稽古日誌:2014年7月

陣ケ下渓谷公園

 夏です、7月です、師範の誕生月です。各方面からのお祝いの品、お待ち申し上げております。

 さて夏と言えば虫採りです。 師範は幼少の頃、ほぼ毎日のように学校帰りに裏山へ入り、クワガタやカブトムシを捕まえておりました。 捕獲方法としては、基本的にはクヌギの木を蹴って、 地面に落ちて来たそれらを捕まえる、という単純かつ狩猟要素の強いもの。 当時は、虫が落ちた方向を的確に聞き分けるのみならず、 音だけで虫の種類や雌雄、サイズまでかなりの精度で把握できていました。 そんな虫好き師範の血を引いたのか、次女が今クワガタの幼虫を飼育しています。 幼虫は菌糸ボトルなる個室を与えられ、結構なVIP待遇です。

 左写真は、道場からさほど遠くない陣ケ下渓流公園。 次女に良いトコ見せようと、昔取った杵柄で天然モノを捕まえるべくちょっと探してみたけど、 全くその手の虫が居そうな「匂い」がしないのね。 樹種もコナラはあるけどクヌギは無く、師範が育った九州と関東じゃ森の植生も違うようで勝手が判りません。 道場にもたまにコクワガタが飛んできたりするんで、全く居ないわけじゃないんだろうけど。

 あと、この手の虫を捕まえるのに、焼酎に漬けたバナナをネットに入れて吊るしておく、 という方法もあるようです。とすればワインだったらボージョレが良いのかな? ともあれ虫たちと師範、どちらもアルコールの「匂い」が好き、という共通点があるようです。


31日(木)

Alfred Basely Brut N.V.
名称 Alfred Basely Brut N.V.
アルフレッド・べスリー ブリュット [ヴィンテージ無し]
生産者 SARL Lepicier David
SARL・レピシエ・ダヴィド
価格\1,980
購入店ビックカメラ 有楽町店

 本日は師範の誕生日であります。 本来木曜日は休肝日で、今日もそのつもりだったんですが、突然気が変わって♪7月は誕生日で酒が飲めるぞ~♪です。 料理は、突然の方針変更に対応して師範がセブンイレブンで買ってきた枝豆、 あとは師範代が突然の方針変更に対応してくれた焼き夏野菜のトマトソース、鶏セセリの胡椒焼き、 チャプチェとスモークチキンの生春巻き、バターコーンという豪華版。あざーっす!>師範代

 そして選んだワインもお祝いってことでシャンパーニュを。 コイツは、昨年の師範と師範代の20回目の結婚記念日の時、 ビックカメラで師範代が記念の腕時計を買って、 そのポイントで師範が記念にと買った1,980円のお手頃シャンパーニュです。

 色は薄め、特段の個性は感じられない泡モノの色合いですが、 コンコンと湧き出る細かな泡立ちは確かにシャンパーニュです。 香りは、開けた瞬間は甘いリンゴがフワーッと拡がって、「こりゃナイス」かと思ったけど、 改めてグラスに注ぐとそれほどのボリュームは無く、ややおとなしめ。 柑橘系の香りと味噌パン系のイースト香があって、 雰囲気はちょっと古めのシャンパーニュといった感じです。 味わいは甘酸っぱくコクがタップリ。 ピチピチ・フレッシュな感じでは無くて、やや落ちついて重めのバランスです。

 先週末もシャンパーニュと稽古しているわけですが、 それと比べると数値的には糖度が0.5も上回っています。 だから週末のは「すっきりドライ」こっちは「落ち着いて重め」と感じられたのでしょう。 読者の皆さんにとってはどうでも良い数値かもですが、師範はそういうのが判るととっても楽しいんです。

 というわけで、シャンパーニュとしては標準的ですが、 それが1,980円ならまずまず合格、といったところでしょうか。 ビックカメラのワインなんていうと大丈夫か?って感じですが、 案外マトモです。この値段だったら「買い」で良いと思います。

点数76点

30日(水)

Cono Sur Riesling Reserva Especial 2012
名称Cono Sur Riesling Reserva Especial 2012
コノ・スル リースリング レゼルバ・エスペシアル 2012
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格\996
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日の夕食は、刺身(真ダイ、ブリ、ソデイカ)、切干大根とニンジンとキュウリの酢の物、 インゲンの胡麻和え。夏らしく白ワインが合いそうなメニューです。 白ワインよりも冷酒の方がもっと合いそうですが。

 そして本日のワインは、ここんとこ散発的に稽古しているコノ・スルのリゼルバ・シリーズから、 本日の品種はリースリング。 で、このワインに関してはちょっと失敗しちゃったんだよね。 というのも、実はヴィンテージも全く同じものを昨年稽古しており、 それがこのシリーズとしては低めの評価なわけです。 よりによってそれを再購入してしまうとは・・・って感じ。 1年間の熟成が良い方に作用するのを期待するか、 ちょっと上のグレードの同じヴィンテージ (先日稽古)との数値的な差を確認するあたりが興味の焦点ですかね。

 色は薄めで普通の白ワインの色・・・っていつもですが。 グラスの内側をサラリと落ちて行く感じから、 このシリーズの他のワインと比べてネットリ感が少ないように思えます。 香りは、ピーチっぽいフルーツ香と盛大なゴムっぽい匂い。 ジッポのオイルっぽい感じもあって、リースリングらしい香りではありますが、いかんせんゴム臭がねぇ。 味は、甘味それなりで酸味シッカリ、いわゆるニューワールドのリースリングとは異なる雰囲気ですが、 アルザスやドイツのそれとも違っていて、なんか飲みこむのに抵抗を感じます。 そのくせ味わいに深みがあるわけでもありません。

 香りの要素が1年前と違っているのは熟成の結果といった気がします。 香りのボリュームはそれなりにしっかりしているし、ワインとしてのクオリティは低くはありません。 でも、やっぱり「野暮ったい」という印象は変わらないなぁ。 そのあたりは好き嫌いの範疇ですかね、万人にはお薦めできない感じです。 ちなみに糖度とpHの数値は、上級グレードのシングルヴィンヤードが糖度7.7/pH3.3、 このワインが糖度7.2/pH3.0。明らかに違うバランスを狙っていることが判ります。

点数70点

27日(日)

Le Bon Repas Viognier 2011
名称Le Bon Repas Viognier 2011
ル・ボン・ルパ ヴィオニエ 2011
生産者EMB
価格\216 (250ml)
購入店ダイソー横浜鶴ヶ峰店

 100円ショップ「ダイソー」で売られている250mlで200円のワインを買い足しました。 これは白で、品種はヴィオニエ。 ヴィオニエなんてちょっと昔は高級品種なんて言われてたけど、いまやダイソーで200円なんですなぁ。

 そしてこのワインは、前日の客人向けメニューであるアクアパッツァを作る際に開けたもの。 ムルソーも開いてはいたんだけど、 さすがにそれを料理に使うのはもったいない気がしたんでこちらも開けた次第。 というわけで抜栓自体は前日ですが、大半の量を本日稽古します。

 色は普通です・・・って最近そういうの多いな。手抜きでスミマセン。 香りはほとんどありませんが、頑張って嗅いだら梨っぽい雰囲気が感じ取れるかな、って程度です。 味は甘くなく酸っぱくなくで、なんとなくボケた印象。 それに加えて、シェリーみたいな干からびた感じというか、やや劣化のニュアンスがあります。

 コレはちょっとイケてません。 同じ白ならシャルドネの方がかなり好印象でした。 ただ、このワインを使った料理は普通に美味しかったので、 料理用に使うには問題無いと思われます。

点数58点

26日(土)

アンパンマン・ミュージアムのパン

 本日は、宇都宮に住む師範の従弟で門下生でもあるSさん一家(J、奥様、Hちゃん、K君、Rちゃん)が遊びに来ております。

 道場へ来る前に「アンパンマン・ミュージアム」へ行って来たそうで、 左写真は手土産に頂いたそこのパン。 アンパンマンとその仲間の形に似せたパンはそこらじゅうにありますが、 ここのは「さすが本家!」と言わざるを得ない造形のクオリティがありますな。 その分お値段の方もかなり張るようですが。

