稽古日誌:2006年8月

 師範家では、毎年夏と年末年始、双方の実家がある九州に帰省します。 家族4人になったんで、 こういう飛行機代の高い時期に移動するのはあまり得策じゃないし、 そもそも年に2回も遠距離の帰省をする家族って少ないかもしれないけど、師範家の場合
  • 両方の実家が比較的近く(車で二時間の距離)にある。

  • 師範/師範代ともお互いの実家に逗留するのが全く苦にならない。

  • 爺婆にちょっとだけでも子供を預けることが出来るのはなによりの息抜き。

  • 親から受けた恩は我が子に返す主義だけど、まぁ孫の顔くらいは見せたい。

  • ってな理由から習慣化しております。
     というわけで、右写真は噴煙を上げる久住山(実家からは遠いけどね)。

    翌月分

    27日(日)

     あっと言う間の2泊3日、今日はもう最終日。

     これが今年の出場選手集合写真。 8本ってのは寂しいですな、過去の「高ワイン道場」史上最少本数記録。 やっぱり15本くらいはいかないとね。 そのためにはやっぱり3泊4日、あとO氏にもまた来年も参加してもらわないと。
     また、ワインのチョイスにはかなりメリハリを付けたつもりだったんだけど、 結果的には(ハズレは無くて良かったものの) 「そこそこ美味い」が連発で面白みに欠けた点が残念。 そのあたりは師範の課題でしょう。でも普段高級ワインなんて買う機会はめったに無いんで、 なかなかコレ!って一本を引き当てるのは難しかったり。 まぁそういう博打っぽさも「高ワイン道場」の楽しみの一つではありますが。

     帰りは午前11時30分頃にお別れして別荘を出発、佐久インターへの途中でガソリンを入れて、 佐久インター前にあるドライブイン「佐久乃おぎのや」で食事。 ちゃんとレストランみたいなのがあると思ったけど、実際はセルフサービスのフードコートのみで、 ちょっとがっかり。食べたのは以下。

    師範:夏!高原カレー \650
    師範代&プチプチ師範代:峠の釜めし \900
    プチ師範代:チャーシューメン \750
    その後子供らはそれぞれソフトクリーム \300を。
     内容的には普通のドライブインのフードコートですな。 でも峠の釜めしがプチプチ師範代にヒットしたらしく、具はほぼ食べきってた。 あと、ココはトイレが広くてキレイなのがナイス。

     そんな感じの昼食の後、佐久インターから高速に乗ったのが12:30頃、 関越は全く渋滞知らずだったけど首都高池袋線で渋滞中の表示あり。 渋滞すると判っていて金を払ってそれに突っ込むというのもバカバカしいんで、 いつもと違うコースを取って、練馬ICで降りて第三京浜まで環八を南下。 高井戸のあたりで軽く渋滞したけど概ねスイスイ、 途中休憩無しで佐久インターから3時間弱の午後3時過ぎには到着しましたとさ(備忘録)。

    Sylvaner "Vieilles Vignes" 2004
    シルヴァネール "ヴィエイユ・ヴィーニュ" 2004
    Martin Schaetzel
    マルタン・シャッツェル
    Blanc
    Alsace Sylvaner
    アルザス・シルヴァネール
    Alsace (France)
    アルザス (フランス)
    \1,4072006/07/13 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
     というわけで涼しく快適な軽井沢より帰って参りました。 夕食は有るもん料理で、ニラ玉、(軽井沢に同行したO氏にお土産に頂いた)スモークサーモン、 ナスとひき肉のニンニク炒め。 ワインは、久しぶりのアルザス産。師範の知らない造り手だけど、 自然派の方(ってくくりもアレですが)らしい。
     色は、アルザスのこの品種(かつこの値段)としてはややシッカリめの黄色。 香りのボリュームもシッカリめ。 シルヴァネールってどちらかというとあまり個性の無い品種だと思うけど、 香りの内容は、同じアルザスのリースリングから灯油っぽさを引いたような、 比較的単純だけど華やかな花っぽい雰囲気。 味も思いのほかシッカリめ。 糖度自体はそれほど高くないんだろうけど、甘いように感じられる濃さがある。 アルコール度数の表記は、12%を消して13.5%と書かれていて、 なんだか予想外に葡萄が熟しちゃった、みたいな。
     なかなか美味しいワインではあるけど、スッキリサッパリなアルザス白を期待していたんで、 今宵のお供には若干想定外だったのが残念。ワインの品質自体は高いと思います、ハイ。
    75点自宅にて

    26日(土)


     軽井沢での「高ワイン道場」の二日目。

     中日の今日は、午前中は上信越道沿いにある娯楽施設、 佐久ハイウェイオアシス パラダというところへ、 お犬様のD君も連れて遊びに。 ドッグランやフィールド・アスレチック、キッズランドなんかで犬も子供も大はしゃぎ。

     昼食は、施設の中にある食事どころバーズカフェで。 ココのテラス席は犬の同伴OK。全員でピザ4種(トマトモッツァレラ/きのことベーコン/ジャガイモ&マヨネーズ/ツナ&マヨネーズ:1枚1,000円)と スナック系の揚げ物少々をシェアして食べた。 ちゃんと石釜で焼かれたピザで、 こういうところとしてはかなりイケてる部類に入るピザだったように思う。 揚げ物はまぁそういうこと言うのは野暮、ってことで。

     パラダを出た後、夕食の材料を購入して一旦別荘へ。 その後お犬様に留守番をお願いして、人間様は昨日と同じ温泉へ、という感じの午後。

     午後5時くらいから昨日同様よなよなエールを飲んだ後、本日の高ワイン道場がスタート。

    Roger Pouillon & Fils "La Vieille Reserve" Premier Cru Brut Chardonnay N.V.
    ロジェ・プイヨン&フィス "ラ・ヴィエイユ・レゼルヴ" プルミエ・クリュ ブリュット・シャルドネ (ヴィンテージ無し)
    Roger Pouillon & Fils
    ロジェ・プイヨン&フィス
    Champagne
    発泡
    Champagne
    シャンパーニュ
    Champagne (France)
    シャンパーニュ (フランス)
    \3,8852006/08/17 かわばた酒店 山信商事
     本日の夕食はバーベキュー。 最初は、師範代実家から届いたマツタケを炭火で焼いて塩とカボスをかけて食べるという、 極めて和風な趣の料理から。 で、「シャンピニオンにはシャンパーニュでしょう」 などとウケない冗談を良いながら飲んだのがコレ、 ブラン・ド・ブランでRM(レコルタン・マニピュラン)によるちょっと良さげな雰囲気の一本。 ちなみに「マニピュラン(Manipulant)」を「マニュピラン」と書き間違えているところも多いですな。 Googleで検索すると「レコルタン・マニピュラン」が708件、「レコルタン・マニュピラン」が161件 ・・・なーんて偉そうに書いておりますが、師範も自信が無かったから調べた次第で。 そして、上記161件の間違い例の中には師範のページもあったりして(恥)。
     屋外かつ林の中なんで景気良くポーンと抜栓。 色は昨日のクリュグと比べると若干薄め。泡も若干粗めな気がするけど、これは先入観かも。 香りは、普通にシャンパーニュに期待する焼きリンゴのような香ばしいフルーツ香がメイン。 香りとしては師範はこっちが好き。 味は、酸のシッカリ感とか余韻の長さとかは明らかに向こうに軍配。それはいかんともしがたいところかと。
     そこそこイケるシャンパーニュではあるけど、クリュグと比べるとやっぱり頼りないところがあるし、 そもそも4,000円の飲み物としてはもうひと頑張り欲しいところでもある。 5,000円くらいで、もーっと焼きリンゴっぽさが強くて、 パーッと華やかなシャンパーニュって無いのかなぁ。 大昔(道場開設以前)に飲んだ、ルイ・ローデレールの1991ロゼなんかそういう感じだったんだけど。
    78点軽井沢別荘にて

