稽古日誌:2014年5月

モッコウバラ

 風薫る5月、道場の西側の生け垣にしているモッコウバラも今まさに満開の時期を迎えております。 この木の苗は長女が小学校に入学する際に記念樹として配布されたもので、 ここに植えてまだ丸7年なんだけど、もう古樹の雰囲気を醸し出しております。

 古樹といえば、当道場も開設して丸17年を過ぎ、18年目を迎えました。 1月に体裁のリニューアルはしましたが、基本的に書いていることは以前と同じ。 左のモッコウバラの写真なんかも、4月5月あたりの稽古日誌を開けるとゾロゾロ出て来ますし、 マンネリを通り越してもはやセルフ伝統芸能であると自負しております。


31日(土)

昆虫おもしろ話

 本日は、道場近所のオフィス・ゾーンで、自然と親しむイベントが開催され、 そこに師範と次女とで「身近な昆虫と昆虫おもしろ話」「水の不思議実験室」というイベントに参加しました。

 昆虫の話は、やはりその道の達人が持っている知見を得ると言うのは大変興味深いものです。 「トンボの成虫を飼育するのは大変難しく、3日生かせられれば名人」とか、 「カブトムシはあまり餌をあげない/交尾をさせない方が長生きする」とか、 「タマムシの色は実際に色が付いているわけではなく光の反射によるものなので死後も色あせない」とか、 「関西のホタルは光と光のインターバルが2秒/関東のは4秒」とか、 とても面白く聴講できました。

 そしてその後の虫とのふれあいタイムでは、 カブトムシの幼虫とか、ダンゴムシ!とか、ヤスデ!!とか、オオゴキブリ!!!とか、 そういうのを触って楽しんでました。 このページは飲食をメインにしてますんで、 敢えて写真は載せませんが、結構ナイス&グロテスクな映像でしたよ。

Chorey-les-Beaune Vieilles Vignes 2011
名称Chorey-les-Beaune Vieilles Vignes 2011
ショレ・レ・ボーヌ ヴィエイユ・ヴィーニュ 2011
生産者Maison Roche de Bellene
メゾン・ロシュ・ド・べレーヌ
価格\2,480
購入店カーヴ・ド・リラックス

 本日の夕食の献立は、 豚の味噌煮&大根人参サラダ、 豚ひき肉のレタス巻き、簡単自家製パン。パンは先週作ったジューンベリー・ジャムで食べます。 道場的には結構オシャレ系のメニューであります。

 そしてワインは、ゴールデンウィーク中にカーヴ・ド・リラックスのセールで買ったブルゴーニュ産で、 造り手は以前は「ニコラ・ポテル」だったけどいろいろ揉めてその名前が使えなくなった「メゾン・ロッシュ・ド・べレーヌ」。 このワインのナイスな所は、ラベルに畑と醸造のデータが細かく記載されている点。 それによれば、畑に関しては面積は0.20haで標高は220mの南向き、品種はピノ・ノワール、植え付けは1940年、 1haあたり10,000本の植え付けで45hlの収穫量、2011年9月19日に手摘みで収穫。 醸造に関しては、自然酵母を使って10%の新樽発酵、マロラクティック発酵は100%、清澄はせず。 それを2013年5月6日に瓶詰めしました、というもの。 これだけ詳しく書いてあれば、師範レベルではそれ以上に知りたいことはありません。

 さて抜栓。色はやや薄め、でも澄んでいてとてもキレイな赤紫色です。 香りは、いわゆるACブルゴーニュよりは香るけれでも特級一級ほどでもない、 というクラス相応のボリューム。 基本的には南のブルゴーニュらしい革っぽさが前面に出ていますが、 その奥にはピンッと張り詰めたトーンの高い果実香があります。 味は、ほのかな甘味の後ろに酸味がキリリ、そして渋味に口がシュッと絞られます。

 キッチリと求められるポテンシャルは持ってます、 でもさすがに今飲むのは若いです、って感じかなぁ。 抜栓後2時間くらい経っても、全然変化する気配はありませんでした。

点数76点

30日(金)

Adventure Airen 2011
名称Adventure Airen 2011
アドベンチャー アイレン 2011
生産者Zimmermann Graeff & Müller
ツィンマーマン・グラフ&ミューラー
価格\324
購入店ダイソー横浜鶴ヶ峰店

 本日金曜は通常であれば残り物処理の日なんだけど、 今週は水曜が飲み会だったんで残り物が無く、晴れて新しいワインを開けちゃえます。 とはいえ心のどこかに「もったいない婆さん」が住んでいて、 『平日なのに良いヤツは贅沢贅沢』ってことで、 贅沢とは真反対、究極の安ワインをチョイス。

 というわけで、今宵の相手はダイソーで買ったフルボトル1本税抜き300円の白ワイン。 産地はスペイン(なのに造り手はドイツ風のお名前)、品種はアイレン。 ちなみに料理は冷製水餃子、オクラの酢の物、蚕豆と卵の炒め物、春雨とタマゴの中華スープであります。

 色は薄いけど薄すぎず、普通の白ワインの色です。 ただ、アルコール度数が11%と低いためか、粘性は低くてサラリとしています。 香りは、想像以上にちゃんとしています。 傾向的にはリンゴと柑橘類とピーチをグジュッと潰したような、主に熟れたフルーツ系の香りです。 ただ、香りは全然熟れてません。 甘さも酸味も控えめで、アタックはあるものの中盤から終盤が痩せ細っていて、 飲んだ満足度がなかなか盛り上がりません。

 ・・・なのに、飲み進めると俄然飲み飽きしてきます。 やっぱり香りも味もどこか人工的なんだよなぁ。 裏ラベルの「食品添加物」の項には「酸化防止剤(亜硫酸塩)」しか表記が無く、 ビタミンCだとかアカシアなんとかだとかが加えられているタイプじゃなさそうなんですが。

 とはいえ、定常的に300円+税で売られているワインとしては結構マトモな気がします ・・・とあまり発言に自信が無いのは、 「安ワイン道場師範」を名乗りながらこのクラスはあまり稽古経験が無いからです。 1本300円くらいのワインばかり稽古する、「激安ワイン道場師範」の登場が待たれます。

点数67点

28日(水)

木村屋本店 ワイン

 本日は、勤務先関連の飲み会で、神奈川県中部の街の居酒屋へ。 料理は豚のしゃぶしゃぶ食べ放題&飲み放題のコース。 食べ放題とは若いですなぁ。

 そして、「安ワイン道場師範」ですから一応ワインもチェックします。 『赤と白をお願いします』ということでグラスワインを注文、出されたのが銘柄不明の右写真。 白の方はやや甘めながらそれなりにイケました。 ただ、赤がイケません。かなり酸化のニュアンスが強くて、まるで鉄サビみたい。 こういう店って、大きな紙パックからジャーって感じで、 酸化には強いと思ってたけど違うんですかね?

