稽古日誌:2005年9月

 この夏、8月前半の軽井沢と、 後半の師範代実家と、師範実家(師範生誕の地にあらず)近辺で、 早朝から散歩したついでにカブトムシ/クワガタの捕獲を目論んだ。 結果は惨敗、一匹も捕まえられず。 自慢じゃないけど師範は小学生時代、 毎日のように山へ登ってはクワガタを取ってくる名人級の腕前だった。 森の匂いを嗅げばクヌギ/樹液がそばにあるかどうかが判り、 クヌギの木を蹴れば実が落ちたのかコガネムシが落ちたのかクワガタが落ちたのかたちどころに判別し、 またその指向性も鋭く一瞬で落ちた位置を探し当てていた。 それがこのテイタラク。 衰えたか/勘を失くしたかとも思ったけど、 冷静に考えるとそもそも獲物の居ない森だったと思う。 「効率の良い狩猟」の一番のポイントは「良い猟場を知っている」ことですな。 どんなに知識や能力があっても馴染みの無い所ではその能力を発揮するのは難しい、と。
 だもんで『ワインマニア/ソムリエが薦めるデイリーワイン』の類はあまり信用しない師範であります (大こじつけ)。

翌月分

30日(金)

Michel Mas Merlot 2004
ミシェル・マス メルロー 2004
Michel Mas
ミシェル・マス
Rouge
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\8802005/09/18 カクヤス 保土ヶ谷店 モトックス
 本日のワインは、コレとか、 安くても気合の入ったワインを造るミシェル・マス、そこの廉価版。 ラベルのデザインなんかは価格相応だけど、 安っぽいなりにどことなくシャンとしているというか、 「やれることはやってます」ってな雰囲気。 変にゴタゴタしたラベルの安ワインより期待大。 夕食は、明日がプチ師範代の運動会ってこともあって、 それに入れ込む揚げ物(鶏唐揚げ、トンカツ)等がメインで。
 コルクは素性の良い?人造コルク。 色はきっちり濃い紫。昨日のボルドーよりも更に濃い色合い。 香りは、ボリュームこそそこそこだけど、 雰囲気は「待ってました」とばかりのメルローっぽさ。 熟柿と苺をグジュッと潰したような果実香と、 野原の草をグジュッと潰したような青臭さ。 樽香はそれほど目立たない。 味は、ビックリするほどでもないけど、値段を考えれば唸らされる濃さ。 まず最初に甘味が感じられて、次に渋味がパーッと口の中を覆って、 飲み下す頃には奥のほうを酸味がキュッとすぼめる感じ。 それぞれの要素はバラバラだけど、大したもんだといわざるを得ない。
 で、こういう若くてパワフルなワインの他例に漏れず、3杯目くらいで飲み飽き。 香りに関しては、抜栓後時間が経つとかなり樽香も目立ってきて(プチ師範代曰く「バターロールの匂い」) 変化してはくれているけど、 なんとなく杯が進みにくいのはいかんともしがたい。
 客観的に判断すると、大したワインだと思う。 こんな値段でこれだけ密度のあるワインを造るのはおよそ簡単では無いような。 ただ、フランス産なのになぜか南米あたりで作られたような一本調子感があって、 それが飲み飽きを誘うのが残念。でもこういうのが好きな安ワイン者は多いと思う。
72点自宅にて

29日(木)

Baron de Lestac 2003
バロン・ド・レスタック 2003
Baron de Lestac
バロン・ド・レスタック
Rouge
Bordeaux
ボルドー
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\750 (単品価格:\1,047)2005/09/06 うきうきワインの玉手箱 サントリー
 本日の夕食は、鯛の煮付け、後は昨日の残りを。 ワインは、普通だったら白を選ぶところだけど、 急に涼しくなってなんだか赤が飲みたい気分なんで、セオリーを無視してボルドーの赤をチョイス。 モノは、6本セット6,980円の一本で、 販売店のページに表示されていたものとは違うヴィンテージ(2002→2003)。 なんでも、「カステル・グループ」という生産者が作るワイン(銘柄の"Lestac"は"Castel"を逆読み)で、 2002年にはこの銘柄がACボルドーとしては販売数量No.1だったとか。 ラベルには"Eleve en Futs de Chene (樫樽熟成)"の文字やシリアルナンバーありでちょいと高級げ。
 色はいかにも若いボルドーな青紫、 香りは当初弱めだったけど、カシスと消し炭のある典型的ボルドーの香り、 味も典型的で、軽めではあるけどミニチュア版の良いボルドー。
 抜栓後2時間くらい経つと、これまたボルドーらしくちゃんと開いてきて、 香りに樽をベースとした甘香ばしさが乗ってくるし、味わいも太さを増してくる。
 裏ラベルには『フランスで最も親しまれているボルドーACブランドです』なんて書かれているけど、 確かにさもありなん、といった感じ。 際立った個性は何一つ無いけど、このAOCにに期待する雰囲気はキチンと持っていて、 ギミックやコケオドシの無いシンプルなボルドーらしさが出ている。 そんなあたりは米国で人気らしいイエロー・テイルなんかとは全く違う方向性。 ちなみに、鯛の煮付けなんかとも特段の違和感は無く飲めた。 飲みたいときに飲みたい物を飲む、それが一番の相性かも。
74点自宅にて

28日(水)

師範両親が東北旅行の途中に一泊だけ立ち寄り。

Bourgogne "Cuvee de Prestige" 2001
ブルゴーニュ "キュヴェ・ド・プレスティージュ" 2001
Les Caves de Hautes-Cotes
レ・カーヴ・ド・オート・コート
Blanc
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\9902005/09/24 関内 サンタムール リラックス
 来客が年寄り夫婦のため、おもてなしの料理は比較的軽めの和食系、 マグロの刺身、アジのタタキ、夏野菜の炒め物、山芋の煮付けとか。 ということで、まずはビールを飲んだ後この白ワインをチョイス。 "Cuvee de Prestige"のサブタイトルが付いて、 ラベルには"Elevage en futs de chene (樫樽で熟成)"の文字ありで、 なんとなく高級げだけど値段は3桁。 もっとも、この3桁はセール品であった上に会員5%割引を利用した結果の金額。
 ・・・で、大変残念ながらコレが本格的な劣化ワイン。多分ブショネ。 色はなんだかヤケに老成した飴色で、香りはまったく出てこず、 味はアルコールに平べったいコクを加味しただけのもの。 金属的、というのとも違うけど、やたら無愛想で飲むのが辛いワイン。 本来どういうワインだったかなんて判りっこないレベル。
 客人はどうせ劣化しているなんて判らんだろうから、 そのまま飲ませちゃおうかとも思ったけど(悪)、 どうもちっとも杯が進まない様子。 しかたなく半分で切り上げて、焼酎に移行。 残った分は師範の責任において消費ってことで、 炭酸飲料で割って飲み干し。あーあ。
(42点)自宅にて

