稽古日誌:2017年6月

道場のジューンベリー

 道場のジューンベリー、今年は開花が遅かったので、完熟の時期が6月にずれ込みました。まさしく"June" berryです。

 さてさて道場の稽古本数ですが、今月中に6,000本に達します。 先月20周年だったので、ほぼ1年300本。このペースを維持すると、目標の10,000本到達はあと13年後。 まだ60歳台前半なんで余裕で行けそうだな、もう少し高い所に目標を置くべきかもだな。

 そういえば、今月からビールが値上がりするみたいですね。 今回はまだ酒税はいじらないみたいですが、師範の持論としては酒税も変更するべきだと考えています。 基本的な考えとして、アルコールは大人の嗜みだからそれなりに課税しても良いと思います。 ただ、発泡酒とか第三のビールとか、 似たようなものに対して原料や製法の違いで税率を変えるのは本質的に間違っていると思います。

 アルコールを摂取した人はまわりに迷惑をかけます。 その迷惑料として課税するのであれば、純粋なアルコール量に対して課税すべきです。 ビールだけにやたら重い税金が掛かっている現状はイビツです。 全体を均したことによってワインの税率が高くなったとしても、師範は納得します。


30日(金)

The Windmill Shiraz 2014
名称The Windmill Shiraz 2014
ザ・ウィンドミル シラーズ 2014
生産者Brown Brothers
ブラウン・ブラザース
価格489円 (単品価格 896円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 訳あって本日の夕食調理担当も師範。 メニューは、青椒肉絲、中華風卵スープ、レタスとトマトの韓国風サラダ、胡麻豆腐。 中華の肉料理に合わせるワインとしてはオーストラリア産のシラーズが定番でしょう、 ということで選んだのがコレ。 単品価格が900円弱、それにセット全体の割引率を掛けた買値相当額がワンコイン以下というお手軽赤。 でも、販売店のサイトによれば 『ステンレスタンクで7日間発酵&オーク樽6ヶ月熟成』、 『シラーズの特徴をうまく表現した大人気ミディアム・フル辛口赤ワイン』だそうな。 ちょっぴり期待しつつ稽古させて頂きます。

 色は、オーストラリア産のシラーズとしてはやや薄めかも。まぁ値段が値段ですからね。 ところがどっこい香りは立派。シラーズらしいスパイスっぽさや熟したベリー、 そしてサイトの謳い文句通り樽由来であろうチョコレートっぽい香りもあります。 味は色と香りの中間くらい。 口に含んだ瞬間は軽めで「アレッ?」となるけど、余韻は長く結果的にはかなりしっかりした味わい。 甘味と酸味のバランスもちゃんとしています。

 1,000円以下なら十分アリなグレード、それがワンコイン以下で買えるのは相当にお買い得。 ちなみにこの造り手のソーヴィニョン・ブランと先月稽古しておりました。 豪州のブラウン・ブラザース、安ウマな造り手として脳味噌に刻んでおくべきだと思われます。

点数74点

28日(水)

Cono Sur Bicicleta Chardonnay 2016
名称Cono Sur "Bicicleta" Chardonnay 2016
コノ・スル "ビシクレタ" シャルドネ 2016
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 732円)
購入店 酒のいしかわ 楽天市場店

 週の真ん中水曜日。当面水曜は「コノ・スルの日」として、ビシクレタ・シリーズの各品種を稽古していくことにしました。 なぜなら、水曜は師範の調理担当日でもあるので、料理とワインのマッチングを考えやすいんですな。 というわけで本日の夕食メニューは、豚と野菜の冷しゃぶ、キハダマグロ赤身の漬け(丼)。 合わせる品種はシャルドネです。昨年は2015年産と稽古しております。

 色は非常に薄め。シャルドネ以外の白ならアリですが、シャルドネとしてはちょっと頼りなさを感じる色合いです。 香りは、南のシャルドネらしい、パイナップルや黄桃みたいなトロピカル系のフルーツ香を感じます。 でも、香りのボリュームもそれほどでもないし、樽香なんかは一切なくて複雑さもあまりありません。 味わいは、甘味ほどほど酸味ほどほど軽い苦味があってバランスは悪くないけど、 「悪くない」を超えないレベルなのが残念です。

 客観的に見れば、これくらいの値段のチリ産シャルドネの平均的な姿ではあります。 値段を考えれば頑張ってます。 でも、天下のコノ・スル、もう一段上のパフォーマンスを期待するのが人情ってもんです。 買値相当額同等で考えれば、週末のモンテスが圧勝です。 他の造り手や他の品種との差別化の意味でも、シャルドネには樽を使いましょうよ。 これだと凡百の安シャルドネに埋もれます。

点数71点

25日(日)

Villa Montes Chardonnay 2015
名称Villa Montes Chardonnay 2015
ヴィラ・モンテス シャルドネ 2015
生産者Villa Montes S.A.
ヴィラ・モンテス S.A.
価格768円 (単品価格 1,620円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 本日の夕食は酢豚、ヤングコーンの炒め物、胡麻豆腐。 赤でも白でも良いメニュー、というか特に合うも合わないも無いメニューだとは思うけど、 ここんとこ赤が続いたので本日は白で。 選んだのは、昨日届いたばかりのエノテカのパーティーパックから。 チリのモンテスが造るこの廉価版銘柄、 このセットには良く入っているのでしばしば稽古するけど(直近では2013年産と稽古済み)、 安定感があってコストパフォーマンスが高い白という印象があります。

 色は薄め。そんなにネットリした感じもなく比較的サラリとしています。 香りは、「コレっすよコレ!」って感じ。 トロピカ~ルな感じのフルーツ香に加えて、 シャルドネらしい蜜っぽさや樽由来であろうバニラの香ばしさがあって、総じてふくよかな印象の香り。 でも、スワリングすると奥にちゃんと青リンゴのような涼しくシャープな感じもあります。 味わいは、甘味も酸味も旨味もあって、かなり飲み応えのある白です。 若さゆえかそれぞれがややストレートな印象も受けますが、 下手にこなれて地味になるより若い今のうちに飲んじゃうほうが良いような気もします。

 やっぱりこれはハズさない白ですな。 単品価格は1,620円、その値段だとまぁそんなもんかな、とも思いますが、 今回このセットはいろいろ12本で税送料込み9,500円&10%のポイント還元で、 実質半額以下で買えています。割り戻し計算した結果の700円台だったら相当にお買い得と言えると思います。

点数78点

24日(土)

