稽古日誌:2017年8月

プラム

 8月。道場も建立後10年を経過したので、今年の夏は外壁等のメンテナンスを入れます。 だもんで、この夏はあまり外出もできず、悶々と過ごす予定であります。

 そして、夏に楽しみなフルーツと言えばプラムですな。左写真は大石早生という品種です。 このプラムって果物がなかなか曲者でして、 十分に熟れていないヤツは甘くなくて酸っぱいし、 熟れたヤツは日持ちしなくてすぐ傷んでしまいます。 そういうのって何か思い当たりませんか・・・そう、安ブルゴーニュの赤ですな。 とにかくごく稀に美味いヤツに当るんですが長続きせず、大抵はフレッシュな香りのみが身上で味は酸っぱいだけ、ってのが多いわけです。 でも、そんなプラムが好きな師範だから、未だに安ブルゴーニュとの稽古を積み重ねられているような気もします。

 このプラムもそろそろ終わりの時期、次は梨の季節ですな。 梨は二十世紀が好きです。やっぱり本質的に酸味がある品種が好きなのかも知れません ・・・という師範の性癖をご理解の上、稽古日誌の評価等をご覧いただければ幸いです。


30日(水)

Cono Sur Bicicleta Syrah 2015
名称Cono Sur "Bicicleta" Syrah 2015
コノ・スル "ビシクレタ" シラー 2015
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 732円)
購入店 酒のいしかわ 楽天市場店

 ピロリ菌除菌のための"減酒"期間中、かつ「水曜日はコノ・スルの日」なので、選んだのはコノ・スルのシラー。 そしてコノ・スルのビシクレタ・シリーズのセットも、今回これが最後の一本。 この品種とは直近2014年産と昨年稽古済み、 「古き良きチリのシラー」などと書いております。 ちなみに料理は、豚の蒲焼き、ナスの焼き浸し、ミミガーとキュウリの和え物、ピクルス、インゲンの胡麻和え。

 色は、非常にしっかりとした紫色。見た目トヨンとしていてエキス分が多そうです。 香りは、期待したほどのボリュームは無いけど、 イチゴジャムのような煮詰めたフルーツに、シナモンのような香辛料が感じられ、 加えてミントやローズマリーのハーブ香があります。 特に特徴的なのはローズマリー、他ではあまり感じない香りです。 味わいは、甘酸っぱくて渋味もタップリ。 思いのほか熟成感があるというか、どことなくボルドーの名門ドコロを飲んでいるかのような余韻を感じます。

 香りがおとなしめなのは残念だけど、複雑さはあるし、ハーブの涼やかな感じにグッと心を捕まれます。 そして何より味わいの高級感はこのクラスではなかなか無いレベルです。 そんな感じで半分だけで終了。残りは明後日!

 それはそうと、総括する意味で2ヵ月強に渡ったコノスル10本セットとの集中稽古、点数順に並べたのが以下 (9/1 シラーの点数を変更)

79点シラー
78点ゲヴュルツトラミネール
76点カルメネール,ヴィオニエ
75点ピノ・ノワール, メルロー, カベルネ・ソーヴィニョン
71点シャルドネ
70点リースリング, ソーヴィニョン・ブラン

 赤だとカベルネ・ソーヴィニョンやメルロー、白だとシャルドネやソーヴィニョン・ブランといった一般的な品種より、 ちょっと変わった品種の方がポイント高い、という結果になりました。 個性的なのが自分ウケするとすれば、そうかもね。あくまで「師範極私的には」ですが。

 残した半分と翌々日再稽古。樽の香ばしさが感じられて、若干香りのボリュームが増えたような気がするのと、 若干スパイシーな味わいも増えた気がする。いずれにしても2日くらい経っても全然平気、やっぱコレは美味いわ。

 このセット、 週一くらいしかワインを飲まない普通のご家庭だったら、7,000円弱の出費で2か月半楽しめるわけで、 ぜひお薦めしたいところです・・・って、そんな「普通のご家庭」はこのページ見てないか。 じゃぁソムリエ試験の二次対策にどうぞ・・・って受けたこともないのに言っております。

点数78(+1)

26日(土)

ピロリ菌の除菌薬

 先月行った人間ドックのオプション検査で、 師範の胃にはピロリ菌がいらっしゃることが判明。 人口の三割が持っていると言われるピロリ菌、それを敢えて退治すべきか悩んだけれども、 美味しくワインが飲める身体を維持するのにちょっとでもリスクのある要素は排除しておこう、 ということで除菌することにしました。

 左写真が7日分の除菌薬。除菌中のアルコール摂取に関して、 医師は『絶対飲むな!とは言いませんが除菌の成功率が下がります』と言い、 薬剤師も『成功率が下がりますのでお酒は飲まないでください』と言う。 でもね、師範が調べた範囲ではアルコール摂取による除菌率の低下を示すエビデンスは見つからないのよ。 数値が書かれていて信頼性が高そうなこのサイトによれば、 アルコール摂取群の方が除菌成功率が高いとの結果が示されています(まさに「アルコール消毒」!)

 ・・・というわけで、世に言われる「アルコールは控えなさい」と、調べた結果の「そんな事実は無い」の間を取って、 酒量を普段の半分に抑えることにしました。 別に1週間飲まないのが辛いってわけじゃないんです。先月の人間ドック前は一週間断酒したし。 ただ、「安ワイン道場師範」ならではの身をもっての人体実験として、 アルコールを控えないピロリ菌除菌を試してみたくなったわけです。 これで除菌に失敗したら笑ってやってください。

Le Haut Medoc de Lagrange 2013
名称Le Haut-Medoc de Lagrange 2013
ル・オー・メドック・ド・ラグランジュ 2013
生産者Ch. Lagrange
シャトー・ラグランジュ
価格(参考価格 3,600円)
購入店(サントリーさんから)

 ・・・というわけで、今日明日の二日に分けて稽古するべく選んだのがコレ、 サントリーさんにお中元?として送って頂いたル・オー・メドック・ド・ラグランジュ。 同じものを7月のラグランジュの会で稽古済み、 その時は「良いヴィンテージの安ボルドーの方を飲んで吉」などと全く忖度しない発言をしておったわけですが、 名門ドコロのボルドーですから、じっくり飲めば開くでしょう、特に翌日なんて良いんじゃないの? と考えてチョイスした次第でございます。

 ちなみに料理は鶏の唐揚げ、インゲンとナスの揚げびたし、大学芋。 やっぱり揚げ物は美味いよねぇ。 ただ、ダイニングが揚げ油の匂いで満たされると、かなりワインの香りが取りづらくなる点は注意が必要です。

 色は、ラグランジュの会でも感じた通り、ボルドーとしては濃さは控えめ。 ヴィノムのボルドーグラスに適量注いだ状態で向こうが透ける濃さです。 以前は「サラリとした見た目」なんて書いていたけど、決してそんなことは無いですね。 ちゃんとアシも長くてネットリ感はあります。 香りのボリュームは中程度。 濃い色のベリー香に消し炭のような燻した香り、 それにマジックインキのような香りもあって、そこそこ複雑さがあります。 味は・・・やっぱり軽いです。名門ボルドーとしては明らかに軽い。 そして渋味にまだトゲがある感じで、全体にスレンダーな印象を受けます。

 初日の印象は前回と近くて、ふくよかというより筋肉質、和食にも合わせられるくらいのボディ感です。 ただ、前回は「酸味が前に出た」なんて書いていますが、酸味はそれほど強くはありません。 そこは前言撤回させて頂きます。

 そんなわけで、初日はまず2時間かけて半分だけ稽古してストップ。 スイスイ入る系ではないので、半分でも案外満足感があります。 そして、明日はきっと更に開いてくれるものと期待しております。

 半分残して、コルクを戻しただけでセラーに立てて突っ込んでおいた翌日再稽古。 料理は熊本の馬刺、大分産天然鮎の塩焼き、パプリカとオクラとトマトのソテー、(次女用に)ハンバーグです。

 色は変わりありません・・・ってそりゃそうですか。 香りは明らかに違います。まずボリュームが昨日より増して、 雰囲気も明るくて社交的、マジックインキっぽさは更に強まって黒酢のような甘酸っぱい香りが出ています。 味わいは、未だ軽めではあるんだけど、昨日感じたような渋味のトゲ感はなくて、より人懐っこく変化した印象です。

