稽古日誌:2020年3月

次女のパスポート

 3月です。今年の冬は暖かかったっすね~。

 さて、現在中学三年生の次女が、高校に進学後この夏から1年間米国に留学することになりました。 そのためのビザ申請等の関係もあり、残期間が1年以上あったパスポートをこの時期に更新しました。 あぁ~勿体ねぇなぁと思っておりましたが、開けてプチびっくり、査証欄(スタンプを押す部分)に葛飾北斎の富嶽三十六景が薄紫の上品な色で印刷されているんですな。 コレはオシャレだなぁ。11,000円払った甲斐がありましたよ。

 次女の留学先はウィスコンシン州。ビールはありそうですがワインは造られてないだろうなぁ ・・・って、次女はもちろん未成年なので関係ないですけどね。 新しい高校生活と留学生活、楽しんで頂ければ、と親は考えております。


29日(日)

 この週末、東京神奈川には外出自粛のお願いが出されています。そのため、お花見や飲みに行きたくても行けなくなった人も多いでしょう、 といことで急遽「バーチャルワイン会」を開催することにしました(告知ツイート)。 前回が年末だったので、3ヵ月ぶり4度目の開催です。

 お花見の季節だということと、案内したのが開催の2日前ということもあって、 今回は銘柄を指定するのではなく「ロゼワインを飲みましょう」とゆる~い参加条件にしました。 このコンセプトに共感して頂いた非常に多くの方に参加して頂いたように思います。

Mouton Cadet Rose 2018 [Baron Philippe de Rothschild]
名称Mouton Cadet Rose 2018
ムートン・カデ ロゼ 2018
生産者Baron Philippe de Rothschild
バロン・フィリップ・ド・ロートシルド
価格1,384円
購入店サミット 横浜岡野店

 そこで師範が今回のバーチャルワイン会用に急遽調達してきたのがこのロゼです。 かのロスチャイルド家が造るボルドー産、ワインに興味のある方であれば(赤や白なら)一度は見たことがあるであろう「ムートン・カデ」のロゼです。 ボルドーのロゼってちょっとマイナーな存在ですが、案外カッチリしてイケるワインが多い印象があったので、 「実はこういうの美味いんだぜ!」とドヤるつもりした。 ちなみに夕食はフグしゃぶ。雪の降る寒い一日でしたからね。

 色は非常に薄いオレンジ色、ピノ・グリあたりの白でもありそうな、言われなきゃロゼと判らないくらいの色合いです。 香りは・・・うーむ・・・って感じです。フルーティな感じよりも、生ゴムのような雰囲気が強くて、華やかさはありません。 味わいも、一切の甘さを排した硬派な味わい。酸味もユルくてボンヤリしていて、あまりパッとしないなぁ、コレ。

 ・・・というわけで、ドヤるつもりがこんな結果、 だもんでバーチャルワイン会ではこのワインに関しては無口になっておりました。 皆さんは美味しいそうなロゼをお召し上がりで羨ましかったな。 でも、こういう「開けてビックリ!」もロゼの楽しみ、ということで。

点数63点

28日(土)

「鍋島 純米吟醸 雄町」と「仙禽 初槽 直汲み せめ」

 「外出自粛せよ」なんて言われると、明るいうちから飲まざるを得ないわけで...

これまで飲んできた右の「鍋島 純米吟醸 雄町」に加えて、新たに投入したのが左の「仙禽 初槽 直汲み せめ」。

鍋島は、開けたのは3週前だけど、やっぱり厚みのある香りに力強い味わい。ちゃんと美味いっすよ。
対する仙禽は、すっごく華やか。セメダインみたいな香りでシュッとした味わい。 「せめ」ってのはセメダインの「セメ」かな?・・・なんてボケは置いといて、これも美味いなぁ。1700円ですよ奥さん。

 写真から感じる3週間前との違いは、グラスが曇っていることですな。暖かくなってきたよね。良い季節なのになぁ。

Montes Alpha Cabernet Sauvignon 2017 [Montes S.A.]
名称Montes Alpha Cabernet Sauvignon 2017
モンテス・アルファ カベルネ・ソーヴィニョン 2017
生産者Montes S.A.
モンテス S.A.
価格1,637円 (単品価格:2,420円)
購入店ワイン通販 エノテカ楽天市場店

 明るいうちからゆっくり飲めるとなると、やっぱり選ぶのは「濃い赤」ですね ・・・っていうか、軽いワインだと早々に飲み終わっちゃって、夜が手持無沙汰になりますんで。 そんなわけで今宵のチョイスはモンテス・アルファの中でも一番メジャーな品種であるカベルネ・ソーヴィニョン。 この銘柄、直近は2013と稽古済み。濃いのが飲みたい、というニーズには確実に応えてくれるはずです。 ちなみに料理は、鶏せせりの塩焼き、ラザニア、茄子の挽肉炒めにんにく味噌風味、たたきキュウリ、大根と人参とトマトの蒸し物です。

 色は、大ぶりのグラスに注ぐと全く向こうが透けないくらいの濃さがあります。紫というより赤黒い感じですね。もちろん濁っているわけではありません。 香りは、イカにもタコにもチリカベといった雰囲気。カシスやブルーベリーの果実香に、コーヒーやチョコレートや葉巻の香り、 フランス産にありがちな青さは控えめで、代わりにシラーズみたいなスパイスっぽさがあります。 味は、「濃い」以外の表現は思いつかないくらい濃いっすね。渋味しっかり甘味たっぷり酸味もそれなりにあって、それが結構仲良くまとまっています。

 単純に美味いです。そして1本飲み干すのにたっぷり時間が掛かるのも今日のニーズにはピッタリ。 ホント安定していますね、この銘柄。安心感ハンパないですな。 だからといって、ビストロとかのグラスワインにするにはちょっと濃すぎかも。一杯で粘られちゃって売り上げが伸びない可能性大ですな。

点数80点

27日(金)

Inzolia 2018 [Feudo Arancio]
名称Inzolia 2018
インツォリア 2018
生産者Feudo Arancio
フェウド・アランチョ
価格1,078円
購入店ワイズマート アトレ川崎店

 ここんとこ2週ほどお休みしましたが、毎週金曜日は「アランチョ祭り」でございます。 このお祭りに対する当局からの自粛要請は一切来ておりません(ドヤ!)。 本日は、手持ちのベーシックなラインナップからは最後の1本、要はアランチョ祭り最後の1本で、品種はシチリアの土着品種インツォリアです。 料理のメニューは、ブリのアラ炊き、鶏むね肉のカツレツ、チョレギサラダです。

 色は、濃くも無く薄くもないレモン色、だからこのクラスでは濃い方です。 香りのボリュームはそこそこ立派です。グレープフルーツのような柑橘類に、クチナシや沈丁花のような花の香り。 複雑さはありませんが、ストレートに良い匂いです。 味わいは、意外なほどしっかりしています。 甘味は糖度7.3と結構数値高めで、酸味は控えめ(pHメーター故障で計れず)、その他に旨味や軽い苦味もあって複雑。 かつ全体にカッチリした硬派な印象を受けます。

 全体の印象はグリッロに近いかも知れません。 昔の記憶と比較するのって物凄く難しいんですが、香りはグリッロが桃だったのに対してこちらはグレープフルーツ、 味わいはグリッロがドッシリだったのに対してカッチリ・・・って判んないっすよね。 比較はともあれ1,000円程度でこんなしっかり感のあるワインは出色ですよ。

点数78点

25日(水)

Gascogne Cabernet Sauvignon, Merlot & Tannat 2018 [Duffour Pere & Fils]
名称Gascogne Cabernet Sauvignon, Merlot & Tannat 2018
ガスコーニュ カベルネ・ソーヴィニョン, メルロー & タナ 2018
生産者Duffour Père & Fils
デュフール・ペール・エ・フィス
価格989円
購入店オーケーみなとみらい店

