稽古日誌:2018年9月

ブショネのコルク

 9月、さすがに涼しくなってほしいものです。そしてもう台風は来なくていいです。

 先日、久しぶりに「これはブショネ?!」というワインに遭遇しました。 師範のこれまで21年の経験上、ブショネなワインのコルクには液面にふれる部分にヒビがあってそこにワインが染みている確率が高いと思います。 左写真の"LA"の右側あたりですね。コルクを洗浄する際、 この部分までは洗浄が行き届かずにTCA(トリクロロアソニール)を発生する原因菌を除去できなかったのではないかと思われます。 「怪しいな」と思ったらコルクをチェックしてみましょう。

 ・・・なーんて、ガラにもなく真面目なこと書いてみました。 最近は質の良い合成コルクもあるし、ニューワールドを中心にスクリューキャップも多いので、ブショネなワインとの遭遇率はかなり減っています。 さらに上記Tipsは栓を抜いてみないと判らないので、知っていたからといってブショネを避けられるわけじゃないんですけどね。


30日(日)

炭火焼びすとろSUMIKA 外観

 本日は、ツイッター関連のお知り合いであるMAMIさん&黒ワインさんと、 以前から行ってみたかった神泉の炭火焼びすとろSUMIKA(お店のサイト)へ行って参りました。 そもそもは夕方からディナーの予定だったけど、台風接近でJRが運行をやめるということなので、 時間を前倒しして午後3時前にスタートしました。

炭火焼びすとろSUMIKA 生ビール

 モダンで落ち着いた雰囲気の店内のオープンキッチンには、このお店の店主であるぐっさんがいらっしゃいました。 こんな日のこんな時間なんで、お客はうちらだけ。 ぐっさんの食材に対する愛情と料理に対する情熱溢れるトークをたっぷりと楽しませて頂きました。

 MAMIさんの到着を待つ間、黒ワインさんとまずは生ビールで乾杯。 泡のキメがとても細かくて、なんだかやけに美味しく感じられました。 サーバーの手入れとかが良いんでしょうな。

Franciacorta ND N.V. [San Cristoforo]
名称Franciacorta ND N.V.
フランチャコルタ ND (ヴィンテージ無し)
生産者San Cristoforo
サン・クリストフォロ
価格(7,000円)
購入店炭火焼ビストロSUMIKA

 MAMIさんも到着、泡からスタートします。 ワインのチョイスはイタリア専門の黒ワインさんにお任せして、選ばれたのはイタリアの泡であるフランチャコルタ。 銘柄の"ND"は"Non Dosato(ドサージュ無し)"を意味しているとのことです。 更には酸化防止剤も無添加で、30ヵ月以上の熟成期間を経て出荷されるという大変凝った造りとのこと。 裏ラベルには"Tiraggio 05 2015"と書かれているので、瓶詰されたのは2015年5月みたいです。 ボトルの外観的にも高級感があって、期待の一本目です。

 色は薄めのレモン色で、泡のボリュームが凄くてガンガン立ち上ります。 泡同様に香りのボリュームも立派なもので、柑橘類と蜜がしっかりと香って、それにイーストっぽさが僅かにプラスされています。 味わいは、ドサージュ無しとは思えないほど、良い感じの甘味があります。 そもそものブドウの質が高いのだろうと想像されます。

 コレ、黙って出されたら「とても良く出来たブラン・ド・ブランのシャンパーニュですなぁ」などと答えるでしょう。 そして、酸化防止剤無添加のいわゆる「自然派」ワインには特有の酸化した(≒傷んだ)感じがあったりするんですが、 この泡からは一切そういう感じは受けなくて、ツルッツルの美品です。 フランチャコルタ、イタリアでは凄く珍重されているという話を聞く割にこれまであまりパッとしたものに出会わなかったのですが、 なるほどコレなら珍重されるわって感じです。

点数83点
炭火焼びすとろSUMIKA 肉の盛り合わせ

 一皿目の料理は肉の盛り合わせで、 写真奥から
 トスカーナ産のサラミ
 馬肉タルタルのブルスケッタ
 今帰仁アグーのモモ肉ハム

 ブルスケッタの上にはカンボジア産の粒胡椒が乗せられています。 今帰仁(なきじん)アグーのハムはこの店手作りとのこと。 さすがは「肉の桃源郷」との呼び声高いSUMIKAさん、どれもバッチリ美味いです。

Langhe Bianco Jovine 2017 [Azienda Agricola Mustela]
名称Langhe Bianco "Jóvine" 2017
ランゲ・ビアンコ "ジョヴィネ" 2017
生産者Azienda Agricola Mustela
アジィエンダ・アグリコーラ・ムステラ
価格(4,500円)
購入店炭火焼ビストロSUMIKA

 白はぐっさんのお薦め。イタリアはピエモンテの白で、品種構成はシャルドネ70%、ソーヴィニョン・ブラン20%、 そしてなんとピノ・ノワールが10%使われているそうです。 こういう、ちょこっとだけ(白にしては)ヘンなブドウを使ったりするあたりがイタリアっぽいですな。 お値段はお店で4,500円、小売だと2,000円くらいのワインとのこと。 「安ワイン道場」のことを気遣って頂きありがとうございます。

 色は薄めで、外観からはピノ・ノワールが使われていることは見て取れません。 香りのボリュームはやや弱め。鼻で嗅ぐ分にはあまり特徴を捉えられませんが、 口に含むと独特の風味があります。シャルドネのリンゴっぽさとソーヴィニョン・ブランの草っぽさに加えて、 ピノ・ノワール由来っぽいイチゴと革を感じます。更にほんのり樽香もあったりして、なかなか複雑な香りです。 味わいは、シュッとした固さがあって硬派な雰囲気です。

 これはなかなか面白いワインですな。イタリアはホント奥が深い。 深すぎて先がどうなっているのか判らないのが面白みではあるんでしょうけど、 万年シロウトの師範にとっては毎度バクチです。 こうやって指南して下さる方がいるとホント有り難い。

点数78点
炭火焼びすとろSUMIKA マッシュルーム

 料理が続々と出されて参ります。二皿目が
 スライスした生マッシュルームに36ヵ月熟成のパルミジャーノ

 マッシュルームって生でも食べられるんですね。ホクホクした食感が面白い一皿でした。

炭火焼びすとろSUMIKA サンマのカルパッチョ

 次なる料理が
 サンマのカルパッチョと焼きナス、自家製のイクラ乗せ

 秋はサンマが美味いっすよね~、そして焼きナスも美味い。 見た感じではわかりませんが、レモングラスの香りがしっかり効いていて、唸る美味しさです。

炭火焼びすとろSUMIKA ビスク

 エスプレッソのカップで出されたのが
 オマールとムール貝のビスク

 コレ、めっちゃ味濃いです。小さなカップだけど、そもそもの食材の量はきっとタップリ使われていて、 ギュギューッと凝縮されたんだろうな、と想像されます。「ツマミになるスープ」ですな。

Barbaresco Bricco Asili Faset 1993 [Ceretto]
名称Barbaresco Bricco Asili "Fasêt" 1993
バルバレスコ ブリッコ・アジリ "ファセット" 1993
生産者Ceretto
チェレット
価格(16,800円)
購入店炭火焼ビストロSUMIKA

 ぐっさんが並べてくれた赤は4種類。 ニコレッロのネッビオーロ・ダルバ 2006、ピアン・デル・クエルチのブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルバ 2011、 ル・マッキオーレのパレオ 2008、、そして黒ワインさんが満を持して選んだのがコレ、チェレットの畑名付きバルバレスコ、ヴィンテージはなんと1993年。 久しぶりに「安ワイン道場」よりも年季の入ったワインと稽古します。

 色は明るめの紫色で、エッジにはキレイなオレンジのグラデーションが入っています。 確かに熟成感はありますが、25年も経っている割には若々しく感じられる外観です。 香りには「参りました」ですな。ドライフルーツと奈良漬となめし皮みたいな香りがムンムンと上がってきます。 味のバランスもお見事。できるだけ減らないようにチビチビ飲むのに苦労をするくらい、スイスイと入っていってしまいます。

 自分のメモを見ると「バルバレスコは熟成させた方がうまい」などと子供のようなコメントを残しています。 いやー、久しぶりに感動的な熟成イタリアと稽古しました。 お値段は16,800円なんですが、この感動の代金とすればリーズナブルです・・・と言ってしまいます。

点数93点
炭火焼びすとろSUMIKA 鴨とキノコのフリカッセ

 ↑のワインを感動レベルまで押し上げてくれた料理が
 鴨とキノコ(ポルチーニ茸とジロール茸)のフリカッセ

 鴨はハンガリー産、火の通し方が絶妙です。 そしてフリカッセのキノコがまた凄い。秩父産のジロール茸と、 千葉産のポルチーニ茸は生のまま炒めたのと、乾燥させたものと、煮込んだものの3種類を使っているそうです。 その複雑な香りがワインの香りと「これでもか!」ってくらいマッチするんですわ。 これぞマリアージュですよ!奥さん!

炭火焼びすとろSUMIKA ハードリカー

 揃いも揃って飲兵衛、MAMIさんに至っては『ビールは酔わないから金のムダ』などと言いだす始末 ・・・なので食後酒も頂きました。写真左から
 グラッパ:Redigaffi 1,500円/glass
 マール:Louis Jadot 1,200円/glass
 グラッパ:Sarpa di Poli 600円/glass

サルパ・ディ・ポリのグラッパはいわゆるグラッパ、シャキッとした香りのタイプですが、 レディガフィのは全然違ってアルマニャックみたいな感じ・・・だったような気がします。 脳ミソの髄までアルコールが沁みわたります。

炭火焼びすとろSUMIKA デザート

 最後にデザート
 プラリネのムース

 グラッパの効いたオトナの味わい。酒飲みのくせに甘いのも好きなんですわ。

 そんな感じの飲み会、一人5,000円の料理にお酒を加えて、お会計は3人分トータルで50,000円也。 タマの贅沢なんで許されるよね。大変美味しい料理とワイン、ありがとうございました>ぐっさん。 またご一緒しましょう>黒ワインさん、MAMIさん

夏への扉 外観

 お開きになったのが6時前、まだ電車は正常に動いていたんで、普通に最寄り駅まで帰って来れました。 時間はまだ7時前なんで、もう一軒「一人二次会」とシャレこみます。 伺ったのは夏への扉というお店。 ここんとこ随分ご無沙汰、前回の訪問から2年半ぶりです。

Les Piliers Viognier 2016 [Michel Gassier]
名称Les Piliers Viognier 2016
レ・ピリエ ヴィオニエ 2016
生産者Michel Gassier
ミシェル・ガシエ
価格(840円/glass)
購入店夏への扉

 このお店はグラスワインが豊富なので、いつも基本「お任せ」で頂いております。 ただ、グラスがねぇ、小さいんだよね。 今どきのワインをウリにする店ではあまり見かけなくなりましたが、ずーっとこのスタイルなんで、マスターの主義なのでしょう。 そして「まずは白をお願いします」と注文して出されたのが、このフランス産のヴィオニエでした。