 ・・・というような飲み会でした・・・って書いても読者の方には全く意味の無い情報でしょうが、 あくまで自分用の備忘録として。


25日(日)

ジューンベリー

 今年もジューンベリーがしっかり実を付けました。 春にキレイな花が咲いて、今の時期は実の収穫、夏は葉が茂って日陰を作ってくれて、 秋はキレイな紅葉。一年を通して楽しめる庭木です。 さらに、虫があまり付かない点も良かったのですが、なぜか今年はカメムシが大発生。 そんなに臭い種類じゃないけど、気持ちの良いモノではありません。

 ちなみに昨年も、今日と全く同じ5月25日にジャムを作ってました。 意外と毎年バラツキが無いんですなぁ。

ジューンベリーの実

 今年のレシピは以下です。

ジューンベリー630g
砂糖125g
レモン汁2個分

 木も成長したし、今年はまだ鳥たちがあまり気付いていないようで、 届く範囲だけでも例年の1.3倍程度の収穫がありました。 でも砂糖とレモン汁の量は例年どおりにして、よりジューンベリー色の強いジャムを狙いましたが、 レモンが例年のよりも大きめだったんで、 味見した時点ではレモン味が強めになってます。

ジューンベリー・ジャム

 実を潰しながら30分ほど煮詰めて、味噌濾しで種と皮を取り除いて出来あがったのがコレ。 径10cm/高さ8cmくらいの広口瓶にいっぱい出来たから、500mlくらい作れたんじゃないですかね。 これだけあると、あまりパン食しない師範家的には一年分くらいあるわけですよ。

 ともあれ今年も上手に出来ました。パチパチパチパチ。 まだ木には未熟な実とか沢山残っているわけだけど、あとは鳥さん(&カメムシさん)達に食べて頂きましょう。

 Nostrada Silver Label Reserva 2004
名称Nostrada "Silver Label" Reserva 2004
ノストラーダ "シルバー・ラベル" レゼルバ 2004
生産者Nostrada (Artiga Fustel)
ノストラーダ (アルティガ・フステル)
価格\1,080
購入店カーヴ・ド・リラックス

 ところで本日は安ワイン道場開設17年記念日でした。 そんなことはすっかり忘れていて、昼のうちから夕食のメニューは「テラスでお好み焼きにしよう!」 と宣言していたため、全然お祝い感のないお好み焼きであります。 そうすると、ワインも高級なものなんてのを開けるには惜しい気がしてくるわけで、 悩んだ挙句選んだのがコレ、昨年2003年産とは稽古して大変好印象だったスペイン産。 記念日にそういうのを選ぶのも道場らしいでしょう、ということで。

 色はしっかりと濃くて、そしてわずかにエッジにグラデーションがあって、良い感じに熟成していそうな雰囲気です。 香りは、品種的にはテンプラニーヨがメインなのかな? (後で調べたらグルナッシュ70%/カベルネ・ソーヴィニョン30%でした)、 芯の部分は師範的にはあまり得意でないヤニっぽい感じなんだけど、 その周りはまるで高級ボルドーみたいなコンポートとか漬物樽とかの香りがしっかり。 香りのボリュームもおよそ1,000円のワインとは思えません。 そして味の柔らかさもこのグレードをはるかに超えてます。 渋味も酸味も甘味もあって、それぞれが混然一体となっていて、しみじみと美味いです。

 やっぱり美味いです、このワイン。 昨年と比べるとビックリ感が無かった分評価を下げたけど、 間違い無く税抜き1,000円のワインとしては最高の選択肢の一つと言えます。 師範は虎ノ門のインポーター直営店で買いました。 お近くの方はすぐにでも買いに走るべきです。 遠方にお住まいの方には、楽天のショップでも 売られているみたいです。 騙されたと思って買っても惜しくない価格だと思われます。

点数81点

24日(土)

Ch. Haut-Mondain 2011
名称Chateau Haut-Mondain 2011
シャトー・オー・モンダン 2011
生産者Ch. Haut-Mondain (Les Hauts de Palette / Charles YUNG et Fils)
シャトー・オー・モンダン (レ・オー・ド・パレット / シャルル・ユン・エ・フィス)
価格\898
購入店 ヴェリタス

 いかにも五月晴れ、といった感じの清々しい土曜日。 こういう日はやっぱり刺身ですな・・・ってあまり関係ありませんが。 本日の刺身のネタは、ヒラメの昆布〆、活ツブ貝、カマスのあぶり、ミズダコ。 ちょっと変わったラインナップではありますが、こういうのが旨いよねぇ。 あ、刺身だけじゃ無くて、その他にも茹で蚕豆、小松菜とジャコの胡麻和え、モヤシとキュウリとニラのナムル、豚バラの串焼きなんかも食べてます。

 そしてワインは、ボルドー産の白をチョイスしました。 やっぱり刺身にはコッテリしたシャルドネじゃなくてスッキリしたソーヴィニョン・ブランでしょうと。 ただ、このワインがソーヴィニョン・ブランかどうかは判りません。 ボルドーなんで多分そうだろう、という予想であります。

 さて抜栓。コルクはとても短いNOMACORCです。 そしてグラスに注いでちょっとビックリ、予想外の濃さでほぼ黄金色。 「もしかしてこれ甘口?」と心配になる色合いです。 だって、甘口自体は良いんだけど、刺身合うとは思えないからね。 で、香りには特にヘンな感じは無くて、リンゴのようなフルーツっぽさがほのかに香る、 ボリュームおとなしめな普通の白ワインの香りです。 そして味は、なんだか甘口ワインから甘味だけを抜いたような、そんな感じ。 もしかすると品種はソーヴィニョン・ブランじゃなくてセミヨンだったのかも。 劣化しているわけじゃないんでしょうが、なんだかヤケに年齢を感じるワインです。

 気になったので調べたら、 このページにセパージュの記載があって、 ソーヴィニョン・ブランが30%でセミヨンが70%だった模様。やっぱりねぇ。 だからって刺身には全く合わないってわけじゃないですが、 やっぱりソーヴィニョン・ブラン主体のスッキリ爽やかな感じじゃ無くて、 なんとなくクタッとした感じがあるんだよね、セミヨンって。

