稽古日誌:2018年7月

サクランボ

 7月、7月に入った時点で梅雨が明けているのは道場始まって以来ですかね。

 師範代のお知り合いからサクランボを頂きました。 国産のサクランボなんて、以前はめちゃくちゃ高くて庶民には全く手の届かない存在だったけど、 最近はそこそこ買えるような値段になってきた印象があります。 先月登美の丘ワイナリーへ行った際、 車窓から見える果樹園も、ブドウをサクランボに転用したような畑が多く見られました。 そりゃそうだよね、商品価値の高い農作物を栽培するよね。

 ブドウなんかも、鮮度がダイレクトに品質に影響する瑞々しい生食用のブドウを植えたほうが、 近郊農業としては合っているんだと思います。 極論すれば、醸造用ブドウはカラカラに乾いた国に任せておけばよろしいわけで。 でもやっぱり「ワイン好き」としては醸造用ブドウも日本で栽培して欲しいんだよな。 向いていないとしても応援したい。強くないけどサッカー日本代表を応援したくなるのと似たような心理ですかね。


31日(火)

Joly de Trebuis Reserve Brut N.V.
名称Joly de Trébuis Réserve Brut N.V.
ジョリー・ド・トレビュイ レゼルヴ ブリュット (ヴィンテージ無し)
生産者Joly de Trébuis (SARL Chartet & Noé Les Mallets)
ジョリー・ド・トレビュイ (SARL シャルテ&ノエ・レ・マレット)
価格2,138円
購入店ビック酒販川崎店

 本日はリアルな師範の生誕記念日。 料理は、師範代謹製骨付きラムの香草焼き、豚肉のトマト煮、ブロッコリーと庭のミニトマトのサラダ、主食は神戸屋のパンいろいろ、そして食後にケーキ。 火曜は本来休肝日なのですが、誕生日でこんなお御馳走とあっちゃ飲まないわけには参りません。 おフランスのシャンパーニュで"Santé!"と相場は決まっているわけでございます。

 でもここで、クリュグとかサロンとかを持ち出す(※)のはどうも「安ワイン道場」らしくない、 というわけで選んだのは、1年以上前に川崎のビックカメラで買った税別1,980円の安シャンパーニュ。 なんかこれくらいのって中途半端で開けづらかったのね。 だもんで、人生の折り返し点を過ぎての普通の誕生日という中途半端なお祝いにうってつけと考えた次第であります。

(※)もちろんどちらも持ってませんけどね。

 色は普通、薄めの麦わら色からレモン色の色調です。香りのボリュームはまずまずで、 クールな柑橘類に焼きリンゴ、それに固いパンの皮部分のような香ばしさがあります。 口に含むと、この泡のキメ細かさはやっぱりシャンパーニュですな。 炭酸(CO2)自体に状態の違いがあるとは思えないので、エキス分の多さがこのクリーミーな泡感を生んでいるんだと思います。 味わいも結構シッカリ系。カチッとした酸と渋味にも通じるコクがあって、色は薄いけど黒ブドウ比率が高いのかな、と想像されます。

 やっぱりシャンパーニュは美味いわ。これが税別2,000円なら上出来でしょう。 普段はもっと安いスパークリングを飲んで「泡の出るのは七難隠す」なんてうそぶいてますが、 やっぱりちゃんとした造りのものはちゃんとしている、と再認識させられます。

点数80点

29日(日)

バーリアル リッチテイスト

 本日の食前酒はバーリアル・リッチテイスト、イオンのPB新ジャンル、製造は韓国、旧ラベルの在庫処分で68円。

 大抵何でも美味しく感じる「孝行舌」を自認しているけど、これはちょっと・・・だな。 決定的に泡が弱くて後味は雑穀風味。なんか気の抜けたビールを飲んでいるような感じで気持ちがショボくれます。

 新ラベルは製造元がキリンになるそう。それが賢明かも知れません。 あと、ところてんとビールは合いません。現場からは以上です。

Chateau Badette la Cabane 2012
名称Château Badette la Cabane 2012
シャトー・バデット・ラ・カバンヌ 2012
生産者Ch. Badette
シャトー・バデット
価格1,097円 (単品価格:1,706円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 台風一過、先週までと違って夕方にはそこそこ涼しい風が吹くようになりました。 そういう夕べの献立は、骨付き鶏モモ肉のオーブン焼き、鶏せせりのソテー、筑前煮(筑前では「がめ煮」)。 ワインは、「うきうきワインの玉手箱」10本10,800円の福袋からボルドー産の赤をチョイス。 ラベルに赤字で"SAINT-EMILION GRAND CRU"と書かれていますが、 この"GRAND CRU"は格付けではなくて、こういう名前のAOCとのこと。 いろいろめんどくさいですな、ワイン法は。 ソムリエ試験とか受ける方は大変だと思います。

 さて抜栓。コルクの長さは50mm、シャトー名は入っていないけどヴィンテージは書かれた立派なコルクです。 色はかなり濃くて、微妙に褐色がかっていて若干の濁りを感じる色合い。 ヴィンテージは2012年なんだけど、もっと古いワインのような外観です。 そんな印象を持ちつつ香りを嗅いでちょっとビックリ、まるで熟成ボルドーのような雰囲気を感じます。 奈良漬のようなクタッ熟したフルーツとアルコール感、そしてナツメグかな?ある種の乾いたスパイスの香りがあって、 強く焦がした木の香りがパーッと来ます。 飲んでみても甘味と酸味と渋味が一体化した柔らかさがあって、良い感じの熟成ボルドーっぽさ満載です。

 2012年産という若さで、そして単品価格でも1,000円台というお値段で、 こんなに本格的な熟成ボルドーが飲めるというのは大変ありがたい話です。 もしかすると、判る人が飲めば早過ぎる熟成の弊害が拾えるのかも知れませんが、 前述のように「孝行舌」な師範にはバッチリ美味いです。良くある「金賞受賞」なヤツとはレベルが違います。 コレはお薦め!しようと思ったけど、下記リンクではもう売り切れちゃってますな。まぁそういうものでしょう。

点数82点

28日(土)

Angel Tears Sauvignon Blanc 2017
名称Angel Tears Sauvignon Blanc 2017
エンジェル・ティアーズ ソーヴィニョン・ブラン 2017
生産者Grande Provence
グランド・プロヴァンス
価格950円
購入店 葡萄畑 ココス

 今現在、台風12号がいつもと違うコースで道場付近を通過しております。皆様くれぐれもお気を付けください。 そんな天気とは無関係に、本日の夕食は手巻き寿司。 寿司ダネは、本マグロ(赤身)、マダイ、ノルウェー産サーモン、イカ、(高い)カニカマ、玉子焼き、カイワレ大根。 普通にベーシックなラインナップです。他には大根ツナサラダがあります。

 そんな料理に合わせるのであれば、シュワシュワした泡モノかスッキリした白と相場が決まっております。 そこで本日のチョイスは、南アフリカのソーヴィニョン・ブラン。お値段は税込み3桁なんで、 軽快な感じだろうと予測しての選択であります。

