稽古日誌:2015年3月

デンドロビウム

 3月になりました。関東地方の今年の冬は大雪が降ることも無比較的穏やかでした。花粉も穏やかだと助かります。

 左写真は、道場でここんとこ20年くらい栽培しているデンドロビウム。 数年前には読者な方におすそわけしたり、昨年はご近所さんにおすそわけしたりしたけど、 株分けしたり高芽を取ったりしてなんだかんだで増える一方です。 品種は、「デンドロビウム・ユキダルマクイーン」という種類で、 そもそもは西伊豆の堂ヶ島らんセンターで買って来たんだけど、 とにかく強靭で師範のエエ加減な栽培でもジャンジャカ花を咲かせてくれています。

 そして3月第一週はスペイン(バルセロナ)とイスラエル(テルアビブ)へ行って来ました。 用件は単なる勤務先関連の出張ですが、「安ワイン道場師範」たる姿勢も忘れておりません。 そちらも合わせてお楽しみください。


31日(日)

大岡川 夜桜

 明日から雨という予報もあり、今週末まで桜はもたなそうだったので、 家族4人で大岡川沿いまで夜桜見物に行きました。 花は八分咲きくらいでしょうか。長者町あたりには屋台が出ていて、そこでいろいろと食べたり飲んだり。

フライ5種:850円
 テキヤの屋台で1本150円は安いですね。味はまぁ冷凍モノを揚げてソースに浸しただけですが、 そういうジャンクな味がこういう雰囲気には合っています。

焼きリンゴ:大400円&小300円
 大(普通のリンゴ)が長女で、小(姫リンゴ)が次女の分。焼きリンゴに使われているリンゴって、 全く甘くないのが定説だと思ってましたが、案外甘いリンゴでした。最近は甘くないリンゴ自体が少ないのかな?

チョコバナナ:300円
 師範代が店の兄ちゃんに「2本買うので安くなりませんか」と持ちかけましたが、 『そういうの無理なんで』とそっけない回答。じゃあってことで長女&次女で1本だけ。 営業ヘタだよね。原価率を考えても、2本500円で売った方が利益額が大きいはずなのに。 よほど生産が追いつかない状態なら別だけど(牛串の屋台とかはそうでした)、 在庫が積み増している状況ならボリュームディスカウントは王道でしょう。

 師範はと言うと、近くのコンビニで買った缶ビール 500ml缶チューハイ 350mlを。 街中の花見は割高なテキヤでアルコールを買わずにコンビニで調達出来るのが便利ですね。

浜銀 外観

 屋台でそこそこ小腹は満たせましたが、さすがに夕食の代用とまではいかず、 もうすこし食べて帰ることに。フラッと選んだ店は、 伊勢佐木町のイセザキモールから1本大岡川沿いの通りにある浜銀というお好み焼き屋さん。 創業昭和四十二年の老舗のようです。

 店内は、半個室状態に仕切られたテーブル席が沢山あって、かなり広めのキャパで、清潔感もあります。 そんな空間に、お店の方はかなりご高齢の大将と女将さんの二人だけ。 そして午後8時過ぎの入店時刻でお客は師範らだけ、といった状態でした。

浜銀 もんじゃ焼き

 ここでの注文は以下。

お好み焼き(五目天) \950
もんじゃ焼き \800(左写真)
じゃがバター焼き \750
焼きそば \650

 全体に強気の値付けで、 特にじゃがバター焼きは、ころころっとふかした片手に乗るくらいのジャガイモに、 ちょこっとバターが添えられていて、 それを焼いて塩かけて食べて下さい、というもの。それが750円。 お好み焼き屋のメニューって、全体に原価が想像つくし自宅でも出来るものが多いから、 本質的に割高に感じられてしまいますな。

浜銀 ビール

 飲み物は、師範が瓶ビール\550也。 生ビールもワインもメニューにはありましたが、「君子危うきに近寄らず」です。 師範代と次女が烏龍茶\300、次女は水。 でもお会計では烏龍茶が多分3杯分取られていました。「多分」というのは明細を頂けなくて、 というか女将さんが算盤で勘定していたんで、詳細は不明だからです。

 お会計は4人で5,000円弱。大将と女将さんで昔から守って来た店、という感じなんでしょうね。 女将さんもご老体に鞭打って焼くのを手伝ってくれたりして、とても親切なんです。 でも、昨今の飲食店の低価格化/効率化/差別化の流れに棹差すのはなかなか難しそうであります。


29日(日)

グリーンパル湯河原 朝食

 湯河原への一泊二日プチレジャーの二日目。

 左写真は、宿である「グリーンパル湯河原」の朝食。 やはり干物の名産地だけあって、鯵の干物が美味しゅうございます。 あと、量も多過ぎず適当・・・と言いながら、師範に至ってはご飯二杯、おかゆ一杯食べちゃいました。 朝から海まで散歩して、そのあと風呂にも入ったんで、結構お腹が減ってたんですわ。

 そんな感じで、宿のお支払いはワイン代も含めた4人分トータルで50,000円弱。 前日飲んだワインが、もっと安い清酒と間違ってカウントされていたんで、 正直に申告した真面目な師範一家です。 そして、思いのほか満足度の高い宿だったんで、また違う季節にも伺いたいと思います。

潮り 外観

 宿は10時にチェックアウト、上りの真鶴道路はそこそこ混んでましたがまだ大丈夫な程度、 その後のレジャーは「フレスポ小田原」なるショッピングモールでお買い物。

 そして昼食は、伊豆方面への旅行と言えば寿司は外せません、ということで、 小田原に最近出来たらしい潮り(しおり)というお寿司屋さんで。

 店があたらしいだけあって、店の外観も内装もピシっとしていて、寿司屋らしいシュッとした雰囲気です。 店内は比較的短めのカウンター席とテーブル席が3つ、奥には個室あったみたいで、 予約していた師範らはそのうちのテーブル席に案内されました。

潮り 地魚握り

 注文は、家族4人とも地魚にぎり、税別3,000円を。 地魚の内容は・・・説明して頂けたんですが、さすがに8種類となると覚えられませんでした。 基本的に白身魚のオンパレードなんですが、九州出身で白身魚が大好きな師範ら一家はそれが望むところなんで、 たいそう美味しく頂けました。 ただ、惜しむらくは握りのサイズが小さくて、 一人前+味噌汁+デザート(豆乳のブランマンジェ)を頂いても普通だとおなかいっぱいにはならないでしょう。 今日の場合は朝飯をたらふく食べたんでこれでも良かったのですが、 絶対量は小食な小学4年生の次女にちょうど良いくらいでした。

潮り 生ビール 潮り 瓶ビール

 ここから先は運転担当を師範代に譲って、師範は飲んじゃいます。 まず最初に注文したのが、アサヒスーパードライ エクストラコールド、 グラスで税別680円。以前から興味はあったのですが、正直師範にはこのビールの良さは判りませんでした。 量も少なめであっという間に飲み終わっちゃって、これに懲りた師範の次なる注文はアサヒスーパードライ 中瓶、 お値段税別600円也。(右写真は縮尺が変ですが)量的にはこちらが倍くらい入っているのでお得感があります ・・・って、つねにアルコールを損得で考えるさもしい師範です。

 このお店、清酒のラインナップがとても充実しているんで、 本来はビールの後に清酒でも・・・と考えていましたが、流石にグラスと中瓶だと、 それを飲み終わる頃にはお寿司も食べ終わり。清酒までは行きつきませんでした。

 結局、トータルのお会計は15,000円弱。 雰囲気も良いし、お店の方の気遣いもちゃんとしており、美味しくはあるんですが、 お値段もそれなりにします、というところですね。

La Playa Estate Series Merlot 2012
名称La Playa "Estate Series" Merlot 2012
ラ・プラヤ "エステート・シリーズ" メルロー 2012
生産者Viña La Playa
ヴィーニャ・ラ・プラヤ
価格\788
購入店サンタムール

 そんな感じで小田原を出たのが午後2時過ぎ、小田原厚木道路も東名高速もそこそこ渋滞していて(師範代お疲れさま)、 道場近所のスーパー到着は既に午後4時を過ぎていました(備忘録)。

 夕食は、流石に魚はもうタップリ食べたんで肉で、 かつ簡単に作れる物、ということでフライパンで作る豪州牛モモ肉のローストビーフ。 あとはキュウリとキャベツの韓国風サラダとか、冷凍ものの生パスタ(クリーミーボロネーゼ)とか。 そうなるとワインも赤で、安くてもしっかりした系が良かろうと思い、チリ産のメルローをチョイスしました。

 色は、狙い通りしっかりと濃くてしっかりと青い紫色。 香りも青いですねぇ。こういう青い香りってカベルネ・ソーヴィニョンの特徴だと思ってたけど、 どうも最近はメルローに感じることが多くて、自分の判断基準を修正する必要がありそうです。 その他にはちょっとシラー種みたいなスパイシーさとブルーベリー的なフルーツ香。 樽香は感じられないようです。 味わいは、ストレートに甘酸っぱ渋い感じ。 バランスは悪くないんですが、いかんせんそれぞれがバラバラで別の方向を向いています。

 確かにしっかりした系ではありました。 ただ、ちょいとストレート過ぎる感じは否めません。 で、改めて値段を見直すと800円以下だったんですね、コレ。 外観の雰囲気から1,000円ちょっとするワインだと思ってました。 800円なら納得の内容であります。

点数70点

28日(金)

コート・ドュ・サラ 外観

 本日は、久しぶりに一泊二日のプチレジャー、行先は伊豆の付け根の湯河原まで。 道場を出発したのは午前11時頃、東名高速に乗ってすぐ若干渋滞したけど、 それ以外はスムーズで小田原に到着したのが12時過ぎ。

 小田原では、小田原港の魚市場にあるお食事処に行く予定だったんだけど、 小田原港の駐車場は大混雑。店を見ても長蛇の列っぽかったんで、早々に断念しました。 そういうの苦手なんですよ、師範一家は。

 で、適当にロードサイドの店を見つけよう、ということで真鶴道路を通らず旧道へ。 その途中で見つけたのがココ、Côte de Sara (コート・ドュ・サラ)というインド料理店。 店名の前には「伊豆の海を食べる」なんてサブタイトルが付いています。 外観的にも店名的にもシーフードがメインの地中海料理だと思うじゃないですか、 でもインド料理でした。

コート・ドュ・サラ 料理

 そして注文した料理は以下です。

  グリーンサラダ\500
  タンドリーチキン\860
  白身魚(ホウボウ)のスパイス焼き\1,290 (左写真)
  バターチキンカレー\1,510
  ほうれん草とキノコのカレー\1,260
  ナン\210
  ガーリックナン\320
  チーズナン\380
  コーンナン\380

 グリーンサラダは単なるレタスのサラダだし、タンドリーチキンはビックリの小ささで、 「外したな」感が満載のところ、ホウボウのスパイス焼きはとても美味でした。 カレーも、ややお値段高めとは思うけど質&量ともに十分で、満足感があります。

コート・ドュ・サラ 白ワイン コート・ドュ・サラ ビール

 ここでハンドルを師範代に渡して、師範は飲んじゃいます。 まず頼んだのが生ビール、ジョッキを頼んだはずたけど来たのはグラスで、お値段490円也。 銘柄は一番搾りらしいですが、なんだか濃い感じでよろしかったです。 で、それだけでは止まらず白ワインをグラスで。 こちらも、けっこう立派なグラスにタップリの量が注がれていて、 中身的にはイタリアあたりの安ワインだと思われますが、 量が多いだけでもなかなかに満足度が高い内容でした。

 お会計は、4人分トータルで8,000円弱。 それぞれの値段は決して安くないんですが、ゆったりとしたテーブルでゆっくりインド料理を食べて、 その満足感も含めれば納得の内容でしょう。

 この後、午後2時過ぎに宿へ向かい、一旦は到着するもこの店に上着一式(財布とか携帯とか)を忘れていることに気づき、 師範代に更なる運転をお願いして取りに帰りました。忘れものには気を付けましょう>師範

グリーンパル湯河原 外観

 本日のお泊まりはグリーンパル湯河原、例によって師範代の勤務先の契約保養所です。 宿は、湯河原のちょっと山側急斜面、別荘地の一角にある4階建ての小ぢんまりしたビルで、 部屋数は20部屋弱、建物自体の築年数は結構いってそうですが、 内装は近年リフォームされているみたいで清潔感があります。

グリーンパル湯河原 景色

 部屋は、入り口に洗面台があって10畳くらいの和室+窓際スペースといういわゆる普通のホテルの和室な造り。 内風呂はありません。必要最低限という感じですが、窓からの景色はなかなかナイスです。 部屋が豪華であれば素直に喜び、そうでなければ「寝るだけさ」と割り切る、ポジティブな師範です。

エビス缶ビール 500ml

 そしてこの宿の素敵なポイントはお風呂にあります。 内風呂が無いからか大浴場には気合が入っていて、宿の規模としては十分以上の大きさがあります。 そして、露天風呂には岩風呂と釜風呂があって、小さいながらサウナもあります。 これで水風呂があればパーフェクトなんですが、そこは残念。 あと、サウナの使用時間が午後2時から午後8時までと短いのも残念です。

 風呂からあがったら「とりあえずビール」です。 自販機にはサッポロの普通のとエビスがあって、サッポロの500mlが380円、エビスが400円。 だったらエビスでしょ、です。 宿で500mlが400円なのは魅力ですが、惜しむらくは自販機の冷えがイマイチ。 まるで英国で飲むビールのようです。

グリーンパル湯河原 料理

 夕食は1階の食事処で。 食事スタートの時間を聞かれたので、二回転するスタイルかと思いましたが、 テーブルの数は客席数くらいあるように見えて、オペレーションが集中しないための配慮と思われます。 そして、サービスの方の受け答えも対応もなかなかちゃんとしていて、まるで一流旅館のよう、 ってのは言い過ぎですが廉価版の宿とは思えないレベルです。

 そして、料理の内容は下記でした(頂いた「弥生 お献立」という紙に書かれていたものの原文ママです)

グリーンパル湯河原 お造り
前菜嶺岡豆腐、花弁百合根、美味汁、鰆小袖寿司、華蓮根、浅利と菜の花の酢味噌和え、甘鯛西京焼き
造里鯵姿造り、真鯛、勘八、水蛸、牡丹海老、あしらえ彩々(右写真)
煮物筍土佐煮、若布、蕨、季節麩
焼物白魚と帆立の蕗味噌焼き
台物相模豚と春野菜の蒸籠蒸し ポン酢、薬味
凌ぎ野菜掻き揚げ蕎麦
強肴寄せ豆腐 割り醤油、塩、薬味
御食事桜海老釜飯
止椀合わせ味噌仕立て あおさ海苔、滑子、三つ葉、山椒
香の物三種盛り合わせ
水菓子焼き林檎ぷりん、ふるーつ
グリーンパル湯河原 デザート

 そして、この料理も廉価版の宿とは思えないしっかりした内容でした。 上写真のお造りなんか、鯵が姿造りで一匹ですよ(その頭が写真に写っていないというテクの無さ)。 その他の料理も、普通一般の「旅館の夕食」を超えている感じで満足度が高うございます。

 ちなみに次女はまだ小学生なんで子供料理なのですが、 子供料理なんて食べないので大人のに変更して貰いました。 そのためのコストアップ分は夕食&朝食合わせて2,851円、でもその価値がある内容でした。

Norton Extra Brut N.V.
名称Norton Extra Brut N.V.
ノートン・エクストラ・ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Bodega Norton
ボデガ・ノートン
価格(\3,330)
購入店グリーンパル湯河原

 飲み物リストの最初のページに、「お誕生日などのお祝いに」というタイトルでこのスパークリングが載っていました。 お値段税込3,300円は旅館のワインとしてはかなりお手頃。 後ろの方を見ると、なんのことはない普通の赤白ワインとかがこれよりお高い値段。 一応「これフルボトルですか?」とお聞きして、『そうです』という返事を確認し、 別に誕生日でもお祝いでもありませんが注文させて頂きました。

 色は決して濃くなく、赤みも少なくレモンの果肉を薄めた感じです。 香りはなかなかに素晴らしい。 シャンパーニュのような熟成感とかイーストっぽさはあまり感じませんが、 アップルパイのような香ばしさとフルーツっぽさがバンバン感じられて、物足りなさはありません。 味も、Extra Brutと書かれてはいますがほんのり甘さがあって、 カバとかみたいなキンキンした感じは無くて、スイスイと頂けます。

