稽古日誌:2020年2月

保土ヶ谷公園の梅

 2月です。左写真は道場近所の公園の梅(2月1日撮影)。今年は暖冬なのか、例年より開花が早いような気がします。

 梅と言えばピノ・ノワールの香りですな。 分類上、梅はバラ科でピノ・ノワールはブドウ科です。でも類で言えばどちらもバラ類で、その下でブドウ目とバラ目に分かれるようです。 ちなみにバラ科の植物は非常に多種多様で、サクラウメモモプルーンなどの真ん中にデカい種がある果物のみならず、 リンゴナシビワといった果物、更にはキイチゴイチゴなんかもバラ科に属しているようです。 道場のシンボルツリー、ジューンベリーもバラ科ですな。

 凄いなぁ、バラ科。「美味い実を付ける」ことを戦略として種を拡げてきた植物なんでしょうな。 対するブドウ科は・・・ブドウ以外に知っている植物では、ツタとかヤブガラシとか。使えねぇな、ブドウ科の仲間。


29日(土)

生垣 剪定前

 春の足音がドタドタと聞こえてくる毎年この時期、道場の生垣にしているヒイラギモクセイの剪定を行っております。 別にこの時期じゃ無くても良いんだとは思うけど、なんとなく春に向けてスッキリしたいのと、 芽吹く前に選定した方が樹木に優しいんじゃないか、という素人考えによるものです。

 剪定は、バリカンなんかは使わず剪定ばさみでチョキチョキやっていくので、ほぼ丸一日作業です。 ヒイラギモクセイって、葉にトゲがあるんですな。なので防犯の面では優秀なんだけど、 剪定者にとってはチクチク痛いのね。終わるころには手や手首のあたりは傷だらけです。

生垣 剪定後

 そんな感じで90リットルの大きなゴミ袋5つ分剪定しました。右写真の上側が剪定前、下側が剪定後。 光の具合が全くちがうので比較になりませんな。あと結構トラ刈りな部分もあるんだけど、もうすぐ新芽を吹くんであまり気にしません。

 ・・・っていうか、刈り具合とか写真の写り具合はどうでも良くて、 師範にとって大事なのは「この日に剪定した」という記録です。 例えば昨年の記録を読み返すと、 「あぁ防虫剤の散布をしてないな」ということが思い返されるわけですな。 「安ワイン道場」は師範の自分専用備忘録なのであります。

Via Diagonalis Selected Red 2009 [Castra Rubra]
名称Via Diagonalis Selected Red 2009
ヴィア・ディアゴナリス セレクテッド・レッド 2009
生産者Castra Rubra
カストラ・ルブラ
価格1,298円
購入店カルディ ウィング高輪イースト店

 本日の夕食は、次女の高校合格祝いということで豪華版。 メニューは、合鴨のローストw/赤ワインソース、(亡父が生前冷凍で送ってくれた)佐賀牛のステーキ、水菜と大根のサラダ、かき玉スープ。 こういう料理には確実に美味しいワインをチョイスしたいわけで、選んだのは昨年稽古済みのブルガリア産赤。 2月中はカルディでセールの対象になっていたんんで、昨年より消費増税があったにも関わらず84円安の税込1,298円です。

 色は、非常にしっかりとした紫色。エッジに若干のグラデーションと、アルコール度数14.5%を裏付けるようなタラリとしたアシ。 香りは・・・改めてビックリです。ボリュームたっぷりで、コレ絶対「熟成ボルドーですか?」って聞いちゃいますね。それも結構古くていいヤツ。 ブルーベリー、バニラ、煮豆、コーヒー。まるで格付けボルドーの1990年代みたいな感じの香りです。 更に、ブルガリア産という先入観からか、ヨーグルトのような乳酸の雰囲気も感じます。 味わいも、感じようによっては格付けボルドー、それもちょっとピークを過ぎたヤツ。 渋味が弱くて甘酸っぱくて、全体に軽めの味わいです。

 ・・・だったんだけど、これがボルドーばりに時間が経つと開くんですな。 軽めに思えた味わいが、甘味を中心にしっかりとした存在感を発揮するようになります。 やっぱりコレは美味いわ。

 昨年今年と同じヴィンテージを稽古して、やはり稀有な存在感を感じる赤ワインという認識は強化されました。 ただ、万人ウケするかと問われるとちょっと疑問。この枯れっぷりはやや「ツウ好み」な感じはします。 この値段のセールは明日までらしいので、酸いも甘いも噛み分けた手練れの安ワイン者な皆さんには激しくお薦め、迷わずカルディ(or下のリンク)へゴー!ですが、 今日初めてこのページをご覧になったような初々しいワインファンは「今回は見逃して吉」です。

点数81点

28日(金)

利久 ラゾーナ川崎店 外観

 本日はお休みを頂いて次女の高校入試合格発表にお付き合い。 その後、川崎まで出向いてこれまた次女のパスポート入手にお付き合い&ランチ。 『牛タンが食べたい』というので、利久 ラゾーナ川崎店へ行って参りました。

 入ったのがもう午後2時前だったのでお店はガラガラ。師範と次女、それぞれの注文は以下です(全て税別)。

味くらべ2+2定食1,990円(次女)
牛たんハンバーグ120g1,000円(師範)
牛たん焼き1枚400円(師範)
瓶ビール600円(師範)
利久 ラゾーナ川崎店 料理とビール

 ビールのお値段は、確か生の中ジョッキが500円、大ジョッキが800円でした。 生ビールは美味しいけどサクっと無くなるのが悲しいので、こういう時は瓶ビールを頼むことが多い師範です。 銘柄のアサヒは残念だけど、昼からのビールなら許容力大です。

 次女の「味くらべ2+2定食」は、半分に切った牛タンがみそ味と塩味の4枚ずつ、それに小鉢とテールスープと麦飯と白菜の漬物が付いていました。 牛タン屋さんってほぼどこでもこういうセットですよね。 そして、さすが牛たんの店だけあってたん焼きは美味いです。タン元が使われていて、包丁も上手に入れてあって柔らかく食べられます。 半面、シチュー(右写真手前)に入った牛タンはタン先が使われていて、煮込みも短いのかかなり硬めでパサつきます。 この店では、変な好奇心は出さず、素直に牛タンを食べるべきでしょう。

 お会計は二人分トータル税込みで4,400円弱。ランチには高いけど、たまのデートですから、ええ。

D. Massin Cuvee Speciale Brut N.V. [Dominique Massin]
名称D. Massin "Cuvée Spéciale" Brut N.V.
D・マサン "キュヴェ・スぺシアル" ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Dominique Massin
ドミニク・マサン
価格2,530円 (単品価格:6,380円)
購入店ワイン&ワインセラー セラー専科

 夕食のワインは、次女の高校合格祝い!ということでシャンパーニュを開けます。 ドンペリにするかクリュグにするかサロンにするか迷ったけど、どれも安ワイン道場らしくないな...ってか当然そんなの持って無ぇよ、 ということで先月買った「シャンパーニュ6本セット」からチョイスしました。ピノ・ノワール100%のブラン・ド・ノワール、 "Terra Vitis"とあるので自然農法、"Maison Familiale"とあるので家族経営の造り手のようですが、"RM"ではなく"NM"と書かれているのでネゴシアンですね。

 ちなみに本日の料理は、お休み取得の師範じゃ無くて師範代にご担当頂きました。メニューは治部煮風の鍋です。

 家族が揃う前に(待てなかったので)一足お先に抜栓。栓はスパークリング用のDIAMですね。最近増えましたねぇ、DIAM。 色は、ブラン・ド・ノワールにしては薄い感じ、というか赤みはほぼありません。 泡立ちはシャンパーニュらしくツーッと線を描く感じで立派なものです。 香りは、こりゃ確かにピノ・ノワールだな、という雰囲気。赤いベリー入りアップルパイの香りがします。 味わいは、ブリュットととしてはやや甘めじゃないかな?(ドサージュは9g/lらしいです) でも甘すぎるってことは無くて(糖度は7.2)、万人ウケするバランスだと思います。

 やや甘めでしっかりめなブラン・ド・ノワールですな。 やっぱり「シャンパーニュ」って名が付くだけで、そんじょそこらの安泡とは安定感が違うと感じます。 ただ、単品価格の税込み6,000円を超える値段の価値があるかと言えばちょっと首をかしげるな。 でも、このクラスのワインが6本15,000円ってのはぶっちゃけ安いと思います。

点数79点

27日(木)

Sangiovese 2017 [Feudo Arancio]
名称Sangiovese 2017
サンジョヴェーゼ 2017
生産者Feudo Arancio
フェウド・アランチョ
価格915円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

毎週金曜はアランチョ祭り...なんだけど、今週に限っては木曜日に一日前倒し。 なぜなら明日はお休みにしちゃうので今日が休前日、めっちゃ金曜気分なんですわ。 そもそも木曜は休肝日なんだけど、こういう気分だと飲まずにはいられない、ってわけです。

 そんなお休み大好きなイタリア人(偏見?)といえば、この品種、サンジョヴェーゼであります。 料理は、本日もまた師範が調理担当で、ハンバーグ、イワシとチーズのフライ(お惣菜)、トマトとレタスのサラダ、ベーコンとトマトとレタスのスープ(食材被ってる)、 主食は長女がアルバイト先から貰ってくるパンいろいろです。

 色は結構しっかりした赤紫色、いかにも「南のサンジョヴェーゼ」といった色合いです。 香りのボリュームは中程度ですが、ミチっとしたアメリカン・チェリーみたいな香りと、スミレみたいな花の香り、 そしてほんのりバニラのような香ばしさがあります。 味わいは、色から判断するとビックリするくらいスムーズ。 渋味はあるけどカドが取れていて柔らかいんですな。あと甘味もしっかり、良く熟した感があります。 だからか、明らかに酸味は弱いです(pHは4.2)。そのあたりも「南のサンジョヴェーゼ」っぽいですな。