点数69点

23日(金)

Le Bon Repas Syrah Rose 2011
名称Le Bon Repas Syrah Rosé 2011
ル・ボン・ルパ シラー ロゼ 2011
生産者EMB
価格\216 (250ml)
購入店ダイソー横浜鶴ヶ峰店

 本日の夕食メニューは、鶏砂肝の唐揚げ、鶏野菜いろいろ(鶏モモ、鶏ササミ、ニンジン、タマネギ、ジャガイモ、ピーマン)のオーブン焼き。 道場はガスオーブンの使用頻度が高い家庭だと思います。

 そしてワインは、まず先週の金曜同様、 水曜の残り半分を稽古する前に、ダイソーで買った250mlで200円のワインをアペリティフに。 というわけで本日のチョイスはシラーで造られたロゼ。

 色は、いわゆるピンクよりちょっとオレンジ寄り、 ロワールのロゼじゃなくてローヌのロゼって色・・・ ってのはシラーという品種を考えると妥当な線かも。 香りは、とりわけ特徴はないけど、いわゆる白ワインの桃みたいな香りに僅かにカシスが追加された、 「確かにロゼってこういう香りだよなぁ」って感じの香りです。 味は、甘さ控えめ、酸味シッカリ、でも悪くないバランスで、 あっと言う間に無くなりました。

 アペリティフにこのロゼをグラス2杯分、というのは「アリ」ですねぇ。 というか、ロゼみたいに「ボトル1本飲むのはちょっと・・・」ってワインだからこそこのサイズが利いています。 ダイソーのミニワイン、買った時点ではナメてたけど、 ちゃんとマーケットの隙間を突いたワインだと判ってきました。

点数71点

21日(水)

Chateau La Fleur Bellevue 2011
名称Chateau La Fleur Bellevue 2011
シャトー・ラ・フルール・ベルヴュー 2011
生産者Ch. La Fleur Bellevue (Vignobles Eymas & Fils)
シャトー・ラ・フルール・ベルヴュー (ヴィニョーブル・エイマ&フィス)
価格\694 (単品価格:\1,382)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食メニューは、チャプチェ、白身魚とチーズのパン粉焼きです。 そしてワインは、「うきうきワイン」さんの水曜限定6本セット4,094円からの一本で、 ボルドーの河口に近い右岸、メドックの対岸あたりにあるアペラシオンである「ブライ・コート・ド・ボルドー」。 ラベルとかの外観的には、良くある安物ボルドーそのものといった見た目ですが、 特筆すべきはそのアルコール度数で、なんと14%もあります。 ちょっと前まではボルドー産の安ワインというと12.5%というのがお決まりの値だったんですが、 最近はこういうのも増えて来ていますなぁ。

 さて抜栓。コルクは造り手の名前がプリントされていて長さのある結構立派なモノ。 それだけでちょっと期待できます。色も、頼りなさは全く感じられないしっかりとした紫色。 青みはあまり感じられなくて、どちらかというとエンジ色っぽく見えます。 香りは、燻したような煙たいような雰囲気が手前にあって、 その向こうにツンッとした青い果実香が潜んでいます。 「これぞボルドー」ですな。人懐っこさは無くて我が道を行く感じ。 味は、予想外に渋味は柔らかですが、甘味は弱めで酸味がしっかりしているように感じられます。 でも、数値を測定すると糖度もpHも赤としては標準的なポジションに位置しているんでけどね。

 飲み手に媚を売らない、古き良きボルドーという感じです。 改めてラベルを見ると2013年パリでの農業コンクールで金賞を取ったというステッカーが貼られていました。 確かに買値700円くらいでこの内容は「良く頑張った」と言いたくなっても不思議はありません。

 翌々日再稽古。抜栓当日はカチッとした感じだったんで、時間が経つと開くかなぁと思ったんだけど、 やっぱりカチッとしたままでした。 ただまぁ700円ですからね。ヘタらなかっただけでも良しとしましょう。

点数71点

18日(日)

ホワイトベルク

 ここんとこの常飲ビールは薫り華やぐヱビス(コレ)で、 1ケース買ったんでまだまだ在庫はあるわけですが、 本日テレビCMで見て興味を惹かれて買ったのがコレ、ホワイトベルクという「なんちゃってビール」(リキュール発泡性)、一本税込108円です。

 まず見た目は、泡立ちがややおとなしめである以外、普通のビールとあまり変わりありません。 「ホワイトベルク」なんて名前だから、もっと白い感じかと想像してました。 香りは、ほんのりと鉄サビっぽさはありますが、それ以外は普通のビールの香りを弱めた感じです。 ところが口に含むと非常に個性的。コリアンダーシードとオレンジピールが使われているらしいのですが、 後味にハッキリと紅茶のアールグレイっぽい感じが残ります。

 面白いビール風飲料であります。 好きな人はハマりそうな感じですし、 『これは香草を使ったベルギー産の高級なビールです』と言われれば師範は信じちゃうかもです。

Savigny-les-Beaune 1er Cru Les Lavieres 2010 [Moillard Grivot]
名称Savigny-les-Beaune 1er Cru "Les Laviéres" 2010
サヴィニ・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ "レ・ラヴィエール" 2010
生産者Moillard-Grivot
モワヤール・グリヴォ
価格\2,557 (単品価格:\3,002)
購入店 京橋ワイン

 夕食のメニューは、鶏レバーの甘辛煮、鶏ササミの天ぷら、インゲンの素揚げ、叩きごぼう、揚げナスとトマトのサラダ。 なんだか居酒屋みたいなメニューですが、こういうちょこちょこっとしたお皿がいくつも出て来ると、 酒飲み的にはとても幸せな気分になりますな。

 そしてワインは、週末なんでちょいと良いヤツを、ってことでブルゴーニュはサヴィニ・レ・ボーヌの1級畑をチョイスしました。 同じセットに入っていたこの造り手のフィサンとは稽古済み、 そこそこ好印象だったので、値段が約1.5倍のコレに期待しないわけにはいきません。

 色は、ブルゴーニュのピノ・ノワールとしてはかなり濃いめで青め、 ブルゴーニュじゃなくて南米か、はたまたピノ・ノワールじゃ無くてガメイか、という感じの見た目。 でも香りはとっても正統派のブルゴーニュ的。それもいかにもコート・ド・ボーヌ産で、 木イチゴっぽい果実香りにバニラのような甘香ばしさ、それに妖艶でエロティックな香りがプラスされてます。 飲んでみると、まだ若くて固そうな見た目の割にはとてもスムーズで、 まるで水のように喉に流れ込んでいきます。 渋味はとても穏やか、酸味も甘味も目立たず、良く言えば水のように澄んだ味わい。 意地悪な見方をすれば、やや存在感に欠ける感じはあります。