 このスパークリングが旅館で3,000円ちょっとで飲めると言うのは幸せです。 お食事処ではかなりの量飲み残しましたんで、ワインクーラーごと部屋にお持ち帰りさせて頂きました。 部屋でも冷えたスパークリングが飲める、というのも幸せ感アップです。

点数77点

 食後はまた温泉に行って、ご就寝は夜11時頃だったでしょうか。 ゆっくり保養できた一日でありました。


27日(金)

Palacio del Conde Gran Reserva 2008
名称Palacio del Conde Gran Reserva 2008
パラシオ・デル・コンデ グランド・レセルバ 2008
生産者Anecoop
アネコープ
価格\636 (単品価格:\1,166)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 昨日今日と、こっちの大学に通っている姪が、この春住まいを引っ越す関係で道場に泊まりに来ているのですが、 昨日は師範が飲み会で遅くなり、今日は姪の方がアルバイトで遅くなる、ということで一緒に飲む機会に恵まれませんでした。 残念。まぁまた気が向いたらいつでも遊びに来て下さいな。

 というわけで稽古は一人で行います。 選んだのはスペイン産の激安グラン・レゼルバ。 この銘柄は2005年産とは2度稽古済み(ココココ)。 2005年産は個人的にちょっと熟成進み過ぎな感じがあったので、 それより若い分(生産年と稽古年との差は大差ないけど)期待して稽古します。

 さて抜栓。コルクはツルッツルに白くて液面に触れていた部分も薄紫、昨日今日打栓したようなコルクです。 色は、7年も前のワインとしてはかなり若い感じで、熟成によるグラデーションはほぼ見えません。 ところが香りには結構熟成感があって、梅っぽいキュッとした果実香がある以外は、 どちらかというとヤニっぽさや漬け物みたいなクタッとした香りが支配的です。 味は、後味に残る渋味がややザラついている以外は、甘味もあって酸味もしっかりで、 なかなかイケてるバランスです。

 香りだけはちょっと老けた感じですが、それ以外はまだパンッ!と張った感じもあって、 熟成し始めといった頃合いでしょうか。 "Gran Reserva"だし、金網に包まれて外観的にも高級感があるので、 ハッタリ込みで手土産用途とかにも良さそうです。

点数73点

26日(木)

ア・ラ・カルトン 外観

 本日は、師範の中学時代のメンバーで飲み会(前回の記録はコチラ)。 メンバーは、Mzさん、Isさん、Ogさん、Mtさん、Myさん、師範の6名。 場所は、ワイン会で時々利用する、有楽町のア・ラ・カルトンという店。 この店のメリットは、持ち込み料1,000円でのB.Y.O.を推奨している点です。

 今回、人数が6人と適当で、ちょっと囲まれた感じのテーブル席を使わせて頂きました。 普通のオフィスビルの地下の普通の食堂街にある店ですが、 有楽町駅から近く(でも迷う人はいました)、なにより持ち込み推奨店なので、 師範的には使い勝手良く感じております。

舞花 フライヤー

 この会、いつもオッサンばかりの茶色い集団なわけですが、 今回は違っていて、6人中2人も女性が参加。 そしてその2人のうちの一方は元女優さん。 そしてもう一方は、 今売り出し中の歌手「舞花」さんの母親兼マネージャー兼ソングライターさんだったりするんで、 いつもと空気が違います。
(ちなみに右写真が舞花さんの直筆サイン入りフライヤー、 オフィシャルサイトはコチラ。 楽曲のサンプルが聴けますが、個性的でしっかりした歌声の方ですね)

ア・ラ・カルトン ソーセージ盛り合わせ

 今回、料理はコースにせず、アラカルトで注文。そりゃ「ア・ラ・カルトン」ですから・・・じゃなくて、 皆師範と同じ歳なわけですよ。 そうそう沢山食べる年齢でも無いし、お仕着せの料理より好きな物をちょっとずつの方が結果お得と考えた次第。 で、その内容は以下でした。

  オードブル盛り合わせ\980×2
  ソーセージ盛り合わせ\780(左写真)×2
  アボカドと温玉のシーザーサラダ\850
  やまと豚のステーキ\1,100(下写真)×2
  カルボナーラ\920
  やまと豚のスパイシーピッツァ\950
ア・ラ・カルトン やまと豚のステーキ

 結果、6人で食べたにはやはり少ない量です。まぁ皆さん懐かしい昔話に花を咲かせるのがメインで食べるのは二の次、といった感じ。 それでも、この店のウリである「やまと豚のステーキ」は柔らかくて美味いと好評なようでした。

 飲み物は、まずは生ビールのレギュラーサイズ(\650)を皆で一杯ずつ。 ここの生ビール、量は少なめではあるのですがキチンと管理されているようで、 かなり美味しく感じました。 店によっては生より瓶の方が安心感があったりしますが、ココは生が良いです。

Beaune du Chateau 2010
名称Beaune du Château Premier Cru 2010
ボーヌ・デュ・シャトー プルミエ・クリュ 2010
生産者Bouchard Père & Fils
ブシャール・ペール・エ・フィス
価格\2,980
購入店カーヴ・ド・リラックス

 折角「B.Y.O.の持ち込み推奨店」ですから、師範の方で3本ほどワインを持ち込みました。 そのうちの一本がコレ、昨年買ったブルゴーニュ産の白で、造り手は大手ブシャール・ペール・エ・フィス。 なんでも、この造り手が持つ5つの1級畑からブレンドして造っているんだとか。 お値段はギリギリ稽古範囲の税込2,980円でしたが、 これくらいのクラスのワインって、一人で飲むにはなんとなくもったいなくて、 かといってワイン会とかに持参するほどでも無くて、なかなか出番が無いんですな。 だもんで丁度良いや、ってことで今回持参した次第です。

 色は、よく判りませんでしたが特段の個性は無かったような。 香りは、グラスに注いですぐは冷え過ぎていたからかあまり上がってきませんでした。 ちょっと時間を置くと、シャルドネらしい蜜っぽさとか軽く香ばしい樽の感じとかが出て来ましたが、 それでもボリュームはそんなに大きくありません。 味は、甘さ控えめで酸がキュッとしていて、とても上品な感じではありました。

 大手がそこそこ良い畑の残り物を集めて造った優等生ワイン、という感じでしょうか。 時間が経つと開いてくる感じはあったんで、こういう場より一人で一本飲む方が良かったかも。 一人一杯程度だと、優等生すぎてあまり印象に残らない、というのが正直な感想です。

点数(76点)
Chorey-les-Beaune Vieilles Vignes 2011
名称Chorey-les-Beaune Vieilles Vignes 2011
ショレ・レ・ボーヌ "ヴィエイユ・ヴィーニュ" 2011
生産者Dominique Laurent
ドミニク・ローラン
価格\2,980
購入店カーヴ・ド・リラックス

 持参2本目もブルゴーニュ産、そしてお値段は前の白と同じく2,980円と言うぎりぎり稽古範囲価格。 造り手は、以前は乱暴なまでに樽の効いたワインを造っていた「ドミニク・ローラン」、 村は若干マイナーな「ショレ・レ・ボーヌ」。 普通一般の方々はブルゴーニュのワインなんてあまり飲まないだろうし、 ここのはブルゴーニュとしては派手な造りだろうと期待して持参しました。

 色は、ブルゴーニュらしい澄んだ赤紫色。小さめのグラスなんでキッチリ向こうが透けて見える濃さです。 香りは、こちらもブルゴーニュらしいトーン高めの木イチゴっぽい果実香と軽いケモノっぽさを感じます。 樽香も感じますが、昔のドミニク・ローランとは違ってかなり控えめです。 ここで味がググッと来たら高級ワインなんですが、惜しむらくは味も軽め。 小さなグラスで香りがしっかり取れないと、単に「薄くて軽いワイン」になっちゃいます。

 ブルゴーニュの赤に期待する要素はそれなりに持っていて悪くは無いんだけど、 惜しむらくは「悪くない」の範疇を出ないワインでした。 こっちも「一人で一本」向きだったかなぁ。 もう一声奮発するか、 あるいは同じピノ・ノワールでもニューワールド産とかの方がこういう場には合うかもですね。

点数(78点)
Barkan Vineyards Reserve Cabernet Sauvignon 2011
名称Barkan Vineyards Reserve Cabernet Sauvignon 2011
バルカン・ヴィンヤーズ リザーヴ カベルネ・ソーヴィニョン 2011
生産者Barkan Wine Cellars
バルカン・ワイン・セラーズ
価格NIS 34.90 (約\1,050)
購入店(テルアビブ市内のスーパー)

 持ち込みワインの3本目がコレ、先日の出張で買ってきたイスラエル産のワイン。 テルアビブの中心街にあるスーパーマーケット(レシートにはヘブライ語しか書かれていないので店名不明)で買ったものです。 イスラエルのワインなんて、普通飲んだこと無いでしょうから、話のタネに持参しました。 ちなみにお値段はNIS 34.9、日本円だと1,000円ちょっとの安ワインです。

 グラスを一人二脚ずつ貰って、前のブルゴーニュと比較しながら飲みました。 当たり前ですが、色は間違いなくこっちが濃いです。 そして当たり前じゃなさそうなのが、前のブルゴーニュに負けないくらい香りのボリュームがあることです。 それも、いわゆるカベルネにある青っぽさはあまり感じず、 干したプルーンのような凝縮感のある果実香がメインです。 なのに味はそんなに濃い感じでは無くて、比較的スムーズ。 良く出来たカリフォルニア・ワインのようなバランスです。

 結果、イスラエル産と言う珍しさを別にしても、このワインが一番ウケが良かったようです。 1,000円でこれだと非常に高コスト・パフォーマンスですね。 イスラエル産、これから絶対ブームが来ます。仕入れて下さい>インポーターの皆様

点数(80点)

 ワインのあとはまたビールに戻ったりウィスキーを飲む豪傑が現れたりしつつ、 7時過ぎに開始した会も10時過ぎには一旦お開き。 お会計は持ち込み料を含めても6人分トータルで20,000円ちょっと。大変お安く上げることができました。

 そしてその後、6人みんなでカラオケに。 カラオケなんて行くのも前回のこの会以来です。 そこで聴かせて頂いた、女性2人がデュエットで歌うあみんの「待つわ」は、 感動的なまでにキレイなハーモニーでした。 また聴かせて下さい>MzさんIsさん


25日(水)

Chateau Haut Branda 2012
名称Château Haut Branda 2012
シャトー・オー・ブランダ 2012
生産者Ch. Haut Branda (Vignoble Ballet)
シャトー・オー・ブランダ (ヴィニョーブル・バレ)
価格\765 (単品価格:不明)
購入店 京橋ワイン

 南関東地方は桜の開花宣言も出ましたが、昨日今日はちょっと肌寒い感じです。 今週末は暖かくなるようだから、お花見のチャンスですかね。 お花見にはワインですよ、皆さん。ビールは寒いしトイレが近くなります。 清酒は・・・酔っ払います(あくまで個人の感想です)

 そして本日のワインは、名も知らぬ銘柄のACボルドーで、 品種はメルロー100%とのこと。 このワインにも「安定剤(アカシア)」が入っているようですが、 腐っても古くからの名醸地ボルドーですから、 スペインやイタリアなんかとは違って手加減してあるに違いない、念じます。 ちなみに料理のメインは鶏手羽先のオーブン焼きです。

 色は、しっかりと濃い紫色ですが、ボルドーとしてはやや赤みがあるような気がします。 香りは、これぞ若いボルドーよ的な、やや青臭いような雰囲気と、粒度小さく凝縮した果実香がメインです。 この香りだとカベルネ・ソーヴィニョンだと思いそうですが、 実際はメルロー100%らしいです。 味は、口に入れてすぐはスーッと線の細い感じですが、 口の中で存在感が膨らんできて、後味に長めの余韻を残す、なかなか芸達者な感じです。 もちろん、若いボルドーなんで甘さ控えめ&渋味や酸味はカッチリで、固い感じではあります。

 結果、変な添加物の影響も軽微で、普通に楽しめる若いボルドーでした。 この値段だったら十分合格じゃないですかね? だって700円台で買えるボルドーっつったらその内容は凡そ推して知るべしですから。

点数72点

22日(日)

Chablis 2012 [Alain Geoffroy]
名称Chablis 2012
シャブリ 2012
生産者Alain Geoffroy
アラン・ジョフロワ
価格\1,048 (単品価格:\1,922)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 今月は既に掲載本数が38本目とハイペースであるにも関わらず、 家飲みワインはたったの5本目。ホントに外で飲む機会が多い月です。 そして本日の料理は、ブリの照り焼き、春キャベツと新ジャガのグラタン風、レタスの韓国風サラダ。 ワインは白で、昨年稽古済みのシャブリです。

 色は薄め。緑色の成分があまり感じられない、枯れ草っぽい色合いです。 香りのボリュームは中程度、フルーツっぽい感じは控えめで、ミネラル感が主体的なシャブリっぽい香りです。 そして味わいも香りの印象通り。 酸味と旨味とコクとがメインで、甘味とかフルーティさはほとんどありません。 測定した数値的には、pHは前回同様低めで3.0(前回は3.1)、 糖度は結構差があって6.6(前回は6.2)。 これってボトル差ですかね?

 前回同様、シャブリらしいシャブリではありました。 本日の師範宅の夕食みたいな、魚や野菜がメインの日本の食卓には相性がいいと思います。 ただ、こういうワインは出来たてフレッシュな方が美味しいな、と感じた次第です。

点数72点

21日(土)

The Old Station 料理

 先々週は出張で休んじゃいましたが、今週は二週に一度の社外研修の日です。 昼間はタップリ濃い研修を受けた後、夜は懇親会。 場所は東京駅の建物内にあるThe Old Stationという店。 キャパはかなりありましたが、立ち飲みスペースも多くて、 宴会目的と言うより電車待ちの空いた時間にチョロッと、って感じの店のようです。

 料理の一部、右写真はタンドリーチキンです。 こういう状況なんでとりわけ美味い料理なんてのは望むべくも無いんですが、 でも東京駅の構内で4,000円で飲み放題でこれなら十分じゃないの、と思わせる内容ではありました。 そもそも食欲盛んな若手は居ませんからね。

Primi Bianco N.V. [Umani Ronchi]
名称Primi Bianco N.V.
プリミ・ビアンコ (ヴィンテージ無し)
生産者Umani Ronchi
ウマニ・ロンキ
価格\0
購入店The Old Station

 この店で出された飲み放題に含まれる白ワインは、 奇しくも先週稽古したワインと同じものでした。 そしてありがたいことにボトルごとテーブルに置いていってくれます。 これだといちいち注文せずに済むので助かります。

 で、ワインの印象はというと、軽くて薄くて香りも弱い、いわゆる普通のイタリア産安ワインです。 先週一人で一本飲んだ時はもう少しマトモだった印象があるんですが、 こうやって飲むと単に薄いワインですね。

 皆さんなかなか正直なもので、あまりこのワインを飲まれる人はおられなかったようです。 変に甘ったるかったり酸っぱかったりしない点は良いんですけど、 やっぱり「ツマンナイ感」はいかんともしがたいところでした。

点数(65点)


Primi Rosso N.V. [Umani Ronchi]
名称Primi Rosso N.V.
プリミ・ロッソ (ヴィンテージ無し)
生産者Umani Ronchi
ウマニ・ロンキ
価格\0
購入店The Old Station

 そして赤も同じ銘柄で、同じくボトルごとテーブルに置いていってくれます。 13人ぐらいの参加者だったんですが、そのテーブルの両端に赤白それぞれ1本ずつなんで、 心おきなくゆっくり飲めます。これが美味いワインだったらたいそう有難いんですが・・・

 色は、それなりの濃さがある感じなんで、イタリアでも南の方のブドウかと。 香りは、スミレみたいなイタリアっぽい香りもあるにはあるんですが、 なんとなく蒸れた雑巾を思わせる感じがあるのが残念です。 そして味は、甘さ控えめでやや渋くて酸っぱい感じ。 こちらもいわゆる普通のイタリア産安ワインの雰囲気です。

