稽古日誌:2016年3月

横浜三塔

 3月、花粉さえ無ければ良い季節なのになぁ。

 左写真は、朝散歩の途中、横浜赤レンガ倉庫前から撮った朝日を受ける横浜三塔。 左側のレンガ色のボディに三角の屋根が載ったのがキングの塔(神奈川県庁本庁舎)、 右側のベージュ色のボディに丸い屋根が載ったのがクイーンの塔(横浜税関)、 そして真ん中、ほとんど見えないけど鉄塔の左下にあるのがジャックの塔(横浜市開港記念会館)。 一度に三塔すべて見えると願いが叶う、という噂ですが、 ココに来ればいつでも誰でも見えるのでマユツバです。

 このあたりの、いわゆる昔からの横浜の中心部って、 朝散歩ではしばしば訪れるんだけど飲んだり食べたりで使うことはあまりありません。 というのも、師範の勤務先は東京方面にあって、道場は横浜駅から戸塚方面に位置するんで、 こっちは路線的に枝分かれしちゃうんですな。 このあたりの昼や夜の店をもっと深く知れれば、随分飲食生活の豊かさに幅が出るんだろうけどなぁ、 と思うところではあります。


30日(水)

El Caliente 外観

 本日は、師範の職場で大活躍だったMr氏が晴れて元の職場に戻られる、ってことでメンバーで送別会。 場所は、品川の駅ビル"アトレ"の中にあるEl Caliente(エル・カリエンテ)というメキシコ料理店。

 店は、外の通路から仕切られておらずスタイリッシュで開放的な感じ。 なんだかファッショナブルなヤングがワイワイとエンジョイしている雰囲気です(って表現がオッサン臭いなぁ)。 今回我々は5名なんで、その中の普通のテーブルに案内されました。 ちなみにオープンエアなテーブルもあるようですが、3月いっぱいは閉鎖中だそうです。

El Caliente 料理

 料理は、いわゆるメキシカンなものをいろいろと。 北米赴任経験のある二人に言わせると『アメリカナイズされたメキシカン』だそうですが。 左写真は、Fajita(ファヒータ)という料理。 鉄板の上に野菜と肉(チキンとビーフ)が載せられ、それにテキーラをかけてフランベしたあとトルティーヤで巻いて手で食べる、 というもの。いかにもメキシコらしい豪快な料理です・・・ってメキシコ行ったこと無いですが。

 そのほかにも、Enchiladas(エンチラーダ)とかGuacamole(ワカモレ)とか、 メキシコ料理に馴染みの無い師範にとってはまるで暗号のような名前を持つ料理の数々を頂きました。

Mas y Mas Brut Reserva N.V.
名称Mas y Mas Brut Reserva N.V.
マス・イ・マス ブルット レセルバ (ヴィンテージ無し)
生産者Bodegas Pinord
ボデガス・ピノルド
価格(2,700円)
購入店El Caliente

 このお店のワインリストは師範のような安ワイン者に優しく、 税別2,500円で泡3種類、白8種類、赤9種類が選べます。 それ以外にも泡5種類、白9種類、ロゼ1種類、赤11種類あって、そのほとんどが10,000円以下でした。 そして当然2,500円の中からチョイスしたのは、スペイン産のカバ。 他は見知らぬイタリア産のスプマンテ(白とロゼ)だったので、ここは「君子危うきに近寄らず」であります。

 まずは5人で乾杯。ちなみにグラスは小ぶりなフルート型です。 また、ワインの管理は店の方がしてくれて、大繁盛な店ながらグラスが空になりそうになったら注ぎに来てくれます。

 色は・・・照明が暗いので判りません。 泡立ちのキメは細かいですが、泡のボリューム自体はどちらかというと控えめだったように思います。 香りは、特に目立った特徴は無いものの、飴と柑橘類の香りがあって、雰囲気は悪くありません。 味わいは、安カバにありがちなキンキンとした金属的な感じもなく、スムーズに入っていきます。

 要は「可もなく不可もなく」なスパークリングではあるんですが、 店でこの値段で飲めるものとしてはかなりイケてる部類に入ると思います。 この店を利用される方には安心してお勧めできる乾杯用の泡です。

点数74点
Adam Chardonnay 2013
名称Adam Chardonnay 2013
アダム シャルドネ 2013
生産者Adam Vintners
アダム・ヴァントナーズ
価格(2,700円)
購入店El Caliente

 次は白を注文。2,500円ワインのリストには、『国内では当社でのみでお楽しみいただけるワイン』印と、 『各国の著名ワイナリーが特別に作った世界でここだけのワイン』印があって、 その両方が付けられていたのがこのカリフォルニア産の白。 当初はこれじゃなくてニュージーランドのソーヴィニョン・ブランあたりが無難だと考えていたんだけど、 料理がメキシコ料理だし、なんとなくカリフォルニア産の方が場の雰囲気に合っているような気がしたので、 こちらを注文することにしました。

 色は、泡同様照明が暗いので判りにくいですが、なんとなくオレンジ色がかった赤みが感じられるような気がします。 香りは・・・残念ながら非常に弱いんですな。 派手な蜜香と樽香で、カリフォルニアの風が感じられれば・・・と期待したんだけど、 値段が値段なのでそうは問屋が卸さなかったようです。 味わいは、酸味控えめ甘味そこそこ、アルコール感が強くてボディのしっかりしたタイプです。

 時間が経つと、香りもやや開いてくる感じはありましたが、 同時に温度が上がると味わいに過剰感が出てくるので、痛し痒しであります。

 やっぱニュージーのソーヴィニョン・ブランにしとけば良かったかなぁ、と思うも後の祭り。 ま、それはまたの機会にしますかね。 この「2,500円システム」が末永く続くことを期待しております。

点数68点
El Caliente グラスワイン

 本日のメンバー5名のうち1名は女性、そして男性2名もほとんどアルコールは飲まない口なんで、 もう1本赤を、ってことにはなりませんでした。 というわけで師範はグラスで赤を。リストにあった2種類のうち、 スペイン産のPACO TINTO (AROUSANA) 700円を注文。 もう一方はチリ産、「やっぱココはスペイン産でしょう」って気分だったのでそうしたんだけど、 改めて考えたらメキシコなんだからスペインよりチリの方が地理的には近かったりしますな。

 さてこのワインはというと、とてもスペインらしい粗削りな感じというか、 鉄サビっぽい雰囲気ムンムンなワインでした。好きな人は好きでしょうが、軟弱な師範はちょっと得意でない系です。

 そして最後に食後酒としてお約束のテキーラを頂いて、 5人分トータルのお会計は24,000円弱。飲み食いした内容から考えれば納得の価格、 下手な居酒屋でお決まりのコースを頼むよりずっと満足感があると思います。


27日(日)

越の誉 特別純米生貯蔵酒

 天気が良ければ家族で花見にでも行こうと思っていた週末の日曜、 天気はすこぶる良かったんだけどまだ花は一分咲きにも届いてなくて、 仕方なく花見は断念して道場でしみじみ清酒。 師範代が勤務先から貰ってきた300mlの新潟産清酒5本組のうちの4本目、越の誉 特別純米生貯蔵酒。 前回開けた越後の長者が少し残っていたのでそれと飲み比べたわけですが・・・

 正直いってその差は微妙なんだなぁ。開栓した時期に一か月の差があるので、 新しく開けたほうがピリリとシャープな味わいで鮮度を感じはするけど、香りも味も非常に似ています。 やっぱり清酒は難しいわ。ワインだと飲み比べてこんなに似ていることはない・・・こともないか。 同じヴィンテージで品種も地域同じ、加えてグレードも同じクラスだとすればそりゃ似てますわな。

Jurgo 1998
名称Jurgo 1998
フルゴ 1998
生産者Grandes Bodegas (Marqués de Velilla)
グランデス・ボデガス (マルケス・デ・ベリージャ)
価格999円
購入店 ヴェリタス

 そして本日の夕食は、師範実家からかなり前に届いてたけどもったいなくて冷凍したままだった佐賀牛の和風ステーキ。 他はマカロニサラダとか海藻サラダとかグリーンピースの煮ものとか。 ワインは、年末に稽古して、 ぶっ飛びのコストパフォーマンスを良さを感じたので、1月に稽古した2001年産と合わせてリピート買いしたスペイン産。

 今回のコルクは丈夫だったんですんなり抜けました。 50mmの長さがあるコルクは、ワイン好きな方なら当然ご存じでしょうが凡そこの値段のワインに使われるものではありません。 色は、おとなしく二か月寝かせていたんで澱は落ちて、澄んだ赤紫色が感じられます。 香りのボリュームも内容も素晴らしいっすね。 熟成した格付けボルドーと言われて「違うでしょ」と言える人間は、 ワインマニアな方々含めそう居ないと思われます。 そうと知って嗅ぐと、スペインらしい野暮ったさが無いわけじゃ無いんですけど。 味は、渋味は丸くて甘さが感じられる味わい。 こういうバランスだと、 チリとかオーストラリアとか南アフリカなんかの濃いワインを普段お召し上がりの方には「薄い」と感じられるかも知れません。 でも、料理に合わせるんだったらこれくらいが具合良いし、実際なかなかこういう状態は得がたいわけです。

 ちなみに長女に香りを嗅がせたら「カステラの香り」だそうで、 師範代に試飲をお願いすると「後味にアンズの感じ」だそうです。

 再度稽古して改めて言えるのは、1,000円以下で買える熟成ワインとしては今日本のトップクラスにあるであろうということです。 古いスペイン産はそんなに珍しくないですけど、ここまでボディを維持してキレイに熟成したのはそうそうお目にかかれません。 こんなのが1,000円以下で飲める日本は未だ豊かな国だと確信します。

点数82点

26日(土)

ヒイラギモクセイ 剪定前 ヒイラギモクセイ 剪定後

 本日は、朝一番から園芸作業。生垣のヒイラギモクセイを剪定鋏オンリーで角刈りに剪定して、 シンボルツリーのジューンベリーの枝をいくらか落として、デンドロビウムを植え替えて、という一日。 左写真がヒイラギモクセイの剪定前、右写真が剪定後。 画角も違うし光の具合も違っているけど、師範の努力を感じて頂ければ、と思います。

Crossroads Milestone Series Marlborough Sauvignon Blanc 2014
名称Crossroads "Milestone Series" Marlborough Sauvignon Blanc 2014
クロスローズ "マイルストーン・シリーズ" マールボロー ソーヴィニョン・ブラン 2014
生産者Crossroads Winery
クロスローズ・ワイナリー
価格1,058円
購入店 コストコホールセール金沢シーサイド店

 なんてしてたらもう夕方。 それから次女の2年がかりの念願だったハムスターを本牧まで買いに行って、 夕方も遅くなったので夕飯は買ってきたお惣菜。 師範のチョイスは、浅羽ガレイの唐揚げ、チョレギサラダ、焼きそば。 そういうメニューだとやっぱ白っすね、 ということで選んだのはニュージーランド産のソーヴィニョン・ブラン。 二日連続でコストコの商品です。