 ・・・と、安易に写真貼っちゃってますが、著作権的にはオッケーなんだっけ? パンと言う商品の写真なんで大丈夫だと思ってますが、NGだったら目にボカシを入れます。

Fromentin Leclapart Grand Cru Extra Brut N.V.
名称Fromentin Leclapart "Grand Cru" Extra Brut N.V.
フロマンタン・ルクラパール "グラン・クリュ" エクストラ・ブリュット [ヴィンテージ無し]
生産者Fromentin Leclapart
フロマンタン・ルクラパール
価格\2,988 (単品価格:\4,298)
購入店 京橋ワイン

 料理は、最初にアボカド・ディップ的なスナック菓子を出しつつ、 まずはローストビーフ、そして生ハムと水菜のサラダを前菜に。 こういうのちゃんと書いておくと、次の時に料理が被るのを避けられます。

 そしてワインの方もまずはシャンパーニュからということで、 先日買った京橋ワインの「格上極上のワインばかりの超厳選プレミアム9本セット」からの一本。 セットの中ではこれが一番高くて、通常価格は4,000円超。 まぁシャンパーニュだし、グラン・クリュですからね。

 色は、シャンパーニュとしてはどちらかというと薄め。 品種は「ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%」とのことですが、 あまり黒ブドウの要素は感じられません。 泡立ちのキメ細かさとボリュームはさすがシャンパーニュです。 香りは、見た目に反して意外と熟成感が出ていて、 リンゴのフルーツにバターとパンの香ばしさがあり、まとめるとアップルパイのような香りです。 で、そういう甘い香りを感じながら口に含むと、 甘さはほとんどなくてかなりドライ、キリッとした味わいなんですな。

 マッタリとした香りにキリリとした味わいが特徴的なシャンパーニュでした。 この季節にキューっと飲むにはよろしいんじゃないでしょうか。 通常価格だとお値段相応ですが、セットの割引価格だとお得に思えます。

点数80点
Meursault 2010 [Antonin Rodet]
名称Meursault 2010
ムルソー 2010
生産者Antonin Rodet
アントナン・ロデ
価格--
購入店 Sさん家から

 次なる料理は、師範代謹製のラタトゥイユ。 ワインに合うし、野菜がたっぷり取れるし、バゲットに載せても良いので、飲み会では人気のメニューです。

 そしてワインは、S家のJに持参して頂いた白で、アントナン・ロデのムルソー。 やまやで『辛口の白を』という指定で買って来たんだそうです。 やや温まった状態で持って来られたので、冷凍庫に入れたり氷水に入れたりで急遽冷やして頂戴しました。

 色はこちらも薄めです。色だけだとそんじょそこらの白ワインと変わりありません。 ところが香りが違います。 焦がしの効いた香ばしさがまず感じられて、 蜜の香りもしっかりあって、 いかにもタコにもムルソーの香りです。 味は、お店の人のチョイスは正しく、しっかりと辛口。 でも辛口すぎず柔らかい感じなので、抵抗なく流れ込んでいきます。

 これはナイスなワイン、典型的なムルソーの雰囲気が楽しめる白でした。 聞けば、お値段は5,000円ちょっとだったとか。 やっぱりそれくらいするよねぇ。 やまやで買ったってことだったんで「3,800円くらい?」なんて言ってスミマセン。

点数85点
Santenay 1er Cru Clos Tavannes 2009 [La Pousse d'Or]
名称Santenay 1er Cru "Clos Tavannes" 2009
サントネー・プルミエ・クリュ "クロ・タヴァンヌ" 2009
生産者La Pousse d'Or (Dom. Patrick Landanger)
ラ・プス・ドール (ドメーヌ・パトリック・ランダンジェ)
価格\3,980
購入店 ヴェリタス

 そして本日の料理のメインは、肉がラザニア、魚がアクアパッツァ。 アクアパッツァに使った魚は、中くらいのカサゴが二匹。 いきつけの魚屋で美味しそうだったので買ったものですが、 これがプリプリした歯ごたえで大変ナイス、子供たちにもウケておりました。 ラザニアは大人たち、というか従弟のJにウケてました。

 そしてワインは、いろいろ悩みましたが肉にも魚にも合わせる関係上、 万能選手っぽい活躍を期待してプス・ドールのサントネー1級畑をチョイス。 ヴィンテージは2009年、 ここんとこ2009年のブルゴーニュ赤と稽古して若すぎるモノが多かったので (コレとかコレとか)、 若干心配はあったわけですが・・・

 さて色ですが、この造り手らしいちょっと焦げた感じのする赤紫色。 サントネーくらい南になると、ピノ・ノワールもかなり濃く色付くのかな? 香りは、こちらもイチゴジャムを焦がしたような甘香ばしい感じがあって、 南のブルゴーニュだなぁ感満載、香りのボリュームも期待通りです。 ただ、味は若干心配した通りと言うか、まだ渋味が固くてどことなく険しい印象。 うむー。

 「良いブルゴーニュ」であることはちゃんと感じられると言うか、ポテンシャルは高いものを持っています。 3,980円というお値段はお買い得です。 ただやっぱり固いんだよなぁ。これって若いからなのか、もしかすると2009年ヴィンテージの特徴なのか、 勉強不足の師範には判りません。

点数82点
Cono Sur Carmenere Reserva Especial 2012
名称Cono Sur Carmenere Reserva Especial 2012
コノ・スル カルメネール レゼルバ・エスペシアル 2012
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格\996
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 飲む人は師範と従弟のJとその奥様の3人、 最初に缶ビールで乾杯した後ワインに移ってますから、すでに結構な酒量が胃の腑に収まっております (Jは途中でチューハイとか飲んでたし)。 そんな状態の時に選ぶべきはやっぱり濃いヤツでしょう、 ということで安ワイン者推奨銘柄コノ・スルのリゼルバ・シリーズから、 チリ産推奨品種カルメネールをチョイス。 この品種の同じグレードの2010年産とは昨年稽古、 ちょっと上のグレードの2011年産とは先日稽古しております。

 ・・・で、ほぼいつものことではありますがこの状態になるとワインの印象なんてまるっきり覚えておりません。 ただ、幸いなことに半分以上残っていて、 更にラッキーなことにバキュヴァンして冷蔵庫にしまってあったんで(師範代ありがとう)、 翌日再稽古します。

 というわけで翌日の日曜日、昨日の残りのローストビーフに合わせて再稽古。 色はとても濃い青紫で、向こうは全く透けません。 香りは、黒っぽい果実の香りにチョコレートっぽい甘香ばしさ、それにコーヒー的な雰囲気もあります。 とにかくギュッと黒く凝縮した香りです。 味は、甘酸っぱさがタップリで、渋味も思いっきりあるのにそんなに渋々しません。 パワフルだけども飲みづらくは無いあたりが良い感じですな。

 もしかすると翌日だったってのが奏功したのかも知れませんが、 濃く強いワインが良い感じに柔らかくなった、って状態で頂けました。 もちろん単調なワインではありますが、1,000円でこの内容なら文句のつけようもありません。

点数78点

25日(金)

Mercurey 2008 [Jacques Francois Carillon]
名称Mercurey 2008
メルキュレ 2008
生産者Dom. Jacques et François Carillon
ドメーヌ・ジャック・エ・フランソワ・カリヨン
価格\1,927 (単品価格 \2,354)
購入店 ヴェリタス

 本日のワインは、6月頭に買った「ブルゴーニュ6本セット」の中で、 一番単価が高かった一本、村名グレードのメルキュレ。

 色の濃さは道場稽古範囲のブルゴーニュとしては結構濃いめ、 そして特筆すべきはガーネット色っぽい熟成感。 テラテラと粘りを感じる見た目で美味そうです。 香りは、ブルゴーニュ南部らしいケモノっぽい雰囲気に、熟した果実がムワーッと香ります。 香りのボリュームはおよそこのクラスを大きく超えるもので、 この年齢にして熟女っぽいというか妖艶というか、エロティックな感じが想像されます。 味は、酸味の芯が通っていてそのまわりな甘味が載って、 渋味もあるけど角がなくスムーズ。熟成の一回目のピークという感じで大変好印象です。

 セットの中ではコレに一番期待していたわけですが、その期待にバッチリ答えてくれました。 銀座の高級クラブのママみたいな派手さはないものの、 目黒の小料理屋の若女将みたいなシットリ感のあるワインです。 この店なら通います ・・・って銀座のママも目黒の若女将もあくまで想像ですが。

