ゴールデンウィーク中の平日となる5月2日、「安ワイン道場師範」におきましては暇をこじらせていまして、
その暇つぶし解消手段として思いついたのが「勝沼あたりに行って散歩しながらワイナリー巡りしたら楽しいんじゃね?」ということで・・・
勝沼ワイン散歩
を敢行することに相成りました。
あくまで目的は散歩なんで、前もってワイナリーの見学予約とかはせず(っていうか思いついたのが前日)、
基本的に足の向くまま気の向くままの小旅行であります。
・勝沼への道 |
1.シャトー勝沼 |
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2.イケダワイナリー |
3.勝沼醸造 |
4.丸藤葡萄酒工業(ルバイヤート) |
5.原茂ワイン&Casa da Noma |
6.中央葡萄酒(グレイスワイン) |
7.MGVs(マグヴィス) |
8.シャトー・メルシャン |
・総括 |
「旅行に行く」となったらウキウキして楽しくなってしまうのは小学校の頃から変わりません。
前日早めに寝たこともあって、目が覚めたのは朝3時過ぎ(笑)。自宅で小松菜の味噌汁を作って朝食を摂って、
現地購入するであろうワインを入れる空のリュックを背負っていざ出発。
朝5時台の列車で道場最寄り駅からスタート、横浜駅で京浜東北線に乗換え、東神奈川で横浜線に乗換え、
八王子で中央線に乗り換えて高尾へ。そこから目的地の勝沼ぶどう郷駅までも中央本線の鈍行列車を利用します。
単なる散歩、そして「安ワイン道場」に特急列車などもったいないのであります。
勝沼ぶどう郷駅の到着は午前8時8分。まだワイナリーの営業開始までには時間があるので、
観光案内所の前に並べられた観光マップを貰い、脳内で「トラベリング・セールスマン問題」を解いて戦略を練ります。
ちなみに本日の勝沼行きを前日にツイッターで公開していて、フォロワーの方などから行くべきワイナリーの情報をいくつか頂いていたので、
そこを中心に効率よくワイナリーを巡る予定を立てました・・・って立てたつもりだったんですよ、この時は。
勝沼の天気は花曇り。昨日の予報では晴れだったはずが、今日になって「午後から雨の可能性」などと言いやがります。
そんなこと言われたってこちとら歩く気満々なんで、気にせずスタート。午前8時40分ごろ歩き始めました。
最初に訪問したのはシャトー勝沼。勝沼ぶどう郷駅からワイナリーが散在する町の中心部方面に降りていく坂の途中にあります。
ココ、かなり大規模な造り手のようですね。山の斜面にいかにも「シャトー」といった風情の建物が現れて、いやが上にも気分が盛り上がります。
ショップの営業時間は朝9時から。その少し前に着いちゃったんで周辺をウロウロあちこち写真を撮ったり。
中の人から見たら不審者に見えたかも。あるいは気合の入り過ぎた安ワインマニアか。
開店と同時に入店。店内には木樽が5つ置かれていて、それは無料で試飲できます。飲むのに使う器はプラスチック製のお猪口。
5種類の内訳は、甘口白、甘口ロゼ、甘口赤、辛口白、辛口赤。
そのうち甘口白と辛口白、そして辛口赤を頂きましたが・・・まぁこういうやつだったよね、国産ワインは、という味わいでした。
それらの無料試飲以外に有料試飲のコーナーもあります。
普段は「安いが一番」を座右の銘にしている師範ではありますが、せっかく勝沼まで来たんだから、今日ばっかりは多少の出費は気にせず試飲するぞ!と決めておりました。
試飲のチョイスは、高いのが30mlで500円、安い方で30ml×2種類で500円、そしてスパークリングが80mlで300円。
「やっぱ最初はスパークリングでしょ」と独り言ちつつ選んだのが↓です。
金額当たりの量が一番安かったから、という本当の理由は内緒にしておいてください。
名称 | スパークリング甲州 2016 |
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生産者 | シャトー勝沼 |
価格 | (300円 / glass 80ml) |
購入店 | シャトー勝沼 |
というわけで本日最初の有料試飲がコレ、山梨県産の甲州種を100%使ったスパークリングワインです。
やっぱりね、試飲とはいえどもプラスチックのお猪口じゃつまらんのですよ。
その点さすがは有料試飲、きちんとしたフルート型のグラスに入れて出して頂きました。
本日間違いなく師範が一人目の客だったので、「新しいのを開けるのかな?」と期待したんだけど、
冷蔵庫から出されたのは残念ながら抜栓済みの(とはいえ半分以上残った)ボトルでした。
色は若干ピンク色がかっています。薄いロゼといった感じですかね。