25日(日)

Bourgogne Pinot Noir 2003
ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2003
Paul Pillot
ポール・ピヨ
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,2002005/09/19 一力酒店 モトックス
 ローカルな話で恐縮だけど、買い物の途中、箱根駅伝で有名な戸塚区権太坂近くの境木商店街にある「一力酒店」という店に寄って調達した一本。 なかなか話し好きそうな店主氏で、そういう店が好きな方には良い店かもです (師範はどちらかというと選んでいる時はほっといて欲しいタイプ)。 また、ワインには店主氏が書いたと思われる説明書きも付いて来て、 ワインに対する思い入れがビシバシと。 そんな店で、過去稽古したことの無い造り手のACブルゴーニュを購入、 説明書きによればピュリニー・モンラシェに居を構える白に強い造り手のとのこと。 夕食は、シマアジの刺身、冷奴、コールスローサラダ、鶏手羽元の甘辛揚げ煮、魚のアラの味噌汁。
 色は、酷暑の2003年を反映してかACブルゴーニュとしては異例とも思える濃さ。 香りは、当然ながら南のブルゴーニュにありがちなゴム革系の雰囲気がありつつも、 結構ピュアでキュッと締まった果実香もある。 こういう香りって、 ACブルゴーニュクラスでは名門といわれる造り手のものじゃないと出会えないんで、 正直言って嬉しい誤算。 味も同様に嬉しい誤算アリ。酷暑でブルゴーニュ南部ってことで、 酸味の無いダレた味かとも思ったけど、 そこそこ酸はしっかりしていて締まるべきところはキュッと締まっている。 パワーではなく旨味で勝負、といった、どちらかというと懐かしい感じのブルゴーニュ。
 というわけでトータルのボリューム感は小さめだけど、バランスを崩していない点に好感。 和食をベースとしたなんでもアリの夕食にも(シマアジの刺身とさえも)結構合いました。
79点自宅にて

24日(土)

Gewurztraminer "Reserve Speciale" 2002
ゲヴュルツトラミネール "レゼルヴ・スペシアル" 2002
W.Gisselbrecht
W.ギッセルブレヒト
Blanc
Alsace Gewurztraminer
アルザス・ゲヴュルツトラミネール
Alsace (France)
アルザス (フランス)
\2,0792005/09/06 うきうきワインの玉手箱 重松貿易
 酒屋にワインを調達に行った以外は特段何をするでもなくダラダラ過ごした三連休中日。 夕飯のメニューは松茸の塩焼き、アジのタタキ、タチウオのバター焼き、肉じゃがとった和風メニュー。 ならばということでワインは白を。 このワインは、夏の帰省用に注文した際、 間違ってリースリングが送られてきたため、 わざわざ買いなおしたゲヴュルツ。 別にこのワイン自体にそんな思い入れがあったわけではないんだけど、 やっぱりそういうのって気になるじゃないっすか?(ならないっすか?)
 さて抜栓。色はいたって普通な白ワインの色。 香りは素晴らしい。いかにも教科書に出てくる (と言いつつそういう「教科書」なんて読んだこと無いけど)「ライチと花」の香りがいっぱい。 と、ここまでは期待大爆発だったんだけど、味がねぇ。 とにかく口に含んで「あぁ・・・」と思うのがその甘味。 分類的には甘口ワインの範疇になりそうなしっかりした甘さと、 皮めの抽出が強いのか、後を追うような苦味がある。うむー。
 甘さに辟易して、デザートに食べた、甘さだけで香りに乏しい葡萄"甲斐路"に合わせたら これが結構イケる。やっぱりこれくらい甘いとデザート・ワインの方が良い様な。
 アルコール度数は13%、こんだけのアルコールと糖分を残すには(補糖をしなければ) かなり熟れた葡萄を使わなければいけないことが想像され、 その努力は並大抵のものじゃないんだろうとは思うけど、やっぱり食中酒としては使いにくくて苦手。 ということで、間違って送られたリースリングの方が好印象。あは、あははは。
69点自宅にて

23日(金祝)

Rosso Piceno 2003
ロッソ・ピチェーノ 2003
Moncaro
モンカロ
Rosso
Rosso Piceno
ロッソ・ピチェーノ
Marche (Italia)
マルケ (イタリア)
\5252005/09/06 うきうきワインの玉手箱 飯田
 本日の夕食は、師範謹製ビーフシチュー。 まずは料理用にと選んだのがこのワイン。 師範のビーフシチューにおけるワインの使い方は二つの選択肢があって、 一つはワインと水が1対1、もう一つは水を使わず全てワインとするもの。 その差はワインの酸味で、 酸味がしっかりしているワインを入れすぎるとコクが増す以前に酸っぱくなるので、 半分は水にしている、って寸法。 と、前置きが長くなったけど、 選んだのは525円の激安系で「赤猫」という名のマルケ州のDOC。 販売店のサイトによれば6ヶ月の樽熟がされているらしいけど、 樽熟っつっても大きな古樽だったりするからね。
 色は薄めで赤め。やや頼りないけど500円ワインにしては及第点の色合い。 香りは弱い。深く嗅ぐと、 桜餅のようで膏薬のようでもあり、ツンッとした刺激的な果実香もあったりする。 こういう雰囲気はいかにも安イタリア的ではあるけど、こちらも500円だとすれば上等。 味は、渋味甘味酸味、どの要素もおとなしめながら、 やはりやや酸が前に出ているような。だもんでシチューへは水も入れることに。
 チャッキチャキの安イタリアではあるけど、 同じくらいの値段を出さなければならない国内大手の怪しいワインなんかよりははるかにちゃんとしている。 あ、ちなみに樽香はほぼ皆無だったような。
67点自宅にて