 ちなみに、ショップのサイトにあるこのワインのレビューには、極めて辛口のコメントが書かれています。 そういう印象を受ける人も居るのねぇ、と勉強にはなりつつ 「匿名不特定多数の意見は信用ならん」の感をさらに強めました。 でも、買う前にそんな評価見ちゃうと買わないよねぇ。書かれたショップは災難ですな。

点数80点

23日(水)

Aurego Albarino 2011
名称Aurego Albariño 2011
アウレゴ アルバリーニョ 2011
生産者Bodegas As Laxas
ボデガス・アス・ラシャス
価格\1,186 (単品価格:\1,706)
購入店 京橋ワイン

 本日のワインは、 京橋ワインの「格上極上のワインばかりの超厳選プレミアム9本セット」からの3本目。 スペインの北西部、リアス・バイシャス産の白で品種はアルバリーニョ。 このセット、 これまでの2本がアタリ(コレコレ) と好調なわけですが、それらはどちらもボルドー産赤。 そもそも師範はスペイン産の白で『これは!』ってのに当たった記憶がありません。 もちろん、こんな通常売価が2,000円近くもするスペイン産白なんて買ったことも無いと思うので、 知らない世界が覗き見出来れば、と興味津々で稽古します。

 ちなみに料理は、カツオのタタキ風カルパッチョ、鶏手羽の唐揚げ、ナスの素揚げwith胡麻ジャコおろし。 食後には次女謹製のスイートポテトです。 食後のは置いといて、それ以外はしっかりした白に合わせるには申し分ない感じのはずです。

 さて抜栓。コルクは(DIAMではない)昔ながらの集成コルク。 この時点でちょっとガッカリです。 そして色はかなり薄めでほぼ無色、ネットリ感は弱くサラリとしています。 この時点で『まずアタリは無いな』です。 そう思いつつ香りを嗅ぐと、ボリュームは控えめ、スーッとした柑橘類とスモモっぽい雰囲気。 キレイな香りではありますが、グレード的にはそんじょそこらの安白ワインでも普通にある香りです。 味は酸味がそこそこあって甘さは控えめでスイスイ飲めます。 スムーズさは申し分ないんだけど、プレミアム感はありません。

 トータルの印象としては「普通の安白ワイン」です。 販売店の謳い文句によれば、これがパーカーポイント92点なんだとか。 パーカーさんはいよいよヤキが廻ったか、あるいはこのボトルがマトモな状態じゃ無かったかです。 結局、「スペイン産の白=イケてない確率大」説は覆りませんでした。 というわけでセットの成績は2勝1敗。 このセットにはもう一本スペイン産の白があるんですわ。 そっちは美味きゃ良いんだけど。

点数69点

21日(月祝)

O氏邸

 本日は、飲み仲間のO氏のお宅へ伺い、昨年末に産まれたお子さんYちゃんと遊ぶことに。 場所は都内の中心部にあるO氏邸、参加者はO氏ご一家(夫妻とYちゃん)、 同じく飲み仲間のN氏一家(夫妻とH君)、師範一家4名の計10名。

 育児中でお忙しいだろうにも関わらず、 O氏奥さまにはいろいろと美味しい料理を出して頂きました。 特にズッキーニとナスのミートグラタンがとてもナイスでした。 あいにくその時には既にメートルが上がっており写真には撮ってませんが。

Part des Anges Extra Brut 2002
名称 Part des Anges "Exclusive Vintage" Extra Brut Blanc de Blancs Grand Cru 2002
パール・デ・ザンジュ "エクスクルーシヴ・ヴィンテージ" エクストラ・ブリュット ブラン・ド・ブラン グラン・クリュ 2002
生産者 Part des Anges (Michel Gonnet)
パール・デ・ザンジュ (ミシェル・ゴネ)
価格--
購入店 (O氏より)

 会のスタート予定時間は午後1時。 マイカー利用の師範一家はほぼ定刻に到着、 電車利用のN氏夫妻はちょっと遅れて到着(H君は部活後に遅れて参加)。 飲む人はO氏夫妻とN氏と師範の4名、その4名が揃ったところで乾杯。

 その乾杯に使われたのが、O氏に出して頂いたシャンパーニュ。 なんとヴィンテージ付き(2002年)で、限定生産(1200本)という旨がラベルに書かれています。 "Part des Anges"は訳すと「天使の分け前」という意味ですかね? なかなか珍しいシャンパーニュのようです。

 さて抜栓。そこそこ年季の入ったヴィンテージだからか、 泡立ちは一般的なシャンパーニュよりおとなしめ、 でもその分しっかりとした黄色っぽい色合いが感じられます。 シャルドネ100%のブラン・ド・ブランだからか、赤っぽさ(麦わらっぽさ)は感じません。 香りは、久しぶりに嗅ぐプレミアム・シャンパーニュの香りで、 リンゴのコンポートみたいな甘い果実と高菜の古漬のような熟成感、 それにトーストにバターを塗ったような香ばしさがあります。 味も、香りの印象をそのまま閉じ込めたような凝縮感があって、 クイクイ飲むよりチビチビ飲みたいシャンパーニュです・・・なんて言いながらクイクイ飲んじゃいましたが。

 極めて真っ当に高級指向のベクトルを進んだポジションにあるシャンパーニュでした。 いわゆるそんじょそこらの「ノンヴィン」のシャンパーニュとは一線を画します。 聞けば、お値段的には5~6,000円くらいとのこと。 それくらいでこういう貴族的なシャンパーニュが手に入るのはありがたいことだと思います。

点数85点
Calera Central Coast Chardonnay CuveeV 2012
名称 Calera Central Coast Chardonnay "Cuvée V" 2012
カレラ セントラル・コースト シャルドネ "キュヴェ・V" 2012
生産者 Calera Wine Company
カレラ・ワイン・カンパニー
価格--
購入店 (O氏より)

 そして白も家主のO氏がご提供。 銘柄は、「オー・ボン・クリマ」と並ぶカリフォルニアの双璧、 「カレラ」のシャルドネ。 "Cuvée V"はインポーターであるヴィノラム専用のキュヴェで、 同じ銘柄の2010年産とは2年前に稽古済みでした。

 色は、前のシャンパーニュと比べるとやはりこちらの方が若そうな薄めの色合い。 同じシャルドネ100%ですが、この差は地方の違いや泡とスティルの違いというより年月の差でしょう。 香りは、鼻で嗅ぐ分には樽の雰囲気は弱くて、シャルドネ種らしい蜜っぽい感じと黄桃っぽい感じがメイン。 ただ、口含むとやはりしっかりと樽が感じられるあたりがカリフォルニア産ですな。 味は、酸味より甘味やコクが主張していてこちらもカリフォルニア産らしい外向的な雰囲気ではありますが、 そんなに派手派手~!って感じではありません。 アルコール度数が14.5%と高いので、飲むにつけグイグイとメートルが上がって行きます。

 甘さとアルコール感とで米国人の嗜好に合わせながらも全体的なバランスは均整が取れており、 「良く出来たシャルドネ」という印象ですなぁ。 最近はブルゴーニュもムルソーあたりだとこういう雰囲気のワインも多いんで、 ブラインドだと判らないかもです・・・ なんて偉そうなこと書いてますが、師範の場合そもそもブラインドだと「白です」くらいしか判らないと思われます。

点数80点
Clos Vougeot Musigni 2009
名称 Clos Vougeot "Musigni" 2009
クロ・ヴージョ "ミュジニ" 2009
生産者 Dom. Gros Frère et Sœur
ドメーヌ・グロ・フレール・エ・セール
価格\7,980
購入店 カーヴ・ド・リラックス

 そして今回師範が持参したワインがコレ、 ラベルのイメージ通りブルゴーニュでも派手なワインを造る「グロ・フレール」の特級クロ・ヴージョ。 この銘柄は10年以上も前に1995年産と稽古しています。 本来であれば「濃くて派手で安心の一本」のはずではありますが、 同じく2009年産で隣村の特級畑エシェゾーと先日稽古していて、 その印象があまり芳しくなかったのね。 だもんで「もしかしたらNGかも・・・」と若干心配しつつの持参でありました。
(右写真だと瓶が透明で白ワインのようですが、これは半分注いだ後に撮影したためで、もちろん赤ワインです)

 色は、この造り手らしい、そして特級畑らしい、ブルゴーニュとしてはかなり濃い色合い。 赤紫と言うよりやや青め、そしてやや暗めに感じる色調です。 香りは、木イチゴのようなトーンの高い果実に甘く香ばしい樽香が乗っていて、 ボリューム含めてクラス相応のパフォーマンスを発揮してくれました。 ただ味は、ピノ・ノワールとしては渋味が勝っていて、やや険しい印象。 普通に考えれば「飲むにはまだ若い」ってことでしょうか?