泡立ちは弱めですが、前述のように抜栓済みボトルだったので本来どうだかは判りません。
香りは、確かに甲州種らしい和柑橘の香りが結構します。そこまでは「結構良いじゃん」でした。
ただ味わいが残念。ブドウの皮の部分をガシガシと噛みしだいたような、エグみとも取れる金属的な渋味が支配的です。
スペインの安いカバなんかにありがちな雰囲気ですが、それをさらに強めた感じ。ちょっと厳しいものがあります。
きれいなピンク色を出すために、皮からの抽出を多くしたのかな?などと想像されます。
ボトル720mlで1,540円は日本ワインとしては優秀だけど、
冷静に見ると1,000円程度の安カバの方が良かったりしそうです。
点数 | (67点) |
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試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 4種 | 300円 | 0本 | 0円 |
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トータル | 4種 | 300円 | 0本 | 0円 |
そんなわけで、最初の一軒目のシャトー勝沼ではなにも買いませんでした。
ここでいきなり買っちゃうとこの先ずっと重いリュックを背負うことになる、ということも買わなかった理由の一つです。スミマセン>シャトー勝沼さん。
さて9時20分くらいに散歩を再開。町の中心部へ向かいます。左写真は勝沼の中心部を流れる日川にかかる祝橋。
縁起の良い名前の橋ですな。本日の師範の幸運を保証してくれるかのようです。
で、いきなり暗雲が立ち込めます(天気はまだ花曇りですが)。
次の訪問先として考えていたのはダイヤモンド酒造、ツイッターでもお薦めされていたし、
昨年稽古した「ますかっとベーリーA "Y cube" 2013」が非常に好印象だったので、
是非訪問したいと考えていたワイナリーです。
・・・だったんですが、ショップの入り口には『本日休業』の札が。残念無念。
気を取り直して、次なる目的地はダイヤモンド酒造からほど近い場所にあるくらむぼんワインへ。
こちらも以前スパークリングと稽古したことがあって、
名前通りの柔らかなワインの造り手という印象があったワイナリーです。
・・・だったんですが、ワイナリーの入り口には『本日はご予約のお客様のみの対応とさせて頂きます』との張り紙が。
え?もしかして勝沼の小規模ワイナリーって、予約してないと入れないの?との疑念が師範の脳裏ににわかに渦巻きます。
二軒も空振りしてかなり心配になってきたところ、次に予定していたのはイケダワイナリー。
ここはリアルなお知り合いで日本ワイン好きな「がぶ」さんに推薦して頂いたワイナリーですが、
ホームページを見ると『見学と試飲をご希望の場合は、お電話またはメールでご予約下さいませ』と書かれているんですよ。
こりゃやっぱり一本連絡入れるべきだなと考え、「本日大丈夫ですか?」とお聞きしたところ『どうぞどうぞお待ちしております』とのお返事。良かった~。
このワイナリーの試飲システムは、今回訪問した中で一番好印象でした。
まず、500円払うと試飲できるワインをずらりと並べてくれます。その数は白8種ロゼ1種赤4種の計11種。
それが並んだ姿(右写真)は壮観です。それも今回は「師範一人のために」並べて頂いています。
そして一本ずつどういうワインか説明して頂けます。こりゃー気合を入れて試飲しないと失礼にあたりますな。
グラスはINAOのテイスティンググラスだったと思います。それなりの量を次々に注いで頂き、試飲していきます。
ここで今回試飲したアイテムは下記でした。
・名称不明(ベーシックな甲州:一升瓶ワイン用の二番絞り) |
・Premum Cuvée 甲州 樽熟 2016 |
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・Select 白 2016 |
・Grande Cuvée 甲州 樽発酵 2017 |
・Grande Cuvée 甲州 勝沼菱山畑 2017 |
・甲州遅摘み 2017 |
・Grande Cuvée 甲州 エクセレント 2017 |
・Vin Rosé 2017 |
・Cuvée Muscat Bailey A 2017 |
・Vin Rouge 2016 |
・Select 赤 2016 |
・Grande Cuvée Merlot 2016 |
白はすべて甲州種、遅摘みとエクセレント、ロゼの3種が甘口ワインです。
