稽古日誌:2020年11月

ジューンベリーの紅葉

 もう11月ですな。左写真は、道場のシンボルツリーであるジューンベリーの紅葉と秋晴れの空。気持ちの良い季節です。

 11月は、北半球のワイン界隈にとっては新酒のシーズンですな。 ボージョレ・ヌーヴォーのプロモーションには乗らないことにしている安ワイン道場ですが、 今年はちょっと悩んでおります。というのも、飲食店需要の激減で、世界的にワインが売れてないらしいんですね。 それでもブドウは普通に出来ちゃうから、ブランド価値の棄損を嫌ったシャンパーニュ地区などではブドウを廃棄したりもしているそう。 それはさすがにサポートしたいな、と考える安ワイン道場、「山梨ヌーボー」とかイタリアのノヴェッロとかは積極的に稽古していこうと考えております。 ボージョレは・・・入荷量と売れ行き次第だな。欲しい人が買えなくなるのは本意ではないので、解禁日には買いません。 ある程度経って、売れ残っているようだったらサルベージします。そもそも今年は飛行機が飛んでないので入荷が少ない、という話もありますし。

 ホント、人や物の流れが早く昔のように戻らないかなぁ。 テレワークは楽チンだけど、出会いやハプニングが無い生活は暮らしのいろどりに欠けますよ。


29日(日)

Bourgogne Hautes Cotes de Nuits Louis Auguste 2018 [David Duband]
名称Bourgogne Hautes Côtes de Nuits "Louis Auguste" 2018
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ニュイ "ルイ・オーギュスト" 2018
生産者David Duband
ダヴィド・デュバン
価格2,848円 (単品価格:4,620円)
購入店AUTHORITY select

 本日は11月29日で「いい肉の日」らしいです。というわけで夕食のメインは豚テキ。 あとはカボチャと鶏そぼろの煮物、アボカドトマトのサラダ、叩きキュウリ。となるとワインはやっぱり赤ですよね。 昨日の残りがカバも日本ワインもちょっとずつあるので、何を開けようか悩みましたが、昨日のワインがやや不本意だったので、ちょっと良いヤツをチョイスしました。 最近メキメキと頭角を現している造り手「ダヴィド・デュバン」のオート・コート・ド・ニュイ。 本来は5,000円近い値段のワインですが、「3本税込み1万円」で買ったので、割り戻し価格はギリギリ稽古範囲内です。 ちなみにこの銘柄とは9年前に2008年産と中華街の聘珍楼で稽古しております。

 色は、このアペラシオンとしては「やや濃いめ」くらいに感じる赤紫色。まだ若いのでエッジまでストレートに同じ色調です。 香りは、「うわぁ!君カリピノ?」な感じの果実の圧力と樽の香ばしさ。いやマジでちょっとブルゴーニュとは思えない香りの派手さがあります。 口に含むと、渋味がカッチリしていて甘味もタップリで、酸味は控えめ。こちらもカリピノ、いやチリピノみたいな味わいです。

 ショップのサイトによれば、『細かい石灰が多く混ざった粘土質土壌。丘の上でピノ・ノワールを栽培。 ニュイ・サン・ジョルジュの町より標高が高く、より冷涼な気候となる』ということらしいけど、 飲んだ印象は全く冷涼な感じはしないんですよ。2018年ってブルゴーニュは「暑い年」だったらしいけどその影響なのかな? いや、好き嫌いで言えば好きですよ、こういう濃いピノ・ノワール。なんか得した気分がしますから。 ただ、ブルゴーニュっぽいかと言われればちょっと違うかなぁ、と。一時期の「ドミニク・ローラン」みたいな感じ、で通じますかね?

点数81点

28日(土)

Vidadelsur Brut N.V. [Bodegas Oliveros]
名称Vidadelsur Brut N.V.
ビダデルスール ブルット (ヴィンテージ無し)
生産者Bodegas Oliveros
ボデガス・オリベロス
価格550円
購入店カクヤス保土ヶ谷店

 次女の誕生日は昨日でしたが、家庭内誕生パーティを今日執り行うということで、師範が調理を担当します。 メインは肉料理なので、開ける赤は最初から決めておりました。 ところが、クラムチャウダーを作ろうと思ったら『白ワインで蒸すべし!』と書いてあるじゃ無いですか。 ならば仕方ない、1本開けましょう!ということで、今日カクヤスで買ってきた税別500円の安カバを抜栓。 料理用と今日明日の食前酒用にします。

 色は、薄い感じはしなくて結構ちゃんとした濃さのあるレモン色。泡立ちもまぁまぁ立派です。 香りも、ボリュームこそ弱めだけど、熟れたリンゴや熟成感のあるイーストっぽい香りがあったりするので、案外ちゃんとしています。 味わいは・・・シェリーのような風味が口の中を支配するので、ちょっと熟成が進み過ぎたような印象を受けます。 元からそうデザインされたのか、流通の過程でそうなったのかは判りませんが。

 とはいえ美味しくないってわけじゃないんですよ。 なんせ500円ですからね、「ダメージボトル?」とか気にしなければ普通に楽しめます。 かえって「高級熟成シャンパーニュです」って言えば騙される人もいるかも・・・いないか。

 翌日、グラスを普通の白ワイン用に替えて再稽古。 シャリーっぽいヒネた感じはより強まりましたが、泡も弱くなったのでアタックが柔らかく、「これはこれで良いか」な気分です。 アタリハズレで言えば「ややハズレ」なんでしょうけど、ワンコインはそんなギャンブルも含めて楽しむクラスですからね。

点数68点
Seele ohasama Rathay 2016 [Edel Wein]
名称Seele ohasama Rathay 2016
ゼーレ・オオハサマ ラタイ 樽熟成 2016
生産者Edel Wein
エーデルワイン
価格寄付金額:67,000円 (参考価格:3,960円(720ml))
購入店岩手県花巻市

 本日のパーティーメニューは、ボローニャソーセージとアボカドのピンチョス、イベリコ豚原木の生ハム、スズキのカルパッチョ、 骨付きラムのロースト、和牛ランボソのステーキ、グリーンサラダ、クラムチャウダーといった豪華版。 師範がんばりました。

 そしてこちらが本日のメインのワイン、岩手県花巻市へのふるさと納税の返礼品として頂いた、エーデルワインのフラッグシップのうちの1本、樽熟成ラタイです。 「ラタイ」なんて品種は初めて聞きました。先々週稽古したシルバーのカベルネ・ソーヴィニョンがかなり好印象だったので、 上グレードのこのワインにも大きな期待を寄せております。裏ラベルには細かな情報が記載されていますので、謹んで転記させて頂きます。

製造本数:1,721本
原料糖度:17.7Brix
総酸度:6.1g/l
 オーストリア原産の品種「ラタイ」は岩手県花巻市大迫町で日本で初めて栽培されました。 当ワインはこの地で収穫された2016年産のラタイを限定醸造し、丹念に仕上げました。 非常に濃い色合いで黒い果実を思わせる香りが感じられ、凝縮された味わいの赤ワインです。

 確かに、色は全く向こうが透けないくらいの濃さがあって、かなり黒に近い紫です。こんな色の日本ワインがあるんですね~、と素直に驚きました。 香りは・・・なかなか表現するのが難しいのですが、ツヴァイゲルト等の北方系赤ワインみたいなカッチリ緻密なフルーツ香と、 ラベルに書かれている通り樽の香ばしさを感じます。 そして、外観や香りから「渋くて酸っぱいワインかなぁ」と想像しつつ口に含むと、「渋い」はアタリ、「酸っぱい」はハズレ。酸味が弱いので余韻が短いんですよ。 正面から見るとデカいトラックなんだけど、実はトレーラーの牽引車部分だけだった、みたいな「えぇ~そこで終わり?」な肩透かし感を禁じ得ません。

 色や香りから、しっかり熟したブドウが使われているんだろうと思います。 だからか、酸が不足していて軽い印象を受けてしまいます。 「岩手のワインだからもっと酸があるだろう」と期待した、師範の先入観が邪魔しているのかも知れません。 とにかくかなり固い感じなので、2杯分くらい明日に残して様子を見ます。

 翌日再稽古しましたが・・・凄く固くてカッチリした渋味と、それを従える感じの甘味は酸味という構造は変わりませんでした。 このワインが普通に楽しめるのは10年後、とかそんな感じです。

点数71点

27日(金)

Simonsig Kaapse Vonkel Brut 2018 [Simonsig]
名称Simonsig "Kaapse Vonkel" Brut 2018
シモンシッヒ "カープス・ヴォンケル" ブリュット 2018
生産者Simonsig
シモンシッヒ
価格2,860円
購入店アフリカー

 本日は次女の誕生日。彼女のリクエストは「おでん」なので、夕食は寸胴鍋いっぱいのおでんです。 師範の主張として「おでんはワインに合わない」というのがありましたが、 最近は「おでんを煮た練り物の匂いが充満した部屋ではワインの香りは取りづらい」に若干趣旨を変更させて頂いております。

 そんな料理に合わせたワインは、お祝い感があって、香りが取り易いワインと言えばやっぱりスパークリングですよね。 選んだのは、水天宮前の「アフリカーで夏に購入した南アフリカ産のスパークリング。 品種はシャルドネ55%, ピノノワール43%, ムニエ2%とのこと。ラベルには"First Cap Classique"の文字がありますので、 南アフリカで最初に瓶内二次発酵のスパークリングを造った、ってことのようです。

 色は、シャルドネ比率が高い割にはやや赤みを感じる黄金色。泡立ちも泡のキメも、まったくシャンパーニュに遜色ありません。 香りは、2018年という若さもあってか、ダイレクトにフルーツっぽさを感じるバランス。リンゴ、白桃、柑橘類、そして蜂蜜。 熟成シャンパーニュにある飴とか高菜漬けとかパンの耳っぽさはあまり感じません。 味わいは、炭酸の刺激がクリーミーな感じで、甘酸っぱくて軽い苦味があって心地よさがあります。 味わいがしっかりしているので、ジックリと楽しめる味わいです。

 『若いシャンパーニュ、セパージュはピノ・ノワール30%/ピノ・ムニエ30%/シャルドネ40%です』 と言われて「違うでしょ!」って言える人はいないと思われます。 いやいるかも知れませんけどそういう人は外れ値です。 若さハツラツで凝縮感があって稽古範囲内で楽しめる、さすがは南ア、ありがたい泡ですなぁ。

点数80点

25日(水)

The Coffee Pot Pinotage 2019 [Van Loveren Vineyards]
名称The Coffee Pot Pinotage 2019
ザ・コーヒー・ポット ピノタージュ 2019
生産者Van Loveren Vineyards
ファン・ローファラン・ヴィンヤーズ
価格988円
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 本日の夕食はドリアミート(ミートドリアのご飯抜き)、ピクルス、筑前煮。 子供たちは主食はご飯なんですが、師範はパンにしたく、ストック用の冷凍庫を探すとブールアンジュの「豆パン」がありました。 あんこの原形のような甘い豆(小豆、インゲン、青エンドウ)がたっぷり入ったパンです。 「そういえばあんこと赤ワインは相性が良いという話を聞いたな」ということで、ワインは赤をチョイス。 それも、同じ「豆」繋がりということで、ラベルにコーヒー豆の絵が書かれた南アフリカのピノタージュです。

 色は、濃いっちゃ濃いけど向こうは透けます。この辺りはやっぱり片親にピノ・ノワールを持つ品種の特性なのかな。 香りは「イチゴジャム入りコーヒー」です。それもスタバみたいな焙煎強めなヤツ。 味わいは、キッチリ甘いです。酸味は少なくて「甘ったるい」と言いそうなバランスですが、 どこか生食用ブドウのような風味があるので、嫌味な甘さには感じません。

 コーヒーが好きで甘いモノが好きでワインも好きな人には「熱烈歓迎!」の横断幕と共に受け入れられるでしょう。 甘いパンとの相性も、バッチリなマリアージュ!とまではいかないまでも、結構イケます。 コレ、ガチのあんこ、おはぎや羊羹なんかと合わせてもいいかも知れません。 案外あんことコーヒーって相性良いっすからね。

