稽古日誌:2017年9月

ハロゲン電球

 9月になりましたが、今年の夏は雨が続いて涼しい日が多かったですな。 ワイン産地のブドウの生育具合とかはどうなんだろうね?関東地方だけの冷夏だったら良いんだけど。

 さて、先月から検討しておりました、道場のハロゲン照明をLEDに置き換える計画(コレ)、 耳から血が出るほど悩んで指から血が出るほど検索しまくりまして、 まず1灯だけ買ってみたのが岩崎電気の"LEDioc LDR5W-M-E11/A"というLED電球。 お値段は2,000円ちょっと。ワインはポンポン買うのにそれくらいの金額の電球にウンウン悩むのは変に思われるかも知れないけど、 LED電球って定格寿命は40,000時間もあるんで、1日6時間点けても20年も持つんですよ。ある意味一生の買い物。 気に入らなきゃ捨てれば良いんだろうけど、師範は投資したものをサンク・コストと判断するのが苦手なんでそれができないのね。 経営者には向かない性格です。

 閑話休題、左写真(※)が今回買ったハロゲン型LED電球と 通常のハロゲン電球(ウシオ電機の"JDR110V40WLM/K")との比較。 左側がLEDで右側が通常のハロゲン。ランプ自体が発光している様子はかなり良い感じに似せてあります。 ただ、この写真で見ると、LEDの方が赤みがあるような感じだけど、 実際照らした感じはLEDは若干黄色っぽくて通常ハロゲンの方がオレンジっぽい色合い。 あと、光軸の中心部分と周りの部分の明るさの差が大きく、中心部分はちょっとまぶしい感じ。

 というわけで概ね満足。しばらく使ってみて、問題が無ければ残り4灯も交換予定。 この商品、買ったものより少し明るさを落として演色評価数を上げたバージョンもあるみたいなんで、 次に買う際はその2パターンを2灯ずつ買って、適材適所で使います。 これで5灯分計200Wだった消費電力が25Wと1/8に削減予定。少しは電気代安くなるかな?

(※)電灯を写真に撮るのは難しいね。この写真は思いっきり露出アンダーで撮って、ダイナミックレンジを圧縮して現像しています。

商品リンク: ハロゲン電球形LED電球 LEDioc(レディオック) 電球色相当5W LDR5LME11HA 2,116円


30日(土)

Cote de Nuits-Villages 2013
名称Côte de Nuits-Villages 2013
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ 2013
生産者Dominique Laurent
ドミニク・ローラン
価格2,682円
購入店 カーヴ・ド・リラックス

 今日で9月も最終日。早いもんですなぁ。 去りゆく9月を惜しんで、ワインはちょっと良いヤツをチョイスしました・・・と言っても稽古範囲内の価格ですが。 選んだのは、裾モノでもキッチリ仕上げてくれることで道場内で定評のある造り手、 「ドミニク・ローラン」のコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ。 ここのワインは「ラベルが黒だと気合が入っている」と聞いたような気がするけど違ったかな? この銘柄は2004年に2000年産と稽古しているけど、その時の買値は一本1,700円くらい。 今は1.5倍以上。高くなったよなぁ、ブルゴーニュ。 ちなみに、合わせた料理は師範謹製、鶏モモ肉のオーブン焼き、焼きナス、塩キャベツ、ベーコンとレタスとトマトのスープであります。

 さて抜栓。コルクは造り手も銘柄もヴィンテージも記載された立派なものですが、 匂いを嗅ぐと明らかに酢酸臭。「これはヤバいかも・・・」と心配しつつ稽古開始。 色は、このクラスのブルゴーニュとしてはやや濃いめに感じる赤紫色。2013年とまだ若いのに、エッジには若干レンガ色が入っています。 香りは・・・よろしいです。ホッと胸を撫で下ろしました。 プラム系のトーンの高い果実香に、革っぽい妖艶さが加わって、村名クラスか下手すりゃ一級レベルの香りだと思われます。 ところが味は軽いのね。酸味はあるけど甘味が無いし、旨味や膨らみも無くて、かなり物足りなさを感じます。

 香りはこのグレードを遥かに超える素晴らしさがあるんだけどなぁ。ここまで香りと味のギャップがあるワインは久しぶり。 多分、砂糖と味の素を入れれば結構バランスするかも・・・流石にそんなことはしませんが。 そこはかとなく不思議な熟成感もあって、もしかするとこのボトルは状態が正常では無かったのかも知れません。

点数73点

29日(金)

Premium 1904 Graciano 2015 [Bodegas Navarro Lopez]
名称Premium 1904 Graciano 2015
プレミアム 1904 グラシアーノ 2015
生産者Bodegas Navarro Lopez
ボデガス・ナバッロ・ロペス
価格972円
購入店 サンタムール

 本日はプレミアムフライデーってことだけど、師範のとこも師範代のとこも特にそれむけの勤務形態変更は無し。 っていうか、明らかに失敗じゃないですかね、プレミアムフライデー。 ダメならダメで撤収宣言して、失敗の原因や無駄にした税金を総括して欲しいものです。

 とはいえ金曜日は普通の平日よりプレミアム感はあるわけで、選んだワインは「プレミアム」という名前が付いたスペイン産。 グラシアーノって聞きなれない品種が使われているけど、 高級ワインに補助的に使われてる品種で、単一でワインにされるのは珍しいんだとか。 当道場でも初登場です。 そして本日の夕食メニューは、師範が拵えた野菜たっぷり冷しゃぶ、師範母が拵えた豚汁とモヤシのお浸し。 なんとなく白やロゼの方が合いそうではあるんだけど、急に涼しくなって赤が飲みたかったんだからこれで良し、です。

 さて抜栓。コルクは紫色のNOMACORC。キャップシールを剥がすと真紫色が見えて結構ビックリします。 グラスに注ぐと、そんなコルクのイメージ通りの真紫色。とても濃そうで固そうな外観です。 香りは、思ったよりもトーンが高め、ツンッとした果実感。 グルナッシュとかサンソーみたいな、やや野暮ったいフルーツっぽさを感じる香りです。 樽香は感じないので、多分樽熟はしていないと思われます。 味わいは、甘さしっかり、酸味しっかり、渋味しっかり。そしてそれぞれがバラバラ。 ポテンシャルの高さは感じるけど、現時点ではまだまだ「本領発揮のずいぶん前」です。

 まだ若いってこともあると思うけど、そもそもグラシアーノという品種、確かにこれじゃメインを張るのは難しいかもね。 とにかくカタブツ。ワインに骨格を与える補助品種としては有効だけど、終始コレだとちょっと辛い感じです。 そうと知っていて飲む分には楽しいんだけど、いきなりだと「なんじゃこりゃ!?」かもです。

点数71点

27日(水)

Martingala Chardonnay N.V.
名称Martingala Chardonnay N.V.
マルティンガーラ シャルドネ (ヴィンテージ無し)
生産者Martingala
マルティンガーラ
価格768円 (単品価格 1,620円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 本日の夕食は、現在道場に逗留中の師範母が作ったマカロニ・グラタン。 それに師範謹製のレタスとトマトのサラダ、主食は浅野屋のバゲット。 ワインは、そこそこしっかりしてそうな白ってことで、イタリアのシャルドネをチョイスしました。

 このワイン、初稽古の銘柄かと思ったら、 2015年に2013年産のモンテプルチアーノ・ダブルッツォと稽古していました。 なんでも、イタリアのスペシャリスト3人が、リーズナブルなワインを造るべく立ち上げた銘柄なんだとか。 以前の稽古の印象からすると、期待できそうではあります。

 色は薄めだけど、麦わら色っぽさを感じるので(ノン・ヴィンテージながら)そんなに若くは無いような気がします。 香りは「おぉ!」と思いました。 いかにもシャルドネらしい、蜜入りリンゴっぽいフルーツ香とハーブのような複雑な青臭さがパーッと香ります。 樽香は感じないのでステンレス発酵かと思われます。 味わいも、甘味と酸味のバランスが良くて、物足りない感じはないボリュームがあって、なかなかいい感じ。 スケールは小さめながら、香りも味もカチッとまとまってます。

 ヴィンテージ不明、産地不明なワインながら、本質重視な感じがして結構好印象です。 料理との相性も万能選手っぽいし、気楽なイタリアンとかでテーブルワインにすると良いんじゃ無いかな、と思います。

点数75点

 「塩尻ワイナリーツアー」の他参加者の記事、徐々にアップされて来ています(リンクのまとめはココ
元エディターで著名料理ブロガーなSHIMAさんの記事 (ココ)はさすがの構成力、 昔から日本ワインを贔屓にしておられるOoisotaroさんの 率直な評価(ココ)など、 それぞれに個性があって楽しませて頂いております。


24日(日)

獺祭 純米大吟醸50と醸し人九平次 Eau de Desir 2016

 夏場は(ワイン以外は)ビールがほとんどなんだけど、 キンモクセイの香りもし出して秋の気配が感じられる昨今、 ぼちぼち清酒でも、という季節になって参りました。

 そこで、昨日散歩がてら「横浜君嶋屋」まで出向いて買って来たのが、醸し人九平治 山田錦 "Eau du Désir" 2016という清酒。 これの上級版「別誂」は昨年末に稽古していて、 かなり好印象だったんでコレにしました。 セラーにはまだ夏前から飲んでいる獺祭 純米大吟醸50があるので、それと比較。 どちらも酒米は山田錦、どちらも精米歩合は50%です。