 色は薄め、どことなく黄緑色な雰囲気を感じる若い感じの色合い。 香りは、これぞニュージーランドのソーヴィニョン・ブランだよ!的な、 ハーブと草原とパイナップルの香りがバンバン。 樽香とか熟成香とかは全くないけど、フルーツの香りだけで十分に複雑です。 味は、甘味も酸味もあるけど一番しっかりしているのはミネラル感。 軽い苦みとも取れるほどのミネラルがあって、 土壌の汁をブドウが吸い上げたんだな、というのをダイレクトに感じます。

 典型的なニュージーランドのソーヴィニョン・ブランといった感じで、 この値段としては大変良くできたワインだと思います。 やっぱりコストコ侮れないなぁ。 年会費の4,000円は恐ろしく高いけど、 ワイン好き&自宅のそばにあればそれを取り返すメリットがあるように思います。

点数78点

25日(金)

Teperberg Impression Merlot 2014
名称Teperberg "Impression" Merlot 2014
テパーバーグ "インプレッション" メルロー 2014
生産者Teperberg 1870 Winery
テパーバーグ 1870 ワイナリー
価格1,198円
購入店 コストコホールセール金沢シーサイド店

 本日のワインは、たくさん輸入さえ出来れば絶対にブームが来ると確信しているイスラエル産のワイン。 『そりゃ数が増えることをブームと言うのさ』という声が聞こえてきそうですが・・・ 師範が言いたいのは、イスラエル産ワインには現状大きな内外価格差がある、ということ。 昨年の今頃イスラエルに行ったわけだけど、 現地だと日本円換算1,000円以下のがゴロゴロしてました。 でも、日本で見かけるイスラエル産ワインって大体2,000円以上するんだよね。 そして、そんな日本にあって日本じゃないのがコストコで、ここだと1,000円ちょっとでイスラエル産が買えますんで、 有無を言わさず買っちゃってます。

 ちなみに本日の夕食は照り焼きハンバーグ、麻婆春雨、かに玉、トマトとクリームチーズ。 こういうメニューだとやっぱりニューワールドの赤だよね・・・と後付けで確認します。

 色は非常にしっかりとした青紫色。濁ってはいないけど向こうは透けません。 香りは、びっくりするくらいしっかりとしたメルローの香り。 ギュッと濃いカシスやブルーベリーのような果実香に、チョコレートのような甘くて香ばしい香りがタップリです。 味わいも、甘さしっかり、酸味もあってナイス・バランス。 ニューワールドの良いとこのワイン感ハンパ無い感じです。

 良く出来たカリフォルニア産のメルローといった感じです。 こんなクオリティのワインが1,000円台前半なのは、ある意味驚愕に値します。 こういうワインを頂くと、流通のパスさえ整備すれば高品質なイスラエル・ワインが飲めると思うんだけどなぁ。 いや、ホント1,200円のワインとは思えないっすよ、コレ。

点数81点

23日(水)

Claude Val (Blanc) 2014
名称Claude Val (Blanc) 2014
クロード・ヴァル (白) 2014
生産者Dom. Paul Mas (Jean-Claude Mas)
ドメーヌ・ポール・マス (ジャン・クロード・マス)
価格798円
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日の夕食調理担当は師範で、 メニューは刺身(スズキ、サーモン、ホタルイカ)、鯵の塩焼き、モヤシときゅうりと人参のナムル。 魚メインとなれば選ぶワインは白で、 本日チョイスしたのは南仏の剛腕造り手「マス一族」による白の混醸モノ。 品種はグルナッシュ・ブラン35%、ヴェルメンティーノ25%、シャザン15%、 モーザック10%、ソーヴィニヨン・ブラン10%、シュナン・ブラン5%だそうです。 ちなみにこの銘柄の2008年産とは6年前に稽古済みで、 赤の同じヴィンテージとは最近稽古しております。

 色は、このクラスのワインとしては結構ちゃんと色があります。 品種に馴染みがないので、それが普通かどうかは判りません。 香りは、柑橘系のフルーツの香りがしっかり香ります。 若干トロピカルな感じもありますが、そんなに暑い感じではありません。 味は、思いのほか酸味がしっかりしていて、旨味もあって厚みがあります。 一般的なこのクラスの安ワインと比較すると、立派に存在感を主張しています。

 ところが、飲み進めるとその存在感がやや鼻についてきます。 なんか、もうわかっているのに畳みかけるように伝えてくるような。 そういう人居ますよね?「正論だけど皆まで言うな」って感じの。

 というわけで、ワイン自体はこの値段とは思えないクオリティがあるように感じます。 でも、好き嫌いでいえばやや苦手系な部分もあったりします。 どこがイヤってんじゃなくてなんとなく過剰感があるような・・・ でも800円だからね、値段はそのデメリットを埋めて余りあります。

点数70点

21日(月祝)

Auxey Duresses Clos du Moulin Aux Moines Cuvee Vieilles Vignes 2004
名称Auxey Duresses "Clos du Moulin Aux Moines" Cuvée Vieilles Vignes 2004
オークセイ・デュレス "クロ・デュ・ムーラン・オー・モワンヌ" キュヴェ・ヴィエイユ・ヴィーニュ 2004
生産者Émile Hanique
エミール・アニック
価格2,786円
購入店 うきうきワインの玉手箱

 三連休の最終日、本日は朝から昨日一昨日のプチレジャーに関する更新情報を記載して、 午後からは買い物その他という通常運転。 夕食のメニューは、さすがに今日は肉でしょう、ということで豪州産牛モモ肉を使った赤身のローストビーフ。 サイドメニューに茹でたモヤシと、あとは大根ツナサラダ。 ワインは、久しぶりに自宅でちょっといいワイン、ということでブルゴーニュの赤をチョイス。 エミール・アニックという造り手のモノポール(単独所有畑)のようです。

 色は、熟成ブルゴーニュらしい、ガーネット色っぽい澄んだ赤紫。 エッジにははっきりとオレンジ色が見て取れます。 香りは、ボリュームこそおとなしめだけど、その雰囲気は確かにブルゴーニュ赤をキチンと熟成させた感じで、 ドライフルーツ的な乾いた果実香と、紅茶のような香りに漬物的な雰囲気も加わっています。 味は、師範の嗜好だと「このワインに10年以上の期間はやや長すぎた」と思える感じ。 全体にバランスは悪くないんだけど、こぢんまりとまとまってしまっています。

 時間が経つと、香りのボリュームがやや増して、樽由来と思われる香ばしさが復活してきます。 味わいも、それなりに甘みも感じられるようになってきます。 長女曰く『ハニーナッツの香り』だとか。 こういう、抜栓後の変化を楽しめるあたりもちゃんとしたブルゴーニュな感じです。

 道場の稽古範囲価格で正統派の熟成ブルゴーニュが味わえる、ということ自体はありがたいことですが、 パフォーマンス的にはちょーっと厳しいというか、熟成のピークを越えて閉じ気味かなぁという気がしました。 なんてことを最近書いた気がするのでちょっとレヴューしたら、 昨年9月にほぼ同じもののヴィンテージ違いと稽古してました。 ま、そういう方針の造り手のそういう銘柄のようですが、 相対的にその時(1996ヴィンテージ)よりは好印象です。

点数81点

20日(日)

ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 朝食

 一泊二日で伊豆方面へプチ旅行二日目。

 朝一番6時前に起きて、次女と目の前にある防波堤に釣りに。 バンバン釣れたら「この宿にまた来たい!」って気分になったのかもだけど・・・

 朝食は、遅めの時間8時30分からにして貰いました。 メニューは味の開きや湯豆腐がある普通一般の旅館の朝食ですが、 食前にサラダがあるのが微妙にポイント高いです。

 そんな感じの宿でしたが、家族4人トータルの金額は46,000円強。 まだ子供がいない頃だとかなり贅沢な宿に泊まってもその値段だったなぁ、 そりゃ少子化にもなるよなぁ、とも思うわけですが、 こうやって家族仲良く過ごせるのは宿のグレード云々を超えた楽しさがあるので、 どちらもアリな選択肢だと思います。

伊豆アニマルキングダム キリン

 宿をチェックアウトしたのが10時30分ごろ、 そこから伊豆半島を更に南下して、本日の目的地である「伊豆アニマルキングダム」へ向かいます。 昔は「伊豆バイオパーク」と言っていた施設ですね。

 この施設は、要するに動物園と小規模な遊園地が併設されたレジャーランドです。 キリン(左写真)などの草食動物に餌やりしたり、 有料&人数限定ですがホワイトタイガーにも餌やりできたり真横で食事ができたり、 普通の動物園より動物と触れ合えるような仕組みがあるみたいです。 その分入場料も大人2,200円子供1,100円と結構強気の設定です。

 次女も、100円で餌(小松菜、想定市価10円もしない量)を買ってキリンにあげようとしたのですが、 オスの方はかなりつれない態度で餌に寄ってきません。 メスの方はサービス精神旺盛でずーっと食べてました。 なんとなくオスの方の気持ちが分かる気がします。

伊豆アニマルキングダム かつ丼

 昼食は園内の展望レストランで。 師範の注文はカツ丼、お値段900円也。 こういう施設だから、どんだけヤッツケ感のあるモノを出されるのかと警戒しておりましたが、 案外マトモなカツ丼でした。

 食事のあとは遊園地でアンティークなライドにいくつか乗ったりして、 施設を後にしたのは午後3時頃。 その後伊豆高原の手前の国道135号が大渋滞、中伊豆への左折ポイントまで1時間以上掛かって、 そのあともあちこち渋滞の渋滞につかまったり避けたりしながら、 次なる目的地である沼津港に到着したのは午後6時前でした。

寿司庵さいとう 本店 外観

 沼津港での目的は、鮨庵さいとう 本店での夕食。 この店は3年前にも昼食で伺っております。 三連休の中日、時間も夕食ピークの時間だったのでいっぱいかと心配しましたが、 案外すんなり入れました。

寿司庵さいとう 本店 板さんおまかせにぎり

 まずはお決まりの握りを注文しようということで、 師範と師範代が板さんおまかせ(10貫)で3,240円、長女と次女がもも(地魚8貫)1,830円。 どちらも3年前より若干値上がりしておりますな。 板さんおまかせの内容は(写真左上から右に)、
マグロ(中トロ)マグロ(背トロ?)スズキタチウオ炙りカンパチズワイガニヤリイカ赤貝イクラ軍艦卵焼き
だったと思われます(多分。店の人の説明はありませんでした)。

 それ以外には、最初にツマミでアン肝730円。 お決まりを食べた後の追加が、生サバ2貫、イカゲソ2貫、オニオコゼ2貫、 赤貝ヒモ1貫、卵焼き1貫、卵焼き(つまみ)。 やっぱり美味しいねぇ、寿司は。

寿司庵さいとう 本店 ビール

 飲み物は、まずは瓶ビールを。銘柄は安心のキリンラガーです。 ビールの選択肢は、生ビールがアサヒスーパードライ、瓶ビールもスーパードライとこれの二種。 となると師範的にはキリンラガー一択です。

 こういう、旅先の夕食でアルコールを飲める、というのはホントに幸せですな。 とりもなおさずそれは師範代が「酒飲めないけど車の運転はできる」からであります。 感謝感謝です。