    Paretaio 2001
    パレタイオ 2001
    Falchini
    ファルキーニ
    Rosso
    Toscana (IGT)
    トスカーナ (インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
    Toscana (Italia)
    トスカーナ (イタリア)
    \2,6252006/08/17 かわばた酒店 フードライナー
     今日は白は無くて泡の後は赤で。 とはいえバーベキューの食材にはサンマとかイカとかの魚介類系もあるんで、 あまり重そうな赤ワインは避けて、 比較的軽そう(でもそれなりにしっかりしてそう)なイタリア産をチョイス。 知らない造り手の知らない銘柄なんだけど、 品種はサンジョヴェーゼ100%、バリックで12ヶ月熟成/リリース前に最低12ヶ月の瓶熟という、 なかなか凝った造りをされているワインみたい。
     で、バーベキューの火の管理を担当しながら子供の面倒を見ながらワイワイしゃべりながら飲んだんで、 細かいことは覚えちゃいないけど、総括すると期待通り、やや軽めだけどそれなりにシッカリしたワインだったような。 バリック熟成とのことだけど出すぎた樽香もなく、 イタリアに良くある出すぎた酸味もなく、なんとなくボルドーあたりを彷彿とさせるような、 「なんちゃってスーパー・タスカン」なワインだったように思う。
     なかなかバランスの取れた赤ワインで、決して悪くなかったと思うけど、 テラスでの売れ行きはイマイチ。結局この日の食事ではこのボトルの半分までしか飲まず、 残りは夜の部で片付けることに。
    78点軽井沢別荘にて

    Echezeaux "Tastevinage" 2000
    エシェゾー "タストヴィナージュ" 2000
    Faiveley
    フェヴレ
    Rouge
    Echezeaux (Vosne-Romanee Grand Cru)
    エシェゾー (ヴォーヌ・ロマネ特級畑)
    Bourgogne (France)
    ブルゴーニュ (フランス)
    \7,3292006/08/17 かわばた酒店 ラック・コーポレーション
     というわけでバーベキューの時はあまり酒が進まず、 本日のメインであるこのワインの登場は子供らが寝静まった後の夜の部に。 といっても缶ビールを一人1本飲んだ後ワインを3人で1本半空けているんで、それが普通っちゃ普通だろうけど。 ちなみにツマミはチーズ3種(マイルドなウォッシュ、パルミジャーノ・レジャーノ、コンテ・ミレジム)とか、 軽いものに。 ワインは他に、昨日の飲み残しのシラーズと、夕食時の飲み残しのイタリア赤を並べて。
     色は濃くなく薄くなく、ブルゴーニュらしいキレイに澄んだ赤紫。 香りも悪くない。木イチゴっぽいフルーツ香がありながら動物的な感じもあって、 そこそこ複雑感のある香り。ただ、香りのボリュームという面ではちょっと物足りない。 味も悪くはない。ただ、こちらも名門造り手の特級畑としては正直言って単調さを感じる味わい。 もう少しまぁるい甘味とかが無いとねぇ。
     それなりに美味しいんだけど、期待としてはもっと上だったわけで、 残念ながらメイン・ワインの面目躍如とはならなかった次第。 特級畑としては破格の値段が原因なのかなぁ。 あるいはコレを飲む前に食べたリンゴのシャーベットや、 一緒に飲んだシラーズやイタリアが味覚に影響したのかも。 なかなか難しいものであります。
    82点軽井沢別荘にて

     飲んだ酒量が大したことないためか、 時差ボケのO氏と子供を寝かせつけた師範代を除いた大人3人は深夜まで元気にご歓談、 床に着いたのは1時半くらいだったとさ。


    25日(金)


     毎年恒例、N氏夫人実家が所有する軽井沢別荘での「高ワイン道場」。 今年は例年と違い、1日短い2泊3日。 参加者は、N氏ご一家(N氏夫婦、ご子息H君、今年から家族になったフラット・コーテッド・レトリーバーのD君)、 休暇を取ってニューヨークからわざわざ参加のO氏、師範一家。

     出発は例年通り朝6時過ぎ、 首都高湾岸線からレインボーブリッジを通って池袋線で美女木までは渋滞無し。 外環道でやや渋滞があったものの、その後の関越道は全くスイスイ。 横川SA前でプチプチ師範代が目を覚ましたため休憩、 プチ師範代がかき氷を食べるの時間がかかり、最終的な到着時刻は9時半ちょっと ・・・と備忘録。

     午前中の間は宅配便(ワイン)の到着を待ったりしつつゆっくりして、昼食は蕎麦屋きこりにて。 蕎麦は美味しいし、座敷が広くて子供が居ても安心、なにより一番の理由は別荘から近い、 ってことで毎度初日の昼はココを利用。
     今回師範が食べたのはえびおろしそば、1,310円。 蕎麦はちゃんと蕎麦の香りがして歯ごたえもあって、天ぷらは見事に揚げられてカリカリ。 美味い。ちょっと高いけど、旅ってことで気が大きくなっているんであまり気にならなかったり。 というか、期間中に使うお金は出し合ってひとつの財布にまとめちゃってるんで、 個々の出費はどうでも良いような気分になっているわけであります。

     食事の後は温泉へ。 ココも毎度の菱野温泉 常盤館雲の助湯。 標高1,000mの大眺望が気持ち良くて、ケーブルカーは子供らも喜んで、 なにより一番の理由は別荘から近い、ってことで。 外来入浴料金が大人一人1,000円なのはやや高めだけど、 子供の分はサービスして貰ったりしております。

     風呂も入って買出し部隊(N氏/O氏)が夕食の食材をスーパーへ調達に (師範はソムリエ業に専念、ということで居残り。ってか何もすることは無いんですけどね)。 アルコールは、まずは軽井沢に来たら飲まずには居られないよなよなエールを飲んで高ワイン道場のハジマリハジマリ。

