門下生報告(2016年)

なんか人に知らせたいことがあればSNS等様々な手段のある昨今ですが、 それでも師範にメールを頂けるありがたい方々からのご報告です。


門下生第四十八号柳沢殿より (報告日:2016年11月30日)


Sanlor 2009
名称Sanlor 2009
生産者Cavalierino
稽古した日2016年11月30日
稽古した場所自宅(千葉県某市)
購入店ヴェリタス
価格1,590円(税込)

 3連投ですみません。
この造り手のワインは師範も一昨年にRosso di Montepulcianoを稽古されています。 グレード的には販売店の値付けからすると同等のようですが、こちらはサンジョヴェーゼ100%みたいです。

 口に含んでまず感じるのは凝縮感と程よい熟成感。2009年は欧州の広い地域で優良なヴィンテージだったようで、 ヒュー・ジョンソン氏によるとトスカナはそれほどでもなかったという評価ですが、 やはり天候は良かったのではないかという気がします。 デイリーワインよりやや高めの価格帯ですが、同じ値段で同等の品質のワインを探すのはボルドーはもちろんのこと、 新大陸でもちょっと難しいように思います。素直にオススメです。

師範より

 三連発でのご報告、ありがとうございます。アタリなワインが続いているようでなによりです。

 イタリア産のお手頃ワインでそこそこ熟成したのを見つけるのは案外難しかったりしますが(スペイン産は楽だったりしますが)、 この値段で2009年産というのが良いですね。このショップではしばしば買い物をしているので、 次回買う際にはゲットして稽古してみます (備忘録のために下記にリンクを張ってます。2016/12/01現在ちょっと値下げされてますね)

 またナイスなワインがありましたらご報告よろしくお願いします。


門下生第四十八号柳沢殿より (報告日:2016年11月27日)


Chateau Bellevue Canteranne 2012
名称Chateau Bellevue Canteranne 2012
稽古した日2016年11月27日
稽古した場所自宅(千葉県某市)
購入店京橋ワイン
価格2,354円(税込)

 連投で投稿します。なお価格は単品ベースですが、実際には6本セットの中の1本ですので、もう少し安かったと思います。

 我が家で飲む安ボルドーはコート・ド・ボルドーが多く、必然的に品種はメルロ主体のものばかりになるのですが、 これはオー・メドックで、カベルネがメインです。 造り手はラマルク村というところに所在するそうで、ロケーションはサン・ジュリアンとマルゴーの間だそうですから悪くありません。 ラマルクのブドウで造ったワインはAOCムーリスを名乗れるようですが、 オー・メドックにしているのは収穫量規制の関係なのか、良く分かりません。

 一口飲んでカベルネ主体のワインと分かる、素直な味わいです。 新大陸的なニュアンスとはまた別ですが、よく熟したブドウを使って真面目に造ったような印象。 稽古範囲内で買えるカベルネ主体のボルドーって案外貴重な気がしますし、 ボルドーにあまり馴染みが無い方にもオススメのように思いました。 6月に投稿したChateau Larose-Trintaudonとの比較では、 ワイン自身のポテンシャルはこちらの方が若干優位、 熟成度合いはヴィンテージが古い分だけLarose-Trintaudonの勝ちで、総合点数は引き分けってところでしょうか。

師範より

 連発でのご報告、ありがとうございます。

 ボルドーって、知名度先行のシャトーを除けば、価格の序列と品質の良し悪しが正の相関を持つ地域という気がしています。 なので、1,000円前後のワインとこのワインのような2,000円台のワインと比較した場合、大抵後者に軍配が上がります。 そのあたり、他のフランスやイタリアの地域と違って、安心感があるんですよね。 ところが、そういう「安定の地」のヒエラルキーを無視した「金賞受賞」なんてのを出すから、 日本でのお手軽価格帯ボルドーの評価って混乱しているように感じるわけですよ。

