稽古日誌:2005年3月

 学生時代からジワジワ~っと体重が増え続け、昨年の秋には約5kg太ってしまった。 ま、15年で5kgだからそんなもんか、と思ってたけど、 さとなおさんがサイト上で痩せる楽しさを トクトクと語るのを読んだりして、 ちょいと痩せてみようかと思いたった。 で、高機能体重計(USBメモリ付きで体重その他をPC上にグラフ化してくれるコレ) を買うとともに、軽~く筋トレしたり自宅から最寄のターミナル駅まで通勤時歩いたりするようにした。 必須としたのは毎朝体重計に乗ることだけ。 結果、約4ヶ月経った現在、学生時代の体重に戻りました。 体型も、主に腹周りと太もも周りが締まった感じ。 2005年3月1日現在、師範は身長173cm/体重64kgでございます。

翌月分

30日(水)

Domaine Martin 2003
ドメーヌ・マルタン 2003
Dom. Martin
ドメーヌ・マルタン
Rouge
Vaucluse (VdP)
ヴォークルーズ (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\8822005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食は、アジのタタキ、冷奴、豚ロースの肉巻き、 (育ち過ぎた)ベビーリーフと生ハムのサラダ、チーズのハム巻きといった支離滅裂的豪華版。 ワインはこのローヌ産。 販売店によれば、ギガルその他の有名ネゴシアンにワインを提供してきたらしいドメーヌ。 さらに販売店によれば、開くまでに24時間かかるなんて書かれていて、 抜栓後時間を置くことを強く推薦されている。 そんな面倒なワインは御免こうむりたいんだけど、 そういう強いワインがこういう手頃な値段で出されているのに興味を惹かれて購入。
 まず抜栓直後。色は相当薄い。ありきたりなACブルゴーニュのような頼りない薄さだけど、 照りのある赤紫でキレイな色ではある。 香りは弱め。あまり煮詰めない苺ジャムのような、 苺じゃなくてチェリージャム(ってのがあれば)のような雰囲気と、 ローヌにお約束のトボケたような青臭さのある香り。 味も軽め。渋味なんて舌の表面に薄っすらと張るくらいだけど、 ほんのりの甘味があったり、口の中で膨らむような旨味があったりで、物足りなさはあまり感じない。 とはいえ、師範の経験上、時間を置いて大変化するようなワインにも思えない。
 ということで最初は一杯だけ飲んで(その後はビールなんぞを飲んで)、 提案に従って3時間くらい経過あたりで再度飲み再開。 香りの傾向は同じながらボリュームがちょっと増したかな、ってくらいで大きな変化は感じられない。
 念には念を入れて、明日最稽古できるよう半分を残した。 でも、そう好転するとは思えないってのが初日の印象。 もちろん不味いワインじゃなくて、 旨味を中心に普通に(値段を考えれば普通以上に)楽しめるワインではあるけど。
 さて翌日改めて残りを稽古。香りのボリュームは確かに気持ち増したように思う。 また、特にへたった様子は見られない。 というわけで、確かに抜栓後時間が経った方が微妙に良い感じではあるけど、 抜栓後との差はごく僅か。敢えて早飲みを禁止するほどでも無いと思うけど。
71(+1)自宅にて

28日(月)

 本日は会社を休んでプチ師範代には保育園に行ってもらって、大変久しぶりの贅沢ランチ。 行ったのは、比較的近所にある鮨 割烹 鹿島という店。 過去にも、この時とかこの時とか、 座敷での利用はあったけど、 今回はカウンターに座ってお好みで(プチプチ師範代におとなしくして頂いて)。

 カウンターのあるスペースは座敷とは違うフロアにあって、 茶色の大理石をベースにしたなんだかやたら高級感のある雰囲気。 張り紙の類は全く無くて、当然ながらきちんと整理整頓も行き届いていて、 ピンッと張り詰めた空気。 でも、幸い?本日昼のカウンター客は我々のみ、 子連れでもあまり気兼ねする必要が無いんで大ラッキー。
 食べたのは、最初勘違い (予約時に「ランチで」と言ったら昼のランチ"鮨懐石"の予約と受け止められた)があって、 ホタルイカの酢味噌ホタテのヒモの酢の物潮汁が出されたけど、 そこから「握りで、美味しいところを一通りお願いします」と切り替えて、 出されたのが以下。
(ほぼ出された順だけど、若干順不同)
マダイ赤貝アイナメタイラ貝ナメタガレイアジ煮蛤焼き太刀魚甘エビシロウオ(右写真上)、 カツオスミイカシイタケアナゴの白焼き中トロ(右写真下)、コハダ数の子万願寺唐辛子スミイカのゲソマグロのヅケ葉ワサビの細巻きツブ貝サヨリ
の23種で多分全部だったと思う。師範代も同様。

酒は、瓶ビール(エビス500ml)を2本と清酒(隆 純米吟醸)を一合。

 で、これらが予想以上に美味い。 どの鮨も軽く仕事がしてあったりして、手塩皿を使わないもの。 寿司飯が小ぶりということもあって、いくらでも食べられる。 同じ店ながら過去の座敷利用で食べたお決まりの印象を遥かに凌駕する内容。 正直言って近場にこういう店があるんであれば、 わざわざ都内の一流店まで足を伸ばす必要は無いように感じられるくらい。

 また、寿司のみならずサービスもとても心地よいもの。 カウンター客は我々だけだったから、というのもあると思うけど、 おかみさんはプチプチ師範代を長いことだっこしててくれるし、 子連れの我々に対して嫌な顔をするどころか「タマの贅沢」を快くサポートしてくれて、 1時間以上のんびりゆっくり食べることが出来た。

 お会計は、トータルで17,000円強。同じものを都内の有名な店で食べれば、 倍近くするんじゃないかな? もちろんそこにはネタの質とか(産地やブランド等)の差があるんだろうけど、 今の師範らにはコレで十分。それくらい満足。


 昨日同様、夕食は自宅にて。

Bourgogne 2001
ブルゴーニュ 2001
Dom. Lucien Muzard
ドメーヌ・ルシアン・ミュザール
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,0792005/03/12 信濃屋 横浜店 メルシャン
 夕食は、自家製シュウマイ(整形byプチ師範代)、冷やしトマト、ニラと卵のスープ、 デザートには苺のフルーチェbyプチ師範代。 ワインは、昼にも結構アルコールを頂いているってこともあって、 やや軽そうな/でも満足度高そうなブルゴーニュ産をチョイス。 この"ルシアン・ミュザール"という造り手は師範的には見知らぬ方だけど、 お店のPOPによればこれから要注目の造り手とのこと。
 色は、ACブルゴーニュとしては標準的だけど、照りのあるキレイな赤紫。 香りは、どちらかというと木イチゴ系。その意味は、 ACブルゴーニュだとゴム革系と木イチゴ系に大別できる気がして、 その二分法だと師範の好きな側の(かつ多分高級側の)木イチゴ系、ということ。 ただ、ボリューム自体は決して強くなく、なんとなく漂うってくらい。 鯵も香りの印象のまんま。ピチッとキュートな木イチゴ系の味わいで、 特段の素晴らしさは感じないまでも、スルスルっと飲めてしまう雰囲気。
 クリアでキュートでスレンダーでイノセントで(分かったような単語並べてます)、 一人で一本飲むのに丁度いいワイン。 ただ、税込み2,000円超の値段を考えると、もうひと踏ん張り欲しいところではある。 というわけで、お店のPOPが言うように「これから要注目」かどうかは微妙。
74点自宅にて