 色は非常に薄め。白木のようなレモンの果肉のような色。それでも粘性はそこそこあるので、エキス分は高そうに見えます。 香りのボリュームは結構しっかりしていて驚きます。 ハーブのようなグレープフルーツのような香りがパーッと来て、シンプルではあるけどなかなかに華やか。 味わいは狙い通りだな。甘さ控えめ酸味シッカリ、後味に苦味があって、キュッと締まった味わいです。

 ソーヴィニョン・ブランって、安くても高パフォーマンスなワインが多いけど、このワインもそうですね。 1,000円以下とは思えない華やかさがあって、お買い得と言えます。 敢えて問題点を挙げるとすれば、インポーターさんが貼った裏ラベルのせいで造り手が書いた情報が読めないのね。 面積的に貼るところが無いのは判ります。でも読みたいんですよ。 剥がせる糊を使うとか出来ないのかなぁ。

点数77点

27日(金)

Domaine Les Roques 2013
名称Domaine les Roques 2013
ドメーヌ・レ・ロケ 2013
生産者J.M.Boillot
J.M.ボワイヨ
価格819円 (単品価格:1,274円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 関東地方、昨日今日は猛烈な暑さも和らいで、若干過ごしやすい感じに。 人間ってヤツは相対的な生き物なようで、こうなるとグッと赤ワインが飲みたくなって参ります。 とはいえまだガッツリ濃いヤツまでには手が伸びず、 本日のチョイスはブルゴーニュの造り手が南仏で造るシラー主体の赤。 うきうきワインの玉手箱、10本10,800円の福袋からの7本目であります。

 ちなみに料理は本日も師範が調理担当で、メニューは青椒肉絲、しいたけとフカヒレのスープ、春雨サラダ。 最近また葉物野菜が高くなってきちゃいましたな。 冬は寒くて価格高騰、夏も暑くて価格高騰。 やっぱり気候が変わってきているのかなぁ。

 ではワインの情報を。色はかなり濃いめで青め、ブルゴーニュとは全然違います・・・ってあたりまえか。 ブルゴーニュグラスに深さ50mmで既に向こうは見えません。 香りは、パッと香ってくるのは南仏らしい青くて濃い果実香だけど、 深く嗅ぐとなんとなくブルゴーニュぽいのね。樽の要素がブルゴーニュ的なのかな?良く判りませんが。 味わいは、渋味しっかりでかなり固い感じ。南仏でもローヌ産みたいなバランス。 こういうしっかりした酒質だと、2013年産でもまだまだ若すぎな感じがします。

 この値段(通常価格の1,274円)とは思えない、高いポテンシャルを感じるワインです。 ただ、いかんせん今飲んでも固い。そして、こんな夏に飲むには手強い。 ブルゴーニュの造り手&なで肩ボトル&涼し気なボトル外観に惑わされました。 さすがに数年寝かせるワインでも無いと思うので(寝かせても良いと思うけど)、 開けるなら東京ブラックと同じく涼しくなる秋まで待った方が良さそうです。

点数72点

25日(水)

MV Torrontes 2015 [Mendoza Vineyards]
名称MV Torrontes 2015
MV トロンテス 2015
生産者Mendoza Vinyards
メンドーサ・ヴィンヤーズ
価格838円 (単品価格:1,058円)
購入店 京橋ワイン

 今日は概ね曇っていたんで幾分過ごしやすくなった感じはありますが、それでも暑いっすね。 こういう気温だとやっぱり食べたくなるのはさっぱりしたもの、ということで本日師範が用意したのは夏野菜たっぷりの冷しゃぶ、イサキの刺身、 主食は梅しそジャコごはん。 温かい牛しゃぶはポン酢一択ですが、豚の冷しゃぶだとゴマだれも美味いな、と最近気づいております。

 選んだワインも、やっぱりさっぱりしてそうな白で、 京橋ワインの「世界の白ワイン・オンパレード!毎日飲んでも飲み飽きない5品種6本セット」、税込7,538円からアルゼンチン産のトロンテス。 サクラ・ワイン・アウォードのダイヤモンド・トロフィー2年連続受賞そうです。

 色は濃くなく薄くなく、この値段相応の白ワインの色・・・じゃ情報無いけどそういう外観です。 香りのボリュームは控えめだけど、雰囲気はモロにフルーツです。オレンジとピーチとマスカット、その手の甘い感じの果実が思い浮かびます。 味わいは結構シッカリ系。甘さはそこそこだけど酸味や旨味がしっかり、そして後味に軽い苦味。なかなかどうして飲み応えがあります。

 なるほどサクラ・ワイン・アウォード受賞というのはうなずけます。 一杯でも良さが伝わるし、フルーティな香りと酸味がしっかりした味わいは、甘口マニア以外の万人ウケする感じです。 やっぱりトロンテスは良いな。アルゼンチンのこの品種はめったなことではハズさない印象があります。

点数74点

22日(日)

東京ブラック

 いやー毎日暑い。言ってもしょうがないけど暑いっす。 こんな日の夕方は、テラスで枝豆に合わせてビールをブハァ~!・・・なんだけど、本日は選んだビールが悪かった。 父の日に子供たちから貰った缶ビールのセットからの最後の1本で、ポータースタイルの黒ビール「東京ブラック」。 こういうビールは肌寒くなってから高めの温度でじっくり飲むべきだと思われます。

 ・・・てかね、夕方になってもテラスが暑いっのてどうよ?って感じ。 こんな感じだともしかしてスーパードライが売れてるんじゃないの? そういう軽~いのしか飲みたくなくなっちゃいますよね~

Chablis La Pierrelee 2015
名称Chablis "La Pierrelée" 2015
シャブリ "ラ・ピエルレ" 2015
生産者La Chablisienne
ラ・シャブリジェンヌ
価格1,236円 (単品価格:1,922円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 ・・・なんて書きつつ、「安ワイン道場」としてはやっぱりワインを飲んじゃうわけであります。 サッパリ系ワインの総本山といえばやっぱりココでしょう、というわけで選んだのはシャブリであります。 このワインも「うきうきワインの玉手箱」10本10,800円の福袋に入っていたもの。 あまり印象に無かったけど、以前2008年産と稽古しているようです。

 ちなみに本日の夕食は、枝豆(群馬の「ミルキービーンズ」)、カツオのカルパッチョ、鶏ササミのグリル、ブロッコリーとトマトのサラダ。 夏らしいメニューを師範代が用意してくれました。やっぱりコレにスーパードライは無いでしょう。

 夕方17時30分に稽古スタート。色は薄めのレモン色、というかレモンの果肉色です。 粘性は低めで水のようです。 香りは弱め。深く嗅ぐと、確かにシャブリっぽいミネラル感と、めっちゃ若くてゴリゴリなリンゴのようなフルーツ香があります。 これで味わいがペラかったら終了~なんだけど、そこはやっぱり銘醸地の矜持ですよ。 当然甘さは控えめだけど、酸味と旨味がカチッとしていて、安っぽさはありません。 その酸味も比較的マイルドなので、酸っぱいのが苦手な層でも大丈夫だと思われます。