    Krug "Grande Cuvee" Brut N.V.
    クリュグ "グランド・キュヴェ" ブリュット (ヴィンテージ無し)
    Krug
    クリュグ
    Champagne
    発泡
    Champagne
    シャンパーニュ
    Champagne (France)
    シャンパーニュ (フランス)
    \15,7502006/08/18 リカーショップ ヒラオカ ヴーヴ・クリコ・ジャパン
     いきなりシャンパーニュの王様「クリュグ」であります。 安ワイン道場の看板を掲げているにもかかわらず、 過去グランド・キュヴェはココとか ココとか ココ、 ヴィンテージはココとか ココとか ココとか稽古経験の多い銘柄 (全て人様のオゴリか割り勘だけど)。 で、印象的には非常に場を選ぶワインで(ジックリ飲むんだったら吉)、 昨今の高騰した金額を考えると師範にはあまりグッとこない銘柄なわけだけど、 O氏の「飲んでみたい」とのご希望により購入。 このクリュグは正規輸入品ってことで(かな?)、たいそう立派な箱に入っておりました。 まぁ大したコストじゃないんだろうけど、なんだかバブリーな感じがしますな。
     気持ちの良い夕刻のテラスで抜栓。 色にはそれほど強い個性は感じられず、普通(のちょっと良さげな)シャンパーニュの色。 ただ、エキス分が多いのか、立ち上がる泡のキメ細かさはなかなかどうして大したもの。 香りは、軽い熟成感やイースト香のある「良いシャンパーニュ」らしい香り。 師範の記憶では、クリュグってもっとずーっと熟成感が強くて、 まるで高菜の古漬けの樽みたいな印象があったんだけど、 このボトルはそこまで特異な感じは無い。 昨今ラベルが変更になったみたいだけど、それと同時にブレンドの傾向も変えたのかな? 味はさすが一流品、強めのコクと強めの酸味が突出することなく口の中に広がって、 かつ長~い余韻を残して喉から胃へ入っていく。なるほどねぇ。
     確かに美味い。好きな人は好き、というかクセになりそうなシャンパーニュではある。 でも、この値段は高すぎやしませんか、というのが正直な印象。 そして、以前みたいな『良くも悪くもクリュグにしかない特異な存在感』は薄らいだ気もする ・・・な~んて偉そうなこと語るなんて全然「らしく」ないわけだけど、 高ワイン道場期間中なので許して頂戴。
    80点軽井沢別荘にて

    Meursault 2002
    ムルソー 2002
    Francois Mikulski
    フランソワ・ミクルスキ
    Blanc
    Meursault
    ムルソー
    Bourgogne (France)
    ブルゴーニュ (フランス)
    \5,2502006/08/18 リカーショップ ヒラオカ モトックス
     良い忘れましたが本日の夕食メニューはジンギスカンであります。
     クリュグの後にスッキリ爽快系の白では全く太刀打ちできないと考え、 ここは定評のある造り手「フランソワ・ミクルスキ」のムルソーをチョイス。 師範も過去アリゴテ(ココココココ) やらパストゥグラン(ココココ)といった最底辺の銘柄とは稽古したことあるけど、 こういうちゃんとしたヤツとは初稽古。
     色は・・・覚えてないけど、それほど濃かったり薄かったり赤かったり青かったりはせず、 普通にブルゴーニュ白な色だったような。 香りは覚えております。いかにもムルソーといった感じの、 蜜香バッチリでバターっぽい香りもあって、目立ちすぎない程度に樽香もあって、という香り。 味もよろしゅうございます。重すぎず軽すぎず、適度な重量感。 酸味と他要素とのバランスも良くて、ついついグラスの進む雰囲気。
     いかにも腕の良い造り手が造るムルソー、という感じ。 華やかさと柔らかさの具合も丁度良くて、2002年産のこのクラスは今飲んで丁度良い時期 (一回目のピーク?)なのかも。 師範としては、ちょうど3倍の価格のクリュグよりこっちの方が好印象。
    85点軽井沢別荘にて

    Aloxe-Corton "Clos de la Boulotte" 1996
    アロース・コルトン "クロ・ド・ラ・ブロット" 1996
    Dom. Nudant
    ドメーヌ・ヌダン
    Rouge
    Aloxe Corton
    アロース・コルトン
    Bourgogne (France)
    ブルゴーニュ (フランス)
    O氏より ラック・コーポレーション
      赤の1本目は、現在N氏が預かっているO氏のワインセラーからの登場で、 O氏自身も買ったものじゃなくて頂き物、とのこと。 アロース・コルトン村のワインで、特級格付けじゃないものは師範も初稽古。 ヴィンテージは良年といわれる1996産、知らない造り手の知らない畑(モノポール)。 ボトルの外からかざしてみるとかなり薄めの色合いで、 良いんだか悪いんだか抜栓前は想像が付かない感じ。
     というわけで興味津々で抜栓。 グラスに注いだ色は、やや薄めではあるけどまずまずの濃さで、 ちょっとオレンジがかった熟成感のある色あい。 香りのボリュームはなかなかのもの。 こちらも樽やら木イチゴといった若い雰囲気の香りはトーンダウンして、 革やら杏といった熟成っぽさが感じられる香りが中心。 味も同じ傾向で、甘味/渋味/酸味が一体となったなめらかな口当たり。 もう少しの甘味と、もう少し味にパワーがあればなお良いなぁ、という感じ。
     ともあれなかなか美味しゅうございました。 値踏みをするようでアレだけど、コレって多分そんなに高価なワインじゃない(下と同じく4,000円くらい)と思う。 そういうのも上手に熟成させると伸びるんだなぁ、と。
    83点軽井沢別荘にて

    Gevrey Chambertin 1er Cru "Les Moniales" 1998
    ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエ・クリュ "レ・モニアール" 1998
    Dom. des Varoilles
    ドメーヌ・デ・ヴァロワイユ
    Rouge
    Gevrey Chambertin 1er Cru
    ジュヴレ・シャンベルタン1級畑
    Bourgogne (France)
    ブルゴーニュ (フランス)
    \4,2002006/06/21 信濃屋横浜店 エイ・エム・ズィー
     上のワインとほぼ同時に抜栓した赤がコレ。 「レ・モニアール」ってのは畑名じゃなくて、 ヴァロワイユが所有するジュヴレ・シャンベルタンの1級畑からの葡萄をブレンドしたものらしい。 たまたま立ち寄った酒屋でヒョロッと見つけた1本なんだけど、 いまどき出てくる1998産、それもそれほど有名な造り手でもないところのもの、 値段もジュヴレ・シャンベルタンの1級畑としてはかなりお手頃、 となるとちょっと怪しい気もするわけですが・・・
     色は、上のアロース・コルトンよりはやや濃い目、 かつ丁度2年分くらい若い感じで熟成感はわずか。 香りのボリュームは、上のワインに負けている。 ただ、まだ若さを感じるピチピチ感があって、師範にとってはこっちのほうが好き系の香り。 味も確かに2年若い。パワーという意味ではこっちが上、 でも渋味にまだカドがあってまろやかさという意味ではあっちが上。
     うーん僅差。でも「若いもん好き」の師範としては微妙にこっちに軍配。 それにしても、ヴィンテージの差は別として、コート・ド・ボーヌのあちらとコート・ド・ニュイのこちら、 土地としてはかなり違うはずなんだけど師範にはその違いは判別できず、 非常に似た傾向を持つと感じられる2本。ま、師範はソムリエさんにはなれませんな。
    84点軽井沢別荘にて