 香りは合格、でも味わいの固さがいかにも残念。2009年産と言うと出来てもう5年も経つわけで、 それくらい経っていれば美味しく飲めて良さそうなものですが、 先日のエシェゾーもこのクロ・ヴージョも求めるバランスや内容とはやや異なるものでした。 結果的には開けるのが早過ぎてもったいないことしちゃった感がありまくるわけですが・・・ でもなぁ、普通の家庭だとそんなに取っておかないよねぇ。

点数83点
Calera de Villiers Vinyard Mt.Harlan Pinot Noir 2010
名称 Calera "de Villiers Vinyard" Mt.Harlan Pinot Noir 2010
カレラ "ド・ヴィリエール・ヴィンヤード" マウント・ハーラン ピノ・ノワール 2010
生産者 Calera Wine Company
カレラ・ワイン・カンパニー
価格--
購入店 (O氏より)

 そして、師範のブルゴーニュに対抗して?O氏が選んできたワインがコレ、 2本目の白と同じくカレラが造るピノ・ノワール。 銘柄はセントラル・コーストみたいな広域ではなく、15.6エーカーの単一畑。 裏ラベルの地図によれば、有名な単一畑であるジャンセンやミルズやリードに挟まれた位置にある、 新しい畑ということみたい。そりゃ美味いでしょうよ。

 で、まず色ですが、前のクロ・ヴージョと比べるとこちらの方が赤みが強く明るい色合いをしています。 「ブルゴーニュのピノ=淡い、カリフォルニアのピノ=濃い」と思いがちですが、この2本は明らかに逆です。 香りは、アメリカンチェリーやプラムっぽいキュートな雰囲気がいっぱいで、 もちろんカラメルっぽい甘やかな香りもあって、もう一段親しみやすく人懐っこい香りです。 味も良いんだよなぁ。 全く引っかかること無くスイスイ入ってきて、 飲みこんだ後にフワーッと存在感を残す味わい。見事にキレイなワインです。

 結果、これは素晴らしいワインでした。 多分誰が飲んでも文句なしに「美味しい」という評価を頂けそうなクオリティです。 やっぱりカリフォルニアの名門ドコロは安心感がありますな。 それなりのお値段支払えば確実に美味しいワインが頂けるんであれば、 なにも敢えてブルゴーニュみたいにギャンブル要素の多いワインを買う必要は無いんですけどね。

点数88点
Clarendelle (Rouge) 2006
名称 Clarendelle (Rouge) 2006
クラレンドル (赤) 2006
生産者 Clarence Dillon Wines (Haut-Brion)
クラレンス・ディロン・ワインズ (オー・ブリオン)
価格--
購入店 (O氏より)

 そして、多分最後に出して頂いたワインがコレ。 「多分」というのは、毎度のことですが師範は途中でお休みモードに入っていたので、 この後になにか出されていても気付いていないからです。 「安ワイン道場師範」としてはお恥ずかしい限りではありますが、 アルコール入って寝落ちするのって気持ちいいっすよねぇ。

 そしてこのワインは、「シャトー・オーブリオン」や「シャトー・ラ・ミッション・オーブリオン」 を所有する造り手が出しているボルドー産の赤。 スラーっと背の高いボトルに入っていて、ラベルも高級感ありまくり。 ヴィンテージは2006年と、結構年季が入っております。。

 で、内容的にどんなワインだったかと言うと、 途中で寝落ちするくらいなんで細かいことは全然覚えちゃいないわけですが、 おぼろげな記憶の糸を辿ると、「大手が手堅く造ったボルドーらしいワインだなぁ」と感じた記憶があります。 その手堅さってのがどんな感じなのか、お伝えできないのが大変残念でございます。

 ま、そんなテイタラクなので残念ながら採点保留。 輸入元はエノテカで、比較的入手は容易なワインのようですから、 気になる方は稽古してみられてはいかがでしょうか・・・ってなんたる無責任。

点数??点

 そんなこんなでお開きになったのが午後7時頃。 師範代の運転で首都高に乗った後カメラを忘れたことに気付き、 (カメラが無いと何を飲んだかすら判らないので)再度取りに戻ったのが午後7時30分頃。 首都高は全体にスムーズで道場到着は午後8時30分頃だったと思われます。

 ・・・というような会でありました。 皆さんお疲れさま、 特に育児中でお忙しいであろうにも関わらずいろいろ準備して頂いたO氏の奥さまには大変感謝しております。 では次なる機会にまたタップリ飲みましょう。


20日(日)

みなとみらい花火

 三連休の中日。 昨日と今日は、「横浜スパークリングトワイライト2014」なるイベントが開催されています。 小規模ですが花火大会もイベントの一つなので、道場屋上で遠くの花火を見ながらの鉄板焼肉。 夏ですなぁ。

 そして左写真はその花火・・・ではなくて、 今日は今にも雨が降りそうで東京方面は雷が鳴りっぱなしといった天気だったんで写真は撮ってなくて、 この写真は6月2日の開港祭の時に撮ったもの。 今日は東京方面の落雷と花火の競演で写真どころではありませんでしたから。 開港祭の時ははたしか臨港パークが会場、そして今日は山下公園あたりなので、 道場からだと角度が違って写り込む建物が異なります。

Cono Sur Merlot Reserva Especial 2012
名称Cono Sur Merlot Reserva Especial 2012
コノ・スル メルロー レゼルバ・エスペシアル 2012
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格\996
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 焼肉で焼く肉は、今日はちょっと贅沢して鹿児島産黒毛和牛のバラ肉とモモ肉、 米国産の牛タン、イベリコ豚、ガーリックソーセージ。 野菜はトウモロコシとかニンジンとかカボチャとかキャベツとかモヤシとか。

 そうなるとやっぱりワインは濃いヤツでしょう、ということでチョイスしたのが、 ここんとこ集中稽古しているコノ・スルのレゼルバシリーズで、本日の品種はメルロー。 メルローの同じグレードとは稽古経験無く、 ちょっと上のグレードの2011年産とは先日稽古しております。

 色は黒に近い青紫色で、半分に薄めれば普通の赤ワイン、ってくらい濃く感じます。 香りは、期待したほどのボリュームはありません。 雰囲気は、ブルーベリーを煮詰めてシナモンとチョコレートを振りかけたような、 ギュッと濃い果実香にちょっとスパイシーな感じと甘い感じがプラスされています。 味は、甘酸っぱい感じが前面に出ています。 渋味もあるけど、上手いこと角を丸められていて、若いのに抵抗なく入っていきます。

 数値を測ると糖度7.5で平均的なれど酸味はやや強めの3.3。 前述した上グレードのメルローと比較すると、pHが同じで甘さは控えめのよう。 それでも甘く感じますけどね。 というわけで、派手派手なコノ・スルのレゼルバシリーズの中ではややおとなしめの一本。 メルローらしいまとまり感はあるので、中庸好みの方には良いかもです。 鉄板焼肉との相性もグッドでした。

点数76点

19日(土)

地引網

 三連休初日、子供らにとっては夏休みの初日、 本日は師範代の会社のイベントで、湘南は茅ケ崎にて地引網&バーベキュー。 (網元は違いますが)ここでの地引網は4年前に次女の保育園の仲間とやって以来なんで、 4年ぶりであります。

 集合時間は朝9時だったんで、 道場を出発したのが朝7時20分、雨が降りそうな天気だったので横浜新道も国道1号ほとんど渋滞無く、 途中のコンビニでおにぎりを買って食べたりしても現地到着は朝8時30分前(と備忘録)。

 現地には師範代の会社関連の方々が老若男女90人ほど集まっておりました。 地引網を引いたのは午前10時頃、その前には既にビールを頂いております(もちろん帰りの運転は飲まない師範代です)