 『葡萄と天然水だけで作りました!』みたいなワインです・・・ってワインは(大抵)葡萄だけで出来ているわけですけど、 そういうピュアなおいしさを感じます。 やっぱりこの「シャブリジェンヌ」という造り手は上手だな~と。いつ何を飲んでもソツなくこなしている感があります。

点数74点

21日(土)

アリラン飯店 浅間町店 外観

 こんだけ暑い日が続くのはちょっと経験無いっすね~ということで、本日も精をつけようと、近所の焼肉屋へゴー。 行ったのは、3年半ぶりの訪問となる焼肉 アリラン飯店 浅間町店。 ここんとこ焼肉といえばずーっと天王町の焼肉屋さかいだったんだけど、 本日はその店のファンである長女が欠席のため、「別の店にしよう」となった次第であります。

 右写真だと結構猥雑な感じの店だけど、写真の右側に「離れ入り口」ってのがあって、 その離れの方だと全個室で落ち着いた感じになっています。 うちはいつもそちらを利用させて頂いています。

アリラン飯店 浅間町店 料理

 ここで注文した料理は以下であります。

タン塩1,590円
カルビ1.290円
ホルモン960円
レバー960円 (写真奥)
ツラミ960円 (写真手前)
ハツ960円
センマイ930円
豚足670円
チョレギサラダ670円
ビビンバ960円
冷麺1,140円

 やっぱり焼肉は美味いっすね。焼肉って、どうせ自分で焼くんだから、そんなに高級店である意味は無いと思ってます。 でも、激安店はさすがに肉質がイマイチ。その点、この店は師範の嗜好としてはちょうど良いというか、値段をクオリティのバランスがとれているように感じます。 特に、タン塩の良し悪しに品質の差を感じるな。この店のタン塩は「良し」です。

Nederburg The Winemasters Cabernet Sauvignon 2015
名称Nederburg "The Winemasters" Cabernet Sauvignon 2015
ネダバーグ "ザ・ワインマスターズ" カベルネ・ソーヴィニョン 2015
生産者Nederburg Wines
ネダバーグ・ワインズ
価格(2,550円 税別)
購入店アリラン飯店

 師範がこのお店を選びたい理由の一つに、ワインの品揃えの良さがあります。 ちゃんと紙一枚のワインリストがあって、泡1種/白3種/赤8種のラインナップ。 そしてそれがなかなかリーズナブルで、どれも5,000円以下、一番安いチリのデル・スールがボトルで2,150円(税別)です。 焼肉っつったら「とりあえずビール」と相場が決まっているわけですが、 さすがに「ビール+ワインをフルボトル」が飲める甲斐性はありませんので、 「安ワイン道場師範」としては始めっからワインであります。

 そんなリストから師範が選んだのは、南アフリカの赤でネダバーグのカベルネ・ソーヴィニョン。安い方から2番目、ボトルで2,550円(税別)です。 後で調べたら、このワインの定価は1,517円、市価も概ねそんな感じなんですな。 それが店で飲んで2,550円は極めて良心的だと思われます。

 それでは改めてワインの評価を。使わせて頂いたグラスも立派なものです。そういうところもこの店の評価ポイントですな。 色は南のカベルネ・ソーヴィニョンらしいしっかりとした青紫色。 香りはとても典型的。南アだかチリだかオーストラリアだかは判らないけど、間違いなくカベルネ・ソーヴィニョンなミチッと濃い果実香にピーマンの青さ、 それに軽く焦げたスパイスっぽい感じをプラス。ボリューム含め悪くない感じです。 そして味わいも悪くない。甘さたっぷり渋味もしっかりで、焼肉と極めて良い相性を見せてくれます。

 疑う余地のない王道の美味しさです。しつこいようだけどこれがお店で2,550円は絶対お買い得。 大きめなグラス含め、このお店のオーナーはきっとワイン好きなんだろうな。もしかすると別のリストがあるのかも。 ただ一点惜しいと思ったのは、(店内の涼しい場所に常温で保存されていたと思われるんだけど)提供温度がこの時期だと高すぎます。 冷蔵庫だと冷えすぎるんで難しいとは思うけどね。

 そんな問題もあって、さすがに1時間超の滞在時間では飲み干せず、2/3ほど飲んであとはお持ち帰り。 『ワインのお持ち帰り用に袋を用意しましょうか?』とオファーしてくれるサービスも気が利いてましたよ。

点数77点
アリラン飯店 浅間町店 料理とワイン

 お会計は、師範代と次女が頼んだソフトドリンク含めたトータルのお支払いは15,000円超。 そんなに安くないっちゃ安くないんですが、せっかくの外食は美味しいものを食べないと意味が無いので、これくらいは十分アリです。 特に安ワインの品揃えが立派なんで、横浜在住の「グルメ&名より実を取る」安ワイン者にはお薦めしたいところであります。


20日(金)

Chateau Ste Michelle Columbia Valley Riesling 2016
名称Chateau Ste Michelle Columbia Valley Riesling 2016
シャトー・セイント・ミッシェル コロンビア・ヴァレー リースリング 2016
生産者Chateau Ste. Michelle
シャトー・セイント・ミッシェル
価格1,268円 (単品価格:1,598円)
購入店 京橋ワイン

 本日は「土用の丑の日」。その昔、平賀源内という学者さんが『土用の丑の日には精のつくものを摂りなさい』と言ったとか言わないとか。 よろしい、道場もその教えに従いましょう、ということでセラーの中で「セイ」の付くものを探したところ、 ありましたよありました、米国ワシントン州産のリースリングで、造り手はセイント・ミシェル。 京橋ワインの「世界の白ワイン・オンパレード!毎日飲んでも飲み飽きない5品種6本セット」、税込7,538円からの一本。 ショップのページには「サン・ミシェル」と書かれているけど、米国産なんで"Ste."は「セイント」と読みましょうよ。

 ちなみに料理は師範が調達&調理。最近平日の飲む日は主に師範が担当している感じだな。飲みたいワインに合わせたいからな。 メニューは最寄りの駅ビル内の店で買ってきた焼き鳥(モモ、つくね、手羽ニンニク、レバー、砂肝)、麻婆茄子、インゲンの胡麻和えに冷やしトマト。 焼き鳥のタレで「土用」っぽさを演出しております。

 さて稽古開始。色はほぼ無色。グラスの内側に細かな気泡が付くので、若干炭酸が残っていることが見て取れます。 香りはやや弱め。リースリングにありがちないわゆるぺトロール(灯油やジッポのオイル的な匂い)は感じません。 そこそこ香るのは、桃のような優しいフルーツ香かな?甘そうな香りです。 味わいはかなり甘酸っぱいです。数値を測ると、pHは2.7でかなり強めの酸を示していますが、 糖度が7.3と高めなので酸っぱくは感じません。でも、甘酸っぱさ以外に特に要素は無いので、単純と言えば単純です。