 しっかり感はありつつ人懐っこさもあって、良い感じじゃないっすかね? ただ、いわゆるキアンティみたいなツンっと鋭利な酸のあるワインがサンジョヴェーゼ、だと思っていると外されるかも。 もっと落ち着いた系、ボルドーとか南仏品種みたいな雰囲気のワインだとは思います。

点数74点

26日(水)

Josef Drathen Riesling Extra Dry N.V. [Josef Drathen]
名称Josef Drathen Riesling Extra Dry N.V.
ヨーゼフ・ドラセン リースリング エクストラ・ドライ (ヴィンテージ無し)
生産者Josef Drathen
ヨーゼフ・ドラセン
価格877円
購入店カルディ ウィング高輪イースト店

 週の真ん中水曜日、本日の調理担当は師範で、メニューは回鍋肉(CookDo)、関東風かに玉(丸美屋)、天然マダイの刺身、ゴボウと豚の味噌汁。 ワインは、アンダー1,000円ながらツイッターで高評判のドイツ産のスパークリング。 品種はリースリングです。

 ミュズレを外して、コルクが飛ばないように用心して捻るとスポッと・・・来ません。相当固い、というかガス圧が無くて上がってきません。 苦労して抜きましたが乙女のおなら程もガスは出て来ませんでした。 グラスに注いでも、底の部分から小さな泡が頼りなく上がってくる程度、炭酸は相当弱そうです。 気を取り直して色を確認、リースリングの泡らしくほぼ無色ですね。 香りはまさしくリースリングです。マスカットのような白ブドウの香りがそこそこ来ます。 でもほぼ純粋にそれだけ、イースト香どころか蜜っぽさもなくて、ストレートにフルーツのみの香りです。 口に含むと、泡はやっぱり弱いな。ペティアン以下かも知れません。 味わい的には甘めで酸味は控えめ。泡の弱さも相まって、なんとも緩い味わいです。

 ほのかに泡立つ甘いワインです・・・ってこれはねぇ~、明らかにガスが抜けているな。 泡の弱いスパークリングは悲しいものです(ペティアンとかフリッツァンテも苦手です)。 多分ボトル差、というか不良品だとは思うけど、そういった品質のコントロールも含めて商品価値だと考えていますから、採点は厳しくいきます。

点数59点

24日(月祝)

麦とホップ シングルモルト

 本日の食前酒はサッポロの発泡酒「麦とホップ シングルモルト」、ツイッターでお薦め頂いたもの。

 「シングルモルト」って、普通は麦芽を複数種使うんだっけ?という疑問は置いといて、香りは結構華やか、 サッポロというよりキリンのような、やや酸味のある味わいに感じます。面白いですね。

Montes Alpha Chardonnay 2017 [Montes S.A.]
名称Montes Alpha Chardonnay 2017
モンテス・アルファ シャルドネ 2017
生産者Montes S.A.
モンテス S.A.
価格1,637円 (単品価格:2,420円)
購入店ワイン通販 エノテカ楽天市場店

 本日の夕食は、豚肉と白菜のミルフィーユ、かき玉汁、手巻き寿司。 寿司種は、マグロ2種(本マグロ中トロ、赤身)、ブリ、マダイ、ホタテ、甲イカ、甘エビ、玉子焼き。 マダイと玉子焼き以外はオーケーストアの「お刺身ファミリーセット」です。 合わせたワインは、モンテス・アルファの6本セットから、唯一の白であるシャルドネを。 この銘柄とは直近2015と稽古済み。 典型的な樽ドネなので生魚と合わせるのはちょっと微妙かと思ったけど、魚卵や青魚が無いから大丈夫でしょうと判断しました。 なんとなくリッチな白が飲みたい気分でもあったからね。

 色は、予想に反してそんなに濃くはありません。ただ、粘性は高そうですね。アシも長くてしっかり感のある外観です。 香りは、鼻で嗅ぐ分にはそんなに樽は強く無くて、色の濃い柑橘類やピーチみたいな甘い感じのフルーツ香がメインです。 口に含むと、やっぱり樽はしっかり存在していて、焦がしたバターやビスケットのような香ばしさを感じます。 ただ、以前のような樽っ樽な雰囲気はありませんね。 味わいは、意外と甘さほどほどで意外と酸味もあって、思いのほか上品な仕上がりです。

 モンテス・アルファのシャルドネなんで、往年のカリ・シャルみたいな「これスコッチ・ウィスキー?」みたいな強めの樽感を想像したけど、 良くも悪くも意外と抑制的です。これだったら「村名ピュリニー・モンラッシェです」と言われてもわからないかも。 いやマジで印象一変っすよ。 ワインの造り方は年々変化していくわけで、飲む側の知識も更新していかなければ老害になっちゃいますな。 ともあれこのセット、かなりポイント高いっす。

点数80点

23日(日)

極楽湯 芹が谷店 外観

 スーパー銭湯は師範家のささやかな楽しみの一つなんですが、ここんとこ長女の大学受験勉強と次女の高校受験勉強が続いたので、 ずいぶん長いことご無沙汰でした。この極楽湯 芹が谷店に行くのもなんと2年ぶり(前回の記録はココ)。 入学試験が終わった次女と、師範&師範代で向かいました(長女はお友達との遊びで別行動)。

 昨今の行き過ぎた自粛ムードの影響で、お客さんが少ないんじゃないかと思ったけど、 全然そんなことなくて師範家同様のスーパー銭湯好きなお客さんいっぱいでした。 ただ、お年寄りはちょっと少ない気がしたなあ。それは正しい判断なのかも知れません。

極楽湯 芹が谷店 スーパードライ

 2時間弱くらい温泉とサウナをたっぷり楽しんだ後、更なるお楽しみは風呂上りのビールです。 銘柄はスーパードライ、基本的にはあまり得意ではない銘柄ですが、「風呂上がり」という条件ではアリ寄りのアリです。 そしてきっちり冷えているというのも、このシチュエーションとこの銘柄には合っていると思います。 お値段は大ジョッキで690円(税別)。安いよね。

 あ、たまに書いておかないと『飲酒運転絶対反対!』って反応を頂くので明記しておきますが、 帰りの運転は酒を飲まない(飲めない)師範代です。 こういう時は、飲めない配偶者で本当にヨカッタ!と感謝しますな。

極楽湯 芹が谷店 料理

 この銭湯の良いところは「ほぼ居酒屋」と言ってもいいくらい食事処のメニューが充実している点です。 近所のスーパー銭湯は他にも「満天の湯」や「竜泉寺の湯」なんかがあって、さながら横浜温泉郷の様相を呈しているんだけど、 食事処の充実度はここがピカイチですな。

 ・・・というわけでいろいろと注文しております。左写真左がごぼうチップス 290円、右が韓国風チョレギサラダ 580円(いずれも税別)。 大手居酒屋チェーン並みの料理のクオリティはあるように思います。 ただ、残念ながら唐揚げはイケてません。ごぼうチップスやフライ物なんかはちゃんと油で揚げられているのに、唐揚げは冷凍チンな感じでしたから。

極楽湯 芹が谷店 ワイン

 生ビールで喉を潤したら、次はもちろんワインです。 銘柄はサンタ・ヘレナのアルパカ、赤はカベルネ・メルロー、白はシャルドネ・セミヨンのようです。 そして、この店が下手な居酒屋よりありがたい点は、グラスでの提供(350円)以外にデカンタでの提供(500ml:890円)があること。 ボトルでの提供は無いので、業務用の大容量パックみたいなのから出されているのかも知れません。

 中身はもちろんアルパカなわけですが、500mlというのは心強いですね、っていうか生ビール大ジョッキからの500mlワイン、最強ではないでしょうか。 デカンタでの提供、世の居酒屋さんも見習って欲しいなぁ。

極楽湯 芹が谷店 店内

 お支払いは、銭湯の利用料金が750円×3の2,250円、食事の利用料金が税込みトータルで9,263円。 「お風呂に入りに来た」というより「お風呂付きの居酒屋に食べに来た」な支払い比率ですな。 でもこういう、魅力的なコンテンツで人を呼び込んで食事その他で収益を上げる、という経営スタイルはアリだと思うのです。


22日(土)

スタジオNOAH 恵比寿店

 本日は、師範が所属するバンドの練習日。場所は、最近使うことが多い「スタジオNOAH 恵比寿店」。 駅から近くて設備も新しめなのが良きですな。

 いつもはインストゥルメンタルばかり演奏しているけど、今日はお戯れに歌モノを演ってみました。 シュガーベイブの「ダウンタウン」、懐かしいねぇ。 勢いあまって動画に編集したけど・・・公開はやめておきます(笑)

博多満月 恵比寿店 外観

 練習後の反省会は、恵比寿駅東口出てすぐのところにある博多満月 恵比寿店というところ。 練習の拠点を恵比寿に移してから日が浅いので、行きつけの飲み屋を現在開拓中。 そんな中、表に出ていた看板に「生ビール199円」と書かれていたのに惹かれてフラフラっと入りました。

 店は地下で、やや雑然とした感じの1フロア。 新型コロナウィルスの影響(※)で、人出は少ないのかなと想像していたけど、6時過ぎにはほぼ満席になりました。 なかなか人気店のようですな。

(※)イベント主催者は「事なかれ主義」でいろいろ中止にしているみたいだけど、個人レベルで活動を自粛する必要は全くないと思っています。

博多満月 恵比寿店 ビール

 右写真が一杯199円(税別)の生ビールです。銘柄はサッポロでした。 安さのヒミツは・・・量にあり、だな。写真じゃわかりづらいと思いますが、普通の中ジョッキよりだいぶ小ぶりのジョッキです。 まぁそれでも199円は安いと思うけどね。