点数77点

23日(月)

Mystified Red Blend 2018 [Mystified]
名称Mystified Red Blend 2018
ミスティファイド レッド・ブレンド 2018
生産者Mystified
ミスティファイド
価格999円
購入店ワインショップ ドラジェ

 昨日は美味いカリフォルニアのワインと沢山稽古したので、本日はその復習&クールダウンの意味も含めて、税込みぎりぎり3桁のカリフォルニア産赤をチョイスしました。 造り手の所在地はナパで、品種は「ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨン、プティ・シラー、メルロー、シラー」らしいです。 カベルネ・ソーヴィニョンとメルロー以外は昨日稽古していますね。 購入したショップによれば、『この価格では普通じゃ飲めません!』『当店の大サービス商品!』らしいですよ。 ちなみに本日の料理は、和風ローストビーフ、鶏ナンコツの塩胡椒焼き、ポトフ、ガーリックライスです。

 色は、しっかりとした濃さのある紫色・・・毎度ここで見た目の印象を書いていますが、正直外観なんかでワインの品質を見定めるのは難しいですよ。 香りのボリュームは弱めですが、なるほどカリフォルニアなチェリーやプルーンみたいな甘い果実の香り、そしてこれまた甘い樽を焦がした香りが感じれらます。 品種の比率的にはジンファンデルが多いような気がしますね。 味わいは、渋みが柔らかくて甘さしっかり酸味控えめ。ユルいバランスが典型的なカリフォルニアのお手頃赤といった雰囲気です。

 正直ややチャラい感じはあります。飲み飽きもします。 でも、屋外でのバーベキューみたいな、難しいことを考えずにクイクイ飲むのにちょうど良い感じのワインでもあります。 ちょっと冷やしたくらいが良いかも。そしてこれが1,000円以下なのは確かにお買い得感ありますな。1,500円くらいのワインに匹敵しますよ。

点数75点

22日(日)

Gentil-H 外観

 本日はツイッターの飲み仲間で集まってのワイン会。 テーマは「米国ソノマのワイン」なんだけど、約2名ほど空気が読めておらず、1名ほど惜しい人がいます。

 店は、白金台の通称「プラチナ通り」からほど近い場所にあるGentil-H(ジョンティ・アッシュ)というフレンチレストラン。 参加者8名、新型コロナウィルスの感染拡大に配慮して、個室を貸し切りで利用させて頂きました。

Gentil-H 店内

 今回参加されたのは下記の皆さんです。
TOKYO WINE GIRLさん(幹事)
はとねさん
さん
kouta-meganeさん
隊長さん
KOZEさん
デゴルジュマン@泡大将さん
安ワイン道場師範

Rare Brut Millesime 2006 [Piper-Heidsieck]
名称Rare Brut Millésime 2006
レア ブリュット ミレジム 2006
生産者Piper-Heidsieck
パイパー・エイドシック
価格(泡大将から)
購入店

 今回、「ソノマのワイン」なのに空気読めていない一人目がコチラ、"泡大将"こと亀戸のシャンパーニュ・スタンド「デゴルジュマン」店長のお持ち込みされたシャンパーニュ。 でもまぁ最初はシャンパーニュですよね。それも、ヴィンテージ付き&豪華な外観のプレミアムなヤツです。 「いつ飲んでも美味しいシャンパーニュ」ということらしいですよ。

 抜栓&グラスに注ぐのは仏様にやって頂きました。 まず色と泡の勢いが凄いですね。まさに黄金色の液体の中から真珠色の細かな泡がベールのごとく立ち昇ります。 もうこの見た目だけでオッケーですよ。 口に含むと、とても細かいシュワシュワな泡が口腔内をくすぐります。まさにクリーミーな味わいですな。

 確かに美味いです。ただ惜しむらくは、師範ってヤツは泡に関して感受性のダイナミックレンジが狭いというか、 ある程度以上は「美味い」で止まっちゃうのね。『シャンパーニュの会』とか「ぜんぶ同じ!」になりそうで恐怖です。

点数85点
Gentil-H 乾杯

 こんな感じで乾杯しました。美味しそうでしょ?美味しいんですよ。

Freeman Ryo-Fu Russian River Valley Chardonnay 2017 [Freeman Winery]
名称Freeman "Ryo-Fu" Russian River Valley Chardonnay 2017
フリーマン "涼風" ロシアン・リヴァー・ヴァレー シャルドネ 2017
生産者Freeman Winery
フリーマン・ワイナリー
価格(仏さんから)
購入店

 遠方からわざわざこのために来て頂いた仏さんは、米国ソノマの「フリーマン」のワインを赤白セットでお持ち頂きました。 「フリーマン・ワイナリー」の醸造家は日本人の「アキコ・フリーマン」氏らしいです。 なのでラベルに日本語で「涼風」なんて書かれています。涼しげなワインが想像されますな。

 色は、薄めの黄金色、照りがあってキレイな外観です。 香りは、鼻で嗅ぐ分には蜜入りリンゴのようなシャルドネらしい香りなんですが、 口に含むとフレンチトーストとマンゴーの香りがします。 そして味わいの厚みが凄いですね。後味に軽い苦味があって、若干ガチャガチャした感じがするのが玉にキズでしょうか。

 「涼しげ」というより暖かい感じのワインですね。ヴィンテージは2017年、味わいのラフな感じに関しては、 これから年月を経ることによってまとまっていくのかも知れません・・・などとわかったようなことを書いております。

点数86点
Gentil-H うなぎパイ

 今回、デザート含め料理7品で組んで頂いています。
 Le UNAGIPIE
 うなぎパイ
シェフが静岡県出身とのことで「うなぎパイ」とのこと、エスプリが効いてますな。 香ばしい感じがシャンパーニュや樽の香ばしさに合っていたように思います。

Kistler Dutton Ranch Russian River Valley Chardonnay 2017 [Kistler Vinyards]
名称Kistler "Dutton Ranch" Russian River Valley Chardonnay 2017
キスラー "ダットン・ランチ" ロシアン・リヴァー・ヴァレー シャルドネ 2017
生産者Kistler Vinyards
キスラー・ヴィンヤーズ
価格(kouta-meganeさんから)
購入店

今回、kouta-meganeさんも2本持参されました。 そのうちの1本が、超有名ドコロのキスラーのシャルドネ。 ヴィンテージは前のフリーマンと同じ2017年、AVAも同じロシアン・リバー・ヴァレーです。 現地で買ってハンドキャリーされたワインとのことです。 キスラーのシャルドネは師範2回目の体験(前回はココ)、 心して稽古させて頂きます。

 色は、前のフリーマンより若干濃いように見えました。 香りは、マンゴーよりももう少しエレガントな感じのする白桃のような雰囲気を感じます。 味わいも、相対的にエレガントさを強く感じますね。苦味がなくどこまでもクリアな味わいです。

 ・・・と、飲み比べている時点では「ちょっとこちらが上かなぁ」くらいだったんですが、 会も後半になって再度グラスに注いだら、爆発的な存在感を発揮するワインに化けていました。 やっぱり凄いわ、キスラー。

点数92点
Gentil-H 帆立貝

 見た目にもオシャレな料理が続きます。
 La St-Jacques
 帆立貝と百合根の温かいサラダ みかんのエミュルションと生ハムのクレームを合わせて
ホタテがサクっとした歯ごたえで、みかんの香りがフレッシュで、でも生ハムの複雑さもあって・・・ とにかく手が込んでいますな。こういう料理はやっぱり「都心のフレンチ!」って感じがしますよ。

Freeman Sonoma Coast Pinot Noir 2017 [Freeman Winery]
名称Freeman Sonoma Coast Pinot Noir 2017
フリーマン ソノマ・コースト ピノ・ノワール 2017
生産者Freeman Winery
フリーマン・ワイナリー
価格(仏さんから)
購入店

 仏さんが持参されたフリーマンのもう一方がコレ。海に近いソノマ・コーストのピノ・ノワールです。 今回「ソノマの会」ということで、勉強嫌いの師範もソノマの産地についてちょっと学びました。 隊長曰く、一般的なイメージとは逆で、海に近い方/南の方が冷涼で、内陸の方/北の方が暖かいらしいですよ。

 色はしっかりとした赤紫です。 香りは、まずパーッと香ってくるのがチェリーのようなチャーミングな香り。 口に含むとキイチゴとカラメルの甘い雰囲気も香ります。 味わいもとてもチャーミング。若くて元気でピュアっピュアな味わいです。

 純粋にピュアでチャーミングで、素晴らしく美味しいワインでした。 「こりゃまるでジュヴレ・シャンベルタンだなぁ」と感じていたら、 仏さんとかTOKYO WINE GIRLさんは『スモーキー』とか『宇多田ヒカル』とか言われてました。 可愛らしさの向こうにちょっとワルな感じがあるそうで。 ウブな師範は、ワインも人間も、そういう裏の部分は見抜く能力が無いようです。

点数91点
Gentil-H 鯖

 次はビックリ仰天の魚料理です。
 Le Roelle de Maquereau
 鯖とポワロ―のロエル 柑橘の香るフェンネルのクーリーと炭化させた生姜のクリスティアン
とっても美味しいのですが、ちょっと師範には解説不能、メモにも「とにかく複雑」としか書いていません。 だいたい生姜を炭化させて紙みたいに薄くしてキレイに型抜きしたものが鯖の上に乗っているとか、どうやって思いつくのか想像もつきませんよ。

Occidental Running Fence Vineyard Cuvee Catherine Pinot Noir 2017 [Occidental]
名称Occidental Running Fence Vineyard "Cuvée Catherine" Pinot Noir 2017
オクシデンタル ランニング・フェンス・ヴィンヤード "キュヴェ・キャサリン" ピノ・ノワール 2017
生産者Occidental
オクシデンタル
価格(kouta-meganeさんから)
購入店

 kouta-meganeさんが持参されたもう一方が、同じくキスラーの新しいプロジェクトであるオクシデンタル。 名前だけは聞いたことがありますが、道場初登場の銘柄です。 この「キュヴェ・キャサリン」は、2016年が初リリースの新しいキュヴェとのことらしいです。 椅子に座っていましたが、心の中では正座して稽古させて頂きました。

 色は、前のフリーマンより若干濃いめで、若干青みが強めなように感じました。 香りは、前のフリーマンよりかなり複雑で妖艶な感じです。 味わいも、色や香りから受ける印象通り、濃くて複雑みがありましたね。

 フリーマンがジュヴレ・シャンベルタンであれば、こちらはもっと南のヴォーヌ・ロマネあたりな感じがしました。 ただ、いかんせん若いし、開けてすぐだとまだ開いていない状態で飲んじゃった気がします。 ひとりでゆっくり飲みたいワインですな・・・などと贅沢なことを申しております。

点数89点
Gentil-H セップ茸

 秋らしいお皿の登場です。
 Le Cèpe
 フランス産セップ茸、柔らかく煮込んだおもろのコンディモンに落花生の甘みを合わせて
↓のエシェゾーに合わせるなら絶対この料理ですね。熟成したピノ・ノワールに感じる茸の雰囲気と、セップ茸の土っぽい香り、合わないはずがありません。

Echezeaux Les Loachausses 2008 [Dom. Anne Gros]
名称Echezeaux "Les Loachausses" 2008
エシェゾー "レ・ロワショーズ" 2008
生産者Dom. Anne Gros
ドメーヌ・アンヌ・グロ
価格7,840円
購入店サンタムール

 「ソノマの会」なのに、一番空気が読めていなかったのが、このワインを持参した師範です。だって持ってないんだもん、ソノマのワインなんて。 今やおいそれとは買えなくなったアンヌ・グロの特級エシェゾーですが、これは9年前に2本購入、1本は8年前に稽古済みです。 その時はまだ8,000円しなかったのね。 8年間道場のセラーで忘れ去られていたように寝ていましたが、忘れられ過ぎてラベルにカビが生えちゃいました。