 色は、そこそこしっかりしたレモン色を感じます。 香りは結構華やか。ヴィオニエの安ワインって、何の香りもしないヤツが結構あったりして鬼門だったりするわけですが、 これはちゃんとヴィオニエらしいクチナシや沈丁花のような香りがあります。 味はやや甘めのバランスかな?普通に美味しい白ワインの味わいです。

 なかなかいい感じだと思ったわけですよ。ただ、裏ラベルを見ると「酸味料(クエン酸)」の文字があります。 なんかそういうの萎えるんだよなぁ。グラス一杯だと良いんだけど、ボトル一本だと飽きる系かも知れません。

点数(73点)
Pinot Noir Selection du Sommelier 2017 [Jean-Marie Garnier]
名称Pinot Noir "Selection du Sommelier" 2017
ピノ・ノワール "セレクション・デュ・ソムリエ" 2017
生産者Jean-Marie Garnier
ジャン・マリー・ガルニエ
価格(740円/glass)
購入店夏への扉

 二杯目は赤でお願いしました。 出して頂いたのは、白と同じく"Vin de France"格付けのピノ・ノワール。 どこか見覚えがあるなぁ、と思っていて、帰ってから調べたら以前稽古したもののヴィンテージ違いでした。 そして、白もコレもインポーターは「ワインキュレーション」、かの有名な「京橋ワイン」関連のインポーターですな。

 色は、普段使っているグラスと形が違い過ぎるので濃さの程度はわかりませんが、ピノ・ノワールにしては濃いめだったように思えました。 香りは、革っぽさが前に出た南のピノ・ノワールらしい感じ。もちろん樽香とかは感じません。 味わいは・・・あまり印象に残っていないんだな。「違和感なく飲めた」という感じだったんだろうと思います。

 これも悪くないと思いますよ。でも、やっぱり小売りで1,000円のワインがグラスで740円となるとちょっとモニョるな。 飲んでいる時はそうとは知らないんで気にしなかったんだけど、後で調べてモニョってます。 ちなみにこのワインには「安定剤(アカシア)」が添加されています。

点数(70点)
Puglia Rosso Appassimento 2016 [Rocca Pagliara]
名称Puglia Rosso Appassimento 2016
プーリア・ロッソ アパッシメント 2016
生産者Rocca Pagliara
ロッカ・パリィアーラ
価格(740円/glass)
購入店夏への扉

 そして最後に頂いたのがコレ。「重めの赤をお願いします」と注文したんだろうと思います、正直なトコロほとんど覚えていませんが。 出されたのは、確かに重めだろうプーリア州のアパッシメント。 そう言えばコレ飲んだんだな、と帰ってから写真を見て思い出したりしております。

 ・・・なので、ほとんど記憶は霞と靄に包まれた向こう側だったりするわけですが、、 干しブドウのような香りと甘みのあるワインだったような記憶がオボロゲながらあったりします。

 さすがにこの状態でワインに点数を付けるのは憚られますが、ネットで調べたらこれも1,000円台前半くらいの価格なようで、 濃いワインが好きな方にはお買い得かも知れません。

点数(??点)
夏への扉 料理

 料理は、最初お通しとしてサラミが出されて、追加注文したのはこのレンコンのはさみ揚げ。 これが結構い美味しいんですわ。お値段380円は大変リーズナブルです。

 そんな感じの一人二次会、お会計は3,000円弱でした。 マスターにはいつも酔っ払いにお付き合い頂き恐縮至極であります。


29日(土)

Damaggio Chardonnay 2016 [Poderi dal Naspoli]
名称Damaggio Chardonnay 2016
ダマッジオ シャルドネ 2016
生産者Poderi dal Naspoli
ポデリ・ダル・ネスポリ
価格717円 (単品価格:1,166円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日も夕食の調理担当は師範で、メニューは麻婆ナス(w/CookDo)、麻婆春雨(w/永谷園)、チョレギサラダ(w/S&Bシーズニング)、甘辛チキン(お惣菜)。 『師範手抜きだな』とつぶやいたそこのアナタ!、普段の家メシなんて手抜きで良いんですよ。 特に最近の合わせ調味料は非常に良く出来ているんで、これを使わない手はありません。

 そんな料理に合わせたのは、うきうきワインの福袋に入っていたイタリア産のシャルドネ。 モダンなラベルから「モダンな(=しっかりした)味わいの白じゃないかな」と想像し、 こういうちょっと辛めの中華に合うんじゃないかと期待した次第です。

 色は薄めのレモン色。粘性はあまり高くありません。 香りは、ボリューム小さ目ながらもピーチのようなフルーツ香に蜂蜜っぽい香り、それに樽由来であろうバニラっぽさも感じます。 味わいのバランスも良くて、酸味と甘味が調和している後ろに軽い苦味。 スケールは小さいけど凝縮感のある味わいで、充実した印象を受けます。

 「良く出来た安シャルドネ」という表現が一番ふさわしい白ですな。 ただ、このワインからイタリアっぽさはほとんど感じられないのはちょっと意外。 しっかりした造りのACブルゴーニュか、洗練された造りの豪州産といった雰囲気です。 ともあれコスト・パフォーマンスはとても高い。 福袋価格の700円強ってのは言うに及ばず、単品価格の1,000円ちょっとってのは間違いなくお買い得だと思います。

点数76点

28日(金)

La Purisima Old Vines Expression 2011
名称La Purísima "Old Vines Expressión" 2011
ラ・プリシマ "オールド・ヴィニェス・エクスプレシオン" 2011
生産者Bodegas La Purísima
ボデガス・ラ・プリシマ
価格1,290円
購入店 ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店

 本日の夕食調理担当は師範で、メニューは銀ダラとアマダイの西京焼き、牛カルビ焼き、水菜のお浸し。 ワインは悩んだね。西京焼きに合わせれば白、カルビに合わせれば赤だと思うけど、どっちも合いそうで合わなそう。 そこで、在庫の回転を優先して、買って半年になるワインをチョイス。 スペイン産のしっかりした赤で、2年前に稽古済み。 以前の買値は3桁でコレは1,290円でお高めだけど、ポイント20倍の時に買ったので実質そんなに変わらず1,000円前後という認識です。

 まず抜栓してコルク・チェック。。長さは50mmで、液面だけがビロードの様になっている立派な状態です。 グラスに注ぐと、その色は真っ黒に近い紫、2011年産なんだけどまったく衰えを知らぬ色あいです。 でも香りからはちょっと熟成した感じがあって、ぺチャッと平たい果実香にツンッとした酸がメインです。 味もそうかな~なんて気分で口に含むと、「んなわけないでしょ!」って感じの若々しさです。 渋味も甘味もたっぷり、7年も経っているとは思えない暴力的な濃さです。

 1,000円でコレは間違いなく立派、スペイン恐るべしです。 ただね、銀ダラとかアマダイを焼いたやつとの相性は結構難しいな、というかやめた方が良いな。 こういう濃い赤ワインは濃い肉料理とかチーズとか、トラディショナルに「赤に合う」料理に任せた方が賢明です。

点数77点

26日(水)

Craft Wine N 外観

 本日は、不定期に開催されている職場のメンバーでのワイン会(前回の記録はココ)。 店はいつもと同じ麻布の隠れ家レストランCraft Wine N(Facebookのページ)。 今回の参加者は6名、それぞれ1本で計6本の持ち込みであります。

 そして今回も、事前に提出したワイン・リストに合わせて料理を組み立てて頂いております。 こういうサービス、なかなか無いよねぇ。

クレマチス(橙) 2015 [四恩醸造]
名称クレマチス(橙) 2015
生産者四恩醸造
価格--
購入店Ktさんから

 最初のワインは、紅一点Ktさんが持参された日本ワインの微発泡。 事前のメールで『澱があるのでどうしようか迷っている』とのことだったんだけど、 師範から「是非に!」とお願いしました。 だってね、一度は飲んでみたかったんですよ、四恩醸造のワイン。 なんだかめちゃくちゃコアなファンがいるでしょ、この造り手さんには (その造り手さんはこの2015ヴィンテージを最後に四恩醸造を離れたらしいですが)。 その人気が果たしてどういう理由なのか、自分の鼻と舌で確かめたかったわけです。

 色は、濁りのある薄レモン色。品種は甲州がメインなのかな?なんとなく「グリ(灰色)」っぽい感じもあります。 香りは擦りおろしたリンゴのような、それもちょっと酸化して茶色くなったヤツみたいな雰囲気。 あとはブロッコリーやアスパラガスみたいな野菜の香りですね。 口に含むと、チリチリっとした微炭酸があって、味わいにも酸化したニュアンスと軽い苦味を感じます。 甘味はほとんど無くて、気の抜けたドライ・シードルみたいな感じです。

 裏ラベルには「酸化防止剤」が使用されている旨が書かれていますが、実際はほとんど使われていないんじゃないかな? とても自然派っぽい雰囲気です。なるほど個性的で面白さはあるわけですが、 この造り手&このワインがなぜそこまで熱狂的に支持されているのかは師範には判らなかったな。

 ・・・というようなことをツイートしたところ、識者の方から
『元々は自然派の中では手頃な値段だったので人気が出て、後に入手難になった』
との情報を頂きました。 なるほど、今のような入手のハードルがやたら高い状況に至る前の経緯があったですね。 それなら納得です。

点数(72点)
Craft Wine N たまねぎのムースとマグレ鴨

 この日本の泡に合わせて頂いたのがコレ。

 アミューズ:タマネギのムースとマグレ鴨

 ムースは、炒めたタマネギをそのまま煮詰めてミキサーかけたものと、クリーム等を入れたものの二層になっています。 タマネギの甘さと香ばしさがしっかりと楽しめる一皿でした。マグレ鴨は・・・一瞬で食べちゃったんで判りませんでした。

Cremant d'Alsace Double Zero Brut N.V. [Frederic Geschickt]
名称Crémant d'Alsace "Double Zéro" Brut N.V.
クレマン・ダルザス "ドゥーブル・ゼロ" ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Geschickt
ゲシクト
価格--
購入店Fjさんから

 本日は珍しく泡が続きます。二本目は、Fjさんが持参されたクレマン・ダルザス。 品種はピノ・ブランとリースリング。 Fjさんは自然派がお好き、ということでこれもSO2無添加、そして補糖も無しというかなりストイックな造りみたいです。 ボトルには生産者のサインと"ARIGATO"の文字が書かれています。

 グラスに注いで頂いて、まずみんなが驚いたのが泡の立ち上るスピードが速いこと。 泡が大きいか液体の粘性が低いか、どちらかだと思うけど、なんか早回しで見ているみたいでした。 外観的には前の日本産みたいな濁りは無くて、ちょっと麦わら色っぽい感じだったように思います。 香りは、やっぱりこれもベースにはリンゴっぽさを感じます。 それに加えて、レモンやグレープフルーツの柑橘系の香りや、 シャンパーニュのようなイースト香と熟成感もあるあたりが本格派な感じです。 味わいは、酸味と苦味がカッチリしていて、かなり硬派な印象を受けました。

