稽古日誌:2000年10月

ようやく秋らしくなって来た。
秋って、ヒヤッとする空気が人恋しい気分にさせてくれるし、 木犀の香りが運動会や文化祭といった甘酸っぱい記憶を思い起こさせてくれるし、 なんだかセンチな季節ですね…なんて全然"らしく"無いことを言ってみたくなる季節。


翌月分


28日(土)

今日は、ロシアから帰国した
へんさんを囲んでの飲み会。 参加者は、へんさん光弘さん&マダーム、 トビウオさんトモコ姐さん、 かぎさん、磯子さん、奉行さん、師範の9名。場所は、銀座のラ・ハオというフレンチ・レストラン。

メニューは\5,000のコースで

・前菜:ホタテと白身魚と海老
・スープ:カボチャのポタージュ、タピオカみたいなの入り
・メイン:骨付き仔牛肉
・デザート:ケーキ
・お茶:コーヒー
という内容。ちょっと5,000円は高いかな。特に量が少なかったと思う。 師範はたまたま昼過ぎに披露宴に出てて、 おなかが全く減ってない状態だったんでこの量でも良かったんだけど、 他の皆様は明らかに足りなかったみたい。 またサービスも、丁寧ではあるけどどっか抜けてて、なんとなく不安な感じ。

昨日に引き続きワインは持ち込みメインで。持ち込み料一本1,500円であります。

Moet & Chandon Brut Imperial N.V.
モエ・エ・シャンドン ブリュット・アンペリアル (ヴィンテージ無し)
Moet & Chandon
モエ・エ・シャンドン
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
\9,0002000/10/28 レストラン "ラ・ハオ"ジャーディーン・ワイン・アンド・スピリッツ
最初の泡と次の白は持ち込みではなく、レストランのを注文。 ワインリストにはフランスがメインで100種くらい載ってた。 お値段的には4桁から10,000円強くらいのワインがほとんどで、 値付け的には高くなく安くなく、でもちょっと高いか、ってくらい。 泡モノは、どこだかのスパークリングとこれ、 そして15,000円以上の高級品が5種くらい。 というわけで、若干芸が無いなぁと思いつつも"世界の標準的シャンパン"を注文。
…というわけで、やっぱりとっても標準的なお味でした。 適度な酸味、適度な熟成感、派手過ぎず地味過ぎずで。 ただ、ちょっと泡立ちが少ない気がしたなぁ。注ぎ方のせいかな?
しょうがないとは思うけど、9,000円ねぇ。 普通の売り値がバレバレのワインって、値付けに度胸が要るだろうなぁ。
(74点)レストラン "ラ・ハオ"

Tokay Pinot Gris "Clos Saint Urbain Rangen de Thann" 1990
トケイ・ピノ・グリ "クロ・サントュルバン ランゲン・ド・タン" 1990
Zind Humbrecht
ズィント・ウンブレヒト
Blanc
Alsace Tokay Pinot Gris (Grand Cru)
アルザス トケイ・ピノ・グリ (特級畑)
Alsace (France)
アルザス (フランス)
\12,0002000/10/28 レストラン "ラ・ハオ"ラック・コーポレーション
白はこれ。アルザスのトケイ・ピノ・グリ、それもグラン・クリュで、造り手は名門のウンブレヒト。 ヴィンテージから考えて、仕入れたものの売れずにずーっと残ってた、って感じでしょうか。
色は結構濃い目。黄金色というより黄金糖色といった感じ。 香りはまさにアルザス。非常に甘く華やかで、揮発油っぽい雰囲気が強くて。 味は、香りから想像されるほどには甘く無いんだけど、それでもなんとなく甘い。 後味に軽い苦味が来た後、ナッツのような香ばしさが感じられるのも好印象。
なかなか珍しくて美味い白。冷静に考えると12,000円なんて高いんだけど、 それはまぁしょうがないかなぁ、って感じ。
(80点)レストラン "ラ・ハオ"

Bourgogne Passetoutgrain 1993
ブルゴーニュ・パストゥグラン 1993
Henri Jayer
アンリ・ジャイエ
Rouge
Bourgogne Passetoutgrain
ブルゴーニュ・パストゥグラン
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
へんさんより ジャパン・インポート・システム
赤の一本目は、主賓たるへんさん御自らお持ち込み。 造り手は、あの泣く子も黙るブルゴーニュの伝説の造り手"アンリ・ジャイエ"。 パストゥグラン(ピノ・ノアールにガメイを混ぜて良いACブルゴーニュ以下の格付け)とは言え、 なんたって造ったのが神様ですから、期待せずにはおられません。
ブルゴーニュにしてはやや青みの強い紫で、ガメイの影響が強く感じられる色。 香りも味もガメイ感強し。綺麗で素直な香りや味なんだけど、 ほんのわずかにイゴイゴ感があるあたり、やっぱりピノ・ノアール単品種とは違うなぁ、と。
神様アンリ・ジャイエは、ガメイはガメイらしく素直に造っておられるのかな、と。 大ビックリではないけど美味しいワインでありました。
(76点)レストラン "ラ・ハオ"

Dionis Vin de Colectie 1986
ディオニス ヴァン・ド・コレクティエ 1986
Cricova
クリコヴァ
Rouge
(Moldova)
(モルドヴァ)
へんさんより モスクワよりハンドキャリー
赤の二本目もへんさんの御持参。 旧ソヴィエト連邦、ルーマニアの近くのモルドヴァという国で造られたワイン。 珍しさとしては間違いなくナンバー・ワンでしょうね。 キャップは封蝋だし1986産と十分熟成されてて高級品扱いなのに、お値段は1,200円くらいだったとか。
色は非常に健全。1986年とかだと、ぼちぼちオレンジがかった雰囲気になってそうなんだけど、 ほとんどそれは見られず真紫。 香りと味はリオハの熟成モノ的雰囲気。 なんとなく田舎っぽいというか、土地のおっちゃんが真っ黒な手で造りました、 って感じのワイン。
師範的にはあんまり得意な系統ではないけど、もう一生飲むことはないだろうなぁ、 と考えるとなんとも名残惜しいワイン。
(73点)レストラン "ラ・ハオ"

Sancerre Rouge "Generation XIX" 1997
サンセール・ルージュ "ジェネラスィオン・ディズヌフ" 1997
Dom. La Mousierre (Alphonse Mellot)
ドメーヌ・ラ・ムーズィエール (アルフォンス・メロー)
Rouge
Sancerre
サンセール
Loire (France)
ロワール (フランス)
\7,0002000/10/14 ゴトー酒店後藤酒店
師範が持参したのは、ロワール地方サンセールの赤。お値段的には大破戒の7,000円!!!。 ゴトー酒店店主の後藤さんがいうには、 DRC (Domaine de la Romanee-Conti)を彷彿とさせるワインとのこと。
香りのボリュームはとにかく凄い。 ブルゴーニュの良いワインにありがちな木イチゴっぽい香りをもっとクリアにした感じで、 沈丁花みたいな香りがする。 味もオッケー。まさに高級ブルゴーニュな味わいで、 しっかりとしているのにカドがなくスルッと入ってくる。 時間が経つと、香りに甘い樽香がバンバン乗ってきて、その変化具合も高級ブルゴーニュ風。
1997年なのに十分柔らかく飲めるし、文句無しに美味い。持参したワインがアタリで一安心。
(88点)レストラン "ラ・ハオ"