Hillbille Shiraz 2003
ヒルビレ シラーズ 2003
Blackwood Valley Estate
ブラックウッド・ヴァレー・エステート
Red
(Australia)
(オーストラリア)
\1,5542005/07/28 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 で、前のワインは200mlは料理用、200mlは料理用ストック、残りは飲んで、 更にきちんと飲む用に空けたのが豪州産のコレ。 このワインは、リアルワインガイドの最新号(11号)『3,000円以下の旨安ワイン特集』 でも推薦されていたもの。推薦者は「ヴェリタス」さんでこの販売店と同じ。 ただ、師範が買った値段は1,554円なのに、この本には1,407円と書かれている。 値下げしたのかな? なんかちょっと悔しいけど、消費者として値下げ自体は歓迎なんで、 涙を呑んで企業努力に拍手。
 色は、上のワインとはうって変わった色黒さ。 若さ一杯でエッジの先までピーンと同じ青紫。 香りはまさしく豪州シラーズのそれ。 ベリーAのような甘酸っぱい果実香をベースに、ミントのような涼やかさと、 カラメルとチョコレートのような焦げっぽさが上乗せされている。 良く言われる「スパイシー」という表現が「刺激的」なのであれば、まさにスパイシーな香り。 味も当然甘渋くてガッツンゴリゴリなんだろうなぁ、と心配しつつ口に含むと、 予想外の柔らかさにビックリ。 もちろん後味にはかなり旺盛な渋味が感じられたりするんだけど、 少なくとも口に入るときはとてもツルッとしている。
 時間が経つと、より甘味が前に出てより柔らかく変化。 おかげでこの手のワインにありがちな飲み飽き感があまり無い。
 まるで暴走族(今風に言うと「珍走団」か)みたいに真っ黒な外観にもかかわらず、 案外とカラフルな香りと味を見せるワイン。 販売店が安旨ワインとして推薦するのも十分理解可能。 コスト・パフォーマンスの高い一本。
81点自宅にて

21日(水)

Domaine de la Rourede 2001
ドメーヌ・ド・ラ・ルーレード 2001
J.L.Pujol
J.L.プジョル
Rouge
Cotes de Roussillon
コート・ド・ルーション
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\956 (単品価格:\1,334)2005/09/06 うきうきワインの玉手箱 ドウシシャ
 今週は「ハッピーマンデー法」の適用により、休肝日は火曜一日だけで、今日は働肝日。 ワインは「厳選!フランス 赤ワイン飲み比べ6本セット」6,980円(税込/送料込)の一本。 セットでは本来別のワインが組み込まれていたけど、 品切れになったのか予告なくこちらに変更されていた。 一般にWebショップのセット販売って、 あまり割引率が高くなくてせいぜい送料分が浮く程度のところが多い中、 この販売店はそもそもの売価が安い上にセットはかなり割引率が高く、 お買い得ではあるんだけど、 『予告なく変更』はどうもねぇ(6本中2本が銘柄違い、1本はヴィンテージ違い)。 なかなか難しいものであります。 ちなみに料理は、焼き松茸、山芋と鶏そぼろの煮物、牛肉とニンニクの芽の炒め物、 ブロッコリーとツナのサラダ。食後には初物の柿を。
 さて抜栓。色は、濃いには濃いけど南仏らしい青みの強い濃さではなく、やや赤っぽく感じられる色合い。 そのあたりは品種が何かによるんだと思う。 香りは、ラベルには「ビオロジックで造られた」みたいなことが書いてあるんで、 ソレ風の硫黄っぽい香りがあるかと思ったけど、 実際はあくまで普通の雰囲気で、ちょっとツンッと鋭い果実な感じの香り。 味は、まず甘味がしっかりしていることを感じ、次に酸味がそれを下支えしていることを感じる。 渋味も結構旺盛で、ややもすればバラバラなワインになりそうだけど、 洗練とは言いがたいながらそこそこのまとまりを持った雰囲気。
 1,300円と思えばそんなに突出感は無いけど、1,000円以下であればかなり健闘していると思われるワイン。 南仏の荒っぽさとかギザギザ感を、上手にマスクしている感じ。
72点自宅にて

19日(月祝)

 本日の昼食は、突然ちょろっと寿司が食べたくなったので回転寿司へ。 回転寿司なんて、子供が出来るまでは『どうしてあんな店で外食するんだろ?』という 理解不能な店の代表格だったんだけど、子供が出来てみるとその存在意義がわかります。 でも、いわゆるファミリーレストランだけは未だに暖簾をくぐるのをためらう師範家であります。
 でもって今日の店は、説明の必要がないほどメジャーなチェーン店、かっぱ寿司(戸塚店)。  店に着いたのが丁度正午ごろだったためか、10組待ちくらいの状態。 『こりゃ参ったなぁ』と思っていたけど、キャパも大きく回転も速いためか、 15分も待たないうちに案内された。
 全品一皿100円の寿司は、言ってしまえばそれなりの内容。 そんな中、旬のサンマや戻りガツオなんかはそこそこグッドなんだけど、 やたらデカい謎のカワハギ(左写真)や恐ろしくスリムなジャンポアナゴなんかはムムムって感じ。 でも、25皿とプチプチ師範代用の茶碗蒸しを取って腹いっぱいになって、 お会計が3,000円もしないのはやっぱり安いよなぁ、と。 そうなると多少のことは納得せざるを得ない気分になるわけですよ。 満席の大盛況なのは時代を反映してさもありなん、という感じ。