 本日の夕食は、師範代が昨日から作り置いてくれた豚バラの角煮と高野豆腐の煮物、 それに師範が拵えた野菜入り麻婆春雨と水菜のお浸し。 ワインは、ちょっとクセのあるヤツが良いと考え、選んだのはフランスは南西地区の赤。 お知り合いのmasayamaさんお薦め、オーケーストアで買いました。

 色はしっかりと濃くて青みのある紫色。カベルネやメルロに加えてタナですからね、そりゃ色は濃いでしょう。 香りは、カベルネの影響が一番強い感じで、ベリーの香りに加えてピーマンの青さがグイっと来ます。 樽の気配は全く感じません。 味わいは、色の濃さとは対照的にかなり軽い感じ・・・というか、そんなに軽くはないかもだけどギャップで軽く感じるのね。 甘さ控えめで渋味は固くて、なかなか硬派なあじわいです。

 このカタブツな感じは南西地区らしいな、と思います。時間をかければ開くかと思ったけど、相当が経っても固いまんま。 裏ラベルには『フルーティでスパイシーな香りと軽いタンニンと豊かな味わい』とありますが、師範の印象だと 「ベジタリーでスパイシーな香りと豊かなタンニンと軽い味わい」と思われます。

点数69点

23日(月)

McGuigan The Plan Pinot Noir 2019 [McGuigan Wines]
名称McGuigan "The Plan" Pinot Noir 2019
マクギガン "ザ・プラン" ピノ・ノワール 2019
生産者McGuigan Wines
マクギガン・ワインズ
価格768円
購入店サミット 横浜岡野店

 もともと台湾旅行は4泊5日の予定だったので、本日もお休みを頂いています。 午前中に道場アイドル、ハムスターの「しまちゃん」をペットホテル(※)に受け取りに良き、 その他日常の買い物に行った以外は一日の大半を北陸おさかなツアー 2020の執筆に費やしていました。 こういうの、長文書いても読者な方はほとんど興味ないと思いますが、「安ワイン道場」はあくまで「師範個人用備忘録」ですんで、 そこんとこよろしくお願いします。

 さて夕食のメニューは手羽元の唐揚げ、大根ツナサラダ、新玉ネギとトマトの卵とじ、冷やしトマト。 ワインはあまり疲れないヤツが良さそうだ、ということで豪州産の安ピノ・ノワールをチョイスしました。 道場近所のスーパーで買ったガチガチ3桁ワインです。

 色は、「コレってロゼ?」ってくらい淡い赤紫色。寒い地域で採れたんですかね?産地の詳細は書かれていないので判りませんが。 香りは、色が涼しげなのに反して結構肉感的。イチゴやチェリーのフルーツ香よりもケモノっぽさが勝っていて、南仏のピノ・ノワールみたいな香りです。 味わいは、渋味おだやか(というかほぼ無いに等しい)、甘味しっかり、酸味控えめ。 あまりワインを飲みなれない層に受け入れられやすいバランスだと思います。

 この値段で品種の特性が良く出ているワインだと思いますよ。味わいのバランスもウケが良さそうだし、 ケモノっぽい香りが苦手でなければ結構「買い」だと思われます。 こんなピノ・ノワールが気軽に1,000円以下、良い時代になったものです。

(※)ホテル代は5泊で5,000円。ご本人は1,000円ちょっとだったので、5匹買える値段です(笑)

点数72点

19日(木)~22日(日)

北陸おさかなツアー 2020

 三連休に休みをくっつけて、北陸おさかなツアー 2020に行って参りました。 一日分ずつ更新していく予定ですので、気長にお待ちください。

3/26 : 最終日(3/21)分を更新し、更新完了。
3/25 : 三日目(3/21)分を更新。
3/24 : 二日目(3/20)分を更新。
3/23 : 初日(3/19)分を更新。


22日(日)

Michel Schneider Silvaner Eiswein 2016 [Michel Schneider]
名称Michel Schneider Silvaner Eiswein 2016
ミシェル・シュナイダー シルヴァーナー アイスワイン 2016
生産者Michel Schneider
ミシェル・シュナイダー
価格1,496円
購入店ドン・キホーテ 横浜西口店

 三泊四日の「北陸おさかなツアー」から帰って参りました。いやー美味しかったな、 ツイッターには都度ツイートしていたけど、こちらにも旅行の様子はぼちぼちアップしていきますので乞うご期待!であります。

 そんな旅行の最終日、昼は富山の回転寿司でビールと清酒を頂いて、帰りの新幹線でビールとワインのミニボトルを頂いて、帰宅しすぐにまたビールを飲んでいるので、 ここからワインをフルボトルは厳しいと思い(当たり前か)、ぢょうど良い感じのデザートワインを開けました。 料理はもちろん、富山名物の「ますのすし」と石川名物の「車麩」のお吸い物です。

 色は、結構しっかりめのレモン色。当然糖度は高いので(19.9度)、ねっとり感があります。 香りは、バリバリのマスカット香とウソ偽りのないアイスワインの甘い蜜香がバンバン。 貴腐っぽいヒネた感じがないのがアイスワインの特徴ですね。 味わいは当然甘いです。薄めたハチミツみたいです。酸味が弱いので、ほんとシロップみたいな感じですね。

 お値段がアレだから、怪しいブツかと警戒したけど、中身はちゃんとしたアイスワインでした。 甘いワインに抵抗がない方にはキッチリお薦めできます。 旅から帰ってきての甘口ワイン、ホッコリしますなぁ。 今日1/3ほど飲んだので、これからチビチビ稽古して参ります。

 三日後の25日に再稽古。全然変わってないです。フルーツ感バリバリで甘露な液体、美味いっすね。

 随分間が空いた4月3日、やっぱり何の変化も無く普通に美味いっす。 甘口ワインバーは保存が楽かもですね。集客には苦労しそうですが。

 更に5日経過した4月8日、ちょっとだけ香りが抜けたというか、ドライフルーツ的な雰囲気になってきた気がします。 でも味わいは一緒ですね十分美味いです。

点数80点

18日(水)

Montes Alpha Pinot Noir 2018 [Montes S.A.]
名称Montes Alpha Pinot Noir 2018
モンテス・アルファ ピノ・ノワール 2018
生産者Montes S.A.
モンテス S.A.
価格1,637円 (単品価格:2,420円)
購入店ワイン通販 エノテカ楽天市場店

 水曜日は師範が調理担当ですが、いろいろ調整がうまくいかず、とりまセブンで買ってきた唐揚げとハッシュドポテトでスタート。 そんな料理?に合わせたのは、「モンテス・アルファ6本セット」からの4本目、品種はこれまで未稽古のピノ・ノワールです。 モンテス・アルファって、どちらかというと「濃いが正義」みたいな方向性だというイメージがあったけど、 先月稽古したシャルドネは案外上品な感じだったので、 このピノ・ノワールもそっち系ではないかと期待しつつ稽古します。

 色はちゃんと薄い、ちゃんとピノ・ノワールらしい赤紫色です。アシも長くてトロリとしています。 香りは・・・笑っちゃうくらいのチリ・ピノ感。いや、悪い香りじゃ無いんですよ、ダークチェリーのような赤い果実の香りに、 ペットショップのような動物的な感じ。加えてアメリカン・オーク的な焦げた木の香り、更にちょっとシラーっぽいスパイシーさもあります。 もう「ババーンッ!」ってくらい開けっぴろげな香りですな。 味もさぞかし・・・と思って口に含むとこれが案外素直でおとなしいのね。 ピノにしては酸味が弱く渋味がガチャガチャしていますが、ついつい飲み進めてしまう味わいです。

 いかにもタコにもチリのピノ・ノワールです。上品の対極、チラ見せの美学など微塵も無く裏のウラまで全部見せます!って感じ。 ただ、見た目は派手な化粧とファッションに身を包んでいるけど、根は素直な優しさのある田舎のヤング、といった雰囲気はあるかも。 自分でも言ってる意味があまり理解できませんが。

点数75点

15日(日)