道場のテラスで焼肉

 今年の梅雨は雨の日が少ないですな。 降るときは台風みたいにガガッと降るけど他の日は太陽が見えて、熱帯か!?って感じ。

 そんな天気の土曜日は、テラスにテーブルを出して鉄板焼肉。 ほどんど肉しか焼かず(肉以外で焼くのはタマネギとズッキーニとモヤシくらい) 鉄板上では肉に集中します。 そして食べ方も、家族4人同じものを焼いてほぼ同じタイミングで食べる「シンクロナイズド・イーティング」スタイルを採ります。 いわゆる「焼肉原理主義」です。 一緒に食べるのはサラダだけ、炭水化物は焼肉終了後に別途麺類(本日は冷や麦)を食べます。 酒飲みだったら「さもありなん」なスタイルかもだけど、 飲まない師範代や子供たちもそうなんで、ちょっと変わった家庭かもだな。 普通「白いご飯が欲しくなる」とか言うよね。

Niel Joubert Shiraz 2012
名称Niel Joubert Shiraz 2012
ニール・ジュベール シラーズ 2012
生産者Niel Joubert
ニール・ジュベール
価格2,430円
購入店 WINE SHOP フラダリ

 焼肉となるとやっぱり濃い赤、それもシラーズなんてのが良さそうな気がするのは安ワイン者共通の認識でしょう。 そこで選んだのがコレ、 今や一気に著名ブロガー(※)にもなられた三浦弁護士ツイッターでご推薦頂いた南アフリカ産。 白2本赤2本の4本買ったうちのこれが最後の1本で、品種はシラーズ。 シラーズにはやっぱり無慈悲な濃さを期待したいところだけど、 この造り手は案外エレガント狙いっつーかそんなに濃さを追わない印象があるんで、 ちょっとどうかな?とも思いつつ抜栓。

 色は、濃いには濃いけど恐ろしく濃くは無い、 そして2012年産と若干の年季が入っているためかエッジに僅かにオレンジっぽさが見て取れる外観。 香りは、シラーズらしい黒い果実とスパイシーな胡椒の雰囲気。樽由来であろう焦がした砂糖みたいな甘香ばしい香りもあります。 味わいの濃さは十分です。渋味がこなれているので固さは無く、甘味もしっかりでアンコ型の相撲取りのような重量感があります。 一点残念な点を挙げるとすれば、僅かだけど炭酸を感じるのね。それがチリチリするのが違和感と言えば違和感です。

 アルコール度数は14.5%、糖度は7.9、数値的にも濃いワインであることが判りますな。 南アフリカ産のワインって、ニューワールドと旧ワールドの中間くらいなワインが多いですが、 このワインに関してはがっちりニューワールド側っすな。 品種によって大きく傾向が異なって、なかなか面白い造り手でした。

 (※)身近な事例を法律的観点から判りやすく解説されていて、非常に参考になるし面白い。

点数80点

23日(金)

Palacio del Conde Gran Reserva 2010
名称Palacio del Conde Gran Reserva 2010
パラシオ・デル・コンデ グラン・レセルバ 2010
生産者Anecoop
アネコープ
価格636円 (単品価格 1,166円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、鶏レバーの甘辛煮、鶏砂肝のガーリック炒め、鶏ナンコツ、夏野菜とベーコンのソテー、大根のピクルス。 居酒屋のようなメニューであります。

 ワインは、金属の網タイツを穿かされたスペイン産グラン・レセルバ、でもお手頃価格ってヤツをチョイス。 パラシオ・デル・コンデというこの銘柄、「うきうきワイン」の安セットにはしばしばラインナップされていて、 直近の稽古は2年前の2009年産。 「安さのヒミツは内容にアリ」などと、厳しめの評価を投げつけております。

 キャップシールは安っぽいプラスチック?製、コルクも何も書かれていない汎用品。 見えない所には金をかけないコスト・コンシャスな姿勢が見て取れます。 色は、熟成期間の長さを反映した紫色と朱色の中間くらいの色合い。濁りは無いし結構粘性も高くて、結構食欲をそそる見た目です。 香りは、赤いベリーっぽい香りにオレンジの皮のようなツンッと感あって、 ヤニっぽさや若干のバニラっぽさもある複雑な雰囲気。 味わいは、これまた熟成が奏功しているのか渋味のカドが取れていて柔らかい。 甘さそこそこ酸味シッカリ、若干痩せた感じは否めないものの、全体的にはまだまだ十分若さを保っています。

 お手軽価格でプチ熟成ワインが頂ける、というのはなかなか立派な差異化要素だと思います。 ただ、あんまり得意じゃないんだよな、師範はスペイン産のこの雰囲気を。 なんか垢抜けなくて田舎っぽいんだよなぁ。 師範本人が田舎モノなんで同類嫌悪しているんだと思われます・・・と何回か同じこと書いている気がしますが。 ってなわけで師範の採点は低めですが、スペイン好きな方には全然オッケーなワインかと思われます。

点数69点

21日(水)

Cono Sur Bicicleta Cabernet Sauvignon 2015
名称Cono Sur "Bicicleta" Cabernet Sauvignon 2015
コノ・スル "ビシクレタ" カベルネ・ソーヴィニョン 2015
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格630円 (単品価格 732円)
購入店 酒のいしかわ 楽天市場店

 本日の夕食調理担当は師範で、メニューは棒棒鶏。 それも鶏ムネ肉が好きな長女と鶏モモ肉が好きな師範代の双方の希望を満足させるべく両方を用意。 そして長女が苦手な鶏皮は外して鶏皮ポン酢に。 それ以外はハムとモヤシのナムル、ニラ玉フカヒレ中華スープ。師範よく頑張りました。

 そんな料理に合わせたのは、「安ワイン者のベースキャンプ」として知られる(※1)コノ・スルのカベルネ・ソーヴィニョン。 定点観測というか味覚嗅覚の校正作業というか、 コノ・スルのベーシックなビジクレタ(ヴァラエタル)・シリーズは年に一度は買うことにしています。 まずはその中でも一番メジャーっぽいカベルネ・ソーヴィニョンから。 ちなみに昨年は2014年産と稽古しております。

 色はしっかりと濃い紫色。ボルドーグラスに適量注いでちょうど向こうが見えないくらいの濃さ。 液体のネットリ感が見て取れて、グラスの内側をタラ―っと下りてきます。 香りはやっぱり大したもんです。カシスっぽい濃い色のベリー的な果実香に、ちょっと明るめのアメリカンチェリー、 それに甘い樽香やインクっぽさもあって、ちゃんとしたチリ産カベルネの香りです。 味も、甘さしっかりで酸味もあって、バランス面も問題ありません。 さすがに2016年産でやや若くて渋味が固い感じもするけど、 そもそもチリの赤ってそんなにガチガチに固くは無いんで、普通に許容範囲です。

 やっぱりコノ・スルはハズさないな。 驚きはないけど間違いないコスト・パフォーマンス。 昨今は大手含めいろんなインポーターから様々な廉価版チリ・ワインが売られているけど、 やはり一段上の安定感があります。 スーパーの酒売り場からコンビニまでどこでも買える流通量があって、この品質は素直に立派だと思います。

 ただ、(このワインのせいじゃないんだけど)濃い赤と生のキュウリの取り合わせは避けたほうが良いかも。 キュウリの爽やかな青臭さが軽やかに生臭く転化されます(※2)。 これからキュウリが安くて美味しい季節、安ワイン者の皆様に於かれましてはご注意下さい。

