稽古日誌:2025年2月

神明社の梅

 2月です。左写真は道場近所の神社に咲く梅。今年は開花が遅れているそうですね。桜はどうなるのかな?

 さて安ワイン道場師範に於きましては、本年4月からちょっと生活が変わります。 第二の人生を考えるお年頃になっちゃいましたからね。 合わせて、このサイトももう少し活用しようかなぁ、なんて考えています。 もうすぐ1万本の記録を有効に使いたいところですが、どうするかは全く未定です。 広告がウザくなくて、押し売りっぽくなくて、読者な方に嘘もつかずに済んで有益 ・・・なんて都合の良いなマネタイズ手段は無いですかね?

 いずれにせよ、サイト自体は今まで通り続けていく所存ですので今後ともよろしくお願いします。

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8日(土)

チリ産メルロー対決

 本日は、先週に引き続き「G7とコノスル、どっちが美味いの対決」パート2。 本日の稽古品種はメルローです。『え、一般的なカベルネ・ソーヴィニョンじゃないの?』という声も聞こえてくるようですが、 G7のカベルネはもう飲んじゃったんでしかたがありません。 主力品種以外をどれだけ手抜きせずに造っているか、というあたりに焦点を置きたいと思います。

G7 Merlot 2023 [Vina del Pedregal]
名称G7 Merlot 2023
ジーセブン メルロー 2023
生産者Viña del Pedregal
ビーニャ・デル・ペドレガル
価格467円 (単品価格:561円)
購入店セイコーマート オンライン

 まずこちらは北海道のコンビニチェーンである「セイコーマート」が輸入しているジーセブン ヴィンテージは2023年、畑はマウレ・ヴァレーにあるようです。 裏ラベルに"Vegan"のマークがあるので、清澄に生卵とかは使われていないんでしょうね。

 色は、メルローらしく暗めで濃いめ、でもきちんとフィルターが掛かっているらしく清澄感のある青紫色。 香りは「ザ・メルロー」っすね。トーン低めの果実の香りにほんのり古い蔵と消し炭の香り。 果実香バリバリって感じじゃないあたりがメルローです。 味わいは、「これが500円以下で良いの?」ってくらい本格派。 酸味も甘味も渋味もしっかりしていて、それぞれが個別に感じられはするけどポテンシャルは十分です。

 「G7は美味い」という世間の評判は正しいと思います。 ややマイナー品種のメルローでも手抜きは無く、しっかり品種の個性が伝わる仕上がりになっていると思います。 再度「これが500円以下で良いの?」です。

点数77点
Cono Sur Bicicleta Reserva Merlot 2022 [Vina Cono Sur]
名称Cono Sur "Bicicleta" Reserva Merlot 2022
コノ・スル "ビシクレタ" レゼルバ メルロー 2022
生産者Viña Cono Sur
ビーニャ・コノ・スル
価格803円 (単品価格:938円)
購入店カクヤス保土ヶ谷店

 対するこちらはみんな大好きコノ・スルです。 もちろん何度も稽古していまして、前回の稽古は2020年産だけどほとんど情報無し。 正直なところ雑に飲まれがちな銘柄ではあると思いますね。

 色は、G7とほぼ同じ、ちょっとだけ気のせいレベルで濃い気はします。 香りは、G7と同様のメルローらしさに加えて、樽熟しているかは不明ですがなんとなくチョコレートっぽい香ばしさを感じます。 味わいは、甘渋酸のバランスはほぼ同じですが、1年熟成している分ややまとまりが出ている気がします。

 やっぱりコノスル、侮れないっすよ。 日本中ちょっと大きめの酒屋にはだいたい置いてあるくらいの流通量がありながらこのクオリティ。 「安くて美味しいワインを教えてください!」と無邪気&無報酬で聞かれたら『自転車ラベルを買いなさい』と今後も言うことにします。

点数78点
チリ産メルロー対決

 合わせた料理は手作りギョウザ。豚肉は豚バラのブロックから叩くと肉々しくて美味しゅうございます。

 それはそうとこれらのワイン、1,000円以下で、ホントどちらも良く出来ています。 この円安の折でもこういう価格で供給して頂いているインポーター各社には頭の下がる思いです。

 半分近く残っていそうなので、後日に再稽古の結果を公表します。 あと、次の対決相手が無くなったので、これで終わりにするかどうするか思案中です。ロゼも買うかな?