    Domaine Tournon "Mount Benson" Shiraz 2003
    ドメーヌ・トゥルノン "マウント・ベンソン" シラーズ 2003
    M. Chapoutier
    M.シャプティエ
    Red

    (Australia)
    (オーストラリア)
    \2,6042006/08/18 リカーショップ ヒラオカ ミレジム
     上のワインで本日の予定数は終了。で、飲み足りなかった時のために予備として持ってきたこのワインが登場。 さすがに予備は一晩でマル一本は開かないだろうから、 二日かけて楽しめそうな強いワインとして持参したものがコレ、 ローヌの大手シャプティエがオーストラリアで造るシラーズ。 稽古範囲内の値段ながら、ズシリと重いヘビーボトルに期待十分。
     さて抜栓。前の2本がやや古めのブルゴーニュだったってのもあるけど、 相対的にはかなり濃く感じられる色合い。でも、いわゆる豪州産のシラーズにあるような、 まるでコールタールみたいなどんよりした濃さじゃなくて、節度をわきまえた濃さ。 香りはかなりローヌ風。ただ、安ローヌに良くある青畳のようなトボケた田舎っぽさは無くて、 結構洗練された香りの雰囲気。 味もスマート。頼りないって感じは微塵も無いけど、 一般的な豪州産シラーズとはかなり違う傾向で、スーッと背筋の通った芯のある味わい。 「だから凄く美味いか?」と問われるとちょっと困っちゃうけど。
     なるほどねぇ、豪州のシラーズを使ってもシャプティエが造るとこうなるのねぇ、って感じのワイン。 予定通り半分ちょっとで今日は終了、あとは明日稽古。
     というわけで翌日(といっても同じ日に書いてますが)。 口にラップして冷蔵庫に保存されていたんだけど、まったくヘタッた感じはなくて、 前日の印象どおりスマートでシャンとした印象。値段を考えればアタリだと思います、ハイ。
    80点軽井沢別荘にて

     というような初日。朝が早かったこともあり、健康的に11時頃にはご就寝。


    23日(水)

    Chateau Saint-Florent 1999
    シャトー・サン・フローラン 1999
    Ch. Saint-Florent (Christian Couderc)
    シャトー・サン・フローラン (クリスチャン・クーデルク)
    Rouge
    Bordeaux
    ボルドー
    Bordeaux (France)
    ボルドー (フランス)
    \9112006/08/04 関内 サンタムール カツミ商会
     午後11時以降とかに開けるワインは、やっぱり1,000円以下がふさわしいし、 かといって休肝日明けに500円とかってのもちょっと寂しいし・・・ というわけで、金銭的ストライクゾーンが非常に狭い状況下、 半ば必然的に食卓に登場させられたのがこのワイン。 クソ暑い夏の夜にボルドーの赤というのもどうかと思うわけですが。 さらに、ACボルドーで既に7年前の1999産、1,000円以下。客観的にはヤバさ満点。 でも、ラベルの雰囲気とかがなんだか美味そうな雰囲気を醸し出していたので購入に踏み切った一本。
     さて抜栓、色は想像したよりちゃんといた紫色で一安心。 白熱電球下では普通にボルドーの色だけど、 昼光色蛍光灯下にもっていくとやや褐色がかった感じ。 ちなみに色の差は白熱電球より昼光色蛍光灯のほうが、より差分が判りやすいように思う。 香りは、結構熟成感が現われている。 若いボルドーにあるカシスっぽいフルーツ香とか草むらっぽい青臭い感じは弱くなっていて、 敢えて例えるとアクリル工場の中で奈良漬を食べる犬を柔らかくしたような、そんな(どんなだ?)香り。 と、色や香りはまだまだ存在感もあって良かったんだけど、 味は若干ヘタリかけ。ワインの死骸とまではいかないけど、片足棺桶に突っ込んでしまっている。
     良くも悪くも「熟成安ボルドー」だな、と。 値段を考えればまぁこんなもんだろ、ってことで不満は無いし、 面白いっちゃ面白い。何は無くとも熟成ワインが好き、って方にはヒットしそうだけど、 若いモン好きの師範にはいまいちヒットせず。 時間的にもあまりたくさんは飲めなくて、若干無謀にも1/3を明日に残して再稽古の予定。
     バキュバンせずに冷蔵庫に保存した翌日稽古して、ヒックリするくらい昨日の雰囲気を保っていることを確認。 正直もっとスカスカになると思ったんで、良い意味で意外、2点プラス。
    67(+2)点自宅にて

    20日(日)

     本日は、ご近所さんから「ルーフバルコニーにプールを出したので遊びにきませんか」とのお誘い。 というわけで食事はウチが用意して、手巻き寿司で。ワインも師範が持参。

    Moli de Foc Brut N.V.
    モリ・デ・フォク ブリュット (ヴィンテージ無し)
    Covides
    コビデス
    Espumoso
    発泡
    Cava
    カバ
    Barcelona (Espana)
    バルセロナ (スペイン)
    \1,2002006/07/09 Wine & Mart 樽屋 スペイン・グルメ・トレーディング・ジャパン
     泡モノは欠かせないでしょ、ってことで持参したのは、スペインのカバ。 カバって、独特の金属的なエグさのあるものも多いけど、 このワインはお店で試飲して、あまりそういう雰囲気が無かったと思い購入。 まぁ師範ごときではお店の試飲でワインの全貌を掴むことなんて無理なんだけど、 それでもしないよりゃ安心できるんで、まず問題なかろう、ってことで。
     外観上、色はかなり薄めのレモン色。泡の量は少なめ(抜栓時にコルクを押し上げる力が弱め)だけど、 泡のキメはやや粗めに思える。とはいえグラス(の洗い方?)がいつものと違うんで、 あまりあてにはならないけれども。 香りはまぁ普通かなぁ。シャンパーニュとかとは違って、 イーストっぽさはあまり感じずフレッシュなフルーツの香りがメイン。 味もそこそこ普通。軽めで引っ掛かりが無く、スルスル飲める感じ。
     というわけで、とりわけどうということもないスパークリングだけど、 明るいうちから飲むんだったらこれはこれで十分かと。 温度が上がるとさすがにエグっぽさが出てくるんで、きっちり冷やすことをお勧め。
    72点ご近所さん宅にて