 色は獺祭がわずかに濃い感じ。 メロンのような吟醸香は獺祭の方が強めで、九平次は甘酒のような麹の香りを感じます。 香りだけなら獺祭が好印象なんだけど、 比較して飲むと獺祭の方が甘味が強い印象。 対する九平次は、わずかに炭酸のチリチリ感も残っており酸がしっかりした味わいで、 男性的な力強さを感じます。

 どっちも美味いけど今日の勝負は九平治に軍配。 お値段は獺祭が1,539円、九平治は2,095円。 どちらも余裕で稽古範囲内の価格。「孝行舌」の師範にとって清酒はこのくらいので十分。 師範のペースだと、晩秋の頃までチビチビ楽しめると思います。

Jurgo 2001
名称Jurgo 2001
フルゴ 2001
生産者Grandes Bodegas (Marqués de Velilla)
グランデス・ボデガス (マルケス・デ・ベリージャ)
価格999円
購入店 ヴェリタス

 このまま清酒を続けて飲んで、さらにワインも1本となるとアルコール摂取量的に夜には寝落ちしてしまうことが確実なんで、 早いうちにこのワインに切り替えました。 選んだのは、ここ数年の安ワインの中では一番「お宝発見」なワイン、フルゴ。 2001年産とは3回目の稽古(以前の稽古はココココ)です。

 ちなみに本日の料理は、現在道場に逗留中の師範母が熊本から送ってくれた黒毛和牛のステーキ。 ガッツリとサシが入った牛肉のステーキはやや厳しいお年頃なので、 子供たちはステーキソースだけど年寄りはさっぱりと大根おろしで頂きます。 その他は野菜メインで、赤ピーマンとキノコの甘酢漬け、大根ツナサラダ、レタスと生ハムのサラダであります。

 色は、一番エッジ側にオレンジ、そのちょっと内側にレンガ色、でも全体にはまだまだしっかりと濃い紫色を呈しています。 香りはやっぱり素晴らしい。格付けボルドーの熟成モノに感じるような果実が落ち着いた丸っこい雰囲気と、 スペインやイタリアにある明るく人懐っこい香り、それが良い感じに同居しています。 香りのボリュームはおよそこのクラスとは思えないレベルでガンガン来ます。 味わいは、これまでの印象よりやや酸を強めに感じる気がします。 数値的には、前回のも今回のもpHは3.6で同じ、 でも糖度は前回が7.9で今回が7.3。甘味が少ない分だけ酸を強く感じるんでしょう。

 糖度がかなり違うんで、結構ボトル差があるみたい。 そりゃそうだよね、わざわざ"Vino de Mesa"に格下げして売られているんだから、中身が同じである保証は無いわけだからね。 でも、それを差し引いても、こんなに香り豊かでキレイに熟成したワインが3桁で買えるってのは奇跡に近いと言えます。 まだ在庫はたっぷりあるみたいだし、本日時点で若干値引き(999円→947円)して売られているんで、 まだ未稽古な安ワイン者は是非試してみるべきワインです。 ただ、歳相応にコルクが脆いんで、抜栓の際は注意されて下さい。ソムリエナイフじゃないと難しいと思います。

点数82点

23日(土)

Chablis 2015
名称Chablis 2015
シャブリ 2015
生産者Simonnet-Febvre (Louis Latour)
シモネ・フェブル (ルイ・ラトゥール)
価格1,201円 (単品価格:2,030円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、焼きナス、きんぴらゴボウ、タコとトマトとキュウリのサラダ、ホッケの開き、カナダ産松茸のお吸い物&松茸ごはん。 野菜&魚ベースで和の雰囲気が強いメニューです、というか「献立」だな。 そういう料理に合わせるのは、スパークリングか日本ワイン、あるいはキリッと硬派なミュスカデとかシャブリが良さそうです。 で、本日のチョイスはシャブリです。先日買った「うきうきワインの玉手箱」の6本1万円福袋に入っておりました。

 色はかなり薄め。シャブリって、どちらかというとレモン色というより麦わら色に近い印象があったけど、 これは緑の要素を感じてレモン色っぽい感じがします。 香りのボリュームはそこそこで、小さな野ばら的な可愛らしい華やかさと、シャブリらしいミネラリーな香りをスッと感じます。 味わいはかなりストイック。まず甘味ってヤツはほとんど感じません。 で、酸味もそんなに強くは感じず旨味だけがググッと来ます。

 シャブリらしいシャブリで、和食に合わせても違和感はありません。でもまぁ1,000円台だったら値段相応かな。 福袋の中の一本としては想定の範囲内、得も損もしなくてニュートラルです。

点数72点

22日(金)

Boschendal Rachelsfontein Chenin Blanc 2016
名称Boschendal "Rachelsfontein" Chenin Blanc 2016
ボッシェンダル "レイチェルズフォンテイン" シュナン・ブラン 2016
生産者Boschendal Wines
ボッシェンダル・ワインズ
価格1,274円
購入店食品館あおば 本羽田店

 本日の調理担当は師範。メニューは、真鯛刺身の中華風サラダ、青椒肉絲(w/CookDo)、鶏ムネ肉とモヤシのナムル、ネギとシメジの中華スープ。 こういう料理だと多数決では赤が合いそうではあるんだけど、 なんとなく本日の気分は白。 というわけで選んだのは、白でもしっかりしてそうなあたりを狙って、ブームが本格化して来た感のある南アフリカ、 そこのメジャーな白品種シュナン・ブラン。 月曜に羽田空港まで母親を迎えに行った際、 到着待ちの時間調整で寄った羽田空港近くのスーパーで調達したワインであります。

 ちなみにこの造り手の赤のシラーズとは、 英国ロンドン郊外のスーパーで買ってハンドキャリーしたものと昨年稽古しております。 グレードの差はあるのか判りませんが、値段的には同程度でした。

 色は普通です。薄めのレモン色で若干緑色が感じられるバランス。 香りのボリュームはそれなりにあって、 ソーヴィニョン・ブラン的なハーブっぽい涼やかさに、ヴィオニエ的な甘い感じの香りがあります。 これがシュナン・ブランの個性なのかな?さすがにこの値段だからか樽香は感じません。 味わいは想定通りのシッカリ系。カチッとした構成の中に甘味と酸味、 派手さはないけど飲み応えはあります。

 この値段では良く出来た白です。でも、「良く出来た」を超えないレベルです。 普段の食卓にはこれで十分な感じですが、普段の食卓に1,000円以上のワインを出す家庭も実際はそう無いんだよね。 正直言ってちょっと中途半端かも知れません。

点数71点

20日(水)

Les Caleches de Lanessan 2011
名称Les Calèches de Lanessan 2011
レ・カレシュ・ド・ラネッサン 2011
生産者Ch. Lanessan (Delbos-Bouteiller)
シャトー・ラネッサン (デルボ・ブテイエ)
価格946円 (単品価格:1,598円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、長女のリクエストを採り入れて鶏の唐揚げ(また揚げ物かよ!ですが)。 調理に関しては、肉を漬け込むところまでは師範代が朝から済ませておいてくれて、 片栗粉を付けて揚げる作業は早めに帰宅した師範が対応、という垂直分業体制。 あとはレタスと生ハムとカッテージチーズのサラダとか、トマトとアボカドのサラダとか。

 選んだワインは、ボルドーはオー・メドックの中堅造り手「シャトー・ラネッサン」のセカンド。 品種は、ジロンド川左岸にしてはメルロー50%とメルロー主体。 オー・メドック地区の2011年は結構良い年であったことをこの時に学んでおります。 どの年が良いとか悪いとか、チャートを見るだけだと全然覚えられないんだけど、 実際に生産に携わっている方から聞くと脳裏に焼き付きますな。 そしてこの銘柄、旧ラベルデザインの2002年産とは稽古済みだった模様。 8年も違えば造りも変わるだろうけど、価格がほとんど上がっていないのはありがたいことです。

 ちなみにこのワインは、楽天スーパーセール時の「うきうきワインの玉手箱」名物の福袋で買いました。 赤3本白3本の6本で税込み10,800円のうちの1本。 セットで買った際はいつもそうするのですが、販売価格を単品価格合計で割って割引率を算出、 それを単品価格に掛けたものを「このワインの価格」と表記しています。 なのでこのワインは946円と書いているんですが、実際その値段で買えるわけではないのでご注意下さい。

 色は、濃い紫色が若干小豆色がかっていて、良い感じに熟成し始めたボルドーな感じの色合いです。 香りを嗅いでビックリです。これは格付けボルドーと完全同格!!((C)煽りがちなWebショップ)、 リンゴの皮やベリー系のフルーツ香と、それに溶け込んだ樽香、煮豆やアンコのような雰囲気もあって凝縮感のある香りです。 味わいも、香りの負けることなく凝縮感があります。 香りも味も、ボリュームといい雰囲気といい、まるで高級ボルドーな感じです。

 これはアタリ。買値相当額の1,000円以下なんてのはほぼあり得ないレベルで、 2,000円でもお買い得と言えるレベルです。 読者な皆様に「急ぎ買うべし!」とお伝えしたいところだし、 ショップのサイトには『飲み頃6年熟成の大人気レ・カレッシェ・ド・ラネッサンが極少量入荷!』などと書かれていますが、 今日現在の在庫は200本ほどもあるようです。 そう簡単には売り切れない(だから福袋に入れられているんじゃないかな)と思うのでごゆっくりどうぞ。

点数81点

18日(月祝)

羽田空港到着ロビー

 本日からしばらく師範母が道場に逗留、というわけで羽田空港までお迎えに。 それにしても「羽田」ってのは空港っぽい名前ですな。

 電光掲示板を見ていると、北日本からの便は軒並み欠航。 台風18号、まさに日本縦断のイヤなコースを通って行きましたな。 塩尻のブドウは大丈夫だったのかな?