※1:個人の見解です
※2:個人の感想です

点数75点

18日(日)

Givry 1er Cru La Plante 2014 [Danjean Berthoux]
名称Givry 1er Cru "La Plante" 2014
ジヴリー・プルミエ・クリュ "ラ・プラント" 2014
生産者Danjean Berthoux
ダンジャン・ベルトー
価格1,958円
購入店 ヴェリタス

 本日は父の日。夕食のメニューは、 魚介のサラダ仕立て、アサリの酒蒸し、豚ヒレカツ&チキンカツ、豆苗のガーリック炒め。 師範の「食べたい!」を反映したちょっとプレミアムなメニューです。 ワインも、「ちょっとプレミアム」狙いで、ブルゴーニュの1級畑の赤をチョイス。 1級なんだけど、買った時のお値段は2,000円以下。 そのヒミツは、マイナーな産地とマイナーな生産者という2つのファクターが効いているからと思われます。 でも、ジブリー村のワインって、師範の過去の経験上案外イケてるのが多い印象があるんだよね。 こういうところから「お宝発見!」ってのがあると安ワイン道場も存在意義があるんだけどなぁ。

 ちなみにこの造り手のACブルゴーニュの2015年産とは稽古済みですが、 1,000円台前半という値段相応なブルゴーニュでした。 このワインもそういう感じだとちょっと残念だなぁ、と心配しつつ稽古開始します。

 色はブルゴーニュとしてはかなりしっかりめ、やっぱり南の方だなぁという印象を受ける濃い赤紫色。 香りは・・・ベリーグーです!これは高いワインの香りがします。 販売店のサイトには『赤いフルーツのアロマに樽の香ばしい香りが調和した・・・』と書かれていますが、 まさにそんな感じ。加えて綺麗なご婦人のファンデーションのような香りもあります。 味わいは、酸味と甘さのバランスはちょうど良いんだけど、ややタンニンの硬さを感じたこともあり、 せっかくの休日ゆっくりゆっくり飲むことにしました。

 ・・・で、結局抜栓後2時間くらい経っても期待したほどには固さは取れなかったけど、 冷静に見てこれは美味いです。1,000円台のブルゴーニュとしては稀有の存在、これはアタリ!と断言できます。 ただ、惜しむらくは現時点ヴェリタスでは売り切れているみたいなんだよなぁ。 次ヴィンテージが入ったら速攻ゲットするべきです>安ワイン者&下手のブル好きの皆さん。

点数83点

17日(土)

Dalmare 外観

 本日は父の日イヴ。子供らが師範に父の日のプレゼントを買ってくれるというので、 家族で横浜駅近辺のデパートへお出かけ。 師範が子供の頃、父親に何かをプレゼントするなんてことは考えもつかなかったなぁ。 自分はプレゼントあげてないのに貰える、大変お得な人生を歩んでおります。

 夕食は、横浜のとなり高島町駅の近くにあるイタリアンの店ダルマーレというところで。 師範代がランチで良く使う店だそうであります。

Dalmare 前菜盛り合わせ

 料理はコースにはせずに、黒板に書かれた美味しそうなアラカルトから家族4人でシェアする形で注文することに。 まず最初に頼んだのがこちら。

 前菜盛り合わせ 700円×4

 (写真奥から時計回りに)ラタトウィユ、バゲット、生ハムとモッツァレラ、オリーブ、 アイスバインの煮こごり風テリーヌ、ドライトマト、ソーセージ、(真ん中が)レバーのパテ。 これだけでワインがガンガン進みます。

Dalmare フォアグラ

 前菜の後に注文したのがコチラ。

 左:ハンガリー産フォアグラのポアレ 自家製セミドライトマト添え 1,500円
 右:横浜地場野菜のバーニャカウダ 850円

Dalmare バーニャカウダ

 やっぱりフォアグラは美味いねぇ。美味しいものは脂肪と糖質で出来ています。 バーニャカウダも、とても珍しい野菜がいっぱいで見た目も味も楽しめる一皿でした。

Dalmare ピザ

 更に注文したのがコチラ。

 左:釜揚げシラスとフルーツトマト、有機バジルソースのピッツァ 1,200円
 右:青森産天然ヒラメのカルパッチョ 1,200円

Dalmare カルパッチョ

 ピザは生地がパリパリでシラスがたっぷり。 カルパッチョは上に乗せられた野菜の存在感がやや強くて本体のヒラメが霞んでおりましたが、 どちらも美味しい。これでそれぞれ1,200円はお得感があります。

Dalmare マグレ鴨

 いよいよメインがコチラ。

 左:マグレ鴨のフレッシュエイジング低温ロースト 2,500円
 右:ヤリイカのジェノベーゼ スパゲットーネ 1,400円

Dalmare スパゲティ

 低温ローストは「焼きあがりに40分ほどかかります」と書かれています。 それを待つ価値のある、肉汁がジューシーで食べごたえのある一皿。 スパゲットーネは自家製の麺。こちらもシコシコと食べごたえがあります。

Terre di Zagara Alcamo 2014
名称Terre di Zagara Alcamo 2014
テッレ・ディ・ザガーラ アルカモ 2014
生産者Terre di Zagara
テッレ・ディ・ザガーラ
価格(3,000円 [税別])
購入店ダルマーレ

 ワインリストには、泡が7種、白と赤がそれぞれ14種、それとは別に黒板に「本日のおすすめ」ワインが赤白2種ずつ。 価格帯は、一番安いのが1本3,000円から、一番高いのが1本9,000円のお手頃価格。 そしてやっぱり「安ワイン道場」ですから、本日のおすすめに書かれた一番安い白を注文しました。 よくよくリストを見ると、バルバレスコが4,500円だったりしたので、 実はそっちの方が良かったかも・・・などと思う部分はありましたが後の祭り。 条件反射的に一番安いのを注文する習性をなんとかしなければなりません。

 さて気を取り直して稽古スタート。 色は薄めで粘性も低く、サラリとしています。 香りは結構ボリュームがあります。フレッシュな柑橘類の香りに加えて、 どことなく土っぽいようなミネラルの香りがあります。 味わいも、香りと繋がりのあるミネラルっぽさがメイン。 甘さは控えめ、出始めの大石早生プラムみたいなキュッと締まった酸味があります。

 シチリアの白というと、南の雰囲気というかしっかりした果実味を感じるものが多いけど、 このワインはどちらかというと涼しい北の雰囲気です。品種はカタラットが中心とのこと。 この品種はこういう個性なのかな? 料理には合わせやすいワインだと思うので、お店でおすすめされるのは納得のいくところです。