 「凛とした」という表現が似合う感じのスパークリングですな。 一杯だけだと気持ちがシャキッとして良いんですけど、これ一本だとちょっと辛いかも・・・などと思ったりしました。

点数(76点)
Craft Wine N 鯖とフルーツトマトのマリネ

 このスパークリングに合わせて出されたのがコレ。

 前菜1:鯖とフルーツトマトのマリネ

 鯖は結構強めに酢でシメられていて(そしてアニサキス対策で冷凍もされているそう)、それ単体だと「シメ鯖」です。 でも、ディルみたいなヨーロッパ感の強い香草と一緒だと、一気にフレンチっぽくなるんですな。 そして、この鯖の酸味とワインの酸味がなかなか好相性でした。さすがです。

Lindaflor Chardonnay 2014 [Bodega Monteviejo]
名称Lindaflor Chardonnay 2014
リンダフロール シャルドネ 2014
生産者Bodega Monteviejo
ボデガ・モンテビエホ
価格--
購入店Yjさんから

 今回白は1本、Yjさんに持参して頂いたアルゼンチン産のシャルドネ。 造り手の「モンテビエホ」は、オーナーがボルドーの造り手で、コンサルタントにミシェル・ロラン氏が関わっているという、 とっても売れそうなプロフィール。同じ感じのメンバーが作った赤は、今年のお正月に稽古しております。

 色は結構しっかりとしたレモン色。アルコール度数は14.5%もあって、粘性も高くトロットロな感じの外観です。 香りを嗅ぐと、いかにも南米の気合の入ったシャルドネで、蜂蜜やバニラやバターの香りがムンムン来ます。 ただ、それだけじゃなくてちょっと若草のような香りがあって、「セミヨンが入ってるんじゃないか」などとも言われてました。 味わいは、カスタードのような甘味があって、香りの印象通り非常にしっかりとしたボディを構成していますが、 そのボディの一部が苦味なのがちょっと変わっています。

 全体的な印象は南米のシャルドネそのものなんですが、香りの一部/味わいの一部にボルドーの白みたいな雰囲気が垣間見えます。 ミシェル・ロラン氏が白を監修するとこんな感じなんですな。興味深いワインをありがとうございました。

点数(78点)
Craft Wine N 蒸し岩牡蠣とソテーしたキノコ

 このアルゼンチン産シャルドネに合わせて出されたのがコレ。

 前菜2:蒸し岩ガキとソテーしたキノコ

 軽く蒸された立派な岩ガキの上に季節のキノコが沢山乗った、この季節らしいメニュー。  時々書いてますが、師範は生牡蠣がダメなカラダになっちゃったんですよ。 だもんで、軽く蒸されたこの岩牡蠣、食べていいのかどうか一瞬躊躇しましたが、「アタるも八卦、アタらぬも八卦」ってことで食べちゃいました。 結果はアタらず特に問題無し。良かったヨカッタ。もしかするとまた食べられる体質が戻って来たのかも・・・といっても怖くてなかなかトライできませんが。

 ・・・などと、一人で戦々恐々としながら食べてたんで、ワインとの相性などに関してはあまり覚えてません。スミマセン。

Pommard 1er Cru Les Clos des Boucherottes 2011
名称Pommard 1er Cru "Les Clos des Boucherottes" 2011
ポマール プルミエ・クリュ "レ・クロ・デ・ブシュロット" 2011
生産者Dom. Coste-Caumartin
ドメーヌ・コスト・コーマルタン
価格4,980円
購入店 カーヴ・ド・リラックス

 次からは赤で、まず一本目は師範が持参したポマールの一級畑。 ポマールに本拠地を構える「コスト・コーマルタン」というドメーヌの、フラッグシップかつモノポール(単独所有畑)です。 なぜコレを選んだかと言うと、Ks氏が持参された↓のカリフォルニア産ピノ・ノワールと同じヴィンテージだったから。 やっぱり「似て非なるもの」の比較って楽しいっすからね。 師範のレベルでは「ポマールの畑違い」とかの違いを認識する能力があるかは怪しいところだけど、 ブルゴーニュとカリフォルニアなら分かるでしょう。

 色は結構濃さのある赤紫だけど、僅かにレンガ色っぽさが見えるかな、って感じです。 香りは・・・なんだかとても風変り。センブリとかの漢方薬みたいな、敢えてブドウ品種を当てはめるとガメイみたいな、 ピノ・ノワールとは違う感じの香りがします。 味わい的には、酸味がシュッとしていて甘さもあって悪くないんだけど、いかんせん香りの違和感を口の中でも感じてしまいます。

 時間が経つと、香りのボリューム的には開いてきました。でも、違和感は最後まで消えなかったなぁ。

 2011年産でまだ7年しか経っていないのに、まるで熟成のピークを越して下り坂にあるワインのような感じでした。 コルクは確認しなかったけど、もしかすると軽度のブショネだったのかも。 いずれにせよ今回の師範チョイスはちょっとハズしたなぁ・・・って「今回」に限らないあたりが師範の実力ですが。

点数(70点)
Craft Wine N パテ・ド・カンパーニュ

 ブルゴーニュとカリフォルニアのピノ・ノワールに合わせて出されたのがコレ。

 メイン1:パテ・ド・カンパーニュ

 このレストランのスペシャリテです。濃い味わいで脂の甘味が楽しめます。 自家製マスタードや付け合わせのピクルスも良い感じ。 ピノ・ノワールの相手でもシックリ来ますが、もっと濃いグルナッシュとかシラーが相手でも良いかもです。

Littorai Hirsch Vineyard Pinot Noir 2011
名称Littorai "Hirsch Vineyard" Pinot Noir 2011
リトライ "ハーシュ・ヴィンヤード" ピノ・ノワール 2011
生産者Littorai
リトライ
価格--
購入店Ksさんから

 そしてもう一方のピノ・ノワールがこれで、相当評判の良い造り手「リトライ」によるもの。 Ksさんは以前米国西海岸に赴任されていたんで、他の例に漏れずカリフォルニアワイン・フリークです。 日本人でカリフォルニアワインが好きな方はなりの割合で米国赴任経験があると考えて良いと思われます(師範調べ)。 そのKsさんが、赴任中に彼の地のワインが好きになるきっかけとなったのがこのワインとのこと。 随分以前にハンドキャリーされた中の一本だそうです。

 色は、濃さとしては前のポマールと同程度ですが、色調は明るめ。こちらはまだレンガやオレンジといった雰囲気は無くて、ストレートな赤紫です。 香りは・・・参りました。完敗です。甘いプラムを煮詰めたようなピュアっピュアで華やかなフルーツ香がパーッと来ます。 この品種によくあるケモノっぽさはほぼ無くて、樽熟によるバニラ香もとても軽い感じです。 味も良いですね~。甘酸っぱくてフレンドリー、スーッと入ってきます。 前のポマールと同い年なのに、年齢半分くらいに感じられる若々しい味わいです。

 ピュアなピノ・ノワールの良さが全体にあふれ出る感じで、たいそう美味しゅうございました。 系統で言えば、週末に稽古した南アフリカの「クルーガー」に近い感じです。 このワイン自体はそうそう手に入らないと思うので、疑似体験をしたい方はそちらをどうぞ。

点数(90点)
Craft Wine N 子羊のボルドレーズソース、ジャガイモのキッシュ

 メインのもう一皿、ラストのワインであるポイヤックに合わせて出されたのがコレ。

 メイン2:子羊のボルドレーズソース、ジャガイモのキッシュ

 やっぱりポイヤックに子羊は定番でしょう。 ボリュームもあって文句なしです。 『今はオーストラリア産(ニュージーランド産だったかも?)だけど、近いうちにフランス産が入手できるようになります』 って話だったように思いますが、多分師範にはその差は判らないと思われ、これで十分です。

Les Forts de Latour 2009
名称Les Forts de Latour 2009
レ・フォール・ド・ラトゥール 2009
生産者Ch. Latour
シャトー・ラトゥール
価格--
購入店Ysさんから

 本日の締めの一本がコレ、Ysさんが持参された「レ・フォール・ド・ラトゥール」2009年。 ご存じメドック一級「シャトー・ラトゥール」のセカンド・ラベルですな。 自慢じゃないっすけど、師範はシャトー・ラトゥールとは4回(1983産,1987産,1992産,1993産)稽古しており、 セカンドとも1996産と稽古しております。 なぜなら「昔はまだ買える値段だったから」に尽きます。セカンドの1996なんて道場の稽古範囲をちょっと超えるくらい、たったの3,980円だったんですよ。 本家の1987だって13,800円でした。それくらいだったら「ちょっと背伸びして買おうかな」と思えるじゃないですか。 でも今や、このセカンドでも30,000円とかしちゃうみたいだからねぇ、ちょ~っと買えないよねぇ。 ちなみにYsさんは8年ほど前にプリムールで買われていて、その時はまだ1万円以下だったそうです。

 色は、当然ながらピノ・ノワールとは比較にならない濃さで、グラスの向こうは全く透けません。 色調としては、黒に近い紫に若干ガーネット、って感じでしょうか。 香りは「これぞポイヤック!」です。羊肉をカシスと小豆で煮込んで燻したような、黒系果実とケモノと煙感が混然一体となった香りです。 味わいも素晴らしいな。アルコール度数は14%もあるのに十分な甘さもあって、渋味もタップリ酸味もシッカリ、満足感を阻害する要素が見つかりません。

 正直「これがセカンド?」な充実感にビックリでした。 2009年産、まだまだピークは先だと思えますが、もしかすると今飲んだらファーストより美味いかも。それほどの完成度の高さを感じます。 でもセカンドなんだから、以前のように1万円以下で買えたらなぁ・・・と思ったけど、過ぎた昔を懐かしむのはみっともない(※)ですな。 我々は前を向いて歩いて行かねばなりません。

(※) これもツイッター経由でご指摘頂きました。

点数(88点)
Craft Wine N デザート Craft Wine N お茶

 食後はデザート(チーズケーキだったか)とお茶(エスプレッソにマールを加えて)。 ここのコースでお茶が出されたのは今回が初めてのような気がします。 やっぱりあったほうが良いですよ、食後のお茶。気持ちがホッコリしますから。 もしかすると、これまではデザートワインを持ち込みことが多かったので最後のお茶が無かったのかも知れませんけど。

Craft Wine Nで飲んだワイン達

 左写真が今回稽古したワインの集合写真。 産地も品種もいろいろ、とびっきり美味いのもそうでないのもあって、バリエーションに富んだラインナップ。 大変楽しゅうございました。

 そんな感じで、午後7時30分にスタートした飲み会もいつの間にか午後11時前。 お会計は、これだけキッチリ対応して頂いて7,500円でやって頂いております。 なかなかこういうことを受けてくれる店が無いので、大変ありがたいお店であります。 今後も末永く続けて頂きたい・・・というわけで↓に宣伝。
(食べログのページへのリンク:Craft WINE N


24日(月祝)

琥珀ヱビスと満月枝豆

 南アフリカ産ピノ・ノワールとの再稽古を前に、まずは「琥珀ヱビス」で休憩。 焦がした麦芽からのカラメルみたいな香ばしさを感じて、秋らしい雰囲気。 でも、せっかくなら缶に月の絵が描かれた「よなよなエール」の方が良かったかも。

アテは枝豆。枝豆の季節もそろそろ終わりかなぁ。 今宵は中秋の名月ですな・・・ってことで満月をかたどって並べてみました。 この並べ方の元祖の方曰く、こうすることで「宇宙を感じる」そうですぞ!