 やっぱり若くてちゃんとしたボルドーは時間をかけると開くんだな。 変化を楽しむという意味でも、一日で飲み切らない方が良いのかも。 つい飲み干しちゃいがちな普段の師範に言って聞かせたいところです。

 結果、amazonの売価3,600円だとその価値を見出すのはちょっと難しいと感じます。 ところが楽天(ヴェリタス)の1,950円だと俄然お買い得。 1,000円台でトラディショナルなボルドーが味わえます。

点数75(+3)

25日(金)

Aldridge Rams Head Shiraz Cabernet 2016 [Cranswick Wines]
名称Aldridge "Rams Head" Shiraz Cabernet 2016
アルドリッジ "ラムズ・ヘッド" シラーズ カベルネ 2016
生産者Cranswick Wines
クランズウィック・ワインズ
価格799円
購入店 ヴェリタス

 本日の夕食調理担当は師範で、メニューは青椒肉絲、モヤシのナムル、フカヒレスープ。 なんかワンパターンだなぁとは思うけど、CookDoを使った中華総菜やレトルトベースのスープって、 作るのが早いんだよね。 いや、調理スピード云々というより、「味見をしなくて済む/確実にそこそこの物が出来る安心感」という意味合いが強いかも。 自分で調味料を合わせて作るとなると、やっぱりその一品に集中しちゃって並行作業が難しくなるんだな。 お決まりの調合パターンが身についているとそういうことも無いんだろうけど。

 ・・・と、未熟な主夫談義は置いといて、本日のワインは豪州産の赤。 品種は"Shiraz","Cabernet"と書かれています。 豪州産って、「カベルネ・ソーヴィニョン」を「カベルネ」とだけ表記する場合が結構あるけど、 この国には「カベルネ・フラン」は無いんですかね? 確かにあまり見たことは無いけど。 ちなみにこの銘柄の白とは既に稽古済み、 良くも悪くも「普通なワイン」と評価しております。

 色はそれほど濃くなくて、大きめグラスでも微妙に向こうが透ける程度の紫色です。 香りはとても凝縮感があるというか、ググッと内側にこもる系の果実香を感じます。 そして、あろうことかこの値段なのに香ばしく焦がした樽香も。なんだかゴージャスに感じる香りです。 味は・・・甘い。とにかく甘~い。 渋味も酸味もあるけど、一番目立つのは甘味。 数値を測ってみると糖度は7.8で、そんなにべらぼうに糖度が高いわけじゃないけど、 飲んだ感じはとても甘く感じます。

 安ワインに対してはとても心の広い師範なので、この値段でこんなしっかり感のあるワインには「よく頑張った」と伝えてあげたい。 でも、この甘さは食中酒としてはちょっとつらいなぁ。 いつもはワイン飲むときにチェイサーなんて要らないんだけど、 今日はさすがに冷水を用意して水の飲みながら頂きました。 ワイン自体も冷やして飲んで吉、です。

点数72点

23日(水)

Cono Sur Bicicleta Sauvignon Blanc 2016
名称Cono Sur "Bicicleta" Sauvignon Blanc 2016
コノ・スル "ビシクレタ" ソーヴィニョン・ブラン 2016
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 732円)
購入店 酒のいしかわ 楽天市場店

 「水曜日はコノ・スルの日」を再開、と言っても残すところあと2本。 本日選んだのは、白のソーヴィニョン・ブラン。白は最後ですな。 この銘柄のこの品種とは、直近2014年産と昨年稽古しております。 普通にソーヴィニョン・ブランらしいワインだった模様。 そして本日合わせた料理は、刺身(真ダイ、真ダコ、スモークサーモン)、 鶏の唐揚げ、モッツァレラ&トマト、オクラの酢の物です。

 色は無色に近いくらい淡いレモン色。外観的にも非常にサラリとした感じです。 香りは、「これぞソーヴィニョン・ブラン」な、そしてそれもロワールとかの涼しい地域感のある、 熟れてない青リンゴとハーブっぽい涼しげな香り。ボリュームもあって、なかなかナイスな香りです。 そして味は、甘さ控えめでかなり強めの苦味があって、ブドウの皮の成分がたっぷり溶け込んだ感じ。 「爽快でクリアー」とも言えるけど「ふくらみが無くてギスギスした感じ」とも言えます。

 糖度は低めの6.0で、アルコール度数も低めの12%、 多分まだ全然熟れきっていない時点で収穫して、ソーヴィニョン・ブランらしい香味を引き出したんだと思われます。 この品種らしさがとても良く出ていてキャラ立ては見事なんだけど、 これ一本飲んで美味いと感じるかというとちょっと微妙。 ややエッジが効きすぎてるというか、爽やか過ぎるだろ!って感じ。 偏愛するコノ・スルだけに辛口評価です。

点数70点

20日(日)

焼肉・韓国料理 大使館 外観

本日で長かった夏休みも最終日。 そして本日は大変久しぶりにバンドの練習日、場所はいつもの「スタジオNOAH 代々木店」。 メンバーの一人が緊急入院したりしたんで、いろいろと延び延びになってなんと4月以来の4ヵ月ぶり。

 で、練習の方はまぁいつもの調子でダラダラとつつがなく終えた後、毎度の反省会。 師範の『夏休み最後の日なんで美味いものを食べたい』という想い汲んで頂いて、 普段行く居酒屋よりちょっと高級な、焼肉・韓国料理 大使館というところ。 ずいぶん以前にも訪問したことがあった気がしたけど、 この名前での記録無し。 よくよく調べたら、訪問したのは「牛兵衛」という店で既に13年前、 そこは既に閉店していてその後にこの店になったようです。

 店に入ったのは午後7時前。広い店内でそこそこ良い時間なのに我々が最初の客。 そういえば今日は神宮の花火大会だったので、みなそちらに流れたのかな?

焼肉・韓国料理 大使館 料理

 本日はベースのMw氏が家庭の事情で飲み会不参加だったので、反省会3人。食べたのは以下。

焼肉Aセット5,940円(左写真)
和牛上カルビ1,706円
丸腸950円
豚トロ864円
キムチ盛合せ1,058円
チャンジャ540円

 「高級」でもなく「激安」でもない、中道路線の焼肉屋ですね。 値段はそれなりにしますが、見合ったおいしさがあるように感じました。

 お店の人は、会話から察するに韓国系の方のようです。 そちら系にありがちなクールな接客は評価が分かれるところかも。 ただ、お通し代もサービス料も取らない店なので、それに見合ったサービスとも言えます。

焼肉・韓国料理 大使館 ワイン

 飲み物は、生ビール 480円を3人で12杯、その他ハイボール 500円やらサワー類やらをいろいろと。 もちろんグラスワインも注文していて、赤ワインがグラス1杯420円。 内容的には、多分チリかオーストラリアあたりの大手造り手のベーシックなライン、品種はカベルネ・ソーヴィニョンだと思われます。 居酒屋で出されがちな激安系とは違い、これだったら「悪くない」と言えます。 ただ、いかんせんグラスが小さくて量が少ないのが難点。これで420円は「高い」とも言えます。 ボトルだと2,500円らしいので、また行く機会があったらそっちを頼んでみるかな?