 というようなワインではあったのですが、テーブル反対側ではこの追加注文で2本目にいっていたんで、 相対的にはこちらの方がウケが良かったようです。

点数(65点)
Floivelu 外観

 懇親会がお開きになったのは午後9時頃。 それから最寄り駅まで帰ってきて、よせばいいのにもう一軒飲みに行っちゃってます。 やっぱりちょっとマトモなワインが少しだけ飲みたかったんですな。 そしてそのお店は、2か月前にも伺ったFloivelu(フロワヴェール)という倉庫のワインバーです。

 左写真は店の出入り口からサービスの方が出てきているところ。 変なとこ撮っちゃってスミマセン。

Bourgogne Chardonnay Les Ursulines 2011 [Jean-Claude Boisset]
名称Bourgogne Chardonnay "Les Ursulines" 2011
ブルゴーニュ・シャルドネ "レ・ジュルシリーヌ" 2011
生産者Jean-Claude Boisset
ジャン・クロード・ボワセ
価格\900 (glass)
購入店Floivelu

 どういう注文の仕方だったか忘れましたが、まずは白をお願いしました。 そして出して頂いたのが、このブルゴーニュ産のシャルドネです。 造り手は「ジャン・クロード・ボワセ」、聞いたことある気がしましたが、 帰って調べたところ初稽古の造り手のようです。

 色はわかりません。香りは、いわゆる自然派な造り手にありがちな、 シェリーにも似た過熟した雰囲気があります。 口に含むとそんなに顕著では無くて、それなりに若いブルゴーニュな印象なんですが、 鼻で嗅いだ感じはええっ?と思います。 裏ラベルを見ると、添加物として酸化防止剤である亜硫酸塩に加えて、安定剤(アカシア)の文字が。 こんなとこにまでアカシアが使われているのね。

 アカシア使用のワインって、どちらかというと「ヤケに若い」印象があったんですが、 このワインは逆。いずれにせよ師範はあまり得意な系統ではありませんでした。

点数(69点)
Floivelu 料理

 ツマミも一品注文した模様です。 たしかこれはしめ鯖とマッシュポテトでしたでしょうか。 しっかり酢で〆られた鯖とマッシュポテトの相性がよろしかったようです。

Cheverny Delaille 2013 [Dom. du Salvard]
名称Cheverny "Delaille" 2013
シュヴェルニィ "ドゥレイユ" 2013
生産者Dom. du Salvard
ドメーヌ・デュ・サルヴァール
価格\900 (glass)
購入店Floivelu

 「上記のツマミに合わせて、かつ違う品種で」とお願いして出して頂いたのが、このロワール産の白。 品種は85%がソーヴィニョン・ブラン、15%がシャルドネのようです。 グラスは、前のシャルドネがボウル部分が急に近い丸っこいもの、 こちらは普通のやや縦長のものに注いで頂きました。 なんかそういうのが嬉しかったりします。

 さてワインはと言うと、こちらは非常に顕著にソーヴィニョン・ブランらしい香りが出ていました。 ボリュームも結構なもので、ハーブのようなトロピカル・フルーツのような香りがコンコンと湧きあがってきます。 ボトルを見ると、どうやら開けたての模様。ありがたいことであります。

 こちらの白は師範の嗜好にピッタリはまり、大変美味しゅうございました。 最近シャルドネよりソーヴィニョン・ブランに惹かれる気がします。 華やかで判りやすいよね、この香り。

点数(78点)


Primitivo di Manduria 2013 [Poggio le Volpi]
名称Primitivo di Manduria 2013
プリミティーヴォ・ディ・マンドゥリア 2013
生産者Poggio le Volpi
ポッジョ・レ・ヴォルピ
価格\850 (glass)
購入店Floivelu

 そして3杯目、赤まで飲んじゃってます。 もう、どういう注文の仕方でこの赤に辿りついたのか、一切覚えておりませんが、 まぁいつものことだから「香りの良いヤツをお願いします」とかなんとか言ったんでしょう。 それで出して頂いたのがこのプーリア産の赤でした。

 で、正直なところどういうワインだったかほぼ覚えていません。 イタリアらしいなぁ、という印象を受けた記憶がおぼろげながらあるんですが、 それ以上にはさっぱり・・・

 結局、トータルのお支払いは3,000円ちょっとでした。 タマの贅沢、許して下さい・・・つって最近多いな、タマの贅沢。

点数(??点)

20日(金)

龍馬 軍鶏農場 料理

 本日は、特に外食する予定は無かったんだけど、 子供らの習い事関連の行事が最寄駅周辺で集中して、午後7時過ぎに駅前に集合、 そこから家に帰って調理して食事ってのはちょっと面倒ってんで、食べて帰ることにしました。 今月はとても外食が多い師範です。

 そんな感じで、選んだ店は龍馬 軍鶏農場 保土ヶ谷西口店。 ここ1年くらい前に出来た大手チェーン系列の店です。

龍馬 軍鶏農場 清酒

 料理は、皆さん欲望の赴くままに食べたいものをいろいろと。上写真は砂肝たたき、 お値段680円也。 ここの店は鶏肉を生or半生で食べさせる料理が多いので、 自宅では食べられない料理が多くてナイスです。

 アルコールは、最初にアサヒスーパードライ生大 \750を頂いた後、 本醸造 軍鶏農場というプライベート・ブランドの清酒を300ml、お値段は680円です。 ワインも、赤白一種類ずつとサングリアがあったんだけど、 グラスで500円弱、ボトルだと2,500円くらいしたんで断念しました。

 で、この清酒はというと、いわゆる大手の一般的な清酒よりちょっとマトモな感じです。 それでいて店売りで300mlの瓶が680円なのはお買い得です。 少なくともどこの馬の骨かわからんワインにグラス1杯500円近く出すより、 こっちの方が満足感は高いと思われます。 またサイコロを振ってゾロ目が出ると無料になる、というのにチャレンジ。 見事6+6のゾロ目を出して無料にした、こういうところで無駄に運を消費する師範です。

 そんな感じでトータルのお会計は、家族4人で12,000円強。 やっぱりそんなに安く無いですよね。 ただ自宅では食べられない料理りが食べられたし、 子供たちはこういう居酒屋的な雰囲気が好きみたいなんで、 これはこれでアリです。


18日(水)

美音 外観

 本日は、5ヶ月ぶりに職場のメンバーでワイン会(前回はこの時)。 メンバーは、今回の幹事Ksさん、Yjさん、Nkさん、Ysさん、Mtさん、Fjさん、Ktさん、師範の8名。 今回は幸い男性オンリーではありません。

 今回のお店も、前回同様赤坂にある創作日本料理の店 美音というところ。 料理もまた持ち込み料も含めてお任せ6,500円のコースにして頂きました。 そして、事前にお店にワインのリストを提出、それに合わせた料理を用意して頂くというのも前回同様。 どちらかというと「相性」「マリアージュ」なんてのに無頓着な師範ですが、 せっかくなんで今回はそれぞれ飲んだワインと食べた料理を交互に記していくとします。

Le Canon Primeur Rose N.V. (2014)
名称Le Canon Primeur Rose N.V. (2014)
ル・カノン プリムール・ロゼ (ヴィンテージ無し/2014)
生産者La Grande Colline
ラ・グランド・コリーヌ
価格--
購入店(Fjさんから)

 1本目はFjさん持参の微発泡ロゼ。 造り手の「ラ・グランド・コリーヌ」というところは日本人の醸造家、大岡さんという方が運営されているんだとか。 このワインはFjさんの奥様のお気に入り、とのことでした。

 栓はコルクでは無くて王冠です。 シェフの倉持さんが慎重に抜栓されていました。 下手に栓を開けると盛大に噴き出すんだそうです。 ワインの色は、乳白色に濁ったピンク色。 まるで桜の花びらのようで、濁ってはいますがキレイな色合いです。 香りは、酵母の香りが強いのと、 なんとも言えない独特の雰囲気があります。 (一瞬「梅酒の牛乳割り」とか「桜餅っぽいかなぁ」と思ったけど、それはきっと見た目に騙されてます) そういう見た目や香りなのに、味はかなり酸がシッカリしていてキリッとした感じです。 微発泡のカテゴリーの中では、比較的炭酸も強めな方のように感じました。

 抜栓後2時間、会も終盤頃改めて飲んでみると、 まるでベルギーにあるフルーツビールみたいな雰囲気に変化していました。 それはそれで楽しかったりします。

 とにかく面白いワインでした。 これからの季節、お花見の席にピッタリ・・・と言いたいところですが、 薄ら甘いワインを想像するとビックリするかも。 瓶内で更に発酵が進むでしょうから、飲むタイミングで香りも味も変わりそうです。

点数(74点)
美音 料理

一皿目:ホタルイカと菜の花の酢味噌和え

 この季節らしいメニューです。ワインとこの料理の相性という意味では、 どちらも「春らしい」という点でしょうか。 あと、案外酸味の強いワインだったので、酢味噌の酸との相性も良かったように思います。

Pieroth & Sichel PS Bordeaux Blanc 2012
名称Pieroth & Sichel "P.S." Bordeaux Blanc 2012
ピーロート&シシェル "P.S." ボルドー・ブラン 2012
生産者Pieroth & Sichel
ピーロート&シシェル
価格--
購入店(Ktさんから)

 2本目は紅一点Ktさん持参のボルドー産白。 「ピーロート・ジャパン」というインポーターも擁する、 ドイツのピーロート家がワイン造りに関わっているようです。 金色のラベルがなかなかの高級感を醸し出してくれています。

 色は薄めです。ソーヴィニョン・ブランが主体のワインって、 思いっきり樽を利かせたヤツを別にすればだいたいこういう色ですね。 香りは、パイナップルのようなトロピカル・フルーツ(バナナという意見も)の香りに、 ローズマリーのようなハーブの香りが結構しっかりしています。 ボルドー産なんで、ハーブが強いかと思ったけど、 どちらかというとニューワールドみたいなトロピカル寄りのバランスです。 味もフルーツっぽさがそのまんまで、クイクイと進む味わいです。

 やはりボルドーは、バックにしっかりした経営が付いているところが安定したワインを造れるような気がします。 こういう系統はニューワールド産にも近いのがありますが、 やっぱりコチラには品の良さや完成度みたいなものを感じますね。

点数(76点)
美音 料理

二皿目:蕪のムースにウニとマダイの刺身のせ、胡麻と木の芽のソース

 この料理は、明らかにソーヴィニョン・ブラン&セミヨンとの相性を狙ったものだと感じました。 蕪とか木の芽がソーヴィニョンブランのハーブっぽさに、 胡麻の香りがセミヨンにきっと合うだろう、と。 そして、ワインが思いのほかハーブというよりトロピカル・フルーツっぽさが強かったので、 必ずしも狙い通りというわけでは無いようにも感じましたが、それでも悪くないと思えました。 欲を言えば、単体の料理としては胡麻の香りが強くてマダイの香りがやや負けちゃってたのが残念でしたが、 贅沢なお話ですな。

Marsannay Le Clos 2010
名称Marsannay "Le Clos" 2010
マルサネ "ル・クロ" 2010
生産者Rene Bouvier
ルネ・ブーヴィエ
価格--
購入店(Ysさんから)

 基本は和食の店なんで、持ち込みワインも白比率が高かったりします。 というわけで、3本目と4本目はどちらもブルゴーニュ産でシャルドネ種を使った白。 まず3本目の方はYsさん持参のマルサネ・ブラン。 マルサネなんで、ブルゴーニュでも北の端、この造り手のモノポール(単独所有畑)です。 そしてこの銘柄の2006年産とは稽古済みだったりします。

 色は、前のボルドー産同様、薄めで特段の個性は感じられません。 香りも、鼻で嗅ぐ分には弱め、こちらにも目立った個性はありませんでした。 ただ、口に含むと印象一変、ウィスキーのような煙たい樽香をガツンと感じます。 味は、ブルゴーニュでも北の方だからかどちらかというとスレンダーで、 酸味とコクが筋肉質な印象を与えるボディです。

 そういえば、2006年産も樽香に特徴のあるワインでした。 好きなんですかね、この造り手さんはこんな感じが。 今回みたいに一人ちょっとずつな席だと、 こういうインパクトのあるワインは記憶にキッチリ留まってくれるので良かったりします。

点数(76点)
美音 料理

三皿目:蚕豆とニョッキと根菜のクラムチャウダー

 これも蚕豆の香りが春らしい一皿でした。 おだやかな味と香りの料理で、どんなワインも邪魔しない一皿だと思います。 ということで、ワインとの相性は、特にケンカもしなければ仲良くもしない、という感じだったでしょうか。

Puligny-Montrachet Les Reuchaux 1995
名称Puligny-Montrachet "Les Reuchaux" 1995
ピュリニー・モンラシェ "レ・リュショー" 1995
生産者Dom. Chanzy
ドメーヌ・シャンズィ
価格--
購入店(Mtさんから)

 もう一本のブルゴーニュ産白は打って変って南の方で、 いつも年季の入ったブツをお持ちになるMtさん持参のピュリニー・モンラシェ。 ヴィンテージは1995年なんでもう今年で20歳であります。 ところがビックリなのは、Mtさんがお持ちの白の中でこれが一番若いんだとか。 どんだけ年寄りぞろいの在庫なんだか、です。

 これくらいのお歳のワインになるとコルクもかなり怪しくなってきていますが、 無事抜栓されました。 色はまるでウィスキーです。薄めの琥珀色と言って全く誇張はありません。 香りは、まず最初に感じるのが黄金糖のような飴の香り。 その向こうにドライフルーツやナッツなんかがいろいろと。 年代モノにありがちなシェリーっぽいヒネた感じはほとんどしないので、 健全に熟成したものと思われます。 味もちゃんと生きています。 濃い色合いで飴っぽい香りがするんで、 ソーテルヌみたいな味わいを想像してはいけません。 甘味は軽めで酸味しっかり、普通にブルゴーニュの白のバランスです。

 こちらも抜栓してかなり時間が経った後飲んでみると、 隠れていた香ばしい樽香が出て来て、まるでブランデーのような香りに変化していました。 変化の振れ幅も尋常ではありません。 いやー、これまた珍しいワインに出会わせて頂きました。

点数(83点)
美音 料理

四皿目:タケノコの木の芽和え、古漬け沢庵入り

 これも多分熟成したシャルドネに合わせることを明確に狙った一皿だと思います。 沢庵の古漬けはまさにソレですね。 あと、聞き洩らしましたがそういう熟成香のあるオイルも使われているとのことでした。 結果、いわゆる木の芽和えとは随分違った複雑な香りになっています。 そしてそれが、複雑な香りの熟成ブルゴーニュ白とナイスな相性を見せておりました。

Gevrey-Chambertin 1er Cru Lavaux Saint Jacques 2005
名称Gevrey-Chambertin 1er Cru "Lavaux Saint Jacques" 2005
ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ "ラヴォー・サン・ジャック" 2005
生産者Philippe Pacalet
フィリップ・パカレ
価格--
購入店(Nkさんから)

 次から赤に移ります。 赤も、前の白と同様、奇しくも同じ品種の対決となりました。 最初の対決の品種はピノ・ノワールで、その一方がコチラ、ジュヴレ・シャンベルタンの1級畑「ラヴォー・サン・ジャック」、 造り手は一時期一世を風靡したフィリップ・パカレ。 この造り手のワインは2007年に一度村名ジュヴレ・シャンベルタンと稽古したっきりだけど、大変好印象だった模様。 そしてこのワインは、その時のと同じ2005年産、そして一級畑。期待しないワケには参りません。

 色は、ブルゴーニュとしては濃くて暗めの赤紫色。 見た目からはまだ熟成した感じはあまり受けません。 香りのボリュームは期待通りです。 熟して煮詰めたベリーとか干したアンズとかケモノっぽさとか、 それに熟成によるのか海苔のような香りがグジュグジュっと一体になってブワーッ!と香ります。 味もまさに高級ブルゴーニュのソレで、口の中にスーッと入ってきてブワッと存在感を発揮します。

 フィリップ・パカレって、酸化防止剤(亜硫酸塩)を使わないから熟成に向かない、 なんて言われたりしてましたが、どうしてどうして10年たっても全く元気です。 以前稽古した村名同様大変ナイスなワインでした。