地引網 サバ

 釣果(とは言わないか)の方はというと、捕れるには捕れました。 まず目的のシラスは大量。 あとは、殆どが爪楊枝程度の小鰯と、「食べるにはちょっと・・・」ってくらいのサバが大半(右写真)。 ちょっと良いヤツで2桁匹の小アジと数匹のカンパチ。 クロダイとかが入っていれば良かったんですけどねぇ。

 でもねぇ、海洋資源保護の観点からはこの地引網ってどうなんだろ? とにかくそこに居る魚は大きいのも小さいのも根こそぎ捕っちゃうからね。 それも全部食べるんだったら良いんだけど、大半の小鰯は食べられるでもなく桶に入れられていたから、 きっと肥料か飼料になっちゃうんだろうな。 もっと目の大きい網を使えば良いんだろうけど、シラスを捕るためにはそうもいかないんだろうし。

地引網 魚

 というわけで、地引網後のテントでは刺身にありつくことはできず、 食べたのはシラス。 シラスは大量だったんで、 お土産に生シラスと釜揚げシラスの両方(左写真)と、速攻ゲットした小アジを持ち帰りました。

 その他の食事的には、バーベキューとかカレーの屋台とかがあって、 食後にはお約束のスイカ割りもあって、 思いっきり夏の海辺を堪能させて頂きました。

 現地解散は午後2時前、帰りも交通量は多いながらそこそこ流れていて、道場帰着は午後3時前だったとさ(と備忘録)。

Terrasses de Guilhem Chardonnay 2013
名称Terrasses de Guilhem Chardonnay 2013
テラス・ド・ギレム シャルドネ 2013
生産者Moulin de Gassac
ムーラン・ド・ガサック
価格\1,757
購入店たむらワイン店

 そんなわけで、本日の夕食は、アジの塩焼き&煮付け、野菜(ナス、椎茸、ピーマン)の天ぷら、生&釜揚げシラス丼。 湘南の海の恵みを満喫したメニューです。 そうとなるとワインもちょっとミネラルが感じられそうな白が飲みたくなって、 選んだのは南仏のシャルドネ。 このワインは、横浜は関内にある「たむらワイン店」という店で買いました。 その店、土日の師範の散歩先にちょうと良い距離にあるのね。 決して値段が安い店じゃないんだけど、 立派なグラスでそこそこのクラスのワインをいつも4種類ほど試飲させてくれます。 その試飲料が加算されていると思えば安いものです。 ちなみにこの銘柄自体は未稽古ですが、 造り手が同じで近いところではコレかな?

 色は、普通に薄めで特筆すべき点はありません。 香りは、試飲した時には「これってソービニョン・ブラン?」な爽やかなハーブ香を感じたんだけど、 改めて嗅いでみると「やっぱりシャルドネですな」なリンゴっぽさと蜜っぽさ。 試飲の時は抜栓後2日目だったらしいんで、そういう風に変化するのかな? 味は、想像通りミネラル感豊富(試飲しているんでそういうワインであることは知っていたわけですけど)。 甘味と酸味のバランスもなかなかです。

 合わせる料理的にはかなり難しい勝負を任さましたが、 ワインとしてのベーシックなクオリティは十分。 天ぷらは当然ながら、 生シラスみたいな生臭系の食材に合わせてもオッケーな包容力のあるワインでした。

点数75点

18日(金)

Chateau Prieure de Beyzac Quintessence 2008
名称Château Prieuré de Beyzac "Quintessence" 2008
シャトー・プリューレ・ド・ベイザック "カンテッサンス" 2008
生産者Ch. Prieuré de Beyzac (EARL Charlassier)
シャトー・プリューレ・ド・ベイザック (EARL シャルラシエ)
価格\1,637 (単品価格:\2,354)
購入店 京橋ワイン

 本日の料理は、豚カシラとモヤシとニラの炒め物、キュウリとクラゲの酢の物、玉こんにゃく。 いかにも和風なメニューなわけですが、そんな料理にボルドーの赤何かを合わせちゃいます・・・ というか飲みたかったんだから仕方ありません。で、 選んだのは、京橋ワインの「格上極上のワインばかりの超厳選プレミアム9本セット」からの2本目。 1本目のコレがかなり好印象で、 このワインはそれより更に元値が高いわけですから、期待しないわけには参りません。

 色は、ボルドーらしい暗い紫色に、若干のガーネットというかレンガ色っぽさがあって、 僅かに熟成感が見て取れます。 香りは・・・良い意味で唸ります。 良い感じに熟成したボルドーだけに与えられるような、 なんとも複雑で凝縮した香り。 濃い果実、ドライフルーツ、ナッツ、ビスケット、土、 ワインに詳しい人だったらそんな香りを挙げるんじゃないかと思うような複雑さです。 味は、香りほどのこなれた感じは無くて、 まだ若さが残る渋味と酸味が前面に。 これはジックリ飲んで吉なワインと想定し、ジワジワと飲み進めます。

 抜栓後2時間くらい経ったら盛大に開くか・・・と思ったけど、残念ながらそんなことは無く。 ただ、自分が慣れたのか渋味の鋭さが徐々に気にならなくなって来ました。 あと、ちょっとやそっとの時間じゃヘタりません。これから大開花しそうな気配をずっと保ってます。

 ともあれ美味いっすね、このワイン。 そもそもの価格でも2,000円台前半、セットの買値相当額では1,000円台のボルドーで これだけ深みがあるのはちょっと珍しいかも。 ここまで2本とも「アタリ」という、なかなかセット物では珍しい展開になっております。

点数82点

16日(水)

Futaleufu Reserva Especial Cabernet Sauvignon 2013
名称Futaleufu "Reserva Especial" Cabernet Sauvignon 2013
フタレウフ "レゼルバ・エスペシアル" カベルネ・ソーヴィニョン 2013
生産者Viña Futaleufu (Anun Wines)
ビーニャ・フタレウフ (アヌン・ワインズ)
価格\618
購入店 ヴェリタス

 昨日も飲んでますが、日月で休肝日取ってますし、 なにより肝臓の数値が極めて健康なので今日も飲んじゃいます (エコー検査で「ごく軽い不均一脂肪肝」だったのは無かったことにします)。 選んだワインは、南米はチリ産のカベルネ・ソーヴィニョン。 あまり聞き慣れない名前、というか「どこ語?」ってな感じの見慣れない綴りの造り手(※)ですが、 ワンコイン+αのお値段にしてレゼルバ・エスペシアルの表記。 名前通りの内容だったら凄いよね、と期待しつつ抜栓。 ちなみに料理は、鶏のチーズ挟み揚げ、空芯菜のガーリック炒め、白菜と豚バラの重ね蒸し、冷やしトマトです。

(※)チリの母国語で「偉大な河」を意味するらしいです。


 さて抜栓。コルクはDIAM的なモノです。 色は、いかにも若いチリ産カベルネな、情け容赦無い濃さの青紫色で向こうは透けません。 香りは、これまたいかにも若いカベルネな、ピーマンっぽい青臭さが前に出て、 その後ろにギュッと黒い果実香が詰まった雰囲気。 ありがちな感じですが、この値段を考えるとちょっとビックリです。 そして味も、少なくとも薄いとかいう印象とは無縁の、 ガッシリと強い渋味と甘さ。 若いっちゃ若いけど、荒っぽい感じは無くて端正な若さです。

 当道場的には、チリ産ワインはコノ・スル推しな感じもありますが、 1,000円以下の勝負となればコノ・スルのヴァラエタル・シリーズよりこっちの方が充実感があると思われます。 ただ、こういうワインに不可避な現象として、どうしても飲み飽きします。 一人でしみじみ、じゃなくて、複数人がガーッと、って飲み方が合いそう。 これからの季節、バーベキューとか花見(※2)とか、アウトドア用途に良さそうです。

(※2)「花見」じゃなくて「花火」ですね。これだから酔っ払いは・・・

点数72点

15日(火)

人間ドック結果

 本日師範は年に一度の人間ドックの日。 以前は人間ドックの前にビールテイスト飲料道場などと銘打って、 2週間くらいの禁酒期間を設けていましたが、 昨今は休肝日を増やしたおかげもあってγ-GTPは常に正常の範囲内である30。 というわけで今年は通常の「月火休肝日」を一日前にずらして「日月休肝日」として検査に臨みました。