Caramany Sous la Montagne 2016 [Maison Carrel]
名称Caramany Sous la Montagne 2016
カラマニー スー・ラ・モンターニュ 2016
生産者Maison Carrel
メゾン・カレル
価格1,136円 (6本セット6,911円(10%off):単品価格2,068円)
購入店京橋ワイン

 飽食の二日を過ごし、本日より道場は平常運転で参ります。 そんな今日の夕食は、次女のリクエストを聞き入れてお好み焼き。師範が作るお好み焼きは、小麦粉とキャベツが別の層になった広島「風」お好み焼きです。 そんな料理には、ややジャンクな味わいのワインが合うと思い、選んだのは南仏産の赤。 品種はシラー66%/カリニャン34%、パーカー氏が美味いってんだからジャンクな味わいでしょう。

 色は、上から下まで真紫。アルコール度数は14%、粘性もしっかり高い感じです。 ヴィンテージは2016年とそこそこ年月を経ているんだけど、そんな感じは外観からは全く見て取れません。 香りのボリュームはややおとなしめ。雰囲気は、シラー/カリニャンといった南仏系品種らしい、やや野暮ったい果実香と柑橘類の皮のような刺激香。 サイトの説明には「コーヒーのアロマ」とあるけど、少なくとも師範のポンコツ嗅覚では樽の気配は感じ取れません。 味わいは、渋みがしっかりしていて甘味もあって酸味は控えめ。「ジャンクっぽい」と言えばそうだけど、もう少し洗練された味わい。 味わい全体に柔らかくていい感じではあるんですよ。

 やっぱり師範はロバート・パーカー氏と嗜好の一致を認めざるを得ません、というか濃くしっかりしたワインが飲みたい時に、彼推奨のステッカーはやっぱり役立つのね。 この「パーカー【90点以上】赤ワインセット」は、中身を変えながら販売継続(現在このワインはリスト外)されているけど、濃いのが飲みたい時向けに買っておいても良いと思います。

点数77点

14日(土)

ジャンティエス・コマチ 入口

 昨日に引き続き、本日も「自粛ムードをフッ飛ばせ!」ってことで、ご近所レストランへ ・・・っていうか、師範宅の女性陣へのホワイトデーのお返し&次女の中学卒業祝い(&後付けで長女の運転免許取得祝い)の目的で予約したんですわ。 それが世の中こんな自粛ムードになろうとは・・・

 それはさておき、伺った店は道場から歩いて行ける距離にあるジャンティエス・コマチというフレンチ・レストラン。 2年前にも同じ目的で伺っております。 たまにしか行けなくて恐縮だけど、地元にこういうお店があるのはなんか町自体がオシャレな感じになって良いですな。

ジャンティエス・コマチ ビール

 本日の料理は、税サービス料別で6,200円のコース。 ぐるなびのクーポンを使うと乾杯のドリンクがサービスされるということで、最初は生ビールを頂きました。 銘柄は不明ですが、こうやってフルート型のグラスに入れて出されるとなんだか高級なビールのように感じますな。 実際、ビールサーバーの手入れも行き届いているのか、なかなか美味しい生ビールでありました。

ジャンティエス・コマチ アミューズ

 お迎えの一皿、アミューズがコレです。
 赤かぶのスープ、独活のフリット
独活(ウド)の苦みが春らしくて良いですねぇ。 あと、このお店の料理は全体にそうなんだけど、見た目が美しくてナイスです。インスタ映えすること間違いなしですよ。 合わせるのはビールじゃ無くてスパークリング・ワインだったかもですが。

ジャンティエス・コマチ 前菜

 そして前菜がコレです。
 鮮魚のカルパッチョ(ヒラスズキ、ヒラメ、ホタテ、マダコ、ホタルイカ)
こちらも春らしく、そして見目麗しい一皿ですね~。使われている食材の数がハンパ無くて、 さすがにこういう料理は自宅で作るのは無理だな、と思います。

Cheverny Delaille 2018 [Dom. du Salvard]
名称Cheverny "Delaille" 2018
シュヴルニー "ドライユ" 2018
生産者Dom. du Salvard
ドメーヌ・デュ・サルヴァ
価格980円 (Glass)
購入店ジャンティエス・コマチ

 ワインリストには、グラスワインが赤白泡で10種類くらい、ボトルだと50種以上あって、なかなか立派な品ぞろえです。 師範は当初、ボトルで1本注文して全部に合わせようと考えていて、 サービスの女性に「お手頃な値段のワインで、全体を通して合わせられるしっかりめの白か軽めの赤はありませんか?」とお聞きしましたが、 どうもピンと来るワインは無いご様子。確かに、リストには樽の効いてそうなシャルドネもピノ・ノワールもあるにはあるけど、お手頃と言うにはちょっと・・・って値段でした。 そんなわけで、本日は料理に合わせてグラスワインを出して頂く方針に変更しました。

 前菜に合わせて最初に出して頂いたのが、フランスはロワール産のシュヴルニー、品種はソーヴィニョン・ブランが84%、シャルドネが16%みたいです。 色はほぼ無色ですね。香りは、寒い地域のソーヴィニョン・ブランらしいハーブのような青い香りがいっぱい。長女曰く『生オリーブの香り』だそうです。 口に含むと、酸味シッカリ+軽い苦味でキリリとした味わい。品種の特徴が良く出ていると思います。

 春先のグラスワインとしてはなかなか秀逸だな、と思いました。過去を調べたら、 今は無きご近所イタリアンで5年前に稽古していて、 その時の印象も同じような感じだったみたい。造りが一貫していますね。

点数77点
ジャンティエス・コマチ パスタ

 このお店、ジャンルとしてはフレンチ・レストランだと思うけど、前菜とメインの間にパスタがあるのが特徴です。
 イチョウガニ、春キャベツ、キノコのパスタ
 隠し味に若い春菊が使われていて、これまた春らしい一皿ですね。 メニュー的にはこのパスタの前にガーリックトーストが出されているんだけど、 そこで炭水化物が重なったのが唯一気になった点でした。 パンは常に脇にあった方が師範は好きだな。

Singing Gruner Veltliner 2017 [Laurenz V]
名称Singing Grüner Veltliner 2017
シンギング・グリューナー・フェルトリナー 2017
生産者Laurenz V
ローレンツ・ファイヴ
価格1,050円 (Glass)
購入店ジャンティエス・コマチ

 そんな、春らしいパスタに合わせて出して頂いたワインがコレ、オーストリア産のグリューナー・フェルトリナーです。 グラスでのサービスですが、一本目で「写真を撮りたいのでボトルを見せて下さい」とお願いしたら、それ以降撮影用に、開いていないボトルを持ってきて頂けました。 こういうサービスは嬉しいですね。

 色は前のシュヴルニー同様、ほぼ無色に近い淡いレモン色ですが、わずかに緑の色調を感じる点が異なります。「グリューナー」ですからね。 香りは、ハッサクのような柑橘類の香りに、どこかクラフトビールのような穀物の雰囲気を感じます。決してネガティブな香りでは無いのですが、あまり嗅ぎなれない香りでもあります。 口に含むと、ちょっとだけ炭酸のシュワっとした感じがあって、甘さは控えめ、後味に軽い苦味。味わいのバランスとしては前のシュヴルニーに近い感じです。

 これまた春らしい料理に合わせやすい白でありました。 ペアリングでのサービスは、こういう新しい発見があるのが良いですね。 自分じゃなかなか頼まないもんね、オーストリアのグリューナー・フェルトリナーなんて。

点数76点
ジャンティエス・コマチ 魚料理

 メインの魚料理がこちらです。
 メバルとハマグリのブイヤベース
これまでの料理があっさり目の味付けだったのに対して、この料理はしっかり塩が効いています。 こういう味わいのメリハリがあるのが楽しいですな。