寿司庵さいとう 本店 清酒

 瓶ビールを2本頂いたあと、清酒も頂きます。 ここでも「やっぱり地元のの酒を」ということで、選んだのが富士錦 吟醸酒、一合760円也。 吟醸香はあまりないけれども非常に淡麗、すいすい入っていく清酒でした。 ちなみにワインは、スペイン産の「寿司ワイン」フルボトルで3,240円だけでした。 あまり(というか全然)ワインには力入ってないと思われます。

 そんな感じで、家族4人トータルのお支払いは18,000円弱。 食事の内容的には満足なんですが、今回サービスにかなり難アリでした。 全然愛想の無い対応で、寿司種の説明なんかも全く無し、 会計を待って立っていても放っておかれます。 その対応は、いかにも観光客な師範らだけでなく、地元の人っぽい集団に対しても同様でした。 観光地だから、サービスなんていい加減でも客足は減らないんでしょうね。 美味しい店だとは思いますが、師範家的にはもう再訪は無いな、という気分です。 どなたか沼津三島界隈で美味しい寿司屋をご存知ありませんか? 沼津港内にはウチの嗜好に合う店はもう無いようです。

 食事の後、沼津を出たのが午後7時30分ごろ、 上りの東名高速は大和トンネルを頭に30kmもの渋滞があって、運転手の師範代はお疲れでしたが師範は横でウトウト。 結局道場到着は10時30分頃でありました・・・と備忘録。あぁ楽しかった楽しかった。


19日(土)

ファッションセンターしまむら 伊東店

 三連休を利用して、本日から一泊二日で伊豆方面へプチ旅行。 長女の受験があったので、家族旅行は久しぶり・・・と言ってもブランク半年くらいですが。

 午前9時前に道場を出発、東名高速で軽い渋滞にはまりながらも道中概ねスムーズ、 11時頃には最初の目的地、ファッションセンターしまむら 伊東店(笑)へ到着。 この目的地は長女の希望です。道場近辺にこのチェーン店が無いので、他人と服が被らないの良い、とのこと。 ま、貧乏道場にお似合いの店、ということで、ハイ。

プルチーノ 外観

 12時前には上記の店を出発、昼食は伊豆高原にあるトラットリア&ピッツェリア、プルチーノ(Pulcino) という店へ。 伊豆高原は別荘地なので、良さげなイタリアンはいろいろあるんだけど、 今回はとりあえず食べログで高評価(3.5点くらい)の店を選んで見ました。 食べログって、評価する人の趣味も嗜好もバラバラだし、点数の付け方も恣意的に感じるので、 普段はあまり信用してませんが、こういう全く情報の無い中で選ぶ際には参考にしています。

プルチーノ 内観

 店は、別荘地の中にある一軒家のレストランで、 店内はいかにも家庭的なイタリアン、といった感じの温かみのある雰囲気。 席数は、見える範囲だと4人掛けのテーブルが5つくらいだったような。 師範らが到着したのは午後1時ごろだったけど、 ちょうど前のグループが店を出るタイミングだったのですんなり入れました。 1時を過ぎても続々とお客さんが来るので、かなりな繁盛店のようです。 そこをシェフとサービスの女性の二人だけで切り盛りされていました。

プルチーノ パスタ

 そして、家族4人思い思いに注文したメニューは以下です(いずれもサラダとデザートのセットでの税込み価格)

師範アンチョビ、オリーブの娼婦風スパゲティ1,050円
師範代ヴルステル(トマト、モッツァレラ、ソーセージのピッツァ)1,250円
長女アサリとフレッシュトマトのスパゲティ1,050円 (左写真)
次女プロシェット(モッツァレラ、生ハム、ルッコラ、パルミジャーノのピッツァ)1,750円(下写真)
プルチーノ ピッツァ

 ここが予想を超えて美味いです。パスタも良いけどピッツァが秀逸。 特に、次女が注文した右写真のプロシェットなんて、 生地がパリパリ&モチモチな上に、 ちゃんとしたモッツァレラ・チーズやちゃんとした生ハムがたっぷり乗っています。 こんなのがサラダやデザート込みの1,000円台というのは大変お買い得。 宅配のピザなんかとは雲泥の差です。

 そして、本日この後の運転は師範代にお任せして、師範は下記ワインをグラスで頂きました。

La Rocca N.V.
名称La Rocca (Bianco) N.V.?
ラ・ロッカ(白) (ヴィンテージ無し?)
生産者Torrevento
トッレヴェント
価格400円 (グラス)
購入店プルチーノ

 グラスワインの選択肢は、白が400円、赤が450円、スパークリングが500円でした。 値段が値段だし、メニューに銘柄も書かれていないので、 注文する前は『タヴェルネッロあたりのボックス・ワインかな?』と考えておったわけですよ。

 そして、出された姿が大変に立派であることにまず驚きました。 リーデルのキアンティ・クラッシコ・タイプの大ぶりなグラスに、 結構たっぷりな量が注がれています。 香りを嗅ぐと、なんとなくリースリングのような華やかな花の香りを感じます。 味わいもとても軽快でスムーズ。 甘すぎず酸っぱすぎずだけど軽すぎず、 イタリアンの店でグラスワインの白として出すべき要件を十分に満たしています。 銘柄を聞く前は、『北イタリアはトレンティーノ・アルト・アディジェあたりのリースリング?』と予想しておりました。

 小心者の師範なので、グラスワインの銘柄を聞くことなんてめったに無いんだけど、 今回ばかりは『大変美味しゅうございました』ということをお伝えすることも含めて聞きました。 そうしたら非常に快く教えて頂き、わざわざボトルも見せて頂きました。 やっぱりね、ちゃんとした店はワインにも抜かりがないなぁ、と心底感じましたよ。 銘柄の予想は全くハズレてましたけどね。

点数(76点)
Nero d'Avola Sangiovese Terrale N.V.
名称Nero d'Avola Sangiovese "Terrale" N.V.?
ネロ・ダヴォーラ サンジョヴェーゼ "テラーレ" (ヴィンテージ無し?)
生産者Calatrasi
カラトラージ
価格450円 (グラス)
購入店プルチーノ

 ランチなんで、当初はグラス一杯白だけにするつもりだったんだけど、 こういう立派な白が出されたとなると、がぜん赤にも興味が沸いてくるというものです。 そして、お値段の方も白が400円、赤が450円なので、両方頼んでもちょっとしたイタリアンの店での1杯分程度なわけだし、 その微妙な価格差にお店側のまじめな姿勢が見て取れたりもします。 というわけで、なんだかんだ自分に言い訳しながら、『グラスの赤もお願いします』ってことになりました。

 色は、結構しっかりとした紫色なので、イタリアでも南の方だと予想しました。 香りは、いかにもイタリアらしい人懐っこい感じの果実香と、 桜餅のような雰囲気の香りもあります。 味は、濃いけどガシガシな感じではなく案外スムーズ。 師範の予想は『モンテプルチアーノ・ダブルッツォあたりじゃないかなぁ』だったんですが・・・

 結果、シチリア島産のサンジョヴェーゼでした。 結構自信があるつもりだったんだけど、全然当たんねぇじゃないか>師範。 赤も白も、知ったかぶりして店の人に『これはXXですか?』なんて聞かなくて良かったヨカッタ。

点数(76点)

 上記に加えて師範代がコーヒーを追加して、トータルのお支払いは家族4人で6,000円強。 料理やワインのレベルを考えると、非常に良心的な価格で満足度の高い店でした。 今回ばかりは「ありがとう食べログ」ですね。 こういう店が高評価なのは納得です。

ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 外観

 上記の店を出たのが午後2時前、 そこから15分くらい南下すると、今回の宿ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆に到着。 例によって師範代の勤務先の契約保養所であります。

 建物は1990年築ということでやや昭和な感は否めませんし、 会員制のリゾートホテルということもあってか賑やかさもなく、 良く言えば全体に落ち着いた感じ、悪く言えば暗い感じの宿です。 ただ、プールの設備があって、すぐ目の前は海(海水浴場はありませんが)なので、 夏場はもっと賑やかなのかもです。

ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 缶ビール

 この宿の良いところは、海が目の前であるのと同時にコンビニがすぐ隣にある点です。 というわけで、翌朝のレジャーのために港を見に行った帰り、 コンビニに寄って師範用の部屋飲みドリンクを調達。 まずプシュッと開けたのがサントリーのモルツ500ml缶でございます。 海を見ながらの一杯は至福なわけですが、残念なことにテラスはとても狭くて椅子などは置かれていないので、 手すりにグラスを載せての立ち飲みスタイルとなってしまいます。

 ビールを飲んだら早速温泉へ。 寂しい感じの宿のメリットとして、風呂が全然混んでません。 そして、サウナがあるのも師範にとっては高ポイント。 水風呂があればもっとポイント高いわけですが、 露天風呂も空いているので露天風呂脇のオープンエアな部分でゴロ寝して空気冷却しておりました。

ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 レストラン

 午後6時からはこの宿の3階にある食事処(レストラン「アランデル」)で夕食。 食事をしていたグループは、師範らを含めても20組も居なかったような。 部屋数から考えてもかなり少なめな印象です。 その分待たされたりすることが無いのはメリットですが。

ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 刺身

 そして、本日の料理のコース「和み会席」の献立は以下になっております。

食前酒桜花酒
前菜季節の盛込み七種雲丹豆腐、赤魚鯛西京焼き、蛤百合根饅頭、船形猪口盛り、筍味噌田楽、蕨細魚、花見串三色
造里鮪と地魚三種盛込み勘八、鱸、平貝の焼き霜(左写真)
先椀清まし汁仕立て金目鯛桜道明寺蒸し、菜の花、鏡大根、柚子
酢物細魚と白魚の桜花酢掛けうるい、花弁百合根(下写真)
温物牛すき鍋焼豆腐、白菜、白葱
焼物桜鱒の菜種焼き天豆甘煮、はじかみ
蒸物焚き合せ蛸桜煮、こごみ、桜花大根、蕗、水前寺海苔
香物三種盛り
止椀赤出汁
御飯富山産こしひかり
水物モンブランケーキとフルーツ二種
ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 酢の物

 序盤の刺身は、大変鮮度が良くて『おぉ!』となって、 酢の物あたりも結構焦点の絞れた味わいで『うむ!』っと唸ります。 全体的に質の良い素材を使って丁寧に仕事されている感じがしました。

 そして、旅館の料理というと、(高級旅館は別にして)テーブルの上に一斉にダーッと並べられるのが一般的だと思いますが、 ここは一品一品出されるのがナイスです。 そしてそして、どうせ一品一品出すんだったら、 テーブルの上の固形燃料でで煮炊きする「牛すき鍋」みたいなのは不要だと思うわけです。 だって、これってテーブル上で温かくするためだよね。 一斉に並べるんだったらその必要があるけど、 個々に出すんだったら温かい状態で厨房から持って来れば良いんじゃないかしらね? だって美味くないもん、そういうの。放っておくと煮えすぎちゃうし。