27日(日)

 本日はプチプチ師範代生誕4ヶ月目。 これまではプチプチも小さかったり寒い時期だったりしたんで外出を控えていたんだけど、 それゆえガマンを強いられた姉、プチ師範代のご希望もありご近所レジャーで八景島シーパラダイスの水族館へお出かけ。

 昼過ぎに付いて、すぐ昼食、 島内マリーナ側に突き出した格好のTROPICAL INN Palmestonという店で。 ジャンル的にはポリネシア料理、ということらしい。 昼時なんでどの店も行列、その行列が比較的が短かった、というのがこの店にした理由。 八景島といえば、 近くには小柴のシャコや野島のアナゴといった東京湾でも有名な産物を持つ漁港があるのに、 島内に寿司/和食的な店は皆無。そういうところがあれば(一度は)行くのになぁ。
 メニューは以下。
師範:チキン唐揚げカレー \1,000
師範代:鳥やわらか煮とチーズのカレー \1,250
プチ師範代:お子様プレート \730
大人/子供ともソフト・ドリンクが付いているものの、値段的にはいわゆる観光地価格。 それでもそこそこ美味かった。 カレーの色は黒めでサラッとしていて、 それほどホットでは無くスパイスの辛味/野菜の甘味のバランスが良いタイプ。 ま、ファミリーレストランなんかも含めてカレーで大ハズシするところはあんまり無いけどね。

 夕食は自宅にて。

Torbreck "Juveniles" 2002
トルブレック "ジュヴナイルズ" 2002
Torbreck Vintners
トルブレック・ヴァントナーズ
Red
Barossa Valley (Australia)
バロッサ・ヴァレー (オーストラリア)
\2,8142005/01/31 お手軽ワイン館 ミレジム
 本日のワインは、先日飲んだ「ウッドカッターズ」の上級版。 お値段の2,814円は送料込みの値段なんで、ワインの単価として考えれば2,000円強くらい、 上級版といっても買値としては大きな差は無かったりする。 こちらは品種がグルナッシュ60%/ムールヴェードル20%/シラー20%で、 木樽を使わずに熟成されているそう。 他の差は、あちらはスクリューキャップでこちらは普通にコルクだったりする。 ちなみに料理は、豚肉のスタミナ焼きとか。
 さて抜栓。色は濃いには濃いけどビックリするほどではなく、常識の範囲内の濃さ。 香りは、豪州産ワインのイメージとは大きく違って、まさに南フランス産の雰囲気満載。 熟れ過ぎて柔らかくなった柿みたいな果実香、青畳のようなスパイス?香。 樽香が無いということで、物足りなく感じるかと思ったけど、 案外そういうこともなくて充実感のある香り。 味もさぞドスンと重く強かろうと思ったけど、これが予想外に柔らかい。 抵抗無く口の中に入ってきて長い余韻を残す、高級ワインっぽい味わいのカーブ。
 このトルブレックという造り手は、 ロバート・パーカーなるワイン薀蓄氏のお薦め銘柄らしいけど、 確かに凡百の造り手とは違う洗練された雰囲気が感じられる気がする。 ま、安いほうから2銘柄しか飲んでなくて造り手を云々するのもおこがましいけど。 とりあえず値段相応かそれ以上の満足度が感じられた。
82点自宅にて

26日(土)

プチ師範代の保育園ともだち、Kちゃんご一家がプチプチ師範代を見に拙宅へ。 もちろん昼から飲み会であります。

Grand Fleuron Brut Rose N.V.
グラン・フルーロン ブリュット・ロゼ (ヴィンテージ無し)
Henri Maire
アンリ・メール
Mousseux
発泡
Vin Mousseux de Qualite
ヴァン・ムスー・ド・カリテ
Jura (France)
ジュラ (フランス)
\1,1802005/03/12 信濃屋 横浜店 ローヤル オブ ジャパン
 まず料理は、タコとカリフラワーのサラダ、ナスやパプリカのイタリア風煮込み、 Kちゃんちに作って来て頂いたエビチリとキンピラごぼう。 ワインの一本目は、春らしくロゼ・スパークリングとシャレ込むことに。 モノは、ジュラ地区の造り手で、ベル・エポック風に花が描かれたボトルの安ヴァン・ムスー。 調べてみたら、大昔にブラン・ド・ブランを飲んで大ハズシした銘柄だった。 あちゃーって感じなんで、万が一を考えてカシス・リキュールを準備。
 色は玉ネギの皮よりやや赤みが強めのピンク色。 泡立ちや泡のキメは、そりゃシャンパーニュに比べればやや落ちるのは否めないけど、 それほど問題ないレベル。 問題があるとすれば一つに香りの弱さ。 スパークリング・ワインなのにパーッと華やかな感じが無い。 もう一つの問題は味わいのクセ。なんとなく垢抜けない赤ワインにありそうな、 エグみっぽい感じがある。
 ・・・というわけで、それほどNGなわけでもないけど、 やっぱりちょっと手を加えたくなってカシス・リキュールを加えてキール・ロワイヤルに。 その際にはロゼより普通のスパークリングの方が色の変化が大きくて良いですな。
67点自宅にて

Capsula Viola 2003
カプスラ・ヴィオラ 2003
Antinori
アンティノリ
Bianco
Toscana (IGT)
トスカーナ (インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
\9982005/03/20 富士スーパー 横浜南店 アサヒビール
 続いて白を。軽くて軽快なところを狙って選んだのは、トスカーナの名手アンティノリの安白ワイン。 この銘柄は稽古経験多だけど (ココココココ)、 冬に見かけるのは珍しい。 大抵前年に収穫されたワインが夏に販売されているみたいなんで、今年の夏の売れ残りかも。 普通のスーパーで売られているのも怪しいし。 あと、昔は"Galestro"って名前が付いていたけど、無くなったみたい。
 ボトルの外観からも判るように、色はほぼ無色に近い薄さ。 香りは、雰囲気こそフレッシュな柑橘類の感じがして良いんだけど、ボリュームにはちょっと不満アリ。 味も、元気ハツラツな頃はちょっと時期的に越えちゃったような気配。 なんか東京電力のCM(鈴木京香さんが出てるヤツ・・・関東ローカルでスミマセン、 ココで見られるみたい) に出てくるメガネの小学生のような、 ちょっとイケ好かない感じ。
 ・・・というわけで、こっちもそれほどNGってわけじゃないけど、 変化を求めてまたカシス・リキュールで割ってキールに。 そういうことって普通しないんで、客人にはウケておりましたが。
65点自宅にて