    Erta e China 2003
    エルタ・エ・キーナ 2003
    Renzo Masi
    レンツォ・マージ
    Rosso
    Rosso di Toscana (IGT)
    ロッソ・ディ・トスカーナ (インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
    Toscana (Italia)
    トスカーナ (イタリア)
    \1,0292006/08/17 かわばた酒店 アサヒビール
     持参したもう一本は、ご近所さんは白はあまり好まれないので、手巻き寿司だけど赤を。 土曜に到着したばかりのワインの中から選んだのは、軽快そうなイタリア産。 この造り手は、安くて美味いワイン造りを心がけている方らしい。 品種はサンジョヴェーゼが50%/カベルネ・ソーヴィニョンが50%、1年使用の中古小樽で14ヶ月熟成とのこと。
     子供らも入り混じってワイワイと飲んでいたんで、あまり細かいことは覚えちゃいないけど、 色はまぁ普通だったような(って今日は「普通」ばっか)。 香りはなかなか感じが良くて、サンジョヴェーゼのイタリアっぽさ、カベルネ・ソーヴィニョンの落ち着きに 樽香がプラスして、結構複雑さのある香り。 味は、期待通り軽めの雰囲気で、手巻き寿司に合わせても問題なし。 イタリアの安ワインにありがちな度を越した酸味も無くて、こちらもスイスイ系。
     狙い通りのワインでなかなか良うござんした。 コレが1,000円ちょっとっていうのはかなりお買い得。レンツォ・マージさん、 覚えておいて損は無い造り手かも。
    77点ご近所さん宅にて

     午後8時半くらいに退散、師範はその後いきなり寝ちまいましたとさ。


    19日(土)

    Chateauneuf du Pape "Tradition" 2003
    シャトーヌフ・デュ・パプ "トラディション" 2003
    Dom. de Panissse (Jean-Marie Olivier)
    ドメーヌ・ド・パニス (ジャン・マリー・オリヴィエ)
    Rouge
    Chateauneuf du Pape
    シャトーヌフ・デュ・パプ
    Cotes du Rhone (France)
    コート・デュ・ローヌ (フランス)
    \2,075 (送料込み3本セット\6,804)2006/07/13 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
     最近の天気に対して批判的なことを昨日書いたからか、 今日は朝から思いっきり夏らしい、日差しも強くて気温も高い一日。 もーぉクソ暑い、参った。 天気の神様に「偉そうなこと言って申し訳ありませんでした」と謝罪したい気分。 そんな一日なんで、料理は比較的サッパリ系で和風ローストビーフとか。 ワインは、3本セットの最後の一本で、シャトーヌフ・デュ・パプ。 通常売価は2,499円、 セパージュは樹齢70~80年のグルナッシュ70%/ムールヴェドル20%/シラー10%とのこと。
     色は、想像したよりは薄めで、ブルゴーニュの濃いヤツくらいの色合い。 グラスの内側には小さな気泡が・・・苦手なんだよなぁ、スティルワインに残る微炭酸。 香りも思ったより弱めで、雰囲気はいかにもローヌらしい畳に染み込んだイチゴジャムのような香り。 口に含むと、やっぱり感じる微炭酸のジリジリ感。 でも、その向こうにはかなりしっかりした甘味とボリューム感(アルコール?)が感じられ、 よく熟れた葡萄だったんだろうな、と想像される。
     抜栓後時間が経つと、苦手な炭酸は飛んで香りも開いてきて、なかなか楽しめるワインに変化。 コレですよコレ、って感じ。
     最初はイマイチだったけど、抜栓後2時間も経つと結構調子を上げてくるワイン。 一人でじっくり飲む醍醐味ですな。 もし大人数で飲む場合はデキャンタしたほうが良さそう。 ま、2,000円を超えるワインなんで、これくらいのパフォーマンスは期待されるわけだけれども。
    75点自宅にて

    18日(金)

    Le Marsure Pinot Grigio 2004
    レ・マルスーレ ピノ・グリージョ 2004
    Tersa Raiz
    テルサ・レイツ
    Blanc
    Venezia Giulia (IGT)
    ヴェネツィア・ジュリア (インディカッツィオーネ・ジェオグラフィカ・ティピカ)
    Friuli Venezia Giulia (Italia)
    フリウーリ・ヴェネツィア・ジュリア (イタリア)
    \1,190?2006/08/04 マルシェ・ディ・ジュール モトックス
     むし暑い日が続いております。 日差しが強かったりでカラッと暑いのはいかにも夏って感じで、 それはそれで良いんだけど、 日は出ないのになんだかジトーッと暑いのは風情もクソもあったもんじゃないですな。 と、そういう不快な気分を払拭するべく選んだワインがコレ、 イタリア北東部のピノ・グリージョ。なんだかんだで飲み始めたのは深夜12時頃。
     色の濃さは薄め。心なしか緑色がかっているような色合い。 香りは、ユリとかの花みたいな明るい香りで、結構ボリュームがあって良い感じ。 こりゃ良いわ、と気を良くして口に含むと・・・なんだかカタブツ。 ごく僅かだけど炭酸があって、渋味っぽい感じに口のなかをギュッと絞られる感じで。 不味いわけじゃないけど、なんか口に運ぶたびに戦いを挑んでいるような気分。
     うーん、難しい。 北イタリアの安ワインって、こういう堅く険しい白が多いような気がする。 他の地域ではガヴィとかもそうだし。 フランスなんかだとそういう雰囲気のはあんまりないような。 熟成させると柔らかくなるのかなぁ。
    69点自宅にて

    16日(水)

    Casa la Luna Tempranillo 2004
    カーサ・ラ・ルナ テンプラニーヨ 2004
    A.V.S.A.
    A.V.S.A.
    Tinto
    Casitilla y Leon (VdT)
    カスティーヤ・イ・レオン (ビーノ・デ・ラ・ティエラ)
    Castilla y Leon (Espana)
    カスティーヤ・イ・レオン (スペイン)
    \530 (3本セット \1,555 : 単品価格 \680)2006/08/04 関内 サンタムール カツミ商会
     本日のワインは、3本セット1,555円で店の表に売られていたもの。 その中で、一本での売価が一番高かった(っつっても680円)のがコレ、 スペイン産のビーノ・デ・ラ・ティエラ。 だいたいこういうセット自体が怪しさ満点だし、 好きでもない安テンプラニーヨが入ってるのになぜ買うか!って感じだけど、 なぁんか最近1,000円以下のワインに食指が動かず、 やや安ワイン根性を失いつつあるんで、気合を入れなおすために買ったもの。 ちなみに料理は、大根と水菜とトマトと揚げジャコのサラダ、鶏の唐揚げ。
     色は普通。特に薄いわけでもなく、さりとて濃いわけでもなく、といった感じ。 香りは、いかにも安赤ワインって感じで、 プラムのような酸を感じる香りとなんとなく渋そうな香りがあるのみで特段の個性は感じられない。 その分、師範の不得意なヤニっぽさも控えめなのはありがたいけど。 味は、ちょっと許容の範囲を超えて酸っぱい。 数杯飲んでも慣れることは無く、いつまでも酸っぱい。
     うーん、これはイケません。単純な上にこの酸味だと、飲む楽しさが感じられません。 あ、酸味に飢えた妊婦さんには良いかも・・・って、妊婦さんは飲んではイケマセン。
    54点自宅にて