 余計なお世話かもですが、こういう「旅館の定番」みたいなスタイルって、実情に合わなければ変えれば良いのに、と思います。 でも、そういう「旅館の定番」が無いと寂しいと感じる層も一定数いるだろうから、 簡単には変えられないジレンマがあるんだろうとも思います。

ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 清酒 ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 瓶ビール

 飲み物は、「メルマガ会員登録するとドリンク一杯無料」とのことだったので、 直前に登録して瓶ビールを一本ゲット。銘柄は安心のキリンラガーでした。

 そして、ビールを飲み終えて次なる酒をチェック、師範にとっては至福の時間です。 飲み物リストにはワインが8種類あって、モンテス・アルファの赤(カベルネ)白(シャルドネ)それぞれ4,200円、 フランスはローヌ産の赤・白それぞれ3,500円、南仏産の赤・白それぞれ2,200円。 旅館でこの値段はかなり惹かれましたが、 ビール1本飲んだ後でフルボトルはちょっと多いと感じたのと、 和食にチリ産やフランス産も無いよなぁ、と思って選びませんでした。 ちなみにハーフでは「セパージュ」という国内メーカーの輸入ワイン使用なヤツが赤白1本1,000円だったのですが、 さすがにそれも遠慮しました。

 というわけで、結局選んだのは地元伊豆の清酒、万大醸造 あらばしり、300mlで750円(税込み810円)也。 やや普通酒っぽさはあるものの、全体にはスッキリで万人受けしそうなお酒でした。 で、やっぱり師範は旅先ではその土地のワインや酒を飲みたいわけですよ。 日本ワインも、もっとハーフの種類を増やして、こういう宿に優先的に置いて頂ければ、 師範みたいな嗜好の人間はうれしく感じます。

ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 カラオケ

 食事の後は、カラオケルームを借りて家族でカラオケ。 昭和な一家でございます。そして、ここに置かれいたモニターがなんとブラウン管。 昭和な雰囲気を更に助長してくれております。 となれば、師範が歌うのは久保田早紀とかドリカムとか ・・・というか、そういう時代の歌しか知りません。古いヤツですみません。

 あと、この古げなカラオケ機にも採点機能が付いていたんだけど、 それが表示する点数が食べログのポイント以上に「何をもって判断しているのか」が不明でした。 ってか長女や次女の方が師範より点数が高いなんてあり得ん!

おたる ケルナー 2014
名称おたる ケルナー 2014
生産者北海道ワイン株式会社
価格764円 (ハーフ)
購入店QUEEN'S ISETAN 品川店

 食後に部屋でちびちび飲もうと思っていたワインを、カラオケルームに持ち込んでおります。 道中の店でナイスな地元産ワインとか無いかな?と探していたけど、 全然ないですね、そういうの。「みかんワイン」とかはありましたけど。 で、このワインは保険として前日に買っておいて持参したものです。 日本ワインの最大生産量を誇る「北海道ワイン株式会社」のケルナー酒の白、 表ラベルには「生葡萄酒」、には裏ラベルには「辛口」との表記があります。

 色は・・・どうだっけかな?ほとんど無色に近かったような気はしますが。 香りは、この種の日本ワインに特徴的な、ナイアガラ種なんかにも共通する独特の香りがあります。 これが「狐臭(Foxy Flavor)」と呼ばれるものなのかは判りませんが、 苦手な人も居ると思われる香りです(師範は嫌いではありません)。 他には、リースリングあたりと似た感じの揮発油っぽい香りも感じます。 味は、看板に偽りなくかなり「辛口」です。 糖分をあますところなくアルコールに変えたような、かなりストイックな味わいです。

 北海道ワインって、どちらかというと甘口のワインが多い印象があったのですが、 このワインはきっちり辛口です。 こういうワインも世に出せるあたり、この造り手の懐の深さ(=品種と生産量の多さ)を感じます。 どちらかというと夕食にこのワインを合わせたかったな。 食後にチビチビだとやや味わいがストイック過ぎました。

点数68点
ザ グラン リゾート エレガンテ伊豆 缶ビール

 カラオケも終わってまた風呂に入って、部屋に戻ったら缶ビール(ヱビス余韻の時間)を飲んで・・・ って今日だけで7種類もアルコールを飲んでおります。 いやー、好きなだけ酒が飲めるってのはいろんな意味で幸せですなぁ・・・としみじみ感じつつご就寝の師範でありました。


18日(金)

Darling Cellers Chenin Blanc / Sauvignon Blanc 2015
名称Darling Cellers Chenin Blanc / Sauvignon Blanc 2015
ダーリング・セラーズ シュナン・ブラン/ソーヴィニョン・ブラン 2015
生産者Darling Cellers
ダーリング・セラーズ
価格799円
購入店 ヴェリタス

 本日の夕食は、タンドリーチキン&チキンのバジル焼き、野菜のオーブン焼き。 普通の一般人な方なら赤ワインを選ぶところでしょう。 しかし師範のチョイスは白、それも南アフリカ産のシュナン・ブラン&ソーヴィニョン・ブランです。 なぜなら、ソーヴィニョン・ブランとバジルの香りのマリアージュ、 そしてシュナン・ブランとターメリックの香りのマリアージュが・・・ってウソです。 単に白が飲みたかったからです。 ちなみにこの銘柄の赤とは先月稽古しております。

 色は、週末の登美の白と大きな違いはありませんが、若干薄い感じはします。 香りのボリュームはこのクラスを大きく超えています。 熟す前のピーチやグレープフルーツのような涼しい感じのフルーツ香と、図らずもバジルのようなハーブっぽい香がしっかりあります。 さすがに樽香はありません。 味は、ニューワールドの白としてはかなり酸味がしっかりしていて甘さは控えめ。 でも、旨味の骨格がしっかりしているので、「酸っぱい」って感じはありません。

 ストレートなフルーツ感が身上で、お金をかけた感じはありませんが、 自然の恩恵を利用して上手いこと造っているなぁ、という印象を受けるワインです。 以前の赤の稽古結果と比較しても、 師範の持論であるところの「安ワインの場合、白は若きゃ若いほど美味く、赤は若すぎるのは良くない」が実証された感じです。

点数75点

16日(水)

Casa Colletta Cabernet Sauvignon 2013
名称Casa Colletta Cabernet Sauvignon 2013
カーサ・コレッタ カベルネ・ソーヴィニョン 2013
生産者Andean Vineyards
アンデアン・ヴィンヤーズ
価格873円 (単品価格:907円)
購入店 お手軽ワイン館

 本日の夕食調理当番は師範で、メニューは久しぶりに広島風お好み焼き。 暖かい季節だったらテラスにホットプレートを出して作るメニューですが、 まだ寒いので台所で2枚のフライパンを使って交互にひっくり返しつつ作ります。 他には魚屋で安かった真鯛のアラを使ったお吸い物と、トマトとレタスのサラダもご用意しました。

 そしてワインは、日曜のワイナリーツアーで驕った舌を元に戻すべく、 通常販売価格3ケタの安ワインをチョイス。 モノはアルゼンチン産のカベルネ・ソーヴィニョン。 この造り手のワインは、5年ほど前に2009年産のマルベックと2度稽古しているのですが (ココココ) かなりバラツキがある印象です。 さてこのカベルネ・ソーヴィニョンはアタリでしょうかハズレでしょうか、と。

 色は、南米産のこの品種としてはやや薄め、きっちり向こうが透ける清澄度があります。 香りは、なんだかやけに熟成したようなこなれたフルーツ香。 2010年より前だとさもありなんだけど、2013年産と聞くとやや不思議な感じです。 味も、渋みのカドが取れていて、柔らかで、甘酸っぱい感じの味わい。 アルゼンチン産のカベルネ・ソーヴィニョンに抱くイメージとはかなり異なります。

 予想に反して、柔らかでスムーズなワインです。 全体にキレイな感じを維持しているので、熱劣化等でこうなったという感じもしません。 というわけで思いのほか薦めです。 特段の個性は無いものの、こういう感じだと万能選手な赤として重宝しそうです。

点数74点

14日(月)

卒業式

 本日は長女の中学校の卒業式。今時は「卒業式」じゃなくて「卒業証書授与式」と言うらしいですな。 「卒業式」の方が簡単で良いと思いますが。

 ・・・と、すべてにおいて物事を斜めから見がちな師範ですが、 今日の卒業式は純粋に心を打たれました。 卒業生代表の答辞はとてもとても立派だし、合唱も素晴らしく上手。 師範は長女の中学校、徒歩10分の距離なのに初めて足を踏み入れましたが(爆)、立派な卒業式でございましたよ。

 春からは長女も高校生。PTA会長の話にあったように、 「転ばない方法を教える」のではなく、「転んだ時にどうすれば良いかを教える」親でありたいと思います、ハイ。

ジャンティエス・コマチ 内観

 卒業式は午前中で終了、夜は卒業生で集まって打ち上げがあるというので、 家族での卒業祝いはお昼のランチ。 向かった店は、相鉄線天王町駅からほど近い場所にあるジャンティエス・コマチというフレンチの店。 コースにパスタがあるんでジャンル的にはフレンチじゃなくてイタリアンかも。 昨年もホワイトデーに利用しているので、きっちり一年ぶりの訪店です。

ジャンティエス・コマチ 前菜

 本日の注文は、アミューズ、前菜、パスタ、メイン、デザートのAコース、お値段一人3,500円也。 左写真は、前菜である鮮魚のカルパッチョ。 鮮魚は、マダイ、ヒラスズキ、ホタテ、そして新タマネギのムースの上に北海道から空輸されたミョウバンを使っていない生うに。 ソースは春らしく桜の香り付けがされています。 こういうエッジの効いた料理が自宅近くのレストランで味わえるのは恵まれていると言わざるを得ませんな。

ジャンティエス・コマチ メイン

 メインは、マコガレイのポワレ。なんかいろいろその他の食材も盛り込まれていましたが、 メモ取ってないので忘却の彼方です。 でも美味しかったな。やっぱり家族でこういう料理を食べられるのが一番幸せだよね、 などと師範代&長女と話しながら食べてました。 あ、本日次女は小学校で給食食べてます。すまん>次女。

 ちなみに昨日今日の写真は、職場で借りた高級コンパクトカメラ"DSC-RX1"で撮ってます。 やっぱり違うよなぁ、良いカメラは。イメージセンサーがフルサイズで大きくて手振れが皆無、 そしてコンパクトなのでレストランで撮っても仰々しくならず、 こういう用途にはバッチリだと思います。 自分用に欲しいと思うんだけど、唯一の課題はその価格なんですね~。

Richard Hamilton Almond Grove Chardonnay 2014
名称Richard Hamilton "Almond Grove" Chardonnay 2014
リチャード・ハミルトン "アーモンド・グローヴ" シャルドネ 2014
生産者Leconfield Wines
レコンフィールド・ワインズ
価格(5,800円)
購入店 ジャンティエス・コマチ

 ワインリストには、赤白合わせて50種類以上ありました。 そして、中心価格帯は5,000円~10,000円くらいなので、比較的選びやすいリストと言えます。 オンリストされているワインも、フランスありニューワールドありで、 産地に拘りなくイケてるワインを集めている感じがして好印象です。