 結果的に、美味しいボルドーが飲みたければ金賞のステッカーなんか信じずに値段を信じなさい、 1,000円前後でそんなに大アタリのボルドーなんてあるわけないよ、ということかと。 2,000円以上だと安ワイン者にとってはそこそこの投資なので、 読者な皆様には柳沢殿よりご報告頂いたような情報をぜひ活用して頂きたいところであります。


門下生第四十八号柳沢殿より (報告日:2016年11月19日)


KIRKLAND Cotes du Rhone Villages 2015
名称KIRKLAND Cotes du Rhone Villages 2015
稽古した日2016年11月19日
稽古した場所自宅(千葉県某市)
購入店コストコ新三郷店
価格確か1,100円くらい(税込)

 ご無沙汰しております。

 KIRKLANDは言わずと知れたコストコのPBで、ワインでもカリフォルニアでけでなくフランスのものもいくつかあります。 コストコは概してワインがリーズナブルでソコソコ良いものを多く置いている印象がありますが、 これはその中でもコスパが良好なように思います。

 品種は裏ラベルにも載っていませんが、おそらくグルナッシュが主体と思われ、果実味が前面に出ていることはローヌらしいところ。 ただ普通のデイリーワインと一線を画しているのは酸味もちゃんと効いているところで、香りの複雑さもある程度感じられます。 この値段でこのクオリティは買いでしょう。

師範より

 ご報告ありがとうございます。

 確かにコストコと言えば米国の企業なんで、 米国産ばっかりかと思えばプライベート・ブランドのフランス産もいくつか出しているんですよね。 師範も近いうちにまたコストコに行く予定、そして退会して来る予定でもありますので、 コストコでのワイン購入の最後の仕上げに、ご報告頂いたワインをゲットして来たいと思います。

 以上、またナイスな情報提供、よろしくお願いいたします。


門下生第四十八号柳沢殿より (報告日:2016年6月11日)


Ch. Larose-Trintaudon 2009
名称Ch. Larose-Trintaudon 2009
等級AOC Haut-Medoc (Cru Bourgeois)
品種カベルネ・ソーヴィニョン60%、メルロ40%
稽古した日2016年6月11日
稽古した場所自宅(千葉県某市)
購入店うきうきワインの玉手箱(多分)
価格2,138円(税込)

 久しぶりにボルドー左岸のワインを開けました。 師範も一昔前に2回稽古されていますが、造り方も変わっているでしょうしレポートしてみます。 ちなみに今日のメニューは久々にカベルネ主体のワインなのでラム肉のステーキ。 というか、ラム肉を買ったのでこのワインをセレクトしたのでありました。

 色はかなり濃い目。香りはザ・ボルドー左岸的なニュアンス。 口の中で転がしてみてもその印象は変わらず。ちょうどいい具合に熟成していて、タンニンも丸くなってます。 2009年はボルドーの当たり年ですが、このクラスだと今がちょうど飲み頃なのでは、 と思ってヒュー・ジョンソンさんのポケット・ワインブックをひもといたら、 昨年出た2016エディションで2009ヴィンテージを飲み頃と推奨していました。 以前は軽くて飲みやすい造り方だったが、今ではスムース、モダン、洗練された味わいなのだそう。

 価格的にはデイリーワインとしては少し高めですが、プチお祝い的なオケージョンに最適かと。

師範より

 ご報告ありがとうございます。

 このワイン、なんだかウルトラマン・シリーズに出てくる怪獣のような名前なんで覚えています。 過去道場では、2000年産と2004年に稽古しており、 1997年産と2000年に稽古してます。 どちらも造られて3~4年、それほど時間が経っていない時点での稽古ですが、 柳沢殿の場合は2009年産を2016年ですから倍近くの熟成期間を経ていますね。 もちろん造りも変化しているのでしょうが、 やっぱりそこそこ以上のボルドーは熟成させてナンボ、って面がありそうです。

 それでは、またナイスなワインと稽古されましたら、ご報告よろしくお願い申し上げます。


門下生第四十八号柳沢殿より (報告日:2016年5月28日)


