稽古日誌:2020年10月

中秋の名月

 10月です。左写真は、道場の屋上から撮影した中秋の名月。仲の良い友人でも呼んでココでパーッと飲みたいものです。

 さて、今月から安ワイン道場のトップページにちょっぴり変更、ページ左上のアクセスカウンターを変えました。 これまで使ってきたbiglobe標準のアクセスカウンターは、Google Chromeの新しいバージョンに対応していなくて、 カウント値が見えない(カウントアップもされない?)ようになっちゃったからです。個人ホームページなんてオワコンなんですな。 そのため、別のcgiを用意してカウンターを新たに設置しました(カウント値は継承しています) 今回の変更で、スマホからのアクセスでもカウントアップするしアクセス数も見られるようになりました ・・・って、今どきアクセスカウンタを気にする人なんていないでしょうけどね、特にスマホからだとトップページにはアクセスしないでしょうし。 普通はページビュー(PV)を気にするんでしょうけど、アクセスログ取ると重くなるので道場ではPVは取っていません。 それでも運営している本人としては、数字がちょっとずつ増えていくのは嬉しいものです。

 数字が増えるといえば、道場の稽古本数もちょっとずつ増えています。 ちなみに先月の稽古本数は48本、一ヵ月の稽古本数としては歴代4位です。ちなみに1位は昨年同月、 やっぱり「食欲の秋」ということでしょうか。今月も食欲&飲欲満載としたいところです。


31日(土)

レストラン アロム 外観

 本日は、師範&師範代の結婚27周年記念日。まぁお互い良く続いておりますなぁ、ということでお疲れ様のディナーは、大崎にあるレストラン アロム。 大好きなサービスマン岡部さんが支配人を務める店です。 昨年は神楽坂にあったのですが、大崎に移転されたので、道場からは近くなりました。 こちらのお店で、毎年1回古くからの飲み仲間でワイン会を行う予定だったのですが、今年はこのご時世なので中止。 なので家族で訪問することにした次第です。

レストラン アロム ワインセラー

 このお店、経営はインポーターのヴィノラムだけあって、ワインの在庫は大量です。 というか、ワインショップとレストランが併設されているスタイルみたいです。 ウォークインのワインセラーは圧巻ですな。好きな人ならここに入ったら1時間くらい出て来れなそう。 ちなみにこのセラーのワイン、3,000円の抜栓料で頂けるそうです。

 とはいえ今日は1時間セラーに籠るわけもいかず、席に戻ってディナーを始めて頂きます。 今回お願いしたコースは、乾杯のスパークリングワイン付き5,500円(税サービス料別)のコースです。

レストラン アロム フォアグラのフィナンシェ

コース1品目のアミューズがコレ。

 フォアグラのフィナンシェ、フォアグラのテリーヌとトリュフオイルをかけたマッシュルーム

 やっぱりフォアグラは美味いです。そして、マッシュルームにトリュフオイルをかけると、まるでトリュフを頂いているような錯覚を覚えます。 「これは良いなぁ真似しよう」と師範代と話していたんですが、きっとお高いトリュフオイルじゃなきゃダメなんでしょうね。

Herve Malraud Extra Brut N.V. [Herve Malraud]
名称Hervé Malraud Extra Brut N.V.
エルヴェ・マルロー エクストラ・ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Hervé Malraud
エルヴェ・マルロー
価格(コース料金に込み)
購入店レストラン アロム

 今回予約に使ったぐるなびの説明には『乾杯のスパークリングワイン付き』と書いてあったのですが、 それが本物のシャンパーニュだから嬉しいじゃ無いですか。 師範と師範代、それに長女はこのシャンパーニュで、高校生の長女はグレープジュースで乾杯です。

 色は薄めの黄金色、泡立ちは細かく大量です。次女が『どうしてシャンパーニュはいつまでも泡が出るの?』と聞いてきましたが、 多分高いガス圧とグラスの影響ですよね。 香りは、リンゴのようなフルーツ香と、軽く香ばしいパンの皮目の香り。熟成感は強く無くて、フレッシュ寄りの香りです。 味わいもフレッシュですな。苦味が少なくて、万人ウケする味わいだと思います。

 華やかなボトル外観で、フレッシュな香りと味わい。レストランのハウス・シャンパーニュにふさわしい銘柄だと思います。 さすがはインポーター直営のレストランですな。よくわかっていらっしゃる。

点数80点
レストラン アロム ホタテのカルパッチョ

 前菜がコチラ。

 北海道サロマ湖産ホタテのカルパッチョ、アボカドのペースト、国内産ベルガモット乗せ

 ベルガモットの香りが凄いです。口の中でいろんな香りが重なり合って、「よくわからんけど凄ぇな!」って感じになります。 こういう料理はやっぱり都内のフレンチじゃなきゃだなぁ。

Les Auzines Alaina Albarino 2018 [Laurent Miquel]
名称Les Auzines "Alaina" Albarino 2018
レ・ゾージン "アライナ" アルバリーニョ 2018
生産者Laurent Miquel
ローラン・ミケル
価格(ペアリング5,000円)
購入店レストラン アロム

 結局今回はボトルでの注文は諦めて、ワインは岡部さんにお任せしてペアリングにして出して頂くことにしました。 結果的にはそれが大正解でしたよ。

 さて前菜に合わせて出して頂いたのがこのアルバリーニョ。アルバリーニョと言えばスペイン産なのですが、なんとコレは南仏産です。 『造り手がブドウの樹ごとスペインからごっそり持って来て南仏に植えたんですよ』って言われてましたが、ホントっすかね? まぁ苗木ってことでしょうけど。

 色はややしっかりめのレモン色、透明ボトルなので右写真でご確認ください。 香りは、リースリングみたいなオイルっぽい香りを感じます。長女の意見では『青リンゴの香り』らしいです。 味わいはとてもドライですな。ボトルの外観がソーテルヌとかの甘口ワインみたいな感じなので、 そのギャップからドライな印象が強くなったのかも知れません。

 香りが華やかで味わいはニュートラル、こちらもなるほどレストランのグラスワイン向きな感じがします。 スイスイーっとあっという間に飲み干してしまいました。

点数75点
レストラン アロム サツマイモのポタージュ

 スープがコチラ。

 サツマイモのポタージュ

 今日はハロウィンだから、絶対カボチャのポタージュが出されると予想していましたが、アッサリはずれました。 師範代曰く『満月に合わせたのでは』と。オリーブオイルと胡椒がかけられていて、酒の肴になるスープです。

水芭蕉 純米大吟醸

 『サツマイモのスープのあとにコレを飲むと焼き芋の香りがするんですよ』ということで出して頂いたのが、 水芭蕉 純米大吟醸という清酒。造り手は群馬の永井酒造、兵庫県三木市三木別所産山田錦100%だそうです。 これは多分ペアリングの範囲外、サービスで出して頂いたんだと思います。 フレンチレストランで清酒を頂くのも面白くて良いですな。 焼き芋の香りはわかりませんでしたけど。

Racine Picpoul de Pinet 2017 [Bruno Lafon et Francois Chamboissier]
名称Racine Picpoul de Pinet 2017
ラシーヌ ピクプール・ド・ピネ 2017
生産者Bruno Lafon et François Chamboissier
ブルーノ・ラフォン・エ・フランソワ・シャンボワジエール
価格(ペアリング5,000円)
購入店レストラン アロム

 グラスワイン、だいたいキューっと飲んじゃうので、手持無沙汰を察知して追加で出して頂いたのがこちらの白、ピクブール・ド・ピネです。 このお店の(というか岡部さんの)サービスの素晴らしいところは、ワインにしても料理にしてもパンにしても、 こちらからお願いしたいと思う前の絶妙なタイミングで出して頂けることですね。目の行き届き方がハンパ無いです。

 さてこのワインはというと、香りに関しては前のアルバリーニョと比べるとおとなしめで、柑橘系のスッキリした香りを感じます。 長女は『マスカルポーネの香り』などと申しておりました。 味わいは、こちらもアルバリーニョ同様にドライな味わいです。やっぱり料理に合わせるならこういう系統が良いんでしょうね。

 注いで頂いた量が少なめだったことと、あまり説明なく出して頂いたことからして、これも実際はペアリングの範囲外だったんだろうと思います。 ありがたい話であります。こういうサービスが嬉しいんですよね。

点数74点
レストラン アロム コショウダイのポワレ

 メインの魚料理がコチラ。

 コショウダイのポワレ、根セロリのピューレとジュリエンヌ

この店の魚は、「サスエ前田魚店」という、一流の魚を扱う静岡のお店から取り寄せているそうです。 このコショウダイも立派でした。身に厚みがあってプリップリの食感、 そして火の入れ方も絶妙で皮目はカリカリ。根セロリの香りとマッチして「美味い!」の一言です。

Solas Viognier 2016 [Laurent Miquel]
名称Solas Viognier 2016
ソラス ヴィオニエ 2016
生産者Laurent Miquel
ローラン・ミケル
価格(ペアリング5,000円)
購入店レストラン アロム