Chateau de Haute-Serre 1985
シャトー・ド・オート・セール 1985
Ch. de Haute-Serre
シャトー・ド・オート・セール
Rouge
Cahors
カオール
Sud Ouest (France)
南西地区 (フランス)
5本セットで\10,500 (単品価格は\2,480)2005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 料理はメインへと移って、鶏のトマト煮込み。 ワインもメインへと移って、赤をチョイス。 選んだのは、「飲み頃セット」として5本10,500円でセット販売されていた中の一本で、 カオール産の1985年、 厳密に割り戻したこのワインの相当額は2,132円。 20年前のワインなんてちょっと珍しかろう、なんて色気を出して選んだわけだけど。
 色は、さすがにエッジのあたりはレンガ色に変化しているけど、 全体にはまだまだ退色した感じはなく若さが感じられる色合い。 香りは、おとなしげな熟成香がはかなげに漂う感じ。 味もおとなしい。「あぁ確かに年期の入ったワインだなぁ」と感じられはするものの、 それ以上のものは無く、無駄に歳を取ったと思わざるを得ない悲しさ。
 普通のワインを20年間置いといたらこうなりました、というワイン。 まぁ20年持つってのは、それなりにシッカリしたワインだったのかも知れないけどね。 あと、色は普通のワインより相当タフだったのかな。 カオール産といえば「黒ワイン」とも言われるほど濃い色が特徴なんで、 それが奏功したのかも。
69点自宅にて

 ・・・と、今回は飲む人3人で3本、極めて常識的なトコロで終了。夕方前にはお開きに。


25日(金)

Chianti Colli Senesi 2002
キアンティ・コッリ・セネージ 2002
Poggio alla Sala
ポッジオ・アッラ・サラ
Rosso
Chianti Colli Senesi
キアンティ・コッリ・セネージ
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
\1,1402005/03/12 サンタムール カツミ商会
 本日の夕食&晩酌は、サッカー・ワールドカップ予選の日本対イラン戦を見ながら。 料理は牛肉とセロリとカシューナッツの炒め物とか ワインは、自宅で飲むのは久しぶりとなるイタリア産。 やっぱり当道場は「フランス偏重」の傾向があるみたいですな。 特にフランス産が好きってわけでも無いし、 安ワインとフランス産ってイメージの上でもあまり重ならないんだけど、 流通する種類としてはフランス産が多いのはいかんともしがたい事実。 結果、新規との稽古を重視する当道場としては、 どうしてもフランス産の数が多い、ということに。
 このワイン、ボトルの外観はいかにもモダンなトスカーナ産という感じ。 グラスに注いでみると、やや赤めでガーネットな雰囲気ながら濃さもあって、 見た目もちょっぴりモダン。 香りは、これぞイタリア、これぞキアンティ、 チェリーのようなちょっと汗臭いような、そういう外交的な香り。 樽は軽~くかかっているくらいか。 味は、やや厳しめの酸味が顕著。渋味もあるしうっすら甘味もあるけど、 全体を統括しているのは酸。 それも、ブルゴーニュの良いやつみたいな女性的で澄んだ酸ではなくて、 男性的でガッシリと舌を鷲づかみにする酸。
 ボトルの外観や色の雰囲気は新しげなキアンティの雰囲気だけど、 飲んでみると酸が主体でややトラディショナルなキアンティ。 典型的な特徴があってそれはそれで良いんだけど、 ちょっとカタブツな感じが拭い去れないのが残念。
71点自宅にて

23日(水)

Vin de Table de France N.V.
ヴァン・ド・ターブル・ド・フランス (ヴィンテージ無し)
Louis JULIAN
ルイ・ジュリアン
Rouge
(VdT)
(ヴァン・ド・ターブル)
(France)
(フランス)
\1,500 (1000ml)2005/03/05 ゴトー酒店 伊藤忠商事
 本来週頭の2日は休肝日にするんだけど、 今週は月曜休み&肝臓数値も健康状態ということで、休肝日は1日だけということに。 その罪滅ぼし的な気分もあって、やや飲酒量をセーブして、 1リットルのワインを今日/明日の二日に分けて飲むことに。 で、ワインがコレ、 いかにもフランスの一般のご家庭で飲まれているような風情のテーブルワイン。 外観の安っぽさは道場2,400本以上の歴史の中でもトップクラス、 薦められなければ絶対手を出さなそうな佇まい。 でも、(DRCがそこ用のキュヴェを造ったことで日本でも有名になった) パリの酒販店「カーブ・オージェ」では大人気のワインだとか。 また、栽培と醸造法も無農薬栽培かつ無添加ということらしい。
 というわけでまず初日、料理はハンバーグとか。 栓は、プルタップみたいな薄い金属製の覆いの下に、 写真フィルムのケースの蓋みたいな簡易的な栓がしてあるもの。 このあたりもボトルの外観に違わぬ安っぽさ。 色は薄めだけどべらぼうに薄いわけでもなく、ACブルゴーニュとかだったら普通にありそうな色合い。 ボトルの外からも判るけど、やや濁っているのは無ろ過の影響か。 香りは、ふつーに葡萄の香りもあるけど、最も顕著なのは温泉水のような硫黄の匂い。 SO2(二酸化硫黄)を使ってないワインの香りが硫黄臭ってのはなんだか不思議なものですな。 味は、笑っちゃうくらい葡萄そのまま。 フレッシュな葡萄ジュースから甘味を引いて酸味を足して、 サービスでアルコールと炭酸も入れときました、ってな味わい。 香りはさすがにワインだけど、 味だけとれば葡萄ジュースにウォッカ入れて炭酸で割ったような、 良く言えば非常にシンプル、悪く言えばあまりに単純な味わい。 こういうワインだと当然冷やして吉と思い、後半は冷やして飲んだ。
 ・・・と、字面だけ見れば正直言って美点のないワインなんだけど、 実際飲んでるとこれがクイクイ飲めてなかなか止められないんですな。 結果、半分で止めるつもりがなんだかんだで丸一本(1リットル)飲み干してしまった。
 とにかく小細工のない葡萄醗酵果汁。 人相風体はあまたの激安ワインみたいだけど、変に味付けされてたり甘味があったりせず、 グイグイガブガブ飲んでもちっとも抵抗感の無いワイン。 高級感とか存在感とかは皆無だけど、 日常の晩酌に飲むんだったらこういうのもアリじゃないか、 というか変に疲れるワインより毎日の食卓にはふさわしい気がしたりする。 もしかして日本でもワイン産地の人たちは案外こういうのを毎日飲んでるのかも。 山梨とかの一升瓶ワインもこんな感じなんですかね?だとすればちょっと飲んでみたい気もする (変に甘いヤツだと御免蒙りたいけど)
72点自宅にて

21日(月祝)