 注文した料理は以下です(値段は全て税別)

カンパチかま焼き580円(下写真)
オニスラ(オニオンスライス)290円
串焼き盛り合わせ630円
煮卵ポテトサラダ390円
明太だし巻き玉子580円
セレブ専用ステーキ680円(更に下写真)
チキン南蛮480円
ナスの一本漬け290円
博多満月 恵比寿店 カンパチかま焼き

 「安さのヒミツは内容にアリ」というか「安かろう悪かろう」というか、まさに玉石混淆の料理でした。 そんな中、「玉」側だった側は、左写真の「カンパチかま焼き」とか「明太だし巻き玉子」とか「チキン南蛮」とか。 それらはお値段の割に満足度の高い内容でしたよ。

博多満月 恵比寿店 グラスワイン

 「居酒屋ワイン一級鑑定士」を自称する師範ですから、もちろんワインも頂きます。 白がシャルドネで赤がカベルネ・シラーズ。赤の品種から察するにオーストラリア産でしょうな。 白も赤もそこそこちゃんとした内容だったんですけど、いかんせん量が少ないのね。 握りこぶしより小さなグラスに半分くらい、量にして60~70mlかな? これで1杯350円は高いです。なので残念ながら師範の鑑定では「ナシ」です。

博多満月 恵比寿店 セレブ専用ステーキ

 その他、ハイボールなんかもいろいろ飲んで、3人分トータルのお会計は10,000円弱。 やっぱり安いですね。人気のヒミツはこの安さだろうな。でも、師範ら的にはもう少し高くても良いから「これ美味いな」ってのを食べたいな。

 ・・・ちなみに左写真が「石」側の筆頭、「セレブ専用ステーキ」です。南無。


21日(金)

Chardonnay 2018 [Feudo Arancio]
名称Chardonnay 2018
シャルドネ 2018
生産者Feudo Arancio
フェウド・アランチョ
価格915円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 金曜日は「アランチョ祭り」、それぞれ品種の異なるベーシックなランナップ9本のうちこれが6本目、品種はシャルドネです。 アランチョ祭りに参加している他の方のツイートを拝見すると、どうもこのシャルドネは評価低調な模様。 その理由がどこにあるのか探すのもこういった「皆で同じものを稽古する」楽しみですな。 ちなみに本日の夕食メニューは、鶏モモ肉のグリル、イカフライ&ハムカツ(お惣菜)、水菜のおひたし、フルーツトマト、ポトフ風スープ。 フライ物を除いて師範謹製でございます。

 色は薄めのレモン色で、若干緑色の気配を感じる若々しい色合いです。 粘性はそれほど高くなく、サラリとしているように見て取れます。 香のボリュームはちょっと弱めかな。スワリングして深く嗅ぐと、パイナップルやマンゴーのような南方系フルーツの香りを感じます。 そのあたりは「南のシャルドネ」って雰囲気ですね。 味わいは、甘さそこそこ、しっかりした旨味、酸味は控えめ。 後味に苦味が感じられて、ややユルめな印象を受ける味わいのバランスです。

 なるほどね~。悪くは無いんですよ、でも地味、というか内向的。そして後味の苦味がやや雑な感じ。 フェウド・アランチョの他の白がどちらかというと華やかというか外交的であるのに対して、このシャルドネはおとなしく感じられます。 そのあたりが評価低調な理由なんだろうな。 それでも、安ワインにありがちなわざとらしさは感じられないし(酸化防止剤に「ビタミンC」とあります)、しっかり感もあるので、 3桁の白として師範基準では合格ラインより上にあると思います。

点数71点

19日(水)

カルム 外観

 本日は、職場の定例ワイン会。この会ももう10年続いていて、今回が31回目で10周年記念。そりゃみんな歳取るよね。 ちなみに前回行われた30回目については、師範はチリ大使公邸の会とバッティングしたため欠席しており、 その前の会の記録はコチラで、お店のぐるなびのページはコチラです。

 今回使わせて頂いたお店も、前回同様で池尻大橋のフランス料理店calme(カルム)。 コースのお値段は、持ち込み料に税サ込みで8,800円、事前に送付したワインリストに合わせて、 料理の順番とワインの順番、さらには抜栓時間や合わせるグラスまで考えて頂いております。

Louis Roederer Brut Premier N.V. [Louis Roederer]
名称Louis Roederer Brut Premier N.V.
ルイ・ローデレール ブリュット・プルミエ (ヴィンテージ無し)
生産者Louis Roederer
ルイ・ローデレール
価格(Yjさんから)
購入店

 最初はもちろんシャンパーニュでございますのよ。毎度の発起人Yjさんが持参されたもので、造り手はルイ・ローデレール。 「安ワイン道場」に掲載されるシャンパーニュというと、大体1本2,000円くらいの無名造り手のモノが多いんだけど、これはメジャーな大手。 ロシアの皇帝のために造られた「クリスタル」が有名なところですな。 このボトルは最近購入されたというわけではなく、買ってから3~4年セラーに寝ていたそうです。

 色は・・・照明が暗めなので良くわかりません(以降の白に関しても同様です)。泡立ちはとてもキメ細かいように見えます。 香りを嗅ぐと、蜜入りリンゴの甘いフルーツやパンの皮の部分の香ばしさがあって、いかにも良く出来たシャンパーニュの香りです。 味わいも良い感じですね。自宅熟成が奏功してか、まったりとした味わいとキメ細やかな炭酸が楽しめます。

 模範的なシャンパーニュとはコレ!って感じヤツですな。ちなみにグラスはフルート型の物を使わせて頂きました。 最近はシャンパーニュにもフルート型じゃないグラスを使うお店が増えてきましたね。 サービスの佐野さんによれば、『うちの店では、フルート型のグラスはルイ・ローデレールと、あと2銘柄(テタンジェだったか...)にしか使いません』だそうです。 そのあたりのこだわり、カウンターでジックリお聞きすると面白いかも知れません。

点数82点
カルム アミューズ

 シャンパーニュに合わせて出して頂いたアミューズがコレ。

 パルメザンチーズのクラッカー
 鹿のテリーヌ ピスタチオ添え

一口で頂けるサイズですが、味わいが濃いので料理よりシャンパーニュの方が先に無くなりました。 頑張ればハーフボトルくらいこのアミューズで通せそうです。

Lenton Brae Margaret River  Wilyabrup Semillon Sauvignon Blanc 2013 [Lenton Brae Vineyard]
名称Lenton Brae Margaret River "Wilyabrup" Semillon Sauvignon Blanc 2013
レントン・ブレイ マーガレット・リバー "ウィリャブラップ" セミヨン ソーヴィニョン・ブラン 2013
生産者Lenton Brae Wines
レントン・ブレイ・ワインズ
価格(Ngさんから)
購入店

 白の1本目は、最近オーストラリアにご旅行に行かれたNgさんが現地調達してこられた白(実際のオーストラリアは森林火災で大変だったみたい)。 造り手は"Lenton Brae"というところだけど、検索しても日本国内での発売は無いみたいですね。1982年創業の家族経営ワイナリーみたいです。 品種はセミヨンとソーヴィニョン・ブランなので、ボルドーの白みたいな感じかな?と想像しつつ頂きました。

 前述したように色(外観上の濃さや色合い)は良くわかりません。 香りは、なんとガッツリと樽香が効いています。豪州産のこの品種構成でこういう香りは珍しいんじゃないかな? 香りだけ嗅ぐと間違いなく「なるほど樽ドネ(樽の効いたシャルドネ)っすね」と言っちゃいます。 味わいは、これまた樽ドネ風ではあるんですが、後味に残る収斂性のある苦味がソーヴィニョン・ブラン由来なのかな? アルコール度数は11.5%と低めですが、飲んだ感じはもっと厚みのある味わいなように感じます。

 風変りではあるけど、これはこれで大変面白いワインでした。2013年産と、こういったワインとしては古めのヴィンテージということもあって、 ワイナリー限定のキュヴェなのかも知れません。そんなワインが頂けるのもこういう会の醍醐味ですな。

点数79点
Beau Freres Willamette Valley Pinot Noir 2017 [Beau Freres]
名称Beau Frères Willamette Valley Pinot Noir 2017
ボー・フレール ウィラメット・ヴァレー ピノ・ノワール 2017
生産者Beau Frères
ボー・フレール
価格(Nkさんから)
購入店

 ここで次に白を出さず、ピノ・ノワールを出して頂きました。「牡蠣のコンフィに合わせて」というサービス佐野さんの配慮のようです。 このワインは、Nkさんが持参されたアメリカはオレゴン産のピノ。 "Beau Frères"というワイナリーは、あのロバート・パーカー氏が義弟と共同で設立したんだそうですな (2017年からシャンパーニュのアンリオ社が買収)。 それにしても日本語に訳して「美しい兄弟」て。さすがにフランス人は笑っちゃうじゃないかな、この名前。

 色は、暗い照明下ではありますが、ピノ・ノワールとしてはかなり濃いめ、そして若干の褐色みがあるように感じました。 香りは・・・こりゃブルゴーニュのピノ・ノワールとはかなり異なる香りですね。師範が思うオレゴンともカリフォルニアとも違う独特の雰囲気。 白胡椒のようなピリッとスパイシーな雰囲気があって、ブラインドで嗅いだら「北部ローヌのシラー、結構熟成したやつ」って答えそうです。 味わいも、香りに感じる印象通りスパイシーな感じ。とはいえ柔らかな甘さと酸もあるので、ギスギスした雰囲気ではありません。

 時間が経つと、なんとなくオレンジワインのような自然派っぽい香りも出てきたように感じます。 いろんな表情を見せてくれる点ではとても面白いワインですが・・・やっぱりピノ・ノワールっぽく無いんだよな。 ローヌ好きなパーカー氏の意向が反映されているのかしら、などと考えておりました。