Tignanello 1995
ティニャネロ 1995
Antinori
アンティノリ
Rosso
(VdT)
(ヴィーノ・ダ・タボーラ)
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
磯子さんより イタリアよりハンドキャリー
イタリア・ワインに精通しておられる磯子さんが持参されたのは、 ご存知名門アンティノリのスーパーVdT、ティニャネロ。 品種的にはカベルネ・ソーヴィニョンとサンジョヴェーゼを使ってあるとのこと。
濃く青みの強い紫色は、道場に出てくる安イタリアとは一線を画す雰囲気。 香りも、カベルネの個性が出ているのか、 ちょっと野菜みたいな雰囲気があっていわゆるイタリア・ワインの人懐っこさとは違う感じ。 でも、飲んでみるとやっぱりイタリア。なんとなく明るくて、柔らかく飲めて。
名前に負けずなかなかのワイン。非常に優等生的な美味しさであります。
(80点)レストラン "ラ・ハオ"

Brunello di Montalcino "Soldera" Riserva 1991
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ "ソルデラ" リゼルヴァ 1991
Giafranco Soldera
ジャフランコ・ソルデラ
Rosso
Brunello di Montalcino
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
Toscana (Italia)
トスカーナ (イタリア)
かぎさんより AMZ
"中年ワイン探偵団"団長、かぎさんの御持参もイタリア・トスカーナの赤。 こちらもかなり希少かつ高級なワインだとのこと。 それにしても、ラベルに書かれてる竜みたいな冬虫夏草みたいな模様ってなんなんですかね?
色も見た目も非常に濃い。なんだかトロットロな感じ。 香りは、スミレの香りを南方系にしたような、ちょっと熟れた華やかさを感じる香り。 味もシッカリ。見た目を裏切らない濃さで、香りと相俟ってなんだかジャムのよう。 もちろんそんなに甘いってわけじゃないけど、なんとなくね。
イタリア・ワインは奥が深いですなぁ。
(84点)レストラン "ラ・ハオ"

Chateau l'Evangile 1978
シャトー・レヴァンジル 1978
Ch. l'Evangile
シャトー・レヴァンジル
Rouge
Pomerol
ポムロール
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
トモコ姐さんより やまや
浜崎あゆみ似の美女、トモコ姐さんご持参のワインは、熟成した正統派ボルドー。 ヴィンテージ・チャートによると、1978年ってのはなかなか良い年らしいです、はい。
色は覚えておりません。香りはモロに消し炭の香り。 火鉢のなかに首をつっこんだような、なんともいがらっぽい感じの香りが主体。 こういう香りってボルドー左岸(サンテステフあたり)特有のものかと思ったら右岸にもあるんですね。 味のバランスも崩れてないし、変な年齢の重ね方をしたわけじゃないんだろうけど、 ちょっと物足りないというか、黒蜜みたいな感じとかのまろやかさが欲しくなるんだよなぁ。
もっとゆっくり飲むべきワインだったかも。 これだけの印象だとちょっぴり"いじわる婆さん"風。
(79点)レストラン "ラ・ハオ"

Presidential Porto Reserve 1968
プレジデンシャル・ポルト レセルブ 1968
C. da Silva
C・ダ・シルバ
Fortified
酒精強化
(Portugal)
(ポルトガル)
トビさんより ???
最後のポルトはトビさんご持参。なんでも1968年はトビさんの生まれた年らしく、 飲む機会がないんで持ってきたとのこと。ありがたいこってす。
色はちょっと濁った琥珀色。香りはバッチリ。甘~い香りがパァーと広がって、 なんとも豊かな心地になります。 味は当然柔らかい。トロンとしていて、非常に優雅な味。
いやー、良いですね、熟成ポルト。 皆さんのグラスからポルトの香りが漂っていて、あたり一面ポルト香。優雅なひとときでありました。
(85点)レストラン "ラ・ハオ"

と、一次会はここまで。
例によって飲み足りずにスッラ・タボーラへ。

Sagrantino di Montefalco 1995
サグランティーノ・ディ・モンテファルコ 1995
Spoletoducale
スポレトドゥカーレ
Rosso
Sagrantino di Montefalco
サグランティーノ・ディ・モンテファルコ
Umbria (Italia)
ウンブリア (イタリア)
\8,000くらい?2000/10/28 スッラ・タボーラセルバ
イタリアのレアモノワインが豊富なこのお店、 師範ごときにはまったくわからんのでワインのチョイスはかぎさん磯子さんとお店の方にお任せ。 一本目はウンブリア州で最近DOCGに格上げされたサグランティーノ・ディ・モンテファルコ。 なーんて知ったようなことを書いてますが、飲む前は全くイタリアどこのワインか知らず。 かぎさん磯子さんに尋ねたら「ヴェネトでしょう」なんて嘘回答。 とにかく覚えられんっすな、イタリアは。
で、このワインはとにかく味や香りが青かった。 1995なのに青臭くて固くて、南仏とかで無闇に力を入れて造られたワインのような、ちょっと師範は苦手な雰囲気。
気合の入ったワインだとは思うんだけどねぇ。でもちょっと気合が空回り。
(69点)ワイン・バー "スッラ・タボーラ"

Pinero 1997
ピネロ 1997
Ca Del Bosco
カ・デル・ボスコ
Rosso
(IGT)
(インディカツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Lombardia (Italia)
ロンバルディア (イタリア)
\8,000くらい?2000/10/28 スッラ・タボーラ???
いよいよ最後の一本。たしか磯子さんがお店の棚からチョイスしてきたと思う。 ピノ・ネロ(ピノ・ノアールのイタリア語)100%、 非常に単純でわかりやすい名前のワイン。
色は確かにピノっぽくて、やや赤みが強い感じ。 香りは、ピノの香りや樽香もありつつやっぱりイタリア風。 なんとなく汗くさい感じというかケモノっぽい感じというか、 そういう人間くさい感じがありますね、イタリアのこの手のワインって。
上のワインよりかなり軽い感じではあったけど、 なんとなくこっちのほうがイタリアっぽくて好き。
(78点)ワイン・バー "スッラ・タボーラ"

…というわけで、皆様ナガナガとお疲れさまでした。 また飲みましょう。


27日(金)