 時間が経つと開いてくるかと期待したけど、 開くというより素の状態が現れると言うか、渋味と甘味と酸味が目立ってきました。 抜栓直後の無言な感じじゃ無くて、良くも悪くも主張が感じられるようになります。

 キッチリとブルゴーニュらしさが感じられるワインではあります。 通常売価3,000円という値段を考えても、これくらいのポテンシャルがあれば納得です。 ただ、「こりゃすげえ!」ってほどでもありません。 普通に実直に美味しいブルゴーニュ、という位置付けで間違いありません。

点数79点

17日(土)

ええとこ 外観

 本日は月に一度のバンドの練習日。 今月は久しぶりに土曜日開催だったので、 日曜定休のお好み焼き屋ええとこ 代々木店へ。 記録によれば前回は1年半前なんですが、 ワイン飲んで無ければここに書かないことも多いので、 そんなに久しぶりじゃないのかも知れません。

 そして、昭和ロマンな店内も、おなじく昭和ロマンな歌謡曲のBGMも以前通り。 でもお店の人は以前とは変わってました。 大変だよねぇ、飲食業界は。

ええとこ 焼きそば

 そして、注文した内容は以下であります。

白菜と塩昆布のサラダ540円
味噌キャベツ324円
すじ焼倍キャベツ810円
こってりホルモン756円
じゃがバター410円
いか焼き648円
ポンでキムチ626円
お好み焼き(豚)756円
焼きそば(いか)810円(左写真)×2
お好み焼き(すじ葱コンニャク)1,134円

 値段は決して安くなく、量も決して多くなんですが、居酒屋としてはどれも美味いので満足です。 やっぱり普通のチェーン店居酒屋なんかで飲むよりも、 こういう特色のある店で飲んだ方が楽しゅうございますな ・・・とかなんとか言いながら、チェーン店の時は「これはこれで良いかも」なんか言ってるわけですが。

Stone Barn Merlot 2012
名称Stone Barn Merlot 2012
ストーン・バーン メルロー 2012
生産者Stone Barn Vineyards
ストーン・バーン・ヴィンヤーズ
価格(\2,700)
購入店ええとこ 代々木店

 アルコールは、「とりあえずビール」ということで生ビール(529円)からスタート。 皆で8杯飲んだところでワインに移行します。 この店の良い方に変化したポイントとして、ワインのラインナップが増えていました。 どれも税込一本2,700円で、白が4種/赤が4種。 産地的には、白が伊2/仏1/豪1、赤が伊2/米1/豪1という、 なぜかイタリア産が多い品ぞろえ。 どれか一本選ぶのであれば白では無く赤、 米国産と豪州産とで迷ったけど、 説明に書かれた「かすかに感じる焦がしたオークのアクセント」というのに惹かれてこちらをチョイスしました。

 色は、期待したよりは濃くなくて、キレイと言えばキレイな向こうが透ける紫色。 香りも、みっちりとした重い果実香を期待したけど、こちらの軽めな若い果実香が中心。 そうなると味も色や香りの雰囲気通りで、甘酸っぱくて軽い感じの味わいです。

 うーん、期待と違ったなぁ。先週稽古した 焼肉屋の赤の方がはるかに満足度は上でした。 でもまぁこれはこれで不味くは無いんだけど、酒飲み4人でシェアする赤ワインとしては軽過ぎて、 あっという間に無くなりました。 次回は別のをトライしてみましょう。 ともあれ選択肢があるというのは楽しゅうございます。

点数69点

 ワインの後はハイボールなんかをガブガブと飲んで、トータルのお会計は19,000円弱。 次はいつですかね?なかなか土曜に皆の予定が合う事が無いからなぁ。


16日(金)

Le Bon Repas Chardonnay 2011
名称Le Bon Repas Chardonnay 2011
ル・ボン・ルパ シャルドネ 2011
生産者EMB
価格\216 (250ml)
購入店ダイソー横浜鶴ヶ峰店

 読者の方から『100円ショップのダイソーで究極の安ワインが売られている』との情報を頂戴し、 安ワイン道場師範たるものそれは稽古しないわけにはいきませぬ、ということで、 道場からちょっと距離があるけど大きめのダイソーにわざわざ車を走らせて買って来ました。 そして本日稽古するのがその中の一本、南仏産のシャルドネで、 お値段は250mlで200円(税別)。 750ml換算だと600円なので、量を考えるとそれほど激安というわけではありませんが、 セールとか客寄せじゃなくて1本200円のワインはある意味「究極」と言えるでしょう。

 ちなみに今日は平日金曜なんで、本来は水曜に開けた残りを飲む日、 実際半分くらい残っているわけですが、 なんとなく水曜のワインとの再稽古って敗戦処理的だったし、 赤ワインの前のアペリティフとしては丁度良いだろうと考えた次第であります。

 色は濃くなく薄くなく、普通に白ワインの色です・・・なんて書くと一般にあまり褒めてない表現ですが、 このワインに関してはかなり褒め言葉です。 香りも、柑橘類とリンゴと桃、香りのボリュームもそれなりにあって、良い意味で普通のシャルドネな感じです。 味も、ほんのり甘めで包み込むような酸味もあって、物足りなさはありません。

 結果的に、ビックリするほど普通に飲める白ワインで、こんなキワモノとはおよそ思えません。 酸化防止剤にビタミンCが使われていたり、傾向的にはちょっと飲み飽きする系かも知れませんが、 グラス2杯250mlだと飲み飽きしている暇はありません。 これは「アリ」なんじゃないでしょうか?ダイソー恐るべし!です。

 そして、それとは別に「アリ」なのが、この少量瓶かも。 瓶ビールより缶ビールの方が主流になっているように、 日本の家庭では少量のパッケージの方が好まれてますから。 国産ワインなんか良いんじゃないかな? 750ml/720mlで1,500円だとおいそれとは手が出ないけど、 250mlで600円くらいなら買ってみようと思う人は多いと思います。

点数70点

14日(水)

Douro Reserva 2009
名称Douro Reserva 2009
ドウロ レセルバ 2009
生産者Quinta do Estanho
キンタ・ド・エスターニョ
価格\777
購入店 ヴェリタス