Richard Hamilton Almond Glove Chardonnay 2017 [Leconfield Wines]
名称Richard Hamilton "Almond Glove" Chardonnay 2017
リチャード・ハミルトン "アーモンド・グローヴ" シャルドネ 2017
生産者Leconfield Wines
レコンフィールド・ワインズ
価格1,150円 (Glass)
購入店ジャンティエス・コマチ

 このお店のワインリストには、世界各国からのワインが書かれていますが、 インポーターは(これまで見てきた限り)ほぼ全てピーロート・ジャパンのようです。 ピーロートのワインって、あまり一般向けに小売りはされていないので、よく見る銘柄ってのは少ないように思います。

 そして、しっかりめの味付けがされた魚料理に合わせて出して頂いたワインがコレ、 オーストラリア産のシャルドネです。この銘柄は4年前に利用した際に注文しておりますな。 もちろヴィンテージは前回のが2014年産で今回のが2017年産で違いますけど。

 色は、前の2本同様薄めではありますが、若干麦わら色がかった赤みを感じるのが品種の特性でしょう。 香りは、弱めながらリンゴっぽいフルーツ香と蜜香があるのがこちらもシャルドネらしい感じです。 そして、うっすらと樽香も感じられますね。 味わいは、前の2本とうって変わった厚みのある味わい。酸味控えめで甘味が結構あって、お手頃価格の豪州産シャルドネらしい味わいです。

 改めてワイン単体と向き合うと、正直普通というかありがちなニューワールドの廉価版シャルドネだと思うのですが、 やっぱりこういうお店でこんな風に飲むと、とても良い物を頂いているような気分になりますな。

点数75点
ジャンティエス・コマチ 肉料理

 メインの肉料理がこちらです。
 蝦夷鹿のロースト 赤ワインソース
この料理が無ければボトルで白ワインを頼んでも良かったんだろうけど、コッテリ赤ワインソースがかかった蝦夷鹿にはやっぱり赤ですよね。 このソース、いろいろなベリー系のフルーツが使われているようで、ワインとの相性が良いことは言うまでもありません。 付け合わせの焼き野菜も香ばしくてたいそうナイスです。

La Tremenda Monastrell 2016 [Enrique Mendoza]
名称La Tremenda Monastrell 2016
ラ・トレメンダ モナストレル 2016
生産者Enrique Mendoza
エンリケ・メンドーサ
価格1,050円 (Glass)
購入店ジャンティエス・コマチ

 ガッツリ赤身で血の味たっぷりの肉料理に合わせて頂いたのがコレ、スペインはアリカンテ産のモナストレルです。 キャップシールの部分には、この造り手にロバートパーカー氏が92点を献上した旨のステッカーが金色に光り輝いております。 裏ラベルには、6ヵ月間フレンチ・オークの樽で熟成された旨の記載があります。いかにも「パーカー氏推奨」っぽい感じですな。

 色はとても濃い紫色で、リーデルのシャルドネ・グラスに適量注がれた状態でも向こうは透けません。 香りは、熟したベリーの香りに加えて、スペインらしい田舎っぽさというか、枯草のような香りを感じます(長女曰く「出汁の香り」だそう)。 味わいは、外観通りのしっかりとした濃さがありますが、抜栓してから時間が経っているのか、アタリが柔らかくて、やや開き切った感じがありますね。

 グラスワインはいつ開けたのかで状態が違うのがリスクでもあり面白みでもあるわけで、このワインの場合は開けたてでガチガチな状態より良かったのかもです。 そして、やっぱりレストランではペアリングにしてもらうののが楽しいなぁ、と改めて感じましたよ。

点数74点
ジャンティエス・コマチ デザート

 デザートも春らしい一皿。
 フロマージュ・ブラン、イタリアン・メレンゲ、イチゴとみかんのソルベ
ホワイトデーらしいオシャレなデザートです。 このお店のデザートは、「アイスの実」みたいなシャーベットが使われているのが特徴ですかね。可愛らしくて良き!と思います。

ジャンティエス・コマチ デザート

 ・・・ってな感じのファミリー・ディナー、お値段は税10%とサービス料500円/人を加えて、トータル34,000円くらいでした。

 ちなみに、「自粛ムードをフッ飛ばせ!」なんて書いてますが、こちらのお店も昨日同様「自粛ムードなどどこ吹く風」、満卓の盛況具合でした。 そのほとんどが師範同様「ホワイトデーのお返し需要」っぽかったので、この日だけ特別なのかもしれませんが、賑わいがあるのは良いことですね。


13日(金)

デゴルジュマン カウンター

 折からの新型コロナウィルスの影響で、飲食業の皆さんはたいへん、とお聞きしております。 そんな自粛ムードをフッ飛ばせ!ってことで、久しぶりに亀戸のシャンパーニュスタンド デゴルジュマンに伺いました。 免疫力を上げるには、タップリのアルコールと炭酸を摂取するのが良いようです(自分調べ)

 今回、ご一緒して頂いた同志は澤村(日常アカ)さん。 「ご一緒」と言っても別会計、隣に座ってアレコレ話をしているだけですけどね。

Poilvert-Jacques Brut N.V. [Poilvert-Jacques]
名称Poilvert-Jacques Brut N.V.
ポワルヴェール・ジャック ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Poilvert-Jacques
ポワルヴェール・ジャック
価格(Glass /飲み比べ3種1,700円)
購入店デゴルジュマン

 こちらのお店でほぼ必ず注文するのが、「シャンパーニュ3種飲み比べセット」、お値段1,700円です。 以前よりちょっとだけ値上げされていますけど、以前が安すぎたと思います。 だって、量はハーフとは言えちゃんとしたグラスを3つも使って頂いて、この値段でシャンパーニュが飲み比べ出来るんですよ。 普通のレストランだとグラス1杯分の値段だよね。

 そして、この飲み比べに必ず組み入れられているのが、「安ワイン者御用達」のポワルヴェール・ジャック。 前回の稽古は1月にここを伺った時です。 いっつも稽古して、己の味覚嗅覚をキャリブレーションしております。

 このワインを頂くときに、店長から『いつもとちょっと違う気がします』と言われました。 さてさてどう違うのか真顔で稽古しましたが、外観に違いがありそうではありません・・・ってかそんな微妙な差は判りません。 香りは、焼リンゴっぽい雰囲気がちゃんとあって、特に違いは見出せません。 ただ、味わいはちょっと違うかも。いつもより舌を絞るような収斂性があるというか、なんとなくジンみたいな味わいというか。 いつもよりやや野暮ったい印象を受けました。

 結局どう違うのか聞き逃したので、ホントかどうかは判りませんが、味わいに関して良く言えば「複雑」、悪く言えば「雑」な感じがしましたよ。 まぁ1本2,000円前後のアフォーダブル・シャンパーニュですからね、多少のバラツキは許容範囲でしょう。

点数77点
Thierry Triolet Cuvee de Reserve Blanc de Blancs N.V. [Thierry Triolet]
名称Thierry Triolet "Cuvée de Réserve" Blanc de Blancs N.V.
ティエリー・トリオレ "キュヴェ・ド・レゼルヴ" ブラン・ド・ブラン (ヴィンテージ無し)
生産者Thierry Triolet
ティエリー・トリオレ
価格(Glass /飲み比べ3種1,700円)
購入店デゴルジュマン

 飲み比べの2種類目は、ティエリー・トリオレのブラン・ド・ブラン。品種はシャルドネ100%ですね。 1年前に伺った際に稽古したものと外観は酷似しておりますが、 あの時のはブラン・ド・ブランじゃ無かったと思います。 こうやって、ちょこちょこ飲み比べの銘柄が変わるので、また伺おうって気になるんですよ。 ココ大事なポイントですね。

 色は、ブラン・ド・ブランだからって無色透明ってわけではなく、前のポワルヴェール・ジャックと大きな違いはありません。 香りは・・・うーん、あまり違いが判らんな(爆)。こちらもリンゴとハチミツの香りがします。雑な嗅覚でスミマセン。 味わいは、前のよりもより柔らかというか、繊細な感じがしましたよ。