 外から見たら若干澱があったので、2週間前にお店に持ち込み。当日は恭しくパニエに寝かされて出して頂きました。 色は、前のソノマの2本よりはかなり薄め、でもまだ熟成感はそれほど出ていないように見えました。 香りのボリュームも、前の2本よりはおとなしめでしたが、そこはやっぱり腐っても特級畑エシェゾーですな、複雑さというか奥行きが断然違います。 特徴的なのは「紅茶の香り」ですな(って仏さんの受け売りですが)。しみじみ美味しいワインです。

 いやー、手前味噌満点ですが、空気を読まずに持参したワインがアタリでホッとしましたよ。 すぐに飲み干すのはもったいなかったので、グラスの中にずっととっておきましたが、ヘタりはしませんでしたけど開けたて以上に開く感じもありませんでした。 グラスに置いとくならオクシデンタルの方が良かったかもです。

点数93点
Gentil-H サワラ

 魚料理の2皿目がコレです。
 Le "Sawara"
 サワラのポワレ 薫香を付けた菊芋のカプチーノに浮かべて クリスマス島の塩で漬けた自家製イクラの塩気を合わせて
サワラは豊後水道の産とのこと。「関サワラ」ですね。 サワラって、下手に調理するとパサつく魚ですが、皮はパリッとして身はシットリ、ここの火の通し方は絶妙でした。 自家製イクラも全く生臭さが無く赤ワインと合わせても大丈夫、師範の持論である「魚卵はワインに合わない」はちょっと考え直さざるを得ない感じでした。

Sunset Cellers Dry Creek Valley Petite Sirah 2006 [Sunset Cellers]
名称Sunset Cellers Dry Creek Valley Petite Sirah 2006
サンセット・セラーズ ドライ・クリーク・ヴァレー プティ・シラー 2006
生産者Sunset Cellers
サンセット・セラーズ
価格(はとねさんから)
購入店

 はとねさんが持参されたのは、なんとはご自身が所有されているワイナリー"サンセット・セラーズのプティ・シラー。 えーっと、「カリフォルニアにワイナリーを所有」ですよ。 はとねさん曰く『今は代替わりとかでワイナリー手放す人も多いので買いやすいんですよ』とのこと。 いやいや「買いやすい」と言ってもワイナリーですよ。なんだかスケールの違う世界に迷い込んじゃった感じです。

 色は、当然ながら前のピノ・ノワールとは次元の違う濃い色合いを呈しています。2006年とかなりの年齢ですが、エッジまでビシッと紫色でした。 香りのボリュームはとても立派です。グラスに鼻を近づけただけで、黒っぽいベリーの香りがガツン!と来ます。 味わいは、酸味シッカリ渋味もシッカリ。特徴的なのはやはり酸ですね。キュッと口腔内を絞るような酸味があるので、まだまだ若い印象さえあります。

 プティ・シラーってあまりなじみのない品種ですが、実が小さくて皮目の割合が多いのでこういうワインになるとのこと。 「なるほど~」といちいち納得しておりました。 黒くて酸があってカッチリ系、シラーと言うよりツヴァイゲルトあたりに近い感じかな?、大変勉強になりました!

点数84点
Gentil-H イベリコ豚

 メインの肉料理がコチラです。
 La Pluma Iberique
 イベリコ豚希少部位"プルマ"のロースト フランス ペリゴール産栗とゴボウのキャラメリゼを合わせて
正直言います。家に帰って改めて料理のリスト(わざわざ紙にプリントして頂いています)を見て初めて「豚だったんだ!」と気づきました。 食べている時は、牛の赤身か鹿か、なんて考えていたと思います。素晴らしくクセの無い、美味しい肉料理でした。

Copain Arrowhead Mountain Sonoma Valley Zinfandel 2001 [Copain Wines]
名称Copain Arrowhead Mountain Sonoma Valley Zinfandel 2001
コパン アローヘッド・マウンテン ソノマ・ヴァレー ジンファンデル 2001
生産者Copain Wines
コパン・ワインズ
価格(隊長さんから)
購入店

 隊長さんが持参されたのは、なんと19年前、2001年ヴィンテージの米国ソノマのジンファンデル。 隊長さんは前回ご一緒した時も大変古いカリフォルニア産を持参されていて、 持ち込みワインに関してはバクチがお好きなようです。 ご本人はご自分の見た目を「反社」だと言われていますが、そういう王道でない感じの徹底ぶりはさすがです。

 色は、前のプティ・シラー同様の濃さがありますが、若干エッジにレンガ色が見えるかな?程度の熟成感が見て取れます。 香りのボリュームは凄い!の一言ですな。甘酸っぱい香りとシナモンみたいなスパイスの香りがグワーッと来ます。 口に含むと、若干炭酸のチリチリ感。20年近くも経ったワインでこの感触は初めてです。 味わいは、甘酸っぱさたっぷりで後味に軽い苦味。KOZEさんは「まだまだピチピチギャルだ」なんて言われてましたよ。

 隊長はバクチを当てるなぁ、いやいやなかなか美味しいワインでした。 ジンファンデルが熟成するとこうなる、ということを学ばせて頂きました。人生は学びに溢れています。

点数88点
Pax Castelli-Knight Ranch Russian River Valley Syrah 2014 [Pax Wine Cellers]
名称Pax "Castelli-Knight Ranch" Russian River Valley Syrah 2014
パックス "カステッリ・ナイト・ランチ" ロシアン・リヴァー・ヴァレー シラー 2014
生産者Pax Wine Cellers
パックス・ワイン・セラーズ
価格(KOZEさんから)
購入店

 KOZEさんが持参されたのは南アフリカ産・・・じゃなくてちゃんと今回の主旨に沿ったソノマ産のシラー。 なんだよKOZEさんも空気読まずに南アフリカ持ってくるかと思ったのに、師範の空気読めなさが際立つじゃないですか! ・・・というわけでこのワイン、恵比寿の「WINE MARKET PARTY」でこの会のために買って来たそうですよ。

 色は、さすがに2001年とか2006年とかのワインと比べると「若い」と感じられる青みのある濃い紫色です。 香りは「なにコレ?コート・ロティ?」な北ローヌっぽさ。白胡椒っぽいスパイシーな香りがあって、品種の特徴がとても良く出ていると思います。 味わいは、まだまだ渋味が固くて若い印象ですね。

 今飲んでももちろん美味しかったのですが、もっと置いとくか、時間をかけて飲めばさらに印象がアップするワインだと思います。 そもそも師範は基本的に「一人で1本ジックリ飲まなきゃわからん」人だからね。グラス1杯で特徴を捉えるのは得意じゃ無かったりするんですよ。

点数83点
Gentil-H デザート

 こちらがデザートになります。
 La Crème Brûlée
 ラベンダー風味のクレームブリュレ ポムグラニーのグラスとヴェルヴェーヌのグラニテ
メモには「キャラメリゼがやばい」と書かれています。おいしかったです!(語彙力)

 この後、コーヒーミニャルディーズ(マカロンとフィナンシェ)を頂いて談笑タイム。 エッジの効いた料理の数々、堪能させて頂きました。

Kenzo Estate Muku 2017 [Kenzo Estate]
名称Kenzo Estate "Muku" 2017
ケンゾー・エステート "夢久" 2017
生産者Kenzo Estate
ケンゾー・エステート
価格(TOKYO WINE GIRLさんから)
購入店

 今回幹事を務めて頂いたTOKYO WINE GIRLさんが持参された食後酒が、 日本人がオーナーの"KENZO ESTATE"の夢久。ハーフボトルを2本用意して頂きました。 ソノマじゃなくてナパなのが惜しい感じですが、これまたハンドキャリーだそうです。 この銘柄の2018年産とは6月に稽古しておりますが、酩酊の中なので記憶があやふや。 この2017ヴィンテージはソーヴィニョン・ブランが79%/セミヨンが21%だそうです。

 ・・・で、例によってこのあたりになると記憶はあやふや、メモも"muku"と書いているだけ(泣)。 朧げな記憶の糸を辿ると、いわゆる貴腐香みたいなのは無くて、純粋に白ブドウのエキスを凝縮して甘くしました!って感じのワインだったような。

 どういうワインだったか、詳細はKOZEさんあたりがブログに詳し~く書いて頂けるでしょう。 いやホント、だらしない書記係でスミマセン。参加者の皆さんには生写真を共有しますのでそれで許してください。

点数(82点)
Gentil-H 外観

  ・・・というような飲み会。飲んだワインは8人で10本相当。適量ですね。 今回の会費は料理と個室使用料、持ち込み料を合わせて一人17,000円でした。 またの機会にも声を掛けて頂けるそうで、師範は首を洗ってお待ち申し上げております。


21日(土)

サントリー TOKYO CRAFT IPA Winter Edition

 本日の食前酒は、「サントリー TOKYO CRAFT I.P.A. 2020 Winter Edition」。 本マグロのブツを相手に明るいうちからプシュっております。

 色は普通のビールよりちょっと濃いくらいだけど、フルーティな香りとガッツリ苦味が本気のIPA。 これがプレミアムな価格帯じゃなくて普通のビールの値段なのは大変ご立派。見かけたら是非!!!なんだけど関東限定かな?

 九州にお住まいの方からツイッターで情報頂きました。全国区だそうです。『なんや東京てや!』と言わず見かけたら是非!

Bourgogne Hautes Cotes de Beaune (Blanc) 2015 [Jayer Gilles]
名称Bourgogne Hautes Côtes de Beaune (Blanc) 2015
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ (ブラン) 2015
生産者Jayer Gilles
ジャイエ・ジル
価格4,069円 (単品価格:6,600円)
購入店AUTHORITY select

 三連休初日、秋晴れのお天気、気温も高めで外に出ても気持ち良いし・・・ということで安ワイン道場的には「破戒」の一本、 ちょいとお高めのワインをチョイスしました。 お相手は、アンリ・ジャイエの正統な翻訳者「ジャイエ・ジル」のオート・コート・ド・ニュイ白。 ジャイエ・ジル、このサイトを始めたころには良く飲んだなぁ。とにかく高級なワインの雰囲気がACオート・コートやACブルでも味わえると評判だったんですよ。 もちろん新樽率の高さがその一要因だったですけど、やっぱり「ジャイエの息吹」を感じたんだよね。 それが、「3本1万円」という20年前と変わらない値段で売られていたので、思わず2本ゲットしました。

 ちなみに料理は、ヒラメの刺身、アヒポキ(マグロのハワイ風サラダ)、チョレギサラダ、銀ダラの西京焼き。 ブルゴーニュが合いそうかと問われればちょっとモゴモゴするけど、コレを飲むと決めちゃってたから仕方ありません。

 さて抜栓。コルクは50mmの天然モノ。液面側に黒ずみなど無く、匂いを嗅いでも全く平気で期待が持てます。 グラスに注いでまずちょっとビックリ。かなり濃さがある薄めの琥珀色ですね。樽使いの名手ジャイエ・ジルの面目躍如といった感じの外観で、 注いだ時点で美味そう感ハンパないっす。 香りは、やっぱり来ました香ばしい樽香。でも、カリフォルニアの樽ドネなんかとはちょっと傾向が異なって、 果実っぽさを覆い隠すほどではないんですよ。まずリンゴとハチミツのブルゴーニュらしい香りを感じた後、樽の香ばしさがそれを包み込んでいます。 更にほんのり熟成感もあって、フレッシュさとマッタリ感が良い感じに溶け合っているですな。 そんな香りなので、どちらかというとユルめの味わいを想像すると、これが存外シャープなんだな。 凄くミネラルっぽさを感じます。サイトによれば、品種は「シャルドネ50%、ピノブラン50%」とのこと。 そのピノ・ブラン側が味わいを引き締めているような感じがします。

 いやー、美味いです。ジャイエ・ジル、残念ながら鬼籍の人になられたそうですが、「ジャイエ節」をタップリ堪能させて頂きました。 今飲んでホントに美味しいワインです。お店の中の人は『冗談抜きでプティ・ムルソーです』と言われてましたが、確かにそう思います。 そして師範の勝手な想像を述べさせて頂くと、このワインは今飲むべきで、更に置いておくとやや難解な小物になっていく気がします。 なのでもう1本も近日中に機会を見つけて開けたいと考えております。そして安ワイン者の皆さんにも「3本1万円なら買って損はない」と断言できます。