Boland Kelder Cabernet Sauvignon 2002
ボーランド・ケルダー カベルネ・ソーヴィニョン 2002
Boland Kelder
ボーランド・ケルダー
Red
Oorsprong Paarl (South Africa)
オールスプロング・パール (南アフリカ)
\1,2802005/03/05 ザ・ガーデン 東戸塚店 ピーロート・ジャパン
 月曜は本来休肝日なんだけど、 休日の今日は個人的に「ハッピーマンデー法」を適用して働肝日に。 料理は、師範代ご謹製ビーフシチュー。 師範宅でビーフシチューというと大抵師範が作ってたんだけど、 今日は師範代が新たなレシピの挑戦、ということで。 だもんでワインは当然赤。昨日も書いたように鼻の機能が万全じゃないんで、 ストレートに濃いヤツを。 このワインは買う時に試飲済み、濃いであろうことはそもそも分かっていたので安心して登用。
 色は墨汁のように濃い青紫。 香りもなんだか墨汁。とにかくミッチリと濃い香り。 煙たいような雰囲気と、カシスのような濃く赤い果実の香り。 そのいずれもが濃くてなんだか墨汁。 プチ師範代に香りのテイスティングをお願いしたところ、「パンジーの香り」だそうな。 親バカかもしれないけど、確かに言われてみればスミレっぽい花の香りも感じられる (でもパンジーってほとんど香りしないよね)。 味は、ハイ参りました、ってくらい強い味わい。 このワインに使われたカベルネ・ソーヴィニョンの実なんて、 きっとブルーベリーくらいの大きさしか無いんじゃないか、 ってくらい皮めの要素が強い味わい。
 ・・・ってなわけで、そのパフォーマンスの高さは十分理解しつつも、 さすがに飲み疲れするんですな。 例えて言えばヤマハ・ミュージックコンクールで優勝した6歳の天才ピアニストの演奏を聞いているような感じ。 この造り手のワインは、同時にピノタージュも買っていて、 そっちの方がややおおらかな感じだったんでそれに期待。 ちなみに、後半は昨日同様白菜漬けに合わせた。さすがに相乗効果は期待できないけど、 相手がド濃い赤でも違和感なく楽しめた。白菜漬け万歳!
75点自宅にて

20日(日)

Angove's "Bear Crossing" Chardonnay 2003
アンゴヴズ "ベアー・クロッシング" シャルドネ 2001
Angove's PTY
アンゴヴズ PTY
Blanc
South Australia (Australia)
南オーストラリア (オーストラリア)
\1,2502005/03/05 ザ・ガーデン 東戸塚店 ピーロート・ジャパン
 本日の夕食は、カンパチとヒラメとマグロ中落ちの刺身や肉じゃがなんかの和風メニュー。 選んだワインは豪州産の白。 コアラの絵が描かれたポップなラベルは、 普通であれば「お土産ワイン」と判断して敬遠するんだけど、 買った日は試飲販売していて、樽に頼らずギュッと締まった味わいがなかなか好印象で購入。
 色は、先日飲んだコルシカ島産にも似た濃いレモン色。 香りは、試飲した時の印象と同じく、 樽もありはするものの目立たず、葡萄本来の香りをギュッと凝縮した感じ。 味も、一本調子といえばそうだけど、必要以上に甘かったり重かったりしない、 「分相応」をわきまえた感じの味わい。 だもんで魚メインの和食との相性も良好。
 後半、門下生報告に倣って白菜漬けにも合わせて見た。 いやー盲点でした。非常に良い感じに合いますな、ワインと漬物。
 試飲して買ったこともあって、期待通りの内容を期待通りに発揮してくれた、という感じ。 豪州産といえば強い樽香、という時代はもう終わってるんですな。 バランス重視でオトナなワインでありました。
75点自宅にて

19日(土)

L'Anglore "Cuvee Voies Off" 2003
ラングロール "キュヴェ・ヴォワ・ゾフ" 2003
Eric Pfifferling
エリック・ピフェルリング
Rouge
Cotes du Rhone
コート・デュ・ローヌ
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
2005/03/05
 本日の夕食はトンカツ(一口ヒレかつ)と海老クリームコロッケ、ベビーリーフのサラダ。 揚げ物って美味いよね。 師範宅はちょっぴり贅沢して揚げ油にはキャノーラ油を使っております。 その方がなんとなくカリッと香ばしく出来るような気がするから。 で、ワインがコレ、コート・デュ・ローヌの赤。 訳あって入手先は書けないけど、入手価格は1,000円台後半。
 色は普通に濃い南仏風の色合いだけど、ちょっと濁った感じがするのは無ろ過のせいか? 香りは、「スパイシー」というんだろうか、ツンッと刺激的で元気の良い果実香が顕著。 木樽はほとんど使っていないと見た。 味は、抜栓直後はスティル・ワインとしてはかなり強めの炭酸を感じて、ジリジリっとした感じ。 ストレートに葡萄っぽい味わいと炭酸とで、なんとなくファンタ・グレープみたい。
 こういうワインは時間を置いて吉、ってことで半分強を残して4時間後くらいに再稽古(その間はうたた寝とか)。 色は変化無い(あたりまえか)、香りもほぼ変化無し。 味は、狙い通り炭酸が抜けて、普通に楽しめるワインになっている。 ただ、香りも含めて味わいの傾向に変化は無くて、タフといえばタフだけど、 反面カタブツで面白みに欠ける印象は禁じえない。
 ACコート・デュ・ローヌとしてはかなり良く出来た印象だけど、 1,000円台後半という値段を考えるとまぁそれくらいは期待するわけで、大絶賛というわけでもない。 今日は鼻づまりが酷くて、このワインのパフォーマンス全てを受け止めきれていない気もするけど、 ワインなんて一期一会の飲んでナンボ、そういう時もありますわな。
77点自宅にて

18日(金)

Bourgogne Hautes-Cotes de Beaune 2001
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ 2001
Dom. Roux Pere & Fils
ドメーヌ・ルー・ペール・エ・フィス
Rouge
Bourgogne Hautes-Cotes de Beaune
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,2922005/03/12 サンタムール カツミ商会
 ようやく週末の金曜日。本日の夕食は豚肉となすの南蛮酢、豆のトマトスープ。 ワインは、白の場合は結構コスト・パフォーマンスが高い印象があるドメーヌ・ルーの オート・コート・ド・ボーヌ赤。この造り手の赤だと、 1年半前にACブルゴーニュのピノと稽古している。 ほとんど記憶に無かったんだけど、コメントを読み返すと確かに記憶に無くて当然っぽい内容。 コレも値段的に大差ないんで、大きくは期待できないな、と思いつつ抜栓。
 色は思いのほかオレンジがかっている。2001年もものによっては熟成しはじめてるのかな? 香りは、最初ほぼ無臭。こりゃブショネかと思ったけど、 口に含むとちゃんとブルゴーニュらしい革っぽい妖艶系の香りがある。 味もなんだか熟成系。ほんのり甘酸っぱくて、角が取れてて、 スイスイ飲める雰囲気。
 1年半の時の流れが功を奏したのか、なかなかどうして味わい深いワイン。 でもこれ以上齢を重ねることはこのワインにはちょっと厳しいかも。少なくとも師範の嗜好においては。
76点自宅にて