 甘さがあるので、タレ焼きの焼鳥との相性は悪くありません。麻婆茄子とも無難に合います。 これが定石どおりにシンプルな魚料理と合わせたりしたら、かえって甘さが気になったのかも。 精がついたかどうかは別として(つけてどうするんだ?という話も置いといて)、相性面では成功でした。

点数72点

18日(水)

Modello delle Venezie (Bianco) 2016
名称Modello delle Venezie 2016
モデッロ・デッレ・ヴェネツィエ 2016
生産者Masi
マァジ
価格832円 (単品価格:1,294円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 暑いっすね。師範は九州出身の夏生まれでもあり、これまで暑さに対しては比較的耐性がある(いつも師範代の冷房は効きすぎに感じる)と思ってたけど、 今年の夏はちと厳しいですな。 こう暑いとワインは軽~い泡や軽ッ軽の白に手が伸びるわけで、本日のチョイスは北イタリアの白、造り手はヴェネト州の大御所マァジ。 うきうきワインの玉手箱、10本10,800円の福袋からの5本目で、この銘柄とは10年前の2006年産と稽古しております。 ちなみに料理も「暑い夏」仕様で、刺身(カツオ、真鯛、ワカメ)、カラスガレイの西京焼き、モヤシと水菜のナムル、レンチン・とうもろこしです。

 色は薄めだけど、レモン色より若干ピンク系の色に感じられます。 ピノ・グリージョが85%らしいので、そのグリ色が出ているのかな?粘性は低くサラリとしています。 香りのボリュームはかなり弱め。でも柑橘類と花がほのかに香って、雰囲気は悪くないです。 味わいも、ボリューム自体はかなり軽めです。でも印象は悪くない。 甘くなくて酸味はそこそこ、でも旨味はあってキンキンに冷やすといいバランスになります。

 典型的なイタリアの安白です。頭を使わず何も考えずにガブガブ飲むべき、っていうか考える余地があまりないワインです。 ちょっとだけ考える部分があるとすれば、しっかり冷やした方が美味しいと思う。 旨味は結構あるので、なんなら氷を入れても良いんじゃないかと思う。

点数70点

16日(月祝)

Hug Cellars Chardonnay 2013
名称Hug Cellars Chardonnay 2013
ハグ・セラーズ シャルドネ 2013
生産者Hug Cellars
ハグ・セラーズ
価格1,353円 (単品価格:1,706円)
購入店 京橋ワイン

 昨日のアルコールが血液中に若干残っている感じがありつつも、 クソ暑くてビールが飲みたい気分なので夕方にはコストコ・ブランドの米国産クラフトビール(IPA)をクイッと1本。 悪いのはみんな夏のせいだ。

 そしてワインはもちろん白で。ただ、料理がイベリコ豚ロースのトンテキだったので、 あまりに軽いヤツだとワインが負けちゃいそう。 そこでチョイスしたのが米国産のシャルドネ。最近買った京橋ワインの 「世界の白ワイン・オンパレード!毎日飲んでも飲み飽きない5品種6本セット」、税込7,538円から。 京橋ワインといえば「京橋文学」とも言われる情け容赦無い煽り文句が有名なわけですが、 このワインの説明に関しては

 『創設者のオギー・ハグ氏が指揮をとった最後のヴィンテージ!記念碑的なワインです!』

のあたりが見どころでしょうか。オギー・ハグ氏、誰よそれ?

 閑話休題、色は薄めのレモン色。粘性も高くて期待できます。香りは「キタコレ!」です。 シャルドネらしい蜜っぽさをタップリ湛えた南国のフルーツ香、それに出過ぎない程度に樽香が乗っかっています。 味わいも香りの印象そのまんまですな。桃缶のシロップにリンゴ酢加えてアルコールを足しました、という味わい。 これなら相手が肉でもどんと来いや!です。

 さすがはオギー・ハグ氏の記念碑ワインです(笑)。 2013年ということで既に5年経っていて、ピチピチの華やかさはそんなに無いんだけど、肉厚なボディに癒される感じでしょうか。 元値1,700円、適正価格です。セットだとお買い得。

点数76点

15日(日)

銀座ライオン GINZA PLACE店 ビヤホール 外観

 溶けるような暑さの三連休中日、ツイッターでフォローさせて頂いている方が『銀座でビール飲みませんか』と招集されていたので、 師範も参加させて頂くことにしました。参加者は、主催の陋見さん、MAMIさん、ktdy2525さん、TIMOTHYさん、桑原さん、にゃんだよーさん、黒ワインさん、師範の8名。 ソムリエさんや飲食関係の方が半分以上、という大変濃いメンバー。 師範はどの方とも初対面、「初ツイッターオフ参加」であります。

 お店は、銀座のど真ん中、銀座四丁目交差点角のビルGINZA PLACEの地下二階にある銀座ライオン GINZA PLACE店 ビヤホール。 ワイン好きな人たちなんだけどビール、ってのが良いですね。 っていうかガチなワイン会だったら師範にとっては敷居が高すぎて参加してませんし。

銀座ライオン GINZA PLACE店 ビヤホール 乾杯

 まずは4名で乾杯。4人ともサッポロ生ビール 黒ラベル 大ジョッキ 1,050円(以降金額は税抜)であります。 やっぱり美味いね、ちゃんとした生ビールは。大ジョッキは800ml入っているそうですが、みるみるうちに減っていきます。 黒ラベルの生ビールは、工場からタンクローリーで運ばれてきて、1000リットルのタンクで1日休ませ、液体と泡を一度に注ぐ (通常の生ビールは液体を注いだ後に泡を足す)スタイルで提供されているのだとか。 なるほど美味いはずです。

銀座ライオン GINZA PLACE店 ビヤホール 料理

 料理は、ニシンのマリネ(890円)とかタコの唐揚げ(660円)とか六種のチーズのピザ(990円)とか。 他にも思いつくまま気の向くままにいろいろと。 陋見さん曰く『ちょっとお高めのファミレスな感じだけど、銀座の一等地でこの値段はリーズナブル』とのこと。 確かにその通りっすね、普通に美味いです。

銀座ライオン GINZA PLACE店 ビヤホール 琥珀ヱビス 銀座ライオン GINZA PLACE店 ビヤホール ヱビス

 飲み物は、上記の黒ラベル大ジョッキを2杯頂いたあと、ヱビス生ビール 特製大ジョッキ 1,020円(右写真左)、 更に琥珀ヱビス 特製大ジョッキ 1,090円を。 缶ビールだと黒ラベルとヱビスには明確なクオリティの差があるように思うんだけど、 ちゃんとした生ビールを飲むと「違いはあるけどクオリティの差は無い」ように感じられますな。 というわけで最後にはまた黒ラベルに戻って大ジョッキ。結局大ジョッキを5杯飲みましたとさ。 いやー、飲んだ飲んだ。

Wine Bar Lumiere 名刺

 5時過ぎには一応解散。でもまだ外は明るいわけですよ・・・というわけで二次会。 残ったのは、にゃんだよーさん、MAMIさん、ktdy2525さん、黒ワインさん、師範の5名。 場所は、にゃんだよーさんが代表をされている新橋のWine Bar Lumiere (ワインバー・リュミエール)にお邪魔させて頂くことに。 お休みの店を開けて頂きありがとうございます!