 結果、気になるγ-GTPは安定の正常範囲内。パチパチパチ。 そしてそれ以外も数値的にはほぼキープか若干改善。 いつもの指示事項は「ごく小さな胆のうポリープ」「ごく軽い不均一脂肪肝」「軽度の貧血」「慢性胃炎」くらい。 50を前にした酒飲みの年齢としては上出来の結果でしょう。

蘭苑飯店 外観

 人間ドックもつつがなく終了、昼食は前日午後10時から何も口にしていない腹減り状態を解消すべく、 量的なコストパフォーマンスでは他の追随を許さない、保土ヶ谷駅東口にある蘭苑飯店へ。 同じ理由で昨年も伺ってますな。

 人間ドックの胃の検査、ホントは胃カメラが良いけど行きつけのドックにはその設備が無いので、 仕方なくレントゲン検査のためにバリウムを飲むわけですよ。 そしてそれを排出するのに『水分を多く摂りなさい』と言われるわけですが、 師範の経験上水分だけではダメで、やっぱり固形物も大量に摂った方がその後はスムーズな気がします。 特に師範の場合、普段からソッチ方面があまり定期的でなく(便秘ってほどでもありませんが)、 事後の処理に失敗すると大変な「産みの苦しみ」を味わったりするので、ちょっと神経質です。

 そんなわけで、人間ドック自体はとうに終了しているわけですが、 十分なアフターケアに備えて勤務先は一日お休みにしております。

蘭苑飯店 無料の前菜

 ここの凄いところは、ランチの量が多く値段が安いのみならず、無料のサイドディッシュが充実しているところ。

 まずは「本日の前菜」(セルフサービスで無料)で、内容はピリ辛きゅうりグリーンサラダ中華風冷奴。 取る量にもよりますが、それぞれを小皿に取っただけでもそれなりにお腹は落ち着きます。

蘭苑飯店 エビと玉子のチリソース定食

 そして注文したのが、本日のBランチでエビと玉子のチリソース定食、お値段税込500円ポッキリ。 (上下の写真と縮尺が違うので判りづらいですが)いったい卵を何個使ったんだろってくらい皿いっぱい、 いわゆる天津丼と同じサイズでごはんがあるべきところも全て玉子というメインと、 どんぶり飯、それにスープ。 男性としては小食の師範ではありますが、これだけ食べるとまさにお腹いっぱい。

蘭苑飯店 無料のデザート

 さらに、これまた無料でセルフサービスの杏仁豆腐コーヒーorアイスコーヒーが付きます。 腹いっぱいなら食べなきゃ良いんですが、それでも取っちゃうあたりが抜けきらぬ貧乏症、といったところでしょうか。

 結果的に美味い不味いは置いといて・・・なんて書くと不味いみたいですが決してそういうわけではなく、 普通に街の中華屋さんレベルのクオリティはあるわけですが、 そんなことより何より値段の安さと量の多さを特筆すべきお店です。

蘭苑飯店 サッポロラガー

 『水分を多く摂りなさい』ということなので、 師範的には最も水分摂取量を稼げる飲み物、ビールを頂きます。 そのつもりだったから午後もお休みにしたわけですけどね。 頂いたのはサッポロラガー中瓶、お値段450円也。 お店の方に「瓶ビール下さい」と言ったら、 『サッポロとエビスがあります』との回答、 当然エビスって高いだろうし、師範はノーマルなエビスにそこまでの優位性を感じていないんでサッポロの方をチョイスしたわけです。 ところが、後で確認したらサッポロもエビスも同じ値段でどちらも1本450円。 だったらエビスにしておけば・・・とかクヨクヨ考えるところも貧乏症の末期症状です。

 そんなこんなで、トータルのお支払いは食事500円+ビール450円の950円。 こうして見るとビールがえらく高い飲み物のように見えますが実際は普通です。 ともあれ喰った喰った飲んだ。

磯丸水産横浜西口南幸店 外観

 昼食を取ったあと、一旦道場へ戻っていろいろと。 そしてその後また横浜へ向かい、健康診断の結果をヒアリング(上記)。 その結果に満足して、「もっともっと水分を補給せねば」ということで向かったのが、 横浜西口に最近出来て気になっていた、24時間営業の居酒屋磯丸水産 横浜西口南幸店。 以前東急ハンズがあった場所の斜め前にあります。

 店に入ったのは午後2時30分頃。 こんな時間にお客さんなんているのかいな?と思ってたら居るわ居るわ、 半分まではいかないけど1/3以上の席は埋まってたような感じです。 老若男女、皆さん昼酒好きですねぇ。 この店の1Fは外からの光が十分入る明るい店内なんで、 あまり昼酒の背徳感はなくカラッと飲めます。

磯丸水産 生ビール

 で、ここに入った決め手は他でもありません、 生ビールが一杯300円だったこと。 とにかく水分補給が目的ですから、ビールが安くないことには話が始まりません。 というわけで300円の生ビールをキューっと2杯ほど。あー昼酒は美味いなぁ。

磯丸水産 鰯のやわらか煮

 ここのお店、お通し代とかチャージ料は取られませんでした。 だもんでお通しはありません。それ自体は歓迎です。 で、ツマミが何もないってのは寂しいもんですから、 メニューの中から、お手頃価格で長持ちしそうでお腹に負担が無さそう(まだ昼の影響が残っています)、 というクライテリアで選んだのがこれ、小鰯のやわらか煮です。 写真のように、小さな鰯を甘辛く煮付けたものが7匹ほど。 お値段399円(税込421円)、目的にピッタリでありました。

 結果的なお会計は、300円のビール2杯と431円のツマミで1,031円也。 昼酒価格としては順当なところではないでしょうか。

Lone Kauri Chardonnay 2009
名称Lone Kauri East Coast Chardonnay 2009
ローン・カウリ イースト・コースト シャルドネ 2009
生産者Lone Kauri Estate
ローン・カウリ・エステート
価格\1,230
購入店カーヴ・ド・リラックス

 そして夕食のメニューは手巻き寿司。 今日は師範代も午後半休を取得して長女の中学校の三者面談&次女の小学校の二者面談に行っているので、 食材の調達役が師範で調理(といっても手巻き寿司なんでね)担当が師範代です。

 それに合わせて選んだワインが、ニュージーランド産のシャルドネ。 手巻き寿司なんでカバあたりのスパークリングにしようかとも考えたけど、 昼にビールを中瓶1本とジョッキ2杯飲んでるからね、 炭酸に対する欲求が低かったのと、万が一残った際にスパークリングだと保存が難しいから、 スクリューキャップのこのワインをチョイスした次第です。

 色は、薄めではあるけどグレープフルーツの果肉的なプチ・オレンジ感のある色合い。 香りは弱め。でも内容はそれらしくて、リンゴやピーチの果実香に加えて、 シャルドネらしい蜜っぽさとほんのりビスケットな樽香を感じるバランス。 味は、甘さとコクが前面に出ていて、酸味は控えめ苦味はあまり感じません。

 トータルの印象は、ニュージーランド産というよりお隣のオーストラリア産みたいな雰囲気。 ニュージーランドってもっと酸がしっかりした印象があったんだけどね。 だもんで、手巻き寿司とかに合わせるよりも、ピザとかパスタのようなもっと脂っこい、 洋風なメニューの方が相性良さそうです。 また、「残るかな」という心配は杞憂で、全部飲み干しちゃいました。

点数71点

12日(土)

カブトムシ

 今月のページの先頭に、虫採りの話を書きましたが、 次女が買ったヒラタクワガタの幼虫、そのサイズどうも今年の夏は成虫にならないような感じです。 そうならそうと言って頂戴よ~>店の人。まぁ次女的はそれはそれで満足のようなのですが、 親としては・・・というか元クワガタ採りの名人としては、 どうにも物足りなくて一肌脱ぎたくなってしまうわけです。

 ・・・というわけで今朝の散歩は、道場から歩いて30分くらいの所にある 「市民の森」みたいな感じの林を目的地にしました。 そこでチョロッと採集を試みたところ・・・採れました採れました、 大きなオスのカブトムシ(右写真)が一匹と小さなメスのコクワガタが一匹。 小学生の頃と同じく、かぶっていた帽子の中に入れてお持ち帰り。