白のうち最初の二番絞りのものは明確に他とは異なり、香りが弱くてなるほどがぶ飲み用だな、という感じでした。
ところがそれ以外の4種は極めて似ているのね。樽の利かせ方が若干違うくらいで、本質的にはどれも「甲州種ですね」という感じ。
赤はやっぱり凝縮感に欠けるかなぁ。このワイナリーは白を買うべきだと判断しました。
ということで購入したのは、Grande Cuvée 甲州 樽発酵 2017。
試飲した中のミドルクラス、2017と若いので一番ハツラツとしていて、樽の利かせ方も良い感じだったのでコレにしました。
ちなみにお値段は税込み2,150円。適正価格だと思います。そしてなんとこのワイナリー、
気に入ったワインを買うと試飲代500円はキャッシュバックしてくれます。
お客にとっては大変お得感のある試飲販売スタイルでした。
試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 13種 | 500円 | 1本 | 1,650円(試飲キャッシュバック含) |
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トータル | 17種 | 800円 | 1本 | 1,650円 |
2018/12/08:「イケダワイナリー "グランド・キュヴェ" 甲州 樽発酵 2017」と稽古しました。
次に向かったのは、イケダワイナリーからそう遠くない場所にある勝沼醸造。ここもツイッターで「行くべき」とご推薦を頂いたワイナリーです。
外観は古い日本家屋を改装した感じのシックな感じ。
こういうの良いよねぇ。ワイン無しでも入ってみたくなりますもん。
ちなみに勝沼醸造のワインに関して過去の稽古歴史を紐解けば、「アルガ・ブランカ ピッパ」という銘柄とは二度ほど稽古しているようです
(コレとコレ)。
個性的な和風の英文字が使われたエスニックなラベルの印象が強いですが、その世界観はワイナリーでも統一されているようです。
このワイナリーの試飲システムはちょっと説明が必要です。試飲の種類は8種類、
それが「エノマテック」という酸化防止&規定量注ぐマシンにセットされています(左写真)。
そして、テイスティング希望の客は上記エノマテック用のカード代金(500円)と試飲チャージ料金(1.000円)、合わせて1,500円を支払います。
要するに最低1,500円を払わないと試飲できないシステムなんですよ。
これには一瞬固まりました。そして正直帰ろうかと思いました。
「万年貧乏性」を持病に持つ安ワイン道場師範としては、たかが試飲に1,500円、
それも500円は事実上捨て金になものに投資するのは普通ではあり得ないわけですよ。
だって1,500円あればそこそこ良いワインが1本飲めるからね。
・・・なんて逡巡しましたが、「今日は試飲に大盤振る舞い」と決めてきたんで、結局買いましたよ、1,000円分がチャージされたカードを。
やっぱり旅には財布の紐を緩くする効果があるようです。試飲アイテムは8種類のうち、下記の5種類を30mlずつ稽古しました。
・アルガブランカ クラレーザ 2016 | 100円 |
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・御坂(Misaka) 2016 | 200円(売店限定) |
・アルガブランカ ピッパ 2015 | 200円 |
・アルガブランカ イセハラ 2016 | 300円 |
・アルガ レティ―ロ 2015 | 200円 |
試飲ラインナップ8種類中7種類が甲州種の白です。 ここ勝沼の白はほとんど甲州のようですな。 それらの中では、やっぱり過去にも稽古しているピッパが頭一つ抜けていたように思います。 でもボトルで4,320円もするのね。その価値があるかは疑問です。 そしてもう一種、ボトルで4,000円を超えていたのが↓です。
名称 | Aruga Retiro 2015 アルガ レティ―ロ 2015 |
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生産者 | 勝沼醸造 |
価格 | (200円 / tasting 30ml) |
購入店 | 勝沼醸造 |
このワイナリーの試飲、お値段は決して安くないんだけど、その分設備と環境が充実してます。
まず使うグラスがリーデルです。試飲と言えどもグラスが立派だと満足感が違います。
そして、試飲する場所が開放的なテラスで、小川を越えてこのワイナリーが所有するブドウ畑が望める抜群のロケーションです。
確かに試飲に1,500円は高いです。でも、