17日(木)

Vina Maipo Carmenere 2003
ヴィーニャ・マイポ カルメネール 2003
Vina Maipo
ヴィーニャ・マイポ
Tinto
Central Valley (Chile)
セントラル・ヴァレー (チリ)
\7802005/03/10 コープかながわ サントリー
 本日は遅い時間での帰宅、かつ週末に料理用ワインが必要ということで、 丸一本は飲まずにカップ一杯分取りおくことに。 そこで、価格的にも内容的にも料理に使って良さそうなワインを、と思いチョイスしたのがコレ、 チリ産の安赤ワイン。 チリ産ワインとの稽古はかなり久しぶり、 検索エンジンで調べてみたらほぼ一年前に飲んで以来。 一時期は安ウマワインの代名詞のように言われたチリ産だけど、 最近はなんだか影が薄くなりましたな。 もちろんまだ沢山売られてはいるんだけど、 あまりリピート買いしない師範にとっては新銘柄が出ないと稽古する機会が無いわけで。 ちなみに本日の料理はロールキャベツ、ブロッコリーのサラダ。
 ほんでもって飲んでみて、「あぁ確かにチリワインってのはこんなんだったよなぁ」と思い出す、 典型的ともいえる南米産の雰囲気。香りは、値段から考えると恐れ入るボリュームで、 ボルドーっぽいイガラっぽさが半分、 ニューワールドらしい果実っぽさが半分。 味は、甘味と渋味が強くて相互に独立で、濃いには濃いけどとっても単調な濃さ。 あと、造り手の個性か品種の個性か、 思いのほか酸味がしっかりしているのが嬉しい誤算。
 芋虫のような指で、爪の中まで真っ黒なお百姓さんが、 ガンガンに熟れた葡萄を枝やら葉っぱごと摘んでタンクに入れて醸造したような、 荒っぽくも逞しい古き良きチリワイン。 インパクトがあっておぉっと思うけど、やっぱり後半飲み飽き。 「チリワイン」というジャンルの扱いもそうなんじゃないかな? 値段以上の存在感に市場はおぉっと思ったけど、そればっかりだとやっぱり飲み飽きする感じで。 ともあれこのワイン自体は結構楽しめた。料理用にもバッチリでしょう。
72点自宅にて

16日(水)

Domaine de Lichetto Chardonnay 2002
ドメーヌ・ド・リシュット シャルドネ 2002
Dom. de Lichetto
ドメーヌ・ド・リシュット
Blanc
L'Ile de Beaute (VdP)
リル・ド・ボート (ヴァン・ド・ペイ)
Corse (France)
コルス (フランス)
\1,0292005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 二日間の休肝日明け、かつ肝臓の健康も確認(γ-GTP=39)されて、気持ちよくワインが飲める今日。 料理は、鯵のタタキ、ベーコンと春キャベツの炒め物、 タコとカリフラワーとキュウリのサラダといった軽快系なんで、 「基本はサッパリ+ちょっとコクがある」系狙いでコルシカ島産のシャルドネをチョイス。 要するに5年前に飲んだコレみたいなのを期待して。 それにしても、コルシカ島の原産地呼称は"Vin de Pays de l'Ile de Beaute"、 直訳すると「美しき島の地酒」、なかなか良い名前ですな。
 さて抜栓。色は思いのほか濃いレモン色。まるでオロナミンC的な色合い。 香りは、蜜のような甘めの香りと花のような派手めの香りがパッと感じられて、 なかなか感じの良い雰囲気。 で、こういうワインってダラッと甘いんだよねぇと思いつつ口に含むと、 意外と酸があって締まった感じ。もちろん「涼やか」と言うには遠く、 南仏らしい「暑さ」を感じるワインだけど、バランスは決して悪くない。
 想像はほぼアタリ、サッパリした感じとコクを併せ持っていて、なかなかどうして侮れない白ワイン。 ちょっぴりポッチャリで、愛想が良くて・・・なんて芸能人を思い浮かべていたら、 欽ちゃんの番組で「のぞみ・かなえ・たまえ」っていう名前の三姉妹(たしか「わらべ」だったか)のうちの、 一番ぽっちゃりした女性を思い浮かべた。 ファンだった、とかそんな理由は毛頭無く、神に魅入られるように脳裏に浮かんだだけ。 要はやや緩めだけどその緩さを可愛らしさとも取れる微妙な線、 でもなかなかイケてると思う。1,000円でコレはCP高い。
76点自宅にて

13日(日)

Borie la Vitarele "Les Schistes" 2001
ボリー・ラ・ヴィタレル "レ・システ" 2001
Alex Planes
アレックス・プラネ
Rouge
Saint Chinian
サン・シニアン
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\2,8002005/03/05 ゴトー酒店 伊藤忠商事
 先日久しぶりにゴトー酒店を訪問した際に購入したうちの一本。 店主の後藤さんが昨年フランスへ行かれた際、 今流行りのビオ系造り手の蔵めぐりをされてきたらしく、 その時に気に入ったワインとのこと。 アルコール度数は14.5%と表記され、相当強そうなんで、 時間をかけて飲める日曜を待っての稽古。 ちなみに料理は、ナスの揚げびたし、キュウリのスティック、焼いたイカ天、 大根ツナサラダ、牛和風ステーキという豪華版。
 色は、気合の入り方がしっかり見て取れる濃紫。グラスの肌を伝わり落ちるネットリ感も十分。 香りは、注いですぐは湿布薬のような不思議な香り。 それをクルクルとスワリングすると煮詰めたイチゴジャムのような甘いフルーツ香りがブワッと。 口に含むと、樽由来なのか甘香ばしい香りがしっかり。 味は、想像通りかなり濃く太い。口に含んですぐはチリチリっと刺すスパイシーな刺激があって、 そのあとゴーンと口の中で存在感を発揮して長々と余韻を残すあたりは、 そんじょそこらのワインでは出せないパフォーマンス。
 時間が経つと、最初の湿布薬香は飛んで行った。あれがいわゆるビオ香なのかな?  その他の要素は3時間以上経っても健全、というかより力強い方向に変化した感じ。
 ラングドック・ルーション地方のワインだけど、飲んだ印象はパワフルな南ローヌ産といった感じ。 やや荒削りではあるけれども、かなり高いポテンシャルを持ったワインだと思う。 そのパワフルさゆえ飲み干すのに時間がかかり、結局夕方6時に抜栓して夜11時までチビチビと。 1時間あたり500円強で楽しめたと思えばなかなかお買い得感がある。 多分翌日に残しても平気だったでしょう(ただ師範は月火休肝日を理由に飲み干し)。
81点自宅にて

12日(土)