南アフリカのピノ・ノワール対決

 ・・・なーんて戯言は置いといて、昨日の稽古の続きをご覧ください↓。 各ワインのコメントの後ろに緑色の文字で追記しています。 詳細はそちらを見て頂くとして、やっぱり飲み比べは楽しいね。

 ちなみに本日のメニューは、上記の枝豆、スモークサーモンのチーズ巻き、タコとトマトとブロッコリーのサラダ、 砂肝の炒め物、砂肝端っこの酢の物、レバーの甘辛煮です。

よなよなエール

 で、昨日開けた南アフリカのピノ・ノワールは早々に開けちゃいまして、 窓の外には中秋の名月。 これは飲まずには居られますまい、ということでヤッホーブルーイングのよなよなエールを抜栓。 缶に月の絵が描かれていて、いかにもこういう状況で飲むべきビールです。 しっかりとした濃さがあるので、チビチビ飲める点もグッドです。


23日(日)

南アフリカ コスパ高ピノ・ノワール比較

 三連休中日、暇人な師範は自ら楽しめるイベントを、 ということで「南アフリカ産のコスパ高で知られる2本のワインを同時に開けて比較してみよう」という企画を思い立ちました。 選んだ2本は、今回3回目の稽古となる「ポール・クルーヴァー "エステート" ピノ・ノワール 2016」と 初稽古の「クルーガー "パーリー・ゲイツ" ピノ・ノワール 2017」です。 この2本、師範がツイッターでフォローしている方々界隈では人気が二分しており、さながら「キノコ・タケノコ論争」の様相を呈しておるわけですな。 その論争に終止符を打つ、というのが今回の師範の目論見であります。

 ちなみに使ったグラスは、マシンメイドのシュピゲラウ ヴィーノ・グランデ バーガンディというタイプ。 ハンドメイドを使いたいところだけど、悲しいかなハンドメイドは一脚ずつしか持っていないんで比較には使えないんですな。

Paul Cluver Estate Pinot Noir 2016
名称Paul Cluver "Estate" Pinot Noir 2016
ポール・クルーヴァー "エステート" ピノ・ノワール 2016
生産者Paul Cluver
ポール・クルーヴァー
価格2,419円
購入店 葡萄畑 ココス

 基準となる1本は、ポール・クルーヴァーの"エステート"vピノ・ノワール。 このワインは今年の5月に稽古して、あまりに美味くて二本再購入、 その1本目は7月に再稽古したという、道場では珍しい頻繁リピート銘柄。 ちなみに対決を見守る料理は、ラザニア、夏野菜のトマトソース、アボカドとトマトのサラダ、バゲット等のパンです。

 色は、キレイに澄んだ赤紫色。相対的にはクルーガーよりこちらの方が僅かに濃さがありますが、アシの長さはほぼ同じ感じです。 香りはやっぱり良いですね~。 熟れた赤系果実、革、白檀、コーヒー豆。パワフル・ピノな香りのオンパレードですが、 以前稽古した時より更に妖艶な感じと言うかケモノっぽさが強くなったような気がします。 ブルゴーニュで言えばボーヌ側な雰囲気ですな。 味わいも素晴らしいです。甘さと酸味のバランスが良くて、軽く引き締める渋味もナイスです。

 やっぱり美味いわ、このワイン。これが2,000円台前半なのは平成の奇跡です。 ただ、稽古も3回目となると「驚き加算」が無くなるのと、 若いモノ好きな師範ということもあり前回までの稽古の方が高得点ではありました。

 で、これで終わりの単なる「比較試飲」だったらどこでもやるでしょう。 道場の特徴は「丸一本完飲」での比較です。 なので半分残した明日、どう変化したかを追記します。乞うご期待!

 そして翌日。保存方法としては、バキュバン等は使わずスクリューキャップを戻して低めの温度のセラーに立てておりました。 普通のご家庭だと「野菜室に突っ込んだ」状態と変わらないと思います。

 色は変わりありません、って当たり前か。香りは、昨日より革と樽の感じが強めに出ています、というか果実っぽさが若干引っ込んだのかな? それでも香りのボリュームは立派なものです。 味わいは「やっぱり美味いわ」がちゃんと持続しています。 多分、渋味はより穏やかになっているんだと思うけど、少なくとも気が抜けた雰囲気は全くなくて1日くらい全く問題なく置いとける感じです。

 ・・・というわけで点数据え置き。自信を持ってお薦めできる銘柄であることに変わりはありません。 上手な化粧が幸いしてか、昨日も今日も「北川景子」さんです。

点数86点
Kruger Pearly Gates Pinot Noir 2017
名称Kruger "Pearly Gates" Pinot Noir 2017
クルーガー "パーリー・ゲイツ" ピノ・ノワール 2017
生産者Kruger Family Wines
クルーガー・ファミリー・ワインズ
価格2,862円
購入店アフリカー

 対するワインは、先月アフリカーさんを訪問した際に調達したもの (訪問時の様子はココ)。 これも評判良いんで買いたかったんだよね。 ヴィンテージが前のポール・クルーヴァーより1年若いんで、完全な比較ってわけじゃないですが、 手に入るもので稽古するのが「安ワイン道場」ってもんであります(キリッ!)・・・って何がキリッ!だか。

 色は前のポール・クルーヴァーより若干明るい色調ですね。 香りのボリュームに関しては、相対的には若干おとなしい感じです。 そして香りの中身はまるで違います。正直こんなに違うとは思ってもみませんでした。 ブルゴーニュのニュイよりももっと寒い地域、例えばドイツとか北海道のピノ・ノワールみたいな、極めて冷涼な香りがします。 若い木イチゴに青ジソやバジルのようなハーブ、樽香は奥の方に軽~く、って感じです。 味も全然異なります。「妖艶」なんて言葉は全く思い浮かばない、甘酸っぱくてピュアっピュアなフルーツ感。 渋味は上のより更に軽いんだけど、その代わりに軽い苦味があるので、これはこれで締まった味わいのバランスだと思います。

 こりゃ「キノコ・タケノコ論争」になるわ。まるで違うし、どっちもベクトルの違うおいしさがあるんだねぇ。 ピノ・ノワールの澄んだおいしさを求めるのであればコチラでしょう、 「チャーミング」という言葉がとても似合うワインです。 対して、判りやすい派手さを求めるのであればポール・クルーヴァーに軍配が上がります。 結果、「優劣付けがたし」です・・・って、論争に終止符を打つんじゃ無かったんかい!

 こちらも翌日。保存方法は上のと同様ですが、スクリューキャップじゃないので適当な栓をしております。 半分残したつもりだったんだけど、こちらは3分の1くらいしか残ってませんでした。昨日の酔っ払いコワイ!です。

 色は変わらずですが、香りのボリュームはかなり控えめになったような気がします。 こちらも果実っぽさが弱くなって、ハーブのような雰囲気がメインに感じられます。 味わいも、傾向的には昨日と同じなんだけど、なんか「普通」のピノになった感があります。 飲み比べると、香りも味も存在感でポール・クルーヴァーの後塵を拝す結果になっちゃいました。

 このワインに関しては、抜栓したその日に飲み切った方が良いかもしれません。 昨日は「新垣結衣」さんだったのが、今日は「剛力彩芽」さんになっちゃいました・・・って感じです。 いや剛力さんも好きですよ、ご実家は道場の隣保組ですし。

点数86(-2)

22日(土)

日本ビール 白濁(しろにごり)

本日の食前酒は、日本ビールが輸入しているベルギー産の「白濁(しろにごり)」。 麦芽使用比率が低くて発泡酒扱い。 写真が上下さかさまなのには理由があって、『おいしく飲んでいただくために、感を「上下逆さ」にしています』とのことです。 そんなギミックは置いといて、ハッキリとグレープフルーツや柚子みたいな柑橘香がありなかなか美味しい。 確か200円ちょっとだったはず。これはアリなビール、じゃなくて発泡酒だと思います。

Barbaresco 2013 [Moranera]
名称Barbaresco 2013
バルバレスコ 2013
生産者Moranera
モラネラ
価格1,672円
購入店サンタムール

 本日の夕食は天ぷら。天種は、エビ(ブラックタイガー)、鶏ムネ肉、サツマイモ、島オクラ、ピーマン、ナス。 天ぷらというとワインは白、それも日本の甲州あたりが良さそうな気もするんだけど、 実際食べているそばで揚げ物をすると、香りの弱いワインだとマスクされちゃうのね。 そしてなんとなく今日は赤が飲みたい気分だったので思い切って赤をチョイス。 選んだのは、イタリアはピエモンテ州の銘醸DOCGであるバルバレスコ。 この造り手のワイン、バルバレスコは初だけどバローロの2006年産とは稽古済みであります。

 まず色ですが、「バルバレスコってこんな薄かったっけ?」と感じる明るめの紫色。 でも、ネッビオーロ種って実際そんなに濃いわけじゃないんだけよね。「バローロ」とか「バルバレスコ」とか強そうな名前だから濃いイメージがあるだけで。 そして、明るめであるのに加えてエッジにオレンジのグラデーションがあるあたり、熟成した雰囲気を感じます。 次に香りを嗅いで、「結構熟成してね?コレ」です。お約束のスミレの花みたいな香りに加えて、油粘土のような土っぽさとツンッと酸を感じる鋭い香り。 香りのボリュームと複雑さはなかなかなものがあります。 味わいはかなりストイック。甘さはほぼ無い感じ(でも糖度自体は7.2とそこそこ)で酸味しっかり、 それにまだまだ固い渋味がガチッと構えています。

 色や香りからは妙齢の女性みたいな柔らかさを感じるんだけど、口に含むと頑固オヤジ。 ツンデレの逆でデレツンなワイン。2013年産なんで5年経っているんだけど、飲み頃はもっと先なんでしょうか? 天ぷらとの相性は・・・勇み足が過ぎました。無難に合わせるならリースリングとかだと思います(爆) っつーか早くから飲み始めたので、料理に合わせる時点ではほぼ終わり頃だったりしました(爆^2)

点数74点

21日(金)