 グーグルマップで適当に選んだ初めての林で、 確実にこういう大物をゲットするんだから、 やっぱ師範はこの分野に関しては「天才」と言っても過言では無いでしょう。 オトナの社会生活ではほとんど使い道の無い才能ではありますが。

Royal Saint-Emilion 2010
名称Royal Saint-Emilion 2010
ロワイヤル サンテミリオン 2010
生産者l'Union de Producteurs de Saint-Emilion
サンテミリオン生産者組合
価格\1,486 (単品価格:\2,138)
購入店 京橋ワイン

 夕食のメニューは、枝豆、大分風の鶏天(胸肉使用)、揚げナスとトマトと大葉のサラダ。夏らしいメニューであります、 そしてワインは、 つい最近買った京橋ワインの「格上極上のワインばかりの超厳選プレミアム9本セット」からの一本で、 まずはボルドーのサンテミリオンから。 このセット、9本で17,000円ということでそれなりのお値段しますんで、 稽古する側としても結構期待しております。 品種はメルロー80%、カベルネフランとカベルネ・ソーヴィニョンで20%だそうです。

 色は、非常にボルドーらしいしっかりと濃い紫色、 でも光にかざすと向こうが透けます。そのあたりがニューワールドと違うところかも。 香りも、これまたボルドーらしい、 黒系のグジュッと熟した果実と、右岸らしいミルキーな雰囲気とか森の中みたいな要素が溶け合った香り。 久しぶりにこういう香りと出会えて嬉しくなります。 味も、やや軽めではあるけど出張ったところがなくまぁるくまとまっていて、 クラス以上の高級感を感じます。 数値的には糖度7.4にpH3.6、赤ワインの平均的ポジションなんだけど、 数値に表れない美味しさがあります。

 まずはセットの1本目はアタリでした。これが買値相当額1,500円以下ってのは間違いなくお買い得。 ちなみにこの「買値相当額」ってヤツは、
  買値相当額=単品価格\2,138×((セットの価格\17,064 - 割引クーポン\1,500)/単品価格の合計\20,862)
で計算しています。単にセットの価格を本数で割っちゃうと、 価格バラツキの大きいセットの場合は単品価格より高く見えたりする場合があるからね。

点数80点

11日(金)

Cono Sur Sauvignon Blanc Reserva Especial 2013
名称Cono Sur Sauvignon Blanc Reserva Especial 2013
コノ・スル ソーヴィニョン・ブラン レゼルバ・エスペシアル 2013
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格\996
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 いきなりですが、見知らぬ銘柄の安ワインの白を買う場合、 品種がいろいろあるのであればまずはソーヴィニョン・ブランを選ぶべきだと思います。 師範の経験上、この品種はハズす可能性がほかのに比べて低いです。 特にこの時期、ハーブのような草原のような爽やかな香りがピッタリとマッチします。 シャルドネはどうにも香りが弱いのがあるし、 リースリングは薄ら甘い可能性がありますから、イチオシはソーヴィニョン・ブランです。

 というわけで本日のチョイスは、ここんとこ固め飲みしているコノ・スルのレゼルバシリーズから、 ソーヴィニョン・ブランの2013年産。この品種の同じグレードの2012年産とは昨年稽古しており、 ちょっと上のグレードの同じヴィンテージとは先日稽古しています。 全部糖度とpHの値を測っているんでそれぞれを比較しますと・・・

糖度pH
Single Vinyard 20136.63.7
Reserva 20126.03.3
Reserva 20136.13.2

 面白くないですか?この結果。 グレードが同じ(レゼルバ)だとヴィンテージが違ってもほぼ同じ数値であるのに対し、 グレードが違う(シングル・ヴィンヤード)だと明らかに違う数値を示しています。 それぞれのワインに個性と言うかポリシーを持たせている、ということですかね。

 さてさてスクリューキャップを捻って稽古開始。 色はかなり薄めですが、エキス分が高そうでテラテラしています。 香りは「待ってましたソーヴィニョン・ブラン!」な、 涼しげなハーブやライムっぽい柑橘類の香りがフワーッと来ます。 味わいは、数字が示す通り酸味はややしっかりめで甘さは結構控えめ。 いわゆるニューワールドの白っぽくないバランスですし、 複雑さとか妖艶さってナンデスカ?ってな具合ではありますが、 ストレートで親しみやすい味わいはこういうワインに求めるモノそのものです。

 改めて申し上げますが、やっぱり夏の安白はソーヴィニョン・ブランですよ。 そしてやっぱりコノ・スルのレゼルバ・シリーズはハズしませんな、 1,000円でこの内容は十分過ぎます。 あと、数値から判るように若干甘酸っぱめのバランスにされたようで、 それもナイス判断だと思います。

点数78点

10日(木)

居酒屋のワイン

 本日は、師範が入社した頃の大昔の職場の仲間が集まっての飲み会。 場所は職場近所の大手居酒屋。 皆さん各方面で御活躍のようでなによりであります。

 アルコール的には、「プレミアム飲み放題コース」ってんで、 ワインもいわゆるハウスワインの赤白以外に、プレミアムな「オルディナ・ブラン」「オルディナ・ルージュ」ってのがありました。 で、当然ながらそれを注文したつもりだったんだけど、 出されたワインはいわゆる底辺なワインで、赤も白もペラッペラ。 良い悪いで言えば「ヒドい」ワインです。 プレミアムなワインがコレだとは思いたくないんで、 普通の赤白が出されたんだと判断しましょう。 ともあれワインに力を入れている居酒屋ではなさそうです。


9日(水)

Bourgogne Pinot Noir 2011 [Dom. Nicolas Rossignol]
名称Bourgogne Pinot Noir 2011
ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2011
生産者Dom. Nicolas Rossignol
ドメーヌ・ニコラ・ロシニョール
価格\1,599 (単品価格 \1,954)
購入店 ヴェリタス

 西の方からジワジワと大型の台風が接近中。 子供の頃はワクワクした台風だけど、オトナになっていろいろと実害を受けちゃうこともあるんで、 もう来なくてイイです。

 さてワインは、ヴェリタスのブルゴーニュ・セットからの4本目。 この銘柄は、2年前に2008年産と稽古済み。 どうしても買う店が同じだと銘柄がカブリますなぁ、 というわけで最近はネット/実店舗含め新規店を開拓中。 お薦めのショップがあればコッソリご教示ください ・・・ってコッソリだったとしても稽古したらどこで買ったか明示してしまいますが。

 さて抜栓、コルクは今どきのDIAMです。これだとコルクのリスクが無さそうでホッとします。 そして色は、いかにも若いブルゴーニュといった感じの、 赤紫にちょっと青みがあって、グラデーションなどはまだなくてストレートに澄んだ色合い。 香りは、傾向的には南の雰囲気が強いと言うか、動物っぽい感じの香りがメインではありますが、 梅っぽいフルーツ香もあるにはあって、なによりボリューム的にかなりちゃんとしていて好印象です。 味は、ブルゴーニュにしては酸味が控えめかな? ただ、甘味も控えめなんで酸味が感じられないわけではないです。 で、甘味も酸味も控えめだと物足りないかと言えばそうでもなくて、 旨味がグッと乗っている感じなのでそれなりに飲み応えはあります。

 良いんじゃないでしょうか、コレ。 1,000円台の一般的なACブルゴーニュに求めるモノはキチンと持っています。 もちろん、コノ・スルのピノ・ノワールなんかと飲み比べると明らかに力負けするんだろうけど、 ワインの美味しさってパワー以外の軸もありますからね。

点数76点

6日(日)

グランド・キリン ザ・アロマ

 久しぶりに新顔のビールを買ってみました。 Grand Kirin "The Aroma" (グランド・キリン "ジ・アロマ")というビールで、 先月山中湖へ行った際に寝酒用に買ったビールだったんだけど、 飲む機会無く持ち帰ったものです。 確かコレってコンビニ限定のプレミアム・ビールだと思うのですが、 普段あまりコンビニに行かないので、そういうビールの情報には疎いのであります。

 で、内容はというと、色と泡立ちは普通です。 香りは普通のワインより若干華やかで、強めのボリュームを感じます。 味も、若干しっかりというかキリッとした苦味を感じます。 でもね、普通と言えば普通です。特にこれは!って印象はありません。