点数73点
Dalmare カタラーナ

 最後に女性陣はそれぞれデザート(左写真は師範代が注文したカタラーナ 500円)を、 それと師範代がコーヒー 400円/師範がエスプレッソ 350円を注文して終了。 トータルのお支払いは18,000円強。 昨日のワインバーとほぼ同じ値段ですね。 そう考えるとコチラが相当お得ですが、ワインバーはワインバーで魅力があるからね。 いずれにせよ気の合う友人/家族との食事は楽しいものです。


16日(金)

Goodbeer Faucets 外観

 本日は、大学時代の友人Tk、Tb、Tnとの年に一回の飲み会。 場所は、渋谷の東急文化村の横にあるGoodbeer Faucets (グッドビア・ファウセッツ)というクラフトビールの店。

 店内は、中心にカウンターがあってそれを取り囲むようにテーブルが配置されています。 お店の人の半分は外国人、お客も半分は外国人、なんだか日本じゃないような雰囲気です。

Goodbeer Faucets Red Neck Amber ALe Goodbeer Faucets Monster C IPA Goodbeer Faucets Endless Brown Ale Goodbeer Faucets Cream Ale

注文したビールがコレ(写真左から、いずれも1パイントで値段は税込み)

Cream Ale800円Baird Beer (静岡)
Endless Brown Ale750円Brimmer Brewing (神奈川)
Monster C IPA900円Baird Beer (静岡)
Redneck Amber Ale800円Brimmer Brewing (神奈川)

 このお店、輸入物のクラフトビールもあるんだけど、せっかくだから国産の地ビールで攻めて見ました。 どれも個性があってなかなか美味しい。この他にも全部で40種類くらいのクラフトビールがあるので、 ビール好きにはたまらんでしょうな。 そして、これだけ種類があると「次は別の物を」というリピーター集客にも寄与しそうです。

Goodbeer Faucets 大山鶏のジュ―ジーロースト

 料理は、いかにもビールに合いそうなツマミがあるんでそれらをいろいろと。 左写真は大山鶏のジュ―ジーローストという料理。お値段は1,200円也。 その他にもこの店のスペシャリテらしいエルサレムミックス(850円)というスパイシーな鶏の砂肝の炒め物とか、 カキとロマネスコのアヒージョ(980円)などなど。 それなりにお値段はしますが、単なるビールのアテのレベルを超えて、ちゃんと美味しい料理です。

 そんな感じで滞在時間は3時間弱、お値段は4人分トータルで24,000円弱。 やはりそれなりにお値段いきますが、クラフトビールを好きなだけ飲んでこの値段だったら許せる気がします。

シノワ渋谷 店内

 一軒目はクラフトビールの店だったからワインは飲んでなかったわけです。 それで終了に出来るほど師範は人間が出来ておりません。 メンバーに確認したところ、「よしワイン飲もう」ということになって、 向かったのがシノワ 渋谷店というワインバー。ワイン好きな方には有名な店ですね。 銀座店の方には何度か伺ったことがあるけど、 渋谷店の方に伺うのは初めてです。

 店内は、天井が高くて非常にシックな雰囲気。 オッサン4人で入るには若干の場違い感が無いわけでもないけど、 もうメートル上がってるのでそれを受け取る感性は残っておりませんでした。 だいたい皆同じくらいの酒量なんで、まぁ白赤一本ずつかな、ということで注文したワインが下記であります。

Cloudy Bay Marlborough Chardonnay 2014
名称Cloudy Bay Marlborough Chardonnay 2014
クラウディ・ベイ マールボロ― シャルドネ 2014
生産者Cloudy Bay Vineyards
クラウディ・ベイ・ヴィンヤーズ
価格(6,000円 [税サ別])
購入店シノワ渋谷

 さすがは老舗のワインバー、ワインリストには数え切れないくらいのワインが並んでおります。 でも、このお店は親切なことにワインリストがWeb上にあるので (コレ)、 前もって目を通しておりました。 こういうのって、往々にして情報が古くなったりしますが、 このお店はちゃんと目を付けていたワインがありました。

 で、目を付けていたのはオーストラリアのコールド・ストリーム・ヒルズ シャルドネ、お値段8,800円でしたが、 お店のソムリエールさんに 「既に結構アルコール入っているのでガツン!と来る白が良いんですが、コレで良いでしょうか?」 と相談したところ、それよりも安かったこのクラウディ・ベイ シャルドネを推薦して頂きました。 師範は、自分が指したワインより安い商品を進めるお店の方には全幅の信頼を寄せます。 「了解!ではそれで!!」と注文させて頂きました。

 色は、照明が非常に暗めなんで良く判りません。 香りは素晴らしい。なるほどこの香りの強さは酔っ払いにも十分響きますな。 バタースコッチのような樽香と甘い蜜香がしっかり効いていて「そんじょそこらの白じゃないんだよ」感満載。 師範以外はそんなに普段からワインを飲む面々ではないので、こういう「明らかに違う」ワインはベリーナイスです。 そして味わいも濃い。最初ちょっと温度が低かったので固い印象でしたが、 温度が上がるとマッタリ感が出て来てこれまたベリーナイスです。

 やっぱ美味いな、クラウディ・ベイ。 白だとシャルドネよりソーヴィニョン・ブランの方が有名かもですが、シャルドネも美味いです。 メンバーも気に入った模様。「安ワイン道場師範」の面目躍如でした・・・ってかソムリエールさんの手柄だな。

点数84点
Crystallum Bona Fide Pinot Noir 2015
名称Crystallum "Bona Fide" Pinot Noir 2015
クリスタルム "ボナ・ファイド" ピノ・ノワール 2015
生産者Crystallum
クリスタルム
価格(8,300円 [税サ別])
購入店シノワ渋谷

 シノワ 銀座店のリストはほぼフランス産だったと思いますが、 こちらの渋谷店にはニューワールドなんかもいろいろ並んでおります。 赤もワインリストで目を付けていた中から、 最近話題の南アフリカ産のピノ・ノワールで、造り手も最近一部で話題のクリスタルム。 ワインリストも見ずに「ネットのリストにはクリスタルムのピノがあったと思うのですが・・・」 とソムリエールさんに聞いたところ『ええ、あります!あります!!』と非常に快活な回答。 実は師範はこのワインの畑違いの2013年産を持っています。 そのワインがどういうワインか占う意味もあって注文させて頂きました。

 色は、ピノ・ノワールにしてはやや濃いめかな? グラデーションのある赤紫色で、暗い照明の下でもとても美しく見えます。 香りからは、ブルゴーニュのピノともチリあたりのピノともちょっと違う、独特の雰囲気を感じます。 もちろん、この品種らしい明るいベリーの香りなんかはあるんだけど、 和風の香木というか、ちょっと仏教系の香りがあったような気がします。 味は、正直最初はちょっと固い感じでした。 時間が経つにつれて開いてはきたけど、 開き切らないうちに飲み干しちゃった、という結果でございました。

 美味い不味いで言えば十分美味いです。 そして飲食店で飲んでこの値段は安いです。 ただ、もう少し時間を置いた方が良かったかな? 今にして思えば、これもちゃんとソムリエールさんに相談すれば良かったな。 きっと『まだ固いかも知れません』と答えてくれたような気がします。