点数84点

20日(金)

Camasella Rosso Appassimento 2019 [Camasella]
名称Camasella Rosso Appassimento 2019
カマセーラ ロッソ アパッシメント 2019
生産者Camasella
カマセーラ
価格1,098円
購入店MEGAドン・キホーテ狩場店

 本日の夕食は、挽肉とナスのチーズ焼き、ゴボウと牛肉の甘辛煮。 ワインは「激安の殿堂」ドン・キホーテで買ったイタリアはプーリア州の赤。 アパッシメントというブドウを陰干しして造る製法、アルコール度数15%、おまけにボトルは彫り物の入ったヘビーボトルで封印は蝋キャップ(と思った)。 なのにお値段は税別3桁円という「えぇ!?このワインお値段安すぎ!」という値付け。安さのヒミツは内容にアリ、じゃないことを期待しつつ稽古開始。

 さて抜栓、蝋キャップは開けづらいなぁ・・・と思ったらコレ、蝋じゃなくて柔らかめのプラスチックなのね。 キャップごと刺して抜いても一向にキャップが剥がれず、結局ナイフでキャップを切って事なきを得ました。 コレ、T型やヤジロベエ型のコルク抜きを使うこの価格帯の顧客層だと、全く開けられないんじゃないかね? 色は、アパッシメントらしい無慈悲な濃さ。エッジまでビシッと紫色です。 香りのボリュームはそれほどでもないけど、ドライプラムのようないかにも甘くて濃そうな香りがしてきます。 味わいは、やっぱり甘くて濃いですな。糖度はなんと10.2もあります。そしてアルコール度数も15%。 後味に結構な苦味もあって、およそクイクイとは飲めないワインです。

 とにかく甘くて濃い赤です。なので美味いっちゃ美味いけどなかなか盃が進まないのね。もう飲み飽き以前の話です(「安定剤:アカシア」が関係しているかも)。 でも、こんなワインがなぜ1,000円くらいの安値で売られているんだろう? ブドウを陰干しするから、ワイン1本に必要な果実の量はきっと多いだろうに。 良く判りませんが、ドンキにはまだ売られていたと思いますので、「濃甘ワイン上等!」な方限定でお薦めします。

 流石に濃くて、師範には珍しく二杯分くらい残っちゃったので翌日再稽古。
色はもちろん濃いまんまです。香りは、なんとなくな南仏産のような荒っぽい果実香がメインになっています。 味わいはやっぱり甘いんだけど、冷えた状態だとデザートワインとしても良い感じだな、と思います。

点数72点

18日(水)

ボージョレ・ヌーヴォー 飲み比べ

 明日はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。例年このプロモーションには乗らないことにしている安ワイン道場ですが、 今年はちょっと応援したい気分だし、読者な皆様にとって多分お悩みなのが『普通のヌーヴォーとヴィラージュ・ヌーヴォー、どっちが良いの?』ってことだと思います。 解禁前夜、この課題解決のためにボージョレ・ヌーヴォーを飲み比べて、果たして差があるのか検証することにしました。 題して、安ワイン道場ひさびさのお役立ち企画!
 『ボージョレ・ヌーヴォーはヴィラージュが良いのか/普通ので良いのか、解禁前夜に実飲比較!』
・・・といっても、稽古したのは"昨年の"ヌーヴォーですけどね。 ちなみにこのワインたちは、昨年の12月早々に値下げ販売 (3本よりどり1,100円、これは250ml2本セットで1本相当)されていたものです。

※ボージョレ・ヌーヴォーに対する「安ワイン道場」のスタンスは、昨年に記載しています。

Beaujolais Neuveau 2019 [Guichard de Perreux]
名称Beaujolais Neuveau 2019
ボージョレ ヌーヴォー 2019
生産者Guichard de Perreux
ギシャール・ド・ペルー
価格184円 (250ml よりどり3本1,100円 [2本セット]:通常価格1,243円 [2本セット])
購入店イオンリカー天王町店

 正確に比較するため、この飲み比べの段階ではツマミはバゲットと常温の水のみです。 抜栓の(スクリューキャップを捻る)タイミングも「せーの」で合わせます。 ちなみに造り手は「ギシャール・ド・ペルー」という方。多分誰も知らないと思います。

 色は結構しっかりした紫色で、エッジまでビシッと色付いています。 香りは、決してヘタったりはしていなくて、ヌーヴォーらしい(マセラシオン・カルボニックらしい?)バナナ菓子の香りと、イチゴジャムの香り。 香りのボリュームもちゃんとあります。 味わいは、1年経ったからって渋味が発生するわけでもなく、渋味軽めで甘さ控えめ、酸味もそこそこ。 「軽い」という形容詞がピッタリハマる味わいです。

 発売から1年経ったペットボトルのボージョレですが、品質という意味ではまだまだ全然大丈夫です。 そして、好き嫌いで言えばバナナとイチゴがはっきり香るこちらの方が好きだな。あくまで「個人の感想」ですが。

点数68点
Beaujolais Villages Neuveau 2019 [Guichard de Perreux]
名称Beaujolais Villages Neuveau 2019
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー 2019
生産者Guichard de Perreux
ギシャール・ド・ペルー
価格184円 (250ml よりどり3本1,100円 [2本セット]:通常価格1,243円 [2本セット])
購入店イオンリカー天王町店

 正直言うと、こんな時期まで稽古を引っ張ってネタに使う意図は全く無かったんですよ。 でもなかなか飲み比べする機会もなく、さすがに明日以降に持ち越したら完全に古新聞になるので、 比較稽古が今日になった次第です。

 色調はノーマルと同じです。どこからどう見ても同じ色調&濃さです。 香りは、ノーマルで書いたバナナ菓子とイチゴジャムに加えて、リンゴ酢のようなツンっとした香りがプラスされています。 ただ、その分バナナとイチゴが控えめになっています。 味わいは、ノーマルと比べると若干しっかり感があるかなぁ、という程度。糖度7.2/pH3.8という数字は全く同じなので、 この2つの数値に現れない渋味とか旨味の若干の差の様に思います。

 良く言えば、ヴィラージュの方が複雑で、悪く言えば分りづらい、という印象を受けました。 醸造法が同じだと考えれば、この差はやっぱり「テロワール≒土地」の差なのかな。 結論として、ノーマルとヴィラージュは違うっちゃ違うんだけどどっちが好きかはその人次第・値段次第ってことでしょう。

点数67点
World Selection Sparkling N.V. [Mercian]
名称World Selection Sparkling N.V.
ワールド・セレクション スパークリング (ヴィンテージ無し)
生産者Mercian
メルシャン
価格306円 (290ml)
購入店セブンイレブン

 旧ボージョレ・ヌーヴォーの比較も滞りなく終えて、改めて食事とワイン。 メニューは、鳥刺し、タコのカルパッチョ、焼きウィンナー、グリーンサラダ、餃子のスープ。 料理人は師範で、だいたい冷凍とかの保存食ベースのメニューです。 そして、ここから新たにフルボトル1本開けるのはさすがにアレなんで、 近所のセブン・イレブンで買ってきたのがこのスパークリング。 原材料には「輸入ワイン(オーストラリア産シャルドネ)、炭酸、酸味料、酸化防止剤(亜硫酸塩)」とあるので、 オーストラリアからワインを輸入して日本で炭酸を添加したスパークリングワインのようです。

 色はとても軽めなレモン色。泡立ちは極めて弱めで、グラスに注いでちょっと経つともう泡は見えません。 香りはなんとも不思議な感じ。どことなく穀物のような香りがして、フルーツっぽさはかなり弱めです。 口に含むと、炭酸は見ため通りに弱めで味わいは甘酸っぱさのみ。白葡萄味の「ほろよい」のチューハイです、と言われたら信じます。 アルコール度数は11%もありますけど。

 コンビニで税込み300円、と思えば腹も立たんわけですが、これスパークリングワインっすかね? 飲んだ印象はチューハイ感ハンパないです。 スパークリングワインに対してはかなり寛大な評価を与えがちな道場ですが、これはちょっと厳しいね。

点数66点

16日(月)

ラ・マンマ 看板

 本来月曜は休肝日ですが、お知り合いからワイン会に誘って頂いたとあってはアッサリ返上せざるを得ません。師範の休肝日は、硬直化せず弾力性のある対応を標榜しております。 というわけ週の始めから飲み会。場所は、新橋から虎ノ門方向、カーヴ・ド・リラックスのちょい手前にある小さなイタリアン・レストラン「ラ・マンマ」。 店内は、max8席の丸テーブルが奥にあり、手前には4席のテーブルが4つというこぢんまりした造り。 今回我々は丸テーブルを6人で使わせて頂きました。 他にお客さんも居なかったので感染対策はバッチリです。 コース料理と持ち込み料を合わせた込み込みで一人7,000円でやって頂いております。

ラ・マンマ 店内

 今回参加されたのは下記の皆さんです。
TZKさん(幹事)
ソムリエたまごさん
デゴルジュマン@泡大将さん
いのてぃーさん
・わいんねこさん
安ワイン道場師範

ラ・マンマ アミューズ

 最初に出して頂いた料理が、クリームチーズの乗ったバゲット白菜の小さなポタージュ。 白菜のポタージュって多分初めて食べましたが、クリームシチューに白菜を入れた感じ?甘味があって美味しいですな。寒い日には温まりますよ。 今日は11月にしてはめっちゃ暖かい日でしたけどね。

Jacaranda Chardonnay Brut Reserve N.V. [Jacaranda Wines]
名称Jacaranda Chardonnay Brut Reserve N.V.
ジャカランダ シャルドネ ブリュット・レゼルヴ (ヴィンテージ無し)
生産者Jacaranda Wines
ジャカランダ・ワインズ
価格(TZKさんから)
購入店

 1本目は、シャンパーニュではなく南アフリカ産のスパークリング、TZKさんお持ち込みの1本です。 品種はシャルドネ100%、製法はMCC(Méthode Cap Classique)、かなり入手困難な1本とのことです。 でも、そんな希少性より「なんだかラベルを貼る位置が高いよね」と、どうでも良いことで盛り上がっておりました。

 色は、シャルドネ100%のブラン・ド・ブランとしてはかなりしっかり目の黄金色、熟成期間が長いんだろうな、という見た目です。 香りを嗅ぐと、甘いリンゴの香りに「やっぱりそうよね」な熟成香。古漬けとまではいかないくらいのお漬物っぽい感じですな。リンゴの漬物なんて見たことありませんが。 味わいも、香りの印象通りしっかりとしていて、飲み応えのある泡です。

 隣のソムたまさんに「私にはシャンパーニュと見分けがつきませんよ」なんて話をしたら、『え?シャンパーニュじゃないんですか?』とのお返事。 そうだよねぇ、ソムリエ&酒ディプロマの資格をお持ちでもこりゃわかんないですよね。 濃くシッカリした泡がお好きな方にはお薦め・・・といっても希少品なので買えないんだろうな。

点数83点
ラ・マンマ 前菜盛り合わせ

 前菜は、シェフ一押し 前菜4種盛り合わせ。 野菜をメインに、しっかり味付けされた前菜が4種。やっぱりこの「しっかり味付け」ってのが酒の肴にはナイスですよ。 ちなみに写真は3人分です。スープやリゾット、メイン、デザート以外はテーブルで取り分ける提供スタイルです。

Cuvees Camille Grand Cru Blanc de Blancs N.V. [Camille Bonville (Olivier Bonville)]
名称Cuvées Camille Grand Cru Blanc de Blancs N.V.
キュヴェ・カミーユ グラン・クリュ ブラン・ド・ブラン (ヴィンテージ無し)
生産者Camille Bonville (Olivier Bonville)
カミーユ・ボンヴィル (オリヴィエ・ボンヴィル)
価格(泡大将から)
購入店