 夕食は家で。

Chateau Roudier 1997
シャトー・ルーディエ 1997
Ch. Roudier (Capdemourlin)
シャトー・ルーディエ (カプドムールラン)
Rouge
Montagne-Saint-Emilion
モンターニュ・サンテミリオン
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\888 (単品価格:\1,239)2005/09/06 うきうきワインの玉手箱 飯田
 夕食は、鳥レバーの煮物、トマトと豆腐とほうれん草の卵とじ、トンカツ、キャベツのサラダ。 そういえば昼の回転寿司には「とんかつ寿司」 なる奇天烈極まりない皿もあったなぁ ・・・なんてことは置いといて、 選んだワインは「厳選!フランス 赤ワイン飲み比べ6本セット」6,980円(税込/送料込)の一本で、 販売店としてもお薦めのワインらしい。 サイトに書かれた情報によれば、 品種はメルロー65%、カベルネ・フラン25%、カベルネ・ソーヴィニョン10%。 樽でマロラクティック醗酵、熟成は新樽比率1/3とのこと。 ラベルデザインなんかはなかなかイカシているけど、 安ワイン者は避けて吉な年である1997産なのが気になるところ。
 さて抜栓、コルクはちゃんとしたボルドーらしい、シャトー名とヴィンテージがきちんと印刷されたもの。 色は、そこそこ濃くて、エッジがちょっとオレンジで、 これくらいの年齢のボルドーに想像する色そのまんま。 香りは、「熟成ボルドーの香り」とまではいかないものの、 明らかに各要素の溶け合いは進んでいて、奈良漬っぽい感じになっている。 味も、カドはキッチリ取れていて柔らかい雰囲気。 ただ、ヴィンテージの限界か、全体のまとまりはこぢんまりしていることは否めない。
 お店のお薦めのごとく、 これくらいの値段で買えるボルドーとしては珍しくちゃんと熟成したボルドー。 パワフルさとか個性とか、そういう要素はあまりないんだけど、 これだけちゃんとしていれば一般的には十分評価に値すると思う。 ただ、個人的にはやっぱり1997年のボルドーはつまんなく感じる。 水っぽくて物分りが良すぎて覇気がなくて。 そういうのが好きな方はどうぞ。
74点自宅にて

18日(日)

Chateau Tour Grand Mayne "Cuvee Saint Valentin" 2003
シャトー・トゥール・グラン・メーヌ "キュヴェ・サン・ヴァレンタン" 2003
Vignobles Robin Lafugie
ヴィニョーブル・ロバン・ラフジー
Rouge
Cotes du Castillon
コート・デュ・カスティヨン
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\580(Half)2005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 今日は、師範の飲食環境上唯一「行きつけ」と言えそうな焼肉屋(ココ)で夕食。 「行きつけ」っつったって2~3ヶ月に一度程度なんで、 決して「常連」では無いんだけどね。 で、この店は残念ながらアルコール類の選択肢が非常に少なく、 生ビール1杯と瓶ビール1本だけしか飲まなかった。 だもんで家に帰っても飲み足りずにワインを。 ここでフルボトルを開けるとやはりお天道様に申し訳が立たないと思い、 チョイスしたのは廉価なハーフサイズ。 「キュヴェ・サン・ヴァレンタン(聖バレンタイン用に醸造)」という安易なネーミングに ハートの形が書かれたラベル、 かなり怪しげな雰囲気は否めないワイン。
 さて抜栓。色はボルドーらしい青く濃い紫。 香りもとってもボルトーらしく、カシスと消し炭がメイン。 ただ、惜しむらくはその双方が別の方向を向いている。 味は、フルボトルで1,000円くらいのワインだと思えば結構頑張っていると言えそうな、 甘味や渋味がしっかりていて薄さを感じない味わい。
 「安いワインにしてはちゃんとボルドーしてるよね」ってのが正直な印象。 ただ、この手のワインのように良くも悪くもあまり引っ掛かりの無いワインだと、 ハーフボトルなんて一瞬で飲み干してしまうわけで、 あまり記憶に残らないうちに飲了。
68点自宅にて

16日(金)

 師範実弟は今晩まで逗留しております。

Les Galipes Premier Cru Brut N.V.
レ・ガリプ プルミエ・クリュ ブリュット (ヴィンテージ無し)
Societe de Producteurs Mailly
マイィ生産者組合
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\2,4992005/09/06 うきうきワインの玉手箱 重松貿易
 本日のおもてなし料理は、鶏肉のトマト煮とかベビーリーフのサラダとか。 ワインはコレ、このワインと同じ造り手である、 マイィ村の生産者組合(CM : コーペラティヴ・マニピュラン)のシャンパーニュ。
 色は普通に麦わら色でいかにもシャンパーニュ、 泡のキメは細かくて泡立ちもたいそうなもの。 香りは、それほどボリュームはないけど、 アメっぽさとかパンっぽさとかあってこちらもいかにもシャンパーニュ。 味は、やや酸が強めかな、と思う部分があるものの、バランスは良くて金属的なエグさもなくて、 これまたいかにもシャンパーニュ。
 ・・・というわけで、特段の個性はないけどキチンとしたシャンパーニュ。 これで2,500円はなかなかお買い得、少なくとも500円くらいは得した気分。
78点自宅にて

Cairanne "Cuvee Antique" 1999
ケランヌ "キュヴェ・アンティーク" 1999
Cave de Cairanne
カーヴ・ド・ケランヌ
Rouge
Cotes du Rhone Villages
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\1,725 (単品価格\2,079)2005/07/28 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 二本目の赤は、ちょっと前に買った「フランス名産地 赤3本セット」の一本。 セット価格が送料込みで4,980円(税込み5,229円)なんで、その金額から送料を引いて、 セットそれぞれの単価の比率で割ったこのワインの相当額は1,725円。 この造り手のワインは、昨年末に格下のLes Grands' Vignes 2003と稽古済み。 弟の「ピーマンのような青っぽいワインが飲みたい」という一般には不思議なリクエストにお応えして。
 で、これが(要求に対しては)バッチリ正解。 色、濃いです。香り、青っぽいです。味、青っぽくて甘渋いです。 と書くとなんだかネガティブだけど、実際はなかなか美味い。 きっととっても気合入れて造られたたんだろうなぁ、と感じられる雰囲気で、 5年以上も前のワインなのにまるで昨日造られたようなパッツンパッツン具合。
 これも2,000円以下なのは安いですな。だいたい400円くらい得した気分。
76点自宅にて