 全体に個性を強く押し出すタイプでは無く、すっきりキレイでややおとなしい感じのシャンパーニュだと思いました。 もちろん、「シャルドネ100%だから」という先入観があることは否めません。師範の味覚嗅覚なんてそんなもんですよ。 それでも、というかそれだから飲み比べは楽しいんですな、

点数78点
Gatinois Brut Tradition N.V. [Gatinois]
名称Gatinois Brut Tradition N.V.
ガティノワ ブリュット・トラディシオン (ヴィンテージ無し)
生産者Gatinois
ガティノワ
価格(Glass /飲み比べ3種1,700円)
購入店デゴルジュマン

 飲み比べの3種目は、道場初登場の造り手ガティノワ。 そんなにマイナーな造り手ではないと思うだけど、今日の時点でシャンパーニュと365回も稽古している中でお初というのはちょっと意外でした。 畑はアイ村のグラン・クリュ、セパージュはピノ・ノワールが90%の「ほぼブラン・ド・ノワール」とのことです。

 まずこのシャンパーニュで特徴的なのは、その色にあります。 まるでロゼのような、明らかな薄ピンク色。ピノ系が多いことが見ただけで判ります。 香りも、ベリーっぽい雰囲気がちゃんとあって、なかなか華やかな香りです。 味わいは、見た目や香りほどの赤っぽさはないけど、どことなくフィサンやマルサネあたりのロゼのような、ツーンとトーンの高い酸が効いていて美味しゅうございます。

 今回の3種飲み比べではコレが一番だったかな。やっぱり師範はおとなしいのより判りやすいのが好きみたいです。 ただ、あくまで「グラスで飲んだら」ではあるかも。マル一本だと印象が変わることはしばしばありますからね。

点数81点
デゴルジュマン ぐっさんのテリーヌ

 料理は、いつもは最初「シャンピニオンのテリーヌ」をお願いするのですが、 今日はあの三軒茶屋の名店「BISTRO g3」の大将が拵えた 「ぐっさんのテリーヌ」があるじゃぁありませんか! ってことでそちらを注文。お値段は980円也でございます。

 肉料理がお得意のぐっさんの料理らしく、ゴロゴロ入った肉塊が肉肉しくて、たいへんよろしゅうございます。 添えられた粒マスタードやバルサミコソース(だよね?)で味変しながら頂くと、この一皿でグラス3杯は軽く粘れますよ。

Charlier & Fils Carte Blanche Brut N.V. [Charlier & Fils]
名称Charlier & Fils "Carte Blanche" Brut N.V.
シャルリエ&フィス "カルト・ブランシュ" ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Charlier & Fils
シャルリエ&フィス
価格1,300円 (Glass)
購入店デゴルジュマン

 ここからは普通にグラスで頂いております。まず最初に出して頂いたのは、こちらのシャルリエ&フィスという造り手のシャンパーニュ。 こちらも道場初登場の造り手ですな。 師範がサイトを始めた2000年以前、シャンパーニュというとモエやヴーヴ・クリコ、ポメリーにランソンくらいしか見かけなかった印象がありますが、 いまやいろいろな造り手のシャンパーニュが入ってきております。良い時代になったなぁ。

 ちなみにコレを飲み始める時、北海道から別の目的で上京されたharupiroporenさんが、 30分だけ時間を作ってわざわざ師範に会いに来てくれました(ってことにさせて下さい)ので、一緒に乾杯しました。

 色は、普通にシャンパーニュの薄黄金色です。でも香りのボリュームと内容がこれまでのとはちょっと違って1ランク上な感じがします。 裏ラベルを見ると"Une vinification exclusive en Foudres de Chéne (tonneaux de grande capacité)"の文字があります。 やっぱり木樽発酵させているんだな、師範はシャンパーニュに関しては木樽賛成派です。 味も、前の3種より明らかに濃い感じで、しっかり飲み応えがあります。

 これは美味かったな。この日に頂いたシャンパーニュ6種(6種!ですよ奥さん!!)の中ではコレがピカイチでした。 お値段は1杯1,300円なので、特にプレミアムでは無く普通のお値段(というか普通の店なら激安)、これはお薦めです。 白と赤を頂いた後でおかわりもしましたよ。

点数85点
デゴルジュマン ぐっさんのテリーヌ

 haruさんからは、手土産に「びえいのコーンぱん」を頂きました。ありがとうございます。 一切れを大事に道場までお持ち帰りして、家族でありがたく頂きました。ごろごろコーンがいっぱいのパン、大変美味しゅうございましたよ。

Baudvin Brut Evidence N.V. [Baudvin]
名称Baudvin Brut Evidence N.V.
ボードヴァン ブリュット・エヴィデンス (ヴィンテージ無し)
生産者Baudvin
ボードヴァン
価格900円 (Glass)
購入店デゴルジュマン

 本日伺うことを事前にお伝えしていたので、店長曰く『安ワイン道場向きのシャンパーニュをいろいろ用意しております』とのこと。 グラス1杯3桁で楽しめる銘柄が数種類ありました。 やっぱりね、普段から「私は高級シャンパーニュの価値はあまり判りません」と豪語?している甲斐があるってもんです。 ってか商売的には旨味の無い客でスミマセン。その分こうして世界に向けて情報発信させて頂きます。

 そしてこのボードヴァンという造り手も道場初登場です。 裏ラベルによれば、「ピノ・ノワール40%/ピノ・ムニエ40%/シャルドネ20%、瓶熟36ヵ月、ドサージュ4g/L、残糖度7.05g/L、ガス圧6.6bars」とのこと。 こういう細かい情報を記載してくれているインポーターのエイ・エム・ズィーさんグッジョブです。

 ・・・と、具体的なワインの内容以外のことをいろいろ書いているのは、正直あまり印象に残っていないからであります。 メモには「色うすめ、香り柑橘系」と書いているので、これまでのよりも柑橘類のフレッシュ感を感じるシャンパーニュだったんだろうと思います。

点数(78点)
Chaudron Carte Blanche Brut N.V. [Chaudron]
名称Chaudron "Carte Blanche" Brut N.V.
ショードロン "カルト・ブランシュ" ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Chaudron
ショードロン
価格900円 (Glass)
購入店デゴルジュマン

 そしてこちらもグラス1杯900円の「安ワイン道場向け」シャンパーニュでございます。 輸入元はオーバーシーズ、コーヒー屋の「カルディ」で売られているワインのインポーターですな。 でもカルディでは見たこと無いなぁ、この銘柄。 シャンパーニュの最大手と似た綴りの銘柄名なので、「優良誤認を狙ったのか?」と訝しがったけど、 "Famille en Champagne Depuis 1820"の文字があるので、古くからの家族経営ネゴシアンのようです。

 で、このシャンパーニュに関してもあまり詳しくは覚えていないんだよなぁ。 色や香りは、前のボードヴァンに酷似していたと思います。 味わいは、メモに「若干甘い?」と書いているので、甘めに感じたのでしょう。

 こうやっていろいろ飲んでみると判ってくるのは、無名な低価格のシャンパーニュは比較的どれも同じような香りや味わいであるということ。 もちろんそれなりのクオリティがあって、さすがはシャンパーニュではあるんですが、他の地域みたいなバクチ感や掘り出し物感が希薄なように思いました。

点数(78点)
デゴルジュマン 天然真鯛のポワレ・あおさ海苔のバターソース

 料理ももう一皿注文しております・・・ってかたった2皿っすよ。食べない客でスミマセン。

 その2皿目がコレ、店長渾身の一品「天然真鯛のポワレ・あおさ海苔のバターソース」。 春らしく付け合わせにウルイが添えられています。 カウンターのみのワインバーなのに、こういう本格フレンチみたいな料理が食べられるのが、このお店の良いトコロでもあります。

Orasul Subteran Viorica 2017 [Cricova]
名称Orasul Subteran Viorica 2017
オラシュル・スブテラン ヴィオリカ 2017
生産者Cricova
クリコヴァ
価格650円 (Glass)
購入店デゴルジュマン