7日(金)

Beau Geste Pinot Noir 2022 [Maison Gabriel]
名称Beau Geste Pinot Noir 2022
ボー・ジェスト ピノ・ノワール 2022
生産者Maison Gabriel
メゾン・ガブリエル
価格879円
購入店オーケー みなとみらい店

 本日の夕食は、ポークチャップ、玉ねぎ&ベーコン入りオムレツ、レタスとトマトとクリームチーズのサラダ。 ワインは、オーケーストアで879円で買った安ピノ・ノワール。 実はこのワイン、同じものを稽古済み、完全に忘れていてまた買っちゃいました。 なんか美味しそうに感じたんですよね。以前の稽古の際は高評価だったので一安心して稽古します。

 色は、ピノ・ノワールとしては結構濃いめ。"Vin de France"格付けですが、もちろん南仏産だと思われます。 香りもいかにも南仏のピノ。果実っぽさに加えて革のようなケモノ感がしっかり感じられます。 残念ながら前回言及した樽っぽさは気のせいだったように思われます。 味わいは、普通に甘酸っぱくて軽い渋味。こちらもいかにも南仏のピノって感じです。

 この手のワインは若い方が美味いからか、一度経験した先入観からか、前回ほどのイケてる感はないのですが、 それでも値段の割には美味しいピノだと思いますよ。なんたってこのお値段ですからね。

点数78点

6日(木)

ジェイド・ルーム 全体

 本日は、お知り合いでインポーター「モトックス」の中の人である 中塚 龍雄さんにお誘い頂いて、 モトックスさんが取り扱いを始めたシャンパーニュの造り手 Lanson (ランソン)のテイスティング・イベントにお呼ばれしております。

 会場は、前回のハッティングヴァレーの時と同じ、 東京エディション虎ノ門の31階にあるジェイド・ルームというところ。 前回はガーデン・テラスでしたが、外は寒いので今回はロビー・バーにての開催です。

ジェイド・ルーム テーブル

 バーエリアに足を踏み入れると、さすがはシャンパーニュのイベント、と~っても華やかな感じでございます。 師範みたいな理系の陰キャな田舎者が参加するのはおこがましく、まさに「港区女子パリピの集い」ですな。 それでもお声掛け頂いた以上はきっちり拡散すべく、カメラマンに徹しておりました。

ジェイド・ルーム マリアン・ジョフロワ

 乾杯のご発声は、ランソンの中の人マリアン・ジョフロワさん。 月曜に来日して日本各地を廻って明日帰国されるというハードスケジュール。 それでも笑顔を絶やさないイケメンなフランス紳士でございます。ランソンに関しての説明をサラリと。


  • 設立は1760年
  • 英国王室御用達の称号を一度も失ったことのない唯一のメゾン
  • ブドウ畑は430ha、うち60haは自社畑
  • グラン・クリュとプルミエ・クリュが50%
  • 55もの単一区画別ステンレスタンク
  • 基本的にノンマロラクティック発酵
  • 広大な地下セラーで長期熟成可能
  • 最低熟成期間はスタンダードな銘柄でも48ヶ月

  • ・・・というようなことを話されていたんだと思います(撮影に集中していてほとんど聞いてませんでした)

    ジェイド・ルーム 乾杯

     それでは乾杯!Votre Sante!

     ちなみにランソンに関しては、ネットショップ「葡萄畑ココス」さんのブログでとても詳しく説明されています。 ぜひ↓コチラもご確認ください。
    英国王室御用達「ランソン」違いを感じるシャンパンの楽しみ方

    Lanson Le Black Creation 258 N.V. [Lanson]
    名称Lanson "Le Black Création 258" N.V.
    ランソン "ル・ブラック・クリエイション 258" N.V.
    生産者Lanson
    ランソン
    価格(希望小売価格:9,000円)
    購入店モトックス

     まずは一番スタンダードなブラック・クリエイションから頂きます。以前の名称はブラック・ラベルでした。 ラベルには番号が記されていて、このボトルは258、ベースヴィンテージの2018年は創業から数えて258番目の収穫年だったからだそうです。 最近、こういうエディション番号を付与するメゾンが増えていますね。 ベースヴィンテージの特定が容易になるとともに、新しいエディションは飲んでみたくなるという消費者の購買意欲を刺激する作戦でもあると思います。


  • 品種はピノ・ノワール 50%/シャルドネ 35%/ピノ・ムニエ 15%
  • ベース・ヴィンテージは2018年、リザーヴワインは32%
  • デゴルジュマンされたのは2023年12月