Villa Maria Private Vin Marlborough Sauvignon Blanc 2017
名称Villa Maria "Private Vin" Marlborough Sauvignon Blanc 2017
ヴィラ・マリア "プライベート・ヴィン" マルボロ― ソーヴィニョン・ブラン 2017
生産者Villa Maria
ヴィラ・マリア
価格977円 (単品価格:1,587円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、銀ダラの味噌焼き、ホルモン野菜炒め、トマトとアボカドとブロッコリーのサラダ。 調理担当は師範でございます。 ワインは、うきうきワインの玉手箱の10本1万円福袋から、ニュージーランド産のソーヴィニョン・ブランを選択。 ソーヴィニョン・ブランと言えば一昨日に日本ワインのこの品種と稽古して、 個人的に「ソーヴィニョン・ブラン観」が怪しくなっているので、その確認の意味も込めてチョイスしました。

 色は非常に薄め。一昨日の長野産より更に薄いと思います。 ところが香りのボリュームには雲泥の差があります。ショップのサイトには 「ハーブの香りと溢れんばかりのトロピカルフルーツの香り」とあるけど、まさにそんな感じ。 味わいも、適度な酸味、表立っては感じないけど下支えしている甘味、そして軽い苦味。 全体に良い感じに軽やかでソーヴィニョン・ブランの魅力を上手に引き出しています。

 やっぱりニュージーランドのソーヴィニョン・ブランは鉄板ですな。 この価格帯だと奥行き・深みはないけどストレートに美味しい。 この品種って、こういう「青くて若々しい美味しさ」が真骨頂だと思うので、 高級なソーヴィニョン・ブランにはあまり食指が動かなかったりします。 単品価格の1,600円弱も極めてリーズナブルですが、 福袋とは言えこれが3桁で買えたのは極めてお買い得だったと言えます。

点数78点

19日(水)

居残り 連 外観

 本日は、最近とんとご無沙汰なバンド活動の今後に関して、キーボード担当のMz氏&ドラム担当のHrと相談の飲み会。 店は、北品川商店街のはずれにある居残り 連というところです。

 店は、ブドウの蔓が絡まる大変風情のある一軒家で、我々は二階のテーブルに案内されました。 一階と二階合わせて、キャパは30人くらいかな。外観同様、古民家の雰囲気がある店内で、なかなかいい感じであります。

居残り 連 アンチョビ&レバーペースト

 店のジャンルとしては、「イタリアン居酒屋」になるのかな。頼んだ料理はアンチョビ&レバーペースト(左写真)とか、 キャベツとからすみのペペロンチーノとか、シーザーサラダとか。 会話(とワイン)に夢中であまり覚えていないけど、美味しかったと思います・・・って小学生の感想だな。

居残り 連 ビール

 居酒屋なんで「とりあえずビール」です。銘柄はサントリーのマスターズドリーム、お値段600円。 ちゃんとしていて美味しいんだけど、量が少ないのが難点なんだよなぁ。 やっぱり居酒屋のビールはゴクゴク―っと飲みたいっすよね。

 で、ビールは一杯だけにして、↓のワインを頂きました。

五一ワイン Estate Goichi ソーヴィニョン・ブラン 2016
名称Estate Goichi Sauvignon Blanc 2016
エステート・ゴイチ ソーヴィニョン・ブラン 2016
生産者Goichi Wine
五一ワイン(株式会社 林農園)
価格(3,600円 / 720ml)
購入店居残り 連

 このお店のワインリストは非常に個性的。まず日本ワインの品揃えが凄い。 白が15アイテム、赤が16アイテム、泡は5アイテムくらいだったか。 他の国だとイスラエルが6アイテムくらいで、あとはカリフォルニアだったかが赤白1アイテムだけ。 グラスワインでも日本ワインが赤白5種ずつくらいあって、極めて日本ワインに偏重したラインナップです。 価格も、下はボトルで3,600円から7,000円くらいまでという手ごろなお値段。 そうとは知らずに入店したので、良い方にビックリした次第であります。

 このメンバー&この値段だと2本くらいは大丈夫だな、ということでまずは白から。 「安ワイン道場」なので当然安いヤツに狙いを定めるわけですが、 同じ3,600円だったのがメルシャンの「アンサンブル萌黄」とこの五一ワインのソーヴィニョン・ブラン。 無難なのはメルシャンだろうな、と思ったけど、 ここはひとつサプライズ狙いということで、こちらをチョイスしました。

 出されたグラスは小さめで厚めだけど、形はちゃんとしたものです。 色は、非常に薄めながらわずかに麦わら色っぽさが見えます。かなり熟した状態で収穫されたのかも知れません。 香りは・・・残念ながら弱いのね。 ソーヴィニョン・ブランのパイナップルのようなハーブのような香りがパーッ!と、ってのをを期待したけれど、 そんなボリュームはありませんでした。 味わいは、甘さ控えめ酸味そこそこ、そして日本ワインらしくしっかりした旨味を感じます。 ブラインドで飲んだら「甲州種」だと言いそうです。

 時間が経って温度が上がってくると、香りのボリュームはやや出るようになってきます。 このワイン、あまり冷やさない方が良いのかもですね。

 結果、「狙い通り」というわけにはいかなかったけれど、それもまたサプライズということで。 ソーヴィニョン・ブランは安くてもちゃんと香る、という認識を若干修正しなければいけませんな。

点数69点
北海道 ツヴァイゲルト 2016
名称Hokkaido Zweigelt 2016
北海道 ツヴァイゲルト 2016
生産者Hokkaido Wine
北海道ワイン
価格(3,600円 / 720ml)
購入店居残り 連

 赤ももちろん日本ワインです。そして、先々週から継続している「飲んで応援 北海道ワイン」をここでも実践。 造り手は初回と同じ北海道ワインで、品種はツヴァイゲルト。 オーストリア原産の品種らしいですが、白のケルナー同様、北海道産ワインではよく見かける銘柄ですな。

 色は結構濃いめ、そして色調も青紫に近い感じです。 北の方のブドウなんで淡めの色を想像していたけど、濃い色合いにちょっとビックリです。 香りのボリュームは結構しっかりしていて、雰囲気はかなり個性的。 なんの香りに例えれば良いのかな?こういう時にちゃんと学んでいないのがもどかしいんだけど、 昔の生食用ブドウのような、ツンッと刺激的でスパイシーな香りがします。 そして味わいもかなり個性的。予想に反して固い渋味と強めの酸味を感じます。 「日本ワイン=うすら甘い」という先入観をカチ割ってくれる硬派な味わいです。

 これは面白いワインですね~「面白い=美味しい」じゃないところが若干残念ではありますけどね。 師範はこの個性に惹かれてグイグイ飲んでましたが(おかげで酔っ払い)、 他の二人はあまりお気に召さなかったようです。

点数70点
居残り 連 店内

 ・・・ってな感じでいつの間にか10時の閉店時間。 お会計は・・・いくらだったんだろうね?記憶にございません。 そしてその後どうやって帰ったのかも記憶にございません。 気が付けば大船駅、タクシーで帰るハメとなってございます。


17日(月祝)

はま寿司 外観

 長女が大学受験に向けての勉強中なので、最近家族で外食する機会が減っております。 昨日模試が終わったとのことで、本日の昼は久しぶりに家族で外食、向かった先ははま寿司 横浜岡野店、100円回転寿司であります。 前回が5月だったので、約4ヵ月ぶり。そんなに久しぶりって感じじゃないですな。

はま寿司 サンマ はま寿司 光物三貫

 100円回転寿司の内容を云々するのも野暮ってもんですが、今年豊漁のサンマ(写真左)はやっぱり美味いですね。 そして、ここでも「食べて応援・北海道産食材」ということで北海道産の秋鮭も注文。 脂が乗り過ぎず、良い感じでしたよ。ホントは北海道まで行って食べたいところだけどね。

はま寿司 清酒 はま寿司 ビール

 飲物は、まず瓶ビール・中(アサヒ・スーパードライ)。お値段518円。 何度か書いている気がしますが、師範はどちらかというと瓶ビール派です。なぜなら、ジョッキは同じ値段で量が少ないから。 あと、品質が安定しているというのもあります。生ビールを売りにしている店だと別だけどね。

 昼間ですが、ビール一杯では飲み足らず、清酒を注文。銘柄は吉乃川 生酒、300mlで734円。 清酒って、この300ml瓶という流通形態は非常に優れていると思います。 だいたい和食の店だとこのサイズの清酒があるよね。 それに対して洋食の店でハーフのワインが少ないのは大変残念、と「(私)日本ハーフボトル普及協会・自薦副会長」の師範は思います。

 そんな感じでお会計は4人分トータルで6,000円弱。 安い店でも家族4人で食べるのは美味しいな。いつまでもこういう生活を続けたいものだよな。

Refosco dal Peduncolo Rosso 2016
名称Refosco dal Peduncolo Rosso 2016
レフォスコ・ダル・ペドゥンコロ・ロッソ 2016
生産者Borgo Magredo
ボルゴ・マグレード
価格983円 (単品価格:1,598円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 夕食は道場にて。メニューは、鶏レバーのネギ焼き(お惣菜)、鶏モモ肉や野菜(タマネギ、ジャガイモ、サツマイモ)のオーブン焼き。 外食も美味いけど内食も美味い、なんなら買ってきたお惣菜も美味い。自分の「美味い」の閾値が低いことがとてもありがたい。 「孝行舌」に育ててくれた親に感謝・・・そいういえば今日は敬老の日ですね。

 ワインは、9月頭の楽天スーパーセールで買った「うきうきワイン玉手箱」の福袋、10本10,800円からの最初の一本。 同様のセットを6月にも買ったんだけど、その時より割引率が高くてラッキーです。 ただ、内容的に3本が被っていまして、そのうちの1本がコレ(前回の稽古結果はコレ)。 いきなり消化試合っぽいですが、先日買ったロブマイヤーで優雅に稽古して参ります。

 色は、暗い感じの色調ではあるけど濃くは無くて、澄んだ静脈血といった感じ。 香りは、スミレの花のような香りに膏薬のようなケミカルっぽさがあって、いかにもイタリアンな感じ。 味わいは、渋味穏やか酸味しっかり、ほんのり甘味もあって普通に飲み易いバランス。

 当たり前だけど、前回の印象と大きくは変わらず、イタリアの赤らしくて人懐っこく普通に飲み易いバランス。 単品価格が1,500円超で、買値相当額が1,000円弱は順当です。 そして、ロブマイヤーのバレリーナIIIで飲むと、手と液体の距離が近いので慈しみながら飲める感じがあります。 まるで石原裕次郎のブランデーグラスみたいにね。

点数72点

16日(日)

Robertson Winery Gewurztraminer Special Late Harvest 2016
名称Robertson Winery Gewürztraminer Special Late Harvest 2016
ロバートソン・ワイナリー ゲヴュルツトラミネール スペシャル・レイト・ハーベスト 2016
生産者Robertson Winery
ロバートソン・ワイナリー
価格1,123円
購入店 葡萄畑 ココス

 連休中日、本日の夕食は焼き餃子、ニラ饅頭、トマトと卵の炒め物、空芯菜のガーリック炒め。 中華に合わせるのに最もふさわしいブドウ品種はゲヴュルツトラミネールと相場は決まっています(師範調べ)。 そこでチョイスしたのが南アフリカ産のゲヴュルツ。 アルコール度数11.5%でスペシャル・レイト・ハーベスト、 間違いなく甘口ワインだとは思いましたが、連休ゆえ飲み切れなかったら明日に持ち越せば良いや、 という気分で明るいうちからチビチビ稽古して参ります。