Portal del Alto "Late Harvest" 1998
ポルタル・デル・アルト "レイト・ハーヴェスト" 1998
Portal del Alto (Professor Alejandro Hernandez)
ポルタル・デル・アルト (プロフェッソール・アレハンドロ・エルナンデス)
Blanco
Maipo Valley (Chile)
マイポ・ヴァレー (チリ)
\800 (Half)2005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 ま、要は飲み足りないわけであります。 でも、このあとフルボトルを一本開けてもさすがに飲み干せないような気がするわけであります。 さらに、翌日はバンドの稽古があったりして、 飲み干せなかった場合は翌日に、ってわけにもいかないのであります。 その上、食後ってのは甘いのが欲しくなるわけでもあります。 というわけで南米産の甘口そうなワインをチョイス。
 色は非常に濃くて、まさにアメ色。ただ、想像よりはサラッとした外観。 香りは、セメダインのようなスーッとした香りと、ややホコリっぽいような香り、 焼き芋のような香りもある。 プチ師範代は梨の香りだとか言ってた。そういう風にいろいろ感じるってことは複雑だってことでしょう。 で、肝心の味は想像ほどには甘くない。で、想像通り酸味は緩め。
 でもまぁ800円なら十分でしょう。フルボトル換算で2,000円くらいの価値はあると思うから、 200円くらい得したか。
74点自宅にて

15日(木)

 師範実弟は今日も逗留しております。

Las Casas del Toqui Reservado Chardonnay 2002
ラス・カーサス・デル・トキ レセルバード シャルドネ 2002
La Casas del Toqui
ラス・カーサス・デル・トキ
Blanco
Cochapoal
コチャポアル
(Chile)
(チリ)
\1,0002005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 本日のおもてなし料理はえぼ鯛の煮付け。 軽くビールを飲んだ後、一本目のワインはは白で。この造り手のワインは、 ずいぶん以前に一本500円の激安モノを飲んでいて、 値段の割には結構好印象だった模様。 で、コレはちょっと高級なクラスであるレセルバードで1,000円。 ボトルの外観はなかなかイカシていて、 ガッツはありそうだけど一人で飲んだら飽きそうな雰囲気がプンプン。 ってなわけで一人あたり1/2本だったら丁度良いかな、ってことで。
 色はかなり黄色が強い黄金色。なんだか甘口ワインのような色合い。 香りは、鼻で嗅ぐ分にはそれほど強さは無いけど、 口に含むと予想通りバタークッキーのような甘香ばしい樽香でいっぱい。 そこで味も香りと同じくらいに厚みがあれば凄いんだけど、 これまた予想通りなんとなくガチャガチャ感じがある。
 というわけで、予想通りコッテリと樽がのってハッタリの効いたワイン。 一人で飲まずに二人で飲んで大正解。 すっきり系を期待してコレだとちょっとアレだけど、 今回の場合はあくまで「予想通り」なんで満足の範疇。
75点自宅にて

Barbaresco Riserva 1995
バルバレスコ リセルヴァ 1995
Bersano
ベルサーノ
Rosso
Barbaresco
バルバレスコ
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
(実弟より) (リカーズハセガワとのこと) メルシャン
 2本目は赤で、弟が手土産に持参してくれたもの。 なかなか良い物を持ってきてくれたもんです。 ちょろっと調べたところによると、造り手の「ベルサーノ」は イタリアでも最大規模のワイナリー、ということらしい。 ボトルの外観は、やや扁平でネック部分が後ろにずれた位置から伸びるみょうちくりんな形状で、 なんだか不思議な感じであります。
 さて期待を込めて抜栓。 色は、バルバレスコに想像する色合いよりは淡めで、 エッジのあたりがややオレンジっぽくなっていつつも、 まだまだ若々しさが感じられる赤紫。 香りは、熟成感が出始めたワインに特徴的な、奈良漬のような雰囲気の香りを主体として、 その他にもいろんな要素が絡み合った雰囲気でなかなか良い感じ。 これで味がこんもりしていれば申し分ないけど、 残念ながらやや痩せた感じは禁じ得ない。
 熟成イタリアらしく、角張った感じはないんだけど、なんとなく薄幸な雰囲気があるワイン。 女優さんに例えれば「いしだあゆみ」かなぁ。 評価は別として、なかなか面白いワインではありました。
77点自宅にて

 本日もまた飲み足りない分は焼酎なんぞを飲んでおります。


14日(水)

師範の実弟、出張の合い間に師範宅へ。

 最初はビールで乾杯。普通のヤツ(カールスバーグ)を飲んだ後、 OH!LA!HO(オラホビール)という名前の地ビールを。 先月軽井沢方面へ行った際購入したもので、東御市のアグリ・ヴィレッジというところで造られている(工場のサイト)。 もともとは知人へのお土産として買ったんだけど、 渡す機会が無く(計画されていたけど流れた)賞味期限も近いので飲んじゃうことに。
3種類の飲んだ感じは、
ケルシュ(写真左):
「すっきり」なんて書いてあるけど、実際はかなりしっかりした白系ビール。
ゴールデンエール(写真中):
まとまりとしてはこれが一番かな。師範の好きな「よなよなエール」に近い感じ。
アンバーエール(写真右):
香りや味のボリューム的にはこれがナンバーワンでしょう。 こういうビールが普通に買える世の中になって欲しいんだけどねぇ。
 賞味期限近くまで常温で置いておいたんで、 (特に香りに於いては)本来の実力発揮は出来なかったかもしれないけど、 それでもそれぞれ個性豊かで美味しいビールでありました。

 泡モノがわりにビールも飲んだので、ワインはいきなり赤へ。

Calera Pinot Noir 2001
カレラ ピノ・ノワール 2001
Calera Wine Company
カレラ・ワイン・カンパニー
Red
Central Coast (USA)
セントラル・コースト (アメリカ合衆国)
\2,0002005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 本日の料理は鶏の唐揚げ。「料理に合わせて」ってことで重からず軽からず、 「複数人で」ってことである程度インパクトがあり、 「所詮弟なんで」ということであまり値の張らないものを、という視点でチョイス (ま、複数人っつったって二人だし、値の張るものなんてのは元から無いんだけど)。 で、選んだのは米国カリフォルニアの有名ドコロ、カレラのピノ・ノワール。 このワインは直近だと 2000年産のハーフと稽古済み、 ヴィンテージの差がどの程度あるのかは分からないけど、多分想像通りでしょう、と考えて。
 色は思いのほか熟成感があって、エッジのあたりにはオレンジが感じられる色合い。 香りは大納得。いかにもピノ・ノワールな、木イチゴっぽいキュートな香りと 品の良い樽香が健在。 これが、飲んでも同じ雰囲気を持続できるんだったらたいしたもんだけど、 実際口に含むとなんとなくイゴイゴ感があって、 香りほどの好印象ではなかったりする。
 ・・・なんて重箱隅をつつくとアレだけど、 やっぱり値段を考えると「凄いよなぁ」と言わざるを得ない出来栄え。 脱帽であります。
78点自宅にて