Sylvaner Reserve 2013 [Dom. Fernand Engel]
名称Sylvaner Réserve 2013
シルヴァナー レゼルヴ 2013
生産者Dom. Fernand Engel
ドメーヌ・フェルナン・アンジェル
価格1,140円 (単品価格:1,609円)
購入店 ドラジェ

 師範母も加わって普段より一人多い5人の夕食、メニューは豚ヒレカツ、チキンカツ、ナスとインゲンの揚げびたし。 ヒレカツは普通にトンカツソースですが、チキンカツは出汁で食べるのがさっぱりしていて好き。

 ワインはアルザスの白をチョイスしました。 セットの説明には「オーガニックのリースリング!」と書かれていますが、中身はシルヴァーナーです。 銘柄表記自体はちゃんとシルヴァーナーと書かれているので、指摘するか迷うところ。

 色はかなり薄め。蜂蜜レモン(って最近見ないな)透明にしたような色合い。 香りも弱め。柑橘類の香りの後に、ちょっとだけ熟成感のある漬物っぽい香りを感じます。 サイトには『ヘーゼルナッツや香ばしいパンの香りのあとに、柑橘類、フルーツドロップ』と書かれていますが、 正直「それホントこのワインのこと?」と思います。 味わいは、コクとミネラル感がしっかりしていて、糖度が6.0と低めな割には甘さも感じて、なかなか飲み応えがあります。 そして後味にも軽い熟成感が。2013年でこの状態はちょっと意外です。

 味吟醸なワインではあります。でも、このワインは若干落ち着きがあり過ぎて、イメージと異なります。 若くて安いアルザス産ってのはもっと能天気なくらいにフレッシュじゃなきゃいけません。 もちろん勝手な先入観ですけど。

点数72点

17日(日)

極楽湯 外観

 連休中日、家族と一緒に庶民のレジャーたるスーパー銭湯へ、場所は極楽湯 芹が谷店。 『そんな庶民の行動をいちいちココに書かなくても良いじゃないか』とお思いの読者の方もおられましょうが、 それは違います。 「安ワイン道場」というサイトの第一の目的は師範個人の備忘録、 「前回行ったのっていつだっけ?」というのを記録することに意味があるわけでございます。 読者な方に於かれましては、ウザいでしょうけどよろしくお付き合い下さい。

極楽湯 料理

 極楽湯の良いところは、併設されている食事処がほぼ居酒屋であること。 「運転は出来るが酒は飲めない」という最高の伴侶を持つ師範としては、 風呂に入って酒飲んで帰りの運転はお任せ、が可能。 ひかえめに言って至福です。

 左写真は、秋の季節限定メニューだった三種のキノコの天ぷら、お値段480円也(税別)。 キノコの種類は、エリンギ、マイタケ、シメジ。 今どきスーパーでは年中買えるものなので、やや秋感に欠ける内容ではあったものの、そんな細けぇこたぁ良いんです。

極楽湯 ワイン

 そして、風呂上がりに生ビールをプハァ~っと一杯のあと、やっぱりワインを飲むわけです。 本日の注文は、赤ワイン デカンタ、500mlで880円也(税別)。 ビールの後に飲む量としては丁度良く、値段も1,000円以下でまるで師範のためにあるような感じです。

 そして、立派だなぁと感じるのはメニューにワインの種類がちゃんと明記されている点。 銘柄はアルパカ カベルネ・メルローらしいです。 ダイレクトにフルーツっぽさが伝わる果実味が感じられ、 下手な居酒屋の飲み放題ワインよりずっとちゃんとしています。

 そんなこんなで家族4人で思い思いに好きなものを頼んで、お会計は8,000円超。 当然風呂代よりずっと高いわけだけど、こういう利用法に目を付けた極楽湯ホールディングスは賢いと言わざるを得ません。

Monde Premio Sparkling Wine Rose N.V.
名称Monde Premio Sparkling Wine Rose N.V.
モンデ プレミオ スパークリング・ワイン ロゼ (ヴィンテージ無し)
生産者モンデ酒造
価格298円 (290ml)
購入店 ローソン保土ヶ谷駅西口店

 子供たちがお菓子を買いたいってんで帰りの途中でコンビニへ。 師範ももう少し飲みたい感があったので、コンビニの冷蔵棚からこのワインをゲット。 缶入りのスパークリング・ワインで、290mlのお値段は298円。 造り手は国内のモンデ酒造ですが、缶にはキッパリ「輸入ワイン使用」の文字があります。 白とロゼとあったけど、さんざん悩んでこちらのロゼをチョイスさせて頂きました。

 色は薄めのピンク色。キレイな色っすねぇ~。 でも泡立ちはかなり微妙。ペティアンくらいっすかね、この泡立ちのボリュームは。 香りは案外悪くないです。品種は「ソーヴィニョン・ブラン、ペドロヒメネス」らしいけど、 そのあまり馴染みの無いペドロヒメネスなるブドウの影響が強いのか、 赤ワインみたいなベリー系のフルーツ香を感じます。 味わいは、甘酸っぱさに加えてエグみもあります。 ただ、こんないい加減っぽいパッケージのワインが普通の基準で評価できるあたり、軽い驚きがあります。

 腐ってもスパークリングを名乗るワインなんで、泡が弱いのは致命的に残念。 でも、内容はともかくこんなに気軽にスパークリングワインが飲めるってのは「良い時代になったなぁ」と心から感じます。

点数68点

16日(土)

あずさ9号

 またまたサントリーさんにお招き頂きまして、 秋の塩尻ワイナリー訪問。前回伺ったのか7月だったので、2ヵ月ぶりの訪問ですな。

 行きの列車は、新宿駅9時発のあずさ9号。目的地の塩尻到着は12時前なんで、 車内でブランチとしゃれこみます。 今回も弁当は新宿駅構内の成城石井にて調達。買ったのは金目鯛とブリとサーモンの押し寿司、 消費期限が近いのか10%Offで税込み484円。 コレ、食中毒を敬遠してか、やや酢が強すぎます。 そして、初老の師範にはちょっと量が多かったかな。 残せばいいんだろうけど、そういうことは出来ない昭和な性格です。

あずさ9号 車内弁当

 ビールは別途キオスクでゲットして、サントリー プレミアムモルツ<香る>エール500ml、お値段353円。 気を遣うとか遣わないとか以前に、やっぱり訪問先の企業が造っているものを飲んで、気分をアゲて行きたいじゃないっすか。 この「<香る>エール」、香りに関しては普通のプレモルとの差が良く判らんのですが(爆)、 味わいは普通のより濃い感じがするので、 チビチビ飲む列車のお供にはベリーグッドです。

 ちなみに今回はグラス持参で臨んでおります。やっぱり缶から直接よりグラスに入れた方が美味いからね。 モノは、ダイソーで買った108円の薄グラス。割っても惜しくない値段だけど、最近はもう売られていないんだよな。

サントリー塩尻ワイナリー

  そんな感じで車内で一人楽しんでいたら、列車は塩尻の駅に到着。 同行するおなじみのグルメ・ブロガーの皆さんや、サントリーの中の人と合流して、駅すぐ横の塩尻ワイナリーにゴー。

 塩尻ワイナリーのワイン、9月5日に発売された新商品からラベルが新しくなっています、 ということでワイナリー脇の看板もリニューアルされておりました。

サントリー塩尻ワイナリー 塩尻園

 ワイナリーの会議室で簡単なレクチャーを受けた後、まずはサントリー自身が管理している塩尻園へバスで移動。 場所は、桔梗ヶ原の南端あたりにあります。

 ここに植えられているメルロは、垣根・短梢仕立てで植えられています。 また、バンプ病を防ぐために、垣根の上にはビニールの覆いがかけられています。 この畑の広さは20アールで、主に「塩尻メルロ」用に使われ、収量は1.6トンくらいとのこと。 それが多いのか少ないのか師範には判りませんが、少なくとも隣のナイヤガラの畑と比べると、 面積当たりのブドウの房の数は圧倒的に少なく見えます。