 シャンパーニュスタンド「デゴルジュマン」のご主人の持ち込みは、「泡大将」を名乗るくらいですからもちろんシャンパーニュですよ。 丸っこくてグラマラスなボトルが特徴的なキュヴェ・カミーユ、7月にお店に伺った際にミレジムと稽古しております。 前の南アフリカ産もシャルドネ100%でしたから、ブラン・ド・ブラン対決ですな。

 色は、ジャカランダとほとんど同じ感じだったような。こちらも熟成期間の長さが感じられる外観です。 香りも結構良く似た感じですが、ちょっとだけ違うのはこちらにはほんのり香ばしい感じがあるのね。樽なのかな? 味わいは、なんというか「澄んだ」感じを受けました。無駄な装飾を削ぎ落した感じというか。 極めて概念的でなんのこっちゃだとは思いますが。

 ともあれ対決は「やっぱり泡の王様はシャンパーニュだな」と感じざるを得ない結果でした。 もちろんジャカランダも美味しかったけど、気品が違うというか ・・・ブラインドで飲んだら全く別のこと言っているかも知れませんけどね。

点数86点
ラ・マンマ 燻製

 2品目の前菜は、牡蠣とツブ貝の燻製。 アレルギーで生牡蠣が食べられなくなって久しい師範ですが、これを書いている現在特に体調に異常は無いのでセーフでした。 牡蠣もツブ貝もしっかりと燻製が効いていて、これまた酒の肴にふさわしい一品。シャンパーニュの複雑な香りに合っていたように思います。

Cinque Terre 2018 [Cantina Cinque Terre (Agricoltura di Riomaggiore)]
名称Cinque Terre 2018
チンクェ・テッレ 2018
生産者Cantina Cinque Terre (Agricoltura di Riomaggiore)
カンティーナ・チンクェ・テッレ(アグリコルトゥーラ・リオマッジョーレ)
価格(わいんねこさんから)
購入店

 美味い泡を2本頂いて落ち着いたところで、次はわいんねこさんお持ち込みのイタリア産白。 "Cinque Terre (5つの土地)"なんていうDOCがあるんですな。 リグーリア州とのことですが、これだけワイン飲んできても馴染みのない地方ってのはあるもので、 調べたらフランスのニースやモナコに近いイタリア北部の沿岸部、かなり急峻な土地のDOCみたいです。

 色はやや麦わらっぽさを感じるレモン色。 香りは、色の印象通りの柑橘香に、潮の香りというか海の香りと言うか、ミネラルっぽさがパーッと来ます。 時間が経つと、飴とか蜜みたいな甘い香りも出て来ますよ。 味わいはとてもすっきりしていて後味に軽い苦味、海のものと合わせるのにバッチリな感じです。

 わいんねこさん、「学生のころはこればっかり飲んでいた」そう。わかるような気がします。 スイスイ飲めるワインですよね。そして大学生の時に既にワイン・エキスパート資格を取られたそう。 師範の学生時代なんて一番良く飲む酒は「いいちこ」か「白岳」でしたよ。 スタートラインが違います。

点数78点
ラ・マンマ レモンリゾット

 次の料理は箸休め的に、一口のレモンリゾット。 「一口の」とありますが、一口では食べきれない量があります。 このお店、調理法や盛り付けはオーソドックスだと思うのですが、白菜をスープにしたり、レモンをリゾットにしたり、ちょっと食材に変化があって楽しいですね。

蛇龙珠干红葡萄酒 1998 [昌黎長城昌园葡萄醸酒有限公司]
名称Cabernet Gernischt Dry Red Wine 1998
蛇龙珠干红葡萄酒 1998
生産者昌黎長城昌园葡萄醸酒有限公司
価格(ソムリエたまごさんから)
購入店

 赤の1本目は、8月にもご一緒したソムリエたまごさんお持ち込みの中国産の赤。 中国の空港で買ってきたとのことです。 これがいったいどういうワインかラベルから読み取るのに盛り上がっておりまして、 結果的に「Cabernet Gernischt(蛇龙珠)」はカベルネ・フラン近縁の品種とのこと。 ラベルに書かれた"98"の数字がヴィンテージなのか違うのか最後までハッキリしませんでしたが、 道場ではこれはヴィンテージと判断しました。 というのも、造り手の名前で検索すると別ラベルの98年産が引っ掛かりますし、 実は2年前に同じ造り手のワインと稽古していたんですね。 それにも"94"の文字があって、その時はヴィンテージとは思わなかったのですが、2本稽古した結果から 「かなり古いヴィンテージのものが売られているに違いない」と考えました。

 ではどんなワインだったかというと、色はかなり薄めで、エッジにオレンジのグラデーションが見えて、やはり長い熟成が感じられます。 香りは、「ホコリっぽい」とか「図書館」とか「蔵」とか「地下室」なんて表現が飛び交っておりました。泡大将は「軽いブショネかも」と。 味わいは、渋味はほとんど感じなくなっていますが、案外甘酸っぱさが残っていて、不味いワインではありません。

 ソムたまさんは『大ハズレだったらどうしよう』と心配されていましたが、アタリとは言えないまでも普通に飲めるワインだったと思います。 安ワイン界にはもっとアレなワインが沢山ありますから。

点数70点
ラ・マンマ ソフトシェルシュリンプとキノコのアヒージョ

 魚料理に相当するのかな?、ソフトシェルシュリンプとキノコのアヒージョです。 アヒージョのオイルをパンに浸けて食べるとなんでこんなに美味しいんですかね。やっぱり「美味しいものは脂肪と糖分で出来ている」は真実ですな。 オリーブオイルは脂質の中では善玉だ、という話を信じることにしましょう。

Bourgogne Les Pince Vin 2011 [Alain Burguet (Jean-Luc & Eric Burguet)]
名称Bourgogne "Les Pince Vin" 2011
ブルゴーニュ "レ・パンス・ヴァン" 2011
生産者Alain Burguet (Jean-Luc & Eric Burguet)
アラン・ビュルゲ(ジャン・リュック&エリック・ビュルゲ)
価格(いのてぃーさんから)
購入店

 今回初めましてのイケメン青年いのてぃーさんのお持ち込みは、王道のブルゴーニュ赤。 造り手のアラン・ビュルゲとは初稽古です。なので調べました。

ドメーヌ・アラン・ビュルゲはジュヴレ・シャンベルタン村に約7ha程の畑を持つ小さなドメーヌ。 設立当初より一切化学肥料や除草剤を使用せず、年に数回手作業で除草を行うといった有機栽培に取り組み、次世代のトップ・ドメーヌとして注目を集める。 ジュヴレ・シャンベルタン村の3つの区画の葡萄を贅沢に使用したアペラシオンの概念を越えた特別なブルゴーニュ・ルージュ。
Wine Market Partyの説明より引用

とのこと。もちろん飲んでいる時はそんなことは知らずに、「誰だろうねぇ」でした(恥)。

 色はやや薄めの赤紫色。メモには「北のブルゴーニュっぽい」と書いていますので、ジュヴレ・シャンベルタン村だから当たってますな。 香りは、「さくらんぼ、梅、バニラ」と書いています。そして「ACブルゴーニュとは思えない香り」とも。おぃおぃ師範どうした、今日は当たっているじゃんよ。 味わいは「甘さがあって柔らかい」と書いています。つまり、凡そACブルゴーニュに対する表現じゃ無くて、もっと上のクラスっぽかったわけですな。 そして、2011年産と言うそこそこのお歳を感じさせない、キュッとして溌溂な感じの味わいだったように思います。

 やっぱりなぁ、ブルゴーニュは造り手よ、うん。普通のACブルだとなかなかここまでのレベルには至らないのよね。 ともあれアラン・ビュルゲ(ジャン・リュック&エリック・ビュルゲ)、イケてる造り手として記憶しました。

点数82点
トリュフたっぷり ポルチーニ&アーモンドの生パスタ

 通常メニューに追加して頂いているのがこのトリュフたっぷり ポルチーニ&アーモンドの生パスタ。 テーブルで黒トリュフをガンガン削ってくれるわけですよ。そしてホントにトリュフがたっぷり。 この時期しか味わえない楽しさですなぁ。

a-yuzuki! 2009 [Ezio Trinchero]
名称a-yuzuki! N.V. [2009]
ア ユヅキ! [2009]
生産者Ezio Trinchero
エツィオ・トリンケーロ
価格2,970円
購入店トスカニー イタリアワイン専門店

 今回のお店はイタリアンとのことだったので、道場の在庫の中でなかなか飲む機会の無かったイタリア産の赤を持参しました。 それがコレ、エツィオ・トリンケーロのバルベーラ・ダスティですが、糖度が上がり過ぎてDOCG規格を満たさないためVdT、 日本のインポーターである「ヴィナイオータ」さんに樽ごと売られたらしいワイン。"Yuzuki"とはオオタさんのお嬢さんのお名前だそうです。 このワインとの過去の稽古は、まずレストランで稽古して大変気に入り2本購入。 一本は4年前に再稽古。そしてコレが残りの1本です。

 色は、やっぱりガッツリ濃いですね。前回から4年経ってますが、熟成感とかはほとんど見て取れません。 香りのボリュームは大変素晴らしく、トリュフとの相性もいい感じの妖艶な香りが漂います。 口に含むと、これがやっぱりガッツリ濃いんだな。渋味しっかり甘さたっぷり、噛めるような液体の密度です。

 ・・・と、飲み始めは大変好印象だったんだけど、時間が経つとややトゲトゲしさが出てくるというか、 なんだかスッと入っていかない感じになったんですね。それがワインのせいなのか自分のせいなのかはわかりませんけど。

 とにかくインパクトのある赤ではありました。でも好き嫌いは分かれる系かもだな。 料理に合わせるにはちょっと甘すぎるし、ややToo Muchな感じもするし。 案外そんなこともあってDOCG認定されなかったのかも知れません。

点数79点
牛ホホ肉のバローロ煮込み

 メインの肉料理がコレ、牛ホホ肉のバローロ煮込み。 奇しくも、煮込みに使われたワインであるバローロと、↑のバルベーラ・ダスティは同じピエモンテ州産のワインですな。 とっても柔らかく煮込まれた牛ホホ肉、美味しゅうございますな。おホホホ。

牛ホホ肉のバローロ煮込み

 今回、師範が持ち込んだ↑のワインって、ある意味珍品ではありますが、言うても(買ったときは)安ワインなわけで、 さすがにちょっと申し訳ないと思い「お店のワインを1本追加とかするのであれば師範が負担します」と幹事のTZKさんに伝えてありました。 それに対して、『ではお言葉に甘えて、明太子クリームパスタにはビールを合わせた方が良いのでそれをお願います』との提案を頂きました。 なのでこのビールキリンのハートランドは師範のおごりです。 6人分3本1,800円、それで皆さんから感謝して頂いちゃったりしてコスパの良いことこの上ありません。

牛ホホ肉のバローロ煮込み

 〆のパスタが、明太子クリームパスタ。 このお店のスペシャリテだそう。確かに美味しいですね。もうおなかいっぱいでしたけど別腹に入ります ・・・なんて書いてますが、女性お二人と、少食な師範&泡大将はちょっとだけしか食べられず、残りは健啖家のTZK氏といのてぃー氏にガッツリ平らげて頂きました。 やっぱり「沢山飲める」「沢山食べられる」というのは人生の楽しみを拡げますよ。

Elephant Hill Hawke's Bay Rania 2012 [Elephant Hill]
名称Elephant Hill Hawke's Bay "Rania" 2012
エレファント・ヒル ホークス・ベイ ラニア 2012
生産者Elephant Hill
エレファント・ヒル
価格(ソムリエたまごさんから)
購入店

 ソムリエたまごさん、『中国産のワインが全然ダメダメだったら申し訳ないので』ということで、デザートワインもお持ち込みされていました。 皆さん気が利くなぁ。そういうとこですよ、愛されポイントは。 そしてこのワイン、ソムたまさんのお知り合いの先生から頂いたものとのこと。抜栓する前は「ソーヴィニョン・ブランの貴腐です」とのことでしたが・・・