 色は、確かに遅摘みブドウらしい、結構しっかりした飴色。 ただ、比較的サラリとしていて、いわゆるデザートワインの「エキス分タップリ!」ってな見た目ではありません。 香りも、鼻で嗅ぐ分にはボリューム弱めだけど、口に含むとしっかりゲヴュルツらしいライチや沈丁花といった派手な華やかさの香りを感じます。 味わいは、甘いっちゃ甘いけど(糖度は10.1)危惧したほどでも無くて、なんとか食中酒としてもイケる感じ。 酸味がそこそこしっかりで苦味もあるので、甘ったるい感じがしないのが良いのかも。

 想像通りの甘口ワインだったけど、なんだかんだでチビチビやっているうちに飲み干しました。 流石に後半はちょっと飽きたけどね。 それと香りの弱さは若干残念なポイントですが、改めて値段を見返すと1,000円ちょっとのワインだからなぁ。 それを考えると驚きの高品質、例によって「南アフリカ恐るべし」です。 甘口ワインがお好きな方には普通にお薦め、『ワインは辛口以外は認めない!』な昭和の頑固オヤジは避けて吉でしょう。

点数77点

15日(土)

IGC (International Glass Competition) 2018

 今年の自分への誕生日プレゼントは(7月ですが)「やっぱワイングラスの最高峰ロブマイヤーでしょ」なーんて考えておりまして、 Amazonで値段が下がるのを待っておりました(以前セールになっていたのを知っていたため)。 そしたら、先週になってまたセールに突入。 ツイッターでも「師範買っちゃえ」と背中を押してくれたりもしたんで、思わずポチってしまいました。

 買ったのは、「ロブマイヤー バレリーナIII」というオーストリアの工房によるハンドメイドのグラス。 お値段なんと税別定価で一脚18,000円也。今回はその30%オフで買ったけど、それでも13,608円という「師範!気でも狂ったか!?」という高級品。 でもね、一度は使ってみたかったのよ、ロブマイヤー(左写真右端)。 「安いワインでも最適な環境で美味しく頂く」が道場の主旨ですから。

リンク ロブマイヤー バレリーナ ワイングラスIII
13,608円 @Amazon (ユーアンドミー)

 ・・・というわけで、せっかく買ったんだからその価値があるか見定めましょう、ということで勝手にIGC (International Glass Challenge) を開催。 出場選手は左から
 - 100均(ダイソー)の超うすぐらす
 - リーデルのマシンメイドであるヴィノム・ブルゴーニュ
 - シュピゲラウのお手頃ハンドメイドであるグランパレ・ブルゴーニュ
 - そして今回買ったロブマイヤーのバレリーナIII
審査員はフィリップ・シャルロパンのマルサネ2014氏にお願いしました。 いずれのグラスにも計量カップでキッチリ100ml測って注ぎ、全く同じ条件で比較します。


International Glass Challenge


100均マシンメイド安ハンドメイド高ハンドメイド
銘柄 ダイソー
超うすぐらす
リーデル
ヴィノム・ブルゴーニュ
シュピゲラウ
グランパレ・ブルゴーニュ
ロブマイヤー
バレリーナIII
写真
高さ, 容量 160mm, 560ml 210mm, 700ml 230mm, 710ml 185mm, 620ml
最大径, 開口部径 90mm, 65mm 108mm, 70mm 105mm, 70mm 100mm, 65mm
重量 119g 220g 136g 104g
価格 約100円 約3,000円 約5,000円 約18,000円
外観 脚無し、厚みが不均一で向こうの景色が歪む。 ボウルとステムの接合部に段差があり、厚みはやや不均一。 背が高くスマートでバランスの良い形。厚さも均一で足とボウルもスムーズな繋がり。 低めで安定感があり、ステムは細く短くボウルはとても薄い。口部の反り返りが特徴的。
色の感じ方 一番口径が小さいため液面が高く(深く)、色も濃く感じられる。 底部が一番平たいためか、この中では一番薄めに見える。 リーデルとロブマイヤーの間くらいの濃さに見える。 リーデルと比較すると明らかに濃く見える。100均と同程度かな?
香りの感じ方 スワリングがしづらいため、香りの立ち方はおとなしめ。 スワリングすれば香りがバンバン出て来る。 (同左) 開口部が小さいので香りが一番集中して感じ取れる・・・気がする。
味わいの感じ方 普通に美味い。 (同左) (同左) (同左)
使い心地 脚が無いので持ちにくい。ボウルに指紋がペタペタ付くのはイマイチ。ただ旅のお供には超グッド。 重さがなんか野暮ったい。ステムの縦スジがいかにもマシンメイド。 そこそこ軽くて薄く、足も長くて使いやすい。若干大き過ぎて手の小さな方ではもてあますかも。 羽根のような軽さが手から、芸術的な薄さが唇から伝わる。ただ、ステムの短さが個人的には残念。
感想 言うても100円、そのへんの小さくて厚いワイングラスやゴブレットよりはるかに良い。 やはりこれがスタンダード。まずここを基準に考える意味では必要な一脚。 リーデルのハンドメイドだと倍以上の値段なので、シュピゲラウはお買い得。 「芸術工芸品を使ってんそー!」という満足感、上流階級の気分、それに尽きる。
ショップへのリンク (N.A.) リーデル ヴィノム ブルゴーニュ(6416/7)
3,024円
楽天(ヴェリタス)
【贈答箱入り】シュピゲラウ グランパレ エクスクイジット ブルゴーニュグラス2個セット
14,040円(ペア)
楽天(ZAKKAYA plus)
ロブマイヤー バレリーナ ワイングラスIII
13,608円
Amazon (ユーアンドミー)

 ・・・と、いろいろグダグダと書いてきたわけですが、ぶっちゃけワイングラスの機能面で言えば大差ないです。 どれもちゃんと色や香りを拾えるし、味わいに関しては師範レベルでは差なんて感じません。 ただ、機能以外の面、とりわけ「気分」は全然違います。 やっぱり大きめで薄くて軽くて歪みのないグラスは使っていて気持ちが良い。 趣味の道具は、この「気持ち良く使える」ということがとても大事。 これら4種類のグラスは、上から下まで100倍以上の値段差があるわけですが、それぞれにその存在価値があると言えます。

 そんな感じなんで、特に「どれがベスト!」ってことはありませんが、敢えてお薦めポイントを書くとすると・・・

 「グラスなんて要らねぇ湯呑みで十分」って方には是非ダイソー・超うすぐらすを使ってみて欲しいっすね。 ただ、いつも売られているわけではない、というか最近見ないのが難点。 今(2018年9月現在)関東のダイソーで売られている「うすぐらす」は、これよりだいぶ厚めです。

 マシンメイドのグラスだと、今やリーデル・ヴィノムである必要はないかと。 イオンあたりで売られている1,000円台のブルゴーニュ・グラスとの差は大きくないと思います。 ただ、やっぱりこれが「基準」だとは思うんだよね。グラスバリエーションの原点です。

 ハンドメイドのシュピゲラウ・グランパレはコスト・パフォーマンスに優れててとても良かったんだけど、 もう廃盤になったのかネットでもあまり見かけません。シュピゲラウがリーデルに買収されちゃったからかな?大変残念。 「手頃なハンドメイド」があればぜひご教示ください。

 そして、今回追加したロブマイヤー・バレリーナIIIは、ワインを楽しむという目的もさることながら、 これ自体が芸術工芸品といった趣で、とにかく驚きの軽さ。これは使っていて気分がアガります。 今、アマゾンのショップで3割引中、万人にお薦め出来るグラスではないけれど、一度は使ってみて損は無いと言っちゃえます。 そもそも、ワイン関連の道具としてはワイングラスが一番投資の価値があると思うんですね。 手や唇に触れるものだから。

Marsannay 2014
名称Marsannay 2014
マルサネ 2014
生産者Dom. Philippe Charlopin
ドメーヌ・フィリップ・シャルロパン
価格3,280円
購入店 カーヴ・ド・リラックス

 今回審査員をお願いしたのがこのワイン、みんな大好きドメーヌ・フィリップ・シャルロパン(旧フィリップ・シャルロパン・パリゾ)のマルサネ。 やっぱりそこそこのワインじゃないと比較にならなそうじゃないですか、という大義名分のもと、 稽古範囲を若干オーバーする価格ながら登場を願った次第です。

 ちなみに料理は、ローストポーク、アヒージョ(エビ、マッシュルーム、エリンギ、舞茸、パプリカ、ミニトマト)、トマトとアボカドのサラダ。 こういうワインの相方としては申し分ない組み合わせじゃないでしょうか皆さん!・・・ってたまたまですが。

 色はかなり濃いめの赤紫です。マルサネなんて昔は「ロゼかよ」って色だったのにね。 造り手の技術か、あるいはやっぱり地球温暖化の影響ですかね?まるでジュヴレ・シャンベルタンみたいな色です。 香りは・・・まず、4つのグラスに同時に注いだというのが凄いです。テーブルからワインの香りが漂って来ます。 その雰囲気は、まさに「シャルロパン節」と言うにふさわしい、甘い果実と甘いバニラがブワーッと来る感じです。 味わいは、まだちょっと渋味が固い印象はあるけれど、北のブルゴーニュらしいピュアな果実味とキレイな酸味があって、 全体がビシッとまとまっています。

 やっぱり美味いな、シャルロパン。軽いグラスに軽やかなワイン、ロブマイヤーの筆下ろしにふさわしい一本でした。 これがもう少し安くて道場の稽古範囲だった言うこと無いんだけどね。

点数83点

14日(金)

グランポレール 北海道 ケルナー 辛口 2016
名称Grande Polaire Hokkaido Dry Kerner 2016
グランポレール 北海道 ケルナー 辛口 2016
生産者 サッポロビール
価格1,620円
購入店クイーンズ伊勢丹 横浜店

 先週に引き続き、「飲んで応援 北海道!」の第二段。 今回も先週と同じ品種のケルナーで、造り手は大手サッポロビール。 実際のところ、「飲んで応援」というよりも、このケルナーという品種に興味が沸いたわけです。 というのも、先週の稽古でラブルスカ系(アメリカ系)の雰囲気をバリバリ感じたわけですな。 でも、ケルナー種はヴィニフェラ系(ヨーロッパ系)のはず。 もし今回のからもそんな雰囲気を感じ取るとすれば、 師範の「ラブルスカ系」「ヴィニフェラ系」に対する認識が間違っている可能性大なわけです。 幸いこのワインは『ケルナー種100%』だそうなので、それを確認することが出来ると考えました。

 ちなみに本日も夕食の調理担当は師範で、メニューは北海道産の白に合わせて北海道産秋鮭の香草バター焼き。 「食べても応援」ですな。あとは唐揚げの甘酢和え(お惣菜)、モヤシのナムル、ベーコンとトマトとレタスのスープです。