  •  照明が暗めなので色は良くわかりませんが、泡のキメの細かさと泡のボリュームはさすがシャンパーニュです。 香りは、スタンダード・レンジながらかなり複雑で、リンゴのようなフルーツにクロワッサンっぽい香ばしさも感じます。 味わいは、ノン・マロラクティック発酵らしく酸味がしっかりしていますが、酸っぱいって感じではありません。 旨味が酸味をうまく包み込んでくれています。

     いきなり美味いっすね。師範はどちらかというと木樽発酵あり&マロラクティック発酵ありなシャンパーニュが好きだと思っていたのですが、 これも良いっすね。ほんっとシャンパーニュは奥が深くて困ります。

    点数83点
    ジェイド・ルーム フィンガーフード

     おつまみは、オシャレなフィンガーフードをいろいろと用意して頂いております。 最初写真ばっか撮っていたら、これらが全部無くなって「すわ!出遅れたか!」と思ったのですが、 幸い後からも追加されていました。美味しかったです(語彙力)

    Lanson Le Rose Creation 67 N.V. [Lanson]
    名称Lanson "Le Rosé Création 67" N.V.
    ランソン "ル・ロゼ・クリエイション 67" N.V.
    生産者Lanson
    ランソン
    価格(希望小売価格:13,500円)
    購入店モトックス

     お次はロゼでございます。お値段はグンっ!と上がって希望小売価格は5桁円です。 仕方ないことですけど高くなったよなぁ、シャンパーニュ。 ホントこういう機会でも無ければ、 師範みたいな庶民には縁遠い存在になってしましました・・・なんてネガティブな話はやめておきましょう。


  • 品種はピノ・ノワール 52%/シャルドネ 34%/ムニエ 14%
  • ベースヴィンテージは2019年、リザーヴワイン比率は29%
  • デゴルジュマンされたのは2024年7月

  •  こちらも、照明の加減でワインの色はあまりよくわかりませんが、やや薄めのサーモンピンクだったような気がします。 ほんのり香りにベリーの雰囲気を感じるような気がしますが、正直師範のレベルではあまりその差を鼻で感じ取ることはできません。 品種構成はブラック・コレクションとほぼ同じですから、香りの要素はそんなに違わないのかも知れません。 味わいは、こちらの方がよりフレッシュというか、若い印象がありました。ベースワインのヴィンテージが1年若いからかも知れません。

     こちらも美味しいシャンパーニュですよ。 ただ、ロゼ・シャンパーニュの付加価値はその色にあると思うのですが、暗めの照明下ではそれが発揮できずにちょっと残念でした。 せっかくのプレミアム感を演出するには、明るい時間の方が良いかもですね。

    点数82点
    ジェイド・ルーム マリアンさんと田邉さん

     こちらがマリアンさんと有名ソムリエ田邉さんのツーショット。 やっぱイケメンは絵になるわ、畜生め!来世はイケメンに生まれて浴びるようにシャンパンが飲める人生を掴んでやるゼ(笑)

    Lanson Le Blanc de Blancs N.V. [Lanson]
    名称Lanson "Le Blanc de Blancs" N.V.
    ランソン "ル・ブラン・ド・ブラン" N.V.
    生産者Lanson
    ランソン
    価格(希望小売価格:15,500円)
    購入店モトックス

     個人的な負け惜しみは置いといて、お次はブラン・ド・ブランです。 ブラン・ド・ブランにはエディション番号が付かないんですね。なぜ?ってなことを聞けば良かったですね。 ただ、フランス語で流暢にコミュニケーションをとっておられる婦女子に紛れて質問するのは、 ノミの心臓を持つ師範には無理なことでした(泣)


  • 品種はもちろんシャルドネ100%、特級&一級畑の割合は70%
  • ベースヴィンテージは2017年、リザーヴワイン比率は40%
  • デゴルジュマンされたのは2023年5月

  •  さすがに5年の熟成期間を経ているだけあって、香りに複雑さがあります。 リンゴの香りもより熟れた感じになって、わずかに高菜漬っぽい香りも感じられ、味わいも柔らかさが増したように感じます。 田邉さんに感想をお聞きしたら『ハッキリしていますね』とのこと。 何がはっきりしているのかは良くわからないのですが、なんとなく納得させられるものがありました。

     皆さんの反応を見ていると、このブラン・ド・ブランが一番人気だったように思います。 師範も、今回の4種類の中ではこの銘柄が一番好印象でした。 普段は「黒ブドウ比率が高い方が好き」なんて言っているのに自分の味覚なんてアテにならないものです。