 というわけで確かにプレミアムな感じは受けますが、普通のビールの範疇かと。 やっぱり師範はコレみたいな「普通じゃない感」のあるビールが好きです。

 ちなみに後ろに写っているのは枝豆のガーリックバター醤油炒め。 昨日テレビで見て美味そうだったんで真似して見ましたが、 ジャンキーな味はナイスだけど枝豆そのものの味はスポイルされるんで、 手間の割には・・・って感じでした。

Est! Est!! Est!! di Montefiascone Secco 2012 [Pietro]
名称Est! Est!! Est!! di Montefiascone Secco 2012
エスト!エスト!!エスト!!! ディ・モンテフィアスコーネ セッコ 2012
生産者Pietro
ピエトロ
価格\421 (単品価格:\839)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、黒ソイとメバルのアクアパッツァ、キノコとピーマン&パプリカのアヒージョ、 イカスミのパスタ、ニョッキ。とてもイタリアーンなメニューです(アヒージョはスペインか)。 そこでワインはイタリア産の白をチョイスして、 「うきうきワインの玉手箱」の水曜セットからの最後の1本である、 首都ローマがあるラツィオ州の白。 ここの白って、この「エスト!エスト!!エスト!!!」とか「フラスカーティ」とか、 個性を見出すのに一苦労する「チャッキチャキの安ワイン」なものが多い印象がありますが、 今日は夕食前に小瓶&缶ビールを2本飲んだし、 ワインのうち200mlくらいはアクアパッツァの料理用として使っちゃうんで、 ハズしても泣かないシチュエーションということでコレにしました。

 色は、ボトルの外観からも見て取れるように、ほぼ無色に近い薄レモン色 (縦の線は後ろのバーティカル・ブラインドが透けたもの)。 粘性も低くてサラリとしています。 香りは・・・うーん、期待したフレッシュな感じはあまり無くて、 ちょっと古いワインのようなシェリーっぽい香りがチョロッとあるだけ。 味も、若くして既に盛りを過ぎた感じの、ピチピチ感の無いヘタレな味わい。

 ある程度想像はしておりましたが、残念ながら典型的な「イケてない安白ワイン」であるのに加えて、 劣化のニュアンスが見えてしまうワインでありました。 まぁ6本で4,000円のセットで買値相当額は400円ちょっとのワインだからね、 一本くらいこういうのがあっても仕方ないでしょう、 とグッと涙をこらえております。

点数61点

5日(土)

Cono Sur Syrah Reserva Especial 2012
名称Cono Sur Syrah Reserva Especial 2012
コノ・スル シラー レゼルバ・エスペシアル 2012
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格\996
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日は、夕方車で出かける用事があったので、夕食は酒抜きで食べちゃいました。 というわけで、本日のワインのお題は「料理無しで単品で飲めるもの」。 まぁどんなワインだって単品で飲めないことは無いわけですが、 チビチビ飲んで良さそうなワインと言う事で選んだのがコレ、 コノ・スルのシラー・レゼルバ。 「またコノ・スルか」ではありますが、 この品種の同じグレードの2011年産とは昨年稽古していて、 ちょっと上のグレードの同ヴィンテージも先日稽古、 要するに良く稽古する銘柄なわけです。

 色は相当濃いです。 記憶の中にある、 3日前に稽古したカベルネ・ソーヴィニョンと同じような色合いとネットリ感です。 香りは、上記カベルネに比べるとややおとなしめ。 作ってる途中でちょっと焦がしちゃったブルーベリージャムにシナモンを振りかけたみたいな、 甘香ばしいフルーツの香りがメインです。 味は、甘さがしっかりで酸味がそれなりな点はカベルネと同じなんですが、 渋味がこちらの方がダイレクトに感じられます。

 ちびちび飲みつつ時間が経ってくると、当初控えめだった香りがボリュームを増してくるし、 味わいにあった渋味の固さもこなれてきます。 コノ・スルのレゼルバ・シリーズって、若くても開けた当初から全開な印象があるので、 良い意味でちょっと意外です。

 飲み始めは「この年のシラーはちょっと失敗しちゃいましたかねぇ~」なんて思ってましたが、 抜栓して1時間も経ったら「やっぱ恐るべしコノ・スル」という気分になりました。 もしカベルネとシラー両方同時に飲むシチュエーションがあったら、 同時に抜栓しても先にカベルネを飲んでシラーを後に、が正解です。 そんなシチュエーションがあるかどうかは別ですが。

点数76点

4日(金)

Esprit de Cres Ricards Chardonnay 2011
名称Esprit de Crès Ricards Chardonnay 2011
エスプリ・ド・クレ・リカール シャルドネ 2011
生産者Crès Ricards
クレ・リカール
価格\799
購入店 ヴェリタス

 ここんとこの南関東地方、カラッと晴れもせず土砂降りってこともない、梅雨らしい天気が続いております。 こういう日は白、それもちょっとしっかり目のが良さそうでしょう、ということで選んだのが南仏のシャルドネ。 ちなみに夕食メニューは、鶏のネギ塩コショウ焼き、 モヤシとニラのナムル、ゴマ豆腐です。

 色は、決して薄くは無いけど濃くも無い、照りのあるレモン色。 香りは、リンゴとレモンとハチミツ、それにほのかに香ばしいビスケットが加わって、 南仏のシャルドネの良いヤツの典型って感じの香りです。 味わいは、甘みしっかりで酸味は弱く、結構それなりに苦味があります。 こういう味わいのバランスも南仏のシャルドネっぽいなぁと思いつつ数値を測って見ると、 糖度が6.4でpHが3.6。 pHの3.6は「酸味が弱い」を示していますが、 糖度の6.4は決して甘くない、というか糖度はかなり少ないポジションにあります。 師範の味覚はアテにならんなぁ、ということですなぁ。

 感覚と合わない数値のことは置いといて、南仏らしいしっかりした味わいのシャルドネです。 やや飲み飽きする感はありますが、税込800円弱という値段を考えると十分頑張っているんじゃないでしょうか? なんだか最近自分でも「辛口コメント書かなくなったなぁ」と思いますが、 正直な印象として結構どれも美味しく頂けるのね。選ワイン眼が向上しているんだと信じておきます。

点数72点

2日(水)

Cono Sur Cabernet Sauvignon Reserva Especial 2012
名称Cono Sur Cabernet Sauvignon Reserva Especial 2012
コノ・スル カベルネ・ソーヴィニョン レゼルバ・エスペシアル 2012
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格\996
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 7月最初の一本は、安ワイン者御用達銘柄のコノ・スルで、 ヴァラエタル・シリーズよりちょっと多めにお金を出すとグンとクオリティが上がるレゼルバ・シリーズのグレード、 そして品種は国際品種のカベルネ・ソーヴィニョン。 この品種の同じグレードの1999年産とは13年前に稽古済で、 ちょっと上のグレードで2011年産とは先日稽古しています。 13年前の比較できるあたりが道場の歴史とマンネリを物語っておりますな。 ちなみに料理は牛ハラミのタレ焼き、イカとニラのチヂミなどです。

 さて抜栓。このグレードの栓にはスクリューキャップとコルクと両方あるみたいですが、 こいつはコルクでした。 色は、向こうが見えないくらいに濃い紫色で、いかにも南米のカベルネ・ソーヴィニョンといった感じ。 ネットリ感もタップリで、グラスの内側を「クマのプーさん」が抱える蜂蜜の壺みたいに液体が垂れて来ます。 香りは、一番特徴的なのはミントっぽさですかね? 熟したベリーの香りと甘香ばしい樽香を覆うように涼しげなミントが感じられて、 熱いけど暑苦しくない香りです。 味は、想像した以上に甘味がしっかり、酸味はそれなり。 2012年産と若いのに渋味はまろやかで、今飲んでも全然オッケーなバランスです。

 まるで、強い香水を身にまとって仕立ての良いスーツに身を包んだ黒人ビジネスマンみたいなイメージです。 香水が似合わずスーツなんてめったに着ない師範には「コイツにはかなわないなぁ」って感じ。 13年前には『まるでお茶なしで羊羹をまるまる一竿食べてしまったような、 楽しむというより挑むような気持ちになる』 なんて書いてます。表現は違えど「かなわない」感じが伝わりますでしょうか? ・・・と、ちょっと否定的にも取れる表現ですが、ワインの品質自体には非の打ちドコロがありません。 間違い無くストレートに美味いワインです。

点数78点