今日は、
ゴトーファーザーのワイン指南関連の飲み会。 参加者は、"Gotofather"こと後藤和夫さん、BACCHUSさん、らんちゅうさん、からすさん、へべれけさん、 マルゴーさん、TOMべえさん、ぽーりんさん、師範の9名。
お店は、横浜ロイヤルパークホテルニッコーB1Fのカフェ・フローラというお店。 メニューは\3,500のコースで
・前菜:ホタテのサラダ仕立て
・パスタ:パスタ
・メイン:サイマキ海老のガレット トマトバジルソース
・デザート:アイスとケーキ
・お茶:コーヒー
という内容。雰囲気も良いし、料理もしっかりしていて、\3,500だとお得な感じ。

で、さらにこのお店の良いところは、ワインの持ち込みが無料だというところ。 というわけで、各自が持ち込んで飲んだワインが以下。

Alfred Gratien "Cuvee de Reserve" N.V. Magnum
アルフレッド・グラシアン "キュヴェ・ド・レゼルヴ" (ヴィンテージ無し) マグナム
Alfred Gratien
アルフレッド・グラシアン
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
後藤さんより後藤酒店
一本目のシャンパーニュは後藤さんお持ち込み、"ゴトー・スペシャル・キュヴェ"のアルフレッド・グラシアン。それもマグナム・ボトルでたっぷりと。
グラシアンは何度か飲んでるんだけど、今回が一番良かったような気がするなぁ。 3mくらい離れたところでグラスに注がれてたんだけど、 もうその時から桃みたいなリンゴみたいな香りが漂って来たし、 飲んだ後の余韻も長~く感じられたから。
やっぱりマグナム・ボトルってのは美味いんですかね。
(82点)"カフェ・フローラ"にて

Savigny-les-Beaune 1er Cru "Les Croux" 1998
サヴィニー・レ・ボーヌ プルミエ・クリュ "レ・クルー" 1998
Maurice Ecard
モーリス・エカール
Rouge
Savigny-les-Beaune 1er Cru
サヴィニー・レ・ボーヌ1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
BACCHUSさんよりミレジム
持ち込みは赤が多いんで、まずはピノ・ノアールから飲みましょってことで、 まずはBACCUSさん御持参のブルゴーニュから。
色は薄めで香りも弱め。グラスが小さいせいもあると思うけど、 鼻をボウルに突っ込んでようやく革みたいな香りが感じられる。 味も、良く言えば涼やかでエレガント、悪く言えば弱い。
このお店、持ち込み料を取らないのはありがたいんだけど、グラスがねぇ。 オプション料金払っても良いから大きいグラスで飲みたいところ。
(74点)"カフェ・フローラ"にて

Panther Creek Pinot Noir Reserve 1996
パンサー・クリーク ピノ・ノアール リザーヴ 1996
Panther Creek Cellers
パンサー・クリーク・セラーズ
Red
Willamette Valley (Oregon / USA)
ウィラメット・ヴァレー (オレゴン / アメリカ合衆国)
らんちゅうさんよりカリフォルニア・ワイン・トレーディング
らんちゅうさんの持ち込みは、米国オレゴンのピノ・ノアール。 実は以前にこの造り手のリザーヴじゃないやつを飲んだことあるんだけど、 劣化してたためかどーにもこーにも惨澹たる印象があった。で、これはどうだったかというと…
なかなかどうしてたいしたもんでした。 特に今日みたいな小さいグラスだと、このワインのように派手さのあるワインが良い感じみたい。 ちょっと粗野な雰囲気で渋味が強めに感じられるけど、なんたってほんの一杯だから気がついたころには無くなってます。
このワインから想像するに、やっぱり以前のは劣化してたんでしょうね。
(79点)"カフェ・フローラ"にて

Cote de Nuits Villages 1993
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ 1993
Jayer Gilles
ジャイエ・ジル
Rouge
Cote de Nuits Villages
コート・ド・ニュイ・ヴィラージュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
からすさんより後藤酒店
からすさんの持ち込みは、大人気の造り手"ジャイエ・ジル"のコート・ド・ニュイ・ヴィラージュ 1993。 師範もかなり前に同じ物を飲んでてとっても好印象だったし、 それが2年半経過してどうなったかという意味もあって大期待の一本。
で、やっぱり美味いっすね、これ。 小さいグラスなのに、ジッポのオイルみたいな香りと樽香がドッカンドッカン感じられます。 口に含むと、コーヒーみたいなちょっと香ばしい感じの雰囲気もあって、 味のバランスも良くて申し分無いですな。
こういう派手さって、本来のブルゴーニュの姿じゃないかもだけど、 師範は大好き。ジャイエ・ジル、やっぱり凄い造り手ですな。
(85点)"カフェ・フローラ"にて

Condrieu 1998
コンドリュー 1998
Dom. du Monteillet
ドメーヌ・デュ・モンテイエ
Blanc
Condrieu
コンドリュー
Cotes du Rhone (France)
コート・デュ・ローヌ (フランス)
マルゴーさんより横浜君嶋屋
ここらで一旦白を、ということでマルゴーさんお持ち込みのコンドリュー。 「皆さん 良いワインをお持ちになられるでしょうから…」なんて謙遜していらっしゃいましたが…
これは驚きのワインでした。 アルザスのゲヴュルツみたいなライチっぽい香りと桃っぽい香りがあってとっても華やか。 口に含むと香りとは裏腹のすっきりした感じで、後味にヨーグルトみたいな雰囲気が残ります。
一本でいろいろ楽しめるワイン。驚きという意味では今日のナンバー・ワン。
(82点)"カフェ・フローラ"にて

Berberana Grand Reserva 1990
ベルベラーナ グランド・レセルバ 1990
Berberana
ベルベラーナ
Tinto
Rioja
リオハ
Rioja (Spain)
リオハ (スペイン)
TOMべえさんより日食
TOMべえの持ち込みは1990年産のリオハ。 (スペインによくある)金網で包んであるボトルで、なかなか高級感があります。
リオハのこのクラスって、結構樽が強いものが多いんだけど、 このワインはあんまり樽は感じません。 上手に10年の時を過ごした、って感じの、酸味が強いけど柔らかい熟成感。 ただ、やっぱり師範はリオハの(テンプラニーヨの?)ヤニっぽさがちょっぴり苦手なんだよなぁ。
好きな人は好きなんでしょうけどね、この雰囲気。
(74点)"カフェ・フローラ"にて

Chateau d'Armailhac 1995
シャトー・ダルマイヤック 1995
Ch. d'Almailhac
シャトー・ダルマイヤック
Rouge
Pauillac (5e Grand Cru Classe)
ポイヤック(メドック5級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
ポーリンさんよりエノテカ
ポーリンさんの持ち込みはボルドーの赤。 10本も集まって正統派ボルドーが1本だけってのも珍しいような。 で、このシャトー・ダルマイヤックは1993と稽古済
というわけで正統派であります。もちろんまだまだ若いし、 ボルドーとかは抜栓後時間が経って徐々に力を発揮するんでしょうけど、 いかんせん今日みたいに1本を9人で、って席だとどうしても印象が霞んでしまいます。
一人でじっくり飲んだほうが良いんでしょうね、こういうワインは。
(75点)"カフェ・フローラ"にて