 グラスに注いでビックリ、赤い液体です。外観も香りも、師範は間違いなく「トゥニーポルト一択ですな」と自信を持って言い放つレベルです。 ちゃんと嗅げば貴腐香が拾えたのかも知れませんが、あまりに目から入る情報の強度が高かったので、誰もが「酒精強化よね?」と言われてました。 味わいは、ポルトにしちゃ酸味がしっかりで、「やっぱり違う?」となってはいましたが。

 余計なこと考えなければ、とても美味しいデザートワインだったと思います。 後でしっかり調べましたが、やっぱり品種はシャルドネ90%/ヴィオニエ10%の白品種なんですね。 貴腐菌が着くとこんな真っ茶色になったりすることもあるんですなぁ。今度ドイツワインに詳しい方に聞いてみようっと。

点数81点

 書き忘れていましたけど、デザートに栗のムース(だったかアイスだったか)を頂きましたし、 TZKさんから差し入れの山梨土産「月の雫」(甲州種のブドウの粒に糖衣を纏わせたもの)も頂きましたよ。

Charles Heidsieck Brut Reserve N.V. [Charles Heidsieck]
名称Charles Heidsieck Brut Rèserve N.V.
シャルル・エイドシック ブリュット・レゼルヴ (ヴィンテージ無し)
生産者Charles Heidsieck
シャルル・エイドシック
価格(TZKさんから:Half)
購入店

 締めのシャンパーニュ「シメシャン」も幹事のTZKさんお持ち込み。シャルル・エイドシック ブリュット・レゼルヴのハーフです。 この銘柄は2年前に稽古しております。その時もTZKさんとご一緒したんだったな。いつもお世話になっております。 フットワーク軽く幹事役を買って出る人って尊敬しますよ。ほのかにコミュ障な師範はどうもそういうの苦手でねぇ。

 宴もたけなわ会の最後の1本なので、細かいことは覚えちゃおりません。 メモも超イイ加減で(でも書いているだけ普段より立派)「Charles 立体感、だそう」とだけ。 TZKさんだったか泡大将だったがそう言ったんでしょうね。 立体感・・・人によってどうとでも感じ取れる便利な単語ですな。使っていきましょう。

 そんな感じなので、このワインに点数付けたりするのは甚だご無礼な話ではあるのですが、 「ネガティブ要素のないシャンパーニュは80点」にしがちな道場、今回もそうさせて頂きます。 ってかホント、泡モノの善し悪しってあんまり判らないのよ。

点数(80点)
ラ・マンマ 飲んだワインたち

 結局6人で、フルボトル6本にハーフ2本、それと500mlのビール3本。適量ですね。 こういう、あまり肩肘の張らないほのぼのとしたワイン会は楽しいな。心がほっこりしますよ。 もちろん、バリバリの高級ワインが出てガチガチに肩肘が張るワイン会もそれはそれで良いんですけどね。

 そんな感じの、お若い方たちに混ぜて頂いたワイン会。大変楽しゅうございました。またよろしくお願いします>皆様


15日(日)

醸し人九平治 La Maison と 田酒 純米吟醸 白麹仕込

 秋は清酒が捗ります。
本日の食前酒は2本飲み比べ、2週前に開けた「醸し人九平治 山田錦 La Masion」と、一緒に買った「田酒 純米吟醸 白麹仕込」。 お値段は税込1,760円。2本抱き合わせで3,410円でした。

 飲んだ印象は、九平治はシャープな酸とキレがあるのに対し、田酒は赤肉メロンのまろやかさ。やっぱりどちらも美味いなぁ、そして甲乙つけがたいっすよ。

 それにしても清酒は1,000円台で一流が楽しめて良いな。ワインだとエントリーの価格帯だからね ・・・あ、ワインが高いんじゃ無くて、清酒が安いんだと思っています。

Silver Cabernet Sauvignon 2016 [Edel Wein]
名称Silver Cabernet Sauvignon 2016
シルバー カベルネ・ソーヴィニョン 2016
生産者Edel Wein
エーデルワイン
価格寄付金額:67,000円 (参考価格:3,080円(720ml))
購入店岩手県花巻市

 本日の夕食は、鶏の唐揚げ、ナスの揚げびたし、ヤングコーンの素揚げ、(昨日の残りの)本マグロ中トロのカルパッチョ。揚げ物好きすぎだな。 ワインは、岩手県花巻市へのふるさと納税の返礼品でゲットした岩手産ワインのセットから、まずはセカンドレンジ「シルバー」のカベルネ・ソーヴィニョンと稽古。 裏ラベルによれば

製造本数:1,670本。2016年は8月中旬頃から台風が相次ぎましたが、他の期間は好天であったことと、丁寧な選果により良質な原料で仕込みを行うことができました。

だそうです。こういう気候に関する情報、日本ワインは書くべきだと思いますよ。同じ国に住むものとして親近感が違うから。

 キャップシールはポリスチレン製ですが、開けやすいようにミシン目が入っています。日本らしい細やかな気遣いを感じますな。 グラスに注いで色を確認、カベルネ・ソーヴィニョンらしい、青みがかっていてしっかりと濃い紫色です。この外観に「日本ワイン」のエクスキューズはありません。 香りを嗅いで、思わず「おぉぉ~」っとワイン漫画みたいな声が出ました。全くもってちゃんとしたカベルネ・ソーヴィニョンの香りです。 黒系果実のミチっとした香りと、樽や種由来であろう適度な香ばしさ。まるでサンテステフあたりの格付けワインみたいです。 味わいも、渋味シッカリで甘さもあります。「軽い」なんて言葉は全く頭に浮かばない、凝縮感のある味わいですよ。

 いや~、正直言ってビックリしました。これホントに日本ワイン?、それも北国岩手産なの?って感じです。 「ジャパンワインチャレンジ」で銀賞を取った旨のステッカーが誇らしげに貼られていますが、さもありなんと大納得ですよ。 税込単品価格はぎりぎり稽古範囲をオーバーしていますが、立派にその価値を見出せるワインだと思います。 多少「日本ワインだから」という無意識の低下駄を履いていたかもですが、ほんとビックリしましたわ。 残りの5本(特にトップレンジ)も超楽しみです。

点数83点

14日(土)

キリン 一番搾り とれたてホップ

 新酒の季節ですなぁ、ということで本日の食前酒は「一番搾り とれたてホップ」。この時期の限定発売品です。

 飲んだ印象は、「とれたて」だけあって、ビールもフレッシュ・・・かなぁ。ややフルーティで軽めな感じはしますけど。 そもそもビールのフレッシュ感に、ホップの鮮度はどの程度影響を与えるのかしら? ビールの醸造法も良う知らんとです。

 でも、シロウト丸出しの意見として、少なくともワインほどの新酒感は無いです、ハイ。

Rojinon Especial Brut N.V. [Covinas Coop]
名称Rojiñon Especial Brut N.V.
ロヒニョン・エスペシアル ブルット (ヴィンテージ無し)
生産者Coviñas Coop
コビニャス・コープ
価格1,296円 (単品価格:1,978円)
購入店ヴェリタス 輸入直販ワイン専門店

 本日の夕食当番は師範で、メニューは刺身いろいろ(本マグロ中トロ、スズキの昆布〆、天然カンパチ、真鯵)、鯵の塩焼き、切り昆布の酢の物、水菜のお浸し。 思いっきり生魚がメインなので、ここは無難に泡をチョイス。 選んだのは、インポーター兼ショップ「ヴェリタス」のセットで買ったスペイン産のカバ。 この造り手のカバは、だいたい3桁で買える値段(コレとか)なんだけど、 この銘柄はなぜか単品価格が2,000円近くとえらく高いのね。説明によると

 「最高品質のマカベオのみを厳選して贅沢に使用。たっぷり12ヵ月以上熟成させたクリーミーな口当たりの超贅沢仕様。」

だそう。「たっぷり12ヵ月」て威張るような長さじゃなくね???ともあれその高値の秘密を探るべく正座して稽古します。

 色は普通に薄めの黄金色、抜栓時に若干泡が溢れて来ましたので、ガス圧は高そうな感じです。 香りは・・・ん~、カバだな。柑橘類やリンゴのフルーツ香以外に、熟成12ヵ月の割にはちゃんと熟成香もありますが、 全体にちょっと鄙びた感じがカバっぽいです。 口に含むと・・・やっぱカバだな。泡のキメは細かくて、甘さと酸味のバランスは悪く無いんですよ。 でも金属のスプーンを舐めるような、歯に当たるとビビッ!と来るような、 そういう鋭さと後味の苦味を感じます。

 悪くは無いんですよ、「泡の出るのは七難隠す」と申しますし。でも、少なくとも師範には、1,000円以下の安カバと何が違うのか判りませんでした。 これはアレかな、セットなんかを組む際にトータルの割引率を高く見せるための「大人の事情」なワインってヤツかな。知らんけど。

点数70点

13日(金)

Klaus Kaiser Pinot-Noir 2018 [Klaus Kaiser (Josef Drathen)]
名称Klaus Kaiser Pinot-Noir 2018
クラウス・カイザー ピノ・ノワール 2018
生産者Klaus Kaiser (Josef Drathen)
クラウス・カイザー (ジョセフ・ドラセン)
価格990円
購入店カルディ 横浜ジョイナス店

 本日の夕食は、鶏手羽中の唐揚げ、エノキのホイル焼き、大根ツナサラダ、叩きキュウリ。 これだけだとちょっと寂しいので、チーズ(トリュフ入りじゃない普通のブリー)も頂いております。 選んだワインは、昨今ツイッターの安ワイン界隈を賑わせているドイツ産のピノ・ノワール。 ブルゴーニュタイプのボトルに、"Spätburgunder"じゃ無くて"Pinot-Noir"の表記、そしてお値段3桁。 怪しさ満点だけど、これが美味いらしいので押っ取り刀で稽古致しました。

 色は、明るい紫色だけど決して薄いわけじゃ無くて、廉価なドイツのピノとは思えない色合いです。 香りの雰囲気は、寒い地域のピノとは思えない革っぽい妖艶さを感じる雰囲気。 ドイツのピノって、酸っぱいプラムみたいな感じのが多いイメージだったけど、この香りは全くそういうのとは異なります。 まるで南仏か、あるいは南米みたいな感じです。ぐんぐんスワリングすると、焼き魚の皮目みたいな香ばしさを感じます。 味わいは、渋味はほぼ無くて甘さ控えめで酸味も控えめ。 糖度7.0でpH3.9、水曜のベーリーA新酒に似た数値です。 安ピノにありがちなバランスですが、これがドイツ産となると案外珍しい気がします。

 良くも悪くもユルい感じのピノ・ノワールです。そしてコレが南仏じゃなくてドイツ産なのがとてもビックリです。 やっぱり温暖化の影響は大きいのかなぁ。その傾向が本物だと、ますますドイツのピノ・ノワールは要チェックなアイテムになりますな。 ロジカルなドイツ人が気候の後押しを得たらきっと強いですよ。 ともあれこのワインに関して言うと、ボージョレ・ヌーヴォーよろしく冷やして飲むことをお薦めします。 キュッと締まって美味しいですよ。

点数76点

11日(水)

Maruki Winery Bailey A 2020 []
名称Maruki Winery Bailey A 2020
まるき葡萄酒 ベーリーA 2020
生産者 まるき葡萄酒
価格1,650円
購入店ザ・ガーデン 横浜店

 本日の夕食は、先週の山梨ヌーボー解禁日に買ったマスカット・ベーリーAの新酒。 造り手は「現存する日本最古のワイナリー」らしいまるき葡萄酒(1891年創業)。 夕食のメニューは、 焼鳥(モモ塩、モモたれ、砂肝塩、レバーたれ、皮たれ、串打ちから自家製)、焼きナス&焼きシシトウ、水餃子(餃子はこの日に作って冷凍)、 カボチャと鶏挽肉の煮物(前日から師範代が作り置いたもの)です。