 ここのブドウの樹のほとんどは90年代に植えられたとのこと。 そして、一列おき&今植わっている樹の間に若木も植えられています。 世代交代のため&もっと密植のトライアルをされているのだとか。 結果が見えるのはずいぶん先、長期的な視野がないと出来ない仕事ですな。

サントリー塩尻ワイナリー 塩尻園 ブドウの粒

 葡萄の粒の大きさは、小指の先よりもっと小さいくらい。 生食用のブドウと比べると、皮と種の比率が圧倒的です。 「食べて良いですよ」とのことだったので、口に含むともう十分甘いです。でもメルロの収穫は10月中頃とのことなので、 まだ一ヵ月近く先。もっと甘くなるんですなぁ。 そして、風味はなるほどメルローな感じがします。あと、種も結構美味いのね。 ワイナリー長の篠田さん曰く『熟すと種がもっとクリスピーな味わいになります』とのこと。へぇ~。

サントリー塩尻ワイナリー 塩尻園のメルロ

 塩尻園のメルロ。表面の白いのはボルドー液なので食べても平気です。

サントリー塩尻ワイナリー 山本園

 塩尻園の後は、前回も訪問させて頂いた、 伝説のブドウ農家山本さんが所有&管理している岩垂原の山本園へ。 塩尻園のある桔梗ヶ原とは奈良井川を挟んで反対側。ちょっとの距離ですが、土壌も気候も結構違うそう。 なんだかブルゴーニュの話みたいですな。

 塩尻園もキレイな畑だったけど、やっぱりね、オーラが違うのよ、こちらの畑の見事さは。 篠田ワイナリー長曰く『山本さんの畑は管理が行き届いているので病気に強く、ビニールの覆いをかける必要が無い』とのこと。 山本さん、開口一番『一番キライな台風をあんたたちが連れて来た』なんてことを言われてましたが、 雨が降って我々の足元が濡れるといけないってんで朝から下草を刈ってくれたそうです。 判りやすい「ツンデレ対応」、ありがとうございます。

サントリー塩尻ワイナリー 山本園のメルロとマスカット・ベーリーA

 左がメルロで右がマスカット・ベーリーA。前回と全く同じ場所&構図で。 2ヵ月でこんなに違います。

サントリー塩尻ワイナリー 篠田ワイナリー長と山本さん

 左が篠田ワイナリー長、右が山本さん。「ワイン造りに情熱を注ぐ男たち」であります。

 畑見学の後は、また塩尻ワイナリーに戻ってテイスティング。 今回は9月5日に発売された「サントリー塩尻ワイナリーシリーズ」の5本と稽古します。

サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA 2015 サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA 2015 (グラス)
名称サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA 2015
生産者サントリーワインインターナショナル 塩尻ワイナリー
価格(参考価格:2,981円)
購入店 (サントリーさんから)

 一本目は塩尻マスカット・ベーリーA。 2014年産は4月のセミナーの際に(コレ)稽古していますが、今回はラベルも一新された2015年産。 ブドウの産地は、塩尻市が96%で松本市が4%。 日本ワインの基準で、85%以上がその産地であれば産地名を付けることができるんだとか。 そして、松本市と言っても岩垂原のすぐ隣は松本市らしいので、ほぼこの界隈で収穫されたブドウということらしいです。

 ちなみにマスカット・ベーリーAは、 アメリカ系品種ベイリーとヨーロッパ系品種マスカット・ハンブルグの交配品種で、 日本の風土に合う品種として1927年に川上善兵衛氏が生み出したとのこと。 今では台湾なんかでも作られているそうです。

 色は、今回テイスティングした赤4本の中では一番明るい紫色です。 でも、グラスの写真からじゃ全然伝わらないな。カメラでワインを撮るのは難しい。 香りは、マスカット・ベーリーAらしい甘い雰囲気、イチゴキャンディのような華やかな香りを感じます。 味わいは、渋味控えめ酸味はしっかり、香りから受ける印象ほどでも無いけど甘味もあります。

 この品種らしさが良く出たワインだと思います。 お値段は定価で税別2,760円。税込みでも道場の稽古範囲価格。 納得の内容であります。

点数78点
サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成 2014 サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成 2014 (グラス)
名称サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成 2014
生産者サントリーワインインターナショナル 塩尻ワイナリー
価格(参考価格:4,536円)
購入店 (サントリーさんから)

 次の1本もマスカット・ベーリーAだけど、ヴィンテージが1年前の2014年産。 そして特徴的なのはウィスキーに使われたミズナラの樽で熟成されていること。 このワインも、1つ前のヴィンテージ2013年産とは稽古済み。 独特の個性があって、師範的には結構お気に入りの銘柄だったりします。

 色は、前の2015年産のマスカット・ベーリーAよりも若干濃いように感じます。 アルコール度数も0.5%高い12.5%。山本さんの岩垂原の畑など、 選りすぐりのブドウが使われているんだろうなと感じます。 香りは、前のワイン同様の甘酸っぱいふフルーツ香に加えて、 ミズナラ樽らしい香ばしいキャラメルやココナッツの香りを感じますが、 以前と比べるとその存在感は控えめかも。 あと、やはり熟成期間が1年長いこともあってか、香りに奥行きと複雑さを感じます。 味わいも、前のと比べると深みを感じて本格派の雰囲気です。

 ミズナラ風味が控えめになった点を聞いたら、あまり個性を出さない方向にシフトしているとのこと。 そのあたりのサジ加減はなかなか難しいところだと思いますが、 師範個人的には以前の「ミズナラっぽさバリバリ」の方が攻めてて好きだったな。

点数83点
サントリー 塩尻メルロ 2014 サントリー 塩尻メルロ 2014 (グラス)
名称サントリー 塩尻メルロ 2014
生産者サントリーワインインターナショナル 塩尻ワイナリー
価格(参考価格:3,888円)
購入店 (サントリーさんから)

 次の2本はヨーロッパ系品種のメルロー(サントリーさんでは「メルロ」と表記されています。多分そっちが正確な発音に近いんだろうな。) 訪問した畑、塩尻園でも作られている塩尻産のメルローで造ったのがコチラです。 この銘柄も、2013年産とは稽古済み。 カチッとした造りで右岸のボルドーを彷彿とさせるワインだったという記憶があります。

 色は、マスカット・ベーリーAと比べると明らかに青色の要素が強くて、黒に近い濃紫色を呈しています。 香りの印象は前のヴィンテージと同じで、やはり普通に飲んだらこれは右岸のボルドーだと信じそうです。 ただ、どことなく蔵の中を想わせるようなしっとりとした香りがあったりするあたりが日本ワインの個性なのかも知れません。 そして、このシリーズでは樽のかけ方を以前より軽めにしたらしく、樽香はちょと控えめになっています。 味わいは、カチッとした構成で渋味たっぷり。 畑で食べたメルロの皮と種を思い出させる味わい。ブドウとワイン、「点」だった味わいが「線」で繋がりました。

 非常にしっかりした造りのワインです。でも、そうであるがゆえに、今飲んでもまだ若くて固さを感じる状態にあると思います。 余裕のある人はちょっと置いてから飲むべきでしょうね。

点数82点
サントリー 岩垂原メルロ 2014 サントリー 岩垂原メルロ 2014 (グラス)
名称サントリー 岩垂原メルロ 2014
生産者サントリーワインインターナショナル 塩尻ワイナリー
価格(参考価格:8,640円)
購入店 (サントリーさんから)

 そしてこちらが、同じ2014年産のメルローでも岩垂原の山本さんの畑「山本園」で収穫されたブドウが使われた岩垂原メルロ。 ちなみに2013年産は前回訪問した際に稽古しております。 生産本数は2,004本。一本のワインを造るのにだいたい5~6房分のブドウを使うそう。 『なるほどあの畑のブドウ、あれくらいの量で一本なのね』と考えながら飲めるのは大変に愉快であります。

 色は、前の塩尻メルロとほとんど変わりない濃紫です。でも写真では一番明るく見えるな。つくづく写真は難しい。 香りも、正直言って師範のポンコツ鼻では大きな違いは感じません。 なんとなく複雑さがあるというか、マジックインキっぽい揮発する感じがあるような気がする程度です。 味わいもこれまた近いんだな。 カッチリの塩尻メルロに対して、若干肉付きがあるというかスケールが大きい感じはします。 でも「言われてみれば」の範囲な気もします。

 美味いメルローです。でも、 少なくとも現時点では前の塩尻メルロの倍以上の価格差を、その香りや味わいから感じることは出来ませんでした。 これも置いておけばもっと開いて化けるんだろうな。 プロな方だとそういう先の状態を見越すこともできるんだろうけど、 ヘッポコな師範が現時点で判断すると「塩尻メルロとほぼ同じ+α」です。

点数83点
サントリー 塩尻メルロ ロゼ 2016 サントリー 塩尻メルロ ロゼ 2016 (グラス)
名称サントリー 塩尻メルロ ロゼ 2016
生産者サントリーワインインターナショナル 塩尻ワイナリー
価格(参考価格:2,160円)
購入店 (サントリーさんから)