Balnaves of Coonawara "Cabernet Merlot" 1996
バルネイヴス・オブ・クーナワラ "カベルネ・メルロー" 1996
Balnaves of Coonawara
バルネイヴス・オブ・クーナワラ
Red
Coonawara (Australia)
クーナワラ (オーストラリア)
\2,4802000/10/15 カーヴ・ド・リラックスヴィレッジ・セラーズ
師範が持参したのは、オーストラリア産のボルドータイプ。 このバルネイヴスが作ったワインは、ずいぶん以前カベルネ・ソーヴィニョンを飲んでて、 とっても濃い印象があったので座興としては面白いかな、と思って。 立場上3,000円以上のワインを持参するわけにはいかないしね。
コルクの裏の真っ黒さを見てひとまず安心。 で、予想通り色も香りも味もミッチリと濃いワインでした。 カリフォルニアとかチリのこういうワインって、インクっぽい香りのものが多いけど、 このワインはあんまりインクの感じはしなくて明らかにミントの香りがしました。 後藤さんによると、それがオーストラリアの特徴だとか。
一本飲んだら飽きそうだけど、こういう席ではナイス・チョイスだったと自画自賛。
(80点)"カフェ・フローラ"にて

Puligny Montrachet 1er Cru "Clavoillon" 1996
ピュリニー・モンラシェ プルミエ・クリュ "クラヴォワヨン" 1996
Dom. Leflaive
ドメーヌ・ルフレーヴ
Blanc
Puligny Montrachet 1er Cru
ピュリニー・モンラシェ 1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
デューク東郷さんより輸入元
残念ながら結局参加出来なかったデューク東郷さんの持ち込みは、名門中の名門"ルフレーヴ"の一級畑。 ルフレーブは以前飲んで、 白の樽嫌いな師範を開眼させたワインなんで今日も大期待。
…だったんだけど、実際は香りも味も平板で、なんとも頼りないワインでした。 後藤さんによると、残念ながらこのワインは「ブショネ(コルクの不具合で劣化したワイン)」だってことらしい。 もちろん飲めなくはないし、それなりにイケるんだけど、 このワインの本来の実力とは全然違うとのこと。
ちょっぴり残念だったけど、師範的にはそういうワインに出会えてなんとなくラッキー。
(70点)"カフェ・フローラ"にて

Girard Chardonnay 1997
ジラード・シャルドネ 1997
Girard
ジラード
White
Napa Valley (USA)
ナパ・ヴァレー (アメリカ合衆国)
へべれけさんよりカリフォルニア・ワイン・トレーディング
このワインは、アカデミー・デュ・ヴァンというワイン学校の試飲会で、 ブルゴーニュやカリフォルニアの並み居る強豪を相手に一等賞を取ったらしい。 いったいどういうワインか興味津々。
強めの樽香と、かなり重い感じの味わいは、まぎれもなくカリフォルニアのシャルドネ。 もちろん美味いんだけど、傑出したなにか、ってのは師範には感じられないなぁ。
世間(というか通な方々)の評価ってのはわからんもんです。
(77点)"カフェ・フローラ"にて

この後、調子に乗って2次会へ。お店は関内のリッケッツァ・セレーナ

Krug Vintage 1989
クリュグ・ヴィンテージ 1989
Krug
クリュグ
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
2000/10/27 リッケッツァ・セレーナ
クリュグであります。それもヴィンテージ付きの高級品。
で、ここでも世間の評価とのギャップを痛感。 師範はやっぱりあんまり得意じゃないのね、こういう熟成感バリバリのシャンパンって。 古い蔵の中みたいな懐かしい感じの香りはあるんだけど、 やっぱりシャンパンには元気ハツラツ!ってのを期待してしまうから。
根っからの安ワイン者なのかも。
(72点)"カフェ・フローラ"にて

Pommery Brut N.V.
ポメリー・ブリュット (ヴィンテージ無し)
Pommery
ポメリー
Champagne
発泡
Champagne
シャンパーニュ
Champagne (France)
シャンパーニュ (フランス)
2000/10/27 リッケッツァ・セレーナ
クリュグと比較する意味で、極く一般的なシャンパーニュのポメリーを出して貰いました。
で、比較してもやっぱりこっちが好き。 特にポメリーってやや甘味が強い感じがするんで、 酔っ払って微妙な味わいなんて判らなくなった味覚/嗅覚には、 こっちの方がストレートに「美味い!」って感じが伝わります。
っていうか、こういう飲み比べなんて普通出来ないっすね。ラッキー&ハッピーですなぁ。
(76点)"カフェ・フローラ"にて

いやはや皆様ありがとうございました。今後ともよろしくであります。


25日(水)

今日は勤務先の打ち上げで銀座へ。行ったのはアマポーラという、 プランタンの向かい、首都高速の真下にある店。 料理は3,000円のコースだったらしいんだけど、まぁそこそこ満足な料理でありました。
で、ここは結構ワインが充実していて、赤白泡合わせて50種くらいのラインナップ。 そのうち半分弱が3,000円以下なんで、「ちょろっとワインを」という感じで選べます。 というわけで、飲んだワインは以下の2種。

Fetzer Pinot Noir 1997
フェッツァー ピノ・ノアール 1997
Fetzer Vinyards
フェッツァー・ヴィンヤーズ
写真無し
Red
California (USA)
カリフォルニア (アメリカ合衆国)
(\2,800)2000/10/25 居酒屋"アマポーラ"サントリー
世の中すでにビール離れが進んでおります。 というのも、さすがに最初はビールを飲んだんだけど、結構なメンバーが早々に「じゃワインでも」 って感じになるんですわ。そこで師範が選んだのはカリフォルニアのピノ・ノアール。 一本目の赤としてはピノあたりが良い感じだと思ったし、 店で飲んで3,000円以下ならそんなに高くも無いし。
ピノだからか、色は結構薄め。 香りは案外良い感じ。ピノらしい果実香と、そこそこ雰囲気のある樽香があって。 味は値段に正直。アタックの強さと樽の雰囲気は感じられるんだけど、いかんせん中身が抜けたような味わい。
いわゆる素人衆に「香りはいいんだけどちょっと物足りないっす」って言われてますよ、フェッツァーさん。
(69点)"アマポーラ"にて