 久しぶりなんで話も尽きず(緊急入院とかおめでたとか)、3時間くらい居座りました。 そして3人分トータルのお値段は21,000円強。 いわゆる居酒屋よりちょっと高い、というレベルに落ち着いたので、まずまずよろしかったのではないでしょうか。


19日(土)

カリモーチョ

 夏休みも今日を含めて残すところあと二日。 あまりに名残り惜しいので、休みを満喫するべく昼間っからアルコールを摂取します。

 というわけで、まずは昼食前に定番のプレミアム・モルツを頂いた後、 エビとトマトとオクラの冷製パスタに合わせたのは、 スーパーで250ml一本98円で投げ売りされていたカリモーチョというワインベースのカクテル。 赤ワイン×コーラ×レモンピール、「スペインで今大人気のワインスタイル」などと書かれていますが、 赤ワインとコーラなんて中国かよ!です。 飲んだ印象は・・・こりゃ投げ売りされるわ。安い赤ワインの雑巾っぽさをコーラが助長していて、 なんだか薬飲んでいるみたい。養命酒のソーダ割がイメージに近いと思います。

 夜にはちゃんとしたワインを飲んで、また更新する予定です。

Coldstream Hills Pinot Noir 2016
名称Coldstream Hills Pinot Noir 2016
コールドストリーム・ヒルズ ピノ・ノワール 2016
生産者Coldstream Hills
コールドストリーム・ヒルズ
価格3,013円
購入店 ドラジェ

 ・・・というわけで夜のワインがコレ。 夕方、お隣さんのKさんが用事で道場に見えたんで、「ちょっと一杯だけ」も兼ねて開けました。 オーストラリアのイケてるピノ・ノワールの造り手として有名なコールドストリーム・ヒルズ、 実は14年前に2001年産と稽古しており、 稽古範囲内の価格帯ではピカイチだった印象。 税込み価格では微妙に稽古範囲を超えちゃったけど、 「あの素晴らしい味をもう一度」という気分で再購入した次第。

 合わせた料理は、肥後の赤牛2種(ふるさと納税の返礼品、師範母からの送られてきたもの)、ポトフ、大根ツナサラダ。 肉はどちらもステーキ用だったけど、サシの入った牛肉はデカいままだと胸がいっぱいになるので、 焼肉みたいに小さくして大根おろしでサッパリと頂きました。

 色は、非常にキレイな赤紫。濃くなく薄くなく、透明度と照りがあって大変美しい外観です。 香りは、プラムのようなトーンの高い果実香と、革のような動物的な香りがしっかり。 樽香もあるけど意外と目立ちません。 味わいは、渋味きっちり酸味しっかり甘味そこそこ。 バランスとしては悪くないんですが、いかんせんまだ全体がバラバラ。 相互に重なる部分が無くてカチカチな味わいです。

 抜栓後時間が経つと、徐々に開いて来て全体にまとまって来ます。 でも、斜方投射する速度は速いものの仰角が低いので、あまり高い位置までは到達しません。

 残念ながら期待したほどじゃ無かったな、というのが正直な印象。 ポテンシャルはあるけどまだそれが発揮されていない感じ。 ニューワールドは若くても大丈夫と思っていたけど、そうじゃないのもあるのな。 多少置いとかなきゃダメ、ってとこまでブルゴーニュに似せているのかな?

点数79点

18日(金休)

Montagny 1er Cru 2013 [Ch. de la Saule]
名称Montagny 1er Cru 2013
モンタニー・プルミエ・クリュ 2013
生産者Ch. de la Saule
シャトー・ド・ラ・ソウル
価格2,592円
購入店 アロムヴェール銀座本店

 本日も師範は夏休み。もう浮世がどんな感じだったか忘れつつあります。 はぁ~いつまでも続くと良いな、夏休み・・・などと小学生のようなことを夢想中。

 そんな浮世離れした状況にあるので、ワインもちょっと良いヤツをチョイス。 選んだのは南ブルゴーニュのコート・ド・シャロネーズにあるモンタニー村の1級畑。 あまり聞いたことがない造り手だけど、200年以上の長い歴史のある蔵らしく、 モンタニーでは最大の畑を所有しているとのことです。 ちなみに料理は、鯛の塩焼き、鰹のタタキのカルパッチョ風、 豆苗のガーリック炒め、レタスとトマトとクリームチーズと玉子のサラダ、アサリの味噌汁。白ワインっぽいメニューです。

 色は、結構しっかりしたレモン色、ブドウは熟したシャルドネだったであろうと思われます。 香りは、レモンやグレープフルーツの柑橘香に加えて凄くミネラル感が強くて、まるで良いとこのシャブリみたい。 硫黄を燻したような雰囲気もあって、好き嫌いはありそうだけどなかなか複雑な香りです。 味わいも、香りから受ける印象に近くて「酸味を旨味で代替したシャブリ」といった感じ。 あんまり他では味わえない雰囲気です。

 やっぱりこういうのを飲むとブルゴーニュという地域、シャルドネという品種のフトコロの深さを感じます。 美味いかと問われるとちょっと返答に困るけど、この存在感は認めざるを得ません。 こんな感じ、ニューワールドでこんなシャルドネはまず無いし、目指しもしないと思われます。

点数77点

16日(水休)

Villa Montes CS 2015 / Enoteca CS 2015

 お盆は終わりましたが、師範はまだ夏休みを頂いております。 ここんとこ「水曜はコノ・スルの日」にしていたんだけど、せっかくの休日なので今週はそれはちょっと置いといて、 「夏休みのオトナの自由研究」として、同じくチリ産だけど別の企画に挑みます。

 で、それは何かというと、『モンテスのカベルネ・ソーヴィニョン飲み比べ』。 というか『エノテカのプライベート・ラベルはそのまんまヴィラ・モンテスなんじゃないの?』を明らかする企画。 6月に購入したエノテカのパーティーパック12本で10,000円のセットに、 「ヴィラ・モンテス カベルネ・ソーヴィニョン 2015」というのと、 「エノテカ カベルネ・ソーヴィニョン 2015」というのが入っていたわけですが、 どちらも造り手はモンテスS.A、地域はコルチャグア・バレー、アルコール度数も13.5%。 プライベート・ラベルの方は単品売りも無いし、 「これってもしかしてセットの種類を多く見せるためにラベルだけ変えているんじゃないの?」と思ったわけであります。

 ちなみに料理は、イカと庭のミニトマトとオクラのガーリック炒め、鶏手羽中の揚げ煮、ガーリックライスです。 濃い赤に合わせるにはどうか、って感じだけど、本日の場合はワイン優先です。

Villa Montes Cabernet Sauvignon 2015
名称Villa Montes Cabernet Sauvignon 2015
ヴィラ・モンテス カベルネ・ソーヴィニョン 2015
生産者Montes S.A.
モンテス S.A.
価格768円 (単品価格 1,620円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 この銘柄とは、一昨年2012年産と稽古していて、非常に良く出来た赤ワインという印象があります。 だから、同じものが2本でも特に悔しいわけじゃないんだけど、やっぱり確認してみたくなるわけですよ。 特にエノテカさんでこの手のセットを買った際に入っている率が高いから、 その参考という意味でもね。

 色はしっかりと濃くて青みを感じる紫色。いかにもチリのカベルネ・ソーヴィニョンらしい色合い。 アシが長くネットリ感もあって、かな~り濃いワインであることが見て取れます。 香りは、濃いベリーのフルーツ香に、チョコレートやキャラメルのような甘香ばしい感じ、 それに加えてミントみたいな涼しい香りもあります。 香りのボリュームはそれほどでも無いけれど、複雑さはしっかりあってナイスです。 味は、甘さしっかりで酸もしっかり。若いカベルネということで渋味もしっかりなんだけど、 ザラつかずホコホコした渋味なんで、固い印象はあまり受けません。

 2012年産の時の印象と同じく、複雑さのある香りとしっかりした味わい、とてもコスト・パフォーマンスの高いワインだと言えます。 敢えて欠点を探すと、単調なパワフルさで押してくるので飲み飽きしがちな点はあるけど、 実買800円以下でそれ以上を望むのも無理な相談というものです。

 ほぼ半分残した翌日再稽古。 色も香りも味も、前日と全く変わりありません。こういう強さのあるワインは、 グラス用途のハウスワインとかに良いよね。 業務向けの単価がいくらか知らないけど、フランジアやカルロ・ロッシじゃなくてこういうのを使ってほしいなぁ。

点数78点
Enoteca Cabernet Sauvignon 2015
名称Enoteca Cabernet Sauvignon 2015
エノテカ カベルネ・ソーヴィニョン 2015
生産者Montes S.A.
モンテス S.A.
価格768円 (単品価格不明)
購入店 エノテカ楽天市場店

 そしてもう一本がコレ、モンテスが造るエノテカのプライベート銘柄。 この銘柄とは5年前に2010年産と稽古済み、 ヴィラ・モンテスと同様にかなり高品質なワインであると感じておりました。 で、そのコメントを見返しても似てるんだよなぁ、ヴィラ・モンテスとこのエノテカ・プライベート。

 色や外観に関しては、上のヴィラ・モンテスと全く違いは感じられません。 香りは、極めて似た傾向ではあるけど若干こちらの方がボリュームがあって、 そしてスパイシーな雰囲気が強いように感じます。 味わいも、ほんとに微妙な差ではあるんだけど、わずかにこちらの方が渋味が主張しているような。 でもその差はホントに僅かな気がします。