Mouton Cadet ICE Rose 2016
名称Mouton Cadet "ICE" Rosé 2016
ムートン・カデ "アイス" ロゼ 2016
生産者Baron Philippe de Rothschild
バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド
価格--
購入店--

 参加者にはソムリエさんとかワインに造詣の深い方がいらっしゃるわけで、チョイスは完全にそちらにお任せしております。 最初に選ばれたのがコレ、ボルドーの大御所ロスチャイルド家が造るロゼ。 後で調べたんですが、この"ICE"ってのは氷を入れて飲むことが推奨されているんだとか。 いろいろ売り方を考えられていますな。

 色は・・・どうですかね?結構薄めだったように思います。 でも香りはかなりしっかりだったような。さすがに「氷を入れて飲んでね」って推すくらいだから、 ペラペラじゃ話にならないっすからね。 味わいにもカチッとした印象がありましたよ。

 夏の午後とか夕方、地中海沿いのリゾートでこのワインに氷を入れて飲んだらそりゃ美味かろう、という気分になるワインです。 でも小売り価格は2,000円台なんですね~。1,000円台前半にして頂きたいところではあります。

点数(75点)
Delamotte Blanc de Blancs N.V. (Half)
名称Delamotte Blanc de Blancs N.V.(Half)
ドラモット ブラン・ド・ブラン (ヴィンテージ無し:ハーフ)
生産者Champagne Salon Delamotte
シャンパーニュ・サロン・ドラモット
価格
購入店--

 ソムリエさんたちは『おー、ドラモットのハーフがある!』と盛り上がっておられました。 デゴルジュマンの日付が云々・・・というような会話がされていたような・・・ってそれは一次会での会話だったっけ? もう既に出来上がっちゃってて記憶がオボロゲになっております。 ちなみにドラモット、ブラン・ド・ブランじゃないヤツとは先日稽古しております。

 そして、オボロゲなのはワインの中身に関しても同様で、どんな感じだったのかスッポリ記憶が抜け落ちておりまして・・・ 「やっぱりシャンパーニュはカバより美味い」などと阿呆のようなことを申しておったような気がします。

 あーもったいないなぁ。やっぱりね、こういうことがあるからちゃんとメモは取らないとイカンのですよ。 最近は写真撮って安心しちゃってます。メモを取ること自体が重要なんじゃなくて、 メモを取るために「何と書くか」頭を使うことが重要なのだよ>自分

点数(??点)
Vosne Romanee 1er Cru Les Suchots Vieilles Vignes 2013 [Dominique Laurent]
名称Vosne Romanée 1er Cru "Les Suchots" Vieilles Vignes 2013
ヴォーヌ・ロマネ プルミエ・クリュ "レ・スショ" ヴィエイユ・ヴィーニュ 2013
生産者Dominique Laurent
ドミニク・ローラン
価格--
購入店--

 ↑で「写真を撮って安心している」などと書いておりますが、こんな風に写真すらまともに撮れていない状態でありまして・・・ 照明暗めでムーディな店内に、黒地に金文字のラベルってのを撮影するのは難しいね。 こういう時はRAWで撮りなさい>自分

 そんな感じで写真じゃほとんど判らないけど、次に選ばれたこのワインは、ブルゴーニュの剛腕造り手ドミニク・ローランのヴォーヌ・ロマネ一級畑レ・スショ。 この銘柄は、16年前に1998年産と稽古しております。 ドミニク・ローランの黒ラベルは、本人がお気に入りのワインに使われるとか昔聞いたような気がします。

 で、このワインに関しては「恐ろしく美味かった」ことは覚えています。 確かみんなで『コレは美味いね~』と言っていたから間違いないはず。 やっぱり美味いわ、ブルゴーニュ。ニューワールドも良いけど、なんか奥行きが違う気がする。 気のせいかも知れませんけど。

 それにしてもソムリエさんたち、さすがの選ワイン眼ですな。大変美味しゅうございました。

点数(90点)
 Chateauneuf-du-Pape Cuvee des Antiques 2014 [Leon Peridigal (Ogier)]
名称Châteauneuf-du-Pape "Cuvée des Antiques" 2014
シャトーヌフ・デュ・パプ "キュヴェ・デ・ザンティーク" 2014
生産者Ĺeon Peridigal (Ogier)
レオン・ペルディガル (オジェ)
価格--
購入店--

 「なんかもう一本飲んでたよな~」と思っていて翌日カメラを見たら、こういうワインのお姿が撮られていました。 南仏ローヌの赤、シャトーヌフ・デュ・パプですね。 この銘柄とは比較的最近、3年前に2012年産と稽古しておりますが、 いやー、どんなワインだったんでしょうねぇ。興味は尽きません ・・・って全く覚えていません、スミマセン。

 ・・・というような会でありました。皆さん大変お疲れさまでした&ありがとうございました。

点数(??点)

14日(土)

ヱビス 格別の乾杯

 本日の食前酒はヱビス 格別の乾杯、チビチビ飲んできたけれどこれが最後の一本。 今年最初に飲んだのが2月初めだったから、約半年楽しめました(ちなみに賞味期限は9月まで)。

 缶には、『白ワインのように香るホップ「ネルソン・ソーヴィン」と、果実のように香る「ハラタウブラン」による、 豊かな薫りと清々しい味わい』とありますが、確かにその通りと申し上げておきましょう。 これまた師範が最も好きなビールの銘柄の一つ、であります。

 年明けにまた売って頂けることを心待ちにしております>サッポロビール様。 それにしても今日は暑いな。美味しいビールが飲める連休になりそうであります。

Paul Cluver Estate Pinot Noir 2016
名称Paul Cluver "Estate" Pinot Noir 2016
ポール・クルーヴァー "エステート" ピノ・ノワール 2016
生産者Paul Cluver
ポール・クルーヴァー
価格2,419円
購入店 葡萄畑 ココス

 そんなクソ暑い三連休初日の夕食メニューは、イワシの蒲焼、豪州牛の和風サイコロステーキ、モロヘイヤのソテー、大根&キュウリとツナのサラダ。 今はイワシが旬ですね。蒲焼も美味い。鰻より美味いとは言いませんが、今の状況だと土用も鰻を食べるの止めてイワシにしましょうや。 もちろんナマズもオッケー、「うな次郎」は鰻エキスが使われているのがちょっと残念。