 飲み干した後は、焼酎(天草吉兆宝山)やら他の蒸留酒やらを飲んだとさ。


11日(日)

Riesling Feinherb 2003
リースリング ファインヘルプ 2003
Weingut Wagner Stempel
ヴァイングート・ワーグナー・ステンペル
Weiss
Rheinhessen
ラインヘッセン
Rheinhessen (Deutsche)
ラインヘッセン (ドイツ)
\2,3942005/07/28 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食メニューは、金目鯛のアクアパッツァ、ベビーリーフのサラダ。 アクアパッツァは、魚の目玉が食べたいというプチ師範代のリクエスト。 で、魚屋に並んだ丸魚の中で、一番目玉のデカかった金目鯛が選ばれた次第。 で、料理用との兼用を考えてワインも白ワインで。 選んだのはドイツ産で、料理に使うのはややもったいない金額だけど、 さすがに今日は2本開ける勢いも無いんで。 販売店の情報によれば、一般のドイツ産白ワインとは違い辛口で、評論家のポイントも高いらしい。 いったいどんなワインか興味津々。
 色はかなり薄めのレモン色。グラスに注ぐと内側に小さな気泡が付いて、 やや炭酸が残っているのが見て取れる。 香りは、鼻で嗅ぐ分にはいかにもドイツ、いかにも甘そうなフルーツ香。 リースリングにありがちなオイルっぽさは控えめで、 樽香はまったく感じられない。 口に含むと、チリチリっとした炭酸があって、酸味は弱めでほの甘い。 飲み込んだ後に軽い苦味が残る。
 お店の宣伝文句や、一般のドイツ産より明らかに高い12.5%のアルコール度数、 モダンな外観なんかから普通のドイツ産とはまったく違うワインを想像していたけど、 結果的にはそうでもなかった。 もちろんそこそこ美味いし、 寒冷地ドイツでこういう甘さとアルコールの両立したワインを造るのは簡単では無いんだろうけど、 値段を考えるとやや期待を外されたのは確か。
73点自宅にて

10日(土)

Cotes du Rhone "Samorens" 2003
コート・デュ・ローヌ "サモレン" 2003
Ferraton Pere & Fils
フェラトン・ペール・エ・フィス
Blanc
Cotes du Rhone
コート・デュ・ローヌ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
\767 (3本よりどり2,300円)2005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 本日の夕食は、師範謹製、鶏手羽元のパプリカ煮。 この料理にはかなり多め(ボトル半分くらい)の白ワインを使うんで、 料理用 兼 食事前半用のワインとして選んだのがコレ。 この銘柄は1999の赤と稽古済み、 思いっきり酸っぱくてダメダメだったみたい。 ま、そういうのって単発であることが多いんで、あまり心配せずに (でも料理に突っ込む前は一応味見して)。
 色に特段の特徴無し。 香りは弱め。鼻の穴かっぽじってグラスに鼻を突っ込んでグイグイ嗅ぐと、 なんとなく梨の様なおとなしげな果実香が感じられる。 口に含んでまず一安心、少なくとも酸味はそれほど強くなく、 料理用のワインとして料理のバランスを壊す感じではない。 甘味や酸味ではなくコクや旨味を主張するタイプで、相性的には万能選手っぽい。
 ま、普通に軽くて普通に美味しいワイン。 ただ、この値段だったらちょっとお得感があるかも。 そういうワインだし半分は料理に使って、 まるでキッチンドランカーのごとく食事のまえにチビチビ飲んでいるうちに スイスイと飲み終わって下のワインへ移行。
71点自宅にて

Bourgogne Pinot Noir 2000
ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2000
Antonin Rodet
アントナン・ロデ
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\767 (3本よりどり2,300円 : Half)2005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 ・・・というわけで2本目のワインがコレ。 1日に1人で丸々2本抜栓、ってのはさすがにお天道様に申し訳が立たない、ってことでハーフを。 モノは、ブルゴーニュの大ネゴシアン「アントナン・ロデ」のACブルゴーニュ。 耳学問ではあまり良い評判は聞かない造り手だけど、 この値段ならハズシても良いかな、と。
 色はいかにもブルゴーニュらしい薄めの赤紫。 香りは非常に特徴的。 まず間違いなく酢酸の香りがあって、これまた間違いなく杉みたいな針葉樹の香りがある。 だもんで、「コニシの木工用ボンド」で接着した杉材そのまんま。 口に含んでも、針葉樹っぽい雰囲気がまずカーッと来て、 後味はやや熟成したブルゴーニュのソレ。 とはいえまだまだ果実味も生きている。
 抜栓後時間が経つと、酢酸っぽい香りは治まってくるものの味わいも痩せてきて一長一短。
 フルボトル換算で1,500円程度のACブルゴーニュにありがちな、 個性も何も無くて単になんとなくケモノっぽいワインとは違って、 少なくとも個性は際立っている。 その個性の好き嫌いは別にして。
73点自宅にて

9日(金)