 魚料理に合わせて出して頂いたのは、南仏ラングドック産のヴィオニエ。 造り手は白の1杯目に頂いたアルバリーニョと同じローラン・ミケルです。 もちろんインポーターはヴィノラム、この造り手をプロモーション中なのかもですな。 岡部さん曰く『樽ではないコクとバターの香りが魚のポワレに合うと思います』とのことです。

 色は、ヴィオニエらしくややオレンジがかった感じのレモン色でした。 香りもいかにもヴィオニエ、沈丁花のような花の香りが顕著です。 味わいに関しては、甘さ控えめであることはここまでの白と同じ傾向ですが、仰るようにコクがありますな。 料理に負けない味わいがあります。

 やっぱりペアリングにして良かったなぁ、と。だってアルバリーニョ → ピクプール → ヴィオニエですよ。 白1本で通すとしたら、間違いなくこういう品種は選ばないですから。 南仏ワインのバリエーションの豊かさを感じましたよ。

点数78点
レストラン アロム 鴨のロースト

 メインの肉料理がコチラ。

 フランス・シャラン産鴨のロースト ブロッコリー、マコモダケ、立川ゴボウを添えて

 これまでの料理はややポーション小さめ、女子会向きな感じのサイズでしたが、この鴨はサイズも立派でしたね。 こんなデカい身がとれる鴨ってどんな鴨よ?って感じです。 そして、添えられた「立川ゴボウ」ってのがとても希少なものである、ということを熱意を持って説明して頂きました。 福島産で、年に1回しか出荷されないゴボウだそうです。筋っぽさが少なくマイルドな味わいで美味しゅうございましたよ。

Bourgogne Roncevie 2016 [Dom. Arlaud]
名称Bourgogne "Roncevie" 2016
ブルゴーニュ "ロンスヴィ" 2016
生産者Dom. Arlaud
ドメーヌ・アルロー
価格(ペアリング5,000円)
購入店レストラン アロム

 料理が鴨だったらやっぱりピノ・ノワール、やっぱりブルゴーニュが飲みたくなるところですが、 ちゃんとそのあたりを察して頂いて、出されたのは名手「ドメーヌ・アルロー」のピノ・ノワールです。 この銘柄は、8年前に2008年産と稽古していますね。 自分で買ったわけじゃないので忘却の彼方でした。

 色はブルゴーニュらしい、そしてACブルゴーニュらしくないやや濃いめの赤紫色。 そして香りにビックリです。「これがACブルなの?」ってくらい華やかで、高級感のある香りです。 キイチゴのフルーツ香にカラメルの甘香ばしさがたっぷり、樽をしっかりかける造り手だそうです。師範はそういうピノに弱いんです。 味わいは、香りの華やかさと比べるとやや固さを感じます。グラスの中で徐々に開いたんで、コレは一人で一本飲みたくなるワインだったな、と。

 岡部さんに「これは美味しいです!」と伝えたところ『お好きだと思いました』とのこと。 ワインもレストランも、いろいろ味わいたいのであまり行きつけは作らない師範家ですが、 「行きつけのメリット」ってのは間違いなくあるんでしょうね。大変美味しゅうございました。

点数83点
レストラン アロム 洋梨とマスカルポーネのパフェ仕立て

 デザートがコチラ。

 洋梨とマスカルポーネのパフェ仕立て

 この写真では分かりづらいですが、キノコの形をしたお菓子が乗せられています。 それを本物のキノコだと思った人がいるんですね、師範代ですけど。 味わい的には、「洋ナシの香りたっぷりのティラミス」って感じですかね、不味かろうわけがありません。

Banyuls Rimage 2017 [M. Chapoutier]
名称Banyuls "Rimage" 2017
バニュルス "リマージュ" 2017
生産者M. Chapoutier
M.シャプティエ
価格(ペアリング5,000円)
購入店レストラン アロム

 デザートに合わせてデザートワインも出して頂きました。南仏のヴァン・ドゥー・ナチュレルのバニュルス、 ワインの醗酵途中にアルコールを足して、甘さを残すタイプの甘口ワインですね。 造り手のM・シャプティエは、ご存じローヌの大手生産者、そしてこのワインだけインポーターがヴィノラムじゃなくて日本リカーです。

 色はしっかりと濃い青紫色。香りに青畳のようなちょっと野暮ったい雰囲気があるので、品種はグルナッシュが主体でしょうか。 味わいは、もちろん甘さしっかりで、後味に苦味が残ります。 長女にテイスティングさせたところ、『バニラ味のローソク、自分がローソクになったみたい』だそうです。 斬新な意見がなかなか刺激的であります。

 このワイン自体の好き嫌いはともかく、コースの最後を締めるのにふさわしい、しっかりした香りと味わいのワインだったように思います。 やっぱりペアリングにして良かったな。

点数76点
レストラン アロム プレート

 最後にエスプレッソとお祝いプレートに乗ったチーズケーキを頂きました。 あまりにわかりやすいプレートに、隣の席のグループの方にもお祝いして頂きましたよ。

 食事後におしゃべりが止まらない女子たちのためにハーブティまで出して頂いて、お会計は4人分トータルで33,000円弱、そのうちペアリングのワインは5,000円でした。 雰囲気、料理、ワイン、どれもこの値段とは思えない立派な内容で、このページをご覧の皆さんにも自信を持ってお薦めしたいお店です。


30日(金)

Bourgogne Pinot Noir 2017 [Baronne de Saint Jean (La Cave d'Aze)]
名称Bourgogne Pinot Noir 2017
ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2017
生産者Baronne de Saint Jean (La Cave d'Azé)
バロンヌ・ド・サン・ジャン (ラ・カーヴ・ダゼ)
価格1,978円 (単品価格:2,420円)
購入店ワインショップ ドラジェ

 本日はプレミアム・フライデーですな。もうほぼ死語になっちゃっている感がありますね、この言葉。 始めるのは華々しいけど止める時はうやむやにフェードアウト、よくある話ですが。

 そんな日の夕食は、鹿児島県湧水町の鶏刺し、ボローニャソーセージのソテー、モッツァレラトマトのサラダ、大根の煮物。 選んだワインは、「お気楽ブルゴーニュ 3本セット」から、良年2017年産のACブルゴーニュ。 造り手の名前から、6月に稽古したコレの姉妹銘柄のようです。

 色は、このクラスにしてはそこそこ濃さも感じる赤紫色、でもブルゴーニュタイプの大きめグラスに注いでもスッキリと向こうが透ける清澄度があります。 香りは、間違いなく南の方面、シャロネーズ地区っぽさ全開のケモノ感。 グルグルとスワリングして深く嗅ぐと、チェリーブランデーのようなフルーツとアルコールが合わさったような香りを感じます。 味わいは、抜栓直後はとても軽い感じ。渋くも甘くも無ければ酸っぱくもなくて、頼りない感じの味わいでしたが、 こういうワインって時間が必要な場合が多いので、時間をかけてチビチビ飲んでおりました。

 ・・・と、待ってはみたものの、抜栓後2時間くらいでは明確には開きませんでした。 ACブルでも2017だとまだ若いのかな?翌日の方が良いのかも?・・・ってくらい、なんとなく上に行けるポテンシャルを感じはしましたよ。 料理との相性は、特に鳥刺しが合っていたように思います。

点数74点

28日(水)

Busy Bee Chenin Blanc 2019 [Babylon's Peak]
名称Busy Bee Chenin Blanc 2019
ビジー・ビー シュナン・ブラン 2019
生産者Babylon's Peak
バビロンズ・ピーク
価格654円 (単品価格:998円)
購入店ヴェリタス 輸入直販ワイン専門店

 本日も夕食当番も師範が担当しております。メニューは、スズキのカルパッチョw/ベビーリーフ、キハダマグロのハンバーグ、イワシの蒲焼き、モヤシのナムル、BLTスープ。 白でも赤でも良さそうではあるけど、だいたい毎年この時期って、夏の暑いうちに勢いあまって買った泡とか白が余っているのねぇ、というわけで白をチョイス。 選んだのは南アフリカのシュナン・ブラン。造り手の"Babylon's Peak"とは初稽古。スワートランドにある個人経営のワイナリーのようですな。

 色は、薄めだけど照りのあるレモン色。アシも長くて高級っぽさを感じます。 香り、イイ!です。まずボリュームが立派。樽香とかは無いんだけど、ラ・フランスみたいな甘くてハイカラな梨っぽい香りがしっかり感じられます。 味わいはやや甘めで酸味少なめ。糖度7.1/pH3.8の数値が如実にそれを物語っています。加えて後味に軽い苦みがあります。

 飲み進めると、やっぱり甘めな感じが障壁となって盃が進みません。キッチリ冷やして飲むとかなり改善します。 要は「飲み飽き」するわけですが、それってきっと個人差があるんだろうな。

 香りは良いんですよ、凄く。でも、味わいのバランスは若干イマイチな感じがします。 相性面では、カルパッチョやハンバーグは問題ないんだけど、イワシの蒲焼きはちょっと魚感が強すぎてワインのフルーツ感と合いません。 とはいえ、3桁の南アフリカ産ってなかなか難しいイメージがありましたが、これはそこそこアリです。 特に香り。この香りに1,000円投資する価値はアリだし、セットに組み込まれていてもっと安く買えるのであればなおアリです。