    点数85点
    ジェイド・ルーム 矢田部さん

     こちらが、シャンパーニュを華麗にサービスされているソムリエの矢田部さん。 なにが凄いって、グラスを持っていくと「次は3番目ですよね」とか、 20人以上いる参加者それぞれがどこまで飲んだか覚えていらっしゃるんですよ。 人の顔や名前を覚えるのが苦手な師範には全く無理な芸当です。

    Lanson Le Vintage Brut 2013 [Lanson]
    名称Lanson "Le Vintage" Brut 2013
    ランソン "ル・ヴィンテージ" ブリュット 2013
    生産者Lanson
    ランソン
    価格(希望小売価格:16,000円)
    購入店モトックス

     いよいよ今回のメインたる1本、「ル・ヴィンテージ」でございます。 ラベルの真ん中にでかでかとヴィンテージが記されています("2013"のフォントはちょっと安っぽい感じなのが残念) ブドウが収穫された年である2013年は、過去30年の中で最も遅い収穫となった年だそうです。


  • 品種はピノ・ノワール 53%/シャルドネ 47%。特級&一級畑の割合は100%
  • 9年間のエイジングの後、デゴルジュマンされたのは2022年9月

  •  色は、ブラック・コレクションやブラン・ド・ブランと比べると明らかに濃い、薄い黄金色な感じでした。 香りはなんとなく栗の甘露煮みたいな「高いシャンパーニュの香り」がします。温度が上がると特に顕著になってきます。 味わいは、甘くは無いんだけど甘味を感じるんですね。濃いエキス分を甘さとしてとらえているのだろうと思います。

     やっぱり高いシャンパーニュは美味いっすわ。でも、どこかリテラシーが必要な美味しさというか、左脳で味わっているような感じはあります。 ダイレクトに美味しいのはブラン・ド・ブランかなぁ。シャンパーニュを飲みなれた方にはもちろんこっちだと思いますが。

    点数84点
    ジェイド・ルーム 中塚さん

     こちらが、今回ご招待頂いたモトックスの中塚さん(ツイッターのアカウント)。 招待客のうち、男性はソムリエの田邊さんと師範だけ、という異業?をやってのける方です。 「インフルエンサー」なんてガラではありませんが、微力ながら精一杯拡散させるよう努力しますので、今後ともよろしくお願い申し上げます!

    ジェイド・ルーム 東京タワー

     東京タワーをバックに乾杯。東京タワーと照明の反射が重なって、 ちょうどランソンのシンボルマークである「ランソン・クロス」みたいに見えませんか? 見えなくても見えてください!

     そんな感じのシャンパーニュ「ランソン」のイベント。午後6時から8時までの2時間、しっかり楽しませて頂きました!

    ジェイド・ルーム ランソン4種類

    頂いたランソン4種類。やっぱりシャンパーニュは美味しいっすね。

    TROMBA 看板

     イベントが終了したのは午後8時過ぎ、まだ夜は長いな、ということで一人二次会へ。 向かったのは、神楽坂にあるTROMBAというお店。 以前は六本木のWine Bar 310というお店のマスターだったサトウさんが12月にオープンされたお店です。 年始にお年玉として1,000円のクーポン券を頂いたので、それを使うべく向かいました。

    TROMBA カウンター

     店内は、カウンター6席と4席のテーブル一つ。ワンオペで廻すにはちょうど良いくらいのサイズですね。 この日は『予約無しです!』とツイートされていましたが、伺ってみると空きはあと一席、師範が入ると満席でした。 繁盛店のようなので、予約した方が良いと思います(もちろんも師範も神谷町を出る際に連絡入れました)

    Lahnhof Kerner 2012 [Lahnhof (Tenute Costa)]
    名称Lahnhof Kerner 2012
    ラーンホフ ケルナー 2012
    生産者Lahnhof (Tenute Costa)
    ラーンホフ (テヌーテ・コスタ)
    価格1,200円 (Glass)
    購入店TROMBA

     『何から始めますか』と聞かれて「泡はすでにたっぷり飲んできたので白からお願いします」と返答、 『白はサッパリ系ですか?シッカリ系ですか?』と聞かれて「まずはサッパリ系でお願いします」と返答。 2本の選択肢を提示して頂き、まだ抜栓してなかった方をお願いしたのですが、開けてみたら軽いブショネだったとのこと。 代替案として抜栓して頂いたのがこちら、北イタリアのケルナーです。もちろん初稽古の銘柄です。