 シャンパーニュはこれ以上飲んでも違いが判らん!と悟ったからではありませんが、白が飲みたくなったので、店長にお勧めを伺うと、 『モルドヴァの白が面白いです』とのご回答。いやいや、そりゃモルドヴァってだけで面白いでしょう。 道場でも一時期、「アスコーニ」って造り手のモルドヴァ産ワインがとてもコスト・パフォーマンスが高いってんで稽古しておりました。 でもそれは「ボルドー風のワインが安く楽しめる」という理由であって、こういう土着品種と稽古するのは2回目(1回目は20年前のこの時)です。

 色は、とても薄めで無色に近い感じでした。 香りは、まるでゲヴュルツトラミネール、いやミュスカかな? ライチとマスカットのフルーティな香りがバンバン香ります。 こりゃ甘いかな?と口に含むと、予想に反してガッチリ辛口。 酸味はそれほどでもないけど、ミネラルを感じる軽い苦味もあって、なかなかシャープな味わいです。

 確かにこれは面白いワインですな。しっかしモルドヴァの土着品種が味わえるワインバーって珍しいよね。 あ、念のためにお伝えしておきますと、このお店のスティルワインは南アフリカ産が多いです。 こういうキテレツなワインがメインなわけでは無いのでご安心を。

点数77点
Pandiculation 2015 [Rascallion]
名称Pandiculation 2015
パンディキュレーション 2015
生産者Rascallion
ラスカリオン
価格700円 (Glass)
購入店デゴルジュマン

 ・・・というわけで赤は南アフリカ産です。南アに詳しい澤村さんは既にご存じのようでしたが、師範は初稽古の銘柄です。 インポーターは、南アフリカ産といえばココ!なマスダさん。 その裏ラベルによれば、品種は「シラーズ他」、 銘柄名の"Pandiculation"は「心地よい目覚め」とのことです。

 色は、グラスの向こうが全く透けない濃い色合いです。 香りは、抜栓してすぐだったこともあり、最初は閉じておりました。 ところが、これが面白いように開いてくるのね。 まさに「心地よい目覚め」を体現したような開き方。 どんどん果実とバニラの香りのボリュームが増してくるし、味わいもジューシーさが湧き出てきます。

 小売価格をお聞きしたら、2,000円以下とのことです。そりゃお得ですな。 抜栓直後と時間が経ってからとの変化が大きくて、一人でじっくり一本飲むともっといろいろ見えそうなワインではありました。

点数79点
Nuits Saint Georges 1er Cru Clos des Forets Saint Georges 2011 [Dom. de l'Arlot]
名称Nuits Saint Georges 1er Cru "Clos des Forets Saint Georges" 2011
ニュイ・サン・ジョルジュ プルミエ・クリュ "クロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ" 2011
生産者Dom. de l'Arlot
ドメーヌ・ド・ラルロ
価格2,500円 (Glass)
購入店デゴルジュマン

 ここで一回シャンパーニュに戻って(コレ)、それでもやっぱりもう一杯赤が飲みたくなったんですよ。 店長は『今日はあまり赤が開いて無いんですよ~』と言われていて、「本日のワイン」の看板を見て、結果的に赤の中では一番お値段が立派だったコレに眼が止まりました。 ブルゴーニュの名手「ドメーヌ・ド・ラルロ」の一級畑、モノポール(単独所有畑)であります。ヴィンテージは2011年、行ったれ~!って感じです。

 色は、コート・ド・ニュイのピノ・ノワールらしい、キレイに澄んだ赤紫色。 ザルトのブルゴーニュ・グラスという金魚鉢みたいなグラスで頂いたのですが、 もう鼻を近づけただけで木イチゴとバタークッキーの香りがバンバン来ます。 もうこの香りを嗅いだだけで代金2,500円を取り返したも同然です。 味わいは、グラスに注がれてすぐは温度が低かったので冷たい感じでした。 手のひらで温めたりして温度が上がるのを待ちましたが、それでも味わいの冷たさは一貫していました。 酔っ払いですから、シュッとした酸味を冷たさと勘違いしていたのかも知れません。

 とにかく香り吟醸なワインでしたな。グラス一杯2,500円、師範としては清水の舞台から飛び降りるくらい思い切った感じだったんですが、 よく考えたらワインバーでグラス2,500円なんて普通、というか廉価なワインだよね。つくづく金銭感覚が良い方に狂うお店です。

点数88点
デゴルジュマン メニュー板

 終わるころには元日にも一緒に飲んだTZKさんも合流されて、 今週の目玉シャンパーニュであるテタンジェのコント・ド・シャンパーニュ2000の香りを嗅がせて頂いて・・・って感じの「自粛ムードをフッ飛ばす」会でした。 お会計はちょっとだけ振る舞い酒させて頂いた分も含めて15,000円くらい。 これだけ飲んでこのお値段は極めて良心的ですよ。お付き合い頂いた皆様、ありがとうございました。


11日(水)

卒業式

 本日は次女が通う中学校の卒業式。あいにく新型コロナウィルスの影響で、卒業生のみの式典参加で父母は参加無し。 そういえば9年前、次女が保育園を卒園する時も、東日本大震災の影響で規模縮小した卒園式でした。 つくづくツイてない学年だなぁ、でもこうやって無事卒業できたので良しとしましょう。3年間よく頑張りました。

 そしてたまたま今日、長女が自動車教習所の卒検に合格したとのこと。こりゃダブルでお祝いだな。 東日本大震災からちょうど9年目、幸いなことに家族みんな健康で暮らせていることに感謝しつつ、美味しい料理とお酒を頂きます。

Resonance Willamette Valley Pinot Noir 2015 [Resonance Vineyard (Louis Jadot Estates)]
名称Résonance Willamette Valley Pinot Noir 2015
レゾナンス ウィラメット・ヴァレー ピノ・ノワール 2015
生産者Résonance Vineyard (Louis Jadot Estates)
レゾナンス・ヴィンヤード (ルイ・ジャド・エステーツ)
価格3,141円 (通常価格:5,378円)
購入店うきうきワインの玉手箱

 お祝いということで夕食は超豪華版。前菜はモロッコ産と本マグロとノルウェー産サーモンのカルパッチョ、 メインは豪州牛のサーロインステーキw/赤ワインソース、それに加えて黒毛和牛A5ランクのサーロインステーキ、 更にハンガリー産のフォアグラをソテーしたものを添えます。 サラダは水菜と大根のサラダ、スープはクラムチャウダーです。

 そんな豪華版の料理に、普通の安ワインを合わせるってわけには行かないでしょう!・・・というわけで鼻息荒く選んだのは、 半年前に買った「うきうきワインの福袋 ピノ・ノワール3本 15,000円」から、米国はオレゴン産のピノ・ノワール。 造り手は、ブルゴーニュの大手ドメーヌ兼ネゴシアンの「ルイ・ジャド」の経営のようです。

 色は、そんなに濃いわけじゃないけどピノ・ノワールとしてはやや青みがあるように感じる紫色。 そんなにネットリではありませんが、先入観からかなんとなく高級品みたく感じる見た目です。 香りは・・・おとなしい、というかかなり違和感。 プラムのようなトーンの高い果実香はちゃんとピノ・ノワールではあるけど、なぜかかなり肉っぽい生臭さがあるのね。 なのでブラインドだと「グルナッシュ?」って言っちゃいそうではあります。 味わいは、渋味穏やか甘さほんのり酸味そこそこ。ブルゴーニュだったらかなり南のシャロネーズあたりな雰囲気。 チリチリっとした刺激がどことなくスパイシーで、そちらは南ローヌのワインみたいです。