点数78点
カルム 前菜

 上記の豪州産の白とオレゴン産のピノ・ノワールに合わせた料理がコレ。

 牡蠣のコンフィ 下仁田ネギ バルサミコソースと八朔を添えて

 アレルギー的に生牡蠣は食べられない師範ですが、火が通してあれば大丈夫です。久しぶりに食べた牡蠣、やっぱり美味いよね。 そして下仁田ネギが甘くて大きくて食べ応えがありました。 また、牡蠣の上に載せられた香草(名前失念)とかバルサミコとか八朔とか、一皿の中にいろんな要素が詰まった前菜で、 様々な角度からワインに合わせられそうな料理でしたよ。

Meursault Les Corbins 2017 [Bitouzet-Prieur]
名称Meursault "Les Corbins" 2017
ムルソー "レ・コルバン" 2017
生産者Bitouzet-Prieur
ビトゥーゼ・プリウール
価格4,158円 (単品価格:7,216円)
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 次の白は師範の持ち込み。正月に買った「ブルゴーニュ白4本11,000円福袋」から、一番単価の高かったヤツを持参しました。 この会の持ち込みワインは、順不同の自己申告制。『今回はコレを!』という意思のある方は早めに銘柄申告して、 そうでない方は周りの出方を見ながらバランスを調整する、といった感じ。師範のスタンスは今回は後者、王道の白のポジションが無かったのでそこを埋めました。

 このワインのグラスは、金魚鉢のように大きなブルゴーニュタイプで出して頂けました。更に、グラスtoグラスで移し替えて、短時間に開くようにして頂いたようです。 その甲斐あってか、2017年産と若いワインなんだけど、テーブルに出された時点で香りがブワッと来るレベルにまで開いていました。 シャルドネらしい蜜の香りに白い花、そして強すぎない樽香。 時間が経つと火打石の香り(=電子式じゃない100円ライターで着火に失敗した時の香り)も感じられます。 味わいは、甘さも酸もあるけど一番特徴的なのはミネラルっぽさ。非常にカッチリした印象を受けます。

 ムルソーって、ものによってはやや大味でダレた印象のものもあるけど、これはどちらかというとピュリニーやシャサーニュみたいな引き締まった印象を受けました。 ムルソーでも標高の高い畑なんじゃないか、なんて話しておりましたよ。ともあれ福袋の中の筆頭銘柄のこのワイン、幸いにして「アタリ」でありました。

畑、調べました。
『「ムルソー・レ・コルバン」はムルソー村の北東部、クロ・デュ・クロマンの下、プレミエクリュのムルソー・レ・プリュールとの境、 南東向きで若干傾斜になっている畑です。石灰質を含む粘土質で深く石も多い。』
だそうです。概ね印象通りですね。

点数85点
Chateau Ducru-Beaucaillou 1970 [Ch. Ducru-Beaucaillou]
名称Chateau Ducru-Beaucaillou 1970
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ 1970
生産者Ch. Ducru-Beaucaillou
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ
価格(Mtさんから)
購入店

 この会も10周年ということで、古酒をたくさん保有しておられるMtさんの今回のお持ち込みは、なんと50年前、1970年産のボルドー。 それも、メドック2級格付けのシャトー・デュクリュ・ボーカイユ。 道場では、はるか20年以上前に1981年産1983年産と稽古しておりますが、 それらよりも本日頂くコレが一番古いんですな。なかなか50年前のワインを頂く機会なんて無いので、心して稽古させて頂きます。

 色は、全体にレンガ色でエッジにオレンジ色が見て取れるけど、それでも50年前のワインとは思えないしっかりした紫色がコアにあります。 香りは...左岸であることは判ります(途中までブラインドで飲んでいました)。でも、それ以上は判らなくなりますね、ここまでの古酒だと。 香りのボリュームはなかなか立派なんだけど、黙って出されれば「紹興酒ですか?」って答えるかな、そんな雰囲気の香りです。 味わいも、渋味はほぼ無く甘さも酸味も控えめ。口腔内で横に広がる平たい味わいで、枯れていくワインを愛でる感じだなぁ、と。

 50年物のボルドー、枯れてはいますがまだ十分ワインとして楽しむことは出来ます。 古酒好きの方だと『これでもまだ若い』とか仰るかも知れませんし、そういう嗜好が理解できないわけでもありません。 でも、やっぱり師範としてはこのレベルまでこなれちゃうと勿体ないように感じるんですよ。 なんか「なんでも一緒」になっちゃう気がするのね。

点数77点
カルム 魚料理

 若いムルソーと年配のボルドーに合わせた料理がコレ。

 アイナメのポワレ 縮みキャベツとキノコのソテー

 ソースにバターが使われていて、ムルソーとの相性はバッチリです。 気になるボルドー古酒との相性は・・・これが案外悪く無いんですな。アイナメの皮目のパリッとした香ばしさと紹興酒っぽさが合ったような。 あくまで「個人の感想」ではありますが。

Opus One 2008 [Opus One Winery (Robert Mondavi & Baron Philippe de Rothschild)]
名称Opus One 2008
オーパス・ワン 2008
生産者Opus One Winery (Robert Mondavi & Baron Philippe de Rothschild)
オーパス・ワン・ワイナリー (ロバート・モンダヴィ & バロン・フィリップ・ド・ロートシルド)
価格(Ksさんから)
購入店

 50年前のデュクリュ・ボーカイユに引き続き、本日のメインワインの登場です。 このワインは、以前米国西海岸に赴任されていたKsさんが現地ワイナリーで購入されたワイン。 銘柄は、ちょっとワインをかじったことのある方ならだれでもご存じ、 『巨人、大鵬、卵焼き』ならぬ『ドンペリ、ロマコン、オーパスワン』のオーパス・ワンです。 道場でも過去3度ほど稽古経験(直近は2006年に稽古した2002年産)があるのですが、 今は全く手の出ない価格のワインになっちゃいましたねぇ。 このワインも、買ったときはまだ100ドル台だったそうですよ。

 色は、グラスにちょっと注がれただけで全く向こうが透けない濃さがあります。デュクリュ・ボーカイユと比べても別格の濃さです。 香り・・・いやー参りますな、まさに「香りの爆弾」です。 カシスのようなベリーの香りにコーヒーのような香ばしさ、加えてローズマリーのようなハーブの涼やかさ。 香水のような雰囲気まであって、いつまででも嗅いでいられる香りのボリュームと複雑さです。 味わいは、12年も前のワインなのにまだ若々しい感じで、渋味も甘味も酸味もしっかりしています。 ただ、それらが個々に主張せずに丸くひとまとまりになっているあたりが、オーパス・ワンのオーパス・ワンたる所以でしょうね。

 実はこのワイン、お店の方で前日から抜栓されていたそうです。それでこの若さ、というか飲む時にピークを合わせて頂けるサービス、恐れ入りました。 そしてやっぱり美味いっすよ、オーパス・ワン。ミーハーなイメージなんてどこ吹く風、文句の付けドコロがありません。 唯一残念なのは、一人グラス1杯しか飲めなかったことくらいでしょうか。またよろしくね~>Ks氏。

点数92点
Barolo Nirvasco 2009 [Bersano]
名称Barolo "Nirvasco" 2009
バローロ "ニルヴァスコ" 2009
生産者Bersano
ベルサーノ
価格(Muさんから)
購入店

 次なる赤は、今回初参加のMuさんが持参されたバローロ。 これも現地イタリアからハンドキャリーされたワインだそうです。 造り手のベルサーノ社は、ピエモンテ州で最大の自社畑を所有しているとのこと。 ならば過去にも稽古経験があるんじゃないかと道場の出身地別名鑑を検索したところ、 10年前にの2004年産と稽古しておりました。 我ながら安ワイン道場のアーカイブ侮れず、です。

 色は、オーパス・ワンと比較するとかなり薄め、っていうか「バローロ」「バルバレスコ」「ネッビオーロ種」って、 名前のイメージから真っ黒いワインを想像するけど、実際はそんなに濃く無くてむしろ明るめなワインが多いですね。 香りはいかにもイタリア、いかにもネッビオーロ。 スミレの花や赤い色のベリーみたいな香りに加えて、ツンっとした酸を感じるような、どこか体臭のようなケモノっぽさがあります。 味わいは、10年前のワインということが素直に理解できる柔らかさ。渋味と甘味と酸味がまろやかに溶け合っていて、 なだらかな熟成のピークに居る、って感じでしょうか。

 前のワインが大迫力だったので、打順的には若干不利なポジションにあったようにも思いますが、 それでもイタリアの銘醸地らしいしっかり感が味わえて良かったように思います。 「オーパス・ワンは単体で楽しむワインだけど、これは料理に合わせるワインだねぇ」などと話しておりました。

点数82点
カルム 肉料理

 そんな、しっかりした赤ワインに合わせた料理がコレ。

 子羊のコンフィ

写真のように、肉以外にオクラなんかも添えられています。 しっとりと柔らかい肉で、ボリュームもたっぷり。『肉には赤ワイン』と言い出したやつ優勝!って感じですな。 大変美味しゅうございました。

Autumn Blessing Botrytis Semillon 2004 [Val d'Or Wines]
名称Autumn Blessing Botrytis Semillon 2004
オータム・ブレッシング ボトリティス・セミヨン 2004
生産者Val d'Or Wines
ヴァル・ドール・ワインズ
価格(Ktさんから (Half))
購入店

 最後にデザートワイン375mlが二本、どちらもKtさんが持参されたもの。 Ktさんは本来不参加の予定だったのですが、新型コロナウィルスの影響で、参加されるはずだったイベントが中止になり、こちらに加わって頂けることになりました。 ウィルスも味なことしてくれますね・・・って冗談です。早期の終息を心より願っております。皆さん手洗いうがいをきっちりやって、正しく怖がりましょう。