トータルで150mlの個性的なワインを飲みながら気持ちの良いテラスで時間を過ごす価値を考えたら、
決して高くないという気がしてきます。
そして今回ピックアップしたのは、このワイナリーで試飲した中で唯一の赤です。
使われたブドウは穗阪地区のマスカット・ベーリーA、タンク内で発酵、樽内で熟成されたものだそうです。
まず色は、右上写真からもわかるように赤ワインとしてはかなり薄めです。
香りは、これぞマスカット・ベーリーAな甘い甘い果実の香りとココナッツの香ばしさ。
ところが口に含むと全く甘くない意外感。マスカット・ベーリーAの王道を行く香りと味わいです。
品種の個性がしっかり出ていて、悪くないワインです。
でも、ボトルで4,000円以上と聞くとちょっと引くなぁ。さすがに買う気にはならない値段です。
コスト・パフォーマンスという観点からは日本ワインはやっぱり厳しい、という当たり前の事実を痛感しました。
点数 | (72点) |
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試飲したどれも若干割高な感じだったし、1,500円は投資したのでこのワイナリーでの購入は見送りました。 テラスはとても気持ちが良いので、複数人で来てカードを共用する(ってできるのかな?)のが良い戦略だと思います。
試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 5種 | 1,500円 | 0本 | 0円 |
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トータル | 22種 | 2,300円 | 1本 | 1,650円 |
次に伺ったのが、勝沼でもかなり南の端にある丸藤葡萄酒工業(ルバイヤート)。 実はこのワイナリーは今を去ること20年前にも師範代と二人で伺ったことがあります。 稽古日誌には「おじさんのマンツーマンの説明を受けた」などと書いてますが、その方がここの社長の大村さんでした。 その時に買ったワインが1991年産の甲州(コレ)、 そして以降も甲州2種(コレやコレ)と稽古済み。 ワイナリーの外観はそ20年前と変わらぬ佇まいですが、テイスティングする場所は以前より広くなったと思います。
ここの試飲は、この4月から有料化されたそうです。 ベーシックな試飲は500円で5種、カウンターでワインの説明を受けながらテイスティンググラスで飲むことが出来ます。 この日の試飲ラインナップは以下でした。
・甲州シュールリー 2016 | |
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・甲州樽貯蔵 2016 | |
・マスカットベーリーA樽貯蔵 2016 | |
・ルージュ樽貯蔵 2014 | |
・デラウェア 2017 |
ワイン自体の内容がどうこうと言うよりも、対応して頂いた若い女性(なんか昔のアニメに出て来そうな雰囲気の方)の説明が誠実で好印象、 補糖の有無みたいな意地悪な質問にもちゃんと答えてくれました。 無料だけど説明の無い試飲より、有料でもきちんと対応して頂ける試飲の方が師範は好きだな。 だって、わざわざワイナリーに来たんだから話を聞きたいんですよね。 そういった点でも、ここの「500円で5種、ちゃんと説明」の試飲スタイルはリーズナブルだと感じました。
ここで購入したのがRubaiyat ルージュ樽貯蔵 2014。お値段2,397円はそこそこするわけですが、
丁寧な対応に感謝する意味と、メルローが99%、タナが1%という品種のこだわりに惹かれて買いました。
そしてこのワイナリーにも気持ちの良いテラスがあります。
複数人で行ったら、試飲だけじゃなくて1本買ってここで飲む、ってのも楽しそうだな。
そんなことできるのかどうか知りませんけど。
試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 5種 | 500円 | 1本 | 2,397円 |
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トータル | 27種 | 2,800円 | 2本 | 4,047円 |
2018/06/02 : 「ルバイヤート ルージュ樽貯蔵 2014」と稽古しました。
時刻はそろそろお昼頃、どこかで昼食にしたいところ。
前日にツイッターで「ランチ情報よろしく」と問いかけたところ、
『原茂ワイナリー上のカフェ、カーサダノーマが個人的におススメ』とのご提案を頂いていました。
人様のお勧めに従順な師範ゆえ、ちょっと方向的に遠いけどそこへ向かうことにしました。