Goats do Roam 2013
名称Goats do Roam 2013
品種シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル、プティ・シラー、サンソー、カリニャン
生産国南アフリカ
稽古した日2016年5月28日
稽古した場所自宅(千葉県某市)
購入店うきうきワインの玉手箱(多分)
価格1077円(税込)

 お久しぶりです。

 安ワインを常飲するようになって20年近く。 最初はチリカベが中心、それから安ブルを愛好するようになりましたが、 最近は南仏とスペインが中心で、時々イタリアと安ボルドー(コート・ド・フラン主体)を取り混ぜる感じ。 ブルゴーニュはとにかく高くなりましたねえ。

 このワインは南アフリカ産ですが、品種的にはコート・デュ・ローヌ的なブレンド。 師範も大昔に白を稽古されていますね。 当然ながら味わいはコート・デュ・ローヌのワインに似ています。 ただ、同じ価格帯のコート・デュ・ローヌは果実味で勝負しているワインがほとんどですが、 これは複雑さもある程度感じられ、そこはかとない高級感があります。この価格帯ではかなり優秀だと思います。 購入店では今は2014ヴィンテージを売っています。

師範より

 お久しぶりでございます。

 ちょっとふざけた名前のこの「ゴーツ・ド・ローム」、確かに11年前に稽古してますね。 こういう名前なんで一発屋かと思ってましたが、11年も続いたら本物でしょう。 最近プチ・ブームとなりそうな南アフリカ産ですが、 こういうパロディ的なものでもしっかりしているのが強みなのかもしれません。

 このワイン、比較的入手は容易そうな気がしますので、今度見かけたら稽古してみます。 情報ありがとうございました。


門下生第百九号ぱくちー殿より (報告日:2016年3月30日)


Rio Rocca Berzmein 2013
名称Rio Rocca Berzmèin 2013
リオ・ロッカ ベルスメイン 2013
生産者Il Farneto
イル・ファルネート
購入店葡萄酒蔵 ゆはら
価格1,933円 (税込)
インポーターエヴィーノ
産地エミリア・ロマーニャ州/イタリア
種類
品種マルツェミーノ 100%
アルコール12.5%

 今回もマルツェミーノという珍しい品種のワインをご紹介します。 エミリア・ロマーニャ州の固有品種というわけではなく、 ヴェネト州やトレンティーノ・アルト・アディジェ州などイタリア北部のいくつかの州で栽培されているようですが、 多くは混醸用でマルツェミーノ 100% のワインは少ないようです。 ネットでマルツェミーノを調べると、必ずと言って良いほどモーツァルトのオペラに歌われたワインという逸話が出てきます。 ボトルに書かれたベルスメインというのはマルツェミーノのローカルな名称だそうです。

 香りはフルーティ、味もフルーティでタンニンは感じられません。口触りはとても滑らか。 このあたりは前回ご報告したティンティリア・デル・モリーゼと似ています。 バリックが導入される前のイタリアの良質なワインという感じで、 複雑さはないけど 200 年くらい前のイタリア人が考える美味しいワインはこういう味だったんだろうなと思わせる素直な味わいです。 アルコール低めなのですいすい飲めました。ボトルには自然派ワインのようなことが書かれていますが、ビオ臭はありませんでした。

師範より

 連発でのご報告、ありがとうございます。

 またまた師範の知らない品種の登場であります。 なんというか、20年近くも毎日のように稽古してきたのに、 「はぁそういうのもあるんですねぇ」としか言いようが無い自分が情けないです。 判らんのだよなぁ、イタリア。 まずいろんな意味でダイナミックレンジが広すぎますよね。 好きな方はそこがたまらんのでしょうけれども。

 というわけで、適切な感想/共感をお伝えすることはできませんが、 読者の中にはこの投稿に膝ポン!しておられる方もおられるかも知れませんので、 今後ともよろしくお願いします。


門下生第百九号ぱくちー殿より (報告日:2016年3月10日)


Tintilia del Molise 2012
名称Tintilia del Molise 2012
ティンティリア・デル・モリーゼ 2012
生産者CATABBO
カタッボ
購入店オンライン WASSY'S
価格2,592円 (税込)
インポーターモトックス
産地モリーゼ州/イタリア
種類
品種ティンティリア 100%
アルコール14.75%