Domaine de Coussergues Chardonnay 2003
ドメーヌ・ド・クーセルグ シャルドネ 2003
Dom. de Coussergues
ドメーヌ・ド・クーセルグ
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ド・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\1,1972005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食は天ぷら。種は、海老(ブラックタイガー)、水ダコ、 人参、ピーマン、ナス、カレー味のレンコン。 師範代の天ぷらは、天ぷら屋のソレとはかなり違う、 衣が薄めで時間が経つとシナッとする、いわゆる家庭の天ぷら。 こういう時にはカウンターキッチンが良いですな、 シナッとしない揚げたてをお座敷天ぷら気分で食べられるから。 反面、独立型のキッチンと比べて油の匂いがダイニング側にもれやすいという欠点もあるけど。
 そういう状況なんで、選んだワインはパワフル系と思われるワインをチョイス。 コレと同じ造り手で、 販売店の売り文句とかを読んでもパワフルそうな印象。 天ぷらの時って、白でもそういう粗くも強いワインが合いそうな気がする師範。
 色はかなり濃い黄色で、パワフル系らしい色合い。 香りは弱い。傾向としては蜜入りリンゴっぽい甘やかな香りだけど、 いかんせん詰まった感じで伸びやかさが無い。 味は重甘い。パワフルな感じは確かにするけど、 筋肉質なプロレスラーのパワフルさじゃなくてアンコ型力士のような感じ。
 とにかくこのワインの欠点はフレッシュさに欠けること。 だもんでなんとなく劣化したワインにありがちな傾向が見て取れるんだよなぁ。 それは前回もそうだったんで、 本質的にそういうものなのかも知れないけど。
64点自宅にて

11日(金)

 元バンドのメンバーとO氏宅を訪問。飲む人3人 (O氏の甥っ子もいたけど中学生ゆえ当然飲まなくて勘定外)、 O氏ご謹製サラダ等と、デパ地下のお惣菜なんかを食べながら。

Pommery Brut Royal N.V.
ポメリー ブリュット・ロワイヤル (ヴィンテージ無し)
Pommery
ポメリー
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\2,8802005/02/11 リカーズ ハセガワ 八重洲北口店 中部貿易
 訪問の手土産に、八重洲地下街で買ったシャンパーニュ。 珍しくもなんとも無いポメリーだけど、 冷えた状態で売られているシャンパンなんて銘柄は限られるわけで、 他にはモエ・エ・シャンドンとかドン・ペリニョンとかしか無かった。 そんななかで、3,000円以下というお手頃価格、かつ嫌いな銘柄でもないのでコレを購入。
 もう一人が遅れたんで、師範がO氏宅に到着した後抜栓までにはかなり時間があり、 十分に冷やすことができた。 何が大事ってスパークリング・ワインは冷えてることが一番大事だと感じる師範であります。 で、ワインの内容的には、特段の個性も無い代わりけなす部分も見当たらない、 さすがは大手といった造り。モエなんかと比べるとややコクがある系かな、といった感じ。 「ポメリー」って、語感が柔らかいんで優しく涼やかな印象を受けるんだけど、 実際は他の大手系より気骨のある造りのような。
 ともあれ手土産としてはハズさないことが何より大切、 そういった意味では十分にその任を果たしてくれた一本。
77点O氏宅にて

Volnay 1997
ヴォルネイ 1997
Dom. Monthelie-Douhairet
モンテリー・デュエレ
Rouge
Volnay
ヴォルネイ
Bourgogne (France)
ヴォルネー (フランス)
(O氏より)2005/02/11 サントリー
 以降の赤はO氏宅のワインセラーから物色。 まずは赤も軽そうなのから行きましょう、ってことで、ワインセラーを覗くとコレを発見。 知らない造り手のヴォルネーで、O氏が買ったわけではなく頂き物とのこと。
 抜栓してまずビックリ、コルクの裏が真紫。 ブルゴーニュでココまで色が付いているのは珍しいなぁってことでO氏に 「ずっと置いといたの?」と聞いたら去年貰ったとのこと。 その時点でがぜん期待大。 色は、やや熟成が入ったレンガ色風の赤紫。 ワイン自体の色はそれほど濃いわけではない。 香りは妖艶系で、動物的な香りと熟れ過ぎた果実が渾然一体。 改めてヴィンテージを確認すると1997年、確かにモノによっては熟成感が出始めるお年頃だなぁ、と。 で、味も良い感じにおとなしくなっていてスイスイ入る。
 若くてピッチピチの時期が過ぎて、ややオトナになって妖艶さが出始めた、ってところか。 良い意味で「人気に蔭りが見えてヌード写真集を出した女優さん」みたいな具合。
81点O氏宅にて

Echezeaux 1999
エシェゾー 1999
Mongeard-Mugneret
モンジャール・ミュニュレ
Rouge
Echezeaux (Vosne Romane Grand Cru)
エシェゾー (ヴォーヌ・ロマネ 特級畑)
Bourgogne (France)
ヴォルネー (フランス)
(O氏より)2005/02/11 サントリー
 次はメイン級のヤツを行きましょう、ってことで選んだのが、このエシェゾー。 造り手はモンジャール・ミュニュレ。 購入はカーヴ・ド・リラックスで、6,000円台だったとのこと (後で確認したら、同じくO氏からの提供で3年前に既に稽古していた)。 モンジャール・ミュニュレのワインって、 こういう特級畑でも比較的お手頃価格で入手できるし、 ワイン通な方の間ではあまり良い評判を聞かないんだけど、 安いのは安いなり、高いのは高いなりの味わいがあって、 大ハズシすることもないんで師範は信頼している。
 さて抜栓。まずコルクが前のワインより5mmほど長くてちょっと嬉しい。 色は、普通のブルゴーニュと大差ない。 良年1999の特級だったらさぞやと思ったけど、色にそういうプレミアム感は見られない。 でも、香りはとってもプレミアム。鼻で嗅ぐとベリー系のフルーツ、 口に含むとバニラとカラメルでまるでプリン・ア・ラ・モード (だっけ?フルーツパーラーとかにあるプリンの周りにフルーツの乗ったやつ)のよう。 味も非常に端整。敢えて欠点を探すと、やや酸に欠けて緩さがあるような気がしないでもないけど、 そのあたりはヴィンテージの特性か?
 ・・・なんて些細なことは置いといて、十分美味くてまさに高級ブルゴーニュ。  上のワインと比べると、格に於いては2枚くらい上手。 でも飲む時期は上のに分があったか、という感じ。 昔の記録を見返しても、若いうちに飲んだ方が好印象だったみたいなんで、 若干「谷の時期」なのかも。
85点O氏宅にて