 さて稽古開始。色は、特に濃くも薄くもない、普通の白ワインの色です。 香りも、いわゆるニューワールドのシャルドネな感じで、 蜜っぽさと熟したリンゴ、そしてビスケットのような軽い香ばしさを感じます。 味も、レストラン用途にはとても良い感じで、スムーズでひっかかりのない味わい。 昼から魚メインの料理に合わせて飲むにはとっても「ちょうど良い」って感じです。

 前日飲んだワインが凄すぎたため、舌が驕っちゃって「ふーんなるほどね」 なんて上から目線で見ちゃいますが、こういうワインをこれくらいの値段でレストランが出している、 というのはありがたい話だと思います。

点数74点
ジャンティエス・コマチ デザート

 デザートは、イチゴをベースとしたいろいろ。 この値段のコース料理で、これだけ手の込んだデザートが頂けるのはなかなかポイント高いと思います。 少なくとも、本日の料理に関しては十分満足です。

 ・・・で、「少なくとも」と書いたのは、サービスにちょっと残念な点があったから。 まず、グループで注文するメニューを揃えて欲しいのであれば、 メニュー表を渡す時点でそう伝えるべきです。 また、ランチではクレジット・カードが使えないのであれば、会計前にそう伝えるべきです。 そして、13:00過ぎに入店した客がワインをフルボトルで頼んだら長っ尻になるのが予想されるためか、 いまいちワインの薦め方に身が入らないのは判ります。 でも、だったらグラスが空いたらすぐに注ぎに来てほしいものです。 お客さんいっぱいで手が回らないのは理解できるけど、 だったらワインクーラーごと横に置いといてくれればセルフでやります。 特にランチはサービス料取られていないんで、それでいいと思うんですけどね。

 そんな感じで、サービスに若干グッと来ないポイントがあったものの、 ゆったりとした環境でシュッとした料理を食べてワインも1本飲んで家族3人で16,000円強。 コストパフォーマンスは十分高いと言えます。 いつまでもこういう幸せを享受できる環境でありたいものです。


13日(日)

あずさ15号

 本日は、サントリーさんのお招きで、 山梨の甲府(住所は甲斐市)にあるサントリー 登美の丘ワイナリーまで日帰り見学旅行。 サントリーさんからは先日も食事会にお呼ばれしましたが、 今回はいわゆる「ワイナリー・ツアー」ってヤツでございます。 安ワイン道場18年と10ヶ月にして初めてこの手のツアー参加します。 道場がいかに日陰の道を歩んできたか判るってもんです。

 行きは、新宿発12時ちょうどの「スーパーあずさ15号」で私は私は~♪、です。スミマセン、古いです。 そして、このスーパーあずさ15号に使われている車両も結構古いです。

ヘルシー弁当

 昼食は、途中乗り換えの品川駅構外、クイーンズ伊勢丹で買って来たヘルシー弁当(鯖)黒米。 お値段492円也。 そして、今回お招き頂いたサントリーさんに敬意を表してサントリープレミアムモルツ 香るエールの350ml缶。 新宿駅のNEWDAYSで270円也。 敬意を表するんだったら昼から飲むのはいかがなものか、というご意見もございましょうが、 休日の特急列車で昼飯食べるのにアルコール無しという選択肢は、 「安ワイン道場師範」としてはあり得ないわけであります。 で、肝心のビールはというと、 缶から直接飲むんじゃなくてグラスに注ぎたいと思うような香りの良さがありましたですよ。

登美の丘ワイナリー

 甲府駅に着いたら、サントリーの美人マッケッターCさんや他のブロガーの皆さんと合流、 バスで約30分の登美の丘ワイナリーに向かいます。

 ワイナリーでは、所長の渡辺さん直々に門を開けてくれてお出迎え。 以降、せっかくのワイナリー訪問なので、普段より写真大き目でお伝えして参ります。

登美の丘ワイナリー ぶどう畑

 ワイナリー到着後、まずはブドウ畑の見学から。 登美の丘の畑は、標高およそ500m~600mくらい。 一番標高の高い畑に、フラッグシップである「登美」用のカベルネ・ソーヴィニョンやメルローが植えられています。 畑は、下草を刈らずに一緒に育てる「草生栽培」で管理されていて、 若い畑ではまず豆類の雑草が生えて、空気中の窒素を土に定着させる、とのこと。 窒素リン酸カリは肥料の三大要素、 ワイナリーってのはまずは農業なんだな、と実感させられました。

 写真左上には冠雪した富士山が見えております。 天気予報は曇りでしたが、師範の神通力で晴れさせてみせました。 やっぱり天気が良いのと悪いのとでは気分が違いますからね。

登美の丘ワイナリー ぶどうの木

 この時期のぶどうの木は、剪定を終えて活動を始める時期で、 切った枝の口から樹液が溢れておりました。 ちなみに、新芽の時期にはシカがその芽を食べに来て、 収穫の時期にはイノシシが熟した実を食べに来るんだそう。 やっぱり農業は大変だわ。

登美の丘ワイナリー 渡辺所長

 畑の見学の後は、醸造場を見学。 左写真は、サントリーとこのワイナリーの歴史について熱く語る渡辺所長と、それを真剣に聞き入る参加者の方々。 ワイナリーが創業したのが1909年、もう100年以上の歴史があるそうです。 道場を開設してもうすぐ19年ですが、まだ足下にも及びません・・・ってか100年とか無理です。

 ちなみにワイナリーの公開は、1月~3月の冬の間は休業することにしたそうです。 だもんで従業員の方もお客も居なくて、我々だけの見学ツアーです。 いろいろ特別な計らい、ありがとうございます。

登美の丘ワイナリー 醸造施設

 醸造施設は「写真撮影はご遠慮下さい」なエリアが多かったのですが、 これは撮って良いと言われた醸造用タンク。 タンクの周りには霜がこびり付いていて、低温状態を維持して貯蔵しているそうです。 このタンク1つでワイン12,000本分、 道場のこれまでの稽古本数の倍以上入ります。 道場もまだまだ頑張らにゃいかんな(何を?)、と思わせてくれました。

登美の丘ワイナリー 樽熟庫

 そして、醸造施設の後はセラーの見学。 右写真はこのワイナリーで一番大きい"Celler No.4"の内部。 ここに225リットルのバリック200樽が貯蔵されているそうです。 そして、樽のほとんどはフレンチオークで、一部ミズナラ樽があるとのこと。 こういうものこそ、輸入するんじゃなくて国内生産できないんですかね? 日本中で花粉の害が取り沙汰される杉に変えて、 樽用の樫を植えてくれれば日本人の3割は喜ぶと思います。 特に、日本ワインに西洋の樽だと、フレンチオークであっても樽香が悪目立ちする感があるので、 そういった意味でもこっち方面に特徴を見出して欲しいと思うわけです。

登美の丘ワイナリー 瓶熟庫

 樽熟成庫の後は瓶熟成庫の見学。 写真のように、1975年からのワインがここに貯蔵されています。 夕方のディナーの席で、渡辺所長に『棚卸の際に熟成途中のワインはどういう金額で査定するんですか?』 と聞いたら、「作った時点の評価です」との回答。 ということは評定金額以上の資産がここに寝かされているわけですな ・・・などと世知辛い興味が沸いてしまう師範でありました。

 ともあれこの見学で感じたのは、ワイン造りってのは「農業とテクノロジーと感性」のハイブリッドだということ。 パラメータは無限大だし、年に一回しか造れないのでPDCAサイクルを廻すのもゆっくり、 大変だけど面白そうな世界だなぁ、と思いましたですよ。

登美の丘ワイナリー テイスティング

 以上、まずは見学の模様までアップ。 次回(明日?)はワイナリーでのテイスティングの様子を更新します。 さすがにこれだけ内容が濃いと、 一日で全部をお伝えするのは師範の能力を超えていますので次回の更新に乞うご期待 ・・・と言っても誰も期待なんかしてないかも知れませんが。

 ・・・というわけで改めてテイスティングしたワインたちをズラズラーっといきます。

登美(白) 2013 登美(白) 2013 グラス
名称登美(白) 2013
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考小売価格 9,698円)
購入店 サントリーさんから

 テイスティングは、白2種類と赤4種類。 いずれもサントリーのフラッグシップ・ワイン「登美」のバーティカル・テイスティング。 「いよいよ出たなラスボス達!」であります。 最初は、2013年産の「登美」の白から。 同じくシャルドネの2013年産は、前日に稽古しております。 そちらが5,000円でこれが10,000円、どこが「安ワイン道場」なんだか、であります。

 色は普通の白ワインの色で、師範が普段稽古している1,000円クラスの白でも良くありそうな感じです。 ただ、やっぱり香りは違いますな。 まず最初に感じられるのが厚い蜜香、 そしてトロピカルな雰囲気の甘いフルーツ香があって、 更にバニラのような香ばしい香りも。 前日稽古した登美の丘のビオのシャルドネ同様、強め樽香が乗ってはいるんですが、 他の要素もしっかりとしているので悪目立ちはしません。 味は、ふくらみはあるけどふくらみ過ぎず、ミネラルを感じる均整のとれた味わい。 素直においしゅうございます。

 やはりさすがはフラッグシップの白、といったところでしょうか。 文句の付けどころがないワインだと思います。 こうなると師範ごときが云々出来るレベルでは無いわけですが、 敢えてネガティブなこと書くとすれば、 あまりに優等生かつブルゴーニュっぽ過ぎて、日本ワインらしさが見えてこないというか、 侘び寂びの世界観が無いという感じはしました。 わざわざワインに侘び寂び求める人も居ないとは思いますけどね。

点数83点
登美(白) 2011 登美(白) 2011 グラス
名称登美(白) 2011
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考小売価格 10,584円)
購入店 サントリーさんから

 もう一本の「登美」の白は2011年産。2013年と比較すると難しい年だったらしいですが、 果たして師範レベルの人間にもその違いが感じられるもんでしょうか・・・と心配だったわけですが・・・

 結論から言うと、これくらい違えばその差は誰だって判る、ってくらい違いました。 そして、師範的にはこっちの方が好印象です。 2013年が甘い雰囲気の香りが強かったのに対して、 こちらはちょっとハーブのようなクリアな香りを感じます。 そして、わずかに熟成感もあり、樽香は香り全体の中に良い感じに溶け込んでいます。 味わいは、2013年と比較して明らかに酸がしっかりしていて、カチッとした骨格が感じられます。 「登美」の白はシャルドネ100%とのことですが、 ちょっとソーヴィニョン・ブランみたいな気配が感じられました。 多分それは師範がソーヴィニョン・ブランの個性を勘違いしているんでしょうけど。

 結果、相対的にコッチの方が「日本ワインだなぁ」という印象を受けました。 それがブドウの出来に由来するのか、醸造方法に由来するのか、熟成期間の違いに由来するのか、 師範レベルでは判りませんが、いまこの2本を比較すると2011年産に軍配を上げます。 シュッとして立ち居振る舞いの美しいワインです・・・って、ワインの例えとしてはヘンだな。