丸藤葡萄酒からテクテク歩くこと30分以上、原茂ワインにようやく到着。
ここも懐かしい感じの民家的な外観でホッとしますな。
ワイナリー以外に生食用の葡萄園も経営されているようで、家の前には大きな葡萄の棚があります。
このあたりの葡萄園はだいたいこの仕様ですね。夏場に葉が茂ると良い日陰になるんだろうな。
町内を歩いている限りではほとんど観光客の姿は見かけなかったんだけど、このワイナリーにはお客さんがたくさん。
それもそのはず、ここの試飲はなんと無料、かつカウンターでテイスティンググラスに注いでくれます。
その種類も、辛口白6種、甘口白3種、ロゼ1種、赤3種、一升瓶1種という幅広いラインナップ。
そりゃ人気出るよね。『勝沼 ワイナリー巡り』で検索すると一番上にくるブログでもここがお勧めされていました。
そういう影響もあるのかも知れません。
2階のカフェのウェイティングリストに名前を書いて(師範の前には5組くらい書かれていました)、
待っている間に試飲します。全14種の中から師範が選んだのは下記3種でした。
・ハラモ甲州樽熟成 2016 | (白) |
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・原茂アジロン 2017 | (赤) |
・原茂アジロン・ロゼ | (ロゼ) |
このワイナリーのアジロンダックという品種を使ったワインは以前稽古していて、 結構好印象だったんですよ。ラブルスカ種の個性を突き詰めたような感じで、いわゆる欧州系のワインとは真逆の方向性ですが、 とてもインパクトのあるワインだった記憶がありましたから。そして、今回試飲してみてもその個性は健在でしたね。 こういうワインもアリだと思います。
そうこうしながら2階のカフェCasa da Nomaが空くのを待ちます・・・待ちます・・・ホントに待ちました。
名前を書いたのは12時30分頃だったんですが、呼ばれたのはすでに14時前、結局1時間以上待たされました。
一人だからスルっと入れるかな、などと考えた師範が甘かったみたいです。
店内は結構広めで、古民家の風情を残したとてもシックな雰囲気です。
そこに大変ゆったりとテーブルが配置されています。同時に入れるのは6組くらいなのかな?なるほどそれじゃ時間が掛かるのも無理ないですね。
加えてたまたま師範の前の客が長っ尻だったんだろうとも思いますが。
料理は、「パンのお皿」が430円、「やさいのお皿」が667円、「本日の一皿」が762円。
昼食というよりワインのアテですな。師範は「本日の一皿」、塩ゆで豚をチョイスしました。
内容は、ゆで豚が小さく8枚くらい、ルッコラが2枚、薬味(柚子胡椒と何か)、以上。ホント軽いつまみです。
正直ガックリ来ちゃいました。
名称 | Haramo Vintage Chardonnay 2016 ハラモ ヴィンテージ シャルドネ 2016 |
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生産者 | 原茂ワイン |
価格 | (1,080円 / glass) |
購入店 | 原茂ワイン |
ワインは、一階の試飲コーナーで出されているものもリストにはありましたが、別リストで「少量生産ワイン」というセレクションもありました。
お値段ちょっとお高めで1グラス1,000円(税別)。でも、一階でタダで飲めるものをここで飲んでも仕方ないと考えこちらからチョイスすることにしました。
それがコレ、以前も稽古したことがあるハラモ ヴィンテージ・シャルドネです。
樽発酵6ヵ月、新樽50%。もしこれが抜群な内容であれば、買って帰ろうと考えておったわけですが・・・
色は、結構しっかり目の黄色みを感じます。香りもきっと・・・と期待したけど、残念ながらあまり香りが出て来ません。
樽香どころかフルーツっぽさも弱くて、グラスの中で香りが詰まって出てこない感じ。
味もなんだか中途半端なんだよなぁ。甲州種のようなキレがないのは想定通りだけど、シャルドネに期待するふくよかさも無いんだな。
全体に複雑さはあるんだけどスケールが小さく、これが1,000円かぁ、と二度目のガックリ。
「香りが詰まって出てこないこの感じはもしかしてブショネ?」と思ったけど、
ワイナリーが経営するお店のグラスワインでそういうの出すはずもないしねぇ。
普通にアジロンとか選んでいれば良かったかな。
その方が場の雰囲気にも合ってもっと満足度は高かったと思われます。
点数 | (68点) |
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ワインとツマミでお支払いは税込み合計1,900円強、「安ワイン道場」にふさわしいお店では無かったですね。