 では正しく稽古して参ります。まずはオーストラリア産で品種はセミヨンの甘口ワインです。 色は・・・「コレ赤ワイン?」な濃さです。 セミヨンはチャッキチャキの白ブドウなんですが、16年の歳月によって濃い琥珀色になっています。 香りは、ベースはマスカットのようなフルーツの香りですが、名前に"Botrytis"とあるように極めて明確に貴腐香を感じます。 そして、色合いから受ける印象もあって、カラメルのような香りもあります。 口に含むと、当然感じるのはしっかりした甘さ。酸味はそんなにないのかな?ストレートに甘い味わいです。

 ここまで熟成した色合いの貴腐ワインは初めて飲んだかも知れません。 いつ購入されたのかは聞き忘れましたが、ラベルの感じなどからはかなり以前に売られていたものではないかと。 この色になっても普通に楽しめるのって、やっぱり甘口ワインはタフですね。

点数80点
Neusiedlersee Trockenbeerenauslese 2002 [Munzenrieder]
名称Neusiedlersee Trockenbeerenauslese 2002
ノイジードラーゼー トロッケンベーレンアウスレーゼ 2002
生産者PMC Münzenrieder
PMC ミュンツェンリーダー
価格(Ktさんから (Half))
購入店

 もう一方のデザートワインがこちら、オーストリアのトロッケンベーレンアウスレーゼです。 表ラベルにも裏ラベルにも造り手の名前が記されていませんが、後で調べたら"PMC Münzenrieder"というところで、 品種はピノ・ブランとピノ・グリが使われているようです。 また、こちらも年代は古くて2002年産・・・ってか皆さん古いワインを持ってますねぇ。 回転の速い安ワイン道場では考えられないことです。

 色は、前のオーストラリア産とほぼ同じくらい濃い琥珀色。貴腐ワインってみんなこんな色になるんでしたっけ?ハーフだから熟成が早いのかしら? 香りは、オーストラリア産と同じように明確な貴腐香がありますが、あちらはストレートなマスカット香をベースにしていたのに対し、こちらはより複雑な感じです。 「超高級セメダイン」って感じの香りですね。 味わいも、オーストラリア産よりも若干甘さ控えめで深みがあるような感じがします。酸がしっかりめなのかも知れません。

 どちらもしっかり褐変したワインだったわけですが、傷んだ感じは微塵もありませんでした。 やっぱり洋の東西を問わず甘口はタフであることを確認しました。 そして、デザートワインを飲み比べるなんてなかなかチャンスが無いので、大変面白い体験でもありましたよ。

点数81点
カルム デザート

 デザートワインにはデザートを合わせます。

 焼チョコレート トンカ豆のアイスクリーム

「トンカ豆」、初めて聞きました。中央アメリカから南アメリカ北部に自生する「クマル」という樹木の豆らしいですね。 その味わいは・・・特に特徴的な部分は無くて、普通にバニラアイスっぽい感じだったように思います。 焼チョコは、切ると中から溶けたチョコがトローリと。 シロップ代わりにデザートワインをかけたりしながら楽しみました。

カルム ワインの集合写真

 右写真が今回稽古した9本。王道から変化球まで、個性的なワインいろいろで大変楽しめました。

 19:00スタートの会でしたが、終了時間はほぼ23:00頃だったような。20人くらい入るダイニングにほぼ満席のお客さんを、 シェフお一人とサービス担当お一人なので、時々料理やワインが途切れるタイミングがありました(おかげで水もたくさん飲んで酔い覚め爽やか)。 でも、そんなことは些細なことに感じられるくらい、ホスピタリティ溢れる料理&サービスで、大満足でしたよ。

 実際、持ち寄りワイン会に対応するお店って大変だと思うのね。グラスは沢山使うしお酒が出ないので利益も少ないだろうし。 だからこそ「今日のワイン、楽しみですねぇ~!」ってお店側も楽しんでおられる(ように振舞われる)ととても嬉しいっす ・・・というわけでご興味のある方はぐるなびページへのリンクをクリック!

 次回は多分5月ごろかな?またよろしくお願いします>皆様


16日(日)

Montes Alpha Merlot 2017 [Montes S.A.]
名称Montes Alpha Merlot 2017
モンテス・アルファ メルロー 2017
生産者Montes S.A.
モンテス S.A.
価格1,637円 (単品価格:2,420円)
購入店ワイン通販 エノテカ楽天市場店

 本日の夕食は茄子の揚げびたし、叩きキュウリ、そして鶏の唐揚げ。 唐揚げは師範代家に代々伝わる・・・では無いな、亡父が独自開発した唐揚げをほぼ正確に再現した師範代の唐揚げは、 にんにく醤油に漬け込んで二度揚げした、カリっと香ばしい逸品。 こういう料理にはワインもちょっと強めの方が良さそう、ということで選んだのは、 最近届いた"安ワイン者御用達"の銘柄「モンテス・アルファ スペシャル赤白6本セット」、税送料込み11,550円から。 品種は、稽古経験も多くカルディなんかでも良く見かけるカベルネ・ソーヴィニョンではなくて、道場初稽古のメルローございます。 品種構成は、メルロー90%にカルメネールが10%プラスされているそうです。

 色は、とても濃い青みのある紫色、でも滅茶苦茶濃いわけでも無く、ぎりぎり向こうが透けます。 スワリングすると、グラスの内側をタラーリタラリ、粘性はとても高いように見えます。 香りは・・・グラスに鼻を近づけた時点で「ハイ、あなたオッケーで~す!」と言いたくなるボリューム。 濃い色のベリーにバニラとチョコレート、「ミッチリ」という表現がピッタリくる香りです。 味わいは、まず甘さしっかり。糖度は8.9、そりゃ甘いでしょ、って感じです。 そして渋味はかなり穏やかで、酸味もそこそこ。このバランスだとスイスイ飲めちゃいます。 ただ、どこか「ゴムっぽさ」はあるよね。それが気になる人には受け入れられないかも。

 香りバンバンで、険しさの全くない丸っこい味わい。甘くて濃くて柔らかい、まるで「とらやの羊羹」みたいなワイン。 でもアルコールは14.5%もあるので、ある意味「ヤバい」かも。美味い美味いとクイクイ飲んでたら酩酊必至です・・・ ってかその状態で今コレ書いています。南無。

点数80点

15日(土)

Mionetto Prosecco Brut N.V. [Mionetto]
名称Mionetto Prosecco Brut N.V.
ミオネット プロセッコ ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Mionetto
ミオネット
価格
購入店(サントリーさんから)

 本日の夕食は、刺身2種(マダイ、太刀魚の炙り)、銀ひらすの西京漬け、菜の花のおひたし、昆布の酢の物、新玉ネギの卵とじ。春らしい献立です。 ワインは、年末にサントリーさんから頂いたイタリアのスパークリング2本のうち残り(1本目はコレ)。 グレーラ種100%を使ったシャルマー方式(タンク内二次発酵)のスパークリングですな。

 さて抜栓。手に感じるガス圧はそんなに強くありません。 グラスに注いで泡を確認、ややボリュームは少なめな感じですが、細かい泡がツーッと立ち昇る感じは見ていて飽きません。 色は非常に薄め、調べたらグレーラ種は白ブドウなので、ブラン・ド・ブラン(イタリアだからビアンコ・デ・ビアンコ?)ですな。 香りは弱め。インポーターのサイトには、 『軽やかな白い花やフレッシュなリンゴを思わせる香り』とありますが、確かにそんな感じです。 味わいはやや甘めに感じます。分類はブリュットだけど、糖の添加量が基準内で多めなのかも知れません(数値を測ると糖度は6.4なので低めではあります)。 苦味や雑味なんかは無いので、スルスル―っと飲めてしまいます。

 香り弱めでやや甘めだけどスッキリした味わいで、スイスイ飲めるスパークリングです。 なんというか、陽気なイタリア人がカフェでクイクイ飲んでるイメージですな。 『細けぇこたぁ良いんだよ、んなことより恋をしようぜアミーコ!』ってなワインです。 だもんで1,000円台後半はちとお高めに感じます。

点数73点

14日(金)

Syrah 2018 [Feudo Arancio]
名称Syrah 2018
シラー 2018
生産者Feudo Arancio
フェウド・アランチョ
価格915円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 毎週金曜の「アランチョ祭り」、まだまだ続けております。 先週先々週先々々週先々々々週 に引き続いて5本目今日は赤のシラーと稽古。残り4本なので折り返し点ですな。 そして本日の夕食は、今日が高校入試当日だった次女のリクエストに応えてゴマ豆乳鍋。 あまり濃い赤が合うメニューじゃないかなぁという料理だけど、今日は次女の意向が優先です。

 さて抜栓。このシリーズのコルクは全てDIAM2のようです。DIAM、好きじゃ無いんだよな。品質的に安心だし組成も均一でスクリューを刺す時は良いけど、 抜く時にコルクを保持する側の手が滑るのでかなり力が必要。特に歳を取ると手が乾燥して滑っちゃうのよねぇ・・・というわけで師範もスクリューキャップ賛成派です。 グラスに注いで色を確認、やっぱりシラーらしく濃くて、シラーらしく赤みを感じますね。 香りを嗅いで・・・最初は「アレ?おとなしい?」って印象でした。でもこういうのは時間と温度が解決してくれる場合が多いです。 雰囲気は、ローヌのシラーというより豪州のシラーズが近いですね。 どこが近いかというとローズマリー(豪州シラーズだとユーカリなのかな?)のようなスーッとしたハーブの香りがあること。 ローヌのシラーだともっと肉っぽいというかソーセージみたいな印象があります。 味わいは、3桁円のワインとは思えないしっかり感。渋味しっかりで甘さもたっぷり(糖度8.6)、酸味は控えめ(pH3.9)、 全体に固い感じではあるけど、香り同様に時間が経つと開くのを期待してジックリ稽古しました。