点数85点
登美(赤) 2009 登美(赤) 2009 グラス
名称登美(赤) 2009
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格(参考小売価格 12,182円)
購入店 サントリーさんから

 赤のテイスティングは、「登美」のヴィンテージ違い3種と、 「登美」のブランドが出来る前、なんと1976年産のシャトー・リオンの比較試飲。 若い方から順番に古い方へと進んで参ります。

 そして、一本目のヴィンテージは2009年。 今回の中では一番若いわけですが、若いと言ってもぶどうが収穫されてから6年以上も経つわけで、 師範の普段の稽古相手なんかと比較するとそれなりにご年配です。 ちなみに品種はカベルネ・ソーヴィニヨン45%、メルロ35%、プティ・ヴェルド20%だそうです。

色は、まだストレートに濃い紫色。若干濁ったような印象を受けたのは、 注がれた順番(最後の方でした)に起因するのかも知れません。 香りのボリュームは素晴らしいですね。 ギュッと締まった濃い果実香にコーヒーのような甘香ばしさがあって、 ワクワクするような香りです。 そして口に含むと、渋味はギスギスしてなくて全体に丸っこくて、 ブドウの美味しさがダイレクトに感じられる初期の飲み頃のピークのようです。 ただ、香りの割には味わいが軽めな印象を受けるのは、ここの赤に共通するところかも知れません。

 個人的な嗜好として、あまり熟成感が強いものよりも若いワインが好きなので、 今回の中ではピカイチに感じたうちの一本です。 でもまぁお値段がお値段ですからね、自腹だったらもっと厳しい目線で見ているのかもですが。

点数88点
登美(赤) 1996 登美(赤) 1996 グラス
名称登美(赤) 1996
生産者サントリー 登美の丘ワイナリー
価格(参考小売価格 不明)
購入店 サントリーさんから

 二本目の「登美」の赤は、グッと時代が遡って1996年産、今年ちょうど二十歳、 ワイン造りのスタイルを今のものにした元年に当たる年だそうです。 品種は、カベルネ・ソーヴィニョンとメルローとカベルネ・フランが使われているとのこと。 最近の作ではプティ・ヴェルドが使われていますが、この頃は使わなかったんですかね? いずれにせよ、このワイナリーでは20年くらいでブドウの木を植え替えるそうなので、 このワインに使われたブドウの木は現存していないものと思われます。

 色はまだまだ十分に青紫色の範疇で、前のワインよりも更に濁った感じ。 デキャンタせずにボトルから直接、かつ10杯目くらいだったんで、盛大に澱が舞っております。 香りは、ブルーベリーのような若い香りが姿を隠し始め、 干しプラムのような乾いた甘い香り、そしてブランデーのような揮発香が出始めてます。 味わいも、かなりカドが取れて柔らかな味わいに変化しています。 使われてはいなんですけど、どことなくマスカット・ベーリーAのような雰囲気を感じました。 そのあたりにどことなく日本ワインらしい印象を受けます。

 前のワインが若い美味しさのピークだとすれば、こちらは熟成し始めのピークくらいの感じでしょうか。 蔵出しも蔵出し、このワイナリーから外に出ていないワインですから、 管理の問題が一切ない、というのもキレイな熟成に作用しているのだと思われます。 まさに「二十歳の箱入り娘」ですな。

点数88点
登美(赤) 1990 登美(赤) 1990 グラス
名称登美(赤) 1990
生産者サントリー 登美の丘ワイナリー
価格(参考小売価格 不明)
購入店 サントリーさんから

 そして年代は更に遡って1990年産。 そんな時代から「登美」なんてあったのかと思いましたが、実際は1982年から造られているとのこと。 結構な歴史があるんですなぁ。 そして、この年の造りは、かなり抽出を強くしてガッチリしたワインに仕上げられたとのこと。 そういう、具体的な情報を拝聴しながら飲めるのが良いっすね。

 色は、右のグラスの写真でもわずかに判るかな? 前までのワインのような青紫色ではなく、ややガーネット色というかレンガ色というか、 そういう熟成感が見て取れる色になっています。 そして、澱問題は更に深刻で(笑)、ボトル写真でも大量の澱が見て取れます。 ただ、師範は鈍感なのか、澱があるからと言って香りや味わいにネガティブな影響があるようには感じないんですな。 もちろんグラスの底に残った澱自体を口に含むとザラついてイヤですが。 そして香りは熟成ワインっぽさ全開です。 果実香というより奈良漬のようなクターッとした香りと、 朽木みたいなアーシーな香りが主体的になっています。 味も香りの印象に近く、なんとなく醤油を想わせるような雰囲気でしょうか。 もちろん醤油みたいにしょっぱいわけじゃありませんけど。

 渡辺所長は『今が飲み頃』と言われてましたが、 師範の嗜好的にはやや熟成が進み過ぎなように感じられました。 強い抽出の影響か、どことなくギスギスした感じもあったりで、 ちょっと「トウの立ったアラサー」的だったような・・・ってそこまで悪くは無かったんですけど、 どうしても比較して飲むとそういう印象になっちゃいます。 もし単体で飲んだら「こりゃ美味ぇ!」と言ってたことでしょう。

点数78点
Chateau Lion Cabernet Sauvignon 1976 Chateau Lion Cabernet Sauvignon 1976 グラス
名称Suntory Chateau Lion Cabernet Sauvignon 1976
サントリー・シャトー・リオン カベルネ・ソーヴィニョン 1976
生産者Suntory S.A.
サントリー株式会社
価格(参考小売価格 不明)
購入店 サントリーさんから

 最後の赤は、なんと1976年産、今から40年前のシャトー・リオン。 そんな古い日本ワインは初めて稽古する・・・わけじゃないんですな。 今を去ること18年前、同じくシャトー・リオンの1966年産と稽古しております。 その時の印象は、正直言って「枯れ切った」ワインという印象でした。 ただ、あのワインはどこだかのお宅に常温保存されていたモノらしいんだけど、 こちらは造り手のセラーで保管されていたもの。 状態には歴然とした違いがあるものと思われます。

 色の違いは右写真でも確実に判りますね、あきらかに明るい紫色になっています。 そして、不思議なことに澱はほとんど無くて、グラスに注がれても澄んだ状態を保っています。 香りは、ボリュームこそおとなしめ。でも、ドライフルーツのような甘さのある果実香と、 紅茶(アールグレイ)のような品の良い乾いた木の葉の香りがします。 味も、無駄をそぎ落として小さく丸くまとめた感じ。 渋味はほとんどこなれていて、甘酸っぱさのみを凝縮したような味わいです。

 まるでブルゴーニュの古酒を飲んでいるのかと錯覚するような、 非常にキレイに熟成したワインでした。 まさにこれは「美魔女なアラフォー」ですね。 若いヤツも良いけれど、こういう姿を見せてくれるオトナなワインも捨てがたい。 大変貴重な体験になりました。

点数85点
テイスティングしたワインたち

 以上でワイナリーでのテイスティングは終了。 皆さんお疲れさま、それではさようなら~ではなくて、 この後テイスティングしたのと同じワインや、新たなワインを持ち込んで、 近くのイタリアン・レストランで食事会をセッティングして頂いておりました。 もう至れり尽くせりでございます。 その模様はまた後日!

 ・・・というわけで改めてディナーの様子を追記します。

カンパーナ 外観

 伺った店は、甲斐市内にあるカンパーナという一軒家のイタリアン・レストラン (お店のサイト)。 我々はバスに揺られて向かいましたが、 電車だと中央本線塩崎駅が最寄り駅になるようです・・・ってか、こういう地域だと電車ってあまり利用しないでしょうな。

 この日貸切だったかどうかは判りませんが、 天井の高い広めのホールは私たちの集団で独占しておりました。 なんか「結婚式場ですか?」ってくらいノーブルなホールとテーブルセッティングだったように思います。

カンパーナ ビール

 レストラン到着後、渡辺所長自らワイナリー全体の施錠をして来られるのを待つ間、 サントリーのプレミアム・モルツ瓶ビールで乾杯。 やっぱりビールは缶より瓶の方が美味いよね。 そして、この一連のサントリーさん主催の飲み会では、 ワイン好きな方だけが集まっているにも関わらず、 必ず乾杯はビールです。 そういうところは日本人っぽいなぁ、と思いますが、 ココに集まった連中の中で、こういう会をビールから始める人は少数派だとも思います。

カンパーナ 前菜

 そんな感じで料理がスタート。 用意して頂いたのはイタリアンのフルコースで、まず前菜(Antipasto)がコレ。

  甲斐サーモンのタルタル

 畑田シェフみずから料理の説明をして頂きました。 「甲斐サーモン」ってのは大型のニジマスとのこと。 下記するマスカット・ベーリーAのロゼに合わせて、とのことでしたが、 強すぎない風味の料理に対してブドウジュースのようなワインだったので、 どちらかというと料理の方が脇役に回る感じでした。 腰の低いシェフの人柄を反映しているのかも知れません。

カンパーナ パスタ

 メインの前のパスタ(Primo)はコレ。

  イカ墨を練り込んだ自家製タリオリーニ 魚介と菜の花のソース

 イカ墨って美味いよね。そして、ソースがイカ墨だと口の中が真っ黒になって大変だけど、 麺に練り込んであればそうはならないでイカ墨の旨味を上手に味わえます。 さらに、この料理に関しては菜の花の感じが春らしくて良かったな、という記憶がございます。

カンパーナ メイン魚

 メインの魚料理(Pesce)はコレ。

  燻製した鰆と春野菜のソテー アンチョビバターソース

 全体に、ここの料理は優しい味わいのものが多い印象です。 あとで調べたところ、 こちらのシェフは以前サントリー登美の丘ワイナリーレストラン「ワインテラス」の料理長をされていたみたい。 なるほどそういう繋がりなんですな。 だから、あくまで「ワインを主役に」ということなんでしょうかね? 上から目線でスミマセンが、 あまりイタリアンとかを食べなれない方にもすんなり受け入れられる味わいだと思います。 反面、食べなれた方だともの足りなく感じられるかも知れません。

カンパーナ メイン肉

 メインの肉料理(Secondo)はコレ。

  黒毛和牛肩バラ肉の赤ワイン煮込み ポルチーニ茸のクリームソース

 ここらへんになると、かなり記憶の方も怪しくなってきます。 でも、撮った写真を見る限りたいそう美味しそう、きっと美味かったんだろうなぁ・・・と遠い目。 せっかく精魂込めて作って頂いた料理を、 こんな脳ミソの状態で食べてしまい申し訳ございません。 己に猛省を促したいところでございます。

Japan Premium Muscat Bailey A Rose 2013 Japan Premium Muscat Bailey A Rose 2013 グラス
名称Japan Premium Muscat Bailey A Rosé 2013
ジャパン・プレミアム マスカット・ベーリーA ロゼ 2013
生産者サントリーワインインターナショナル
価格(参考小売価格 1,728円)
購入店 サントリーさんから