点数83点

 注文した食べ物はオリーブだけでした。お値段は4人で18,000円弱。 師範的にはその価値は十分あったと思います。やっぱり良いな、ワインバーは。


14日(水)

Sangre de Toro (Blanco) 2015
名称Sangre de Toro (Blanco) 2015
サングレ・デ・トロ (白) 2015
生産者Miguel Torres
ミゲール・トーレス
価格944円 (単品価格 1,728円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 本日の夕食は師範が調理担当で、献立は刺身(カツオ、赤ハタ、アオヤギ)、銀鮭の西京焼き、水菜のお浸し、 青梗菜のジンジャー&ガーリック炒め、舞茸のお吸い物(ベースは永谷園の「松茸の味お吸い物」)。 ワインは、軽めの白が良かろうと思い、スペインの大手「トーレス」の白をチョイスしました。

 このワインは、3月に買ったエノテカのパーティパックからの最後の一本です。 このセット、道場では時々(年1~2回)買っています。その理由として、まずそれなりにコストパフォーマンスが高いこと。 単品価格だとやや強気な値付けのインポーター兼ショップですが、割引率の高いこのセットになるとかなり割安に感じます。 単品価格の高値は卸した先に気を遣っているのかななどと邪推しております。 そして赤白泡のバランスが良いこと。12本全部赤!とかだと、さすがにちょっと二の足を踏むわけです。 更に道場的に大切なのは、それなりのペースで内容の構成が変わること。 いつも同じ銘柄だと「安ワイン道場」的にはツマラナイんですな。 ちなみにこのワインも既にこのセットには含まれていません。

 そんなセットから、なぜこれが最後になったかというと、 このワインのハーフとは既に稽古済みだったから。 悪くないワインではあったけど、稽古済みとなると若干消化試合の気分は否めないわけです。 それでも今このセットが現在値下げされていることもあり、また買い足そうかな、と考えチョイスしました。

 結局またこのセットを購入しました。6/17まで税送料込で9,504円&950ポイント還元です。

 色は非常に薄め。アルコール度数は11.5%と低く、見た目もサラッとしています。 香りは、ピーチっぽいフルーツ香とハーブのような青い感じの香りがあります。 味わいは、甘さ控えめ酸味シッカリ。数値的にも糖度5.8にpH3.1という位置にあります。 そして顕著なのはギュッと収斂性のある苦味。 シャキッとした味わい自体は悪くないんだけど、どうにも味わいに厚みがないのが残念ではあります。

 買値の1,000円以下ならアリだけど、これが単品価格の1,700円超と言われれば90度以上に頭を傾げます。 セットを持ち上げといてアレだけど、 こういう「イケてないっしょコレは!」というのも許容できる心の広さが試されるセットではあります。

点数69点

11日(日)

アジサイ

 良いレンズ(SEL100F28GM)を借りたんで、近所の散歩がてらアジサイなんぞを撮影。

 しかしアレだな、このサイズ(384×256pix)に縮小するとディテールがわからなくなっちゃうな。 もっと贅沢に容量使って大きい画像を置くかなぁ。 でもそうすると、「50MB追加で月500円アップ」という、 いつの時代だよ?!ってくらい重い追加料金をプロバイダに払わなくちゃいけなくなるし、 ワインのことだけ知りたいであろう大半の読者な方にも無駄な通信料を発生させちゃうし。 なかなか難しいトコロであります。

 ・・・ってなわけで今回はこれまで同様のサイズで3枚アップ。 自己満足以外の何物でもないわけですが、 そもそも「個人ホームページ」なんてのは自己満足のためにあるわけで、 よろしくお付き合いください。

アジサイ
アジサイ
De Bortoli Family Selection Sparkling Brut N.V.
名称De Bortoli "Family Selection" Sparkling Brut N.V.
デ・ボルトリ "ファミリー・セレクション" スパークリング・ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者De Bortoli Wines
デ・ボルトリ・ワインズ
価格524円 (単品価格 961円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、スーパーで鯵が安かったので鯵の塩焼きと鯵の和風サラダ、焼きナス、新玉サラダ、きんぴらごぼう。 メインの相手が青魚だと、白でも果実味とか樽香たっぷりのヤツだと違和感があったりします。 そこでチョイスしたのは万能選手である泡モノ。 造り手は、スティルワインの安いヤツだとしばしば稽古している豪州のデ・ボルトリ、 税送料込み5本で3,758円という激安セットに入っていた一本。 品種はシャルドネ80%にピノ・ノワール20%らしいので、シャンパーニュに近そうな感じがします。 んなことは置いといても、なぁに泡モノなんて泡さえしっかりしてりゃ安くても十分な訳ですよ。 あまりにドライだったらカシスリキュールや梅酒を割って飲めば良いんだし。

 ・・・てな気分で抜栓、泡立ちはかなり控えめで、グラスに注いでちょっと時間が経つと泡の筋は見えなくなります。 色は濃くなく薄くなく、泡が無ければ普通の白ワインっぽい色合いです。 香りは弱め。泡のしっかりしたスパークリングだと泡が香りを持ってきてくれる気がするんだけど、 このスパークリングは泡が弱いので普通の白と同じ状況です。 香りの要素的には、リンゴと柑橘類とミネラルを感じます。 シャンパーニュみたいなイーストっぽさはほとんど無いので、香りだけだとスティルの白ワインのようです。 味わいは、やっぱり泡が弱いのが残念。 カバとかの安スパークリングにありがちなキンキンした感じも無いし、 甘味と酸味のバランスは悪くないんだけどね。

 買値500円のワインだと思えば「アリ」です。 『カンパ~イ!』ってゴクゴク飲んじゃうスパークリング用途であればこれで十分。 ただ、やっぱりスパークリングは泡が命(って当たり前か)、 それが弱いと一人で一本なシチュエーションだとどうにも物足りないわけです。 タンク内で二次発酵を行うシャルマー方式なのかな? こういう状況だと、カクテルベースに使うと更に泡が弱まっちゃうので、 残念だなぁと思いつつストレートで飲み干しました。

点数68点

10日(土)

吹奏楽団

 本日昼は、職場の同僚がトランペット吹くってんで吹奏楽団のコンサートを聴きに。 師範はあんまり吹奏楽は聴かない、というか元ジャズ研出身者としてはどちらかというと敵対する系(笑)の音楽だけど、 やっぱり真剣な演奏ってのは聴いていて心地の良いものです。 あと、こういう男女含めて大人数で集まる趣味ってのは羨ましいな。 師範が所属するバンドはオッサンばかり4人なんで華が無くてイケマセン。

Bourgogne Aligote Glapigny-Poncey 2014 [J.Cacheux]
名称Bourgogne Aligote "Glapigny-Poncey" 2014
ブルゴーニュ・アリゴテ "グラピニー・ポンセ" 2014
生産者Dom. J. Cacheux
ドメーヌ・ジャック・カシュー
価格2,200円
購入店一力酒店