点数(90点)
美音 料理

五皿目:マグロ赤身の炙り、ふきのとうの天ぷら

 マグロの血っぽい味と、ブルゴーニュのピノ・ノワールにある血っぽさを狙ったものと思われます。 それはそれでよろしかったのですが、このマグロのポーションが結構大きく、 かといって箸で切れる柔らかさでも無かったので、 相性を楽しむ前にほおばってしまわざるを得なかったのがちょっと残念でした ・・・って、ナイフ貸してもらえば良いだけの話ですが、 小心者の師範はそういうとこ物怖じしてしまうんです。

Flowers Sonoma Coast Pinot Noir 2012
名称Flowers Sonoma Coast Pinot Noir 2012
フラワーズ ソノマ・コースト ピノ・ノワール 2012
生産者Flowers Winery
フラワーズ・ワイナリー
価格--
購入店(Ksさんから)

 もう一方のピノ・ノワールは、半年前まで米国西海岸に赴任していたKsさん持参の一本。 今回のはハンドキャリー品ではなくてこちらで買われたものとのこと。 また出張でも行ってワイン買いこんできて下さいな>Ksさん

 さてワインは、ですが、色は前のブルゴーニュよりかなり明るめで、 暗めの照明下でもグラスの向こうが透けて見えます。 香りは、前のが「暗く複雑」だとすると、こちらは「明るく能天気」、 ピッチピチのフルーツにバタークッキーの甘香ばしさ、それがストレートにバーン!と来ます。 味も甘酸っぱくてストレート。 誰が飲んでも美味いと言いそうな雰囲気に仕上がっています。

 Ksさんが言うようにカリフォルニアの青い空が見えるような、そんな明るさで、 "Flowers"の名前をそのまま体現したような、華やかなワインでした。 週末に稽古したワインを二周りくらいサイズアップした感じです。 良いよねぇ、カリフォルニア。

点数(85点)
美音 料理

六皿目:牛肉の大和煮、ゴボウのかき揚げ

 大和煮の甘じょっぱい醤油の香りと、ゴボウの土の香り。 それに対してカリフォルニアのピノはややピチピチに健康的過ぎるというか、 能天気さが際立っていたように感じました。 だからダメかってぇとそういうことは全くなくて、 それぞれに美味しくても別に構わないわけですが。

Clos de Gat Sycra Merlot 2009
名称Clos de Gat "Sycra" Merlot 2009
クロ・デ・ガット "シクラ" メルロー 2009
生産者Clos de Gat
クロ・デ・ガット
価格$ 62.90 (約\7,550)
購入店テルアビブ空港免税店

 後半の赤はメルロー対決となりました。 そのうち片方が師範が持参したワインで、先日のイスラエル出張の際、 帰路途中でテルアビブ空港内の免税店で買って来たもの。 US$62.9でしたんで、日本円だと7,500円程度という、師範が買うワインとしてはかなり高級品。 そしてこのシリーズは、他にもカベルネ・ソーヴィニョンとシラーも買ってます。 ということは、このワインが美味くないと困ります。 あとの2本の処遇に困りますから。

 グラスに注がれた時点で、このワインがタダモノじゃないことが判ります。 というのも、「コールタールかよ!」ってくらい濃い色合いで、 なんだかネットリしているようにも見えます。 香りの方も「ガツン!」って感じでボリューム満点、 干しブドウのような乾いたフルーツ香がバンバンに香ります。 味も恐ろしく強いんです。 大量の渋味に大量の甘味、そしてそれらを浮つかせないしっかりとした酸味。 チビチビとしか飲めませんね、コレは。

 いやー、ここまでとは思いませんでした。 現地で別のワインと稽古した時、 「カリフォルニアのプレミアム・ワインを彷彿とさせる」なんて書いていますが、 これはそんなレベルを飛び越えて向こう側に行っちゃってます。 ワイン造りの歴史は浅い国のようですから、まだ「濃い=良い」の評価軸なんでしょうか。 とにかく印象的だし美味いっちゃ美味いんですが、 残りの2本(更に強そうな品種のカベルネ・ソーヴィニョンとシラー) をいつ開けるべきか悩んでしまいます。

点数(87点)
美音 料理

七皿目:ラムのソテー&ハンバーグ

 メルローにラムは間違いない組み合わせですね。 特にシナモンや五香粉で香りづけされたソテーと↓の熟成ボルドーとはバッチリの相性です。 ただ、↑の「これってホントにメルロー?」な大馬力赤ワインとは何を合わせても置いて行かれちゃうというか、 そもそも料理に合わせるより単品で挑むワインだったみたいなので仕方ありません。

Chateau Mont-Perat 2001
名称Chateau Mont-Perat 2001
シャトー・モン・ペラ 2001
生産者Ch. Mont-Perat (Despagne)
シャトー・モン・ペラ (デスパーニュ)
価格--
購入店(Yjさんから)

 最後のワイン、そしてメルロー対決のもう一方は、Yjさん持参のシャトー・モン・ペラ。 Yjさんは3年前のこの会にもこの銘柄を持参されています。 漫画で有名になったワイナリーですが、 この2001年産がまさしくその漫画に登場したヴィンテージなんだとか。 師範はその漫画を殆ど読んだことはありません(避けているわけじゃなくてそもそも漫画を読む習慣が無い)けど、 結構話題になってましたからね。

 さてワインはと言うと、色は結構熟成感が出ていて、エッジのあたりにはレンガ色からオレンジ色へのグラデーションが見て取れます。 香りも熟成ボルドーっぽいですね。煮豆や餡子みたいなホクホクした甘そうな香りに、 朽木のような雰囲気が出て来ています。 味は、見た目や香りから受ける印象ほどにはお歳を召していなくて、 まだまだ現役であることを主張しているかのようです。

 ミシェル・ロラン・プロデュースのワインって、 若いうちから飲めるものが多いから熟成するとどうなんだろ?と思っていましたが、 熟成してもちゃんと美味いようです。 もちろん、この先10年20年経った後のことは判りませんけど。

点数(84点)

 いやー、今日は個性的なワインのオンパレードでした。 終了したのは11時頃。長々と酔っ払いにお付き合い頂きありがとうございました>シェフの倉持さん。 月初の出張に続いて先週も今週も多皿料理、 更新の量の多さにかなりヘバって来ている師範であります。


15日(日)

Villa Machorre 2002
名称Villa Machorre 2002
ヴィラ・マショール 2002
生産者Ch. Machorre
シャトー・マショール
価格\894 (単品価格 \1,180)
購入店 ヴェリタス

 本日の夕食は豚ロース肉と鶏モモ肉の鍋。 鍋って赤でも白でも良い、というかどちらもそんなに合わない料理な気がします。 やっぱり鍋には清酒じゃないですかね?・・・なんてこのサイトの根本的な問題提起をしつつ、選んだのはフランスはボルドーの赤。 この銘柄は、なんと8年前に同じヴィンテージと稽古済み。 当時の方が遥かに高値だったけど好印象だった模様。 逝っちゃってなければ良いけど・・・と願いつつ抜栓。

 色は、エッジにオレンジがかった雰囲気が感じられはしますが、 健全で濃い紫色は、12年以上も前のワインとは思えないほど健康的です。 香りは、思いのほかボリュームたっぷりで、典型的な熟成ボルドーの雰囲気が感じられます。 ドライフルーツのような乾いた果実香と革のような獣香、加えて漬物樽的なクタッと感のある樽香、 それに煮豆のような甘く煮詰めた香りや乳児のウ○チのような香りまであって、 上のクラスのワインのような複雑さを感じます。 これで味わいも深みがあればお宝発見!ですが、抜栓直後は残念ながら痩せた印象。 香りが良いだけに相当惜しい感じでした。

 時間が経つと、前述の薄さはあまり気にならなくなってきます。 お年寄りなワインなのに特に痩せることもないのは立派です。

 結果、この値段で買えるワインとは思えないくらいの充実感が味わえるボルドーでした。 8年前同様の高得点ですが、その意味合いは結構違っていて、 今回はキレイな熟成と複雑さを評価しております。

点数82点

14日(土)

Gentillesse Komachi 外観

 本日はホワイトデーであります。 妻一人娘二人というアウェイ感満載な家庭環境の中で暮らす師範におきましては、 普段以上に家族サービスを強いられる一日であります。 というわけで、本日の師範から女性陣へのプレゼントは、ご近所のフレンチでの夕食。 場所は、相鉄線天王町にあるジャンティエス・コマチ(Gentillesse Komachi)という店。 道場からは歩いて10分くらい、ご近所でちょっとシャレた食事を、 ということになると一番最初に思いつくのがこの店です (過去にもココココココで訪問)

 本日はホワイトデーということもあって、普段に増してカップルの予約が多い感じ。 良いですねぇ。特に老夫婦のカップルがいらっしゃることが嬉しかったりします。 家族サービス的なのはウチとお隣の二組だったかな? あとはおばさんの団体さんがいらっしゃいました。

Gentillesse Komachi 前菜

 料理は、子供ら二人が4,500円のAコース、大人二人が6,200円のBコース。 そしてBコースの内容は以下でした。

 アミューズ野菜のピクルス&三元豚の生ハム、豚肉のリエット
 前菜鮮魚のカルパッチョ、玉葱のムース&アメリケーヌ・ソース(左写真)
 パスタ春菊と鶏肉のペペロンチーノ
 メイン魚ソイのポワレ、揚げたメヒカリ
 メイン肉豚のロースト、リードボーのポワレ(下写真)
 デザートイチゴとアイスと生チョコレート
Gentillesse Komachi メイン

 ここの料理の素晴らしさはまずはなんと言っても盛りつけの美しさにあります。 モダンでスタイリッシュな内装とこの料理、およそこんな都心から離れた街とは思えません。 味付けは、ソースがコッテリってんじゃなくて、素材の味わいを活かした日本人向けの雰囲気。 だもんで子供たちでも全然抵抗なくスイスイ食べられます。 子供に食べさすにはちょっともったいない気もしますが、なんせ今日はホワイトデーですから、ハイ。

Menage a Trois Pinot Noir 2012
名称Ménage á Trois Pinot Noir 2012
メナージュ・ア・トロワ ピノ・ノワール 2012
生産者Ménage á Trois (Folie a Deux Winery)
メナージュ・ア・トロワ (フォリー・ア・ドゥ―・ワイナリー)
価格(\5,600)
購入店ジャンティエス・コマチ

 ワインリストには、泡が10種程度、白が20種弱、赤が20種強ありました。 泡に関して、シャンパーニュ以外のお手頃な価格帯の物が半分くらいリストされているあたりに この店の良心&周辺の金銭感覚を感じます。 そして、師範のリクエストは「お手頃価格で香りが華やかで、コースを一本で通せるワインを」と。 そうなるとだいたいピノ・ノワールに落ち着くわけですが、 リストに載っているのは6,800円のニュージーランド産と7,800円のブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ。 ソムリエさんのお薦めは、リストに載っていないけどそれらよりちょっとお手頃価格のカリフォルニア産。 3つの畑から採れたブドウが使われているワインで、 お値段はそれらよりお手頃で、よりボリュームがあるワインだそう。 聞いてみるもんです、ってことでそれを注文。

 色は、ピノ・ノワールらしい赤紫ではありますが、ちょっとレンガ色がかっていて、 2012年産にしては意外な感じもします。 香りは、ボリュームこそ弱めながらその傾向は全く高級ブルゴーニュの雰囲気です。 次女曰く「フランボワーズ」、長女に言わせると「お菓子のような感じ」、 甘いフルーツと焦がした砂糖のような香りがあって、ホントにまるで高いワインみたいです。 この香りを嗅いで、普段は飲まない師範代もグラスにちょっとだけ注いで貰ってました。 味も、師範レベルだとコート・ド・・ニュイの良いワインと見分けがつきません。 甘味と酸味のバランスが絶妙です。

 時間が経つと、当初弱めだった香りも強くなるし、やや邪魔に感じた渋味もまろやかになってきます。 師範代のグラスを定点観測してましたが、グラスにちょっぴり残った状態で1時間以上経ってもヘタる気配はありませんでした。

 お店で5,600円ですから、小売だと道場の稽古範囲内のワインだと思いますが、 それを大きく超えるクオリティの高さを感じました。 カリフォルニア、最近ちょっとご無沙汰ですが、やっぱり侮れませんなぁ。

点数82点

 お会計は、4人分トータルで29,000円。一人当たり500円のサービス料が掛かっていますが、 それ以外は全て税込表示なので、意外に安く感じられます。 そして、このサービス料定額というのは正しい気がしますな。 だって、5,000円の料理と10,000円の料理を頼んだ人に違うサービスをするわけじゃないだろうからね。 ともあれ女性陣も満足したようで、役割を果たした感じの師範でありました。


13日(金)

Primi Bianco N.V. [Umani Ronchi]
名称Primi Bianco N.V.
プリミ・ビアンコ (ヴィンテージ無し)
生産者Umani Ronchi
ウマニ・ロンキ
価格\765 (単品価格:不明)
購入店 京橋ワイン

 本日の夕食はハムとキュウリとモヤシのナムル、焼き鳥ナンコツ、鶏手羽元の唐揚げ、タコの唐揚げ。 前者は師範謹製、後者は師範代謹製です。 ワインに関しては、ここんとこワインに掛ける費用がややバブり気味、 そしてその傾向がしばらく続きますんで、 ここで一発クールダウン、見るからに安ワインなイタリア産をチョイスしました。 この銘柄は5年前に稽古済み、イマイチだった記録があります。 よって「クールダウン」というより「敗戦処理」に近い気分かも知れません。 造り手のウマニ・ロンキ自体は、安くても結構イケるワインの造り手、という印象はありますが。

 色は、薄くて粘性の低い、若い感じでお安い感じの色合い。 香りは意外とちゃんとしていて、(主要品種はトレッビアーノらしいですが) シャルドネみたいなリンゴと蜜の香りがします。 味は、旨味が薄くて甘味も弱くて、いわゆる厚みは感じないワインですが、 そこそこ酸は感じるんでペラペラな印象はありません。

 なんというか、予想通りの小物感です。 師範の価値観だと700円台半ば順当、もう少し安くても良いくらいです。 ただ、ヘンテコな添加物は入っていないみたいなんで、普通にクイクイ進むのは高ポイント。 酸いも甘いも噛み分けた生粋の安ワイン者以外にはお薦めが出来ない、通人のワインです。

点数69点

11日(水)

Yoshi's High 外観

 本日は、飲み友達のN氏、O氏と、N氏の新たな門出を祝う飲み会。 場所は、五反田にある隠れ家的イタリアンYoshi's High (ヨシズハイ)というところ。 五反田駅東口を出てすぐのビルの6階にあります。

 フロアには、テーブル席が4つとカウンター、キャパは20人くらいだったでしょうか。 それをシェフとサービスの方が2人で廻しておられます。 20人に2人だとまぁいけそうな気がするわけですが、 後述しますように非常に多皿料理なんで、実際は結構大変そうです。

Yoshi's High 前菜

 料理のチョイスは6,500円のお任せコースのみ。 その内容は以下の12皿でした(多分)。

 蕪のスープ コンソメジュレのせ
 菜の花のおひたし 生ハム節のせ
 イタリア(のどこだか)の生ハム
 宮崎産チョウザメ カラスミのせ(左写真)
 (ふわふわした茶碗蒸し的な何か)
 静岡産野菜のバーニャカウダ
 フォアグラ大根
 スープにトリュフ
 フルーツトマト
 赤身肉のステーキ(下写真)
 スパゲティ
 イチゴのデザート
Yoshi's High メイン

 撮って来た写真見ながら後で思いだしつつ書いてますんで、料理の名前はいい加減です。 せっかく説明して頂いたのにスミマセン。

 そして、ここまでの多皿料理は師範的には初体験だったりします。 いろんな味が味わえて楽しいわけですが、つい『皿洗うの大変だろうな』なんてことを考えてしまいます。 あと、一皿はちょっとずつなんで、『こりゃ凄ぇ!』ってほどの感銘を受ける料理が無かったのが残念。 トータルでは『いろいろ食べたなぁ』と満足感は高いのですが。

Vent de Fleur Brut N.V.
名称Vent de Fleur Brut Rose N.V.
ヴァン・ド・フルール ブリュット ロゼ (ヴィンテージ無し)
生産者Veuve Ambal
ヴーヴ・アンバル
価格(\3,500)
購入店Yoshi's High