 閑話休題、そんな料理に合わせたのは、道場には珍しくリピート買いした南アフリカ産のピノ・ノワール。 前回稽古したのが今年の5月。 その時はあまりのコスト・パフォーマンスの高さに感激して、飲み終わる前に二本追加購入したもの。 これがそのうちの1本。 今回はその熱に冒されたような状態も冷めているので、ゆっくりじっくり冷静に稽古させて頂きます。

 色は、やっぱりたいそうキレイな赤紫色です。色だけならアルマン・ルソーのシャンベルタンと大きくは違わないはず・・・飲んだこと無いんで知らんけど。 香りのボリュームはやっぱり立派です。ガンガン来ます。 ただ、その雰囲気はシャンベルタンとは違うな。ブルゴーニュだともっと南のポマールあたり、っていうかやっぱりニューワールド風味は結構入っていて、 熟れた赤系果実と若干のケモノっぽさ、白檀のような香木のエスニック感、ファンデーション、そしてコーヒー豆みたいな甘く焦がした樽が香ります。 その中で、特に今日は「ケモノ」と「甘く焦がした」感が強く感じられるような気がします。 味わいはホントに立派です。しっかりした甘味と酸味、そして柔らかい渋味。飲み込んだ後もそれらが舌の奥に「飲んだ」感を長く残してくれます。 やっぱりマジで美味いわコレ。

 冷静になったはずなので、敢えてアラを探すと、さすがにちょっと若いのかな?わずかだけど味わいにカクカクしたぎこちなさがあるようにも思います。 でも、それが無くなるのと引き換えに香りの元気さを失っては元も子もないので、やっぱり今が飲み頃な感じもします。

 前回稽古した際に各方面にお薦めした手前、「実はたいしたこと無かったらどうしよう・・・」と若干の不安はあったわけですが、 改めて声をボールド体にして言います。このワインは買って損は無い、と言い切れます。 インポーターさん情報によれば、8月からちょっぴり値上げされる模様。買うなら今だ!

点数89点

13日(金)

 Friulano 2016
名称Friulano 2016
フリウラーノ 2016
生産者Borgo Magredo
ボルゴ・マグレード
価格1,097円 (単品価格:1,706円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日も調理担当は師範です。金曜は駅前の魚屋が3パック980円セールなんで、必然的に魚料理になります。 メニューは、イワシとトマトのオーブン焼き、イカとブロッコリーのバジル炒め、水菜のおひたし。 それにお惣菜でイワシの蒲焼も買ってきたんだけど、さすがに多すぎて明日のツマミに持ち越しました。

 こんな料理に合わせたワインは、「うきうきワインの玉手箱」10本10,800円の福袋からの4本目。 イアリアは腿ウラあたりにあるフリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州の白で、ブドウ品種はフリウラーノ種。 異形ボトル&あまり馴染みの無い品種ですが、だいたいにおいて魚介に合いそうな軽い白が多い土地柄なんでそんなワインと想像されます。 ちなみにこの造り手のワインは、同じ福袋に入っていた赤と先月稽古済み。 悪くは無いけどいま一つパッとしないワインだった模様であります。

 色は濃くなく薄くなく。買値1,100円のワインと思えば濃いけど元値1,700円のワインと思えばそんなもんかな、という感じ。 なんかめんどくさいヤツでスミマセン。 香りは弱め。でも雰囲気は悪くなくて、野花のようなキュッと締まったキュートで甘い香りがします。 口に含むと、「これヴィオニエ?」な感じのバランス。酸味控えめでやや甘め(でも糖度はそんなに高くない)、そして軽~い苦味。 フルーティ過ぎなくて、魚料理とバッチリです。

 ずんぐりしたボトル形状とは裏腹に、スレンダーな女学生のように可愛らしいワイン。 香りが弱いのは残念だけど、師範はコレを「南仏のヴィオニエです」と言われればコロッと信じます。 1,700円だとアレだけど1,100円ならアリです。

点数74点

11日(水)

Sierra Batuco Reserva Pinot Noir 2016
名称Sierra Batuco Reserva Pinot Noir 2016
シエラ・バトゥコ レセルバ ピノ・ノワール 2016
生産者Sierra Batuco (Invina Ltda)
シエラ・バトゥコ (インビーナ・リミターダ)
価格798円
購入店コストコ 金沢シーサイド店

 いやー暑いよ関東地方。こうも暑いと重くてしっかりした赤なんてのは見たくないわけで、本日のチョイスはチリ産の安ピノ・ノワール。 5月にコストコで買ったワインなわけですが、何とレセルバ・クラスが798円ですよ。 "Reserva"というのはね、英語で言うところの"Reserve"、日本語では「とっておき」、博多弁では『とっとぉと』(※)。 チリにおいては通常より気合を入れて造ったことの意思表示なわけであります。 ちなみにこの造り手のワインは以前に他の品種と稽古しており、 ピノ・グリージョはイマイチだったけど赤のブレンドはアタリという結果。 さて一般に栽培が難しいと言われるピノ・ノワールはどうでしょうか?

(※)『とっとっと』と表記されることも多いようですが、『とっとっと』はどちらかというともっと南で筑後弁から熊本弁あたりという印象があります。

 ちなみに料理はガリバタチキン(w/CookDo)、レンチンとうもろこし、玉子とネギとシイタケの中華スープ、レタスとトマトのサラダ。 「週のまんなか水曜日」の調理担当は例によって師範なんだけど、 なんか見たことあるメニューになっちゃうなぁ。ササッと作れる料理のバリエーションを増やすべき、という課題を認識しております。

 色は結構濃いめの赤紫。チリでレセルバだもんね、そりゃ濃いよね。 香りは、ブルゴーニュのピノとはまるっきり異なる雰囲気。 ブルゴーニュと共通点を見出すと、ボーヌあたりの赤に顕著なケモノっぽさを煮詰めたような、ワキガっぽい香りが無慈悲にグイグイ来ます。 もちろんそれ以外にチェリーの香りとかほのかな樽香もあって、ボリューム的にもしっかりしているので「ワキガ臭ぇ」だけじゃない点は救われます。 味わいは、酸味がしっかりで、渋味がややザラつく感じ。 アルコール度数14%も高くてシッカリした味わいではあるんだけど、やっぱりちょっと荒っぽいかな?