 夕食は家で。メニューは、鶏モモ肉のチーズ焼き、タコとオクラとトマトのサラダ。豆苗のガーリック炒め、ガーリックライス。 選んだワインは、連休中に近所の酒屋で出くわした大試飲会で調達してきたブルゴーニュ産のアリゴテ。 造り手は、比較的お手頃価格でイケてるワインを造ってくれているジャック・カシュー。 アリゴテって、どちらかというと「酸っぱいだけの安酒」「貧乏人はアリゴテでも買っときなよ」なイメージがあったけど、 コレは試飲した時違ったのね。樽も使ってあってブドウそのものの力もあって、 2,200円でも十分安いと感じてゲットしたわけです。

 色は、アリゴテにしては、というとアレだけど、実際アリゴテにしてはしっかりとしたレモン色。 香りのボリュームはそれほどでも無いけど、 「火打石の香り」と(多分)例えられるのであろうミネラルっぽさを強く感じます。樽は試飲の時と違ってほとんど感じません。 プラカップだと樽とミネラルを勘違いしたのかも。 他にはユズやカボスといった和柑橘の香り。甲州種にも共通する部分があるように思えます。 味も非常にカッチリしています。甘さ控えめ(糖度は6.0)、酸味はやや強め(pHは3.2)。 でも酸っぱいとも甘差が無くて寂しいとも感じないのは、たっぷりのうまみ成分と口当たりの柔らかさがあるからのようです。

 ブラインドだと「シャブリの良いヤツですか?」って答えそうな、ミネラリーな香りと旨味を骨格とした味わいのワインです。 やっぱり美味いな、コレ。 派手さは無いけどしみじみとした良さが伝わってくるワイン、 女優さんに例えると・・・本仮屋ユイカさんのような感じでしょうか。

点数79点

9日(土)

Alceno Premium 50 Barricas Syrah 2012
名称Alceño Premium "50 Barricas" Syrah 2012
アルセーニョ プレミウム "50バリカス" シラー 2012
生産者Bodegas Alceño
ボデガス・アルセーニョ
価格975円 (単品価格 1,274円)
購入店 京橋ワイン

 本日のワインは、かなり以前(今年の1月)に買った「パーカー90点以上6本セット」からの最後の一本。 なぜサクッとこれと稽古しなかったかというと、 14.5%というアルコール度数の高さもさることながら、添加物が気になるんだよね。 この造り手のこれと似た銘柄の2011年産とは稽古済み。 それと同じくこのワインにも「酸味料(クエン酸)、安定剤(アカシア)」の表記があるのね。 だもんでなんとなく手が伸びず、今日まで保存するに至った一本。 ちなみに料理は、昨日の残りのナス揚げびたし、大根ツナサラダ、 ソーセージ入りニラ玉、牛サガリのガーリックステーキ、モヤシの炒め物です。

 色は、濃いけど明るい、とても溌剌とした感じの紫色。 スワリングするとグラスの内側にベッタリ残って、トロトロ感が見て取れます。 香りは「確かにこりゃパーカーさん好きだわ」ってな感じ。 明るい感じのベリー香、ドライ・プルーンの甘い果実香、焼き過ぎたトーストのようにガッツリ焦がしの効いた樽の香ばしさ、 そしてシラー種由来であろう胡椒のようなスパイシーさ。 それらが全て強めのボリュームで香ります。長女によれば蜂蜜の香りもあるらしいです。 口に含むとその傾向はますます顕著で、口腔内にブワッと香りが充満します。 味わいは、とにかくまずは甘さがしっかり。渋味もたっぷりなんだけどカドが取れてて柔らかく、 酸味もあるけどなんといっても目立つのは甘味です。

 言われなくともパーカー氏高得点であることが判るような濃ぃ~いワイン。 間違いなくその評価を狙って造っているんだろうと思われます。 そして気になる添加物の影響だけど、 ここまでワインが濃いと添加物っぽさすらもマスクするというか、 毎度口に含むと「うわっ!」と驚くので、飲み飽きはしません。 『何が何でも安くて濃いワインを!』というワイン暴走族な方には激しくお薦め。

点数80点

7日(水)

Chateau la Gardie 2015
名称Château la Gardie 2015
シャトー・ラ・ガルディエ 2015
生産者Ch. la Gardie (Antoine de Fournas & fils)
シャトー・ラ・ガルディエ (アントワーヌ・ド・フルナ・エ・フィス)
価格825円 (単品価格 1,512円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、鶏手羽先の唐揚げ、インゲンの素揚げ、キュウリと人参とカブのピクルス。

 ワインは、先週「うきうきワインの玉手箱」で買った、税送料込み5本で3,758円という激安セットからの1本。 師範は常にこういう気を張らずに飲める系のワインがいくつか手元にないと落ち着かない、 生粋の安ワイン者なのであります。

 ちなみにこのワインには、「金賞受賞」のステッカーが貼られておりますが、 師範はこの「金賞受賞」ってのをほとんど信頼しておりません。 なぜなら、出品する造り手のレベルにしても(有名造り手のワインにこのステッカーが貼られているのを見たことがありません)、 その選考システムや受賞数にしても、 「美味いワインを消費者に伝える」ためのステッカーでは無くて、 「無名なワインを上手に売りさばく」ためのステッカーだと認識しているからです。 もちろん、どこぞの誰かが美味いと思ったから貼られているでしょうから、 「まぁ無いよりは良いか」程度の認識です。

 さて抜栓。コルクはとても立派。長さは先日稽古したムートンよりも長い50mm(ムートンのは48mm)、 造り手の名前もヴィンテージもプリントされた、このワイン専用のコルク。 グラスに注ぐと、しっかりめの濃さのある紫色で、大きめのグラスでぎりぎり向こうが透けるくらい。 アシも長くてなかなか立派な外観です。 香りにプチびっくり、このクラスとは思えない厚いベリー系の果実香とアーシーな感じの複雑さがあります。 味わいは正直言ってまだ固い。甘味はあるけど堅牢な渋味の骨格の中に隠れています。 こういうワインは時間をかければ開くと信じて、チビチビゆっくり飲み進めます。

 師範が平日夜にワインが開くのを待てるのは最大2時間、 残念ながらその時間で明確に開くことはありませんでした。 でも、ポテンシャルはあるワインだと思います。 結果、若いながらも良く出来たボルドー、ということで、このワインが金賞なのは頷けるな。 ステッカーの効力を信頼してない感に変わりは無いけど、タマにこういうイケてるのに出会う可能性もある、ってことで。

点数78点

4日(日)

Bourgogne Cotes d'Auxerre Chardonnay 2014 [Dom. Felix & Fils]
名称Bourgogne "Côtes d'Auxerre" Chardonnay 2014
ブルゴーニュ "コート・ドーセール" シャルドネ 2014
生産者Dom. Felix & Fils
ドメーヌ・フェリックス・エ・フィス
価格1,391円
購入店 ヴェリタス