 本日のワインは、ポルトガル産の赤。 これは普通の赤ワインだけど、ショップのサイトの説明は明らかにこの造り手が造るポートワインの説明になっているようです (ちなみに以前この造り手のポルトとの稽古結果はココ)。 販売店の「ヴェリタス」さんって、種類が多いし、コストパフォーマンスが高いし、 8,000円買えば送料無料だしで、 安ワイン者には大変ありがたい存在なんだけど、 最近なんだかこういう「適当さ」が目につく感じ。 忙しくてページのメンテナンスまで手が回ってないんですかね? ちなみに料理は生春巻きです。

 色は、普通に濃いけど、南ヨーロッパ産としては濃くない方に位置しそうな色合いです。 香りは、傾向的にはフランスのグルナッシュ(スペインだとガルナッチャ)みたいなんですが、 野暮ったいと言うか、ブドウの実と葉っぱと茎をグジュグジュッと煮詰めたような香りです。 味は、甘くなく酸っぱくなく渋くなく。 特にネガティブなポイントは見当たらないんですけど、 あくまで普通の安ワインで、飲んでてあまり楽しくないのも事実です。

 まぁ値段が値段なんで、そもそもそんなに過大な期待を寄せるワインではないわけですが、 このショップのワインはこのクラスにピカッと光るワインがあったりするからね。 というわけでこのワインは「玉石混淆」の中では「やや石」でした。 始めの話に戻りますが 『甘口愛好家はもちろん、通でもビギナーでも絶対大満足の一本です』 というのは全く別のワインに付けられたコメントだと断言できます。

 一日空けて翌々日再稽古。 色は当然変化なし。香りは、予想に反してより青っぽさが増したような。 味も、この若さにしては胆力が無いと言うか、あっという間に枯れちゃった感じ。 というわけで、置いといても好転は望めませんでした。

点数68点

11日(日)

アリラン飯店 外観

 本日は母の日であります、そして道場で「母」と言えば師範代。 道場の子供らから師範代への母の日のプレゼントは、 長女がお菓子/次女がケーキ、それとなんといっても「自由な時間」。 というわけで昼は師範代は職場のご同僚と横浜は山手の店でアフタヌーンティの女子会、 その間に師範を次女を近所の公営プールに連れて行き、長女は部活の試合、という一日。

 そして夕食も、母の日プレゼントの一環で、久しぶりの焼肉ディナー。 店は、この2月にも利用したアリラン飯店 浅間町店。 今回も「離れ」の個室を指定して予約しております。 右写真は母屋?の方の外観で、 離れは店に向かって右奥、一軒家を改装した建物にあります。

アリラン飯店 ツラミ

 そして、注文した内容は以下であります。

センマイ刺900円
ハチノス刺900円
タン塩1,350円
カルビ1,250円
上ミノ1,100円
ホルモン900円
レバー900円
スジ煮込み780円
ツラミ900円(左写真)×2
ビビンバ920円
冷麺1,100円
野菜スープ520円
ゆずシャーベット280円
生チョコアイス300円

 食べたいものを一通り頼んで、長女が気に入ったツラミ(牛ホホ肉)をアンコール。 このツラミには荒挽きのワサビが添えてあったんだけど、 焼肉をワサビで食べるってのは結構イケますな。

L'Ame des Pierres 2011
名称L'Âme des Pierres 2011
レム・デ・ピエール 2011
生産者Treviac (Arnaud Sié)
トレヴィアック (アルノー・シエ)
価格(\2,400)
購入店アリラン飯店 浅間町店

 以前も書いたと思いますが、この焼肉屋さんはボトル・ワインが充実しています。 ワインリストには、本日は泡が1種/白が3種/赤が8種が掲載。 そのほか別のメニューにもっとお高い赤が2種(\8,500/\12,000)あり、リストには 『他にもプレミアムワイン多数ご用意しておりますので、くわしくはスタッフまで!』 と書かれています。 正直言って、お世辞にもオシャレとは言えない店の外観からは想像出来ない充実具合です。

 そんな中から、本日のチョイスは南仏産の赤。 お値段2,400円は、前回注文した ハウス・ワインの「デル・スール カベルネ・ソーヴィニョン」に次いで、 安い方から2番目のワインです。

 抜栓済みの状態でテーブルに届けられ、ニヤニヤしながら稽古開始。 というのも、まずボトルの重厚感がナイスです。「こりゃ美味いだろう」感がヒシヒシと伝わります。 そして、毎度のことですがグラスが立派、シュピゲラウのボルドータイプで頂います。 美味しく頂くのにやっぱりグラスは大事ですよ。 そしてその大きめのグラスに恭しく注いで稽古開始。 色はシッカリと濃い紫色であることは判りますが、普段と照明が違うので色調までは不明です。 香りは、ジャムっぽい煮詰めたフルーツがしっかりと感じられます。 味は、まず顕著なのは強めのアルコール。 ラベルによれば、14.5%もあるとのこと。へぇ。 全体に甘酸っぱくて渋味も丸っこい感じではあるんですが、 こんだけアルコール度数が高いとチビチビとしか進みません。

 見た目も味もパワフルで、存在感のあるワインです。 これがお店で税込2,400円なのは大変結構、 そして焼肉に合わせるのにピッタリなワインであると言えましょう。 ただ、1時間ちょっとで1人で1本飲み干すのはちょっとパワフル過ぎました。 というわけで1/3くらい残してお持ち帰り。 その際、瓶口にラップして輪ゴムで縛って袋も無く瓶のまま、という応急対応でした。 残りを持ち帰るなんて客はあまりいないようです。

 で、お持ち帰りの分は師範沈没により当日は稽古できませんでした。 そして翌日、通常であれば月曜は休肝日ですが、 1/3しか残っていないものを3日も置いとくには忍びなく再稽古。 『昨日1本飲み干したとしても今日残りを飲んだとしても摂取アルコール量は同じ』 という屁理屈をこねて稽古決行しました。

 色はやっぱり濃いです。それも、ボルドーみたいな青黒い感じの濃さです。 香りは昨日の印象通り、味は甘いですね。 数値を測って見ると、糖度は8.6もありました。 この糖度で14.5%というアルコール度数、そもそもはどれだけ糖分が多かったんだろ?って感じです。

 ともあれ改めて感じるのはこれが店で2,400円は出色ということ。+2点を進呈させて頂きます。

点数76(+2)

 それ以外に師範代と次女が烏龍茶を注文して、 ネットでゲットした1,000円の割引券を使って、お会計はトータル14,000円強。 普段使いにはちょっぴり贅沢ですが、内容を考えると納得の焼肉ディナーでした。