点数72点

26日(月)

Dancing Flame Chardonnay 2019 [VLFE LTDA]
名称Dancing Flame Chardonnay 2019
ダンシング・フレイム シャルドネ 2019
生産者VLFE LTDA
価格438円
購入店業務スーパー 河内屋 鶴ヶ峰店

 本日師範は稽古日誌執筆のため休暇を頂いております。なので、「個人的ハッピーマンデー法」を適用して休肝日返上。 今シーズン最後と思われる枝豆をアテに、ビールやら清酒やらを飲んで、「他人様が働いている時間に飲む酒は格別だな」と独りごちておりました。 そして、「休みを取ったらお料理当番」が師範家の不文律なので、本日は師範が料理担当。 メニューは、サンマの塩焼き、刺身盛り合わせ(ヒラメの昆布〆、メバチマグロ、トラウトサーモン)、切り昆布の韓国風、ホウレンソウのお浸しです。

 昨日はブルネッロ・ディ・モンタルチーノなんて高級ワインをガブガブと飲んじゃったので、今日は激安ワインでクールダウン。 選んだのは、業務スーパー 河内屋で税別398円で売られていたチリ産のシャルドネ。 この造り手のワインは、ツイッターの安ワイン界隈で結構評判が良いみたいなので、いつか稽古したいと考えていました。

 色は、アンダーワンコインの白としては意外としっかりしたレモン色なように感じます。 香りのボリュームは弱めだけど、シャルドネらしいリンゴのようなフルーツと蜜の香りを感じます。 味わいは、甘さと酸味は控えめですが、後味の苦味が強めです。先入観かもですが、茎も葉っぱ一緒くたに醸造したような雑味を感じます。

 シャルドネらしい基本線は抑えつつ、いろいろ雑多な要素を身に纏ってきました、という感じです。 でも、無味無臭なワインよりすっと好印象ですし、値段を考えれば「ご立派」と言わざるを得ません。 甘く無いしフルーティ過ぎないので、和食との相性も悪く無いです。 ちなみにサンマ、今年の出始めは大不漁とのニュースでしたが、今日は4匹450円で買いました。 確かに脂の乗りは少なめですけど、サッパリしていてこれはこれで美味しいですよ。 サンマ、もっと高い値付けにして良いと思います。100円強では魚と漁師さんに申し訳ない。

点数70点

25日(日)

旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店 外観

 『居酒屋チェーンの「天狗」にはワインがいろいろあって、しかも安い』という情報がツイッターで話題になり、ならば!ということで酔狂な12人が集まっての飲み会。 場所は「旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店」、参加されたのは以下の方々です。広めの座敷を用意して頂いて、新型コロナウィルスの感染拡大防止に配慮した飲み会です。
隊長さん(幹事)
MAMIさん
黒ワインさん
はとねさん
Yuki Galardi Numataさん
にゃんだよーさん
Sasaki Yuさん
na.さん
ワインバカさん
太郎さん
・アメリさん
安ワイン道場師範

旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店 外観

 料理は・・・いっぱい食べました。写真のトマトとベーコンの串焼きとかいろいろ。 師範は奥の方の席だったので、注文とかは一切せずに出されたものを頂くだけ、とっても楽チンさせて頂きました。 こまごまと注文して頂いたアメリさん黒ワインさん他の皆様、大変ありがとうございました。

 ・・・というわけで、今回は料理の情報は特に無しで稽古したワインをズラズラーッといきます。 だいたいどれも2~3本ずつ頼んでいます(価格は全て税別です)。

Tassanare Spumante Brut N.V. [Terre Monte Schiavo]
名称Tassanare Spumante Brut N.V.
タッサナーレ スプマンテ・ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Terre Monte Schiavo
テッレ・モンテ・スキアーヴォ
価格2,990円 (お店価格)
購入店旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店

 だいたいこういう会だと、「まぁワインの前に生ビールでも飲みましょうや」ってなるわけですが、本日は最初っからワインです。 なかなかにストイックな集団です・・・って途中でビール飲む自由人も数名おられましたが。 最初に注文したのがコレ、イタリアのスプマンテです。 "Verdicchio dei Castelli di Jesi"という原産地呼称が付いたスプマンテなんてのがあるんですな。ちなみに、メニューシートには以下の様に説明されていました。

『明るい麦わら色で、上品で調和がとれている。イースト香とパンの焦げた感じのある果実味と、新鮮で辛口の典型的なヴェルディッキオ味。』

 だそうです。「典型的なヴェルディッキオ味」が通じる人は少ないと思いましたが、 確かに、ちゃんとイーストっぽい香ばしさがあるのが意外でした。 泡だちは少なめでやや甘めのバランスながら、薄っぺらな感じはしなくて最初に飲む泡としては十分合格だと思いましたよ。

点数75点
Chablis 2018 [Dom. le Verger (Alain Geoffroy)]
名称Chablis 2018
シャブリ 2018
生産者Dom. le Verger (Alain Geoffroy)
ドメーヌ・ル・ヴェルジェ (アラン・ジョフロワ)
価格2,990円 (お店価格)
購入店旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店

 2本目は白です。ワインリストで一番安かった白は、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イーエジ・クラッシコで、 黒ワインさんはそれを注文したそうでしたが、「シャブリが飲みたい!」というMAMIさんの強い声に圧されてシャブリになりました。 それにしてもヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イーエジ・クラッシコって、居酒屋ワインとしては名称のハードルがメッチャ高いな。
『ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イーエジ・クラッシコお願いします』
「はい!ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イーエジ・クラッシコですね」
って寿限無かよ。 もっと短い名前のワインにした方が注文が入ると思います。一番安いのを頼みづらくする戦略かもですが。

 ・・・じゃなくてシャブリの話だった。ちなみにこのシャブリ、造り手の名前に見覚えがあるなぁと思ったら、5年前に稽古しておりました。 単品価格2,000円、実売1,000円のワインを2,990円ならまぁそれなりに利益は出るのでしょう。こちらもメニューシートの説明を転記しておきます。

『ドライな口当たりで、豊富なミネラルが複雑感を演出し、ボリューム感もあり、強くしっかりとした酸が、素晴らしい骨格を創り出していて、余韻に華やかな酸を感じられる』

 だそうです。飲んだ印象としては、上記の説明文は若干盛り過ぎな感はありますが、それほど違和感はありません。 やや地味な柑橘系の香りと硬質な味わいで、シャブリらしさがちゃんと感じられました。 初心者向けのワイン解説本には『安いシャブリは避けたほうが良い』なんて書かれているらしいですが、 師範はそうは思わないな。安くてもシャブリはちゃんとシャブリらしさある場合が多いと思います。

点数73点
Domaine la Hitaire Sauvignon 2018 [Dom. la Hiatire]
名称Domaine la Hitaire Sauvignon 2018
ドメーヌ・ラ・イティール ソーヴィニョン 2018
生産者Dom. la Hiatire
ドメーヌ・ラ・イティール
価格1,990円 (お店価格)
購入店旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店

 次の白はフランス南西部産のソーヴィニョン・ブラン。 このワインも過去に稽古経験が無いか後で調べたら、同じ造り手のコレが引っ掛かりました。 稽古したのは15年前ですね。甘口ワインなので今日のコレとは全く別物でした。メニューシートには以下の様に説明されています。

『際立つ花の香りに、かすかなミネラル香りが、熟した穀草を感じさせる。魅惑的な濃縮感・洗練された新鮮さがある。 しなやかなはつらつさとまろやかさ。バランスのよいストラクチャーで多様性に富む。』

 今回稽古したワインはどれもインポーターが「テンアライド(テンワールドトレーディング)」なので、 天狗の独自輸入ワインみたいです。 なので、上記の説明は外部のインポーターじゃなくて中の人が書いているのでしょう。独特の文章ですが(「熟した穀草」って初めて目にした)、 なんとなく引き込まれます。そして実際のワインも、シャブリ同様「説明盛り過ぎ」の感はあるものの違和感は少ないです。 na.さんは『アスパラガス!』と言われていました。なるほど上手いこと言いますね。ソーヴィニョン・ブランらしい青さが素直に出ていて、 居酒屋で1,990円なら十分すぎるくらいです。

点数74点
Brunello di Montalcino 2013 [Podere Donna Nera (Az. Agr. Martoccia di Brunelli Luca)]
名称Brunello di Montalcino 2013
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ 2013
生産者Podere Donna Nera (Az. Agr. Martoccia di Brunelli Luca)
ポデレ・ドンナ・ネーラ (アヅィエンダ・アグリコーラ・マルトッキア・ディ・ブルネッリ・ルカ)
価格3,690円 (お店価格)
購入店旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店

 そもそも今回集まったきっかけは、幹事の隊長さんが『天狗にブルネッロ・ディ・モンタルチーノがあるらしいんで飲みに行こうぜ!』と提案されたことに端を発します。 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノっつたらアレですよ、イタリア最高峰の格付けDOCGの中でも、特に高いポジションに認められるヤツじゃないですか。 それが飲食店で3,690円ですよ奥さん!いったいどうなってんですか!!これはひとつ実際に稽古してその謎を解かねば!!!・・・というわけでメニューシートを転記します。