Torres "Sangre de Toro" 1998
トーレス "サングレ・デ・トロ" 1998
Miguel Torres
ミゲール・トーレス
写真無し
Tinto
Catalunya
カタルーニャ
Catalunya (Spain)
カタルーニャ (スペイン)
(\2,800)2000/10/25 居酒屋"アマポーラ"サントリー
2本目に選んだのは、スペインの超大手ミゲール・トーレスの赤。 世間の欲求は結構濃い系のワインだと思ったし、 トーレスのワインって見る機会はしばしばあるけど飲んだことはあんまり無かったんで。
色は流石に濃い。これは予想通り。 香りも、ボリューム的には弱めなんだけど、そこそこしっかり感があって期待通り。 でも味がねぇ。青いんですわ、雰囲気が。 野の草花をすり潰したような、なんともいえない青臭い感じがあって、師範的にはちょっと外したかな、って感じ。
ってなワインだったけど、まぁ皆さんそんなに文句も言わず飲んでおられました。 「香りはさっきのが良いっす」って意見はその通りだと思うけど。
(67点)"アマポーラ"にて

24日(火)

Lovico Suhindol Merlot 1991
ロヴィコ・スヒンドル メルロー 1991
Lovico Suhindol
ロヴィコ・スヒンドル
Rouge
Suhindol Region (Bulgaria)
スヒンドル・リージョン (ブルガリア)
\6302000/10/07 関内 サンタムールカツミ商会
本日のワインはブルガリア産のメルロー。お値段630円なのにヴィンテージはなんと1991年! ブルガリア産って、以前飲んだセイント・トリフォンとかもそうだけど、 比較的熟成期間の長いワインが多いようですな。
色はそこそこ濃い感じ。エッジにオレンジがかった気配が現れていて、 それなりに熟成していることが見た目で判る。 香りは、ペチャンとした酸っぱい感じの香りと、ずいぶん使われていない農機具のような、 古い藁っぽい機械っぽい香りがある。これも熟成によるものなんだろうね。 味も熟成感満載。酸っぱくって古びた感じばっかりで、品種がメルローだかカベルネだかさえ全く判別不能。
古臭いワイン。はっきり言ってダメダメ。低くてなだらかな熟成カーブを昇りきって、現在はかなり落ち加減、といったところか。 上り坂部分で飲んでも頂上で飲んでも大したワインじゃなさそうな気配はあるけど。
53点自宅にて

22日(日)

Bourgogne Hautes-Cotes de Beaune "Vieilles Vignes" 1998
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ "ヴィエイユ・ヴィーニュ" 1998
Nicolas Potel
ニコラ・ポテル
Rouge
Bourgogne Hautes-Cotes de Beaune
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\2,0002000/10/07 関内 サンタムールカツミ商会
本日の夕食はトマトソースのロールキャベツ。秋冬を感じるメニューですなぁ。 というわけで、ワインもちょっと奮発してニコラ・ポテルのオート・コート・ド・ボーヌ。 「古樹」を意味する"Vieilles Vignes"なんてシールも貼ってあるし、なんだか良さげな見た目。
流石に若いからか、ストレートに濃い色合い。でも、やや赤みが強いあたりはやっぱりブルゴーニュ。 で、最初の香りに驚いたなぁ。木苺っぽい果実香がパァ~ッと広がって、 もう1or2ランク上の香りがしたから。でも、 時間が経つと次第に普通っぽくなっていって、革だかワキガだかのケモノっぽい香り主体に変化。 味もプチ高級味。酸味が中心ではあるけど、 非常に柔らかい渋味や、透かし彫りの向うに覗くような甘味があって、なんとなく気品を感じるバランス。
何が良いかと聞かれると返答に窮するけど、なんとなーく良いワイン。 2,000円は安いね、2,500円でも十分良い感じ。
77点自宅にて

21日(土)

Lacryma Christi del Vesuvio 1999
ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェズーヴィオ 1999
Mastroberardino
マストロベラルディーノ
Bianco
Lacryma Christi del Vesuvio
ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェズーヴィオ
Campania (Italia)
カンパーニア (イタリア)
(\1,460)2000/10/13 デリバリーワインサントリー
このワインもデリバリーワインさんから頂いたもの (このワインのページ)。 『キリストの涙』という名前のワインらしいけど、 基督教徒でもない師範はちょっぴり気色悪い感じがしますな、人の涙を飲むのって。 料理は、刺身/牡蠣フライ/大根ツナサラダ/焼き茄子といったやや和風よりのメニューなんで、 この白あたりがちょうど良い感じじゃないかと思いチョイス。
色は案外と濃い目。1999年なんでサラッサラに薄いかと思ってたけど、古びた畳表のような色がしっかり。 香りはすっごく弱い。ほんとに何の香り、ってのが言えないくらい弱い香り。 味も口に含んですぐは弱い雰囲気なんだけど、後味に残るナッツのような香ばしさはなかなか良い感じ。
弱い系のワインだとは思うけど、和風メニューにはなかなか良い感じでマッチ。 それはそれで「一期一会」の道場としては好評価。
72点自宅にて

19日(木)

Asti Cinzano N.V.
アスティ・チンザノ (ヴィンテージ無し)
Cinzano
チンザノ
Spumante
発泡
Asti
アスティ
Piemonte (Italia)
ピエモンテ (イタリア)
(\1,340)2000/10/13 デリバリーワインキリン・シーグラム
このワインもデリバリーワインの酒井さんから贈られたもの (このワインのページ)。 今日は帰宅も遅かったんでチューハイ的に飲めるワインを、ってことでチョイス。 人様からの頂きモノをチューハイ呼ばわりするなんて失礼千万だとは思うけど、 どーしても師範にとってアスティはそういうイメージのワインなんですわ。
色は薄くて泡立ちも弱め。だけど香りは良いですねぇ。 甘~いマスカットの香りが結構強めで、ドイツワインとかが好きな方にはウケそうな香り。 味はかなりしっかり。酸味もあるけど、やっぱり突出しているのは甘味。 キンキンに冷えてる間は良いけど、 グラスの中でちょっとぬるくなるととたんにベタッとした印象に変わってしまう。
香りは良いんだけど、やっぱりこういう甘さのワインって師範はちょっと苦手。 もうちょっと手を抜いた安アスティの方が師範には合ってるのかも。
61点自宅にて

18日(水)

Piave "Le Muse" Cabernet Sauvignon 1997
ピアヴェ "レ・ムゼ" カベルネ・ソーヴィニョン 1997
Viticoltori Ponte
ヴィティコルトーリ・ポンテ
Rosso
Piave
ピアヴェ
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\7902000/10/01 カーヴ・ド・リラックスリラックス
本日の夕食は今シーズン初の寄せ鍋。 鍋って、淡白だから白ワインを選ぶのが一般的な気はする。 でも、師範の経験上熱い食事と冷たいワインで温度差があると、ワインの味が分からなくなる感じがする。 だもんでチョイスしたのは赤。それも軽めっぽいイタリアものを。
色は、イタリアらしさよりカベルネらしさを感じさせる青黒い紫。 香りは値段の割には強め。ちょっと油粘土っぽくて青臭くて、 新大陸産のワインとかによくある安くて若いカベルネの香り。 味は、最初「酸っぺぇ!」って感じだったんだけど、 徐々におとなしくなってスルスル飲める雰囲気に。
カベルネらしいカベルネ。鍋料理に合ったかというと…正直言って「白にしとけば良かった」。
68点自宅にて