 順番的にはアレですが、最後にテイスティングしたのがメルローからセニエで造られたロゼ。 以前も書いたかも知れませんが、「セニエ」とは赤ワイン(このワインの場合は塩尻メルロや岩垂原メルロ)を造る過程で、 絞った状態の果汁だけ抜き出したもの。 そうすることによって残った側は果皮と種の比率が上って、よりしっかりした赤になる、という具合。 このロゼは、低温で澱といっしょの状態の時に比較的長い時間をかけたそう。 この銘柄も前のヴィンテージの2015年産とは前回稽古済みであります。

 色は、これは写真で伝わりますね、かなり薄めのピンク色です。 香りのボリュームは、他の赤ワインと比べると控えめ・・・ってそりゃそうですな。 香りの要素を多く含む皮は赤ワイン側に行っちゃってるからね。 でも、チェリーやアセロラみたいなキュッとしたフルーツの香りがして、なかなかいい感じではあります。 味は、色や香りの印象からするとずっとしっかりした味わいです。 甘酸っぱさがメインですが、後半に口腔内がキュッと絞られるような渋味があって、 引き締まった印象を受けます。

 師範界隈では最近ロゼがブームっぽい空気ですが、ロゼって「ほぼ白」から「ほぼ赤」までバリエーションがあって楽しいですな。 このワインはと言えば、見た目は「ほぼ白」、味わいは「ちょっと赤」。 登美の丘ほどの「漢のロゼ」感はありませんが、ヘラヘラしたロゼでも無く好印象です。

点数75点
ワヰン酒場 かもしや

 テイスティングの後は、またバスに乗って松本市内へ。 向かった先は、今宵の懇親会場となる「ワヰン酒場 かもしや」。 4月の塩尻ワインセミナーで講師をして頂いた花岡純也さんがオーナーをされているお店で、 店長はイヌイさん、シェフはユウジロウさんです。

 店内は、今回の参加者16人くらいでほぼいっぱいになるくらいのこぢんまりしたサイズ。 店内の壁には日本ワインの造り手さんたちのサインがいっぱい。 置いてあるワインも日本ワインが中心で、「旅先でその産地のワインを飲む」という楽しみが味わえそうなお店です。

ワヰン酒場 かもしや ビール

 まずは乾杯ということでプレミアム・モルツ。 やっぱり瓶から飲むビールは美味いですな。 でもやっぱりスパークリングワインだったらもっと良いな・・・などと贅沢なことを申しております。

 料理は、今回はワイナリーでテイスティングしたワインに合わせて特別に料理を組んで頂いています。 以下、ズラズラっと紹介させて頂きます。

ワヰン酒場 かもしや 牛肉のたたき

 「サントリー 塩尻 メルロ ロゼ 2016」に合わせられた一皿。

 牛肉のたたき

 ロゼのピンク色と牛肉のピンク色、そしてシェフいわく『ロゼの風味と大根おろしの辛味が合う』とのこと。 なるほどそう言われてみれば合うような気がします。 肉の一切れが一口で食べるには大きかったので、包丁を入れて頂くかナイフを使わせて頂くとなお良かったかも知れません。

ワヰン酒場 かもしや アボカドとまぐろのわさび醤油和え

 「サントリー 塩尻 マスカット・ベーリーA 2015」に合わせられた一皿。

 アボカドとまぐろのわさび醤油和え

 こちらもシェフ曰く『マスカット・ベーリーAは醤油との相性が良い』とのこと。 なるほどねぇ、日本の品種だもんね。 ウチでも近いメニューは時々作るんだけど、ウチはワインビネガーをベースにして白ワインに合わせてます。 わさび醤油だと赤でも良いのね。

ワヰン酒場 かもしや 鱈のフライ ゴボウの和風クリームソース

 「サントリー 塩尻 マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成 2015」に合わせられた一皿。

 鱈のフライ ゴボウの和風クリームソース

 こちらは『ミズナラ樽の風味とゴボウの風味を合わせた』とのこと。 ミズナラ樽に限らず、赤ワインの土っぽさとゴボウって相性良いっすよね。 それ以前にフライにした鱈が美味い。揚げ物万歳。

ワヰン酒場 かもしや 若鶏のレバーソテー

 「サントリー 塩尻 メルロ 2014」に合わせられた一皿。

 若鶏のレバーソテー

 『濃い赤の時に良く合わせるメニューです』とのこと。 レバーもさることながら、カイワレや大葉と合わせても違和感が無いところが面白いですな。 これはやっぱり日本ワインだからかも。前述した「蔵の中を想わせるようなしっとりとした香り」と良い相性を見せてくれました。

ワヰン酒場 かもしや ジビエのミートソースパスタ

 「サントリー 岩垂原 メルロ 2014」に合わせられた一皿。

 ジビエのミートソースパスタ

 ジビエは、『鹿が8割/猪が2割』とのこと。 ワインとの相性もさることながら、この料理自体が素直に美味いです。 遠出して、その土地の食材とその土地の料理、コレに勝るものはありません ・・・なんて言っているけど、鹿は北海道産かもな(爆)

Suntory Japan Premium メルロ 2012 登美の丘 赤 2013 Suntory Japan Premium 岩垂原メルロ 2012

 上記に加えて、更に追加で出して頂いたワインがこちら。

サントリー ジャパンプレミアム 岩垂原メルロ 2012
サントリー 登美の丘 2013
サントリー ジャパンプレミアム メルロ 2012(エシェ蔵さんから)

 岩垂原メルロの2012年は、2014年と比べると柔らかくて甘さを感じで、正直こちらの方がずいぶん上に感じました。 やっぱりこのクラスになると熟成期間が必要なのね。

 登美の丘や2012年のジャパンプレミアムのメルロは、なんだか軽い印象。これはアレだな、「舌が奢る」ってヤツだな。 多分そんなに軽いワインじゃないはずなんだけど、この局面では致し方ないところかと。

伝説のブドウ農家 山本さん

 席では、山本さんにじっくりいろいろ聞かせて頂きました。今日一番のパワーワードがコチラ。

  賞はうれしいけどカネはもっとうれしい

だそうです。毎年受賞するからこそ言える言葉ですな。 サントリーさん、受賞した際にはボーナスを出して差し上げて下さい! ・・・という半分冗談(半分本気)の発言とは別に、 生産者がこうやってダイレクトに消費者と話ができるのは大変楽しいと言って頂きました。 そう言われると我々も救われるってもんです、ハイ。

 そんな感じの「オトナの社会科見学」。 皆さんお疲れさまでした、そしてサントリーさん&山本さん大変ありがとうございました。 同行した皆さんへのリンクは以下でございます。

 9月19日、いくつか記事へのリンクを更新。今回は皆さんアップが早いかも。

SHIMAさん簡単!節約!おしゃレシピ SHIMAのオウチカフェ 記事
紀子さんNorikostyle 宝塚ワインサロン・創作おつまみレシピ
~ワインが似合う女性になる為に~
記事1, 記事2, 記事3
らむろうさんプチプラワイン日記 記事1, 記事2
ooisotaroさんワインのきらめき ~我が家のドリンキング・レポート~ 記事1, 記事2, 記事3, 記事4, 記事5
busukaさんワインと絵画がある生活 記事1, 記事2
エシェ蔵さんまいにち、エシェ蔵! 記事1
まみさんわくわくするワイン、ときどきお酒 記事
こんちゃんこんちゃんの--今日は何飲もうかな-- 記事
ぱんだしゅりけんさんワインヲタ入門生のチラシの裏 記事1, 記事2
徒然わいんさん徒然わいん 記事1, 記事2, 記事3
arusanchi2さんアルさんのつまみ食い2 記事
サントリーさんサントリー日本ワイン
信州 モンラック WINE 白
名称信州 モンラック WINE 白 N.V.
生産者井筒ワイン
価格297円 (180ml)
購入店 New Days 松本逸品館

 遠足は家に帰り着くまでが遠足です。

 本日のイベントも無事終了、確保して頂いた帰りの電車は松本19:21発新宿行あずさ34号。 帰りの電車では軽くビールでも飲んで済ませようと思ったけど、 心の奥底から「せっかくワイングラスを持参してるじゃないか!」という叱咤激励の声が聞こえてきて、 松本駅のニューデイズでやっぱりワインを買っちゃいました。 長野県は塩尻・松本平産のれっきとした日本ワイン。 量は180mlだけど、税込み297円だったら缶ビールと大差無いからね。 美味い不味いは置いといて、こういう選択肢が増えることは師範は諸手を挙げて歓迎です。

 列車も発車して恭しく抜栓。色はほぼ無色です。 香りから推測するに、品種は(明記されていないけど)間違いなくナイヤガラがメインです。 だって先ほど畑でこの香りを嗅いで来てたからね。 このツーンと先の尖ったフルーツ香りが苦手な人もいると思うけど、師範は嫌いではありません。 味わいは、ほぼブドウジュースにアルコールを加えた感のある甘酸っぱさ。 大量に収穫したナイヤガラをグジュッと潰して発酵させたらこういうワインになる、 というのが良くわかるスタイルです。