 色は非常に薄めでサラッとした感じ。こういうブドウなんでしょうね。 香りは、先週感じたような、ラブルスカ系のいかにもブドウな香りは弱め。 その代わり、リースリングやミューラー・トゥルガウみたいなドイツ品種に通じる、 クチナシの花のような奥深いフルーツ感があります。 味わいは、甘さしっかり(糖度7.3)で酸味控えめ、その代わりにほんのり苦味が全体を引き締めています。

 これだったら、「なるほどドイツ系品種だな」と判ります。 やっぱり先週のはナイヤガラも少量ブレンドされていなんじゃないかと想像します。 そして、税別1,500円でこれならお世辞抜きに「アリ」です。 ただ、欲を言えば甘さはもう少し控えてくれたらなぁ、と願います。 もし「醸造上のテックニック」で糖度を確保しているのであれば、その必要は無いかと。 この手のワインを買おうと考える層はこういう甘さは求めてないと思いますから。

点数73点

12日(水)

Sovento Brut Rose N.V.
名称Sovento Brut Rose N.V.
ソベント ブルット ロゼ (ヴィンテージ無し)
生産者Bodegas Fernando Castro
ボデガス・フェルナンド・カストロ
価格430円
購入店MEGAドン・キホーテ狩場インター店

 毎度水曜夕飯の調理担当は師範で、本日のメニューは久しぶりに広島風お好み焼き。 こういうジャンクな粉もんメニューにはビールとかチューハイ的にガブガブいけるワインが良さそう、 ということで選んだのが、ドンキの定番、税別398円のスペイン産スパークリング。 この銘柄のロゼで無いものとは昨年稽古済み、案外悪くなかった模様。

 色は、写真でも判るかな?とてもキレイなオレンジがかった薄ピンク色です。 裏ラベルに着色料の表記は無いので、上手いことワインを調合されているんだと思います。 泡のボリュームは弱めだけど、泡のキメは結構細かめ。 カバでも無いし、お値段的にも醸造法は「シャルマー方式、なんなら炭酸後足し?」かと思っていたけど、 造り手のサイトによれば・・・

 "Memoryes from the bakery, because of second fermentation in the bottle."(原文ママ)
 「瓶内二次発酵によるパンみたいな雰囲気があるよ。」(師範訳)

とのことで、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のようです。恐れ入りましてございます。 香りは、リンゴの香りとイチゴの香り。上記のサイトにあったようなイーストっぽさはほとんど感じません。 それでも、フレッシュなフルーツ感があって、悪くない香りです。 味わいは、弱めの炭酸&とても軽い甘酸っぱさ。 物足りない感じがしないでもないけど、ワンコイン以下だからねぇ。

 冷静に判断すると、弱くて薄くて軽いワインです。でも、別に強くて濃くて重いワインが偉いわけでもないと思うんだな。 瓶内二次発酵させて日本に輸送して酒税消費税払って税別430円、いったいどういうコスト構造なんだろう?と唸りますな。 ブドウ品種の指定とかが無いので、ドカッと仕入れた余りブドウで造っているかも知れず、 バラツキはあるのかも知れません。 でも、ストロング系のチューハイなんかよりこっちのほうがずっと自然で満足度が高い感じがしますよ。

点数71点

9日(日)

Linton Park Class of 76 Chardonnay 2016
名称Linton Park "Class of 76" Chardonnay 2016
リントン・パーク "クラス・オブ・76" シャルドネ 2016
生産者Linton Park Estate Wine
リントン・パーク・エステート・ワイン
価格1,706円
購入店アフリカー

 本日のワインは、先日訪問したアフリカーさんで購入して来たワインからの一本目。 まずは、ツイッター・ブロガー界隈で評判の良い(※)シャルドネから。 造り手は南アフリカの老舗ワイナリー「リントン・パーク」(先日赤と稽古)、 2016年ヴィンテージからリチャード・カーショウという目利きな人がコンサルについているそうです。

 ちなみに料理は、水ダコの刺身、サンマの塩焼き、トマトとベーコンとチーズの卵とじ、レタスとキュウリのチョレギ風サラダ、大根ツナサラダ。 結構樽の効いたワインらしいので、樽の香ばしさとサンマの香ばしさが合えば・・・と選んでみました。

 さて抜栓。コルクには何も書かれていませんがスベスベのキレイなコルクです。 色はレモン色で、若干樽の成分が出たのか濃いめに感じます。 香りのボリュームはそんなに大きくは無いんだけど、蜂蜜メロンにバターをかけたような雰囲気の香りは高級感がハンパないです。 口に含むとかなりカスタードプリンのような強めの樽。でも、昔のカリフォルニアの「樽ドネ」みたいにブドウを覆い隠すほどではありません。 味わいは、そこそこ甘味と軽めの酸味で、ニューワールドのシャルドネらしいバランス。 それに加えて結構はっきりとした苦味があります。その点は好き嫌いが分かれるところかもです。

 抜栓前は「貧者のムルソーですよ!」って言えるワインかと思ってましたが、 残念ながら(今話題の)ムルソーっぽくは無いですね。酸味が軽いからかな。 どちらかというとカリフォルニア寄り、それもセントラルコーストあたりな感じです。 ともあれ、1,000円台でこういうキチンとリッチなシャルドネが楽しめるのはそうそう無いと思います。 やっぱり信頼できる先達の評価には耳を貸すべきだな。

(※) リンク先参照
KOZE氏:南アフリカ リントンパーク・76・シャルドネ 2016を飲む
シンク氏:キスラーっぽい南アフリカシャルドネ!またカーショウが絡んでるんかい!!リントンパーク・76シャルドネ(クラス・オブ・76)2016

点数81点

8日(土)

アサヒ 食楽

 本日の食前のお楽しみは、新潟産茶豆の両端を切って塩で磨き、4%濃度の塩水で5分茹でて最後に軽く振り塩した枝豆。 茶豆特有の匂いはあまり得意じゃないけど、たまに嗅ぎたくなるんだよね。 そして味に関しては茶豆の方が甘味は強くてさすがに上等。

 ビールはアサヒの秋限定「食楽」。 色は濃いめで香りも結構あって、いわゆるアサヒっぽくないリッチな感じ。 でも、旨味の裏側にスーパードライ的な金属っぽさを感じて、やっぱりアサヒの味筋は得意じゃないなぁ・・・と再認識。

A Nos Amours Merlot N.V.
名称A Nos Amours Merlot N.V.
ア・ノス・アムール メルロー (ヴィンテージ無し)
生産者La Maison du Vigneron
ラ・メゾン・デュ・ヴィニュロン
価格661円 (単品価格:1,058円)
購入店イオンリカー 天王町店

 本日の夕食は次女の希望で豚の冷しゃぶ+野菜いろいろ、あとは空芯菜のガーリック炒め。 ワインは「シャンパーニュ入り!本格スパークリング5本セット」、税込5,400円が5%引きで5,130円から赤い泡をチョイス。 "La Maison du Vigneron"というなんとも没個性な名前だけど、ZIP Codeで調べるとちゃんとそういう造り手で、ジュラ地方にあるみたい。 ジュラ産で品種がメルローの泡、どんなワインなのかちょっと想像がつきませんな。

 ということで新鮮な気持ちで稽古します。 色はかなり濃いめの紫色で、フルートグラスでも向こうは透けません。 外から見た感じ、泡のキメは細かそうです。ちなみにラベルには"Methode Traditionelle"の文字があるので、 シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵のようです。 香りは・・・メルローです。カシスのようなベリーの香りが主体で、間違いなく赤ワインのメルローの香りです。 口に含むと、泡はかなり弱めですね。泡の感じはランブルスコくらいかな?見た目通りキメは細かいですけどね。 しっかりした甘さと軽い渋味と酸味、甘味が強いのを除けばそのバランスは「軽めのメルロー」そのものなんだけど、 そこに炭酸のチリチリ感が加わることで全体のまとまりを軽やかにブチ壊してくれます(笑)。

 乱暴に言えば「メルロー風味のランブルスコ」ですな。 そしてやっぱり赤の泡って難しいと思うんだな。特に渋味と炭酸はハナっから相性が悪いと思う。 普通のスパークリングだと思って飲んでも全然スイスイ入らないし、 普通の赤だと思って飲むと炭酸がエグく感じられます。その違和感を「面白い」と感じられる通人向け。 あと、どうしてもスイスイ飲んではダメでチビチビ飲まなければならない席で出すお祝いの泡、 という極めてニッチな需要向け・・・あ、結婚式とか良いかもよ。名前も"A Nos Amours"だし。

点数67点

7日(金)

北海道 ケルナー 2016
名称Hokkaido Kerner 2016
北海道 ケルナー 2016
生産者Hokkaido Wine
北海道ワイン
価格1,382円 (720ml)
購入店カクヤス 保土ヶ谷店

 西日本に甚大な被害をもたらした台風21号が去ったと思ったら、今度は北海道に大地震。 被害に遭われた方には謹んでお見舞い申し上げます。 こういう時に外野が出来ることは普段通りに経済を廻すこと、 そして微力ながら飲んで応援 北海道!ということで、昨日買ってきたのが「北海道 ケルナー」。 造り手は、日本ワインの生産量No.1を誇る、その名も「北海道ワイン」。 主力銘柄「おたる」は誰もが見たことあると思われます。 『しない善よりする偽善』、皆さんも近所の酒屋の北海道産ワインを買って片っ端から飲んじゃいましょうや。

 ちなみに本日の夕食メニューは、豚のトマトソース煮とか塩チャプチェ、トマトとモッツァレラチーズのサラダ。 日本ワインの白に合いそうかと問われると若干の疑問はあるわけですが、 相性なんてのは飲みたい気分の前には些細な問題だったりするわけであります。

 さて抜栓。コルクはDIAMでブショネ対策バッチリです。 グラスに注いで色を確認、まるで清酒のような感じでほぼ無色で粘性も低く、サラリとしています。 ところが香りのボリュームは結構立派です。マスカットのようなストレートにフルーティな香りと、 ナイアガラ種のようなちょっとクセのある(フォクシー・フレーバー?)甘い香りがあります。 味わいは、香りの甘さと裏腹にかなりドライ、結構苦味もあります。 香りの傾向は全然別だけど、甘い香りで甘くない味わいという点ではアルザスのワインっぽいかもです。

 ケルナーってヴィニフェラ系だと思っていたけど、なんとなくラブルスカ系の香りが特徴的です(ナイヤガラが含まれてる?)。 ただ、香りのボリュームは立派で味わいはスッキリなので、このいかにも「日本の安ワイン」っぽい雰囲気の香りがキライでなければ、 お薦めできるワインだと思います。普段フランスやチリが主な稽古相手の皆さんも、たまにはこういうの飲んでみてはどうっすかね?