10日(土)

Celliers Les Contempolains Chardonnay 2012
名称Celliers Les Contempolains Chardonnay 2012
セリエ・レ・コンテンポラン シャルドネ 2012
生産者Celliers Contempolains
セリエ・コンテンポラン
価格\361 (単品価格:\719)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、師範が調理した枝豆、長女が調理したキノコの混ぜご飯、師範代が調理したイカとアスパラガスのオイスターソース炒め、 同じく師範代謹製のマグロとイカの胡麻和えサラダ仕立て。 とくればワインは白でしょう、ということで、「うきうきワインの玉手箱」さんのお安いセットから。 このワイン、そもそもの販売価格が700円程度であるところに持ってきて、 このセットのディスカウント割合をかけると300円台半ばというディープ・アンダー・ワンコインなワインです。

 色は、右写真でもなんとなく判るかと想うけど、この値段の白にしてはしっかりしています。 香りも案外ちゃんとしていて、これぞ南のシャルドネ!って感じの蜜っぽさと柑橘類とリンゴと桃。 ・・・と、そこまでは良かったんだけど、味がイケマセン。 なにより圧倒的に不足しているのが酸。 とにかく酸味が感じられないんで、全体にボケた印象なのは否めません。 数値を計ると、pHは3.7。白だと最低クラス、赤の平均より酸が少ない値です。 甘味も控えめなのは甘ったるくなくて良いんですが、 道場の甘酸グラフ上では左上、「ボケワイン」エリアに見事にプロットされています。

 このワインに関しては「値段は正直」と言わざるを得ません。 香りは悪くないんだけど、ボケた味わいがとても残念。 ただ、「まぁこの値段ならね」と寛容にはなれます。 例えば炭酸で割って、スプリッツァーとかにしてももったいない感じはしませんからね。

点数68点

9日(金)

Real Fundacao [N.V.]
名称Real Fundaçao [N.V.]
レアル フンダサオ [ヴィンテージ無し]
生産者Sociedade de Vinhos Victor Matos
ソシエダーデ・デ・ビーニョス・ビクトル・マトス
価格\640
購入店 ヴェリタス

 連休中ずーっと飲みっぱなしだったので、今週は水曜木曜と連続して休肝日を設けました。 師範エライ!。ただし、通常だと平日は水曜金曜で1本のところ、今週は本日金曜1日で1本。 結局普段の平日と変わらない酒量だったりする事実は脇に置いておきます。

 そんな感じなんで、本日はサラリと一本飲み干せそうで、 かつ夕食のメニューである鶏手羽の唐揚げとかに合いそうなワインとして選んだのがコレ、 ポルトガル産のいかにも安げな赤ワイン。 実際1本640円と安いわけですが、ヴィンテージの表記無く、 ボトルも背が低く、ラベルも全く高級感無く、 液面も結構低く、「フンダサオ」なんてダサダサな名前(は日本人だけの感覚か)と言う、 どこから見ても安物そう。 安ワインといえども普段はキチンと吟味する師範なんですが、 コレに関してはなぜ購入したのか自分でも謎です。

 ・・・と、若干ネガティブな気分で抜栓したわけですが、 色はこの値段とは思えないしっかり具合を感じます。 香りも、ツンッとした果実香があって、 3日前に稽古したイタリア産とも似た傾向ですが、 やや雑な感じがするのが残念です。 味は、渋味も酸味も甘味も軽くて全体に薄い感じですが、 唯一しっかりしているのが14%もある(と書かれている)アルコール感です。 だもんでクイクイとは飲めません。 そんなに楽しく無いワインをチビチビとしか飲めないのは若干苦痛です。

 結果、値段を考えるとワイン自体のパフォーマンスとしてはそんなに悪いわけじゃないんだけど、 なんだか飲んでて楽しくないワインであることは否めません。 安いワインでもちゃんと吟味して購入する、というプロセスはやはり大切です。

点数67点

6日(火祝)

Montepulciano d'Abruzzo Podere 2011
名称Montepulciano d'Abruzzo "Podere" 2012
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ "ポデーレ" 2012
生産者Umani Ronchi
ウマニ・ロンキ
価格\477 (単品価格:\950)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、本牧で釣って来た(笑)イワシと小サバの唐揚げ、 水菜と豚バラの鍋。 今シーズンはもう鍋はないかと思ってたけど、 長女のリクエストにより登場。それくらい肌寒い一日でしたし。

 そしてワインは、「うきうきワインの玉手箱」で買ったセットの中の一本で、 結構好印象な造り手「ウマニ・ロンキ」のモンテプルチアーノ・ダブルッツォ。 このセット、6本で税込4,000円ちょっと(税率5%の時は税込3,980円だった模様)というかなり廉価版で、 送料を引いた後の割引率は50%くらいになってます。

 色は、このDOCらしくかなり濃くてボルドーみたいな青紫色。 香りは、イタリアらしくツンッと刺激的な果実香がそれなりに香ります。 香りのボリュームは大したことないわけですが、この値段なら「可愛げがある」とも言えます。 味は、渋味はあるけど柔らかく、甘味や酸味が案外しっかり。 乳酸ですかね?ブルーベリージャムを混ぜたヨーグルトっぽいような雰囲気が感じられます。

 決して高級感のあるワインじゃないんですが、 日常の食卓には合わせやすいんじゃないでしょうか。 なにより買値相当額はワンコイン以下ですからね。 それを考えれば結構なことには寛容になれるわけですが、 このワインに関しては寛容になるべきポイントは特になく、 普通に美味しい軽めのイタリア赤でした。

点数72点

5日(月祝)

鍋島 純米吟醸

 月に一度の「清酒道場」、今月購入したのは鍋島 純米吟醸という佐賀のお酒。 四合720mlでお値段は税込1,724円也。 お店のPOPに「お一人様1本限り」と書かれていたのに惹かれて買いましたが、 調べたらここんとこ急に知名度が上がっているプレミアム清酒らしいですな。 そういう旬な銘柄を定価でゲットできてラッキーでした。

 それでは、まだ1/3ほど残っている笑四季 特別純米 生 黒ラベルと比較して飲んでみます。 色はほとんど変わらずほぼ無色、ただごくわずかにこちらの方が黄色っぽさがあるように感じます。 香りはかなりフルーティというか、メロンに加えてマスカットのような白ワインっぽい香りがあって、 師範的には好きな系統の香りです。 味も、飲み口はとてもスムーズだけど、旨味しっかりで存在感があって、「確かにこれは人気出るよなぁ」という味わいです。