『骨格のよい、エレガントで調和のよい、持続性のある味覚。』

 なんだか自動翻訳にかけたような日本語にクスっと来ますが、そんなことは置いといてこのワインは大変立派でした。 小さなグラスでも向こうが透けないくらいのしっかりと濃い紫色で、香りも「良いサンジョヴェーゼ」らしいスミレのような外交的な雰囲気があります。 味わいは、確かに『骨格がよい』ですね。渋味カッチリですが、2013年産で適度な熟成期間を経たおかげかトゲトゲした感じは無くてスムーズです。

 結局、いったいどうしてこのワインがこの値段で出せるのかは謎のままでした。ビックリ衝撃のお値段です。 皆さんのご意見も、「お店で7~8,000円出してコレが来たら嬉しいレベル」という感じだったと思います。 天狗では最高額のワインですが、注文する価値は間違いなくアリ!です。

点数82点
Barolo Cascina Ferrero 2013 [Tenuta Carretta]
名称Barolo "Cascina Ferrero" 2013
バローロ "カッシーナ・フェレーロ" 2013
生産者Tenuta Carretta
テヌータ・カッレッタ
価格3,690円 (お店価格)
購入店旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店

 メニューシートには「ハウスワイン」が赤と白(グラスで380円/ボトルで1,790円)、「天狗特撰ワイン」が赤3種/白2種/泡1種(ボトルで1,890円~2,990円)、 そして「Premium Wine」としてデカデカと書かれているのが、前のブルネッロ・ディ・モンタルチーノと、このバローロ。 そりゃもちろんバローロもいくでしょ。お値段はブルネッロと同じ3,690円、説明は以下です。

『濃厚な果実味の後に、繊細でシャープな酸味と力強くしっかりとしたタンニンが骨格を創り上げている。ポテンシャルの高いワイン。』

 「骨格」が好きみたいですね、これを書いた方・・・などと戯言は置いといて、こちらも立派なワインでした。 色はやや明るめの紫色です。「ネッビオーロから造られたバローロ」なんていうと、その語感から真っ黒なワインを想像しがちですが、実際は明るい色なことが多いですね。 香りはブルネッロ同様華やかですが、味わいはやや軽い感じ、そして明らかな甘さがあります。 その旨をイタリアワインに詳しい黒ワインさんに聞いたら『バローロは甘いんです!』と断言して頂きました。 覚えておきましょう、名前はとても渋そうですが、バローロは甘いんです!

点数80点
Chianti Classico La Lellera di Vicchiomaggio 2017 [Tenuta Vicchiomaggio]
名称Chianti Classico "La Lellera di Vicchiomaggio" 2017
キアンティ・クラッシコ "ラ・レッレラ・ディ・ヴィッキオマッジオ" 2017
生産者Tenuta Vicchiomaggio
テヌータ・ヴィッキオマッジオ
価格2,990円 (お店価格)
購入店旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店

 最後のワイン・・・といっても上記のワインを再注文しているので、実際はどれが最後かよくわからない状態です。 キアンティ・クラッシコはブルネッロ・ディ・モンタルチーノと同じくトスカーナ州のDOCGですが、ポジションとしては弟分といったところでしょうか。 お値段的にも若干コチラがお安めで2,990円となっております。説明文は以下です。

『さわやかなベリー系の風味にわずかに熟したチェリーの印象。酸味が少なく、やわらかくふっくらとした、味わい深いワイン。上質で滑らかなタンニンが長い余韻をかもし出す。』

 飲んだ印象は、いい意味で「ブルネッロの弟分」な感じですね。ブルネッロはさすがに魚に合わせるとキツい感じでしたが、こっちは渋味が軽めなので大丈夫そう。 そういった意味では居酒屋向きなのはこっちかもです。 ワインバカさんが『温泉旅館で飲みたい』なんて言われていましたが、ホントそうだよね。 硫黄の香りがするわけじゃありませんが、なんだか温泉のあのゆったりした気分と肉あり魚ありの料理に合うような気がしましたよ。

点数77点
旬鮮酒場 天狗 ニュー秋葉原店 外観

 最後の方では、師範はNumataさんに「ツイートされているテイスティングコメントをデータとして残した方が良い」と力説しておりました。 思いっきり余計なお世話でスミマセン、でもあのボリュームは絶対に価値があると思います。

 午後6時に始まったこの会、お開きになったのは午後10時過ぎ、お会計は一人5,000円くらいでした。これだけワインをいろいろ楽しめてこの値段、正直ビックリです。 天狗のワイン、自信を持ってお勧めできます。 唯一惜しまれるのは、左写真みたいにグラスが小さいくてショボい(※コレは言い過ぎました)ことですが、 値段はともかく保管スペースのことを考えると仕方ないんだろうな。 ともあれ皆様ありがとうございました。大変楽しめました&またよろしくお願いします。


24日(土)

Kuju-Winery Merlot 2018 [Kuju-Winery]
名称Kuju-Winery Merlot 2018
久住ワイナリー メルロー 2018
生産者Kuju-Winery
久住ワイナリー
価格2,695円 (寄付金額:5本セット40,000円 720ml)
購入店大分県竹田市

 本日の夕食メニューは、鶏手羽中の唐揚げ(チキチキボーン味)、オクラとレンコンと舞茸の天ぷら、ナスの揚げびたし、 揚げ物頻度がめっちゃ高い一家です。大抵の食材は揚げれば美味いっすから。 そんな料理に合わせたワインは、大分県竹田市へのふるさと納税の返礼品に頂いた久住ワイナリーのメルロー。 「多分軽めの赤だろうな」という目論見で、揚げ物に合わせるのに良さそうだと考えてチョイスしました。

 外観は、ちゃんと濃い紫色をしています。清澄度も高くて、キレイな赤ワインの色です。 香りを嗅いで、最初は「ウムム」と首をかしげました。この香りからメルローはちょっと想像つかなかったんですよ。 やや青さがあり野菜のような雰囲気を感じて、「ロワールのカベルネ・フラン?」と答えそうでした。 ところが時間が経つと、墨汁のような日本のメルロー感がしっかり出て来ましたよ。 味わいは最初から日本のメルローな感じ。渋味は穏やか、甘味も酸味もそれほど強くなくてアルコール感も弱い。 数値的にはBrix:6.6、pH:3.7、Alc.:11.5%なので印象通り。 よく言えば軽快な、悪く言えば凝縮感に欠ける味わいですな。

 軽い赤だと想像してのチョイスだったので、特に落胆することもなく「なるほど日本のメルローっぽいですね」というフラットな印象で飲み終えました。 補糖とかはして無さそうで正直なワインという感じはしますが、これが2,000円台後半というのはちょっと厳しいかも。 今回の場合は返礼品なのでお値段はあまり気にしませんが、気になったのは裏ラベルに書かれた文言です(引用します)

『タンニンと酸のバランスが良く、カシスやダークチェリーのような黒い果実の味わい。余韻にはスパイス感も感じられます』

これ、ワイナリーの人ホントにそう感じたんですかね?『メルローだったらこう書くべきでしょう』という、教科書から引用しただけって印象を受けました。 師範だったらこう書きます。

「フランスやチリのメルローと比べると凝縮感が足りないように感じられるかも知れませんが、その分軽やかに仕上がっているので日本の食卓には合うと思います」

点数71点

23日(金)

Damien Hugot Brut Blanc de Blancs N.V. [Damien Hugot]
名称Damien Hugot Brut Blanc de Blancs N.V.
ダミアン・ウーゴ ブリュット ブラン・ド・ブラン (ヴィンテージ無し)
生産者Damien Hugot
ダミアン・ウーゴ
価格2,354円 (単品価格:7,920円)
購入店ワイン館「ビバ ヴィーノ」

 本日の夕食は、生ハム、鶏手羽コマのカツレツ、ポトフ、トマトの卵炒めといったメニューなので、普通に軽めの赤かなぁなんて考えていました。 ところがツイッターで得た情報によれば今日は「シャンパーニュの日」とのことです。 ならば、ということで急遽稽古することにしたのが、楽天スーパーセールで買った「シャンパン3本入り 泡5本 +1本」、税送料込み10,541円からダミアン・ウーゴのブラン・ド・ブラン。 ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日には乗らないのにシャンパーニュの日には乗るってのもポリシーに一貫性の無さを感じますが、 まぁ細けぇこたぁ良いじゃ無いですか。

 せっかくなんでもう少し詳しくこのシャンパーニュの情報を記しておきますと、畑はエペルネ(コート・ド・ブラン)のグラン・クリュらしいです。 「ブラン・ド・ブラン」なのでもちろんシャルドネ100%、ドザージュの量は6g/L。 デゴルジュマンの日付は、2018年の7月31日・・・って師範の誕生日じゃないですか!