 結果的に、「確実に違うモノ」とも「全く同じモノ」とも言えない、 誤差の範囲程度の差を感じる結果でした。 「ブレンドする畑を若干変えた」とか「樽の産地とか樽熟期間が微妙に違う」とか、その程度の差かなぁ。 ともあれ、全く同じかどうかは不明だけど内容的には殆ど同じなんで、そう思って買った方が良さそうです。

 こちらも翌日再稽古。 差があるか無いかで言うと、翌日の確信として「ほぼ全く差が無い」と言って良いと思います。 ま、メジャーなインポータ兼ショップとなると、いろいろオトナの事情もあるんでしょうね。

点数78点

15日(火休)

東京スカイツリー 外観

 終戦の日の今日、高い所から世界平和でも祈っておこうかということで、本日は家族で東京スカイツリー観光。 道場最寄り駅のパン屋で朝食をとって、電車に乗ったら一本乗り換えでスカイツリー最寄りの押上駅。 意外と近うございます。

東京スカイツリー 景色

 東京スカイツリー、時間指定の事前予約が可能です。 行列が嫌いな師範家は当然予約して行ったわけだけど、そうすると天気がギャンブル。 結果、あいにく今にも雨が降りそうな曇天。チーン。右写真のように展望台が雲に隠れる時間もある状況。 ただ、幸い時間帯によっては左写真のように遠くまでは見渡せないものの十分その高さを感じることができました。 あと、一度スカイツリーに来たことがある次女曰く『今日は人が少ないので大変ナイス』とのこと。 確かにどの方角もたっぷり見放題な程度の人出でした。

 しかしスカイツリーのエレベーターは優秀だね。 加減速も非常にスムーズで全く揺れません。あっと言う間の350m、そしてその先の+100m。 下手な遊園地並みの入場料が取られる施設だけど、このエレベーターはライドとしては大変優秀です。

ブラッスリー・オザミ テーブル

 昼食は、東京スカイツリータウン「ソラマチ」の30階、 高層レストラン街にあるブラッスリー・オザミ ソラマチ店にて。 こちらも前もって予約しておいたので、窓際のテーブルを用意して頂いておりました。 窓から席が近くて、かつ窓の下端が低いので、非常に景色がよろしゅうございます。

 「お盆の時期なんて大繁盛だろうな」と思っていたわけですが、 師範らが入店した正午の時点ではお客はまばら、最終的にも満席にはならない状況でした。 やっぱり「お盆は混む」というのは田舎モンの感覚なのかな? 都内は逆に空いているようです。

 このお店、経営は「オザミ・グループ」です。 本店の「オザミ・デ・ヴァン」は19年前に利用させております。 お店も、そして道場も長生きですな。

ブラッスリー・オザミ パン

 料理の注文は、平日限定のランチコース、税込み2,500円。 まず最初に出されたのが、二種類のパン、吉田豚とバターのリエット。 このリエットはここのスペシャリテのようです。 確かにパンとこれがあったらいくらでもワインが飲めます。

Xenius Brut N.V.
名称Xenius Brut N.V.
ゼニウス ブリュット
生産者Covides
コビデス
価格756円/glass
購入店 ブラッスリー・オザミ ソラマチ店

 オザミ・グループの経営とあって、このお店はワインが充実しております・・・ってかそれ目当てで予約したんですけどね。 ワインリストにはボトルのラインナップも沢山あったけど、さすがに昼なんでグラスで頂きます。 グラスの選択肢もそこそこ充実していて、確か泡が3種類、白が5種類、赤が6種類。 カラフェで、という選び方も可能でした。

 そしてまず1杯目は、「本日の日替わりスパークリング」税別700円で、銘柄を聞いたらスペインのカバとのこと。 1,000円でシャンパーニュという選択肢もあってちょっぴり悩んだけど、 やはり安ワイン道場師範の悲しいサガで、一番安いのをチョイスした次第であります。

 ここのグラスワインは105mlらしく、それなりに楽しめる量があります。 色は、カバとしてはちょっと濃いめな感じだったかな? 僅かに熟成感があったように思います。 香りは熟したリンゴ、味わいは柑橘類のシャープさ。 あっと言う間に無くなったんでほとんど記憶に留められていないけど、特段の個性はないけど不満もない、 そういうスパークリングだと感じました。

 キューっと一杯飲んじゃったこともあり、乾杯用として必要十分なクオリティを持っていたように思います。 ただ、「あと324円足してシャンパーニュにしていれば・・・」という後悔が終始つきまとったのも事実。 これだから貧乏性はイケマセン。

点数(75点)
ブラッスリー・オザミ 前菜

 前菜は盛合せで、写真奥から時計回りになんとか豚のハム、キッシュ、魚の和え物、水牛のチーズ、ラタトゥイユ、 真ん中が紫キャベツの酢漬け。 お店の方には、もっとちゃんと説明して頂いたんだけど、覚えてなくてスミマセン。 いろんな味わいが楽しめて、酒の肴にもぴったりでした。

Guffens au sud Classic Marsanne - Roussanne 2013
名称Guffens au sud "Classic" Marsanne - Roussanne 2013
ギュファン・オー・シュッド "クラシック" マルサンヌ-ルーサンヌ 2013
生産者Jean Marie Guffens (Verget)
ジャン・マリー・ギュファン (ヴェルジェ)
価格864円/glass
購入店 ブラッスリー・オザミ ソラマチ店

 前菜の盛り合わせに合わせて白を追加。 リスト中で一番安かったのはACボルドーの白。グラス一杯700円(税別)。 シャンパーニュにしなかった反省もあって、さすがにそれはちょっとつまんないかなぁという気分になり、 その一つ上のクラスの一杯800円をチョイス。 ブルゴーニュの気鋭の造り手「ヴェルジェ」の当主が南仏で造る白。 品種のマルサンヌ、ルーサンヌは南仏系の品種です。

 グラスに注がれた色を見てちょっとビックリ。 まるで若いソーテルヌのような濃いめの琥珀色をしています。 マルサンヌ、ルーサンヌってこういう色の品種だっけ?あまり記憶がありません。 これで、セメダインっぽい香りがしたらまんまソーテルヌなんだけど・・・ 残念ながら香りは弱い。自然派ワインっぽいというか、素朴な感じの香りがします。 口に含むと、旨みがしっかりしていて花のような香りも広がります。 なかなか飲み応えのある白です。

 最初に香りを嗅いだ時点では「ハズしたか・・・」と思ったけど、 実は意外としっかりしたワインで、グラスで出すには良い選択肢だと思われます。 普段自分じゃ買わないワインと出会えるのも、こういうお店の楽しみですな。

点数(76点)
ブラッスリー・オザミ メイン

 メインは3種類の中から選べました。 魚料理はサゴシ(だったか)のポワレ、 肉料理の一つはメキシコ産牛のステーキ、そしてもう一つが左写真のフランス産牛のシチュー。 子供たちは二人はステーキを、大人二人はシチューをチョイス。 ステーキは赤身で食べ応えがあり、シチューはややあっさり目の味付けでした。

Cotes du Rhone La Naturee 2016
名称Côtes du Rhône "La Naturée" 2016
コート・デュ・ローヌ "ラ・ナチュレ" 2016
生産者Les Vignerons d'Estezargues
レ・ヴィニュロン・デステザルグ
価格864円/glass
購入店 ブラッスリー・オザミ ソラマチ店

 メインが肉なんで、当然次なるグラスワインは赤からチョイスします。 この日は「南フランスフェア」らしく、ラングドックやローヌの選択肢が豊富。 赤も、一判安い税別700円のはサンソー100%のもので、このコート・デュ・ローヌが800円。 白で「ちょっぴり贅沢」して気を良くしたので、ココでも下から2番目の選択肢を選びました。

 2016年産と若いこともあってか、色は非常にパリッとした紫色。 そして曇天ながら外光がしっかり入る席だからか、赤みを強く感じる色合いです。 香りは「これぞローヌ」な熟したフルーツ香。 ぐちゅぐちゅに潰したイチゴと、青畳のようなトボケた雰囲気。 香りのボリュームもなかなかのものです。 味わいも渋すぎず軽すぎず、ランチにグラスで頂く赤としては非常に良いバランスです。

 眺めの良い席で3杯目のワインという環境の良さもあって、なんだかやけに美味しく感じました。 聞けば、この店オリジナルの銘柄とのこと。 こういうワインをグラスで提供できるのは、 オザミ・グループの歴史の深さゆえかも知れません。

点数80点
ブラッスリー・オザミ デザート

 デザートも選択肢があって、木イチゴのタルトかプリン&マドレーヌ(師範のチョイスは後者)。 それにお茶はエスプレッソを。んー満足満足。

 トータルのお支払いは12,000円超。 この眺めと料理でこの値段は悪くないと思います。 特にグラスワインの選択肢が多いのがナイス。 東京スカイツリー観光を計画中の安ワイン者にはお勧めします。

浅草 仲見世

 食事の後、昼からは雨が降り出したので、様子見兼ねてソラマチ内で買い物。 それでもなかなか雨は上がる様子は無かったので、 仕方なく夕方近くから雨の中の浅草観光。 日本人比率低いっすねぇ。半分以上外国人じゃ無いかね?