 時間が経つと、樽の香ばしさが感じられるようになります。そして期待通り味わいにふくよかさが出てきます。 そして食後には師範代に頂いたオランジェットに合わせたら...これが不思議と合うのね。甘すぎないオレンジ+チョコ、濃い赤ワインと合います。

 美味いっす。香りが最初弱めなのが残念ではあるけど、味わいの充実感とかこのクラスを超えています。 これまで赤はネロ・ダヴォラカベルネ・ソーヴィニョンと稽古しましたけど、 今のところこれが一番好印象です。

点数78点

12日(水)

Villa Chavin Merlot Reserve 2015 [Pierre Chavin]
名称Villa Chavin Merlot Reserve 2015
ヴィッラ・シャヴァン メルロー レゼルヴ 2015
生産者Pierre Chavin
ピエール・シャヴァン
価格1,074円
購入店たむらワイン店

 本日の夕食当番は師範で、メニューはトンテキ(w/日本食研「トンテキの素」)、 点心二種(焼売とシソ餃子:どちらも蒸すだけ焼くだけ)、モヤシのナムル。 ワインは、元日に買ったフランス産のメルローをチョイスしました。

(※)好きなんですよねぇ、この合わせ調味料・・・ということで日本食研ショップ@楽天へのリンクを貼っておきます。
トンテキの素 日本食研 206円

 さて抜栓。コルクはNOMACORCです。合成コルクはDIAMよりこっちが好きだな。刺したスクリューを外しやすい点がDIAMより高ポイントです。 色は非常にしっかりした青みのある紫色。大きめグラスだと全く向こうは透けません。 香りのボリュームはそんなに無いけど、雰囲気はまさしくメルローですな。ブルーベリーのような果実香にほんのり草っぽさ、 そして八角のようなスパイスの香りもあります。 味わいは、しっかりした渋味を感じますが、それなりの年月を経ているので固い感じはありません。 甘さはそこそこで酸味は軽め、なので渋味しっかりの割に重い感じはしません。

 いかにも南仏のメルローって雰囲気ですな。 とりわけこれといった特長はありませんが、税別3桁で普通に楽しめる南仏のメルロー、で良いんじゃないでしょうか。 ラベルの雰囲気も、「一応ワインもあります」的なフランスとカフェに187mlのボトルで置いてありそうな感じですね。

点数71点

11日(火祝)

清酒飲み比べ

 月初に投げ売り品を買った清酒「宝寿」が若干残念な内容だったので、 ここはひとつ「清酒界のコノスル」の呼び声高い(※)「獺祭」を召喚。 銘柄は、高コスパと評判の「等外」(写真左)。お値段税込み1,430円也。

 宝寿 純米大吟醸 さけ武蔵(写真右)の方は、当初感じたようなイケて無さは若干影を潜めて、普通にちゃんとした大吟醸というところまで改善しています。 清酒も抜栓後良い方に変化することがある、ということを知れたのは収穫。

 その後で獺祭 等外(写真左)を頂くと、やっぱり全体の透明感がまるで違います。 香りは、メロンの香りから青さを引いた、スーッと揮発するような梨やリンゴの香り。 味わいも雑味が無くてとてもキレイですが、やや甘味が強いように感じました。 そこで糖度を測定すると宝寿が11.2なのに対して獺祭は11.4、あまり違わないんですね。クリアな分だけ甘く感じる、ってことなのかな?

 やっぱり良いな、獺祭。裏ラベルによれば、等外米を使っているので普通酒としか表示できないけど、精米歩合30%まで磨いているそうです。 税込み1,430円はとてもお買い得。横浜高島屋で普通に売られてましたよ。

(※)誰も言ってませんけど、多くの人に受け入れられる酒を大量に造る、というコンセプトに共通性を感じています。

Chablis Premier Cru Fourchaume L'Homme Mort 2015 [Domaine des Hates]
名称Chablis Premier Cru "Fourchaume L'Homme Mort" 2015
シャブリ・プルミエ・クリュ "フルショーム ロム・モール" 2015
生産者Domaine des Hâtes
ドメーヌ・デ・アット
価格1,162円 (単品価格:2,016円)
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日の夕食は、豪州牛の和風サイコロステーキ、タコと春採りワカメの酢の物、グリーンサラダ、ガーリックライス。 ステーキなんだから赤でしょ...というのは早計です。 道場の和風サイコロステーキって、トッピングには大根おろしと揚げニンニクを使ってポン酢で食べるんですな。 なので白でも大丈夫なメニューだし、なんだかとてもゴリゴリの白が飲みたい気分だったんですよ。 そこで選んだのは「ブルゴーニュ白4本11,000円福袋」からシャブリ。 名門一級畑フルショームの2015年です。

 コルクは、造り手&畑&ヴィンテージが印字された、長さ48mmのDIAM10。長熟させる気満々です。 色は結構濃いめのレモン色。ブルゴーニュって、「北=薄い/南=濃い」なイメージがあるけど、このシャブリは濃い色合いですね。 香りは、もうめっちゃシャブリです。ミネラル・・・っつっても通じないか、小学校の体育用語倉庫にあるライン引き用の石灰みたいな香りと、 グレープフルーツのような甘さのない柑橘類の香りがします。 加えて若干のゴムっぽい香り。ワインをたらふく飲んだ翌日トイレ(小)に行くと、なんだかゴムっぽい香りがするじゃないですか、アレです。 味わいもミネラル感たっぷりです。ただ、甘さ控えめは想定通りですが、思いのほか酸味が弱いのね。 数値を測ってもpH3.7と、シャブリとしては酸が控えめ。 なので、ちょっと締まりのない印象を受けてしまいます。

 シャブリの名門畑フルショームの、一番北にある1.5haしかないらしいリューディであるロム・モールのワインが、 元値で2,000円/買値相当額は1,000円強なんて安すぎだと思ったんですよね。 やっぱり「安さのヒミツは内容にアリ」でした。 もちろん、1,000円のワインとしてはアリ中のアリで、2,000円でもまずまず。 ただ「フルショームでコレかぁ、シャブリの酸が無いよねぇ」ってのが残念ポイントです。

点数72点

10日(月)

赤レンガ広場 ストロベリーフェスティバル

 本日師範はお休みですが、師範代は会社、長女はアルバイト、次女は入試。よって暇人ボッチの師範ゆえ、みなとみらいまで散歩。

 朝8時ごろ道場を出て、赤レンガ倉庫に付いたのは9時半ごろ。 赤レンガ広場では「ストロベリーフェスティバル」なるイベント開催中。 11時から苺の無料配布があるらしくそれに並ぶ人が既に10名以上。都会人は忍耐強いなぁ。 これがワインだったら並ぶかな・・・いや1時間半は無理だな。

Chianti Classico Il Greto 2017 [Poggio Bonelli]
名称Chianti Classico "Il Greto" 2017
キアンティ・クラッシコ "イル・グレト" 2017
生産者Poggio Bonelli
ポッジョ・ボネッリ
価格1,650円 (通常価格2,970円)
購入店カルディ アトレ大井町2店

 本日の夕食当番はもちろん自宅警備員の師範でございます。 メニューは、ニラレバ炒め、昨日の残りとタンドリーチキン、赤カブのピクルス。 本来休肝日の月曜ですが、お休みゆえ「パーソナル・ハッピーマンデー法」を弾力的に運用して飲んで良いことにしました。 選んだのは、1月にカルディでセールされていたキアンティ・クラッシコ。通常2,970円が1,650円でした。 トラディショナルなラベルデザインで、なかなかイケてそうな外観ではありますが、裏ラベルに「添加物:安定剤(アカシアガム)」とあるのが気になるところです。

 コルクは天然もの、造り手の名前が印字された緻密なタイプ。 グラスに注いで色を確認、しっかりと濃い紫色に粘性たっぷり、期待が高まります。 香りはいかにもサンジョヴェーゼ、いかにもキアンティ。ツンと刺激的な果実の香りに、スミレの花のような雰囲気、そして若干のケモノっぽさ。アリですアリです。 味わいは、渋味もあるけど甘味もしっかり。全体に固い感じではあるけど、1,000円台とは思えない充実具合です。

 ・・・と、飲み始めは良かったんですよ。でも、だんだん盃が進まなくなります。 添加物の表記を見なければそんな印象は受けなかったかも知れません。でもホント、半分過ぎたあたりから減らなくなるんだよなぁ。

 美味しいキアンティが出来たので、その状態で固定するために味と香りの接着剤を流し込みました、って感じかなぁ。 こういうワインは一人でしみじみ飲むより、複数人でパーッと空けちゃった方が良いですね。 評価の難しいワインですが、「美味きゃいいじゃん」という享楽派の陽キャ師範の採点が80点、「混ぜ物はイケマセン」という陰キャ師範の採点が70点、 間を取って75点にさせて頂きます。

点数75点

9日(日)

サッポロ ゴールドスター

 飛び石連休に挟まれた平日は積極的にお休みを取得する「スチャラカ社員スタイル」ですので明日はお休み、よって本日は個人的四連休の二日目です。 そういうこともあり、今日の食前酒はちょっと大きめ500ml缶をご用意させて頂きました。 銘柄は、職場の同僚から『これ「なんちゃってビール」としては美味いっすよ」と教えて頂いた、サッポロのゴールドスター。 最近発売になったものみたいですね。

 色と泡立ち&泡持ち、外観上は普通の黒ラベルと全く変わりないですね。 香りは、黙って嗅がされれば黒ラベルです。でもちょっとやっぱり金属臭さがあるような気がします。 味わいも、黙って飲まされれば黒ラベル・・・かな?どこか穀物っぽさを感じるような気がします。