 オレゴン州って、西海岸でもかなり北の方なんでもっと寒い地域のピノ・ノワールを想像していたけど、 蓋を開けるとブルゴーニュだとかなり南、ローヌにまで突っ込んじゃったくらいな感じです。 香りのボリュームもそれほどでもなく、味わいもどことなく野暮ったい。 通常価格の5,000円以上出すんであれば本場ブルゴーニュか南アフリカあたりの方が満足度が高いと思われます。 でもまぁそれが福袋の楽しみだし、いい歳こいたオトナは転んでも泣いたりしません。

 ・・・ってかコルクにはくっきり黒い筋が入っています。これはアレだな、敏感な人なら「間違いなくブショネですね」って言うヤツかなぁ。 師範レベルのド素人ではそれを断言することは憚られますが、極めて黒に近いグレーだったのではないかと思います。

点数(67点)

8日(日)

ヱビス 雫

 雨でやることが無いので食前酒タイムが繰り上げスタート、本日のお供は「ヱビス 雫」。 近所のセブンイレブンでゲットしたものです。

 サイトの説明によれば『穀皮分離製法を採用し穀皮に含まれる雑味成分を軽減』らしいけど、 確かに通常のヱビスより軽い感じはします。 それを『上質で凛とした味わい』ですってよ。上手いこと言いますね。

 言わば「ヱビス・ライト」あるいは「クリア・ヱビス」。どの層を狙ったのかはわかんないけど、美味いっちゃ美味いです。

Montes Alpha Syrah 2017 [Montes S.A.]
名称Montes Alpha Syrah 2017
モンテス・アルファ シラー 2017
生産者Montes S.A.
モンテス S.A.
価格1,637円 (単品価格:2,420円)
購入店ワイン通販 エノテカ楽天市場店

 本日の夕食は、ジンギスカン、プルコギ、牛カルビ焼きという、味の濃い肉料理三連発。それにレタスサラダと海藻のお浸し。 そんなメニューに合わせるには味の濃い赤ワインが良かろうと思い、選んだのはチリ―産のシラー。 モンテス・アルファ6本セットからの3本目。直近では2015と稽古済みの銘柄、 安定の美味しさを約束してくれるものと期待して抜染します。 前述したように繰上げスタートでの食前酒開始なので、ワインも早めに開けてジックリ開かせていきました。

 色はめっちゃ濃いです。液体の厚さが10mmを超えると既に透けない感じ、もう黒ですよ黒! 香りもめっちゃ濃いんですな。カシスのような甘くて黒いフルーツの香りと、シラーらしい粒胡椒の雰囲気、そして樽由来であろうチョコレートやコーヒー。 香りの要素もボリュームもタップリです。味わいも、無慈悲なくらい甘渋くて濃いです。まるで干しブドウから醸造したかのようなパワフルさに最初は面喰います。 こりゃ早めに抜栓&稽古スタートして正解だと思いました

 あまりのパワフルさゆえ、抜栓当初はグラス一杯飲み干すのにも気合が必要な感じだったけど、抜栓後時間が経つと・・・経ってもやっぱり気合が必要です。 いやー、濃いよコレ。こりゃ強いわ。

 比較的万人ウケしそうなモンテス・アルファのラインナップの中で、この銘柄は抜染後14日間隔離した後に飲むべき!くらいの固さ。 「濃い役担当」なんですかね?前回の印象もそんな感じでしたから。 お相撲さん並みの酒豪な方にはバッチリお薦めですが、半面「飲みやす~い」をお求めなカフェバー系には全く不向きです。

点数79点

7日(土)

鍋島 純米吟醸 雄町 と 獺祭 等外

 本日の食前酒は、一ヵ月前に買った獺祭 等外と、先ほど横浜君嶋屋で買ってきた鍋島 純米吟醸 雄町。 飲み比べていきます。

 獺祭の等外は、裏ラベルに「等外米を使った酒は劣化のスピードが速い」と書かれていますが、 師範のポンコツ舌にはさほど変わったようには感じられず、梨やメロンのようなフルーティさとキレイな味わいを保っているように思います。

 今日明けた鍋島の雄町は、グラスの内側に軽く気泡が着く程度にガスが残っています。香りは・・・ボリュームが全然違いますね。 パイナップルのような、もっと南のフルーツのシャープな香りがします。味わいも、炭酸のチリチリ感含めガツン!と来ます。 雄町って、こういう男っぽい品種なんでしょうか。だとすれば名前のまんまで覚えやすいな。

 抜栓時期が違ってフェアな比較じゃ無いけど、こうやって飲み比べると、明らかに鍋島に軍配。 やっぱり獺祭は抜栓当初よりはおとなしくなっちゃってたのかな?とも思います。 ちなみに抜栓後の保存は、そのまま栓をして低めの温度(7℃くらい)のワインセラーに立てています。

Franciacorta Primun Brut N.V. [La Valle]
名称Franciacorta Primun Brut N.V.
フランチャコルタ "プリム" ブルット (ヴィンテージ無し)
生産者La Valle
ラ・ヴァレ
価格2,303円 (9本セット8,729円(10% off):単品価格4,190円)
購入店京橋ワイン

 それはそうと春ですねぇ~、ということで本日のメニューは天ぷら。 天ダネは、エビ、鶏ささみw/梅肉、タラの芽、ベビーコーン、オクラ、ピーマン、ブロッコリー(今朝「食彩の王国」で見た)。 やっぱ揚げ物は美味いっすよね。 そんな料理に合わせたワインは、送料込み9,698円の10% offで買ったイタリアワイン9本セットからの最後の一本。 中途半端に大事な感じがしていて、なかなか開ける機会が無かったのね。

 色は、やや濃い目のレモン色で、泡立ちも泡のキメ細かさもシャンパーニュに全く遜色ない感じです。 香りは・・・これ普通のシャンパーニュより凄いんじゃないの?って感じ。 まずナッツみたいな香ばしさがあるんですよ、まるでクリュグみたいに。 その他、カサブランカみたいな派手系白花の香りとか、焼リンゴの香りとか、「香りのスーパーマーケットやぁ!」です。 味わいもナイスです。酸味と甘味のバランスが良く、後味に残る感じが長い長い。純粋に美味ぁです。

  「フランチャコルタはモノによってはシャンパーニュを超える」ってのは事実だな。 コレめっちゃ美味いっす。泡モノに関しては、そんなに低い点数も高い点数も付けない(総じて「普通に美味い」と感じる)師範にあって、 これはアタマ一つ抜け出ていると思います。

点数85点

6日(金)

Feudo Arancio Rosato 2018 [Feudo Arancio]
名称Feudo Arancio Rosato 2018
フェウド・アランチョ ロザート 2018
生産者Feudo Arancio
フェウド・アランチョ
価格915円
購入店酒類の総合専門店 フェリシティー

 「金曜日はアランチョ祭り」もいよいよあと残り2本となって参りました。 本日の稽古相手は、フェウド・アランチョのエントリークラス唯一のロザート。 ロゼって、イタリアでは"Rosato"=「ロザート」、スペイン語では"Rosado"=「ロサード」、すぐごっちゃになるんだよな ・・・ってな記憶力の無さ自慢は置いといて、夕食メニューはスモークサーモン、豚生姜焼き+キャベ千、BLTスープ、水菜のお浸し。 調理担当が師範だったので、相性的な観点では最初のスモークサーモンが狙いです。

 色は薄めのサーモンピンク。狙い通り、スモークサーモンとほぼ同じ色調(でも薄め)です。 香りは・・・弱いっす。ラズベリーやイチゴみたいな赤い色合いのベリーの香りがほんのりする程度、 品種はネロ・ダヴォラらしいですけど、同銘柄の赤のネロ・ダヴォラとはずいぶん違う香りです。 味わいも軽いのね。甘さ控えめ酸味も控えめ、かといって旨味なんかがあるでも無くて、トータルで軽い味わいです。

 いや正直ね、このロゼに一番期待していたんですよ。シチリア島でしょ、きっと「ガツンと濃い男のロゼ」じゃないかと。 結果は、ロワールのアンジューあたりのロゼから甘さを引いたくらいの感じでした。 花見に持ち出すというより、地中海のビーチで泳いだ後に、ビール代わりにキンキンに冷やしたコイツで口の周りの海水を肴にグビッと飲る、って感じです。