 なんか、ちょっと考えさせられちゃったな。 というのも、一般的なワインの良し悪しというベクトルで見ると、このワインはネガティブ側です。 凄く単純でブドウそのもので、あまり語るべき点が無い。 でも、「ワインなんてそもそもブドウのお酒、スイスイ飲めて酔って気持ち良くなればいいじゃん」 というベクトルだと十分アリです。 賞取りなんて全く眼中にないワインだと思うけど、 日本ワインってこういうお安いのがもっと拡がるべきなのか、 それとも少量生産のお高いワインに重点を置くべきなのか、今もって師範にはよく判りません。

点数65点
キリン 秋味

 松本から新宿まで3時間の長旅、180mlのワインで収まるはずもなく、 車内販売で買ったビールがキリン 秋味。お値段280円也。あいにくサントリーのはありませんでした。 JRの車内販売のビールは、飛行機と違って値段が手ごろで良いですな。 キリンらしい=日本のビールらしい雰囲気としっかり感があって美味しゅうございました。


15日(金)

Del Sol Pinot Noir Merlot Rose N.V.
名称Del Sol Pinot Noir / Merlot Rose N.V.
デル・ソル ピノ・ノワール/メルロー ロゼ (ヴィンテージ無し)
生産者Viña Tinajas del Maule
ヴィーニャ・ティナハス・デル・マウレ
価格702円
購入店 ドラジェ

 門下生の方から「コノ・スルのロゼがイケる」とのご報告を頂いたけど、 あいにく現在その手持ちはありません。 じゃぁ、ってことで選んだのが、 同じくチリ産のロゼでブランドはデル・ソル。品種はピノ・ノワールに加えてメルローも使われています。 「コノ・スルが無ければデル・ソルを飲めば良いじゃない」というマリー・アントワネットの精神で稽古致します。

 ちなみに本日の調理担当は師範で、献立は枝豆、イナダの刺身、水菜のお浸し、ネギと卵のスープ、イカもろみ漬ステーキ。 イカはアメリカオオアカイカというのを使ったスーパーで味付け済の焼くだけ出来合い品。 焼いたところキッチンが縁日の香りに包まれ、焼いた後の姿はまるで蒲鉾のようだけど、味は悪くないです。 そしてイナダの刺身は、『イナダは身が柔らかいので刺身には向かん!』という師範代が、 ハーブソルト&オリーブオイル&ワインビネガーでカルパッチョに。 師範も真似してみたけど確かにそっちのが美味いです。

 閑話休題ワインのことを。色は右写真からもお分かりのように、極めて元気な感じのオレンジ系ピンク色。 香りも思いのほかしっかりしています。 確かにピノ・ノワールっぽいイチゴのような果実香がパーッと来るんで、シャレたイチゴジュースみたいな香りです。 味わいは、甘酸っぱくてわずかに炭酸、そして極く軽い渋味。 口の中に残る風味は確かに黒ブドウのそれです。

 コノ・スルじゃないけど、これも結構美味いです。この値段なら間違いなく「買い」。 色もキレイだし、女子会なんかに良いんじゃないでしょうか・・・なぁんて、 昨今は男子より女子の方がガッツ溢れるワインをお好みであることは重々承知しております。

点数76点

13日(水)

White Cliff Winmaker's Selection Pinot Noir 2016
名称White Cliff "Winmaker's Selection" Pinot Noir 2016
ホワイトクリフ "ワインメーカーズ・セレクション" ピノ・ノワール 2016
生産者White Cliff
ホワイト・クリフ
価格971円
購入店 オーケー みなとみらい店

 本日の夕食は、豚の冷しゃぶ、アボカドとトマトとタコのサラダ。 ワインは軽めの赤が良いだろうと思い、チョイスしたのがニュージーランド産のピノ・ノワール。 オーケーストアで安売りされていたのを買ったんだけど、ニュージーランドのピノで3桁円ってのは安いよね。 それに「ワインメーカーズ・セレクション」ときたもんだ。 こいつぁビックリ仰天ベリーナイスなワインであることをほのかに期待しつつ、スクリューキャップをキュキュッと捻ります。

 色はピノ・ノワールとしてはやや濃いめ。でも十分に向こうが透ける清澄度はあります。 香りは、フルーツっぽさは控えめで、革っぽいというかケモノっぽいというかワキガっぽい香りが主体的。 「ピノ・ノワールとはこんなもの」と知っている安ワイン者だと納得できるけど、 一般の方にはかなり違和感のある香りかと思われます。 味わいもかな~り期待とは違っていて、渋味というより苦味に近いイゴイゴ感が支配的。うむ~。

 ピノ・ノワールらしさは感じます。 でも、この品種の良さである華やかさとかフルーティさとかスムーズな感じは一切感じられなくて、 ケモノ臭さとかイゴイゴ感だけを抽出した感じ。 判っている人だと「確かにこういうピノもあるよねぇ」だけど、 知らない人には「なんだこのケモノ臭いワインは!?」だと思われます。 やっぱり値段は正直、というかセール対象になるにはそれなりのワケがあるわけですな。

点数68点

10日(日)

五右衛門 ららぽーと横浜店 外観

 本日午後からららぽーと横浜へお買い物。 昼食はいつもフードコートで食べてたんだけど、あの殺伐とした席取り合戦に辟易して、 今日は五右衛門 ららぽーと横浜店で。 五右衛門って、師範が学生の頃、当時の彼女=今の師範代と行ったことがあります。 息の長い経営、なによりでございます。

五右衛門 ららぽーと横浜店 タコのペペロンチーノ

 店に着いたのは午後2時前だったけど、10人くらい並んでました。 それでも、並んでいる間に注文を取る等のオペレーションの妙もあって、10分くらいで入店。 師範の注文は、一番安かったタコのペペロンチーノ、お値段972円也。 とっても利益率の高い料理だとは思うけど、ニンニクや唐辛子の効かせ方が良い感じで、 オリーブオイルの香りもしっかり&茹で具合も絶妙でかなり美味い。 やっぱり長く続く店はそれなりに理由があるんだな、と実感しました。

焼肉屋さかい 天王町店 料理

 夕食も外で。店は毎度の焼肉屋さかい 天王町店。 前回「肉の日」に伺った時にゲットした半額分のサービス券があったので、 それを消費するためにまた来た次第。まんまと店の術中にハマっております。

 そして、焼肉やらツマミ物やらを好きなだけいろいろと注文。 それでもこの店だとだいたい10,000円ちょっとくらいに収まるのね。 そういう気軽さもあって毎度利用させて頂いております。

焼肉屋さかい 天王町店 ゆずハイボール 焼肉屋さかい 天王町店 生ビール大

 アルコールは、まず生ビール大 税込み778円を。 ビールがプレミアム・モルツなのがポイント高いですな。そして大ジョッキってのもナイス。 中だとすぐ飲み干しちゃって注文が面倒だからね。

 その後、↓の赤ワインを飲んだ後、シメにゆず角ハイボール 540円を。 ハイボール、嫌いじゃないけど「家で作ればおいくら・・・」みたいなことを考えてしまう貧乏性です。

Fortant de France Cabernet Sauvignon 2016
名称Fortant de France Cabernet Sauvignon 2016
フォルタン・ド・フランス カベルネ・ソーヴィニョン 2016
生産者Skalli
スカリ
価格\530 (187ml)
購入店焼肉屋さかい 天王町店

 この店に来たらこのワインを注文するのが定番となっております。 というのも、下手なグラスワインなんかよりも遥かにお買い得だと思うからです。 お値段530円(税別だと490円)は普通だったらグラスワインの値段だけど、 この小さいボディに187ml入っているんで、一般的なグラスワインの2杯分なんですな。 そして、ミニボトルだから直に抜栓、酸化のリスクなんてのもありません。 銘柄がいつも同じのなのは残念だけど、ワインゆえ年に1度はヴィンテージが変わるってのがあるから良いんです。 ちなみに7月に飲んだのは2015年産、今回のは2016年産。 2015年産はアルコール度数が12.5%だったけど、2016年産は13%です。

 色は普通に濃くて若い感じの青紫色です。 香りは、カベルネ・ソーヴィニョンらしいカシスみたいな果実香に加えて、茎っぽい青臭さを感じます。 味わいは軽め。それでも渋味や酸味がしっかりしているので、十分ワインとして楽しめる味わいです。

 「焼肉屋さかい」のオフィシャルページだと、ワインはカルロ・ロッシのグラスが税別390円と書かれているけど、 そんなのよりはるかに立派でお得なワインです。願わくばずっと続けて欲しいところ。 その上で、ちゃんとガラス製の瓶に入っているのは、なんかもったいないように感じます。 昨今のエアラインみたいにペットボトルで良いんじゃないかな? ご検討ください>Skalli社

点数70点

9日(土)

道場の家飲み テラス

 本日は、この夏大変お世話になったお隣のKさんご一家を道場にお招きして食事会。 お隣さんと飲むのは二ヵ月ぶり。 前回は先方に伺ったので、今回はこちらで。

 適度に涼しく絶好の屋外日和だったんで、最初の乾杯はテラスで。 やっぱり外で飲むと価値五割増しですなぁ。

J.M.Gobillard Cuvee Prestige Brut Millesime 2008
名称J.M.Gobillard "Cuvée Prestige" Brut Millésime 2008
J.M.ゴビヤール "キュヴェ・プレスティージュ" ブリュット ミレジム 2008
生産者J.M.Gobillard & Fils
J.M.ゴビヤール&フィス
価格5,162円
購入店 ドラジェ