 とても上手にビールに似せることが出来た新ジャンルだと思います。 でも、師範が飲みたいのはそういうんじゃ無いだよな。「ビールに似てない」新ジャンルが好きなのよ。

Bourgogne Epineuil 2016 [Olivier Wartel]
名称Bourgogne "Épineuil" 2016
ブルゴーニュ "エピヌイユ" 2016
生産者Olivier Wartel
オリヴィエ・ワルテル
価格1,532円 (単品価格:1,978円)
購入店ヴェリタス?輸入直販ワイン専門店

 本日の夕食メニューは、まず食前には冷凍庫から発掘されたミートソースのブルスケッタ。 そしてレモンチキン&タンドリーチキン、アボカドのおかか醤油、茎ワカメの酢の物。 合わせるワインを悩むメニューですが、特に料理に拘りなく飲みたいものを、ってことで選んだのはACブルゴーニュの赤。 ブルゴーニュといっても、この「エピヌイユ」という区画はシャブリ地区にあるみたいですね。なのでかなり北の方です。 道場の過去を検索すると、2006年に稽古しているみたい。 当時はエピヌイユがシャブリ地区にあることを意識していなかったみたいだけど、コメントからはなんとなく「寒い地域」感が伝わります。

 さて抜栓。コルクはDIAM5です。グラスに注いで色にプチびっくりです。 シャブリ地区のピノ・ノワールって「これロゼ?」な色合いを想像するじゃないですか、でもこのワインは「ブルゴーニュとしては濃いめ」 と言っちゃいたいくらいしっかりした色合いです。 香りは・・・アハハ、やっぱり北っぽいわ。プラムだったら大石早生、酸っぱい果実のピュアな香りがキュンキュンです。 味わいも、渋味も甘味も控えめで、中心となるのは酸味と旨味。こちらも梅かプラムみたいな雰囲気です (でも数値を測ると糖度7.6と高めでpHは3.5と比較的普通です)

 色の濃さにはちょっとビックリしたけど、中身は寒い地域のピノ・ノワールらしいキューン!と来るような味わいのワインです。 甘くて濃いワインが好きな方には完全にハズレでしょう。でも、ワインクラスタに少なからず紛れ込んでいる「酸味星人」の心はガッツリ掴んじゃいそうです。 要は飲み手を選ぶワインですね。師範は好きですよ、こういうの。薄いけど。やっぱりワインは多様性があった方が面白いよね。 「この品種はこうあるべき」と決めてかからない方が良いと思うな。

 ちなみに、飲み終わったら澱がいっぱいでした。ガブガブ飲む系の人は要注意、ね。

点数75点

8日(土)

Shikomitate Koshu Sparkling N.V. [Huggy Wine]
名称Shikomitate Koshu Sparkling N.V.
仕込み立て 甲州 スパークリング (ヴィンテージ無し)
生産者Huggy Wine
大和葡萄酒
価格1,024円
購入店イオンリカー天王町店

 道場近所のイオンが建て替えのため明日で営業終了、そのためなのか、イオンリカーで安売りされていたのでゲットしたのがこの日本ワインのスパークリング。 ネットで調べたら定価は税込み2,000円くらいの商品らしいので、半額セールって感じでしょうか。 原材料には「ぶどう(山梨県産甲州種)/炭酸ガス/酸化防止剤(亜硫酸塩)」とあるので、瓶内二次発酵でもシャルマーでも無く、後からガス追加したスパークリングのようです。 ちなみに本日の夕食は、太刀魚の炙り刺、ブリの照り焼き、かぼちゃのそぼろ、ブロッコリーとツナとトマトのサラダなどですが、 このワインは昨日の残り(豚ヒレのソテーと肉じゃが)をアテにほぼ食前酒として頂いたので、「魚に合わせた」という感じではありません。

 栓はプラスティックのZORK(SPK)栓です。この栓、螺旋状の部分を外すのが面倒だし、最後に抜くのに力も必要なのでキライなんだよな。 再度栓が出来るメリットがあるんだけど、それって別にシャンパン・ストッパーを持っていれば済む話だし・・・と不満を垂れつつ稽古開始。 色は、そこそこしっかりとした赤みを感じる麦わら色です。裏ラベルには『早摘みをした甲州を使用』とありますが、 ワインの色からは結構皮が色づいてから収穫したように見えますね。香りは、まんま生食用ブドウの香りと、リンゴが酸化したような雰囲気を感じます。 でも熟成感とかとは違って、フルーツ一本やりな香りです。 口に含むと、泡も甘味も酸味もしっかりしています。そしてどことなく梅酒サワーみたいな味わい。 数値を測ると糖度が8.9でpHが3.0、間違いなく甘酸っぱいバランスです。 ただなんとなく人工的な甘酸っぱさというか、補糖とか補酸とかそういうのがありそうな感じではありますが、 醸造に関しては(関しても)全くのシロウトなので、本当のところはわかりません。

 ・・・と、なんか斜め上からのコメントになってしまいましたが、シチュエーションによってはアリだと思いますよ。 明るいうちから屋外で飲むとか・・・これからの季節だとお花見、今だと梅見とか良さそうですな。 1,000円でコレだったらお得感があります。でも元値の2,000円だとどうだろう?「日本ワインならそんなもんかな?」と思うかな。

点数72点

7日(金)

Pinot Grigio 2018 [Feudo Arancio]
名称Pinot Grigio 2018
ピノ・グリージョ 2018
生産者Feudo Arancio
フェウド・アランチョ
価格915円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 本日の夕食は、豚ヒレのソテー甘辛煮、肉じゃが、トマトの卵炒め、ヤングコーンのバター炒め。 そして毎週金曜は「アランチョ祭り」。 先週先々週先々々週に引き続き、 本日稽古する品種はピノ・グリージョ。フランスではピノ・グリと呼ばれ、甲州や甲斐路みたいな薄紫色の果皮を持つ品種ですな。 この色を"Grigio"や"Gris"、直訳すると「灰色」だと言うわけですが、そうは見えないよね。「中間色」という意味合いなのかな?

 ・・・ってな外国語弱者具合は置いといて、厳かに稽古を開始致します。 色は薄いレモン色です。この品種はしばしば果皮由来のピンクっぽさが残るものもありますが、 このワインにはそれが全く見えませんので、完熟前に収穫されたのかもです。 香りは、ストレートに白桃っぽさが感じられる甘い香りです。香りのボリュームもそこそこあって、なかなか優秀ですな。 味わいは、甘からず酸っぱからずで旨味はしっかり。島のワインという先入観からか、ちょっと塩味にも受け取れるミネラルっぽい苦味も感じます。

 香りも良いし味わいのバランスも悪くなく「誰からも嫌われない優等生ワイン」という感じです。 先々週のグリッロに近いと言えば近いんだけど、こちらのほうがより個性を前面に出さす一般ウケを狙った感はありますな。 とても使いやすいワインだと思います。

点数75点

6日(木)

居酒屋 三平 外観

 本日は職場の飲み会。場所は、品川駅港南口出てすぐのところにある居酒屋 三平というお店。 『昭和25年創業の老舗居酒屋』らしいです。 再開発でチェーン系の居酒屋がひしめく品川駅港南口だけど、一部こういう昔ながらの店が残っていますな。 広場を出てすぐにいきなり路地沿いの古い飲み屋がひしめくエリアがありますし。

 本日の参加者はオッサンばかりの7名、部屋は道路沿いの個室で、『料理7品 2時間飲み放題付 3,990円税込』でお願いしております。 会の性質上、個室であることが最優先でした。

居酒屋 三平 料理

 そしてコースの「料理7品」の内容は以下です。

三平風もつ鍋(右写真)
刺身の盛り合わせ(中トロ、生イカ、〆さば)
海老のチリソース煮
油淋鶏
麻婆茄子
カニチャーハン
ザーサイ

 基本的には中華料理がベースになっているようです。 とりわけ美味い料理があるわけでもなく、ザーサイまで1品に含めるのはなかなか強気のマインドを感じましたが、3,990円のコースだからね。 食べ盛りの若者もいなかったので、特に物足りない感じはありませんでしたよ。

居酒屋 三平 プレミアムモルツ 居酒屋 三平 ヱビス

 ポジティブな意見も述べます。 このお店のナイスなポイントの1つに、『飲み放題のビールが一番搾り/スーパードライ/ヱビス/プレミアムモルツの4種から選べる』点があります。 だいたい居酒屋って、ビールメーカー1社と組んでいる場合が多いので、こういう違うメーカーが同時に楽しめるのは珍しいですな。 もちろん飲み比べましたよ、ヱビスプレミアムモルツを。スーパードライは飲みませんでしたけどね。 そういえば一番搾りも飲まなかったな。

 ビールで一点気になったのは、左写真のような量で出されたこと。これ、飲みかけを撮ったわけじゃないんですよ。 最初「少な!」と思ったけど、よく考えたら飲み放題だからまた頼めば良いんですね。 注文したらすぐ来るので、『出来るだけ冷えた状態を楽しんで頂くための配慮』とポジティブに受け取りましょう。

居酒屋 三平 ワイン

 ワインもあります。ちゃんとWebサイトに銘柄が書かれているのも高ポイントです。 それによれば、ワインの銘柄はサンタ・リタ ヒーローズとのこと。サッポロが輸入しているチリワインですね。 赤白とも頂きましたが、白はスッキリしていてフルーティ、赤も(冷えすぎはご愛敬として)果実味しっかりで美味しゅうございました。 居酒屋ワイン一級鑑定士を自任する師範の採点では「合格」です。 どこの居酒屋も、少なくともこのレベルのワインを出して欲しいですね。 ついつい飲み過ぎ、この「赤白ペア」を3回頂きました。