Circus Viognier 2003
サーカス ヴィオニエ 2003
L'Ostal Cazes
ロスタル・カーズ
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\1,1802005/08/10 QUEEN'S ISETAN 品川店 アルカン
 本日の夕食は、カマスの塩焼き、板わさ2種、きゅうりとトマトのサラダ。 選んだワインは、ボルドーのシャトー・ランシュ・バージュ等を経営する 「ジャン・ミシェル・カーズ」が南仏で作るブランド。 ラベルも名前も、いかにもデイリー・ワインでござい!って感じ。
 色は薄めで赤め。 香りはヴィオニエらしく、クチナシとか沈丁花のような、 キュッと凝縮しつつ華やかさを失わない香りがある。 味は、南仏の産らしくやや甘めで酸味は少ない。 でも、バランスが悪いってほどではなく、「そういうものね」って程度ではある。 サクサクと飲めてしまう系で、抜栓後2時間もするとボトルは空に (で、そうスイスイ飲んじゃうと酔いの回りは早くてうたた寝しちゃうわけで)
 値段は安いし、ヴィオニエの特徴は出てるし、バランスも決して悪くないし、 万人受けしそうなワイン。 でも、「造り手がジャン・ミシェル・カーズで云々」なんて言われると、 もう一枚上手な内容を期待してしまう。 そういう意味ではラベルの印象どおり、 いかにもデイリーなワインの中では頭一つ抜け出したくらいのワイン。
70点自宅にて

8日(木)

Fleur de Lysee 2002
フルール・ド・リゼ 2002
Ch. le-Raz
シャトー・ル・ラズ
Rouge
Bergerac
ベルジュラック
Sud-Ouest (France)
南西地区 (フランス)
\767 (3本よりどり2,300円)2005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 ここんとこ1,000円超のワインが続いて、安ワイン道場としてはややバブリーな状態。 それを改善すべく選んだのが、 3本よりどり2,300円、1本あたり800円弱のワイン。 産地はボルドーからさらに南方にあるベルジュラック産。 料理は、冷奴、鶏とナスとピーマンのニンニク味噌炒め。 食後にはここんとこ道場定番のチーズであるコンテで。
 色はやや濃い目くらいでまぁ普通。 香りは弱い。深く嗅ぐとツンッとした酸をベースとした香りが感じられるくらいで、 果実の感じは特に弱い。 味は、南西地区のワインによくある鉄っぽい感じをベースとするものの、 特徴の無いのが特徴なようなアタックで、 飲み込んだ後はかなり強めの酸味が襲ってくる。
 トータルの印象としては、値段相応、普通の安赤ワイン。 鉄分が多そうで酸味もしっかりなんで、酸っぱいものが食べたい妊婦さんなんかには良いかも (って、妊婦さんは飲んだらイケマセン)。
66点自宅にて

7日(水)

Carmen Reseve Pinot Noir 2002
カルメン リザーヴ ピノ・ノワール 2002
Vina Carmen
ヴィーニャ・カルメン
Tinto
Maipo Valley
マイポ・ヴァレー
Maipo Valley (Chile)
マイポ・ヴァレー (チリ)
\1,3502005/09/03 やまや洋光台店 やまや
 本日の夕食は、プチ師範代のリクエストで豚肉のレタス包み、ニラ玉ベーコン。 プチ師範代も5歳になって、最近はなんだかコジャレた料理をリクエストするようになっております。 ワインは、久しぶりに行ったやまやで調達したチリ産のピノ・ノワールを。 ビーニャ・カルメンのワインは、 近いところではカベルネ・ソーヴィニョンとか飲んでいるけど、 なかなかしっかりした造りな印象がある。 もっとも、そういう造り方がピノ・ノワールでもオッケーなのかはわかんないけどね。 アルコール度数は14.5%、ちょっとこの品種としてはありえないくらいの高い数値だし。
 色は濃いには濃いけど、赤っぽさといい照りの感じといい、 気合の入ったブルとーニュとそうは違わない色合いのような。 香りは、南の方で造られたピノ・ノワールにありがちな(そりゃチリは地球上でも南ですが)、 野暮ったい果実香をメインとする香り。 加えて(ピノに限らず)チリ産のちょっと高級モノらしいバニラバニラな樽香もしっかり。 味はとにかく強い。渋味がばっちりで甘味も豊富で酸味も無いではない。 しんみりした旨味をベースとしたクラッシックなブルゴーニュ赤なんかとはまるで対極的な、 ドッスンバッタンとなぎ倒して進む系のピノ・ノワール。
 ・・・というようなワインなんで、当然というか半分を過ぎたあたりで飲み飽き。 また、アルコール度数の高さも杯の進みを遅らせている。 ま、なかなかなくならないというのは酒飲みにとっては嬉しいことだし、 なんだかんだで飲み干しちゃったりはするんだけど。
 予想通りというか予想以上というか、マッチョで田舎っぽくはあるけど、 そのポテンシャルは計り知れないものがあるピノ・ノワール。 こういうのを10年くらい置いといて、現状目立つ強さのカドが取れたらどうなるんだろ? 案外高級ブルゴーニュなんかと見分けがつかなくなるのかも。 誰かやってみませんか?
78点自宅にて

4日(日)

Eikendal Sauvignon Blanc Chardonnay Brut Sparkling Wine N.V.
エイケンダル ソーヴィニョン・ブラン シャルドネ ブリュット・スパークリング・ワイン (ヴィンテージ無し)
Eikendal
エイケンダル
Sparkling
発泡
Stellenbosch (South Africa)
ステレンボッシュ (南アフリカ)
\1,2802005/08/10 QUEEN'S ISETAN 品川店 大榮産業
 夕食はひさしぶりに手巻き寿司。 師範宅の手巻き寿司は、寿司種も寿司飯も素材的には何も凝って無いんだけど、 唯一「こうでなきゃ」と思っていることは寿司飯をサワラ材の寿司桶に入れていること。 やっぱりあの木の香りがプーンとしないと、寿司を食べてるって気がしないもので。 というわけで、手巻き寿司を食べる際に漂う香りは、 決して魚の香りなわけではなく(それは当たり前か)、 寿司酢とサワラの香りがメイン。 そういう環境下、選んだワインは南アフリカ産のスパークリング。
 まず、スパークリング・ワインとして外せない要素の泡立ちは、 キメこそ細かいもののボリュームは弱めで、フランス産だとクレマン程度かそれ以下のガス圧だと思う。 色は、ソーヴィニョン・ブランとシャルドネという白葡萄のみで造られている割には赤みの強いシャンペン・ゴールド。 香りのボリュームは値段以上。想像通り、ちょっと生木っぽい香りがあって、 それが寿司桶の香りと良い取り合わせ。 味は、結構濃い味で良いには良いんだけど、 こういう価格帯のスパークリングにありがちなエグミがあるのが残念。
 とはいえ1,000円ちょっとで飲めるスパークリング・ワインとしてはまずまずの内容ではないかと。 爽やか~なスパークリングじゃないので、 真夏にスカッと、というよりこれからの季節に良い感じかも。
73点自宅にて