    13日(日)

    Bourgogne Pinot Noir 2004
    ブルゴーニュ ピノ・ノワール 2004
    Chauvenet - Chopin
    ショーヴネ・ショパン
    Rouge
    Bourgogne
    ブルゴーニュ
    Bourgogne (France)
    ブルゴーニュ (フランス)
    \1,7902006/08/04 マルシェ・ディ・ジュール ラック・コーポレーション
     午前中は町内のお神輿に参加したり、午後は外出したりで慌しかった日曜、 夕食はニュージーランド牛の簡単ステーキ(塩コショウで焼いてニンニクチップで)、 ブロッコリーとタコと2種のトマトのサラダ、タラコ・スパゲティ。 ワインは、過去の稽古で安くて美味い印象のある造り手、ショーヴネ・ショパンのACブルゴーニュ。
     色はACブルゴーニュとしてはやや濃い目で、 透明感のあるキレイな赤紫。 香りは、思いっきりゴム革系の雰囲気で、ボリュームもかなりある。 口に含むと、あまりのゴム革っぽさで生臭く感じるくらい。 味は、いわゆるブルゴーニュとはちょっと雰囲気が違ってて、 なんだか南仏のピノ・ノワールのような甘苦さ。
     それなりに力強さはあるんだけど、なんかブルゴーニュっぽく無いかなぁ、と。 ACブルゴーニュクラスだと、昔は薄くてペラッペラのものが多かった気がするけど、 最近はこういう変に熟れた感じのものも多いなぁ、と。
    70点自宅にて

    11日(金)

    Lomasol Reserva 1999
    ロマソル レセルバ 1999
    Miguel Calatayud
    ミゲル・カラタユド
    Tinto
    Valdepenas
    バルデペーニャス
    Valdepenas (Espana)
    バルデペーニャス (スペイン)
    \1,1342006/07/13 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
      先週末に金魚すくいで貰ってきた金魚、 やはり百均で買ったプラスチックの小さな金魚鉢では厳しかったらしく、 一匹一匹とお亡くなりに。そしていよいよ最後の一匹になってしまった。 プチ師範代にどうするか聞いたところ、『川に逃がしてあげたい』とのこと。 判るなぁ、その気持ち。最後の一匹が死んじゃうのを見るのって辛いからね。 金魚にとって幸せなのかどうかは判らないけど、そうしてあげました。
     ・・・んなことは置いといて、ワインはちょっと古めのスペイン産。 スペインでこういうマイナーな産地だと、レセルバ・クラスでもこんな値段で買えるわけで。
     色は、基本的には濃いめの紫で、そこにわずかにレンガ色の熟成感をプラス。 香りには色より先に熟成が出ているみたいで、 カブトムシの幼虫が住む朽木のような、酸っぱいような退廃的な香りがする。 当然ながらスペインらしいヤニのような田舎っぽさも同居。 味は、渋くて甘くて酸っぱい。さすがにレセルバ・クラスなんで、 それらのまとまりはなかなかのもの。
     1,000円ちょっととは思えない、まとまりの良さと熟成感が味わえるワイン。 ただ、師範の個人的な嗜好だと、 どーもこのヤニっぽくて退廃的な感じってのが気になるんだなぁ。 そういうの最初から判ってて買うのもアレだけど。 ともあれ普通の体質の方にはお薦めのワイン。
    73点自宅にて

    9日(水)

    Chateau Laures 2005
    シャトー・ローレ 2005
    Ch. Laures (Trolliet)
    シャトー・ローレ (トロリエ)
    Blanc
    Entre-Deux-Mers
    アントル・ドゥ・メール
    Bordeaux (France)
    ボルドー (フランス)
    \1,1972006/07/13 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
      夕食は鶏肉のトマト煮とかだったんだけど、 ムシムシした夜に赤を飲むのも気が乗らず、白をチョイス。 このワインは、適当に安い白でも買おうと販売店のトップページを見たら 「週間人気ベスト10」の一位にコレが。 「\980(セール価格)」と書かれていたのでポチッと買い物カゴへ。 買った後によくよく見たら値段は\1,197だった。\980ってのはセール時の価格なのね。 ちゃんと確認しなかった師範も悪いけど、ちょっと騙されたような気がしないでもない。
     色は普通に薄めの黄色。2005年産と若い割にはやや若さの無い色に感じられたり。 香りは、色の印象とは異なり良い意味で若さハツラツ。 沈丁花のような花の香りがパーッと。 味は、渋味にも似た下のジリジリ感がちょっと飲みづらかったりするけど、 ピチピチとフレッシュな感じで、全体的にはバランスも悪くなくなかなか上等。
     というわけで、香りは華やか、味もフレッシュでなかなか侮れない白。 2005年って、確かボルドーはとても良い年ということで、 1級なんかは天文学的な値段が付いていたと思うけど、 その恩恵もあるのかな?
    72点自宅にて

    6日(日)

     いよいよ長かった夏休みも最終日。
     本日の昼食は、プチ師範代のリクエストにお応えして、 近所のファミレス サイゼリヤで。注文は以下。
    師範:パルマ風スパゲティ \399 + ベジタブルセット \280 + ワイン(デカンタ 250ml) \190
    師範代:フレッシュトマトのスパゲティ \499 + ベジタブルセット \280
    プチ師範代:キッズプレート \199 + ドリンクバー \120
    プチプチ師範代:キッズプレート \199
    安いなぁ。下のワインも含めて家族4人で2,000円強の外食。 スパゲティの味としては、昔の喫茶店を彷彿とさせるようなケチャップっぽいトマトソースで、 後で胸焼けしたりするわけだけど、とにかく安い。

    Molise Bianco N.V.
    モリーゼ・ビアンコ (ビンテージ無し)
    ???
    ???
    Blanc
    VdT?
    ヴィーノ・ダ・タボーラ(かな?)
    (Italia)
    (Italia)
    \190 (250ml)2006/08/06 サイゼリヤ横浜ビジネスパーク店 ???
     ここでも安ワイン道場魂を発揮し、ワインを注文。 サイゼリヤ、ワインが恐ろしく安いですな。 このハウスワインは250mlのデカンタでなんと190円。グラスだと100円、1500mlのマグナムボトルでも1,060円。 レストラン?で供されるワインの価格としては最廉価ではなかろうかという勢い。 ちなみにハウスワイン以外も安くて、フルボトル1,030円が4種、1,980円が3種。 ハウスワイン含めて、全て直輸入/定温輸送らしい。
     で、飲んでみると、想像よりしっかりはしている。 色はほとんど無色で、香りはブドウ+ゴムな感じで、味はやや甘くほんのり酸っぱくて。 ただ、なんだか補糖とか補酸みたいな、醸造上の手練手管を駆使したような感じがねぇ。 イタリアってそういうのはDOC上禁止されていたと思うけど、 VdTクラスだと良かったっけ?
     というわけで、料理と同様ある意味「安さのヒミツは内容にアリ」なわけだけど、 この値段だからね。それでも十分と思う人はきっと居るはずで、 ワインなんてそれくらいの値段で外でも飲めるもの、 ということを浸透させてくれているのは安ワイン者には大歓迎。
    67点「サイゼリヤ横浜ビジネスパーク店」にて