 東京オリンピックに向けて「おもてなし」とか「外国からのお客様に優しく」とか言われるけど、 師範はあまりそっち側に振らない方が良いと思うな。 だって、観光客は非日常を味わいに来ているんだろうからね。 浅草でみんな英語ペラペラ、中国語韓国語の説明文がいっぱいだと興ざめでしょう。 日本人だってベネチアの街並みに日本語の看板だらけだったら嫌じゃないかな?

浅草寺 おみくじ

 せっかくだからってんで浅草寺でおみくじを引きました。結果は安定の「凶」、あははは。 ちなみに師範代は「大吉」でした。 夫婦の片方はこの先バラ色の将来、片方はお先真っ暗ってどういう状況だろうね? 少なくともウチではちょっと考えづらいなぁ。

魚菜 外観

 当初の予定では合羽橋まで足を伸ばすつもりだったんだけど、この雨なんで断念。 夕食は、どこか浅草界隈で良い店は無いかとスマホで検索。便利な世の中になりました。 そこで師範代が見つけたのが魚菜という居酒屋さん。 新仲見世通りの一本裏の道にあります。

 店内は結構広くて、50人くらい入るんじゃないかな? 入店したのが午後5時過ぎと早い時間だったんで、お客は師範らだけ。 そして、1時間以上経ってももう1組増えたくらい。 やっぱりお盆の都内は空いているのね。

魚菜 生ガキ

 以下の料理をズラズラ―っと注文(すべて外税)。

海鮮サラダ800円
岩ガキ×2900円(左写真)
白イカの姿造り1,200円
マグロの唐揚げ580円
バーニャカウダ800円
ナスの一本漬け400円
レーバーカツ×2600円(下写真)
ネギとチーズのピザ800円
(もう一品失念)800円

 メニューの種類は多くなく、量も軽めなんだけど、美味しい料理が多い印象。 食事というより酒の肴ですね。 ちなみに岩ガキは師範は食べてません、というかアレルギーで食べられません。 好きだったんだけどなぁ、カキ。

Marquis de Beau Rond Merlot Cosecha Tarapaca Chardonnay Sendas Del Rey White

 飲み物は、最初にホットペッパーのクーポンを使ってファーストドリンクサービス、師範は生ビール(アサヒ熟撰)をグラス、 師範代や子ども達はソフトドリンク。

 で、その後が素晴らしい。なんとこの店、普通の居酒屋なのにグラスワインが白6種/赤6種あります。 お値段はどれも120mlで税別400円のお手頃価格。 こういう店って、往々にして「書いてはあるけどモノが無い」場合も多いんだけど、 お店の方曰く『全部有ります』との回答。 グレード的には「普通に楽しめる安ワインの最下層」のものなんだけど、 それでもいわゆる居酒屋で出される箱入りのジャグ・ワインよりは遥かに上等です。

 そんな幸せな選択肢の中から師範が選んだのが以下です。

センダス・デル・レイ(白)[スペイン]
 思いのほか香り華やか、スッキリしていてこういうお店では使い易そうな白。
コセッチャ・タラパカ シャルドネ[チリ]
 安定のビーニャ・タラパカのベーシック・レンジ。普通に楽しめます。
マルキ・ド・ボーラン メルロー[フランス]
 『赤も冷えてますけどよろしいですか』と聞かれました。 ワインはどう提供すべきか知った上での発言だと思われます。 こういう軽めの赤だと冷えてても大丈夫っすね。

魚菜 レバーカツ

 お会計は、4人分トータルで11,000円弱。 安ワイン好きには大変うれしい店だと思いましたよ。 っていうか、こういう店が職場の近くにあったらなぁ、と思います。 グラスで400円/ボトルで2,200円のワインが12種類、絶対使い勝手が良いよね。

 ・・・と、そんなお盆のプチ・レジャーな一日でありました。


14日(月休)

Balance Cabernet Sauvignon Merlot 2016
名称Balance Cabernet Sauvignon Merlot 2016
バランス カベルネ・ソーヴィニョン メルロー 2016
生産者Overhex Wines International
オーバーヘックス・ワインズ・インターナショナル
価格820円
購入店 カルディ 横浜ジョイナス店

 昨日のに引き続き、本日も可愛らしい象のマークの南アフリカ産「バランス」の赤。 品種はカベルネ・ソーヴィニョンとメルローなんで、いわゆるボルドーブレンドですな。 ちなみに合わせた料理は、これまた熊本の師範母から送られてきた肥後の赤牛の和風ステーキ。 あとはベトナム風生春巻き(w/o パクチー)、クラゲとキュウリのサラダ。

 色は、エッジまでパリッとした紫色で、濃いには濃いけどまだ向こうが透ける濃さ。 香りは、ベリーベリーしたフルーツ香がメイン、というかほぼそれ一本。 カベルネにありがちな青臭さは控えめ、メルローにありがちな煙たさも控えめ、樽香は感じません。 とにかくフレッシュなベリーの香りで推してきます。 味わいは、甘酸っぱさを一番に感じます。 渋味自体はしっかりしているけど刺激的では無く、いわゆる「飲みやす~い」感じに仕上がっています。

 「バランス」の名の通り、万人に受け入れられるバランスを狙ったワインであることが感じられます。 これはこれで悪くないんですが、傑出した何かがあるわけでもありません。単調だしね。 ただ、この銘柄が戦略的に上手なところは、可愛らしい象をアイコンにしていることですかね。 そういう、覚えやすく親しみやすいイメージを浸透させることに成功しているワインだと思います。

点数72点

13日(日)

バランスの裏ラベル

  本日のワインは、カルディで大々的に売られている南アフリカの「バランス」の白。 可愛らしい象のマークで、今や日本で一番メジャーな南アフリカ産ワインじゃ無いっすかね? そんな「バランス」だけど、裏ラベルになぞの記述があって、 今日稽古した白には「甘口」←→「辛口」のライン上に「ややふくよか」と書かれています(左写真上)。 ちなみに赤の方に書かれているのは「軽やか」←→「ふくよか」のライン上に「やや辛口」(左写真下)。 これ赤白逆だよね。

Balance Chenin Blanc Colombar 2016
名称Balance Chenin Blanc Colombar 2016
バランス シュナン・ブラン コロンバール 2016
生産者Overhex Wines International
オーバーヘックス・ワインズ・インターナショナル
価格820円
購入店 カルディ 横浜ジョイナス店

 そんなお茶目な南アフリカの白に合わせた今宵の夕食は、大分県佐伯市に住む叔父が川で釣って来た天然アユの塩焼き。 叔父は釣りは好きだけど魚は食べないそうで、毎年師範母経由で送って来てくれます。 他には、チーズ餃子(by日本ハム)、フグ刺し風味の刺身コンニャク、きんぴらゴボウ、大根ツナサラダなど。

 さて抜栓。色はとても薄いレモン色。見た目にもサラリとしていて「安ワインでござい」な外観です。 でも香りはなかなか立派。ピーチやパイナップルといったトロピカ~ルなフルーツの香りに、 ユリ(カサブランカ)のようなゴージャス系の花の香りを感じます。 味わいは結構甘味を感じます。でも糖度を測ると6.4、そんなに糖度が高いわけではないんだな。 酸味はそこそこ、軽い苦味もあって、キッチリ冷やして飲んだ方がバランス的にはグッドです。