 ワインリストには、泡が6種類、白と赤それぞれ15種類くらいは書かれていたかな? リストに無いワインもあるみたいです。 そして、その中から1本目としてチョイスしたのがコレ、 フランス産のロゼ・スパークリング。 なぜコレかというと、このワインが一番安かったからです。 品種は「テンプラニーリョ」と書かれていました。 フランス産としては珍しいっすね。

 さてお店の方に注いで頂くわけですが、ここのグラスは大ぶりでなかなか立派です。 メーカは"Stölzle"と書かれていました。 後で調べたらドイツのメーカーのようです。 ワインの色は、ロゼなんでロゼの色・・・ということしか言えません。 泡立ちはやや弱めかな? 香りは"Vent de Fleur"=「花の風」というだけあって、花っぽい華やかさがあります。 味は、甘くなく酸っぱくなく、普通にスイスイ飲める感じです。

 ま、最初の泡ですから、これくらい飲めれば十分です。 ただ、ワインが軽いことと飲んべぇ揃いということもあって、 あっという間に無くなっちゃいましたが。

点数70点
Gewurztraminer 2012
名称Gewurztraminer 2012
ゲヴュルツトラミネール 2012
生産者Cave Vinicole Orschwiller
カーヴ・ヴァニニコール・オルシュヴィラー
価格(\6,000?)
購入店Yoshi's High

 というわけで泡はすぐに空になっちゃったんで、続いては白を注文。 目に入ったのが、南仏のソーヴィニョン・ブランか、このアルザスのゲヴュルツトラミネール。 持ってきて頂いたところ、知らない造り手だったので興味が湧きました。 お店の方曰く「やや甘いと思います」ということだったけど、 アルコール度数は13%と書かれていたんで、『そんなに甘くは無いでしょう』と考えて注文しました。

 色は・・・判りません。ただ特に濃いってことは無かったようです。 香りは、抜栓してすぐは閉じ気味であまり香ってきませんでしたが、 時間が経つとゲヴュルツトラミネールらしいライチっぽい香りがかなりしっかりと香るようになります。 味は、確かに甘く感じます。香りが甘い雰囲気なのと、酸味が控えめなんで、余計甘く感じるのかもです。

 この品種らしい感じは良く出ていたと思います。 でも、お店の方の忠告は正しかったな。この段階で飲むにはちょっと甘さが気になる感じはありました。 人の話は良く聞けっつーことです。

点数72点
Cotes-du-Rhone Villages 2003
名称Côtes-du-Rhône Villages 2003
コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ 2003
生産者Dom. A.Mazurd & Fils
ドメーヌ・A・マズール&フィス
価格(\8,000?)
購入店Yoshi's High

 赤のチョイスに関しては、お店の方に大変お手数をお掛けしました。 というのも、まずは「お手頃価格のブルゴーニュでお薦めは?」と尋ねたところ、 まずは6本持ってきて頂きました。 村もヴィンテージもいろいろで、中には1990年代なんて古めのもあったりして、 非常に興味深くはあったのですが、いかんせんお値段が我々貧乏人にはちょっとお高め。 ということで、「8,000円前後でお薦めは?」とコロッと方向性を変えて、 今度はボルドー2本とローヌのコレを持ってきて頂きました。 どっちがブルゴーニュに近いかと言うとこっちな気がしたので、ようやくこのローヌを注文することに相成った次第です。

 例によって色はよく判りませんが、香りはとってもナイスです。 フランスあたりのデパートの化粧品売り場のような、 香水とおしろいが混ざったような華やかで妖艶な香りパーッと来ます。 この香りだけでもこのワインを注文した甲斐がありました。 味も、良い感じに熟成していて柔らかく、かといって10年以上経っているのにヘタった感じも無くて、 とても美味しく頂けました。

 ローヌのワイン、師範は普段あまり飲まなかったりしますが、良いですねぇ、こういうの。 3人で3本目なんで、普通だったらペースも落ちてゆっくり飲むフェーズに入っているはずですが、 非常に美味しいこのワインのせいでクイクイと飲んでしまいました。

点数85点
Appassiment Edizione Oro 2013
名称Appassimento "Edizione Oro" 2013
アッパシメント "エディツィオーネ・オロ" 2013
生産者Casa Vinironia (Botter Carlo)
カーサ・ヴィニロニア (ボッター・カルロ)
価格(\5,000?)
購入店Yoshi's High

 ・・・というわけで3人で4本目いっちゃってます。 お店の人への注文は確か「安くて濃いヤツをお願いします」って感じだったような。 そして持ってきて頂いたのがコレ、アマローネじゃないですが、 アマローネと同じように干したブドウから造られるワインとのこと。 アマローネは好きだし、そういう造り方だったら間違いなく濃いでしょう、ということで今度は迷わず注文しました。

 ・・・で、3人で4本目ですから毎度のことですが詳しいことは忘却の彼方です。 ただ、アルコールに浸かった脳みそに薄っすらと残っている記憶をたどると、 確かにアマローネに似た、というかアマローネ以上に干しブドウっぽい香りがあったような。 そして、お店の方のおっしゃる通り、十分な濃さのあるワインだったような気がします。

 まぁ明らかに飲み過ぎ野郎の三人組ですが、今日は門出のお祝いの席ってことで許して頂きましょう。 ちなみにこのワインの造り手は、先月ボッター・カルロという方のようです。

点数(78点)

 いやー、飲んだ飲んだ・・・なんですが、よせばいいのにこの後もここのビルの地下にある蔵の雫 だったかのバーでウィスキーなんぞをもう一杯。まともに帰りつけたのが不思議なくらいでした。


8日(日)

La Playa Block Selection Reserve Block No.16 Pinot Noir 2012
名称La Playa "Block Selection Reserve" Block No.16 Pinot Noir 2012
ラ・プラヤ "ブロック・セレクション・リザーヴ" ブロック・ナンバー16 ピノ・ノワール 2012
生産者Viña La Playa
ヴィーニャ・ラ・プラヤ
価格\1,043
購入店サンタムール

 出張から帰っての翌日、今日は公私ともにいろいろ残務整理。 「私」の残務はほとんどこのページの記述です。 こんだけいっぺんにだと、読む方も大変でしょうけど書く方はもっと大変なんで、我慢して下さい。

 そしてようやく書き終えて、本日の夕食はハンバーグ、鶏砂肝のソテー、キンメダイのアラの味噌汁。 ワインは、「そういえば今回の出張ではピノ・ノワールは飲まなかったな」ということでチリ産のピノ・ノワールを。 この銘柄とは2010年産と稽古済みのようだけど、 2021年産は畑の位置が違うみたいです。

 色は、ピノ・ノワールらしい赤紫色で、ブルゴーニュだとコート・ド・ボーヌの村名クラスですな。 チリのピノってもっと黒い印象があったけど、そういう感じはありません。 香りは、さすがにブルゴーニュのソレとは違っていて、 グジュッと甘い果実にゴムっぽいウニッとした雰囲気が合わさった、南米のピノらしい香り。 樽香は感じ無いのでステンレス発酵でしょうか。 味は、やや薄めでスーッと入ってくるあたりは良くピノ・ノワールの特徴が表現されています。 ただ、若干の物足りなさは禁じ得ません。

 ボトルの外観も立派だし、1,000円のピノ・ノワールとしては良く出来た方じゃ無いでしょうか。 気張らず、和洋なんでもありな日本の食卓に合わせるのに良い感じです。

点数74点

7日(土)

エールフランス274便 機体

 出張7日目。帰国日の2日目です。

 帰りの乗り継ぎ便は、パリのシャルル・ド・ゴール空港23:35発東京羽田行き、エールフランス274便。 機材はBoeing 777 200-ER。エコノミーの席配置は3列4列3列、 残念なことに本日の師範の席は窓側3列の真ん中。 ウェブチェックインしたのが出発前の正午ごろだったんで、 かなり出遅れたことは否めません。 行きと比べると快適さではかなりグレードダウン。 そして更に残念なことに、師範の席の窓側隣は寝付けずにウネウネ動く大柄の黒人女性、 通路側隣はじっとしているけど巨大な白人男性。 二人ともそのデカい身体で師範の席に詰め寄って来ます。 人種差別するわけじゃないですが、身体の大きな方は多少の遠慮っちゅうもんを意識して欲しいものです。

E.Michel Brut N.V.
名称E.Michel Brut N.V.
E.ミシェル ブリュット
生産者E.Michel
E.ミシェル
価格\0
購入店エールフランス機内

 飛行機はほぼ定刻で出発、機内食と飲み物のリストが配られ、 「食前酒として」ということでシャンパーニュが用意されていることを確認。 わざわざそう書いてあるということは、フライト中ずっと用意があるってわけじゃないんですかね? そしてその銘柄は、行きのパリ行きともバルセロナ行きとも違う、E.ミシェルという銘柄。 今回のCAさんは陽気っぽいオジサンだったので、 ボトルの写真を撮らせててくれるよう頼んでみました。

 飲む器はもちろんプラカップです。 プラカップってグラスより内部の凹凸が多いんですかね? それとも気圧の関係かな? なんかやたら泡立っているように感じます。 香りは、今回の機内シャンパーニュ3種の中ではもっとも熟成香を感じる、 いわゆるシャンパーニュらしい感じ。 味わいも、甘味と酸味とコクがあって飲み応えを感じます。

 機内でコレが飲めるんだったら全く文句はありません。 欲を言えば、もっと量を飲みたいところですが、無いよりある方が良いのは間違いありません。 このサービス、末永く続けて頂きたいものであります。 ちなみにこのシャンパーニュ、6年前にも頂いていますが、ラベルとが違っています。

点数(77点)
エールフランス274便 夕食

 夕食のチョイスは、チキンのパスタか鱈のご飯。 ちなみに今回は、食事前に食前酒、食事の時に食中酒という提供スタイルでは無くて、 食前酒と食事が同タイミング、よってシャンパーニュを飲み干しちゃうと食事中飲むものは水、 あるいは味噌汁でした。 水だけだとちょっと悲しいけど、味噌汁があったので良しとします。

 そして、師範のチョイスはこっち側。

 和風スペシャル:鱈の味噌ソース風味 キャベツ、にんじん、絹さや

 こういう機内食って、いったい『オリジナルは何を目指しているんだろう?』 との疑問を感じざるを得ない、全くもって理解困難な独創性を発揮してくれています。 というわけで、その独創性以外に褒めドコロの見つからない料理でした。

Reserve de La Baume Chardonnayy 2013
名称Reserve de La Baume Chardonnay 2013
レゼルヴ・ド・ラ・ボーム シャルドネ 2013
生産者La Baume
ラ・ボーム
価格\0 (187ml)
購入店エールフランス機内

 そういうわけで、ワインを頂いたのは食事のあとでした。 食後のコーヒーの時間に、先ほどの陽気なCAのオジサンに頼んだところ、 「オッケー、でもちょっと時間がかかる。代わりにコニャックはどうだい?」 と来ました。ググッと心が動かされましたが、ここは安ワイン道場師範なんでやっぱりワインで。 エコノミーでコニャックのミニボトルが頂けるのも良いよね、エールフランス。

 ・・・と、頼んだは良いものの、程なくして師範はご就寝。スミマセン>CAオジサン。 およそ食事も食後の時間も終わって、皆さんがご就寝の頃に目が覚めて、 このワインを取りに行きました。

 色は、この手のワインとしてはやや色が濃いめな感じがします。 香りも、いかにも南仏のシャルドネといったフルーツ感と蜜っぽさがあって悪くありません。 で、味も、普通っちゃ普通ですが、こういうシチュエーションで普通が味わえるのはなんとなくありがたいです。

 実はこのワインは3年前の出張の時、JALの機内でも頂いていて、 その時も結構高評価を付けています。師範は案外ブレが無い、と自分でビックリです。

 ちなみに、この後に赤ワインも貰ったけど、 それはテルアビブ発の便で飲んだワインでした。

点数70点
エールフランス274便 朝食

 シベリア上空あたりでは、大半の乗客はお休み中。 でも、この時間って日本では真昼間なわけで、ここで寝ちゃうと間違いなく時差ボケが免れません。 だもんで師範は頑張って起きてこのページ用の文章を書いておりました。 エールフランス、エコノミーの席でも電源が使えるってのもナイスです。

 そして日本海に入ったあたりで朝食・・・っつっても日本は午後5時過ぎですが。 深夜発の便って初めて乗ったけど、地上の時間と全く無関係ってのはどうなんでしょ? 保存の問題等あるのかも知れませんが、 出来るだけ到着地の時間に合わせるのが心遣いのような気がします。

 で、内容はと言うと、こういうのを夕方食べる気にはならない、というのが正直なところです。

エールフランス274便 窓からの夕焼け

 ・・・というような感じで、長い長い移動の一日と、長いようで短かったバルセロナ&イスラエル出張の報告は終了です。 大変お疲れ様でした>師範

Beaujolais Nouveau Terra Vitis 2014
名称Beaujolais Nouveau "Terra Vitis" 2014
ボージョレ・ヌーヴォー "テラ・ヴィティス" 2014
生産者Dom. des Jarentes (Robert Sarrau)
ドメーヌ・デ・ジャラント (ロベール・サロー)
価格\430 (500ml)
購入店メガ・ドンキホーテ横浜山下店

 一週間の海外出張から無事帰還すると、 家族のみんながいろいろ報告ネタを溜めて待ってくれていました。 今どき、海外に行ってもメールは通じるし写真も共有できたりするで出張してもあまり遠くにいる実感は無いんですが、 それでも有り難いよね、帰りを待ってくれている人がいると言うことは。

 そして家でも軽くワインを頂きます。「軽く」の意味は、さすがにここからフルボトル飲む元気は無いんで、 少量のワインをチョイスするということです。 ただ、そうすると選択肢は思いっきり限られて、チリ産の赤か、あるいはこのボージョレ・ヌーヴォー。 二者択一からボージョレを選びました。 このワイン、購入したのは2週間ほど前。 解禁日には700円くらいで売られていた模様ですが、 それが600円→500円→398円(税抜き)と順次値下げされた形跡がありました。

 色は、ボージョレ・ヌーヴォーらしくかなり薄めです。 香りは、ヌーヴォーにありがちと言われるバナナの香りを探しましたが、 あまりそれは顕著では無くて、潰れたイチゴみたいないわゆる普通のガメイ種のワインな香りを感じます。 味わいもとても普通です。甘くなく酸っぱくなく渋くなくですが、ちゃんとバランスは取れていて普通のワインです。

 ボージョレ・ヌーヴォー、別に解禁日じゃ無くてよければ、これくらいの値段でも飲めるんですね。 さすがにこの値段だとコストパフォーマンス抜群です。 ディスカウントストアに常温で置かれていたんだと想像されますが、 熱やその他の影響は無いに感じました。

 久しぶりの自宅稽古だったので、糖度とpHの測定忘れ。リハビリが必要です。

点数70点

6日(金)

ホテル カールトン テル・アビブ 朝食

 出張6日目、本日は帰国日ですが、テルアビブ発の時間は夕方なので、 午前中は自由な時間があるためちょっとテルアビブの街をウロウロします。

 本日の朝食も、基本的は野菜タップリのヘルシーメニュー。 ただ今日は夕方のフライトで出される機内食までは昼食などは食べないつもりなんで、 バルセロナの時と同じくお腹いっぱいにする所存です。 昨日は食べなかった目玉焼きなんかも食べたり、チーズもいろいろ食べたり・・・

Cava Iberica Semi Seco N.V.
名称Cava Iberica Semi Seco N.V.
カバ・イベリカ セミ・セコ (ヴィンテージ無し)
生産者Dishon Winery
ディション・ワイナリー
価格\0
購入店Hotel Carlton Tel Aviv

 左上の写真で、見慣れているけど朝食にはちょっと似つかわしくないグラスが写っているのが見えますでしょうか? そうです、このホテルの朝食ブッフェには、なんとスパークリング・ワインがあるんです。 いやー、あり得ないでしょ。 そして、嬉しいことに本日は移動日で、仕事の予定も無ければ車の運転もしません。 だったら飲むでしょ!です。 さすがにこんな朝からスパークリング飲む人はいないようで、封は切られていない状態。 僭越ながら抜栓担当をやらせて頂きました。