 色は薄めの赤紫色。「ピノ・ノワールです」と言われれば信じます。 香りは、ベーリーAというよりボージョレ・ヌーヴォーみたい。ツンっと酸を感じる香りと、バナナ味の砂糖菓子の香り。 醸造法はマセラシオン・カルボニックで、酵母もボージュレ産のを使ったらしいけど、その影響でしょうか。 味わいは、まるで水のように軽い感じ。アルコール度数は11.5%と低めとはいえそこそこあるけど、 渋味がとても少なく甘さもあまり感じず酸味は結構しっかり。 pHは3.8で酸度はそんなに高くないのですが、他の要素が少ないので酸が効いているような印象を受けます。

 酸を感じる香りと酸味がちな味わいで、「フレッシュ感=新酒らしさ」という図式は成り立っていて、悪くないとは思うんですよ。 でもこれが税別1,500円かぁ、とも思います。もちろん、真面目に日本でワイン造ったらそれくらいになるだろうな、ということは理解出来ますけどね。 なにかコレを飲むべきストーリーがあると良いんだよなぁ。 例えば現地のワイナリーやお店で、「今年もお疲れさまでした!」とか言いながら頂いたら全然印象が違うだろうな。

点数69点

8日(日)

サッポロ 黒ラベル Extra Malt

 本日の食前酒はサッポロの「黒ラベル Extra Malt」、11/4発売の限定銘柄。

 飲んだ印象は、普通の黒ラベルより苦味が少なめで穀物っぽい旨味が多め、なのでやや甘く感じましたよ。缶の色のイメージに引っ張られているかもですが。 ともあれ秋も深まるこの時期にこういうビールを出すのは正解だと思われます。

 それにしても、赤をベースにしても黒地に金の星があるとサッポロだとわかるのは、さすがのCIだな。

Brugherio Pinot Nero 2017 [Marchese Adorno]
名称Brugherio Pinot Nero 2017
ブルゲリオ ピノ・ネロ 2017
生産者Marchese Adorno
マルケーゼ・アドルノ
価格1,873円 (単品価格:4,070円)
購入店銘醸ワイン専門 CAVE de L NAOTAKA

 本日の夕食当番は暇人な師範と次女の合作で、メニューは豚ヒレカツ&チキンカツ(by師範)、レンコンの甘酢照り焼きゴマからめ(by次女)、ブロッコリーとブリーチーズとトマトとベーコンのサラダ(by師範)。 ワインは7月に買った「極上イタリアワイン6本セット」 税送料込み8,250円からの最後の一本で、ロンバルディア州オルトレポ・パヴェーゼのピノ・ノワール。 このDOCって、品種は結構何でもアリな感じですよね。

 さて抜栓。コルクはDIAM5、順当な選択だと思われます。 グラスに注いで色を観察、ピノ・ネロにしてはやや濃い感じで、エッジまでしっかり赤紫色が見て取れます。 香りはとても立派です。イタリアのピノって「言うてもイタリアよね」って香りのものも多いのですが、 良くも悪くもこれはきっちりブルゴーニュ風。イチゴやドライプルーンのようなフルーツの香りに、種や樽由来と思われるナッツとバニラの香ばしさが乗っています。 奥の方には、日本のメルローのような墨汁っぽさも感じられました。 味わいも、ブルゴーニュのピノっぽくはあるのですが、やや甘さと酸に欠ける感じで、固い印象を受けました。 こういうワインはジックリ飲んで吉、ゆっくり稽古します。

 抜栓後3時間くらい経っても、味わいの固さに変化はありませんでした。 翌日とか翌々日だと変化したかもだけど、呑兵衛にそんな要求は無理な話でございます。

 結果的に、香りは立派だし、味わいにも特に難があるわけじゃないんだけど、「絶賛するには今一歩が届かない」感が残るワインでした。 リュリーやジヴリーあたりの良く出来た若いピノな感じというか・・・ ボトルの外観から、もっとニューワールド寄りの判りやすくガツン!ってワインを想像したのがいけなかったのかも。 セットの割り戻し価格である1,000円台後半ならもちろんアリですが、単品価格の4,000円だと現時点ではちょっと・・・という感じです。

 ちなみに今回のこのセット、基本的にしっかりしていてモダンなイタリアワインが楽しめるので、トータルではかなりアタリでした。 現行のセットはかなり内容も変わってますが、パワフルなイタリアワインが6本で6,754円というお値段はかなりお買い得だと思います。

点数79点

7日(土)

焼肉屋さかい 店内

 先週に引き続き、今週もまた家族で外食。伺ったのは焼肉屋さかい 天王町店。前回伺ったのが7月(この時)なので、 4ヵ月ぶりですな。 今回は特に、先月職場の同僚との飲み会(この時)にゲットした"Go To Eat"のポイントが使えるようになったので、早速予約した次第。 新型コロナウィルスの感染拡大防止の観点では、この店は個室が多いし注文はタッチパネルなので、安心感があると思います。

焼肉屋さかい ビール

 最初に飲むのは、紹介サイトの「一杯目のドリンク無料」のクーポンで頂ける生ビール。 そしていつも2つ同時に頂きます。なぜなら師範代の分も師範が飲んじゃうからです。あー極楽極楽。 料理は、まずは焼肉の前にサクサクっと下記を注文(値段は全て税込み)。

ガツ刺429円×2
ミノぽん429円
塩ネギ鶏せせり刺429円
さかいチョレギ649円×2
焼肉屋さかい 焼肉

 今日は"Go To Eat"ポイントを3,000円分使えるので、「その分くらいは普段より贅沢に!」の気分であります。 そんな一家が注文した焼肉は以下です。

上牛タン1,078円×2
カルビ649円×2(右写真奥)
ハラミ649円×3(右写真手前)
みすじ焼きしゃぶ429円
牛上ホルモン539円
牛レバー429円
鶏セセリ429円
鶏なんこつ429円

 結局、いつもよりはちょっと多いくらいの品数。廉価なお店ですけど、普通に美味しいですよ。

Fortant de France Chardonnay 2018 [Skalli]
名称Fortant de France Chardonnay 2018
フォルタン・ド・フランス シャルドネ 2018
生産者Skalli
スカリ
価格539円 (187ml:お店価格)
購入店焼肉屋さかい 天王町店

 「いつもより少し贅沢に」気分なので、本日はワインも白と赤、フルコース(?)で挑みます。 このお店にはグラスワインの設定が無く、ベビーボトルの赤白がそれぞれ税別490円。他にはボトルワインで赤が「ボッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ」、 白が「ファンケンベルク ピースポーター・ミヘルスベルク」、どちらも税別2,000円。このラインナップはここ数年変わっていないと思います。 ワインと焼肉は相性が良いと思うので、中を取って1,000円くらいでハーフの選択肢があればなお良いなと思います。

 この店で白のベビーボトルを注文したのは5年ぶりですね(前回はココ)。 色は良く判りませんが薄めでサラリとしています。香りは弱いな。グラスが小さいってのもありますが、ほんのり柑橘系、そしてちょっと熟成感もあります。 味わいは、甘さ控えめ酸味も控えめ、とてもニュートラルなバランスです。

 やっぱり白はあまり出ないんじゃないかな?ヴィンテージが2018年って現行かしら? 2019年だったらもう少し溌溂とした美味しさがあったかも知れません。 焼肉にはちょっと弱い感じですが、ガツ刺なんかには良い相性だと思いましたよ。

点数67点
Fortant de France Cabernet Sauvignon 2018 [Skalli]
名称Fortant de France Cabernet Sauvignon 2018
フォルタン・ド・フランス カベルネ・ソーヴィニョン 2018
生産者Skalli
スカリ
価格539円 (187ml:お店価格)
購入店焼肉屋さかい 天王町店

 こちらの赤は、この店に来るたび毎回注文しています。前回はコレ、ヴィンテージも同じで2018年産。 正直言って毎度同じだと面白みには欠けるわけですが、外食での焼肉のお供だからな。 道場で稽古する時と比べると、ワインに求める「面白み」の比重は圧倒的に下がっているわけですよ。 「いつもの」で良い感じです。

 ・・・というわけで、ワインのコメントも「いつもの」になっちゃうわけですが、 カベルネ・ソーヴィニョンらしい濃い色合いで、ベリー系のフルーツと青臭い感じが同居した香りがそこそこのボリュームで香って、 やや単調ながら渋味と甘味と酸味のバランスが取れた味わい。やっぱり白より赤の方が良く出来ていると思います。

 490円という普通にグラスワインの値段で、こうやってベビーボトルで提供して頂くとやっぱり安心感が違います。 エアライン需要が低迷している今、こういうベビーボトルって余っているんじゃないかな?是非積極的に採用して欲しいものです。

点数70点
焼肉屋さかい ビビンバ

 ご飯ものやデザートが以下です。デザートの種類が多いので、師範家の女性陣にはウケが良かったりします。

ビビンバ539円(左写真)
特製冷麺759円
ワカ玉スープ429円
生チョコ贅沢チョコレートパフェ429円×2
カラメルカフェバニラ319円

 結果的に、トータルのお会計は15,000円弱。それからGo To Eatのポイント分を引いて、お支払いは12,000円弱。 これでまた4,000ポイントが付与されるんだよね。 いろいろ問題もある制度だとは思うけど、消費者としては使わない手は無いし、微力ながら経済を回すことに貢献しております。

サッポロ 岩手県岩手町

 道場に帰って、昨日の残りのおでんで飲み直し。お相手は、セブンイレブン限定の「サッポロ 岩手県岩手町 三浦さん親子のホップ畑から」というビール。 飲み比べると普通の黒ラベルと違いが分ったりするかもですが、単体で飲んでいる分にはよくわかりませんな。酔っぱらっているし。

 ・・・というような2週連続の「家族で外食デー」でございました。


6日(金)

Kuju-Winery Niagara Dry 2019 [Kuju-Winery]
名称Kuju-Winery Niagara Dry 2019
久住ワイナリー ナイアガラ ドライ 2019
生産者Kuju-Winery
久住ワイナリー
価格1,826円 (寄付金額:5本セット40,000円 720ml)
購入店大分県竹田市

 本日の夕食はおでん。師範の持論として「おでんはワインに合わない」というのがあったわけですが、 熟考したところおでん自体がワインに合わないわけじゃ無いんですな。 師範は「おでんの匂いに満たされた空間でワインを飲んでも香りが取りづらい」から合わないと感じたようです。 これはおでんに限らず、煙の充満したジンギスカンでもそうだし、油の匂いが充満したお好み焼きでもそう。 鼻の利く人だとそんな空気の向こうにちゃんとワインの香りを拾えるんだろうけど、師範はポンコツだから難しいんです。

 ・・・というわけで本日選んだのが、ふるさと納税の返礼品として頂いた大分県竹田市「久住ワイナリー」のナイアガラ・ドライ。 ナイアガラ種って、好き嫌いは置いといて、香りはとても立派なことが多いんですよ。これだったらおでんにも負けないかな、と。

 色は、誇張抜きにほぼ無色です。アシも短く、サラ~リサラサラな感じです。 香りは、想定通りの立派なボリューム。その雰囲気はチャッキチャキのナイアガラ香。 高級種マスカットなんてのが市場を席捲する前の、一般的な生食用ブドウの香りですな。 ツンっと来る鋭さはありますが、師範は嫌いではありません。 味わいは、銘柄通り確かにドライですね。でもドライすぎなくて、それなりに甘さはあります(糖度6.5)。食中酒としてちょうどいい感じに仕上がっていると思います。

 いわゆる「フォクシー・フレーバー」で、好き嫌いがキッパリ分かれるワインだとは思います。その上で師範は好きな系なんだな。 ヘタに欧州品種を使って欧州風を追って薄っぺらなワインになるより、お手頃価格帯ならこういう香りが華やかな品種に分があると師範は思います。 おでんとの相性も悪く無いです。っていうか、おでん自体が持つノスタルジックな練り物の香りと、ナイアガラ種が持つノスタルジックなブドウの香り、 相性が良いというか「イメージが近い」感じです。

点数75点

3日(火祝)

山梨ヌーボー プロモーション

 本日11月3日は「山梨ヌーボー」の解禁日らしいので、朝から横浜駅周辺を物色したけど、プロモーションしている店少ないねぇ。 そごう地下のザ・ガーデン(左写真:許可を得て撮影しています)とエノテカだけでした。