17日(火)

Veneto Sauvignon 1999
ヴェネト ソーヴィニョン 1999
Enoteca Professor Cescon
エノテカ・プロフェッソール・セスコン
Bianco
(IGT)
(インディカツッイオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\8902000/10/01 カーヴ・ド・リラックスリラックス
先週と同じ造り手の白。こちらもボトルとラベルの意匠的にはなかなかイカスデザイン。 アルコール度数は11%でちょっと低めだけど、その分軽快かつ華やかで"可憐なティーンエイジ"的な雰囲気があれば良いなぁ、と。 料理は、マグロのカルパッチョがメインという結構軽いメニュー。
で、結果はというと、色的には薄めながら色調はやや橙色に寄った感じで、 香りもグレープフルーツとか未熟なリンゴみたいな青い感じが強くて、 味もややギリッとした傾向で飲み応え(というか飲み「くちごたえ」)する感じ。 最初は「雰囲気的に一本飲めんかも」とか思ってたけど、 なんだか知らないうちに軽く一本飲み干した。
軽くて華やか、というより結構しっかりしててまだまだこれからの青二才、といったワイン。 でも良いっすよ、師範はこういう骨のある若造も嫌いじゃないから。
70点自宅にて

15日(日)

Cono Sur 20 Barrel Cabernet Sauvignon 1998
コノ・スル 20バレル カベルネ・ソーヴィニョン 1998
Vina Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
Tinto
Rapel Valley (Chile)
ラペル・ヴァレー (チリ)
(\1,510)2000/10/13 デリバリーワインスマイル
世の中には有り難い人がいるもんです。 このワインは、デリバリーワインというWEBショップの酒井さんという方から、 『飲んでみて下さい』ということで贈って頂いたもの (このワインのページ)。 ちなみに、コノ・スルのワインは(別の品種だけど)門下生からもお薦め頂いている。 というわけで、かなり期待大なワインなんで、合わせた料理もラムの香草焼きなんてちょいと気合を入れてみたり。
色は想像通りの濃さ。黒に近いくらいの青紫で、いかにも気合の入った南米産。 香りも想像通り。とにかく若くて鋭くて、ツンとするようなインクっぽさが主体の香り。 味がちょっと想像外。こういった感じのワインって、 飲み口もバーン!と派手でヤミクモに重さを感じさせるんだけど、 このワインは至ってナイーブ。雰囲気としてはチリらしい一本調子なものだけど、 固さが無くて柔らかな味わいはなかなかなもの。
時間が経っても一向に変化する気配がなく、 抜栓直後のツンとした香りと甘酸っぱい味を維持しているのは流石といえば流石だけど、 面白味に欠けるというのも事実。
高級チリワイン。この値段でこんだけのパワーと高級感が味わえる、 という意味ではコスト・パフォーマンス高し。 でも、良くも悪くもあくまでチリはチリ。じっくり一本飲むより大勢でワイワイ向き。
74点自宅にて

14日(土)

本日は、友人宅にてプチ師範代の顔見せを兼ねた食事会。でもってワインを持参。 飲むのは3人なんで控えめに…

Vinas Del Vero Chardonnay 1999
ビーニャス・デル・ベロ シャルドネ 1999
Compania Vitivinicola Aragonesa
コンパニーア・ビティビニコーラ・アラゴネーサ
Blanco
Somontano
ソモンターノ
Somontano (Spain)
ソモンターノ (スペイン)
\6672000/09/17 やまや渋谷店やまや
『ブイヤベースを作るから白あるいはロゼを持参せよ』と言われて、 ならばと持参したのがこれ。 ブイヤベースって、なんとなくスペインの料理のような気がした(本当は南仏らしい)んでこれかな、と。 あと、安い値段の割にはアルコール度数は13.5%と高めだし、裏書きには樽熟がどうとか書いてあるんで、 案外しっかりしてるんではないかと考えてのチョイス。
…だったんだけど、結局ブイヤベースに至る前にほとんど飲んでしまいました。 ちょっと濃い目の色合い、レモンのような香り、やや重めで甘味を感じる味わいは、 ヨーロッパというより南米あたりのシャルドネっぽい感じ。
値ごろ感は1,000円くらい。というわけで「よりどり3本2,000円」ならちょっとお得。
69点友人宅にて

Chateau Lanessan 1997
シャトー・ラネッサン 1997
Ch. Lanessan (Delbos-Bouteiller)
シャトー・ラネッサン (デルボス・ブテイェール)
Rouge
Haut-Medoc
オー・メドック
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,9902000/10/10 成城石井 横浜ルミネ店成城石井
たまたま同じ地区(オー・メドック)、同じヴィンテージ、同じ程度の値段のワインがあったんで、 水平比較試飲としゃれ込むことに。このラネッサンは以前1993と稽古済み。
色は若いボルドーらしい暗い紫。香りもボルドー左岸らしいややイガラッぽい感じの香り。 味は、若い割にはスムーズで、スーっと口の中に入ってきて余韻が長い、高級感が感じられる味。 でも、ちょっと予想よりおとなしめかな。いまひとつガッツが欲しいところ。
ポテンシャルはあると思う。でもいかんせん若かったのかな、 なっかなか開かなかったし。
75点友人宅にて

Chateau Larose-Trintaudon 1997
シャトー・ラローズ・トラントードン 1997
Ch. Larose-Trintaudon
シャトー・ラローズ・トラントードン
Rouge
Haut-Medoc (Cru Bourgeois)
オー・メドック (ブルジョア級)
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\1,7802000/10/01 カーヴ・ド・リラックスサントリー
比較試飲のもう一方はブルジョア級のこのワイン。
それにしても、ボルドーに良くある、この"アズキ地に金文字"とか"金地に黒文字"とかのラベルって、 いかにも高級品っぽくて手土産には最適ですな。
両方同時に開けていざ飲み始め。 最初は色も香りも味も全然違いが無くて「…やっぱ我々ごときには無謀な挑戦だったか…」 って思うくらい同じような印象だったんだけど、 徐々にこっちの方が先に開いてきて、渋味が引っ込んで甘味と酸味が強く感じられるようになった。
なかなか面白い体験でありました。で、今飲むんだったらこっちの勝ち。
77点友人宅にて

