はたして8年後の今日はどうか、と。 ちなみに料理は、鶏手羽中の唐揚げ、エリンギと馬サラミの炒め物、先日の残りのラタトゥイユです。
 さて抜栓、色は非常にシッカリと濃い紫色です。 香りは、メルローっぽさと南仏っぽさを天秤に掛ければ、 南仏っぽさが勝つような雰囲気。 傾向とボリューム含め悪くは無いけど特段の個性は感じません。 味は、良く熟した葡萄の果実をグジュグジュッと潰したような、 甘味も酸味も渋味もいっしょくただけどそれぞれ独立な感じ。
 お値段税込み800円以下だからね、それを考えればかなり健闘している方じゃないかと。 でも、敢えてこの銘柄を選ぶ理由は見つからないというか、 「この値段でこのクオリティのワインが飲めてラッキー、さぁ次いこ次!」って感じかなぁ。

 ・・・で、↑で「さぁ次いこ次!」って書いてはいるけど、 平日ゆえ半分は残しているんで次に行けず2日後再稽古。 そもそも若めのワインだったんで、多少好転するかと思ったんだけど、 実際は甘味が減って薄っぺらな感じになって、どちらかというと好転とは逆方向。 ますますもって「さぁ次いこ次!」なワインでした。
70点道場にて

8日(月祝)

 今日は最寄り駅の駅前商店街のお祭り。 飲んだビールがプラコップ1杯で200円、ちょっと大きめ紙コップ1杯が250円とお安い商店街価格。 食べたのは、宿場そばが1杯300円(うち100円はお祭りへの協賛金)、たこ焼きが6個で300円。 安いとは言えすぐ1,000円とか使っちゃうのね、お祭りって。

 ちなみに左写真はお祭りのイベントの猿まわしでハードルをジャンプするお猿さん。 まだ小さい彼が頑張っていたおかげで、 結構良いご祝儀が集まっていたようであります。

Chateau Gillet (Rouge) 2009
シャトー・ジレ (赤) 2009
Ch. Gillet (E.A.R.L. Nadau)
シャトー・ジレ (E.A.R.L ナドー)
Rouge
Bordeaux
ボルドー
Bordeaux (France)
ボルドー(フランス)
\980 (単品価格 \1,596)2012/08/31 エノテカ・シャトー蔵出しワイン エノテカ
 さて本日の夕食は、メインがハンバーグで、あとはラタトゥイユ。 普通の日本の食卓であります。 そしてワインは、エノテカの「パーティパック・ナイン RED」税・送料込み\9,450からの1本で、 ボルドー産の赤を。 販売店のサイトによれば、白ワインの産地アントル・ドゥー・メール地区にあるシャトーのようです。 そして道場の過去を調べると、2005年産2003年産と 稽古済みのよう、そして決して芳しくない稽古結果だったようであります。
 さて抜栓。色はしっかりと濃い紫色で、いかにもボルドーな色合いです。 香りは、カシスっぽい濃い果実香に加えて消し炭みたいな煙たい感じがして、 こちらもいかにもボルドーな雰囲気。 香りのボリュームもそれなりにあって、以前の稽古であったようなネガティブな要素はありません。 味は、ボルドーにしてはやや軽めな感じは値段に正直な部分かな。 でも、ヘンテコなバランスだったりはしないんで、これはこれでアリだと思います。
 典型的で素直なボルドー産赤、というワインでした。 以前の稽古と印象が違うのは、やっぱりヴィンテージの恩恵を受けているのかな。 単品価格の1,600円は微妙だけど、買値相当額の980円なら納得です。
71点道場にて

7日(日)

 本日は、門下生第四十八号・柳沢殿にお招きいただいて、二家族で食事会。 料理もたくさん、ワインもたくさん出して頂いてホントにありがとうございます。 左写真は、ホタテを香草(ローズマリー)と炒めて2色のグレープフルーツと合わせたもの。 こういう色使い/味使いのセンスはなかなか真似できないです。 ご馳走様でした。

(ちなみに奥様のBlogはコチラ。 写真の腕も真似できないです)