 数値を調べてみると、笑四季が糖度11.4%/pH4.5/15度なのに対して 鍋島は糖度11.3%/pH4.6/アルコール度数16度と、ほとんど同じ。 でも味わいはかなりちがいます。やっぱり味わいを数値化するのは難しいんですな。

 師範の常飲銘柄だった「獺祭50」がほとんど入手困難になった昨今、 次なる常飲はコレかな・・・といってもコレもプレミアムなんでなんでそうもいかないかも。 ところで「獺祭」って、 最近「味わいの美味さ」でというより「経営の上手さ」でマスコミに採り上げられることが多いような。 そのため普段清酒を飲まない層まで巻き込んじゃっている感があり、より一層入手困難になってますな。

Cote de Nuits-Villages La Belle Vue 2012
名称Côte de Nuits-Villages "La Belle Vue" 2012
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ "ラ・ベル・ヴュ" 2012
生産者Frédéric Esmonin
フレデリック・エスモナン
価格\2,480
購入店カーヴ・ド・リラックス

 5月5日の子供の日、道場はいつも子供優先で子供の日状態なので、特に何もしません。 明日次女と釣りに行くので、その餌とか道具を買いに行ったくらいです。

 そして夕食のメニューは、牛ハラミ肉のサイコロステーキ、焼き油揚げ、笹かまぼこ、 キュウリの韓国風浅漬け、レタスの中華風サラダ、大根サラダ。 ワインは、 カーヴ・ド・リラックスのゴールデンウィーク・セールで買ってきた フレデリック・エスモナンのコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ。 フレデリック・エスモナンの姓"Esmonin"って、 「エスモナン」なのか「エモナン」なのか判断に迷うところだけど、 Google翻訳のページでフランス語発音させると明らかに「エスモナン」と聞こえるのでそう表記しています。

 色は、この値段のブルゴーニュとしてはかなりしっかりした色合い。 香りも、ボリュームはそれほど強くはないですが、 いかにもコート・ド・ニュイのピノ・ノワールな、 梅のようなツーンとピュアな果実香に加えて、僅かに革っぽい動物系の香りがあります。 味も、甘酸っぱくて旨味があって、典型的なブルゴーニュの味わい。 スイスイ入っていって、あっという間に無くなる味わいです。

 グレード的には地域名+αで2,480円ですが、 実質的には村名クラスで3,500円くらいのパフォーマンスが感じられるワインです。 あと、これに甘香ばしい樽香が加わっていれば更に評価アップ!だったんでしょうが、 そうすると値段的にも2,980円になっちゃうんでしょう。

点数78点

4日(日)

極楽湯 外観

 ゴールデンウィーク真っ只中、庶民のささやかなレジャーといえばスーパー銭湯であります。 そして、本日家族で向かったのが、極楽湯 芹が谷店。 道場からは車で20分程度の距離にあります。

 風呂は、首都圏の温泉らしく醤油のような色合いの天然温泉。 当然サウナも水風呂もあって、水素風呂や寝風呂もあって、 師範的にはこれでもう十分満足なレジャーであります。

極楽湯 食事

 ここは温泉に併設されている食事処がほぼ居酒屋状態で、 美味い不味いは置いといて、メニューが大変充実しております。 左写真は牛サイコロステーキ 溶岩焼き、800円也。 美味い不味いは置いといて、こういうのが銭湯の食事処で食べられるのは幸せです。

 その他にも、串焼き盛り合わせやら白魚と筍の天ぷらやら鶏皮ポン酢やら、 めいめい食欲の趣くまま気の向くままにいろいろ注文して食べておりました。

極楽湯 レモンジンジャーハイボール 極楽湯 瓶ビール 極楽湯 生ビール

 アルコールは(当然帰りの運転は師範代です)、 まず生ビール(と極楽餃子のセット) 820円、 次に瓶ビール(大瓶) 670円、そしてレモンジンジャーハイボール 390円×2。 他の飲み物は、焼酎や「世界のビールフェア」なんてのもやってましたが、 あいにくワインは全くラインナップがありません。 あればきっと注文するのになぁ。コノ・スルのヴァラエタルとかデ・ボルトリとかで良いですから。

 そして、最終的な食事のお会計は、11,000円弱。 それぞれは普通の居酒屋価格なんだけど、子供たちが大きくなると結構かかりますなぁ。


3日(土)

Bourgogne Chardonnay 2009 [Dom. Michel Noellat]
名称Bourgogne Chardonnay 2009
ブルゴーニュ シャルドネ 2009
生産者Dom. Michel Noëllat et Fils
ドメーヌ・ミシェル・ノエラ・エ・フィス
価格\1,545 (単品価格:\1,814)
購入店 京橋ワイン

 連休後半初日、本日は庭木の手入れなんかをしてました。 生け垣にしているヒイラギモクセイの新芽に、この時期ハマキムシが沢山付いていて、 それの駆除に「ベニカS乳剤」ってのを使ったらかなり効果覿面、 大量殺戮に成功した模様です。次なる敵はヘリグロテントウノミハムシ、 こいつは見つけたら補殺して対応するしかないんだよなぁ。

 さて夕食のメニューはお刺身、ニラとモヤシの炒め物、レタスのサラダ、後は昨日の残りの春巻き、昼の残りのごぼうの天ぷら。 お刺身はクエとマグロ中トロと生カツオ。 こっちでは珍しいよね、クエ。福岡あたりだと「アラ」と呼ばれる高級魚です。

 そしてワインはブルゴーニュのシャルドネ。 京橋ワインのブルゴーニュ5本セットに入っていた1本で、 単品価格だとこれが一番安い模様です。 この銘柄、実は全く同じものと昨年稽古済み、 結構好印象だったようなので、1年ちょっと年月を経てどう変化したのか興味深いところです。

 色は、レモン色と言うより黄銅色といった感じで、気持ちオレンジがかった印象を受けます。 香りはボリューム控えめ、フルーツっぽさはかなり影をひそめて、 蜜の感じと漬物樽のようなグジュッとした香りを感じます。 口に含むと、やはり樽の要素を強めに感じますね。 味は、かなり硬質でミネラル感の強い味わいです。 数値的には糖度が6,0でpHが3.2、かなり「甘味少なく酸が強い」値を示していますが、 ミネラルっぽい要素があるためかそんなに酸っぱいワインには感じられません。