     夕方は我が町内会の盆踊り(夏祭り)。昨日とは別の場所で。
     食べ物はかき氷が50円、味噌おでんが50円。エンターテイメントは金魚すくいが2枚100円、 輪投げが4個50円(入ろうが入りまいがオモチャ付き)。それだけ。なかなかストイックな夏祭り。 金魚は元気が良すぎで全然上に浮いてこなくて、 歴戦の覇者たる師範をもってしても全く掬いようが無い連中。 だから「ぼったくり」かと言えば全く逆で、 まず町内の子供たちには無料券が配られているんで基本はタダだし、 そもそも『一匹も掬えなくても何匹でも持ち帰りOK』という豪快なシステム。 10匹くらいくれそうになるのをなんとか遠慮して4匹だけお持ち帰り。 それでも生き物を飼っちゃうと死なせるわけにはいかないからねぇ。 軽い重量の割にはなんだか重いものを持ち帰っちゃったわけですが。

     で、盆踊りに行く前から飲み始めて、中2時間を開けて飲んだのが下のワイン。

    Fixin 2003
    フィクサン 2003
    Vincent et Denis Berthaut
    ヴァンサン・エ・ドニ・ベルトー
    Rouge
    Fixin
    フィクサン
    Bourgogne (France)
    ブルゴーニュ (フランス)
    \2,7092006/07/13 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
     料理は手巻き寿司。寿司種は本マグロの赤身とか、アジとか、イカとか、カイワレとか、梅肉とか。 そういう料理に赤ワインですよ、皆さん。 まるでどっかのワイン屋の店長(スキンヘッド)みたいなわけだけど、 ここんとこ赤比率が低かったからね。いかに夏場とは言え、 ちょっとバランス悪い(というか純粋に赤が飲みたい)ってことで。 で、魚にもイケそうな赤として選んだのが、ブルゴーニュの最北端に近いところにあるフィクサン。 この銘柄は1998産と稽古済み。 かなり好印象だったのと、温暖で低級アペラシオンに恩恵大な年ってこともあって購入。
     色はちょっぴり想像通りで、ヴィンテージの恩恵をきっちり受けたような、 北ブルゴーニュとは思えない濃さ。 香りもちょっと濃い。ボリュームは大したこと無いけど、 焼けたような感じがいかにも温暖年。 で、味もそう。このアペラシオンではあり得ないくらい渋味が強くて、 口の中は渋柿をかじったみたいな感じに。
     抜栓後4時間とか経っても全く固いまま。うむー。
     この村に期待する、キュートでまとまりの良いワインなんかじゃなくて、 大柄で豪放、明らかに長熟型と思われるワイン。 想像した方向ではあったけど、かなり想像を大きく超えすぎていた感じ。 高々3年かそこらの熟成ではまだまだ若すぎで、 手巻き寿司には全く合わないワインでございました。あぁもったいないことした。
    72点自宅にて

    5日(土)

    本日はお隣の町内会の盆踊り(夏祭り)。

     主催が町内会なんで、テキヤも町内の人たち。だもんで安い安い。
    缶ビール:200円
    フランクフルト:80円
    おでん(2個):50円
    ヨーヨー釣り:50円
    プチ師範代は保育園のお友達と仲良く遊んでいるんで、 こちらはプチプチに気を配りながらビールをカプカプと。

     家に帰って、新たにワインを開けるのもアレなんで↓なんぞを。

    ほんのり甘い 梅わいん (ヴィンテージ無し) サントネージュワイン(株)
    山梨 (日本)
    \618 (1000ml)2006/08/04 富士スーパー 横浜南店
     夏祭りで結構ビールを飲んだんで、ここでワインを開けるのもどうかと思い、 昨日からチビチビ飲み始めたコレを。 安ワイン道場の掲載基準である「ワインであること」に合致するかどうか、 すれすれな位置にある梅ワインだけど、 以前も載せているんで先例主義で今回も掲載。 今回のは紙パック1000mlで680円、いわゆる激安ワインとも渡り合える低価格。 紙パックの側面には梅ワインと梅酒との違いが書かれていたりする。
     色はほぼ無色。ちょっぴり色の着いた清酒程度の色合い。 香りは、梅の香りがパーッと・・・と思ったけど、実際はそれほど強い香りは無くて、 それこそほんのり、って感じ。 味は、確かにほんのり甘い。梅酒なんかと比べると、良く言えば素直/悪く言えば物足りない味わい。 やや酸味もあったりするんで、普通のワインと同じようなピッチで飲むことが可能。
     香りがあまり立たないし、物足りなくはあるんだけど、なんだかスイスイ飲めてしまうアルコール飲料。 凍るくらいに思いっきり冷やして飲んで吉であります。
    68点自宅にて

    4日(金)

    Champagne de Saint Gall "Blanc de Blancs" Premier Cru Brut 1998
    シャンパーニュ・ド・サン・ガル "ブラン・ド・ブラン" プルミエ・クリュ ブリュット 1998
    Union Champagne
    ユニオン・シャンパーニュ
    Champagne
    発泡
    Champagne
    シャンパーニュ
    Champagne (France)
    シャンパーニュ (フランス)
    \3,5492006/07/13 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
     本日はプチ師範代の誕生日。もう六歳、来春からは小学校、早いもんであります。 料理は彼女のリクエストに応えて、タラコスパゲティ。それだけじゃアレなんで、 スパゲティにはイカとイクラを添えて、そのほかにハンバーグ、キャベツとベーコンの炒め物も拵えて。 お祝いってことでワインはシャンパーニュを。 この造り手(協同組合)のノン・ヴィンテージのものとは以前稽古済み、 かなり好印象。
     色は薄め。レモン色と麦わら色の中間くらい。 泡のキメは細かく泡立ちもバッチリ。 香りは、雰囲気もボリュームもいかにもシャンパーニュ。 口に含むとそれなりに熟成香が漂ってくるかな、という感じ。 味のバランスはお見事。"ブラン・ド・ブラン"なんで葡萄品種はシャルドネだけなんだろうけど、 コクがあったりほのかに渋みもあったりで、なかなか複雑な味。 ただ、以前飲んだ廉価版と比べて特に何らプレミアム感がないのが残念。
     とはいえやっぱりシャンパンは美味いっすね。 同じような品種を使って同じように造った他地域のスパークリング・ワインともどこか違うんですな。 だからといって最近の価格高騰を容認するわけじゃないけど。 美味いけど高いっすよね、シャンパーニュ。
    80点自宅にて

    3日(木)