     グラスに注いで頂いて、まずその色にちょっとビックリ、かなり琥珀色に近い濃い色合いになっています。 「え~?ケルナーってこんな色だっけ?」と思って改めてラベルを見ると、ヴィンテージが2012年とかなり年季が入っているですな。 そういうワインがサラリと出てくるのが嬉しいですね。 香りは弱めに感じました、というか、オープンキッチンのカウンターだとどうしても調理の香りに惑わされますね。仕方ないところだと思います。 深く嗅ぐと、マーマレードのような甘めの柑橘香が感じられます。 そういう香りに反して、味わいはしっかりと辛口でキリッとしています。コントラストがはっきりした味わいです。

     造り手もインポーターも知らないところですが、サトウさん曰く 『せっかくお店で飲んで頂けるのですから、家では飲まないようなものをお出ししたいと考えています』とのこと。 そのお考え、全く同意させて頂きます。

    点数81点
    Andata E Rritorno 2022 [Ancarani]
    名称Andata E Rritorno 2022
    アンダーダ・エ・リトルノ 2022
    生産者Ancarani
    アンカラーニ
    価格1,200円 (Glass)
    購入店TROMBA

     2杯目は、「しっかりした白か、ロゼか、オレンジをお願いします」と注文させて頂きました。 ハイ、ココ重要、不自然派を自任する師範の口から「オレンジを」なんて言い出すのは大変珍しいわけですよ。 そこで出して頂いたのがこちらのオレンジ。 イタリアのエミリア・ロマーニャ州のワインで、品種はアルバーナ、ファモーゾ、グレケットジェンティーレ・・・全部知らない品種です。

     色は、そんなに濃くないけどちゃんとオレンジなオレンジ色です。 香りは、前述したように拾いづらくはあるのですが、しっかり嗅ぐとグレープフルーツの皮のような柑橘香と、 良い自然派によくある高級石鹸の香りがします。 味わいは、酸味しっかりで旨味もたっぷり、軽い渋味もあってオレンジらしい味わいです。

     良いですねぇ、オレンジワインも美味しいんですよ。 ただ、「オレンジワイン」というカテゴリーの中での解像度が一向に上がりません。 いつまで経っても「これは美味しいオレンジですね」止まりです。

    点数79点
    Portugieser Feinherb 2020 [Winzergehossenschaft Herxheim am Berg]
    名称Portugieser Feinherb 2020
    ポルトギーザー ファインハーブ 2020
    生産者Winzergehossenschaft Herxheim am Berg
    ヴィンツァーゲホッセンシャフト・ヘルクスハイム・アム・ベルク
    価格1,000円 (Glass)
    購入店TROMBA

     3杯目は「軽めの赤をお願いします」と注文させて頂きました。 そうしたら『※△○×◇◎▽にしますね』と言われましたが、聞きなれない単語だったので聞き取れません。 もう一度確認すると『ポルトギーザー』という品種名だったんですね。初耳の品種です。 産地はドイツのファルツ地方、ドイツでは結構多く栽培されている品種のようです。まだまだ知らないこと多いなぁ、を実感します。

     色は、どちらかというと薄めなのですが、青みを感じるあたりに北の品種らしさがあります。 香りには、サクランボやザクロといった酸を感じる赤い果実の香りがあります。どことなくピノ・ノワールっぽい香りですね。 味わいは、赤ワインですが渋味はとても軽めで、甘酸っぱさがしっかりしています。沁み入るような味わいです。

     これは大変気に入りました。香りは穏やかですが味吟醸、しみじみ美味しいワインです。 ポルトギーザー、また一つ覚えておくべき品種が増えましたよ。

    点数84点
    TROMBA 前菜盛り合わせ

     料理は軽い前菜盛り合わせ(1,100円)を出して頂きました。内容は下記です(奥から手前左から右に)


  • タマネギのバルサミコ炒め
  • パテ・ド・カンパーニュとリンゴのソース
  • 根セロリのレムラード
  • 自家製ジャンボン・ブラン

  •  ぱっと見は地味な感じですが、とても手の込んだ美味しいおつまみです。 タマネギは酸味のしっかりしたワインに合うし、パテカンはデザートワインまで守備範囲に入ると思います。

    Montepulciano d'Abruzzo Colle Maggio 2021 [Torre Zambra]
    名称Montepulciano d'Abruzzo "Colle Maggio" 2021
    モンテプルチアーノ・ダブルッツォ "コッレ・マッジョ" 2021
    生産者Torre Zambra
    トッレ・ザンブラ
    価格不明 (Glass)
    購入店TROMBA