 そして、ワイナリーでのテイスティングには無くてここでのディナー用に用意されていたワインがコレ、 マスカット・ベーリーAで造られたロゼであります。 ここにきてようやく師範が普段稽古する価格帯からのワインの登場。 最初席に着いたとき、このワインがテーブルの上に5~6本用意されていて、 「ロゼだけでどんだけ飲むんっすか?」と思ったけど、 半分は撮影用に用意して頂いたものでした。そりゃそうだよね。 実際開いたのは3本くらいだったんですかね? 果汁は、 直接圧搾したものとセニエ(赤ワインの凝縮度を上げるために果汁を抜くこと) されたものの両方が使われているそうです。

 さてまず色ですが、右写真でも判るようにロゼとしてはかなり濃い目で、 ピンクの色合いがはっきりしております。 香りは、笑っちゃうくらいフレッシュ&フルーティで、 「これはブドウジュース?あるいはイチゴジュースですか?」って感じ。 イチゴや生食用のベーリーAそのものの香りがします。 口に含んだ感じも、ほんのり甘さがあって酸味もあるし、僅かに収斂性があって、 生ブドウの雰囲気そのまんま。 ワイナリーでテイスティングしたワイン達とは明らかに傾向が異なる、 とにかくフレッシュさがウリのワインのようです。

 これからの季節、お花見でもしながら大人数でパーッと、という席にはまさにぴったりと思われるワインです。 アレはアレ/コレはコレ、ワインもTPOで使い分けたいですな。

点数75点
登美(赤) 2009 登美(白) 2011

 上記のロゼ以外も当然ワインが用意されていて、 白は昼にテイスティングした登美(白) 2011、 赤も昼にテイスティングした登美(赤) 2009を大量に。 それ以外にも昼にテイスティングした赤、登美の1996や1990が別テーブルに用意されていて、 飲みたい方はご自由にどうぞ状態。 要は、一本10,000円のワインが各種飲み放題なわけですわ。 そりゃ有り難く頂かないとバチが当たります。 というわけで思いっきり有り難~く感じつつもグイグイと飲んでいたら、 大酔っ払いの出来上がりと相成りましてございます。

 ちなみに料理は、この後デザート(Dolce)

  甲斐市の紅ほっぺとフロマージュ・ブランのムース

が出されて、最後に

  コーヒーまたは紅茶

が出されています。確か師範はエスプレッソをお願いしたような気がします・・・って覚えてなくてスミマセン。

カンパーナ ワインたち

 そんな感じで至れり尽くせりなワイナリー・ツアーでありました。 右写真は、レストランでの登美2009年、1996年、1990年が揃い踏みした写真。 見た目は同じ感じですが、 こんなにヘベレケ状態になっていてもどれがどれか判らなくはならなかったので、 年ごとのキャラクターってのはとても強いんだなと思わされました。

 そして、(もちろんこんな大名接待は無理としても) ワイナリーに足を運んで、テイスティングして、現地のレストランで現地のワインを頂く、 というのはとても楽しいイベントになると思いましたよ。 あと、今回はブドウ畑はお休みの時期でしたが、 収穫なんかを手伝うことが出来れば、もっと印象深くて楽しいツアーになるんじゃないかな? 温泉街の温泉手形みたいに、 ワイン手形なんか発行して、あちこちのワイナリーで一杯ずつ飲めます、とかも楽しそうっすね。 移動の足の確保は別途考えなきゃですが。

 ともあれ何から何までありがとうございました>サントリーの皆さん。 ご恩に少しでも報いるべく、一日の出来事としてはありえない量のページ更新をさせて頂きました。 ただし、評価に手ゴコロは加えていません。 そこは「武士は喰わねど独立系」を貫いているつもりです・・・って喰ってますが。

 以下、サントリーさんの日本ワインのサイト、それが買えるAmazonの特集ページ、 そして今回参加されたブロガーの皆さんのサイトへのリンクを掲載しておきます。

日本ワイン サントリー

Amazon日本ワインバナー Amazonの特集ページ

プチプラワイン日記 レポート
わくわくするワイン、ときどきお酒 レポート
MOMOの東京グルメ日記
徒然わいん レポート
ワイン大好き ~ラブワインな日々~ レポート
ワインのきらめき ~我が家のドリンキング・レポート~ レポート
ワインヲタ入門生のチラシの裏 レポート
ワインと絵画がある生活 レポート
まいにち、エシェ蔵! レポート
アルさんのつまみ食い2
こんちゃんの--今日は何飲もうかな?-- レポート
 
サントリーグルメガイド レポート

 ・・・で、続きがありまして・・・

Petite Lumiere N.V.
名称Petite Lumière(赤) N.V.
プチ・ルミエール(赤) (ヴィンテージ無し)
生産者ルミエール
価格702円 (360ml)
購入店 山梨県産品センター ワインセラー

 レストランから甲府駅まではバスで運んで頂いて、甲府駅到着は19:30頃。 帰りの電車は「特急かいじ124号」、20:02甲府発新宿行き。 時間があるので土産物屋などを物色しつつ時間を潰します。 そういう時ってのは魔が差しやすいわけで、 ついつい買っちゃったのがこのワイン。 他の参加者の方からは『師範が車内用のワイン買っている!まだ飲むつもり?』などと嘲笑されておりました。 確かにねぇ、既に十分に飲み過ぎていたのにねぇ。

 で、参加者の皆さんとは甲府駅でお別れ、 特急列車内の指定席で今日一日の言動を深く深く反省しつつ一人スクリューキャップを捻ります。 このワイン、お値段700円のお手軽ハーフボトルで、 品種は『カベルネ・ソーヴィニョン、ベリーA等をブレンド』と書かれています。 そして、残念ながら『輸入ワイン・国産ぶどう使用』なので全く「日本ワイン」ではありません。 日本ワイン、もっとハーフのラインナップを増やすべきだと思うんですよ。 ハーフじゃなきゃこういう時買わないもん。

 色は、この値段の国産(と言っていいものか)ワインとしてはかなり濃い感じです。 香りは、ピーマンみたいな青っぽい香りがメインで、カベルネ・ソーヴィニョンの要素を強く感じます。 味は、本日飲んできた赤ワインと比べると明らかに若くて、 口の中に渋味の膜が張り付く感じです。

 結果、旅の途中に列車の中で飲む700円のハーフワインとしてはアリですが、 フルボトル1,000円以上出すとなるとちょっと・・・という印象のワインでした。 でもそんな感じで、ハーフだから許される場っていろいろあると思うんだな。 特にワイン産地の駅売店にはハーフをいっぱい揃えて欲しい、というのが安ワイン者からの切なる願いです。

点数67点

12日(土)

登美の丘 シャルドネ Block D1,2 2013
名称登美の丘 シャルドネ "Block D1,2" 2013
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格頂きもの (参考小売価格 5,400円)
購入店 サントリーさんから

 本日のワインは、サントリーさん主催の飲み会の際、 お土産に頂いたワイン。 なんでも、登美の丘ワイナリーの自社畑の一区画(Block D1, 2)で、 ビオを採り入れた栽培法を採りいれられているそうで、そこのブドウのみを使って造ったワインとのこと。 結構レアなワインらしく、お値段を調べたら一本税別5,000円也。 ありがたく頂かせて頂きます。

 そんなワインなんで、本日の夕食ワインとの相性をいろいろと確認できるようなメニューをということで、 新筍の蒸し焼きと手巻き寿司。 寿司種は、本マグロ、真鯛、ヤリイカ、ミズダコ、シメ鯖、カイワレ大根、大葉と梅。 日本ワインにはこういう料理が合いそうだ、と考えたわけです。

 色は、やや熟れた感じのレモン色。 比べたわけじゃないし光も違うので信憑性はありませんが、 ベーシックなシャルドネと比べると濃いような印象を受けます。 香りは明らかに違います。 こちらは、まるでムルソーあたりをお手本にしたような、 スコッチウィスキーのような香ばしさがバーン!と。 新樽比率が高いのか樽熟期間が長いのか樽の焦がしが強いのか、 いずれにせよ樽香はこちらが強めに感じます。 樽の向こうには、ちょっとトロピカルな感じのフルーツ香がするあたりも、 ブルゴーニュの南の方みたいな感じを受けます。 味は、甘さ控えめで酸味もそんなに強くはなく、 口に含んだ最初はちょっと心細げですが、余韻にしっかりした旨味を感じます。 それに加えてしょっぱいとも思えるようなキリッとしたミネラルがあって、 飲み込んだ後は物足りなさはありません。

 で、手巻き寿司との相性に関しては、案外樽香は邪魔にならないです。 というのも、道場では手巻き寿司の時にさわら材の寿司桶を使うので、 その香りと繋がります。 そして、本マグロ、真鯛、ヤリイカ、ミズダコ、 といった魚介類に対しては一定の相性の良さを見せますが、 唯一シメ鯖だけはいけません。青魚特有の生臭さが助長されます。 あと、「日本ワインだから特別合う」といった感じがしなかったのはちょっとがっかりポイントです。

 結果、これまでご相伴に預かってきた日本ワインの白とは一線を画す、 ストレートに高級ブルゴーニュを指向したようなワインのように感じました。 ビオを採り入れたってことなので、もっとシンプルなワインを想像していましたが、 実際はかなり「しっかりメイク」なワインのようです。 こういう派手派手しいワインも嫌いじゃ無いし、 まるでアカデミー賞のパーティででも使われそうな世界共通の高級感が感じられるわけですが、 「日本ワイン」の雰囲気じゃないなぁ、と感じるのも事実です。

点数80点

11日(金)

ニッポンまぐろ漁業団 外観

 先日のサントリーさんの飲み会の時、 素敵なブロガーさんに対して『長続きさせるには溜めないこと』などと偉そうに 講釈を垂れたようなので、 昨日の飲み会を溜めずに急ぎ更新します。

 本日は、師範が入社した時に同じ職場だった先輩K氏が晴れてご退職、 ということで当時のメンバーが集まっての送別会。 といっても退職されたのは2月末、 そしてその後は再雇用されて以前同様勤務されているんであまり「送別会」って感じは無く、 単なる懐かしメンバーでの飲み会、になっております。

 今回幹事役のサポートをさせて頂いているので、 店のチョイス&予約は師範が取り仕切りました。 食通の主賓K氏と、コストに厳しい幹事長T氏双方を満足させるという難しいミッションでしたが、 結果的に選んだのはニッポンまぐろ漁船団 新橋店というところ。 最近お世話になっているサントリーさんのグルメガイドに紹介されていて、 マグロづくしのコースと言うちょっと変わった嗜好の割には一般的な居酒屋価格のコース設定だったので、 訪問したことはないけどココにした次第であります。

ニッポンまぐろ漁業団 まぐろ刺身の3種食べくらべ

 注文したコースは、船長仕切りの浜コース、飲み放題税込み一人5,000円。 その内容は下記であります。

  自家製豆富と枝豆
  シーザーサラダ
  まぐろ珍味3種盛
  まぐろ刺身の3種食べくらべ(写真左)
  豪快!まぐろのかぶと焼き(写真下)
  ツナマヨピザ
  ピリ辛油淋鶏
  バラちらし寿司
  レモンケーキ
ニッポンまぐろ漁業団 まぐろのかぶと焼き