 収穫と新酒の誕生をお祝いするんであれば、遠い異国のワインよりこっちだと思うんだけどねぇ。 思いっきり二番煎じ感は禁じ得ないけど。

W-Yokohama Wine Hall 赤用セラー

 そんな感じで山梨ヌーボーも調達済、とりあえずビールを飲んでウォーミングアップしていたところ、 お知り合いの黒ワインさんから『横浜に来ているので飲みませんか』とのお誘い。 「じゃあ夕飯前に軽くいきますか」ということでサクっと提案に乗りました。 お店は、先月も伺った横浜駅西口鶴屋町にあるW Yokohama (ダブリューヨコハマ)-The Wine Hall-というところ。 横浜駅近辺で軽くワインを、というと真っ先に思いつくのがこの店です。

 もちろん軽くないワインもあります。この写真は赤用のワインセラー。ミアーニとかウニコとか、手を触れると火傷しそうなワインがいっぱい並んでおりました。

Cloudy Bay Sauvignon Blanc 2019 [Cloudy Bay Vinyards]
名称Cloudy Bay Sauvignon Blanc 2019
クラウディ・ベイ ソーヴィニョン・ブラン 2019
生産者Cloudy Bay Vinyards
クラウディ・ベイ・ヴィンヤーズ
価格5,115円 (税込み抜栓料込みのお店価格)
購入店W-Yokohama -The Wine Hall-

 なんたって黒ワインさんはソムリエの資格をお持ちなので、ワイン選びは全権委任させて頂きました。 最初イタリアのところをご覧になっていましたが、どうもピンと来るものが無かったらしく、チョイスされたのはニュージーランドの名門「クラウディ・ベイ」のソーヴィニョン・ブラン。 王道のチョイスですな。 リスト上の価格は4,050円、それに600円の抜栓料と10%の消費税がかかります。 ちなみに道場では12年前にこの銘柄の2007年産と稽古しております。当時は1,900円だったのね。

 色は、暗めの照明なのでよくわかりませんが、少なくともそんなに濃い感じはしませんでした。 香りは、なんというか「これぞニュージーランドのソーヴィニョン・ブラン!」な香りですな。 ハーブのような涼やかさと、パッションフルーツのようなフルーティさ、その両方が一緒になってグワッと香ります。 味わいは、甘さ控えめ酸味しっかりなんだけど、香りの甘さに引っ張られて酸っぱい感じは全くしません。

 飲んだ印象もやっぱり「王道」って感じでしたね。決して薄くはないんだけどスイスイと杯は進んで、 注文してから30分ちょっとくらいでボトルが空になっておりました。

点数80点
W-Yokohama Wine Hall パテ・ド・カンパーニュ

 今回頂いた料理は、パテ・ド・カンパーニュ(803円:左写真)、海老とアーティチョクのアヒージョ(858円)、バゲット(440円)。以上。 師範は帰宅後に夕食ってこともあってかなり少なめでございます。

Valpolicella Ripasso Classico Superiore 2016 [L'Arco]
名称Valpolicella Ripasso Classico Superiore 2016
ヴァルポリチェッラ・リパッソ クラッシコ・スーペリオーレ 2016
生産者L'Arco
ラルコ
価格5,060円 (税込み抜栓料込みのお店価格)
購入店W-Yokohama -The Wine Hall-

 赤は、リストじゃなくて実物を見て選んだ方が早そう、ってことでセラーを見にいきました。 前述したようにセラーの中には怖いワインがいっぱいなので早々に退散、セラーの外に並んでいたお手軽系からチョイスすることに。 そして、ちょうど目の高さに並んでいたのが、黒ワイン氏推奨造り手のラルコ。普通のとコレと2種類ありましたが、お高め(といっても税別4,000円)のリパッソを選択しました。

 色は、黒に近いくらい濃い色合い。ヴァルポリチェッラってそんなに黒いブドウじゃないと思うので、 これはやっぱりリパッソ(一度発酵したワインにアマローネの搾りかすを入れて再度発酵)の影響なんでしょうね。 香りは凄いっす。バーン!って香ります(語彙力)。凝縮感って言うんですかね、漫画でいうところの集中線が見えるような、そんな香りです。 更に味わいも凄いっす。とにかく濃くて甘い。南イタリアあたりにも濃くて甘いワインは沢山ありますが、 雑な感じがしないあたりが北イタリアっぽいですね~などど判ったようなことを書いていますが、ラベルをちゃんと見て無かったんで最初は南イタリア産だと思ってました(恥)。

 なるほどこれがラルコなのね、値段からは想像できない存在感がありますな。敢えて難癖をつけるとすれば、甘さが強いので合わせる料理を選びそう、って点でしょうか。 黒ワインさんによれば『ラルコは自然派の造り手』らしいですが、リパッソみたいな「不自然な」・・・とか言うと怒られそうなので「一風変わった伝統的な」造り方の自然派、 大変興味深く&美味しく頂きました。

点数86点
W-Yokohama Wine Hall 白用セラー

 こちらが白用のセラーですね。何度眺めても飽きないし、道場からも近いのでついついこの店を選んじゃうんですよ。

 そんな感じで午後5時からサクっと2時間くらい、黒ワインさんとあれやこれやいろいろお話が出来て楽しゅうございました。 そしてお会計は13,000円強、美味いワイン2本飲んでこの値段はやっぱりお得だな。

甲州にごり 2020 []
名称甲州にごり 2020
生産者 シャトー酒折
価格1,658円
購入店ザ・ガーデン 横浜店

 ・・・ってな感じで「軽く一杯」のつもりが「二人で2本」飲んできた後に道場で夕食。 もうそんなにアルコールへの身体的要求は高く無かったのですが、精神を奮い立たせて朝ゲットした山梨の新酒「甲州にごり 2020」を頂きます。 やっぱりこういうものは買ったその日に頂きたいじゃないですか。

 この酒量ですから、当然っちゃ当然ですがグラス2杯飲んだところで師範沈没。半分以上残っているので、ちゃんとした稽古は翌日に延期させて頂きます。

 ・・・というわけで翌日再稽古。外観は銘柄名通り、やや濁りのある薄黄色。アルコール度数10%ですが、意外とアシは長いように見えます。 香りは、甲州種らしい柚子や酢橘っぽい和柑橘の香りと、甘酒のような麹っぽい香り。なんとなく清酒の吟醸酒を想わせる香りですね。 味わいは、一番顕著なのは甘味で酸味は穏やか、その裏側に軽い苦味があります。

 甘酸っぱくてフルーティ、新酒らしさが上手に演出されていると思います。要するに「アルコール入りブドウジュース」ですな。 なので甘い酒が受け入れられない方には全くお薦めしかねます。 昨日黒ワインさんとも話したけど、本来「甘さは正義」だと思うんですよ。 酒に対する世の辛口指向は「俺ってオトナでカッコいいだろ!」なツッパリ要素が多分にあるような・・・穿ち過ぎかしら。

点数71点

2日(月休)

餃子ディナー

 連休の谷間なので休みを取ったけど、家族は会社やら学校やらでソロ暇人なので手のかかる料理「餃子」を作ります。

 皮は買ったものだし、餡の材料もごく一般的なものだけど、一点こだわりがあるとすれば豚の塊肉を叩いて細かくすること。 挽肉より質が良いし、なにより肉々しい食感が楽しめます。そのためには重い包丁があると楽チンですよ。

 餃子以外の料理は、真鯛の中華風カルパッチョ、レタスとトマトと生ハムのサラダ、余ったニラとシイタケとネギを加えたニチレイのフカヒレスープ。 せっかくのお休み、昼過ぎからビールや清酒を飲みながら、の~んびり作りましたよ。

Sofia Brut Rose Monterey County 2017 [Francis Ford Coppola Winery (Domino Ceres)]
名称Sofia Brut Rosé Monterey County 2017
ソフィア ブリュット・ロゼ モントレー・カウンティ 2017
生産者Francis Ford Coppola Winery (Domino Ceres)
フランシス・フォード・コッポラ・ワイナリー (ドミノ・セレス)
価格1,650円
購入店イオンスタイル東戸塚店

 餃子に合わせるワイン、要するに肉っぽさと酢醤油なので、ブルゴーニュのピノあたりが良いかなぁとも考えたけど、 最近ブルゴーニュの登板が多いし、ハズすのが怖くて無難に泡にしました。 選んだのは、先日イオンスタイル東戸塚で在庫処分されていたフランシス・コッポラ・ワイナリーのソフィア・ロゼ。 コッポラ監督が娘さんの名前を冠したワインですな。 このワインが税別1,500円は安いよね、スーパーの中にあったんだったらそんなに保存環境も悪くなさそうだし・・・ってことで喜色満面で買ったワインです。

 色は、ロゼとしては非常に淡い感じ、外から2枚目のタマネギの皮の色ですね。 泡立ちはかなりおとなしめなように見て取れます。 香りはスティルのロゼっぽいですな。品種構成は「80% Pinot Noir, 20% Chardonnay」らしく、確かにピノ由来っぽい梅と革の香りも感じます。 口に含むと、泡立ちはかなり軽め。軽い甘酸っぱさが身上の、万人ウケする感じの味わいです。

 柔らかな泡と香りと味わいで、嫌われないことに全力を注いだ感じのスパークリングでした。 以前稽古したブラン・ド・ブランもそんな感じだったよね。 ちなみに料理との相性は・・・下手に合う/合わないを言うとプロの方に突っ込まれそうなんで止めときます・・・ってか無難な泡は万能だよね。

点数74点

1日(日)

獺祭と醸し人九平次

 11月はお酒が美味しい季節です、というわけで久しぶりに昨日「横浜君嶋屋」で清酒を買って来ました。 とても興味のある2銘柄が抱き合わせ販売(2本セットで税込み3,610円)だったので、それの片方から開けていきます。

 その前に、右の「獺祭 等外」は先月頭から飲んでいるもの。等外米は日が持たないらしいけど、1月半くらいは(師範の基準では)平気なように思います。

 左の「醸し人九平次 La Maison 山田錦」が今日開けたもの。他の銘柄と抱き合わせ販売、こちらの単価は1,650円でした。 獺祭と比較すると酸がしっかりで師範は好きな系ですね。 "La Maison"というのは、落ち込んだ飲食店需要を補うべく、「ご自宅で飲んでください」という意味が込められているようです。 どんどん飲んで参りましょう!・・・ということで抱き合わせのもう一方も近々抜染する予定です。

Tavel 2017 [E.Guigal]
名称Tavel 2017
タヴェル 2017
生産者E.Guigal
E.ギガル
価格2,409円
購入店ワインショップ ドラジェ

 本日の夕食は、ブリの照り焼き、鶏レバーの甘辛煮、タコとブロッコリーとトマトのサラダ、焼きナス。 赤にするか白にするか悩むメニューですよねぇ・・・ということで、悩んだ挙句チョイスしたのはロゼです。すっごくシロウトっぽくてすみません。 このワイン、ギガルのタヴェルは、ツイッターでフォローしている方(実は門下生)が激賞しておられたワインです。 道場掲載本数7,200本を超えておりますが、タヴェルと稽古するのは22年ぶり2回目ですな。

 色はとてもきれいな赤めの薄紫。ロゼって、薄ピンクとかオレンジっぽいのとかとかいろいろあるけど、このあたりの色合いが王道な気がします。 香りのボリュームはどちらかというと弱め。がんがんスワリングすると、イチゴのようなフルーツの香りが出て来ます。この色とこの香りは相関が高いですね。 味わいは、甘さ控えめ、酸味そこそこ、そして軽い渋味。全体に地味で派手さは無いけどなんかしみじみ美味いな。

 ガツガツ飲みたくなる積極性は芽生えないけど、ついついグラスに手が伸びる親和性を感じます。 ただ、税込みだと2,500円近いからね、もう一声ガッツが欲しかったりもします。 というわけで師範的には絶賛までには至らないけど、「本場のロゼはこんな感じなんだぜ」という教科書スタイルには素直に敬意を表したいと思います。

点数75点