 ・・・というわけで気合を込めて稽古開始。抜栓時、ゆっくりコルクを持ち上げても「スポッ!」と来ました。かなりガス圧は高そうです。 グラスに注いで外観を確認、泡のキメ細かさも泡立ちも申し分ありません。色はブラン・ド・ブランらしく赤み控えめな麦わら色で、濃さもそれほどありません。 「フレッシュ系かな?」と思って香りを嗅ぐと、これが良い感じの熟成香があるんですわ。 ダミアン・ウーゴって古いキュヴェが多め?あるいはデゴルジュまでの期間が長いんですかね? リンゴのコンポートのような濃いフルーツの香りと、どことなく香ばしさとお漬物感のある香りです。 味わいもたいそう立派です。とてもクリーミーな泡の感じと、甘酸っぱくて濃くて旨味たっぷりの味わい。 こりゃちょっと気軽に開けるワインじゃ無かったかも・・・って感じです。

 スーパーセールの特価で買ったんで、買値相当額は稽古範囲だったわけですが、このクオリティだと単品価格である8,000円弱の価値は十分ありそうです。 常々「泡の出るのは七難隠す=安くてもそこそこ美味い」なんて言ってますが、やっぱり高い泡は違います。この奥行きを1,000円台で味わうことはまず不可能でしょう。 ちなみに同じ造り手のロゼも同時期にゲットしています。そっちはもう少し特別な日に開けようかな。

点数85点

21日(水)

Is this it ? Pinot Blanc 2019 [Danubiana Kft.]
名称Is this it ? Pinot Blanc 2019
イズ・ディス・イット? ピノ・ブラン 2019
生産者Danubiana Kft.
ダヌビアナ Kft.
価格888円
購入店カルディ ルミネ横浜店

 本日はし師範が料理当番で、メニューはとろ卵豚キャベツ(w/CookDo)、ボイルした大分久住産ふるさと納税返礼品のソーセージ(生姜風味)、 チョレギサラダ、ワカメの酢の物ゴマ風味。 ワインは、カルディのセールで買ったハンガリー産の白。別品種のグリューナー・フェルトリナーとは先月稽古済みであります。

 色は無色ってわけではないですね、麦わら色とレモン色の中間くらいの色合いが見て取れます。 香りは、灯油っぽい香りとライムのような柑橘系の香り、それにちょっとナッツのような雰囲気も感じます。 口に含むと、若干のチリチリ感があって僅かに炭酸が残っています。味わいは、甘さ控えめ酸味も控えめで、旨味もそこそこ。 でも意外と余韻は長くて、「あれ?苦味もあったね」って感じです。

 グリューナー・フェルトリナーと比べると、こちらの方が香りが華やかで味わいもしっかりしていています。 この内容で税込み900円以下はお買い得かも。目立った個性は無いんだけれど、その分オールマイティーに料理に合わせられると思います。 特に今日はゴマ油との相性がナイスでした。

点数73点

18日(日)

ハイボール 飲み比べ

 本日のおやつは、お惣菜の唐揚げとハイボール。愛飲している安スコッチ「ティーチャーズ ハイランド・クリーム」が残り少なくなったので買い足したのは、 似た名前の「ハイランド・クイーン」。カクヤスで税別690円で売られていました。どういう価格構造になっているんだろ?

 ・・・で、残念なことに「安さのヒミツは内容にアリ」でした。ティーチャーズの方はスコッチらしいツンっと来るようなピートの香りがあるだけど、 ハイランド・クイーンは香りが弱いのね。ただ、フルーツのような甘い香りはあるので、ハイボールじゃなくてホットウィスキーみたいに香りを立てる飲み方が良いかもです。

Bourgogne Pinot Noir 2016 [Couvent des Visitandines (Patriarche Pere & Fils)]
名称Bourgogne Pinot Noir 2016
ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2016
生産者Couvent des Visitandines (Patriarche Pere & Fils)
クーヴァン・デ・ヴィジタンディーヌ (パトリアルシュ・ペール&フィス)
価格1,582円 (単品価格:1,936円)
購入店ワインショップ ドラジェ

 本日の夕食は寄せ鍋。鍋ダネは、真鯛、ハマ豚のモモ肉、国産鶏モモ、その他野菜いろいろ。 鍋は楽で良いよね。どうやっても美味いし。夏だと暑いってことくらいしかデメリットを感じませんな。 で、そんな料理に合わせたのは、ワインショップ ドラジェの「お気楽ブルゴーニュ 3本セット」からの一本目。 ツイッターでこのワインのヴィンテージ違いと稽古されているのを見たのでコレにしました。

 色は、ピノ・ノワールらしい澄んだ赤紫。ACブルにしては濃いめかな?ブルゴーニュでも暖かめの土地のブドウなのかも知れません。 香りのボリュームは結構立派なものです。イチゴジャムみたいなフルーツの香りと、革製ソファーのようなケモノっぽさが、グラスの中からフワーッと香ってきます。 味わいは薄ウマ系ですね。渋味は控えめ、甘味や酸味も目立ちませんが、干し椎茸のような植物系の出汁の旨味がしっかり感じられます。

 抜栓して2時間くらい経つと、甘味がもっと前に出て来て分かりやすく美味しいバランスに変化してきました。 こういう楽しみはやっぱりブルゴーニュならではな感じがしますな。

 いかにも南のブルゴーニュだなぁって感じの、良く言えば親しみのある、悪く言えばちょっとダレた印象を受けるワインです。 でもなんか良いんだよね、この緊張感の無さが。鍋なんかに合わせてしみじみ飲むのにちょうど良い感じ。 ワインを「挑戦&制覇」する対象としてではなく、日々の生活に寄り添うものとして考えられる方にはお薦めです。

点数78点

17日(土)

東京ブラック

 今日は寒いっすね~ということで、食前酒は熱燗・・・では無くて黒ビールの「東京ブラック」、父の日に貰ったヤッホーブルーイングのセットからの最後の1本。

 焦がしの効いた甘い香りで、味わいにも酸味より甘味を感じるバランス。 やっぱり寒くなってくると、黒ビールみたいに温度が上がっても楽しめるヤツをしみじみと飲みたいですな。

 そして、やっぱりヤッホーブルーイングのビールは好きだな。 来年の父の日もよろしゅうお願いしときま~す>子供たち

Simonsig Gewurztraminer 2019 [Simonsig]
名称Simonsig Gewurztraminer 2019
シモンシッヒ ゲヴュルツトラミネール 2019
生産者Simonsig
シモンシッヒ
価格2,420円
購入店アフリカー

 本日の夕食は、鶏のクリームシチュー、ボイルしたソーセージ、レタスとトマトとブロッコリーのサラダ。 なんとなくドイツ料理みたいな感じでございましょ~ってことで、ワインもドイツ品種のゲヴュルツトラミネール。 産地はドイツじゃなくて南アフリカです。水天宮のアフリカーさんに伺った時に買ったものです。 記念すべき道場掲載7,200本目でもあります。

 色は、比較的濃いめのレモン色。グラスの内側に気泡が着くので、若干炭酸が残っていそうです。 香りは、「これぞゲヴュルツ!」なライチの香りがバンバン。 あとはカサブランカみたいなユリの花に白桃のフルーツ、香りのボリュームも立派なものです。 口に含むと炭酸のチリチリ感があって、かなり甘さを強く感じます(糖度9.0)。酸味控えめで後味にやや苦みが残ります。

 ゲヴュルツトラミネールらしさが良く表現されたワインだと思います。 あまりワインを飲みなれていない人には間違いなく「これ美味し~!」ってなると思います。 ただ、老獪な安ワイン者が食中酒にするにはやや甘さが邪魔をする感じもあります。 食後酒が良さそうだな。そういうことは裏ラベルにでも書いておいて欲しいなぁ・・・と思ってラベルを見ると"Special Late Harvest"って書いてありました。 ちゃんと読め>師範

点数77点

16日(金)

Cristalinda Premium Extra Oak Cabernet Sauvigon N.V. [Vina Tinajas]
名称Cristalinda Premium "Extra Oak" Cabernet Sauvigon N.V.
クリスタリンダ プレミアム "エクストラ・オーク" カベルネ・ソーヴィニョン (ヴィンテージ無し)
生産者Viña Tinajas
ビーニャ・ティナハス
価格438円
購入店業務スーパー 河内屋 鶴ヶ峰店

 久しぶりに超激安ワンコイン以下の危険な領域に足を踏み込みます。稽古するのは税別398円のチリ産赤。 初訪問の「業務スーパー 河内屋」という店で調達しました。398円なのに酸化防止剤以外の添加物が無く、 かつ"PREMIUM"で"EXTRA OAK"などと書かれていることが購入の引き金となりました。 改めて裏ラベルを見ると、なにやら凄い説明が書かれているので、ここに引用させて頂きます。

 果実の濃縮味とブラックベリー、カシスの芳醇な香り。 アクセントのあるタンニンと特有のディープな余韻がインプレッシヴ。丁寧にダブル・トーストされたフレンチオークの樽香漂うワンランク上のワイン。

 ・・・ね、凄いでしょ。『ワンランク上』って、これよりランク下のワインのお値段はおいくらなのよ?って話です。 ちなみに合わせた料理は、鮪アラの煮付け(お惣菜)、イベリコ豚のソテー、白菜と豚バラのミルフィーユ、モッツァレラ・トマト&レタスのサラダ。 相手にとって不足はないはずです。