 そんな感じの職場の飲み会、お会計はきっちり一人3,990円。飲むのがメインであまり食べないグループには「アリ」だと思います。


5日(水)

Miluna Rosso d'Italia N.V. [Terre di Sava]
名称Miluna Rosso d'Italia N.V.
ミルーナ ロッソ・ディタリア (ヴィンテージ無し)
生産者Terre di Sava
テッレ・ディ・サーヴァ
価格438円
購入店肉のハナマサ 西横浜店

 師範が用意した本日の夕食は、鶏とタマネギの唐揚げ、カツオのタタキ、千切りキャベツとトマトのサラダ、椎茸と玉子の中華スープ。 軽めの赤が良さそうですね~ということで、激安ながらツイッター評判の良いイタリア産の赤をチョイス。 「肉のハナマサ」というディスカウント・スーパーにて税別398円にて売られていました。

 さて当サイトは「安ワイン道場」の看板を掲げてはおりますが、実際500円以下のワインに関してはあまり積極的に稽古はしておりません。 なぜなら、そこには大きな品質の壁があるように感じているからです。 災害救助で72時間を超えると急激に生存確率が下がるように、500円を切ると急激に「ちゃんとワイン」の確率が下がる気がしています。 動物シリーズ(アルパカ、サンタ、プードゥ)あたりが当落線上ですかね。 『じゃぁ買わなきゃ良いんじゃん』という話ですが、 やはり定期的にその領域とも稽古をして、自分の価値基準を校正する必要があると思うんですな。 ワインの品質なんて時代と共に変わっていくわけで、認識の固定化や思考停止は恥ずかしいですから。

 ・・・と、前置きが長くなりましたが、改めてこの激安イタリア赤と稽古を。 栓は当然のようにスクリューキャップ、もちろんこのクラスはそれで良いと思います。 色は思いのほか薄くはありません。ただ、予想外にエッジにオレンジがが見える色合いに、ちょっと警戒心「変に熟成?」が芽生えます。 香りは相当弱い感じです。プラムのようなザクロのような、酸を感じるフルーツの香りが薄っすらと感じられます。 「こりゃダメかも知れんね」と思って口に含むと、意外と美味いんだな、これが。 軽いのは軽いです。渋味は弱くて甘さは控えめ、でも香りと共通するプラムのような軽い酸味があって、意外とフレッシュ。 見た目の怪しさは払しょくされました。

 メチャクチャ美味い!ってんじゃないですよ、ってか別にとりわけ美味くはないです(暴)。でも普通に楽しめます。 変に甘かったり濃かったりせず、アカシアなんかも入ってなくて、素直に軽い赤ワインっすね。 なるほどこれが398円だとちょっとビックリするのはわかります。 コストパフォーマンスに敏感な安ワイン者さからこそ判るこのワインの価値ですな。

点数70点

2日(日)

清酒飲み比べ

 近所のイオンリカーが建て替えのため来週で閉店。 そのためなのか一部の清酒が投げ売り状態だったので救済、ゲットした銘柄は宝寿 純米大吟醸 さけ武蔵(写真左)、お値段は税込み1.045円でした。 それと一緒に飲み比べたのは、年末からちびちび飲んでいた醸し人九平次 黒田庄に生まれて 純米大吟醸(写真右)です。

 九平次の方は、さすがは有名蔵、抜栓後一ヵ月経ってもまだまだグレープフルーツやメロンのようなフルーティな香りが生きています。 味わいも特に落ちた感じは無く、しっかりとした甘酸っぱさのある味わいです。 対する宝寿の方は、相対的に香りはかなり弱くて、ヨーグルトっぽい乳酸の香りがします。 味わいは、九平次よりもっと青いというか、若いメロンの皮目にある苦味にも近いような風味があります。 ちょっとイガイガ感もあるので、捉え方としては「雑味」なのかな。

 この宝寿も悪くは無いんですよ、ちゃんと大吟醸のキレイさはあって、1,000円ならお買い得です。 ただ、残念ながら「安さのヒミツは内容にアリ」でした。元値の2,000円以上は難しいです。 埼玉県羽生市でイオン社員と農家さんが栽培した「さけ武蔵」100%を使って、広島県の藤井酒造で作ったらしいのですが・・・ 「責任の所在がハッキリしない」というジョイント・ベンチャーの悪い点が出てしまっているような。 半額以下で投げ売りされる宿命も「さもありなん」でした。

Topography Rose 2018 [David & Nadia]
名称Topography Rosé 2018
トポグラフィ・ロゼ 2018
生産者David & Nadia
デイヴィッド&ナディア
価格2,160円
購入店リカーズ・ハセガワ 八重洲北口店

 今日2月2日は「南アフリカワインの日」らしいです。なぜなら、1659年2月2日に初代ケープタウン総領事(東インド会社代表)のヤン・リーベック氏が 『最初のワインが無事出来たよ~』と記しているからだそうです。ならば飲んでお祝いしましょう!ってことで選んだのが南アフリカ産のロゼ。 合わせた料理は焼鳥、砂肝のガーリック炒め、砂肝の耳の酢の物、鶏レバーの甘辛煮、きんぴらごぼう、トマトと新タマネギのサラダ、梅風味の焼きおにぎり。 この品数は師範では無理です。

 色は、とてもきれいなサーモンピンク。一般的な色名だとピンクというよりオレンジかな。清澄度もネットリ感もあって、期待を持たせる色合いです。 香りは、最初嗅いだ時「え?これマスカット・ベーリーA?日本ワイン?」と思いました。 インポーターが貼った裏ラベルによれば、品種は『ピノタージュ、グルナッシュ他』らしいけど、 目隠しして嗅いだら「もちろん赤、品種はマスカット・ベーリーA一択!」と答えます。そして気持~ち自然派の匂い。 口に含むと、軽く樽の香ばしさも感じられて、なかなか複雑さのある香りですね。 味わいも、赤ってほどではないけどかなりしっかりしていて、キリッとした旨味とカッチリした酸味。軽い渋味も感じられて、飲み応えがあります。 赤の要素が強いので、温度は高めの方がより楽しめると思います。

 このロゼは美味いっすね、間違いない。「南アフリカワインの日」に相応しい安ワインです。 「多分セニエのロゼだろうな」「軽く樽をかけてあるだろうな」と思いつつネットで検索すると、アフリカーさんのページがヒット、 『収穫量は3-5トン/haと極めて少量。セニエ方式。古い樽を使用しての天然発酵。その後マロラクテッィク発酵を経て9ヶ月熟成。1586本生産。』とのこと。 こういう情報はありがたいなぁ・・・ということで、購入店ではないけど下記にリンクを貼っておきます。

点数80点

1日(土)

シャンパーニュ6本セット

 「気軽に飲めるシャンパーニュが手元にない」というのは、どこかパンツをはき忘れたような心もとなさがあります ・・・というわけでお手頃シャンパーニュセットを発注。税込み1本2,500円くらい。 どれも見たことがない造り手&銘柄、「グランクリュ」とか「60ヵ月熟成」とかの文言が踊っています。さて吉と出るか凶と出るか。

 ともあれこれから春にかけて、いろいろイベントも多い気がするので、強引に些細なお祝い事を見つけては片っ端から稽古して行きます。

リンク:高級辛口シャンパン6本セット 14,960円

Desgencieres Brut N.V. [Didier Chopin]
名称Desgencieres Brut N.V.
デジャンシエール ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Didier Chopin
ディディエ・ショパン
価格1,967円 (単品価格:4,950円)
購入店ワイン&ワインセラー セラー専科

 「些細なお祝い事を見つけて」の第一弾、このページの冒頭の写真にあるように「近所の公園で春を見つけました」祝いでシャンパーニュを開けます。 ちなみに今日2月1日は「ニオイ(201)の日」らしいですな。梅も良い匂い、シャンパーニュも良い匂い、今日に相応しいワインと言えるでしょう(強引)。 そんな本日の夕食は、豚肩ロースのガーリックソテー、スモークサーモンと新玉ネギのサラダ、青梗菜のガーリック炒め、中華風茎ワカメ。 どんなワインを合わせても良さそうなメニューですな。ってかシャンパーニュって適応範囲が広いので、料理は何でも良い感じはあります。

 ・・・というわけで、前述のセットからの一本目、単品価格が一番安いヤツから稽古を付けていきます。 造り手の「ディディエ・ショパン」のシャンパーニュ、は先日亀戸の「デゴルジュマン」でも稽古しておりますな。 このシャンパーニュに関して、ショップのサイトに書かれている情報を再掲しておくと、 『瓶熟60ヵ月。シャルドネ60%/ピノ・ノワール40%、ドサージュは11g/l』らしいです。 60ヵ月(5年)は長いですな。そして11g/lのドサージュは最近の傾向としては多め。それがどう印象を左右するか、興味津々で稽古します。

 抜栓する際に相当注意したんだけど、それでも「ブシュ!」っと来ました。ガス圧はかなり高そうです。 色は、しっかりオレンジからピンク色の入ったレモン色です。まるでブラン・ド・ノワールみたい。 サイトによればシャルドネ60%らしいけど「ほんまかいな?」とちょっと疑問です。 香りは、蜜入りリンゴ感バリバリ、フランスパンの皮っぽさもガンガン、熟成シャンパーニュっぽさがダイレクトに感じられます。 瓶熟60ヵ月は間違いないでしょうね、とてもマッタリ感があって良い香りです。 味わいは、確かにドサージュ多めらしい甘さを感じますが、キメ細かい泡とキュッと締まった酸味があるので、甘ったるい感じは全くしません。 こりゃ美味いわ。

 いやーマジで美味いよコレ。なぜか黒ブドウ感が強めだけど、熟成感もきっちり感じられて、相当美味しいシャンパーニュですわ。 今回のセット、一番安いヤツでこのクオリティだと今後に期待が持てますな。

点数84点