 ・・・と、飲み始めは良かったんだけど、単調なんでだんだん飲み飽きしてくるんですな。 もちろん、この値段のワインに変化なんて望むべくも無いとは思うんだけどね。

 結果、総じて普通に美味しい白ワインです。 カルディの店舗数を考えると、日本全国津々浦々1,000円以下でこういうワインが買えるのは消費者としては大歓迎、素晴らしいことだと思います。 ただその反面、輸入から販売まで手掛けるこういう企業のパワーが一般の酒販売店の経営を圧迫しているんだとも思います。 いろいろ飲みたいワインファンとしてはどちらも共存して欲しいんだよなぁ。

点数72点

12日(土)

ハロゲンライト

 個人的には連休三日目。 特に何もする予定は無いし、天気もイマイチってことでダラダラしたり散歩したりの一日。

 そんな中、道場のキッチン&ダイニングの照明の変更を計画中。 現在は左写真みたくハロゲンランプを使っております。 やっぱり料理を美味しく見せるにはハロゲンだと信じて疑わずに来ました。 とはいえ、40Wを5球同時に点灯すると200Wになっちゃうわけで、省エネ的にはよろしく無い状況。 多分道場の電化製品の中ではワインセラー(サイレントカーヴ)の次くらいに電力を喰ってるんじゃないかと。 それを、ハロゲンランプっぽいタイプのLED電球に変えようと思っているんですが、 1,000円以下から5,000円くらいまでいろいろあってどれが良いんだか・・・です。 反射光の良し悪しなんて、ネットはおろか電気屋で見ても全然判らないし。 どなたか『これが良い/これはやめとけ』ってことにお詳しい方はいらっしゃいませんかね? もしご存じであればぜひご教示頂きたく。メールでも、ツイッターやフェイスブックのメッセージ機能でもオッケーです。

Dom. du Grand Mayne Cuvee Prestige 2009
名称Domaine du Grand Mayne "Cuvee Prestige" 2009
ドメーヌ・デュ・グラン・メイヌ "キュヴェ・プレスティージュ" 2009
生産者Dom. du Grand Mayne
ドメーヌ・デュ・グラン・メイヌ
価格1,134円
購入店 ドラジェ

 本日の夕食は、トンカツ&チキンカツ。暑い夏は精を付けないとね・・・って暑い夏じゃなくても良く食べるけどね。 揚げ物が好きだからね。トンカツは、いつもはヒレ肉を使うんだけど、今日はモモが安かったんでモモ肉に。 若干固いけどそんなには違わないっすよ。 それ以外にはミミガーとキュウリの酢の物、タコと夏野菜のマリネなど。

 そんな料理に合わせて選んだのは、ボルドーに近い南西地区の赤ワイン。 品種は、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランという、ボルドー定番の組み合わせ、ってことらしい。 その2009年産が1,000円ちょっと。 こういう所から「ブランド的には無名だけど実力はあるんだぜ」ってなワインを探し出すのが、 安ワイン道場の無上の喜びだったりするわけです・・・って、 師範がやらなくてもインポーターやショップの方がやってくれているんですけどね。

 栓は短めのDIAMだけど、液面に触れていた部分はみっちりとした紫色。 DIAMでも年月経つとこんな風に色づくんだなぁ、と言うことを発見。 グラスに注ぐと色はまさしくボルドーのそれで、みっちりとした濃紫色でエッジ部分が若干小豆色。 8年間の熟成が良い感じに色に反映しているようです。 香りのボリュームは中くらいだけど、その中身はまさにプチ熟成ボルドー。 まだまだカシス系のフルーツ香や香ばしい樽香は残っているけど、 どことなく煮豆っぽい熟成香がし始めています。 味は、渋味がこなれていて甘みがあって、悪くないバランスです。 若干弱いというか、スムーズ過ぎる感じがしないでもないけど、 「2000年代前半の格付けボルドーです!」と言われて、そうじゃないと見破れる人はそう多くないと思います。

 昨日の日本ワインとは全く傾向が異なるけど、これはこれでアタリ、値段を考えれば大アタリと言っても過言ではありません。 小品ながらマジでちょっと熟成した格付けボルドーの雰囲気があります。ボルドー好きの安ワイン者はチェキラ!

点数81点

11日(金祝)

TOMOE Muscat BaileyA 木津田ヴィンヤード 2014
名称TOMOÉ Muscat BaileyA 木津田ヴィンヤード 2014
トモエ マスカット・ベーリーA 木津田ヴィンヤード 2014
生産者広島三次ワイナリー
価格1,944円
購入店渋谷東急本店

 本日の夕食の主菜は、郷里熊本の母から届いた馬刺。ありがたく頂きます。 あとは、肉じゃが、ナスとトマトの揚げびたし、玉コンニャク。 合わせるワインは、やっぱり日本の肉料理には日本ワインでしょう。 広島三次ワイナリーの"TOMOÉ"シリーズは、 昨年の「日本ワイン祭」で一杯だけシャルドネ・リザーヴを頂いて、 大変好印象。 だもんでこの「マスカット・ベーリーA木津田ヴィンヤード」を買ってみたんだけど、 同じ銘柄の2015年産が先日の日本ワインコンクール (※)で銀賞を受賞したみたい。そして2015年には2013年産が金賞を受賞したらしい。 そんなことは全く知らずに購入。引き強ぇなぁ、師範!って感じであります。

 欧州の「*賞受賞」はほぼ信じてませんが、日本ワインコンクールは一目置いています。 なぜならワイナリーの中の人たちがガチで一喜一憂しているから。 そして、実際「コレ美味いな」と思ったワインが軒並み金賞を受賞しているから。

 色は非常に薄くて、それこそ安ACブルゴーニュのピノよりも薄くて、濃いロゼくらいの色合い。 「ああぁやっぱこれか・・・」と気落ちを禁じ得ない外観です。 ところが香りは素晴らしい。この品種らしい、甘いキャンディのようなフルーツっぽさと香ばしいココナッツっぽさがバンバン香ります。 味もなかなか素晴らしい。渋味はとても軽くて甘さも控えめだけど、とにかく良い感じの旨味がたっぷり。 この季節、ロゼみたいにちょっと冷やして飲んでもグッドです。

 一般の濃い赤ワインを期待すると全然傾向が違うのでハズされます。 でも、見た目は薄いのに香り華やかで旨味がタップリ乗った感じは、 ブルゴーニュ好きでマスカット・ベーリーAの独特な個性に抵抗が無い層には、間違いなくウケると思われます。 裏ラベルによれば、「フレンチオークの新樽で9ヵ月間熟成」とあります。 そこまでして2,000円以下、採算取れるんだろうか、と心配になるくらい。 ヴィンテージは違うけど、こういうワインが賞を取ったという事実には激しく首肯します。

点数83点
トモエ マスカット・ベーリーAと夕食の様子

 夕食の様子を追加。馬刺とラベルとワインの赤が良い感じのグラデーション。

 この写真、フェイスブックやツイッターにはもっと高解像度のを貼ったのに、 こっちに貼らないのは勿体ない気がしたんだけど、 あっちは容量無制限/ここは50MBで月500円もかかるからなぁ。 もっとデフォルトの容量増やしてくれませんかね>Biglobe殿


10日(木)

Parva Res Catarratto 2015
名称Parva Res Catarratto 2015
パルヴァ・レス カタラット 2015
生産者Caruso & Minini
カルーソ・エ・ミニーニ
価格717円 (単品価格 1,512円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 家庭の事情で本日から師範は夏休みを取得しております。 今日の午前から午後一にかけてその事情のために費やして、遅いお昼を東戸塚のリンガーハットでちゃんぽん食べて、 その後にスーパーで夕飯の買い物をして来たらもう夕食準備の時間。主夫の一日は短いわぁ。

 なんて戯言は置いといて、お休みですから休肝日も返上させて頂きます。 師範が用意した本日の夕食メニューは、アブラガレイと赤魚のレモンバジル焼き、 ニラ玉、焼きナス、アサリの味噌汁。 またまた無国籍な献立になってしまいましたが、この季節やっぱり気分は白なんで、 イタリアはシチリア島産の白をチョイス。 この銘柄の2014年産とは稽古しております。

 色は薄めのレモン色。粘性も低くサラサラした感じです。 香りのボリュームは弱め。でも、香り自体は良い感じで、クチナシのような花の香りと黄桃のような甘いフルーツの香りがします。 味はどことなく不思議な感じ。特に甘くも酸っぱくも苦くも無いんだけど、 旨味氏がクッと口の中を支えて、液体に「早く喉の奥に流れて行きなさい」と促している感じ・・・って意味不明か。 味を感じ取ろうとすると既に口の中に無い、そういう錯覚を覚えます。