 色は、少なくとも398円のワインの色とは思えない濃さがあります。ただ、いわゆるチリのカベルネ・ソーヴィニョンとしたらちょっと薄めか知れません。 香りは・・・良い意味で笑っちゃいますな。ブラックベリーとカシスの香り、焦がしの効いた樽香、裏ラベル通りの香りが感じられます。 ちょっとわざとらしいような気もしますが、それは多分先入観です。 味わいは、渋味控えめの甘酸っぱいバランス。こういう味わいは、アルパカやプードゥ―といったワンコインの動物銘柄と同じ感じですね。

 味わいはちょっと残念だけど、香りは立派です。この値段でどうやって「ダブル・トーストされたフレンチオークの樽香」を付けられるのか甚だ疑問ではありますが、 少なくともこの液体からはちゃんとそんな香りがします。 最近コンビニワインの品質向上が話題になっていますが、激安スーパー系&価格帯でこのクオリティは軽く衝撃です。 楽しむTipsとしては、渋味は軽いし飲み飽き系なので、軽く冷やして飲んだ方が締まった感じがして良いと思います。

点数74点

14日(水)

W Yokohama -The Wine Hall- 外観

 本日は、テレワークでずっと実家に帰っていた同僚氏が所要で横浜に来るというので、超久しぶりに職場のメンバーで飲み会。 店は、昨年も利用させて頂いた、 横浜駅西口鶴屋町にあるW Yokohama (ダブリューヨコハマ)-The Wine Hall-というところ (お店のサイト)。 「ワインショップ×レストラン」というコンセプトのお店で、 ワインは標準小売価格で売られていて、+600円(以降金額は全て税別)の抜栓料で飲めるという、 師範には大変ありがたいシステム。 参加者の二人(Hさん、Fさん)は特にワインに興味があるわけでは無くて、特にFさんに至っては『ビールとハイボールがあれば良い』と仰る豪気な女史なんですが、 師範の一存でこの店に決めさせて頂きました。

W Yokohama -The Wine Hall- テーブル

 案内されたのは、窓際で、背の高いソファーに囲まれてちょっと個室っぽくなっているテーブル席。 雰囲気ありますなぁ。こういう場所、カップルで来たら親密度が高まるでしょうな。師範らみたくオッサンオバサンのグループじゃなくて。

 ・・・ってな自虐ネタは置いといて、「とりあえずビール」で乾杯。銘柄はサントリーのザ・プレミアム・モルツ<香る>エール、お値段580円。 量は少なめですが、注ぎ方もキレイでセンスは良いと思います。

W Yokohama -The Wine Hall- 鶏レバーのパテ

 最初に頼んだ料理が、白レバーのパテ、630円。食べたいと言ったFさんが口に運んで曰く『アイスクリームだと思った』だって。 いや貴方が注文したんでしょ、ってか最初からアイスクリーム食べるか?って話です・・・などといったヒョットコ話は置いといて、 そこそこボリュームがあって、あまり食べずに飲んでばっかりの師範みたいな人間一人だったらこれだけで十分かもです。

Churton Marlborough Sauvignon Blanc 2018 [Churton]
名称Churton Marlborough Sauvignon Blanc 2018
チャートン マールボロー ソーヴィニョン・ブラン 2018
生産者Churton
チャートン
価格2,750円 (抜栓料:+600円)
購入店W-Yokohama -The Wine Hall-

 ビールを飲み干してアルコールへの渇望感も癒されたところで、ワインを注文します。 ワインリストはA4サイズの紙で20ページ以上、各ページに5~30種書かれているんで、ちゃんと数えてませんがトータルでは300種類以上ありそうな立派なものです。 そしてなにより立派なのが、お値段が標準小売価格に設定されていること。その値段にプラスして1本600円の抜栓料でワインが楽しめるんですよ。 あと、一人200円プラスすると、立派なリーデルのグラスが使えます。この200円の投資効果は大きいですよ。

メンバー二人に、どんなワインが飲みたいか聞いたところ、
 『軽めで甘くない白プリーズ』
とのご意向。さっそくお店の方をお呼びして
 「香りが華やかで、甘さもお値段も控えめの白、多分ソーヴィニョン・ブランあたりが良いと思いますが、何本か紹介して頂けますか」
とお願い。そこで持ってきて頂いたのがソーヴィニョン・ブラン3本、ニュージーランド産のこのワインと、確かフランス産の1本、そして珍しいイタリア産。
 「軽やかなのはこれです」
ということだったので、お値段的にも一番軽やかだったニュージーランド産をチョイスしました。

 グラスはリーデルのブルゴーニュタイプです。色は、ソーヴィニョン・ブランらしい無色に近い淡いレモン色。 香りは、どちらかというとロワールあたりのこの品種に近い感じの、ハーブを中心としたフレッシュな香り。 Fさん曰く『ぬか味噌のぬかの香り』、Hさん曰く『ブドウの種を噛んじゃった時の香り』だそうです。 斬新なご意見、大変参考になります。 味わいは、注文通り甘さ控えめでキリッとしたバランス。後味に軽い苦味もあって、とても爽やかです。

 典型的なニュージーランドのソーヴィニョン・ブランといった感じでした。 こういうワインが、抜栓料や消費税含めても3,000円台中盤で、雰囲気のあるレストランで楽しめるってのは「アリ中のアリ」だと思いますよ。

点数78点
W Yokohama -The Wine Hall- プロシュートのサラダ

 料理は、他にもいくつか注文しています。

プロシュートのサラダ880円 (左写真)
海老とアーティチョークのアヒージョ780円
牛カイノミのロースト1,580円
バゲット500円

 「三人でこれだけかよ!」ですが、まぁ良い歳のオッサンオバサンですから、こんなもんです。

Chateau Musar 2011 [Gaston Hochar]
名称Chateau Musar 2011
シャトー・ミュザール 2011
生産者Gaston Hochar
ガストン・ホシャール
価格5,800円 (抜栓料:+600円)
購入店W-Yokohama -The Wine Hall-

 赤も、メンバーのご意向を伺ったところ『重い赤をプリーズ』とのこと。 こちらも店員さんに相談しようと考えていましたが、つらつらとワインリストを眺めていると、 最後の方に書かれていた「2011 Chateau Musar (Lebanon) \4,800」の文字に目が釘付けになってしまいました。 しっかりした赤というご意向にも沿うし、一般人な方も飲む機会が多いニューワールド産とは違う雰囲気だろうし、なにより安いよね。 というわけで、赤に関しては指名買いさせて頂きました。

 グラスはリーデルのボルドータイプです。 色は、しっかりと濃い紫色で、エッジに僅かにレンガ色のグラデーションが見えて、良い感じに熟成していることが見て取れます。 香りは、グラスに鼻を近づけただけでブワッと香ってくる高級ボルドー感。もちろんボルドーじゃ無いんですけど、 これをボルドーじゃ無いと言い当てられる人は少ないと思います。カシスジャムのような熟したベリーの香りに、煮豆のような甘やかな感じ。 樽香もありますが、果実の香りに溶け込んでいて悪目立ちしません。 味わいも、渋味と甘味と酸味のバランスが取れています。かつ抜栓してすぐの渋味優先な感じから時間が経って甘味優先になる変化も楽しめました。

 いや~、このワインはアタリでした。 唯一残念なのは、リストに表記されていたお値段と、帰宅後に会計を確認した時のお値段が違っていたこと(実際は5,800円)。 それでも安いんですけどね。あの量のリストをメンテナンスするのは大変だと思いますが、大事なポイントだと思います。

点数87点
W Yokohama -The Wine Hall- ビール

 最後に、もう一回ビールを。「締めシャン」ならぬ「締めビール」ですよ・・・って普通ですかそうですか。

 お会計は、テーブルチャージと消費税含めた(サービス料はありません)3人分トータルで21,000円強。 そこから"Go To Eat"キャンペーンで、一人1,000円分のポイントが返ってくる予定です。 期間限定&店限定で、なんだか使いにくいですけどね、Go To Eatのポイント。

 ・・・ってな感じの職場のメンバーとの飲み会でした。


11日(日)

サントリー ザ・プレミアム・モルツ<マスターズ・ドリーム>

 本日の昼酒は、サントリーのザ・プレミアム・モルツ<マスターズ・ドリーム>。 以前は瓶だけだったと思うけど、缶も出たんですね~(今年春から切り替わったみたい)

 きめ細やかな泡立ちと長い泡持ち、香ばしい香りにしっかりした味わいもあってちゃんと美味しいビールではあるけど、 以前よりちょっとマイルドになったかな?って印象を受けました。 瓶の時はもっとガツン!って感じがあったような・・・気のせいかもですが。

Charles de Villesainte Brut N.V. [SARL Chopin]
名称Charles de Villesainte Brut N.V.
シャルル・ド・ヴィルサント ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者SARL Chopin
SARL ショパン
価格1,959円 (単品価格:2,990円)
購入店ヴェリタス 輸入直販ワイン専門店