Chateau Gruaud Larose 1994
シャトー・グリュオー・ラローズ 1994
Ch. Gruaud Larose
シャトー・グリュオー・ラローズ
Rouge
Saint Julien (2e GCC)
サン・ジュリアン (メドック2級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
(O氏より)2005/02/11 サントリー
 飲む人3人で4本目、特に師範はシャンパーニュの前に缶ビールを飲んでたり、 前半から美味い美味いと飛ばしてたんでこの時点では相当メートルが上がった状態。 でもワイン・チョイスには参加(というか率先)、 やっぱボルドーっすよね、ってことで、 前の前のヴォルネーと一緒に貰ったらしいコレを。 グリュオー・ラローズって、級の付いたワインであることは知ってたけど、 2級だったとはいざ知らず。 ちなみに、以前にワインバーで1991を一杯だけ稽古済み
 ・・・というわけで、師範は2杯目で沈没したりしていて、大変もったいないことをしたわけだけど、 薄っすらと残る記憶を辿って思い出して・・・。 色はそんなに"熟成~!"って感じじゃなくて、まだまだ青紫色だったような。 香りは年齢なりに熟成していて、味もそれに見合ってクターッとしていたような。 で、美味いっちゃ美味いけどもう一声ガツンと来るものが欲しいよねぇ、 などと話しながら飲んでいたような。 そりゃそんだけ飲んでたらガツンと感じなくもなりますわな。
 あーもったいなぁ。酔っ払った師範にワイン選びさせちゃいけません。
(79点)O氏宅にて

 師範はこのワインで沈没だったけど、 同行したW氏はその後も焼酎をガンガンいってた。恐るべし。
 というわけで、人様宅のワインを遠慮無しに飲んだ夜。 ありがとね>O氏


10日(木)

Saumur "Tuffeau" 2002
ソミュール "トゥフォー" 2002
Cave des Vignerons de Saumur
カーヴ・デ・ヴィニュロン・ド・ソミュール
Blanc
Saumur
ソミュール
Loire (France)
ロワール (フランス)
\8902005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日はかなり遅い時間の帰宅ということと、 料理がタラの煮付けや山芋とインゲンの煮物という和風メニューゆえ、 軽快系でサクッと飲めそうな白をチョイス。 モノは、産地的には昨日に引き続きロワール産、 以前飲んだと同じ造り手/AOCの白。 それにしても師範は最近ボトル写真の撮り方が上手くなりましたなぁ。 普通のデジタルスチルカメラを使って、普通の照明下で撮ってるんだけど、 下手なWebショップの写真なんかより忠実に被写体を捕らえていると自画自賛。 ちなみに、大きい画像を表示すればもーっと鮮明なんだけど、 データは軽い方が良いのとラベルの著作権に配慮してこのサイズ。
 色は、ボトルの緑色から想像されるレモン色っぽい感じじゃなくて、 微妙に麦ワラがかった枯系の黄色。 香りは、やや甘い雰囲気でちょっと沈丁花のような感じがあって、 加えてわずかにゴムっぽく、なんとなくドイツワイン(てアバウトな)のような雰囲気。 味は、香りから想像するほどには甘くないけど、でもやっぱりちょっぴり甘め。 弱いながらも酸味やコクもあって、全体に弱いながらもこぢんまりまとまっていて好印象。
 抜栓後1時間半くらいで飲み干したんで、変化する感じは不明。
 サクッと飲み干したいという要求を満足し、和食との相性も悪くなく、 本日のチョイスとしては正解。 ただ、このワインのクオリティ自体を査定したとすると(んなこと師範にできっこないことは置いといて)、 まぁ値段相応という感じもする。
72点自宅にて

9日(水)

Chinon "Vieilli Sous Bois" 2002
シノン "ヴィエイィ・スー・ボア" 2002
Paul Buisse
ポール・ビュイッス
Rouge
Chinon
シノン
Loire (France)
ロワール (フランス)
\1,1972005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食はグラタン、水菜(翌日、師範代から指摘アリ。三つ葉だそうな)と豚肉の炒め物、トマト。 ワインは、当道場では登場回数の少ないロワール産で、AOCはシノン。 普通はスルーしそうなワインだけど、 リアル・ワイン・ガイド第七号で「2000円以下の本当に美味しい赤ワイン」で取り上げられた一本だったんで、 買ってみることに。 小さくてシンプルだけどなんとなくイタリアワインのような洒落たラベル、 スラッと背が高く重みのあるボトル、外観からはなかなかイケてそうな風情を醸し出している。
 色は、濃くなく薄くなく、赤くなく青くなく、赤ワインの色平面のど真ん中といった感じ。 香りはそこそこ良いボリューム、ツンッとくる酸の香りと、ややカドのある果実香。 シノンって品種はカベルネ・フランだっけ?と思い起こさせる香り。 味は、甘酸っぱさの山と渋さの山が混じりあうことなく並んでいて、やや分裂気味。 ある種のボルドーに通じる味わいで、やっぱりコレはカベルネ・フランだよな、と。
 抜栓後3時間くらい経過しても、味わいの二つの山は一向に歩み寄る気配はなく、 渋味の山がまずます顕著に感じられて、更にとっつきにくい雰囲気に変化。
 頼りなさとかはなく、変な雑味もなく、美味いワインの要素は持っていると思うんだけど、 いかんせんなんだかバランスが悪くて険しいワイン。 抜栓直後が一番良かったかな。でももう少し置いといた方が良いワインなのかも。
69点自宅にて

6日(日)

Chateau Haut-Myles 1997
シャトー・オー・ミル 1997
Ch. Haut-Myles
シャトー・オー・ミル
Rouge
Medoc (Cru Bourgeois)
メドック (ブルジョワ級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
5本セットで\10,500 (単品価格は\1,554)2005/02/11 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
 本日の夕食は、久しぶりの手作り餃子。 師範宅の餃子は、売ってる挽き肉は使わず、 豚バラ肉の塊を叩いてミンチにして使う肉々しい一品。 それを焼き餃子と水餃子に。 ちなみに皮は市販品。自作した皮って、 きっと厚くなってしまって手間の割に美味しく出来るようには思えないから。 で、ワインは、赤であればなんでも良さそうなんで、久しぶりにボルドーを。 このボルドーは、「飲み頃!熟成5本セット」として売られていた送料込み10,000円の中からで、 厳密に割り戻したこのワインの相当額は1,336円。 ボルドーで1997を「熟成」と銘打つのはどうかしら・・・って感じがしないでもないけど。 あと、当道場では"オー・ミル"と表記したけど、販売店(輸入元)の表記は"オー・メイレ"。 "Myles(アクセント記号無し)"を「メイレ」とは読めないと思うけど。
 色は、ほんのちょっとエッジがオレンジ色かなぁと感じる程度で、 このワインを年寄り扱いするのはちょっとまだ早い感じ。 香りにビックリ。ボルドーらしいカシスと消し炭の香りがブワッと。 また、香りにはやや熟成感が出ている。 1997のボルドーって、どちらかというとハズレが多い印象があるけど、このワインの香りはまさにアタリ。 味は、強さはすっかり消えうせてクターッと柔らかにたおやかに時を経た感じ。
 抜栓後2時間、香りはボリュームを保ったままだけど、味わいが痩せてきたような。 販売店のWebサイトによると、抜栓後時間を置くことが推奨されているけど、 師範的には即飲んだ方が趣味に近い。
 色は別にして、香りや味には確かにちゃんと熟成が感じられるし、 そんなことは置いといても素直に美味しく感じられ、なかなかいい感じに仕上がったワイン。 これが1,500円くらいってのはかなりコスト・パフォーマンスが高い。 「熟成5本セット」、ここまで5本中2本全てがアタリ。
79点自宅にて