 フルート型のグラスへ自分でたっぷりめに注いでテーブルへ。 色はかなり薄めです。 朝の色温度が高い光でみていることもあるかも知れませんが、 緑がかったような色調に感じられるような色合いです。 香りは、さすがスパークリングなんで、コンコンと香るボリュームがあります。 香りの傾向としては、リンゴのようなフルーツ香が前面に出ている感じです。 味はカバらしいやや緩めの味わいで、泡立ちもそんなに強くはありません。

 ・・・なんてことはどうでも良くて、朝食ブッフェでスパークリング・ワインが飲めること自体が至福です。 至福ついでに1杯お替わりしました。 真っ青な空の下、地中海沿いのテラスでキレイな青い海を見ながら飲むスパークリング・ワイン、 人生の大きな目標の一つが達成できた気がします。

点数74点
ホテル カールトン テル・アビブ ビーチ

 本日もとてもいい天気です。 ホテルの前のビーチなんて、まるで夏のビーチリゾートの風景です。 イスラエル、もっと砂漠砂漠した感じかと思ってましたが、 緑も多くて野菜も美味しくて素晴らしい国だな、と一気に感化されております。

 そして午前中、ちょっと街まで散歩します。 スーパーに入ったらイスラエルのワインをいろいろ発見。 自分へのお土産にといくつか調達しました。 調達の基準は、『少なくとも銘柄くらいはアルファベットが書かれていること』。 全てヘブライ語のラベルだと、全く読めませんから。 いや、読めなくてもかまわないんだけど、稽古してもココに書けないのは致命的です。 日本酒なんかも、日本語だけのラベルがいろいろありますが、あれって外国人はきっと買いづらいよね。 特に昨今は飲んだモノをSNSで共有とかする人も多いから、 理解できない文字しか書かれていないってのはとても大きな障壁になるんだな、と気付かされました。

Goldstar

 そんな感じで若干の観光もして、12時過ぎにタクシーで空港へ。 このタクシーの運ちゃんが話好きで困りました。 仕事上の英語ならある程度単語が予測できるのでそこそこの会話はできるつもりでいますが、 雑談って難しいんだよね。 訛りがあることもあって、ホント何て言ってるのか聞きとれない場合があります。 そして、『オバマは弱いよなぁ。ブッシュは強かった。な!どう思う?』と聞かれても回答に困ってしまいます。 タクシーの運ちゃん相手にも世界情勢の一般常識と日本人らしい回答を用意しなければなりません。

 そして空港到着。「3時間前には到着必須」ってことだったんだけど、 行きのバルセロナ同様3時間前になってようやく手続き開始。 荷物を預ける前の審査もありましたが、これもバルセロナの時以上に簡単な質問だけでした。 思いっきり拍子抜けです。

 さてたっぷり時間があるからラウンジにでも、と考えたけど、使えるラウンジはあいにく工事中。 しかたなく残った小銭でビールを買って飲むことに。 2日前と同じ銘柄の"Goldstar"、330ml瓶のお値段はなんと22NIS、日本円で660円也。 再度、「飲み食い高いよ!イスラエル」です。

テルアビブ空港

 免税店でまた自分へのお土産としてイスラエル産ワインを買ったりしていると、 なんだかんだで搭乗時間。 帰りのフライトは、まず17:40テルアビブ発シャルル・ド・ゴール行きエールフランス1621便。 機材はエアバスA320です。 使用機到着が17:00前だったんで、こりゃ出発遅れるかと思ったけど定刻での出発でした。

 そんなこんななテルアビブ出張。 なんだかんだで大変有意義でした。ありがとうね、Tさん(と書いても彼は日本語読めませんが)

AF1621 機内食

 機体が水平飛行に移ってしばらくして、お食事のサービスがスタート。 本日のお客さんは座席数の半分程度でガラガラ状態、3列の席に師範しか居なかったので広々と使えます。 そして料理の内容は、ジャガイモを使った料理とパン。 イスラエルでの食事が良かったから、落差を感じざるを得ませんな。

La Vieille Ferme (Rouge) 2013
名称La Vieille Ferme (Rouge) 2013
ラ・ヴィエイユ・フェルム (赤) 2013
生産者Perrin & fils
ペラン・エ・フィス
価格\0 (187ml)
購入店エールフランス機内

 エールフランスですから、きっとエコノミーでもシャンパーニュが飲めるだろうと思っていたのですが、 パッと見、カートにシャンパーニュがあるようには見えません。 それでもいつものように『シャンパーニュはありますか?』と聞いたんですが、 「白ワインと赤ワインしかありません」との回答。 動揺して「では赤ワインをお願いします」と答えてしまいました。 いつもだったら「白と赤を」とお願いする師範なのに、一生の不覚。 右写真も頭が切れていたりして、動揺が隠せません。

 色は、普通の赤ワインにインクをこぼしたような、青黒い紫色。 香りはほとんど感じません。 プラカップということもあって、ワインよりプラスチックの臭いの方が強いような気さえします。 味わいは、渋味がガッシリしていて酸味もあって、甘味はほとんど感じません。

 なんかこれまで飲んできたスペインやイスラエルのワインとは明らかに一線を画す、 厳めしくて学校の先生のような味わいのワインです。 ツン!と澄ましたフランス人のイメージそのままですな ・・・なーんて、実際のフランス人がそうなのか全然知らずに雰囲気で書いてます。

点数68点
AF1621 パリの夜景

 食事もとってワインも飲んで、うとうとしているうちにもうすぐパリ到着。 左写真はパリ上空を旋回している時のパリの夜景です。 色の統一感って言うんでしょうか、街灯が全てオレンジ色で大変キレイです。 「翼よ、これがバリの灯だ」と言いたくなる気持ちもわかりますな ・・・ってその当時こんな夜景だったはずもありませんが。

 で、まだ帰りの旅程の途中ですが、フライトは深夜発なんでここで日付けを変えます。


5日(木)

ホテル カールトン テル・アビブ 朝の窓から ホテル カールトン テル・アビブ 外観

 出張5日目、本日はイスラエルでお仕事、一日Tさんと同行します。

 左写真は、泊まっているホテル・カールトン・テルアビブの外観、 そして右写真が窓から見える地中海。 驚くことに、まだ3月だというのに朝から屋外のプールで泳いでいる人がいます。 ウェブサイトの紹介なんかを読むと、「テルアビブの気候は日本と変わりません」なんて書かれていますが、 こんな日本は沖縄以外あり得ないでしょう。

ホテル カールトン テル・アビブ 朝食

 このホテル、建物のロケーションや部屋からの眺めも凄いですが、なにより凄いのが朝食ブッフェ。 場所は、建物本体の外、ビーチ沿いにあるレストランです。 そして、その種類の多さにはビックリさせられます。 まず何よりビックリなのは野菜の多さ。 嬉しくて野菜だけ皿いっぱいに取った左写真でも、全種類を乗せているわけではありません。 特に美味しかったのはパプリカ。甘味が強くて果物のようでした。

 他に特徴的だったのは魚の種類が多いこと。 主に酢漬けや燻製ですが、6種類くらいあったかな。 朝から肉はアレですが魚は食べたい師範におきましては、全種類頂いたことは言うまでもありません。

 なんかこの3枚の写真、全然出張に来たみたいじゃないですね。

イスラエルのファミレス ひよこ豆 イスラエルのファミレス ケバブ

 昼食は、イスラエル北部のハイファの近くにあるロードサイドのファミレス的な店。 店の名前は失念しました。レシート貰ったからそれに書いてあるだろうと思ったけど、 買いてはありますが値段以外はヘブライ語なので読めないのよ。

 食べたのは、まずはTさんとシェアする形でフムスを(左写真)。 Tさん曰く「イスラエルに限らずこのあたりで典型的な料理」とのことです。 そういえば、昨日のエル・アル航空で出されたのはコレの一種だったわけですね。 インドのナン的なパンに浸けて食べるのが正しいスタイルの模様。 昨日はそのまま食べちゃったからちょっとしょっぱく感じたのね。

 そして師範のオーダーはケバブ(右写真)。 量的にも適当だし、ややスパイシーでしたが結構口に会う味でした。 イスラエルの食べ物って美味いよなぁ感がますます強くなって参ります。

 お会計は、水以外の飲み物はタン飲んでなくて、一人102NIS、日本円で3,000円。 美味いけど高いよ、イスラエルの料理。

Night Kitchen 外観

 一日中Tさんの車で走りまわってお仕事終了はもう午後8時前。 師範もTさんもお疲れ様でした。 本日の夕食もTさんと一緒で、本日もまたTさんご推奨の店、 ホテルからタクシーで5分くらいのところにあるNight Kitchenという店です。

 店はあまり広くなさそうで、師範らの席はカウンターでした。 日本で言うところのオープンキッチン的な造りで、 シェフが作業しているのがカウンターから見えます。

 この日はイスラエルのお祭り、"Purim Holiday"ということで、 店員さんたちは愉快な衣装や帽子を身に付けています。 そういう雰囲気、なんか良いなぁ、と。

Night Kitchen 外観

 Tさんによれば「この店は非常にユニークな料理が多い」ということで、 基本的にTさんのお薦めに従って注文。

 前菜:トマトのカルパッチョ 54NIS (約1,620円:左写真)

 トマトのカルパッチョ、Tさんが「まるで牛肉のカルパッチョみたいだよ」と言うので注文してみましたが、 なるほどそうですね。ドライトマトを柔らかく戻したものがまるで牛肉の薄切りみたいに敷かれていて、 見た目も食感も牛肉っぽくて、味だけがトマトという美味しくて面白い一皿です。

Night Kitchen 外観 Night Kitchen 外観

 メイン:牛赤身のロースト 72NIS (約2,160円:左写真左)

 メニューには「ハンバーガー」と書いてあったんですけど、 赤身のローストでした。これはこれで美味しゅうございましたよ。

 あとはパン(左写真右)をTさんとシェア。 ディップはアリオリとオリーブオイルでした。

Kadesh Barnea Merlot 2012
名称Kadesh Barnea Merlot 2012
カデッシュ・バルネア メルロー 2012
生産者Ramat Negev
ラマット・ネゲヴ
価格145NIS (約4,350円)
購入店Night Kitchen

 いやー大変な一日だったね、ということでTさんと乾杯。 移動中も『あたしゃぁワインが好きなんだよ』とトクトクと話をしていて、 支払いはシェアする形になるので「今日はボトルで頼みたいけど良いかい?」と確認、 もちろん『No Problem!』の回答を得ました。 リストには、赤白ロゼ合わせて20種類くらいあったかな? 一番安いのが120NIS(約3,600円)くらいで、高いのは500NIS(約15,000円)くらいまであったような。 Tさんに「お薦めは?」と聞いたところ『Depends on your budget.』との回答。そりゃそうだよね。 で、安ワイン道場師範ですから、Low Budgetであることを宣言して、 安い方の中からお店の方のお薦めを頂きました。

 表のラベルにはアルファベットが書かれていますが、裏ラベルの説明はヘブライ語のみ。 Tさんに読んでもらったところ、「このワインは砂漠で造られています」と書かれているとのこと。 なるほどさすがはイスラエルのワインです。

 ということで稽古開始。 照明がとても暗いので色は良く判りませんが、ほとんど向こうが透けないのでかなり濃いワインではあるようです。 香りは、『やっぱり凄いよイスラエルのワインは!』です。 昨日のグラスワイン同様、カリフォルニアのプレミアム・ワインを彷彿させる、 甘くてギュッと締まった果実と香ばしい樽が高いレベルでバランスしています。 口に含むと、一番顕著なのは柔らかい甘味。 そしてホワーッと口腔内に存在感が拡がっていきます。 間違いなく美味いワインですよ、コレ。

 レストランでこの値段でこのクオリティ、信じられません。 レバノン産のワインであれば日本でも見かけることがありますが、 イスラエル産はほとんど見かけません。でも実はイスラエルは素晴らしく美味しいワインを造る国のようです。 明日のフライトは、イスラエルのテルアビブ発フランスのシャルル・ド・ゴール経由羽田行きなので、 ワインを買うチャンスはテルアビブとパリの両方があるんですが、 今回の自分へのお土産は全てイスラエル産のワインにすることを決意しました。

点数85点
Night Kitchen デザート

 デザート:焼きアイス 15NIS (約450円:左写真)

 デザートも、「面白いから」というTさんのお薦めに従って頂きました。 串に刺したアイスクリームの周りに砂糖をまぶしてそれをバーナーで炙り、 中は冷たくて外はカラメルで包まれた状態で提供されます。 これって日本だと「アイスの天ぷら」ですね。確かに面白いデザートです。

 そんなこんなで一人分のお支払いは223NIS、日本円にして6,690円。 そこそこ良いワインを二人で1本飲んでこの値段だから、この店は比較的リーズナブルな気がしました。

 そして、午後11時を過ぎてTさんとお別れ、長い一日の終了です。 ナイトキャップにと本日もコンビニ的な店にビールを買いに行ったら、 この時間はアルコールを売れない」とのこと。ガーン! 仕方なくミニバーのハイネケン330mlを飲んだのですが、 翌日のお支払い段階でその値段を知ってビックリ、1本8US$、日本円で1,000円近くもしました。 やっぱ飲み食い高いよ!イスラエル。

 そして、全くの余談ですが、師範が寝ようとしたところ隣の部屋からなんともアレな声が。 いやー、外人さんはワイルドですなぁ。


4日(水)

バルセロナ空港ラウンジ

 出張4日目、本日はバルセロナからイスラエルへ移動します。

 イスラエルへのフライトは、イスラエルの国営航空会社エル・アル航空のバルセロナ発テルアビブ行き394便。 出発予定時刻は11時20分なのですが、世界一搭乗手続きが厳しいと言われるこの航空会社、 なんとフライトの4時間前にはチェックイン手続きをすることが求められます。 だもんで朝7時前にはホテルをタクシーで出発しました。

 そして空港に到着したのが7時30分のちょっと前、搭乗手続きのカウンターに行ってみると・・・まだ開いてません。 結局開いたのはフライトの3時間前でした。 そして、大変厳しいという言われる手続きですが、 確かにチェックインする前にパスポートチェックその他でいろいろ聞かれましたが、、 師範みたいな真面目なビジネスマンだと特に問題はありませんでした。

 というわけでスペイン出国を済ませたのが9時前、フライトまでまで2時間以上ありますため、 所有するカードの付帯サービスで使えるラウンジ(写真)へ。

Clamor Tinto 2013
名称Clamor Tinto 2013
クラモール ティント 2013
生産者Raimat
ライマット
価格€0
購入店Barcelona空港ラウンジ

 空港ラウンジといえばワインです。「いや違う」という方もおられましょうが、師範にとってはワインです。 というわけで、まだ朝っぱらですがサービスされているワインを頂きます。 ラインナップは赤ワインが4種類、なぜか白は見当たりませんでした。

 そしてまず選んだのが、唯一ブルゴーニュタイプのボトルに入っていたコレを。 やっぱりね、軽いヤツから重いヤツへと進めたいじゃないですか。 そうすると、ブルゴーニュを意識したこういうボトルは相対的に軽めなんじゃないかと想像したわけです。 で、注いだ後にラベルを確認すると、品種はカベルネ、テンプラニーヨ、メルロー、シラーとのこと。 ガチガチに重そうなラインナップでした。

 ま、そんなことありますわな、と自分を慰めつつ稽古開始。 朝だからか、ほぼ開けたて状態です。 色はしっかりと濃い紫色で、若くて強いワインの雰囲気です。 香りは、ベリーの果実香に鉄っぽい雰囲気が加わって、ボリューム低めながらカッチリとして印象を受けます。 で、口に含むと味の印象通り、カッチリ固い渋味が顕著。 品種の構成を裏切ることのない、固くて重いワインでした。

 ま、そんなこともありますわな。 ちょっとこのワインを弁護すると、 開けたてを今飲むんだとやや険しい印象を受けますが、 甘味も酸味もあるので、熟成させたり抜栓後時間を置いたりすると良さそうです。 だもんでこういう場でのグラスワイン用途としては良いのかもです。

点数(70点)
Lan D-12 2013
名称Lan "D-12" Quinta Edición 2011
ラン "D-12" クインタ・エディスィオン 2011
生産者Bdegas Lan
ボデガス・ラン
価格€0
購入店Barcelona空港ラウンジ