     次は「濃いめの赤をお願いします」と注文したところ、『果実味たっぷりにしますか?タンニンしっかりにしますか?』 と聞かれました。なるほどそういう選択肢もあるんですね。 多分両方頂くだろうなぁと思いつつ、「ではまず果実味たっぷりの方からで」とお願いしたところ、 出して頂いたのはこちらのモンテプルチアーノ・ダブルッツォです。 初稽古の銘柄だと思っていましたが、調べたら19年前に2001年産と稽古しておりました。 さすがにそこまでは覚えてませんわ。

     色は、しっかりと濃くて黒に近い紫色です。 香りは、口のすぼまった大きめのもの(シュピゲラウのディフィニション・ブルゴーニュ?)にして頂いたので、 しっかりと甘いベリーを感じ取ることができます。 味わいも、渋味しっかり甘味もしっかり。仰る通り果実味たっぷりの味わいです。

     「これぞモンテプルチアーノ・ダブルッツォ!」ですな。 1本飲むとちょっと飽きちゃうかもですが、1杯だけだとしっかりスタートダッシュを決めてくれると思います。

    点数80点
    Toscana Syrah 2019 [Perazzeta]
    名称Toscana Syrah 2019
    トスカーナ シラー 2019
    生産者Perazzeta
    ペラッツェータ
    価格1,400円 (Glass)
    購入店TROMBA

     もちろん、もう一方の「タンニンしっかり」の方も頂きました。 出して頂いたのは、"Toscana Syrah"というトスカーナのシラー、名前のまんまですね。 トスカーナで造るフランス品種、ということで「スーパー・タスカン」の部類に入るんですかね? そのあたりの定義は良く分かっていませんが。

     色は、濃さの点では前のモンプルと同程度ですが、やや赤みを感じる気がしました・・・ってあまり覚えていません。 香りはこちらもとてもフルーツ感たっぷりですね。シラーって感じじゃ無くて、それこそプリミティーヴォとかみたいな香りです。 口に含むと、たしかにタンニンがしっかりしています。でも、「渋ッシブ!」って感じじゃ無くて、美味しいレベルの渋味です。

     良いっすね、トスカーナのシラー。 シラーやシラーズって、セイボリーな北イタリア産とフルーティなオーストラリア産という認識がありますが、 これはその中間くらいで良いとこ取りをしていると感じました。

    点数82点
    Riesling 2004 [St. Urbans-hof]
    名称Riesling 2004
    リースリング 2004
    生産者St. Urbans-hof
    ザンクト・アーバンホフ
    価格1,600円 (Glass)
    購入店TROMBA

     品性に欠ける気がしたので、ランソンのイベントのところには書いていなかったんですけど、 実はそこではグラス9杯分頂いています(4品種を二回通して最後にブラン・ド・ブラン)。 なので、このワインで実は15杯目です。多いよね。でも飲みたいんだから仕方がありません。 翌日の更新が大変になるのを憂いながら(実際は翌々日になっちゃいましたが)、「デザートワイン的なものを」とお願いしました。

     2004年産のリースリング、色はかなりしっかりしたオレンジ色です。 香りにはリースリングらしいペトロールと、ちょっと貴腐香みたいな雰囲気を感じます。そして味わいはしっかり甘いんです。 裏ラベルには『しっかりと完熟させ、遅摘みされたブドウ』と書かれていますのでなるほど!と思うのですが、 格付けはトロッケンベーレンアウスレーゼはおろか、シュペトレーゼでもないQ.b.A(クーベーアー)なのが不思議です。

     残念ながらワイン自体のことはあまり覚えちゃいないわけですが、 1日を締めるのにふさわしいしっかり熟してしっかり熟成した甘口ワインだったと思います。ごちそうさまでした。

    点数83点
    TROMBA 店内

     そんなお店の初訪問、お会計は1,000円のお年玉クーポンを使ってトータルは6,500円・・・ 「安いなぁ」と思って帰宅途中でレシートを確認したら、 モンテプルチアーノのお勘定が抜けていたようです。ありがとうございます!そのうちなにかで埋め合わせします>サトウさん


    5日(水)

    Berger des Abeilles Rose 2022 [Amedee]
    名称Berger des Abeilles Rosé 2022
    ベルジェ・デ・ザベイユ ロゼ 2022
    生産者Amédée
    アメデ
    価格990円
    購入店ワイン&WINE

     「水曜は休肝日明けなので残業禁止」を座右の銘としてきたのに、諸般の事情により飲み始めが遅くなりました。 本日の夕食は寄せ鍋で、家族は既に食べ終わるころに師範が参加しております。 そういうご家庭は多いと思いますが、やっぱり家族一緒に夕飯は食べたいですよね。