もうすこし優雅に過ごすべきお店のようです。少なくともオッサン一人は場にそぐわない(笑)。
ちなみに予約は11時の開店に間に合う方のみ受け付けているようです。
グラスで飲んだワインが残念な感じで、若干ブルーな気分が入っていたこともあって、
この店でワイン購入はしませんでした。
試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 4種(グラスワイン含む) | 1,080円(グラスワイン) | 0本 | 0円 |
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トータル | 31種 | 3,880円 | 2本 | 4,047円 |
次なるワイナリーは、中央葡萄酒(グレイスワイン)を目指します・・・がこれがまた遠いのね。
国道沿いに延々歩くこと約30分、ようやく目的のワイナリーに到着。
蔦に覆われた建物は大変雰囲気があります。勝沼のワイナリー巡りの楽しさは、こういう建物巡りの楽しさ要素も含まれているなぁ、と感じましたな。
さてこの中央葡萄酒、三澤彩奈さんという精力的な女性醸造家で有名なワイナリーですよね。
テレビ等でもしばしば拝見します。ここ勝沼のショップは初訪問ですが、
小淵沢にほど近い所にある「明野・ミサワワイナリー」には以前に訪問しております。
その時に買ったシャルドネは大変好印象(コレ)でした。
ここの試飲もエノマティックが使われていて、カード代500円と最低チャージ料1,000円の合計1,500円が必要です。
ただ、勝沼醸造と違うのは、
ワインを購入するのであればその代金にカード代500円を充当できるという点。
この方法は賢いよね。だって500円を無駄にするくらいなら何か買おうと思うからね。
そうするとワイナリー側としても売り上げが増えるし。
さてここでの試飲内容は以下でございます。
・グリド甲州 2017 | 200円 |
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・グレイス茅ヶ岳 白 2017 | 200円 |
・グレイス茅ヶ岳 赤 2016 | 200円 |
・グレイス樽甲州 2016 | 400円 |
甲州種の白3種と、赤はマスカットベーリーA主体。座るところが無いし(あるけど普通の試飲客は使えないみたい)、
グラスもテイスティング・グラスなので淡々と試飲させて頂きました。
同じようなシステムだけど、試飲環境は勝沼醸造の方が満足度高いです。
・・・と、ここまで来て立席試飲用テーブルに別のリストが置かれていることに気づきました。
そちらは「ドメーヌワイン テイスティングリスト」と書かれていて、
自社管理農園である三澤農場産の葡萄が使われたワインが試飲できるみたいです。
さぞお高いのかな、と思って値段を見ると、通常の方とあまり変わらない1杯200円~500円という値付け、
そしてこちらは「カウンターにて承ります」とのこと。あちゃー、どうせ試飲するなら絶対こっちだったな。
だってエノマティックは説明してくれないからね。
カウンターで説明を受けながらこっちを試飲したほうが絶対満足度高かったと思います。
そして、これまでいろんな甲州を試飲してきて感じるのは 「個人的には甲州種って樽のかかっていない若いやつが好きかも」ってこと。 あまり香りの強い品種ではなく、シャキッとした味わいのキレが持ち味の品種だと思うんだよね。 なので、ここで試飲した中では一番安いグリド甲州 2017が最も自分の嗜好に近かったのでそれを購入しました。 もちろんカード代を購入代金に充当しております。
試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 4種 | 1,500円 | 1本 | 1,444円(試飲キャッシュバック含) |
---|---|---|---|---|
トータル | 35種 | 4,380円 | 3本 | 5,491円 |
2018/05/12 : 「グレイス グリド甲州 2017」と稽古しました。
次なる目的地のワイナリーも、ツイッター経由で教えて頂いたところです。 MGVsと書いてマグヴィスと読むらしく、MGVsは"Matsuzaka Green Vinyards"の略とのこと。 ワイン事業を開始してまだ1年ちょっとの非常に若いワイナリーです。 そしてここの特徴は、本社工場が元は半導体工場だったところを転用している点。 空気の管理など、半導体工場の設備をワイン醸造に使っているとのこと。 このワイナリーの外観も大変モダンだし、ショップ&テイスティングのエリアも半導体製造にまつわるものを残しているそうです。