点数73点

5日(水)

Bourgogne Chaume Ronde Vieilles Vignes 2016 [Danjean Berthoux]
名称Bourgogne "Chaume Ronde" Vieilles Vignes 2016
ブルゴーニュ "ショーム・ロンド" ヴィエイユ・ヴィーニュ 2016
生産者Danjean Berthoux
ダンジャン・ベルトー
価格1,190円 (単品価格:1,490円)
購入店 ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店

 台風21号、もの凄い勢いでしたね。 ツイッターで上がって来る映像の凄いこと凄いこと。 それに比べてテレビのニュース映像って、ショボい映像とか既にネットで見た映像ばかり。 撮影者からマスコミへのツイッター経由の利用要請に応じてない人も多いみたい。 そうなると速報性にも臨場感にも劣るわけで、報道のありかたを考え直した方が良いんじゃないかな?

 それはそうと、被害に遭われた方には謹んでお見舞い申し上げます。 甚だ微力ながら道場でも関西方面のショップのワインを飲んで応援、 ということで選んだのは、大阪はヴェリタスの「極上ピノノワール飲み比べ6本セット」からの最後の一本。 このセット、税送料込み8.480円のところ現在はスーパーセール期間中で10%オフの7.680円のようです。 ちなみにこの銘柄の2015年産とは昨年稽古済み。 その時は「小モノ感」を禁じ得なかったようですが、上位銘柄のジヴリー一級畑は大変好印象だったようなので、 このワインにもワンチャン期待して稽古します。 そして本日の料理は青椒肉絲、鶏唐揚げ甘酢あん(お惣菜)、トマトとアボカドのサラダ、水菜のお浸し。水曜なんで調理担当は師範です。

 色は結構しっかりと濃い赤紫色。最近はACブルゴーニュのピノでも色が濃いものが増えている印象がありますな。 逆にニューワールドは薄めになりがちな感じ。 香りは、ボリュームこそ控えめながら、キュッとした感じのプラムの香りと、薄っすらと革っぽいケモノ感があります。 そのケモノ感が下品にならないあたりはさすがブルゴーニュの面目躍如といったところ。 味わいは、クラスを超えたしっかり感で、カチッとした渋味とギュッと絞るような酸味、加えてそれなりに甘味もあります。 そんな感じなんで一杯目は険しさが目立ちますが、飲み進めるとワインの変化と飲み手の変化の相乗効果で、「良いじゃんコレ」ってなってきます。

 今飲んで美味しいかは置いといて、値段以上のクオリティを感じるブルゴーニュではあります。 今回のセット、夏向きの軽いピノに加えて秋向きのしんみりしたピノも含まれていたので、 これからの季節に向けて買うのもアリだと思います。

点数75点

2日(日)

東京JAZZ 2018 会場

 師範家の家族は、長女は高校三年生で受験勉強に忙しく、次女も期末試験前、さらには師範代もなにやら勉強しているようなので、 暇人なのは師範だけ。「やることないなー」なんて思っていたら、ツイッターのタイムラインに「今週末は東京Jazz 2017」との情報が流れ、 フェイスブックからは「東京ジャズ 行きましたよ」という情報をゲット。 ホールの方は今更なので、屋外の無料ステージ目当てで行ってきましたよ。

 東京Jazz、前回行ったのってもう9年も前なんですな(その時書いたのがこれ)。 あれからいつの間にか、会場が東京国際フォーラムじゃ無くてNHKホールと代々木公園のけやき並木に代わったんですね。 12:00スタートと14:50スタートの2ステージに目星をつけて行きました。

東京JAZZ 2018 キリン秋味

 ライブの前に景気付けにビールを500ml一缶キューっと。 銘柄は先日飲んで印象が良かったキリン 秋味。 会場へ向かう途中のコンビニで調達して、お値段は292円也。 会場内では350mlのが500円とかで売られているけど、そこで買うのは情弱というものでしょう。

 最初のバンドはGreg Lamy Quartetというルクセンブルクのグループ。 いかにもヨーロピアン・ジャズといった感じの熱さの中にもクールな空気を感じる演奏。 こんな立派な演奏がタダで聴けるなんて東京ハンパないっすね。

東京JAZZ 2018 グリーン・タイカレーとワイン

 1ステージを見た後で腹ごしらえ。 こういう屋台のライブ飯でハズす確率が低いものといったらエスニックなカレーが筆頭に挙げられるでしょう ・・・ということで「サワディ」という屋台でグリーン タイカレー 700円を調達。 どの店も全然混んでなくて、すんなり買えたのがありがたいです。

 で、そのカレーはというと、もちろん大ハズシはありません。普通にチキンとタケノコが入ったグリーンカレーです。 ただ、器とカトラリーが貧相すぎて、そそられないのね。 まぁ何を食べてもそんな感じだったとは思いますけどね。

 そして、一緒に頂いた飲み物が↓であります。

志太 北杜ソーヴィニョン・ブラン 2017
名称 志太 北杜ソーヴィニョン・ブラン 2017
生産者 志太 中伊豆ワイナリー
価格(500円/glass 120ml)
購入店東京Jazz 2017 "Alaska Seafood Kitchen"

 会場には「志太 中伊豆ワイナリー」が屋台を出してました。 いやー、ありがたいですねー。 こういうところでワインっていうと、だいたい大手ビールメーカー輸入の激安系と相場が決まっているわけですが、 日本ワインが飲めるのは良い方に予想外でした。 ラインナップもちゃんとしていて、泡1種/白3種/赤2種、120mlのカップで500円~800円。 白が飲みたい気分だったので、コレにするか甲州にするか若干悩みましたが、 やっぱり安ワインなら香りが期待できる『ソーヴィニョン・無難』だろう、ということでこちらを選びました。

 色は、小さ目のプラスチック・グラスでも判るそこそこハッキリめのレモン色です。 香りは「師範正解!」です。 どちらかというと南方系の、桃やトロピカルフルーツっぽい香りが結構しっかり感じられます。 味わいは結構甘めです。 これ一本飲むんだったらややキツイ感じの甘さですが、 グラス一杯なら「美味いねぇ」で終わります。

 こういう香りが立派で甘めのワインって、タイカレーみたいなエスニックに合わせるにはちょうど良かったと思います。 ともあれジャズを聴きに来て日本ワインが飲めるのは嬉しいな。会場でも結構このグラスで飲んでいる人多かったっすよ。

点数(74点)
ヤッホーブルーイング インドの青鬼

 おなかも満たして、次の目的のライブまでには少々時間があります。 そこで「ふれあいホール」の「8K スーパーハイビジョン シアター」でチック・コリアとハービーハンコックのライブビデオとか見て、 また外のコンビニでビールを調達。すでにチビチビ飲みたいモードだったので、買ってきたのはヤッホーブルーイングのインドの青鬼。 やっぱり濃くてイイよね、このビール。

 もう一つ聴いたのはChristoph Stiefel Inner Language Trioというスイス人が率いるピアノトリオ。 変拍子を多用したやや難解なリズムの上にキレイなハーモニー。 複雑さとクリアさが同居する感じは熟成リースリングのよう・・・ってスイスだったらシャスラっすかね。

 そんな感じの贅沢な暇つぶし。 やっぱりせっかく首都圏に住んでいるんだから、こういう気軽に上質な文化に触れられるメリットは享受しないとね。

Bourgogne Chardonnay Racines Croisees 2014
名称Bourgogne Chardonnay "Racines Croisées" 2014
ブルゴーニュ・シャルドネ "ラシーヌ・クロワゼ" 2014
生産者Maison Henri Pion
メゾン・アンリ・ピオン
価格1,173円 (単品価格:1,825円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 ・・・ってなわけでまだ明るいうちに道場に帰って参りました。 夕食のメニューは、釣り好きの叔父が送ってくれた大分県佐伯市産天然鮎の塩焼き、 鶏せせりの胡椒焼き、トマトのチーズ焼き、モヤシとキュウリのナムル。 選んだワインはうきうきワインの玉手箱、10本10,800円の福袋から、ブルゴーニュのシャルドネ。 買値相当額は1,000円ちょっと、単品価格でも1,000円台というお手軽ブルゴーニュながら、 ヘビーボトルにはいっていてなかなか高級感があります。

 色は、濃くはないけどきちんとレモン色、パイナップルの缶詰の汁みたいな外観です。 そして香りからは間違いなく高級ブルゴーニュ白の片鱗が感じられます。 香りのボリュームこそ小さいんだけど、蜂蜜や焼きリンゴ、そしてバニラといった「お金掛けて造りました」な気配が確かにあるのね。 味わいも、やや酸が弱くて浮ついた印象が無きにしもあらずだけど、醸し出す雰囲気は高級ワインのそれです。

 スケールこそ小さ目だけど、コレ、こんな値段のワインだとは誰も思わないんじゃないかな? 道場での安ワインのボーダーラインである3,000円前後の品質は十分にあります。 久しぶりに「買って損は無い」と断言できるブルゴーニュ、 もうすぐ楽天のスーパーセールらしいので、その時にでも買っとくれ!

 スーパーセールでまた「10本1万円福袋」買いました。 前回のもなかなか充実の内容だったけど、安ワイン道場的には全く別のラインナップだと嬉しいな。

点数81点

1日(土)

Vieux Arquets Pinot Noir 2017
名称Vieux Arquets Pinot Noir 2017
ヴュー・ザルケ ピノ・ノワール 2017
生産者Jean Vincent Frères
ジャン・ヴァンサン・フレール
価格942円 (単品価格:1,180円)
購入店 ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店

 本日のワインは、"Vin de France"格付けのピノ・ノワール。 「ジャン・ヴァンサン・フレール」さんはブルゴーニュの造り手らしいけど、あえて「ブルゴーニュ」を名乗らないことにした廉価版とのこと。 ブルゴーニュ以外で収穫されたブドウも使われているのかな? あるいは収量や醸造上の基準を外しているとか。さすがに名乗れるのに名乗らないってことはないだろうからね。 ちなみに料理は鶏のから揚げ、ナスとオクラの揚げ浸し、マグロとアボカドのアヒポキ風、厚揚げ田楽です。

 色は、廉価版のピノとしては結構しっかりめ、やっぱり南仏のブドウが使われているような印象を受ける外観です。 香りは、ピノ特有の汗臭いようなツンッとしたケモノっぽい香りがメインで、果実っぽさはかなり控えめ。 でも頑張って深く嗅ぐと、若いプラムのようなトーンの高い果実香が見つかります。 味わいは、笑っちゃうくらい軽い感じ。渋味はとても穏やかで、キュッと舌の根元を絞る酸味が特徴的。 味わいも熟れてないプラムの皮目みたいです。 で、その軽さがネガティブじゃ無くて、案外美味いのね。ピュアっピュアでフルーティな感じです。

 冷やして飲んで美味しい、夏向きのピノ・ノワールですな。 暑い夏を乗り切るアイテムとして大推奨・・・ってもう9月なんですよね。 だいたい「お薦め」って書いても時期を逸します。 こういう季節感もそうだし、薦める頃には売り切れってのも多いし、タイムリーなお薦めって難しい。 まぁ自分中心でやっているから仕方ないんですよねぇ。

点数75点