 本日の夕食は、鶏の唐揚げ、インゲンの素揚げ、九州風ゴボウ天、ナスとインゲンの揚げびたし。揚げ物大好き一家です。 だって素揚げ(揚げて塩を振っただけ)で野菜が美味しくなるんですよ。 自宅では揚げ物はしないってご家庭も多いようですが、簡単で美味しい調理法なのになぁ、と思います。 道場では油は蓋付きの天ぷら鍋に入れっぱなしです(カスは網杓子で掬います)。 濾すために別の容器に移すのは面倒だし、かえって酸化が進むような気がしています。

 そんなメニューなんで、ワインはシャンパーニュです。脈絡無いようですが、なんとなく最近天ぷらとシャンパーニュの相性が抜群!なんてツイートを見たものですから。 選んだのは、ヴェリタスで1本2,990円、オリジナルのセットを組むと1,000円台になる格安シャンパーニュ。 SARL Chopin (Didier Chopin)は、この手の安シャンパーニュで最近よく見かける造り手ですな。

 色は、ブラン・ド・ノワール&長期熟成(60ヵ月)らしい濃いめの飴色。やっぱシャンパンはこうでなくちゃ!です。 香りは、梅酒の梅の実っぽいフルーツ香と、パンの耳っぽい香ばしさを感じます。 口に含むと、まさにこういうのを「クリーミー」と言うんでしょうな、細か~な泡が口腔内を優しく刺激します。 味わいは、甘味も酸味もたっぷりでコクもあって、後味に軽い苦味の余韻。「しっかり系」のシャンパーニュと言っても良いでしょう。

 ホントね~、師範は泡モノに関しては値段と印象のベクトルが一致しません。 このワイン、下手な高級シャンパーニュより美味いと感じます。 ラベルの安っぽさ(カバっぽさ)がやや残念ではありますが、 ブラインドだったら『ナイショですけどプレステージ品なんですよ(ハート)』と伝えれば大抵コロッと騙されると思います。 ポワルヴェール・ジャックに飽きたらコチラもどうぞ>泡好き安ワイン者の皆さん!

点数83点

10日(土)

Pontrieux Pinot Noir 2018 [Pontrieux Vineyards]
名称Pontrieux Pinot Noir 2018
ポントリュー ピノ・ノワール 2018
生産者Pontrieux Vineyards
ポントリュー・ヴィンヤーズ
価格1,398円
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 急に寒くなりましたね~ってことで本日の夕食は鍋。鍋ダネは、鶏モモ、豚ロース、鶏つくね、あとは野菜いろいろ。 出汁はミツカンの「とんこつ醤油 鍋つゆ」ってのを使ってみました。 というわけで、肉っぽさ溢れる鍋なので、選んだワインは南アフリカ産のピノ・ノワール。 コストコでお値段1,398円でした。裏ラベルによれば、自然酵母で全房発酵とのことです。

 色は、ピノ・ノワールとしてはやや濃いめで暗めの赤紫色。南仏のピノみたいな感じの外観です。 最初に感じる香りのボリュームはやや弱め。ぐるぐるスワリングして深く吸い込むと、これまた南仏のピノみたいなケモノっぽさがブワッと来ます。 あとはイチゴジャムっぽいフルーツの香りとメントールのようなスーッとする香り。 口に含むとバニラっぽい樽香にファンデーションのようなお化粧っぽい香りもあります。 少なくともブルゴーニュのピノとはかなり傾向の異なる、とても個性的な香りです。 味わいは、渋味はそこそこあるけど甘味や酸味は控えめで、かなり軽めのバランス。 香りが個性的なだけに、やや拍子抜け感のある味わいです。

 美味しいというより面白いワインですね。香りの複雑さは全房発酵由来なのかな? 全体になんとなくガチャガチャしていて落ち着きのない雰囲気ではありますが、 そういう猥雑な感じを楽しめる手練れの安ワイン者にはお勧めしたいと思います。

点数75点

9日(金)

Conviviale Primitivo 2018 [Adria Vini]
名称Conviviale Primitivo 2018
コンヴィヴィアーレ プリミティーヴォ 2018
生産者Adria Vini
アドリア・ヴィーニ
価格0円 (単品価格1,430円)
購入店ワインショップ ドラジェ

 本日の夕食のメインは、前日から仕込まれたビーフシチュー。師範代が調理担当なのでワイン不使用です。 「ワイン好きあるある」だと思いますが、パックに入った料理用のワインなんてのは常備して無いんですよね。 さてさてそんな料理に合わせたのは、イタリア産の赤。 単品価格は1,430円ですが、入手価格はなんと無料。 「ワインショップ ドラジェ」で、 税込み11,000円以上購入すると、このワイン(下記リンク参照)をタダで買い物かごに入れることが出来ました(10/31まで)。 『ドラジェが誇る自信のワイン』らしいので、タダとはいえ気合を入れて稽古させて頂きます。

 色は、エッジまでしっかりと濃い青紫色。イタリアの品種、北の方は赤っぽくて南の方が青っぽい気がしますな。 だけども香りは北イタリアっぽいツンっと来る鋭さのある果実香。ちょっと男性用化粧品「ブラバス」みたいな香りもあって、イタリアの「優男」っぽさが感じられます。 味わいは、色とは裏腹に、香りとは共通性のあるしっかりした酸味があって、ちょっと「ハッ!」とします。 もちろん渋味もカッチリ甘味もそこそこありますが、プーリア州の赤としてはかなり酸がしっかりしているように思います ・・・でもpHは3.8なんでそんなに酸が強いわけでも無いんだよな。何かを酸味と勘違いしているのかな。

 「タダより安いものは無し」を座右の銘としている師範におきましては、この手のプレゼント商品には飛びついちゃうわけですが、これは「アリ」です。 スゲーっ!ってワインじゃありませんが、南イタリアの緩いプリミティーヴォではなくシャキッとした姿勢の良さを感じます。 ワイン買う時に1つのショップで11,000円なんてすぐいっちゃいますから、貰ってラッキーだと思いますよ。

点数74点

7日(水)

おおいた味力(みりょく)ソーセージセット

 本日の料理当番は師範で、メニューはボイル&ソテーしたソーセージいろいろ、ベーコンと蒸し野菜、焼きブロッコリー。 ソーセージとベーコンは、「おおいた味力(みりょく)ソーセージセット」から。 このセットは、週末のワイン同様、豪雨災害への復興支援を名目に大分県竹田市へふるさと納税した返礼品です。 寄付金額15,000円で6種類2,380gのソーセージセットを頂けるのはお得だと思います。 お味の方もなかなかのものですよ。

 さぁ皆さん、復興支援で大分県竹田市を応援!応援!!

 楽天ふるさと納税へのリンク:【ふるさと納税】おおいた味力 ソーセージセット:寄付金額15,000円

Bourgogne Passetoutgrain 2013 [Jayer-Gilles]
名称Bourgogne Passetoutgrain 2013
ブルゴーニュ・パストゥグラン 2013
生産者Jayer-Gilles
ジャイエ・ジル
価格1,914円
購入店AUTHORITY

 料理が大分のソーセージなんで、一番相性が良さそうなのはご当地のマスカット・ベーリーAなんだけど、連チャンになるのでそれは保留。 次善の策はドイツあたりの赤だけど、あいにく手元に無し。 ならば、ということで選んだのが、このブルゴーニュ産の赤。 先日、汐留のリカーショップ「AUTHORITY」を訪問した際に買ったものです。

 ちなみに造り手の「ジャイエ・ジル」は、ブルゴーニュの神様「アンリ・ジャイエ」の親戚筋にあたる方。 『2,000円くらいで一流の片鱗が味わえる』ということで、以前は良く稽古した銘柄です。 買ったお値段は未だに税込みでも1,000円台。価格の優等生ですな。

 まず厚みがあって切りやすいキャップシールと、50mmと立派な長さのコルクに感心。注ぐ前から気分がアガります。 色は、澄んでいてしっかりとした濃さのある赤紫色。アルコール度数が12.5%と(最近のワインとしては)低めながら、意外とアシも長いように見えます。 香りは、抜栓してすぐはやや控えめなボリューム。少し温度が上がると、熟したプラムに加えて革のような動物的な香り。 ガメイが入っているとは思えない、ブルゴーニュ南部のピノ・ノワールの香りがします。 口に含むと、固い渋味があるのがやっぱりガメイかな。甘さ控えめで酸味シッカリ、媚びを売らないクラシカルなバランスの味わいです。

 地味なワインではあります。でもやっぱりこの品質&肩書きでこのお値段は立派だな。いつまでもこうあって欲しいものです。 ちなみにこのワイン、オーソリティのネットショップだと税込み1,595円で売られていたみたいです(売り切れていますが)。 そんな値段は、過去20年以上振り返っても多分最安値です。探せばあるんですね、値上がりしていないブルゴーニュも。

点数76点

4日(日)

白ビール飲み比べ

 本日の昼酒は白ビールの飲み比べ。名門「ヒューガルデン・ホワイト」と、ドンキで1缶75円で投げ売りされていたベトナム産の"第三のビール"「オルジュ・ホワイト」。

 結果はやっぱりヒューガルデンの圧勝でした。オルジュも不味くはないけど、香りの良さが全く違いましたよ。

 そして、泡の高さがキレイに揃ったことを褒めてください。 昨年、「ヱビスビール記念館」で体得した「三度注ぎ」のテクニックが奏功しました。 細かな泡が液面を覆っていると、美味しさが長持ちしますよ。