点数69点

4日(水)

Chateau Andron Blanquet 2008 [Ch.Andron Blanquet (Domaines Audoy)]
名称Chateau Andron Blanquet 2008
シャトー・アンドロン・ブランケ 2008
生産者Ch.Andron Blanquet (Domaines Audoy)
シャトー・アンドロン・ブランケ (ドメーヌ・オドワ)
価格2,031円 (単品価格:3,218円)
購入店うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食当番は師範で、メニューは青椒肉絲(w/CookDo)、春巻き(お惣菜)、レタスとキュウリのチョレギサラダ、フカヒレスープ(w/Knorr)。 毎度の手抜き料理です。でも師範自身は十分美味いと感じるし、家族も「美味い」っつって食べてくれるんで、家庭料理はこれで十分。 本当に美味しい料理は外に食べに行きましょう。

 そんなメニューに合わせたワインは、昨年の6月の楽天スーパーセールで買った、「うきうきワインの玉手箱」の福袋(通称「うき袋」)、6本1万円のセットから。 ボルドーはサンテステフの赤、ヴィンテージは2008年。 平日に単品価格3,000円強は甚だ贅沢ではありますが、たまたま今日の午後8時からまた売り出されるんで買っちゃう予定、なので前のは飲んじゃいましょうということにした次第。

 期待を込めて抜栓。コルクは造り手とヴィンテージが印字された立派なもので、液面に触れていた部分だけがビロードのような紫色に染まっている良好な状態。 こりゃ期待が膨らみます。グラスに注いで色を確認、ヴィノム・ボルドーに適量注いで向こうがギリギリ透ける濃さ、そしてエッジに僅かにレンガ色。 更に期待が膨らみます。 香りは・・・バッチリで~す!まずボリュームが立派、クワーっと香ります。雰囲気は間違いなく高級ボルドーのプチ熟成品。 ドライプルーンのような果実の香りに、枯れ葉(葉巻の葉?)やキノコのような土っぽさ、そして全体に薄く広く溶け込んでいるバニラの香り。 品種はカベルネ・ソーヴィニヨン60%,、メルロ25%、カベルネ・フラン15%らしいけど、「確かにそうっすよね!」なんて言っちゃいそうな良く出来た左岸の香りです。 これで味わいにもパワーがあれば「お宝発見!」なんだけど・・・香りの印象の割には軽い味わいです。 でもあくまで「香りの印象の割には」です。渋味はまだしっかりしているけど甘さと酸味はやや軽め、重心の高いボルドー、といった感じの味わいです。

 香りは間違いなく大当たりボルドーですが、味わいがやや乾いています。「サンテステフ」の乾いた語感そのままな感じ。 でも、おかげで飲み飽き要素は一切無いし、税別だと稽古範囲価格&福袋割り戻し価格2,000円程度で、正統派のプチ熟成ボルドー左岸が飲めるのはアリ寄りのアリです。 次のセットに入っていてもガッカリしませんよ。

点数81点

3日(火)

Heretat El Padruell Rose Brut N.V. [Jaume Serra]
名称Heretat El Padruell Rosé Brut N.V.
エレタット・エル・パドゥルエル ロゼ・ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Jaume Serra
ハウメ・セッラ
価格550円
購入店カクヤス 保土ヶ谷店

 本来火曜日は休肝日ですが、三月三日はひな祭り、有名な唄にもあるように『三月~は雛祭りで酒が呑めるぞ~』なわけですよ。 だもんでワインを開けちゃいます。選んだワインは、昨年末に稽古済みのロゼ・カバ、意外と好印象だったので買い足したもの。 なんたって税別500円ですよ!そしてロゼでスパークリング、雛祭りにピッタリじゃぁないですか!!聞いてますかそこの奥さん!!!

 閑話休題、本日の夕食は、天然ヒラメとマグロとサーモンが乗ったちらし寿司、菜の花の酢味噌和え、蛤のお吸い物、鶏手羽先の唐揚げ。 雛祭りらしいメニューじゃぁありませんか!ちなみに我が家のお雛様の一人、長女は関西方面に遊びに行って不在です。 USJが休業しているんでプンスカしておりました。ガラガラの京都を楽しんでいると思います。

 さて抜栓。今回は栓の密閉度はしっかりしていたように思います。でも、やっぱりガス圧は低めかな?目で捉える分には泡の勢いはあまりありません。 色は、前回同様ロゼらしいキレイなピンク色で、香りもベリー感がしっかり残った濃いめの香り。黒ブドウ比率が高いんだろうと思われます。 味わいも、正直これが500円ってのはやっぱり凄いと思うんだよな。そりゃシャンパーニュとは違いますよ、でも500円ですよ奥さん!(本日奥さん2回目)

 前回はクリスマスに向けてのお薦めアイテムとして紹介しましたが、今回はお花見に向けてのお薦めアイテムとして紹介させて頂きます。 美味いっすよコレ! 特に今回は、ピノ・ノワールみたいなペリーっぽさを強く感じました。 今現在も500円で売られているかどうかは調べていないので判りませんが、まだあったら間違いなく「買い」ですよ奥さん!(本日奥さん3回目)

点数74点

1日(日)

コロナ・エクストラ サントリー プレミアムモルツ 初仕込2020

 春はビールが美味しい季節ですねぇ~、ということでこの週末、ワインの前にきっちりビールと稽古させて頂いております。

 左写真が昨日飲んだコロナ・エキストラ。風評被害で売り上げが落ちているらしいので、「飲んで応援」です。 真夏のビーチがよく似合う軽いビールですが、意外と甘さを感じるのね。だから柑橘を添えるのかな? え?コロナはグラスに注がない?レモンじゃ無くてライム?そこが突っ込みドコロナ~

 右写真が本日飲んだサントリー プレミアムモルツ 初仕込2020。 ちょっと前に買って冷蔵庫に放置、「今さら初仕込?」ってなっちゃいました。 普通のプレモルとの違いは師範には全く判りませんが、普通に美味いです。 あたしゃあ「普通」で十分だわ。

Chateau Sakaori Koshu Dry 2018 [Ch. Sakaori]
名称Chateau Sakaori Koshu Dry 2018
シャトー酒折 甲州ドライ 2018
生産者Ch. Sakaori
シャトー酒折
価格(寄付金額:5本セット30,000円)
購入店山梨県山中湖村

 久しぶりに松原商店街に買い物に行ったら立派なサバがお安くなってございます、ということで本日の夕食は鯖寿司。 他にはタコとブロッコリーとトマトのサラダ、菜の花のお浸し。 ワインは、昨秋にふるさと納税の返礼品で頂いた「山梨ワイン5本セット」からの最後の1本。 税金の払い先を変えるだけでワインが飲めるって嬉しくないっすか?

 色は、ほんのりオレンジ色っぽさを感じる薄麦わら色。粘性は低くサラリとしています。 香りのボリュームはそこそこあって、雰囲気はいかにも甲州種・・・と言っても伝わらないと思いますが、 橙や酢橘のような柑橘類の香りに、清酒の吟醸香みたいな雰囲気。もちろん樽香なんかはありません。 味わいは、甘さ控えめで酸味も強くなく、旨味と後味の苦味が特徴的です。

 甲州らしく、食事の邪魔をしないということにかけては一級品だと思われます。 特に鯖寿司なんかと合わせようとすると、こういう白じゃないと!って部分はありますね。 ただ、まぁ地味っちゃ地味です。このワインにとっては「和食に合わせて一人でしみじみ」が最高の舞台だと思います。

点数70点
鯖寿司に合わせてシャトー酒折甲州ドライ

 とは言えやっぱり和食には日本ワインだよなぁ。別に「他は一切合わない」ってことは全く無いだけど、 青魚とかの魚介類には甲州を合わせるのが間違いないです。『鯖には甲州』みたいな売り方すればいいのに、と思いますな。