 裏ラベルを見ると、酸化防止剤として「ビタミンC」、安定剤として「アカシア」が使われている旨書かれています。 それが本質的な原因かどうかは判りませんが、やっぱりアカシアが使われたワインには違和感を覚えることが多いのは事実。 やけに旨味が支配的なように感じるんですよね。中華料理屋のうま味調味料が多用された料理みたいに。 積極的に不味さがあるわけじゃなく、一杯だけならほぼ普通なんだけど、一人で一本飲むと馬脚を現します。

点数68点

9日(水)

Cono Sur Bicicleta Riesling 2016
名称Cono Sur "Bicicleta" Riesling 2016
コノ・スル "ビシクレタ" リースリング 2016
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 732円)
購入店 酒のいしかわ 楽天市場店

 茹だるような暑さの一日、夕飯は師範代が朝から作りおいてくれた豚の冷しゃぶ&茹で野菜、 それにレンジでチンしたトウモロコシと冷奴といったサッパリメニュー。 豚の冷しゃぶは肉っちゃ肉だけど、どう考えてもカベルネやシラーなんてな濃い赤は合いそうに無いように思える今日この頃、 ってかそういうの飲みたくなる気温じゃ無いですね。

 そんな日に選んだのは、「水曜日はコノ・スルの日」を継続して品種はリースリング。 なんとなく豚=ドイツ=リースリングなイメージあるじゃないですか。 ちなみにこの銘柄とは昨年2015年産と稽古しております。 ただ、昨年の2015年産と今年の2016年産とでは大きく造りが変わっていると想像します。 なぜなら、2015年産は"Valle del Bio Bio"という産地名が記載されていたのに対して2016年産は無し、 そして一番大きな違いはアルコール度数。昨年のは13.5%で今年のは11.5%。 これはきっとこれまでとは違って甘口のはず・・・と身構えつつ稽古します。

 色は、薄めではあるけどリースリングらしい(と言って良いのかな?)レモン色の雰囲気を強く感じる色合い。 ちょうど本日のトウモロコシの色を薄めたような感じです。 香りは、コノ・スルにしちゃおとなしめ。 2015年産までに感じていた強烈なぺトロール(石油)香は抑えられていて、 花や蜜のような無難な「良い香り」になっています。 味わいは、甘さが無いわけじゃないけど決して「甘口」では無い感じ。 糖度を測ると6.3、かなり低い方です。 ショップのサイトには
『糖分を少々残す(7g/L)ことで、ほんのり甘く感じるスタイルに仕上げている(コノスルの他のワインの残糖度は、すべて5g/L以下)』
とあるけど、少なくともこのヴィンテージに関しては糖度測定の結果&飲んだ印象とは違う気がします。

 「コノ・スルにしては」という前置きがあった上で、ごく普通の出来栄えです。 去年までのリースリングののような個性際立つワインの方が個人的には好きだったな。 コノ・スルとしては、この銘柄の立ち位置を考えた場合、水平(他の品種)の差別化/垂直(上位銘柄)の差別化という意味で、 「入門編」的なワインに傾向を変えざるを得なかったのか、 あるいは新規に拡張した畑がまだちゃんと管理出来てなくて糖度が上がらなかったのか。 いろいろ妄想は膨らみます。

点数70点

6日(日)

道場 外壁メンテナンス中

 築10年を迎えた「安ワイン道場稽古場」、今月からリフォーム業者を入れて只今絶賛外壁メンテナンス中。 左写真は道場のテラスに組まれた足場。 シンボルツリーのジューンベリーと空間の取り合いで大変なことになっています。 それにしてもこのクソ暑い季節、職人さんは大変だな。 こんなタイミングでお願いしてスミマセン。

 お財布面を考えると、このメンテナンスに掛ける費用があれば、DRCだろうが五大シャトーだろうがガブガブ飲めるはず・・・ なんだけどね。ただ、師範にとっての「快適さ」への投資先順位としては、「ワイン」より「住まい」の方が上に位置するわけです。 これでこの先また10年ビシッと見た目も機能も耐久性も維持してくれるのであれば、この投資は必要だと考えています。

Bourgogne Chardonnay 2014 [Frederic Magnien]
名称Bourgogne Chardonnay 2014
ブルゴーニュ シャルドネ 2014
生産者Frédéric Magnien
フレデリック・マニャン
価格1,922円
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、オイルサーディンとトマトと香味野菜のサラダ、鶏の天ぷら、ニンジンとナスの天ぷらなど。 メニューがどうあれ、クソ暑い夏に明るいうちから飲み始めるとなるとやっぱり泡か白だよねぇ、であります。 そんな感じでチョイスしたのが、安ワイン者に優しいブルゴーニュの著名造り手フレデリック・マニャンのACブルゴーニュ。 有名ドコロで1,000円台って、最近なかなか見かけなくなって来た感があるからね。

 色をはじめ外観は普通の安い白ワインと変わりありません。 でもやっぱり香りが違います。熟したリンゴに若干トロピカルっぽいフルーツ香、 それにほんのり甘そうな蜜香、加えて上品な範囲での樽香もあって、 ボリュームは中程度ながら香りの要素的にはまさに「高級ワインの雛形」な香りです。 味わいは、甘さ控えめ酸味も適度で余韻の長さも中程度、こちらも「高級ワインの雛形」ですなぁ。

 「雛形」なんて書くとショボいワインっぽく感じられるかもですが、 普段の食事には、主張の程度がこれくらいのワインの方が使いやすいと思うんですよね。 こういう、「エレガントな落としドコロ」にぴったりハマるのはやっぱりブルゴーニュだなぁ、と思うところはあります。 あと、もうちょっと高くなるけど日本ワインもですね。 ともあれこの内容でこの価格はなかなか優秀。あっぱれマニャン君。

点数78点

5日(土)

Stony Hill Sparkling Chardonnay Pinot Noir Brut N.V.
名称Stony Hill Sparkling Chardonnay Pinot Noir Brut N.V.
ストーニー・ヒル スパークリング シャルドネ ピノ・ノワール (ヴィンテージ無し)
生産者Stony Hill
ストーニー・ヒル
価格734円
購入店 イオン天王町店

 本日の夕食は手巻き寿司。寿司種は、メバチマグロの赤身、石鯛、カンパチ、赤貝、ダルマイカ。 副菜はダルマイカのゲソの酢味噌和え、キンピラゴボウ、空芯菜のガーリック炒め。 手巻き寿司みたいな料理に無難な選択肢と言えばやはりスパークリングでしょう。 それも、複雑みのある立派なヤツだと勿体ないんで、 ビールと清酒を足して2で割ったような着地点を求めて、豪州産の税別680円のスパークリングをチョイスしました。

 色はかなり薄め。でも、泡立ちは案外細かくてしっかりしているように見えます。 香りのボリュームは控えめながら、シャンパーニュの香りをキュッとダウンサイジングした感じで好感が持てます。 品種がシャンパーニュと同じ系統だからかな?カバやスプマンテみたいな我が道を行く感は無くて、 王道を模している方向性だと思われます。 口に含むと、やっぱり泡のボリュームはちょっと残念な感じがします。二次発酵はシャルマー方式ですかね? あと、後味の苦味にも違和感というかちょっと雑な感じを受けます。 とはいえ全体に甘酸っぱさがちゃんとあるので(糖度7.0でpH3.1)、普通に楽しめるスパークリングです。

 やっぱり「泡の出るのは七難隠す」&「三桁泡なら新世界」ですな。 アルコール換算でビールと同等の値段というのがナイス。 暑い夏にクイクイーッと飲むんだったらこれで十分!な人が酒飲み人口の大多数を占めると思われます (根拠は無いけど確信はあります)。 インポーターがコルドンヴェールで販売がイオンなので、ちょっと大きめのイオンやイオンリカーでは買えるはず。 コアなワインマニアな方にお薦めする気は毛頭ありませんが、普通の酒飲みにとって「悪くない選択肢」だと思います。

 それにしても、師範はこんな価格帯の泡でもそこそこ美味しく感じられる身体に感謝だな。 敬意を払って「バカ舌」ではなく「孝行舌」と名付けたいっすね。 安っすいワインからも美味しさを拾って紡いで感じさせてくれるから。

点数70点

4日(金)

肥後の赤牛 ステーキ肉

 本日は長女の誕生日ということで、夕食メニューが豪華版。 まずメインが、熊本は南阿蘇村のふるさと納税の返礼品としてゲットした「肥後の赤牛」のステーキ。 あとはサラダ仕立てのアヒポキ、庭のトマトとオクラとカッテージチーズのサラダ、焼きカッチョカバロ、バゲットです。

 ふるさと納税、今年からやるようになりました(まずは師範代の分)。 世間から出遅れること甚だしいわけですが、 別に返礼品が欲しくてふるさと納税したわけじゃ無いんだからね。 郷里熊本、地震から復興中の熊本を応援するつもりでやったんだからね。 あと、道場前のゴミ収集がすごく遅い時間になって、 収集場が荒れるようになって横浜市にクレームしたけど全然聞く耳を持たないからその腹いせに・・・というわけでもないんだからね!