5日(土)

 本日は、プチプチ師範代の生誕100日目ということで「お食い初め」、 それと「初節句」を合わせてお祝いすることに。 料理は、鯛の塩焼き、赤飯、ハマグリのお吸い物、刺身盛り合わせ(黒ムツがヒット)、 ちらし寿司、鳥手羽の唐揚げ、 ベビーリーフとトマトとカニカマのサラダ等、 日本のお祝い料理の定番がズラズラーっと。
Mailly Grand Cru Brut Reserve N.V.
マイィ "グラン・クリュ" ブリュット・レゼルヴ (ヴィンテージ無し)
Societe de Producteurs Mailly
マイィ生産者組合
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\3,1292005/01/31 お手軽ワイン館 重松貿易
 ・・・ってな訳でワインも贅沢にシャンパーニュ、 マイィ村の生産者組合(CM : コーペラティヴ・マニピュラン)によって造られたもの。 村の格付けがグラン・クリュ(100%格付け)なんで、ワインにも"Grand Cru"の表記あり。 なんたってお祝いですから、それくらいハッタリの効いたものが良さそうで・・・って、 家族水入らずのお祝いなんで、ハッタリもなにも飲むのは師範だけなんだけど。
 色はそこそこシッカリ系。赤銅色を薄めたような感じがあって、ちょっと古めのキュヴェなのかな、 と想像させる色合い。 香りは、いかにもシャンパーニュらしいパンや味噌みたいなイースト香バッチリの香り。 味も、しっかりとした凝縮感とかなり進んだ熟成感が感じられる。 どことなく荒っぽいというか、ぶっきらぼうな感じがあるのが玉にキズ。
 十分シャンパーニュらしいシャンパーニュではあるけど、 グラン・クリュの名前を真に受けるとちょっとハズされるかな、って感じ。 そういった意味では先月飲んだプルミエ・クリュ表記のものの方が好印象。 シャンパーニュでそういうクリュを気にする人は少ないと思うけど、 実際あまり有り難がる必要もないと思う。
75点自宅にて

4日(金)

Domaine Galetis "Sauvignon Blanc de la Clauso" 2003
ドメーヌ・ガレティス "ソーヴィニョン・ブラン・ド・ラ・クラウゾ" 2003
Dom. Galetis
ドメーヌ・ガレティス
Blanc
Oc (VdP)
オック (ヴァン・ドゥ・ペイ)
Languedoc Roussillon (France)
ラングドック・ルーション (フランス)
\5252005/01/09 やまや洋光台店 やまや
 本日の夕食はおでん。 おでんって、好きな料理ではあるけど基本的にはワインとはあまり合わないように思う。 魚の練り物系のホワーっとした味わいは、赤とはそもそも相性悪そうで、 白も温度差含めなんとなくしっくりこない感じ。 じゃぁワイン飲まなきゃ良いんだけど、酒抜きってのは考えられず、 ずっとビールもアレだし、清酒は持ってないし・・・ ってことで、やや甘めで清酒的な雰囲気のありそうな白をチョイス。 この造り手のワインは、白だとヴィオニエ2003シャルドネ2003と稽古済み。 「やや甘め」というのはそこらへんからの類推。
色や見た目はクラス相応、普通薄くサラッとした感じ。 香りは、南方のソーヴィニョン・ブランらしいトロピカルな感じがありつつ、 雑巾とまではいかないまでも値段相応の粗雑な雰囲気がある。 味はほんのり甘め、これは想像通り。 想像以上だったのは味わいのガチャガチャ感。 以前の2種もそういう雰囲気があったけど、このワインが一番顕著なような。
 一言で言えば「それなり」の安白ワイン。雑味が多くて暴れた感じはこのシリーズの宿命か。 でも500円という買値を考えるとまぁ頑張っているほうだとも思う。 おでんとの相性は・・・合いもせず邪魔もせず。 というかなんとなく別次元な感じ。 『今日のデートで彼女が赤いマフラーをしてくるらしいから、 ボクのトランクスの柄は何にしようか』と悩んでいるような"関係ないじゃん"感。
68点自宅にて

2日(水)

Finca Cerrada Crianza 2000
フィンカ・セラーダ クリアンサ 2000
Finca Cerrada
フィンカ・セラーダ
Tinto
La Mancha
ラ・マンチャ
La Mancha (Espana)
ラ・マンチャ (スペイン)
\8192005/01/31 お手軽ワイン館 サントリー
 本日の夕食はラザニアとかベーコンとアスパラガスの炒め物とか。 ワインは、最近品質向上著しいスペインはラ・マンチャ産の赤。 品種は、テンプラニーヨ/カベルネ・ソーヴィニョン/シラーとのこと。 スラーッと細長くて重さのあるボトル、どことなくモダンな雰囲気のラベルやキャップシール、 ナウでイケてるスペインワインの雰囲気満載。 でも、輸入元が貼った裏ラベルを見ると、 「酸化防止剤(亜硫酸塩、ビタミンC)、安定剤(アカシア)」との記述アリ。 亜硫酸塩は良いとして、ビタミンCやら安定剤て。 オリジナルでは何と書いてあったか見たくて、生産者が貼った裏ラベルを見ようとしたけど、 この輸入元の裏ラベルってでかくて剥げないヤツなんで断念。
 色は中庸。コレとかみたいな、気合入りまくりな赤とはちょっと違う雰囲気。 香りは、最初ツンッと酸の香りがあって、その後あまり高級でないジャム的なフルーツ香があって、 最後に樽の香りという順序。 そこまではまぁまぁなんだけど、口に含むといかにもビタミンCな香りと味がある。 もちろん、裏ラベルを見た先入観があるのかもしれない。 でも、"C1000タケダ"と明らかに同傾向で、 ここの輸入の「ビタミンC」混入ワインにありがちなうす甘酸っぱい香りは間違いなくある。 味も、うす甘酸っぱい。マズいわけじゃないんだけど。
 時間が経つと、このワインの持つヘラヘラ笑っているような香りの雰囲気と、 あまりにピュアピュアで能天気な味わいに辟易。 最終的には炭酸水で割ってレモンを絞って飲んだ。
 最初は先入観から来るのかもなんて思ってたけど(実はそうかもだけど)、 やっぱり妙な混ぜ物をしたワインってなんとなく馴染めない感じがあると思う。 そういう情報ってWebショップでは判んないんだよね。 店頭で裏ラベル見て、ビタミンCやら安定剤やら書いてあったら普通は買わないんだけど。
62点自宅にて

前月分

by 師範