     そんな夕食に合わせて、おっとり刀で選んだのは南仏産のロゼ。 「鍋=ワインを選ばない」&「ロゼ=料理を選ばない」ということで超無難なチョイスです。

     色は、ロゼというより薄いオレンジ、かなり白ワイン寄りの色合いです。 ところが香りはちょっと赤ワインっぽいんですよ。ベリー感がちゃんとあって、目を瞑ったら赤だと思うかもです。 味わいは、甘さ控えめ薄い酸味と軽い苦味。特段の主張がない、ニュートラルな味わいです。

     色は白みたいに淡いけど、香りは赤っぽいロゼです。 めっちゃ美味しいわけじゃないけど、1,000円以下っすからね。 日本の普通の食卓に合うワインだと思いますよ。

    点数72点

    2日(日)

    町内会の餅つき

     あいにくの雨模様でしたが、本日は朝から地元町内会の餅つきに伺いました。 以前はお爺お婆ばかりで搗き手が足りない状況でしたが、町内に比較的大規模なマンションが出来て、 そこの自治会も共同での開催となったみたいで、一気に若返りが図られました。

     普通にお餅を頂いて帰る予定でしたが、途中で地元選出の国会議員さんは挨拶に来るし、 次女は突然成人の挨拶させられるし、なんだかカオスな状態になっておりました。

    町内会の餅

     ともあれ搗きたての餅は美味いっすね。いそべ餅、きなこ餅、あんころ餅、どれも秀逸でした。 搗きたて餅が食べられる飲食業態、きっと次に来ると思います。

    G7とコノスル、シャルドネ対決 二日目

     お昼は、昨日の比較稽古の残りでアペロしております。 稽古日誌には「それぞれに半分弱残った」なんて書いていましたが、嘘つけ!それぞれ1/3も残っとらんぞ!と怒り心頭>To 昨日の師範

     ともあれ明るいうちに頂く白ワインは美味いっすね。

    Jacob's Creek Sparkling Rose N.V. [Jacob's Creek]
    名称Jacob's Creek Sparkling Rosé N.V.
    ジェイコブス・クリーク スパークリング・ロゼ N.V.
    生産者Jacob's Creek
    ジェイコブス・クリーク
    価格1,307円
    購入店オーケー みなとみらい店

     本日は節分なので、世の流行に乗って道場でも「なんちゃって恵方巻」を食すことにしております。 「なんちゃって」の理由は、太巻きじゃなくて細巻きの手巻き寿司だからです。 そんな料理に合わせたのは、豪州のロゼ・スパークリング。節分だから華やかに、ですね。 ちなみにこの銘柄とは、10年以上前にピッコロサイズと稽古しております。

     泡の強さは、シャンパーニュあたりと比較するとかなり弱め、強めのペティアンくらいな感じです。 色は、写真からもわかるようにやや濃いめのオレンジピンクです。 香りは、シャルドネ由来のグレープフルーツのような柑橘香と、ピノ・ノワール由来のベリーっぽさが感じられます。 熟成期間は短めなのか、イーストっぽさとかは無くてストレートにフルーツの香りですね。 味わいは、甘さそこそこで酸味しっかり。標準的なスパークリングのバランスだと思います。

     特段の個性は無いけど、普通に美味しいロゼ・スパークリングだと思います。 裏ラベルには『どのような機会にもお楽しみ頂けます』と書かれていますが、確かにそうだろうなぁ、とも思います。


     小瓶保存して翌々日再稽古。色はやっぱりキレイですが、泡立ちは弱くなりました。 香りや味わいは大きな変わりなく、グレープフルーツとほのかなベリーの香りと味わいです。

    点数73点
    ジェイコブス・クリークと手巻き寿司

     細巻きの手巻き寿司、魚はオーケーの手巻き用の魚+α、でもお米は寿司桶に入れてます。 やっぱり寿司桶は大事っすよ。米がベチャベチャしないし。気分はアガる。みんなサワラ材の寿司桶買おうぜ!