 次にチョイスしたワインがコレ、 なんだかモダンなデザインのラベルが貼られた赤です。 ラベルを良く見るとリオハの赤のようですが、 ラベルがとても現代風だったので、およそリオハ産とは思わずにチョイスしました。

 ボトルはこちらもほぼ開けたて状態でした。 色は、前の赤より更に濃くて、僅かにレンガ色というか静脈血を想わせるような色合いです。 香りは、「確かにリオハはこれよコレ!」という記憶を思い出させる、 ツーンと来る果実香にヤニっぽい香り、それと強めの樽香を感じます。 そして味わいは、前のワインより2年熟成させているのが奏功しているのか、 ややガチャガチャした香りとは裏腹に均整の取れた味わいです。

 リオハらしい雰囲気をベースに、今風の醸造方法を採り入れました、という感じでしょうか。 一本飲むとToo Muchなのかも知れませんが、グラス一杯だとこういうインパクトの強いワインに惹かれますね。

点数(75点)
Vina Pomal Centenario Crianza 2012
名称Viña Pomal "Centenario" Crianza 2012
ビーニャ・ポマル "センテナリオ" クリアンサ 2012
生産者Bdegas Bilbainas
ボデガス・ビルバイナス
価格€0
購入店Barcelona空港ラウンジ

 次にチョイスしたワインもリオハの赤です・・・というか4種類中3種類がリオハでした。 リオハってバルセロナからそんなに近くもないのに、もっと地元のワインを置こうとは思わないんですかね? もっとも、日本みたいにフランスワインやチリワインがあるよりはマシですけどね。

 これまで同様ほぼ開けたて状態のボトルからグラスに注いで、 色は前のリオハと比べると明らかに薄めです。 香りも弱め。ツンッとした部分の周りを削ぎ落した感じで、 ガチャガチャと雑多な感じが無くてシンプルです。 味も香りと同傾向で、前のワインと比べるとシンプルかつスムーズ。 昔ながらのラベルの外観から想像される通りの味わいで、 これはこれで落ち着きます。

 こちらはリオハのリーズナブルなワインの最大公約数的な香りと味、 と言えそうです。 そこそこのクオリティを感じるし、悪くないワインだとは思いますが、 これら4本の中ではやや地味に感じたのも事実です。

点数(71点)
Lan Crianza 2010
名称Lan Crianza 2010
ラン クリアンサ 2010
生産者Bdegas Lan
ボデガス・ラン
価格€0
購入店Barcelona空港ラウンジ

 そしてこのリオハの赤で全種類制覇です。 しかしなぜ白は無かったんだろうね?一応いろいろ探したんだけどね。 もっとも、これに白が4種類くらいあったりして、全部で8種類とかになると流石に飲み過ぎになっちゃうので、 これはこれで良かったのかもしれませんが。

 さてこの最後の赤ですが、良く見ると2種類目と造り手は同じ、 2種類目のが特別なバージョンで、こちらがベーシックなバージョンのように思えます。 このワインだけはボトル半分ほど減ってたんですけど、 同時に2本開けて置かれていたんで、減って無い方から頂きました。

 色は濃いけど濃すぎず、2番目と3番目の中間くらいの色合いでしょうか。 香りは、どちらかというと3番目寄り、ボリューム控えめでツンッと感が目立ちます。 ただ、味わいの柔らかさではこれが一番ですかね。 渋味のザリザリ感が無くほっこりしていて、相手を選ばないタイプのようです。

 こうやって同じ地域のワインをいろいろ稽古できるってのはやっぱり楽しいですな。 あっぱれ!バルセロナ空港のラウンジです。

点数(73点)
Sumarroca Brut Reserva N.V.
名称Sumarroca Brut Reserva N.V.
スマロカ ブルット レセルバ (ヴィンテージ無し)
生産者Sumarroca
スマロカ
価格€0
購入店Barcelona空港ラウンジ

 ・・・と、当初は赤しかない状態だったのですが、出発の直前になって泡と白それぞれ1種類出て来ました。 さすがにこの段階から両方頂くのは難しいと判断、白の方は次回(っていつ?)のお楽しみに取っておくとして、 スペインへのお別れの意味も込めてお祝いの酒カバをササッと頂くことにしました。

 色はかなり薄めだったように思いますし、泡立ちもシャンパーニュと比べるとおとなしめのように思えます。 香りは、あまり熟成感とかは感じない、ある意味カバらしいフレッシュなリンゴ果汁を金属のコップで頂くような感じ。 味は甘くなく酸っぱくなく、中庸なバランスゆえスイッと入っていきます。

 日本でも経験可能な、平均的なカバの香りと味わいですね。 そういえば、スパークリングワインって、日本で飲むのも現地で飲むのもそう違わない気がします。 輸送に強いのか、大事に運ばれているのかは判りませんけど。

点数(70点)
エルアル航空 機体

 ・・・ってな感じでラウンジでのんびりしてたら、出発の40分以上前には搭乗開始されていました。 機材はBoeing737、3列3列のシートです。座席感の距離は標準的ですが、 ひとつ全く頂けないことがあって、それは席がリクライニングしないことです。 その昔、スカイマーク・エアラインズに乗った時もちょっぴりしかリクライニングしない席にガッカリした記憶がありますが、 この飛行機に関してはリクライニングの仕様自体がありません。 空港係員の方が師範の希望を組んで窓側の席にしてくれたんですが、 リクライニングしない席、そして横の席には大柄で小刻みに身体を動かすユダヤ系のオッサン。 4時間程度のフライトではありますが、若干修行です。

エルアル航空 ワイン

 テルアビブに向けて飛びたったら、まずはお飲み物のサービスから。 こういう時には必ず「スパークリング・ワインはありますか?」と聞く師範ですが、 今日はつい先ほどカバを飲んだんで、スパークリングに対するモチベーションは常よりかなり落ちた状態。 ということで本日は「白ワインはありますか?」と聞きました。 そしてその回答は「赤ワインしかありません」ですと。 というわけで、選ぶ余地なく赤ワインになりました。

 で、頂いたのが右写真です。 プラカップでのサービスなんで、銘柄は不明です。 やや軽めだけど普通に楽しめる赤だったように思います。 ボトルを見せてくれと言おうかと考えましたが、師範のマインド的には

・イスラエル国営のエルアル空港様にそんなことお願いして良いの?
・そもそもアルコール飲んでる人は殆どいません。それが一般的?
・ラウンジで沢山の種類飲んだんで、これ以上増えると更新が大変
・ってか普通に飲めば良いじゃん。何と戦っているんだ師範は?

 という感じだったんで聞かずじまいでした。

エルアル航空 機内食

 そして機内食の時に、客室乗務員さんが発した言葉は「チキン”#$%&&+*?><」って感じでした。 聞き取れたのはチキンだけだったので、師範の回答は『チキン・プリーズ』。 他の人への質問をシッカリ聞いていたら、チキンのミートボールとパスタ・ボロネーゼのチョイスだった模様です。 強い訛りもありますが、その程度の語学力で単身イスラエル行きの飛行機に乗って大丈夫か?って感じです。

 で、その内容はと言うと、メインは確かにチキンのミートボールで、その横にクスクス、 あとはニンジンとキュウリのサラダとか、豆と胡麻をベースにしたであろう謎のペースト状の食べ物とかでした。 美味い不味いで言えば、「美味くは無いけど不味くも無い」です。 クスクスを見たとき、パスタを選べば良かったと後悔しましたが、 案外美味しく食べれたんで、のびたパスタより良かったかもしれません。

ホテル カールトン・テル・アビブ 窓の景色

 飛行機はほぼ定刻で到着。イミグレーションでの入国審査も、 大変厳しいと聞いていた割には非常にスムーズでした。

 テルアビブでの宿は、ビーチ沿いの好立地に建つHotel Carlton Tel Avivで、 部屋は13階の南向き。 右写真が窓からの眺めです。 テルアビブ、大都会とリゾート地が同居している感じの街ですな。 こういうところは出張じゃ無くてプライベートで訪れたいものです。

Shila 外観

 ホテルで現地駐在の方(テルアビブ在住、イスラエル人を母親に持つイギリス人男性Tさん)と合流、 夕食はTさんお薦めのShilaという店に。 ホテルから歩いて数分の所にあります。

 このお店、現地でも大変人気の店らしく、午後9時頃にはほぼ満席に。 主にシーフードがメインで、Tさん曰く「シェフの個性的な料理が評判」とのことです。

Shila 白身魚のカルパッチョ スライスしたキュウリやオニオンとアボカドのアイスを添えて

 まずは前菜から選びます。 料理の内容は、とてもキュートな女性の方がこと細かに英語で説明してくれていますが、 食材を表す言葉って難しいんだよね。耳で聞いてもあちこちで引っかかって理解できません。 そんなわけで、なんとか聞きとれた「フィッシュのカルパッチョ」ってのを注文。 出されたのは師範が日本語で表現すると、

 白身魚のカルパッチョ スライスしたキュウリやオニオンとアボカドのアイスを添えて

です。そしてこれが大変美味しゅうございました。 魚はタイの仲間かなぁ、歯ごたえからして鮮度の良さが伝わってくるカルパッチョでした。 お値段は、レシートによれば65NISか79NIS。 イスラエルの通貨単位「ニューシェケル」1NISが日本円で約30円なんで、多分2000円前後のお値段です (レシートにはヘブライ語しか書かれていないのでこれを特定するのが困難なんです)

Shila ブラックパスタとムール貝とイカとブロッコリー Shila フォカッチャ

 メインは、これもお店の方のお薦めをそのまま受け入れて、

 ブラックパスタ ムール貝やイカやブロッコリーと共に

です。お値段は94NISだから3,000円弱ですね。 これは案外普通、ムール貝さえあればブラックパスタはタリアテッレあたりで代用してご家庭でも作れそうな味でした。 それ以外には、Tさんとシェアする形でフォカッチャを。 これが日本で想像するフォカッチャとは全然違って、どちらかといえばインド料理のガーリック・ナンに近く、 大変美味しいものでした。

Shila 赤ワイン Shila 白ワイン

 そして当然ワインを頂きます。実はイスラエルはワインの産地でもあるんで、 「イスラエルのワインをお願いします」と注文。Tさんはワインを飲まずにビールなんで、 さすがにボトルを頼む勇気は無くてグラスで頂きます。

 最初にお願いしたのがChardonnayで、 蜜っぽい香りに軽い樽香、それにコクのある味わいがどことなくブルゴーニュとカリフォルニアを合わせたような感じでナイスでした。 そして次にSauvignon Blancを。 これも、典型的なソーヴィニョン・ブランらしい爽やかな香りがあって、こちらは豪州やニュージーランドあたりの雰囲気です。 最後に、赤ワインでCabernet Sauvignonを注文。 これはとても良く出来てましたね。誤解を恐れず言えば、 師範的にはコレとオーパス・ワンとかのプレミアム・クラスのワインの見分けはつかないと思いました。

 グラスワインのお値段はどれも44NISなんで1杯1,300円くらい。 やっぱり美味しいだけあってそこそこのお値段するわけですな。 でも、イスラエルのワイン、気に入りました。 飲んだワインの銘柄自体は残念ながら不明ですが、 帰りに空港の免税店あたりで良さげなワインを買って帰りましょう。

 お会計は、合計した金額を二人でシェアしてレシート切ってもらい、一人当たりのお支払いは340NIS、 日本円でほぼ10,000円。 前菜とメインとフォカッチャ、それにワインがグラス3杯でこの値段だから、 テルアビブの物価は決して安くないみたいですね。 ともあれ今回の出張ではこれまであまりちゃんとした店に行けてなかったんで、 なかなか嬉しいディナーでありました。

Goldstar

 食後にホテル前でTさんと分かれ、師範は水とビールを買い出しにホテル近くの食料品店へ。 買ったのは、Goldstarという缶ビールと500mlのペットボトルの水。 「米ドルで払えますか」と聞いたところ『問題無い』との回答。 でもこの2品でお値段$4.5、約500円以上ってのはちょっと高すぎじゃね? なんか騙されたような気がしつつ、現地通貨を持ってない身としてはそれに従わざるを得ず、ちゃんと払いました。

 で、ビールはというと、やや褐色がかった色合いで、スッキリというよりコクのあるタイプでした。 そういえば店でTさんもこういう色のビールを飲んでいたな。イスラエルの標準はこういう感じなのですかね?

 ・・・というような移動日でありました。


3日(火)

Novotel Cornellaの外観 Novotel Cornellaの中庭

 出張3日目、本日はバルセロナに滞在です。 日本では雛祭りですね。お祝いしてやれなくてスミマセン>うちのお嬢様たち

 左写真は滞在している宿"Novotel Barcelona Cornella"の外観。 中庭にはプールもあって気持ちよさそうですが、さすがにこの季節に泳ぐ人はいないでしょう。 ただ、ここバルセロナは3月でも結構暖かくて、外出にコートは不要です。 「いつもそうか?」と聞いたらだいたいそうみたいです。さすが地中海性気候。

La Terraza 外観

 そして本日のお仕事終了はかなり遅くて、午後7時を過ぎた頃。 もっと早く終わったらバルセロナ市街まで出かけて、行きたいレストランがあったけど、 お仕事終了後のバルセロナ方面への交通機関が激混みだったんで、諦めて反対方向のホテル方面へ帰ることにしました。

 お店の候補としては昨日休みだったホテルの前の店を考えていたけど、今日も休んでいやがります。 というわけで、かなり次善の次善の策として選んだのが、これまた地下鉄Almeda駅前にあるLa Terrazaという店。 かなりの大箱で、100人以上のキャパがある店のようです。

La Terraza お通し La Terraza ポテトフライ La Terraza イカフライ
La Terraza チキンのソテーと野菜

 料理は、タパスがだいたい1品5ユーロ前後、普通のメニューが10ユーロ前後。 昨日の雰囲気だと、タパス2皿とメイン1皿くらいイケるかな、と思って下記を注文したのですが・・・

 お通し(ニンニク風味のオリーブ) タダ(上写真左)
 ポテトフライ €3.95(上写真中)
 イカフライ €4.95(上写真右)
 チキンのソテーと野菜 €8.50(右写真)

 まず、ポテトが出された時点で自分の判断の誤りを認識、「これは手ごわい量だ」(写真奥にあるグラスの脚との大きさの差をご参照下さい)。 で、イカが出て来てそれを確信、「全て食べるのは無理」。 さらに、メインのチキンの段階では笑うしかなく、「半分食べられれば上出来」。 メインなんて、A3サイズから切り出したくらいの面積があるパンの上に、ソテーした鶏の胸肉やら 炒めたキャベツ、トマトなんかが載せられていて、更にその上に焼いたチーズ、更に更にその上に目玉焼きが2個も載ってます。 これ一皿でも師範は食べきる自信はありません。

La Terraza 白ワイン La Terraza 赤ワイン

 飲み物は、「ワインはありますか?」と聞いたら『赤白あります』との回答。 昨日が白だったので今日は赤が飲みたくてまずは赤をチョイス。来たのはハーフよりちょっと小さいくらいのボトルで、 お値段1.95ユーロです。 そしてこの赤が結構イケてました。現地の人は普段こういうのを飲んでいるんだろうな、 というのがダイレクトに伝わる、フレッシュで飾りの無い香りと味わい。点数付ければ74点、なかなかナイスです。

 そして、赤の後には追加で白も注文。同じサイズのボトルで同じ1.95ユーロです。 こっちもフレッシュ・・・かと思ったらそうでもなくて、日本で頂く安いスペイン産白にあるような、 掴みドコロの無いボケた内容で残念。65点です。

 ・・・というわけで、料理を半分以上残してお会計。お値段は21.3ユーロ。 サービスの方に「私は料理の選択を誤りました。私には無理な量でした。シェフに謝っておいて下さい」 と言って多めにチップを置いて帰りました。 日本人にとってはタパス一皿で十分、味は普通、といことで「質より量」重視の方以外には厳しい店かもです。


2日(月)

Novotel Cornellaの朝食 Novotel Cornellaの朝食フルーツ

 出張2日目、本日はバルセロナに滞在します。

 朝食はホテルのバイキングで頂きます。 昼は多分食べる時間も気力も無いと思うので、夜まで腹もちするようにタップリと(左写真)。 それにしても野菜の無いメニューですね。 ラタトゥイユっぽいのがあった以外は、野菜は皆無です。 その分フルーツはたっぷりあったのでそちらも山盛りで(右写真)。 リンゴが美味しかったのがちょっと意外、そして、搾りたてのオレンジジュースはとても美味しいのに、 カットされたオレンジがイマイチだったのもまた意外です。