3日(土)

Beaune 1996
ボーヌ 1996
Louis Page
ルイ・パージュ
Rouge
Beaune
ボーヌ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,9802005/07/28 QUEEN'S ISETAN 品川店 中部貿易
 夕食のメニューは赤イカとセロリとパプリカの炒め物、 牛肉とニンニクの芽の炒め物。 選んだワインはちょっと古いブルゴーニュで、 ラベルに"Air Lines Selection First Class"の文字がある。 Webショップとかでも、 この造り手のワインを『飛行機のファースト/ビジネス・クラスで採用されて云々』 との謳い文句で宣伝されているのを良く見るけど、 航空会社の機内サービスに採用されたから美味い、ってのはなんだか変な理屈に感じる。 機内サービスに採用する銘柄で、一番大切だと思うのは「安定供給できること」じゃないかなぁ。 希少銘柄でコロコロ仕入れや在庫が変わるなんてやってられないだろうし。 だとすれば、ある程度大量生産品である必要があって、 そういうのって普通販売店が宣伝する「美味い理屈」とは正反対じゃないかと。
 ・・・なんてな風にやや穿った見方をしながらの抜栓だったけど、 結果は良い方に裏切られることに。 まず色がしっかりと濃い赤紫色で、約10年前の良年産であることが見て取れる。 色に熟成感が無いかといえばそういうこともなく、ほんのりオレンジがかった色調にその歳月が感じられる。 香りは、抜栓直後は閉じきった感じ。 でも、深く嗅ぐと恥らうような妖艶な香りがウニーッと出てくるあたり、 なかなかエッチで心地よい。 味は良い感じに熟れている。 決して強い味わいじゃなく、果実味はもう僅かになって来てはいるけど、カツオだしのような旨味がタップリ。 また、こういうワインになると、渋味とか酸味とか甘味といった他の要素が別々には感じられることはなくなって、 文字通り渾然一体。
 まず言っておかなければならないのは、決してスケールの大きなワインじゃないということ。 だからワイン会やらで複数人で飲むとあまり印象に残らない可能性大。 でも、一人で飲むのにはホントに丁度良いワイン。 特に、このワインにとって9年弱の歳月は丁度良かったらしく、 本来のポテンシャル以上に「火事場の馬鹿力」的なパフォーマンスを発揮しているみたい。美味し。
81点自宅にて

2日(金)

Chateau de Marsan 2004
シャトー・ド・マルサン 2004
Ch. de Marsan (Confrier Freres)
シャトー・ド・マルサン (コンフリエ・フレール)
Blanc
Bordeaux Blanc Sec
ボルドー・ブラン・セック
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,0472005/07/28 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食の献立は、松茸の素焼き、長芋と鶏の煮物、豆腐のバター醤油焼き、銀ダラの西京焼き。 そういうメニューだと日本人として普通は疑う余地も間違う隙もなく清酒っすよね。 でも、残念ながら師範宅の在庫に清酒なし。 だもんでワイン在庫の中から一番清酒っぽそうなやつを選んで (「一番」っつったって白の在庫は3本しか無いけど)。
 抜栓してちょっとビックリ、コルクが昨日のワインのソレと酷似した合成コルク。 素材のみならず長さまでソックリ。販売店/インポーターが同じなのと関連あるのかな(考えすぎか)? で、色は昨日の白よりも更に薄めの色合い。 香りは、ボリュームとしてはコッチの勝ちかも。 柑橘類のような、というか柑橘類の花のような、 ツンッと清冽だけれどもどこか甘やいだ雰囲気のある香り。 なかなかよろしゅうございます。 味も、香りの印象どおり清冽な雰囲気。 いかにも新しいワインといった、やや金属的な要素も持った清冽さゆえ、 まろやか感においては昨日のワインに1~2歩くらい譲るけど。
 ともあれ1,000円くらいの白としてはなかなか良い感じに仕上がっていると思う。 安ワイン者におなじみのワインで例えれば、 もっと南の産のDomaine du Mageって白から、 良く言えば濃さ/悪く言えばくどさを抑えて、 没個性だけど一本飲んでも飽きない雰囲気にした、って感じ。
75点自宅にて

1日(木)

Macon-Charnay "Chuffailles" 2004
マコン・シャルネイ "シュフェイユ" 2004
Dom. du Clos Noly
ドメーヌ・デュ・クロ・ノリ
Blanc
Macon-Charnay
マコン・シャルネイ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,4492005/07/28 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 送別会続きでなかなか自宅で食事するチャンスの無い今週だったけど、ようやく今日は家で。 メニューは焼きそば。 焼きそばって、休日の昼食では良く作るメニューだけど、 夕食のメインになることなんて師範/師範代が所帯を持って初めてかも。 プチ師範代が「どうしても」っつったんでそうなったらしいですが。 と、ワインに合わせるにはちょっと迷うメニューだけど、とりあえず無難に白をチョイス。 選んだのは畑名マコン。 造り手/「マコン・シャルネイ」というAOCともに飲んだことが無いお初の稽古相手。
 さて抜栓。コルクは好きなタイプの合成コルク。 色は薄めで特筆すべき点のない色合い。ただ、値段の割にはネットリ感が強い。 香りはなかなか侮れない。蜜香があって、熟れきったリンゴのようで、 良さげなマコンの香りがいっぱい。 2004年産っつったらつい1年前に収穫されていて、 まだまだ若さ満点でさっくりスレンダーかと思ったけど、思いのほかお色気タップリ。 味も、コクがあってまとまりがあって、若さゆえの過ちっぽいのがあまり感じられず、 きっちりとマコンらしさが出ている。
 お手頃マコンの範疇ではあるけど、想像以上にきちんとした美味しさの感じられる。 こういうのは嬉しいね。 それに、2004年産だってもう十分に飲める、というか若くてもこういう雰囲気は出せるんですな。 例えて言えば・・・子役の頃の安達由美(だっけ?)かな・・・ちょっと違うけど。
77点自宅にて

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by 師範