 良くも悪くもコストコだなぁ、と思います。香りはバーン!と来るし味わいもドーン!。 これが1,000円以下なのはお得じゃね?と米国人は思うのでしょう。確かに客観的にはお得感があるのね。 でも、日本人の繊細さをもって接すると、若干「そうじゃないんだよなぁ」感は否めません。 プレイボーイ誌の白人ヌード(なんて今もあるのか?)みたいなアケスケな感じに、ウブな師範はちょっとひきます。

点数70点

8日(日)

本麒麟

 本日の食前酒は、ツイッターのフォロワーの方から昨日教えて頂いた新ジャンル、キリンの「本麒麟」。 ビールじゃないビール風のアルコール飲料って、どうもイケてない気がして敬遠しておったわけですよ。 でも、その方曰く『これはちょっとレベルが違う』とのこと。 そう聞くと居ても立ってもいられないわけで、早速購入して稽古した次第であります。

 外観上は全くビールに遜色なくて、香りも「なるほどキリンですな」と判る感じ。 味わいは、このクラスにありがちな酸化したような薄っぺらさが無く、やや甘めに感じるけど普通にビールっぽいんですな。

 これが税込み118円だからね、税率のマジックがあるとはいえ確かに侮れないと思います。 原材料や製法によって税率を変える今のビール周りの酒税法は全くもって愚策、 企業にとっては不毛な努力を強いられていると感じているわけですが、 その不毛な努力も「ここまで来たか」感があります。お見事と言うほかはありません。

Cerasuolo d'Abruzzo Fantini 2017
名称Cerasuolo d'Abruzzo "Fantini" 2017
チェラズオーロ・ダブルッツォ "ファンティーニ" 2017
生産者Farnese
ファルネーゼ
価格1,188円
購入店 トスカニー イタリアワイン専門店

 本日の夕食はプルコギ、焼きナス、ミミガーとキュウリの酢の物。 赤が合いそうではあるけど、すでに真夏のような気候の南関東地方においては、さっぱりしたヤツが飲みたい気分なのであります。 というわけで選んだのは、中を取って?ロゼ。イタリアはアブルッツォ州の産で、品種はモンテプルチアーノ種。 DOC名でもある"Cerasuolo"はイタリア語でサクランボの意味とのこと。 サクランボが最盛期の今飲むべきワインな気がした次第です。

 色はかなりのショッキング・ピンクで、チェリーだとしたら国産ではなくアメリカン、どちらかというとイチゴジュースっぽい色合いに見えます。 香りのボリュームはおとなしめ。赤系果実の香りに若干の野菜っぽさを足したような、素朴な雰囲気を感じる香りです。 味わいは、良い感じの甘味と旨味、そしてキュッと締める酸味もあって、バランスは結構良いと思います。 名前に反して、やっぱりサクランボというよりリンゴとイチゴっぽい味わいだな・・・などと思いつつもこれはこれで美味いっす。

 高級感みたいなものは望むべくもないですが、これからの季節「赤はちょっと・・・でも白もなぁ・・・」って時に重宝するワインだと思います。 あと、やっぱりロゼは色が良いな。オレンジっぽいのもキレイだけどこういうピンクピンクしたのも華やか。 香りが弱めゆえ鼻では楽しめない分を目で楽しみました (このツイッターへのリンクか右上のツイッター・アイコンをクリックすると別途撮影したワインの色が見られます。 インスタはやってません)

点数74点

7日(土)

よなよなエール

 本日7月7日は「よなよなエール」21歳の誕生日、安ワイン道場と同じ1997年生まれとのこと。 それを祝してよなよなエールで乾杯。 このビールとの出会いは確か、1997年夏に旧軽井沢にあった紀ノ国屋で買って飲んだのが最初だったような (多分ココで「地ビール」と書かれているやつ)。

 当時ビックリした、ゲヴュルツトラミネールのようなフルーティさと麦の香ばしさは健在。 当時と比べると生産量は格段に増えているんだろうけど、ちゃんとクラフトビールらしさが味わえ、 未だに「師範が最も好きなビールの銘柄」の一つであります。

Stark-Conde Vineyard Selection Cabernet Sauvignon 2016
名称Stark-Condé "Vineyard Selection" Cabernet Sauvignon 2016
スターク・コンデ "ヴィンヤード・セレクション" カベルネ・ソーヴィニョン 2016
生産者Stark-Condé Wines
スターク・コンデ・ワインズ
価格1,288円
購入店コストコ 金沢シーサイド倉庫店

 本日の夕食は、鶏の唐揚げ、ナスの揚げびたし、ピクルス(キュウリ、人参、カブ)。 ワインは、コストコで買った南アフリカ産のカベルネ・ソーヴィニョン。 この銘柄とは2年前に2014年産と稽古済み。 カベルネ・ソーヴィニョンって若いとガチャガチャしがちな品種だけど、 その時はふくよかな感じだったと書いてますな。

 コルクは、"DIAM"という合成コルクのメーカー名だけが書かれたシンプルなものです。 グラスに注いで、色はとても濃い紫色でほとんど向こうは透けませんが、微妙に赤みというかレンガ色っぽさが感じられる気がします。 香りはとても立派です。カシスやアメリカンチェリーのような果実香をベースに、コーヒー豆のような香ばしく焦げた感じの樽香が載っています。 香りのボリュームもたっぷりで、ホント立派な香りです。 味わいは、2年前に感じたのと同様に柔らかくふくよかな感じです。 糖度7.8で甘さしっかり、pH3.3で酸味もクッキリです。それに加えて渋味もあるんですが、 そいつがやけに丸っこいのね。特に口に含んですぐは「アレ?」ってくらい大人しくて、「柔らかい」を通り越して「弱い」と思えるくらい。 ただ、口に含んで時間が経つとジワジワと渋味が広がっては来るので、実際に弱いわけじゃなさそうです。

 香りも立派だし、若いのに渋味がこなれていて柔らかいワインです。今飲んでも十分美味しい。 ただ、この柔らかさが本来的なものか、南アフリカからの長旅のせいでそうなったのかは不明です。 真実は知る由もありませんが、結果美味いんだから問題ありません。 コストコ会員の方にはお薦め・・・だけどきっと皆さん既にご存知だろうとは思います。

点数78点

6日(金)

Palais Royal Blanc Sec 2016
名称Palais Royal Blanc Sec 2016
パレ・ロワイヤル ブラン セック 2016
生産者Joseph Verdier
ジョセフ・ヴェルディエ
価格740円
購入店 ヴェリタス〜輸入直販ワイン専門店

 本日の夕食も師範が調理担当で、メニューは鮎の塩焼き、干しカレイ、モヤシのナムル、ポトフ風野菜とソーセージのスープ。 こういう和風な感じの魚料理には軽い白か泡と相場が決まっています。 ということで選んだのは、フランス産の白。 ショップのサイトには造り手がジョセフ・ヴェルディエ、産地がロワールと書かれているけど、 ラベル書かれているのは銘柄と"Mis en Bouteille par C.V.L.", "Embouteille en France"の文言。 そして"Vin de la Communauté Européenne"と書かれているので、使われているブドウはフランス産だけじゃ無いんじゃないかな?