 私がイタリアワイン好きなのは土着品種が沢山あるからです。 数千品種と言われてるけど、イタリアらしく正確な数字は誰も知りません (笑)。 これは久しぶりに通販を利用して希少品種のワインを中心に何本か買ったうちの 1 本で、 長靴のふくらはぎあたりに位置するモリーゼ州のティンティリアという固有品種のワインです。

 香りは強くなく、樽香もありません。口に含むと果実味がしっかりとあり、とても滑らかです。 タンニンはほとんど感じません。 太陽をたっぷり浴びて完熟した葡萄を小細工しないで素直に仕上げた素性の良さと葡萄の旨味が感じられ、 最後まで美味しく1本飲めました。 後で気づいたのですが、アルコール度数高めですね。飲んでいるときはそんな感じはありませんでした。

 ガッツリ系肉料理より、生ハムのような軽めのつまみでワイン自体を楽しむのに向いているように思います。 イタリアの土着品種 100% のワインって実はちょっと高めの値段が多いです。 100%だと葡萄の出来不出来がモロに出てしまい品質管理が難しいからでしょうか。 このワインも師範の稽古範囲内ですが安いとは言えません。 でも初めて飲む品種はどんな味か分からないので、著名品種のワインにはないワクワク感があります。 それも値段のうちと考えているのですが、このワインはそんなことを考えなくても十分に楽しめました。

 いわゆるコスパの良いワインは、 イタリアだったらサンジョベーゼにカベルネやメルローを混醸して樽を少し効かせるなど、 似通った傾向になりがちです。そういうワインに飽きたときにお薦めの 1 本かもしれません。 余談ですが、このワインを輸入しているモトックスさん、 小当りというか佳作的なワインを数多く揃えているように思います。

師範より

 お久しぶりのご報告、ありがとうございます。

 イタリア産の土着品種、確かにいろいろありそうですね。 この「ティンティリア」という品種も初耳だったりします。 師範の印象だと「イタリア=奥が深すぎて良くワカラン」なもんで、 だいたい覚える気が無いというか、脳内に記憶として留まってくれないんですな。

 そして、ぱくちー殿がご指摘されているように、 ウケの良いワインは「(サンジョヴェーゼ+メルローorカベルネ)×樽」の方程式で造られている感じはしますね。 どこぞの評論家の評価を意識して、ってことなのかも知れませんが。

 ともあれ珍しいワインのご紹介、ありがとうございました。 今後は少しはイタリアの品種にも目を向けつつ稽古していきたいと思います。


門下生第四十八号柳沢殿より (報告日:2016年1月3日)


名称l’Estagnere Cabernet Sauvignon 2012
等級IGP Cite de Carcassonne
稽古した日2016年1月3日
稽古した場所自宅(千葉県某市)
購入店 ヴェリタス
価格1078円(税込)

 師範も昨年この造り手のピノ・ノワールと稽古されているようですが、 カベルネを開けてみました。
 ラングドック・ルーションのカベルネというと、 新大陸の安ワインのようなとにかく濃いワインという印象があるのですが、 このワインはアルコール度数も13%で、バランスが取れた感じがします。 味わいもタンニンより酸味の印象が前面に出てきます。 デイリーワインとしてはこのくらいのほうが食事に合わせやすいように思います。 ロバート・パーカーよりもヒュー・ジョンソンの評価のほうが高そうなワインですね。

師範より

 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 師範が稽古したのはピノ・ノワールレゼルヴの赤ですね。 ピノ・ノワールの方はブルゴーニュっぽくて結構好印象だったようですが、 レゼルヴ赤の方は若くてガシガシって感じのようでした。 いろんな品種を出していて、良くも悪くもバラツキのある造り手みたいですが、 それぞれ値段も手頃なんで、 ご推薦頂いたカベルネ・ソーヴィニョン含めいろいろ買ってみたいと思います。

 それでは、本年も安ワイン者としてご精進のほど、よろしくお願い申し上げます。