右写真が店内の様子。これまで訪れた「歴史を感じるワイナリー」とは全く違って、大変モダンな雰囲気です。 ここでのテイスティングは有料のみで、白6種、赤2種、ロゼ1種がラインナップされていました。 そのうち師範が試飲したのは下記の2種です。
・K212 甲州 一宮町 2016 | 300円 |
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・B521 マスカット・ベーリーA GI YAMANASHI 2017 | 220円 |
各ワイン振られたアルファベットと番号は、品種/収穫地/仕込み方法/製造方法を現わしているそうです。
いかにも半導体工場を転用したといった感じの、こういうロジカルなアプローチは好きですね。
お店の女性との会話も、
師範:「半導体の何を造っていたのですか?」
女性:『ウェハーのダイシングとかやっていたらしいです』
師範:「なるほど後工程の工場だったんですね」
ってな感じで、葡萄やワイン以外のことも話しておりました。
頂いたワインリストを後で見返すと、このワイナリーのファーストリリースらしいマスカット・ベーリーAを使った赤が良さげ。
これまで赤も白も必ず試飲してきたのに、ここに来てなぜか赤を試飲せず。どうせなら試しておくべきだったなぁ、と後悔先に立たずです。
そんな感じで試飲した甲州の白とベーリーAのロゼは、正直言ってそれほどグッと来るものはなく、内容の割には割高に感じました。 まだ設備投資の回収分が大きいのかな?それでも、きちんと管理された製造工程というのはモノ造りの基本、 これから経験とデータを積んでいけばきっといいワインを造れるようになると信じて、 先行投資の意味で一本、安い方のB521 マスカット・ベーリーA GI YAMANASHI 2017を購入しました。 このワイナリーが将来メジャーになった時、 『師範はこの造り手のワインを設立したての頃に飲んだことありますのよオホホホ』と自慢したい気持ちを込めております。
試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 2種 | 520円 | 1本 | 2,376円 |
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トータル | 37種 | 4,900円 | 4本 | 7,867円 |
2018/06/23:「MGVs マスカット・ベーリーA "B521 GI 山梨" 2017」と稽古しました。
時刻は午後3時30分を廻り、そろそろワイナリー巡りも終了の時間が近づいております(大抵のワイナリーは4時30分で受付終了)。
そこで最後のワイナリーに選んだのは、誰もが知っている日本の大手ワインメーカー「メルシャン」のワイナリーであるシャトー・メルシャン。
やっぱり大手も行っとかないとね。
本日は「ワイン資料館」などには寄らず、ダイレクトにテイスティング&売店エリアに。
時間があれば資料館とか、隣の宮光園なんかにも寄りたかったんだけどね。
さて昨今「日本ワイン」が小さなブームですが、そこでは小規模な造り手でいわゆる「ブティック・ワイナリー」的なところが注目されがちです。
でも、師範は大手の技術力を信用し期待しています。
ワインは量産可能な「モノづくり」である以上、ある程度の規模があった方が有利だと思うんですね。
もちろん、小さなワイナリーにも素晴らしい栽培家や醸造家がいて、
その人の努力や才能によって良いワインが造られることもあるんだろうけど、
そういう銘柄って量が出せないからすぐに入手困難で買えなくなりがち、それを追いかける気力や意欲が師範にはありません。
「安ワイン道場師範」としては、美味しいワインを安定的に、広く出回るように供給して欲しいわけです。
チリでいうところの「コノ・スル」、清酒でいうところの「獺祭」みたいな銘柄が日本ワインにも出てきてくれたらなぁ、
と思っているところであります。
閑話休題、試飲の話をしますと、時間も無かったのでここでは1種類だけテイスティングしました。
・長野ピノ・ノワール キュヴェ・アキオ 2015 | 300円 |
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ここにきて初めてピノ・ノワールの登場です。ただし産地は勝沼ではなくて長野の高山村、「キュヴェ・アキオ」という名前は 栽培家の佐藤明夫さんから来ているそうです。 そしてこのワインがびっくりするくらい香り華やかでした。「これFixinじゃない?」と言ってしまいそうな感じです。 こういうのが飲みたかったんっすよ。