 色はほぼ無色なくらい薄めのレモン色。週末の日本ワインと負けず劣らずな薄さです。 香りはかなり弱め。薄っすらと感じるのは柑橘類、それもライムっぽい甘さ控えめな柑橘系ですな。 味わいは、甘さはほぼ無くて酸味シッカリ。数値的には糖度が5.4という無慈悲な低さ、pHも3.1でかなり酸っぱい数値。 唯一の救いは、和風の焼き魚を全く邪魔しない香りと味わいである点です。

 絵に描いたような軽い白です。そういった意味では目論見はアタリ。 でも、銘柄名は"Palais Royal=王宮"ですよ奥さん。 大したことないヤツに限ってこういう大げさな名前を付けがちなのは、 古今東西同じなのかも知れませんな。素人のくせに「師範」とか。

点数68点

4日(水)

海の向こうのビアレシピ オレンジピールのさわやかビール

 本日は人間ドック。いろいろ検査したけどまずは健康。気になるγ-GTPは、基準の範囲が50までのところ、51という微妙に残念な数字。 やっぱり人間ドックの前は1週間くらい断酒しないとだな・・・ってなんか違う気もしますが。

 人間ドックは午前中で終了。とりあえず問題無し、ということで昼酒を嗜みます。 本日の銘柄はサントリー 海の向こうのビアレシピ オレンジピールのさわやかビール。 先月に飲んだカシスのやつの姉妹品ですな。 「カリフォルニア・スタイル」とのことで、週末に飲んだホワイト・エールとは別物なのかもですが、 この系統ならもう少しオレンジピールを効かせても良いような気がします。

 写真の手前は、保土ケ谷駅西口から横浜方面に線路沿いを歩いたところにあるブーランジェリー・マナベの惣菜パン。 ここのパンはこの界隈では一番美味いと思います。営業日が水木金土なので注意が必要ですが。

Hecula Monastrell 2015
名称Hécula Monastrell 2015
エクラ モナストレル 2015
生産者Bodegas Castaño
ボデガス・カスターニョ
価格798円 (単品価格:1,242円)
購入店 うきうきワインの玉手箱

 本日の夕食は、お休みを頂いている師範が調理担当、メニューは照り焼きハンバーグ、マグロのカルパッチョ、パプリカとアスパラガスとオクラとミニトマトのサラダ。 それに師範母土産の辛子蓮根(師範母は昨日のフライトで帰りました)、 主食は上記ブーランジェリー・マナベで買ってきたバゲットです。 ワインは「うきうきワインの玉手箱」10本10,800円の福袋からの3本目。 安ワイン者の間では結構有名な銘柄(※)で、道場でも8年前に2005年産と稽古しております。 ツイッターでフォローしている方が推薦しておられたのを見かけ、たまたまセットに入っていたので稽古することにしました。

 一版には「ヘクラ」と表記されていることが多いようですが、スペイン語で"H"は発音しないと思うので「エクラ」と表記しています。 インポーターの表記も「ヘクラ」ですが、インポーターって変わったりするので、現地の発音に近い方を採用しています。

 さて抜栓。コルクには"The art of Monastrell"と印字されています。「芸術」ときましたか・・・。 グラスに注ぐと、色は大変濃くて少なめに入れた時点ですでに向こうは透けなくなります。 香りは、ツンッとした酸を感じるフルーティさとドライフルーツのような香りが同居、そして派手めな樽香。 香りのボリュームは中程度ですが、この値段だったらこれくらい香れば十分でしょう。 味わいもまぁ良く出来ています。スペインのこのあたりのワインにありがちな「無慈悲な濃さ」があるわけじゃなくて、 そこそこしっかりしていながらも濃すぎないバランス。 もちろんアラが無いわけじゃ無くて、渋味がザラザラと荒っぽく感じられたり、後味に青臭く田舎っぽい雰囲気が残りはしますが、なにせこの値段ですからねぇ。 多くを求めるのも大人げないってもんです。

 コルクに"Art"の文字があって、ラベルにはパーカーポイント等で90点以上を何度も取っていることが示された4つのメダルが書かれています。 自画自賛が過ぎて思いっきり鼻持ちならん造り手な感じはするんですが、ワイン自体のコスト・パフォーマンスは高いんだから仕方がありません。 コンビニのローソンにも置いてあるらしく、人気が出るのは十分理解できます。 ただ、好き嫌いで言えば師範はちょっと微妙かな。なんか荒っぽいのよ、全体に。心がこもってない感じなのね。 それは先入観かもだけど、一本飲み干そうとすると辛くなるのは事実です。

点数72点

1日(日)

水曜日のネコ

 本日の昼酒は、父の日に貰ったビールセットから、ヤッホーブルーイングの水曜日のネコ。 タイプとしては"Belgian Style White Ale"だそう。オレンジピールとコリアンダーシードの軽やかな香りが特長の、爽やかで夏向きな印象のビールです。

 それにしても、この「水曜日のネコ」という商品名はどうなんだろうね? 先週の「インドの青鬼」はわかるんですよ。"India Pale Ale"のIndiaはそのまま「インド」だし、"Pale"には「青い」という意味もあるし。 それに対してこちらは商品名だけからは内容が想起しづらいと思います。せめて「水曜日の白ネコ」だったら良かったような。

サントリー ジャパンプレミアム リースリング・フォルテ 2015
名称Suntory Japan Premium Riesling Forte 2015
サントリー ジャパンプレミアム リースリング・フォルテ 2015
生産者サントリーワインインターナショナル 登美の丘ワイナリー
価格1,728円
購入店サントリー 登美の丘ワイナリー

 本日の夕食は、先付が枝豆、馬刺しの燻製、辛し蓮根。前菜が真鯛のカルパッチョ、メインが豪州牛のサイコロステーキ、サラダがブロッコリーとトマトとサラダチキン、 スープがベーコンレタストマトスープ。豪華版であります。 ワインは、今月の稽古日誌の冒頭で日本ワインへの偏愛を書いたこともあり、日本ワインが飲みたくなっちゃいました。 ということで、先月登美の丘ワイナリーに伺った際に購入してきたワインをチョイス。 サントリーの日本ワインでは一番お手頃価格の「ジャパンプレミアム品種シリーズ」から、 めったに見ることのないリースリング・フォルテ。 聞きなれない品種名ですが、日本固有のブドウ「甲州三尺」と欧州系ブドウ「リースリング」を交配した、サントリーが独自で開発した品種らしいです。

 色はほぼ無色、というか本気と書いてマジに無色です。香りは弱め。香りからはリースリングの要素は全く拾えず、 和柑橘のようなシュッとした香りがメインでほぼ甲州一色の香りです。 口に含むと、ちょっとビックリするくらい厚みがあります。 その厚みも、甘味はほぼ感じなくて酸味と旨味だけで構成されています。 酸味がリースリング、旨味が甲州といった感じなのかな・・・あくまで想像ですが。

 ストレートな印象を言えば、かなり酸っぱいワインです。だもんで飲み手を選びます。でも個性的ではあります。 甲州って、酸味が足りなくてややボケたような印象を受ける場合もあるけど、この品種はその心配はなさそうです。 ただやっぱり一般ウケは難しいかもだな。師範は好きですよ、こういうのも。 若干の判官贔屓が入っているのも自覚しているけど。

点数73点