Kuju no Kaze Sparkling 2017 [Kuju-Winery]
名称Kuju no Kaze Sparkling 2017
久住の風 スパークリング 2017
生産者Kuju-Winery
久住ワイナリー
価格2,948円 (寄付金額:5本セット40,000円 720ml)
購入店大分県竹田市

 「秋はふるさと納税の季節です~♪」ということで、今年最初の寄付先に選んだのは、台風10号に伴う豪雨で大きな災害にみまわれた大分県竹田市。 ここには「久住(くじゅう)ワイナリー」という蔵がありまして、そこのワインの5本セットが返礼品になっていたので迷わず寄付させて頂きました(寄付金額40,000円)。 その中から、最初に選んだのは「日本ワインコンクール」で銅賞を受賞したらしいスパークリング。 ドイツ系品種のションベルガーが使われているそうです。声に出して読みたい品種ですね、ションベルガー。

 ちなみに本日の夕食は、大分産天然鮎の塩焼き&煮付け、マダイとイナダの刺身、肉じゃが。 鮎が大分産なので、ワインも大分産で揃えたかったってのがこのワインを選んだ理由の一つでもあります。

 さて抜栓。栓がプラスチック製で、抜くのにかなり難儀します。スパークリング用のコルク栓って日本じゃ高いんですかね? グラスに注いで、色は非常に薄いレモン色。泡立ちも弱いように見えます。 香りは、最初「あぁ~厠臭」って感じでした。田舎の無人駅の便所っぽい香りがほのかに漂います。 でも、それに慣れるとその向こう側にマスカットのようなブドウらしい香りが感じられます。 口に含むと、泡はやっぱり弱めですね。ペティアン+αくらいな感じです。 味わいのバランスはやや甘め。物足りなさはありますが、無難な感じでもあります。

 全体に柔らかで、一般ウケしそうではあるんだけど、いかんせん厠臭がイケません。 ボトル差なんですかね?ブレタノミセスかな?このボトルが品評会に出されてたら間違いなく賞は取れなかったと思います。 ま、そういうこともありますわな。残りの4本に期待しましょう・・・でももっとちゃんとやろうぜ日本ワイン!

点数62点

3日(土)

ビノセント・アイレン カクテル

スッキリサッパリ系の白ワインが余った時には、「カクテルごっこ」が楽しゅうございます。右から
 ・ストレート
 ・w/ジューンベリー酒
 ・w/カシス・リキュール(≒キール)
甘さを足してやることで、より食前酒向きになりますな。キールなんてコレ500円で出せるよ、1杯で元が取れます。 ・・・なんてことをしてたら明日の分が無くなっちゃいましたぁ~。明日のオレ、スマン!

Barista Pinotage 2018 [Bertus Fourie]
名称Barista Pinotage 2018
バリスタ ピノタージュ 2018
生産者Bertus Fourie
ベルタス・フォーリー
価格1,980円
購入店葡萄屋 関内店

 本日の夕食は、アンガス牛の和風サイコロステーキ、空心菜の炒め物。 ワインは、牛ステーキだったらガッツリ赤でしょ、ということで選んだ南アフリカ産のピノタージュ。 「バリスタ」という名前なので、コーヒーっぽい雰囲気のワインだと想像されます。 結構あるんですよね、コーヒーっぽいピノタージュ。そして「コーヒー=樽香=高級」な刷り込みがされた師範には結構ウケの良いクラスタでもあります。

 色は、コーヒーほど濃くは無いです。大きめグラスでも向こうが透けるくらいの濃さですが、ネットリ感はしっかりあります。 香りは「キター!」です。やっぱり最初にガツンと来るのはコーヒーの香りですね。 その後ろに、ドライプルーンのようなフルーツ香とミントのようなハーブ香があるので、フレバリーコーヒーみたいな感じでしょうか。 味わいは、甘さシッカリ、渋味と酸味はそこそこ。アメリカン・コーヒーに「ミキプルーン」とレモン汁を入れたような味わいです ・・・ってそんなの飲んだこと無いけど。

 濃いワイン好き&コーヒー好きには間違いなくお薦め出来ます。 ネットショップだと、安いトコロでは1,500円くらいからあるみたいですよ。 ただ、料理と合わせるのはちょっと難しいかも。コーヒーに合う料理ってちょっと思いつかないっすよね。 実際師範も半分はそのまま単体で頂きました。 つまみ不要な感じなので、映画でも見ながらチビチビ飲むのに好適だと思います。

点数78点

2日(金)

Vinocent Airen N.V. [セブン&アイ(南アルプスワインアンドビバレッジ)]
名称Vinocent Airen N.V.
ビノセント アイレン (ヴィンテージ無し)
生産者--
セブン&アイ(南アルプスワインアンドビバレッジ)
価格514円
購入店セブンイレブン

 次女が『スペイン料理が食べたい』というので、「よーし父ちゃんが作ったる!」ってことで本日の夕食は、 スペイン風チキンのトマト煮、スペイン風オムレツ、炊き込みパエージャ、スペイン風グリーンサラダ。 トマト煮に白ワインが必要なので、急遽料理用として買ってきたのが、最近ツイッターの一部で話題となった、セブンプレミアムのスペイン産白「ビノセント アイレン」。 お値段は750mlで税込み514円の激安価格ですよ(赤のテンプラニーヨは2年前に稽古済み)。 日本式のスクリューキャップが採用されていますが、瓶詰めは国内(南アルプスワインアンドビバレッジ)です。 このワインを料理用に100ml程度使って、残る650mlは今日明日明後日の食前酒にします。 そうすると変化も見ることが出来て、一石二鳥って寸法です。

 色は非常に薄め、色の濃い清酒くらいの白木っぽい色。粘性は低くサラッとしています。 香りは、お世辞や忖度抜きで「おぉ!」と思います。裏ラベルには『アイレン種らしい青リンゴやグレープフルーツのような清涼感溢れるフルーティな香り』とありますが、 なるほどその通りだと思います。味わいは軽め、でも軽すぎるってほどではなくて、甘さ控えめで酸味もそこそこあって、普通に楽しめます・・・でも微妙に軽すぎかな。

 ・・・などと、なんだか上から目線みたくなってしまってますが、正味ワンコインの価格帯でこの「シンプルな味わい」は珍しいんですよ。 以前比較稽古したワンコイン動物銘柄なんかみたいに、 普通もっと甘口に仕立てられる傾向にありますから(それらは糖度6.8~7.1だけどこのワインは6.2)。 ただこれが、コンビニの顧客層とマッチしているかと言うとどうだろう?と思うワインではあります。 一方で『アルパカやサンタの安い白は甘くてイカン!』とお嘆きの諸兄には是非お勧めしたいワインでもあります。

 ちなみに、急いで冷やすためにワインクーラーの氷水で冷やしたら、表ラベルはベロベロに剥がれて来ました。 冷水で冷やすことは想定されていないみたいですね。 冷蔵庫で冷やしましょう・・・というわけで普通にスクリューキャップを戻して、セラーに立てて明日明後日の再稽古に備えます。

 さて翌日再稽古。色は変わりなしです。香りも、昨日同様のフレッシュな青リンゴとグレープフルーツの香り。 味わいは、酸味よりも苦味が出てきた感じかな?温度のせいかもですが。 そして、明日まで引っ張るつもりでしたけど、あいにく本日で飲み終わってしまいました。

点数73点
Old Hands Organic Wine Roble 2016 [Bodegas la Purisima]
名称Old Hands Organic Wine Roble 2016
オールド・ハンズ オーガニック・ワイン ロブレ 2016
生産者Bodegas la Purísima
ボデガス・ラ・プリシマ
価格999円 (バーベキュー用に2本)
購入店ヴェリタス 輸入直販ワイン専門店

 で、こちらが本日のメインのワインです。メニューがスペイン料理なんで、道場在庫でスペイン産を探したら、 なんと珍しいことにスペイン産はコレだけでした。このワインは、昨年の夏に稽古済み、 その時好印象だったんで、バーベキューの場にも持参したワインです。 あれから一年、道場のセラーでおとなしく寝てましたが、どんなワインに変化したか興味津々で稽古開始です。

 色は、やや濁りのある濃い赤紫色。ネットリ感は↑の白と違ってトロットロな感じがします。 香りはなんだか熟成ボルドーみたいなんですよ。昨年は「ドライフルーツっぽい乾いた黒系果実の香りに、チョコレートのような甘い香り」って書いてますけど、 その傾向を更に乾いた方向に進めた感じです。 口に含むと、ビックリするくらい熟成感があります。 ヴィンテージは2016年、そんなにお年寄りでも無いし、昨年はそんな印象無かったのに、この1年でめっきり老け込んだ感じです。

 道場セラーの温度設定は13度、数年前に回路系は交換して貰ったので故障はしていないと思うんだけど、それでもこんだけ熟成が進むんですな。 好き嫌いがアナログに分かれるワインだと思うけど、師範の個人的嗜好としては、昨年のような若い感じの方が好き。 でもスペイン料理との相性は大成功でしたよ。

点数72点