 昨日の6,000本目の稽古は文字通り「バブって」おったわけですが、 6,001本目の今日は通常運転で参ります。 夕食のメニューは、ツマミにヒラメの刺身、 その後メバルのアクアパッツァ、イカとブロッコリーのガーリック炒め、締めはガーリックライス。 選ぶのは当然白、それもかなりサッパリしてそうなワインがよろしかろうと思い、 選んだのはブルゴーニュでもかなり北の方、シャブリ近郊の村のシャルドネです。

 色はかなり薄め。北部ブルゴーニュの産と言われれば、さもありなんといった冷たさを感じる色合い。 香りのボリュームは弱め。先入観かも知れないけど、香りもシャブリっぽいというかミネラルを強く感じて、 あとはほんのりと柑橘類メインの酸を感じる香り。 味は一般的なシャブリとはかなり異なります。 まず酸がそれほど強くない、そして旨味が豊富。飲みづらかったり頼りなかったりはしない点は良いんだけど、 なんかやけに元気のない老成した雰囲気で、飲んでて楽しさを感じません。

 師範も昨日今日ワインを飲み始めた"おぼこ娘"ではないわけなんで、 1,000円台前半のブルゴーニュってのはだいたいどれくらいの期待値なのか、知らないわけではありません。 そういった観点では、このワインは「想定の範囲内」です。 ただ、ブルゴーニュじゃ無ければ1,400円出せばもう少し満足度の高いワインが期待できるよね。 判っちゃいるけどやっぱり若干ブルー入ります。

点数69点

3日(土)

ジューンベリー 収穫

 本日は朝から園芸作業。朝一は道場西側のフェンスに這わせているモッコウバラを大剪定。 このモッコウバラってヤツは元気が良すぎて剪定が頻繁で大変。白花だから香りが良いのは嬉しいんだけどね。

 そして午後からはこのページのトップにも写真を置いている道場のジューンベリーの収穫。 今年は開花が遅かったのと先週は道場で飲み会をやってたこともあり、 例年より1週間ほど遅い収穫。収穫量は昨年同様1.400g。 それでも手の届く範囲だけです。この3~4倍は実が付いていますが、さすがに面倒なんであとは鳥さんたちの取り分としました。

 今年もレシピを書いておくと、レモン汁が3個分、砂糖が200g。 昨年より補糖と補酸の量を少なめにして、よりダイレクトにジューンベリーの味が楽しめるようにしよう、という狙いです。 でも、砂糖を減らすのは怖いんだよな。砂糖のみが保存料代わりだからね。カビが生えたら元の量に戻しましょう。

ジューンベリー ジャム

 こうして出来上がったジューンベリージャムを新旧比較したのが右写真。 左が2017ヴィンテージ/右が2016ヴィンテージ。 新しい方が色が明るいかと思ったらそんなことは無いんですな。 実が良く熟したからか、レモンの量を減らしたせいなのか判りませんが、明らか今年の方が濃い色合いで高い粘性を呈しています。 味は全然別物で、2016は酸味がしっかりで2017はジューンベリーの風味が強め。 砂糖を減らしたけど今年の方が甘く感じるのは、やはり実がしっかり熟してたんだろうと想像されます。

 ホント、ちょっとの収穫時期の違いでこういう差が出るわけだから、 ワインにもヴィンテージの差や造り手の個性が出るのは当然だな・・・と改めて感じた次第であります。

Moet & Chandon Grand Vintage Rose Brut 2002
名称Moët & Chandon Grand Vintage Rose Brut 2002
モエ&シャンドン グラン・ヴィンテージ ロゼ 2002
生産者Champagne Moët & Chandon
シャンパーニュ・モエ&シャンドン
価格(戴き物)
購入店 (エシェ蔵さんから)

 そして本日のワインで掲載6,000本に到達。おめでとうございます>自分。 お祝い事なんでシャンパーニュでしょう、ということでチョイスしたのが、 なんと"2002"の墨跡鮮やかなヴィンテージ付きのモエ・エ・シャンドン・ロゼ。 このワインは、一連のサントリーさんの会でお知り合いになった エシェ蔵さんの事務所で 飲んだ際にお土産に戴いたもの。 有り難い話であります。 「安ワイン道場」を通してのご縁の方からの戴きモノなんで、 道場の記念日に開けるのにふさわしいと思ってチョイスしました。 ちなみに夕食は豚バックリブのオーブン焼きです。

 色は、非常にキレイなピンク・オレンジ。 やっぱりロゼ・シャンパーニュの価値の大部分は、このキレイな液体の中をキラキラと立ち昇る小さな泡にありますな。 香りは、15年も前のワインとは思えない、フレッシュなイチゴの香り。 もちろん、シャンパーニュらしい味噌やパンのようなイースト香もしっかりあります。 味わいは、ピノ・ノワールの要素がしっかりと感じられ、 色や香りの可愛らしさとは傾向の異なるカッチリした味わい。 旨味もあって、「軽快な」というより「重厚な」という系統のシャンパーニュです。

 もったいなくてチビチビ飲んでいると、当然泡が抜けてきます。 そうするとこれがまるでブルゴーニュの赤みたいになるんだな。 だもんでフルート型のグラスより、赤にも使えるような大き目のグラスの方が良いみたい。

 道場掲載6,000本を祝うにふさわしい、とても「ハレ」な感じのシャンパーニュでありました。 当たり前だけど、スタンダードなモエとは全ッ然違います。 値段に応じてキッチリ差異化してくるあたり、商売上手ですね~って感じです。 ともあれ大変貴重なワイン、心よりゴチになりましてございます>エシェ蔵さん

点数85点
モエ・エ・シャンドン・ロゼの泡 モエ・エ・シャンドン・ロゼ 屋上で

 左写真がこのワインの泡。 やっぱりロゼ・シャンパーニュの価値はコレですよね。 ずーっと泡の数を数えたくなります。

 そして本日は横浜の開港記念日。屋上で花火を見ながら優雅にこのワインを楽しみましたとさ。


2日(金)

Mapu Sauvignon Blanc 2015
名称Mapu Sauvignon Blanc 2015
マプ ソーヴィニョン・ブラン 2015
生産者Baron Philippe de Rothschild
バロン・フィリップ・ド・ロートシルド
価格708円 (単品価格 1,296円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 本日の夕食は、ホッケの開き、きんぴらごぼう、大根ツナサラダ。 ワインはチリ産のソーヴィニョン・ブランをチョイス。 昨日の南仏産カベルネ・ソーヴィニョンと同じく、 シャトー・ムートン・ロートシルド系列の造り手「バロン・フィリップ・ド・ロートシルド」によるもの。 この銘柄の2014年産と稽古済み。 この2015年産からはラベルのデザインが一新されていて、 細かい違いだけど2014年産にはあった"Maipo Valley"と産地表示が2015年産ではなくなっています。