Bourgogne 1996
ブルゴーニュ 1996
Serafin Pere & Fils
セラファン・ペール・エ・フィス
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\4,5002000/10/14 ゴトー酒店後藤酒店
本日のメインは、友人宅へ向かう途中、"Gotofather"こと後藤さんのところで購入して。
このワイン、格付け的には単なるACブルゴーニュだけど、 なんでも他の特級とかのワインを試飲した余りを入れた樽から取ったらしく、 それを36本だけ入れてもらった、ってな希少品とのこと。というわけで、お値段も超ACブルゴーニュ級。
色はあんまり濃くないブルゴーニュらしい赤紫。 で、香りが良いっすね。樽香はそんなに強くないんだけどキュートな木苺香がバンバンで、 そんじょそこらのACブルゴーニュとはモノが違う、って感じ。味のまとまりも良し。
…と、最初の印象は上々だったんだけど、時間が経つとやや酸味に押され気味な雰囲気になって、 そこらへんはやっぱACブルゴーニュの宿命なのかなぁ、なんて感じたり。
と、こちらもなかなか面白い体験でありました。
80点友人宅にて

Bourgogne Pinot Noir 1998
ブルゴーニュ ピノ・ノアール 1996
F. Chauvenet
F・ショーヴネ
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
友人より日欧商事
夜もふけて、友人宅にあった一本を開けることに。 ものは大手ネゴシアンもののACブルゴーニュ。 お値段的にはデパートで買って1,400円台だったとのこと。
まぁ当然既に酔っ払い状態ですから、細かいことは覚えちゃいないんだけど、 これくらいの値段のこれくらいのブルゴーニュらしい、 小さめ かつ 無難にまとまったワインだった、という感じ。 でも、変に酸っぱいとかエグみとか無くてオッケーレベルであります。
ご供出、有り難うさんでありました。
(70点)友人宅にて

というわけで、大変楽しゅうございました。またよろしくであります。


13日(金)

Bourgogne 1996
ブルゴーニュ 1996
Dom. du Marquis de Jouennes
ドメーヌ・デュ・マルキ・ド・ジュエンヌ
Rouge
Bourgogne
ブルゴーニュ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,4802000/10/01 カーヴ・ド・リラックスリラックス
「安めで美味そうなブルゴーニュを…」と思って店内を物色していたら、 お店の人が別のお客さんにこのワインを薦めているのを発見。 ならば、ということでゲット。 自分でお薦めを聞けば良いんだけど、安めのばっかりしか買わない手前なんとなぁく照れくさかったりして、 こういう姑息な手段を採っております。
色は結構濃い目かなぁ。ぱっと見ブルゴーニュとは思えない色です。 香りはなかなかなもの。樽香こそそれほど強くないものの、 ゴム革っぽい香りとか、ベリーAの皮目っぽい香りとか、 そこそこなブルゴーニュに求めるものを一通り備えた香り。 味もオッケー。スーっと入ってきて、口の中でポワンと広がる感じはまさしく真っ当なブルゴーニュ。 特に、後味に残るアプリコットジャムみたいな甘味は、このレベルのワインを超えたもの。
なかなかどうしてたいしたもんです。 やっぱり店員さんの話には耳を傾けるべきですな。
75点自宅にて

11日(水)

Raboso 1997
ラボーゾ 1997
Enoteca Professor Cescon
エノテカ・プロフェッソール・チェスコン
Rosso
(IGT)
(インディカツッイオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\9802000/10/01 カーヴ・ド・リラックスリラックス
イタリアらしく、なんともシャレたボトルに入ったワイン。 首のところにネクタイみたく木が結わえてあるんだけど、葡萄の枝なのかなぁ。 確かにイカシてるけど、このオシャレのために100円くらいはコストアップしてると見た。
で、驚いたことにまず色がイタリアらしくない。 「ボルドー左岸の1993年」といった感じの、青黒い紫にちょっぴり朱色、といった色合い。 香りもプチ驚き。ツンとしたアルコール感がありつつも、 しっかりとした樽の香りが感じられて、なんだか良い感じの香り。 味は、香りに引っぱられた樽っぽい味わいはあるものの、 主体的な感じとしてはイタリアらしい酸味が強い汗臭い感じの味わい。
樽香が心地よくて面白いワインではある。 さらに味に膨らみがあれば結構イケるアイテムになれるのにねぇ。 チェスコン博士、見た目にこだわるのも良いけど中身ももうちょっと頑張れ!
70点自宅にて

10日(火)

Pacherenc du Vic-Bilh 1998
パシュラン・デュ・ヴィク・ビル 1998
Union de Producteurs Plaimont
ウニオン・ド・プロデュクトゥール・プレモン
Blanc
Pacherenc du Vic-Bilh
パシュラン・デュ・ヴィク・ビル
Sud Ouest (France)
西南地区 (フランス)
\1,098 [500ml]2000/07/30 カーヴ・ド・リラックスAMZ
「デザートワインを」って感じで買って、金曜あたりからチビチビと飲んでたんだけど…
これが大外れ。 「甘口ワインだからとっても冷やして飲んでね!」なんてことをラベルに書いてはあるんだけど、 甘いには甘いんだけどそれほど顕著に甘いわけでもなくて、 アルコール度数も低くて物足りない。 で、その甘さとアルコールの具合も、 いかにもとってつけた感じでまとまりが悪くて、 なんとなくドイツあたりのウスラ甘いハズレワインに焼酎をちょっぴり加えました、って感じの味わい。 食後酒としては甘味/アルコールが足りず、食中酒には甘すぎる、なんともどっちつかずな味わい。
イマイチでございます。やっぱりちびちびしか飲まない食後酒は、そこそこのお値段が必要みたい。 少なくともこのワインは1,000円の価値無し。
58点自宅にて

9日(月祝)

Valpolicella 1999
ヴァルポリッチェラ 1999
Colognola Al Colli
コロニョーラ・アル・コッリ
Rosso
Valpolicella
ヴァルポリッチェラ
Veneto (Italia)
ヴェネト (イタリア)
\4902000/09/17 やまや渋谷店やまや
今日の夕食は、カンパチの刺身、ブリの照焼きという和風っぽい料理なんだけど、 飲みたいのは赤。 こういう時に重宝なのが、イタリアの「香り華やか味わい軽~い」系ワイン。 特にこのヴァルポリッチェラは、桜餅を想わせる香りを持つものが多くて、 和風メニューとの相性が良いと思いチョイス。お値段的にも軽~い490円。
色は若く暗い赤紫。香りは弱い、っていうか弱すぎ。鼻ではほとんど感じられない香りのボリューム。 味は想像に違わぬ軽い系。わずかに炭酸も感じたりして、軽~く飲める感じ。 …と、ある意味予想通りではあるんだけど、あまりに軽すぎというか、 国産メーカーの激安ワインに毛が生えた程度なのはちょっと頂けない。
和食との相性は悪くないけど、己との相性がイマイチ。
63点自宅にて

8日(日)