    1日(土)

    サッポロ サクラビール

     2月になって、春デザインのビールがスーパーの棚に咲き始めました・・・ ってことで本日のアペロはサッポロのサクラビール。大正時代に北九州のビール工場で造られていたものを現代風にアレンジしたそうです。

     色はちょっと濃いめ、泡立ちと泡持ちは控えめ。 雰囲気としては赤星に似ているかも、昔のキリンラガーみたいな、懐かしさを感じるビールです。 ラベルの雰囲気に合っていますね。

    G7とコノスル、シャルドネ対決

     それでは、肝臓も温まったところで「G7とコノスル、どっちが美味いの対決」をしめやかに開催いたします。本日は白の定番シャルドネ。 ヴィンテージが揃わなかったのが残念ですが、まぁ細けぇこたぁ気にせんといてください。

    G7 Chardonnay 2024 [Vina del Pedregal]
    名称G7 Chardonnay 2024
    ジーセブン シャルドネ 2024
    生産者Viña del Pedregal
    ビーニャ・デル・ペドレガル
    価格467円 (単品価格:561円)
    購入店セイコーマート オンライン

     まず上の写真左側が、北海道のコンビニチェーン「セイコーマート」が輸入するG7のシャルドネ。 "G7"とは「7代目」という意味らしいです。結構歴史があるんですな。 ちなみにこの銘柄、2023年産のミニボトルと北海道旅行の際に稽古済み、 かなり好印象でした。

     色はかなり薄め、澄んだレモンの果汁みたいな外観です。 香りは・・・これシャルドネ100%じゃないよね、絶対ソーヴィニョン・ブランが入っているよね~なハーブ香。 白桃に加えてトロピカルな感じがあるのもシャルドネ単体ではない感じです。 味わいは、甘さ控えめでかなりシャープな感じ。そんなあたりもソーヴィニョン・ブランっぽいのよね。

     「どちらが一般ウケする入門編白ワインか」というKPIだと、こちらに軍配を上げます。華やかでわかりやすい白ワインです。 もしこれがシャルドネ単一だったとしたら、かなり若摘みしてフレッシュ感を出したのかな? 良く考えられたマーケティングだと思います。


     翌日昼から、1/3弱残った分(スクリューキャップを戻してセラーに立てて保存)と再稽古。 大きな変化はないのですが、昨日の方が香りにフレッシュ感があったようにも思います。 気のせいかも知れません。

    点数77点
    Cono Sur Bicicleta Reserva Unoaked Chardonnay 2023 [Vina Cono Sur]
    名称Cono Sur "Bicicleta" Reserva Unoaked Chardonnay 2023
    コノ・スル "ビシクレタ" レゼルバ アンオークド・シャルドネ 2023
    生産者Viña Cono Sur
    ビーニャ・コノ・スル
    価格803円 (単品価格:938円)
    購入店カクヤス保土ヶ谷店

     「安ワイン道場師範」を名乗る以上、安ワインの入門銘柄コノ・スルとの定期的な稽古で定点観測は怠れません。 一番ベーシックな自転車印「ビシクレタ」シリーズのシャルドネ、 前回の稽古は2021年産です。ラベルのデザインが変わりましたね。 稽古が1年開いちゃってゴメンナサイ。

     外観は、薄めのレモン色ではあるけどG7より相対的に濃いめに感じます。ヴィンテージのせいかどうかはわかりません。 香りは「これぞシャルドネ!」ですね。熟れたリンゴに蜂蜜。"Unoaked"なので樽熟はしていないみたいなのですが、 種由来かどことなく香ばしさも感じます。 味わいは、明確にこちらの方が甘さがあります。でも、まだ辛口の範囲内というか、アクセントとしての甘味。 良くわかってるなぁ、って感じです。

     「どちらが美味しいシャルドネか」というKPIだと、やはりコノ・スルに軍配を上げざるを得ません。 上手だよなぁ、コノ・スル。安くて美味しくてどこでも買えて、もはや社会のインフラと言っても過言ではないと思います。


     こちらも、↑のワインと同等の量を同様の保存状態で再稽古。 ここでやっぱりお値段の差が出るわけですよ。こちらは明らかに香りが開きました。 特に香ばしさが増して、高級感が出ています。"Unoaked"なのに不思議よね。 数日に分けるのであればやっぱりコノ・スルですわ。

    点数78点
    G7とコノスル、シャルドネ対決

     ちなみに本日の夕食は、 豚ヒレ肉のソテー(ハーブ風味と照り焼き風味)、茄子とトマトの揚げびたし、ほうれん草とトマトのサラダ、オニオンスープ、昨日の残りのコロッケです。 安いけどそこそこしっかりしたシャルドネたちだったので、料理に負けずに健闘してくれました。

     明日は節分、メニューは「セルフ恵方巻」の予定ですので、それぞれに半分弱残った分をそれにも合わせたいと思います。