    Chateau de Cugat "Cuvee Premiere" 2001
    シャトー・ド・キュガ "キュヴェ・プルミエール" 2001
    Ch. de Cugat (Vignobles Benoit Meyer)
    シャトー・ド・キュガ (ヴィニョーブル・ブノワ・メイエ)
    Rouge
    Bordeaux Superieur
    ボルドー・シューペリュール
    Bordeaux (France)
    ボルドー (フランス)
    \1,291 (送料込み3本セット\6,804:単品価格 \1,554)2006/07/13 ヴェリタス ワインプレスインターナショナル
     というわけで九州より帰って参りました。 帰省期間中、一日たりともワインを飲まなかった日が無いってのは初めてのことのような。 もちろん己がそう仕向けた部分もあるけど、 高速のインターそばにワイン屋さんがあったり、 普通の旅館にワインが置いてあったり、環境的にもワインが浸透して来ている気はする。 「ワインブーム」が去って久しいと言われてはいるけどね。 螺旋階段のように同じところをグルグル廻っているように見えて、 徐々に高さは上がってきているんでしょう。
     そんなわけで、夕食は食材が全く無いためレトルトカレー。 師範はここ数年定番のヤマモリのタイカレー(イエロー)。 カレーに合うワインなんて無いんで、食事とは全く関係なく選んだのがこの3本セットに入っていたボルドー。
     色は普通にボルドーらしい青く濃い紫。2001年といえばもう5年も前だけど、 熟成や退色した感じは一切無し。 香りは、甘いカシス・リキュールの香りと甘い樽香。 なんとなく米国のジンファンデルみたいな、あまりにストレートで判りやすい香り。 味も、まるでニューワールド産みたいな判りやすさ。 でも、ソレが良いんですわ。同じ雰囲気のワインだとコレみたいな感じで。
     いわゆるイニシエのボルドー・ファンには受けない雰囲気かもしれないけど、 師範は好きです、こういう判りやすいの。 ブルゴーニュで言えばグロ・フレール・エ・セールのオート・コート・ド・ニュイみたいな感じで。 単品価格の\1,554でも十分お買い得。
    80点自宅にて

    2日(水)

     九州帰省最終日前日。はしゃぎすぎたプチ師範代がプチ発熱で一日中実家に。

    Sancerre "Les Charmes" 2004
    サンセール "レ・シャルム" 2004
    Dom. Andre Vatan
    ドメーヌ・アンドレ・ヴァタン
    Blanc
    Sancerre
    サンセール
    Loire (France)
    ロワール (フランス)
    師範義父から フィネス
     師範代父に用意して頂いたワインの最後の一本。 スーパーだかディスカウントだかで買ったという話だったけど、 この3本を見立てた店員さんはなかなかの腕前ですな。 皆フランスながら全く個性の違うものが選ばれていて、 一度に飲んでもカブリの無いラインナップで。 というわけで今日はサンセール。 なんか聞き覚えがある造り手だなぁ、と思っていたら、2年前に2002産と稽古済み
     色は非常にしっかりしたレモン色。 香りは、「これぞロワールのソーヴィニョン・ブラン」って感じの、 涼やかな草っぽい香りがバリバリの雰囲気。蜜香なんかがミッチリのシャルドネも良いけど、 こういうストイックな雰囲気も良いなぁ、と。 少なくとも香りのボリュームはそんじょそこらのワインとは別格。 味も、香りの印象通り非常に涼やか。でも、決して軽かったり薄かったりするわけじゃなくて、 濃さはしっかりしているんだけど一本スジの通ったシッカリ感にいろんな要素をまとっている感じ。
     これまたなかなか楽しいワイン。オクラのてんぷら、馬刺し、カンパチのカマの塩焼き、 なんてなメニューには樽の効いた白よりこういうのがピッタリ。
    78点師範代実家にて

    1日(火)

    本日は宿(九重星生ホテル)から師範代実家への移動日。

     この宿で、なんといっても気持ち良いのが「山恵の湯」と名付けられた露天風呂であります。 広いし湯種も湯量も豊富だし。 外来入浴も出来るんで、お近くにお運びの方は是非ご利用下さい、 なんてまるで関係者みたいなこと言ってますが、 利用する立場としても適度に繁盛してきちんとメンテして欲しいからね。
     あと、欲を言えば、露天風呂の朝の営業が7:00からと旅館としては遅く、 清掃の入る火曜/金曜(だっけ?)は7:00~8:00のみの営業と、非常に短いこと。 だいたい旅館での宿泊ってあまりやること無くて早めに寝ちゃうんで、朝はみんな早起き、 もう少し早くから(遅くとも6:00くらいから)営業して頂けると助かります。
     朝食も、いかにも「旅館の朝食」であります。 早起きして散歩して風呂入った後の朝食で、 焼き魚やら佃煮やら湯豆腐やら漬物やらと、 塩分の多いメニューなんでついついご飯のお代わりをしてしまいます。 ま、朝はこんなメニューで十分かな。酒飲むわけじゃ無いしね。

     宿を出て(師範の実家ご一行とはここでお別れ)、 午前中に師範代実家へ移動。

    Moet & Chandon Brut Imperial Rose N.V.
    モエ・エ・シャンドン ブリュット・アンペリアル・ロゼ (ヴィンテージ無し)
    Moet et Chandon
    モエ・エ・シャンドン
    Champagne
    発泡
    Champagne
    シャンパーニュ
    Champagne (France)
    シャンパーニュ (フランス)
    師範義父から MHD ディアジオ・モエ・ヘネシー
     師範代の父(師範義父)が今回用意してくれたワインの2本目は、 大メジャーであるモエ・エ・シャンドンのロゼ。 前日に誕生日を迎え、 いつの間にか天才バカボンのパパと同じ年齢になってしまった師範へのお祝いってことで。 料理は、カンパチの刺身とか。カンパチは師範義父が市場からマル一本買ってきて捌いたもの。 鮮度が良くてプリップリ、これぞ九州の魚であります。 こういう魚だとワインにあわないはずもありません。
     色はかなりしっかりしたピンク色。上品か下品かでいったらやや下品系だけど、 「ドンペリと同じ造り手のモエ・シャンドンのロゼ」 っつったらこれくらい色が着いてないとダメな気がしないでもない。 香りは、特段普通のシャンパーニュと違うところはなく、 フルーツ香とイースト香がほどよくミックスされた感じ。 敢えてロゼらしさを見つけるとすれば、 どこかブルゴーニュみたいなピノ・ノワールっぽい獣香があるくらいかな。 味は、ホント感心するくらいよく出来たバランス。 酸味もそこそこ、なんとなく甘味もあって、奥のほうには黒葡萄由来の渋味もあって。
     さすがは大手の品、値段が高い割にはダメなロゼが多い中、キチンとステップアップが感じられるロゼ。 余計なこと考えず、見た目華やかなロゼでちょっと高級感を醸し出したいのであれば、 入手の容易さもあって推奨銘柄かも。 と、なんか批判的な口調ではあるけど、美味いのは美味いっすよ、間違いなく。 5,000円を超えるらしい値段にどうかなぁ、と思うだけで。
    80点師範代実家にて


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    by 師範