 全体に、やや「羊頭狗肉」な感は否めないというか、 店の雰囲気やキャッチコピーから受けるほどの豪快さは感じません。 右上写真の刺身も「マグロだけ」という潔さはあるもののその味は普通の範疇で、 左のかぶと焼きも頭自体が小さくてあまり食べるところがありません。

 などと期待の大きさからややネガティブなこと書いちゃってますが、 普通一般の居酒屋と比べると個性があってよろしいと思います。

退職祝いのワイン

 働きモノの師範は、今回退職祝いの贈り物の選定&発注も買って出ております。 退職されるけど職場には残って再出発、ということで選んだのが、 南アフリカNew Beginingsというワインで、赤がピノタージュ、白がシャルドネの2本 (選定にあたってはコチラ のページを参考にさせて頂きました)。 特に高級なワインってこともないので(爆)、 近いうちに飲んじゃってくださいな>K氏<

ニッポンまぐろ漁業団 ビール ニッポンまぐろ漁業団 ワイン


 サントリーのグルメガイドで紹介されていたお店だけあって、 このお店のビールは飲み放題でもサントリーのプレミアムモルツです(左下写真)。 そして、居酒屋によくある「ピッチャーで提供」ではなくて、 一杯ごとにジョッキで提供してくれるのも高ポイントですな。

 そして、「安ワイン道場師範」は当然ワインも頂きます。 白はやや甘めでゴムっぽさがあって、赤は薄くて渋味は激弱でこちらも甘さが強め。 師範の安ワインセンサーは『きっとカルロロッシだな』と反応しましたが、聞いてないので定かではありません。 このお店のワインにはサントリーのジャパン・プレミアムが置いてあるんで、 飲み放題でそれが飲めれば激ハッピーなんだけど、そうは問屋が卸しませんわな。

 そしてその後、この店が入っているビルの上階にある山内農場で二次会。 写真も何も撮ってませんが、普通の居酒屋で1時間ちょっと居て一人1,500円、 納得価格です。

 そんなこんなの送別会。まずまず皆さん満足されていたようでめでたしめでたし。 入社した時の部署は師範が入社後1年半くらいで解散したので、 このメンバーで飲むと師範はいつまで経ってもハナタレ坊主なわけですが、 それはそれで気が楽だったりします。


9日(水)

Chateau Haut Vieux Chene 2014
名称Château Haut Vieux Chéne 2014
シャトー・オー・ヴュー・シェーヌ 2014
生産者Ch. Haut Vieux Chéne (Bertrand Roy)
シャトー・オー・ヴュー・シェーヌ (ベルトラン・ロワ)
価格754円
購入店 酒類の総合専門店 フェリシティー

 水曜お料理当番の師範による本日の夕食メニューは、 厚揚げ入り回鍋肉、青梗菜のお浸し、カニカマかき玉スープ。 そろそろ新キャベツの季節ですが、回鍋肉に使ったキャベツはまだ旧キャベツです。 新キャベツって炒め物には火の通りがバラついて難しいよね。 茹でたり蒸したりは良いんだけど。

 そして合わせたワインは、お手軽価格のボルドー産赤。 ジロンド川右岸のシャトーで、品種はメルロー70%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%、カベルネ・フラン5%とのこと。 お値段は単品価格で754円、生粋の「3ケタ安ボルドー」です。

 色はシッカリと濃い青紫、少量注いだ段階で向こうは透けません。 香りのボリュームはおとなしめ。 でも、黒系果実と言われそうな濃いベリー香が感じられて、いかにもボルドー産らしい雰囲気です。 味も、人に媚びないシュッとした雰囲気で、キメの細かい渋味が全体を律していて、 甘味や酸味はその脇役、といったバランス。 昔ながらのボルドーの良さがしっかり感じられます。

 特筆すべき様な美点は見られないんだけど、 良くも悪くも普通に楽しめます。 古き良きボルドーの雰囲気で、 いわゆる銘醸地ボルドーの産で、 なんだか金賞を2つも貰っているようで、 それを遠く離れた極東の日本まで運んできて、 そんなワインが売価は754円なわけですよ。 日本ワインにも頑張ってもらいたい気持ちは山々なわけですが、 1,000円以下はほぼ絶望的な現状を考えると、 この絶対的な価格差をどうするかが一番の課題ではないかと考えるわけです。

点数72点

6日(日)

 ひな祭りの日、ココで「今週は休肝日は火曜一日だけだな」などと ナメた発言を書いたことにバチが当たったのか、 金曜午後から体調を崩し、金曜の夜には発熱38.3℃。 寒気もするし「こりゃ間違いなくインフルエンザ貰ったなぁ」と観念していたところ、土曜朝には平熱に。 一応医者に行ったけど『そんなに早く熱が下がるようならインフルエンザではないでしょう』との判断。 不幸中の幸いであったわけだけど、一応大事を取って土曜も飲まず、期せずして予定外の二日連続休肝日と相成りました。

Lion Creek Cabernet Sauvignon - Shiraz 2014
名称Lion Creek Cabernet Sauvignon - Shiraz 2014
ライオン・クリーク カベルネ・ソーヴィニョン - シラーズ 2014
生産者Napier Winery
ネイピア・ワイナリー
価格884円 (単品価格:918円)
購入店 お手軽ワイン館

 本日の夕食は、牛ハラミのステーキに、 黄ニンジンやカリフラワーの花芽といったちょっと変わった野菜のバーニャカウダ。 そして病み上がりの一本は、南アフリカ産のカベルネ・シラーズ。 アルコール度数は14.5%もあるので、病み上がりにふさわしいかどうかはアレですが、 食前にビールとか、飲み足りなくて食後酒追加とか、なんてことにはせず本日コレ一本のつもりでチョイス。

 色は、この国のこの品種らしく濃い紫色ではあるのですが、 大き目のグラスに注いでも向こうが透ける清澄度があります。 香りは、ギュッと締まった果実香にコーヒーやチョコレートのような香ばしさ、 それに薄らとミントと有機溶剤のスッとした感じがあって、なかなか良い雰囲気です。 味は甘さしっかりで酸味も比較的あるので、浮ついた感じはありません。 ただ、若いからか渋味がややザラつく感じが残念ではあります。

 もっと強くて険しいワインを想像していましたが、 案外優しい感じで病み上がりの癒しの一本としてはグッドチョイスでした。 最近師範近辺では盛り上がりを見せつつある南アフリカ産ですが、 これが1,000円以下で買えるとなるとチリ産の安ワインにガチで勝負可能、 かつ違う世界を見せてくれる感じがします。

点数76点

3日(木)

ひな祭り 料理

 本日三月三日はひな祭り。道場には三人のおひなサマがいらっしゃいますので、 ひな祭りは外せません。 料理は、海鮮ちらし寿し、菜花と雪下人参のナムル、ハマグリのお吸い物。 ちらし寿しのベースは永谷園ですが、こういう和のメニューは落ち着きますな。 ハマグリはもちろん国産です。 お吸い物にする場合は貝の中に入っている海水?も口にするわけで、 そういうものに中国産はちょっと・・・です。

Montagne Noir Viognier 2014
名称Montagne Noire Viognier 2014
モンターニュ・ノワール ヴィオニエ 2014
生産者C.J.A.
C.J.A.
価格1,390円
購入店 たむらワイン店

 「♪三月~はひな祭り~で酒が飲めるぞ~♪」ということで、 休肝日を返上して飲むことに・・・ってつい最近も書いたな。 ってか今週の休肝日は火曜一日だけだな、、、ま、月を跨いだから良いっか。

 ・・・などと誰に対してなのか判らない言い訳をしつつ、 ひな祭りの料理に合わせるワインをチョイス。 日本ワインが1本あって、それが一番合いそうではあるけど、 平日稽古するにはちょっともったいな過ぎなので次善の策として選んだのがコレ。 横浜の長者町にある「たむらワイン店」で試飲した時に柔らかい印象があった南仏産のヴィオニエ。 "C.J.A."という不可思議な造り手名だけど、 ボルドーのシャトー・ランシュ・バージュがワイン造りに絡んでいるとのこと。

 色は、普通の安白ワインと比べると気持ち桃色が入っている気がします・・・って、 それは間違いなく桃の節句に開けている先入観でしょう。 それでもやや黄色に赤みが差している感じはします。 香りは、明らかに桃の香りがします。これは先入観じゃないっすね。 黄桃の缶詰のような、甘いフルーツの香りが特徴的です。 味は、僅かに炭酸のチリチリ感があって、 後は桃缶のシロップから甘さをかなり差っ引いた感じ。 そんなに甘くは無いんだけどマッタリとしています。

 ・・・と、飲み始めは激しく好印象だったんだけど、 華やかさ一辺倒な味と香り、そして酸味も弱さが災いしてか、 飲み進めるとだんだん飽きが来ます。 一人でじっくり、ってのより複数人でパーッと、って飲みかたが良いような気がします。

 ともあれ、桃の節句にこのワインを開けたのは大正解でしょう。 ただ、桃の節句って桃を食べるわけじゃないんで、特段料理との相性が良いわけではないですが。

点数72点

2日(水)

杵屋 外観

 本日は、中学校時代の友人Mt氏&My氏から「呑うばい!」というお誘いを受けてちょいと一杯。 場所は六本木、師範には珍しく2週続けて六本木です。 店は、近隣のオフィスにお勤めのMt氏に連れられて杵屋 六本木泉ガーデンタワー店へ。 「六本木で杵屋かよ!」という声が聞こえて来ないではありませんが、 まぁサラリーマンの呑みっすからね。

 店は、六本木一丁目の地下鉄駅からすぐ、でっかいオフィスビルの地下にあります。 しっかし杵屋って店はどこにでもあるよなぁ。 道場最寄りの鄙びた駅にもありますからね。 直営かフランチャイズか判りませんが、 これだけ大量出店しても長く経営が持続する秘密がどこかにあるのでしょう。

杵屋 料理

 この店のディナータイムは、 酒も料理も全品390円(税別)とのこと。 酒が飲めれば何でもいい、ツマミもあれば何でもいいという客層に実に見事にマッチした価格設定です。 だもんで料理のコストパフォーマンスも実にいろいろで、 左写真の鶏のわらじカツなんてのはかなりお得感がありますが、 キュウリの一本漬なんてのが税込400円以上、というのは明らかに利益率高め。 選ぶ側の選球眼が試されております・・・なんて言いつつ注文しちゃうんだよな、 キュウリの一本漬。そういうサッパリしたものが食べたくなるお年頃です。

杵屋 ビール

 飲み物もどれでも390円、ということで、 一番コストパフォーマンスが高そうな生ビールをガブガブと。 5杯くらいは飲んだかな?その後は黒霧島のロック黒霧島のお湯割りを。 立派な酔っ払いの出来上がりです。 ちなみにワインはありませんでした。 「小さなグラス1杯の安ワインで400円も取るのは忍びない」、という店側の見識と捉えましょう。

 そんな感じで、トータルのお支払いは一人4,000円程度。 単価は安くとも、こんだけ飲めばそれくらいにはなるわけですな。 皆様お疲れ様でした。