Lamiable "Cuvee Les Meslaines" Brut Grand Cru 2006
ラミアブル "キュヴェ・レ・メレーヌ" ブリュット グラン・クリュ 2006
Champagne Lamiable
シャンパーニュ・ラミアブル
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
(柳沢殿から) エイ・エム・ズィー
 最初に柳沢殿から出して頂いたのがこのシャンパーニュ。 青と黄色をベースにした大変ド派手なラベルで、 「ラミアブル」という造り手によるグラン・クリュ畑のヴィンテージ・シャンパーニュなんだけど、 師範としては寡聞にして存じ上げない造り手です。 ラベルを良く見ると、レコルタン・マニュピラン(葡萄生産者元詰)のようであります。
 色はしっかりした小麦色っぽい感じで、泡立ちも細かくたっぷりでさすがシャンパーニュって感じ。 そして香りにはリンゴとイーストっぽさがあって、熟成香もかなり出ています。 味は結構ドライです。酸味がしっかりしていて、人によってはしっかりし過ぎてると感じるかも、なくらい。 でも、酸っぱい感じがしないのはさすがシャンパーニュですな。
 というわけで、しっかりした香りとキレの良い味わいを持ったシャンパーニュでありました。 こういうワインが最初に来ちゃうと後が辛かったりするわけですが、 本日の場合はそういう心配は御無用でありました。
82点柳沢殿宅にて

Puligny-Montrachet 1er Cru "Clavoillon" 2008
ピュリニー・モンラシェ プルミエ・クリュ "クラヴォワヨン" 2008
Dom. Leflaive
ドメーヌ・ルフレーヴ
Blanc
Puligny-Montrachet 1er Cru
ピュリニー・モンラシェ1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\9,1352011/02/16 金沢マル源酒店 ラック・コーポレーション
 次なる白は、師範が持参させて頂いたもので、 名門造り手ドメーヌ・ルフレーヴの名醸畑ピュリニー・モンラシェ1級クラヴォワヨンであります。 「安ワイン道場」のくせにこの銘柄とは過去2度ほど稽古してたりします (2004年産1996年産)。 グラン・クリュじゃないのがアレですが、 持ってる白の中でこれが一番高級品だった、ということでご勘弁ください。
 色は、2008年産と若めな割には色が濃くて、前のシャンパーニュと比べてもそう変わりません。 香りは、最初鼻で嗅いだ時点では弱めに感じたけど、 口に含むと「出ましたルフレーヴ節!」です。 ビスケットみたいに甘く焦がした雰囲気にバター・ナッツの香ばしさがが加わって、 もちろんその裏にはシッカリとした果実の香りがあって、申し分ありません。 味は、前のシャンパーニュと比べると相対的に酸が弱めでやや浮ついた感じがしないではありませんが、 それでもそんじょそこらのシャルドネでは味わえない「迫力」みたいなのモノを身にまとってます。
 いやー、持参したワインがアタリで良かった良かった。 ただ、1万円近くもするわけだから、これくらい美味くて当然という話もありますが。 「安ワイン道場師範」たる者、もっとお手頃価格でこういうワインを探すべきなんでしょうがね。
87点柳沢殿宅にて

Clos de Tart 2004
クロ・ド・タール 2004
Momessin
モメサン
Rouge
Clos de Tart (Morey Saint Denis Grand Cru)
クロ・ド・タール (モレ・サン・ドニ特級畑)
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(柳沢殿から) 合同酒精
 そして次に柳沢殿に出して頂いたのがコレ、 モレ・サン・ドニ村の特級畑、モメサンのモノポール(単独所有畑)である「クロ・ド・タール」であります。 もちろん道場初登場・初稽古のお相手。 こういう、「思いっきり稽古範囲外」な相手を出張稽古させて頂けて、 大変ありがたいことであります。
 さて色ですが、「黒でタール」な名前の印象とは裏腹に、 ガーネットをベースとした赤紫色で、大変キレイな色合いであります。 香りは凄いです。まずボリュームが凄い。そして、およそこれまで嗅いだ事のない、 エスニックでオリエンタルな雰囲気があります。 何だろうね、八角とか丁子みたいな中華風スパイスの香りかなぁ。 ブドウとか樽とかもあるけど、それを超越したなんとも不思議な香りの雰囲気です。 味は、香りの独特さに比べると非常に素直な、スーッと入ってくる洗練した味わいです。
 「参りました」ですな。やっぱりこういうワインは凄いわ。 道場生活15年を越えてますが、まだまだ知らない世界があるんだなぁ、と。 大変勉強になりました。
91点柳沢殿宅にて