 色は薄め、若いソーヴィニョン・ブランらしい、やや黄緑色っぽさを感じる色合い。 香りも非常に南のソーヴィニョン・ブランらしくて、柑橘類、ピーチ類、トロピカルフルーツ、 そういう華やかな香りがパーッと感じられます。 味は、甘さ控えめ、酸味は結構しっかり、そして後味に軽い苦味。 やや単調な印象は否めませんが、買値700円でこの内容なら文句は無いところです。 2014年産までのに感じたような薄い味わいのネガティブさが無いのは、 このヴィンテージから産地が変わったのかも知れません。

 「フレッシュでフルーティ」というよくある褒め言葉がピッタリの白ですな。 これからの季節、気軽に開けられる一本として常備しておいても良さそうです。 昨日の南仏産カベルネ・ソーヴィニョンもそうだけど、この系列のワインはやっぱり手堅いですな。

点数75点

1日(月)

鮨 割烹 鹿島 店内

 例年6月1日は師範代の勤務先の創立記念日。 それに合わせて師範も休暇を取って、二人でランチを食べに行く、というのが通例になっております ・・・ってなことを先月の1日にも書いてたような。 ともあれ6月1日は道場的には「寿司の日」となっておりまして、 昨年も訪問した鮨 割烹 鹿島でランチ。 ここの3,500円の昼 鮨懐石コースは非常にお手頃だし、 住宅街の真ん中にある店のためランチのざわざわした感じは全くないので、 なかなか他に行く気になりません。

 本日ランチのカウンター客は師範ら二人だけ。 だもんで心置きなく写真撮影させて頂きました。

鮨 割烹 鹿島 お通し

 本日の昼懐石の内容は以下。

先付鯵の味噌たたき、鱧の卵の煮凝り、梅の甘露煮(左写真)
お吸い物鱧と冬瓜
お造りマグロと甘エビ、海苔のゼリー寄せ
煮物丸茄子の揚げびたし
揚げ物稚鮎と季節の野菜(左下写真)
鮨 割烹 鹿島 天ぷら

 これがどれも美味いのよ。 寿司含めてこういう料理が5皿+デザート1皿出されて、3,500円なのは突き抜けてお得。 でもお客さんは我々だけ。 おかしいよ日本。 決して「食べログ」とかで評判の店じゃないんだけど、 それは食べログに書き込む人がここを知らないだけor良さが分からないだけ。 ホント最近ああいうグルメ関連のレーティング・サイトは信用できないんだよなぁ。 まずもってこういう趣味趣向の世界に関して、 全く嗜好の不明な複数人の評価を均したり、 運営側の意向で点数をいじったりするのは「百害あって一利なし」と思うところであります。

鮨 割烹 鹿島 春子鯛 鮨 割烹 鹿島 小肌 鮨 割烹 鹿島 赤貝ヒモ

春子鯛、小肌、赤貝ヒモの巻物

鮨 割烹 鹿島 イクラ 鮨 割烹 鹿島 鯵 鮨 割烹 鹿島 中トロ

イクラ、鯵、中トロと玉子

 上記とデザートが昼懐石の内容。こんなんが3,500円はめちゃくちゃ安いっす。

 そしてお楽しみはこれから。「食べてない魚は?」と板さんに聞いて、追加発注致します。

鮨 割烹 鹿島 天ぷら 鮨 割烹 鹿島 天ぷら 鮨 割烹 鹿島 天ぷら

ツブ貝、キスの炙り、フグ

鮨 割烹 鹿島 天ぷら 鮨 割烹 鹿島 天ぷら

ヒラメ、赤貝

 いやー、どれも美味い。やっぱり良い店の寿司は美味いよねぇ。

鮨 割烹 鹿島 酒

 アルコールは、まず生ビールを頂いた後、やっぱり寿司屋ってんで清酒を頂きます。

加賀鳶
純米大吟醸
「まずは軽めのを」とお願いしたんだけど、確かに軽くてスッキリだけど旨味たっぷりでスイスイ飲めてしまう、 財布泣かせのお酒です。(右写真)
高清水
純米大吟醸
最初のがあまりにスムーズだったんで、「もう少し飲みづらいヤツを」とヘンテコなお願いをしたんだけど、 これまたスイスイ入る清酒だったんで嬉しくも参った。

情熱 純米吟醸
もう一杯飲んじゃいます。最後のは神奈川のお酒「隆(りゅう)」。 前の二つと比べると、比較的コレは清酒っぽさというか酒臭さがあって抵抗があります。でも旨味はあってこれはこれで美味い。

 そんな感じの夫婦水入らずの鮨ランチ、お会計は二人分で17,000円弱。安いです。 もちろん、「ランチに一人8,000円以上なんてあり得ない」という人から見れば絶対額的には高いんだけど、 師範と飲食の価値観が似た人で、上記写真を見る人が見ればその安さが伝わると思います。

Cadet d'Oc Cabernet Sauvignon 2015
名称Cadet d'Oc Cabernet Sauvignon 2015
カデ・ドック カベルネ・ソーヴィニョン 2015
生産者Baron Philippe de Rothschild
バロン・フィリップ・ド・ロートシルド
価格708円 (単品価格 1,296円)
購入店 エノテカ楽天市場店

 夕食は家で、まず前菜にハムとミニトマトのチーズ巻きを頂いて、メインはハンバーグ。 昼からガッツリ飲んでるんで夜は軽めにハーフでも、と思っていたんだけど、 ハンバーグのソースに赤ワインを使うってんで気を取り直して?フルボトルをチョイス。 モノは、エノテカのパーティーパックからの一本で、2012年産とは稽古済みの銘柄。

 ・・・などと書いている今は午後3時前、既にワインは開けていて飲み始めてます。 せっかく「他人は働いて自分だけ休み」な日なんだから、その優越感を体全体で感じたいわけであります。

 色は、グラスに注いで向こうが見えないくらいの濃さがある、青い蒼い紫色。 香りは意外とトーンが高めで、クランベリーみたいな「いわゆる欧米の果実」的な香りと、カベルネらしい青草っぽい香りがあります。 味わいは、想像よりかなり軽め。甘味と酸味と渋味の三要素のうち、どれが突出するわけでも無く、かといって相互に手を繋ぐわけでも無く、 普通に存在しています。

 抜栓後時間が経つと、甘さが前に出てきます。うん、悪くない。 こういう傾向のワインは、飲み飽きもしないしハウスワインとしても使い易いように思います。

 改めて飲んでるワインを確認すると、 南米産のような気分で飲んでいるけど実は南仏産なのね。 であればこういう軽さもアリかなぁ。 「無理しなくてもウチは名前も販路もあるから売れる」という姿勢が見て取れる、 非常にニュートラルな造り。 食事と合わせてちょうど良い、ハウスワインにふさわしい赤です。

点数72点