 だんだん顕著になってくる樽の香ばしさを別にすれば、 味わいはちょっと熟成させたシャブリのような感じですかね。 昨年のコメントを読み返すと、硬質でシャブリっぽいという点は共通していますが、 昨年はもう少しフルーツ香が残っていたみたいです。 ですんで、今年の状態が悪いってわけじゃ無いんですが、 若いモン好きの師範としては昨年時点で飲む方に軍配を上げます。

点数75点

2日(金)

Vega Pasion (Tinto) 2012
名称Vega Pasion (Tinto) 2012
ベガ・パシオン (赤) 2012
生産者Bodegas Olcaviana
ボデガス・オルカビアーナ
価格\777
購入店 ヴェリタス

 師範母は今朝のフライトで九州に帰りました。 またのお越しを心よりお待ち申し上げております、 というわけで師範一家の生活も親子4人の通常に戻ります。

 そして本日のワインは、どちらかというと師範的には苦手意識のあるスペイン産。 でも、「安ワイン者」たるものスペイン産は避けて通れませんからね。 たまにはこうやって稽古して、己の身体を安スペインの雰囲気に慣らすよう試みたりしているわけでございます。 ちなみに料理は揚げ春巻き、タコの唐揚げ、トマトと素揚げ米ナスのサラダです。

 色は、濃い薄いで言えば濃いんだけど、 なんとなく赤みが強くて明るさを感じる色合いです。 香りは、一言で言えば「荒っぽい」感じ。 ベリーっぽい果実の香りもありますが、 茎っぽく葉っぱっぽい青臭さもあります。 味も、やや粗い感じはするけど甘酸っぱくて存在感はあります。

 いわゆる典型的な安くても飲み応えのあるスペイン産の赤ですね。 あちこち雑な感じは否めませんが、全体的には値段以上の価値が感じられるのでしょう。 ただ、その「雑な感じ」が苦手なんだよなぁ、師範は。

点数69点

1日(木)

寿司割烹 鹿島 外観

 5月1日はメーデー、ということで師範代の勤務先は一斉休日。 師範も休みを取って、滞在中の師範母と3人で寿司割烹 鹿島へ。 昨年も同じ日に行ってます。 子供らは学校へ行って不在なので、大人3人カウンターに座ります。

寿司割烹 鹿島 料理

 注文した料理は、昼 鮨懐石 3,500円をベースに、食べ足りない分は寿司を追加で。 鮨懐石の内容は以下でした。

ホタルイカとワカメの酢味噌和え
山芋とジュンサイとオクラ
鰆(かな?)と玉子豆腐のお吸い物
お造り(マグロ赤身、甘エビ、真鯛):左写真
筍の土佐煮
天ぷら(稚鮎、エビ真薯、ソラマメ、パプリカ、コゴミ)
握り寿司(下記)
ゆずシャーベット

 季節の香りが満載で、やっぱりこれで3,500円は非常にお得感があります。 特に稚鮎の天ぷらが美味しゅうございました。 こんな小さなうちに食べちゃって申し訳ないけど。

寿司割烹 鹿島 コハダ 寿司割烹 鹿島 中トロ

 そして握り寿司は、鉄火巻き玉子焼き赤貝のヒモ真鯛コハダ(左写真)、マグロ中トロ(右写真)。

 姿形も美しく、食べても美味しい握りの数々。やっぱり握りはこうじゃなくちゃですね。 左写真のコハダなんて三つ編みにしてあります。 「そんなことしたって味は変わんないんじゃないの?」とお考えの方もありましょうが、 それが網目に醤油が旨い具合に入って良い感じなんですわ。

寿司割烹 鹿島 赤貝 寿司割烹 鹿島 甘鯛昆布〆

 さらに追加した握りが、赤貝(左写真)、甘鯛昆布〆(右写真)、しめ鯖

 赤貝は、セットの中のヒモがたいそう立派だったんで、 きっと本体も立派だろうと思ったら凄いのが出て来ました。 聞けば九州産の赤貝とのこと。九州でも採れるんですね、こういう赤貝が。 そして甘鯛も、上手い具合に締まっていてニュっとした歯ごたえがとてもナイスでした。

寿司割烹 鹿島 酒

 お酒は下記を注文しました(飲む人は師範だけです)。

生ビール
加賀鳶 純米大吟醸 一合
松の司 (銘柄聞き忘れ) 一合

 清酒は、一つ目は「まずはスッキリしたものを」とお願いし、 二つ目は「次はしっかりした味のものを」とお願いしました。 結果、ほぼお願いした通りで、加賀鳶は大吟醸らしくスッキリ&フルーティな味わいで、 松の司の方がよりしっかりした味わいでした。

 お会計は、三人分トータルで17,000円強。 昨年師範と師範代の二人で伺った時は16,000円強だったので、 それとほとんど変わりません。 師範母があまり食べない分を横から頂戴したりしていたんで、 追加の握りが少なかったことがその理由でしょう。 いずれにせよ大変お得感のある鮨懐石でありました。

Cono Sur Single Vineyard Block No.23 Rulos del Alto Riesling 2012
名称Cono Sur Single Vineyard "Block No.23 Rulos del Alto" Riesling 2012
コノ・スル シングル・ヴィンヤード "ブロック No.23 ルロス・デル・アルト" リースリング 2012
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格\1,409 (単品価格:\1,554)
購入店 タカムラ ワインハウス

 夕食は家で、メニューはロール鶏モモ肉&青梗菜、 春キャベツの塩昆布炒め、 ピクルス(人参、大根、胡瓜)。 鶏モモは3枚使ったんだけど、中学になって食欲旺盛な長女のおかげですっかり無くなりました。

 ワインは、「コノスル シングル・ヴィンヤード・シリーズ8本セット」の最後の一本で、 品種はリースリング。 赤でも白でも良さげなメニューでしたが、 師範母は白が好きみたいなんで。まぁなんと親孝行な師範でしょう。

 さて抜栓。 色は普通に薄めのレモン色です。 香りは、リースリングらしくジッポのオイル的な香りがはっきりと感じられます。 あとはピーチみたいなフルーツ香があって、なかなか楽しげな香りのバランスです。 味は、当然甘いかと思ったけど、意外なことに甘さはそれほど強くなくて、 代わりに酸味がしっかりしています。

 リースリングと言えばメジャーな産地はドイツなんだけど、 このワインはドイツ産じゃなくてアルザス産を目指していると思われます。 トータルの印象としてこのワインのセットを語ると、 値段以上のパフォーマンスは十分に感じられます。 でも、ここまでクラスを上げる必要な無いかもな。 普通にレゼルバクラスで十分満足な気がしないでも無いです。

点数75点