・・・というわけで購入する最後の1本はコレに決めました。
ワイナリー限定の商品で、残りあと50本くらいだそうです。
そう聞いて「レアものをゲットしたぜウェーイ!」ってハイな気分になるんじゃなくて、
「やっぱり少量生産、紹介しても意味ないかなぁ」となってしまうのが安ワイン道場師範魂です。
ワイナリー巡りはこれにて終了。最終的に試飲と購入に関する内容は以下になります。
試飲本数 | 試飲金額 | 購入本数 | 購入金額 | |
このワイナリー | 1種 | 300円 | 1本 | 3,800円 |
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トータル | 38種 | 5,200円 | 5本 | 11,667円 |
2019/01/25:「シャトー・メルシャン 長野ピノ・ノワール "キュヴェ・アキオ" 2015」と稽古しました。
シャトー・メルシャンからの帰り道は、重いリュックを背負って駅まで徒歩で。 時間があれば「ぶどうの丘」の温泉露天風呂にも入りたかったんだけど、小雨もぱらついてきたので本日の「勝沼ワイン散歩」はこれにて終了。 帰りも勝沼ぶどう郷駅から自宅最寄り駅まで全て鈍行列車で帰りました。
さて今回の「勝沼ワイン散歩」、感じたことを思いつくままにつらつら列挙して終わりにします。
徒歩で廻るのが最適
一日歩き回って2万歩程度でした。これくらいなら歩き慣れている人であれば疲れは感じないと思います。
自家用車で廻るのは「飲まない運転手」を付き合わせる必要がありますし、自転車も飲酒はNG。
公共交通機関を使うにもバスやタクシーが頻繁に走っているようには見えませんでした。
比較的狭いエリアにワイナリーが集中していますし、その辺りは概ね平らですから、歩いて廻るのが一番だと思われます。
ただ、最後に駅まで戻るのにはタクシーを使った方が良いかも。重いリュックを背負って坂を上るのは苦行でした。
買ったワインを駅に届けてくれるサービスがあれば良いなぁ
徒歩でワイナリー巡りをする一番のネックは購入したワインが重いことです。買えるのはせいぜい5~6本が限界。
かといってそれぞれのワイナリーで都度自宅へ発送していたらあまりにも無駄。
買ったワインを夕方までに勝沼ぶどう郷駅へ少額で届けてくれるサービスとかがあれば、
もっとたくさん買えるのにな、と思います。ワイナリーが共同で軽貨物車で回収し駅に届ける、とか出来ないのかな?
エノマティックのカードは共通化できなの?「試飲手形」とかあれば良いな
今回廻った八軒のうち、エノマティックを使った試飲のシステムを採用しているワイナリーが二軒ありました。
それぞれのワイナリーでカードを買うわけだけど、あれを共通化してくれたらなぁ、と思います。
エノマティックに限らず、温泉場の「入湯手形」みたいな感じで「試飲手形」は実現できないのかな?
その方が巡る楽しさも演出できると思います。
ワインのコストパフォーマンスはまだまだ
いろいろ試飲して感じたのは、正直なところ「ちゃんとした」ワインは2,000円前後から、ということですね。
日本ワイン、コスト・パフォーマンスという意味では海外のワインに比べてまだ厳しいものがあります。
少なくとも手放しで安ワイン者にお薦めするのは難しい。
ただ、こうやってワイナリー巡りをしてみると、訪問したワイナリーに愛着が沸いてしまうのも事実。
「金のかかる女に惚れてしまった」気分ですかね。
品種のバリエーションが欲しい
ここ勝沼のワインだと、白の甲州種が大半を占めています。赤はマスカット・ベーリーAがほとんどで、ちょっとだけメルロー。
試飲で甲州だけズラーっと並んでいても、師範ごときでは違いを感じ取るのに難儀します。一般の人もそうじゃないかな?
将来的にはブルゴーニュみたいに「白はシャルドネ/赤はピノ・ノワール」と絞るのもストイックで良いけれど、
現時点では品種のバリエーションを増やして楽しさを演出してくれたほうが良いかな。
2018/05/12 : 「グレイス グリド甲州 2017」と稽古
2018/06/02 : 「ルバイヤート ルージュ樽貯蔵 2014」と稽古
2018/08/23:「MGVs マスカット・ベーリーA "B521 GI 山梨" 2017」と稽古
2018/12/08:「イケダワイナリー "グランド・キュヴェ" 甲州 樽発酵 2017」と稽古
2019/01/25:「シャトー・メルシャン 長野ピノ・ノワール "キュヴェ・アキオ" 2015」と稽古