 お隣さん宅ではいつもごっついワインを頂いているので、 うちからお出しするのも安ワインばかり、というわけには参りません。 というわけで最初のシャンパーニュに選んだのは、ゴビヤールのヴィンテージ付き高級品。 ・・・って、高級ったってせいぜい5,000円くらいですから、 いわゆるマニアな方が召し上がるシャンパーニュなんかと比べると子供みたいなもんでしょうけど。

 さて抜栓。色は薄い麦わら色で、泡立ちは非常に立派で細かく、さすがはシャンパーニュといった感じ。 やっぱりこのシュワシュワ感が気分を盛り上げますな。 香りもたいそう立派です。まず香りのボリュームが素晴らしい。フルートグラスの口からガンガン香ってきます。 香りの内容も、熟したリンゴと香ばしいパン、それにレモンの清涼感。 まるでレモンティーとアップルパイのような甘やかな香りがします。 味わいは、甘さもしっかり酸味もしっかり、「濃いシャンパーニュ」であります。

 間違いなくプレミアムな感じが伝わるシャンパーニュです。 これが5,000円なのは相対的にお安いんじゃないですかね? だってシャンパーニュってだけで一般的な造り手のベーシックなクラスでも最近は4,000円とかするからね。 ちょっと良い泡モノが飲みたい向きにはお薦めです。

点数85点
道場の家飲み 前菜

 ダイニングに席を移して。 まず前菜は、カボチャのポタージュ自家製ピクルスラタトゥイユクリームチーズの生ハム巻き。 ポタージュはスジャータの紙パック入りのをシャレて出しただけだけど、皆さん美味しそうにお召し上がりでありました。

サントリー Japan Premium 高山村産シャルドネ 2016
名称 サントリー Japan Premium 高山村産シャルドネ 2016
生産者 サントリーワインインターナショナル
価格頂き物(参考価格:4,536円)
購入店サントリーさんから

 二本目の白は、7月にサントリーの塩尻ワイナリーを訪問した際にお土産で頂いたもの。 この銘柄とは、昨年2015年産と稽古しているけど、 このヴィンテージからラベルデザインが変更になっています。 頂いてから約二ヵ月、もったいなくてなかなか開けられなかったんだけど、丁度良い機会到来ということで満を持して抜栓しました。

 色はほぼ無色です。日本のシャルドネって色が薄いのが多い印象があるけど、やっぱりそういう地域性なのかな? ところが香りは素晴らしい。ベースにはスダチのような和柑橘の涼やかな香りがあって、 その上にメロンやモモの甘いフルーツの香り、更にその上にビスケットのような香ばしさが乗っています。 新樽比率は20%とのことだけど、非常に絶妙な樽使いだと感じます。 味わいも、酸味と旨味がガッチリしていて、色の薄さからは想像もつかないしっかり感。 余韻も長くて大変高級感があります。

 2015年産と稽古した時、「シャサーニュやピュリニー・モンラッシェ的なバランスと言うと褒め過ぎかもだけど」なんて書いているけど、 2ヴィンテージ稽古してみて案外褒め過ぎではない気がしています。 Kさんも『日本でこんなワインが出来るんですねぇ~』と感心しきりのご様子でありました。

点数87点
道場の家飲み 魚料理

 魚料理は、鮮魚のサラダ仕立て。 使った魚は、本マグロの赤身、天然ヒラメ、真ダコ、スモークサーモン。 それに、アボカド、フルーツトマト、タマネギ、ベビーリーフなんかを和えております。 写真はもうちょっと引きで撮らないとこれじゃなんだか判りませんな。反省。

Pommard 1er Cru La Platiere 2005 [Dom. Coche-Bizouard]
名称Pommard 1er Cru "La Platière" 2005
ポマール・プルミエ・クリュ "ラ・プラティエール" 2005
生産者Dom. Coche-Bizouard (Fabien Coche)
ドメーヌ・コシュ・ビズアール (ファビアン・コシュ)
価格4,224円
購入店 ヴェリタス

 宴もたけなわ、いよいよ赤の出番でございます。 本日選んだ赤はコレ、ブルゴーニュはポマールの一級畑。 同じものを3年前に稽古済み、 その時はまだちょっと若い感じだったので「熟成目当てで一本買い足した」旨の記述があります。 それからたった3年、熟成目当ての割にはガマンが足りない感があるわけですが、 コイツが目に付いちゃったんだから仕方がありません。

 色は、ブルゴーニュらしい明るめの紫色で、エッジ部分がガーネットに染まっていて、良い感じに熟成している様子が見て取れます。 香りのボリュームはそれほどでもありませんが、いかにもブルゴーニュといったプラムのようなトーンの高い果実香をベースに、 樽の要素が溶け込んだカスタードっぽい香りや皮革製品のような妖艶な感じもあって、なかなか複雑です。 なんかドクダミっぽい香りもあったりしますし。 味わいも、軽すぎず重すぎず、甘酸っぱさに加えて往年の強さを想わせる渋味が残っていて、とてもいい感じ。 Kさんと「これも美味いねぇ」と意気投合しておりました。

 この内容で4,000円ちょっとというお値段は間違いなくお買い得でしたね(さすがに今では売り切れていますが)。 そういえば最近同じ銘柄を2本買っておく、というのをやってませんが、 やっぱりこういうのを飲むと複数本買いもすべきだな、と思います。 人様にお出しするものくらいは安心の一本にしたいですしね。

点数86点
道場の家飲み 肉料理

 肉料理は、豪州牛モモ肉のローストビーフ。 牛モモ肉は100g158円のお安いヤツです。それでもディナー皿にちょこんと盛って、 それぞれにお出しすればそれなりに高級っぽく見える、というものでございます。

Amarone della Valpolicella Classico 2011
名称Amarone della Valpolicella Classico 2011
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ クラッシコ 2011
生産者Bolla
ボッラ
価格£21.49 (約3,000円)
購入店 World Duty Free Heathrow

 Kさんちの奥様は普段はあまり飲まれないんだけど、本日のワインは口にあったのか、 結構飲んでおられました・・・というわけで飲む人3人なのに4本目に突入であります。 この期に及んで出すワインは、「しっかり濃いヤツ」&「デザートワイン的にも」という部分を狙って、 選んだのはイタリアのアマローネ。 このワインは、昨年英国へ出張した際にヒースロー空港で調達して来たもの。 そういうのも何か良いタイミングが無いと開けづらいんだよね。 特にこれくらいの値段だと、ワイン会等に持参するにはあまりに微妙だしね。

 さて4本目ともなるとあまり細かいことは覚えちゃいないわけですが、 狙いはアタリだったように思います。 というのも、ちゃんと濃くてチビチビ飲めるワインだったから。 普通の赤ワインとポルトとの中間くらいの感じで、デザートワイン的に、という役割も担ってくれました。 アルコール度数は16%、ハイ、これ飲んでいるうちに師範は沈没と相成りました。

 記憶に残る範囲では、まだボトルに半分くらい残ってた気がするけど、翌朝はきちんと空になっておりました。 Kさんは強ぇなぁ。一緒に飲んでて寝落ちしたのを見たことが無いし。 師範もそれくらい自制が効けば・・・って無理だな。スミマセン。

点数(82点)
ワイン集合写真

 左写真が翌朝撮影した今回のワインたち。 ヴィンテージ・シャンパーニュやブルゴーニュの一級畑、あるいは反則技?の陰干しワインを相手に、 日本ワインが大健闘した、という結果でありました。 贔屓目を抜きにしても、日本ワインの品質は上がって来ていると感じますな。


8日(金)

Goimajor Cannonau di Sardegna 2014
名称Goimajor Cannonau di Sardegna 2014
ゴイマヨール カンノナウ・ディ・サルデーニャ 2014
生産者Cantina Trexenta
カンティーナ・トレセンタ
価格768円 (単品価格 1,620円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 本日のワインは、地中海に浮かぶイタリアの島「サルデーニャ島」の赤。 この銘柄とは3年前に2011年産と稽古済み。 品種の「カンノナウ」は、フランスで言うとグルナッシュらしい。 こういう、同じ品種なのに名前が違うのがある、ってのがワイン用ブドウの面倒くさいところですな。 グルナッシュ=ガルナッチャくらいだったらまだ理解できるけど、カンノナウて。 まぁ日本でもズワイガニが松葉ガニだったり越前ガニだったり、 いろいろ別名があるんで他所のことは言えませんが。

 ちなみに料理は、ポークチャップ、ポトフ、弁当に詰めた食材の残り(ハーブチキン、パプリカの炒め物)です。 普通のご家庭は夕食の残りが弁当に入ると思うけど、道場では弁当の残りが夕食に出されます。

 色は、澄んだ静脈血といった感じの赤みのある紫色。 濃さは中程度だけど、清澄度が高くて向こうがキッチリ透けます。 香りは、非常にイタリアらしいというか、 ツンッとした刺激のあるフルーツ香に若干のケモノっぽさ。 なんとなく日本ワインのメルローにも通じる、「トーンの高い黒系果実」という香りです。 味わいは、甘酸っぱさが中心で、これまた日本のメルローみたい。 バランス的に、結構どんな料理にも合いそうなフトコロの深さを感じます。

 結構美味いっす。香りはしっかりしているし甘酸っぱい味わいであることに加えて、イタリアらしくとても人懐っこい感じ。 品種がグルナッシュだと言われれば確かにベースはそういう気もするけど、 その上をコーティングしているのは明らかにイタリア産の雰囲気。 香りを決定づけるのはやっぱり酵母なんですかね?