Pommard Grands Epenots 2002
ポマール グラン・ゼプノ 2002
Dom. Michel Gaunoux
ドメーヌ・ミシェル・ゴヌー
Rouge
Pommard 1er Cru
ポマール1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
(柳沢殿から) 土浦鈴木屋
 飲む人3人で4本目であります。師範的にはかなりメートルが上がっております。 そして、そんな客人には適当にチリ産あたりでも出しておけばいいものを、 こんな立派なワインまでお出し頂いております。 モノは、長熟で有名な造り手ミシェル・ゴヌーのポマール1級畑。 ヴィンテージも良年と言われる2002年産であります。
 で、どういうワインだったかというと、これがホントに覚えてないんですなぁ。 飲んだこと自体は記憶しています。ただ、それがどういうワインだったかをこれっぽっちも覚えてない。 甚だもったいない話であります。
 ・・・というわけで「師範失格」であります。 のみならず、(毎度のことですが)人様んちで寝ちゃったりして、「オトナ失格」だったりもします。 ホントにスミマセン。
??点柳沢殿宅にて

 という感じで、午後2時から始めて、帰路に着いたのは既に午後9時過ぎ。 長々とお世話になりました。

6日(土)

Torcanto Verdejo 2011
トルカント ベルデホ 2011
Long Wines (Bodegas Monte La Reina)
ロング・ワインズ (ボデガス・モンテ・ラ・レイナ)
Blanco
Toro
トロ
Toro (Espana)
トロ (スペイン)
\6802012/07/30 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食はサンマの塩焼き。 やっぱりね、日本人たるもの秋の魚は秋刀魚です。 あと、ご飯は栗ごはん。日本人たるもの秋のご飯は栗ごはんです。 そしてワインは・・・って日本人なのにワインなのかい!って感じではありますが、 選んだのはスペイン産の白。 造り手は、裏ラベルには"Long Wines S.L."との表記しか無いんだけど、 販売店のサイトには"ボデガス・モンテ・ラ・レイナ"との表記があって、 だとすれば↓と同じ造り手ですな。
 色はそれなりな濃さのレモン色。 香りは、「コレってソーヴィニョン・ブランだっけ?」 ってな感じのトロピカル・フルーツっぽさとハーブっぽさ。 香りのボリュームは、一般的なこのクラスに期待するレベルを遥かに超えています。 味も、甘くなくてコクがあってなかなかのもの。 ただ、押し出しが強い割に酸が弱くて、やや飲み飽きする感があるのが残念ですが。
 スペインの安い白っていうと、香りもヘタレ味もボケた感じ・・・ というイメージをキレイに払拭してくれるワイン。 大絶賛ってモノでも無いですが、同梱する時にあと一本何にしようか・・・ って時に選ぶには重宝すると思います。
72点道場にて

3日(水)

Pebbles Templanillo N.V.
ペブルス テンプラニーヨ [ヴィンテージ無し]
Monte la Reina
モンテ・ラ・レイナ
Tinto

(Espana)
(スペイン)
\980 (単品価格 \1,050)2012/08/31 エノテカ・シャトー蔵出しワイン エノテカ
 本日の夕食は、牛肉の柔ウマ煮込み(要はスネ肉のシチュー)、カボチャとポテトのチーズ焼き、 レタスのサラダ。 そして今月最初の1本は、エノテカの「パーティパック・ナイン RED」税・送料込み\9,450からの1本で、 スペイン産の赤。 師範の苦手なスペインのテンプラニーヨだし、ヴィンテージも書かれてないし、DO無いし・・・ ということで、セットの中では一番安そう(単品価格は1,050円)で一番イケてなさそうな感じ。
 色は、パリッとストレートな青紫色。向こうは見えるので、透明度はそれなりにあります。 香りは、スペインのテンプラニーヨらしいと言えばらしい、 アメリカン・チェリーがグジュッと熟した果実香に加えて、 グルナッシュみたいなやや青臭くて荒っぽい雰囲気と、硫黄のようなオナラっぽさが加わった感じ。 でも、タバコの吸い殻を漬けた汁みたいなヤニ臭さはありません。 味は、渋味と酸味と甘味がそれなりにあって、バランス自体は悪くありません。 でもいかんせんバラバラだな。ヴィンテージは無いけど、かなり若いワインだと想像されます。
 汎スペイン産であることとか、テンプラニーヨであることとか、ノン・ヴィンテージであることとか、 師範にとって苦手なポイントを忘れて素直にワインと対峙すれば、 案外イケてるワインです。 少なくとも田舎臭くは無くて、ラベルの雰囲気通りモダンでリーズナブルなスペイン産、 といった感じでした。

 久しぶりに一本を複数日に分けて飲んでます、 ということで翌々日再稽古。 色も香りも味も、抜栓した初日と大きな違いはありません。 ただ、渋味がこなれて甘味がちょっと増した感じかな? いずれにせよ1,000円のワインとしては十分なパフォーマンスだと思われます。
72点道場にて

前月分

by 師範