 写真以外にもヨーグルトとエスプレッソコーヒーを頂いて朝から満腹の出来あがり。 それではお仕事に向かいます。

Estrella Damm

 そして夕方にはお仕事終了。 ホテルの部屋でレポート書きながら、まずは自分にお疲れ様ということでビールを頂きます。 本日のチョイスは外で買ってきたEstell Dammというヤツ。 缶の記載によれば、バルセロナにある1876年創業のビール会社が作るトラディショナルなビールらしいです。 普段からワインのラベルを判らないなりに読むようにしているので、 なんとなくビールでも何が書かれているのかが判るのは嬉しいですね。 で、ビールの内容はというと、かなり昔のキリンビールのような、懐かしい感じの味わいでした。

Milenio2 外観

 レポートも書き終えて、いよいよお楽しみの夕食ですが、ここでの店選びに大変迷いました。 まず、ホテルの場所である地下鉄Almeda駅周辺はほぼ住宅街のようで、あまり店がありません。 そして、海外出張中の食事はTripAdvisorのページ(日本の食べログのようなものです)を参考にするんですが、 どうもこのあたりはその情報が信用ならん感じなんですわ。 更に、月曜ってお休みの店が多いのね。だもんで選択肢が限られます。

 ・・・と、悩みに悩んで歩きまわって選んだのが、結局地下鉄の駅から出てすぐのところにある、 Milenio2という店。"Cervecería - Marisquería"ということのなので、 「ビールと魚介の店」という感じでしょうか。 なぜここを選んだかというと、まず店の雰囲気が暖かくて美味しそうだったこと。 スペインの店って、意外と昼光色の蛍光灯が使われているところが多くて、 そういうのだと美味そうに見えないんですね。それがここは違った、と。 そしてなにより表にワインリストが掲示されていたこと。 「安ワイン道場師範」としてはそれが最も大切です。

Milenio2 フレッシュ・アンチョビのビネガー漬け

 料理は、スペイン名物のタパスからチョイスしました。

 フレッシュ・アンチョビのビネガー漬け €5.00(左写真)
 自家製コロッケ(2個) €1.00(×2)(下写真左)
 ツナのピクルス添え €3.75(下写真中)
 パン €1.00(下写真右)

 で、この店にして正解でした。 「こういうのが食べたかったのよ」ってな具合に、ややジャンキーな味わいながら酒の肴にぴったり。 それをお好みで選べるスペインのこのシステムは、日本の居酒屋にも似て酒飲みには大変使い勝手が良いですな。 本当はもう数品食べたかったんだけど、結構量が多くてこれで精いっぱいでした。

Milenio2 自家製コロッケ Milenio2 ツナのピクルス添え Milenio2 パン
Troante 2012
名称Troante 2012
トロアンテ 2012
生産者Vitigal S.L.
ヴィティガル S.L.
価格€10.85
購入店Melenio2

 ワインリストには、赤白ロゼ泡を合わせて30種くらい載っていました。 そのうち一番安いのがカバの7ユーロでした。 いくらか余らせて残りをホテルに持ち帰るつもりだったので、まず泡はパス。 そして、魚介類がウリの店のようなので、赤もパス。 白のラインナップの中から選んだのがこれで、確か安い方から2番目だったような。 店員さんはしつこく「大きいボトルで良いんだな?」と確認して来ますが、もちろん良いんです。 こんな風に聞かれるってことは、東洋人ってあまり飲まないんですかね?

 そして頂いたのが右写真です。 こういう店なんで、ワインクーラーなんか無くてぬるいヤツをドンとテーブルに置かれるのかと思ったけど、 予想は良い方に裏切られて、キッチリ冷えてますしワインクーラーもセットしてくれました。 ラベルには結構細かい情報が書かれていて、品種はトレシャドゥラとトロンテスらしいです。 D.O.リベイロは、バルセロナのそばでは無くてポルトガル側のようですな。

 色は、特に濃くは無いんですが、さりとて薄いわけでもないレモン色を基調とした色あいです。 香りは、これぞ地の利の良さ!というか、本来儚くなりそうないろんなフルーツや花の香りがプチプチと香ってきます。 味も、やや苦味を感じるバランスながらフレッシュ感は想像以上で、 スイスイと入っていくワインです。

 こういう、いわゆる安白ワインのスペイン産って、往々にして平板と言うかボケた味わいのものが多い印象があるけど、 さすが現地で飲むワインはそういうエクスキューズがありません。 ワインクーラーを用意してサービスする対価を考えたら、11ユーロ弱という値段はとてもお買い得 ・・・と言っても読者な方の参考にはならないでしょうけれども。

点数66点
Milenio2 コーヒー

 最後にコーヒーを頂いて、トータルのお値段は23.80ユーロ。 いろいろ食べてワイン1本飲んで3,000円ちょっと、やっぱり酒飲みには嬉しい国ですな。 店内にも地元の常連さんと思しきおっさん達が楽しそうに会話しながらビールを飲んでおられましたよ。


1日(日)

羽田空港国際線ターミナルの日本橋

 本日から師範は久しぶりの海外出張。 行先は、スペインのバルセロナとイスラエルのテルアビブです。

 行きのフライトは羽田空港発パリのシャルル・ドゴール空港行きエールフランス279便。 羽田空港の国際線ターミナルは初めて利用しました。 左写真は出発ロビーの1階上にある「日本橋」らしいです。 ここのまわりには土産物屋がいろいろあるみたいでした。

 出発時刻は定刻13:40発のところ、使用機の都合で20分遅れの14:00発。 早めに着いたこともあり2時間くらいヒマな時間があったので、 カードの付帯サービスで4階にあるラウンジを利用。 ただ、残念ながらこのラウンジはアルコール有料なので、 仕方なくトマトジュースをがぶ飲みする師範でありました。

Lombard Brut Reference N.V.
名称Lombard Brut Référance N.V.
ロンバール ブリュット・レフェランス (ヴィンテージ無し)
生産者Lombard & Cie
ロンバール&コンパニ
価格\0
購入店エールフランス機内

 そんな感じで羽田で時間を潰し、午後2時前には離陸。 羽田を飛び立って、水平飛行に移るとお飲み物のサービスがあります。 エールフランスの何が素晴らしいって、エコノミーでもシャンパーニュが飲めることです。 師範の知る限り、この恩恵に預かれるのはエールフランスだけですね。 だからこのエアラインを選んだわけじゃないんですが、 やっぱり嬉しいのは事実です。

 そして、以前まではこのシャンパーニュのサービスはベビーボトルでの提供だったんですが、 今回はボトルからのサービスでした。 師範の席はエコノミーの一番前だったから、開けたてを頂けるのはとてもナイスです。 ただ、このサービスの仕方って、ボトルを写真に収めるのが難しいんだよね。 というわけで右写真はプラカップに注がれたところであります。

 ご覧のように器は貧相ですが、泡は盛大に立ち昇っていて、シャンパーニュの面目躍如です。 色はシャンパーニュらしい麦わら色、香りのボリュームもかなりのもので、 かつ結構熟成香があって結構良い感じです。 味は、やや金属的な感じがしないでもないけど、こういうコップですからね、 普段のフルートグラスと比べると味わいの様子も変わってくる気がします。

 いずれにせよエコノミーでシャンパーニュが飲めるのはなにより嬉しいサービスです。 この幸運を満喫すべく、食後ののんびりタイムにももう一杯頂きました。 あぁ幸せ幸せ。ビバ!エール・フランス!!です。

点数(76点)
エールフランスの機内食1

 行きのフライトの機材はBoeing 777-200ER、席はありがたいことにプレミアム・エコノミーで、 特に今回の場合は一番前の窓側だったので前の空間が広く、通路に出るのに隣の人に気を遣わせずに済みます。 また、席には電源もあるので、こうやって更新用の記述をするのも楽だったりします。

 ただ、プレミアムといえども料理は普通にエコノミーのソレ+αです。 リストの表記に寄れば

  ハム入りアスピック 胡椒風味のスモークサーモン、蟹サラダ
  舌平目の雲丹ソース添え、帆立貝柱、椎茸、ご飯
  味噌汁、チーズ、トロピカルフルーツとオレンジソースのムース

らしいですが、そのクオリティは写真から推して知るべし、です。 ただ、写真右下のアスピックとスモークサーモン、蟹サラダは白に合わせるつまみとしてちょうどいい感じではありましたが。

Reserve de Tholomies La Chapelle Chardonnay 2012
名称Reserve de Tholomies "La Chapelle" Chardonnay 2012
レゼルヴ・ド・ソロミーズ "ラ・シャペル" シャルドネ 2012
生産者GCF
GCF
価格\0 (187ml)
購入店エールフランス機内

 料理の際には、いつも「白ワインと赤ワインをお願いします」ということにしています。 これは飛行機のみならず居酒屋なんかでも同じ。 どうせ両方頼むんだったらお店?の方の手を煩わせる回数を減らした方がいい、 という親心からであります。決して賤しい気持からではありません。

 そして白は、さすがフランスの航空会社だけあって、銘柄は南仏産のシャルドネでした。 ヴィンテージは2012年で187mlのペットボトルに入っています。 器はガラス製の細長いコップで頂きます。

 色は、思いのほか赤みがあって先ほどのシャンパーニュにも似た感じです。 ヴィンテージが2012年なんで、こういうクラスとしてはやや年期が入っていて、 かつベビーボトルなのでいろいろ外界からの作用が大きかったのではないかと想像されます。 香りはいかにも南仏産のシャルドネの香り。 蜜っぽさとリンゴっぽさはありますが、どことなく乱雑な感じで茎も葉もいっしょくた、ってな感じがします。 味も香りの印象と大きな違いは無く、適度に甘酸っぱくてこういうところで出される白ワインの典型、といった印象です。

 悪くは無いです。でも、もう一本貰おうという気にはならないなぁ。 キャップシールなんで打栓由来の不具合は無いんでしょうけど、 良好な環境に置かれていたわけではなさそう、と邪推します。 帰りのフライトでは2013年産が頂けると良いな。

 ・・・なんて言いながら、到着前の軽食時にも白っぽいワインが飲みたくなって(残念ながらシャンパーニュは終了)、 もう一本頂いちゃいましたが。

点数66点
Reserve de Tholomies Syrah 2013
名称Reserve de Tholomies Syrah 2013
レゼルヴ・ド・ソロミーズ シラー 2013
生産者GCF
GCF
価格\0 (187ml)
購入店エールフランス機内

 赤も、白と同じ造り手&銘柄ですが、品種はシラーで、ヴィンテージは白より1年若い2013年です。 そして、白の方には"La Chapelle"なんていうサブタイトルが付けられていますが、 赤の方は品種の表示のみ。その違いは謎であります。

 ちなみに赤を頂いている時は、小さなフランスパンにバター、そしてチーズとクラッカーを相手にしていました。 ですんで、舌平目やサーモンに合わせたわけではないことをここにご報告しておきます。

 色は、シラーというと真っ黒に濃いのを想像しますが、意外と普通で澄んだ赤ワインの色が見て取れます。 味はいかにも南仏産のシラーの香り。 イチゴっぽい果実香に青畳のようなスットボケ感があって、胡椒のようなチリチリ感もあります。 そして味わいが凄い。何が凄いって、まったく飲み手に媚びること無いガシッとした渋味があるわけですよ。 さすがフランスのエスプリ、こういうところでキッパリと自己主張してくれています。

 で、187mlなんですぐ飲み終わっちゃワケですが、面白いことに後半甘味が感じられるように変化して来るわけですよ。 こんなあたりにもフランスのエスプリを感じます。

 赤ワインのなんたるかをご存じない方にお勧めするにはかなりリスキーな、 ガシッとした渋味が顕著なワインでした。 こっちこそ2012年産くらいに時間が経ってれば良いのに、と。 人生なかなかうまく行かないもんです。

点数68点
エールフランスの機内食2

 フランス到着前、デンマーク上空あたりで頂いた食事は下記でした。

  フレッシュサラダ
  カサレッチェパスタ、ピーマン入りクリームソース、パルメザンチーズ
  チーズ、フルーツサラダ

前半のがランチ、こっちがディナーということであります。 まぁ「言ったもん勝ち」の世界であります。

エールフランス フライト経路

 そうこうしておりますうちに、 順調に飛行機は飛んで(当たり前か)フランスはシャルル・ド・ゴール空港にはほぼ定刻の現地時間18:30頃到着。 運転手さんが頑張ってくれて離陸時の遅れを取り戻してくれました。

 ともあれプレミアム・エコノミーはやっぱりちょっと快適ですな。 実は、乗る際に『お得なお値段でビジネスへアップグレード出来ます』という話だったんで、 ちょっと心が動かされたけど、その「お得なお値段」ってのは35,000円也。 その金額あれば一流レストランで二人で食事出来ますがな・・・ってことで断念しております。

シャルルドゴール空港

 そんなこんなで中継地であるパリのシャルル・ド・ゴール空港に到着。 多分フランス遠征稽古の時以来なんで、15年ぶりでしょうか。 次のフライトはシャルル・ド・ゴール発スペインのバルセロナ空港行きエールフランス4142便。 同じエールフランスの乗り継ぎなんで空港内の移動は楽・・・のはずなんだけど、 なんか空港内ってどこ歩いているか判んないんで、いつも不安になるんだよね。 指示の通りに進んで行けば大抵大丈夫なわけなんだけど。

エールフランスの機内食3

 フライトは定刻の20:15出発。機材はAirbus321、3列3列の小さめな機体です。 そして1時間30分の短いフライトですが、一応国際線なのでちゃんと機内食が出ました。 内容は、ハムとポテトとパンとお菓子。見事なまでに野菜の無いメニューです。 ここまで潔いと、食事と言うよりお腹を満たす何か、に思えてかえってスッキリした気分で頂けるわけですが、 こういうのばっかり食べてりゃそりゃ太るよね。

PalnaireBrut
名称Palnaire Brut N.V.
パルネール ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Palnaire
パルネール
価格\0
購入店エールフランス機内

 そしてここにもちゃんとシャンパーニュが用意してあるのが嬉しい限りです。 師範の遠くまで良く見える視力で(近くはあまり見えませんが)チェックしたところ、 羽田からの便とは違う銘柄のようであります。 というわけで、もちろんこのシャンパーニュを注文。 師範の番まで誰も注文していなかったので、またまた開けたてでした。

 そして内容は、昼のヤツに比べるとやや若い感じでしょうか? 写真でも判るように、こちらの方がかなりレモン色がかったバランスに感じます・・・けど、 これは単に照明の色の違いの可能性もあります。 香りや味も、熟成感と言うよりフレッシュ&フルーティな雰囲気だったように思います。

 ま、これはこれでアリなシャンパーニュかと。 さすがに短時間のフライトなんで、飲み物のサービスは1回だけ。 そうすると100ml程度のプラカップでのシャンパーニュより、187mlのベビーボトルで提供される赤か白の方が良かったかも ・・・なんてケチなことを考える師範でありました。

点数(74点)
NOVOTEL CORNELLA 部屋

 そしてようやく第一の目的地バルセロナへ到着。 空港からはタクシーで移動して、 宿泊先NOVOTEL CORNELLAというところ。

 部屋は一人で使うには十分広くて、モダンな感じで悪くありません。 ただ、お湯の出がイマイチなのが残念、湯船にお湯をためるのは途方もなく時間がかかりそうで断念しました。 また、現代人の必需設備WiFiも無料で使えます。 ところがこれが最初接続にトラぶって青くなったのは内緒です(ごく簡単な設定ミスでした)

Mahou Cerveza Especial

 落ち着い頃には現地時間はもう夜中の12時前。 本日は3食も機内食を食べているので、もう何も食べるつもりはありませんが、 とりあえず寝酒でも確保しようと近所のお店を探したけど、さすがに日曜夜のこの時間に開いている店はありませんでした。 タクシーで移動中、ガソリンスタンド併設のコンビニが開いているように見えたけどそこも店は閉店。 しかたなくホテルのミニバーにあったMahou Cerveza Especialという缶ビールを2つ。 長い一日、お疲れ様の師範でありました。