 閑話休題、肝心のステーキはというと、 たっぷりサシが入っていてとてもとても高級感がある肉でした。 ただ、師範的にはステーキは赤身の方が好きかな。 これくらい脂が入っていると、小さく切って焼肉みたいに食べたほうが幸せだったかも知れません。

Benchmark Cabernet Sauvignon 2016
名称Benchmark Cabernet Sauvignon 2016
ベンチマーク カベルネ・ソーヴィニョン 2016
生産者Grant Burge Wines
グラント・バージュ・ワインズ
価格819円 (単品価格 1,728円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 メインが牛ステーキと来たらワインもガッツリした赤を選ぶのが王道でしょう。 というわけでチョイスしたのが豪州産のカベルネ・ソーヴィニョン。 5年前に2010年産と稽古済みだけど、 その時はかなりメートルが上った段階での稽古だったので情報があやふや。 でも濃いワインだったようであります。

 色は、ちょっと注いだだけで向こうが見えなくなるくらい濃い紫色。 アシも長くてネットリ感もあります。 香りは、ブルーベリージャムのような濃い果実と濃い甘味を感じる香り。 ヨーグルトのような乳酸っぽい香りもあります。 更に樽香もあるような気がするけど、果実の香りが強いのでその裏に隠れています。 味わいは、渋味しっかり酸味もあるけど、なにより顕著なのは甘味。 「これルビーポルト?」ってくらい甘いです。 糖度は8.3、数値的にも甘いことを裏付けています。

 とにかく甘さが際立つワインです。 それでいてアルコール度数は14%、いったいそもそものブドウはどんだけ糖度があったんだよ?って感じです。 甘い赤は嫌いじゃない師範ではありますが、 食中酒としてはちょっと難しいかも。 ポルトみたいにデザートワイン的に使うのが良いような気がします。

 師範には珍しく、他の酒は飲んでないのにこれ一本飲みきれず、一杯分だけ残して翌日再稽古。 当然ではあるけど、昨日の何ら変化は無さそうです。 ただ、ちょっと香りは弱くなったかなぁ、という感じ。 味わいのバランスなんてのは前日と全く一緒です。

点数77点

3日(木)

くいもの屋 わん 保土ヶ谷店 看板

 本日の夕食は、師範代が勤務先で飲み会で不在。 子供たちは夕方まで習い事で外出しているというので、駅で落ち合って外で食べることに。 師範的には休肝日なので、駅ビルのうどん屋かとんかつ屋あたりで軽く済ます予定だったんだけど、 子供たちは『居酒屋に行きたい』と。 「休肝日なんだけど・・・」と抵抗を試みるも、『気にしない気にしない、飲んじゃえ飲んじゃえ!』と。 師範の鋼鉄より固い意思を簡単にヘシ折ってくれました。

 というわけで子供たちの要望で駅前の居酒屋、くいもの屋 わん 保土ヶ谷店へ。 全席個室のチェーン系居酒屋です。

 本日のがっかりポイントその1、お手拭きが蒸れた感じで臭ったこと。 これはかなりブルー入ります。2つ開けて1つ目はNG、2つ目は微妙だったので、 子供たちが持っていたウェットティッシュを使いました。

くいもの屋 わん 保土ヶ谷店 料理

 注文した料理は、小籠餃子牛すじ煮込みアボカドチーズ焼き鳥(皮、はらみ、ぼんじり)男の唐揚!ジューシー揚げ(左写真)、豚のモツ煮込み明太クリームちゃんぽん牛肉の石焼旨塩チャーハン。 師範と子供たちで好き放題頼んでます。 満足のいくものもあればそうでないものもある、というチェーン店居酒屋の典型的な状況ですが、 今回の場合は量的な面で若干残念な感じではありました。

 そして、本日のがっかりポイントその2、料理が雑。 例えば左写真の唐揚げには白髪ネギと思しきものが載せられているんだけど、 それが非常にザックリな切り方で、存在を主張し過ぎだったり。 居酒屋なんてそんなもんだと言われればそんなもんかも知れませんが。

くいもの屋 わん 保土ヶ谷店 ワイン

 注文した飲み物は、師範が瓶ビール中(キリン一番搾り) 626円、白ワイン(デキャンタ) 1,058円、 ジムビーム ゆず蜂蜜ハイボール 475円。 子供たちがノンアルコール・カクテルのモヒート 475円とラ・フランス&オレンジ 475円。

 ここで本日のにっこりポイントその1、ワインのデキャンタが結構量タップリ。 グラスワインにするかどうか迷ったんだけど、この量を見て「これ頼んで正解!」と思いましたな。

 ところが本日のがっかりポイントその3、ワインが薄ら甘い。 フランジアっすかねぇ。税別1,780円でボトルワインがあったので、そっちにすれば良かったか・・・ ってそもそも休肝日だったのに瓶ビール+ワインをフルボトル飲むのかよ、って話ですが。

 最後に子供たちがデザートを注文、ブリュレワッフルツリーというのと抹茶ティラミス。 お会計はトータルで10,000円ちょっとでした。 レシートを見て本日のにっこりポイントその2、チャージ料(席料+お通し)は一人分しか取られていなかったこと。 子供の場合はチャージ料不要なんですかね?そういえばお通しは一皿だったな。

 ・・・という突然の平日居酒屋訪問、にっこり/がっかりの成績は2対3という結果でありました。


2日(水)

Cono Sur Bicicleta Viognier 2016
名称Cono Sur "Bicicleta" Viognier 2016
コノ・スル "ビシクレタ" ヴィオニエ 2016
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 732円)
購入店 酒のいしかわ 楽天市場店

 水曜はコノ・スルの日。 本日の夕食は鶏モモ肉の塩麹焼きとラタトゥイユだったので、 軽い赤かしっかりした白あたりが合いそうな感じ。 そこで選んだのが白のヴィオニエ。昨年は2015年産と稽古しております。

 ヴィオニエって、「難しい品種」と言われているみたいだけど、師範もそれに同感します。 最近は南米やオーストラリアあたりでもヴィオニエを使ったワインが作られているみたいだけど、 どうも酸が不足していて締まりのないワインが多いような印象があるわけです。 昨年のこの銘柄との稽古でもそういう印象を受けているようだけど、果たして新ヴィンテージのこれはどんな具合か気になるところ。 ちなみに2015年産には、生産地として"Valle de Colchagua"の表記がありましたが、 2016年産からは無くなってます。生産地を拡げたのかな?

 色はかなり薄め。白木のような色合いです。 香りは、この品種らしいピーチのような甘い香りや、クチナシのような華やかな香りが結構感じられます。 味わいは、甘味と軽い苦味、後味にはちゃんと酸味、そしてわずかに炭酸のチリチリ感を感じます。

 このヴィンテージに関しては酸が浮ついた感じも無くて(pHが2015は3.7で2016は3.1!)、 「普通に美味しい」の上位に位置するワインだと思います。 ただ、その「普通に美味しい」領域を突き破れないというか、この品種ならでは!って部分が弱いんだよね。 そもそもヴィオニエに関しては、師範はシャトー・グリエはおろかコンドリューもほとんど経験が無いので(過去2回のみ)、 もっと上の姿ってのが判っていないのよ。 だから、この「普通に美味しい」の上に何があるのか、イマイチ想像出来なかったりします ・・・なんて難しいことは置いといて、この値段だから「普通に美味しい」を楽しめばいいんだけどね。

点数76点