Bourgogne Hautes Cotes de Beaune 1995
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ 1995
Dom. Thevenot-Le Brun & Fils
ドメーヌ・テヴノ・ル・ブリュン・エ・フィス
Rouge
Bourgogne Hautes Cotes de Beaune
ブルゴーニュ・オート・コート・ド・ボーヌ
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,7802000/09/17 やまや渋谷店やまや
本日の夕食はコロッケ。道場のコロッケは、肉1:じゃがいも1の贅沢仕様ゆえ、 十分に肉料理の一つとして存在し得ます。というわけで、ワインは赤を。 そもそもピノ・ノアールが好き、ってのもあるけど、 ちょっと涼しくなり始めた今の時期にピッタリな赤はやっぱりブルゴーニュですな。
色は結構こなれた感じで、やや薄めかつレンガ色がかった色合い。 香りはまさにブルゴーニュ。ゴム/革系のウニィ~ッとした傾向が強くて、 この香りばっかりは余所では難しいなぁ、って感じ。 味がちょっと残念。まずは薄っぺらい。柔らかいには柔らかいし、 香りとかの雰囲気に見合ったやや熟成した感じではあるんだけど、 渋味/甘味が弱くて酸味が強くて、「そうまで老け込まなくても…」って気になる。
印象は悪くないんだけど、やっぱりパンチに欠けるかなぁ。値段相応、って感じ。
73点自宅にて

7日(土)

Yvecourt "Premium" 1998
イヴクール "プレミアム" 1998
Yvon Mau
イヴォン・モー
Blanc
Graves
グラーヴ
Bordeaux (France)
ボルドー (フランス)
\6672000/09/17 やまや渋谷店やまや
今日の夕食は、ゴボウサラダ、焼き椎茸、焼きナス、殻付き生牡蠣、サバの塩焼きといった純和風メニュー。 チョイスしたワインは、よりどり3本で2,000円だった中の一本であるボルドー白。 ボルドーの安白って、比較的オールマイティに飲めるってイメージがあるんですわ、師範には。
色はちょっと日が経った畳表のような、黄緑色とも麦藁色ともつかない色。 香りにビックリ。この値段のボルドーでは有り得ない素直な樽香がバンバン。 たしかにラベルには「新樽熟成」って書いて有るんだけど、 この値段でここまでマトモな樽香がしっかりついてるワインって珍しいと思う。 味は、そもそも弱いゆえに顕著な樽香にひっぱられてあまり個性を見出せない。
ホント予想外にしっかりと樽香のついた白。 「生臭い食材と樽香は合わない」と思ってる師範だけど、 今日の食材はあまり生臭みはなかったんで比較的良い相性だったように思う。 値段の割には面白味が感じられるワイン。
70点自宅にて

6日(金)

Isla Negra Cabernet Sauvignon 1997
イスラ・ネグラ カベルネ・ソーヴィニョン 1997
Vina Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
Tinto
Rapel Valley (Chile)
ラペル・ヴァレー (チリ)
\6672000/09/17 やまや渋谷店やまや
花金(古いか?)だというのに夜の12時半過ぎての抜栓。 軽めのワインを飲もうかと思ったけど、料理がハンバーグだったんで、ちょいと強そうなこのワインに変更。 って言うか要はボトル全体が真っ黒だったんで「強そう」だと判断しただけなんだけど。 3本で2,000円だったんで、1本あたりは667円のワイン。
色は濃い。ドスンと黒い感じでいかにもチリらしい。 香りはイマイチ。カドのある果実香とツンとくるアルコール臭がメインで、 非常に尖った感じの香り。 味もちょっとねぇ。なんだか酸っぱい。フランス風でもなく、熟成風でもなく、 ただ単に真ん中が抜けたような酸っぱさ。
なんだか飲み心地が悪くて、あまり楽しめなかった。 667円でも「ちょっと高い」って感じかなぁ。
62点自宅にて

4日(水)

Fluyt Pinot Noir 1995
フリュィト ピノ・ノアール 1995
Heemskerk Wine Group
ヒームスカーク・ワイン・グループ
Red
Tasmania (Australia)
タスマニア (オーストラリア)
\4902000/09/17 やまや渋谷店やまや
師範の印象では、激安ワインの産地といえば南フランスやイタリア、スペイン、 新大陸では南米あたりで、このワインの産地オーストラリアは、そこそこ安くて高品質というイメージがある。 でもこのワインは激安490円! 品種も高級品種と言われるピノ・ノアール、 いったいどんなワインか興味津々。
で、まず問題アリなのがコルク。モノ自体はちゃんとコルク樫から取ったコルク栓なんだけど、 周りはボトルに貼りついてるくせに内部はとってもユルユルで、コルクを抜いたつもりがスクリューの周りだけ取れてきて、 結局耳かきで取り出すような作業を強いられる羽目に。 結果、ワインの液面は豪雨の後増水した川のような、 とっても汚らしい状態になってしまった。 ワイン自体も、色や香りの何たるかは置いておいて、とにかく酸っぱい。 最初一口目は、絶対一本飲み干すなんて不可能、ってくらい酸っぱすぎて惨澹たる状態だったんだけど、 (自分が慣れたのか)なんだかんだでやっと一本飲めた、って感じ。
コルク最低&酸っぱさ最高、「安かろう悪かろう」の象徴。
39点自宅にて

1日(日)

Beaune 1er Cru "Montee Rouge" 1992
ボーヌ・プルミエ・クリュ "モンテ・ルージュ" 1992
Louis Violland
ルイ・ヴィオラン
Rouge
Beaune 1er Cru
ボーヌ 1級畑
Bourgogne (France)
ブルゴーニュ (フランス)
\1,8902000/08/26 関内 サンタムールカツミ商会
休日出社しても休みは休み、こういう日は良いワインで一週間をシメたいもんです、 というわけで、名前だけだったら結構なモンであるボーヌの1級畑を。 でも、価格的にはACブルゴーニュに毛の生えた程度なんで、そんなに期待は出来ないんだけど。
色は薄め。ややオレンジがかった感じもあって、いかにも熟成したブルゴーニュ、って感じ。 香りが驚き。およそ1,000円台のワインじゃないっすね、この香りは。 アプリコット・ジャムみたいな熟れた梅の香りと砂糖が軽く焦げた香りがして、 70年代の超一流ブルゴーニュみたい(…って、そういうワインを飲んだことあるか、ってことは置いといて)。 でも味がちょっと残念。最初は「やっぱ酸っぺぇぞ、おい」って味で、値段は質を現わすって感じだったんだけど、 時間が経つと酸味もこなれてきて雰囲気自体は良い感じに変化。でも、いかんせんスケールが小さいんだわ。
おとなしめながら熟成ブルゴーニュの雰囲気が味わえるワイン。 ワイン会とかには不向きだと思う。一人でチビチビ飲む人向け。
79点自宅にて

先月分

by 師範