点数75点

6日(水)

Fork & Spoon Semillon Sauvignon Blanc 2016
名称Fork & Spoon Semillon Sauvignon Blanc 2016
フォーク&スプーン セミヨン ソーヴィニョン・ブラン 2016
生産者Yalumba Family Vignerons
ヤルンバ・ファミリー・ヴィニュロンズ
価格695円 (単品価格 1,274円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 週の真ん中水曜日、本日の夕食調理担当は師範。 拵えた料理は、刺身(ワラサ、真鯛、水ダコ)、オクラのおひたし、肉豆腐。思いっきり和のメニューであります。 ちなみに肉豆腐の肉は豪州産牛肉の切り落としだけど、「和牛の脂身入り」だって。なるほどどういう使い方もあるのね、と感心。

 そういう料理に合わせたのが、いかにも和食に合いそうなスッキリした外観のオーストラリア産白。 外観は良いとしてラベルもスッキリし過ぎており、ほぼノッペラボウで、銘柄と品種と以外は何の情報も書かれていません (ヴィンテージはインポーターのステッカーに)。 検索して調べたところ、造り手はヤルンバらしい。 それくらいは書いておいて欲しい所であります。

 色は、ボトルの外観通り非常に薄めで緑色っぽさを感じる色合い。 香りもフレッシュですね。 レモンのような柑橘類の香りにバジルのようなハーブの雰囲気がプラス。非常に涼しい感じの香りです。 味わいもとても軽くてフレッシュ&フレッシュ! 甘さは非常に控えめで酸味もそんなに強くは無いけど、なぜか物足りない感じはなくて、良い感じにスイスイ入ります。

 和食向きのワインです。もしかすると日本向けのキュヴェかも知れない。 そして夏向きのワインでもあります。ただ、読者な方に於かれましては「今ごろ夏向きと言われても・・・」という感じでしょう。 もうちょっと早めに稽古するべきでした。

点数71点

3日(日)

外壁メンテナンスが終わった道場

 8月の初めからスタートした道場稽古場の外壁メンテナンス、 今年の夏は雨が多かったんでかなり時間が掛かって、やっと先週完了。 次はまた10年後かな?その時は子供たちも独り立ちしてたりするだろうから、 内部も合わせてリフォームかなぁ。 あ、その時まで「安ワイン道場」は存続しているんだろうか?していると良いなぁ。

 外壁メンテナンスが終わったので、ウッドデッキもメンテナンス。 こっちは業者さんに頼むんじゃなくて自分で施工。 前回は昨年末だったんで若干インターバルが短めだけど、 外壁メンテの際ウッドデッキの上にコンパネ敷いて足場が組まれたんで、 ちょこちょこ傷んだ部分があったり。というわけで、天気も良いし早めの実施とした次第。

 塗料は信頼のキシラデコール。これまでは「ピニー」という明るめの色を使っていたんだけど、 今回は1ステップ濃い「カスタニ」という色を採用。 というのも、竣工から10年、さすがに下地の材(レッドシダー)自体の色が焼けてきており、 それに明るい色を塗ると「地黒の方が白く厚化粧した」みたいになっちゃうのね。 だもんで地肌に合わせたファンデーション(笑)にしました。

ウッドデッキ 塗装前 ウッドデッキ 塗装後

 こちらがその塗装前と塗装後の写真。左が塗装前、右が塗装後。 光の具合が違うので、まるで怪しい通販の「使用前/使用後」写真みたいに、 塗装後のがめちゃくちゃ良くなったように見えています。

 さて来年の師範に業務連絡。 塗料はまたたっぷり残っているので、買い足すとしても小さめの缶で良いかも。 マスキング用のテープ等も十分残っています。 なので、刷毛とカップだけ買えばいいよ。

Chateau haut-baillan (Blanc) 2011
名称Château haut-baillan (Blanc) 2011
シャトー・オー・バイヤン (白) 2011
生産者Ch. haut-baillan (Ch. Grand Bos)
シャトー・オー・バイヤン (シャトー・グラン・ボス)
価格1,523円 (単品価格:2,149円)
購入店 ドラジェ

 本日の夕食は、豚ヒレカツ、チキンカツ、ナスとインゲンの煮びたし。 ヒレ肉は米国産だったんだけど、税込み100g138円也。安いよね。 チキンカツはモモ肉。豚は脂が無い方が好きだけど、鶏は多少脂があった方が良い、という嗜好です。

 そんな料理に合わせるワインは、軽い赤かしっかりした白なんだけど、 軽い赤は昨日稽古したので(軽くは無かったけど)、 本日はしっかしていそうな白を。 モノはボルドーで、ちゃんとACグラーヴという原産地呼称の付いた白です。

 さて抜栓。コルクは強く漂白されているけど、長さもあるしシャトー名やヴィンテージもプリントされていて高級感があります。 グラスに注いで、色は濃くは無いけどちゃんとレモンの果肉っぽさを感じる色合い。 香りは、ボリューム控えめ、というか内向的な香りの出方で、グイグイ嗅いでやる必要があります。 品種はソーヴィニョン・ブランが主体だと思うけど、 南米やオセアニアのソーヴィニョン・ブランみたいなハーブやトロピカルフルーツ感はなくて、 洋ナシっぽいシャレたフルーツにミネラルっぽい香りが主体。 なんだかノーブルな雰囲気というか、そんじょそこらの安白ワインとは一線を隠す香りのバランスです。 更に味わいは極めてストイック。甘さ控えめでミネラル感バリバリ。 高級感と頼りなさの分水嶺みたいなポジションにあります。

 7月のラグランジュの会で、ボルドー左岸の白(コレ)はしっかりしている印象があったんだけど、 このワインはそういう傾向ではありません。 フレッシュな若々しさがあるでなく、かといって熟成感もまだ無くて、狭間の時期という感じです。 でも、決してイケてないわけじゃなくて、ボルドーらしい矜持を身に纏ったワインという気がします。 こういうワインを点数で表現するのは難しいな。 手放しで推薦はしかねるけど、「まぁ飲んでみてください」という気にはなるワインです。

点数75点

2日(土)

J.Lohr Falcon's Perch Monterey County Pinot Noir 2013
名称J.Lohr Falcon's Perch Monterey County Pinot Noir 2013
J.ロアー "ファルコンズ・パーチ" モントレー・カウンティ ピノ・ノワール 2013
生産者J.Lohr Winery
J.ロアー・ワイナリー
価格1,620円
購入店 カーヴ・ド・リラックス

 昨日をもってピロリ菌除菌のための減酒期間は終了(結果は4週間後)、本日より以前のペースに戻します。 そして9月最初のワインに選んだのは、久しぶりの米国産ピノ・ノワール。 お盆のカーヴ・ド・リラックスのセールでディスカウント販売されていたんでゲットしたもの。 なかなか米国産のちゃんとしたワインで1,000円台って無いからね。

 ちなみに、合わせた料理は豚スペアリブのオーブン焼き、ヒラメ&シマアジのカルパッチョ。 なんとなくしっかりしたピノが合いそうに思えませんか?・・・思えませんか、あぁそうですか。

 さて抜栓。コルクは屑を集成した安っぽいヤツ。ちょっとガックリ。 色は、ピノ・ノワールとは思えない、というかカリフォルニアの昔ながらのピノらしい、非常に濃い赤紫。 グルナッシュなんかに近い色だと思います。 香りは、「いやー懐かしい」って感じのトラディショナルなカリ・ピノの香り。 ボリュームたっぷりで、イチゴジャムのような甘いフルーツ香と、ちょっと革っぽいケモノ香がコンコンと香ります。 樽香もあるけどそんなに強くなく、特徴的なのはセージのようなハーブ香りです。 味も香りの印象通り。とにかく甘さが際立ちます。糖度を測るとなんと8.1、そんなピノはあまり記憶にありません。 そしてpHは3.9と酸味控えめ、ピノなんで渋味も控えめ。とにかく甘い、そしてちょっと苦い。

 いかにも米国らしい、ハンバーガーやホットドッグ、あるいは甘いソースのバーベキューなんかに合わせて屋外でグイグイ、 というシチュエーションがぴったりな感じのワインです。しっとりと飲むにはチェイサーがあった方が良いかも。 そして、このワインがディスカウントされていた理由がなんとなく判ります。 嫌いじゃないけどやっぱり今風じゃないよね、こういうバランス。 きっちり冷やして飲んだんで、今日の料理には不思議と合っていました。

点数72点